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A.2020年の先進国の2020年実質GDP成長率は-4.7%。
先進国全体では、2020年の実質GDP成長率は5.1%と予測されており、2020年の落ち込み(-4.7%)を小幅に戻り戻す程度と見込まれている。
出典: 経済産業省『通商白書2021』2021年6月公表
先進国の2020年実質GDP成長率
-4.7%
2020年の落ち込み(-4.7%)を小幅に戻り戻す程度と見込まれている
コロナショック後の世界経済 第1節 第I部 第1章 第I-1-1-2表 IMFによる実質GDP成長率の国・地域予測 (%) 2020年 2021年 (%) 2020年 2021年 世界 -3.3 6.0 (0.5) 先進国 -4.7 5.1 (0.8) 新興国・発展途上国 -2.2 6.7 (0.4) 米国 -3.5 6.4 (1.3) アジア新興国・発展途上国 -1.0 8.6 (0.3) ドイツ -4.9 3.6 (0.1) 中国 2.3 8.4 (0.3) フランス -8.2 5.8 (0.3) インド -8.0 12.5 (1.0) イタリア -8.9 4.2 (1.2) 欧州新興国・発展途上国 -2.0 4.4 (0.4) スペイン -11.0 6.4 (0.5) ロシア -3.1 3.8 (0.8) 日本 -4.8 3.3 (0.2) 南米及びカリブ新興国・発展途上国 -7.0 4.6 (0.5) 英国 -9.9 5.3 (0.8) ブラジル -4.1 3.7 (0.1) カナダ -5.4 5.0 (1.4) 中東及び中央アジア新興国・発展途上国 -2.9 3.7 (0.7) その他先進国 -2.1 4.4 (0.8) サブサハラ地域アフリカ -1.9 3.4 (0.2) 備考1:2020年は実績値で、2021年の数値は2021年4月版の予測。 備考2:2021年の予測数値の右側にある括弧内の数値は前回2021年1月版からの修正幅。 資料:IMF「World Economic Outlook April 2021」から作成。 コロナウイルスのワクチン接種や各国の政策対応が回復に重要な役割を果たし、抑制されていた経済活動がそれらを通じて回復していくとされている。 ただし、2021年の世界経済の回復には跛行性が見られることが特徴的である。具体的には、経済の回復には国・地域ごとの差異があり、IMFの2021年の見通しでは、先進国の実質GDP成長率は5.1%と2020年の落込み(-4.7%)を小幅に取り戻す程度と見込まれている一方で、新興国・発展途上国は6.7%と2020年の落込み(-2.2%)を大きく取り戻す以上の回復が見込まれている。 さらに、先進国の中でも特に米国が回復を主導することが見込まれているが、その他の先進国の多くは2020年の落ち込みを取り戻すことができないと見込まれている。後述のとおり、米国の経済回復には、大規模な政策対応に加え、電子商取引の活発化やイノベーションに焦点を当てた企業の設備投資の増加基調が重要な役割を果たしていると考えられる。 また、新興国・発展途上国の中でも、2020年にプラス成長を維持した中国は2021年にも高成長が見込まれている一方で、新型コロナウイルスの感染状況が依然として深刻なアフリカ(サブサハラ地域)や中南米諸国では2021年の回復が鈍いことが見込まれている。中国では、国内の電子商取引規模は2兆ドル近い規模となり、好調な非接触型消費が回復に寄与すると見られる。 2. 各国の政府が目的が明確化された財政支援を実施 IMFが見込む2021年の世界経済の回復の前提として、各国の政府が取り組む目的が明確化された財政支援(well-targeted fiscal support)の効果が挙げられる。 上述のとおり、新型コロナウイルスの特徴は、需要側と供給側の両方に対してショックを与えた点である。下記(第I-1-1-3表)は、主な政策分野で導入されている政策例と、各国・地域で実際に導入されている経済対策を一覧にしたものである。新型コロナウイルスのショック特性を踏まえ、家計の消費支出を増加させるための需要側対策と、企業の投資を回復させるための供給側対策の両方を含め、目的が明確化された財政支援が実施されている。主に需要側対策として用いられている給付金は、低所得世帯や失業者・一時解雇者等を対象としている。また、主に供給側対策として用いられている企業への信用保証も、中小零細企業を含め、新型コロナウイルスの影響が深刻な産業を対象としている。2021年にはこれらの政策効果が経済回復を後押ししていくと見られる。 1 経済産業省(2020)。 通商白書 2021 5