個人情報保護委員会による行政上の監視・監督事例と、諸外国における課徴金制度の現状について解説している。
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2 実効性のある監視・監督の在り方 13 (1) 課徴金、勧告・命令等の行政上の監視・監督手段の在り方 ア 課徴金制度 我が国の現状等(続) ● 委員会が行政上の対応を行った、個人データの違法な第三者提供・不適正利用等に関連する事案として、次のようなものがある。 ・ 人材サービス事業者及びその関連事業者が、新卒向け就職情報サービスにおいて、いわゆる内定辞退率を提供するサービスを本人の同意を得ずに同サービスの利用企業へ提供する等した事案について、両事業者に対して勧告等を行ったもの。 ・ 新破産者マップ事案について、勧告、命令を順次実施し、さらに、これに係る措置が取られなかったことを理由に刑事告発を実施したもの。 ・ 海外プラットフォーム事業者のサービスの利用者が、ソーシャルプラグインであるボタンが設置されたウェブサイトを閲覧した場合、当該ボタンを押さなくとも、ユーザーID、アクセスしているサイト等の情報が同社に自動で送信されていた事案について、指導を行ったもの。 ・ 名簿販売事業者が、販売先が、法に違反するような行為を行う者にも名簿を転売する転売屋だと認識していたにもかかわらず、意図的に販売先での名簿の用途を詳しく確認することなく、転売屋に名簿を販売した事案について、指導を行ったもの。 ● 委員会が行政上の対応を行った、事業者が漏えいの可能性を認識したにもかかわらず速やかに適切な措置を講じなかった事案として、民間事業者30社、独立行政法人1機関及び38の地方公共団体から委託を受けたコールセンターサービス事業者が行っていたコールセンター事業に関し、コールセンター業務で用いるシステムの保守運用を当該コールセンターサービス事業者から委託されたその関連事業者に所属し、システム保守運用業務に従事していた者が、委託元の顧客又は住民等に関する個人データ等を、長期にわたり反復的に不正に持ち出した事案がある。同事案について、委員会は、当該コールセンターサービス事業者及び当該関連事業者に対して、組織的安全管理措置の不備の是正のために必要な措置をとるよう勧告を実施したほか、指導、報告徴収を実施している。 ● 委員会が行政上の対応を行った、指導を受けたにもかかわらず速やかに適切な措置が講じられなかった事案として、タクシー関連事業者が、タクシー車内に設置したタブレット端末付属のカメラを用いてタクシー利用者の顔画像を撮影して広告配信に利用していたが、その旨をタクシー利用者に対して十分に告知していなかった事案がある。同事案について、委員会は、タクシー利用者に対する分かりやすい説明の徹底等について指導を実施したが、改善策が実施されていなかったことが判明したことから、再度の指導を実施している。 ● 個人情報の不適切な取扱いについて、金銭的不利益を課す行政上の措置を持つ外国制度として、EU、アメリカ合衆国(連邦、カリフォルニア州)、カナダ(現在検討中のCPPA)、中華人民共和国、大韓民国が見られる。 ● 諸外国におけるこれらの規律については、多額の制裁金を課している執行事例も確認されている。