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A.2022年の日本円の地域別取引額におけるその他の割合は9.7%。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
(2)日本円の地域別取引額(2022年4月) 香港 5.8% その他 9.7% 英国 31.4% シンガポール 14.4% 米国 17.2% 日本 21.6% (備考)1. 財務省・日本銀行「国際収支統計」、BIS “Trennial Central Bank Survey” により作成。 2. (1)について、BISの調査は、2022年4月の為替市場における全ての取引をグロスベースで集計したものであるため、橋本(2022)を参考に、2022年における国際収支統計の受取・支払をグロスベースで合算した上で、1営業日あたりのドル建て金額に換算している。営業日の計算に当たっては、為替は日本国外で取引されることも考慮し、土曜日・日曜日のみを除いている(日本の祝日は除いていない)。 2.我が国企業とグローバルバリューチェーンとの関わり サプライチェーンの国際化の歴史を振り返ると、第二次世界大戦以降、技術進歩による輸送費の低下や関税率の引下げ、直接投資規制の緩和、資本移動の自由化によって、生産地と消費地の国際的な分離が可能となり、多国籍企業は、比較優位を持つ国に生産工程を集中させ、大規模生産を行うようになった。そして、米ソ冷戦終結後の1990年代以降は、FTA締結の拡大30や、EU、ASEAN等の経済統合の進展、中国のWTO加盟、新興国における安価な労働力の利用拡大、情報通信技術の進歩などを背景に、サプライチェーンの国際分業化が進んだ。特に、情報通信技術の進歩は、多国籍企業が各生産工程を物理的に距離のある地に分散することを可能にし、生産の各工程単位で、比較優位に基づいた国際分業が進んだ結果、グローバルバリューチェーン(Global Value Chain、以下「GVC」という。)という国際分業ネットワークが構築された31。 このような過程を経て、GVCは深化してきたが、近年は、第一次トランプ政権における米中貿易摩擦や、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴う供給網の混乱・途絶、ロシアのウクライナ侵略による資源価格の高騰といった事態に直面し、比較優位の観点だけでなく、経済安全保障・地政学リスクの観点を考慮して、サプライチェーンの構築を図る必要性が高まる流れにあった。こうした中、2025年に入り、米国による広範な関税措置が発動されたことにより、米国への輸入品に対する関税率は、第二次世界大戦以降、最も高い水準まで引き上げられるに至り、現在のGVCによる国際分業ネットワークを通じた生産・流通体制に甚大な影響を与える可能性が生じている。本節では、国際産業連関表の枠組みに基づき、高度に複雑化した現在のGVCの姿について明らかにしていく。 30 FTA増加の背景としては、貿易自由化による経済成長の実現といった経済的動機や、特定国との関係安定化、外国政権への支援、敵対国の排除といった政治的動機に加えて、GATT下におけるウルグアイ・ラウンドやWTO下におけるドーハ・ラウンドといった多角的貿易自由化交渉が行き詰っている状況が挙げられる(浦田(2023))。 31 以上の議論は、内閣府(2009)、OECD(2013)、加藤・永沼(2013)、内閣府(2019)、菅沼(2024)等に基づく。 328