環境保全型農業による生物多様性への効果を調査し、土づくりや廃プラスチック対策の推進に向けた施策を解説している。
タグ: 環境保全型農業, 生物多様性, 土づくり, 廃プラスチック対策, 持続可能な農業
図表5-3-8 環境保全型農業直接支払制度の取組による生物多様性保全効果の調査結果 指標生物スコアに基づく生物多様性総合評価 有機農業(n=75) 36.0 46.7 14.7 2.7 冬期湛水管理(n=32) 28.1 53.1 15.6 3.1 IPM(n=21) 33.3 61.9 4.8 0.0 慣行栽培(n=127) 13.4 37.0 45.7 3.9 0 25 50 75 100 % ■S(生物多様性が非常に高い) ■A(生物多様性が高い) ■B(生物多様性がやや低い) ■C(生物多様性が低い) 資料:農林水産省作成 注:令和6(2024)年8月末時点の数値 (4) 土づくりや廃プラスチック対策の推進 (堆肥等の活用による土づくりを推進) 農地土壌は農業生産の基盤であり、農業生産の持続的な維持向上に向けて、土壌の物理性や化学性、生物性を堆肥や緑肥作物といった有機物の施用等により改善し、生産力を高める「土づくり」に取り組むことが必要です。 土づくりにおいて重要な資材である堆肥の施用量は、農業者の高齢化の進行や省力化の流れの中で、水田では長期的に減少を続け、近年は横ばい傾向で推移しています。 農林水産省では、農業現場での土づくりを推進するため、土壌診断とその結果を踏まえた堆肥等の施用を支援しています。また、土壌診断における簡便な処方箋サービスの創出を目指し、AIを活用した土壌診断技術の開発を推進しています。さらに、土づくりに有効な堆肥の施用を推進するとともに、好気性強制発酵1による堆肥の高品質化やペレット化による広域流通等の取組を推進しています。 (農業由来の廃プラスチックの適正処理対策を推進) 農業及び畜産業の生産現場では、農業用ハウスやマルチ等のプラスチック資材が使用されていることから、環境への負荷を低減するため、排出抑制や、使用後に適切に回収し、リサイクル等の適正処理を進めることが重要です。また、作物収穫後に土壌にすき込むことで、土壌中の微生物の働きにより水と二酸化炭素に分解され、使用後の廃プラスチック処理が不要となる生分解性マルチへの転換を図ることも重要です。プラスチックを使用した被覆肥料は、水田に散布すると作物の生育に応じて徐々に肥料成分が溶け出すことから、肥料の投入量低減や、農作業の省力化につながる一方、使用後の被覆殻が圃場から海洋に流出することによる環境への影響が懸念されています。 農業分野の廃プラスチックの再生処理(焼却に伴い発生する熱エネルギーの回収を含 1 攪拌装置等を用いて強制的に酸素を供給し、堆肥を発酵させる方法 第5章 295