定額個人年金保険の特性とリスク、および外貨建商品や変額個人年金保険の運用構造とコストについて解説している。
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こうした生命保険商品の選択においては、商品固有の特性81・リスクを十分に理解する必要がある。 例えば、定額個人年金保険は、特に元本保証を重視する顧客向けに、超長期の利回り保証というメリットを提供する一方、中途解約時の元本割れ等によって顧客にとっての資産流動性の制約となるほか、現在の低金利環境を前提とした場合、低水準の利回り固定により、資産形成商品としてのメリットは低下する。 また、こうした商品の契約通貨を外貨とすることにより、利回りを向上させることができるが、この場合においても、資産流動性の制約は残り、加えて為替リスクも有することとなる(図表III-4-(4)-2)。 図表III-4-(4)-2 定額個人年金保険の返戻率の推移 (%) 返戻率の推移(円建) (%) 返戻率の推移(外貨建) 160 160 140 140 120 120 100 100 80 80 60 60 40 40 5 10 15 20 25 30 5 10 15 20 25 30 (年) (年) 返戻率平均 返戻率平均 返戻率平均 返戻率平均 返戻率平均 返戻率平均 (現行商品) (2003年当時の販売商品) (為替レート一定) (円高時) (円安時) (注1)前提条件:30歳男性が平準払で30年間払込を行う場合の返戻率(=解約返戻金÷払込保険料累計額)の推移。 (注2)平準払定額個人年金保険(2003年当時販売商品(3商品。予定利率(平均)1.60%)及び現行商品(4商品。同0.74%))で試算(配当は考慮せず)。 (注3)一部の商品については解約返戻金の上限が払込保険料累計額となる(年金原資額はこれを上回る積立が行われる)。 (注1)前提条件、同左。 (注2)平準払外貨建(豪ドル)個人年金保険(2商品。予定利率又は積立利率(平均)2.75%)で試算(いずれの商品も無配当)。 (注3)為替レートについては、保険払込時は変動しないものとし、解約返戻金受取時にも変動しない場合、及び上下にそれぞれ20%変動する場合の3通りを試算。 (資料)金融庁 なお、こうした超長期で金利を固定する商品は、保険会社としても大きな金利リスクを負担することになるため、保険会社の中には、変額個人年金保険を主力とする会社もある。同保険は、投資信託のような運用機能と保険の機能を組み合わせた年金商品である。その際、運用に関するコストに加えて、死亡保険金の保障や年金原資等の最低保証機能82(以下「最低保証機能」という。)がある場合はこれに関するコストがかかるため、この分だけ、同様のポートフォリオで市場運用した場合と比較してトータルリターンが抑制される。 他方、最低保証機能の効果を考慮して見れば、ユニットプライス(契約者の持分1単位あたりの価額を示す指数)の変動率が抑制されることにより、リスクは軽減される。 こうした状況を、投資信託及び変額個人年金保険のうち、販売量の多い一部商品を対象に、 81 長期間での契約が前提となっており、販売時にかかった保険会社のコストを中途解約時に解約返戻金から控除するのが一般的になっている。 82 最低保証機能とは、運用成果が低調となった場合でも、死亡時や年金受取開始時に契約時に支払った一時払保険料相当額等を保険会社が保証するものである。ただし、最低保証機能は中途解約時の解約返戻金を保証するものでないことから、投資信託と同様、解約時の元本毀損リスクに留意する必要がある。 100