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A.人口の減少や高齢化の進展、FinTech等の技術革新の動き、世界的な長短金利の低下等、金融機関の経営環境は大きく変化しており、例えば、横並びで単純な量的拡大競争に集中するような銀行のビジネスモデルが限界に近づいているなど、従来型のビジネスモデルでは競争力を失う可能性があ
人口減少、高齢化、FinTechの進展、世界的な金利低下などが、銀行の経営環境を変化させ、従来型ビジネスモデルの限界を招く可能性が示唆されている。
出典: 金融庁『平成28事務年度 金融行政方針』2016年10月公表
金融機関の経営環境の変化とビジネスモデルの限界
人口の減少や高齢化の進展、FinTech等の技術革新の動き、世界的な長短金利の低下等、金融機関の経営環境は大きく変化しており、例えば、横並びで単純な量的拡大競争に集中するような銀行のビジネスモデルが限界に近づいているなど、従来型のビジネスモデルでは競争力を失う可能性があ
人口の減少や高齢化の進展、FinTech等の技術革新の動き、世界的な長短金利の低下等、金融機関の経営環境は大きく変化しており、例えば、横並びで単純な量的拡大競争に集中するような銀行のビジネスモデルが限界に近づいているなど、従来型のビジネスモデルでは競争力を失う可能性があ
IV. 金融仲介機能の十分な発揮と健全な金融システムの確保等 人口の減少や高齢化の進展、FinTech 等の技術革新の動き、世界的な長短金利の低下等、金融機関の経営環境は大きく変化しており、例えば、横並びで単純な量的拡大競争に集中するような銀行のビジネスモデルが限界に近づいているなど、従来型のビジネスモデルでは競争力を失う可能性がある。「平成 27 事務年度 金融レポート」の地域銀行に関する分析においては、金利の低下が継続する中、銀行全体として利鞘縮小を融資拡大でカバーできず、資金利益は減少が続いている。顧客向けサービス業務(貸出・手数料ビジネス)の利益率は、2025 年 3 月期に地域銀行の 6 割超がマイナスになる可能性を指摘しているところである。また、人口減少が継続する中で、全ての金融機関が貸出規模の拡大により収益を維持することは現実的ではなく、資産規模をコントロールしつつ、より安定的な収益基盤の構築を行うことが重要となってきている。 このように金融機関の経営環境が厳しさを増している中では、各金融機関が、問題意識を持って自らのビジネスモデルを検証し、それぞれが自主的な創意工夫の下、持続可能なビジネスモデルの構築に向けた具体的かつ有効な取組みを行うことが求められている。ビジネスモデルの持続可能性が確保されていない金融機関にあっては、足下の健全性には問題がなくても長期的にはその経営基盤が損なわれるおそれがある。さらには、それが健全性基準上の問題を惹起することにまで立ち至れば、社会的にも大きなコストを生むことになりかねない。また、そうした中で収益拡大のための顧客の利益を軽視した営業が利用者保護上の問題につながる可能性もある。したがって、ビジネスモデルの持続可能性の検証については前広に取り組む必要があり、当局としても、その必要性について、金融機関に対し問題提起をしてきたところである。 もとより、金融機関のビジネスモデルに単一のベスト・プラクティスがあるわけではないが、一般的に顧客企業の事業の内容をよく理解し、企業価値向上につながるアドバイスとファイナンスを提供することで収益を確保している地域金融機関については、金利低下が進む中においても貸出金利回りの低下幅が緩やかで、顧客基盤や経営を比較的安定させることに成功している傾向が見られる。こうした例に見られるように、金融機関が顧客本位の良質なサービスを提供し、企業の生産性向上や国民の資産形成を助け、結果として、金融機関自身も安定した顧客基盤と収益を確保するという取組み(顧客との「共通価値の創造」の構築)は、持続可能なビジネスモデルの一つの有力な選択肢であるとともに、地域経済の活性化にもつながると考えられる9。 以上のような問題意識の下、これまで当局としても、金融機関に対し、担保・保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価(「事業性評価」)するよう促してきた。特に我が国の GDP の 7 割強を占めるサービス業については総じて生産性向上の余地が大きく、金融機関が事業性評価を通じて、企業に有益なアドバイス 9 「平成 27 事務年度 金融レポート」II. 1. (2) 「地域金融機関」参照。 18