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A.2015年のスイス:砂糖、コーヒーの備蓄量は3か月分。
出典: 農林水産省『令和6年度 食料・農業・農村白書(全体版)』2025年5月公表
第5節 不測時における措置 (2) 不測時に備えた備蓄の実施 (不測時に備えた穀物の備蓄を実施) 政府は国内の米の生産量の減少によりその供給が不足する事態に備え、米を100万t程度1備蓄しています。あわせて、海外における不測の事態の発生による供給途絶等に備えるため、食糧用小麦については国全体として外国産食糧用小麦の需要量の2.3か月分を備蓄し、そのうち1.8か月分の保管料を、飼料穀物についてはとうもろこし等約100万tを民間で備蓄し、そのうち75万t分の保管費等を政府が支援しています。食料の備蓄強化に向けては、国内外の食料安全保障の状況を適切に把握・分析の上、これらを踏まえて、民間在庫量の把握等を進め、官民合わせた総合的な備蓄の推進を行うことが重要です。 (フォーカス) 諸外国では食料安全保障の確保に向けた備蓄を実施 我が国の備蓄は、平時において食料安全保障の確保に向け実施する措置の一つです。諸外国においても、各国の状況・考えに応じて、食料の備蓄を行っています。ここではスイス、ドイツ、フィンランドにおける対応について紹介します。 スイスにおいては、備蓄は食料の供給不足の兆候が表れた際に、迅速に対応できる手段として、特に重要であると考えられています。法律に基づき官民が協力して備蓄を行いますが、あくまで主体は民間事業者であるという考えであるため、費用については、備蓄する品目の輸入事業者に課せられる輸入賦課金から負担する仕組みとなっています。また、コーヒーを備蓄しているのも特徴の一つです。コーヒーは、炭水化物、たんぱく質、脂質が少ないためエネルギーはほとんどなく、栄養学的観点からは備蓄を継続する必要はありませんが、スイスの消費習慣において重要な位置付けをされており、心理的な理由に基づき備蓄されています。 ドイツにおいては、国民の食料供給における短期的な対応を目的としており、平時の備蓄量は数日から数週間の範囲で最低限の水準となっています。しかし、不測の事態のおそれのある場合等で、備蓄水準が不十分と判断した場合には、民間への備蓄命令により備蓄量を増やすこととしています。 フィンランドにおいては、ロシア・ウクライナ情勢等の今後数年間は継続する可能性のある安全保障上の問題を踏まえ、深刻な混乱や緊急事態が発生した場合の国内供給を確保することを目的として、食用の緊急備蓄を維持することとしています。 諸外国における備蓄水準 スイス ドイツ フィンランド 備蓄主体 民間 連邦政府・民間 民間(政府が委任) 備蓄品目 小麦、米、食用油、砂糖、コーヒー 飼料、肥料、なたねの種子 連邦備蓄:パン用穀物(小麦、ライ麦)、オート麦(えん麦) 民間備蓄(予算措置):米、豆類(エンドウ豆とレンズ豆)、コンデンスミルク 小麦、オーツ麦、ライ麦、大麦 焙煎していないコーヒー豆、砂糖、塩 等 備蓄量 小麦、米、食用油:4か月分 砂糖、コーヒー:3か月分 飼料:2か月分 窒素肥料:1作期に必要な量の1/3 連邦備蓄:非公表(※但し、数日〜数週間分との概算の見解有) 民間備蓄:大都市圏で少なくとも1日の食事を提供できる量 穀物:9か月分(緊急備蓄) ※令和5(2023)年3月に6か月から9か月へ緊急備蓄を拡大した旨をプレスリリース 資料:スイス連邦経済・教育・研究省「Bericht zur Vorratshaltung 2015および2019」、各国政府公表資料、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社「令和5年度諸外国の食料安全保障政策に関する調査委託事業」(令和5(2023)年9月公表)を基に農林水産省作成 1 10年に1度の不作や、通常程度の不作が2年連続した事態にも国産米を以て対処し得る水準 100