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A.2024年の1〜3%程度の物価上昇率を望ましいと考える家計の割合は30%程度。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
年比で何%くらいだと思いますか」という質問を行い、「1~2%」などのレンジでの回答を求めた。その結果を(第2-1-18図(1))、最頻値は「2~3%」(回答の16.8%)となり、「1~2%」との回答と合わせると、本調査上では、3割程度の家計が2%を中心に1~3%程度の水準の物価上昇率を望ましいものと受け止めていることが確認される。一方、「0%」を挙げている家計も1割強と一定程度存在する。年齢別にみると(第2-1-18図(2))、高い年齢層の消費者ほど、「1~2%」又は「2~3%」を望ましい水準とする回答が多く、より高い物価上昇率に対する許容度が相対的に低いとみられる。上述したように、一般的な賃金カーブを考えると、年齢層が高いほど、今後の賃金上昇の見込みが弱く、年金受給者の場合は、制度上、既裁定者(年金を既に受給している人)の支給額の伸びが物価上昇を超えることはないことから、より低い物価上昇率への選好が強いとみられる。 第2-1-18図 望ましい物価上昇率 1~3%の物価上昇率を望ましいと考える家計は3割程度 (1)望ましい物価上昇率の分布 (2)年齢別の望ましい物価上昇率の分布 マイナス 0% 0~1% 1~2% 2~3% 3~5% 5~7% 7~10% 10~15% 15~20% 20%以上 0 5 10 15 20 (%) 全体 20代 30代 40代 50代 60代 100 80 60 40 20 0 (%) ■マイナス □0% ▧0~1% □1~2% ▨2~3% ▧3~5% ▧5~7% □7%以上 (備考)内閣府「家計の消費・貯蓄行動に関する調査」により作成。 この点、米国における研究では、アンケート調査に基づき、同国家計が考える望ましい物価上昇率は0%台前半であるとするものもあり32、ここでみた日本のケースとは異なる結果となっている。米国の場合は、相対的に高い年齢層の消費者を中心に、1970年代末~80年代前半の物価高騰と景気後退の印象が根強く33、物価上昇を忌避する傾向があり得るのに対し、我が国では、1990年代初頭のバブル崩壊以降長期にわたり経済成長率や賃金・物価上 32 例えば、Afrouzi et al. (2024) は、米国居住者を対象とした調査で、消費者が理想とする消費者物価上昇率の中央値は0.2%であり、約4分の1がマイナスの消費者物価上昇率が望ましいと回答したと報告している。 33 予想物価上昇率のコーホート(生まれ年別にみた世代)ごとの違いは、経験した物価上昇率の違いで一定程度説明できるとされる(Malmendier and Nagel (2016))ことから、望ましい物価上昇率に対する見方(選好)も、各世代の経験の違いが影響している可能性が考えられる。 189