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A.2019年の現在の収入が1年前と比べて増えたと答えた人の割合(2019年)は13.0%。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
2. なぜ賃金上昇が実感されにくいのか (賃金上昇の実感は広がりを欠いている) 既に見えてきたように、2024 年度の経済全体の平均的な名目賃金上昇率は 33 年ぶりの伸びとなり、賃上げの広がりも着実にみられつつある。これに対し、賃金が上昇したという実感を持つ人は、さほど増加しているわけではない。例えば、日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」をみると、現在の収入が 1 年前と比べて増えたと答えた人の割合は、2019 年から 2025 年にかけて、13.0%から 16.3%へと小幅な増加とはなったものの、依然として限定的なレベルにとどまっている(第2-2-11 図(1))。同様に、1 年後と現在の収入を比べて「増える」と答えた人の割合も、同期間で 10.2%から 11.1%と、ごくわずかな増加にとどまっており、期待賃金上昇率も高まっていない15。また、消費者マインドの指標である消費者態度指数を構成する四つの要素のうち、名目賃金の上昇見込みに関する見方に相当する16「収入の増え方」をみると(第2-2-11 図(2))、近年の賃上げの進展もあって、消費者態度指数全体よりは高い水準にあるものの、賃上げが緩慢であった 2010 年代後半の指数水準と同程度かやや低いものにとどまっている。同じく「収入の増え方」を世帯主年齢階級別にみても、勤労世代に当たる各年齢層において、指数水準は 2010 年代後半と同程度かそれよりも低い状態にある。賃上げのノルムの定着という意味では、労働者・家計サイドにおいて、賃金が継続的に増加しているという実感を持ち、将来的にも賃上げが持続するという予想が広く共有されることが極めて重要である。ここでは、長期的な賃金カーブの構造の変化という観点に着目し、なぜ賃金上昇の実感が十分に広がっていないのかを検証する。 15 こうした家計における将来収入増加見通しの弱さについては、本章第1節で確認した内閣府調査の結果とも整合的である。 16 「消費動向調査」では、「収入の増え方(「あなたの世帯の収入の増え方は、今後半年間に今よりも大きくなると思いますか、小さくなると思いますか」)」以外に「暮らし向き(あなたの世帯の暮らし向きは、今後半年間に今よりも良くなると思いますか、悪くなると思いますか)」についても確認している。前者は収入の増え方を直接聞いていることから名目賃金に対応する一方、後者は生活実感についての質問であることから実質賃金に対応すると考えられる。 221