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A.2024年の防衛省によるPAC-3MSE導入と防護範囲は2倍以上。
防衛省は2024年度の政策において、PAC-3MSEの導入により防護範囲(面積)がおおむね2倍以上に拡大する目標を設定しています。
出典: 防衛省『令和6年版 防衛白書(前編)』2024年7月公表
防衛省によるPAC-3MSE導入と防護範囲
2倍以上
PAC-3MSEの導入により、防護範囲(面積)がおおむね2倍以上に拡大する
第4節 ミサイル攻撃を含むわが国に対する侵攻への対応 対処にあたっては、航空総隊司令官を指揮官とするBMD統合任務部隊を組織し、JADGEなどを通じた一元的な指揮のもと、効果的に対処する。 北朝鮮は、2016年以降、3回の核実験を強行するとともに、特に2022年に入ってからは、かつてない高い頻度で、かつてない態様での弾道ミサイルなどの発射を繰り返してきた。2023年には、弾道ミサイルなどの発射を継続するとともに、5月、8月、11月に合計3回の衛星打ち上げとする発射を行い、11月の発射については、このとき発射した物体が地球を周回していることが確認されている。一連の打ち上げに対し、防衛省・自衛隊は破壊措置命令13を発出し、沖縄県にPAC-3部隊を展開するなど、万が一の事態に備えて所要の態勢を整えた。また、発射に際しては防衛省から政府内や関係機関に対して速やかに情報共有を行うとともに、関連情報の収集と分析などの対応を行ってきた。 防衛省・自衛隊としては、引き続き、北朝鮮が大量破壊兵器・ミサイルの廃棄に向けて具体的にどのような行動をとるのかをしっかり見極めていくとともに、米国などと緊密に連携しつつ、必要な情報の収集・分析、警戒監視などを実施している。 また、BMDシステムを効率的・効果的に運用するためには、在日米軍をはじめとする米国との協力が必要不可欠である。このため、これまでの日米安全保障協議委員会(「2+2」)において、BMD運用情報や関連情報の常時リアルタイムでの共有をはじめとする関連措置や協力の拡大について決定してきた。 さらに、わが国は従来から、弾道ミサイルの対処にあたり、早期警戒情報14(SEW)を米軍から受領するとともに、米軍がわが国に配備しているBMD用移動式レーダー(TPY-2レーダー)やイージス艦などを用いて収集した情報について情報共有を行うなど、緊密に協力している。 (3) 統合防空ミサイル防衛能力強化のための取組 わが国は、弾道ミサイル攻撃などへの対応に万全を期すため、2004年からBMDシステムの整備を開始するとともに、2005年7月には、自衛隊法の改正を行った。これまでに、イージス艦への弾道ミサイル対処能力の付与やPAC-3の配備など、弾道ミサイル攻撃に対するわが国独自の体制整備を確実・に進めている。 より高性能化・多様化する将来の弾道ミサイルの脅威に対処するため、イージス艦に搭載するSM-3ブロックIAの後継となるBMD用能力向上型迎撃ミサイル(SM-3ブロックIIA15)を日米共同で開発し、2017年度以降取得している。 また、「おとり」などの迎撃回避手段を備えた弾道ミサイルや通常の軌道よりも高い軌道(ロフテッド軌道16)をとることにより迎撃を回避することを意図して発射された弾道ミサイルなどに対しても、迎撃能力が向上している。2022年11月には、イージス艦「まや」が、海自艦艇として初めてSM-3ブロックIIAの発射試験を実施し、標的の迎撃に成功した。 さらに、2020年12月、厳しさを増すわが国を取り巻く安全保障環境により柔軟かつ効果的に対応していくため、陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)に替えて、イージス・システム搭載艦2隻を整備することを閣議決定した。同艦は海自が保持することとしており、弾道ミサイルに対応するSM-3ブロックIIAやHGVなどにも対応できるSM-6など、最新鋭のイージス艦と同等以上の能力を保有し、省人化を図りつつ耐洋性、居住性などを向上させ、2024年度から建造に着手する。 PAC-3についても、能力向上型であるPAC-3MSEの整備を進めており、2019年度末以降順次配備が開始された。PAC-3MSEの導入により、迎撃高度は十数キロから数十キロへと延伸することとなり、従来のPAC-3と比べ、おおむね2倍以上に防護範囲(面積)が拡大する。 13 2023年5月に弾道ミサイル等に対する破壊措置の実施に関する自衛隊行動命令を発出した。 14 わが国の方向へ発射される弾道ミサイルなどに関する発射地域、発射時刻、落下予想地域、落下予想時刻などのデータを、発射直後、短時間のうちに米軍が解析して自衛隊に伝達する情報(1996年4月から受領開始)。 15 SM-3ブロックIIAは、SM-3ブロックIAと比較して、迎撃可能高度や防護範囲が拡大するとともに、撃破能力が向上し、さらに同時対処能力についても向上している。 16 ミニマムエナジー軌道(効率的に飛翔し、射程を最も大きくする軌道)より高い軌道をとることにより、最大射程よりも短い射程となるが、落下速度が速くなる軌道。 277 令和6年版 防衛白書