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A.2024年のソマリア沖・アデン湾等での海賊等事案の発生状況(2024年)は8件。
出典: 防衛省『令和7年版 防衛白書(前編)』2025年7月公表
わが国に対する侵攻への対応など 第1節 (2) 防衛省・自衛隊の対応 防衛省・自衛隊においては、わが国周辺海域における平素からの警戒監視活動の一環として、海自が、国連安保理決議違反が疑われる船舶の情報収集を行っており、関係省庁、関係国および関係国際機関と緊密に協力している。その結果、北朝鮮籍タンカーと外国籍タンカーなどが東シナ海の公海上で接舷(横付け)している様子を、2018年以降、2025年3月末までの間に計24回確認した。これらの船舶は、国連安保理決議で禁止されている「瀬取り」を行っていたことが強く疑われるとの認識に至ったため、わが国として、関係国への情報提供や対外公表を行っている。 北朝鮮籍船舶による「瀬取り」を含む違法な海上活動に対しては、近年、国際的な関心が高まってきており、2018年以降、米国や韓国を始め、オーストラリア、カナダ、英国、ニュージーランド、フランス、ドイツ、オランダ、イタリアが、わが国周辺海域に艦艇や航空機を派遣し、警戒監視活動を行っている。防衛省・自衛隊は、引き続き関係国と緊密に協力し、国連安保理決議の実効性を確保していく。 7 シーレーンの安定利用を確保するための取組 (1) 海賊対処の取組 ア 海賊対処の意義と国際社会の取組 海賊行為は、海上における公共の安全と秩序の維持に対する重大な脅威である。特に、海洋国家として国家の生存と繁栄の基盤である資源や食料の多くを海上輸送に依存するわが国にとっては、看過できない問題である。わが国は、海賊行為に対し、第一義的には警察機関である海上保安庁が対処し、海上保安庁では対処できない、または著しく困難と認められる場合には、自衛隊が対処することとしている。 この点、後述のソマリア沖・アデン湾における海賊行為については、海上保安庁が対処することが困難であることから、自衛隊の部隊を派遣し、海賊対処を行ってきている。 ソマリア沖・アデン湾は、わが国を含む国際社会にとって、欧州や中東から東アジアを結ぶ極めて重要な海上交通路(シーレーン)である。同海域においては、人質の抑留による身代金獲得などを目的に、機関銃やロケット・ランチャーなどで武装した海賊事案が多発したことから、2008年に国連安保理決議第1816号が採択された。以後、追加で採択された関連決議により、各国は同海域における海賊行為を抑止するための行動、特に軍艦や軍用の派遣を要請されたことを踏まえ、これまでわが国や米国を含む約30か国がソマリア沖・アデン湾に軍艦などを派遣している。 海賊対処のための国際的な取組としては、多国籍部隊の第151連合任務群が、同じく海賊対処を担うEU海上部隊(EUNAVFOR)と連携し、作戦地域の沿岸国の領海以外で海賊対処にあたっている。 こうした国際社会の取組により、ソマリア沖・アデン湾における海賊事案の発生件数は低い水準で推移している。しかし、2023年には1件、2024年には8件の事案(ハイジャックを含む。)が発生し、海賊の活動が再び活発化の様相を見せていることに加え、海賊を生み出す根本的な原因とされているソマリア国内の不安定な治安や貧困などは未だ解決されておらず、海賊対処に対処しなければならない状況に依然として変化が見られないこと、また、ソマリア自身の海賊取締能力も未だ不十分であることから、わが国としても、極めて重要なシーレーンであるソマリア沖・アデン湾における航行の安全確保に万全を期すとともに、国際社会の平和と安定に貢献するため、引き続き諸外国の部隊を含む国際社会と連携して海賊対処行動を確実に行っていく必要がある。 参照 図表III-1-1-9(ソマリア沖・アデン湾およびその周辺における海賊等事案の発生状況(未遂を含む。))、I部4章5節2項2(海賊) 図表III-1-1-9 ソマリア沖・アデン湾およびその周辺における海賊等事案の発生状況(未遂を含む。) (件数) 250 237 218 200 219 150 111 100 75 50 48 22 51 15 11 0 2 9 3 0 0 1 0 1 8 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 (年) (注) 資料は、国際商業会議所(ICC)国際海事局(IMB)のレポートによる。 第III部 第1章 わが国自身の防衛体制 日本の防衛 260