青森県の農業事例を通じた環境保全型農業の推進と、電動草刈機や自動操舵システム等の農業機械の普及による燃料削減目標について解説している。
タグ: 環境保全型農業, バイオ炭, 温室効果ガス削減, 農業機械の電化, みどり戦略, 自動操舵システム
(事例) 特別なバイオ炭の活用等により、温室効果ガスの排出量を削減(青森県) (1) 米の付加価値向上を目指し、環境保全型農業を実践 青森県つがる市の株式会社小笠原農園では、米の付加価値向上を図るため、環境保全型農業に取り組んでいます。同社では、特別なバイオ炭を活用して、土壌炭素貯留と農薬や化学肥料の低減等に取り組んでいます。 (2) 間伐材を用いたバイオ炭の活用等により、温室効果ガスの排出量を削減 同社では、通常のバイオ炭と異なり、原料が特定の間伐材に限定されたバイオ炭である「青い森エコ炭」を堆肥に混ぜて、水田で活用しています。バイオ炭が持つ酸度矯正効果や炭素貯留効果に加え、堆肥と混ぜることで、堆肥中の微生物の増加や脱臭効果等にもつながっています。さらに、水稲栽培における中干し期間の延長や農薬と化学肥料の低減等にも併せて取り組むことで、温室効果ガス削減の効果を高める工夫も行っています。このような取組によって、地域の慣行的な栽培と比較した温室効果ガス排出量の削減貢献率は10a当たりで63.8%となり、等級ラベル(みえるらべる)の取得につながりました。 同社では、青森県特別栽培農産物認証制度を利用して、農薬と化学肥料の低減に取り組んだ特別栽培米として、収穫した米を販売しています。今後は、みえるらべるを表示するとともに、水稲栽培における中干し期間の延長によるJ-クレジット収益の向上にも取り組み、米の付加価値向上と環境保全を両立していくこととしています。 つがる市 青森県 秋田県 岩手県 バイオ炭と混ぜた堆肥 資料:株式会社小笠原農園 (農業機械の電化・水素化等技術の確立を推進) 令和5(2023)年の化石燃料の使用量削減に資する電動草刈機の普及率は、前年に比べ4.1ポイント上昇し、23.7%となっています(図表5-2-1)。また、作業重複の低減により燃料使用量の削減を可能とし、GPS等の位置情報とハンドルの自動制御により、高精度な作業や軽労化にも資する自動操舵システムの普及率は、前年に比べ1.7ポイント上昇し、7.8%となっています。 みどり戦略では、令和12(2030)年には、電動草刈機、自動操舵システムの普及率を50%とする目標を掲げており、電化・水素化等の技術を用いた燃料使用量削減に資する農業機械を担い手へ普及推進することとしています。 図表5-2-1 電動草刈機と自動操舵システムの普及率 % 30 電動草刈機 自動操舵システム 20 16.1 19.6 23.7 10 4.7 6.1 7.8 0 令和3年 4 5 (2021) (2022) (2023) 資料:農林水産省作成 第5章 279