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A.2023年の投融資実施の定義:海外関係会社への投融資残高は1億円以上。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
第3-2-21図 海外投融資開始による賃金上昇効果の比較 製造業では投融資非開始企業との違いは明確ではなく、非製造業では投融資非開始企業と異なり賃金水準は維持 (1) 製造業 (2) 非製造業 (賃金の変化率、%) (賃金の変化率、%) 4 4 2 2 0 0 -2 -2 -4 -4 -6 -6 -1 0 1 2 3 4 5 (年後) -1 0 1 2 3 4 5 (年後) 投融資 投融資 投融資 投融資 開始年 開始年 開始企業 非開始企業 投融資 開始企業 投融資 非開始企業 (備考) 1. 経済産業省「経済産業省企業活動基本調査」の調査票情報により作成。賃金は全従業員一人当たりの賃金。 投融資実施は海外関係会社への投融資残高を1億円以上とし、未実施は5千万円以下と定義。 2. 推計期間は1997年度~2023年度。全産業を対象。 3. 投融資を開始する1年前の賃金を基準とした変化率。 傾向スコアにより、投融資を開始する確率が最も近い企業をマッチングし、それぞれの平均値を プロットしている。点線は±1標準誤差を示す。 4. 推計方法及び結果の詳細は、付注3-5を参照。 コラム3-3 国内市場において企業の寡占化は進んでいるのか 本節では、大企業等における長期的な変化として、主に海外展開について取り上げたが、 ここでは、企業行動の変化の一つの要素として、国際的にも議論となっている競争環境の 低下や寡占化が日本においても進んでいるのかという点を確認する。例えば、大橋(2021) は、企業部門を巡る環境の変化として、一部で寡占化が進みつつある点を指摘しており、 その背景として、①国内における長期的な人口減少による市場規模の縮小と、②デジタル 化の進展の中、デジタル・プラットフォームが、データの大規模収集を通じて情報の優位 性を保持し、競争阻害的な行動がとられるようになっているという点を挙げている。②は、 世界的な課題と言えるが、①は我が国経済に特徴的な状況と言える。一般に、人口 減少により長期的に縮小が見込まれる市場環境においては、市場縮小による競争激化を見 越して新規参入が控えられれる可能性があるほか、既存企業において、今後の市場拡大が見 込めない中で、赤字化する前に廃業を選択する、あるいは同業他社へ事業譲渡を行うとい うことが発生し得る。こうしたメカニズムにより、市場規模の縮小下で寡占化が進展し得 る。 IMF(2019)では、企業の収益率の上昇のほか、後述するHHI(ハーフィンダー ル・ハーシュマン指数)の上昇、マークアップ率の上昇といった観点から、世界的に企 業の支配力が高まっている点を指摘している。例えば、米国など多くの先進諸国ではこ 386