生成AIの抱き合わせ販売に関する事業者意見と、それに対する独占禁止法上の考え方を整理し、今後の市場動向注視を表明した。
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実態調査の例③:生成AIに関する実態調査 (4/4) 23 2 抱き合わせ (既存のデジタルサービスと生成AIプロダクトの統合に関する意見) ◆ 当社と競合関係にあるA社(デジタルサービス市場で有力な地位を有している。)は、同社の既存のデジタルサービス製品に同社が開発した生成AIプロダクトを統合して販売している。A社のデジタルサービス製品は、既に企業顧客の間で支配的な地位を占めているため、このような抱き合わせ行為により、A社が生成AIサービス市場においても大きな流通の優位性をもたらし、生成AIサービスを提供する競合他社にとって競争が難しくなると予想している。【海外モデル開発事業者】 ◆ 当社は今後、生成AIプロダクトを販売していこうと考えているが、既に生成AIプロダクトを販売している企業の中には、自社の既存のデジタルサービス製品と生成AIプロダクトを統合して提供しているところがある。こうした行為によって、当該生成AIプロダクトを使用しているユーザーにとっては、アプリケーションとの連携やセキュリティとの関係もあり、後発企業の生成AIプロダクトを簡単には導入してもらいにくい状態にあるのではないかと考えており、今後の課題の一つとして捉えている。【国内モデル開発事業者】 (上記意見等に対する意見) ◆ 自社プロダクトを自社サービス上で提供することは至極当然であり、他社プラットフォームや他社サービスへ対応させることには開発維持コストが掛かることから、自社製品の抱き合わせ状態は避けられず、そのサービスやプラットフォーム上で別の選択肢が存在することが重要に思われる。【国内モデル開発事業者】 ◆ 当社が既存の自社SaaSサービスに統合している生成AI機能は、飽くまで当該サービスの機能を向上させるための機能拡張であり、別製品ではない。そのため、そもそも抱き合わせ販売とはいえないと考える。加えて、全ての主要な商用ソフトウェアやSaaS提供事業者は生成AIを活用した機能を自社のソリューションに組み込んでいる。多くの競合する有力な生成AI開発事業者とSaaSソリューション全般が存在していることから、当該統合が最先端のソリューションを求める消費者の需要に応えるものであり、極めて競争を促進する行為であると考えている。【海外モデル開発事業者】 ◆ 生成AIモデルの継続的な機能向上は、顧客へのサービスを向上させるため、全く新しいユースケースや新しいクラスのアプリを可能にするだけでなく、既存のデジタルサービスにも新たな競争の次元をもたらしている。【海外モデル開発事業者】 《独占禁止法上の考え方》 ・一般に、生成AIモデル提供事業者が、特定のデジタルサービス市場において強固な地位を有している場合、当該デジタルサービスに生成AIモデルを統合して新たなデジタルサービスとして利用者に提供することにより、生成AIモデルを提供する事業者や新規に生成AIモデルの提供を開始しようとする事業者にとって、取引先である利用者を容易に確保することができなくなり、事業活動に要する費用が引き上げられる、新規参入や新商品開発等の意欲が損なわれるといった、既存の競争者や新規参入者が排除される又はこれらの取引機会が減少するような状態をもたらすおそれ(市場閉鎖効果)が生じるときには、独占禁止法上問題となるおそれがある(私的独占、不公正な取引方法・一般指定10項(抱き合わせ販売等))。 3 その他の論点 ・その他の論点(自社優遇、生成AIを用いた並行行為、パートナーシップによる高度専門人材の獲得)については、前回ペーパーで例示したような行為を示す意見は現時点においては寄せられなかった。 公正取引委員会としては、こうした考え方も踏まえ、今後も引き続き市場の動向を注視し、実態調査を継続する。(公正取引委員会ウェブサイトにて「生成AIに関する情報募集フォーム」を開設)
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