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A.日本語や日本文化に最適化されたAIの提供の実現
総務省が2024年度に掲げる、日本語や日本文化に最適化されたAIの提供の実現に向けた目標です。特定の数値目標や単位は設定されていませんが、国内の文化や言語特性に適した独自のAI環境の構築を目指す政策目標となっています。
出典: 総務省『令和6年版 情報通信白書(全体版)』2024年7月公表
総務省の日本語等に最適化されたAI提供の実現目標
日本語や日本文化に最適化されたAIの提供の実現
第1節 デジタルテクノロジーとのさらなる共生に向けた課題と必要な取組 データを収集、生成、管理し、そのような高品質データを研究機関や企業間で共有する取組が進められている。情報通信研究機構(NICT)では、従来からの多言語音声翻訳などのAI自然言語処理に関する研究開発を通じて蓄積した言語データ構築に関する知見を活かし、AI学習に適した大量・高品質で安全性の高い日本語を中心とする言語データを整備・拡充し、民間企業やアカデミアにアクセスを提供する取組が進められている*4。さらに、基盤モデルの理解を通じて、効率が良く精度の高い学習手法、透明性・信頼性を確保する手法等の研究開発力の強化のための支援にも取り組む*5。 こうした産官学の連携を通じて、国産LLM(大規模言語モデル)の開発を推進し、国内のニーズに特化したモデルの作成や、日本語や日本文化に最適化されたAIの提供を実現していくことが重要となっている(第4章第1節参照)。 また、開発の進む国産LLMは、東南アジア諸国などの非英語圏における独自言語モデル構築への展開可能性が十分にあると期待されている*6。東南アジア諸国においては、短期間でそれぞれの言語モデルを独自に開発することは、データ不足等の要因もあり厳しいと予測されるため、日本語モデルの構築ノウハウを、東南アジア各国における言語に展開していくことは、アジア地域として欧米に対する経済競争力を持つよい機会と捉えられるとされている。また、欧米のビッグテックによるサービスへの日本展開にあたり、国内で開発した日本語モデルを活用してライセンス料を得るという形も考えられる。従来は、欧米と言語圏が異なることが経済競争においてハンディキャップであったものを、逆手にとれる状況である。上記において、政府が戦略的に投資していくことで、国産LLMの国際的な存在感を確立することにつながると期待が寄せられている。 我が国は、前述した人口減少、少子高齢化といった人口構造に関する課題のほか、経済構造の変動、インフラの老朽化、自然災害リスクの増大等の社会課題を抱えている。特に地域社会は、人手不足、地域産業の衰退、公共・準公共サービスの維持といった課題を抱えており、これらの解決に向けてデジタル技術の活用が期待される。 総務省はこれまで、「デジタル田園都市国家構想」や「デジタル行財政改革」を踏まえ、地域社会DXの推進を支える情報通信環境の整備や、地域経済の活性化等に取り組んできた。一方で、必ずしもこれまで の地域社会DXに向けた取組の全てが地域課題の解決に結びついているわけではないとの問題意識から、2023年12月より「活力ある地域社会の実現に向けた情報通信基盤と利活用の在り方に関する懇談会」を開催し、活力ある多様な地域社会を実現するために必要な情報通信基盤とその利活用に関する政策の方向性を検討している。この懇談会の検討項目の一つとして、地域社会の交通維持のための自動運転、地域産業維持のためのスマート農業など、ユースケースに応じた最適な情報通信利用環境をどのように整備し、普及させていくべきかとの観点から、「ユースケースごとに求められる情報通信利用環境整備の在り方」について議論が行われた。2024年5月の「報告書(案)」においては、「地域の産業振興や社会課題解決に向けた、農産物の自動管理、災害対策、モビリティ等の領域でDXを進める上で不可欠な要素となっているAI、メタバース等を *4 「総務省・NICTが整備する学習言語データのアクセス提供について」 (2023年9月8日第5回AI戦略会議資料3-4) <https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_senryaku/5kai/dataitekiyou.pdf> *5 AI関連の主要な施策について(案)(2023年8月4日第4回AI戦略会議資料2) <https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_senryaku/4kai/shisaku.pdf> *6 東京大学工学系研究科 川原圭博教授インタビューによる (2024年3月19日実施) 第6章 デジタルテクノロジーとのさらなる共生に向けて 2 社会課題解決のためのデジタルテクノロジー活用に向けた取組 90 令和6年版 情報通信白書 第Ⅰ部