農林水産省は、食品の価格形成における課題を分析し、コストの明確化や付加価値向上を通じて、持続的な食料システムを構築するための制度設計を進めている。
タグ: 食料システム, 価格形成, 農林水産省, コスト構造, 付加価値向上
特集2 合理的な価格の形成のための取組を推進 また、協議会の下に「飲用牛乳」、「豆腐・納豆」、「米」及び「野菜」の四つのワーキンググループを立ち上げ、実務に精通した取引担当者等による課題の分析等を行いました。 飲用牛乳の小売価格等の状況を見ると、令和4(2022)年春以降の生乳の生産コスト急増に伴う乳価の引上げを除き、小売価格はほぼ横ばいになっています(図表 特2-3)。また、納豆や豆腐については、製造コストが増加しているものの、小売価格は大幅な上昇はなくおおむね横ばいの状態が続いています(図表 特2-4)。 図表 特2-3 飲用牛乳の小売価格 図表 特2-4 納豆・豆腐の小売価格 (グラフ内のテキスト: 11月 令和3年(2021) 1月 5(2023) 1月 6(2024) 1月 2月 7(2025) 1世帯当たりの購入本数 乳価引上げに伴う小売価格の上昇 牛乳1本(1,000ml)当たり の価格(右目盛) 1月 令和4年(2022) 7月 1月 5(2023) 7月 1月 6(2024) 7月 1月 3月 7(2025) 納豆(1パック45g×3等) 豆腐(300g)) 資料:総務省「小売物価統計調査」(東京都区部)、「家計調査」(全国・品目分類・二人以上の世帯)を基に農林水産省作成 資料:総務省「小売物価統計調査」(東京都区部)を基に農林水産省作成 注:豆腐の小売価格は、1kg当たりの価格を300g当たりの価格に換算 これらの状況等を踏まえて、「飲用牛乳」及び「豆腐・納豆」のワーキンググループでは、価格形成や取引における課題として、消費者の値頃感から納入価格が決定されやすいこと、原材料費や製造コストが上がっても価格交渉を機動的に行うことができないこと、取引上で生ずるリスク等を売り手側が負担していること等を挙げるとともに、消費者の値上げに対する理解醸成のため、各段階のコストの明確化や付加価値の向上を図っていくことが必要であることについて議論しました。 また、「米」及び「野菜」のワーキンググループでは、取引やコストの実態等についての議論を行いました。 同協議会では、生産者や製造事業者の立場から、コストデータの収集・提供方法については検討が必要であること、売り手側の取引上の立場が弱くなるという意見が出されました。他方、流通業者、小売業者及び消費者の立場からは、資材費上昇等の事情は理解しており、コストを指標化し、明確化することが必要であるという意見や、所得が増加しなければ消費行動の変容が困難であるといった意見が出されました。 農林水産省では、このような関係者からの意見を踏まえ、品目ごとのコスト構造や特徴を検証しながら、実効性のある制度を構築していくことになりました。 (持続的な食料システムの確立に向け、付加価値向上の取組を促進) 持続的な食料システムを確立するためには、費用を考慮した価格形成を促すだけでなく、生産と消費をつなぐ重要な役割を果たしている食品事業者による付加価値向上の取組を促 20