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A.2021年の2020年の下方硬直性非経験者の2021年賃金上昇率は-3.46%pt。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
第2-2-21図 コロナ禍における下方硬直性とその後の上方硬直性 2020年のコロナ禍でも下方硬直性とその後の上方硬直性は生じたが、2年以内に解消した可能性も (1) 下方硬直性の有無による1~2年後の賃金上昇の違い (密度) 2021年 (実線は下方硬直性あり、破線は下方硬直性なし) 2022年 (実線は下方硬直性あり、破線は下方硬直性なし) (2) 下方硬直性・上方硬直性の度合い (下方硬直性経験者と非経験者の賃金上昇率の差) ①21年・22年平均 ②21年・22年を別に推計 (前年比、%pt) (前年比、%pt) 2020年の下方硬直性経験者の方が賃金上昇率が高い 2020年の下方硬直性経験者の方が賃金上昇率が高い (備考) 1. 慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センター「日本家計パネル調査(JHPS/KHPS)」、総務省「消費者物価指数」により作成。 2. (1)は、カーネル密度推定により分布を推定。(2)は、2012年~22年のデータを用いたDID(差の差)分析による推計。***は1%水準、**は5%水準で統計的に有意であることを示す。また、図中の誤差範囲は95%信頼区間を表している。標準誤差は、同一労働者でクラスター化して算出した「クラスター構造に頑健な標準誤差」。推計の詳細は、付注2-7を参照。 以上の分析で確認されたように、2020年代以降、全体として名目賃金上昇率が高まる中で、下方硬直性の影響を受ける労働者の割合は低下しつつあるものの、下方硬直性自体は引き続いて存在している。また、世界金融危機後にみられたように、2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に際しても、賃金の下方硬直性がその後の上方硬直性をある程度もたらしていたと言える。下方硬直性・上方硬直性による賃金調整の遅れは、賃金をシグナルとした市場メカニズムを損ない、経済全体の効率性を低下させる要因となる。賃金の下方硬直性やその影響を防ぐ観点からは、名目賃金上昇率が安定的に一定程度のプラスを維持することで賃金調整をより柔軟にしやすくすることが重要であり、引き続き、2%の安定的な物価上昇の実現とともに、これを上回る力強い賃上げの継続的な実現に向け、企業の生産性向上とその取組の支援、三位一体の労働市場改革等の政策を進めていくことが重要である。 248