気候変動と生物多様性は相互に関連し、安全保障にも影響。多くの人々は持続可能な生活を送れていない。
タグ: 気候変動, 生物多様性, 安全保障, プラネタリー・バウンダリー, ソーシャル・バウンダリー, IPCC, IPBES
第1章 気候変動と生物多様性の現状と 国際的な動向 科学的知見から考察する気候変動と生物多様性の損失/安全保障との関連/プラネタリー・バウンダリーとソーシャル・バウンダリー 気候変動や生物多様性に関する科学的知見は、それぞれの問題が危機的状況にあることと相互に 関連することを示唆。また、気候変動と安全保障との関連についても示唆されている。 ■ 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書の統合報告書(2023年3月公表) 人間活動が、温室効果ガスの排出を通じて地球温暖化を引き起こしてき たことは疑う余地がない。 継続的な温室効果ガスの排出は更なる地球温暖化をもたらし、短期間のうちに約1.5℃に達する。 この10年間に行う選択や実施する対策は、現在から数千年先まで影響を持ち、今すぐ対策を取ることが必要。 ■ 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES) 生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書(2019年公表) 人間の影響により、過去50年間の地球上の種の絶滅は、過去1,000万年平均の少なくとも数十倍、あるいは数百万倍の 速度で進んでおり、適切な対策を講じなければ、今後更に加速すると指摘。 ■ 気候変動と生物多様性の相互の関連 IPBESとIPCCの合同ワークショップの報告書(2021年公表) 気候変動と生物多様性は相互に関連しており、森林や藻場の保全など、生態系の保護、持続可能な管理と再生のための対策 が気候変動の緩和、気候変動への適応に相乗効果をもたらすことを指摘。 ■ 安全保障との関連(気候変動影響評価報告書) 気候変動は、気候変動が引き起こす農業生産量の変動や食料価格の高騰、農 業への影響や災害による経済成長の低下、環境難民の流入等が紛争リスクの要 因の一つとなっている可能性等がある安全保障にも影響を及ぼすと 考えられている。 ■ プラネタリー・バウンダリーとソーシャル・バウンダリー ・ プラネタリー・バウンダー(地球の限界、生態学上 的限界)を超えず、ソーシャル・ バウンダリー(社会の境界、社会的基盤)の下に落ちない領域を「ドーナツ内で の 生活」とし、Well-beingに焦点を当てた経済が繁栄することができるとされている。 ・ しかし現実では、多くの分野がプラネタリーバウンダリーの高リスクの領域にあり、多 くの人々がソーシャル・バウンダリー以下の状況で生活している。 オゾン層 の破壊 気候変動 海洋の 酸性化 生態学的上限 水 食料 エネルギー 健康 超過 経済 政治的 開発力 貧困 新規 化学物質 ネットワーク 住宅 紛争リスク 窒素とリンの 負荷 土地の改変 淡水の利用 注: Kate Raworth 「Doughnut Economics」(2017) に基づく。 資料: ローマクラブ Sandrine Dixson-Declève ほか 「Earth for All: A SURVIVAL GUIDE for Humanity」より環境省作成 5