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A.2027年の策定から5年後の2027年度までに、わが国が主たる責任をもって対処し、防衛力を強化するは2027年度。
出典: 防衛省『令和7年版 防衛白書(前編)』2025年7月公表
2027年度
策定から5年後の2027年度までに、わが国が主たる責任をもって対処し、防衛力を強化する
第2節 国家防衛戦略の概要 国が、あるとき侵略という意思を持ったことにも注目すべきである。脅威は能力と意思の組み合わせで顕在化するが、その意思を外部から正確に把握することは困難である。国家の意思決定過程が不透明であれば、脅威が顕在化する素地が常に存在する。このような国から自国を守るためには、力による一方的な現状変更は困難であると認識させる抑止力が必要であり、相手の能力に着目した防衛力を構築する必要がある。 1 わが国の防衛の基本方針 わが国の防衛の根幹である防衛力は、わが国の安全保障を確保するための最終的な担保であり、わが国に脅威が及ぶことを抑止するとともに、脅威が及ぶ場合には、これを阻止・排除し、わが国を守り抜くという意思と能力を表すものである。今後の防衛力については、相手の戦い方に着目して、わが国を防衛する能力をこれまで以上に抜本的に強化するとともに、新たな戦い方への対応を推進し、いついかなるときも力による一方的な現状変更とその試みは決して許さないとの意思を明確にしていく必要がある。 わが国の防衛目標は次の3つである。 ① 力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境を創出する ② 力による一方的な現状変更やその試みを、同盟国・同志国などと協力・連携して抑止・対処し、早期に事態を収拾する ③ 万が一、わが国への侵攻が生起する場合、わが国が主たる責任をもって対処し、同盟国などの支援を受けつつ、これを阻止・排除する また、核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠であり、3つの防衛目標を達成するためのわが国自身の努力と、米国の拡大抑止などがあいまって、あらゆる事態からわが国を守り抜く。 これらの防衛目標を達成するための3つのアプローチと、その基本的な考え方などは次のとおりである。 ① わが国自身の防衛体制の強化として、その中核たるわが国の防衛力を抜本的に強化するとともに、国全体の防衛体制を強化する ② 同盟国である米国との協力を一層強化することにより、日米同盟の抑止力と対処力をさらに強化する ③ 自由で開かれた国際秩序の維持・強化のために協力する同志国などとの連携を強化する (1) 第1のアプローチ:わが国自身の防衛体制の強化 ア わが国の防衛力の抜本的な強化 抜本的に強化された防衛力は、防衛目標であるわが国自体への侵攻をわが国が主たる責任をもって阻止・排除しうる能力でなくてはならない。これは、相手にとって軍事的手段ではわが国侵攻の目標を達成できず、生じる損害というコストに見合わないと認識させるだけの能力をわが国が持つことを意味する。こうした防衛力を保有できれば、米国の能力とあいまって、わが国への侵攻のみならず、インド太平洋地域における力による一方的な現状変更やその試みを抑止でき、それを許容しない安全保障環境を創出することにつながる。 また、抜本的に強化された防衛力は、新しい戦い方に対応できるものでなくてはならない。そのために必要な機能・能力として、まず、わが国への侵攻そのものを抑止するために、遠距離から侵攻戦力を阻止・排除できる能力である、①スタンド・オフ防衛能力、②統合防空ミサイル防衛能力を強化する。万が一抑止がれ、わが国への侵攻が生起した場合、①と②の能力に加え、有人・無人アセットを駆使するとともに、領域を横断して優越を獲得し、非対称的な優越を確保する必要がある。このため、③無人アセット防衛能力、④領域横断作戦能力、⑤指揮統制・情報関連機能を強化する。さらに、迅速かつ粘り強く活動し続けて、相手の侵攻意図を断念させるため、⑥機動展開能力・国民保護、⑦持続性・強靭性を強化する。 このような防衛力の抜本的な強化は、いついかなる形で力による一方的な現状変更が生起するか予測困難であることから、速やかに実現していく必要がある。まず、策定から5年後の2027年度までに、わが国への侵攻が生起する場合には、わが国が主たる責任をもって対処し、同盟国などの支援を受けつつ、これを阻止・排除できるように防衛力を強化する。この期間の最優先課題は、現有装備品を最大限有効に活用するため、可動数向上や弾薬・燃料の確保、主要な防衛施設の強靭化への投資を加速するとともに、将来の中核となる能力を強化することである。さらに、策定からおおむね10年後までに、この防衛目標をより確実にするために必要な努力を行い、より早期かつ遠方で侵攻を阻止・排除できるように防衛力を強化する。 わが国への侵攻を抑止するうえで鍵となるのは、スタン 203 令和7年版 防衛白書