農業の環境負荷低減と持続可能性向上のため、国際的な議論が進み、みどり戦略や食料システム法が制定された。
タグ: 持続可能な農業, 環境負荷低減, 食料システム戦略, GHG排出量, 気候変動, 生物多様性
特集 第2節 現行基本法制定後の情勢の変化と今後20年を見据えた課題 農業が有する環境・持続可能性への負の影響への関心が高まり。環境に配慮した持続可能な農業 を主流化する政策の導入が進展 地球環境の保全や貧困問題の解消といった持続的な社会・経済の形成に向けた国際的な議論が進展 食料供給が地力の維持や自然景観の保全等の生態系サービスに与える悪影響を最小化していくことが重要という考え方 が国際的に浸透 農業が環境に負の影響を与え、持続可能性を損なう側面もあるという前提に立ち、農林業由来の温室効果ガスの排出削 減、環境への負荷の低減に取り組むことにより、環境に配慮した持続可能な農業を主流化することが必要 我が国においても2021年に「みどりの食料システム戦略」(以下「みどり戦略」という。)が策定され、2022年にみどりの 食料システム法が制定され、農業の環境負荷低減を図る取組が進められている。 地球環境問題リスクとして指摘されている事項 世界の農林業由来のGHG排出量 主な項目 気候変動・生物多様性への影響 施肥(肥料) 過剰施肥による一酸化二窒素の発生、水質悪化 ・肥料の生産・調達に伴う化石燃料の使用 防除(農薬) ・不適切な農薬の使用による生物多様性の損失 農業機械・加温施設等 ・化石燃料の使用による一酸化二炭素の発生 ・農業機械作業による土壌の鎮圧 廃棄段階での処理 プラスチック資材等 製造段階における燃料燃焼 マイクロプラスチックによる海洋生物等への影響 ・不適切な処理等による生態系の攪乱 畜産飼養 廃棄段階での処理 ・牛等反すう動物の消化管内発酵によるメタンの発生 家畜排せつ物処理に伴うメタン、一酸化二窒素の発生 ・硝酸態窒素による水質汚染 圃場管理 ・水田土壌等からのメタンの発生 土壌粒子の流亡等による水質汚濁、富栄養化 農業・林業・その他土地利用 22% 農業 11% 土地利用、土地利用 変化及び林業 11% 人類の活動に由来する GHG排出量 約590億t-CO2 「農業、土地利用、土地利 用変化及び林業」以外 78% 資料: IPCC「Climate Change 2022: Mitigation of Climate Change」 (2022年4月公表)を基に農林水産省作成 注:1) 2019年の推定値 2)排出量は二酸化炭素換算 8