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A.2019年の普天間飛行場代替施設提供までの見込み期間は12年。
出典: 防衛省『令和7年版 防衛白書(前編)』2025年7月公表
在日米軍の駐留に関する取組 第5節 施設をL字型に設置することとされたが、その後の名護市をはじめとする地元地方公共団体との協議や合意を踏まえ、2006年5月のロードマップにおいて、代替施設の滑走路をV字型で設置することとなった。この代替施設の建設について、同月、稲嶺沖縄県知事(当時)と額賀防衛庁長官(当時)との間でも基本確認書が取り交わされた。 2009年9月の政権交代後、沖縄基地問題検討委員会が設けられた。この委員会による検討を経たのち、2010年5月の日米「2+2」において、普天間飛行場の代替施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区とこれに隣接する水域に設置する意図を確認した。その後、2011年6月の日米「2+2」において、滑走路の形状をV字型と決定した。 このような結論に至る検討過程では、まず、東アジアの安全保障環境に不安定性・不確実性が残るなか、わが国の安全保障上極めて重要な位置にある沖縄に所在する海兵隊をはじめとして、在日米軍の抑止力を低下させることは、安全保障上の観点からできないとの判断があった。 また、同飛行場に所属する海兵隊ヘリ部隊を沖縄所在のほかの海兵隊部隊から切り離し、国外・県外に移転すれば、海兵隊の持つ機動性・即応性といった特性を損なう懸念があった。これは、海兵隊が、航空、陸上、後方支援の部隊や司令部を一体的に運用しているためである。こうしたことから、同飛行場の代替地は沖縄県内とせざるを得ないとの結論に至った。 イ 埋立工事の開始 普天間飛行場代替施設建設事業の実施にあたり、2007年から約5年間にわたり、環境影響評価を行った。この評価に対して、沖縄県知事から、1,561件の意見を受け、その全てに補正を行うとともに、環境影響評価書への記載に適切に反映している。 沖縄防衛局は、2013年3月、公有水面埋立承認願書を沖縄県に提出し、同年12月、仲井眞知事(当時)はこれを承認した。 工事開始後、翁長知事(当時)が当該埋立承認を取り消したことから、国と沖縄県との訴訟などを経たが、2018年12月に、辺野古側の海域において、埋立工事を開始した。2023年9月末にかけて、辺野古側の海域における埋立の進捗は約99.5%となり、おおむね完了している。(2025年3月現在) ウ 地盤改良などの検討 埋立地の地盤に関しては、ボーリング調査の結果などを踏まえ、大浦湾側の海域における護岸などの構造物の安定性などについて検討を行った。その結果、羽田空港や関西国際空港、那覇空港でも用いられた一般的で施工実績が豊富な工法8により地盤改良工事を行うことで、所要の安定性を確保できる強度の地盤になり、問題なく埋立地を完成させ、飛行場を建設できることが確認された。このことは2019年9月から開催された、地盤、構造、水工、舗装の各分野の有識者で構成される技術検討会においても確認されている。 そして、同年12月、沖縄防衛局は、それまでの検討結果を踏まえ、変更後の計画に基づく工事に着手してから工事完了までに9年3か月、沖縄統合計画に示されている提供手続を完了するまでに約12年を要し、また普天間飛行場代替施設建設事業に要する経費の概略として、約9,300億円が必要であることを示した。 また、環境面についても、2020年1月から4月までの間に開催した自然環境などにかかる各分野の有識者で構成される環境監視等委員会において、計画の変更による環境への影響の程度は、変更前と比べて同程度またはそれ以下であることが確認されている。 エ 公有水面埋立の変更承認申請 このように、沖縄防衛局は、有識者の知見も得つつ、十分に検討を行ったうえで、2020年4月、地盤改良工事の追加などに伴う埋立の変更承認申請を沖縄県知事に提出した。 しかしながら、沖縄県知事は、2021年11月、埋立予定地の地盤の調査や環境保全対策が十分でないとして、変更承認申請を不承認とした。これを受け、同年12月、沖縄防衛局長は、国土交通大臣に対し、行政不服審査法に基づく審査請求を行い、2022年4月、国土交通大臣は、沖縄県知事による不承認処分を取り消す裁決を行うとともに、沖縄県に対し、変更承認申請を承認するよう、地方自治法に基づく是正の指示を行った。 この裁決および是正の指示に対し、同年8月、沖縄県知事は、国の関与の取消訴訟を福岡高裁那覇支部に提起 8 サンドコンパクションパイル工法、サンドドレーン工法、ペーパードレーン工法であり、他事業の例として、羽田空港拡張事業などがある。 日本の防衛 336