GDPギャップの推移を分析し、景気回復局面における需給バランスの改善と今後の潜在成長率向上に向けた課題を概観する。
タグ: GDPギャップ, 潜在成長率, 景気回復, デフレ脱却, 経済再生
第1章 景気回復の現状と課題 3 需給ギャップの縮小と潜在成長率向上への課題 以上で、景気回復の持続性について確認したが、ここではデフレ脱却・経済再生及び中長期的な成長力という観点から、GDPギャップと潜在成長率の動向について概観した上で、潜在成長率引上げに向けた課題について述べる。 ●GDPギャップは、プラスに転じる GDPギャップは、一国全体の財・サービス市場において、総需要(=実際のGDP)と、景気循環の影響を均してみた平均的な供給力(=潜在GDP)の乖離率として計算され、需給ギャップとも呼ばれている10。経済全体の需要と供給の過不足を示す指標であることから、その動向は、景気判断の参考指標として用いられると同時に、後述するように、物価の先行きを予測するための指標としても用いられており、デフレ脱却・経済再生の観点からも重要な指標である。 GDPギャップの長期的な推移をみると、おおむね景気拡張期にプラス方向、景気後退期にマイナス方向へと推移している(第1-1-14図)。今回の景気回復局面においても、消費税率引上げ時や、2015年半ば以降の新興国経済の減速時等に変動したものの、総じてGDPギャップは縮小しており、2017年以降においては、プラス傾向が続いている。 第1-1-14図 GDPギャップの動向 (%) 6.0 4.0 2.0 0.0 -2.0 -4.0 -6.0 -8.0 1980 85 90 95 2000 05 10 15 18(年) (備考) 1. 内閣府「2016年度国民経済計算年次推計」、「固定資本ストック速報」等により作成。 2. シャドー部分は、景気後退期。 注 (10) 吉田(2017)、川本他(2017)。 28