特化型AIから汎用性の高い基盤モデルへの技術的転換と、生成AIの産業応用拡大の展望について解説している。
タグ: AI, 基盤モデル, 生成AI, 科学技術, イノベーション, 産業応用
第1部 AIがもたらす科学技術・イノベーションの変革 モーダル性1・汎用性の高い「基盤モデル2」の研究も進められています(第1-1-2図)。 なお、AIは、その研究や開発の過程において、適用範囲や能力により、大きく二つのカテゴリに分けることができます。特定の機能や特定の状況下でのみ人間に近く、時には精度で人間を上回る動作をする「特化型AI」と、人間の知能の様々な側面を幅広くカバーし、様々な状況で人間の知能のように動作する汎用性の高いシステム(「汎用AI(AGI3)」)です。第3次ブームにおいて、様々な応用に広がったAI技術は基本的に「特化型AI」に相当する技術群とされていますが、極めて大規模な深層学習によって作られた「基盤モデル」の登場により、研究開発の中心がこれまでの特化型AIと言われていたものから、高いマルチモーダル性・汎用性を持つAIへと向かいつつあります。 このように、生成AIに関する技術の進展や、技術者や専門家でなくてもインターネット上で自然言語を用いて利用できるようになってきていることなどにより、今後、生成AI技術を活用したアプリケーションに関する市場が拡大するとともに、製造業をはじめとする様々な産業分野での活用が広がっていくと見込まれています4。 第1-1-2図/基盤モデルの概念図 データ Data テキスト Text 画像 Images 音声 Speech 表形式データ Structured Data 3次元情報 3D Signals Training 学習 Foundation Model 基盤モデル Adaptation 適応 タスク Tasks Question Answering 質問・応答 Sentiment Analysis 感情分析 Information Extraction 情報抽出 Image Captioning 画像説明文生成 Object Recognition 物体認識 Instruction Following 指示実行 資料:Bommasani, R., et al., (2021), “On the Opportunities and Risks of Foundation Models”, arXiv. https://arxiv.org/abs/2108.07258のFigure 2に文部科学省で仮訳を付記 1 マルチモーダルは、テキスト、音声、画像、動画、センサー情報など、二つ以上の異なるモダリティ(データの種類)から情報を収集し、それらを統合して処理すること。 2 Bommasani, R., et al., (2021), “On the Opportunities and Risks of Foundation Models”, arXiv. https://arxiv.org/abs/2108.07258 3 Artificial Intelligence 4 一般社団法人電子情報技術産業協会(2023)「注目分野に関する動向調査2023」 みずほ銀行産業調査部(2023)「みずほ産業調査Vol.74 No.2【革新的技術シリーズ】生成AIの動向と産業影響~生成AIは産業をどのように変えるか~」 6