装備品の可動数向上に向けた部品確保、部外委託、DX推進、PBL拡大と、自衛隊施設の強靭化に向けた整備計画の推進について解説する。
タグ: 防衛力強化, 装備品維持整備, DX, 施設強靭化, PBL
第2節 わが国の防衛力の抜本的強化 (2) 装備品の可動数の向上 ア 部品の確保 部品の確保については、装備品の高性能化などに対応しつつ、リードタイム(部品の納入までの期間)を考慮した部品費と修理費の確保により、部品不足による非可動を解消していく。このため、例えば部品の需要量をAIにより見積もる機能を補給管理システムに付加するなど、需給予測を精緻化し、部品の適正在庫を確保するほか、主要な補給倉庫を自動化・省人化、システム化することにより、正確な在庫管理を可能とし、部隊のニーズに応じて迅速に部品を供給することとしている。 イ 部外委託の推進 装備品の可動数を増やすにあたり、限られた資源を有効に活用するため、装備品の維持整備を部外委託するなど、部外力を活用している。 一部の装備品においては、維持整備計画の分析や、必要なデータ収集などを行い、検査や整備項目の削減を目指す部外委託の取組を行っており、より効率的な維持整備のための取組を推進している。これらの取組により、維持整備業務に従事する隊員や部隊の負担を軽減しつつ、装備品の可動数の向上を図っていく。 ウ デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入 各種業務を効率的に実施していくためには、最新のデジタル基盤を導入するなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、業務のあり方を大きく変革していく必要がある。このため、防衛省・自衛隊は、後方支援分野において、DXの導入を推進し、装備品の維持整備の最適化を図っていく。具体的には、AIを活用した補給管理システムを導入するほか、部品などの在庫状況をより一層適切に把握するため、電波によりICタグの情報を非接触で読み書きする自動認証技術(RFID)や、装備品の部品などを応急的に製造するための3Dプリンターについて、実証試験の成果も踏まえ、その導入を図ることにより、在庫管理などの効率化を進め、維持整備体制を最適化していく。 エ PBLなどの包括契約の拡大 2012年度から航空機を対象としたPBL契約を締結していたが、2021年度には艦船用ガスタービン機関のPBL契約を締結するなど、対象範囲を拡大している。効果的・効率的な維持整備を実現するために費用対効果を検証しつつ、装備品の可動数の向上につながるPBLの適用対象の拡大に取り組んでいく。 5 施設の強靭化 (1) 自衛隊施設の現状と取組 自衛隊施設は築年数が古いものが多く、施設の約4割が旧耐震基準で建設されているため、隊員の安全を確保し、有事においても容易に機能を失わないよう整備する必要がある。このため、駐屯地や基地などの全体(283地区)が保有する20,000棟以上の自衛隊施設を調査し、建替えなどの整備計画(マスタープラン)を作成して、優先順位を付けながら施設の建替えなどを効率的に進めている。 このほか、災害対策として、浸水防止対策、斜面崩壊防止対策なども進めている。 また、火薬庫の整備のほか、装備品の運用に必要な施設などを分散して配置することや、施設が被害を受けた際の復旧や代替措置など、強靭性を向上させるための各種取組を行っていく。 さらに、自衛隊施設の整備のみならず、在日米軍が使用する提供施設の整備を含む施設整備予算を適切に執行するため、2024年度に防衛省内部部局に建設制度官を新設し、より一層の入札・契約制度の適正化を図っている。 参照 図表III-1-2-17(分散パッド(イメージ))、V部2章1節4(防衛施設と周辺地域との調和を図るための施策) 33 装備品の可動数の向上と長期的なコスト抑制を図るための包括契約。 34 急傾斜の斜面が豪雨や地震などに伴って急激に崩落するもの。 297 令和7年版 防衛白書