三重県信用保証協会と赤磐商工会を例に、組織連携と人材育成を通じた中小企業への質の高い伴走型支援の強化事例を紹介する。
タグ: 中小企業支援, 伴走型支援, 人材育成, 業務効率化, 経営改善
【重要な取組3】支援機関における事例 支援機関の取組 「連携の推進役となり、質の高い伴走支援の枠組みを実現している支援機関」【三重県信用保証協会】 三重県津市の三重県信用保証協会は、中小企業や小規模事業者の資金調達を支援する公的機関。新型コロナ関連の借入負担が増す中、収益改善が進まない企業の返済懸念が顕在化し、保証後の経営改善支援の重要性が高まっていた。 2021年4月に「三重県中小企業支援ネットワーク推進事業(現愛称『み・エールbiz』)」を開始。県内主要金融機関や商工団体から出向者を受け入れ、中小企業診断士や協会職員と専任チームを構成。各メンバーのノウハウと外部専門家の活用により、質の高い経営支援を実現。また、支援の質を更に高めるため、個別事例研究会を毎年開催し、ノウハウ共有を推進した。 支援を受けて行動計画を策定した企業数は、2025年12月末時点で累計690社を超え、小規模事業者を主に売上高や営業利益率の改善効果が確認されている。さらに、出向を終えた金融機関職員が帰任後にノウハウを持ち帰ることで、金融機関の支援力向上にもつながっている。「み・エールbiz」のメンバー 個別事例研究会の様子 「相談員の支援力強化と業務改革により、支援の質向上に取り組む支援機関」【赤磐商工会】 岡山県赤磐市の赤磐商工会は、赤磐市及び岡山市東区瀬戸町エリアを管轄する支援機関。課題解決を支援する伴走型支援のニーズが高まる中、職員の支援力にばらつきがあり、初期段階から専門家派遣に依存するケースが見られていた。また、職員間の連携不足により十分な支援が提供できていない課題を抱えていた。 2020年度以降、伴走型小規模事業者支援推進事業を活用し、外部専門家や会員事業者を交えたロールプレイング研修を実施し、対話力や課題整理力を強化。さらに、専門家同行によるOJTとフォローアップで理論と実践を結び付けることで支援力を底上げ。コロナ禍では、資金繰り計画や経営改善に関する知識習得にも注力した。また、人材育成の時間確保のため、並行して業務改革を推進。業務のデジタル化やマニュアル整備、ビジネスチャット導入で業務連絡を効率化し、組織内コミュニケーションを促進した。 組織が一体となって伴走支援に取り組む体制が整い始めている。支援の質が向上したことにより、事業者からは単発の相談にとどまらず、継続的に相談に訪れるケースも増加している。 赤磐商工会のメンバー 外部講師を招いた研修の様子 37