小規模事業者がデジタル化やノウハウ共有を推進し、新たな顧客獲得やビジネスモデル転換によって成長を実現した2つの事例を紹介する。
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【重要な取組2】小規模事業者における事例② 経営リテラシー 「社内ノウハウの蓄積や情報共有力を強化し、多様な人材の活躍による生産性の向上を実現した企業」 【有限会社川田製作所】 運営管理 神奈川県小田原市の有限会社川田製作所は、1969年に創業した金属の精密部品を製造している企業(従業員数16名)。2019年に事業承継した川田社長は、安定した事業継続のためには、売上高の約8割を一社の取引先に依存する状況からの脱却が必要だと考えた。そのために多品種少量生産への転換を目指すに当たり、社内の情報共有の基盤構築とノウハウの共有が課題となった。 川田社長は、デジタルインフラの整備に着手し、生産・品質管理をクラウド化するとともに、全社員にタブレット端末を配布してリアルタイムの情報共有を実現。作業手順書も画像・動画付きでデジタル化し、分かりやすさを高めた。アナログな手法も大切にし、社員同士が講師となり仕事を教え合う「みんな塾」を立ち上げ、ノウハウ共有とコミュニケーション促進を実現している。 従来の主力顧客の受注構成比は約3割まで低下し、新たな領域で顧客が加わったことで安定した売上金の確保を実現した。ノウハウの共有化は、学習ハードルの低下につながっており、外国人や障がい者など誰もが活躍できる会社へと変化している。 川田俊介社長 デジタル技術が浸透する現場 「ECやデジタル化への取組を通じて顧客のニーズに応え、成長している企業」 【株式会社花工房あげたけ】 経営戦略 鳥取県北栄町の株式会社花工房あげたけは、1952年創業の生花販売を行う企業(従業員数9名)。根鈴社長は、人口が減少している地方圏では、「街の花屋」として受け身の営業を行うだけでは、今後の展望が開けないと問題意識を抱えていた。 根鈴社長は、自社のフラワーデザイナーによるデザイン力を武器に商圏を全国に広げることを狙い、2020年にECサイトを開設。SNSも活用して商品紹介や入荷情報を発信してサイト誘導を強化するほか、季節の花を定期配送する「お花の定期便」などの新サービスも展開し、リピーター獲得に工夫も凝らす。さらに実店舗では、花器に花木を挿して試せる「試着」サービスやカフェ併設など体験型の営業に転換し、県内外からの集客を実現している。 売上高は取組開始前の約1.5倍に増加。ECの売上げは、2020年以降、前年比2倍のペースで毎年伸び続けており、売上高全体の約25%を占める。今後は、ECへ注力しながら、店舗での顧客とのリアルなコミュニケーションも継続し、顧客が何に満足し、どのような商品を求めているかを探りつつ、次の一手につなげていく。 根鈴啓一社長 同社商品の花束 33