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A.2021年のカーボンニュートラル宣言国・地域のCO2排出量割合は79%。
資源エネルギー庁が公表した2021年のデータによると、カーボンニュートラルを宣言した国・地域による世界のCO2排出量の割合は79%に達しています。世界の大半のCO2排出源が脱炭素化を宣言している状況を示しています。
出典: 資源エネルギー庁『エネルギー白書2022(全文版)』2022年6月公表
カーボンニュートラル宣言国・地域のCO2排出量割合
79%
カーボンニュートラルを宣言した国・地域による世界のCO2排出量の割合
序文 2021年度は、エネルギー政策の要諦である「S+3E」、すなわち、安全性(Safety)、安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)のうち、とりわけエネルギー安定供給にとって死活的な課題が投げかけられた年でした。 第一に、2022年2月24日のロシア軍によるウクライナ侵略です。ロシアを中心とした地政学リスクが、エネルギー市場の安定と世界経済を根底から揺さぶりえました。すぐに使える資源が乏しく、自然エネルギーを活用する条件が諸外国と異なる日本にとって、エネルギーの安定供給を確保することは死活的に重要であることは、論を俟ちません。2050年カーボンニュートラルや2030年度の野心的な温室効果ガス削減目標の実現に向け、時間軸を意識して取り組みながらも、常に最悪の事態に備え、エネルギーが途絶しないよう、現実を直視して冷静な判断を下し、政策を実行していく必要性が改めて認識されました。 第二に、世界的なエネルギー需給の逼迫と価格高騰です。ロシア軍によるウクライナ侵略以前にも、世界のエネルギーを巡る需給状況は厳しさを増していました。2014年ごろの原油価格下落や、脱炭素の流れを 受けた化石資源投資の低迷に より、燃料供給力が世界的に低迷していたこと、新型コロナウイルス感染症によって2020年に大きく停滞した世界経済が 2021年に回復に向かう中で、新興国を中心に天然ガスを始め としたエネルギー需要が大きく増加したこと、2021年夏には 天候不順や災害等により、欧州各国で風力発電が期待通りに 動かなかったことや、北欧や南米で水不足による水力発電量 が低下したこと、及び米国で寒波や熱波による需要増大に伴 給力が追いつかなかったことに伴い、これを埋めるために、 天然ガス等の需要が世界中で大きく伸びたこと。こうしたこ とが複合的に作用し、2021年には各国でエネルギー需給が逼 迫し、電力価格が高騰したり、停電に至る例も見られまし た。2022年2月のロシア軍によるウクライナ侵略は、こうし た厳しい状況に追い打ちをかけ、世界のエネルギーを巡る情 勢を更なる退役に 向かわせて います。とりわけ、欧州では、 再生可能エネルギーによる電力供給を拡大させながら、調整 力として低炭素エネルギーの比率が大きくなる中で、天然ガ スを始めとした化石燃料をロシア一国に大きく依存する構造 であったことから、需給が著しく逼迫し価格も大きく変動す ることとなっています。S+3Eの全てを満たす単一なエネル ギー源が存在しない中、日本として、エネルギー安全保障の 観点から、引き続きあらゆる選択肢を追求していかねばなり ません。 第三に、日本における電力需給の逼迫です。3月22日の電 力需給ひっ迫を受け、史上初の「需給ひっ迫警報」を発令する に至りました。この背景・要因には、気温が低下して暖房 のための電力需要が増えたことや、天候不順で太陽光の発電 が少なかったこと、脱炭素の流れも相まって休廃止が進みつ ある火力発電が、春期の定期検査により稼働数が減少してい た時期に、3月16日の福島県沖の地震により火力発電が被害 を受け停止していたこと、などがあります。こうした中、東 日本では、原子力発電が稼働していませんでした。今回の事 案を通じて、エネルギーを安定供給することの重要性が改め て確認されました。 こうした中でも、脱炭素に向けた世界のうねりは止まるこ となく、むしろ一層加速しています。2021年末に、期限付の カーボンニュートラルを宣言したのは154ヵ国・1地域にのぼ り、世界のCO2排出量の79%、GDPの90%に及びました。気 候変動対策は、高い目標を競うだけでなく、いかに目標を達 成するかという実行力が問われる時代に入ったと言えます。 金融面では、気候変動に関する企業の情報開示のルール化が進み、各国の政策も、脱炭素につながるより具体的なものが 増えてきています。ただし、エネルギーを巡る情勢は各国で 千差万別であり、各国の事情を反映したより現実的な脱 炭素の取組が重要であり、世界全体の実効的な気候変動対策 にもつながるのであり、日本においてもこうした考え方の下、 2050年カーボンニュートラル、2030年度の野心的な温室効果 ガス排出削減目標の実現に向け、取り組んでいきます。 エネルギー政策を検討・実行する際に常に立ち返るべき原 点であり、また大前提は、東日本大震災及び東京電力福島第 一原子力発電所事故の経験、反省と教訓であり、これを肝に 銘じることです。依然として、2022年3月時点で2.2万人の被 災者が事故の影響により避難対象となっています。被災され た方々の心の痛みにしっ...