消費者保護ルールの見直しと通信の秘密・利用者情報の保護について解説している。
第2節 電気通信事業政策の動向 の対応を要請している。また、この会合における分析結果や評価については、消費者保護ルールの 見直しの検討や事業者の自主的な取組の推進に活用されている。 ウ 消費者保護ルールの見直し 総務省では、電気通信市場の変化や消費者トラブルの状況を踏まえ、消費者保護ルールを累次に わたり見直し、その拡充を図ってきた。2020年(令和2年)6月から、「消費者保護ルールの在 り方に関する検討会」において制度の見直しについて集中的に検討が行われ、2021年(令和3年) 9月に「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」が取りまとめられた。総務省で は、同報告書を踏まえ2022年(令和4年)2月、電気通信事業法施行規則を改正し、①電話勧誘 における説明書面を用いた提供条件説明の義務化、②利用者が遅滞なく解約できるようにするため の措置を講じることの義務化、③解約に伴い請求できる金額の制限について制度化した(同年7月 1日施行)。 第2章 総務省におけるICT政策の取組状況 また、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」において、令和元年改正電気通信事業法の 施行状況の確認・評価や、2022年(令和4年)7月に取りまとめられた「『消費者保護ルールの在 り方に関する検討会報告書2021』を踏まえた取組に関する提言」への対応状況についてフォロー アップ等を行い、2023年(令和5年)8月に「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書 2023」を取りまとめた。同報告書を踏まえ、電気通信事業法施行規則を改正し、電気通信事業者 に課している指導等措置義務に関し、販売代理店に求められる必要な能力や体制の明確化等を図る とともに、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」を改正し、適合性の原則 に反する不適切な業務運営が広汎に認められる場合には、委託元である電気通信事業者による指導 等の措置が適切に果たされているかが問題となり得る旨を明らかにした。引き続き、モニタリング などの取組を進め、消費者保護の充実を図っていくこととしている。 3 通信の秘密・利用者情報の保護 ア 概要 スマートフォンやIoTなどを通じて、様々なヒト・モノ・組織がインターネットにつながり、大 量のデジタルデータの生成・集積が飛躍的に進展するとともに、AIによるデータ解析などを駆使 した結果が現実社会にフィードバックされ、様々な社会的課題を解決するSociety 5.0の実現が指 向されている。 この中で、様々なサービスを無料で提供するプラットフォーム事業者の存在感が高まっており、 利用者情報が取得・集積される傾向が強まっている。また、生活のために必要なサービスがスマート フォンなど経由でプラットフォーム事業者により提供され、人々の日常生活におけるプラット フォーム事業者の重要性が高まる中で、より機微性の高い情報についても取得・蓄積されるように なってきている。 210 令和6年版 情報通信白書 第Ⅱ部 利用者の利便性と通信の秘密やプライバシー保護とのバランスを確保し、プラットフォーム機能 が十分に発揮されるようにするためにも、プラットフォーム事業者がサービスの魅力を高め、利用 者が安心してサービスが利用できるよう、利用者情報の適切な取扱いを確保していくことが重要で ある。