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A.2021年のドイツにおけるエネルギー小売事業者の破綻件数は39社。
出典: 資源エネルギー庁『エネルギー白書2022(全文版)』2022年6月公表
39社
ドイツにおけるエネルギー小売事業者の破綻件数
第2節 世界的なエネルギー価格の高騰とロシアのウクライナ侵略 (3)エネルギーに関する消費者物価指数の推移 次に、電気・ガス・ガソリン等について、日米欧の消費者 が直面する価格がどうなっているかについて見ていきます (以下、2019年1月の数値を基準(100)として、グラフデータの 計算をしています)。まず電気料金は、イタリアが1.77と突 出して上昇しています。一方、英国やフランスでは、卸電力 価格がイタリアと同水準まで高騰したにも関わらず電力料金 は1.3~1.4程度の変化に収まっています。イタリアは、英国 やフランスと違い、電源構成に占める火力発電の割合が 相対的に高かったために天然ガス価格の高騰に伴って電気代 も急激に上がったものと考えられます。ガス料金は、イタリ アが1.47と最大の値上がりを見せていますが、フランス、ド イツ、米国も1.3程度まで上がっています。ガソリン等17料金 は、英国、ドイツ、米国、フランスの順で1.88、1.85、1.82、 1.76と値上がりしています。この中で、米国は該当期間を通 じて高めに推移していますが、これは米国の石油製品価格の 動きは国際的な原油価格指標であるブレント価格に連動する 傾向があることに加え、2019年1月の水準が例外的 に安かったことが影響しています。例えば2019年のピークである2019 年4月を基準(100)とした場合には、各国同様の推移となり ます。 なお、全体の指標を通じて日本は電気で1.10、ガスは1.11、 ガソリンは1.29と相対的に抑えられています。本来、資源輸 入国である日本は、世界的な資源価格高騰の影響を直接受 けやすい状況にありますが、電力・ガス事業者における油価連 動を中心とした長期契約比率が相対的に高いことによって輸 入価格が比較的安価に抑えられていることと、電気・ガス に関する燃料費調整制度18やガソリンの激変緩和措置等によっ て小売価格まで転嫁されていないこと等が要因であると考え られます(図132-4-2)。 (2)欧州における電力卸価格の高騰と小売電気事業者の経営 破綻 欧州では送電線により国境を越えた電力融通が行われてい ますが、欧州における卸電力価格は、新型コロナによって落 ち込んでいた2020年から一転して、2021年後半には大幅に上 昇しました。背景には、前述のように、欧州における天候不 順によって風力発電が低迷し、天然ガスを中心に火力発電の 燃料の需給がひっ迫して価格が高騰したこと等が影響したと 考えられます(第132-4-3)。 電力の調達価格の上昇を小売価格に転嫁出来なかったた め、欧州では2021年から2022年3月にかけて、英国、オランダ、 ドイツ、チェコ、ベルギー、フィンランドで多数の小売エネル ギー事業者が経営破綻しました(第132-4-4)。特に英国で は、29社が経営破綻し、うち1社は170万世帯の顧客を抱える 企業(Bulb Energy)であり特別公的管理へと移行されました。 【第132-4-3】欧州における卸電力価格の推移(2021年) ユーロ/1,000kWh 700 600 500 400 300 200 100 0 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 ノルウェー ドイツ フランス イギリス イタリア スペイン 備考:ノルウェーはオスロゾンの価格 資料:ノルウェーはGMEウェブサイト、スペイン及び英国はNord Poolウェブサ イト、イタリアはGMEウェブサイト、スペインはOMIEウェブ サイトより経済産業省作成 【第132-4-4】欧州における小売エネルギー事業者経営破綻の 状況 地域 破綻事業者数 英国 21年8月以降 (うち1社は特別公的管理へ移行) 29社 フランス 21年10月 1社 (Hydroption社) ドイツ 21年1-12月 39社 オランダ 21年10月以降 7社 ベルギー 21年12月 1社 (Vlaamse Energieleverancier社) チェコ 21年10月以降 18社 フィンランド 21年12月 1社 (Energia 247社) 参考 21年10月以降 3社 (欧州以外) シンガポール 日本 21年 5社 資料:エネルギー経済経済研究所作成資料 5. エネルギー価格高騰に対する各国の政策対応 エネルギー価格高騰を受けた各国の短期的な対応は、①需 要家保護と②小売事業者保護の大きく二つに分かれますが、 小売料金上限の引上げ/引下げのように、片方にとって便益 となる内容が、もう片方にとっては損失となるケースも存在 します。そのため、①のうち特に困窮する需要家の保護を 優先させつつ、国の資金も注入しながら、需要家保護...