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A.ガバナンス改革の更なる推進
企業統治(ガバナンス)の質を向上させるための改革を、より一層推進していく方針を示す。
出典: 金融庁『平成30事務年度 金融行政方針』2018年9月公表
(1) ガバナンス改革の更なる推進 【金融行政上の課題】 我が国企業の事業活動のグローバル化や情報通信技術の発展、機関投資家・海外投資家の株式保有割合の上昇等、企業や投資家を取り巻く環境が大きく変化する中、資本市場の機能の発揮を通じ、我が国全体の最適な資金フローを実現し、企業価値の向上と収益の果実を家計にもたらしていくという好循環を実現することが求められている。 そのためには、企業が、投資家との「建設的な対話」を通じて自らのガバナンスの質を向上させ、果断な経営判断を行っていくことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していくことが期待される。 2013 年に閣議決定された「日本再興戦略」以降、成長戦略の一環として、コーポレートガバナンス改革による企業価値の向上が掲げられ機関投資家の行動原則であるスチュワードシップ・コードが 2014 年に策定、昨年に改訂され、上場会社の行動原則であるコーポレートガバナンス・コードについても 2015 年に策定、本年に改訂された。各般の施策により改革の枠組みは整ってきているが、投資家と企業による取組みを「形式」から「実質」へと深化させていくことが引き続き課題である。 【昨事務年度の実績】 「投資家と企業の対話ガイドライン」の策定とコーポレートガバナンス・コードの改訂 コーポレートガバナンス改革については、企業における独立社外取締役の選任等の対応が進んだものの、ガバナンスの実質面において、以下のような課題が指摘された。 ・経営陣と投資家との間で、資本コストの水準の把握や企業のリターンが資本コストを上回っているかに関する認識に相違があり、こういった要因等を背景に、事業ポートフォリオの見直し等の果断な経営判断が必ずしも十分に行われていない。 ・企業の手元資金について、多くの投資家が適正水準を上回っていると認識しており、それらが設備投資、研究開発投資、人材投資等に十分活用されていない。 ・CEO の選解任に関し、指名委員会の設置等は進んだものの、選解任の具体的基準の整備は途上であり、後継者計画についても、取締役会による十分な監督が行われている企業は全体の四分の一程度に留まっている。 ・取締役会の構成を見ると、ジェンダー、さらには国際性の面において、必ずしもその多様性が十分に確保されているとは言えない。 ・政策保有株式について、多くの投資家から「企業のバランスシートにおいて活用されていないリスク性資産であり、資本管理上非効率ではないか」等といった指摘があるにもかかわらず、必ずしも保有目的やその効果についての検証が十分行われていない。 こうした指摘を踏まえ、フォローアップ会議において、政府の「新しい経済政策パッケージ」 46