3メガバンクグループの収益力低下傾向を踏まえ、リスク・リターンを意識したガバナンス強化と、金融仲介機能維持のための資本管理の重要性を提言している。
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市場関連収益を除くと、収益力は低下傾向にある(図表III-4-(3)-1、2)。収益力強化に向け、デジタライゼーションの進展等、経営環境の変化に柔軟に対応できる経営・ガバナンス態勢を構築することが重要である。その際には、リスク・リターンを意識し、エンティティ・業態・国を跨いだグループ連携ビジネスを確実に実行できるガバナンスを構築しつつ、経費削減に留まらず、顧客に付加価値を提供する観点が必要である。このほか、2027年のバーゼルIII(銀行の自己資本比率規制等に関する国際的枠組み)の完全実施を踏まえ、中長期的に健全性を維持し、国内で金融仲介機能を持続的に発揮できる資本を維持することが重要である。図表III-4-(3)-1 3メガバンクグループの普通株式等Tier1比率の推移 (%) 14 12 10 8 6 4 2 0 14 15 16 17 (年度) その他有価証券評価差額金相当分 10.7 11.4 11.8 13.1 普通株式等Tier1比率 (注)3メガバンクグループの加重平均。(資料)各社公表資料より金融庁作成。 図表III-4-(3)-2 3メガバンクグループの収益の推移 (兆円) 4 3 2 1 0 14 15 16 17 (年度) 3.4 3.1 2.9 2.7 2.4 2.3 2.2 2.3 市場関連収益を除く連結業務純益 親会社株主に帰属する当期純利益 (注1)市場関連収益を除く連結業務純益は、連結業務純益から、資金利益に計上されている投資信託の解約益・償還益、国債等債券損益、持分法による投資損益、を除いたもの。(注2)3メガバンクグループの合算値。(資料)金融庁 【昨事務年度の実績】 3メガバンクグループについて、以下の点が認められた。 ・内外金利の急上昇や世界的な経済悪化といった強度あるシナリオ下においても金融仲介機能が発揮される水準の資本を有している。 ・量的拡大から、リスク・リターンを意識した経営戦略への変革を志向している。ただし、社外役員からは、「収益環境が厳しい中でも社内経営陣には危機感が感じられない。」等、厳しい意見も聞かれた。 ・海外業務・資産を拡大しており、グループとしての経営管理や法令等の遵守、リスク管理は難度を増している。 ・マネロン・テロ資金供与やサイバーリスク等の一層の脅威への対応等、様々なリスクへの対応に高度化の余地がある。 ・優越的地位の濫用防止態勢やエンティティを跨いだ情報管理について課題がある。 ・RAFを活用したガバナンスの構築に取り組んでいるものの、経営戦略と整合的なリスク・アペタイト指標の設定や、リスク・リターンの議論を活性化させていく点に課題を抱えており、高度化の余地がある。 91