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A.2025年の物価上昇に直面する中で安定的な物価上昇を実現するは2%。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
第2-2-16図 コーホート別に見た実質賃金カーブ 実質で見た賃金カーブの傾きは、1970年代生まれ以降の世代では緩やかに (1) 男性 (20〜24歳時の実質賃金比、倍) 2.8 2.6 2.4 2.2 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 20 25 30 35 40 45 50 55 (歳) 24 29 34 39 44 49 54 59 1960-64年生まれ 1965-69年生まれ 1970-74年生まれ 1975-79年生まれ 1980-84年生まれ 1985-89年生まれ 1990-94年生まれ 1995-99年生まれ (2) 女性 (20〜24歳時の実質賃金比、倍) 2.8 2.6 2.4 2.2 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 20 25 30 35 40 45 50 55 (歳) 24 29 34 39 44 49 54 59 1960-64年生まれ 1965-69年生まれ 1970-74年生まれ 1975-79年生まれ 1980-84年生まれ 1985-89年生まれ 1990-94年生まれ 1995-99年生まれ (備考) 1. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、総務省「消費者物価指数」により作成。名目賃金は、フルタイム労働者の所定内給与。 2. 実質化に際しては、各年齢階層別の消費者物価指数(総合)を用いている。ただし、2014年以降は10歳刻みのデータしかないため、20〜24歳は29歳以下を、25〜29歳と30〜34歳は29歳以下と30代の平均を、といった形で補完している。 3. 2019年から2009年までは「令和2年調査と同じ推計方法による集計」。2004年以前は、2009年の旧推計と「令和2年調査と同じ推計方法による集計」の間の断層率を用いて調整。 (円滑な労働移動の促進により、転職を後押しする環境整備が重要) 以上をまとめると、近年の30年超ぶりの賃上げは、平均的な賃金上昇率の着実な高まりにつながっているものの、必ずしも賃金上昇の実感が労働者全体に広がっているわけではなく、継続的に賃金が上昇していくというノルムが定着するという状況には至っていない。その背景としては、①現役の世代の中では、若い時点での将来の賃金に対する期待値と比べて、実際の賃金が十分に伸びてこなかった世代が多いこと、②勤続年数に応じた賃金上昇が過去10年程度で抑制的になっていること、③実質で見た賃金カーブの傾きが、物価上昇に直面する中で、相対的に若い世代においてややフラット化している傾向がみられること、といった要素があると考えられる。これらを踏まえると、①に対しては、まずは持続的な賃上げが今後も継続する環境を整えるとともに、②円滑な労働移動の促進など労働市場改革を通じて、転職を希望する労働者がそれを実現しやすい環境を整備すること27、さらに、③2%の緩やかで安定的な物価上昇を実現するとともに、実質賃金が継続的に上昇する環境を整えること、などが賃金上昇の実感が広がり、ノルムが定着していくことに資する意味で重要と考えられる。 27 転職希望者に比して転職の実行者が限定的である点についての背景や課題の分析は本章第3節で行う。 235