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A.2023年の大企業の借入金増分 (1998年度比)は100兆円。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
2. 大企業等における変化~海外展開の動向とその国内部門への影響を中心に~ 前項では企業部門全体として、過去30年超に及ぶ企業行動の変化を概観し、企業は収益の改善を自己資本の増加に充て、これを通じて財務基盤を強化する中で、資金の運用面では、海外投資(投資有価証券の増加)と現金・預金を拡大させる一方、国内向け設備投資(土地を除く有形固定資産)は総じて抑制してきたことを確認した。その中で、同じ企業部門の中でも、蓄積した利益の使い途として、大企業は主に海外投資の拡大を、中小企業は現金・預金の増加を通じた手元流動性の確保を重視してきたことをみた。 改めて、我が国がデフレ的な状況に陥った1990年代後半以降の四半世紀における企業の長期的なバランスシートの動向を企業規模別に確認すると、大企業、中小企業共にバランスシートは拡大しているが、その内容は大きく異なっている(第3-2-8図)。大企業においては、資産側で投資有価証券等が大きく拡大する一方で、借入金も相応に増加し、結果として内部留保も増加している。また、固定資産についても限定的ではあるが、この25年間で若干増加している。一方、中小企業についてみると、資産側では、主に、現預金等が大きく増大する一方、負債側では、借入金が大きく減少し、結果として内部留保が拡大している。また、固定資産については、大企業と異なりこの四半世紀で減少しており、設備投資を抑制してきた様子がより浮き彫りとなる。以下では、大企業と中小企業に議論を分け、企業部門が蓄積した利益を、人への投資を含む国内投資に振り向けるに当たっての課題を整理する。本項では大企業等を扱い、次項では中小企業の課題に目を向ける。 第3-2-8図 企業の長期的なバランスシートの動向 大企業においては、資産側で投資有価証券等が大きく拡大、中小企業では現預金等が増加 (1) 大企業 ①バランスシートの構成(1998年度と2023年度) (2) バランスシート構成の変化(1998年度→2023年度) 368