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A.2024年の中国の国防予算の名目上の規模(2014年度比)は2.1倍。
出典: 防衛省『令和6年版 防衛白書(前編)』2024年7月公表
第2節 中国 第1部 第3章 諸外国の防衛政策など 実績、国防費の内訳などについて十分に明らかにしていない。 また、中国軍の活動について、当局が事実と異なる説明を行う事例や事実を認めない事例も確認されており、中国の軍事に関する意思決定や行動に懸念を生じさせている。例えば、2018年1月には、中国海軍潜水艦によるわが国尖閣諸島周辺の接続水域内の潜水航行が確認されたが、中国はその事実を認めていない。同様に、2020年6月と2021年9月に奄美大島周辺の接続水域において確認された中国国籍と推定される潜水艦の事例において、中国はその事実を認めておらず、むしろ日本側が誇大宣伝していると批判する中国系メディアの報道もあった。 中国は、政治面、経済面に加え、軍事面においても国際社会で大きな影響力を有するに至っている。中国に対する懸念を払拭するためにも、中国が国際社会の責任ある国家として、国防政策や軍事に関する透明性を向上させていくとともに、自らの活動に関して事実に即した説明を行い、国際的な規範を共有・遵守することがますます重要になる。今後、具体的かつ正確な情報開示などを通じて透明性を高めていくことが強く望まれる。 4 国防費 中国は、2024年度の国防予算を約1兆6,655億4,000万元(1元=20円で機械的に換算すると、日本円で約33兆3,108億円)と発表した5。これは中国側の発表によれば、前年度予算額から約7.2%の伸びとなる。中国の公表国防予算は速いペースで増加してきており、公表国防予算の名目上の規模は、1994年度から30年間で約32倍、2014年度から10年間で約2.1倍となっている。中国は、国防建設を経済建設と並ぶ重要課題と位置づけており、経済の発展に合わせて、国防力の向上のための資源投入を継続してきたと考えられるが、公表国防予算増加率が経済成長率(国内総生産(GDP)増加率)を上回る年も少なくない。中国経済の成長の鈍化が、今後の国防費にどのような影響を及ぼすか注目される。 また、中国が国防費として公表している額は、実際に軍事目的に支出している額の一部にすぎず、例えば、外国からの装備購入費や研究開発費などは公表国防費に含まれていないとみられる。米国防省の分析によれば、2022年の中国の実際の国防支出は公表国防予算よりも 図表I-3-2-1 中国の公表国防予算の推移 (億円) 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 17 19 21 23 24 (年度) (%) 25 20 15 10 5 0 国防費(億円) 伸び率(%) わが国の2024年度 防衛関係費は、 7兆7,249億円 (注) 「国防費」は、「中央一般公共予算支出」(2014年以前は「中央財政支出」と呼ばれたもの)における「国防予算」額。「伸び率」は、対前年度当初予算比。ただし、2002年度の国防費については対前年度増加額・伸び率のみが公表されたため、これらを前年度の執行実績からの増加分として予算額を算出。また、16年度および18~24年度は「中央一般公共予算支出」の一部である「中央本級支出」における国防予算のみが公表されたため、その数値を「国防費」として使用。伸び率の数値は中国公表値を含む。 5 中国の公表国防予算は、急速なペースで増加しており、2024年度にはわが国の防衛関係費の約4.3倍に達している。なお、わが国の防衛関係費は、約20年間で約1.6倍(30年間では約1.6倍)である。 67 令和6年版 防衛白書