資料3
資料 57-1-2
情報通信審議会
第一次中間答申(案)
諮問第 30 号
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」
令和8年7月 10 日
目次
はじめに ............................................................................1
第1章 検討の背景・経緯 ............................................................2
1-1 検討の背景 ................................................................2
1-2 検討課題 ..................................................................2
第2章 電波有効利用の推進に関する基本的方向性 ......................................3
2-1 電波有効利用の推進に関する基本的方向性 ....................................3
第3章 周波数割当の在り方 .........................................................15
3-1 価額競争の実施方法 .......................................................16
3-2
900MHz 帯を使用する新たな無線利用 .........................................17
3-3
運用調整の在り方 .........................................................19
3-4
携帯電話等周波数の有効利用の在り方 .......................................21
3-5 中長期的な視点を踏まえた周波数割当の在り方 ...............................22
第4章 無線局の免許制度等の在り方 .................................................24
4-1 技術進展や利用ニーズの高度化・多様化を踏まえた免許制度の在り方(携帯電話)
.................................................................................25
4-2
技術進展や利用ニーズの高度化・多様化を踏まえた免許制度の在り方(全国 BWA) 27
4-3
技術進展や利用ニーズの高度化・多様化を踏まえた免許制度等の在り方(地域 BWA・
ローカル5G) ...................................................................32
4-4
衛星通信の更なる円滑な利用に向けた制度の在り方 ...........................33
4-5
無線設備のソフトウェア化・オープン化等に対応した認証制度の在り方 .........35
4-6
免許申請手続等の在り方 ...................................................37
4-7 その他将来を見据えた免許制度の在り方 .....................................38
第5章 無線を利用したビジネス促進の在り方 .........................................39
5-1 我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進方策 .............39
5-2 インフラシェアリングの在り方 .............................................42
第6章 電波の利用環境の在り方 .....................................................44
6-1 電波の利用環境分野の今後の政策の在り方 ...................................44
6-2 携帯電話エリア整備、基地局強靱化に対する支援策の在り方 ...................47
第7章 その他必要と考えられる事項 .................................................49
7-1 電波利用料の在り方 .......................................................49
7-2 その他必要と考えられる事項 ...............................................51
第8章 今後の取組について .........................................................52
第9章 空の利用拡大の進展段階に応じた電波利用政策の方向性(別冊1) ...............53
第 10 章 我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進方策(別冊2) ...135
第 11 章 電波監視の在り方(別冊3) ...............................................190
参考資料(別冊4) ................................................................226
はじめに
情報通信審議会
情報通信技術分科会
電波有効利用委員会(主査:藤井 威生
電気通信大
学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター教授。以下「委員会」という。)は、令和7
年諮問第 30 号「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」について、令和7年3
月から検討を開始するとともに、検討事項のうち、電波監視分野における重要課題や優先して実
施すべき政策課題等について同年5月に「電波監視作業班」
(主任:菊間 信良
名古屋工業大学
名誉教授)を、ワイヤレス分野における重点技術領域の検討及びその推進方策等について同年8
月に「重点技術作業班」
(主任:森川
博之
東京大学大学院工学系研究科教授)を、航空分野に
おける電波の利用拡大を見据えた今後の電波利用政策の在り方等について同年 10 月に「電波上
空利用作業班」
(主任:藤井 威生
電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究セン
ター教授)をそれぞれ設置し、専門的な見地から具体的かつ集中的な検討を行った。
本中間答申は、委員会及び各作業班における検討の結果を取りまとめたものである。
1
第1章 検討の背景・経緯
1-1
検討の背景
我が国は、他の主要先進国に先駆けて人口減少・少子高齢化に直面しており、生産年齢人口が
減少する中にあっても持続的な経済成長を実現するための生産性の向上に取り組むことが喫緊
の課題である。また、令和6年能登半島地震などの大規模な災害が頻発する中、災害に強い強靱
な社会システムを構築することも大きな課題である。
携帯電話に代表されるように、電波を使ったシステムやサービスは、すでに国民生活や経済活
動に深く浸透しているが、自動運転やスマート農業、遠隔医療など、電波のより一層の活用を徹
底して進めることで、平時・災害時を問わず、国民生活を便利で安全・安心なものにするととも
に、地域の課題解決や新たな市場の創出を通じた経済成長の源泉となる可能性を持っている。
他方で、電波は有限の資源であり、電波の活用の進展に伴い電波資源はひっ迫するため、電波
の利用状況やニーズ、電波に関する最新の技術トレンドを踏まえて、周波数の割当てや周波数の
移行・再編・共用を適正かつ効率的に実施するなど、電波法(昭和25年法律第131号)の目
的である電波の公平かつ能率的な利用を確保することがますます重大となる。
このため、社会環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、電波の公平かつ能率的な利用を通じて国
民生活の利便性向上、地域の課題解決及び持続的経済成長を実現するため、国が取り組むべき電
波の有効利用の推進の在り方について包括的に検討することが必要であることから、令和7年2
月に「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」として諮問された。
1-2
検討課題
委員会においては、先述した背景等も踏まえ、社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
の在り方に関する検討課題として、以下の項目について報告を取りまとめることとした。
なお、これらの検討課題のうち、電波環境分野の在り方、価額競争の実施方法、900MHz 帯を使
用する新たな無線利用及び無線設備の認証制度の在り方の検討については、特に早急な対応が求
められたことから先行的に議論を行い、電波環境分野の在り方については令和7年9月、価額競
争の実施方法については同年 12 月、900MHz 帯を使用する新たな無線利用及び無線設備の認証制
度の在り方については令和8年5月に情報通信審議会において一部答申として取りまとめた。
(1)電波有効利用の推進に関する基本的方向性
これまでの議論の蓄積も踏まえつつ、電波の利用状況やニーズ、電波に関する最新の技
術トレンドを勘案して、2030 年代を見据えた中長期的な方向性を検討する。
(2)周波数割当の在り方
ひっ迫する電波の利用状況等を踏まえた周波数割当の基本的方向性について検討する
とともに、共用技術の進展等を踏まえた新たな周波数割当の手法など、これからの社会に
おける電波利用ニーズに的確に対応した周波数割当方策の在り方について検討する。
2
(3)無線局の免許制度等の在り方
無線技術の進展等を踏まえ、混信が生じないような仕組みを担保しつつ、簡素で柔軟か
つ迅速な免許制度、無線従事者資格制度、技術基準適合証明制度の在り方について検討す
る。
(4)無線を利用したビジネス促進の在り方
ワイヤレスインフラの効果的・効率的な整備や、高い周波数帯を含めた産業利用の促進
など、無線を利用したビジネスの社会展開を円滑に進めるための方策の在り方について検
討する。
(5)電波の利用環境の在り方
電波の利用状況の変化等を踏まえ、意図せず発射される混信等の増加に対応するための
電波監視の在り方や、人体に対する電波の安全性に関する研究の方向性など、無線システ
ムが安心して利用できる環境を確保するための方策の在り方について検討する。
(6)その他必要と考えられる事項
電波の公平かつ能率的な利用を確保するために必要な共益費用に係る電波利用料制度
の在り方等について検討する。
第2章 電波有効利用の推進に関する基本的方向性
2-1
電波有効利用の推進に関する基本的方向性
(1) 背景
ア. 電波利用の動向
電波は、周波数帯によって伝わり方や伝送できる情報量、利用技術の難易度が異なる。低
い周波数の電波は、障害物を回り込んで届くが伝送できる情報量は少なくなる。高い周波数
の電波は伝送できる情報量は大きくなるが、直進性が高くなる。また、帯域によっては雨に
よる影響(減衰)を受けやすくなる、使用する電波の幅(周波数帯幅)が広いほど、沢山の
情報を送ることができるなどの特徴がある。
3
図表1
電波の特性と利用形態
周波数が
低い
電波の届く距離
電波の伝わり方
伝送できる情報量
利用技術の難易度
遠くまで届く
障害物の後ろに回り込む
小さい
易しい
波長
100km
周波数 3kHz
10km
30kHz
(3万ヘルツ)
(3千ヘルツ)
超長波
長波
中波
短波
1m
300MHz
(3億ヘルツ)
超短波
短波放送
難しい
10cm
3G Hz
(30億ヘルツ)
極超短波
1cm
30G Hz
(300億ヘルツ)
マイクロ波
ミリ波
0.1mm
3THz
(3兆ヘルツ)
サブミリ波
EHF
光領域
電波天文 衛星通信 簡易無線 レーダー
固定間通信 放送番組中継 衛星通信 衛星放送
レーダー 電波天文・宇宙研究 ISM機器 狭域通信システム(ETC)
携帯電話(3.4、3.5、3.7、4.5、28GHz帯)
無線LAN(5、6GHz帯) 無線アクセスシステム(22,26,38GHz帯)
HF
UHF
VHF
主な利用例
○電波は金属等で反射するが、
物質を通り抜けたり、
反射したりする度に弱くなる
→ 携帯電話や放送は回り込んで
届く電波の性質を利用
1mm
300G Hz
(3千億ヘルツ)
SHF
FM放送(コミュニティ放送) 防災行政無線 消防無線 列車無線
警察無線 簡易無線 航空管制通信 無線呼出 コードレス電話 アマチュア無線
○低い周波数の電波は、
障害物を回り込んで届く
大きい
使いやすい帯域→需要大
アマチュア無線
周波数が
高い
直進する
MF
中波放送(AMラジオ)
船舶・航空機用ビーコン
船舶・航空機無線
10m
30MHz
(3千万ヘルツ)
LF
標準電波
船舶・航空機用ビーコン
船舶通信
アマチュア無線
100m
3MHz
(300万ヘルツ)
1km
300kHz
(30万ヘルツ)
降雨で弱められる
減衰しやすい
携帯電話 MCAシステム タクシー無線 TV放送 警察無線
移動体衛星通信 防災行政無線 簡易無線 レーダー アマチュア無線 コードレス電話
無線LAN(2.4GHz帯) ISM機器
○周波数が高くなると、
雨等でも減衰する
高い
○使用する電波の幅(周波数帯幅)
が広いほど、沢山の情報を送れる
大
3MHz
(300万ヘルツ)
周波数
減衰
低い
小
3GHz
(30億ヘルツ)
30MHz
(3千万ヘルツ)
2700万ヘルツ幅
マイクロ波
30GHz
(300億ヘルツ)
周波数幅
︓1000倍
270億ヘルツ幅
→ 大雨の時、地上波TV(UHF)は
映るのに、BS(マイクロ波)は映らない
→ 建物の中で、携帯電話
が切れる、ラジオが聞こえにくい
短波
→ 高速通信を実現するため、
高い周波数の電波を使用
1950 年代は、公共分野における VHF 帯等の低い周波数帯の利用が中心であったが、1985 年
の電気通信業務の民間開放をきっかけとして、移動通信分野を中心に電波利用ニーズが急速
に拡大しており、現在、携帯電話等の端末数は、3億 4,335 万(2025 年3月末)と日本の人
口1億 2,342 万人(2025 年3月)を上回っている。同月末には免許に基づき開設されている
無線局の数が約3億 6,230 万局に達し、引き続きこれらの無線局の増加が見込まれるほか、
多くの免許不要局(無線 LAN、特定小電力無線局、発射する電波が著しく微弱な無線局等)
が開設され、様々な電波利用が拡大しているところである。
図表2
昭和25年(1950年)
5,118局
約381万局
移動局
移動局
4,195局
固定局
放送局
552局
80局
その他
291局
電波利用の進展
昭和60年(1985年)
約107万局
令和7年(2025年)3月末
約3億6,230万局
移動局
約3億5,825万局
(うち携帯電話端末等※ 約3億4,335万局)
固定局 約3.8万局
放送局 約2.4万局
その他
約268万局
固定局 約9.3万局
放送局 約1.6万局
その他 約394万局
※ 携帯電話及びBWAの陸上移動局並びに衛星ダイレクト通信
を行う携帯移動地球局。
放送
衛星通信
地方公共団体等
海上通信
消防署等
防災通信
固定マイクロ回線
携帯電話
衛星ダイレクト通信
低い周波数帯には多数の無線局が存在しており、近年ますますひっ迫する傾向にある。そ
のため、今後は、比較的空いていて広い帯域幅が確保できる高い周波数帯の活用を推進する
ことが必須の状況となっている。
4
図表3
周波数帯別の無線局数の推移
無線局数(局)
400000000
350000000
低い周波数帯は
ますますひっ迫
2018年度
2019年度
2020年度
2021年度
2022年度
2023年度
2024年度
300000000
通信量の増加に対応するには
高い周波数帯の活用が必須
250000000
200000000
150000000
100000000
50000000
0
300MHz~470MHz
470MHz~770MHz
770MHz~3000MHz
3GHz~15.4GHz
23.6GHz~27.5GHz
27.5GHz~31GHz
また、トラヒックの増加傾向は現在も継続しており、我が国における今後のトラヒック需
要は、自動運転・メタバース・生成 AI などのユースケースによるデータ通信量の増大によ
り、2020 年比で 2030 年には約 14 倍、2040 年には約 348 倍まで爆発的に増加すると予想さ
れ、無線局数やトラヒックが年々増加していることにより以前に比べ周波数が極めてひっ迫
した状態となっており、電波の有効利用を促進することが必要となっている。
図表4
トラヒックの現状と将来予測
(出典)第7回デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会
(株)三菱総合研究所提出資料
今後の更なる無線利用の拡大により、電波利用産業におけるワイヤレス活用が進展した場
合の成長シナリオでは、我が国の実質 GDP について 2030 年時点で約 22 兆円、2035 年時点で
約 53 兆円の増分が見込まれており、2035 年時点で 110 兆円規模と、産業全体に占めるワイ
ヤレス関連規模が拡大すると予想されている。
5
一方、2000 年代以降、通信機器の国内生産は減少傾向にある。1990 年代半ばまで内需主導
だったが、2000 年代後半からはスマートフォンの登場を背景に輸入が急増している。また、
今後、5Gや Beyond5Gの技術を用いた通信インフラ整備拡大により需要総額の拡大が予測
される状況にある。
また、移動系ネットワーク機器の世界市場規模は 2021 年から微減しており、無線 LAN 機
器のみプラス成長となっている。こうした中、2024 年の携帯電話基地局の日本のシェアは約
2%にとどまる 1など、移動系ネットワークの製品・サービスにおける日本の競争力維持・向
上が課題となっている。
さらに、ワイヤレスの機能的な提供価値の発展に伴い、産業との関わり方が進展すること
で、今後は「産業のワイヤレス化」から「ワイヤレスの社会インフラ化」が進展すると期待
される。そのような流れの中、5G以降のモバイル通信産業は、市場、プレイヤーの類型、
役割の多様化・複合化及び製品・ソリューションの拡大など、あらゆる面において複雑化し
ている。
また、令和6年能登半島地震においては、停電や伝送路の断等により、通信サービスが長
時間にわたって利用できない状態が発生するなど、早期復旧に加え、今後の災害に備えて通
信インフラの強靱化を図ることも課題となっている。
イ.無線技術の多様化
無線システムや無線技術に関する最近の主な動向として、以下、第5世代移動通信システ
ム、非地上系ネットワーク、無線 LAN、ドローン、ソフトウェア化・オープン化等について
述べる。
「ワイヤレスの社会インフラ化」が進む中、これらの無線システム等を活用したモバ
イルネットワークの一層の拡充が必要不可欠となっている。
(ア) 第5世代移動通信システム(5G)
これまで、携帯電話には、広いエリアカバレッジに適している比較的低い周波数帯を中
心に割当てを実施してきた一方、様々な主体・ニーズに使えるローカル5Gには、スポッ
ト的な利用に適している比較的高い周波数帯を中心に割当てを実施してきたところであ
る。5Gの3つの主な特長のうち、
「超高速」は主に「周波数の幅」に依存しており、周波
数の幅を広く確保するためには、高い周波数帯の活用が重要となる。携帯電話については、
「デジタルインフラ整備計画 2030」
(令和7年6月総務省)において、2030 年頃のAIの
普及等の社会全体のデジタル化の進展に対応したモバイルネットワークを実現するため、
高周波数帯(Sub6・ミリ波)が一層活用され、5G SAの普及が進むこと等により、超高
速・低遅延・多数同時接続といった5Gの特長を活かした高品質な通信サービスが広く普
及するとともに、道路等の非居住地域であっても通信環境の確保が求められる地域につい
ては、多様な手段によるインフラ整備が進んでいる姿を目指すこととされた。
1
総務省「IoT 国際競争力指標 令和7年版(2024 年実績)」(2026 年5月)
(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03_04.html, 2026 年6月 18 日最終閲覧)。
6
高周波数帯(Sub6・ミリ波)については、平成 31 年に Sub6(3.7GHz 帯・4.0GHz 帯・
4.5GHz 帯)、ミリ波(28GHz 帯)の割当てを実施し、令和6年には Sub6(4.9GHz 帯)の追
加割当てを実施した。今後、ミリ波である 26GHz 帯を価額競争により割り当てることとし
ている。それらの周波数帯は、主にトラヒック対策として用いられることから、トラヒッ
ク需要等に応じた柔軟・迅速な基地局設置が重要となる。
図表5
5Gのためのインフラ整備の基本的な考え方
伝送情報量 :小
カバーエリア :大
利用技術の難易度:易
伝送情報量 :大
カバーエリア :小
利用技術の難易度:難
*2026年に実施予定の価額競争により5G向けに新規割当予定の帯域
700MHz
800MHz
900MHz
1.5GHz
1.7GHz
ローバンド
(いわゆるプラチナバンド)
2GHz
2.3GHz
2.5GHz
3.4GHz
3.5GHz
3.7GHz
4.5GHz
4.9GHz
サブ6
ミッドバンド
低周波数帯(プラチナバンド)
・ 伝送できる情報量は少ない
・ 広域なエリアカバー
(伝搬距離(半径):~数km)
中周波数帯(ミッドバンド~サブ6)
・ 伝送できる情報量は多い
・ 比較的広域なエリアカバー
(伝搬距離(半径):数百m程度)
図表6
26GHz*
FDD
20MHz
20MHz
FDD
40GHz
ミリ波
高周波数帯(ミリ波)
・ 大量の情報を伝送できる
・ スポット的な利用
(伝搬距離(半径):数十~百m程度)
移動通信システム用周波数の割当状況
700MHz帯 800MHz帯 900MHz帯 1.5GHz帯 1.7GHz帯 2GHz帯 2.3GHz帯 2.5GHz帯 3.4GHz帯 3.5GHz帯
FDD
28GHz
FDD
FDD
30MHz
30MHz
東名阪のみ
40MHz
30MHz
20MHz
40MHz
40MHz
40MHz
FDD
TDD
TDD
TDD
TDD
40MHz
40MHz
3.7GHz帯 4.5GHz帯
28GHz帯
4.0GHz帯 4.9GHz帯
TDD
TDD
40MHz
100MHz
100MHz
400MHz
840MHz
40MHz
200MHz
400MHz
830MHz
50MHz
20MHz
30MHz
20MHz
30MHz
40MHz
50MHz
40MHz
40MHz
100MHz
100MHz
400MHz
30MHz
合計
66MHz
(40MHzは
東名阪以外)
60MHz
30MHz
70MHz
190MHz
120MHz
40MHz
認定期間が満了した周波数又は開設計画の認定に係らない周波数
80MHz
820MHz
30MHz
80MHz
6MHz
合計
TDD
80MHz
120MHz
100MHz
400MHz
586MHz
500MHz
200MHz 1600MHz 3,156MHz
認定期間中の周波数
※ 携帯電話事業者は、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、沖縄セルラー電話株式会社、ソフトバンク株式会社、楽天モバイル株式会社。
全国BWA事業者は、UQコミュニケーションズ株式会社、Wireless City Planning株式会社。
全国の5G人口カバー率は、2024 年度末で 98.4%となっており、
「デジタル田園都市国
家インフラ整備計画」に掲げた 2025 年度末の目標(97%)を2年前倒しで達成し、2030 年
7
度末の目標(99%)に向け整備が進められている。また、各都道府県の5G人口カバー率
は、2024 年度末で 88.4%~99.9%となっており、2030 年度末各都道府県 99%程度以上とい
う目標に向け、引き続き整備が進められている。
図表7
全国の5G人口カバー率
5Gの整備状況
(2025年3月末)
98.4%
(2024年3月末 98.1%)
※ 携帯キャリア4者のエリアカバーを重ね合わせた数字。小数点第2位以下を四捨五入
各都道府県の5G人口カバー率 (2025年3月末)
%
100
98.2
98.8 97.9
92.0
90
94.3
97.6
95.9
98.5 97.2 98.0
99.8
98.8
99.8 99.9
96.8
99.3 97.5
96.1
97.4 97.6
95.6
98.4
99.6
97.2 99.1 98.0
99.9
97.9 97.9
95.7
95.1 95.1
97.8 97.4
96.3
98.9
99.6 97.5
96.1
91.9
97.3
97.4
94.5
96.3
94.7
99.8
88.4
80
70
沖縄 県
鹿児 島県
宮崎 県
大分 県
熊本 県
長崎 県
佐賀 県
福岡 県
高知 県
愛媛 県
香川 県
徳島 県
山口 県
広島 県
岡山 県
島根 県
鳥取 県
和歌 山県
奈良 県
兵庫 県
大阪 府
京都 府
滋賀 県
三重 県
愛知 県
静岡 県
岐阜 県
長野 県
山梨 県
福井 県
石川 県
富山 県
新潟 県
神奈 川県
東京 都
千葉 県
埼玉 県
群馬 県
栃木 県
茨城 県
福島 県
山形 県
秋田 県
宮城 県
岩手 県
青森 県
北海 道
60
各市区町村の5G基地局整備
全1,741市区町村に5G基地局を整備(2025年3月末)
図表8
携帯電話事業者ごとの5G整備状況
携帯電話事業者ごとの5G整備状況(5G基地局数・5G人口カバー率)(2025年3月末)
NTTドコモ
KDDI
ソフトバンク
楽天モバイル
合計
5G基地局数
52,532 局
110,037 局
104,441 局
35,108 局
302,118 局
(前年度比)
(+6,238 局)
(+15,545 局)
(+19,080 局)
(+899 局)
(+41,762 局)
5G人口カバー率
89.4 %
94.6 %
97.1 %
61.1 %
98.4 %※3
(前年度比)
(+5.9 pt)
(+1.3 pt)
(+0.3 pt)
(+10.5 pt)
(+0.3 pt)
※3 携帯キャリア5者のエリアカバーを重ね合わせた数字(小数点第2位以下を四捨五入)
120,000
5G基地局数(周波数帯ごと)
110,037
15,300
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
5G人口カバー率
104,441
89.4%
7,247
12,541
84,653
49.6%
61.1% 61.1%
35,108
20%
19,621
KDDI
ローバンド・ミッドバンド
ソフトバンク 楽天モバイル
サブ6
60%
40%
15,487
53,141
12,045
NTTドコモ
100%
80%
54.7%
52,532
33,543
97.1%
65.3%
41,596
6,944
94.6%
NTTドコモ
ミリ波
KDDI
5G
ソフトバンク
楽天モバイル
0%
うちサブ6
また、我が国では、携帯電話事業者のエリア拡大競争等の設備ベースの競争を通じて、
通信インフラを構築してきている一方、電波が遮蔽されるトンネルなど、競争に基づくイ
8
ンフラ整備が期待されない非競争領域においては、公益社団法人移動通信基盤整備協会
(JMCIA)が主導するインフラシェアリングにより基地局整備・維持管理を実施しており、
条件不利地域においても、効率的にエリア整備を進めていくため、インフラシェアリング
の活用が進められている。これにより、新幹線の開業区間におけるトンネルでは、100%の
整備率を達成している。更に、5G用に割り当てられた高い周波数の活用が進む中、周波
数の特性上、より多くの基地局整備が必要となっており、効率性の観点から、インフラシ
ェアリングの重要性が高まっている。特に、屋内においては、基地局設備等の設置スペー
スが限られているためインフラシェアリングが不可欠となっている。
更に、地域や産業の個別のニーズに応じて地域の企業や自治体等の様々な主体が、自ら
の建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築できる5Gシステムであるローカル5Gに
ついては、2019 年 12 月に制度化され、2020 年 12 月に周波数が拡大されている。また、
2025 年2月には海上利用、2025 年5月には上空利用の制度化も行われている。他のシステ
ムと比較して、携帯電話事業者の5Gサービスと異なり、①携帯電話事業者によるエリア
展開が遅れる地域において5Gシステムを先行して構築可能、②使用用途に応じて必要と
なる性能を柔軟に設定することが可能、③他の場所の通信障害や災害などの影響を受けに
くい、といった特徴や、Wi-Fi と比較して、無線局免許に基づく安定的な利用が可能とい
った特徴がある。2026 年1月 31 日現在で、Sub6 で 150 者、ミリ波で 13 者が無線局免許
を取得しており、Sub6 帯の基地局数は総じてみれば増加傾向にあるが、ミリ波を含めて更
なる利活用の促進が必要となっている。
図表9
ゼネコンが建設現場で導入
建機遠隔制御
ローカル5Gの概要
建物内や敷地内で自営の5Gネットワークとして活用
事業主が工場へ導入
農家が農業を高度化する
自動農場管理
自治体等が導入
スマートファクトリ
河川等の監視
センサー、4K/8K
9
図表 10
ローカル5Gの免許数の推移
(局)
2500
2024年9月
HPUEを制度化
2000
1697 ※1
1500
1000
2020年12月
ローカル5Gをsub6に拡張
2019年12月
500
ミリ波でローカル5Gを制度化
29※2
0
sub-6
(2025年12月末時点)
ミリ波
(無線局の目的)
※1 sub6(1697局)の目的は、 FWA等の電気通信業務用が1169局、一般業務用が514局、公共業務用が58局
※2 ミリ波(29局)の目的は、 FWA等の電気通信業務用が10局、一般業務用が17局、公共業務用が2局
(複数目的を有する局を含む)
また、5Gの次の世代の情報通信インフラ「Beyond5G(6G)」は、2030 年代の産業や
社会活動の基盤となることが見込まれている。国際競争力の強化や経済安全保障の確保を
図るため、我が国発の技術を確立し、社会実装や海外展開を目指す観点から、国立研究開
発法人情報通信研究機構に設置された研究開発基金を活用し、Beyond5Gの重点技術等に
ついて、民間企業や大学等による研究開発・国際標準化を支援することとしている。
(イ) 非地上系ネットワーク(NTN)
近年の技術進展により非地上系ネットワークについても著しい発展が見られる。衛星通
信に関しては、高い周波数帯の利用が進むことにより、1980 年代に比べ通信速度は数万倍
に向上している。こうした中、陸・海・空・宇宙をつなぐインフラとして NTN の導入促進・
高度化が期待されている。NTN は離島、海上、山間部等を効率的にカバーし、携帯電話の
基地局、光ファイバ等の通信インフラが未整備の地域に対しても通信サービスの提供が可
能となり、自然災害等の非常時の通信手段としても有用である。
一例として、多数の非静止衛星を一体的に運用する衛星コンステレーションの構築・運
用が欧米事業者を中心に進展し、高速大容量の衛星通信サービスがグローバルに提供され
ており、日本の事業者はこれらの事業者と業務提携し、国内でサービスを展開している。
衛星コンステレーションの実現によってブロードバンドサービスとしての衛星通信の利
用が進み、離島・海上・山間部等における通信手段として活用されているほか、災害時の
バックアップ回線等の BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策、携帯電話
基地局のバックホール、航空機・船舶への通信サービスとして利用が拡大している。また、
専用のアンテナ・端末を必要とする従来の利用形態に加えて、スマートフォン等から衛星
通信の利用を可能とするサービスも開始された。
そのほか、HAPS(High Altitude Platform Station:高高度プラットフォーム)につい
10
ては、株式会社 NTT ドコモ及びソフトバンク株式会社(旧 HAPS モバイル)が、携帯電話
基地局としての HAPS の利用に向け、無線設備や機体の技術開発、将来の更なる高度化に向
けた研究開発等を推進しており、2025 年度に技術実証を実施後、商用サービスを開始する
予定(直近では、NTT ドコモは 2026 年にサービス開始する意向を示している)となってい
る。サービス開始当初は島嶼部等をスポット的にカバーするサービスや災害時での活用を
想定しており、将来的には高速・大容量サービスの全国での提供及び海外展開を予定して
いる。また、総務省においては、HAPS の早期実用化に向けた必要な技術的条件などの制度
整備を推進している。
図表 11
上空・宇宙における多層的な空間利用の拡大
11
図表 12
衛星コンステレーションの実現による衛星通信サービスの高度化
低軌道を周回するStarlink衛星
低軌道の利用により高速大容量・低遅延の衛星通信サービスを実現
出典︓https://www.starlinkmap.org/
出典︓https://tech.broadmedia.co.jp/blog/wifi/what-is-starlink/
様々な場面での利用
災害時の通信手段
出典︓https://www.starlink.com/jp
図表 13
携帯電話基地局のバックホール
「Starlink」をバックホール回線として利用する
携帯電話基地局(静岡県熱海市初島)
被災した携帯電話基地局の
応急復旧の手段としても活用
出典︓KDDI資料
出典︓KDDI Webサイト
近年の衛星通信システム(衛星コンステレーション)の動向
(ウ) 無線 LAN
無線 LAN の規格は IEEE(米国電気電子学会)で標準化され、世界で幅広く利用されてい
る。無線 LAN 推進団体の Wi-Fi Alliance によって異なるメーカ間の機器の相互接続のテ
ストに合格した無線 LAN 機器には Wi-Fi 認定ロゴを付与し相互運用を認証している。無線
LAN は 2.4GHz 帯、5GHz 帯及び 6GHz 帯の周波数を使用しており、いずれも他の無線システ
ムとの周波数共用を前提としている(諸外国もほぼ同周波数帯域を使用)。また、免許は不
要(一部で登録手続が必要)であり、諸外国もほぼ同様の取扱いとなっている。
近年では、モバイル端末を用いた4K等の高精細映像の動画再生や、ウェアラブルデバ
12
イス等での AR/VR/MR 技術を活用したサービスの利用が進み、無線 LAN のトラヒックが増
大している状況にあることから、IEEE において、最新無線 LAN 規格として、IEEE 802.11be
(Wi-Fi 7)の策定に向けた議論が行われた。国内では、令和5年6月から、情報通信審議
会において「広帯域無線 LAN の導入のための技術的条件」について審議を開始、同年9月
に一部答申を受け、同年 11 月に電波監理審議会から答申を受け、同年 12 月 22 日に制度
化されたところである。
2023 年の Wi-Fi 機器の全世界での出荷台数は 38 億台、これまでの累計の出荷台数は 420
億台になると予測されている。Wi-Fi 6 対応機器の出荷台数は、2020 年から急激に増加、
2023 年末以降の Wi-Fi 7 の制度化により、2024 年には頭打ちになった。その後、6GHz 帯
を主流とする Wi-Fi 6E 及び Wi-Fi 7 の普及・拡大が予測されている。
北米では、6GHz 帯(5925MHz-6425MHz)及び 6.5GHz 帯(6425MHz-7125MHz)の無線 LAN に
ついて、屋内外で使用できる高出力な SP(Standard Power:標準電力)モードが導入され
ており、既存無線局との周波数共用のため、AFC(Automated Frequency Coordination:自
動周波数調整)システムによる運用調整が必要となる。その国内での導入に向け、AFC シ
ステムの運用体制や運用モデルのあり方等に関する基本的な考え方の整理や、AFC システ
ムに必要となる技術的要件の検討を行いつつ、6GHz 帯及び 6.5GHz 帯の無線 LAN(SP モー
ド)に関する技術的条件の検討を進めているところである。
(エ) ドローン
2022 年 12 月5日から、有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行(いわゆる
レベル4飛行)を可能とする新制度が開始され、機体認証、無人航空機操縦者技能証明、
運航ルールの制度が整備されたところである。今後、高度 150m 以上の飛行についても拡大
が見込まれている。
図表 14
ドローン(無人航空機)の飛行レベル
(出典)無人航空機レベル4飛行ポータルサイト(国土交通省) 2
2
国土交通省「無人航空機レベル4飛行ポータルサイト」(2022 年 12 月5日)
(https://www.mlit.go.jp/koku/level4/index.html, 2026 年6月 18 日最終閲覧)。
13
ドローンは「機体制御」や「画像伝送」等のため電波を利用することが必要となる。我
が国では、こうしたドローンの利用ニーズを踏まえ、2.4GHz 帯無線 LAN、5.7GHz 帯、携帯
電話等をドローンで利用可能な無線システムとして順次制度化を進めている。なお、主に
ドローンからの映像伝送に利用されている無人移動体画像伝送システムでは、ドローンの
運行が、時間的、空間的に離散的であるという特性があることから、運用の柔軟性を確保
しつつ電波を効率的かつ安全に利用するため、免許人を主体とした運用調整が行われてい
る。
図表 15
国内でドローンに利用可能な主な無線システム
(オ) ソフトウェア化・オープン化等
従来はハードウェアで実装された無線機能をソフトウェアによって実現するソフトウ
ェア無線技術(SDR, Software Defined Radio)が進展・普及してきている。また、近年、
携帯電話基地局の RAN(Radio Access Network)においては、構成する機器のインターフ
ェースをオープン化した Open RAN や、汎用サーバー上のソフトウェアによって基地局処
理機能を実装する vRAN の導入が進んでおり、1つの特定無線設備が異なるベンダーのユ
ニットで構成される、あるいは、ハードウェアとソフトウェアが異なるベンダーにより製
造されるといった事例が生じている。
14
(2) 主な意見
電波有効利用の推進に関する基本的方向性については、本委員会の議論において、以下のよ
うな意見があった。
<構成員からの主な意見>
今後、5Gの普及により、AI、IoT、自動運転、VR、メタバースなどの技術が社会に浸透し、
ビジネス面でもこれらの技術の実装が進むことが期待される。国民がこれらの技術を利用
するためには、5G基地局の整備や5G対応端末、アプリケーションの開発等が不可欠で
ある。こうした技術の進展に加え、少子高齢化や自然災害への対策を検討しつつ、社会の
未来像を描きながら政策を推進する必要がある。
人口動態や社会動態をマクロとミクロの両面から正確に把握・分析し、技術・トレンド・
開発手法を時代に合わせ、国際協調や安全保障も踏まえて電波利用の在り方を考慮すべき。
過去の予測には当たったものと当たらなかったものがあった。どこまで予測を立ててやる
べきか、今の時点では不確実性としか言えないものをどう取り込めるようにしておくのか
という点が大事である。
場当たり的に見えない移行・再編のグランドデザインを描く必要がある。
電波が有効利用されているか監視するために、日本全土の周波数の利用状況をリアルタイ
ムで分析するような仕組みを設けることや、電波の利用が多い企業には監視・モニタリン
グを義務化するということもあり得るのではないか。
利用頻度が高い屋内等の電波環境の整備は非常に重要である。整備状況や課題を把握し促
進策を講じることが必要である。
(3) 考え方
周波数がますますひっ迫する傾向にある中で、電波の利用状況やニーズ、電波に関する最新
の技術トレンド等を勘案して、2030 年代を見据え、更なる周波数共用や、継続的な電波の有効
利用を促す方策について、不断の検討が必要ではないか。
なお、電波有効利用の推進に際し引き続き検討が必要な事項については、今後更に検討を深
めていくべき事項と整理し、継続的な検討を進めることが適当である。
第3章 周波数割当の在り方
電波は、その特性上、国境を越えて伝搬することから、無線局の周波数は、国際周波数分配に
基づいて使用しなければならない。また、携帯電話や無線 LAN 等、海外で使用する際の統一性も
重要となる。総務省では、国際的な周波数分配の範囲内で、周波数の需要動向・技術動向等を踏
まえ、新たな電波利用システムの導入に向けた検討を行い、周波数の割当て、技術基準の策定等
を行っている。
ひっ迫する電波の利用状況等を踏まえた周波数割当の基本的方向性について検討するととも
に、共用技術の進展等を踏まえた新たな周波数割当の手法など、これからの社会における電波利
15
用ニーズに的確に対応した周波数割当方策はどのようにあるべきかという観点で、「価額競争の
実施方法」、
「900MHz 帯を使用する新たな無線利用」、
「運用調整の在り方」、
「携帯電話等周波数の
有効利用」、
「中長期的な視点を踏まえた周波数割当」について検討を行った。
3-1
価額競争の実施方法
電波法及び放送法の一部を改正する法律(令和7年法律第 27 号)により、6GHz を超える高い
周波数帯の活用を希望する多種多様なサービスを提供する者の中から、最も電波を有効に利用で
きる者を、価額競争により選定する制度が導入された。
総務省は、26GHz 帯及び 40GHz 帯における5Gの利用に関する調査を実施したところ、計9者
(事業者8者、団体1者)から回答があり、26GHz 帯について一定の利用意向が示された。
価額競争の実施方法については、26GHz 帯及び 40GHz 帯における5Gの利用意向調査の結果を
踏まえ、まずは 26GHz 帯を早期に割り当てることを目指すこととし、専門的な見地から、具体的
かつ集中的な検討を行うため、令和7年6月に「価額競争の実施方法に関する検討作業班」(主
任:藤井 威生 電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター教授)を設置し、
検討を進め、令和7年 12 月 11 日に「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」
のうち「周波数割当の在り方」(価額競争の実施方法)について一部答申を行った。
本答申に基づき、総務省は、令和8年3月に 26GHz 帯における5Gの普及のための価額競争実
施指針を整備し、本価額競争の参加申請の受付を開始した。今後、速やかに価額競争を実施する。
図表 16
価額競争の実施方法に関する検討の背景・経緯
令和7年電波法改正・利用意向調査の結果等を踏まえ、26GHz帯の価額競争による早期割当てに向け、
価額競争の実施方法に関する検討作業班(主任︓藤井威生 電気通信大学教授)を設置し、価額競争の実施方法を検討。
令和7年電波法改正
26GHz帯/40GHz帯の利用意向調査
• 電波法及び放送法の一部を改正する法律(令和7年4月25日
公布)により、6GHzを超える高い周波数帯の活用を希望する
多種多様なサービスを提供する者の中から、最も電波を有効に
利用できる者を、価額競争※により選定する制度を導入。
• 総務省は、26GHz帯・40GHz帯における5Gの利用に関する
調査(令和7年5月19日~6月18日)を実施。
• 計9者(事業者︓8者、団体1者)から回答があり、26GHz帯に
ついて一定の利用意向が示された。
※入札又は競りの方法により、最も高い価額を申し出た者を落札者として決
定する手続
〔具体的な
イメージ〕
現行の周波数割当方式
〔区域〕
全国が基本
〔主体〕
携帯電話事業者(4グループ)
欠格事由に該当しないほか
計画の優劣を総合評価
〔条件〕
新たな周波数割当方式
複数の市区町村など一定の広がりを
持った地域
4グループ以外にも大小様々な主体
欠格事由に該当しないほか
専ら価額の多寡による評価
【26GHz帯に関する主な回答】
〔利用シーン〕 都市部やスタジアム、大規模イベント等の超高トラヒックエリア/AI・IoT/産業領域/周波
数シェアリング/屋内外のトラヒック対策/自己土地以外の利用
〔割当時期〕 十分な検討時間を確保/慎重に検討する必要/2025~2026年度/2027年度末まで
〔周波数幅〕 400MHz幅/200MHz幅以上/100MHzもしくは200MHz単位
〔地域〕
全国での割当て/複数の希望地域を選択/市区町村単位
【40GHz帯に関する主な回答】
〔その他〕
技術仕様動向と市場ニーズを見定めたい/対応端末がまだ市場に十分に出回っておらず、
26GHz帯が優先的に検討されるべき
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会(主査︓藤井威生 電気通信大学教授)
~諮問第30号「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「周波数割当の在り方」について~
新設
価額競争の実施方法に関する検討作業班(主任︓藤井威生 電気通信大学教授)
<検討事項>
①価額競争の方式及び価額競争の設計
②最低落札価額
③保証金の設定
④新規事業者や地域事業者の参入促進措置
⑤その他価額競争の実施に必要な事項
(◎:主任、○:主任代理)
<構成員>
○石山 和志 東北大学 電気通信研究所 教授
○大谷 和子 株式会社日本総合研究所 執行役員法務部長
○佐野 隆司 横浜国立大学 大学院 国際社会科学研究院(経済学部)教授
○中島 美香 中央大学 国際情報学部 教授
◎藤井 威生 電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター 教授
○安田 洋祐 大阪大学 大学院 経済学研究科 教授
16
図表 17
価額競争の実施方法に関する検討に当たっての基本的な考え方
下記の26GHz帯の周波数割当ての諸条件及び検討の基本的な考え方に基づき、価額競争の実施方法を検討。
周波数割当ての諸条件 (→報告 第2章2-1)
• 利用意向調査において一定の利用意向が示された 26GHz帯のうち 、既存無線局との 共用可能性が高い周波数帯
(25.25GHz~25.4GHz、25.8GHz~26.2GHz、26.8GHz~27.0GHz)を今回の価額競争の対象とする。
• 「全国各地の様々なニーズに応じた柔軟な基地局展開 」「地域のエリアを選択的に整備 」の両方のニーズに応じるため 、
全国枠(全国を割当区域とする枠)と地域枠(地域を割当区域とする枠)を1枠ずつ設ける。
• 新規事業者・地域事業者の参入を促進するための措置として、地域枠は、新規事業者・地域事業者の専用枠とする。
〔具体的なイメージ〕
全国枠と地域枠を1枠ずつ割当て
<割当候補>
・周波数︓25.25~25.4GHz帯(150MHz幅)
100
MHz
150MHz
小電力データ
通信システム
(~2 4.7 5GH z)
100
MHz
100
MHz
<割当候補>
・周波数︓25.8~26.2GHz帯(400MHz幅)
<割当候補>
・周波数︓26.8~27.0GHz帯(200MHz幅)
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
100
MHz
高
(FWA)
検討の基本的な考え方 (→報告 第2章2-2)
固定衛星(↑)
(~3 1GH z)
携帯 電話
(~2 9.5GH z)
27.0G Hz
26.9 GHz
26.7 GHz
26.8 GHz
26.6 GHz
26.5 GHz
26.4 GHz
高
26.3 GHz
26.2 GHz
26.1 GHz
26.0 GHz
25.9 GHz
25.8 GHz
25.7 GHz
25.6 GHz
25.5 GHz
25.4 GHz
25.3 GHz
25.25 GHz
既存無線局との共用可能性
100
MHz
低
低
(FWA) (公共業務用無線局)
• 今回の26GHz帯における価額競争の実施方法の検討に当たり、次の点を検討全体の基本的な考え方として位置付け。
我が国で初めての価額競争であることも踏まえ、参加者にとってできるだけシンプルで分かりやすい方式とする。
周波数の適正な経済的価値が可能な限り反映されるような方式とする。
• 併せて、競争阻害的な行動を抑止するためのルール等、公正な割当てとなるように細部のルールを検討。
3-2
900MHz 帯を使用する新たな無線利用
2024 年7月に一般財団法人移動無線センター(MRC)が「MCA アドバンス」サービスの終了を公
表した後、2024 年 12 月に総務省が公表した周波数再編アクションプラン(令和6年度版)では
「高度 MCA サービスについて、令和9年3月末をもってサービスを終了するとの発表があったこ
とを踏まえ、代替可能なシステムへの移行を促進するとともに、サービス終了後の周波数の活用
方策について検討していく。」とされた。
総務省は、この検討に資することを目的として、
①高度 MCA 無線通信システムに係る参入希望、
②3GPP 技術仕様に準拠した移動通信システムの提案、③新たな無線利用に係る具体的なシステ
ム提案の3つの区分で、890-900MHz 及び 928-945MHz について、利用ニーズの調査を実施し、7
者から8件の提案があった。
①高度 MCA 無線システムに係る参入希望
・MetCom 株式会社
②3GPP 技術仕様に準拠した移動通信システムの提案
・株式会社 NTT ドコモ
・楽天モバイル株式会社 3
3
楽天モバイル株式会社については、検討の結果、携帯電話用周波数としての利用は非常に困難であるとして、
ヒアリング実施前に提案を取り下げている。
17
③新たな無線利用に係る具体的なシステム提案
・有限会社プリシード
・Wi-SUN Alliance
・MetCom 株式会社
・802.11ah 推進協議会
・一般社団法人特定ラジオマイク運用調整機構
900MHz 帯の活用方策の検討に当たって、本委員会において、提案者から「ニーズ」、
「実現可能
性」、
「社会的な効果」、
「技術的な要素」の統一的な観点でヒアリングを行った後、令和8年5月
8日に、「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「周波数割当の在り
方」
(900MHz 帯を使用する新たな無線利用)及び「無線局の免許制度等の在り方」
(無線設備の認
証制度の在り方)について、
(新)高度 MCA 及び特定ラジオマイクとしての活用を検討していくこ
とが適当とする一部答申を行った。今後、本答申に基づき、取組を進めていくことが適当である。
図表 18
900MHz 帯を使用する新たな無線利用に関する調査の実施
背景
895-900MHz及び940-945MHzを使用する高度MCAについては、一般財団法人移動無線センターが2027年(令和9年)3
月末をもって「MCAアドバンス」サービスの提供を終了することを公表(2024年7月1日)。
これを踏まえ、周波数再編アクションプラン(令和6年度)において、「高度MCA無線通信システムについて、令和9年3月末をもっ
てサービスを終了するとの発表があったことを踏まえ、代替可能なシステムへの移行を促進するとともに、サービス終了後の周波数の活
用方策について検討していく。」としていたところ。
2029年5月末をもって終了予定のデジタルMCAの帯域も含め、その跡地の有効利用を図るため、890-900MHz及び928945MHzについて、2025年8月25日から10月1日にかけて利用ニーズの調査を実施。
利用ニーズ調査の結果、7者から8件の提案があった。
(1) 高度MCA無線通信システムに係る参入希望
MetCom株式会社
(2) 3GPP技術仕様に準拠した移動通信システムの提案
株式会社NTTドコモ
楽天モバイル株式会社※
(3) 新たな無線利用に係る具体的なシステムの提案
Wi-SUN Alliance
有限会社プリシード
一般社団法人特定ラジオマイク運用調整機構
※ 楽天モバイル株式会社については、その後、提案を取り下げ。
900MHz帯の割当状況
情報通信審議会から「3次元測位システム」、
「800MHz帯広帯域小電力無線システム」の
技術的条件が一部答申(2025年10月20日)
805 810 815
ラジオマイク
3GPPのバンドプラン
830
携帯電話
↑
845 850
携帯電話
↑
Band 19 ↑
Band 18 ↑
Band 26 ↑
802.11ah推進協議会
MetCom株式会社
デジタル
MCA
↓
860
検討対象帯域
890-900/928-945MHz
875
携帯電話
↓
890
携帯電話
↓
Band 18 ↓
Band 19 ↓
Band 26 ↓
18
900
高度
MCA
↑
Band 8 ↑
915
携帯電話
↑
930
RFID
デジタル
MCA
↑
940 945
高度
MCA
↓
Band 8 ↓
960
携帯電話
↓
図表 19
提案者
現
状
提案の概要と提案周波数帯
提案周波数
概要
875
■ 高度MCA・・・2027年3月末で(一財)移
動無線センターによるサービス終了
■ デジタルMCA・・・2029年5月末で(一財)
移動無線センターによるサービス終了
890
高度MCAとしての参入を希望
(株)NTTドコモ
携帯電話用周波数としての利用を提案
(有)プリシード
デジタル通信システムとしての利用を提案
Wi-SUN Alliance
小電力無線 (IEEE 802.15.4)としての利用を提案
890
890
875
890
携帯電話
↓
875
小電力無線 (IEEE 802.11ah)としての利用を提案
(一社)特定ラジオマイク
運用調整機構
特定ラジオマイクとしての利用を提案
890
875
3-3
900
915
900
特定
ラジオ
マイク
915
携帯電話
↑
RFID
940 945
小電力無線
特定
ラジオ
マイク
960
携帯電話
↓
940 945
小電力無線
930
960
携帯電話
↓
↓
930
RFID
960
携帯電話
↓
940 945
930
RFID
携帯電話
↑
890
携帯電話
↓
930
915
960
携帯電話
↓
940 945
携帯
電話
↓
RFID
960
携帯電話
↓
940 945
RFID
携帯電話
↑
890
高度
MCA
↓
高度MCA 高度
(拡張) MCA
↓
↓
930
915
900
携帯電話
↓
※891-899MHzは、928-938MHzの使用が困難な場合の
第二希望
915
携帯電話
↑
940 945
デジタル
MCA
↑
930
RFID
携帯電話
↑
携帯電話
↓
875
915
900
↑
930
RFID
携帯電話
↑
900
携帯
電話
↑
携帯電話
↓
915
携帯電話
↑
900
高度
MCA
↑
携帯電話
↓
875
802.11ah推進協議会
高度
MCA
↑
携帯電話
↓
875
MetCom(株)
900
960
携帯電話
↓
940 945
960
携帯電話
↓
運用調整の在り方
(1) 背景
旧来、同一の周波数を使用する無線局の運用に当たっては、相互に干渉しないよう、一定の
距離を保った位置や移動範囲を設定し、運用エリアが重複しないよう免許が行われてきた。近
年では、電波利用システムの需要の高まりに応じて、免許人等による運用調整を行うことによ
り、運用エリアが重複しつつも、異システム間や同一システム内における干渉を回避しながら、
より柔軟かつ稠密な電波利用を図る無線システムの利用が広がっている。
例えば、北米では、6GHz 帯(5925MHz-6425MHz)及び 6.5GHz 帯(6425MHz-7125MHz)の無線
LAN について、屋内外で使用できる高出力な SP(Standard Power:標準電力)モードが導入さ
れており、既存無線局との周波数共用のため、AFC(Automated Frequency Coordination:自動
周波数調整)システムによる運用調整が必要となる。その国内での導入に向け、AFC システム
の運用体制や運用モデルのあり方等に関する基本的な考え方の整理や、AFC システムに必要と
なる技術的要件の検討を行いつつ、6GHz 帯及び 6.5GHz 帯の無線 LAN(SP モード)に関する技
術的条件の検討を進めているところである。
また、主にドローンからの映像伝送に利用されている無人移動体画像伝送システムでは、ド
ローンの運行が、時間的、空間的に離散的であるという特性があることから、運用の柔軟性を
確保しつつ電波を効率的かつ安全に利用するため、免許人を主体とした運用調整が行われてい
る。
19
現状、このような運用調整は、民間による自主的な取組であり、電波法に基づく無線局免許
制度との関係で、その在り方を整理することが必要である。
(2) 主な意見
無線 LAN 及びドローンに係る運用調整の在り方については、本委員会の議論において、以下
のような意見があった。
ア. 無線 LAN
<構成員からの主な意見>
運用調整の主体となる AFC オペレータのサービスが途中で終了した場合、使用できてい
た無線 LAN 端末が使用できなくなってしまう等の問題が生じるため、AFC オペレータが
長期間に渡り安定したサービスを続けることができるよう検討が必要。
AFC の登録料や各種利用料の費用負担は、基本的には AP ベンダー側に置く設計のように
見えるが、最終的に機器の価格に転嫁されると、広域 Wi-Fi を公共目的で使いたい主体
にとって導入が鈍るおそれがあるため、機器への価格転嫁を抑えるための設計及び集金
方法について検討が必要。
AFC オペレータが料金決定力を持つドミナントな存在になるため、各種利用料の高騰を
防ぐ規律等をどのように定めるか検討が必要。
オープンソースで AFC の機能は実装できるが、オープンソースであっても日本での運用
に関してはオープンにできない情報もあり、信頼に足るオペレータが運用する必要があ
る。
<事業者からの主な意見>
AFC オペレータは非公開の無線局情報を扱いながら運用調整を行うことから、情報漏洩
防止等のセキュリティ確保が必要であり、一定の監査要件等を課すこと、国による最適
な監督体制を構築することが望ましい。
新たな AP 等の導入前の検証や干渉発生時のワークフローについて引き続き検討の上、
ルール化することが望ましい。
イ. ドローン
<構成員からの主な意見>
運用調整団体の法的位置づけの方法として、現状のソフトロー的方法、免許条件への組
み入れ、法定指定機関化という三つの段階が想定される。現状は、業界の民間同士の調
整であるが、柔軟性が高い反面、紛争時の強制力が弱く、外国事業者等には拘束力が弱
いという問題がある。制度化の方法として、免許条件に調整に従うことを組み入れるこ
とや、さらには法令に根拠を置いて指定要件や監督、紛争処理をすべて規定することも
考えられる。公的な位置づけが明確になれば、運用調整に係る組織や費用という問題に
関して、国費の投入ということも考えられる。また、事業者が多い組織が調整を担う場
合の利害衝突について、審査の透明性、利益相反、第三者監査等、適切なガバナンスが
20
求められる。
国土交通省が担当している運行管理システムは、衝突の回避等のために有効な仕組みだ
と考えられるが、運用調整システムとの連動、技術の整合性を図るような取組も行う必
要があると考えられる。
<事業者からの主な意見>
現状、民間での運用調整にとどまっているところ、運用調整を担う組織を国が認定する
ような仕組みが望ましいと考えている。
ドローンの飛行に際しては、航空法上の規制がかかってくる。これまで、ドローンの操
縦者・運用者が自ら安全管理を行って飛行させているところ、今後は、一定の空域での
無人機運行管理システム(UTM)の導入も導入されようとしている。電波の運用調整につ
いても連携していくことが重要である。
(3) 考え方
無線 LAN やドローンをはじめとして、全国の不特定の場所で運用される無線システムが広
がりを見せる中、無線局の運用の柔軟性を確保できる運用調整の仕組みは合理的なものと考
えられる。
現状の運用調整は、民間主体であることから柔軟性が高い反面、紛争時の強制力が弱く、
外国事業者等には拘束力が弱いという問題がある。これに対し、運用調整を行う団体を法定
し、指定要件や監督、紛争処理を規定すること等により、運用調整に一定の強制力を持たせ
ることも手法として考え得る。
このため、適格性やガバナンスなど運用調整団体の在り方について、陸上無線通信委員会
において検討が進められている 6GHz 帯無線 LAN における AFC 運用についての議論も参考と
しつつ、制度整備に向けた検討を進めることが適当である。なお、運用調整の相手が同一シ
ステムなのか異種システムなのか、免許人数や無線局数の多寡など、対象となる無線システ
ムの特性や隣接する周波数帯における無線システムの割当状況などにより、調整の必要性や
解決の難易度は自ずと異なってくるところ、民間主体による運用調整が適切であるか、一定
の強制力を有する団体による運用調整が適切であるか、適切な体制の在り方は異なると考え
られることから、制度化に当たってはこの点に留意した制度設計が求められる。
3-4
携帯電話等周波数の有効利用の在り方
(1) 背景
携帯電話等周波数については、これまで、特定基地局の開設計画制度に基づき、周波数割当
ての際に開設計画(基地局数やカバレッジ等)の提出を求め、当該計画の履行義務を課すこと
でインフラ整備が進められてきた。他方で、今後、開設計画の認定期間が満了する周波数帯が
増加することが見込まれており、認定期間満了後の周波数帯について対応の在り方を検討する
必要がある。
21
このような中、移動通信トラヒックは今後も増加することが見込まれ、デジタル社会を支え
るモバイルネットワークを一層充実させていく観点から、携帯電話等周波数について、開設計
画の認定期間満了後も引き続き事業者によるインフラ整備を促進するとともに、必要に応じて
周波数配分の適正化を図っていくことが重要である。
また、新たな携帯電話技術の普及速度や諸外国の事例も踏まえつつ、インフラ整備に係る投
資の予見可能性を確保していくことも必要である。
(2) 考え方
携帯電話等周波数の有効利用の在り方については、インフラ整備に係る投資の予見可能性を
確保しつつ、携帯電話等周波数の更なる有効利用を促進する観点から、当該周波数の再免許制
度及び再割当制度等の在り方について、一体的に検討を行うため、令和8年3月に本委員会の
下に「携帯電話等周波数の有効利用に関する検討作業班」を設置した。
今後、本作業班において必要な検討を進めていくことが適当である。
3-5
中長期的な視点を踏まえた周波数割当の在り方
(1) 背景
周波数の急速なひっ迫により、従来のように空き周波数への移行にのみ給付を可能とするだ
けでは円滑な周波数再編が進められず、一方で電波の共同利用技術の進展、ブロードバンド網
の普及により、共同利用や有線設備への代替による周波数のひっ迫緩和が可能となってきたこ
とから、電波利用料を用いて国が行う周波数変更のための給付金の支給等の業務(特定周波数
変更対策業務)の内容を拡充したほか、一例として、2.3GHz 帯において、放送事業用及び公共
業務用システムが使用していない場所及び時間帯で動的な周波数の共用を行うなど、総務省で
はより円滑な周波数確保に向けた取組が進められている。
22
図表 20
システム間の共用による周波数確保
周波数共用のイメージ
【静的な共用】
【動的な共用(ダイナミック周波数共用)】
既存システム
運用中
携帯システム(新規利用者)
携帯システム(新規利用者)
既存システム
運用中
地理的条件を考慮の上、
混信を避けつつ
従来より密に共用
混信しないよう
十分な離隔距離を確保
時間帯で
エリアを切替
既存システム
運用停止中
携帯システム(新規利用者)
携帯システム(新規利用者)
既存システムが
運用停止中であっても
運用時の離隔距離を遵守
2.3GHz帯での割当て
既存システムが
運用停止中は
エリアを拡大
既存システム
運用停止中
放送事業用システムとの共同利用を前提として、5G用に割当て
(放送事業用システムは5Gに対して優先権を有する。)
電気通信業務(携帯電話)
2370
2021年11月︓技術基準の策定/周波数割当計画の国内分配に追加
2022年5月︓電波監理審議会における開設計画の認定
公共業務(固定・移動)
2400
2300
[MHz]
2330
放送事業
(2) 主な意見
中長期的な視点を踏まえた周波数割当の在り方については、本委員会の議論において、以下
のような意見があった。
<構成員からの主な意見>
世界で使える周波数帯が日本で使えないということを防ぐために、レガシー的な周波数を
残さないことが重要。各国の状況にどうフレキシブルに対応するかといった観点で検討す
る必要がある。
セマンティック通信が盛んに研究される中で、空いている周波数帯をよりうまく利用する
方向性についても議論したい。
周波数を共用することについて、研究開発も含めたような形での議論が必要。中長期的に、
周波数運用調整機能の自動化や、需要に応じた周波数割当が可能となるような新しい技術
を開発しつつ、よりダイナミックに周波数を利用できるという点に対しての検討が必要。
電波の有効利用を実現する技術そのものが新産業になり得る。
<事業者からの主な意見>
Beyond5G・6Gを見据え、追加周波数確保の必要性の議論を含め、導入までのタイムラ
インを意識した中長期的な視点での周波数割当ての検討を要望。
ローバンド・ミッドバンドの更なる割当てを要望。また、貴重なローバンド・ミッドバン
ドを含む周波数資源の一層の有効活用に向け、電波干渉の構造的な軽減・解消に資する制
度的・技術的措置の推進を要望。
平時のニーズに応じた需要拡大と災害時対応に向けて、キャパシティを向上すべく、多様
な NTN システムの導入と、NTN 用周波数の確保を要望。
23
(3) 考え方
各周波数帯の利用状況について世界的なトレンドを随時把握するとともに、ITU 等の国際機
関における国際調整の場において我が国が主導して調整を行えるよう、官民協働で取り組むこ
とが適当である。また、周波数共用を含む運用調整機能や周波数割当の自動化は、新たな技術
の開発・導入状況等を鑑み、必要に応じて検討することが適当である。
第4章 無線局の免許制度等の在り方
混信・妨害等を防ぎ、電波の有効利用を図るため、無線局の開設・運用には、無線局免許が必
要となっている。一部の無線局については、その免許手続に係る効率化・迅速化のため、簡易な
免許手続や包括免許制度を導入している。
図表 21
無線局の免許手続
審査
運 用
免 許
無線設備等が電波法の要
件に合致することを確認
携帯電話等の場合※
※この場合のほか、6GHzを超える高い周波数
帯の活用を希望する多種多様なサービスを提供
する者の中から、最も電波を有効に利用できる
者を、価額競争(入札又は競りの方法により、
最も高い価額を申し出た者を落札者として決定
手続)により選定する制度の創設を含む法案を、
第217回国会(令和7年通常国会)に提出。
検 査
予備免許
申請の審査
免許申請受理
免許の申請
開設計画の認定制度
電波 監理審 議会
諮問・答申
①工事設計が技術基準に適合すること。
②周波数の割当が可能であること。
③総務省令で定める無線局の開設の根本的基準に合致すること。 等
簡易な免許手続(法第15条)
技術基準適合証明を受けた無線設備
については、落成検査等の省略が可能。
包括免許制度(法第27条の2)
携帯電話端末や携帯電話基地局など、技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用する等の条
件を満たす「特定無線局」を複数開設する場合、それらを包括して手続、免許を取得することが可能。
5Gや NTN といった無線技術の進展や利用ニーズの高度化・多様化を踏まえ、混信が生じない
ような仕組みを担保しつつ、簡素で柔軟かつ迅速な免許制度はどのようにあるべきかという観点
で、
「携帯電話・全国 BWA・地域 BWA・ローカル5Gの免許制度等」、
「衛星通信の更なる円滑な利
用に向けた制度」、
「無線設備のソフトウェア化・オープン化等に適応した認証制度」、
「免許申請
手続等」、「その他将来を見据えた免許制度」について検討を行った。
24
4-1
技術進展や利用ニーズの高度化・多様化を踏まえた免許制度の
在り方(携帯電話)
(1) 背景
「デジタルインフラ整備計画 2030」
(令和7年6月総務省)において、携帯電話をはじめとす
るモバイルネットワークについて、2030 年頃のAIの普及等の社会全体のデジタル化の進展に
対応したネットワークを実現するため、高周波数帯(Sub6・ミリ波)が一層活用され、5G S
Aの普及が進むこと等により、超高速・低遅延・多数同時接続といった5Gの特長を活かした高
品質な通信サービスが広く普及するとともに、道路等の非居住地域であっても通信環境の確保
が求められる地域については、多様な手段によるインフラ整備が進んでいる姿を目指すことと
された。
高周波数帯(Sub6・ミリ波)について、平成 31 年には Sub6(3.7GHz 帯・4.0GHz 帯・4.5GHz
帯)及びミリ波(28GHz 帯)の割当てを実施し、令和6年には Sub6(4.9GHz 帯)の追加割当て
を実施した。また、今後、ミリ波(26GHz 帯)を価額競争により割り当てることとしている。
高周波数帯は、トラヒック対策や5G SA等の高度なサービスの実現に用いられることから、
トラヒック需要等に応じた柔軟・迅速な基地局整備が重要となる。そのため、令和7年には、
「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会
報告書」
(令和6年8月)を踏まえ、より柔
軟・迅速な基地局設置が可能となるよう、基地局の包括免許の対象を拡大する制度整備を実施
するとともに、携帯電話端末の無線設備の規格が増加していることを踏まえ、同一の包括免許
により多様な携帯電話端末を運用できるよう、陸上移動局の包括免許制度の制度見直しを実施
した。
(2) 主な意見
免許制度の在り方(携帯電話)については、本委員会の議論において、以下のような意見が
あった。
<事業者からの主な意見>
エリア外等における通信環境確保の観点から、設置場所の頻繁な変更や無線従事者の随伴
が困難な場所でも、柔軟に基地局の設置・運用が可能となるよう、可搬型基地局等の活用
推進のための制度整備を要望。
ミリ波帯等の高周波数帯を使用する基地局について、ニーズ顕在化の際に柔軟/迅速に設
置・運用できる制度。ミリ波や Sub6 を含む包括免許の対象拡大を要望。
5G基地局では、空中線電力の総和が 500W 超の局数が増加していることを踏まえ、無線
設備の実態に即して、無線従事者の操作範囲(最大空中線電力の拡大)の見直し等を要望。
(3) 考え方
本委員会における議論を踏まえ、総務省において、携帯電話の免許制度について、次の事項に
25
取り組むことが適当である。
①可搬型基地局の活用によるエリア外等における通信環境の確保
モバイルネットワークは、既に国民生活や経済活動に必要不可欠なインフラとなっている一
方で、各携帯電話事業者の面積カバー率が 2023 年度末で6~7割程度にとどまる中、地域の安
全・安心の確保や地域活性化の観点から、人口カバー率の対象外となっている非居住地域を含
めた「どこでもつながる」通信環境の確保が課題となっている。
このため、
「デジタルインフラ整備計画 2030」では、今後のモバイルネットワークの整備方針
として、道路等の非居住地域であっても通信環境の確保が求められる地域については、多様な
手段によるインフラ整備が進んでいる姿を目指すこととしている。
その手段の1つとして、持ち運びが可能で柔軟な設置・運用を行うことができる基地局(可搬
型基地局)は、携帯電話サービスのエリア外となっている地域において、一時的なエリア化を簡
易に実現できることから有用である。
可搬型基地局について、混信防止対策に留意しつつ、利用ニーズに応じて柔軟に設置・運用す
ることができるよう、免許人以外の者による無線局の簡易な操作・運用に関する特例の適用や
包括免許の届出手続の見直しを含め、必要な制度整備を行うことが適当である。
②高周波数帯(Sub6・ミリ波)の基地局の柔軟・迅速な整備等
高周波数帯は、低中周波数帯と比較して1局あたりのカバーエリアが小さくなる傾向がある
ことから、低中周波数帯と比較してより多くの基地局を整備する必要がある。携帯電話の使用
する周波数帯が高周波数帯に拡大するにつれ、基地局の開設に係る免許件数は増加傾向にあり、
基地局の開設・変更に係る免許手続の効率化を図ることは、高周波数帯の一層の活用を図る観
点からも重要である。
基地局の免許制度には、個々の基地局ごとに免許を行う「個別免許」と、複数の基地局を包括
して免許を行った上で個々の基地局の開設ごとに事後届出を行う「包括免許」の2種類がある。
携帯電話の基地局について、平成 23 年(2011 年)にフェムトセル基地局等を対象に包括免許
制度が導入され、その後、平成 26 年(2014 年)には、周波数を専ら使用する場合に限り、フ
ェムトセル基地局等以外の基地局についても包括免許を取得できるような制度改正が行われた。
更に、令和7年(2025 年)には、
「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会
報告書」
(令
和6年8月)を踏まえ、他の無線システムと共用する周波数を使用する基地局について、混信等
を生じさせるおそれがない一部地域や場所等に限って包括免許を適用する制度改正を実施した。
高周波数帯を使用する基地局について、免許手続の効率化や通信需要に応じた柔軟・迅速な
設置・変更・運用の確保に向け、今後、価額競争により割り当てられる 26GHz 帯について包括
免許の適用を検討するとともに、現在既に割り当てられている高周波数帯等について、混信防
止対策に留意しつつ、包括免許の対象の更なる拡大を検討することが適当である。
このほか、IoT 向けの RedCap をはじめ、携帯電話端末の無線設備の規格が増加していること
を踏まえ、同一の包括免許により多様な携帯電話端末を運用できるよう、陸上移動局の包括免
26
許の在り方について必要な見直しを行うことが適当である。
③5G基地局の空中線電力の指定方法の明確化
基地局の無線設備の形態や運用方法は、セクタアンテナやアダプティブアンテナの導入など、
モバイルネットワークの高度化に伴って変化しており、それに対応して、基地局の空中線電力
の指定方法についても適時適切に見直していくことが求められる。
5G基地局について、無線設備の形態や運用の実態を踏まえた適切な置局や操作が可能とな
るよう、一の5G基地局が複数の無線設備を有する場合(いわゆるマルチセクタ構造の場合)等
における空中線電力の指定方法について、必要な明確化を行うことが適当である。
4-2
技術進展や利用ニーズの高度化・多様化を踏まえた免許制度の
在り方(全国 BWA)
(1) 背景
BWA(Broadband Wireless Access。広帯域移動無線アクセスシステム。
)は、高速データ通信
専用の移動通信システムとして、平成 19 年8月に制度化された。2.5GHz 帯を使用しており、全
国を1の者に割り当てる「全国 BWA」、地域ごとに割り当てる「地域 BWA」がある。
平成 19 年の最初の全国 BWA 周波数割当ての際、技術間競争及び新規参入の促進により、新た
な無線サービスの展開と市場の活性化を図るため、全国携帯電話事業者等以外の者に割り当て
ることとし、全国携帯電話事業者の全国 BWA 事業者に対する出資を3分の1未満に制限する規
制(資本規制)を導入した。
その後、これまで各国で W-CDMA、CDMA2000、モバイル WiMAX 等に分かれていた移動通信シス
テムが LTE に技術的に共通化されるとともに、LTE の拡張・発展として LTE-Advanced が国際標
準化され、その主要技術としてキャリアアグリゲーション技術が導入された。
これを踏まえ、平成 26 年には、「電波政策ビジョン懇談会 中間とりまとめ」(平成 26 年7
月)において、複数の事業者をまたがるキャリアアグリゲーションを認めることとした。その
際、周波数割当てにおける参入機会の多様性の確保や新規参入の促進といった政策の効果を減
ずることを防止するため、①周波数を一体運用する複数の事業者が、一の周波数割当てに対し、
同時に申請することを禁止、②周波数割当において申請者の周波数のひっ迫度を算定する際に、
グループ(周波数を一体運用する複数の事業者等)全体の周波数保有量を考慮する措置を講じ
ることとした。
今般、本委員会で実施したヒアリングにおいて、全国 BWA を対象とした上記の資本規制の見
直しについて関係事業者から要望があった 4ことから、現在の技術の進展やモバイル市場の環境
変化等を踏まえ、全国 BWA 周波数の更なる有効活用を図る観点から、改めて、資本規制等の在
り方について関係事業者からヒアリングを実施した。
4
KDDI 株式会社(資料4-4)及びソフトバンク株式会社(資料3-3)
27
図表 22 BWA の概要
BWA(Broadband Wireless Access。広帯域移動無線アクセスシステム)は、平成19年8月に制度化。
BWAは、2.5GHz帯を使用しており、全国を1の者に割り当てる「全国BWA」、地域ごとに割り当てる「地域BWA」がある。
2.5GHz帯の割当状況
2,545
2,575
Wireless City Planning
(30MHz幅・全国)
2,645[MHz]
2,595
地域BWA
(20MHz幅・地域)
BWAシステムの特徴
UQコミュニケーションズ
(50MHz幅・全国)
BWAシステムの利用状況※1
BWA(Broadband Wireless Access。広帯域移動無
線アクセスシステム)は、高速データ通信専用の移動通信
システムとして導入されている。
基地局数※2
モバイルWi-fiルータや携帯電話端末等に用いられている。
外出先でも
自宅でも
BWA-NR
(5G相当)
44,391
(+0)
5,139
(+2,426)
42,240,410
66,582
(+226)
6
(+2)
52,350,059
※1 令和7年3月末時点。
※2 陸上移動中継局を含み、屋内小型基地局及びフェムトセル基地局を除く。
括弧内は昨年度実績値との比較。
※3 (参考)KDDI株式会社の陸上移動局数:72,108,630、
ソフトバンク株式会社の陸上移動局数:59,217,891。
移動先でも
図 広帯域移動無線アクセスの利用シーン
図表 23
陸上移動局数※3
(端末数)
高度化BWA
(LTE相当)
全国 BWA に関するこれまでの主な経緯
28
図表 24
全国 BWA に関する資本規制等
BWA導入・割当てに伴う資本規制の導入(平成19年)
技術間競争及び新規参入の促進により、新たな無線サービスの展開と市場の活性化を図るため、全国携帯電話事業者等以外
の者に割り当て※1
※1 電波監理審議会報告資料(平成19年5月)に基づき作成
全国携帯電話事業者の全国BWA事業者に対する出資を3分の1未満に制限する規制(資本規制) ※2を導入。
※2 電波法第27条の12第1項の規定に基づく2.5GHz帯の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針(平成19年総務省告示第457号)
携帯電話とBWAの一体的運用に伴う措置(平成26年)
複数の事業者をまたがるキャリアアグリゲーションを認める際、周波数割当てにおける参入機会の多様性の確保や新規参入の
促進といった政策の効果を減ずることを防止するため、次の措置を講じることとした※2。
※2 「電波政策ビジョン懇談会 中間とりまとめ」(平成26年7月)に基づき作成
①周波数を一体運用する複数の事業者が、一の周波数割当てに対し、同時に申請することを禁止
②周波数割当において申請者の周波数のひっ迫度を算定する際に、グループ(周波数を一体運用する複数の事業者等)
全体の周波数保有量を考慮
本日のヒアリングの趣旨
技術の進展やモバイル市場の環境変化等を踏まえ、全国BWA周波数の更なる有効活用を図る観点から、上記の資本規制
等の在り方について、次の事業者からヒアリングを実施し、検討を進める。
•
•
•
•
株式会社NTTドコモ
KDDI株式会社/UQコミュニケーションズ株式会社
ソフトバンク株式会社/Wireless City Planning株式会社
楽天モバイル株式会社
(2) 主な意見
免許制度の在り方(全国 BWA)については、本委員会の議論において、以下のような意見が
あった。
<構成員からの主な意見>
携帯電話ビジネスというものは、今まで別の技術が市場を作った後に、その市場を携帯電
話が奪うという進化をしてきた。例えば、音声通話に関しては PHS が市場を作って携帯電
話が取る、モバイルブロードバンドに関しては WiMAX 等が市場を作って今は携帯電話がモ
バイルブロードバンドの市場を取っている。その意味で、今回の BWA 制度は、ブロードバ
ンド市場を作ったという意味で、とても価値があったと思っている。さらにモバイルブロ
ードバンドは既に市場が出来上がっており、制度的には役割を終えたため終了するという
ことは合理的である。一方、周波数資源の分配の公平性に関しては、別途配慮する必要が
あるだろう。
総論として、キャリアアグリゲーションはユーザーの利便性を高めるものでもあり、ミリ
波の推進等を含めて取り組んでいくべきことであろう。一方、楽天モバイルから特定卸電
気通信役務の提供の時も必ず使えるようにという意見もあったとおり、とりあえず周波数
を多く確保して後でまとめて利用することは、公平利用の観点、電波利用のライフサイク
ルを考えると、それでよいのかは論点として残る。BWA に関しても、BWA 帯だけ使われてい
るわけではないという利用実態を踏まえ、検討を詳細化していく必要がある。
資本規制は、周波数割当てにおける参入機会の多様性の確保、新規参入の促進といった政
策目的があったが、実質的な効果があったかという点では、参入機会の確保について一定
29
の狙いは達成したものの、新規参入の促進という観点で十分な効果を持たなかったと考え
ざるを得ず、少なくとも競争条件に与えた影響が大きくはなかっただろう。競争条件の悪
影響への懸念が NTT ドコモからも表明されているが、この政策がそれほど競争条件に影響
を持たなかったという考え方が実態に合っているのであれば、政策を維持することに実質
的意義がどのようにあるのか確認をしなければいけない。実質的な意義がないのであれば、
資本規制の緩和は電波の有効利用、利用者の利便の観点からも必要ではないか。また、一
部事業者から御意見いただいた、グループ会社に出資することによって特定基地局開設料
も払わずに周波数帯を実質的に獲得してしまっていることは公平利用という観点から良
くないということについて、潜脱行為とまでは言わないが、やはり何らかの対応が必要で
はないかと思う。その点等、どこに影響があるのかを考えて判断していくことが必要では
ないか。
BWA と携帯電話の一体的な運用が進んだ結果として、モバイルブロードバンド市場が発展・
成熟し、まず利用者がその恩恵を享受しているという事実はそれ自体として評価でき、そ
こは否定しない。もっとも、そのことと、周波数という競争資源の配分が事業者間で公平
かどうかは切り分けて議論すべきであり、多様な専門家を交えて幅広かつ丁寧な議論を行
うべきである。
<事業者からの主な意見>
今後、5G化の推進でさらなる周波数の有効利用を図りたい。また、出資関係の社会的な
流れとして株式の持ち合い解消のリスクがあり、これにより減資等を行うと、5G推進の
投資がさらに困難となる。これらの観点を踏まえ、資本戦略の柔軟性を高めるべく、資本
規制の見直しを求める。
今後の AI 活用や6Gの普及を見据え NR 化を含め、グループ一体的に BWA 帯域の有効利用
を推進する。サービス高度化(NR 化含む)の推進および周波数の最大活用のため資本規制
の解消を要望。
全国 BWA の資本規制の見直しは、周波数割当制度全体の一貫性と将来の競争環境を左右し
得る制度設計上の論点を含むものであり、BWA の制度趣旨との整合、競争政策上の観点、
見直し必要性の根拠を考慮しながら慎重な検討が必要。
今回の資本規制の緩和に関わらず、現状においても、全国 BWA 帯域が親会社である携帯電
話事業者のメインバンドとして実質的に流用され、特定携帯電話事業者のみが競争上の優
位を獲得できている点は問題。とりわけ、親会社のみが当該帯域を用いたキャリアアグリ
ゲーション(CA)の利用を許容される一方で、他事業者が同様の利用をできない場合、市
場競争を著しく歪めることになり看過できない。こうした問題を解消し、より公平・能率
的な電波の活用を図るために、再割当ての検討や、他事業者も親会社同様に利用可能とな
るような公平な条件での接続・共用・卸提供・ローミング等に係る制度を整備すべき。
(3) 考え方
全国 BWA については、技術間競争及び新規参入の促進により、新たな無線サービスの展開と
30
市場の活性化を図るため、全国携帯電話事業者の全国 BWA 事業者に対する出資を3分の1未満
に制限する規制(資本規制)を導入し、以降、現在まで同規制を継続している。
その間、携帯電話システム及び BWA システムについては、技術的な共通化が進み、キャリア
アグリゲーションによる一体的な運用が行われるようになったほか、平成 30 年には、新規の全
国携帯電話事業者に周波数が割り当てられ、現在は4社体制で携帯電話ネットワークの整備が
進められている等、全国 BWA の周波数割当て当時から技術動向や市場動向は大きく変化してい
る。更に、令和4年の電波法改正により、全国 BWA を含む携帯電話等周波数を対象とした再割
当制度が整備されている。
以上の全国 BWA を巡る環境変化に加え、モバイルネットワークにおけるトラヒックの増加及
び利用ニーズの高度化に対応するため、全国 BWA における NR 化等に向けた設備投資を促進し、
当該周波数の更なる有効利用を図っていく必要があることを踏まえれば、資本規制の見直しを
進めていくことが適当である。他方で、平成 26 年に導入された周波数を一体運用する複数の事
業者に対する措置については、維持することが適当である。
なお、資本規制の見直しに当たっては、全国 BWA 周波数の更なる有効利用及び周波数の利用
の公平性等を確実に担保していく観点から、以下の事項について着実に対応を進めることが適
当である。
①全国 BWA 周波数の有効利用に係る状況のフォローアップ
資本規制の見直しに伴う周波数の有効利用を確保するため、総務省が実施する電波の利用状
況調査において、全国 BWA 周波数について「電波を有効利用するための計画」の提出を求め、
その妥当性を確認するとともに、当該計画の進捗状況についてフォローアップを実施する(※)。
(※)電波の利用状況の調査及び電波の有効利用の程度の評価に関する省令(平成 14 年総務省
令第 110 号)第5条第1項第1号リ
②卸電気通信役務の提供等に係る状況等のフォローアップ
周波数の利用の公平性及び公正競争を確保する観点から、総務省が実施する電波の利用状況
調査において、既存事業者以外の者又は他の既存事業者等に対する卸電気通信役務の提供、電
気通信設備の接続その他の方法による基地局の利用を促進するための取組状況について、フォ
ローアップを実施する(※)。
また、資本規制見直し後の電気通信市場における競争環境の状況については、情報通信行政・
郵政行政審議会電気通信事業部会市場検証委員会において、必要に応じて適切にフォローアッ
プを実施する。
(※)電波の利用状況の調査及び電波の有効利用の程度の評価に関する省令(平成 14 年総務省
令第 110 号)第5条第1項第1号ヲ
③「携帯電話等周波数の有効利用に関する検討作業班」における全国 BWA 周波数の更なる有効
利用に向けた検討
31
本委員会の下に設置された「携帯電話等周波数の有効利用に関する検討作業班」において、
モバイルネットワークの整備を促進し、全国 BWA を含む携帯電話等周波数の更なる有効利用を
図るため、再免許制度及び再割当制度等の在り方について、本委員会で行われた議論も踏まえ
つつ、一体的に検討を進める。
この他、BWA システムの技術基準その他関連制度の在り方については、携帯電話とは異なる
データ通信専用の移動通信システムとして位置付けられていること等も十分に考慮しつつ、不
断に検討を行うことが適当である。
4-3
技術進展や利用ニーズの高度化・多様化を踏まえた免許制度等
の在り方(地域 BWA・ローカル5G)
(1) 背景
地域 BWA については、提供開始から 18 年が経過し、地域を支える通信インフラとして重要
な役割を担っているが、直近約5年間で地域 BWA の導入エリアはほぼ横ばい(2025 年 11 月現
在で 318 自治体)となっており、更なる普及拡大が課題となっている。
ローカル5Gについては、2019 年 12 月に制度化され、2020 年 12 月に周波数が拡大された。
2026 年1月 31 日現在で、Sub6 で 150 者、ミリ波で 13 者が無線局免許を取得しており、Sub6
帯の基地局数は総じてみれば増加傾向にあるが、ミリ波を含めて更なる利活用の促進が必要と
なっている。そのような中、ミリ波帯の利用を促進するため、簡単な手続で、かつ短期間で試
験電波の発射が可能となる、特定実験試験局制度を導入している。
(2) 主な意見
免許制度等の在り方(地域 BWA・ローカル5G)については、本委員会の議論において、以
下のような意見があった。
<構成員からの主な意見>
地域 BWA が利用されていない地域における電波の更なる有効活用の在り方を検討していく
ことが必要。
<事業者からの主な意見>
地域 BWA 等に係る免許手続の簡素化・迅速化(全国 BWA 事業者との同期運用に係る調整の
省略、自営等 BWA 等の端末移動に係る制度の柔軟化等)を要望。
ローカル5Gに係る免許手続の簡素化・迅速化(干渉調整手法の高度化等)、ローカル5G
の広域利用や高度な利用を促進するための制度の柔軟化(鉄道・道路等の公共インフラで
の利用における漏れ電波の活用、新たな準同期方式の追加等)、その他ローカル5Gの更な
る利活用促進に向けた検討を要望。
32
地域社会 DX にローカル5Gや地域 BWA は重要な役割を果たすことから、ビジネスモデル
が確立するまで当面、補助事業等による更なる支援拡充を要望。
地方における地域 BWA の収益モデルは、FTTH が届かないラストワンマイルの補完や、農業
分野などの地域ニーズに基づく利用が多い。イニシャルコストは補助金を活用し、ランニ
ングコストは地域住民や事業者の多様な利用を通じて広く薄く支えている。
地域 BWA の高度利用に向けた NR 化の推進のための支援拡充について要望。
(3) 考え方
地域 BWA やローカル5G等の更なる普及展開を図る観点から、より柔軟な運用や免許手続の
迅速化等の検討を進めるとともに、ニーズを踏まえて制度の見直しを柔軟に行うことが適当で
ある。特に、地域 BWA が利用されていない地域において、既存免許人に十分配慮しつつ、地域
BWA の電波の更なる有効利用に向けた検討を行うことが適当である。また、ローカル5Gに関
して、今後の需要動向等を踏まえ、干渉調整手法の高度化や運用調整機関を活用した免許手続
の迅速化に係る仕組みの導入に向けた検討を進めることが適当である。
加えて、地域 BWA について、可能な限り早期の NR 化を目指すとともに、ローカル5Gと
の連携を図ることによるサービスの高度化を推進することが適当である。
4-4
衛星通信の更なる円滑な利用に向けた制度の在り方
(1) 背景
多数の非静止衛星を一体的に運用する衛星コンステレーションの構築・運用が欧米事業者を
中心に発展し、高速大容量の衛星通信サービスがグローバルに提供されており、日本の事業者
はこれらの事業者と業務提携し、国内でサービスを展開している。
また、専用のアンテナ・端末を必要とする従来の利用形態に加えて、スマートフォン等から
衛星通信の利用を可能とするサービスも開始された。
(2) 主な意見
衛星通信の更なる円滑な利用に向けた制度の在り方については、本委員会の議論において、
以下のような意見があった。
<構成員からの主な意見>
日本では Starlink in Motion(自動車等に搭載して移動中に利用するスターリンク)の使
用は禁止されており、研究分野の足かせになっているのではないか。過疎地では通信エリ
アが不十分なところがあり、衛星通信がより使えるような制度づくりが進むとよい。
衛星関係については、上空での柔軟な電波利用に関するニーズがあることから、検討を進
めていくことが必要である。
日本発の衛星コンステレーション等の発展に対応し、今後のサービスの進展を踏まえた幅
広い視点から、無線局免許や電波利用料など、関連する制度の在り方を幅広く検討し、制
33
度整備に向けた検討を深めていくことが必要である。
<事業者からの主な意見>
衛星ダイレクト通信の端末について、地上での使用が「陸上移動局」、衛星ダイレクトでの
使用が「携帯移動地球局」となり、それぞれの免許に対して1局ずつとカウントされ、二
重免許となり電波利用料が二重の負担となる。新たな通信システムサービスの提供・発展
のため、免許制度等について検討を要望。
国内企業による低軌道衛星の打ち上げは、低軌道衛星を用いたビジネスの選択肢や可能性
が広がることにつながる。
国として重点的に取り組むべき「安心・安全な通信環境」の実現に向けた NTN サービスの
提供を検討。
NTN による携帯電話の上空利用を可能とすることで新たなユースケースへの対応が可能。
(3) 考え方
衛星コンステレーションをはじめとする衛星通信技術の進展に適切に対応し、今後も円滑な
サービス導入が可能となるよう、衛星ダイレクト通信を含め、衛星通信に関連する免許や電波
利用料等の制度の在り方について検討を行うとともに、引き続き制度整備を進めることが適当
である。
なお、Starlink をはじめとする衛星通信システムの陸上移動利用や上空での柔軟な電波利用
等については、航空機の遠隔操縦の実現やドローンの飛行範囲の拡大といった空の利用拡大の
進展段階に応じた電波利用政策の方向性を整理するため、令和7年 10 月に本委員会の下に電
波上空利用作業班を設置し、検討を進めてきたところである。本事項に係る中間答申は別冊1
のとおりであり、今後、同中間答申に基づき、取組を進めていくことが適当である。
34
図表 25
4-5
電波上空利用作業班 検討の背景
無線設備のソフトウェア化・オープン化等に対応した認証制度
の在り方
無線設備の利用拡大や多様化を背景に、量産を前提とした認証である工事設計認証の件数は、
毎年逓増傾向にあり、令和6年度は約 21,000 件となっている。設計・製造工程のグローバル化に
より、工事設計認証について、欧米の認証機関で取得している割合は、増加傾向であり、令和6
年度は約 45%を占める。無線設備の利用拡大や多様化、設計・製造工程のグローバル化が進む中、
認証対象の一つである携帯電話基地局において Open-RAN/v-RAN 等に見られるユニット化、オー
プン化、仮想化が起こりつつあり、技術基準への適合性担保の仕組みを、このような新潮流に対
応させることが求められている。
このように無線技術の高度化や、無線設備の製造工程の分業化といった無線設備を取り巻く環
境が変化していることから、無線設備の認証に関する重要課題について今後の政策の在り方を検
討するため、令和7年7月に無線設備の認証の在り方検討作業班を設置し、検討を進め、令和8
年5月8日に、
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「周波数割当の
在り方」
(900MHz 帯を使用する新たな無線利用)及び「無線局の免許制度等の在り方」
(無線設備
の認証制度の在り方)について、一部答申を行った。今後、本答申に基づき、取組を進めていく
ことが適当である。
35
図表 26
無線設備の認証の在り方に関する検討の背景・経緯
無線技術の進展、無線設備や利用形態の多様化、流通工程の電子商取引利用の増加などにより、無線設備を取り巻く
環境が変化してきている。それに伴い下記のような課題が発生していることから、これらの課題に対する対応を検討するため
の作業班を令和7年7月に設置。
①無線技術の進展を踏まえた新たな無線設備の認証審査等
現行の認証制度に関する課題
○携帯電話基地局や無線LANアクセスポイント等において、無線
機能のソフトウェア制御が実用化
※電磁的方法による表示がされない無線設備は、流通済み機
器にソフトウェアアップデートをした場合、技適マークの貼替
えのために製品回収が必要であり、認証取得者にとって負担
※携帯電話基地局は、RU、DU、 CUを含めた無線設備全体
について審査を実施しているため、 RU、DUのハードウェアや
ソフトウェアの変更があった場合、組み合わせごとに再認証
が必要となり、認証取得者にとって負担
⇒認証審査の在り方や技適マークの表示(認証番号)の在り
方の方向性について検討が必要
○製造工程の変化により、認証を受けたモジュールを組み込んだ
製品が多数流通する中、製品において技適マークが確認でき
ないケースが発生し、技術基準不適合機器の流通段階の規
制の複雑化の要因にもなっている。
⇒技適マークを確認できる環境の在り方の方向性について検討が
必要
○基準不適合設備の利用防止の徹底が図れないケースが発
生している。
⇒基準不適合設備の流通段階の規制の在り方の方向性につい
て検討が必要
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会(主査︓藤井威生 電気通信大学教授)
~諮問第30号「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「無線局の免許制度等の在り方」について~
新設
無線設備の認証の在り方検討作業班(令和7年7月設置)(◎:主任、○:主任代理)
<構成員>
◎梅比良正弘 南山大学 特任研究員、 茨城大学 名誉教授
○猿渡 俊介 大阪大学大学院情報科学研究科 教授
上原
仁 一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター
専務理事
坂本 信樹 携帯電話事業者代表
(株式会社NTTドコモ 電波企画室長)
図表 27
柴
鈴木
永井
中沢
悦子 公益社団法人 全国消費生活相談員協会 IT研究会
宗俊 一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
共通技術部長 兼 インフラ整備事業推進室長
徳人 光和総合法律事務所 弁護士
専務理事
淳一 一般社団法人 電波産業会 参与
無線設備の認証の在り方検討作業班における検討の概要
無線設備の認証の在り方検討作業班での6回にわたる検討を経て、報告書案がとりまとめられたところ。
「無線技術の進展を踏まえた新たな無線設備の認証審査等」に関する検討の概要
①ソフトウェアアップデートに関する認証について
・工事設計認証番号に、ソフトウェアバージョン情報(ソフトウェア名の情報を含む。以下同じ)を加えて認証情報を管理することに
より、ソフトウェアアップデート前の認証番号と同一認証番号とすることを可能とする。
・ユーザーが無線設備の管理画面によりソフトウェアバージョン情報を確認できることを本制度適用の要件とする。
・意図しない電波法違反につながらないよう 、ソフトウェアアップデートに際し 、無線局の開設・運用の要件に変更を生じさせないこと
を原則とするとともに、本制度が適用可能な無線設備の種別等の要件はあらかじめ規定する。
②Open RAN、vRANに関する認証等の簡素化について
・汎用サーバの型番等に関する認証審査を不要にするなど、ハードウェア管理を簡素化する。
・ソフトウェアバージョン情報を管理し、周波数等の変更を含む工事設計の変更について、再認証時の同一認証番号を認める。
・携帯電話基地局においては、RU以外の工事設計の変更について、再認証時の同一認証番号を認める。
・RAN設備において、発射する電波の電気的特性に影響がないと想定される部品 を総務大臣が定め、認証機関が確認できた部品
に関して、同等品への交換であれば、再認証が不要となることを制度上明確化する。
「現行の認証制度に関する課題」に関する検討の概要
①技適マークの表示方法の改善に向けた取組
⇒技適マークの表示方法については 、利用者と製品メーカーの意見が両立する新たな規律が求められている ところ、電子商取引
(EC)販売の増加や取扱説明書や製品仕様などの情報がインターネット上で掲載されることが一般化されつつある現状を適切に踏
まえた上で、無線設備の利用者、製品メーカー、販売者、ECモール運営事業者といった関係者の意見を十分に聴取した上で検討
することが望ましい。
②技術基準適合性が確認できない製品の流通抑止に向けた取組
⇒ 無線設備の技術基準適合性に関する情報等についての 購入者への確実な情報伝達 、技適マーク等の技術基準適合性の情報
確認に向けた購入者に対する周知啓発の強化、市場監視の改善・強化等を推進することが望ましい。
36
4-6
免許申請手続等の在り方
(1) 背景
無線局の免許手続に係る効率化・迅速化のため、簡易な免許手続等を導入している。令和7
年には、免許手続をデジタル処理で完結するため、無線局の免許状等のデジタル化や電子申請
等の義務化を内容とした「電波法及び放送法の一部を改正する法律」
(令和7年法律第 27 号)
が成立し、令和7年4月 25 日に公布された。
完全デジタル化(電子申請・免許記録等のインターネット閲覧等)を進めることにより、免
許等の交付までの迅速化、利便性の向上等が実現し、申請者・免許人等及び総務省の双方の業
務の更なる迅速化や効率化、コストの削減等の推進が期待されている。
(2) 主な意見
免許申請手続等の在り方については、本委員会の議論において、以下のような意見があった。
<構成員からの主な意見>
究極的には免許申請手続の自動化・電子化・即時化が理想であり、免許制度の運用的な遅
れによってサービス展開や研究開発が遅れてはならない。
<事業者からの主な意見>
無線局の免許等関連手続の簡素化に向け、主任無線従事者選任届における対象の主任無線
従事者の住所の省略等を要望。
(3) 考え方
無線局の免許等関連手続の電子申請義務化については、申請者等への早期の丁寧な周知広報
や適切なサポートを実施しながら、以下のスケジュールのとおり段階的に進めていくことが適
当である。また、今後の免許申請手続の状況等も踏まえ、免許申請手続の簡素化・効率化に向
け、必要な対応について検討を行うことが適当である。
また、無線通信技術の進展や無線通信機器の市場動向、電波産業の構造変化等を踏まえた、
無線局免許制度(無線局検査制度を含む。)の簡素・合理化について、必要な検討を行うことが
適当である。
電子申請義務化のスケジュール
国、独立行政法人、携帯電話事業者等 令和8年4月1日から
基幹放送事業者(※1) 令和 10 年5月1日から
無線局を開設している法人(※2)
令和 13 年4月1日から
※1 コミュニティ放送事業者等を除く。
※2 無線局を5局以上開設している法人(地方公共団体等を含む。
)が対象。
37
4-7
その他将来を見据えた免許制度の在り方
(1) 背景
1950 年代は、公共分野における VHF 帯等の低い周波数帯の利用が中心であったが、1985 年
の電気通信業務の民間開放をきっかけとして、移動通信分野を中心に電波利用ニーズが急速に
拡大しており、現在、携帯電話等の端末数は、3億 4,335 万(2025 年3月末)と日本の人口1
億 2,342 万人(2025 年3月)を上回っている。同月末には免許に基づき開設されている無線局
の数が約3億 6,230 万局に達し、引き続きこれらの無線局の増加が見込まれるほか、多くの免
許不要局(無線 LAN、特定小電力無線局、発射する電波が著しく微弱な無線局等)が開設され、
様々な電波利用が拡大しているところである。
低い周波数帯には多数の無線局が存在しており、近年ますますひっ迫する傾向にある。その
ため、今後は、比較的空いていて広い帯域幅が確保できる高い周波数帯の活用を推進すること
が必須の状況となっている。
また、トラヒックの増加傾向は現在も継続しており、我が国における今後のトラヒック需要
は、自動運転・メタバース・生成 AI などのユースケースによるデータ通信量の増大により、
2020 年比で 2030 年には約 14 倍、2040 年には約 348 倍まで爆発的に増加すると予想され、無
線局数やトラヒックが年々増加していることにより以前に比べ周波数が極めてひっ迫した状
態となっており、電波の有効利用を促進することが必要となっている。
(2) 主な意見
その他将来を見据えた免許制度の在り方については、本委員会の議論において、以下のよう
な意見があった。
<構成員からの主な意見>
電波が有効利用されているか監視するために、日本全土の周波数の利用状況をリアルタイ
ムで分析するような仕組みを設けることや、電波の利用が多い企業には監視・モニタリン
グを義務化するということもあり得るのではないか。
AI 技術などの発展等によって、周波数から無線システムまでの垂直的ダイナミック利用に
ついて世界的に研究開発されていくと思われ、利用可能なものを取り入れていくことが必
要。
(3) 考え方
周波数がますますひっ迫する傾向にある中で、継続的な電波の有効利用を促す観点から、将
来を見据えた免許制度の在り方について、社会環境の変化に応じて必要な時期に検討を進める
ことが適当である。
38
第5章 無線を利用したビジネス促進の在り方
ワイヤレスインフラの効果的・効率的な整備や、高い周波数帯を含めた産業利用の促進など、
無線を利用したビジネスの社会展開を円滑に進めるための方策はどのようにあるべきかという
観点で、
「我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進方策」、
「インフラシェア
リング」について検討を行った。
5-1
我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進
方策
(1) 背景
情報通信ネットワークは国民生活にとって重要なインフラであり、あらゆる産業の基盤と言
われる中、特に、電波を用いるワイヤレス技術は、次世代情報通信基盤においても「いつでも、
どこでも繋がる」情報通信ネットワークの実現に不可欠である。また、電波は、センシング、
制御、エネルギー伝送等、通信以外の用途にも用いられるなど、その利用範囲が拡大している。
これらのワイヤレス技術を支える我が国の機器メーカは厳しい状況にある。2000 年代以降、
通信機器の国内生産は減少傾向となっている。1990 年代半ばまで内需主導だったが、2000 年
代後半からはスマートフォンの登場を背景に輸入が急増している。また、グローバル市場にお
ける我が国企業のシェアは、2024 年時点で携帯電話基地局全体では一桁、スマートフォン端
末ではほぼゼロとなっている 5。通信分野は、かつては成長分野とされてきたが、グローバル
競争の激化により、例えば、携帯電話基地局の市場では海外ベンダーが市場を席巻し、国内ベ
ンダーが置かれているビジネス環境は危機的な状況にある。また、国内携帯電話事業者のモバ
イル関連設備投資額は、2021 年をピークとして減少傾向となっている状況であり、インフラ
整備に対する投資が伸び悩んでいる。
さらに、ワイヤレスネットワークの整備・運用や、それを利用するためのサービス開発、ユ
ーザ産業におけるワイヤレス人材の不足が見込まれ、将来に亘って我が国のワイヤレス分野の
技術力を持続的なものとしていくための人材育成の在り方についても課題となっている。
ワイヤレス技術は国民生活に広く浸透してきている一方、国民生活の多くがワイヤレス技術
に支えられているといった認識は薄れてきており、ワイヤレス技術の重要性や前述のようなワ
イヤレス分野を取り巻く危機感が広く国民に理解されていないといった現状がある。
(2) 主な意見
我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進方策については、本委員会の
議論において、以下のような意見があった。
5
総務省・前掲注1
39
<構成員からの主な意見>
日本のハード・インフラの多くが世界最高水準である一方、ソフト面である日本の「人と
組織が深刻な問題を抱えている」ことが伺えるため、通信を始めとしたハード面の優位性
をソフト面の課題解決にどう活用していくか、ソフト面での成果につながるようなハード
の整備がどのようなものか、という視点が今まで以上に重要になる。
6G時代にどのような能力が必要かを逆算して人材育成をデザインしていくことが必要。
人口動態や社会動態を正確に把握・分析し、技術・ トレンド・開発手法を時代に合わせて、
更に国際協調や安全保障も踏まえて電波利用の在り方を考慮していただきたい。
新しい技術を研究開発することができる人材が非常に不足してきている。研究強化のため、
手遅れになる前に産学官連携していくべき。基礎・基盤研究に対して予算を入れることが
必要ではないか。ビジネス目線に予算を投じすぎると長期的視点での基礎研究が伸びなく
なるおそれがある。
人手不足の時代に人材の需要を満たすことはかなり難しく、できることとできないことを
峻別していく必要がある。規制改革・行政改革(アナログ規制の撤廃)、AI の活用、求め
られる人材像の定義(細分化・優先順位付け)といった視点を踏まえ、解像度の高い議論
を行う必要がある。
ベンダーやオペレータにはどのような人材が不足しているかという視点とともに、大学等
の高等教育機関で、ベンダーやオペレータへの就職がどのように見られているのかも重要
な視点であり、検討すべき。
通信機器を日本国内で作る力が弱くなっているのではないかと懸念される。国益確保、安
全保障上、国内の通信機器ベンダーの正確な立ち位置を把握した上で議論する必要がある
のではないか。事業者ヒアリングについて、ミリ波・NTN のサプライチェーンを調査する
必要がある。日本の強みを分析しなければ、外資企業だけが利益を上げるといった結果に
なりかねない。
研究開発の社会実装化について、産業分野では需要が立たないと社会実装に向けた推進力
が出てこないので、国内だけでなく国際的な需要も踏まえて、需要予測をして情報共有し
ていくべき。社会実装の課題についてよくヒアリングしていただきたい。
各メーカー・ベンダーの投資に注目する際には、日本の市場構造が過当競争体質で、個別
の企業が投資しにくい側面を意識する必要がある。 各企業がビジネス競争にどう直面し
ているかを踏まえなければ、健全な形での先端技術への投資促進に繋がらないという懸念
がある。
技術開発など、基礎をつくる能力は一度失われると復活させるのは非常に困難であるため、
今の段階でしっかりと成長できる形を作る必要がある。
インフラシェアリングなど設備の共有技術を開発して海外に展開することができれば良
い。
研究開発から社会実装に至るまでの支援策、安全保障への考慮、GXを検討の視点とすべ
き。
40
主にミリ波などの電波を実際に普及させるための方策について議論したい。
通信事業者を核としたエコシステムが全体として成長していくことが必要なため、価値の
あるサービス提供に対して適切な対価が支払われ、それが新たな価値のあるサービス開発
につながるというような、「還元」と「成長」を両輪で回してくことが重要である。
<事業者からの主な意見>
日本として無線の標準化をリードするため、10 年単位で活躍できるエキスパートを育成す
る公的な体制の強化が望まれる。
ミリ波中継技術は国内メーカが装置を作っており、利用拡大に向けた技術開発支援や海外
展開支援等の国の支援を通じてさらに発展させることを要望。
ネットワークの監視やチューニングの自動化に AI 活用による最適化を推進している。ミ
リ波の無線装置の開発は海外ベンダーが先行しているが、国内ベンダーは付帯的なサービ
ス/製品の開発にも取り組んでいる。
業界全体としてエンジニアの育成・確保が重要。
(3) 考え方
我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進方策については、ワイヤレス
分野における市場環境の変化、技術の進展を踏まえた我が国のワイヤレス技術の「立ち位置」
を調査・分析し、我が国として重点的に取り組むべき技術分野について検討するため、令和7
年8月に本委員会の下に重点技術作業班を設置し、検討を進めてきたところである。本事項に
係る中間答申は別冊2のとおりであり、今後、同中間答申に基づき、取組を進めていくことが
適当である。
図表 28
重点技術作業班 概要
ワイヤレス分野における市場環境の変化 、仮想化・オープン化等技術の進展を踏まえ、有限希少な電波のより一層
の有効利用の促進に資するとともに 、産業競争力の確保 、経済安全保障の観点も踏まえ 、我が国として重点的
に取り組むべき技術分野について検討。
検討事項
また、上記技術分野を戦略的に推進するため に、電波利用料等による研究開発の活用の在り方 、人材育成の
在り方、その他支援方策など、国、メーカ、ユーザ等関係者において推進すべき取組について検討。
ワイヤレス分野の重点技術領域
重点技術領域の推進方策
2030年代に向けた市場 、技術動向を踏まえ 、ワイヤレス技術
が求められる 主要なシステムを念頭においた 「システム技術領
域」と、それらを支える「コア技術領域」(共通技術領域)の大
きく二つから整理。
システム
技術領域
産業用ロボット
消防
重要インフラ・
ナショナル
セキュリティ
システム
素材・部品・ エンジニアリング・
デザイン領域
デバイス領域
フィジカルAI・ コア技術領域
IoTシステム (共通技術領域)
スマート農業
スマート物流
自動運転
ドローン
防災
制度・環境整備、
標準化
電力
鉄道
次世代
通信システム
(B5G)
データセンター
フェーズ
社会実装・市場創出
実証、PoC、
マーケティング
警察
AI・フロンティア
領域
社会実装 ・市場創出に向けた各フェーズにおいて 、関連
の深い重点技術領域に即した推進方策を整理。
41
•
•
•
•
先端技術の実証環境の構築、ユースケース実証
社会実装・市場創出の加速化支援(HAPS、低
軌道衛星、自動運転等)
海外展開、海外ベンダーとの連携支援
利用機会促進、利用環境整備に向けた制度整備
サプライチェーン構築・維持のための取組
重要インフラ に用いられるワイヤレス機器の 仕様の
共通化、機器更新サイクルの標準化
研究開発
• 研究開発制度 の抜本的な見直し 、テーマ設定の
重点化
• 共通技術の開発支援、共通化の推進
人材確保・育成
• 大学や企業におけるワイヤレス人材育成の強化
• 魅力発信・認識醸成
• 資格制度の活用、見直し
情報発信
都市経営
推進方策
•
•
5-2
インフラシェアリングの在り方
(1) 背景
電波が遮蔽されるトンネルなど、競争に基づくインフラ整備が期待されないエリアにおいて
は、公益社団法人移動通信基盤整備協会(JMCIA)が主導するインフラシェアリングにより基地
局整備・維持管理を実施しており、条件不利地域においても、効率的にエリア整備を進めてい
くため、インフラシェアリングの活用が進められている。
※新幹線の開業区間におけるトンネルでは、100%の整備率を達成している。
更に、5G用に割り当てられた高い周波数の活用が進む中、周波数の特性上、より多くの基
地局整備が必要となっており、効率性の観点から、インフラシェアリングの重要性が高まって
いる。特に、屋内においては、基地局設備等の設置スペースが限られているためインフラシェ
アリングが不可欠となっている。
インフラシェアリングの重要性の高まりに伴い、専業のインフラシェアリング事業者に加え
て、不動産や鉄道等の様々な分野からインフラシェアリング事業への参入が進んでいる。JMCIA
は、地下鉄等における5Gインフラ整備を促進し、かつインフラシェアリング市場の活性化を
図るため、民間シェアリング事業者と5Gインフラシェアリングの協力整備を進めている。
(2) 主な意見
インフラシェアリングの在り方については、本委員会の議論において、以下のような意見が
あった。
<構成員からの主な意見>
インフラシェアリングについて、事業領域の境界が曖昧であったり、シェアリング事業者
によるロックインの懸念もあったりする中で、その推進方策をしっかりと検討する必要が
ある。
インフラシェアリングが進展している諸外国から学ぶことがないか改めて検討する意義
がある。
利用頻度が高い屋内等の電波環境の整備に向けて、施設所有者による参入促進と、施設所
有者の協力を得やすくする仕組みの両方について取り組むことが必要。屋内のつながりや
すさについて、何らかの指標や計測の仕組みを検討すべきではないか。
MORAN、MOCN を推進するのであれば、国内ベンダーがしっかり関与できる体制を検討する
ことが必要。
施設管理者、携帯電話事業者、インフラシェアリング事業者の互恵的関係の構築に向けた
取組を通じ業界全体の健全性が高まることを期待。適正な形で、品質を確保しながら、ス
ピード感を持って取り組んでいただきたい。
<事業者からの主な意見>
利用頻度が高い屋内等について、諸外国では整備状況を定期的にトラッキングするなど整
備推進のための施策を講じているところ、日本では屋内等向けに特化した取組は行われて
42
きていないため、まずは、整備状況や課題を把握し促進策を講じることが必要ではないか。
MORAN、MOCN といった今後のシェアリング形態について、その定義も含めて特にシェアリ
ング事業者が行う場合の制度面での課題の洗い出しや整理が必要。
※MOCN に関しては不採算、高コスト、高トラヒック領域を中心に、まずは従来の携帯電話
ネットワークを補完する位置づけになるものと想定される。
MORAN、MOCN について、その推進に当たっては携帯電話事業者・国内ベンダー・シェアリ
ング事業者が参加する枠組みを要望、また、ミリ波帯に焦点を当てることも有効ではない
か。
5Gや6G等の高周波数帯でネットワークを構築する際は、設備競争の推進によるネット
ワークの充実度だけではなく、共用化による充実度を考慮するという政策的な観点も必要
ではないか。
インフラシェアリングについて、公平な利用条件や適正な料金設定を担保するための制度
化や、シェアを行う設備の範囲を拡大し、選択を可能とすることについて検討が必要では
ないか。
ルーラルエリアや大都市圏を念頭に置いたシェアリングだけではなく、災害など有事も含
めて検討が必要ではないか。
高周波数帯でのネットワーク展開において、基地局までのエントランス回線を無線化する
ことで経済効率性が向上するケースが多いことから、基地局の共用化において統合アクセ
スバックホールは検討すべきソリューションではないか。
社会インフラであるモバイルネットワークの整備促進に向け、インフラシェアリングにか
かる関係者(施設管理者・インフラシェアリング事業者・携帯電話事業者)の互恵的関係
の構築に向けた取組が必要ではないか。
(3) 考え方
屋内等におけるインフラシェアリングの円滑な推進に向けて、携帯電話事業者、施設管理者、
インフラシェアリング事業者の主要なステークホルダー間で適切な協力関係が構築されるよ
う、まずは民主導による取組 6を促進することが適当である。
また、モバイルネットワーク整備の選択肢を増やす観点から、MORAN や MOCN 等の新たなイン
フラシェアリングの形態であるアクティブシェアリングについては、市場環境に与える影響等
を踏まえつつ、実証等を通じて、制度及び運用上の論点について整理・検討を進めることが適
当である。
屋内等における通信環境の整備を促進するため、電波の利用状況調査及び有効利用評価の一
環として実施する通信品質調査を有効活用していくことが適当である。
6
JMCIA は、令和7年2月から実施している地下鉄等における5Gインフラの協力整備トライアルの状況等を踏
まえ、同年 10 月に協力整備に関する公募を実施し、令和8年3月に協力事業者を4社選定している。(JMCIA プ
レスリリース「5G インフラ整備に向けて協力を頂くシェアリング事業者の公募結果について | 移動通信基盤整
備協会」より。)また、インフラシェアリング事業者が、モバイルネットワークの整備促進に資するシェアリン
グ関係者間の互恵的関係の構築を目指し、2026 年夏頃のコンソーシアム立ち上げを目指している。
43
第6章 電波の利用環境の在り方
電波の利用状況の変化等を踏まえ、意図せず発射される混信等の増加に対応するための電波監
視の在り方や、人体に対する電波の安全性に関する研究の方向性など、無線システムが安心して
利用できる環境を確保するための方策はどのようにあるべきかという観点で、「電波の利用環境
分野の今後の政策の在り方」、
「携帯電話エリア整備、基地局強靱化に対する支援策」について検
討を行った。
6-1
電波の利用環境分野の今後の政策の在り方
電波監視の今後の在り方については、新たな電波利用の拡大に伴い、電波利用環境が大きく
変化していることから、現在の電波監視における課題や今後の在り方を検討するため、令和7
年5月に本委員会の下に電波監視作業班を設置し、検討を進めてきたところである。本事項に
係る中間答申は別冊3のとおりであり、今後、同中間答申に基づき、取組を進めていくことが
適当である。
電波環境分野の今後の政策の在り方については、電波利用の高度化や、無線機器の高周波利
用設備等の利用シーンの多様化など、電波利用をめぐる近年の社会環境が変化していることか
ら、令和7年3月に電波環境分野の在り方検討作業班を設置し、検討を進め、令和7年9月 11
日に「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環境の在
り方」について一部答申を行った。今後、本答申に基づき、取組を進めていくことが適当であ
る。
44
図表 29
図表 30
電波監視作業班の検討の背景
電波監視体制の今後の方向性について
課題認識
5G等、高い周波数の利用拡大や新たな干渉源の顕在化。固定監視の限界と移動監視の重要性の増大
衛星コンステレーション、HAPS等の革新的な通信サービスが急速に進展。従来の監視技術の延長線では対応が困難
EC販売の拡大やインバウンドの増加。外国製等の基準不適合無線機器による混信の可能性が増大。事後的な取組だけでは対応が困難
対応の方向性
NTNをはじめとした革新的な通信サービス 、高い周波数帯の利用 、新たな混信源への対応等 、電波利用を取り巻く環境の変化に対応し 、時代に即した
電波監視を推進することが必要
そのためには、移動監視の強化、監視設備の早期配備、技術開発の推進、事業者との連携強化、持続的な体制の確保をはじめとする取組が不可欠
加えて、流通段階の対策強化に取り組むことで、電波監視との両輪での対応を進めていく
対応強化に向けた3つの柱
電波監視の基本体制の強化
革新的な無線システムへの早期対応
基準不適合機器への対応強化
革新的な無線システムに早期に対応するため 、国産
技術の育成や電波監視体制の構築を推進
流通段階の対策を強化するため 、試買テスト等の
強化、ECモール事業者との連携強化等を推進
1. 移動監視の強化
1. NTN時代の電波監視体制の早期構築
1. 試買テスト・市場モニタリングの強化
●効率的な移動監視のための機器を早期導入
●メガコンステレーション衛星に対する電波監視設備
を令和8年度から整備
特に移動体通信の高い周波数利用を踏まえ
移動監視を重点的に行う電波監視体制を構築
、
●24時間365日での持続的な体制の確保・強化
●重要無線通信妨害対応の重点化・強化
●ノウハウ共有といった監視経験値向上の推進
2.外部連携の強化
●電気通信事業者など免許人との連携強化に
よる対応の迅速化
●定常監視等の外部委託の拡充、即応性向上
3.AI活用やDX推進による業務効率化
●電波監視業務を洗い出し 、デジタル化や AIの
活用により職員の業務効率を向上
●運用体制の確保、能力の向上
2.技術開発の推進
●アンテナ技術等 、電波監視に係る国産技術育成
のための研究開発を推進
●電波監視システムの技術開発推進・新技術活用
3.国際連携の強化
●革新的な無線システムに関する国際動向の情報
収集能力の強化
●電波監視手法及び電波監視データの国際標準
化の推進
45
●販売動向や混信リスクを踏まえて対象機器を
拡大する等、試買テストの強化
●販売状況を把握する市場モニタリングの開始
2.ECモール事業者等との連携強化
●試買テスト等の効果的な運用のための ECモール
事業者等との連携強化
●販売時の技適情報の活用促進や利用者への
適切な情報提供の推進(ガイドラインの見直し等)
3. 周知啓発活動の強化
●ECサイト利用やインバウンドによる持込無線機に
対する注意喚起の強化、取締状況の周知強化
●集中的で効果的な周知啓発活動の実施 、電波
教室の活性化
図表 31
電波環境分野の在り方検討作業班 検討の背景
(1)社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方
〇我が国は、
人口減少・少子高齢化に直面
●生産年齢人口が減少する中で持続的な経済成長を実現するため、
生産性の向上に取り組むことが喫緊の課題
〇電波を使ったシステムやサービスは、
国民生活や経済活動に深く浸透
●国民生活を便利で安全・安心なものにするとともに、
経済成長の源泉となる可能性
国が取り組むべき電波の有効利用の推進の在り方について包括的に検討することが必要(R7.2.3諮問)
(2)電波環境分野における利用環境の変化と優先課題
〇電波環境分野では、近年、主に以下のような電波の利用環境の変化が顕在化
●モバイル機器の増加や無人ロボットの導入等、
高周波利用設備を含む無線機器の利用形態の変化
●B5G(6G)を見据えた更なる高周波数帯の利用拡大、
デバイスの進化など新技術の進展
・ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)では 今後国際的
に取り組むべき高周波研究課題を公表
WHO(世界保健機関)でも、近々、高周波電磁界のばく露に
関する健康リスク評価書を改定の見込み
・過去、5Gの導入・普及の際には、他国において不正確な情報(
いわゆるデマ情報)等が流れ、基地局への放火や破壊活動が発生
する等の社会問題も発生
●EV(電気自動車)やAGV(無人搬送車)を始めとした
無線による非接触給電ニーズやユースケースの増加
・近年、国内外でEV化等が進む中で、WPTのような新たな無線技
術のニーズ等が生まれてきており、その普及に向けた高周波利用設
備制度の在り方や進め方について、機会を逸することのないよう、早
急な検討の必要性の高まり
・2030年代頃を見据え、B5G(6G)の円滑な導入に向けて
電波の安心・安全な利用の観点から検討が必要
①電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方
②電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方
図表 32
③WPTに関する制度運用の在り方
☞3つの優先課題をR7夏頃までを目途に検討・答申
電波環境分野の在り方検討作業班 3つの優先課題の検討・答申結果
(1)電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方
•
総務省の研究成果は、これまでもICNIRP※ガイドライン改定等に積極的に活用され、電波防護指針もそれと整合的に運用
今後もそれに貢献するとともに、国内の電波の安全性の基準を検証するため、引き続き、我が国で主体的に研究を推進していく。
•
総務省が2018年に策定した研究ロードマップは、策定後約7年が経過しており(特に2025年以降のリスク評価のロードマップ
が未確立であるほか)B5G(6G)に向けた電波利用の高度化やICNIRP等の国際機関の動きを踏まえ、見直しを実施。
※国際非電離放射線防護委員会。電波防護のための国際的なガイドラインの策定等を行っている。
⇒ 科学的に確立された作用(熱作用・刺激作用)については、ICNIRPが公表している研究課題等を踏まえて追加や前倒しを
行い、科学的に確立されていない作用(発がん性等)は世界保健機関(WHO)が改定予定の「環境保健クライテリア」の
改定後に改めて見直しを検討する。
(2)電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方
•
今後、2030年代が想定される将来のB5G(6G)の導入・普及に向けて、安心して利用できるよう情報発信・啓発を適切に進め
ていく。(過去の例や国民の関心からも、特に携帯電話に関する情報が重要)
•
ただし、単に安全性を強調して発信・周知しても逆に不安を感じる者も出て来るおそれもあることから、科学的に確立している根拠・
情報をしっかり踏まえながら、適切な内容や手段を用いた情報発信に留意。
⇒ 総務省・携帯電話事業者・研究機関等において情報共有の枠組みを設けて知見の共有を図り、電波の安全性に関する情報発信
の内容や方法を、より正確で、より良いものにしていく。
(3)近接結合型WPTの制度運用の在り方
•
•
近年、電気自動車の需要増加や製造・物流の自動化で無人搬送車等の普及が進む中、効率的に給電できるWPTへの期待が増。
他方、総務省ではこれまで世界に先駆けて近接結合型WPTの制度化をしたものの、必ずしも普及につながっていない状況。
⇒ このような課題を解決するため、以下の対応策を行っていく。
- 国際規格を活用した型式の指定化
CISPR規格を国内答申した際は、対象となっているWPTについては速やかに型式指定化の検討を実施
- 普及実績に基づいた国内独自の型式の指定化
国内独自のWPTの制度化検討は、十分な普及の実績・民間規格の策定等の一定程度確実な普及の見込みがある場合に開始
- 個別許可の制度の周知
個別許可制度の周知を行い、普及の初期段階における活用を推進
46
6-2
携帯電話エリア整備、基地局強靱化に対する支援策の在り方
(1) 背景
総務省では、大規模災害時において、停電や通信回線の断線に伴う携帯電話基地局の停波を
回避するため、大容量化した蓄電池等の設置や衛星回線の活用により、携帯電話基地局の機能
維持及び強靱化対策を推進している。
図表 33
携帯基地局強靱化対策事業の概要
停電に備え、大容量化した蓄電池
や発電機、ソーラーパネルを設置
伝送路断に備え、衛星回線により
通信回線を冗長化
インターネット
伝送路の断!
事業主体
地方自治体
補助率
国3/4、地方1/4
計画年度
令和7年度~令和16年度
停電!
また、総務省では、地理的に条件が不利な地域(過疎地、辺地、離島、半島など)において、
地方公共団体や無線通信事業者等が携帯電話の基地局等を整備する場合に、整備費用等の一部
を補助する事業を実施している。
図表 34
携帯電話等エリア整備事業の概要
補助メニュー
補助内容
基地局施設整備
(4G等)
圏外解消のため、基地局施設を
設置する場合 ※非居住エリア
※R5補正予算より、既エリア化地域も整備対象
高度化施設整備
(5G)
4Gを利用できるエリアにおいて、
通信の高度化のため、5G基地
局を設置する場合
補助率
整備主体︓地方公共団体、携帯電話事業者、インフラシェアリング事業者等
【複数社整備】
【1社整備】
国
1/2
無線通信事業者
1/2
無線通信事業者
等
国
2/3
1/3
※伝送路施設の設置(光ファイバの設置)や運用費に関する補助事業も補助メニューとして存在。
※R5補正予算より、離島の場合、補助率はかさ上げ(1社整備︓1/2→3/5、 複数社整備︓2/3→3/4)
※R6補正予算より、自然災害等により損壊した基地局の復旧・復興支援メニュー及び、老朽化した基地局の高度化を伴う更新支援メニューを創設。
基地局施設整備のイメージ
高度化施設整備のイメージ
4Gのアンテナを
5G対応アンテナ
に高度化
基地局施設
伝送路
携帯電話
交換局
4Gの送受信機を
5G対応送受信機
に高度化
伝送路
離島
( 海底光ファイバ)
基地局施設
(事業主体) 地方自治体、携帯電話事業者、インフラシェアリング事業者等、(事業スキーム) 補助事業
(補助対象) 電源設備、衛星回線設備、送受信設備等、(計画年度) 平成17年度~
47
4G→5G
(2) 主な意見
携帯電話エリア整備、基地局強靱化に対する支援策の在り方については、本委員会の議論に
おいて、以下のような意見があった。
<構成員からの主な意見>
基地局強靱化対策事業について、災害時に役立つものは平常時から利用できるものでない
といけない。トータルで災害対策にもなる強靱なインフラを構築していくと良いのではな
いか。
ハード面の強化は必要だが、予算に限りもあるため、蓄電池や発電機を死蔵品としないた
めに日常使いできるという点も重視すべき。
日常から運用可能なインフラの上での災害対策は重要だが、民間企業の競争領域でもある
のではないか。災害対策としてメリハリをつけるべきであり、どのような脆弱性に対して
特に優先度を持ち投資をしていくべきか、検討が必要。
72 時間の壁を前提とした対策は、合理的・効率的な対策である。電源確保、衛星通信への
自動切替、ミリ波中継局の活用、光ケーブルの多重化などは引き続き推進すべき。
<事業者からの主な意見>
携帯電話等エリア整備事業について、4G・5Gを同時開設する新規事業者や後発事業者
が活用できる補助メニューの検討が必要。
基地局強靱化は災害時の有効手段であるが、スペース確保/設置期間/コストにおいて課
題があるため、柔軟な対応を可能とする前提での支援の強化を要望。
<自治体からの主な意見>
都道府県庁や市町村役場に加え、災害対策に当たる自治体の地方庁舎や災害拠点病院等の
重要な施設をカバーする基地局については、携帯電話事業者の義務の範囲を拡大するべき。
通信回線の冗長化については衛星回線を基本としつつ、光ファイバの2ルート化、ミリ波
中継局等の対策が必要。
事業の規模、裏付けとなる財政措置、計画期間等の長期見通しを明確にすることが必要。
地方財政が厳しい中、一刻も早く重要箇所の強靱化を達成するためには、地方の財政負担
軽減について引き続き検討が必要。
(3) 考え方
ア. 携帯電話エリア整備
4G・5Gを同時に開設する際の補助メニューの整備については、新規事業者や後発事業
者が同時開設する際に補助対象となるよう制度の見直しが行われたところ、円滑な参入が進
められるよう、引き続き必要な対応を検討することが適当である。
イ. 基地局強靱化対策事業の考え方
基地局強靱化対策事業は、南海トラフ及び首都直下地震のような国難級の災害を想定した
48
防災対策であり、対策箇所は円滑な人命救助活動を念頭に置くなど相当に絞り込まれている。
脆弱性については、基地局機能が停止する主な原因である停電と光ファイバの断線に焦点を
当てている。また、国難級の災害を想定した防災対策ではあるが、台風や洪水による停電な
ど、一時的・局所的な通信障害が発生した場合にも貢献するものである。このような基本的
考え方に基づき、引き続き必要な対策を推進していくことが適当である。
また、基地局強靱化は、情報通信ネットワーク安全・信頼性基準により通信事業者による
対策を推奨しつつ、令和7年度に基地局強靱化対策事業を創設することにより、制度面と財
政支援の双方のバランスをとって対策を進めている。今後、通信事業者による取組の進捗状
況を注視した上で、今後の災害対応における課題等も踏まえ、都道府県や市区町村の主要な
庁舎、災害拠点病院等をカバーする携帯電話基地局について、より長時間の停電対策を求め
ること等について検討することが望ましい。
ウ. 基地局強靱化対策事業の在り方
基地局強靱化対策事業の補助対象拡大については、都市部におけるトラヒック対策や、高
層ビルなどの衛星遮へい対策として、光ファイバ2ルート化、ミリ波中継局、エントランス
回線に関する整備費用が新たに補助対象化されたところ、補助対象について引き続き必要な
検討を行うことが適当である。
また、複数年度にまたがる財政支出を可能とする仕組みの構築など、官民が連携して長期
的・安定的に整備の見通しを確保することができるよう必要な検討を行うことが適当である。
なお、補助率については、国 3/4、地方負担 1/4 とされており、離島・山村地域及び半島
地域については国 4/5 と高い補助率が適用されているところ、地方財政の状況等も踏まえ、
引き続き必要な検討を行うことが適当である。
第7章 その他必要と考えられる事項
電波の公平かつ能率的な利用を確保するために必要な共益費用に係る電波利用料制度はどの
ようにあるべきか、また、電波の公平かつ能率的な利用を確保するために必要と考えられる事項
はどのようなことかという観点で、
「電波利用料の在り方」、
「その他必要と考えられる事項」につ
いて検討を行った。
7-1
電波利用料の在り方
(1) 背景
電波利用料は、不法電波の監視等の電波の適正な利用の確保に関し、無線局全体の受益を直
接の目的として行う事務(電波利用共益事務)の処理に要する費用を、電波の利用状況に応じ
てその受益者である無線局の免許人等に負担を求める(いわゆる電波利用共益費用として負担
を求める)ものである。電波利用料制度は、電波法により、少なくとも3年ごとに検討を加え、
必要があると認めるときはその検討の結果に基づいて所要の措置を講ずることとされている
49
(電波利用料の額を見直す場合には、その期間に必要な電波利用共益事務の処理に要する費用
を同期間中に見込まれる無線局で負担するものとして算定。)。なお、電波利用共益事務の内容
(電波利用料の使途)は電波法第103条の2第4項に具体的に限定列挙されており、使途の
追加には電波法改正が必要となる。
図表 35
電波利用料制度の概要
電波利用料は、不法電波の監視等の電波の適正な利用の確保に関し、無線局全体の受益を直接の目的
として行う事務(電波利用共益事務)の処理に要する費用を、電波の利用状況に応じてその受益者で
ある無線局の免許人等(携帯電話事業者、放送事業者等)に負担を求める(いわゆる電波利用共益費
用として負担を求める)もの。
電波利用料制度は、電波法により、少なくとも3年ごとに検討を加え、必要があると認めるときは
その検討の結果に基づいて所要の措置を講ずることとされている。
※
電波利用料の額を見直す場合には、その期間に必要な電波利用共益事務の処理に要する費用を同期間中に
見込まれる無線局で負担するものとして算定。
電波利用共益事務(電波利用料の使途)は、電波法第103条の2第4項に具体的に限定列挙。
主な使途
・電波監視の実施
・総合無線局監理システムの構築・運用
・電波資源拡大のための研究開発等
・電波の安全性調査
・デジタルインフラ整備推進
(携帯電話エリア整備等)
・放送ネットワーク整備支援(地上
基幹放送の耐災害性強化等)
等
電波の適正な利用の確保
(電波利用共益事務)
主な無線局免許人
・携帯電話等事業者
少なくとも
3年ごとの見直し
・放送事業者
・衛星通信事業者
・アマチュア無線
等
電波利用料の納付
(免許人等による費用負担)
(2) 主な意見
電波利用料の在り方については、本委員会の議論において、以下のような意見があった。
<構成員からの主な意見>
電波利用料は、純粋の「電波利用共益費用」に加えて、
「電波の有効利用を促進するための
費用」に充当するものであることを明確に打ち出す必要があるのではないか。
<事業者からの主な意見>
電波利用料について、電波政策(価額競争制度の導入等)
・電波利用の動向や、携帯電話事
業者による無線通信技術発展・社会インフラ整備への取組み等も勘案した上で、使途や総
額も含めた適切な見直しが必要ではないか。
特定基地局開設料・電波利用料について、公正競争の観点等から、減額措置や政策的支援
を検討できないか。
(3) 考え方
電波利用料制度の次期見直しに向け、上述の観点も踏まえ、必要な時期に検討を進める。な
お、電波利用料については、共益事務を「電波の利用価値の向上につながる事務」と「電波の
50
適正な利用を確保するために必要な恒常的な事務」とに分けた上で、それぞれの事務の性質を
勘案して料額を定める仕組みを基本としつつ、技術進展等による新たな電波利用体系も踏まえ、
次期見直しに向け検討を進めることが適当である。
7-2
その他必要と考えられる事項
(1) 背景
AI は従来想定されていた情報通信ネットワークの運用効率化のためのツール(AI for
Network)や CPS(Cyber Physical System)において、実空間から吸い上げた膨大なデータを
高速・効率的に解析するためのツールとして活用されるにとどまらず、情報通信ネットワーク
が、AI が隅々まで利用された社会を支える基盤(Network for AIs)としての機能を果たして
いくことが想定される。
(2) 主な意見
本委員会の議論において、以下のような意見があった。
<事業者からの主な意見>
AI を活用したモバイルネットワークの設計・運用・保守が進んでおり、今後、制度的課題
が顕在化する可能性がある。
(3) 考え方
今後、AI 等の技術が社会に浸透し実装が進むことが想定されるところ、これらの技術進展を
含め、社会環境の変化に柔軟に対応した電波有効利用の推進に向け、新たな制度的課題につい
て必要な時期に検討を進めることが適当である。
51
第8章 今後の取組について
本中間答申では、電波の利用状況やニーズ、電波に関する最新の技術トレンドを勘案して、2030
年代の社会像を見据えながら、周波数割当の在り方、無線局の免許制度等の在り方、無線を利用
したビジネス促進の在り方、電波の利用環境の在り方等について、社会環境の変化に対応した電
波有効利用の推進の在り方に関する検討課題として取りまとめた。
これらの検討課題について、ひっ迫する電波の利用状況等を踏まえた周波数の移行・再編・共
用の方向性、無線技術の進展等を踏まえた無線局免許手続等の簡素化・柔軟化・迅速化の方向性、
無線を利用したビジネスの社会展開を円滑に進めるための推進方策、電波の利用状況の変化等を
踏まえ無線システムが安心して利用できる環境を確保するための方策、電波利用料制度の見直し
の方向性などについて幅広い提言を行った。
総務省においては、今後、本委員会で指摘があった個別課題についての詳細な検討や、産学官
連携・省庁間連携による所要の取組を確実に実施し、社会環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、
電波の公平かつ能率的な利用が更に推進されることを期待する。
また、本中間答申で取りまとめた検討課題以外にも、本中間答申では、携帯電話等周波数の有
効利用に関する検討や電波利用料制度の見直しなど、引き続き検討することとした事項があると
ころ、技術革新の著しい情報通信分野では、これらの事項以外にも検討が必要な事項が生じるこ
とも想定されるため、今回継続検討とした事項を含め、時代に即した対応が必要となる事項につ
いては、必要に応じて更なる検討を行うこととする。
52
第9章
空の利用拡大の進展段階に応じた電波利用政策の方向
性(別冊1)
Starlink をはじめとする衛星通信システムの陸上移動利用や上空での柔軟な電波利用等につ
いては、航空機の遠隔操縦の実現やドローンの飛行範囲の拡大といった空の利用拡大の進展段階
に応じた電波利用政策の方向性を整理するため、令和7年 10 月に本委員会の下に電波上空利用
作業班を設置し、検討を進めてきたところである。本事項に係る中間答申は別冊1のとおりであ
り、今後、同中間答申に基づき、取組を進めていくことが適当である。
第1節 はじめに
第2節 航空分野における新たな飛行形態
第3節 上空利用拡大を支える電波上空利用インフラ
第4節 国際動向と国際調和
第5節 電波上空利用インフラの実現に向けた視点
第6節 実現に向けた環境整備
第7節 ロードマップ
53
諮問第30号「社会環境の変化に対応した電波有効
利用の推進の在り方」のうち「無線局の免許制度等
の在り方」(空の利用拡大の進展段階に応じた電波利
用政策の方向性)について
第9章
情報通信審議会 第一次中間答申(別冊1)
空の利用拡大の進展段階に応じた電波利用政策の方向性
目次
第1節 はじめに....................................................................................................................... 4
第2節 航空分野における新たな飛行形態 ..............................................................................5
2.1. 電波上空利用作業班の設置 ....................................................................................... 5
2.2. 無操縦者航空機.......................................................................................................... 6
2.3. 空飛ぶクルマ ........................................................................................................... 11
2.4. ドローン(無人航空機) ......................................................................................... 15
第3節 上空利用の拡大を支える電波上空利用インフラ.......................................................19
3.1. 基本的考え方 ........................................................................................................... 19
3.2. 通信 .......................................................................................................................... 20
3.2.1. 静止衛星 .......................................................................................................... 22
3.2.2. 低軌道周回衛星 ............................................................................................... 23
3.2.3. 高高度プラットフォーム(HAPS)、衛星ダイレクト通信 .............................24
3.2.4. 携帯電話 .......................................................................................................... 25
3.2.5. 地対空直接通信 ............................................................................................... 26
3.3. 航法 .......................................................................................................................... 26
3.3.1. GNSS ............................................................................................................... 26
3.3.2. VOR/DME、TACAN ..................................................................................... 27
3.3.3. ILS ................................................................................................................... 27
3.3.4. ドローンの航法 ............................................................................................... 28
3.4. 監視、電子的視認性 ................................................................................................ 28
3.4.1. PSR/SSR.......................................................................................................... 29
3.4.2. ASDE、MLAT、WAM ................................................................................... 29
3.4.3. ADS-B、電子的視認性、非協調型回避技術 ...................................................29
3.5. 研究開発中の技術 .................................................................................................... 31
3.5.1. 無線中継技術 ................................................................................................... 31
3.5.2. 無線測位技術 ................................................................................................... 32
3.5.3. 運航管理技術 ................................................................................................... 33
第4節 国際動向と国際調和 .................................................................................................. 34
4.1. 国際機関等における標準化の動向 .......................................................................... 36
4.1.1. 諸外国における上空での電波利用に関する主な考え方 .................................36
4.1.2. ICAO における RPAS 向けの制御通信やその他システムの標準化動向 ........37
4.1.3. ICAO 以外の標準化機関における RPAS 向けの制御用通信(C 帯)に関する
標準化動向 ..................................................................................................................... 38
4.2. 諸外国における制度化動向 ..................................................................................... 41
4.2.1. 米国における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向 .................................42
4.2.2. 欧州における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向 .................................46
4.2.3. 英国における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向 .................................48
4.2.4. 中国における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向 .................................51
4.3. 要素技術の研究開発動向 ......................................................................................... 52
第5節 電波上空利用インフラの実現に向けた視点 ..............................................................55
第6節 実現に向けた環境整備 ............................................................................................... 58
6.1. 通信・監視に関する新たなシステム ....................................................................... 58
6.1.1. 上空での Ku 帯ブロードバンド衛星通信利用 .................................................58
6.1.2. 衛星ダイレクト通信、HAPS による端末の上空利用 .....................................60
6.1.3. 地対空直接通信 ............................................................................................... 61
6.1.4. 携帯電話網の圏外地域での対応 ...................................................................... 63
6.1.5. 通信品質 .......................................................................................................... 64
6.1.6. 監視、電子的視認性 ........................................................................................ 67
6.2. 手続・運用面における制度整備等 .......................................................................... 70
6.2.1. 海外展開・海外製品利用の簡素化 .................................................................. 70
6.2.2. 無線従事者資格・人材育成 ............................................................................. 70
6.2.3. 制度に関するその他の要望等.......................................................................... 72
6.3. 研究開発................................................................................................................... 74
6.4. 標準化等................................................................................................................... 75
6.4.1. 標準化 .............................................................................................................. 75
6.4.2. 国際動向 .......................................................................................................... 77
6.5. その他 ...................................................................................................................... 78
第7節 ロードマップ ............................................................................................................. 80
第1節 はじめに
航空分野において、空飛ぶクルマ(AAM:Advanced Air Mobility)や無操縦者航空機等、
従来の航空機の枠に収まらない新たな飛行形態が出現しつつある。これらの新たな飛行形
態は交通手段や物流の概念を根本から変革する可能性を有しており、その技術が新たな社
会インフラの一翼を担うことが期待されている。これらの新しい飛行形態においては、機
体から地上への飛行データの伝送が従来機より増加することや遠隔操縦の実施など、通信
をはじめとする電波利用技術の役割の重要性が増しており、その安全かつ効率的な運用に
は、リアルタイムで高信頼な通信が不可欠である。
また、様々な分野で利用されているドローンについては、その利用範囲の拡大に伴い、
飛行の長距離化・機体の大容量化等、飛行範囲の拡大を含む用途の拡大につながる開発が
進められている。航空機に要求される安全基準及び運航精度とドローンに要求されるそれ
らは異なるものであるが、ドローンにおいても、用途と許容可能なコストに応じて、従来
よりも低遅延で高信頼な通信手段を必要とする場面が増加するものと考えられる。
これらと時を同じくして、衛星コンステレーションや HAPS(High Altitude Platform
Station:高高度プラットフォーム)といった航空分野で利用可能な新たな通信手段が出
現しつつある。衛星コンステレーションは、地球を周回する多数の衛星によって構成され
るネットワーク、HAPS は成層圏に展開される無人航空機や気球によって構成されるネッ
トワークであり、これらの活用によりこれまで通信の利用が困難であった広範な地域で、
高速かつ信頼性の高い通信を提供することが可能となる。また、通信以外にも監視・電子
的視認性の分野で、より高度な位置把握や安全な飛行を実現するための新たなシステムが
提案されている。
本作業班では、空飛ぶクルマについて空の移動革命に向けた官民協議会 12(事務局:経
済産業省製造産業局及び国土交通省航空局)のロードマップで示された 2020 年代後半(導
入初期)、2030 年代(成長期)、2040 年代(成熟期)の各段階及びドローンに関する検討
状況を踏まえて、新たな空の利用の進展を予測し、付随する課題を整理した上で、これら
の技術革新を支える通信インフラの整備や、電波利用に関連する施策の検討を行った。本
中間答申が安全で快適な未来の空の社会の実現に貢献するとともに、我が国における新た
なイノベーションやビジネスの創出及び関連産業の発展に寄与することを期待するもので
ある。
1
経済産業省 空の移動革命に向けた官民協議会:
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/air_mobility/index.html
2
国土交通省 空の移動革命に向けた官民協議会:https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk2_000007.html
4
第2節 航空分野における新たな飛行形態
2.1. 電波上空利用作業班の設置
近年、航空分野では無操縦者航空機や空飛ぶクルマの実現に向けた検討が進み、航空機
の遠隔操縦の実現やドローンの飛行範囲の拡大といった新たな飛行形態が出現しつつある。
また、新たな飛行形態の出現と時を同じくして、通信技術においても、衛星コンステレ
ーション等の NTN(非地上系ネットワーク)を中心に、航空分野で利用可能な新たな通信
手段が登場しつつある。
これを受け、電波有効利用委員会は、令和7年諮問第 30 号「社会環境の変化に対応した
電波有効利用の推進の在り方」のうち「無線局の免許制度等の在り方」に基づき、令和7
年 10 月、航空分野における電波の利用拡大を見据えた今後の電波利用政策の在り方及び航
空分野の電波利用に関し優先して対応すべき政策課題について、専門的な見地から具体的
かつ集中的な検討を行うため、委員会の下に電波上空利用作業班を設置した。
(1)第1回作業班(令和7年 10 月 21 日)
電波の上空利用をめぐる近年の動向や空飛ぶクルマの社会実装に関する取組について
紹介するとともに、無操縦者航空機事業者の取組についてヒアリングを実施した。
(2)第2回作業班(令和7年 11 月 18 日)
無操縦者航空機事業者及び通信事業者の取組についてヒアリングを実施した。
(3)第3回作業班(令和7年 12 月 16 日)
ドローン事業者へヒアリングを実施するとともに、意見募集の結果について紹介した。
(4)第4回作業班(令和8年1月 20 日)
研究開発機関へのヒアリング及び国際動向に関する検討を実施した。
(5)第5回作業班(令和8年2月 17 日)
報告骨子(案)及びロードマップ(案)について検討した。
(6)第6回作業班(令和8年3月 17 日)
報告(案)について検討した。
5
2.2. 無操縦者航空機
航空法上、
「航空機」、
「無操縦者航空機」、「無人航空機」の異なる用語が存在する。
航空機は人が乗って航空の用に供することができるものとされ、このうち、操縦者が搭
乗せずに飛行可能な装置を有する航空機は「無操縦者航空機」とされる。
なお本中間答申では、無人航空機と無操縦者航空機のどちらを指すかが不明確な場合及
び双方を指す場合は「無人機」と、無操縦者航空機を除く航空機を指す場合は「有人航空
機」と記載している。
図1
無操縦者航空機 3
国内重工業メーカーは、無操縦者航空機の初期のユースケースを山間地や無人地帯での
物資輸送に設定し、飛行実証を通じた開発を進めている。
作業班において当該メーカーから、我が国は国土の約 7 割が山間地であることから、高
度経済成長期に建設された鉄塔の改修に伴う物資輸送ニーズを見込んでいるとの説明があ
った。具体的な取組として、2021 年度から長野県伊那市による「無人 VTOL 機物資輸送プ
ラットフォーム構築事業」に参画し、山小屋への物資輸送のデモンストレーションを実施
した事例が紹介された。
また、災害発生時の災害支援・復旧工事に向けたニーズとして、陸路が寸断された孤立
集落への物資供給が挙げられ、孤立地域への物資輸送のデモンストレーションを実施した
事例についても紹介された。
3
出典:電波上空利用作業班(第 2 回)資料 1-8
6
図2
民間運用構想 4
また、別の国内重工業メーカーでは、民間用途向けに「中型無人機」と呼称する無操縦
者航空機の機体を開発している。この機体はマルチコプター方式であり、物資輸送を主要
目的とするものであって、人が搭乗することは想定していない。パワーユニットはハイブ
リッド方式であり、エンジンで発電しバッテリーを搭載してモーターで駆動する。ハイブ
リッド方式の採用は、200 キログラムのペイロード重量 5と長距離飛行の実現を目的とした
ものである。
この機体はトラック等での運搬が可能であり、複数機を用いた重量物の運搬も想定して
いる。荷物の積載方法として、吊下げによる方法、機体下スキッド間に搭載する方法、ウ
ィンチによる自動リリース機構による方法を想定しており、様々なユースケースに対応す
る機能を追加している。現在は実証試験を行っているとの説明があった。
ハイブリッド方式を採用した機体は令和 7 年4月に初飛行を行った。先行してバッテリ
ー駆動方式の機体を製造し、自動荷卸及びアームの折り畳みによる可搬性実証を行った。
また、重量物輸送の実証や走行中のトレーラーへの自動着陸及び自動離陸の実証を実施し
ている。
4
出典:電波上空利用作業班(第 1 回)資料 1-8
5
機体本体の重量を除いた搭載可能な重量
7
この社からは、ユースケースとして図 3 の通り災害時の物資輸送や山間部での工事資材
運搬、物流網の支線物流としての利用が示された。同社は、トラックでの輸送が困難又は
船舶での輸送が必要となるような地域への物資輸送を想定している。
図3
無操縦者航空機の想定ユースケース
国内航空会社は、機体メーカーと提携し、無操縦者航空機の日本社会への実装に向けた
検討を進めている。
この航空会社は、無操縦者航空機の導入に際してニーズの特定、制度設計の促進、社会
受容性の向上といった課題が存在すると認識し、これらの課題検討を加速すべく、地域連
携を強化している。地方自治体と連携協定を締結し、実証飛行を通じた課題の抽出や社会
受容性向上の取組を進めているところである。
国際民間航空に関する国際標準及び勧告方式(SARPs:Standards and Recommended
Practices) を 定 め る 国 際 連 合 の 専 門 機 関 で あ る ICAO(International Civil Aviation
Organization:国際民間航空機関)では、無操縦者航空機による計器飛行方式(IFR 6)に
よる運航の国際標準及び勧告方式について検討が進められている。国土交通省では、ICAO
6
管制機関に承認された飛行計画にしたがうとともに常時管制機関の指示にしたがって飛行する方式。一般に
IFR(instrument flight rules)と呼ばれる。
8
での検討も踏まえつつ、無人地帯を有視界飛行方式(VFR 7)で運航する最大離陸重量 1 ト
ン程度までの人の搭乗を想定しない無操縦者航空機の実現について、空の移動革命に向け
た官民協議会にタスクフォースを設置して検討を進めている。このタスクフォースを通じ
て、商用運航のための手続きとして、耐空証明取得の際に、開発機による実証飛行を試験
飛行等の許可で可能にする検討や、リスクベース要件での耐空証明取得に向けた制度整備
を目指して検討が進められている。
また別の社からは、開発中の無操縦者航空機で使用する、機体動態情報、機体周辺映像
や機体制御コマンドを伝送するための通信システムの例が紹介された(図 4)。この例では、
携帯電話網と衛星通信を使用し、機体と地上側(GCS:Ground Control Station)と通信す
ることで見通し圏外での遠隔操縦飛行を行っている。見通し圏内、すなわち潜在的に居住
圏のような有人空間となる可能性が高い場所では近距離通信を併せて使用することで、更
に冗長性を高めている。
図4
民間運用構想 8
ある社は、携帯電話網の整備されていない地域及び災害時での運用において、現在は衛
星通信サービスを使用している。この社からは、目視外飛行(操縦者から目の届かない範
7
計器飛行方式以外の飛行の方式。一般に VFR(visual flight rules)と呼ばれる。
8
出典:川崎重工業株式会社
9
囲での飛行)や高解像度動画伝送のため、より高速かつ低遅延・大容量の通信が必要であ
るとの意見が述べられた。
また別の社から、無操縦者航空機に求められる通信の特徴として、無操縦者航空機は操
縦者が搭乗しないため、操縦者搭乗機の場合と比べて、新たに多様な通信が必要である点
が指摘された(図 5)。この社からは、今後、実用化の段階では、運航者、管制を含むサー
ビスプロバイダー、離着陸場オペレーターとの間で、操縦者搭乗機の場合と比較して異な
る形態での通信が発生し、運航を支えるとの想定が示された。
無操縦者航空機の運航に必要な通信機能(Wisk Aero社の例)
無操縦者航空機︓
操縦者が乗り組まないで飛行することができる装置を有する航空機。
パイロットが機体に搭乗しないため、有操縦者の空飛ぶクルマと比べ
て多様な通信機能が必要となる。
運航概念図
空クル共通
無操縦者特有
多様化する
通信機能
③
①
機能
方式
①
管制指示等の伝達
静止衛星や低軌道衛星の利用を想定
②
管制指示の伝達
既存の航空無線通信と同様
③
衛星を利用した航法
既存のRNP運航と同様
④
乗客からの緊急通話
LTE/5Gを想定
⑤
精密進入
未定
(C2リンク)
(冗長的な構成が必要)
①
⑤
④
②
Supervisor
Hospitality
Manager
Maintenance
Controller
Vertiport
Fleet
Management
System
ANSP
SDSP
飛行計画・
動態情報等
の共有
Fleet
Manager
ポート容量・
動態情報等
の共有
V/Port Automation
System
UATM System
V/Port
Manager
サービスプロバイダー
運航者
©Japan Airlines, ALL rights reserved.
図5
無操縦者航空機の運航に必要な通信機能 9
V/Port
Management
System
Ground
Crew
離着陸場オペレーター
4
作業班では、衛星通信を活用して静止衛星と低軌道衛星の組合せで冗長的な構成を作り、
操縦者と管制官との間の通信を伝達する構成例が紹介された。また、ある社からは、衛星
を活用した精度の高い航法や、乗客の緊急時のコミュニケーション手段の確保の必要性が
指摘され、後者については LTE/5Gを想定した通信が例に挙げられた。この社からは、地
上からの電波を利用して精密進入を行うような、無操縦者航空機の特性に合わせたシステ
ムの登場が想定されるとの見解も示された。
別の社からは、今後の通信方式の可能性として、低軌道衛星や HAPS による低遅延通信
の利用を期待する意見が述べられた。また、ある研究開発機関からは、機体間での通信も
研究・一部運用されており、近距離での別機体との通信利用が検討されている旨が紹介さ
れた。
9
出典:電波上空利用作業班(第 2 回)資料 2-1
10
2.3. 空飛ぶクルマ
空飛ぶクルマは航空機に分類され、主として、電力を利用して垂直方向に離着陸する
eVTOL を指す用語である。都市部での送迎、山間部や離島での移動手段、災害時の救急
搬送などでの活用が期待されており、各国で開発が進行中である。
我が国では、空の移動革命に向けた官民協議会において、令和6年に空飛ぶクルマの運
用概念(ConOps:Concept of Operations)第 1 版改訂 A を作成、令和8年に第 2 版を作
成し、業界関係者に情報を提供し認識の共有を図っている。
令和7年8月に開催された空の移動革命に向けた官民協議会第 11 回会合において、空飛
ぶクルマの「大阪・関西万博後の社会実装の実現イメージ」が示された。「2027 年/2028 年
以降から一部先行する地域で商用運航がスタートし、その後、運航頻度の向上により導入
地域が徐々に拡大、事業規模拡大による経済性の向上等により広域的なネットワークが形
成されるという流れを想定」とされ、また、年代ごとの実用化の進展イメージも示されて
いる。
2020 年代後半:商用運航が一部先行する地域で開始
2030 年代前半:運航頻度が高まり、導入地域が徐々に拡大
2030 年代後半:運航頻度は更に高まり、より多くの人の日常的な移動手段として定着
2040 年代:
日常生活における自由な空の移動が当たり前の社会を実現
「「空の移動革命に向けた官民協議会」第 11 回会合
資料2
大阪・関西万博後の社会
実装の実現イメージについて(案)
」で示された想定は以下のとおりである。
大都市圏においては、2020 年代後半には大阪・関西万博終了後、2 地点間運航が限定的
に開始されることが想定される。また、遊覧飛行も限定的に開始され、空港アクセスに向
けた取組として運用検証が進むと考えられる。
2030 年代前半には、新たなバーティポートの整備により都市間運航が徐々に拡大し、遊
覧飛行も拡大する。空港アクセスが一部で開始されると予想される。
2030 年代後半には、大都市圏でより広範なネットワーク形成が進む。遊覧飛行や空港ア
クセスも拡大し定着することが想定される。
地方部においては、2020 年代後半に一部で遊覧飛行や貨物輸送の実証が開始され、特に
景勝地を一望する遊覧飛行が行われる。2030 年代前半には観光地と空港とのアクセスや貨
物輸送が開始され、2030 年代後半には観光利用が定着し地域内運航が開始される。2040
年代には自由な空の移動が当たり前となる社会実装が実現されると期待される。
また、公共的な利用として、2030 年代前半から有人航空機における救急医療や災害対応
など公的目的での導入が進む。具体的にはドクターヘリの補完として空飛ぶクルマの活用
が期待される。
空飛ぶクルマはヘリコプターと比較し、電動推進である点、複数のプロペラを有し、機
体重量が軽く低騒音である点が特徴として挙げられる。これにより、空飛ぶクルマの離着
陸地点の多様化と静音性の向上が実現され、ヘリコプターの代替手段となり得る。更に、
11
バーティポートの設置・運営、不動産、保険、観光等の新たなビジネスの創出により、産
業振興及び経済発展が期待される。また、機体開発や量産化に伴う経済効果も見込まれる。
また、経済産業省は、ReAMo(Realization of Advanced Air Mobility)プロジェクトを推
進し、次世代空モビリティ(空飛ぶクルマ、ドローン)の実現に必要な性能評価手法及び
運航管理技術の開発等を進めている。
ReAMo プロジェクトにおいては、空飛ぶクルマの機体から周囲に位置情報等を送信する
ADS-B(Automatic Dependent Surveillance ‒ Broadcast:放送型自動位置情報伝送・監視)
を利用した位置情報の提供等により、空飛ぶクルマとドローンが同一会場内で運航するた
めの運航管理システムについて、大阪・関西万博で実証を行った。
万博における運航管理システム実証(ReAMoプロジェクト)
• 新たなエアモビリティドローンや空飛ぶクルマと既存の航空機との間での安
全で効率的な運航を実現するため、 ReAMoプロジェクトにおいて運航管理
システム(UTM・UATM)を開発中。
• 万博では、空飛ぶクルマとドローンが同じ会場内で運航するための運航管理
システムを試験提供した。
空飛ぶクルマ・ドローンの飛行空間の棲み分け
ドローンの飛行を不可とする空間(ジオフェンス)、
ドローンの飛行が計画されている空間(ジオケー
ジ)を設定。
リアルタイム位置情報提供(動態管理)
ドローンの識別情報と位置情報を発信するリモート
IDと、空飛ぶクルマに搭載される位置情報システム
ADS-B の信号を、万博会場に設置した低高度用受
信機によって受信。
接近等を把握することでドローン・空飛ぶクルマの
安全運航に役立てる。
https://drone-journal.impress.co.jp/docs/news/1187751.html
図6
4
ReAMo プロジェクトにおける大阪・関西万博での実証 10
国土交通省航空局は、大阪・関西万博での空飛ぶクルマの飛行・運航の実現を目指し、
2023 年度末までに制度整備を、2024 年度末までに交通管理体制の整備を行った。
10
出典:電波上空利用作業班(第1回)資料 1-6
12
航空法における取扱い
「無人航空機」は構造上人が乗ることのできないものと規定。
「無操縦者航空機」は人が乗って航空の用に供することができる能力を有するものとして、「航空機」に分類
される。
無人航空機
航空機
航空の用に供することができるものであっ
て、構造上人が乗ることができないものの
うち、
遠隔操作又は自動操縦により飛行させるこ
とができるもの
人が乗って航空の用に供することができるもの
無操縦者航空機
操縦者が乗り組まないで
飛行することができる装
置を有する航空機
出典︓ボーイングジャパンHP
飛行機
出典︓YAMAHA
ドローン
(マルチロータ型)
出典︓海上 保安 庁
無操縦者の固定翼機
ラジコン機
出典︓海上保安庁
回転翼航空機
次世代航空機 (空飛ぶクルマ)
(電動・垂直離着陸型
将来的に無操縦者化の方向)
出典︓YAMAHA
農薬散布用
ヘリコプター
出典︓AIRBUS
出典︓SKYDRIVE
3
図7
無人航空機と無操縦者航空機の範囲 11
現在、国内外で空飛ぶクルマの開発が進められている。作業班では、米国の機体メーカ
ーから、将来のビジネス構想、機体の開発状況、大阪・関西万博における実証、使用する
無線システム等について紹介された。
空飛ぶクルマに搭載される無線システムは、機体の型式証明取得前の試験飛行における
利用と、将来の商用運航における利用に大別される。大阪・関西万博における試験飛行で
は、型式証明取得前の試験機を使用することとし、試験機の無線局については実験試験局
として 4 波を取得し、リアルタイムで機体の状態を地上の GCS においてモニタリングを行
った。
機体には、標準的な航空無線機器を搭載したうえで、モニタリング等の通信において、
冗長性を確保した高速無線データリンクを使用した旨の説明がなされた。なお、米国にお
ける空飛ぶクルマの試験飛行では、衛星通信サービスを用いた試みも行われている旨が紹
介された。
11
出典:電波上空利用作業班(第1回)資料 1-5
13
図8
図9
空飛ぶクルマ 12
試験飛行で活用する無線リンク 13
この機体メーカーは、空飛ぶクルマの商用運航において当面は、パイロットが搭乗して
の操縦を想定しているが、搭載される無線設備については、標準的な航空機に搭載される
無線機器(電波高度計、ATC トランスポンダ、VHF、GPS(Global Positioning System)
受信機など)の使用を想定している。また、安全性にかかわる無線リンクとして、パイロ
ットだけでは監視しきれない、それらの無線設備の機器の重要なデータを、地上からリア
ルタイムで監視する AMT(航空機モバイルテレメトリー)や、機体から地上に送られる映
像のデータ、パイロットと地上との音声通信を想定している。また、旅客向けインターネ
ットサービスの提供も想定している旨が紹介された。
12
出典:電波上空利用作業班(第1回)資料 1-7 より抜粋
13
出典:Joby Aviation
14
この社からは、将来の遠隔操縦について、安全性に関わる無線リンクとして、冗長性、
低遅延性、高リフレッシュレートをもつ C2(Command and Control:制御用)リンク、
AMT、地上パイロット用の高解像度ライブ映像に加えて、バックアップ映像、地上パイロ
ットの音声通信用リンクが必要との見解が示され、これらを携帯電話網と衛星通信を組み
合わせて実現することを構想している旨が紹介された。
2.4. ドローン(無人航空機)
ドローンとは、一般に「無人航空機」を指す。航空法上の定義では、
「無人航空機」とは
「航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船であって、構
造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることが
できるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに
地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定
めるものを除く。)」とされ、国土交通省令で 100 グラム未満のものを除くとされている。
ドローンの長距離化・大型化に向けて国内でも機体開発や飛行実証が進められている。
図 10
ドローンの例 14
あるドローン事業者は最大 250 キロメートルを飛行可能な大型 VTOL(垂直離着陸機)
の開発を進めている。この VTOL ドローンは固定翼機でありながら、複数のプロペラを使
用して垂直に離着陸できる。これにより、滑走路不要でどこからでも飛び立てる利便性と、
固定翼機の長距離飛行能力を併せ持つ。現行モデルは電動・自動飛行で最大 70 キロメート
ルの飛行が可能である。
別のドローン事業者は、物流を主とした機体開発を行い、物流関連の実証実験を実施し
た。この機体は最大ペイロード 5.5 キログラムで 40 キロメートルの飛行が可能である。国
14
出典:電波上空利用作業班(第1回)資料 1-4 より抜粋
15
土交通省に対して第一種型式認証を申請中であり、機体の量産を開始している。この事業
者は米国市場でも小型機の展開を進めている。
ユースケースとして、自治体や中央省庁、インフラ企業などを主な利用者とした例が挙
げられた。愛媛県宇和島市では、VTOL を導入して災害時の被害状況把握や固定資産台帳
の整備に利用された。また、国土交通省九州地方整備局や福岡県県土整備部でも河川管理
や災害時の状況把握で VTOL が活用されている。ローカル鉄道路線の点検効率化・自動化
や、ドローン物流に向けた取組が進んでおり、2026 年後半の実用化を目指しているとされ
た。
将来的な社会インフラとして、ドローンポートの設置が提案され、通信事業者によって
全国約 1000 箇所へのドローンポート設置が計画されている。これにより、平時・有事を問
わずドローンを活用した社会課題の解決が提案されている。具体的ユースケースとして、
平時においては海岸線パトロールや夜間警備、有事においては被災状況の確認や捜索活動
が想定されており、既に石川県では常設のドローンポートを設置し、実証実験が進められ
ている。
図 11
ドローンポートユースケース 15
ドローンでは様々な電波利用システムが使用されている。ドローンは主に GPS をはじめ
とする GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)で自機の緯
度・経度、高度といった位置情報を把握し、加速度計とジャイロスコープを組み合わせた
IMU(慣性計測装置)により姿勢・位置の変化を把握することで、安定した飛行を可能と
15
出典:電波上空利用作業班(第 2 回)資料 2-4
16
している。また、操縦者からの操作、バッテリー残量などの機体の状態、搭載されるカメ
ラ・LIDAR 16などから得られる情報は 2.4GHz 帯/5.2GHz 帯の無線 LAN、携帯電話、ラジ
コン操縦用微弱無線などを通じて伝送されている。使用する電波の種類により免許や届出、
技術基準適合証明等が必要となる。
これらのドローンが目視外飛行する場合、航空法において遠隔でカメラ映像等で機体の
外の様子を監視できることや地上においてドローンの位置及び異常の有無を把握できるこ
とが求められているほか、設定した立入管理区画に人が立ち入らないことを確認するため
に機体に取り付けられたカメラを使用する例もあり、これらのための通信回線が必要 17と
なる。作業班で示された例では 2.4GHz 帯無線 LAN と LTE の上空利用を組み合わせた目
視外飛行を基本としており、飛行中は操縦・状況確認のため、リアルタイムで FPV(一人
称視点)カメラ映像を LTE や無線 LAN を通じて確認できる。また、操縦用とは別にペイ
ロードとして用途に合わせた各種カメラやセンサーを搭載可能であり、このための通信も
必要とされる。
ある事業者からは、ドローンの飛行距離は飛躍的に伸びており、それに伴い通信の課題
が顕在化していることが述べられた。また、過去には LTE の上空利用が認められたことに
より、長距離飛行の展望が広がったことから、更に、低軌道衛星等の衛星通信の活用が進
めば、国土の多くを山間部が占めるという特徴を持つ我が国でのドローン活用の幅が広が
ると考えられるとの見解が述べられた。
また、同事業者から、LTE の上空利用において顕在化した課題の具体的事例として、兵
庫県豊岡市での実証実験において、LTE 通信範囲の外では遠隔操縦ができないためドロー
ンを飛行させることができず、LTE 通信範囲内で物流ドローンの飛行経路を計画する必要
が生じ、コストやリスク増に影響を及ぼした事例が示された。また、衛星通信の活用がこ
れらの課題を解決する可能性があり、設計・検討が進められており、災害時のような LTE
が不安定な状況でも、衛星通信が安定した通信を提供できれば、被災状況の調査に大きく
貢献するとの意見が述べられた。
別の事業者からは、目視外飛行を行う VTOL の運用において、安全運航のためには通信
の冗長化が必要だとの意見が述べられ、LTE のカバレッジが弱い地域では低軌道衛星等の
衛星通信を活用して通信の冗長性を高める構想が示された。
16
Light Detection And Ranging。レーザー光の反射情報により対象までの距離や対象物の形を測定する技術
17
国土交通省「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
17
図 12
ドローン物流ユースケース 18
また、別の事業者からは、今後、目視外飛行が広がりを見せることが想定され、更に、
操縦者一人で複数の機体を同時に運航する多数機同時運航、他のドローンや空飛ぶクルマ
と連携した運航管理も視野に ReAMo プロジェクトで検討が進められている中で、通信の
側面では、携帯電話網による通信範囲の限界や輻輳を補うため、低軌道衛星等の NTN の
活用が提案された。
今後、ドローン市場においても国内に加え海外でも販売できる能力・規模を有するメー
カーが残っていくことが想定され、海外市場への出荷を前提とした製造時の電波発射に必
要な無線局免許手続きの緩和を求める意見が述べられた。特に、国によって使用できる無
線システムや諸元(周波数・出力)が異なるため、海外向け仕様の製品を国内で試験する
際に、国内で認められていないシステムの場合は実験試験局の免許取得に時間を要するな
どの課題があるとの意見が示された。また、我が国では令和4年 12 月に目視外・補助者な
し飛行(BVLOS)制度が導入されて世界的にも先進的な制度となっており、国内で得られ
た知見をもとに海外に先進的な製品を提供したいとする意見も述べられた。
18
出典:電波上空利用作業班(第 3 回)資料 3-4
18
第3節 上空利用の拡大を支える電波上空利用インフラ
航空分野における電波の利用拡大を見据えた今後の電波利用政策の在り方等の検討を行
うに当たり、本節では現行の航空機に使用される無線システムについて紹介する。
3.1. 基本的考え方
航空分野で利用される無線技術は、主に Communication(通信)、Navigation(航法)、
Surveillance(監視)の 3 つの分野に分類される。
Communication(通信):航空機と地上管制官又は航空機同士の間での情報交換を可能
にするもので、パイロットと管制官との間での飛行に関する指示の伝達、状況報告、緊急
時の対応などの音声通信を行うものや、ACARS(Aircraft Communications Addressing and
Reporting System)などを利用したテキストメッセージのやり取りを行うデータ通信が例
として挙げられる。
Navigation(航法):航空機が安全かつ正確に目的地に到達するために、自機の現在位置、
方向、速度等の情報を提供する無線技術である。GPS 等の人工衛星を利用して航空機の位
置を特定する GNSS が例として挙げられる。
Surveillance(監視):主として地上の管制や他の航空機が、飛行する航空機の位置、高
度、速度、識別番号などをリアルタイムで把握するための無線技術である。航空機の位置
情報や高度情報を得る二次レーダーの SSR(Secondary Surveillance Radar、後述)などの
例がある。
航空機にはこれらの無線機器が搭載され、操縦者はこれらの無線・通信機器を使用し航
空機を操縦する。
19
地上管制との連絡
データ通信
HF/VHF無線機
• 音声による交信
• 航空交通管制、運航管理通信で使用
(旅客サービス)、機体・機器の状態の地
上への伝達のため衛星通信が広く利用
衝突防止
CPDLC/ADS-C
• 管制からの指示を
文字情報で表示
• VHFデジタル回線・
衛星回線を利用
ACAS (航空機衝突防止システム)
• 質問信号に対し、周辺のトランスポンダ
搭載航空機が位置、高度等の情報を回答
• 衝突回避情報を表示、警報を発報
質問信号
レーダー
応答信号(位置情報)
レーダー
• 航空機の位置を確認
• 周辺の気象状況を確認
飛行高度の確認
SSR、MLAT、ATCトランスポンダ
• 二次監視レーダー(SSR)は、質問電波を付
加し送信
• 航空機搭載のATCトランスポンダが、自動
応答、航空機の識別及び高度情報を返答
• MLATは、複数か所でATCトランスポンダ
の信号を受信し、航空機の位置を把握
飛行位置の測定
VOR/DME、TACAN
• 地上設備からの方位・距離情報を送信、
機体側の位置把握に利用
図 13
電波高度計
• 地上に向け電波を発射し、反射の時間で
地上との距離を測定
着陸進路の誘導
ILS (LOC、GS、TDME)
• 空港に設置され、滑走路への進入角のズレ、
距離情報を航空機に提供
遭難信号
GBAS,SBAS
• 航法支援のために衛星測位システムを活用
航空機用救命無線機(ELT)
• 航空機が不時着・墜落
した場合に、その
地点を知らせる信号
を自動的に発射
航空機に関連する主な無線システム 19
3.2. 通信
有人航空機における通信は、重要度順に、航空交通業務通信(ATSC)、運航管理通信
(AOC)、航空会社業務通信(AAC)
、旅客向け通信(APC)の 4 つに分類される。上位 3
つの通信は ITU(国際電気通信連合)により航空機用に航空移動(R)業務(AM(R)S)や航
空移動衛星(R)業務(AMS(R)S)として国際分配された以下の周波数帯を使用している。
陸上では VHF 通信、洋上では衛星通信が主に利用されている。
HF 通信
2.8-22MHz
VHF 通信
118-137MHz
衛星通信(管制用)
1.5/1.6GHz 帯
航空交通業務通信においては満たすべき遅延限度(RCP)が定められ、各国の航空当局
の関連機関によって通信品質がモニタリングされている。近年、飛行中の機体からメンテ
ナンスデータを送信する需要が増加しており、特に VHF 帯の周波数利用がひっ迫している。
今後の有人航空機の通信では、航空情報共有基盤(SWIM)の構築が進められており、
航空機に IP アドレスを割り当てて大規模なクラウドネットワークを構成する計画がある。
現状の通信速度は VHF 航空通信で数十 kbps、衛星通信でも数百 kbps 程度であり、旅客向
け通信の方が高速であるという逆転現象が生じている。新たな動きとして、LTE や5G、
19
出典:電波上空利用作業班(第 1 回)資料 1-4
20
低軌道衛星通信などの公衆通信を航空通信に利用する HYCON(Hybrid Communication
Networks)の規格化が国際的な民間標準化団体(SAE)で進められている。
無人機への展開における主要な課題として、まず、制御用通信である C2 リンク(CNPC
リンク)の重要性が挙げられる。操縦者が搭乗しない航空機においては、地対空通信が機
体の耐空性に直結する。有人航空機では通信途絶時に機上の操縦者が対処できるが、無人
機ではそれが不可能であり、事故が発生すれば周辺空域を飛行する有人航空機や地上に甚
大な被害をもたらす可能性がある。
データ通信に用いられる通信技術としては、主に衛星系、地上系に大別され、以下の技
術が導入されてきている。
上空利用可能な通信システム:衛星通信
無操縦者航空機、空飛ぶクルマ、ドローン・無人航空機で衛星通信が広く活用
利用用途、機器構成に応じ利用者がシステムを選択
システム名称
周波数帯
主な制限
無線設備規則の規定
備考
イリジウム
1618.25-1626.5MHz
PFD制限なし
○第45条の22
(航空機地球局)
○第49条の23 2号
(携帯移動地球局)
インマルサット
1626.5-1660.5MHz
PFD制限なし
○第45条の20
(航空機地球局)
○第49条の24
(携帯移動地球局)
Ku帯航空機地球局
14.0-14.5GHz
PFD制限あり
高度制限あり
○第45条の21
(航空機地球局)
• ITU-R勧告M.1643を参考に検討
• ITU-R勧告M.1643を参考に検討
ヘリサット
14.0-14.4GHz
PFD制限あり
○第49条の24の3
(携帯移動地球局)
スターリンク
個別:14.0-14.5GHz
包括:14.0-14.4GHz
PFD制限あり
○第49条の23の5
(携帯移動地球局)
• 欧州での検討結果(ECC Report 271)を参考に検
討
• ECC Report 271では、高度3,000m以上であれば
PFD制限値を守ることが可能と記載
ワンウェブ
14.0-14.5GHz
PFD制限あり
○第49条の23の6
(携帯移動地球局)
• 欧州での検討結果(ECC Report 271)を参考に検
討
Ka帯ESIM
29.5-30.0GHz
PFD制限なし
○第49条の23の4
(携帯移動地球局)
• 電波天文との検討を実施し、高度10,000mについ
て60dBc※、高度1,000mについて80dBcのスプリ
アス抑圧フィルタを使用すれば共用可能と結論
※dBc:搬送波電力を基準にした電力比
図 14
20
上空利用可能な通信システム(衛星通信) 20
出典:電波上空利用作業班(第 1 回)資料 1-4
21
上空利用可能な通信システム:携帯電話等
ドローンは、機体制御や画像伝送等のため電波を利用することが必要。我が国では、ドローンの利用ニーズを踏まえ、
2.4GHz帯、 5.2GHz帯、 5.7GHz帯、 携帯電話等をドローンで利用可能な無線システムとして制度化。
運用者は、ドローンの利用用途等を勘案し、最適な無線システムを利用。
無線システム名称/無線局種
周波数帯
(参考)※4
(参考)※4
無線局免許
ラジコン操縦用
微弱無線
通信距離
73MHz帯等
5kbps
1km程度
不要
ホビー用途等で手軽に利用可能
産業では農薬散布での利用が主体
特定小電力無線局
920MHz帯
~1Mbps
500m程度
不要※1
操縦用として利用
2.4GHz帯
~54Mbps
1km程度
不要※1
操縦・画像伝送等の用途で最も普及。
利用者が多いため混雑。
5.2GHz帯
数十Mbps
数百m程度
不要※1※2
主に空撮、インフラ点検、測量等で利用
169MHz帯
~数百kbps
5km程度
要
主に空撮、インフラ点検、測量等で利用
(操縦・制御のバックアップ等に使用)
2.4GHz帯
~数十Mbps
10km程度
要
主に空撮、インフラ点検、測量等で利用
5.7GHz帯
数十Mbps
5km程度
要
主に空撮、インフラ点検、測量等で利用
携帯電話(4G/5G)
800MHz帯
等
数十Mbps
携帯電話の
エリア内
※3
見通し外通信や遠隔運用が可能であり、
インフラ点検、物流、映像配信等で利用。
ただし、携帯電話のエリア外では利用不可。
ローカル5G
4.7GHz帯
28GHz帯
数Gbps
数百m程度
要
高精細映像伝送、イベント運営で利用。
2.4GHz帯無線LAN
(小電力データ通信システム)
(2400~2483.5MHz)
5.2GHz帯無線LAN
(5.2GHz帯高出力データ通信システム)
無人移動体
画像伝送システム
伝送速度
(2483.5~2494MHz)
※1 免許を要しない無線局については、無線設備が電波法に定める技術基準に適合していることを
事前に確認し、証明する「技術基準適合証明又は工事設計認証」を受けた無線設備を使用する
場合に限る
特徴、利用用途
※2 既存無線局との共用のため厳密に台数管理をする必要があることから登録局制度の対象
※3 携帯電話事業者の免許で運用
※4 法令に規定はなく、メーカー等のヒアリングによるもの
⇒ 右図の「技適マーク」が表示された無線設備のみ使用可能である。
技適マーク
図 15 上空利用可能な通信システム(携帯電話等) 21
3.2.1. 静止衛星
国内静止衛星事業者は、航空機向けインターネット(IFC)の需要は映像ストリーミン
グの解禁により爆発的に増加し、2030 年に向けて成長が加速すると想定している。航空機
向けの通信事業は、国内線を中心に利用帯域が増加しており、今後 10 年で更に拡大すると
見込んでいる。
通信の大容量化と柔軟性向上を目指し、この事業者は次世代衛星としてフルデジタル衛
星(SDS)を打ち上げ、従来衛星の数十倍の通信容量を持つ次世代衛星フリートの構築を
計画している。SDS は高い柔軟性を持ち、軌道上でサービスエリアや伝送容量を変更可能
である。将来的な自動運用に向けての取組も進んでいる。また、同事業者は様々な分野で
無人機の需要拡大も見込んでいる。
21
出典:電波上空利用作業班(第 1 回)資料 1-4
22
図 16
衛星通信の大容量化・柔軟性向上への対応 22
航空機・無人航空機等の移動体を追従することで特定の地点のみにビームを照射し、そ
れ以外の地域では別のビームを利用できるようにする Follow me beam(追従ビーム)を活
用したサービスにより、安定した通信を提供する計画が紹介された。
3.2.2. 低軌道周回衛星
米国企業による低軌道周回衛星通信サービスでは、8,000 機以上の衛星が稼働中であり、
150 以上の国・地域において 800 万以上の顧客にサービスが提供されている。この企業か
ら、ユースケースとして災害時のような緊急時対応が示され、ハリケーンや火災時にもイ
ンターネット接続を提供した実績があるとの紹介が行われた。
この事業者の ESIM(移動体地球局)は、航空機や船舶で利用されており、航空機向け
のサービスは既に 1,350 機以上に接続され、世界 100 か国で認可を受けて、20 万フライト
以上でサービスを提供している。衛星にはレーザーメッシュネットワークが搭載され、接
続の継続性を確保している。
22
出典:電波上空利用作業班(第 2 回)資料 2-3
23
図 17
ある米国企業の航空通信構成 23
この事業者のシステム構成では、世界に 300 か所のゲートウェイサイトがあり、衛星と
インターネットのバックホールとして使用されている。Ku 帯をユーザー端末側で使用し、
Ka 帯をゲートウェイで使用している。
現在、我が国での航空 ESIM 運用には、無線局運用規則第 262 条の 2 により衛星から放
射され地表面に到達する電波の強度(PFD)の制限が設けられ、高度 3,000 メートル以下
での ESIM 運用に制限がある。この事業者からは、航空 ESIM 用途について、保護するべ
き無線システムが同一の周波数帯に存在しない 14.4GHz 以下の周波数については、PFD 制
限値への準拠を不要とすることが提案された。
米国や欧州では多くの航空会社が低軌道衛星通信を用いて無線 LAN サービスを提供して
おり、我が国でも航空機・ドローンを含む様々な利用例で高速大容量かつ低遅延のサービ
スの提供に対する期待が述べられた。
3.2.3. 高高度プラットフォーム(HAPS)
、衛星ダイレクト通信
通常の旅客機が飛行する高度 10 キロメートル程度よりも更に高い 20 キロメートル程度
の成層圏を飛行する無人航空機等に携帯電話基地局を搭載する HAPS(High Altitude
Platform Station:高高度プラットフォーム)の実用化に向けても検討が進められている。
HAPS が陸上の携帯電話基地局と一体的に運用されることで、離島、海上、山間部を含め
効率的にエリア化することが可能になると見込まれている。
23
出典:電波上空利用作業班(第 3 回)資料 3-5
24
HAPS は長期間成層圏に滞留しサービス提供を行い、その過程で我が国の国内外を含め
広範な地域を飛行することが想定される。操縦は地上から遠隔で行われ、このため、地球
規模での移動に対応し安定的に通信を提供できる C2 回線が必要となる。また、経由する
空域に応じ管制と交信する必要がある。
また、HAPS の実用化に向けて、令和7年7月から情報通信審議会情報通信技術分科会
新世代モバイル通信システム委員会 HAPS 検討作業班で HAPS の技術的条件を検討し、そ
の結果を受けて令和 8 年 4 月に無線局の制度整備が行われた。
同様に、通常地上に設置される基地局を衛星に搭載し地上の携帯電話端末と通信する衛
星ダイレクト通信システムも実用化されている。衛星ダイレクト通信システムは、携帯電
話端末が携帯電話に割り当てられた周波数(IMT 周波数)を使用して人工衛星と直接通信
を行い、当該人工衛星を介して携帯電話網のコアネットワークに接続することで通信を実
施(携帯無線通信と同様にコアネットワークが基地局を通じて携帯電話端末を制御)する
もので、令和6年 12 月に制度改正が行われた。ドローン等の次世代空モビリティの運航範
囲拡大、冗長性確保、低高度通信インフラの構築が可能になるとの期待から、通信事業者
から衛星ダイレクト通信の上空での利用が要望された。
3.2.4. 携帯電話
サービスエリアが広く高速・大容量のデータ伝送が可能な携帯電話等をドローン等に搭
載し、操縦や画像伝送等に利用したいとのニーズに対応するため、2016 年7月に「実用化
試験局制度」が導入された。携帯電話システムは地上での利用を前提に設計されているこ
とから、携帯電話をドローン等に搭載して上空で利用すると、同じ周波数の電波を用いる
他の基地局と混信を生じ、地上の携帯電話の通信に影響を与えるおそれがある。そのため、
地上システムに影響を与えないよう、上空利用時の送信電力制御機能を適用することを条
件として使用を認める制度とされている。令和2年 12 月に LTE 方式の一部帯域について、
令和5年 4 月に高度制限の撤廃及び5G方式の導入並びに令和7年5月に5G方式の一部
帯域の利用を可能とする制度整備が実施された。現在、携帯電話事業者が整備するシステ
ムにより、利用者がウェブ経由等の簡易な手続きで 1 週間程度で利用可能となる環境が実
現されている。
携帯電話事業者が整備するシステムでは、ユーザー向けにはシミュレーターという形で、
エリアごとの利用可能性をウェブアプリで確認する機能が提供されている。前述の上空利
用時の送信電力制御機能を適用するとの条件に対応して、携帯電話事業者のシステムにお
いて送信電力制御や周波数の制限がネットワーク側の機能として実現されている。
上空向けの携帯電話通信は、LTE 上空利用プランとして、ドローンのような無人航空機
やその他の航空機に対して提供されている。
ヘリコプターによる情報伝送や映像伝送においても携帯電話網を利用した通信が利用さ
れている例が紹介された。150 メートルを超えて数百メートルに達する高度での通信にお
25
いては、電波が届かないという事例も挙げられた。また、比較的低高度で電波が届く場合
でも、特に都市部では地上に多くの基地局が存在し、これらの基地局は地上の利用者に最
適化されたエリア構成となっているため、上空では電波干渉が多く、電波品質が低下する
ことが確認されている。これにより、ヘリコプター特有の高度や都市部上空での干渉の多
さが障害となり、通信の利用が難しいという課題が示された。
3.2.5. 地対空直接通信
ドローンは、機体制御や画像伝送等のために電波を利用することが必要であり、我が国
では、ドローンの利用ニーズを踏まえてドローンで利用可能な無線システムを制度化して
きた。
ドローン等に利用可能な地対空直接通信を行うシステムには、携帯電話システムのほか、
図 15 のとおり、特定小電力無線、無線 LAN、無人移動体画像伝送システム等の様々なシ
ステムがあり、ドローンの運用者は、ドローンの利用用途等を勘案してこれらの中から最
適な無線システムを利用している。
3.3. 航法
航空機が安全かつ正確に目的地に到達するために、自機の現在位置、方向、速度を測
定・算出し、進行方向を管理・維持するため航法システムが用いられる。電波を利用する
航法システムとして、GPS 等の人工衛星を利用して航空機の位置を特定する GNSS、地上
に設置した無線局から航空機に距離と方位の情報を提供する VOR(VHF Omnidirectional
Range:超短波全方向式無線標識)/DME(Distance Measuring Equipment:距離測定装
置)、TACAN(Tactical Air Navigation:戦術航空航法装置)、着陸時の航空機に誘導電波
を発射して滑走路への進入コースを指示する ILS(Instrument Landing System:計器着陸
装置)等、様々なシステムが利用されている。
また、電波を用いない航法システムとして、ジャイロスコープと加速度計を使用して航
空機の位置、速度、姿勢を計算する慣性航法装置も利用される。
3.3.1. GNSS
GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)は、地球上の任意
の地点で高精度な位置、速度及び時刻情報を算出・取得するための衛星システムで、航空
機の航法、位置特定、ルート計画に広く利用されている。
GNSS には我が国の準天頂衛星システム、米国の GPS、欧州連合の Galileo、ロシアの
GLONASS、中国の BeiDou などの人工衛星を利用する。これらのシステムはそれぞれの国
や地域によって運営されており、複数の衛星が地球の周回軌道上に配置されている。
26
航空機はこれらのシステムに属する複数の人工衛星からの信号の到達時間を基に位置を
計算する。GNSS は特に長距離飛行や海洋上空の航行において不可欠なツールであり、そ
の利用により、航空機は安全かつ効率的に飛行することが可能になる。
3.3.2. VOR/DME、TACAN
VOR(VHF Omnidirectional Range:超短波全方向式無線標識)は、地上の無線局から
VHF 帯の周波数の電波を送信し、航空機が自機の方位情報を取得できるシステムで、特に
航空機が空路を正確にたどるために使用される。VOR の無線局(VOR 局)は 360 度全方
向に電波を発射しており、航空機は自機が VOR 局から見てどの方位(ラジアル)にいるか
を知ることができる。これにより、パイロットは特定の VOR 局を基準にして自機の位置を
確認したり、目的地までのルートを設定したりすることが可能になる。
VOR は見通し(Line of sight)での運用が基本で、山岳や地上障害物による影響を受け
やすいが、比較的高い精度を持っており、長年にわたり航空航法の基本的な手段の一つと
して利用されてきた。
DME(Distance Measuring Equipment:距離測定装置)は、航空機が地上に設置された
特定の地点までの距離を測定するためのシステムで、VOR や ILS と組み合わせて使用され
る。
航空機から地上の DME の無線局(DME 局)に向けて UHF 帯の周波数の電波を発射し、
その電波が DME 局で受信されると、DME 局は応答信号を航空機に送信する。航空機は送
信から受信までにかかる時間を測定し、その時間を基に距離を計算する。この距離は地上
の DME 局から航空機までの斜距離(直線距離)として表示される。
DME は、航空機が現在の位置の確認や、特定の地点までの距離を知るために利用され、
特に、VOR と組み合わせて使用することで飛行中のより正確な位置特定が可能になる。こ
れは、計器飛行方式を採用している航空機にとって重要な情報源となり、飛行計画の実行
や進入、着陸段階での精密な航法に貢献する。
TACAN(Tactical Air Navigation:戦術航空航法装置)は、主に軍用機で利用される、
航空機に対して地上の無線局(TACAN 局)までの距離と方位を提供するシステムである。
TACAN は、VOR と DME の機能を組み合わせたもので、より高精度な位置情報を提供で
きるように設計されている。民間航空機では一般的に使用されないが、一部の空港では民
間航空機も TACAN 局の DME 機能を利用することができる。
3.3.3. ILS
ILS(Instrument Landing System:計器着陸装置)は、航空機が悪天候や視界不良の条
件下でも安全に着陸できるように支援するための航法システムである。滑走路の進入経路
27
を示すために地上に設置された一連の無線設備を使用し、航空機に対して正確な進入角度
と方向を提供する。
ILS は主に以下の 2 つのコンポーネントで構成されている。
1. ローカライザー(Localizer)
滑走路の延長線上に設置され、左右の方向(水平位置)を示す信号を送信する。ローカ
ライザーの信号により、パイロットは航空機が滑走路の中心線に対してどれだけずれてい
るかを知ることができ、これにより、航空機は正確に滑走路の中心に向かって進入するこ
とができる。
2. グライドスロープ(Glide Slope)
滑走路の端付近に設置され、垂直方向(高度)の進入角度を示す信号を送信する。一般
に3度の降下角度が設定されており、パイロットはこの信号を基に適切な降下率を維持し
て滑走路に進入する。
これらの電波を受信することで、航空機の計器は進入経路のずれを表示し、パイロット
はその情報を基にコースを修正しながら着陸操作を行う。
ILS は、信頼性が高く、精度の高い進入支援を提供するため、多くの商業空港で使用さ
れている。特に視界が悪い状況や夜間など、目視による進入が困難な場合において、ILS
は安全な着陸を支える重要なシステムである。
3.3.4. ドローンの航法
ドローンが自機の位置や速度を把握するシステムとして、GNSS や加速度計とジャイロ
スコープを組み合わせた IMU、レーザーを使用して周囲の環境をマッピングする LIDAR
等、様々なものが利用されている。
また、衛星測位システムを補完する、UHF 帯の電波を使用する地上波方式測位システム
について、2025 年に情報通信審議会で答申を受けて総務省で省令改正手続きが進んでいる
ことが、作業班のヒアリングの場で紹介された。
3.4. 監視、電子的視認性
地上の管制や他の航空機が、飛行する航空機の位置、高度、速度、識別番号などをリア
ルタイムで把握・共有するための技術や設備は監視システムと呼ばれる。航空機の監視に
は、地上から電波を送信し航空機からの反射波を受信して位置を特定する PSR、地上から
質問信号を送信し航空機に搭載された ATC トランスポンダから応答する信号を受信して位
置情報や高度情報を取得する SSR、地上に配置された複数の受信機が航空機から発射され
28
る電波を受信し、その到達時間差を利用して航空機の位置を算出する MLAT(マルチラテ
レーション)及び WAM(広域マルチラテレーション)等、様々なシステムが利用されて
いる。
3.4.1. PSR/SSR
PSR(Primary Surveillance Radar:一次監視レーダー)は、地上のレーダーから電波を
送信し、その電波が航空機の機体に反射されて戻ってくる信号を受信することで航空機の
位置を特定する、一次レーダーである。航空機側が電波を発射しなくても検出可能であり、
トランスポンダを搭載していない航空機や、故障している航空機も検出できる。
SSR(Secondary Surveillance Radar:二次監視レーダー)は、航空機に搭載された ATC
トランスポンダに対して質問信号を送信し、その信号を受信した航空機からの応答信号を
受信することで、対象の航空機の位置情報や高度情報を得る、二次レーダーである。PSR
と比較して位置情報の精度が高い、航空機の識別が容易であるなどの特徴を持つ。
PSR と SSR を組み合わせて使用されることも多い。
3.4.2. ASDE、MLAT、WAM
ASDE(Airport Surface Detection Equipment:空港面探知レーダー)は、空港の地上に
おいて航空機や車両の位置を監視する、24GHz 帯の電波を使用する一次レーダーのシステ
ムである。
MLAT(Multilateration:マルチラテレーション)は、航空機の ATC トランスポンダか
ら送信される信号(スキッタ)を複数か所で受信して、受信時刻の差から航空機等の位置
を測定するシステムである。ASDE がカバーできない領域を監視することが可能で、主に
ASDE と組み合わせて飛行場管制業務に使用される。
WAM(Wide Area Multilateration:広域マルチラテレーション)は、空港面を二次元的
に監視する MLAT と同じ動作原理により、空港周辺の空域を三次元的に高精度に監視する
システムである。
3.4.3. ADS-B、電子的視認性、非協調型回避技術
ADS-B(Automatic Dependent Surveillance - Broadcast:放送型自動位置情報伝送・監
視)は、SSR の質問信号を受信しない場合も ATC トランスポンダから定期的に周囲に位置
情報等を送信する機能で、我が国では ATC トランスポンダの一機能として扱われている。
前項までのシステムは主として管制官が航空機の位置や速度等の情報を把握するために
利用されるものである一方、ADS-B は航空機同士の相互監視によって周辺の航空機の位置
の把握を可能とし、航空機の衝突リスクの低減につなげることも期待できる。
29
ドローンが多く飛行する高度 150 メートル以下では、ヘリコプター等との干渉が生じる
可能性がある。衝突回避には多層の安全対策が必要であり、有人航空機の場合、飛行前の
計画段階、飛行中の管制による間隔維持、機体による自律的回避の 3 段階がある。無人航
空機の場合、国際的に SORA(Specific Operations Risk Assessment)というドローンの衝
突リスク低減のためのアプローチが提言されており、飛行前の有人航空機との遭遇率低減
と飛行中の衝突回避装置の組合せにより全体リスクを許容範囲に抑えるものとなっている。
図 18
有人航空機と無人航空機の衝突防止に関する課題 24
飛行中の衝突回避のためには有人航空機の位置把握が必要となる。
これに対し、非管制区域等で従来の監視技術を補助する役割として、小型のものを含む
航空機等の空域利用者が相互にその存在を知らせ衝突の危険性を回避することを目的とし
た電子的視認性(Electronic Conspicuity)の概念とそれを実現する機器が英国航空局等に
よって提案・開発され、それらを踏まえた制度の検討が欧州(EASA:欧州航空安全機関)
や米国(FAA:米国連邦航空局)でも進められている。我が国でも、一部の事業者から
ADS-B 等の航空機への搭載が提案されている。また、作業班の場では、実証実験の結果を
踏まえたポータブル ADS-B の活用可能性も示された。
また、ドローンと有人航空機等の衝突回避技術には、ADS-B のような協調型の技術に加
えて、レーダー等によって対象を検知しドローンが航空機等を回避する非協調型の技術も
ある。
この非協調型の衝突回避技術について、作業班の場で、NEDO(新エネルギー・産業技
術総合開発機構)の DRESS(Drones and Robots for Ecologically Sustainable Societies
24
出典:電波上空利用作業班(第4回)資料 4-4
30
project)プロジェクトで研究開発を進め、ISO(国際標準化機構)で運用手順等の標準化
を行った、小型ドローンに搭載可能なレーダーとカメラによる衝突回避システムが紹介さ
れた。
3.5. 研究開発中の技術
3.5.1. 無線中継技術
国内の研究開発機関では、上空利用の拡大に資する様々な研究開発が行われている。そ
の一例として、山岳などの障害物により電波が遮断される環境下においても、中継ドロー
ンを介して電波を中継することで無人航空機の目視外飛行を実現する「コマンドホッパー」
と呼ばれる技術が開発されている。
920MHz 及び 169MHz の 2 周波数帯を使用し、無瞬断で最大 3 ホップの中継通信が可能
であり、後者の場合、通信距離は 10 キロメートル以上を達成している。
実証事例としては、活火山における降灰観測、洋上監視、山小屋への物資配送、ダムの
点検、電線・鉄塔のメンテナンスなどが実施されている。
図 19
無人航空機の目視外飛行のためのコマンドホッパー 25
また、「ドローンマッパー」と呼ばれる機体間通信技術も開発されており、920MHz 帯を
用いてドローン間の位置情報共有を行う。これにより 10 キロメートル圏内での動態情報の
共有が可能となる。
更に機体間通信を利用した群飛行制御及び自律的な接近回避機能も研究が進んでいる。
群飛行制御では先導機のみを操縦して、追従機は機体間通信を用いることで、飛行に必要
25
出典:電波上空利用作業班(第4回)資料 4-1
31
な周波数の縮減を可能としている。これらの技術により、周波数の有効利用と安全な飛行
の両立を目指している。
3.5.2. 無線測位技術
航空機の位置情報を測位するシステムとして、地上波測位システムの開発が進められて
いる。高精度三次元測位サービスを社会インフラとして提供することを目指し、GNSS が
果たす役割を地上波から発信することで実現するシステムである。GNSS と比較して受信
強度を最大 10 万倍まで高めることができ、屋内や地下、上空での利用が可能である。この
技術は米国で開発されたものであり、我が国においても導入に向けて無線局の制度整備が
進められている。この地上波方式は GNSS を補完し、安全性を確保する技術として位置付
けられている。
今後の高度化に向けて、センチメートル級測位技術と準天頂衛星システムを地上局と接
続し、準天頂衛星の縦ベクトルと地上波システムの横ベクトルを組み合わせることで、
GPS と同等の効果を実現し、衛星との組合せにより上空利用にも対応可能であると示され
た。
図 20
26
測位システムの精度向上に向けた取組の事例 26
出典:電波上空利用作業班(第4回)資料 4-3
32
3.5.3. 運航管理技術
民間企業でも研究開発の目標として、2030 年代の多頻度・高密度運航、遠隔操縦、自動
自律化に対応するハイブリッド通信システムの構築を掲げて研究開発が進んでいる。具体
的には、LTE や衛星通信を活用した低コストな通信システムの開発、通信の冗長化による
高信頼性の確保、暗号化・認証によるセキュアな通信、動的なリソース最適化技術の研究
が進められている。
図 21
次世代空モビリティの想定されるユースケースの一例 27
NEDO の ReAMo プロジェクトにおいて通信グランドデザインの策定を推進しており、
大阪・関西万博では ADS-B 受信網を構築し動態情報モニタリングサービスの実証を行っ
た。
また、UTM(無人航空機運航管理)を用いた情報共有サービス、リアルタイム性を重視
した大量運航対応システム、将来的な V2V(Vehicle to Vehicle)通信による衝突回避技術
の研究開発が実施されている。
今後の課題として、電波干渉シミュレーション環境の構築、低高度空域向け電波制度の
検討、国際標準化への準拠と貢献、AAM 機特有の通信要件に応じた環境整備が必要との
見解が述べられた。
27
出典:電波上空利用作業班(第4回)資料 4-5
33
第4節 国際動向と国際調和
本節では、上空での電波利用に関連する諸外国や国際機関における制度化や研究開発の
動向について概括する。
無人機に関連する用語の定義
ICAO における国際的な無人機の定義及び国内における無人機に関連する用語の定義に
ついて整理する。RPAS(Remotely Piloted Aircraft System)は、遠隔操縦により運航され
る無人機システムであり、無人機システム(UAS)の一類型として位置付けられている。
ICAO では、RPAS が有人航空機と同一の空域を安全に共有し、既存の航空交通管理体系に
統合されることを前提として定義されている。
UAS
(Unmanned Aircraft System)
※UASは操縦者が搭乗しない機体全般を指す広い
概念であり、RPASや日本制度上の無人航空機/無
操縦者航空機等を包含する。
RPAS
(Remotely Piloted Aircraft System)
※有人航空機と同じ空域に統合(integration)
されることを前提とされたUAS
図 22
ICAO における UAS と RPAS との関係性 28
一方、我が国においては、無操縦者航空機は航空機の枠組みに包含されており、遠隔操
縦により運航される空飛ぶクルマは、その一類型として整理されている。他方、無人航空
機及び小型無人機は、航空機の枠組みとは別に位置付けられている。
28
出典:公開情報にもとづいて作成
34
図 23
我が国における新たな空モビリティの関係性 29
国際標準化機関における RPAS システムの位置付けについて図 24 に整理する。特に
RPAS は、国際運航を前提とする機体であり、複数国が関与する運航形態となることから、
RPAS の電波利用については国連機関において国際標準化の対象として検討が進められてい
る。
既存の航空無線システムにより運用
されており、本作業班の検討対象外
無
国際間飛行
有
操縦者が搭乗
空飛ぶクルマ
(操縦者搭乗)
既存の旅客機
UAS
RPAS
無操縦者航空機
(Remotely Piloted Aircraft System)
空飛ぶクルマ
(遠隔操縦)
無人航空機
小型無人機
無
国際間飛行を行い、複数国が関与するため、国際機関
国際間飛行を行わない空モビリティにかかわる主な通信につ
(ICAO, ITU-R等)により電波の利用は標準化対象
いては、分配された周波数のもとで国内制度化の対象となる
図 24
29
RPAS と我が国における新たな空モビリティ等の定義の関係性 30
出典:
「空飛ぶクルマ」の試験飛行等に係る航空法の適用関係のガイドライン
https://www.mlit.go.jp/koku/content/001472777.pdf
30
出典:公開情報にもとづいて三菱総合研究所作成
35
4.1. 国際機関等における標準化の動向
4.1.1. 諸外国における上空での電波利用に関する主な考え方
機体のサイズや運航のリスクが異なる UAS について、今後利用可能になると想定される
周波数に関し、国際標準化機関及び諸外国の主管庁における議論の状況を表 1 に整理する。
なお、米国及び欧州における位置付けについては、現時点での検討動向を踏まえたイメー
ジを示したものである。
表1
機体のサイズや運航のリスクが異なる UAS で利用可能な周波数の考え方 31
米国
25kg 未満
25kg 以上
旅客輸送可能なサイズ
Open category
Specific category
Certified category
主に自国内での
IFR 下での国際間飛行を
ICAO において RPAS 運用に
み利用されるた
行う無人機の標準化を前
向けた SARPs の策定、ITU-
め 、ICAO
提とする ICAO や ITU-R
R において制御用通信や衝
ITU-R 等の国連
にて議論対象外
突回避レーダーの周波数特
機関で議論の対
RTCA/EUROCAE
※ 機 体 サイ ズ
による分類
欧州
※運航リスク
による分類
国際標準化
機関におけ
る議論
諸外国にお
ける制度化
の議論
や
(※ 1)
定について議論中
の標準化機関において航
RTCA や EUROCAE 等の標
電波法の両面)
空バンドに限定されない
準化機関において航空バン
周波数を用いたシステム
ドを用いたシステム標準化
を標準化中(携帯電話
中(C 帯/L 帯は完了、衝突
網、UHF 帯等)
回避は策定中)
欧米各国におい
欧米はじめ利用可能な周
て、UAS 向けの
波数を検討している状況
周波数の特定済
(一部制度化済)
み
特に免許不要帯
ICAO 策定中の SARPs の完
成後に制度化予定
免許不要帯域は利用困難
免許不要帯域は利用困難
航空専用の周波数の利用が
航空の 安全 に資するた
ベース(一部の国において
域 (ISM 帯 域 )
め 、SARPs/MOPS
等
UAS 用の CNPC リンクとし
や携帯電話網の
にて航空業界から承認さ
て C 帯を制度化済の状況)
利用が主軸
れた周波数の利用がベー
(※ 2)
ス
31
等
象外(航空法、
出典:公開情報に基づいて作成
36
必要に応じて航空専用の
周波数を利用
※1
RTCA(米)/EUROCAE(欧):航空分野における技術基準(標準・ガイダンス)を策
定する国際的な標準化団体
※2 MOPS:最低運用性能基準
4.1.2. ICAO における RPAS 向けの制御通信やその他システムの
標準化動向
ICAO では、RPAS を既存の航空交通システム及び空域へ安全に統合することを目的とし
て、グローバルな規制枠組みの策定が進められている。特に、RPASP(Remotely Piloted
Aircraft Systems Panel)においては、遠隔操縦航空機システムの運航に不可欠な制御用通
信に関し、国際標準及び勧告方式及び関連マニュアルの検討が行われている。
将来的に計器飛行方式条件下において国際間飛行を行う無人機の一類型である RPAS に
ついては、有人航空機と同一空域での運航を前提としていることから、その制御用通信に
は高い信頼性、可用性及び継続性が求められることが想定される。このため、ICAO にお
いては、空域において満たすべき通信性能要求値が SARPs として定められる予定である。
これらの性能要求値に対応するため、SARPs に関連するマニュアルにおいては、この要
求値を満たすことが可能な候補システムが整理されており、衛星通信システム及び地上通
信システムの双方が対象として位置付けられている。
ICAO で検討対象となっている RPAS 向け制御用通信の構成図を図 25 に、各 RPAS 向け
制御用通信システムの概要を表 2 に示す。
図 25
32
ICAO で検討対象となっている RPAS 向け制御用通信の構成図 32
出典:公開情報に基づいて作成
37
表2
RPAS 向け制御用通信システムの概要 33
周波数
無線業務
標準化状況
衛星
L 帯 (1525-
航空移動衛星
•
従来から航空安全用途として各国にて制度化
システム
1660.5MHz
(R)業務
•
RTCA DO262、EUROCAE ED-243 等で標準
帯)システム
化済み
C 帯 (5030-
航空移動衛星
5091MHz
(R)業務
帯)システム
Ku/Ka 帯 シ
済み
固定衛星業務
•
して特定
•
EUROCAE WG-105 で MOPS 作成中
•
周波数特定に向けて WRC-23 議題 1.8 として
検討されたが、未合意のまま、議論は中断さ
ステム
地上
C 帯システム
システム
WRC-12 で RPAS 向けの制御通信の周波数と
れた状況
航 空 移 動 (R)
業務
•
WRC-12 で RPAS 向けの制御通信の周波数と
して特定
•
RTCA において MOPS 作成済(DO-362)
4.1.3. ICAO 以外の標準化機関における RPAS 向けの制御用通信
(C 帯)に関する標準化動向
ICAO において検討が進められている RPAS 向け制御用通信に関し、C 帯の航空移動衛
星(R)業務及び航空移動(R)業務を用いた運用を想定した標準化に対応するため、
RTCA 及び EUROCAE において、最低運用性能基準(MOPS)の策定に向けた議論が進め
られている。これらの検討は、ICAO で策定される SARPs に整合した形で、航空機搭載無
線設備及び地上設備に求められる技術的要件を具体化することを目的としている。
また、ITU-R における作業部会の一つである WP5B は、GMDSS(全世界的な海上遭
難・安全システム)を含む海上移動業務、航空移動業務、無線標定業務等を所掌する作業
部会であり、本作業部会においては、RPAS 向け C 帯システムを含む各種無線システムに
ついて、他の無線設備からの干渉に対する保護を確保する観点から、送受信機に関する技
術特性や保護基準等を整理した新たな ITU-R 勧告草案の作成が進められている。
各機関間での役割や C 帯の標準化に向けた検討状況を図 26 に示す。
33
出典:公開情報に基づいて作成
38
ICAO
送受信機にかかわる
• 国際標準・勧告方式(SARPs:
技術特性や保護基準
Standards and Recommended
ITU-R • 周波数の分配に責任を持つ国際機関
• ICAOで議論されているC帯システムに保
護基準に関する新ITU-R勧告草案M.
Practices)及びマニュアルについて
[AM(R)S_AMS(R)S_CHAR_5GHZ]を
検討を行っている。
作成中
SARPsを遵守するための最低運用基準の策定
EUROCAE
RTCA
• 欧州の標準化機関
• 米国の標準化機関
• WG-105がUASの安全運用を可能にする標準
• SC-228においてC2リンクシステムとしての安
と指針文書の開発しており、特にSG-02におい
全要件を扱っており、UASのC2リンクに関する
て制御用通信に関する文書の検討を担っている。
MOPS DO-362Aを発行済み(A→B改訂予定)
文書
発行予定日
文書
発行予定日
ED-265:
RPAS用のデータリンク(C帯
衛星システム)に係るMOPS
2026年12月31日
DO-362B:
(EUROCAEにおけるC帯衛星システムとの
互換性を含む最新の検討状況の反映が目的)
2026年1月(見込み)
図 26
RPAS 向けの制御用通信(C 帯)に関する標準化機関の関係性 34
また、RTCA 及び EUROCAE では C 帯における制御用通信に関する MOPS のみならず、
その他の周波数における UAS 向けの制御用通信や衝突回避用レーダーの実装に向けた
MOPS の作成が進められている。これらの検討は、ICAO において定められる運航及び安
全に関する要求事項を具体的な適合手法として具現化することを目的としている。
RTCA における C 帯以外の標準化文書を表 3 に、EUROCAE における C 帯以外の標準
化文書を表 4 に整理する。
表3
RTCA における C 帯以外の標準化文書 35
種別
文書番号
概要
制御用
DO-XX(※未決
•
通信
発行予定日
型式証明済み UAS 向け C2 リンクに
2026 年 1 月
定):
おける商用携帯電話網利用に関する
以降
Cellular Band C2
MOPS
(※当初
グローバルに利用される携帯電話サー
2025 年 10
ビスに係る共通規格を策定する、
月)
Link System MOPS
•
EUROCAE WG-105 と共同で開発
DO-406:
•
UHF Band C2 Link
System MOPS
新たな RPAS 向けの制御用通信利用
のための周波数に関する MOPS
•
具体的には認証された UAS における
C2 リンク用途として UHF 周波数帯
の利用に関する標準を策定
•
2025 年に FCC より発行された、
UAS 用の CNPC 利用拡大に関する
34
出典:公開情報に基づいて作成
35
出典:公開情報に基づいて作成
39
未定
NPRM において 450-470MHz を対象
としていることに対応
衝突回
DO-365D:
避
DAA MOPS
•
既存航空機向けの ACAS を進化させ
2026 年 3 月
た AAM 機体向けの衝突回避レーダー
以降
ACAS Xr の規格を追記
DO-396:
•
ACAS sXu
表4
小型 UAS 向けの衝突回避レーダー
2022 年 12
ACAS-sXu の規格を追記
月発行済み
EUROCAE における C 帯以外の標準化文書 36
種別
文書番号
概要
制御用通
ED-340:
•
信
発行予定日
携帯電話網による UAS 通信に係る
2026 年6月
MOPS for UAS
MOPS、RTCA との共同で開発中の
30 日
Communications by
文書
Cellular Networks
衝突回避
ED-329:
IFR で飛ぶ RPAS が、Class A~G の
2026 年3月
MOPS for Detect
どの空域でも、他機を検知し衝突を回
31 日
Avoid Traffic For
避できるために“最低限満たすべき
RPAS in airspace
DAA 性能”を定義した文書
•
Class A-G under
IFR
WRC-23 議題 1.8 では、Ku/Ka 帯を用いた UAS 向け CNPC 通信に使用可能な周波数の
特定に関する議論が行われた。
最終的に決議第 171(WRC-19)は取り下げ、決議第 155(REV.WRC-19)は”Suspend”
とした上で、UAS CNPC に関する ICAO SARPs の発効を待ってから、将来会合(WRC-27
を想定)において、議題 6(urgent action)の下で、決議第 155 の扱いや WRC-31 に向け
た AMS(R)S 周波数帯における UAS CNPC 利用に係る必要手続を検討することで合意され
た。
このため、WRC-23 においては、UAS 向け CNPC 通信に関する Ku 帯及び Ka 帯の周波
数特定は実質的に行われなかった。
ITU-R における UAS 向け検知・回避(DAA:Detect and Avoid)に関する標準化動向を
整理する。ITU-R の WP5B においては、国際間飛行を行う RPAS を含む UAS を対象とし
た衝突回避システムに関する標準化の検討が進められており、特定の周波数帯の利用を想
定した新たな ITU-R 勧告の作成に向けた議論が行われている。
UAS 向け DAA に関する検討は、主として ITU-R WP5B の WG5B-1 において実施され
ている。この作業部会においては、UAS 向け衝突回避システムの実装及び他無線システム
36
出典:公開情報に基づいて作成
40
との周波数共用を考慮しつつ、図 27 に示す 4 種類の文書について、既存勧告等の修正及び
新規文書の作成が進められている。
新規文書の作成
既存文書の改訂
勧告文書関連
ITU-R改訂勧告草案 M.1638-1
5,250-5,850MHzで動作するレーダーの
新ITU-R勧告草案
M.[24.45-24.65_GHZ_ARNS]
24.45-24.65GHzの航空無線航
技術的特性、保護基準について整理されている。
行業務で運用するレーダーの特性、
今後空域内での利用の増加が予想されるUAS
保護基準について整理されている。
の出現に伴って、 5,350-5,460MHzで動
特に航空機とUASで搭載が可能な
新ITU-R勧告草案
M.[M.[15.4-15.7_GHz_ARNS]
15.4-15.7GHzの航空無線航行
業務で運用するレーダーの特性、保
護基準について整理されている。
特に航空機とUASで搭載が可能な
作する航空機上DAA レーダーに関する情報の
レーダーシステムの技術諸元及び保
レーダーシステムの技術諸元及び保
追加が提案され、改訂作業が進められている。
護基準の考え方が示されている。
護基準の考え方が示されている。
勧告文書以外関連
ITU-Rハンドブック[HDBK_STATUS.SPECTRUM.RPAS_DAA]
書の作成作業は行われていない。
RPAS向けの衝突回避レーダーの標準化に向けて各周波数の利用可能性
の評価が実施されている。
本WGでは現時点で当該範囲に該当する文
特に国際的に統一的な周波数の利用の可能性があると結論づけられてい
るのは15GHzのみであり、その他の周波数の利用にあたっては課題が残
るとされている。(15GHzのみと結論づけることについては各国間で未
合意)
図 27
ITU-R WP5B における衝突回避レーダーに関する作業中文書
4.2. 諸外国における制度化動向
諸外国においては、無人航空機の用途やリスクに応じて、自国内利用を前提とした制度
整備が進められており、運航、通信、周波数利用に関する取扱いは国・地域ごとに異なっ
ている。
表 5 に諸外国における電波の上空利用に関する制度化動向の概要を示す。
表5
諸外国における電波の上空利用に関する制度化動向の概要 37
制度化状況概要
• 米国では、UAS の安全な C2 リンク確保に向け、CFR 47 Part 88(2025 年 1 月施行)により 5030‒
5091 MHz 帯を用いた CNPC 運用を制度化し、RTCA DO-362A 準拠を義務付けるなど、技術基準と
周波数利用の明確化を進めている。
米
国
• あわせて、NPRM を通じて 450‒470 MHz 帯の航空地上通信への AM(R)S 追加や全国免許化、データ
通信の許可拡大など、UAS 向け CNPC 利用の拡張が検討されている。
• 更に、UAS/AAM の検知用途として 24.45‒24.65 GHz 帯のレーダーの測位目的での運用拡大も提案さ
れており、既存の航空無線航行レーダーとの共存を前提とした制度設計が議論されている。加えて、
従来の 800 MHz 帯商業航空地上通信を AAM 時代の通信基盤として活用する可能性も示されており、
UAS から AAM までを視野に入れた多層的な上空電波利用制度の整備が進展している。
• 欧州では、EASA が定める (EU) 2019/947 において、リスクの高い specific 及び certified カテゴリの
欧
州
UAS に対し、事前の運用リスク評価を義務付けている。同規則の適合手法(MoC)では、UAS の制
御用通信として 5030‒5091 MHz 帯(航空移動業務)や LTE/5G などの利用可能性が示唆されてい
る。一方、周波数割当や免許付与は加盟国当局に委ねられ、EU として一律の指定は行われていな
い。
37
出典:公開情報に基づいて作成
41
• また、ETSI が策定した DECT-2020 NR は、高信頼な政府・産業用途向け無線として UAS 分野への
適用が想定されている。これを受け、CEPT / ECC は ECC Rec(24)02(2024 年)において、政府系
UAS の制御用通信として 1880‒1900MHz/1910‒1920 MHz 帯の利用を推奨し、技術要件に加え運用
密度や離隔距離などの条件を整理している。
• 英国では、従来 UAS は 無線 LAN(2.4/5.7 GHz)やモデル航空機用(35 MHz)の免許不要周波数
での運用が認められてきたが、出力制限により長距離飛行には制約があった。これを受け、Ofcom は
英
国
2025 年に “Spectrum for Unmanned Aircraft Systems (UAS) license” の最新版を公表し、長距離飛行
を伴う UAS 運用者向けの新たなライセンス制度の枠組みを整理した。
• このライセンス制度の枠組みでは、利用可能な周波数帯や無線機器の種類に加え、機器が遵守すべき
具体的な技術要件が明確化されている。多くの対象機器は既に航空機無線ライセンスの下で使用実績
があるものであり、制度改正により、これらを UAS 用途へ拡張利用することが可能となった。
• 中国では、2024 年 3 月、中国中央政府は低空経済の振興を国家戦略として位置付けており、「一般航
空装備の革新応用実施方針 (2024 年~2030 年)」を発表し、低空経済の構築に向けたロードマップが
中
国
示されている。このロードマップにおいて、無人機を含む次世代航空技術分野について、以下の主要
目標を定めている。
• 上記低高度での経済圏の構築のための電波利用に関する制度化も進められており、2024 年 1 月には
「民用无人驾驶航空器无线电管理暂行办法」が発行、UAS に向けた周波数及びシステムの暫定的な
特定が行われている。
4.2.1. 米国における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向
UAS 向け制御用通信に関する新たな規則として、米国では UAS の安全な制御用通信
(C2 リンク)の確保に向けた規制整備が進められている。具体的には、2025 年 1 月 8 日
に施行された連邦規則集(CFR)47 Part 88 において、5030‒5091 MHz 帯の一部を、UAS
の安全な航行のための制御・非ペイロード通信 38(CNPC)に利用することが定められた。
この周波数帯において電波を発射する無線設備については、RTCA DO-362A に定めら
れた TDD 方式の CNPC リンクに関する技術基準への適合が義務付けられており、送信出
力、帯域幅、スペクトルマスク等の技術的条件が規定されている。更に、FAA の技術標準
指令(TSO-C2113a)において、DO-362A の要求事項を採用することが明記されている。
米国における 5030‒5091 MHz 帯の UAS 向け制御用通信の割り当て方針を図 28 に示す。
38
飛行に必須の通信。飛行に必須でない通信を「ペイロード通信」という。
42
①NNA事業者による登録
②DFMSによる割当発行
1回の飛行ごとに飛行期間、地
理的範囲、希望周波数等をシ
ステムに登録
申請をもとにDFMS( dynamic
frequency management
systems )が自動処理で利用可能
チャネルを選定
③通信運用・サービス提供
• 各NNA事業に周波数や最大送信出力レベルを割当
• 割り当ての範囲は、提出されたUAS飛行全体において干渉のない
通信を確保するために期間および地理的範囲の両方において調整
Aへの割当
NNA事業者 A
5040-5050MHzの一部
DFMS
• 5030-5091MHz帯で
運用される調整システム
NNA事業者 B
• 特定の地理的地域および
時間帯に周波数を割当
NNA事業者 C
必要に応じて調整
Bへの割当
5040-5050MHz
の一部
他のDFMS
図 28
米国における 5030‒5091 MHz 帯の UAS 向け制御用通信の割り当て方針 39
米国の規則案である NPRM(Notice of Proposed Rulemaking)に対して提出された各種
コメントを踏まえ、短期的な対応としては、安全航行を目的とした制御用通信について、
非ネットワーク型航空機(NNA)のみに周波数を割り当てることが適当であるとの判断が
FCC(連邦通信委員会)より示された。具体的には、短期的には 5040-5060MHz、動的周
波数管理システム(DFMS)が適用される中長期的には 5040-5050MHz 内での電波の利用
が可能となる。一方で、ネットワーク型システム(NSS)を含む最終的なバンドプランに
ついては、隣接する他の無線システムへの干渉影響に関する懸念への対応も含め、将来的
に検討・決定することとされた。
また、DFMS の本格的な適用までには相当の期間を要することが見込まれていることか
ら、それまでの経過措置として、暫定的な周波数調整手法が適用されることとされている。
5050.5
•
•
5060.5
5070.5
NSS専用(10MHzずつ、4つのライセンスブロックを設定)
NNAも臨時利用は可能
5080.5
5091
5086
NNA専用
5040.5
NNA/NSS
両方利用可
5035
NNA/NSS
両方利用可
NNA専用
5030MHz
※Non-Ne two r ke d Access( NNA):無線 見 通し 線 内 で発 生し 、 ネ ッ トワ ー クイ ン フラ を 介さ ない 通 信
※Network- S up p or t e d Servi ce( NS S ) : 無線 見通 し 外 への 通 信で 、 ネッ ト ワー クイ ン フラ を 介し て 行 う 通 信
5030
5035
5040
5050
5060
5070.5
5080.5
5086
NNA専用
(※暫定措置(IAM)適用中)
NNA専用
(※DFMS適用)
図 29
5030‒5091 MHz 帯における UAS 制御用通信チャネル提案 40
39
出典:公開情報に基づいて作成
40
出典:公開情報に基づいて作成
43
5091
また、米国では 2025 年に FCC において、UAS 向けの制御・非ペイロード通信の利用拡
大に関する検討が行われており、450‒470 MHz 帯(航空地上通信用)に航空移動(R)業
務を追加し、UAS 向けの通信、ナビゲーション及び位置特定等を含む CNPC 運用を認める
ことが提案されている。
具体的には、この周波数帯における利用について、現行の「航空移動陸上移動(音声)
専用」の位置付けから、データ通信を含む運用への拡大や、全国一括ライセンスの導入に
よる柔軟な運用形態の実現が検討されている。また、これらの制度整備と並行して、
RTCA においても、関連する無線設備や運用に係る技術仕様の標準化に向けた検討が進め
られている。450‒470 MHz 帯における新制度の概要を図 30 に示す。
新制度
現状
航空機局
• 450MHzを用いて高高度での
• 450 MHz帯においてUAS CNPC
航空機との音声通信(データ通
運用を可能とするため、非連邦の一
信は禁止)を提供
次業務としてAM(R)S割当を米国
割当表に追加
• 現状AURA社がアメリカ国内
および特定の地域に53か所の
• Part107と整合させて、400ftの
拠点を用いて一般航空の空対
低高度に対して信頼性の高い制御与
信号を提供
25000ft
地上サービスを提供
航空機局
(=7.5km程度)
• AURA社のみ該当する制度設計
地上局
400ft
地上局
(=120m程度)
• 全国単一への免許ではなく、
サイトベースでの免許付与
全国単一での免許に移行
図 30
450‒470 MHz 帯における新制度の概要 41
この新たな周波数帯については、UAS 向けの制御・非ペイロード通信(CNPC)に関す
る周波数の割当てが示されている。現在、米国の周波数割当表においては、454.6625‒
454.9875 MHz 及び 459.6625‒459.9875 MHz の各帯域は、双方向の航空‐地上公共無線電
話サービスを提供することを目的として、公共用の陸上局及び移動局に割り当てられてい
る。
これに対し、新制度案においては、454.6625‒454.9875 MHz 及び 459.6625‒459.9875
MHz の合計 650 kHz の帯域について、UAS 向け CNPC 運用を可能とするため、全国一括
免許(nationwide license)として再構成することが提案されている。
450‒470 MHz 帯におけるチャネルプランを図 31 に示す。
41
出典:公開情報に基づいて作成
44
現状のバンドプラン
454.66 25 H z
454. 9875Hz
双方向の航空‐地上公共
無線電話サービス
459. 6625Hz
459. 9875Hz
双方向の航空‐地上公共
無線電話サービス
送受信分離のためのガードバンド
NPRM案
454.66 25 H z
454. 9875Hz
• 双方向の航空‐地上公共無線電話
サービス
• UAS向けのCNPC通信サービス
図 31
459. 6625Hz
送受信分離のためのガードバンド
459. 9875Hz
• 双方向の航空‐地上公共無線電話
サービス
• UAS向けのCNPC通信サービス
450‒470 MHz 帯におけるチャネルプラン 42
更に米国では、UAS 及び AAM の今後の利用拡大を見据え、ドローン等の検知を目的と
したレーダーに関する新たな規則の整備も進められている。具体的には、FCC が、24.45‒
24.65 GHz 帯を用いて、UAS や AAM 機の検知を目的とするレーダー測位運用の拡大を図
るための規則改正案を提案している。
これらの UAS 等の検知を目的とした無線測位業務用レーダーは、航空機搭載や地上設置
の検知・回避(DAA)システムで使用される既存の無線航行用レーダーに対して、二次業
務的な位置付けとされている。一方で、今後、AAM 等の利用促進に伴い、同帯域における
無線航行用レーダーの利用が増加することも並行して想定されている。
このため、この周波数帯における無線測位業務用レーダーの導入に当たっては、既存の
無線航行用レーダーとの共存や干渉影響に関する懸念についても整理が必要とされており、
規則改正案に対して関係者からの意見提出が求められている。
図 32 に 24GHz 帯における無線測位業務レーダーの利用イメージと共用上の課題を示す。
図 32
24GHz 帯における無線測位業務レーダーの利用イメージと共用上の課題 43
42
出典:公開情報に基づいて作成
43
出典:公開情報に基づいて作成
45
また、米国では従来から、商業航空の地上通信システムが 800MHz(849‒851 MHz 及び
894‒896 MHz 帯)で運用されており、FCC 規則 Part 22 で規制されている状況であった。
今後、空飛ぶクルマ(操縦者搭乗)等の発展により、地域間を結ぶ新たな空路移動の拡
大が見込まれており、商業航空向け地上通信システムは、空飛ぶクルマ(操縦者搭乗)を
利用する乗客に対しても有益な通信基盤となる可能性があると FCC は考えている。
ユースケース例として、飛行中における通信接続性の確保により、乗客は接続便の運航
状況の確認、到着後の地上交通手段の調整などが想定される。
4.2.2. 欧州における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向
欧州における UAS の制御用通信等に関する動向について整理する。欧州航空安全機関
(EASA)が発行している UAS の運用に関する実施規則(EU)2019/947 においては、リ
スクの高い運航を行う「specific」及び「certified」カテゴリの UAS について、事前に運用
リスク評価を実施することが求められている。
同規則に係る適合手法においては、リスク評価の手法が表 6 に示すように詳細に示され
ており、UAS の制御用通信に利用される通信システムとして、航空移動業務に割り当てら
れた 5030‒5091 MHz 帯のほか、携帯電話網(LTE/5G)等の活用も選択肢となり得るこ
とが示唆されている。一方で、具体的な周波数の割当てや無線局免許の付与については、
各加盟国の規制当局の判断に委ねられており、EU 全体として周波数を一律に規定する枠組
みとはなっていない。
表6
Annex E to AMC1 to Article 11 における適合手法(C3 リンク関連) 44
完全性
完全性が低レベル
完全性が中レベル
完全性が高レベル
(level of
(=許容される途絶等の
(=許容される途絶等
(=許容される途絶等の
integrity)
閾値
要件が比較的緩い)
の要件が中立)
要件が比較的厳しい)
申請者は、C3 リンクの性
低レベルと同等
C2 リンクには免許対象の
能、無線周波数スペクト
周波数帯の使用が必須。
ル使用及び環境条件が、
意図された運用を安全に
実施するために十分であ
ると判断する。
44
出典:公開情報に基づいて作成
46
利用され
特定の条件下で免許不要
運用内容によっては、
最低限の性能が確保され
る無線シス
周波数帯の使用が許容さ
非航空用周波数帯
る場合、航空用免許周波
れる場合がある。
(例:携帯電話ネット
数帯域(例:携帯電話ネ
(例:申請者が、UAS 機
ワーク用免許帯域)の
ットワーク用免許帯域)
器が他の無線周波数スペ
使用が許容されること
に限定されない。
クトル使用要件に準拠し
もある。
テム の 候 補
に 関 する 記
述
ただし、C2 リンク使用の
ていることを示すことに
運用内容によっては、
より、要件への適合性を
免許取得済み周波数帯
割り当てられた帯域
実証すること)
の使用が必要となる場
(例:5030~5091MHz)
合がある。
の使用を必要とする運用
ため航空移動通信業務に
もある。いずれの場合
も、免許周波数帯域の使
用には認可が必要であ
る。
※C3 リンク:C2 リンクに安全な飛行に必要な通信用のリンク(Communication link)
を加えたもの。
また、DECT-2020 NR は、ETSI(欧州電気通信標準化機構)の TC DECT により策定
された無線インタフェース規格であり、従来のコードレス電話向け DECT を基盤としつつ、
IoT や産業用途、並びにプライベート(自営)系ネットワークにおける高信頼通信を目的
として拡張されたものである。
こ れ を 踏 ま え 、 欧 州 電 気 通 信 委 員 会 (CEPT/ECC) は 、2024 年 に ECC
Recommendation (24)02 を発行し、緊急対応や警察運用等の政府系 UAS における制御用
通信の用途として、1880‒1900 MHz 帯及び 1910‒1920 MHz 帯の利用を推奨している。
同勧告においては、DECT-2020 NR を用いた運用を想定し、必要な技術的要件に加え、
他の無線システムとの共存を確保する観点から、最小離隔距離や運用密度等の運用条件に
ついても整理されている。
DECT-2020NR 利用時の技術/運用条件を表 7 に、ECC Rec(24)02 の欧州での適用状況
を図 33 に示す。
表7
DECT-2020NR 利用時の技術/運用条件 45
技術/運用条件
具体内容
送信電力
•
送信電力(EIRP) ≤ 24 dBm
•
ETSI TS 103 636-2 に記載されている送信機出力制御
(TPC)又は同等の方法
チャネルアクセス
DECT インスタント動的チャネル選択(iDCS)、ETSI TS
103 636-4 [9] に記載されている方法又は同等の方法
45
出典:公開情報に基づいて作成
47
定期任務時の運用
政府の UAS の最大運用範囲は以下に制限されるべきである
範囲
•
都市部で 500 m
•
農村部で 1 km
重要任務時の運用
特定の地理的区域(1 km²)内で同時に最大 3 機の政府 UAS
密度
を使用でき、この場合、政府 UAS の最大運用範囲は 500 m
に制限されるべきである
※dBm:1mW を基準とした電力の単位。1mW=0dBm。
図 33
ECC Rec(24)02 の欧州での適用状況
(※フランス、デンマーク、エストニア等で実装済み) 46
4.2.3. 英国における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向
英国での UAS 向け通信システム利用に関する動向を整理する。現在、英国における UAS
の利用に当たっては、無線 LAN(2.4GHz/5.7GHz)又はモデル航空機用(35MHz)に指
定された周波数を使用しており、既に英国当局の免許不要規制の下で許可されている。た
だし、免許不要機器の出力制限により必要な飛行距離を提供できないため、長距離飛行に
は適していない。
英国 Ofcom は 2025 年において、“Spectrum for Unmanned Aircraft Systems (UAS)
licence”の最新版を発行し、長距離飛行でサービスを行う UAS 運用者が取得可能な無線ラ
イセンス制度の概要及び、取得に伴い利用可能な無線機器に関する情報が整理されている。
UAS 運用者に係る無線免許は、以下を含む様々な無線機器の使用許可を提供可能となる。
なお、本免許に記載されている機器の使用に当たっては、CAA(Civil Aviation Authority)
46
出典:Implementation status ECC/REC/(24)02 https://docdb.cept.org/implementation/28612
48
からの許可が必要となる場合や、一定の制限が課される場合がある。そのため、ドローン
の運用に先立ち、関連するすべての許可を取得しておく必要がある。
·
コマンド&コントロール:遠隔操縦者が機体を制御し、航行コマンドを送信し、機
体の発進、飛行、回収を制御可能となる通信
·
データ中継:UAS が映像やデータなどのペイロード通信を遠隔操縦者に送信可能と
するための通信
·
電子的位置通知:他の利用者が UAS の位置や飛行経路を確認可能とするための通信
·
衝突回避(DAA):UAS が回避行動を取り、危険な物体(他の UAS など)を避ける
ための通信
UAS 運用者向けのライセンスでは、利用可能な無線機器と周波数、使用するために機器
が遵守すべき具体的な技術要件が記載されている。UAS 運用者のライセンスでカバーされ
るほとんどの機器は、既に航空機無線ライセンスに基づき航空機での使用が認可されてお
り、本規則修正により、これらの機器を UAS で使用することが可能となる。
UAS 運用者ライセンスにより利用が許可される無線機器を表 8 に示す。
表8
UAS 運用者ライセンスにより利用が許可される無線機器 47
システム
周波数
遵守すべき要件
HF 帯 通 信 シ
2.85-22MHz
•
ステム
VHF 音声通信
航空無線通信士(FRTOL)のライセン
スが必要
117.975-137MHz
•
システム
アナログ音声通信端末は、8.33 kHz 及び
25 kHz のチャネル化に対応し、VHF デ
ータリンクモード 2 及び 4 は 25 kHz チ
ャネル化に対応
•
航空無線通信士(FRTOL)のライセン
スが必要
携帯移動端末
700MHz/800MHz/900MHz
•
申請者は、ユーザー機器(UE)が接続
/1.8GHz/2.1GHz/2.3GHz/
するモバイルネットワークから、飛行中
3.4-3.8GHz
の使用について書面で許可を得る必要あ
り
•
2500~2690 MHz(2.6 GHz 帯)におけ
るすべての飛行中 UE の送信は禁止
ATC トランス
1030/1090MHz
•
トランスポンダの操作に関して、オン・
オフの切り替え以外にオペレータが操作
ポンダ
を制御できない場合、FRTOL は不要
TCAS/ACAS
47
1030/1090MHz
ー
出典:公開情報に基づいて作成
49
ADS-B
1090MHz
•
CAA が発行した最新バージョンの CAP
1391 に従って操作する必要あり
•
UAS からの電波発射は 978MHz(UAT)が
原則であり、1090MHz で動作する ADSB の使用は CAA との個別の合意により認
められる場合に限る
DME
960-1215MHz
•
航空無線通信士(FRTOL)のライセン
スが必要
UAT
978MHz (UAT)
•
(Universal
1391 に従って操作する必要あり
Access
•
Transceiver)
衛星通信
CAA が発行した最新バージョンの CAP
RTCA DO-282B/C の性能基準に従って
機能する ADS-B が該当する
•
14-14.47GHz (Ku 帯)
•
1525-1660.5MHz (L 帯)
が発行する「衛星(地球局ネットワー
•
1980-2010MHz(S 帯)
ク)」ライセンスの下でのみ使用でき、
•
27.5-27.8185GHz,
地球局からの送信電力は EIRP 55 dBW
•
Ku 帯について、衛星地上局は、Ofcom
28.4545-28.8265GHz,
を超えてはならないなどの技術的制約あ
29.4625-30GHz(Ka
り
帯)
•
Ka 帯について、非静止衛星との通信は許
可されていない。また、運用者は、その
ユーザー機器(UE)が接続する衛星ネ
ットワークから空中での使用について書
面による許可を得ている必要あり
2 GHz
1980-2010MHz
•
Complementa
Inmarsat 又は Echostar が運用する衛星又
は CGC に接続することのみ認可。
ry
•
Ground
1 つ以上の CGC に送信する際の送信電力
について
Component
高度 1000 メートル以上で運用する場
(CGC)
合は、40 dBm EIRP が上限値
高度 1000 メートル未満で運用する場
合は、24 dBm EIRP が上限値
電波高度計
4200-4400MHz
-
気象レーダー
9300-9500MHz
-
※dBW:1W を基準とした電力の単位。1W=0dBW。
50
4.2.4. 中国における空の利用拡大に伴う電波利用政策の動向
中国での UAS 向け通信システム利用に関する動向について整理する。2024 年 3 月、中
国中央政府は低空経済の振興を国家戦略として位置付けており、「一般航空装備の革新応用
実施方針 (2024 年~2030 年)」を発表し、低空経済の構築に向けたロードマップが示され
ている。このロードマップにおいて、無人機を含む次世代航空技術分野について、表 9 に
示す主要目標を定めている。
表9
一般航空装備の革新応用実施方針 (2024 年~2030 年) 48
~2027 年
無人化・自動化・知能化を技術的特徴とする新しい航空機が登場
• UAS・自動運航機の実用化が進展
• 都市空輸、物流配送、緊急救援等の分野で商業応用を開始
• 実証段階から限定的な事業化フェーズへ移行
~2030 年
知能化・グリーン化を特徴とする新航空モデルが確立
• 電動化・低炭素技術を前提とした産業構造が定着
• 短距離輸送、eVTOL による旅客輸送ネットワークが形成
• 無人機配送 NW、農業生産分野への本格的な利活用を実現
• 都市・地域インフラとしての定着段階
上記低高度での経済圏の構築のための電波利用に関する制度化も進められており、2024
年 1 月には UAS 向けの周波数及びシステムの暫定的な特定を行った「民用无人驾驶航空器
无线电管理暂行办法」が発行されている。
この文書では、表 10 に示すように中国で UAS 向けに利用可能な周波数や具体システム
が列挙されている。
表 10
中国にて UAS 向けに利用可能な周波数 49
周波数
電波の用途
補足情報
1430‒1438MHz
映像・テレメトリ
公共用 UAS やヘリコプター専用
の伝送用
1438‒1444MHz
映像・テレメトリ
民間の UAS 用
の伝送用
2400‒2476MHz
ISM(無線 LAN 帯域)に該当し、
制御用(C2)
使用に際して免許料等は不要
(2.4GHz 帯)
48
出典:公開情報に基づいて作成
49
出典:公開情報に基づいて作成
51
5725‒5829MHz
制御用(C2)
(5.8GHz 帯)
5040‒5050MHz
制御用(C2)
航空管制・無線航法用として保護
24-24.25GHz
衝突回避
ー
衛星通信用の
制御用、映像・テ
一般の衛星通信規則に従う
周波数帯
レメトリの伝送用
LTE・ 5 G 帯 ( 例 :
制御用、映像・テ
正規の SIM を用い基地局に接続す
700MHz、2GHz 等)
レメトリの伝送用
る形式
4.3. 要素技術の研究開発動向
UAS 向けの通信システムに関する諸外国における新技術開発の動向を表 11 に整理する。
表 11
用途
企業名
諸外国における UAS 関連の通信にかかわる新技術開発 50
周波数
(国)
システム
実証・開発概要
種別
制御用
uAvionix 社
C帯
地上
通信
(米)
(5030-
システム
•
同帯域で複数ドローンの同時運用を可能にす
る 周 波 数 動 的 割 当 シ ス テ ム (Frequency
5091MHz
Assignment Manager, FAM)を開発・実証し
)
ている。
•
実証では、北部平原 UAS 試験場(ノースダコ
タ州)の協力のもと 4 機のドローンを同時に
飛 行 さ せ 、 同 社 開 発 の SkyLink5060( 機 上
局)/SkyStation5060(地上局)からなる C 帯
通信リンクと、クラウド型の SkyLine C2 管理
システムによって、安全に周波数チャネルを
自動割当して干渉なく制御用通信を提供可能
なことを確認した。
AURA
450MHz
地上
•
システム
Network
450 MHz 帯の全国免許を取得し、450MHz 帯
域の長距距離通信を生かした UAS 管制専用ネ
Systems
ットワークを構築中である。
(米)
Gotonomi
LTE
地上+衛星
•
(英)
携帯電話網(LTE/5G)を基本にしつつ、圏
外・海上・山間・災害時などで途切れやすい
区間を衛星でバックアップする「ハイブリッ
ド接続」を前提とした UAS 向け端末である。
•
欧州宇宙庁(ESA)主導、Viasat の ELERA 衛星
ネットワークへの接続を可能とする。
50
出典:公開情報に基づいて作成
52
テレメ
Droniq
LTE
地上
トリ伝
(独)
(4G)
システム
•
SIM+GPS 搭載「HOD」により、LTE 経由で
位置情報を常時送信。ADS-B 受信情報も地上
送
集約し、U-space 実証を実施している。
Swisscom
LTE
地上
(スイス)
(4G)
システム
•
Matternet 医療ドローンで、セルラー通信によ
る監視下 BVLOS 運航を実証。電波強度・ハン
ドオーバ評価を実施している。
衝突回
Sagetech
1090 MHz
地上+機載
避
Avionics
(ADS-
り、ADS-B 等を入力に、自律回避ロジックの
(米国)
B)等
標準化・評価を実施している(通信そのもの
•
ACAS Xu(DO-386)対応装置を開発中であ
より機体技術が主)。
Thales
レーダー系
地上
(仏)
(周波数非
システム
•
パリ近郊 UAM 実証で、Detect-and-Avoid レ
ーダー+クラウド UTM を提供。Vertiport 運
公開)
用・管 制連携 を含 む 統合実 証を 実 施 して い
る。
都市部における空飛ぶクルマへの適用を想定した無線システム等に関する検討も実施さ
れている。2020 年には、NASA(米国航空宇宙局)より “Reliable, Secure, and Scalable
Communications, Navigation, and Surveillance (CNS) Options for Urban Air Mobility
(UAM)” と題する文書が発行されており、将来的に高度な運航を行う UAM(Urban Air
Mobility)を対象として、信頼性及び安全性の高い通信・航法・監視(CNS)サービスを
提供するための技術的アプローチについて情報を提供することを目的としている。
同文書においては、特定の運航形態を想定した UAM について、航空機運航を前提とし、
現行技術として利用可能な CNS 技術に加え、将来的に導入が見込まれる CNS 技術を対象
として評価が行われている。評価に当たっては、通信容量、可用性及び信頼性、精度、更
新速度、航続距離、全天候対応性といった性能指標に加え、UAM の利用が想定される各
種ユースケースへの適合性の観点から、UAM 向け CNS の機能要件を満たす能力について
検討がなされている。
これらの評価結果を踏まえ、表 12 に示すように通信、航法、監視の各分野において、有
望と考えられるシステムの可能性が整理されている。なお、通信分野において有望と評価
された無線システムについて、表 13 に示すように VDL Mode3 や非静止衛星、5G商用携
帯電話網等が候補として列挙されている。
一方で、VDL Mode 2 については導入コスト、容量、遅延時間を勘案し、推奨されない。
また、Bluetooth5 について、導入には多くの地上局の開設が必要な他、干渉懸念を考慮し、
推奨されない結果となっている。
53
表 12
表 13
51
本文書において評価対象としている CNS 技術 51
評価の結果有望と考えらえる技術(C:音声通信) 52
出典:Reliable, Secure, and Scalable Communications, Navigation, and Surveillance (CNS) Options for Urban Air
Mobility (UAM)
https://ntrs.nasa.gov/api/citations/20205006661/downloads/UAM%20CNS%20Final%20Report%2080GRC019D0017
%20with%20App%20A%20B%20C%20v2.pdf
52
出典:Reliable, Secure, and Scalable Communications, Navigation, and Surveillance (CNS) Options for Urban Air
Mobility (UAM)
https://ntrs.nasa.gov/api/citations/20205006661/downloads/UAM%20CNS%20Final%20Report%2080GRC019D0017
%20with%20App%20A%20B%20C%20v2.pdf
54
第5節 電波上空利用インフラの実現に向けた視点
今後、航空分野における上空の利用が拡大することに伴い、通信をはじめとする電波上
空利用インフラの役割が不可欠となることが予想される。これらの新たな電波の上空での
利用は、従来の航空分野にとどまらず、物流、警備・防災、都市交通、インフラ点検等、
多種多様な産業分野への波及効果が期待されており、電波上空利用インフラの実現は、我
が国の産業競争力の強化の観点で重要な課題である。電波上空利用インフラの実現に当た
っては、中長期的な空モビリティの運航の変遷や通信機器等の技術進展、国際動向を見据
え、国内事業者等からの要望をはじめとする短期的な通信インフラの実装ニーズを取り込
んだ上で、実現に向けて段階的かつ戦略的に取り組むことが必要である。政策課題を体系
的に整理し集約していく上で、一貫して取るべき視点を以下のとおり取りまとめた。
1.安心・安全の確保(制度整備)
航空分野における安心・安全の考え方は、多くの要素から成り立っており、技術的
側面、運用面、規制面、人的要因を総合的に考慮することが求められる。特に、空飛
ぶクルマや無人航空機等の次世代空モビリティが展開していく中で、航空分野におけ
る上空の利用が今後高度化・高密度化する将来において、制御用通信や監視通信の信
頼性・可用性の確保が、運航の前提条件となることが想定される。
このような状況を踏まえて、電波利用政策の観点では、航空分野における上空利用
の高度化・高密度化を安全・円滑に実現するため、適切な時期に技術基準の整備等の
必要な制度整備を実施していくことを目標とすることが適当である。
2.最新技術の導入
電波上空利用インフラの高度化に当たっては、衛星通信、地上系無線、携帯電話網、
空飛ぶクルマや無人航空機等の次世代空モビリティ専用の無線機器や、専用の通信方
式等、複数かつ最新の通信技術を適切に組み合わせた柔軟なアーキテクチャの導入が
重要となる。これらの技術は、成熟度や適用可能な運航形態が異なるため、単一の方
式に依存するのではなく、用途やリスクに応じた適材適所の活用が必要である。また、
安全・安心な通信を行うための主通信に対する冗長性の確保の観点でも重要である。
特に、実証実験やフィールド試験を通じて、最新技術を段階的に実環境へ導入し、
技術成熟度を高めていく取組が不可欠である。こうした実証を通じて、通信品質、干
渉影響、運用上の課題等を把握し、実装可能性を検証することにより、将来的な本格
展開に向けた技術的裏付けを蓄積することが期待される。
このような状況を踏まえて、電波利用政策の観点では、航空分野における上空利用
の高度化に将来必要となる電波利用技術の研究開発及び技術実証を計画的に進め、新
たな無線技術の適切な時期における実用化を目標とすることが適当である。
55
また、他の無線局への混信の回避等必要な電波監理を確保しつつ不断に制度を見直
すことで、電波利用技術の開発に必要な無線局免許手続き等の制度が民間における技
術開発の阻害要因にならない環境を整備することを目標とすることが適当である。
3.国際標準化
我が国における先進的な実証実験や技術開発の成果については、積極的に国際標準
化の場へ発信し、国際的なルール形成に貢献していくことが重要である。国内での実
運用や実証を通じて得られた知見を国際標準に反映させることで、国内で製造される
輸出品の海外展開を後押しするとともに、海外製品の国内利用を円滑化し、国内産業
の競争力強化につなげることが期待される。
一方で、空飛ぶクルマ等の次世代空モビリティに関する通信機器や通信方式、並び
に高い信頼性が求められる航空機との通信に用いる周波数については、我が国独自の
考え方のみで制度化を進めるのではなく、ICAO、ITU-R 等における国際標準との整
合を確保することが不可欠である。
このような状況を踏まえて、電波利用政策の観点では、我が国が持つ技術的な知見
や成果について国際機関等の場で情報発信して国際標準化に寄与すること、我が国の
制度設計について ICAO、ITU-R 等における国際標準と整合したものとすることを目
標とすることが適当である。
上に掲げた視点に基づいて整理した個々の政策課題に対応する際は、以下の点に留意す
る必要がある。
航空機に関する制度整備においては、無線設備を含む航空システムの設計においては製
造事業者の知見が重要なため、海外アビオニクスメーカー等が参画して進む国際標準策
定の動きとその内容を基にして検討することが必要である。
新たな無線システムの検討については、機体の規模、運航形態等に応じた航空システム
側の安全レベルや、CNS、ペイロード通信等の通信用途に基づいて無線設備の技術的な
性能要件を明確化する必要があると考えられる。
無線システムの制度整備、特に海外製品の国内利用に向けた制度整備を検討する際は、
国内における電波の利用状況を踏まえ、既存無線システムとの周波数共用の在り方を含
め丁寧な議論を行うことが求められる。
無操縦者航空機と無人航空機では、搭載を義務付ける設備や周波数割当の点で航空法上
も電波法上も扱いが異なる点に留意する必要がある。
一般に、ベストエフォート型のシステムはコストが低く抑えられる一方で利用者増加に
よる通信品質低下が起きやすいこと、帯域保証型のシステムはコストが比較的高い一方
で通信品質低下が起きにくいことなど、通信品質とコストにはトレードオフの関係があ
ることに留意する必要がある。
56
本中間答申は最新の情報に基づいて取りまとめたものであるが、次世代空モビリティに
関する技術の進展や関係省庁の取組等を踏まえて、本中間答申及びロードマップを適時
見直していくことが適当である。
57
第6節 実現に向けた環境整備
電波上空利用インフラの実現のための環境整備に向け、第5節の視点を基に取りまとめ
た政策課題と、その課題に関連して本作業班で出された主な意見及び政策課題に対する考
え方を示す。
なお、空の利用拡大に伴う電波利用政策の在り方や優先して対応すべき政策課題につい
て、令和7年 10 月 10 日(金)から同年 11 月 10 日(月)まで実施した意見募集に提出さ
れた意見については、以下において※を付している。
6.1. 通信・監視に関する新たなシステム
6.1.1. 上空での KU 帯ブロードバンド衛星通信利用
航空機・無人航空機に共通して、衛星通信のより広範な利用を望む意見があった。
現状の Ku 帯を利用する衛星通信端末の上空利用に対しては、国際制度や各国の例を考慮
し、サービス提供事業者も検討に参画する形で制度化が行われた。
Ku 帯静止衛星:平成 15 年 10 月 29 日情報通信審議会答申、
「Ku 帯を用いた高速・
大容量航空移動衛星システムの技術的条件」
Starlink:令和 2 年 12 月 15 日「高度 500km の軌道を利用する衛星コンステレーシ
ョンによる Ku 帯非静止衛星通信システムの技術的条件」
OneWeb:令和 3 年 10 月 1 日「非静止衛星を利用する移動衛星通信システムの技術
的条件」のうち「高度 1200km の極軌道を利用する衛星コンステレーションによる
Ku 帯非静止衛星通信システムの技術的条件」
現状、静止衛星・衛星コンステレーションを含め、Ku 帯を利用する衛星通信端末の上空
利用に対しては、他の無線局への干渉を防ぐ観点から端末を上空で利用した際に地上に到
達する電波の強度の制限(PFD 制限)が定められており、一定高度以下で利用できないこ
とが課題となっている。
【主な意見】
(航空機に関するもの)
航空機地球局に適用される軸外輻射電力の許容値について、現行基準の妥当性の再評価
及び、ITU-R S.524-9 に準じた緩和の可能性の検討を要望。
(川崎重工業※)
航空機地球局が設置された航空機が地上にあるとき及び高度 3,000m 未満を航行中のと
きの 14.4GHz を超え 14.5GHz 以下の周波数の電波の送信制限の撤廃を要望。(スカパー
JSAT)
(航空機、無人航空機に共通するもの)
58
14.0GHz から 14.4GHz 間の地上固定局はないが、隣接チャネルとの検討も必要であり、
同一の周波数帯に地上固定局がないからといって共用検討なしにすぐ認められるもので
はないだろう。(藤井主任)
Starlink の用途によってはその信頼性を独自に十分検証する必要があるのではないか。
(武市構成員)
Starlink 衛星を用いた新たな通信サービスがすでに開始されているところであり、従来の
衛星通信(インマルサット衛星、イリジウム衛星)に次ぐ新たな選択肢として、ドロー
ンや空飛ぶクルマの運航での Starlink 衛星通信の移動基地局での利用に向けて、早期の
法制度の整備促進、規制緩和も視野に入れた制度整備の検討を要望。
(日本航空)
日本の領空上での移動体によるコンステレーション衛星通信サービスの利用の解禁を要
望。(ANA ホールディングス※)
小型で大容量の通信が可能な Starlink などの低軌道衛星通信装置を地上(海上)から高
高度まで利用できるように要望。(新明和工業※)
日本での Starlink の上空ユースの要望。(Joby)
Starlink 通信の上空利用を要望。(三菱重工)
低軌道衛星通信はコスト面での優位性が指摘されているが、低高度で衛星を運用するこ
とによるカバー時間の短さや切替え時の瞬断といった特性と、目的との相性を十分に吟
味する必要があり、航空用途におけるコストは地上用途ほど低廉ではない可能性がある。
(河村構成員)
(無人航空機に関するもの)
衛星通信(Starlink 等)の移動中・上空利用の早期実現を要望。(エアロセンス)
Starlink が移動中利用不可となっており、ドローン用途での規制緩和を要望。(ACSL)
ドローンの目視外飛行(レベル 3・3.5)における通信安定性と安全性を確保するため、
上空 LTE に依存しない衛星通信を主通信系とした操縦・映像伝送システムの早期実用化
を要望。特に、上空 LTE は山間部で通信が成立しない区域が多く、また公開されている
カバレッジ情報と実際の通信状況が一致しない事例も報告されていることから、これを
補完する通信基盤の整備が不可欠である。(グリッドスカイウェイ※)
ドローンの目視外飛行(レベル 3・3.5)の通信を、上空 LTE 依存から国内 NTN(NonTerrestrial Networks)中心へ段階的に転換する制度整備を要望。(グリッドスカイウェイ
※)
衛星通信について(コスト、通信レート)機体の飛行においては、1 日当たり 20 万円を
超える費用がかかる場合もある。また、通信データレートが低く(最大 200kbps 程度)、
飛行中の状況を把握するのが困難である。これらの解決として、低軌道衛星による通信
があげられるが、現在は移動体への搭載(移動中の使用)はできない。災害時において
も衛星通信は輻輳しにくいと言われており、災害対策のためにも必要不可欠な通信手段
である。(JDRONE※)
59
LTE 未整備エリアを踏まえ、衛星通信の活用が重点的に検討すべき課題である。(ACSL
※)
【考え方】
近年の衛星通信サービスの進展に伴い、各国の制度整備状況も踏まえつつ、上空や陸上
での移動利用等、衛星通信端末のより広範な利用に向け検討を進めることが必要である。
6.1.2. 衛星ダイレクト通信、HAPS による端末の上空利用
これまで携帯電話はビル屋上や鉄塔上に設置された基地局と通信を行う形態が主であっ
たが、通信技術の進展に伴い、衛星ダイレクト通信について制度整備されており、また、
基地局機能を無人航空機等に搭載する HAPS についても令和8年4月に制度整備を実施し
た。これらの実現により、地上に設置された基地局と比較しより広範なエリアに携帯電話
向け通信を届けることが可能となり、携帯電話端末を上空で使用する場合においても、よ
り広範囲での利用が可能となる。
【主な意見】
(航空機、無人航空機に共通するもの)
HAPS の活用には、サービス品質に関わる遅延(Latency)基準の設定、安定性・信頼性
の確保、利用周波数帯における輻輳防止技術の開発が不可欠である。これらの技術的課
題への解決に向けた取り組みを推進することを要望。(ANA ホールディングス※)
(無人航空機に関するもの)
お客様が上空で利用される端末機器が通信を行う相手方として、地上の携帯電話基地局
に加えて、衛星通信システム(低軌道衛星等)や HAPS 等の無線局を追加するよう要望。
(NTT ドコモ)
上空利用の更なる発展に資する取り組みを推進することを目的に、上空における衛星直
接通信の実現に向けた制度整備が進められることを要望。
(KDDI)
衛星直接通信の上空利用に関する制度整備を早期に進めていただき、ドローンの社会実
装とさらなる利活用促進に向けた環境整備を要望。(KDDI スマートドローン)
携帯電話回線が使用できない山間部や洋上遠方での安全運航を実現するために、HAPS
による安定した C2 リンクを使用できる制度を確立するとともに、現状の技術的課題を解
決することが必要であると考える。
(中日本航空※)
【考え方】
現行の衛星ダイレクト通信の制度化時には携帯電話端末は地上での利用を想定して他の
既存業務との共用検討が行われているが、端末を上空で利用した場合、どのような影響が
60
生じるのか確認を行って、衛星ダイレクト通信の上空での利用可能性を検討することが適
当である。
HAPS は令和8年4月に制度整備されたところであり、他の携帯電話基地局の場合と同
様に、HAPS と通信する携帯電話端末の上空での利用が可能である。
6.1.3. 地対空直接通信
ドローンに利用可能な地対空直接通信を行うシステムには、携帯電話システムのほか、
特定小電力無線、無線 LAN、無人移動体画像伝送システム等の様々なシステムがある。近
年、バッテリーの性能向上等によりドローンの飛行距離が伸びていることから、ドローン
の地対空通信に関して、より遠距離での利用を望む意見があった。また、無操縦者航空機
の活用も将来拡大することが予見されていることから、無操縦者航空機の制御用通信を行
う無線局等の制度整備を望む意見があった。
【主な意見】
(航空機に関するもの)
5GHz 帯で確保(保留)されている「国際的に標準化された航空システム」用の周波数帯域
の拡充を希望。無操縦者航空機は災害対応をはじめとした社会課題の解決に大きな期待
が寄せられるプラットフォームであり、将来的に同一空域を複数の機体が運航する事も
視野に入れると、C2 リンクのために 5GHz 帯で広い帯域を確保する事が急務であると考
える。(中日本航空※)
運航の安全性の確保のためにも、5GHz 帯と同様に 400MHz 帯に無操縦者航空機等が占
有あるいは優先使用できる周波数帯域の確保を希望。(中日本航空※)
現在、見通内通信には C バンド(5030‒5091MHz)が国際的に割り当てられており、離
着陸時の地上管制との通信に不可欠な周波数帯とされている。しかしながら、当該帯域
が何らかの要因により使用不能となった場合の代替通信路については、現時点で具体的
な周波数計画がなされていない。C バンドは航空無線(音声通話)に用いられる周波数
帯と比較して高く、空間損失が大きいため、指向性の高いアンテナによる通信相手の追
尾が必要となる。このような運用では、アンテナ駆動系の異常等により通信不能となる
事態も想定される。ついては、緊急時に限り使用可能な無指向性アンテナでも十分な通
信距離を確保できる、より低い周波数帯(例:UHF 帯)のバックアップ通信路について、
周波数割当ての検討を要望。(川崎重工業※)
既存航空機と共用する VHF 無線帯の通信チャネル不足は喫緊の課題であり、運航増加に
伴う安全確保と効率的な運航継続に支障をきたす懸念がある。8.33kHz チャネル間隔へ
の移行を加速し、周波数利用効率を最大化することの検討、及びインセンティブ措置の
導入(25kHz から 8.33kHz 対応機器への更新に対する経済的負担軽減)の検討を要望。
(ANA ホールディングス※)
61
これまで不適切な電波の上空利用が確認されていたところ、上空利用の拡大に伴い参入
事業者の増加が予想されるため、携帯電話に限らず上空で利用される通信システム全般
について、技術要件に加えて以下の運用・監督面での強化を要望。(エアロトヨタ※)
事業者(MVO/MVNO)に対する定期的な報告・監査制度の導入。
エンドユーザーへの使用条件・試験計画の周知義務と、問い合わせ窓口の整備・公
開。
(航空機、無人航空機に共通するもの)
LEO コンステレーションの上空利用に対する期待には同意しつつも、同時に課題もあり
(万能ではない)、自営系無線の活用にももっと目を向けるべき(ハンドオーバによる通
信切れ、将来の回線数増大による輻輳懸念(特に災害時など)、ネットワークのコントロ
ール拠点やサービスプロバイダーの拠点が海外であることの安全保障懸念、果たして C2
リンクをこれへの依存度をどこまで許容すべきか、など。
)(松田構成員)
空飛ぶクルマ等が多数普及すれば、中心となる電波衛星等がなくても、インターネット
のように多数の空飛ぶクルマ等の間で相互に電波通信を行って運航を制御することが考
えられる。(個人※)
(無人航空機に関するもの)
策定すべき技術基準、需要増に対する制度対応として、上空利用通信帯域の割当の拡大
(6GHz、ミリ波など)、5.2GHz、5.8GHz 帯の限られた地域から全国への拡大、他シス
テムとの電波共用が挙げられる。(ACSL※)
ドローンの目視外飛行(レベル 3・3.5)におけるコスト削減と飛行可能範囲拡大のため、
5GHz 帯(特に 5.725-5.850 GHz 帯)における周波数ホッピング技術を活用した中継ド
ローン機能の早期実用化を要望。(グリッドスカイウェイ※)
ドローンと地上操縦者の直接通信について 5.8GHz 帯の開放について、これが可能にな
ると、機体間での中継が可能となり、通信距離を延ばすことができ、また障害物がある
環境においても通信途絶を回避する事が可能。高画質の映像もダウンリンクでき、使用
用途が広がる為、制度の見直しを要望。(JDRONE※)
無人移動体画像伝送システムの技術的条件で送信機出力の制限の緩和を希望。(Space
Compass※)
ドローンと地上操縦者の直接通信に関し 2.4GHz 帯の出力増加に向けた制度設計につい
て、操作(基地局)側と機体を直接通信する方式においては、現在 1W が最大出力であ
る。現在、有事対応の為に、固定翼機で 30km を超える飛行(=通信)が求められてい
る。機体性能は満たしているが、通信がネックとなっている。これに対応できる出力を
検証する為の実証実験の許認可や、実証フィールドの提供を要望。(JDRONE※)
2.4GHz の混信を踏まえ、5.7GHz/5.2GHz/5.8GHz 帯等の実利用促進が重点的に検討す
べき課題である。(ACSL※)
62
5.2GHz 帯、5.8GHz 帯は海外と比べ制限多く国際整合化・規制緩和を要望。(ACSL※)
無人航空機等における携帯電話端末利用に係る現行制度の電力制限緩和や新たな周波数
割当の検討を要望。(Space Compass※)
【考え方】
既存無線システムの送信電力の増加や、新たな周波数帯への割り当てに当たっては、各
国の動向も参考に、当該周波数帯における他の無線通信システムへの影響等を踏まえた検
討が必要である。例えば上空からの EIRP(等価等方輻射電力)を増加することで、同時に
使用可能なドローンの数が減少することに留意することが必要である。他の条件が同一で
あれば、ドローンから発射する電波の送信電力が 10 倍になれば同時に使用可能なドローン
の数は二次元的に考えれば 1/10 になる。
5030-5091MHz 帯における無操縦者航空機の制御用通信については、ICAO において国
際的な標準化に向けた検討が行われており、これを踏まえて検討することが適当である。
また、他の周波数帯における通信利用に関しては、各国の動向も踏まえて、この周波数帯
における他の無線通信システムへの影響等を踏まえた検討が必要である。
また、地域実証等を通じてニーズを把握しつつ制度検討等の取組を進めることも重要で
ある。
6.1.4. 携帯電話網の圏外地域での対応
近年、バッテリーの性能向上等によりドローン等の飛行距離が伸びていることから、地
上からの見通し外等遠距離での飛行が想定される。例えば、見通し外での飛行など地対空
直接通信が届かないエリアを飛行する際は一般的に携帯電話網が使われているが、携帯電
話網の圏外地域での飛行も見込まれることから、圏外地域での通信手段確保を望む意見が
あった。
【主な意見】
(航空機、無人航空機に共通するもの)
空飛ぶクルマ、ドローンを運航するにあたり、運航地域の電波状況を事前に調査する必
要がある。官公庁にて各地域の電波状況を把握されているようであれば、二重調査の無
駄を省くことができるため、情報公開を要望。
(日本航空)
通信キャリアはマネタイズ面で圏外地域整備が困難であるので、初期費用に加え運用費
まで含めた補助の検討、または利益に左右されない公的機関による整備が必要(アンリ
ツ※)
航空機用 LTE 携帯電話サービスについて、携帯会社による上空(高度~3000m)での制
度整備が必要。(Joby)
63
(無人航空機に関するもの)
圏外対策・ボトルネック解消策として、衛星通信解禁(Starlink 等の移動利用)、HAPS
への対応、上空移動利用の許可、中山間地向け通信インフラ支援が挙げられる。(ACSL
※)
現場の通信確認は、試験飛行により接続可否を判断する定性的方法が一般的である。定
量的な通信品質確認が安全飛行に寄与するため、その方法の制度化が必要。また、上空
向け通信インフラ保守運用方法/役割が未定義であることが安全飛行に向けた課題であり、
制度化が必要。(アンリツ※)
【考え方】
携帯電話網の圏外での電波上空利用の確保手段としては、6.1.1. や6.1.2. の衛星通
信の利用拡大等が考えられる。
ユーザーが少ない中で上空専用の基地局を設置することには、設備構築上の課題がある
こと、サービス提供に要する開発、設備構築及び運用等のコストをユーザー数で割ること
になるため、民間事業者が提供するサービスに対する経済合理性に留意が必要である。
6.1.5. 通信品質
空の利用拡大に伴い、eVTOL 等の新たな機体等、従来の航空機に比べ多数の小型の機
体の普及が見込まれる。また、遠隔操縦や将来的な完全自律運航を見据え、通信の断絶や
遅延が生じない安定的な通信品質の確保を求める意見があった。一般的に、ある通信手段
を同時に利用する者が増加すれば通信品質が低下することがあり、高品質の通信環境を確
保するためには相応の費用が必要となる。
【主な意見】
(航空機に関するもの)
eVTOL(空飛ぶクルマ)の社会実装は、機体の状態監視、リアルタイムな空域情報共有、
遠隔操縦、そして将来的な完全自律運航を見据えると、現在の航空無線システムが想定
していない「大容量」かつ「低遅延」の通信需要が新たに発生することが想定されるた
め、国土交通省と連携の上、通信の高度化を要望。(特に、Vertiport 周辺や都市部の低
高度空域での通信容量と周波数のひっ迫が懸念される。)
(ANA ホールディングス※)
無操縦者航空機の C2 リンクで通信するデータは、テレメトリ、機外監視カメラ映像デー
タ、衝突回避に関するデータ等が想定され、通信容量も増加する。また、想定している
飛行距離は最大 150km で、ドローン等に用いられる無線設備で対応が出来ない。大容量
及び長距離通信に対応できる無線設備が利用できることを要望。(新明和工業※)
64
将来的な懸念材料の1つではあるが、都市部の VP(Vertiport:空飛ぶクルマ専用の離着
陸場)等において eVTOL 運航が高頻度化した場合、ADS-B 等の eVTOL で用いる無線
が飽和し使用に際し障害となるのではないか。
(SkyDrive※)
(航空機、無人航空機に共通するもの)
現状、山間部や谷間部等でのドローンの運航に際して、静止衛星の通信が入りづらいこ
とがある。また、将来、空飛ぶクルマ、ドローンが高頻度・高密度に運航する際には、
衛星通信を利用する頻度やデータ通信量の増加が想定される。通信の断絶や遅延は運航
の品質や安全に影響を及ぼすため、通信の安定性に係る更なる改善を要望。(日本航空)
携帯電話やスマートフォンの電波は、そもそも地上で使うために作られたもので、上空
では地上と同様の通信の品質が保証されていない。上空での電波利用には、地上通信と
の干渉リスク、通信品質の不安定さ、制度面での未整備といった問題がある。(e ロボテ
ィクス※)
地上の携帯電話基地局はアンテナを地上向けに設計しているため、上空での利用は想定
外の電波干渉を引き起こす可能性がある。(e ロボティクス※)
ドローンや空飛ぶクルマは高速移動するため、端末が常に電波を探し続け接続が途切れ
やすい。結果として通信品質が安定しない。(e ロボティクス※)
4G・5Gや Wi-Fi など既存の周波数を上空で利用すると、他の無線通信システムとの
混信が懸念される。(e ロボティクス※)
遠隔操縦や自動飛行には安定した通信が不可欠だが、電波の途切れが事故リスクにつな
がる。(e ロボティクス※)
長距離・広帯域通信に対する要望について、今後、ドローンや空飛ぶクルマの数が増え
ていくと、全ての機体で長距離映像伝送していては、電波のひっ迫は必至という課題に
注意を向けるべき。また、映像伝送に代わるエッジ AI 処理の積極的な導入も技術的・制
度的に検討していくべきではないか。更に、必要な場所に最小限の電波を届けるという
意味で、映像と C2 の分離、マルチホップ(地上中継・上空中継)も有効ではないか。
(松田構成員)
免許不要バンドを増やすべき、との意見について、免許不要バンドは被干渉回避が保証
されないことを認識すべき。(松田構成員)
操縦者が搭乗しない航空機において、制御用通信は有人航空機以上に機体の安全性に影
響する。コストだけでなく、通信の信頼性、特性と目的の相性を吟味する必要がある
(ベストエフォート型でよいのか?瞬断を許容するか?など)
。運用に当たって、通信品
質の指標をつくり、モニタリングするしくみが求められる。(河村構成員)
空対地間の信頼性確保について、低高度空域ではビル陰・地形・電波環境変動が大きく、
安定した通信が難しく、単一通信方式依存はリスクが高いことが課題。LTE/5G・衛
星・空対空メッシュなどマルチリンク化で冗長化し、通信品質モニタリング基盤を整備
し、ダイナミックルーティングを実現することが必要。(日本電気)
65
都市部では雑多な無線局が存在し受信機の飽和や妨害が発生し得、ADS-B/レーダー/民
間波と干渉が懸念される。耐干渉性の高い受信機設計(フィルタ/ゲイン制御)
、地上局
配置の最適化と電波マップ整備、シミュレーションと現地実証の標準プロセス化が必要。
(日本電気)
(無人航空機に関するもの)
UATM(都市型航空管理)を支える通信要件について、多機体・高密度運航を想定する
とリアルタイム性・信頼性要件が高度化することが課題。QoS 管理・帯域予約・遅延保
証を含む通信要件の標準化、地上・空域の状態共有を行う統合 SWIM 基盤の高精度化が
必要。(日本電気)
低高度空域では民間 LTE、Wi-Fi、産業用無線、海上/航空無線が混在し、相互干渉や
通信品質劣化リスクが増大。空域ごとの電波混雑マップ整備と混雑予測、優先制御やチ
ャネル割当のダイナミック運用が課題。(日本電気)
遠隔操縦に必要な通信として、高信頼・低遅延制御リンク、Mbps オーダの映像伝送、冗
長化(地上回線/LTE + 衛星/HAPS)が挙げられる。(ACSL※)
複数機/群制御に向けてさらなる通信帯域の拡大(6GHz 帯、ミリ波等)に向けた検討が
重点的な課題である。(ACSL※)
LTE 通信について(コスト・安定性)衛星通信よりも費用は抑えられるが、操縦(基地
局)側、機体双方に SIM が必要となる場合もあり、複数台機体を運用するとなると、総
じてコストアップに繋がってしまう。上空プランを提供している通信事業者は、ドロー
ン運用も行っており、自前のインフラを使い通信のコストが抑えられる事を考えると、
市場競争力においても、通信インフラを持たない企業にとっては不利になってしまう。
空中 LTE 参入の通信事業者も現状少ないと思われる為、参入障壁を減らす施策による市
場価格の低価格化を望む。技術的な面においては、通信エリア内にもかかわらず通信で
きない場所もあり不安定である。(JDRONE※)
通信需要の広がりとして、FPV/HD 映像伝送は数 Mbps の通信レートが必要。(ACSL※)
通信需要の広がりとして、遠隔制御+テレメトリは低遅延&冗長性の要求が見込まれる。
(ACSL※)
通信需要の広がりとして、群制御・複数機自動飛行は同時接続数拡大、通信データ量の
増大が見込まれる。(ACSL※)
運用に当たっては通信品質の具体的な指標を策定し、第三者がモニタリングする仕組み
の構築が求められる。(河村構成員)
以下のユースケースと課題が想定される(ACSL※)
分野
主な用途例
直面する電波課題
災害対応・空撮
災害現場確認、測量、自動巡回
2.4GHz 混信、山間部での LTE 圏外
インフラ点検
工場/プラント点検
近距離映像伝送の安定性
危険区域監視
干渉回避
66
警備
自動巡回、追跡
リアルタイム映像伝送
複数機運用時の帯域確保
物流
中山間地域配送
LTE 非カバーエリア
ラストワンマイル
冗長通信手段不足
【考え方】
無操縦者航空機等の安全な飛行のためには通信品質の安定が必要である一方、より空の
利用拡大が進んだ際には、利用する通信回線次第ではひっ迫することが想定される。近年
の衛星通信サービスの進展に伴い、上空での衛星通信端末のより広範な利用に向けた検討
等を進めることが必要であるが、安全な飛行のためには、通信品質の確保のみならず、冗
長性の確保に努め、かつ、万一の通信途絶時の対応についても併せて検討する必要がある。
また一般に、高い品質の通信を利用するためには高額の通信費用が必要であるため、求め
る飛行の安全を確保するために必要な通信品質とその通信品質を実現するために必要なコ
ストのトレードオフの観点も必要である。
6.1.6. 監視、電子的視認性
無人航空機、無操縦者航空機等が将来増加することが予見されており、従来の監視技術
を補助する役割として、航空機等の空域利用者が相互にその存在を知らせ衝突の危険性を
回避することを目的とした電子的視認性の概念とそれを実現する機器が英国航空局等によ
って提案・開発され、それらを踏まえた制度の検討が欧州(EASA)や米国(FAA)で進
められている。我が国でも、一部の事業者から、ADS-B の無操縦者航空機等への搭載が提
案されている。
航空機の監視には、地上から電波を送信し航空機からの反射波を受信して位置を特定す
る PSR、地上から質問信号を送信し航空機に搭載された ATC トランスポンダから応答す
る信号を受信して位置情報や高度情報を取得する SSR、地上に配置された複数の受信機が
航空機から発射される電波を受信し、その到達時間差を利用して航空機の位置を算出する
MLAT 及び WAM 等、様々なシステムが利用されている。
SSR の質問信号を受信しない場合も ATC トランスポンダから定期的に周囲に位置情報等
を送信する ADS-B は、我が国では ATC トランスポンダの一機能として扱われているが、
海外では ADS-B 単独での使用例がある。
【主な意見】
(航空機に関するもの)
衝突を避けるだけでなく、安全性を考慮するとヘリコプター側でドローンを検知できる
だけでも安全性が上がると考える。
(武市構成員)
67
安全性確保の観点から、eVTOL の運航エリアとなる低高度・混雑エリアにおける ADSBIN/OUT の段階的な義務化を国土交通省と連携の上での検討を要望。義務化の範囲は、
航空運送事業への影響や、小型無人機を含む無人航空機システム(UAS)の枠組みと整
合性を図り、柔軟な制度設計を要望。(ANA ホールディングス※)
ADS-B は、都市部運航における衝突回避(DAA:Detect and Avoid)へ活用することが
期待されているが機体数増加による通信輻輳により、本来の機能に必要な通信品質が担
保されないリスクがある。国土交通省と連携した上で、混雑エリアでの輻輳対策技術の
研究開発を支援するとともに、ADS-B の高い安全要件を担保できる技術的対策の推進に
ついて検討を要望。(ANA ホールディングス※)
将来的(長期的)な無人・自律運航に必要な、機体の状態監視、フライトプランの動的
更新、高精度な空域情報伝送等を可能とするため、現行の通信帯域では賄えない大容
量・超低遅延のデータリンク環境が必要となることが想定されるため、大容量通信に関
する技術開発への支援を強化し、常時安定して利用できる環境を整備することを要望。
(ANA ホールディングス※)
航空法第 71 条の 2 に規定される操縦者の見張り義務をどのように実現するかが重要。現
行の整理に倣う場合、機上の視界をリアルタイム送信する必要が生じる可能性があるが、
これを全ての UAS に適用すると周波数資源の観点から困難が予想される。現状では無人
機向けに通信品質を客観的に評価・モニタリングする仕組みが十分に確立されておらず、
機体規模に関わらないモニタリング体制が必要。(河村構成員)
(航空機・無人航空機に共通するもの)
動態情報の発信は、スプーフィング(なりすまし)問題も考えると現状では ADS-B だけ
ではなくトランスポンダも必須と考える。ADS-B とトランスポンダについては、機体の
位置を導き出す方法が異なり、仕組み上トランスポンダは場所を偽ることが難しい。通
信システムの冗長性が重要である。
(河村構成員)
使い方次第では、ADS-B 送信機だけで問題ない状況もある。(吉田構成員)
新 ITU-R ハンドブック M. [HDBK_STATUS.SPECTRUM.RPAS_DAA]の作成に向けた
作業文書において検討が進められているところであり、これらの動向も注視していく必
要がある。(日本無線)
協調型衝突回避システムと共に、レーダーを使用した非協調型衝突回避システムは航行
安全に重要。ISO 15964 で標準化された非協調型衝突回避システムに使用するレーダー
の周波数割り当てが必要。(日本無線)
(無人航空機に関するもの)
安全確保・離発着自動化に必要な無線技術として、UTM 連携、リモート ID による無人
航空機の認識、ADS-B 等による航空機の認識、飛行体はリモート ID か ADS-B のどちら
かの実装の義務付けが挙げられる。
(ACSL)
68
他機の位置情報把握手段としてのリモート ID の利用について、リモート ID の利用は搭
載がすでに義務化されたデバイスの活用ができる利点が大きいが、通信可能距離が短い
ため、利用できる範囲に制約がある可能性がある(多数機群飛行や有人ヘリ相手など)。
(松田構成員)
衝突回避は、非協調型(レーダー)の周波数を確保すべきとの意見について、レーダー
のほか、協調型(機体間通信)が中型機に実装可能なレベルにあることにもっと目を向
けてもらうべきではないか(特に、リモート ID よりも長距離通信が可能な LPWA 方式
など。)
。(松田構成員)
他機の位置情報把握手段としての ADS-B の利用(ポータブル型を含む)について、空飛
ぶクルマや有人航空機への搭載義務化は望ましい方向。一方、ドローン側への搭載につ
いては、受信は可能でも送信は免許対象であること、ドローン(中小型を含む)への搭
載は ID の枯渇や通信混雑により有人航空機に悪影響の可能性があることを認識してもら
う必要がある。(松田構成員)
多くの無人航空機が飛行する低高度(対地高度 150m 未満)では有人航空機が見えてい
ないのが現状である。特に無人航空機の目視外運航において、有人航空機との空中衝突
防止は無人航空機運航拡大のための重要課題である。(宇宙航空研究開発機構)
無人航空機と有人航空機の衝突リスクを低減して安全な運航を行うには、飛行前のリス
ク低減(遭遇率考慮、戦略的対策)と、飛行中の対策(戦術的対処)の両方が必要。(宇
宙航空研究開発機構)
日本国内の小型航空機機数や周波数環境等から、英国で規格化されたポータブル ADS-B
デバイスが、日本で活用可能な Electronic Conspicuity の有力候補と考えられる。無人航
空機運航者が同情報を活用してエアリスクを低減する具体的な手順(ガイドラン)の提
案を行う予定。(宇宙航空研究開発機構)
航跡・識別情報について、低高度空域の情報共有や監視データが欠落し安全性を損なう
ことが課題。低高度領域における情報送受信網の構築、自動トラッキング方式(機上送
信・地上補完)の導入、出発前識別(Pre-ID)や ID 併記の標準化が必要。(日本電気)
【考え方】
無人航空機が航空機の位置情報を把握して回避する等の有人航空機、無人機間の飛行の
安全を確保するための電波利用の在り方については、世界的な業界の動向を踏まえて、関
係省庁と密接に連携しながら検討することが適当である。
69
6.2. 手続・運用面における制度整備等
6.2.1. 海外展開・海外製品利用の簡素化
ドローン事業者から、海外向け、国内向けの双方のドローンについて、製品製造時の飛
行テストに必要な無線局開設を容易にできるようにしてほしいと望む意見があった。また、
海外向けの機体開発に向けた無線機を国内で試験する環境がないことや、海外製無線設備
を国内に導入するに当たり、新たに電気的特性データの取得を行う必要があるといった点
が、製品開発に影響を及ぼしているという意見があった。
【主な意見】
海外製の無線機をテストする環境が国内になく、国内メーカーが海外仕向けの機体を開
発する妨げになっている。飛行時に不可欠な技術であるので屋外の飛行で使えないのは
致命的であるため、製品出荷のための海外向け無線利用の緩和を要望。(エアロセンス)
飛行制御用の電波高度計、衝突回避装置(レーダー)
、トランスポンダについて、無人機
向けの海外製製品の国内利用手続きの簡略化などを要望(実験試験局開設時の検査で海
外メーカーで取得した電気的性能データを活用する等)。
(新明和工業※)
【考え方】
製品の品質保証は、特に飛行を行う製品においては安全性に直結するものであり、慎重
な対応が求められる。
一方、免許を取得せずに無線局を開設することで他の無線局に干渉を与えるおそれがあ
ることに留意しつつ、無操縦者航空機やドローンの製造時等の無線局開設をより容易にす
るために取り得る手段を検討することが適当である。
6.2.2. 無線従事者資格・人材育成
我が国で海外メーカーの空飛ぶクルマの試験飛行を行う場合について、事業者から、機
体の操縦は機体を製造するメーカーの操縦士が行うことが、習熟度の観点から合理的であ
り、また、機体のスペース等の問題で我が国の無線従事者の有資格者が外国人操縦士と同
乗できない事例があることから、海外メーカーに属する外国人操縦士の無線従事者資格に
ついて、取得の柔軟化などの要望があった。
また、有人航空機では通信途絶時に機上の操縦者が対処できる一方、無操縦者航空機で
はそれが不可能であり、また、無人航空機の目視外飛行ではカメラ映像等での機体外の監
視を行っているため、今後の無操縦者航空機の実現や無人航空機の目視外飛行の進展に伴
い、これらの機体の飛行に利用される無線設備が運航の安全性に及ぼす影響は高まってい
くものと考えられる。
70
このような状況において、これらの無線設備を操作する人員の人材育成に関し、無線に
関する知識や技能、無線システムを設計するためのスキル、それらの技能を評価する枠組
みや、国際情勢に明るく機体の国際展開を推進できる人材が必要ではないかとの意見があ
った。
【主な意見】
(航空機に関するもの)
eVTOL の社会実装と普及には、運航コストの抑制と関連人材の円滑な確保が不可欠であ
るため、無線通信資格のあり方について国土交通省と連携の上、以下の観点から合理
化・緩和の検討を要望。
(ANA ホールディングス※)
資格要件の合理化:eVTOL の運航に関して運航者側の無線通信資格要件を既存の
(商用の)航空機に適用されている資格と同等ではなく、eVTOL の特性に応じた緩
和や資格取得の合理化(海外での無線資格による運用等)
事業者の経済性への配慮:無線局の操作に無線資格を不要とする制度設計等を含め
て、運航事業者の人材採用・育成コストを抑制し、eVTOL サービスの経済性を高め
る措置
将来的に無操縦者航空機に一般搭乗者が搭乗する場合、搭乗者と地上の対地通信手段に
ついての検討を要望。(SkyDrive※)
2023 年に空飛ぶクルマの試験飛行を実施した際に、限定的なスケジュールの中で落成検
査の実施や外国人操縦士の本邦の無線従事者免許の取得が必要となったことから無線局
免許申請を断念することになった。今後、飛行範囲・場所を拡大して試験飛行を実施す
る場合、同種の問題が生じる可能性があり、柔軟な運用を要望。(日本航空)
2040 年代には空飛ぶクルマが日常生活に入り込んでいることも想定されるが、利用する
ユーザーが無線を使う可能性という視点も重要になるのではないか。
(藤井主任)
(航空機・無人航空機に共通するもの)
RF/プロトコルといった無線スキル、サービス全体を考慮したシステム設計スキル、そ
れらの評価スキル、国際動向を調査/理解し国内展開出来るスキルが必要。(アンリツ※)
無線局に関わる人材の育成については、技術的スキルだけでなく、制度理解、倫理観、
公共性への意識を持った人材の確保が重要です。教育機関や研修制度を通じて、技術者
が制度設計や市民との対話にも関われるような育成方針が望まれる。
(個人※)
(無人航空機に関するもの)
無人移動体画像伝送システムと運用調整に係る整理を実施いただいたところ、ドローン
については事業者のみならず、一般の方の利用も進む中で、一層の社会普及を目指すに
あたっては、無線局免許及び無線従事者資格を必要としない機器の更なる拡大を要望。
(日本航空)
71
ドローンの飛行までの手間(手続き)が多いことも課題。電波利用だけでも、従事者免
許取得/無線局免許取得(5.7GHz 帯等)、JUTM による事前の飛行空域・時期の調整
(5.2GHz/5.7GHz 等)が必要。結果、電波利用の手続きが必要ない 2.4GHz 帯に集中し
ている。(ACSL※)
航 空 法 や 電 波 法 に 基 づ く 規 制 は 存 在 する も の の 、 都 市 部 で の 飛 行 、 目 視 外 飛 行
(BVLOS)、操縦者資格制度など、実運用に即した制度整備が求められている。特に、
国家資格制度の導入により操縦者の技術水準は向上していますが、制度の周知や取得支
援、更新制度の整備が必要。(個人※)
【考え方】
空飛ぶクルマを操縦する人員に求められる無線従事者の資格については、当該機体に搭
載される無線局の免許に無線従事者の資格が紐づけられることから、無線局免許の在り方
の検討も含め、検討する必要がある。具体的には、試験飛行の段階のものへの配慮や、サ
ービス開始後の場面での要望を聴取し、要望の具体化に努め、制度改正も含めて、可能な
対応を探っていく必要がある。
また、新たな航空技術及び通信技術に関する研究開発等を、民間企業や研究開発機関、
高等教育機関との産官学連携を密にして進めることで、航空分野における新たな飛行形態
に対応して無線に携わる人材に求められるスキルを持った人材育成の推進が求められる。
6.2.3. 制度に関するその他の要望等
空の利用拡大に伴う、eVTOL 等の新たな機体の出現や無人航空機のより高い高度やより
長距離の飛行を想定した様々な制度整備等の要望やコメントが寄せられた。
【主な意見】
(航空機に関するもの)
無操縦者航空機については、航空法上の航空機に搭載が義務付けられている無線設備と、
その無操縦者航空機が新たに搭載する無線設備との干渉検討が必要になることが想定さ
れるが、そのような場面では総務省の干渉検討と、航空機の耐空性や認証の2つの観点
が出てくるのではないか。(河村構成員)
旅客を乗せた無操縦者飛行は、有人航空の認証制度や安全性について見てきた専門家か
らすれば、難しいことと認識されており、当分先の話になると想定される。当分先とい
う意味合いは、ICAO の RPASP でのマニュアルに、操縦者がいなくて旅客が乗ることは
(文書の)対象としないと明言されている。(河村構成員)
既存の周波数をうまく活用することを主眼に研究開発を実施しても、専用の周波数帯域
が少ないため、調整が必要であり安全性を考慮すると干渉がないようにする必要がある。
専用の周波数帯域があると良いと考える。(松田構成員)
72
国交省の官民協議会「運航基準 WG」、「交通管理 TF」とも連携し、今後新たに義務付け
られる必要装備品、既存の必要装備品の電波法上の立て付けの制度整備を要望。(ADSB、PortableADS-B 等)(SkyDrive※)
短期の eVTOL(飛行距離が限定的)への VHF、トランスポンダ搭載について、飛行が局
所的な遊覧事業も想定されており、航空法 60 条が適用される空域を飛行せず非搭載とな
る機体もあると思料する。適宜国土交通省とも連携の上、検討を要望。(SkyDrive※)
VHF 非搭載の場合の、ELT 等他の機体搭載の無線免許の種類は「航空機局」となら
ないと認識しているが、現行法の制度上「無線航行移動局」となるのか。「無線航行
移動」の場合、通信の相手方として「航空機局」の既存機や管制施設との通信は問
題ないのか。
VHF、トランスポンダを搭載する場合、飛行が局所的で有効到達距離に通信できる
地上航法援助施設がない場合、設置時の総合試験や定期点検が成り立たない。平成
23 年総務省告示第 279 号に記載の「総合試験の方法」の見直しは不要か。
空飛ぶクルマが離着陸する非公共用のバーティポートや場外離着陸場についても、空飛
ぶクルマとの間での安全運航に必要な情報の相互の授受のために、離着陸場管理者への
飛行援助用航空局に係る無線局免許の付与を可能とするよう、周波数の再編等の対応を
要望。(オリックス※)
航空用通信は国際的に目的を絞って割当てが行われているため、国内のみでの急速な周
波数割当ては長期的な観点から問題が生じる可能性があり、慎重な検討が必要である。
(河村構成員)
(無人航空機に関するもの)
飛行高度について従来は 150m 未満の利用に限定されていたが、近年は規制緩和が進み
より高高度での利用が検討されている。(e ロボティクス※)
電波利用手続きに関して、JUTM による飛行調整の撤廃、免許制度の簡素化に向けた検
討が重点的な課題である。(ACSL※)
JUTM による飛行調整撤廃の意見について、JUTM は飛行調整はしていないこと、
JUTM の運用調整がなければ混信が回避できず、現状では電波の有効利用も難しくなる、
という問題の認識が極めて弱いように感じられる。(松田構成員)
既存電波制度は無人機・AAM に十分最適化されておらず、周波数使用の優先順位や保護
が曖昧であることが課題。低高度空域向けの専用・優先帯域の確保、AAM 向け電波制度
のロードマップ策定と政府・産業界の連携強化が必要。(日本電気)
将来技術への対応に関連し、AAM 台数増・自律化に伴い通信負荷は飛躍的に上昇してお
り、衛星との連携、OFDM 他、あらたな通信方式への対応、電波割当の最適化が必要。
(日本電気)
73
開局申請が必要な通信機は、メーカーが出荷テストする際に全数開局申請が必要で、メ
ーカーとユーザーが二重に開局し続けるのは負担・無駄が多いため、製造者向けの無線
開局申請の緩和を要望。
(エアロセンス)
【考え方】
上空での電波利用のための制度整備に向けては、寄せられた要望やコメントを踏まえて
必要な検討を行う。
6.3. 研究開発
遠隔操縦や自動離発着技術の進展は、安全性と効率性の向上に直結するため、積極的な
研究開発の推進が求められている。また、無人航空機に関しては、高速移動時の通信安定
性、安全な遠隔操縦のための広帯域・低遅延技術、通信機器の小型・軽量化と共に、ジャ
ミング(電波妨害)・スプーフィング(なりすまし)への対処が必要との意見があった。
【主な意見】
(航空機、無人航空機に共通するもの)
空の利用拡大における地域社会課題の解決に向けて、電波を用いた地域実証をより積極
的・継続的に進める必要がある。(松田構成員)
遠隔操縦や自動離発着に関する通信技術の進展は、安全性と効率性の向上に直結するた
め、積極的な研究開発と標準化の推進を期待。
(個人※)
技術開発においては、通信の標準化と機器供給の促進が不可欠である。特に中小事業者
や自治体が参入しやすい環境整備を通じて、空域利用の民主化と地域活性化を図るべき
である。(個人※)
技術開発段階での情報漏洩リスクへの対応は極めて重要である。日本では、技術保護に
関する制度的な整備が十分とは言えず、開発現場における情報管理体制の強化が急務で
ある。通信・制御・位置情報などの機密性の高い技術が多く含まれる空域利用において
は、標準化前の仕様や未公開の設計情報が外部に流出することは、公共の安全性や国家
の競争力を損なう可能性がある。これに対しては、アクセス制限、暗号化、契約上の保
護条項の徹底など、制度的な技術保護政策の整備が必要である。(個人※)
(無人航空機に関するもの)
以下の無線通信技術の研究開発が必要。(アンリツ※)
上空障害物が少ないことによる将来の移動高速化を見据えた、ドップラシフト等へ
の耐性や提供サービスに応じたパフォーマンス定義など高速移動時の安定した無線
技術。
74
高さ方向への空間拡大による 1 つの通信基地局に対する収容端末数増加を見据えた、
多端末に対する安定した無線技術。
安全な遠隔操縦実現のための映像伝送、自動運行システムとの常時接続、他機との
直接通信などを見据えた広帯域/低遅延な無線技術。
攻撃者による事故誘発や犯罪利用への対策として、スプーフィング/ジャミングに耐
性のある無線通信技術。
通信観点での飛行安全担保に資する、上空無線評価や品質 KPI 定義、安定運用方法。
ドローン航路 WG 資料にて記載があるように、TN/NTN/その他無線システムの最
適組合せ。
ドローンは既存航空機に比べて、機上に搭載できる通信機器の大きさ、重量には限りが
ある。ドローンで衛星通信機器を搭載できる機体(概ね最大積載量 10kg 以上の機体)は
少なく、衛星を用いた精度の高い遠隔目視外飛行の実施は限定的である。通信機器の更
なる小型化、軽量化の技術開発が進むような業界への働きかけを要望。(日本航空※)
研究開発すべき領域として、自律・分散制御、群制御に適した無線通信技術(メッシュ
等)、マルチリンク(LTE+衛星+2.4GHz/5GHz)等の無線の高信頼性技術、衛星通信
による広域運航、都市空域における無線干渉や妨害への対応、5.2GHz 等周波数を他の
システムと共用する場合の干渉抑制技術・周波数共用技術、GPS のマルチパス、ジャミ
ング、スプーフィングへの対応が挙げられる。(ACSL※)
低空を飛行する有人航空機側で周辺を飛行するドローンの位置を把握したり、ドローン
同士で位置情報を共有する手段として、距離の短いリモート ID 等に代わり、サブギガ帯
の長距離無線方式(LPWA)による位置把握技術の開発・実証が NICT を中心に NEDO
や JST 等の元で進められ、自律群飛行や自律衝突回避への利用効果も具体化してきてい
る。(松田構成員)
【考え方】
新たな航空技術及び通信技術の進展に対応し、提案された意見も踏まえて、民間企業や
研究開発機関、高等教育機関との産官学連携を深め、必要な研究開発・人材育成の推進が
求められる。
また、研究開発成果の実装及び展開に当たっては、地域実証等を通じて課題の把握・解
消を行って制度検討等の取組を進めることも重要である。
6.4. 標準化等
6.4.1. 標準化
無人航空機の機体の大型化・長距離化が進んでおり、無操縦者航空機においても、国際飛
行を行う機体の登場が見込まれており、ICAO において、国際飛行を行う無操縦者航空機
75
(RPAS)に関する標準(SARPs)の検討が進められている。また、世界的な周波数利用の
共通化は、システムの統一、設備導入の容易化、無線局免許手続きの簡素化にもつながる。
ITU をはじめとした国際標準化機関で標準化を検討する動きがある。
【主な意見】
安全性や耐空性は基本的に航空機の設計で担保されていると考えている。設計において
は製造事業者の知見が非常に重要であり、国内に製造事業者がいれば、議論や標準化を
通じて担保されたものが作られるが、実際には欧米に製造事業者が多く、空飛ぶクルマ
以上の大きな機体では、業界標準ができ、アビオニクスメーカーが参加して国際標準が
作られるという流れがある。そのため、議論ができる国は独自に安全性を担保する国際
標準を策定できるが、それ以外の国は国際標準を参照して安全を担保する法令を作って
いるのが実態である。(河村構成員)
近年はメーカーなどが先に進み、後から規格が追う感覚がある。ICAO の定義がないか
ら進まないとは限らない。(吉田構成員)
無操縦者航空機等においても「相互運用性」という観点から世界各国で運用の共通化が
図られると想定される。世界的な周波数利用の共通化を拠り所として、システムの共通
化、設備導入のしやすさや無線局免許手続きの簡素化につながっていくと考えられるた
め、ITU などを含めた早急な制度作りが必要である。(中日本航空※)
通信機器や通信方式の標準化が進まないと、低空経済における次世代空モビリティの社
会実装が進まない。(e ロボティクス※)
無人航空機の標準化の方向性として、5GHz 帯ドローン利用規格整備、群制御通信(メ
ッシュ通信)方式、他システムとの電波共用の方式(DFS 等)が挙げられる。(ACSL※)
通信システム確定が先決で、3GPP のような既存の技術基準検討団体へのアドオンなど
による通信システム確定が必要。(アンリツ※)
国際標準化に追従する可能性について、ICAO/ASTM/ISO/RTCA などで標準化が急速
に進行しており、国際会議への継続参加や国内仕様と国際仕様との整合を図り産業界の
国際競争力強化が必要。
(日本電気)
大型無人機・AAM のスケールアップについて、150kg 超級 AAM では電波・安全要件が
ドローンと大きく異なり、CNS の観点でも求める通信要求が異なるため、重量級 AAM
向け通信要件の独立標準の確立や ISO/ICAO レベルでの統合安全基準づくりへの参画、
AAM での CNS 運用に関する基準作りが必要。(日本電気)
セキュリティと電波の安全に関連し、機上データの盗聴・改ざんリスクや、通信妨害
(Jamming)
・なりすまし(Spoofing)リスクが存在する。暗号や PKI を含む強固なエン
ドツーエンド保護や Jamming 検知・耐性技術の標準化が必要。(日本電気)
【考え方】
76
我が国の開発した技術が国際標準として採用されれば、国際的に整合性のとれた技術基
準を策定することができ、国内の周波数ひっ迫対策にも寄与するものと期待される。また、
我が国の技術の普及が国際的にも促進され、国内技術分野における国際競争力の強化も図
ることができる。
このため、関係する国際機関の会合に参加し、国際標準化により積極的に寄与すること
で我が国の技術の普及を国際的に促進し、国際競争力の強化を図ることが必要である。
6.4.2. 国際動向
国際的には欧州や米国が将来的な国際標準化の流れを主導しており、動向の注視が必要
とされている。我が国特有の地域特性や法制度を考慮しつつ、国際制度との整合性を保っ
た制度整備が求められる。
【主な意見】
(航空機、無人航空機に共通するもの)
制度の検討に当たっては、計画性を持って、国内だけでなくグローバルな整合性を考え
るべき。今すぐ国内で新しい周波数を求めるのではなく、準備が必要である。(河村構成
員)
ReAMo プロジェクトにて国際動向調査が実施されており、連携すべき。(アンリツ※)
衛星通信や HAPS など非地上系ネットワークの利用が検討されている中、国際的な周波
数調整が不可欠。(e ロボティクス※)
日本においても国際制度との整合性を図りつつ、地域特性や災害リスクを踏まえた制度
設計が重要である。(個人※)
(無人航空機に関するもの)
欧州では 1880‒1900 MHz/1910‒1920 MHz 帯における DECT-2020NR 技術の利活用が
検討対象となっている。DECT-2020NR は、低遅延・高信頼性・高セキュリティを備え
た通信技術であり、無人航空機の制御用途において有効な選択肢となり得る。日本国内
における電波の上空利用に関する制度設計・技術検討において、DECT-2020NR 技術に
ついても検討の選択肢の一つとしての配慮を要望。(DECT フォーラム ジャパンワーキ
ンググループ※)
EUSPA より公表された上空利用に関する航空及びドローン利用者のニーズと要件に関す
る報告書には、ドローンの空域利用の高度化や、将来的な統合空域管理(UTM/ATM)
への要求など、具体的な技術的課題や市場の方向性が示されており、これらを参考とし
た検討することが有用と考える。このような国際的な需要動向を詳細に分析し、技術的
対応の検討を進めるべき。具体的には、以下の点に焦点を当てて、ステークホルダーと
共有し、将来のシステム設計や政策ロードマップに反映させるべき。
(日本電気)
77
要件の抽出と適合性の評価:報告書で挙げられている「ユーザーニーズ」の中で、
現在の技術やロードマップと整合性のある項目、または優先的に対応すべき項目の
抽出。
国際標準への対応:欧州は、将来的な国際標準化の流れを先取りしている可能性が
高いため、EUSPA がまとめた要求事項への対応について、国際市場における競争力
強化につながるかの検討。
新たな技術機会の発掘:報告書に含まれる将来的なシステム(例:高精度測位、AI
を活用した空域管理など)の要件に基づき、取り組むべき新たな技術開発テーマや
共同研究の機会の発掘。
【考え方】
関係諸外国と緊密に連携を図りつつ、国際動向の詳細な分析を行い、国際的な協調のと
れた制度を引き続き検討することが必要である。特に近年発展の進む NTN 分野では国際
的な周波数調整が求められている。
6.5. その他
空の利用拡大に向け、これまでに記載した事項以外にも、例えば以下のような意見があ
った。
【主な意見】
国民の共有財産である電波を割り当てる場合、恩恵を受けるのが富裕層のみに限定され
ることのないようにすべき。(加保構成員)
着実な社会実装には費用と品質のバランス考慮が必要であり、産業界意見を如何に取り
入れるか、建付も含めて検討が必要である。(アンリツ※)
都市部と過疎地で無線通信に求められる要件が異なるため、分けて検討すべき。(アンリ
ツ※)
空飛ぶクルマ、ドローン事業者が手頃な価格で衛星通信を利用できるよう、価格設定の
見直しを含めた働きかけを要望。(日本航空)
防衛省における無人機の開発に際し、将来的な周波数割当てに関して支障が生じること
のないよう、仮に公表を伴わない場合であっても、当該周波数帯の利用計画に防衛省機
の無人機運用を含めた検討を要望。
(川崎重工業※)
無線モジュールとアンテナを切り離して認証できる仕組み、あるいは「同等アンテナ」
概念を導入することが望まれる。アンテナ型式、利得、放射パターンが同等で、電波法
上の基準(占有帯域幅、不要放射、EIRP など)を満たす場合には、再認証を不要とする
制度設計が適切である。また、ケーブル長やコネクタの変更等についても、総合的な放
78
射特性への影響が軽微である範囲での変更を認める運用を明確化することで、製品ライ
フサイクル全体の効率化が期待できる。(エアロセンス※)
人間が携帯電話を利用する場合も地表から 1m 数十 cm は浮いた場所で利用しているわけ
で、人間が利用する場合と同程度の高度で利用する場合には地上の利用と同等とみなし、
通常の SIM が使えるような規制緩和を行うことを要望。(個人※)
空の利用拡大に伴う電波利用政策の検討にあたり、技術開発の加速と制度設計の慎重な
整備の両立が重要である。(個人※)
地域ごとの電波環境評価や、住民との対話を通じた合意形成が求められる。(個人※)
民間事業者が通信インフラや機器を提供する場合には、公共性と透明性を担保する制度
的な枠組みが必要である。(個人※)
技術基準の策定にあたっては、単なる性能要件だけでなく、公共性・倫理性・安全性を
含めた包括的な視点が求められる。制度の柔軟性と安定性を両立させるためには、段階
的な導入と事後評価の仕組みを整備し、必要に応じて制度の見直しが行えるようにする
べき。(個人※)
制度設計においては、市民の信頼を損なわないよう、情報公開と説明責任を徹底するこ
とを強く要望。特に、技術開発と制度整備の過程において、利用者や地域住民の声を反
映する仕組みを整えることで、空域利用が社会に根付く基盤となると考える。(個人※)
いわゆる「ドローン」に該当する案だと思うが、何よりまず、軍事的な利用が絶対に出
来ないよう、憲法に基づいた制限を要望。国外ではドローンが殺戮・破壊に使用され、
あろうことか日本国内でも規定が無い事をいい事に米軍・自衛隊が運用を始めている。
イスラエル製のドローン購入も問題になっている。平和外交でなく武力で何か解決する、
というのが、とんでもなく間違いである事は、国外の戦争・虐殺を見て明らかである。
どうかドローンが軍事利用されない様、きちんと規制し牽制を行って頂きたい。(個人※)
空をもっと利用制限すべき。(個人※)
遠隔操縦反対。(個人※)
【考え方】
空の利用拡大に伴う電波政策の在り方の検討に当たっては、これらの観点も踏まえて検
討を行うことが適当である。
79
第7節 ロードマップ
ドローンや空飛ぶクルマをはじめとする次世代の航空機が安全かつ高度に運用される社
会の実現に向け、上空における電波利用の将来像と、それを支える制度・技術の整備計画
をロードマップとして取りまとめた。
ここでは、2020 年代後半の初期商用運航から、2040 年代の自動・自律、高密度運航に
至るまでを以下の 3 つのフェーズに分け、「制度整備」「技術開発」「標準化」の3つの視点
から、将来展望を示している。
短期(2020 年代後半):初期商用運航
空飛ぶクルマによる有人運航が開始、小型無操縦者航空機による無人地帯での貨
物輸送の開始、無人航空機による多数機同時運航の拡大
中期(2030 年代):高信頼性確保
空飛ぶクルマの導入地域拡大・頻度拡大、遠隔操縦による旅客輸送(一部自動・
自律運航)の開始、空飛ぶクルマの災害時の公的利用等ユースケースの拡大、
UTM 活用による無人航空機の高密度運航
長期(2040 年代):高度運航実現
高密度、自動・自律運航、就航率向上等の高度な運航(旅客輸送含む)が拡大
制度整備の側面では、主に着目する技術を非地上系通信、地上系通信、監視・衝突回避
技術の3つに大別し技術基準の整備について展望を示した。また、技術基準以外の電波法
に関連する制度整備についても必要な対応を示している。技術開発では、上空の利用拡大
に伴い開発が想定される技術について年代ごとの進展を示した。標準化では、関連する国
際機関での検討状況を念頭に、国内技術の提案や国際制度の国内制度への取込みなど必要
な対応を示している。
80
81
第 10 章
我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術
分野の推進方策(別冊2)
我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進方策については、ワイヤレス分
野における市場環境の変化、技術の進展を踏まえた我が国のワイヤレス技術の「立ち位置」を調
査・分析し、我が国として重点的に取り組むべき技術分野について検討するため、令和7年8月
に本委員会の下に重点技術作業班を設置し、検討を進めてきたところである。本事項に係る中間
答申は別冊2のとおりであり、今後、同中間答申に基づき、取組を進めていくことが適当である。
第1節
検討の背景
第2節
我が国のワイヤレス分野を取り巻く現状と課題
第3節
重点技術領域の特定
第4節
重点技術領域の推進方策
第5節
今後の進め方
135
諮問第30号「社会環境の変化に対応した電波有効
利用の推進の在り方」のうち「無線を利用したビジ
ネス促進の在り方」(我が国として重点的に取り組む
べきワイヤレス技術分野の推進方策)について
第10章
情報通信審議会 第一次中間答申(別冊2)
我が国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の
推進方策
目次
はじめに ............................................................ 3
第1節 検討の背景 .................................................. 4
1.1 ワイヤレス技術緊急強化の必要性 ............................... 5
1.2 ワイヤレス分野の諸課題 ....................................... 6
1.3 ワイヤレス分野の技術トレンド・特徴 ........................... 8
第2節 我が国のワイヤレス分野を取り巻く現状と課題 ................. 12
2.1 共通・基盤的なワイヤレス技術、ワイヤレス人材等の現状と課題 .. 12
2.1.1 共通・基盤的なワイヤレス技術 ............................. 13
2.1.2 ワイヤレス人材に関する事項 ............................... 14
2.1.3 考え方 ................................................... 16
2.2 自営網や国・地方公共団体等の公共分野におけるワイヤレス技術の現
状と課題 ......................................................... 16
2.2.1 国内において確保すべき(残すべき)技術 ................... 17
2.2.2 将来的なワイヤレス事業への取組の方向性 ................... 18
2.2.3 考え方 ................................................... 18
2.3 キャリアの通信ネットワークに関するワイヤレス技術の現状と課題 18
2.3.1 技術のトレンド、今後取り組むべき技術 ..................... 19
2.3.2 国内ベンダーの競争優位性、国内ベンダーと国内キャリアの関係性
(国内キャリアの基地局等の調達ポリシー) ........................ 19
2.3.3 考え方 ................................................... 22
第3節 重点技術領域の特定 ......................................... 23
3.1 重点技術領域の体系 .......................................... 23
3.2 重点技術領域の目的・必要性 .................................. 25
3.2.1 【システム技術領域】フィジカル AI・IoT システム ............ 25
3.2.2 【システム技術領域】重要インフラ・ナショナルセキュリティシス
テム ............................................................ 26
3.2.3 【システム技術領域】次世代通信システム(B5G) .......... 26
3.2.4 【コア技術領域】AI ・フロンティア領域 ..................... 27
3.2.5 【コア技術領域】素材・部品・デバイス領域 .................. 28
3.2.6 【コア技術領域】エンジニアリング・デザイン領域 ............ 28
3.3 各領域における重点技術とその工程表 .......................... 29
1
3.3.1 【システム技術領域】フィジカル AI・IoT システム ............ 31
3.3.2 【システム技術領域】重要インフラ・ナショナルセキュリティシス
テム ............................................................ 33
3.3.3 【システム技術領域】次世代通信システム(B5G) .......... 34
3.3.4 【コア技術領域】AI ・フロンティア領域 ..................... 36
3.3.5 【コア技術領域】素材・部品・デバイス領域 .................. 37
3.3.6 【コア技術領域】エンジニアリング・デザイン領域 ............ 39
第4節 重点技術領域の推進方策 ..................................... 41
4.1 重点技術領域の推進方策の論点 ................................ 41
4.2 重点技術領域の推進方策に関する検討事項 ...................... 42
4.3 重点技術領域の推進方策 ...................................... 46
4.3.1 人材確保・育成 フェーズ ................................. 46
4.3.2 研究開発 フェーズ ....................................... 48
4.3.3 制度・環境整備、標準化 フェーズ ......................... 49
4.3.4 実証、PoC、マーケティング フェーズ ...................... 50
第5節
今後の進め方 ............................................... 52
2
はじめに
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会(主査:藤井 威生
電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター教授。以下「委
員会」という。)は、令和7年諮問第 30 号「社会環境の変化に対応した電波有
効利用の推進の在り方」のうち「無線を利用したビジネス促進の在り方」
(我が
国として重点的に取り組むべきワイヤレス技術分野の推進方策)に基づき、令和
7年9月に「重点技術作業班」
(主任:森川 博之 東京大学大学院 工学系研究
科 教授。以下「作業班」という。)を設置し、ワイヤレス分野における重点技術
領域及び重点技術領域の推進方策等について、専門的な見地から、具体的かつ集
中的な検討を行った。 本中間答申は、委員会における検討の結果を取りまとめ
たものである。
3
第1節
検討の背景
情報通信ネットワークは国民生活にとって重要なインフラであり、あらゆる
産業の基盤と言われる中、特に、電波を用いるワイヤレス技術は、次世代情報通
信基盤においても「いつでも、どこでも繋がる」情報通信ネットワークの実現に
不可欠である。また、電波は、センシング、制御、エネルギー伝送等、通信以外
の用途にも用いられるなど、その利用範囲が拡大している。
これらのワイヤレス技術を支える我が国の機器メーカは厳しい状況にある。
2000 年代以降、通信機器の国内生産は減少傾向となっている。1990 年代半ばま
で内需主導だったが、2000 年代後半からはスマートフォンの登場を背景に輸入
が急増している。また、グローバル市場における我が国企業のシェアは、2023
年時点で携帯電話基地局全体では一桁、スマートフォン端末ではほぼゼロとな
っている。通信分野は、かつては成長分野とされてきたが、グローバル競争の激
化により、例えば、携帯電話基地局の市場では海外ベンダーが市場を席巻し、国
内ベンダーが置かれているビジネス環境は危機的な状況にある。また、国内携帯
電話事業者のモバイル関連設備投資額は、2021 年をピークとして減少傾向とな
っている状況であり、インフラ整備に対する投資が伸び悩んでいる。
さらに、ワイヤレスネットワークの整備・運用や、それを利用するためのサー
ビス開発、ユーザ産業におけるワイヤレス人材の不足が見込まれ、将来に亘って
我が国のワイヤレス分野の技術力を持続的なものとしていくための人材育成の
在り方についても課題となっている。
ワイヤレス技術は国民生活に広く浸透してきている一方、国民生活の多くが
ワイヤレス技術に支えられているといった認識は薄れてきており、ワイヤレス
技術の重要性や前述のようなワイヤレス分野を取り巻く危機感が広く国民に理
解されていないといった現状がある。
こうした状況を踏まえ、委員会の下に作業班を設置し、ワイヤレス分野におけ
る市場環境の変化、仮想化・オープン化等技術の進展を踏まえた我が国のワイヤ
レス技術の「立ち位置」を調査・分析し、有限希少な電波のより一層の有効利用
の促進に資するとともに、産業競争力の確保、経済安全保障の観点も踏まえ、我
が国として重点的に取り組むべき技術分野について検討を行った。また、上記技
術分野を戦略的に推進するために、電波利用料等による研究開発の活用の在り
方、人材育成の在り方、その他支援方策など、国、メーカ、ユーザ等関係者にお
いて推進すべき取組について検討を行った。
4
1.1
ワイヤレス技術緊急強化の必要性
ワイヤレス技術は、国民生活の安全・安心や経済活動に欠かせない社会基盤を
支えるものであるという認識のもと、安定的・セキュアなサプライチェーンの確
保に向けて、ワイヤレス技術の自律性や不可欠性の確保・向上を図っていくこと
が重要である。ワイヤレス技術は日々進化しており、オープン化、ソフトウェア
化・仮想化、AI への対応等が求められている。こうした新たな技術への対応を
含め、我が国の有する強みを活かしつつ、ワイヤレス分野の勝ち筋を検討する必
要がある。
また、我が国としてどのようなワイヤレス技術を維持・強化していくかを検討
する際には、その技術を使ったビジネスがあることが前提になければ技術を残
すことは難しく、逆に技術がなければビジネスにはならず、技術とビジネスの両
方を一体で考えていく必要がある。ワイヤレス技術を磨き、産業が活性化し、人
材が育っていくといった、技術と産業と人材の好循環を回すことが重要となっ
てきている。
さらに、他の業界・分野の取組を参考にしつつ、ステークホルダの方々が一丸
となって持続可能な通信基盤構築に向けて取り組むことが重要となってきてい
る。
以上を踏まえ、我が国におけるワイヤレス分野の重要技術の特定及びその推
進方策に関する検討に当たっては、次の三つの観点を重視することとする。
観点1 自律性・不可欠性の確保の観点
観点2 ビジネス上の戦略、産業構造、技術トレンド、レイヤー構造の観点
観点3 他分野・他産業との連携の観点
図1-1
検討に当たっての観点
5
本検討に当たっては、これまで記した背景等を踏まえ、まさに今、我が国は官
民あげて、ワイヤレス技術の緊急強化を図る必要があるとの認識のもと、
・
「ワイヤレス技術の自律性や不可欠性の確保・向上」として、ワイヤレス技術
は、国民生活の安全・安心や経済活動に欠かせない社会基盤を支えるもので
あり、安定的・セキュアなサプライチェーンの確保に向けて、ワイヤレス技
術の自律性や不可欠性の確保・向上を図っていくこと、
・
「ワイヤレス分野の魅力向上・活性化を図り、元気を取り戻す!」として、ワ
イヤレス技術を磨き、産業が活性化し、人材が育っていくといった、技術と
産業と人材の好循環を回すこと、ステークホルダの方々が一丸となって持続
可能な通信基盤構築に向けて取り組むこと
を「ワイヤレス技術緊急強化の必要性」と位置づけ、検討を行うこととする。
1.2
ワイヤレス分野の諸課題
ワイヤレス分野は様々な課題に直面しているが、とりわけ、大きく次の3つの
課題が挙げられる。インフラ投資判断の不確実性の課題、通信機器のコモディテ
ィ化、サプライチェーンの維持・強化の課題、ワイヤレス人材の確保・技能継承
の課題である。検討に当たっては、1.1 の問題意識とともに、これらの諸課題を
踏まえることが必要である。
(1)インフラ投資判断の不確実性の課題
新たな通信サービス市場の需要や立ち上がり時期の不透明性に起因し、通信
事業者によるインフラ投資判断が遅れ、スピード感で海外に劣後している。ま
た、市場ニーズに応じた製品化への取組が不十分である。こうした状況下にお
いて、ワイヤレス分野で我が国が国際競争力を獲得するべく、市場ニーズ等の
マーケット分析を行うとともに、何をすれば、ワイヤレス産業として攻めるこ
とができるか、あるいは我が国のワイヤレス産業を守ることになるか、我が国
の立ち位置を見出していくことが課題となっている。
(2)通信機器のコモディティ化、サプライチェーンの維持・強化の課題
通信機器の標準化により、コモディティ化が加速し、各社ともハードウェア
事業では市場シェアを求めて、価格競争が進行している。機能、付加価値がデ
バイスとソフトウェアに集約しつつある。また、海外ベンダーの寡占化によっ
て、国内技術基盤と自律性が弱体化、国内ベンダーは非常に厳しい状況にある。
加えて、ベンダーロックインによって、柔軟なネットワーク構築が困難になり
6
つつある懸念がある。
日本の強みである素材や部品の事業者と、通信事業者や最終製品事業者との
間での競争連携機能が諸外国と比べて薄く、サプライチェーンが縦割りで、統
合力に乏しい現状もある。
海外のグローバル通信機器トップベンダーも、資本市場からは厳しい評価に
あり、必ずしも国内ベンダーだけが厳しい状況にあるわけではなく、海外ベン
ダーも苦戦している状況である。こうした状況下において、我が国として、ワ
イヤレス分野でどのようなエコシステムを形成し、サプライチェーンを構築し
ていくかが課題となっている。
図1-2
ワイヤレス産業のサプライチェーン概要
(出典)重点技術作業班第6回資料6-1(株式会社三菱総合研究所提出資料)
(3)ワイヤレス人材の課題
市場の縮小と将来の不透明化によって、ワイヤレス人材の確保が困難となり
つつある。大学や企業における教育・研究環境としての人材育成機能は弱体化
しており、AI、ソフトウェアやウェブなど、現在若い人たちが多く参入してい
る分野に比べて、ワイヤレス分野は参入障壁が非常に高いことも課題となって
いる。技術トレンドと人材ミスマッチが生じており、通信機器のソフトウェア
化が進む中で、ソフトウェア人材不足も懸念されている。また、熟練人材は高
齢化しており、現場を支える技術継承の困難化が懸念されている。
このままにしておくと、好循環とは逆回りのデフレサイクルが続いてしまい、
7
産業が衰退し、人材が居なくなり、ワイヤレス技術がなくなるおそれがある。
後戻りできなくなる不可逆ポイントはどこにあるかを捉え、不可逆ポイントを
越えると、どのような問題が顕在化するかも想定しつつ、ワイヤレス技術を磨
き、産業が活性化し、人材が育っていくといった好循環を回すための方策を見
いだしていくことが課題となっている。
1.3
ワイヤレス分野の技術トレンド・特徴
ワイヤレス技術は常に進化しており、今後の技術トレンドを踏まえた検討を
行うことが必要である。また、同時に、物理的、システム的側面も含め、ワイヤ
レス分野の特有の状況を踏まえることが必要である。
今後の技術トレンドとしては、大きく次の(1)から(3)までの3点が挙げ
られる。
(1)オープン化への対応
従来、基地局を構成する機器は同一メーカのものを用いる必要があったもの
を、構成する機器のインターフェースのオープン化により、マルチベンダー化
を可能とするオープン RAN 1の取組が進展しており、これにより、ベンダーロ
ックイン脱却やネットワーク柔軟性の確保等が期待されている。現状、無線設
備市場に占めるオープン RAN の割合は 2024 年 5 月現在で約7%となってい
るが、2029 年には 25%へ増加するとの予測がある 2。
図1-3
無線設備のインターフェースのオープン化
(出典)重点技術作業班第3回資料3-1(株式会社三菱総合研究所提出資料)
RAN(Radio Access Network)
:スマートフォンなどの通信端末と基地局を無線で結び、データをコアネ
ットワーク(基幹網)へ引き渡す、モバイル通信の無線アクセスネットワーク
2 出典:TechChannel News 記事「Open RAN and vRAN revenues suffer double-digit decline in 2023」
(2024 年5月 10 日)
1
8
(2)ソフトウェア化・仮想化への対応
今後は、汎用サーバ上でソフトウェアにより基地局機能を実現する仮想化技
術として vRAN 3が主流となることが見込まれている。機能追加、高度化がソ
フトウェアの変更により容易に可能となり、これにより、ネットワーク運用の
効率性向上やコスト低減につながることが期待されている。今後、vRAN は大
幅に拡大し、無線設備市場のうち vRAN が占める割合は現状の約 8%程度か
ら 2028 年には 20%へ増加するとの予測もある。
図1-4
vRAN のイメージ
(3)AI への対応
vRAN が主流になると計算基盤が基地局に置かれることとなり、その計算基
盤を AI にも活用する AI RAN の展開が期待されている。ユーザに近い側で AI
を活用することで、低遅延な処理を実現することが可能となる。我が国は
vRAN、AI RAN の開発で先行している。
さらに、今後、自動運転やロボティクスへの AI の適用など、フィジカル AI
の実現にはワイヤレスネットワークが不可欠であり、AI とワイヤレス技術の
融合が進展していくことが期待される。
一方、ワイヤレス分野の特徴としては、大きく次の(4)から(7)までの4
点が挙げられる。
(4)電波を出すところにアナログ技術が必須
様々なワイヤレス機器に用いられる RF モジュール 4やフィルタ、アンテナ
等の部品やデバイスなど、アナログ技術は、最終的に電波を送り、受けるため
には不可欠なものである。このようなアナログ技術はデジタル技術と比べて模
3
4
vRAN(Virtual Radio Access Network):仮想化無線アクセスネットワーク
RF(Radio Frequency)モジュール:無線信号の送受信を行う電子部品を 1 つの基板に封止した小型の
通信モジュール
9
倣困難性が高く、一度その技術が失われると取り戻すことが難しいことから、
アナログ技術を維持し続けることが求められている。
(5)個々の技術だけでなく、エリア設計や運用・保守等、人材も含めた総合エ
ンジニアリング力が必要
ワイヤレスシステムの特徴を十分発揮し、より一層活用していくためには、
単に技術の強化にとどまらず、システムの利用環境・ユーザや、要求条件、タ
ーゲット市場等を俯瞰し最適なシステムを提案し、実現可能な技術の選択や、
素材・部品・デバイスの特性・性能を総合的に考慮した開発・実装ができるエ
ンジニアリング・デザインの能力が求められている。
(6)設計・構想段階から他分野・他産業と連携を図るワイヤレス・バイ・デザ
インの取組が重要
ワイヤレスシステムの導入・活用に当たって、使用可能な周波数やワイヤレ
ス技術の選択が困難などの理由により、ビジネス化が進展しないといった問題
が指摘されている。これに対して、ワイヤレス産業と他分野・他産業との連携
を設計・構想段階から図るワイヤレス・バイ・デザインの取組が求められてい
る。
(7)周波数の高度利用を図ることが必要
低い周波数帯はひっ迫している中、周波数政策上、ミリ波等の高い周波数帯
の利用が必須な状況にある。ミリ波は波長が極めて短く、伝送距離が短い一方、
大容量通信が可能である中、微細加工や製品への組み込みに高い技術力が必要
であるなど、機器・サービスの技術的難易度が非常に高く、市場は現時点では
十分には立ち上がっていない。
ミリ波等の通信装置用の部品・デバイスでは我が国は高いシェアを有してい
る。今後、ミリ波の利用シーンの拡大が見込まれ、部品・デバイスの強みを活
かした製品・サービス市場の更なる拡大が期待されている。
また、既存周波数がひっ迫しているなか、時間・空間・機能の各軸での高度
利用を図るなど、周波数の更なる有効利用を図ることが求められている。
10
図1-5
無線局数の推移
11
第2節
我が国のワイヤレス分野を取り巻く現状と
課題
検討を行うに当たって、我が国のワイヤレス分野を取り巻く現状と課題を把
握するため、作業班において、ワイヤレス分野を取り巻く現状と課題について、
構成員・関係事業者等へのヒアリング等を実施した。
その際、ワイヤレス技術が活用される領域として、以下の3領域を念頭に現状
と課題の整理を行った。
1
共通・基盤的なワイヤレス技術、ワイヤレス人材等の領域
ワイヤレス技術の利用範囲の拡大に伴い、ワイヤレスシステムを構成する部
材や素材といった共通・基盤的な技術の重要性が増している。また、将来に亘
って我が国のワイヤレス分野の技術力を持続的なものとしていくためには人
材育成は大きな課題となっており、ワイヤレス技術を支える人材育成の在り方
等も重要である。
2
自営網や国・地方公共団体等の公共分野におけるワイヤレス技術の領域
警察・消防無線、市町村防災行政無線、鉄道・電力用無線、気象レーダ等、
我が国の安全・安心や、重要な社会インフラ基盤を支える業務においても、ワ
イヤレス技術が活用されている。
3
キャリアの通信ネットワークに関するワイヤレス技術の領域
携帯電話事業者(キャリア)が構築する通信ネットワーク(基地局等)は、
我が国の経済や社会を支えるインフラ基盤であるとともに、市場はグローバル
に広がっており、最先端の技術の導入・活用が行われている領域である。
ここでは、それぞれの現状と課題について、ヒアリングにおいて聴取した意
見等を整理した上で、考え方を示すこととする。
2.1
共通・基盤的なワイヤレス技術、ワイヤレス人材等の
現状と課題
ワイヤレス技術は様々な製品やシステムに用いられる中、それらの共通・基盤
的なワイヤレス技術としての素材・部品・デバイスについて、また、ワイヤレス
12
人材等に関する現状と課題について、ヒアリングにおいて聴取した意見等を整
理する。
2.1.1
共通・基盤的なワイヤレス技術
RF の設計や SoC 5の開発は、単なる理論だけではなくて、経験値や職人的
な感覚が必要である。IC 6を使った製品開発とは異なり、RF や SoC の開発
を基礎から教育することや人員確保に苦心しており、無線機の開発に必要
な基礎教育の充実は必要である。
無線通信において信号の送受信の処理を行う基盤技術である RF の設計に
係るノウハウの積み重ねは重要である。市販の IC を採用して容易に設計を
行うこともできるが、公共分野等で求められる一定以上のレベルの製品に
ついては、市販の IC では設計評価基準を満たさないことが多く、独自に個
別部品を組み合わせて回路設計を行うことがある。
RF の部品領域は世界の中でも日本のプレゼンスが極めて高い。フィルタや
パワーアンプを国内の工場等で生産して海外に展開することでグローバル
にも強みを持っている企業や、高い性能の領域のところに絞ったアンプ・
制御技術・フィルタの開発をしている企業もあり、RF モジュール、フィル
タ、アンテナ技術等の部材、素材の領域についても議論が必要である。
大企業だけでなく、ローカル5G や、自動運転向けの通信システム等を手
掛ける組み込み系のベンチャー・中小企業を支援し、日本発のチップやシ
ステム組み上げを後押しすることも有効ではないか。
図2-1
世界の電子部品市場(売上高)のシェア 7
(出典)令和7年度情報通信白書
SoC(System on Chip):CPU、GPU、メモリ、通信モジュールなど、システム動作に必要な複数のコ
ンポーネントを 1 つのチップ上に集積した半導体
6 IC(Integrated Circuit)
:集積回路
7 日本企業は、携帯基地局やスマートフォンなどに組み込まれている電子部品市場(売上高)では、2023
年時点で世界の 33%のシェア。
5
13
ものづくりからコトづくりへの流れが加速し、コア技術の競争力が低下し
ていることが懸念される。ワイヤレス分野では、一度技術を失えば、復活
には莫大なコストと時間が必要である。日本が強みを持つオープン RAN 等
の技術に加えて、スマートフォンやロボット、車を含む IoT 機器等、エッ
ジに関する日本のエコシステム維持・強化への支援は、国力強化、経済安
全保障の確保の観点からも必須である。
部材系ベンダーの中には、そのサプライチェーンの中で大きなプレイヤー
の下に入り込むことで大きく海外での売上げを伸ばしている事例を見るこ
とができる。サプライチェーン上の位置づけやそこに入り込む競争力が、
部材系ベンダーと上のレイヤーのセット系ベンダーで大きく違い、上に行
けば行くほどスケーラビリティや統合的なオペレーション、保守運用体制
といった大きなスケールを持たないと競争できないという市場構造がある。
2.1.2
ワイヤレス人材に関する事項
資本の論理で仕方がないという見方もあるが、このままにしておくと、日
本からワイヤレス技術やノウハウがなくなってしまうことが最大の懸念で
ある。一度撤退してしまうと、この分野は再参入の障壁は非常に大きく、
日本で培ってきたノウハウがなくなってしまい、人材が育てられなくなっ
てしまうという点が非常に大きな課題である。
我が国において現状のまま何もしないでいると、産業自体も細り、人材も
細ってくる。人材育成の裾野の広さも重要であり、特に、上位のアプリケ
ーションに近いところで試行錯誤できる環境も必要で、そこでのイノベー
ションがより求められる。
人材育成の面では、どこの大学や研究機関がワイヤレス分野に注力してい
るか特定しながら、ワイヤレスに関する技術や知見を獲得することが将来
的にどうプラスになるかを周知していく活動など、すべての関係者が協力
して取り組んでいくべきである。
日本のエレクトロニクス企業は、20 世紀には技術力の高さに裏づけられた
機能・性能の価値を競争優位の源泉としてきたが、戦略・マーケティング
等の力はつかないまま成長してきた。現在でもエンジニアの能力は高いが、
戦略・マーケティングの能力の欠如が、単に技術力競争ではなくなった通
信産業の競争における弱みである。企業内で戦略・マーケティング人材の
登用とエンジニアに対する戦略・マーケティング能力のリスキリングが必
要である。
14
無線機器メーカは、直近で儲かるビジネスに特化する形で人材の配置・育
成を行っており、その他を切り離す方向性となっているが、切り離しの対
象になりかねない通信事業領域にも高い技術力を有したエンジニアが多数
いる。ここに戦略能力を付加するか、リスキリングすることで、小規模で
も生き残れる事業戦略を構築できるよう、国を挙げてサポートしていくこ
とが大切である。
技術開発コミュニティを拡大して競争力に転化していくこと、大学や国研
等をフル活用した人材育成や産学連携に国も積極的に投資をしていくこと
が重要。大学は産学官の様々なステークホルダのいわば交差点であり、大
学を核とした人材育成を行うべく、大学をプラットフォームとして使って
いただきたい。大学や研究機関を特定・指定した拠点型のファンディング
を行うなど、思い切った政策を打っていただきたい。
外資系ベンダーの日本拠点において、国内の優秀な無線エンジニアを受け
入れるアプローチを検討することも考えられる。
人材にも、ワイヤレスを開発する側の人材と利用する側の人材があって、
両方が必要である。すべての産業において無線が必要であり、利用する側
にも無線を分かっている人材、保守・運用する人材が多数必要になるはず
で、そこが弱体化していくのは避けるべきである。
図2-2
ワイヤレス人材の不足 8
(出典)重点技術作業班第1回資料1-4(事務局資料) 9
8
5Gビジネスの拡大とともに、人材が更に必要となることが想定されるところ、今後5年間で、電波産業
においてネットワーク整備・運用に携わる「5Gワイヤレス人材」(電波産業において5G・ワイヤレス
等ネットワーク整備・運用に携わる人材)が+1~2万人程度必要、また、ユーザ企業側における「5G
利用人材」
(5Gを活用したサービス開発やユーザ産業において5G利活用に携わる人材)が+1.6 万人程
度必要であることが見込まれている。
9 デジタル変革時代の電波政策懇談会5Gビジネスデザインワーキンググループ第7回(令和5年4月 26
日) 株式会社三菱総合研究所提出資料を基に作成
15
現在、優秀な若手人材の関心はソフトウェアや AI に向いており、電気通信
産業は避けられがちな状況にある。そのため、ワイヤレス分野に AI やソフ
トウェアの要素を戦略的に絡めることで、若者を惹きつける体制づくりが
必要である。
ワイヤレス技術単体ではなく、自動運転やリニア新幹線の通信システムな
ど「ユーザ側の視点で何が実現できるか」を見せることで、学生や若い人
材を惹きつけることが重要である。
モバイルシステム全体を設計・構築できる「システムアーキテクト」的な
人材が不足しており、重点的に対策する必要がある。ワイヤレス単体の知
識だけでなく、アプリから物理層まで、クラウドから端末まで、全てをフ
ルスタックで理解した人材を育成する必要がある。
2.1.3
考え方
ワイヤレス分野は、電波を出すところは必ずアナログ技術が使われる。アナロ
グ技術はデジタル技術と比べて模倣困難性が高く、一度その技術が失われると
取り戻すことが難しいことから、アナログ技術を維持し続けることが必要であ
る。特に、RF の部品領域は世界の中でも日本のプレゼンスが高く、RF モジュ
ール、フィルタ、アンテナ技術等の部材、素材の領域についても検討が必要であ
る。
また、大学等と連携したワイヤレス人材の育成が必要である。その際、ワイヤ
レス人材はワイヤレス技術を開発する側でも利用する側でも求められることか
ら、他分野・他産業とも連携し、ワイヤレス人材の必要性を周知し、更なる魅力
向上を図るべきである。
2.2
自営網や国・地方公共団体等の公共分野におけるワイ
ヤレス技術の現状と課題
ワイヤレス技術は、警察・消防無線、市町村防災行政無線、鉄道・電力用無線、
気象レーダ等、自営網や国・地方公共団体等の公共分野において、我が国の安全・
安心や、重要な社会インフラ基盤を支える業務の領域で活用されており、この領
域における現状と課題について、ヒアリングにおいて聴取した意見等を整理す
る。
16
図2-3
公共分野におけるワイヤレス技術の利用イメージ
(出典)重点技術作業班第4回資料4-5(日本無線株式会社提出資料)
2.2.1
国内において確保すべき(残すべき)技術
この領域で我が国が強みを持つべき技術、今後開発すべき技術としては、
狭帯域の通信技術、ミリ波技術、多重無線、衛星-地上の統合技術のほか、
高付加価値の技術・特定用途技術として、気象レーダ等、特殊でコモディ
ティ化していない高付加価値のもの、アンテナ技術、中・短波の大電力の
送信機の開発等が挙げられる。
公共分野の無線システムはライフサイクルが長く、10 年から 15 年使用前
提でものづくりをする必要があるとともに、稼働の安定性が求められる一
方、特定の規格に沿ったシステムが多く、汎用性が低いといった特徴があ
る。収益率が低く、人材不足の中で、リソース確保や研究開発が難しい状
況にある。
図2-4
事業継続上の課題
17
2.2.2
将来的なワイヤレス事業への取組の方向性
国内大手ベンダーはソフトウェアに事業の重心がシフトしていると感じて
いる。いわゆる個別のものづくりは手間がかかるため、少し敬遠されてい
る傾向があると感じている。それに対して、ものづくりを中心として、AI
や SaaS など最先端の技術を組み合わせて、ユニークかつ高品質なものづ
くりを軸とした展開を日本の社会インフラ事業に対して提供していき、そ
れを広げていきたいと考えている。
いわゆる社会インフラにおけるICT事業領域は全部責任を持ってやりた
いと考えている。
グローバル化したいが、日本に特化した仕様を一生懸命つくる中で、それ
をそのまま海外に持っていけない。周波数や仕様が違うということ、日本
の仕様はとても高機能でコストが高いということがあり、そのまま外に持
っていくというのは難しい状況である。
2.2.3
考え方
防災・ライフライン分野を支えるワイヤレス技術や、気象レーダ、アンテナ、
中・短波無線等高度・特殊な技術ニーズへの対応が必要となるとともに、稼働の
安定性・長期保守が求められる中、技術や体制の維持・強化をどのように図って
いくか検討が必要である。
引き続き、ものづくりを中心として、AI や SaaS など最先端の技術を組み合
わせて、ユニークかつ高品質な製品・サービス展開を日本の社会インフラ事業に
対して提供していくことが必要である。
2.3
キャリアの通信ネットワークに関するワイヤレス技術
の現状と課題
ワイヤレス技術は、携帯電話事業者(キャリア)が構築する通信ネットワーク
(基地局等)において活用されており、この領域における現状と課題について、
ヒアリングにおいて聴取した意見等を整理する。
18
2.3.1
技術のトレンド、今後取り組むべき技術
狭い領域の技術力に加えて、どこかと組むことを考えていかない限り、オ
ープン化はできない。無線である程度広いエコシステムでうまくつくり上
げる中で、光、無線、ネットワークの装置、オートメーションや AI を使っ
たネットワークマネジメントシステムなど、ピンポイントの技術を提供し、
大きなフレームワークはどこかと組んで提供する事業モデルを考えている。
その中でゼロタッチプロビジョニングのような技術は必須と考えている。
6G時代において AI トラヒックが支配的になると、AI に最適化したネッ
トワーク構築のノウハウが今後は非常に重要である。AI ネイティブインフ
ラというのが国力を左右する可能性も出てくる。
AI テクノロジーは、生成 AI だけではなくオートメーションやオーケスト
レーションという観点で不可避である。今後、オープン RAN も、AI 利用
の拡大に向けた計算機資源を提供していく、ケイパビリティを持つための
技術として再定義されるのではないか。また、複数の計算機資源を持った
基地局が連携するときにはオーケストレーションが必要であり、このオー
ケストレーションをどのように実現するか、省電力や高効率を意識してい
かないと、オペレーションが成り立たないといったことも起きうる。
「電波資源」と「エネルギー資源」の有効活用という視点は重要であり、
6Gに向けた評価指標として、「1 ビットあたりの消費エネルギー(J/bit)」
や「1 ビットあたりのコスト」など明確なパラメーターを設定することも
考えられる。電波の用途については、
「通信」
「エネルギー伝送」
「センシン
グ(ISAC 等)」の 3 つの軸で捉えるべきである。
2.3.2 国内ベンダーの競争優位性、国内ベンダーと国内キャリアの
関係性(国内キャリアの基地局等の調達ポリシー)
海外の基地局ベンダーと比べて、日本の基地局ベンダーが圧倒的に劣って
いる点については、規模の経済や最先端の技術を取り込む速度ではなかっ
たかと認識。ビジネスの成否は、技術は当然必要になるが、事業戦略、販
売網の構築、アフターケア、サポート体制の構築など、非常に複合的なも
ののトータルとしての成否であり、そうしたところを今後さらに磨いてい
く必要がある。また、研究開発だけ支援しても、その際になかなか結び付
かず、海外の販路をどう構築していくか、どう体制をつくっていくか、ど
う製品戦略と結びつけていくかが非常に重要である。マーケティングなど
の活動が非常に重要であるところ、各社そういったところで苦しんでいる。
19
図2-5
日本の5G 基地局(マクロセル)の市場規模(出荷額)
(出典)令和7年度情報通信白書
図2-6
世界の5G 基地局(マクロセル)のシェア(出荷額)
(出典)令和7年度情報通信白書
国内キャリア依存の脱却は、大きな事業上の危機でもあり、大きなチャン
スでもある。実際に物になるかどうかは未知数であるが、AI RAN など、実
証実験やフィールドトライアルをする中で顧客との関係性を構築するとい
う経験を経るとともに、国内の通信事業者も 2028 年、29 年に向けては新
たなインフラを仮想的に作り上げていく動きが出てくることを想定して対
応していく。
国内ベンダーにとって、国内事業は根幹の事業になる。国へ期待したいこ
とは、何が何でも国内キャリアが国内ベンダーを使うことではなく、いわ
ゆる仮想化、オープン化に対する流れをいかにキープしながら、2028 年、
29 年に向けインフラの更改を促すことである。これから数年で成長した国
内ベンダーの存在感を持って、国内キャリアにアプローチできることを考
えていきたい。
国内ベンダーの競争力がなくなってしまった理由について、新しい技術の
取り込みにおいて、海外ベンダーは様々なキャリアの意見を聞いて、先取
20
りして機能盛込みをしていくスタイルであるのに対して、国内ベンダーは
製造請負的な思想が残っていて、キャリアから指示をしないとなかなか機
能実現ができない。標準化が進んだシステムであり、標準化した機能を素
早く開発することにより、顧客ニーズに合わせてタイムリーに提供できる
ことが海外ベンダーの競争力の源泉になっており、そうして市場を広げて
いった結果、日本ベンダーは品質もコストも劣勢に立っているのではない
かと考える。
キャリアとして国内ベンダーにも様々な選定のタイミングで声かけはして
いるが、コストや機能的なところで、国内ベンダーの機器の採用にはつな
がっていない。伝送装置やコア周辺システムで国内ベンダーの製品を活用
している実績はある。
キャリアとして、基本的には国内・海外ベンダーを問わず、サプライチェ
ーンがどうなっているか、どういった形でものを調達しているかをチェッ
クしている。国内ベンダーに対して特段優遇することも排他することも行
っていない。ただ、調達のサプライチェーンにおいて、国内メーカが弱か
ったという経験はある。
サプライチェーンリスクや、価格競争の競争環境をつくる、あるいは技術
的な競争環境をつくるという意味で、なるべくマルチベンダー化している。
新しいベンダーを選定することができるある程度のボリュームやタイミン
グがあれば、積極的に新しいベンダーを選定し、より新しい技術を安いコ
ストで導入していく機会を狙っていく形で進めている。
図2-7
RAN ベンダーを選定する際に最も重要な基準(最大 3 つ) 10
(出典)重点技術作業班第3回資料3-1(株式会社三菱総合研究所提出資料) 11
OMDIA 社による世界各国のキャリアに対するアンケート調査結果(2024:101 社、2023:106 社)。
2024 年では、「製品及び S/W の信頼性」や「財務的安定性」、「Open RAN 対応」など、品質・継続性に
関する基準が上昇。一方で、2023 年に相対的に高かった「低価格」や「コストパフォーマンス」志向は
後退。このように RAN ベンダー選定において「コスト中心」から「信頼性・サポート重視」へシフトす
る傾向。
11 OMDIA ”Service Providers RAN Survey – 2024” を基に三菱総合研究所作成
10
21
1つのベンダーに完全に依存してしまうと、キャリアの事業の品質がベン
ダー次第で左右されてしまうので、複数社に分けて、それを我々の中でも
競争させて、品質がいいものをたくさん買う、品質が悪いものはだんだん
シェアが減っていく、といった緊張感を持った関係で取り組んでいきたい。
5G SA によるネットワークスライシングを活用した高品質で付加価値の
高い通信サービスでマネタイズしていく方向性を追求すべきである。SA へ
のキャリアの投資が鈍っているのはこうしたマネタイズの戦略を描ききれ
ていないからであり、これがうまくいくと分かれば一気に SA 化が進むと
考えられる。
2.3.3
考え方
仮想化、オープン化の一層の進展、AI と RAN の融合(AI for/on/and RAN)が想
定される。また、AI も活用したゼロタッチプロビジョニングや、低消費電力化
等オペレータの TCO 12削減に向けた技術も重要視されている。
国内ベンダーが基地局等の製造開発に十分な投資ができず、グローバル市場
で海外ベンダーに劣後している中で、国内ベンダーとして競争優位性をどのよ
うに確保するかが課題である。国内ベンダーにとって、国内キャリアに依存し過
ぎず、海外キャリアに向けた事業展開が求められる。一方、オープン RAN、vRAN
を海外に展開するためには、国内での実績も重要である。国内キャリアが海外ベ
ンダーの製品を採用することについて、サプライチェーンをどのように考える
かの検討も必要である。
12
TCO(Total Cost of Ownership):総保有コスト
22
第3節
重点技術領域の特定
ワイヤレス分野の重点技術領域を設定するに当たっては、その目的や必要性
(政策的意義)等を明確にしつつ、前節において整理したワイヤレス分野の現状
と課題、第 1 節で示した検討の観点(①自律性・不可欠性の確保の観点、②ビジ
ネス上の戦略、産業構造、技術トレンド、レイヤー構造の観点、③他分野・他産
業との連携の観点)等を踏まえ、我が国として重点化すべき技術領域と、当該領
域において我が国が残すべき(伸長すべき)ワイヤレス技術の特定に向けた整理
を行う。
重点技術領域を検討するに当たっては、次の5つの軸を踏まえることが適当
である。
(1)
【共通・基盤的】 様々な分野や産業(例:自動車、ロボット、組み込み
系)に求められる共通・基盤的な重点技術(例:部材、素材、SoC、アン
テナ技術、ワイヤレス IoT)
(2)
【公共分野】 自営網や国・地方公共団体等の公共分野において我が国と
して保持すべき重点技術(例:国民の安全・安心を守る無線システム、重
要インフラを支える無線システム)
(3)
【先進的・不可欠性】 海外市場の飛躍的な獲得のための先進的で不可欠
性の確保に資する重点技術(例:オープン RAN、vRAN)
(4)
【先進的・自律性】 海外に依存しないサプライチェーン維持のための先
進的で自律性の確保に資する重点技術(例:RU 13技術)
(5)
【高度な技術等】 その他ワイヤレス分野の高度な技術や通信以外の用途
における重点技術(例:ミリ波、NTN、レーダ、測位、高周波利用設備)
3.1 重点技術領域の体系
重点技術領域としての5つの軸を踏まえ、以降、ワイヤレス分野の全体像、目
的・必要性、体系、工程表の整理を行った。
重点技術領域として、2030 年代に向けた市場、技術動向を踏まえ、ワイヤレ
ス技術が求められる主要なシステムを念頭においた「システム技術領域」と、そ
れらを支える「コア技術領域」
(共通技術領域)の大きく2つから整理した上で、
RU(Radio Unit):基地局においてアンテナを制御し、スマートフォン等の端末と無線電波の送受信を
行う物理的な装置
13
23
自律性・不可欠性の確保、ビジネス上の戦略、技術トレンド等の観点を踏まえ、
以下のとおり重点技術領域を特定した。
図3-1
重点技術領域の全体像
1 システム技術領域
1-1 フィジカル AI・IoT システム フィジカル空間のあらゆるモノとネットワ
ーク空間との通信を実現するワイヤレス技術
1-2 重要インフラ・ナショナルセキュリティシステム 我が国の安全・安心や
重要インフラを支える基盤に用いられるワイヤレス技術
1-3 次世代通信システム(B5G) 携帯電話事業者等が構築する通信ネットワ
ークに用いられるワイヤレス技術
2 コア技術領域
2-1 AI・フロンティア領域 AI や先進的な技術を活用したワイヤレス技術
2-2 素材・部品・デバイス領域 ワイヤレス機器に用いられるフィルタ、アン
テナ技術等のワイヤレス技術
2-3 エンジニアリング・デザイン領域 ワイヤレスシステムやネットワークの
構築において利用環境や要求条件等を総合的に考慮した開発・実装を可能
とするノウハウやワイヤレス技術
24
ここで、コア技術領域における重点技術領域(AI・フロンティア領域、素材・
部品・デバイス領域、エンジニアリング・デザイン領域)は、システム技術領域
(フィジカル AI・IoT システム、重要インフラ・ナショナルセキュリティシステ
ム、次世代通信システム(B5G))の全てに貢献するものである。
また、フィジカル AI・IoT システムは、重要インフラ・ナショナルセキュリテ
ィシステムや次世代通信システムと連携するなど、システム技術領域内におい
てそれぞれのシステムは関連性を持つものであり、コア技術領域内においても
それぞれの技術は関連性を持つものである。
なお、ここでの重点技術領域は、ワイヤレス分野全般を俯瞰し、2030 年代に
必要とされるワイヤレスシステムや個別技術を具体化する観点から整理するも
のであり、既に政府戦略等において重点化する技術領域が定められている分野
においては、重点技術に関する取組を進める際は、これらの戦略との連携・役割
分担等に留意することとする。例えば、宇宙・衛星分野におけるワイヤレス技術
は、
「宇宙技術戦略」
(宇宙政策委員会)に基づき取組が進められているほか、国
立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が取り組むワイヤレス技術について
は、中長期目標及びそれに基づき策定される中長期計画に基づき取組が進めら
れている。
3.2
重点技術領域の目的・必要性
それぞれの重点技術領域の目的・必要性は次のとおりである。
3.2.1 【システム技術領域】フィジカル AI・IoT システム
自動運転車、生産ロボット、介護ロボット、工場の生産設備、センサーネット
ワークなど、フィジカル空間上のあらゆるモノにワイヤレスシステムが組み込
まれ、ワイヤレス通信によりネットワークに接続され、様々なデータを収集し、
また、AI 等の活用により自律的、自動的にフィジカル空間に適時的確にフィー
ドバックを行う、フィジカル AI、IoT といったシステムの実現、展開が見込まれ
ている。
このようなシステムの実現には、ワイヤレス技術の活用が必須であり、フィジ
カル空間とネットワーク空間とのワイヤレス通信技術は、今後の社会経済活動
に必要不可欠なものとなる。様々なフィジカル空間の情報や制御情報が通信さ
れることから、これらの情報を自らコントロールする観点から、我が国として、
25
自律性を確保する必要がある。また、今後の成長が期待され、大きな市場が見込
まれる領域であり、他分野・他産業との更なる連携を図り不可欠性を獲得するこ
とで、世界をリードしていくことが必要である。
具体的には、いつでもどこでも接続可能な、コネクティビティの確保のための
ワイヤレスの接続領域の拡張、無線ネットワークの構築に必要な回線・エリア設
計、様々なフィジカル・IoT システムに適用される無線チップ技術や、組み込み
系技術などに関するノウハウや技術の獲得・継承が求められる。また、その際、
システムを開発する側と、ワイヤレス通信を設計する側で意識の乖離が無いよ
う、両者を繋ぐインターフェースやプラットフォームの構築が重要である。
3.2.2 【システム技術領域】重要インフラ・ナショナルセキュリテ
ィシステム
警察・消防無線、市町村防災行政無線、放送、鉄道、電力用無線、レーダなど
に活用されているワイヤレス技術は、我が国の安全・安心や重要な社会インフラ
を支える基盤となっている。
このような、重要インフラ・ナショナルセキュリティの領域に用いられるワイ
ヤレスシステムは、ライフサイクルが長い一方、その間に製品・サービスの供給
途絶や、保守・サポートが継続困難となった場合、我が国の社会・経済活動に直
接大きな支障が及び、また、国民の安全・安心を直接脅かす事態になりかねない。
重要インフラやナショナルセキュリティの維持・確保の観点から、自律性を確保
するために強靱なサプライチェーン(供給体制)を構築・維持するとともに、設
計技術等のノウハウを含めたワイヤレス技術を保持する必要がある。
具体的には、先進的な技術だけでなくレガシーな技術も含めて、高度かつ特殊
なニーズへの対応、技術の継承・確保を図っていくことが必要である。また、使
用する部品の汎用性が低く、その EOL 14が短いことから、修理・更新を行う際
に、部品の製造中止、あるいは事業撤退により部品調達が不可といった問題が生
じている。あるいは、国内ベンダーの撤退等により部品調達において海外ベンダ
ーへの依存度が高まる事態が生じている。自律性の確保の観点から、システムに
用いられる部品・デバイスも含めて、この領域におけるワイヤレス技術を保持す
る必要がある。
3.2.3 【システム技術領域】次世代通信システム(B5G)
14
EOL(End of Life):提供終了時期
26
携帯電話事業者(キャリア)が構築する通信ネットワークは、我が国の経済や
社会生活に不可欠な情報通信インフラである。市場はグローバルに広がってい
る一方、従来のハードを中心とした基地局装置はグローバルにも価格競争やコ
モディティ化が進展し、国内ベンダーはグローバル市場で海外ベンダーに劣後
している。また、国内キャリアにおいても海外ベンダーへの依存度が高まってい
る。
こうした中、我が国の基盤的な通信インフラを支える観点から、一定の自律性
を確保すべきではないかとの指摘があるほか、基地局(無線設備)の仮想化やオ
ープン化の取組が進んでおり、当該分野において先行した取組を進めていた我
が国はグローバルに国際競争力(不可欠性の確保)を高めることができる余地が
あるとの指摘もある。不可欠性を確保することにより、主要海外ベンダーとの交
渉力を高めることにもつながる。
(現状のままであれば、我が国のワイヤレス産
業が縮減し、ワイヤレス人材が確保できず、関連技術を失うことになる。)
国内ベンダーがステークホルダの理解のもと経営層を含めたビジネス戦略を
策定した上で、組織体制(人材確保)や経営資源を用意し、事業に取り組むこと
を前提として、高度な RU を構成するための無線素子、チップの設計・開発技
術、オープン RAN、vRAN に関する技術、AI の適用・活用に関するワイヤレス
技術を保持する必要がある。
3.2.4 【コア技術領域】AI ・フロンティア領域
AI の進展に伴い、AI をワイヤレス技術に活用し、周波数の更なる有効利用や、
ワイヤレスネットワークの運用・保守の効率化・自動化が期待されている。また、
一般的に、最先端技術が先行して実装される市場には、グローバルな研究開発投
資が向けられる傾向があり、我が国はグローバルベンダーからも一定の注目を
されている市場である。
AI をワイヤレスネットワークに活用すること(AI for RAN)により、我が国の
周波数の使用状況やモバイルネットワークの構成など、自国のデータを AI に学
習させることにより、我が国の事情に応じた最適な周波数の有効利用や運用・保
守の効率化・自動化が可能となる。仮に海外ベンダー製の AI を導入した場合、
他国の学習データに基づき、我が国にとって最適解が得られないおそれがある。
したがって、自律性の確保の観点から、国内ベンダーによる AI を活用したワイ
ヤレス機器の開発・設計、国内への供給体制の確保が求められる。逆に、グロー
バルにも、今後、海外ベンダーが AI を活用したワイヤレス機器の開発・生産を
行うことが見込まれる中、我が国が率先して、開発・生産を先進的に行うことで、
自国・他国のデータに基づく優れた AI を活用したワイヤレス機器を開発するこ
27
とができ、これによりグローバル市場をリードすることが可能となり、我が国の
国際競争力の獲得(不可欠性の確保)が期待される。
さらに、ワイヤレス分野が厳しい状況にある一方、我が国には、先進的な技術
を生み出す土壌はまだ残されている。グローバルな研究開発投資を得ていく観
点からも、将来の発展の種となる技術を生み出し、世界に先駆けて先端技術を実
装し、先行した市場を作っていく環境を整備し、海外の有力プレイヤーとも連携
して、グローバル市場のニーズを反映した研究開発の枠組みやサプライチェー
ンを意識した不可欠性の確保に資する取組が重要である。
3.2.5 【コア技術領域】素材・部品・デバイス領域
RF の部品領域は世界の中でも日本のプレゼンスが高い。他方、様々なワイヤ
レス機器に用いられる RF モジュールやフィルタ、アンテナ技術等の部品やデバ
イスは、アナログ信号処理を行うところ、アナログ技術はデジタル技術と比べて
模倣困難性が高く、一度その技術が失われると取り戻すことが難しいことから、
こうしたアナログ技術を維持し続けることが必要である。
また、我が国においては無線通信用専用チップ(ASIC 15)の開発体力がなくな
ってしまったことから、外国の ASIC の採用や、FPGA に頼ることが多く、外国
のチップベンダーへの依存度が高まり、ハード面でもコスト面でも競争力を失
っている。こうしたことから、主要な無線デバイスについて、自律性の確保の観
点から、技術を維持・獲得していくことが必要である。
具体的には、多様なシステムへの応用を見据えた ASIC の設計、開発等を国内
ベンダーが協調して行うことや、部品・デバイスの共用化を図ることが求められ
る。また、ミリ波 RF デバイスなどの先進的な技術の開発とともに、レガシーな
技術としての RF モジュール、フィルタ、アンテナ技術等の開発も含めて、ワイ
ヤレス技術の維持・強化が求められる。
3.2.6 【コア技術領域】エンジニアリング・デザイン領域
経済社会活動や国民生活にワイヤレス技術が欠かせないものになっている現
在、ワイヤレスシステムの特徴を十分発揮し、より一層活用していくためには、
単に技術の強化にとどまらず、システムの利用環境・ユーザや、要求条件、ター
ゲット市場等を俯瞰し最適なシステムを提案し、実現可能な技術の選択や、素
15
ASIC(Application Specific Integrated Circuit):特定の機器や用途に合わせて専用設計された集積回路
28
材・部品・デバイスの特性・性能を総合的に考慮した開発・実装ができるエンジ
ニアリング・デザインがより重要となっている。
ワイヤレスシステムの導入・活用に当たって、使用可能な周波数やワイヤレス
技術の選択が困難などの理由により、ビジネス化が進展しないといった問題に
対して、ワイヤレス産業と他分野・他産業との連携を設計・構想段階から図る「ワ
イヤレス・バイ・デザイン」を進めるための取組が求められる。また、医療機関、
公共施設や大規模会場におけるワイヤレスシステムの活用において、様々な機
器との干渉・混信が生じないよう、ワイヤレス空間をコーディネートする技術や
人材は、今後その重要性が増してくると考えられる。このような技術や人材を維
持・強化していくことは、ワイヤレスシステム全体の競争力を強化するとともに、
適時適切なワイヤレスシステムを自律的に構築可能な体制を維持可能としてい
くことにもつながるものである。
具体的には、ワイヤレスネットワークの構築におけるエリア設計のノウハウ
や回線設計技術、電波環境の計測・評価技術は、円滑かつ効果的にワイヤレス機
器を設計・開発するためには欠かせないものである。これまで国内ベンダーが培
ってきた基礎技術やレガシー技術の技術継承を含め、ワイヤレスのエンジニア
リング・デザインの技術は、我が国として保持・伸長する必要がある。
3.3
各領域における重点技術とその工程表
各重点技術領域における、我が国として残すべき/伸長させるべき個別の重
点技術として、以下の表のとおり整理した。
表3-1
重点技術領域
1-1
フィジカル
AI・IoT シス
テム
主な重点技術
重点技術領域の特徴
(五つの軸からの整理)
(1)共通・基盤的
(3)先進的・不可欠性
(4)先進的・自律性
主な技術(例)
高精度 PNT 16
近距離測位・センシング
NTN 17
Ambient IoT
Massive IoT
モビリティ向け通信
自律再構成無線
MEC フェデレーション
PNT(Positioning, Navigation, Timing):「位置(測位)」
「経路(航法)」
「時間(時刻同期)」情報を提供
する技術システム
17 NTN(Non-Terrestrial Network)
:人工衛星や HAPS(高高度プラットフォーム)を活用し、空や宇宙か
ら地上をカバーする通信システム
16
29
1-2
重要イン
フラ・ナシ
ョナルセキ
ュリティシ
ステム
(2)公共分野
(5)高度な技術等
1-3
次世代通
信システム
(B5G)
(3)先進的・不可欠性
(4)先進的・自律性
重要インフラ向け無線
ミッションクリティカル通信
(MCX 18等)
長距離・代替通信技術
放送・マルチキャスト型伝送(5
G-MBS 19等)
PNT 妨害耐性設計
電波センシング・レーダ
RAN 高度化技術(オープン
RAN/vRAN 等)
RIC 20
ゼロトラスト RAN
Massive MIMO 21(高精度ビームフォ
ーミング等)
分散 RAN 高精度同期
セルフリー大規模 MIMO(分散 AP 協
調)
ISAC 22(通信+センシング)
メタサーフェス(RIS/IRS 23)
2-1
AI・フロン
ティア領域
(1)共通・基盤的
(3)先進的・不可欠性
(4)先進的・自律性
(5)高度な技術等
AI/ML 運用管理基盤
ゼロタッチ運用
AI RAN
AI/ML 無線インターフェース
省電力・エネルギー効率化 NW
量子安全通信(PQC/QKD 24連携)
サブ THz/THz 通信
2-2
素材・部
品・デバイ
ス領域
(1)共通・基盤的
(2)公共分野
(3)先進的・不可欠性
(4)先進的・自律性
無線 SoC/ASIC
高効率 PA 25・広帯域 ADC-DAC 26
サブ THz/THz デバイス
マルチバンド RFFE 27
先端パッケージ
低損失基板材料/ABF 28等
MCX(Mission Critical Communications):警察・消防・救急やインフラ事業者などが、災害や緊急時に
4G/5G 通信網を使い、途切れることのない確実な音声・映像・データ通信を行う技術
19 5G-MBS(5G Multicast-Broadcast Service)
:特定の地域や多数のユーザへ同時に同一コンテンツを配信
する技術
20 RIC(RAN Intelligent Controller)
:AI や機械学習を活用して基地局(RU/DU/CU)の動作を自動化・最
適化するソフトウェア・プラットフォーム
21 Massive MIMO:基地局に数十~数百のアンテナを搭載し、高精度なビームフォーミングと空間多重技
術で高速・大容量通信を実現する技術
22 ISAC(Integrated Sensing and Communications)
:無線通信インフラ(基地局など)が通信信号を用い
て周囲の環境や物体を検知・認識する技術
23 RIS(Reconfigurable Intelligent Surface)
:メタサーフェス技術を用いて、壁や窓などの表面で電波の反
射・透過・位相をリアルタイムに制御し、通信環境をスマートに最適化する Beyond 5G/6G の基盤技術、
IRS(Intelligent Reflecting Surface):多数の微小なメタ原子を配置した平面反射板により、制御回路で各
素子の反射特性を変え、入射した電波の反射方向を意図的に制御することで、6G や Wi-Fi 等の遮蔽エリ
アを解消し、高速・大容量通信のエリアを拡張する技術
24 PQC(Post-Quantum Cryptography)
:耐量子計算機暗号、QKD(Quantum Key Distribution)
:量子鍵配
送
25 PA(Power Amplifier)
:無線通信において RF 信号(高周波信号)をアンテナから放射できる強力なレベ
ルまで増幅する電力増幅器
26 ADC(Analog-to-Digital Converter)
:アナログ信号をデジタル信号に変換する装置、DAC(Digital-toAnalog Converter):デジタル信号をアナログ信号に変換する装置
27 RFFE(RF Front End)
:スマートフォンや無線通信機器において、アンテナと信号処理部の間に位置し、
信号の増幅、フィルタリング、送受切替えを担う部品群(無線周波数フロントエンド)
28 ABF(Ajinomoto Build-up Film)
:高性能半導体パッケージ基板に使われる層間絶縁フィルム
18
30
2-3
エンジニ
アリング・
デザイン領
域
(1)共通・基盤的
(2)公共分野
(3)先進的・不可欠性
(4)先進的・自律性
(5)高度な技術等
電波環境可視化
電波環境評価/チャネルエミュレー
ション
OTA 29・耐障害性試験
周波数共用・干渉管理
インフラシェアリング
これらは、各重点技術領域において、今後我が国として取組むべき重点技術の
例を、現時点の見通しに基づき整理したものである。
なお、工程表は、個別技術の厳密な年表ではなく、社会実装に向けた発展段階
の目安を示すものである。また、着手時期や実装時期は、技術成熟度だけでなく、
標準化、制度整備、評価・認証基盤、調達更新サイクル、先行需要の有無によっ
て前後しうるため、各工程表では年次を固定的に捉えるのではなく、研究開発→
実証→初期導入→基盤化・横展開といった流れを基本に整理したものである。
特に、重点技術を対象とした研究開発の目的・狙いが一様ではなく、社会実装
までの律速要因も異なるため、工程表では、研究開発の主目的と社会実装上のボ
トルネックの違いなどを踏まえて、進め方の例として、ワイヤレス分野の技術に
ついて、次の4つに類型化を行ったものである。
標準化型:研究開発の主眼が、相互接続性、共通仕様、試験法、認証条件の
確立にある類型。技術が成立していても、標準化や評価・認証基盤が整わな
ければ普及・展開しにくいため、社会実装に向けては国際標準化、試験、認
証スキーム構築が主要な節目となる。
ユースケース先行型:研究開発の主眼が、現場での有効性や運用成立性の実
証にある類型。技術単体の性能よりも、先行利用者との実証、導入効果の可
視化、運用体制や費用負担の整理等が普及・展開の前提となる。
社会実装型:研究開発の主眼が、制度、調達、責任分界、安全要件等を含め
て社会に組み込める形を整えることにある類型。技術の成熟だけでなく、制
度設計、調達要件、継続運用モデルの整備等が工程を左右する。
デバイス型:研究開発の主眼が、性能実現に加えて、量産歩留まり、供給安
定性等まで含めて事業化を成立させることにある類型。このため、仕様への
組込み、評価・認定、量産立上げ、サプライチェーン確保等が主要な節目と
なる。
3.3.1 【システム技術領域】フィジカル AI・IoT システム
OTA(Over-The-Air):無線通信を利用して、スマートフォンや車、IoT 機器のファームウェア・ソフト
ウェアを遠隔で更新・制御する技術
29
31
本領域は、フィジカル AI や IoT を現場で実装・運用可能にするための共通基
盤を担う領域であり、モビリティ、ロボット、産業 IoT 等の先行市場形成に直結
する。
通信性能に加え運用・保守・安全性も含め、現場で運用可能な仕組みとするこ
とが重要であり、状況を把握する(認識・位置・時刻)、切れずに接続する(接
続・収容)
、安全に動かし続ける(制御・運用)機能を一体で高度化することが
求められ、多様な産業現場に横展開できる共通基盤として重点化が必要である。
表3-2
技術の類型と主な技術
技術の類型
主な技術(例)
認識・時空間 状況把握と位置・時間整合を
技術
担う技術
高精度 PNT
近距離測位・センシング
接続・収容技 多数端末・移動体・広域環境で
術
も接続を維持する技術
NTN
制御・運用技 低遅延制御と運用・保守・安全
術
を現場で成立させる技術
自律再構成無線
MEC フェデレーション
Ambient IoT
Massive IoT
モビリティ向け通信
高精度 PNT:屋内外や移動体でも位置・時刻を高精度にそろえ、ロボット・
車両・作業員の協調制御や安全運行を可能とする。
近距離測位・センシング:人・物・環境の状態を近距離で常時把握し、見守
り・異常検知・動線把握を省配線・低負担で実現する。
NTN:地上網と衛星・HAPS を組み合わせ、山間部・海上・災害時を含めた
切れ目ない広域接続を実現する。
Ambient IoT:電池交換の負担を極小化し、貼る・置くレベルの超多数セン
サを長期運用して、常時データ収集の面的展開を可能にする。
Massive IoT:膨大な IoT 端末を衝突・遅延を抑えて効率的に収容し、工場・
物流・インフラ現場での同時計測・一斉制御を可能にする。
モビリティ向け通信:高速移動中でも低遅延・高信頼に接続し、自動運転、
遠隔操縦、ドローン運航などの移動体サービス等の安定運用を実現する。
自律再構成無線:障害や環境変動に応じて通信経路や設定を自動最適化・復
旧し、途切れにくい通信と省人運用を実現する。
MEC フェデレーション:複数拠点のエッジ資源を連携させ、データを近傍
で分散処理することで、低遅延 AI・映像解析・地域横断運用を可能にする。
32
図3-2
フィジカル AI・IoT システムの工程表
3.3.2 【システム技術領域】重要インフラ・ナショナルセキュリテ
ィシステム
本領域は、災害・有事・極限環境下でも社会機能を止めずに維持するための通
信・監視・運用基盤を担う領域であり、電力、交通、防災、公共安全等の継続性
に直結する。
単一の通信方式に依存せず、指揮・連携を維持する(継続通信)/必要最低限
の情報を届ける(代替伝達)/妨害下でも位置・監視を維持する(耐妨害・監視)
/長期にわたり認証・更新を守る(長期防護)機能を一体で提供することが求め
られ、継続運用性・保守継続性・供給継続性の観点から重点化が必要である。
表3-3
技術の類型と主な技術
技術の類型
主な技術(例)
継続通信・指 障害・有事下でも指揮・連携・
揮連携技術
制御を維持する技術
重要インフラ向け無線
ミッションクリティカル
通信(MCX 等)
代替伝送・広 地上網の毀損時でも広域・端
域バックアッ 末等へ最低限伝送する技術
プ技術
長距離・代替通信技術
放送・マルチキャスト型
伝送(5G-MBS 等)
耐妨害・監視 妨害下でも位置・時刻・広域監
技術
視を維持する技術
PNT 妨害耐性設計
電波センシング・レーダ
33
重要インフラ向け無線:電力・交通・公共施設等の設備監視や制御を止めず、
平時から災害時まで安全運用と保守継続を可能とする。
ミッションクリティカル通信(MCX 等)
:事故・災害時でも現場と指揮拠点
の即時連携を確保し、優先通信・確実な指示伝達・緊急対応を可能とする。
長距離・代替通信技術:地上網が毀損した場合でも遠距離へ最低限の情報を
届け、広域バックアップ通信を実現する。
放送・マルチキャスト型伝送(5G-MBS 等)
:多数の端末・住民に一斉に情
報を届け、避難情報・警報・公共情報の確実な周知を実現する。
PNT 妨害耐性設計:GNSS 30妨害や遮断環境下でも位置・時刻を維持し、重
要インフラや防災活動の継続運用を可能とする。
電波センシング・レーダ:広域監視や侵入検知、異常兆候の把握を高信頼に
行い、危険予兆の早期把握と状況認識を実現する。
図3-3
重要インフラ・ナショナルセキュリティシステムの工程表
3.3.3 【システム技術領域】次世代通信システム(B5G)
本領域は、我が国の基盤的な通信インフラを支える観点から、地上網・非地上
網を含む多様な接続形態において、複雑なネットワークの安全・安定運用と通信
の高性能化(広帯域・低遅延等)の双方を担う領域である。
そのため、オープン化・自動化を安全に運用する(アーキテクチャ・制御)/
分散・高密度環境でも通信品質を維持する(分散無線・高性能実装)/通信機能
の拡張や伝搬環境の制御(機能融合・環境適応)技術を一体で提供することが求
GNSS(Global Navigation Satellite System):宇宙の人工衛星を利用して地球上の現在位置(緯度・経
度・高度)を測定するシステムの総称
30
34
められ、標準・評価・実装を通じて競争優位を確保していく観点から重点化が必
要である。
表3-4
技術の類型と主な技術
技術の類型
主な技術(例)
アーキテクチ オープン化・自動化・多ベンダ
ャ・制御技術 ー化を、安全に運用可能な形
で実装可能とする技術
RAN 高度化技術(オープ
ン RAN/vRAN 等)
分散無線・高 分散・高密度環境でも容量・遅
性能実装技術 延・品質を維持する技術
Massive MIMO(高精度
ビームフォーミング等)
分散 RAN 高精度同期
セルフリー大規模 MIMO
(分散 AP 協調)
機能融合・環 通信機能の拡張と伝搬環境の
境適応技術
制御を可能とする技術
ISAC(通信+センシング)
メタサーフェス
(RIS/IRS)
RIC
ゼロトラスト RAN
RAN 高度化技術(オープン RAN/vRAN 等):特定ベンダーに閉じない柔軟
な構成を可能にし、拡張・更改しやすい無線アクセス網を実現する。
RIC:通信状況に応じて無線資源や品質を動的に最適化し、高効率なネット
ワーク運用を実現する。
ゼロトラスト RAN:多ベンダー・クラウド化した RAN でも安全性を担保
し、オープン化とセキュリティの両立を実現する。
Massive MIMO(高精度ビームフォーミング等)
:高密度エリアや大規模セル
でも容量・品質を維持し、多ユーザ環境での高効率通信を実現する。
分散 RAN 高精度同期:多地点の無線装置を高精度に協調させ、分散配置さ
れた基地局の一体運用を実現する。
セルフリー大規模 MIMO(分散 AP 協調)
:複数のアクセスポイントを分散・
協調配置し、混雑環境でも安定した接続品質を実現する。
ISAC(通信+センシング)
:通信を行いながら位置・状態・周辺環境も把握
し、通信とセンシングの一体利用を実現する。
メタサーフェス(RIS/IRS)
:伝搬環境を能動的に制御し、遮蔽や反射の不利
を補って、つながりにくい場所での通信品質向上を実現する。
35
図3-4
次世代通信システム(B5G)の工程表
3.3.4 【コア技術領域】AI ・フロンティア領域
本領域は、AI を活用した通信網の性能・運用の高度化、通信と計算基盤の融
合や、超高周波数帯の開拓、量子通信等の将来フロンティア技術を通じて、次世
代ワイヤレス技術の新たな可能性を切り拓く領域である。
通信性能の向上に加え、AI を安全に導入・管理する/ネットワークや無線を
自律的に最適化する(自律運用・統合)/品質・省電力・継続運用を両立させる
(無線高度化・持続性)/超高周波数帯・量子等により非連続な拡張を図る(将
来フロンティア)技術などが求められ、足元の実装力と中長期の技術主導権の双
方を確保する観点から重点化が必要である。
表3-5
技術の類型と主な技術
技術の類型
主な技術(例)
AI 導入・管理 学習・配備等管理し、安全に使
技術
い続ける技術
AI/ML 運用管理基盤
自律運用・統 運用・RAN・計算資源を閉ルー
合技術
プで最適化する技術
ゼロタッチ運用
無線高度化・ 品質・省電力・継続運用を両立
持続性技術
させる技術
AI/ML 無線インターフェ
ース
省電力・エネルギー効率化
AI RAN
NW
将来フロンテ 将来の安全性・大容量化に先
36
量子安全通信
ィア技術
行対応する技術
(PQC/QKD 連携)
サブ THz/THz 通信
AI/ML 運用管理基盤:学習・配備・更新・監査を一元管理し、AI を安全に使
い続けられる運用基盤を実現する。
ゼロタッチ運用:設定変更、障害対応、最適化を自動化し、省人で止まりに
くいネットワーク運用を実現する。
AI RAN:AI 処理と無線資源を連携させ、AI 需要にも対応可能な RAN 運用
基盤を実現する。
AI/ML 無線インターフェース:刻一刻と変化する電波伝搬環境や高密度接続
環境等に応じ、無線区間の伝送路を最適化し、所要のスループット等、通信
品質の維持・向上を自律的に実現する。
省電力・エネルギー効率化 NW:品質を維持しながら電力消費や設備負荷を
抑え、持続可能なネットワーク運用を実現する。
量子安全通信(PQC/QKD 連携)
:高度な安全性や新たな通信機能を見据え、
次世代の信頼性・秘匿性基盤を実現する。
サブ THz/THz 通信:超大容量・高密度通信を可能にし、将来の高負荷ユー
スケースへの対応を実現する。
図3-5
AI ・フロンティア領域の工程表
3.3.5 【コア技術領域】素材・部品・デバイス領域
本領域は、通信の高周波化・広帯域化・低電力化・多アンテナ化が進む中で、
37
システム性能と量産成立性の基盤となる物理レイヤーを担う領域である。
そのため、性能・省電力の上限を決める(コアデバイス)/高周波・多バンド
を量産可能にする(RF・実装統合)/品質・供給安定性を支える(材料・供給)
技術を一体で提供することが求められ、保有アセットを活かして競争優位と自
律性を確保する観点から重点化が必要である。
表3-6
技術の類型と主な技術
技術の類型
コアデバイス
主な技術(例)
通信性能・省電力・将来帯域の
上限を左右する技術
無線 SoC/ASIC
高効率 PA・広帯域 ADCDAC
サブ THz/THz デバイス
RF・実装統合 高周波化・多バンド化を量産
技術
可能な形で成立させる技術
マルチバンド RFFE
先端パッケージ
材料・供給技 品質・信頼性、供給安定性を支
術
える技術
低損失基板材料/ABF 等
無線 SoC/ASIC:通信機能・制御・省電力処理を高集積化し、高性能かつ実
装しやすい無線機器基盤を実現する。
高効率 PA・広帯域 ADC-DAC:高周波・広帯域でも電力効率と信号品質を
両立し、高性能無線機の成立条件を実現する。
サブ THz/THz デバイス:超高速・高密度通信に必要な周波数帯を扱い、将
来の大容量通信基盤を実現する。
マルチバンド RFFE:複数の周波数帯や方式を柔軟に扱い、多様な通信規格
に対応できる端末・装置を実現する。
先端パッケージ:高周波部品やチップを高密度・低損失で実装し、高性能と
量産性を両立する実装基盤を実現する。
低損失基板材料/ABF 等:放熱・低損失・信頼性を確保し、高周波・高密度
実装を支える部材基盤を実現する。
38
図3-6
素材・部品・デバイス領域の工程表
3.3.6 【コア技術領域】エンジニアリング・デザイン領域
本領域は、無線方式そのものではなく、無線の高度化を支える設計・評価・実
装の共通基盤を担う領域であり、社会実装の前提を押さえる上で不可欠な領域
である。
実環境を把握・再現する(計測・再現)/実運用条件で性能や回復性を検証す
る(品質・運用評価)/共用・責任分界・制度まで設計する(共用・制度設計)
技術を一体で提供することが求められ、新技術を自律的に導入可能にする横断
基盤観点から重点化が必要である。
表3-7
技術の類型と主な技術
技術の類型
主な技術(例)
計測・再現技 実際の電波環境を把握・再現
術
し、設計・選定・導入の前提を
作る技術
電波環境可視化
電波環境評価/チャネルエ
ミュレーション
品質・運用評 実運用条件で性能・品質・回復
価
性を継続検証する技術
OTA・耐障害性試験
共用・制度設 共用・責任分界・監視まで含め
計技術
て社会実装を成立させる技術
周波数共用・干渉管理
インフラシェアリング
電波環境可視化:混雑、干渉、遮蔽などの実環境を把握し、設計・運用改善
の前提となる状況把握を実現する。
電波環境評価/チャネルエミュレーション:実際の利用環境を試験環境で再
現し、導入前に性能や課題を見極める評価基盤を実現する。
39
OTA・耐障害性試験:実運用に近い条件で性能・品質・回復性を検証し、現
場導入に耐える品質保証を実現する。
周波数共用・干渉管理:異なるシステムが同一・近接周波数を安全に使える
ようにし、共用前提の社会実装を実現する。
インフラシェアリング:複数主体で設備を共同利用しつつ品質や責任分界を
整理し、効率的かつ持続可能なインフラ運用を実現する。
図3-7
エンジニアリング・デザイン領域の工程表
40
第4節
重点技術領域の推進方策
特定した重点技術領域における重点技術を維持・強化していくために講ずる
べき推進方策について、検討を行う。
4.1
重点技術領域の推進方策の論点
重点技術領域の推進方策の検討に当たって、次の三つの軸から論点の整理を
行った。
(1) 重点技術の維持・強化に関する推進方策
(2) ワイヤレス関連産業のビジネス創出に関する推進方策
(3) ワイヤレス分野の人材の確保・育成に関する推進方策
ここでは、それぞれの論点を示すこととする。
(1) 重点技術の維持・強化に関する推進方策
重点技術領域のうち、経済安全保障上特に重要な技術を引き続き自国で
確保していくために、どのような取組が考えられるか。
重点技術領域における最先端の研究開発を推進するための研究開発制
度の在り方として、どのようなものが考えられるか。
必ずしも先進的ではない技術(いわゆる枯れた技術)についても、その
技術を守る観点からどのように維持していくべきか。
(2) ワイヤレス関連産業のビジネス創出に関する推進方策
従来型の研究開発投資や需要に基づく設備投資ではビジネスが成り立
ちにくい状況にある中、どのように需要を作り、いかにビジネスとして
好循環なスキームを構築していけばよいか。
事業化に向けた支援や制度の在り方(例えば、ミリ波の更なる活用のた
めの制度的措置、屋内での携帯電話の利用促進等、研究開発と連携した
テストベッドによる実用化支援等)。
他分野・他産業でもワイヤレス技術が不可欠となっている状況を踏まえ、
設計・構想段階から連携を図るワイヤレス・バイ・デザインを進めるた
めの取組を検討していくべきではないか。
41
(3) ワイヤレス分野の人材の確保・育成に関する推進方策
理系人材全体が減少する中、大学とも連携し必要なワイヤレス人材の確
保や育成に取り組むべきではないか。また、標準化人材の確保・育成の
取組を進めるべきではないか。
特に、若年層に対しワイヤレス分野の認知向上・魅力発信を産学官で連
携して取り組んでいくべきではないか。単に(ハードの)無線分野の人
材育成を目指すだけではなく、他分野・他産業と連携したワイヤレス人
材育成を図っていくのはどうか。
ワイヤレス人材のスキルや業務経験の見える化(何らかの certification
の創設等)、無線従事者資格制度の見直しなど、資格の在り方について
どう考えるか。
これらの三つの軸からの論点も踏まえ、重点技術領域の推進方策の検討を行
った。
4.2
重点技術領域の推進方策に関する検討事項
重点技術領域の推進方策の検討における構成員からの意見等を整理する。
(1) 重点技術領域の推進方策全般に関する事項
日本の場合、まず技術があってビジネスの戦略を考えることが多いが、
海外の場合、まずビジネスの戦略があって、どのような技術が必要かを
考えることが多く、順番が逆である。こういうビジネスを展開していく
上でこういう技術が必要という議論が重要。
レガシーな技術にも自律性や不可欠性の確保に資する部分、産業的に勝
てる要素があると考えられる。また、技術単体にとどまらず、製品とし
て仕上げるための部品・組立て等の技術、あるいは設備の導入・設置・
保守に関するノウハウや体制など、周辺の技術・ノウハウ領域の維持・
確保にも目を向けておく必要がある。
日本は素材もセットベンダーもキャリアも先進的で、優秀な企業がそろ
っているにもかかわらず、その強みが十分に生かされていない。個々の
企業、業界の経済合理性だけに従っていくと、国全体の強みが生かせな
い。国内のサプライチェーンがうまく機能しておらず、強靱なサプライ
チェーンを作っていくことが改めて必要。
コストだけではない様々な要件で海外の市場は開拓されている。海外事
42
業者のそうしたアプローチを分析し、マーケティングマップのような、
製品としての道筋や、市場を開拓し形成していく道筋を示すことが必要。
重要インフラや公共分野の無線システムはライフサイクルが非常に長
く、メーカが人材やビジネスを維持することが難しい側面がある。例え
ば、システムの運用期限を決めるなど、何か制度的な措置により、強制
的に人材やビジネスを回すサイクルを作ることも考えられる。
10 年前と現在を比較すると、ワイヤレスを含めた通信がライフライン
となった点、世界に目を向けると地政学的な緊張の高まりや保護主義の
動きなど不確実性が著しく高まっていると認識し、将来に備えなければ
ならない。
パブリックセーフティやディフェンスという分野・切り口が今後の市場
を牽引する動きがある。そうしたユースケースやステークホルダの動向
をより詳細に把握することで初めて、我が国の強みをより明確に評価で
きるようになる。要素技術を保有していて、市場へのミッシングリンク
が存在し、そこを先行する者がいる場合には、その者と連携するか、そ
の領域を取り込むかという戦略的判断が必要。
技術と特定のビジネスが1対1に対応した形で開発が進められること
が多いが、1つの手が駄目だったときでも、あの手この手で何とか勝ち
残ることができる本当の意味でのコアコンピタンス(中核的な技術であ
って、多用途に応用できる、その応用範囲が広い技術)が必要。
各フェーズにおける取組を着実に推進することは当然であるが、現実に
近づくほど各要素が複雑に絡み合うという点を常に念頭に置いて取組
を進めることが重要。
出口戦略として、1つの政策ツールに頼るのではなく、時間軸に沿って
複合的な手を打っていくことが必要。誰がいつまでに何をすべきか、技
術トレンド、ビジネス環境を踏まえた上で決めることが重要。
正解が無い中では、新たな取組に積極的にチャレンジし、うまくいかな
い場合には改善策をアジャイルに考えながら進めていくプロセスが重
要。具体的な施策へ落とし込むことが実は大変であり、そこに適切なリ
ソースを配分することが重要。
(2) 重点技術の維持・強化に関する推進方策に関する事項
研究開発テーマの評価に時間をかけ過ぎてしまうと、研究としては角が
取れ、無難な研究テーマしか残らないおそれがある。この案件形成のプ
ロセスをどのように進めるかが非常に重要。
5年以内に開発すべき技術という前提で重点領域を絞っていくのは非
常に良いこと。短期的なものに関しては、何が必要かという見通しがあ
43
る程度あるため、先鋭化させることでその領域を効率よく開発していく
とは非常に有効。一方、長期的な観点で育成しなければいけないものに
関しては、自由度や冗長性を持たせた方が良いこともあり、基礎的、長
期的なものは、緩やかな開発テーマの支援について考える必要がある。
国の支援で研究開発をしても、実際にその成果が社会実装されないケー
スが多く、こうしたケースを少なくしていく制度や仕組みが必要。研究
開発とビジネス化をシームレスにつないでいく取組が求められる。
重点技術はビジネスの状況や技術トレンドによって変化し得るもので
あることから、重点技術の維持・強化に当たっては、一度の議論で結論
を出すのではなく、ビジネス環境や経済安全保障の環境等を踏まえた技
術インテリジェンスもセットで、継続的な議論を重ねながら考えるべき。
ビジネス的にチャンスがあるので残しておいた方がよい分野と、市場の
原理にかかわらず日本として残しておかなければならない分野の両方
があることに留意が必要。
有事のときにどう技術の重要性を維持できるかを念頭に置くことが必
要。冗長性をどう確保するか、提供のためのフローをどう確保するかな
ど難しい問題はあるが、他国の事例も見ながら、施策として足りている
かという目線感は必要。
研究開発において、国がファーストカスタマーになるものは、ぜひ国が
ファーストカスタマーとなり、そうでないものについて、社会実装に近
づけていくために、技術以外のところに国が支援することも必要。
(3) ワイヤレス関連産業のビジネス創出に関する推進方策に関する事項
日本の今の立ち位置からすると、全ての領域でグローバルに勝っていく
のはリソース的に厳しい。それぞれの領域での戦い方、日本の技術の残
し方、ビジネスとしての継続性について、企業の経営戦略と整合させな
がら、どういう形でどこに注力するか、日本の戦略を検討していくこと
が必要。
キャリアとベンダーに関して、現実的な勝ち筋を深堀して明確化し、支
援することが必要。
技術自体で日本は弱い部分があり、海外に頼っている部分を、海外の企
業や大学と連携し、戦略的に研究開発を進めていくなど、日本の技術を
底上げする方策が必要。
国内の基地局ベンダーにおいては、まずは世界市場のニーズに応える製
品を作るといった海外へと伍していくマインドセットをもって、推進方
策を考えることが重要。
単に国内ベンダーのためだけでなく、海外ベンダーから見ても、日本市
44
場が引き続き魅力的で、サプライチェーンの観点でいろいろ組みたくな
る日本のプレイヤーを育てていく視点を持ち、日本のワイヤレスビジネ
スの土壌を豊かにする観点も含めた推進方策を考えることが重要。
最先端の研究開発は、グローバルに不可欠性の確保という意味合いが強
いが、国内市場での採用実績がないと、海外ビジネスでは非常にハード
ルが高い。国内で研究開発されたものが、国内の市場で社会実装されて
いく流れを作って行くことが重要。特にキャリア向けのネットワークに
おいて、国内のキャリアが国内の研究成果をいかに使いやすくするか、
インセンティブを含めて、仕組みや制度を考える必要がある。
モバイル通信は既に社会インフラであることをより強調し、真に社会の
インフラに入っていくために、どのような制度設計が可能か、新しい需
要をどのように生み出せるかを積極的に考えてはどうか。特に、ミリ波
については、社会・行政の側で需要を作り出すことが求められる。
社会インフラとしての通信基盤をしっかりさせていくためのルール(例
えば、屋内にはアンテナを設置することを義務化するなど)を考えては
どうか。
(4) ワイヤレス分野の人材の確保・育成に関する推進方策に関する事項
産学連携について、既に各大学でインターンシップ等の枠組みはあるも
のの、うまくいっていない事例がある。産学連携を持続させるには、学
生・企業・大学がそれぞれWin-Winになる具体的な仕組みづくり
が必要。例えば、共同研究費や奨学金のような具体的なインセンティブ
がプラットフォームの中に組み込まれるとうまく機能するのではない
か。また、企業へのメリットを見える化する必要がある。
人材育成に関して、企業の若手・中堅を理工系大学に送り込むことも重
要であるが、若手・中堅エンジニアに製品開発戦略や標準化戦略等の経
営戦略に関する知識をつけてもらうため、ビジネススクールや経営学部
系の組織に送り込む施策を考えてはどうか。
重点技術領域間の連携を誰がどのように担うかが重要であり、これには
領域やカテゴリーを横断する人材の育成が極めて重要。上位フェーズに
進むほど、領域を横断し各要素を接続するケイパビリティが人材にも求
められ、またユースケースの確立においても不可欠。
広報活動は業界としてこれまで十分にしてこなかったので、他業界の活
動も踏まえつつ、多くの方々の知恵をいただきながら広報活動に取り組
んでいくことが重要。
45
4.3
重点技術領域の推進方策
我が国として残すべき/伸長させるべき重点技術を推進していくため、研究
開発から社会実装や市場創出に向けた各フェーズにおいて、関連の深い重点技
術領域に即した取組を講じることが必要である。具体的には以下の取組を講じ
ることが考えられる。
図4-1
4.3.1
人材確保・育成
推進方策の全体像
フェーズ
(1)大学や企業におけるワイヤレス人材確保・育成の強化
①「産学人材プラットフォーム」(仮称)の構築
大学・研究機関と企業の連携プラットフォームとして「産学人材プラット
フォーム」(仮称)を構築するなど、大学・研究機関と企業が連携した人材
育成を促進する。
具体的には、大学・研究機関が企業の人材を受入れ(寄付講座など)、先
端ワイヤレス技術に関する研究・リスキリング・スキルアップを行うととも
に、学生への教育・技術継承を行い、産業界への人材供給を行う。また、大
学・研究機関間の人材交流の機会を作り、学生、若手・中堅エンジニア同士
のワイヤレスに関する知見・ノウハウの共有・創発を図る。
46
「産学人材プラットフォーム」(仮称)の構築に当たっては、大学・研究
機関や企業の立地状況やリソース状況等を勘案して、効果的な人材育成・人
材交流が図られる規模とし、運用に当たっては、持続的な取組となるよう、
実施体制を含めたフィージビリティの検討が求められる。
図4-2
大学・研究機関と企業の連携プラットフォームのイメージ
②ワイヤレス分野の地域の大学の維持・活性化
FORWARD(「持続可能な電波有効利用のための基盤技術研究開発事業」)
を抜本的に見直し、ワイヤレス系の地域の大学の研究室の維持・活性化と人
材育成に活用する。
③スタートアップ支援による人材育成
ワイヤレス技術を活用して新たな取組を行おうとする者のアイデアを表
彰する場やビジネスコンテストの開催を通じて、スタートアップ支援を行う。
その際、ワイヤレス技術におけるソフトウェア化が進展していることを踏ま
え、様々なアプローチからソフトウェア人材の取り込みを図る視点も重要で
ある。
(2)魅力発信・認識醸成
特に進路・キャリアを決定するまでの若年層に対して、様々なアプローチで
47
ワイヤレス技術の魅力発信や実体験の機会の充実を図るとともに、国民広くに
「ワイヤレスネットワークは国民生活の安全・安心や経済活動に欠かせない社
会インフラを支える基盤である」との認識醸成を図る取組を推進する。(電波
教室・電波適正利用推進員などの活用、ショート動画等メディアを通じた魅力
発信等)
(3)資格制度の活用、見直し
ワイヤレス人材のスキルや業務経験の見える化、(民間、国によるものを問
わず)既存の資格の拡充や連携、何らかの certification の創設について検討す
る。 例えば、(1)「大学や企業におけるワイヤレス人材確保・育成の強化」
で挙げた推進方策とも有機的に連接し、企業や学校等における資格制度の活用
の促進や、国際化など、民間資格のブランディングを更に進める。
無線従事者資格は無線局の運用に必要な資格としての位置づけがある一方
で、資格体系と技術の進展やニーズとの間で乖離があるとの指摘もある。一定
のワイヤレス技術の知識・能力を示す尺度としても認知されていることを踏ま
え、それぞれの無線従事者資格の可能とする操作範囲とそれに求められる知
識・能力を整理した上で、資格の体系を見直すなどの取組が求められる。
4.3.2
研究開発
フェーズ
(1)「電波資源拡大のための研究開発」の抜本的な見直し
ア) 案件形成プロセスの見直し
従来、総務省として5年以内に開発すべき電波有効利用技術として、広
くテーマ募集をした上で案件形成をしていたが、原則、重点技術領域に重
点化し、工程表に基づき実施する形に見直す。(工程表は技術インテリジ
ェンスも注視しつつ、毎年度更新。)
また、個々の重点技術において取り組むべき具体的な研究開発課題につ
いては、企業や大学等の関係者も含め、多様な観点から能動的にテーマ設
定を行うべく、丁寧かつ十分な時間をかけて検討した上で、案件形成され
る仕組みが求められる。
イ)評価等の在り方
研究開発の評価については、単に技術的な計画・成果の評価にとどまら
ず、着実な社会実装に向けた戦略・計画等についての評価や助言を行うと
ともに、研究開発中にステージゲートを取り入れるなど、評価方法や体制
の見直しを図る。
48
具体的には、評価において、実施主体が設定した KPI の達成状況を確認
するとともに、研究開発成果が、どのような主体、市場、ビジネスにより
社会実装されるか、自律性・不可欠性獲得や人材育成への貢献や海外展開
を見据えたものかといった点を確認するとともに、研究開発が適切な方向
に進むよう、研究開発マネジメントの観点から助言(伴走支援)を可能な
仕組みとする。
ウ)研究開発実施体制の見直し・効率化
受託機関における経理処理の負担や制約が大きいという指摘があるこ
とも踏まえ、実施体制・手続の効率化と柔軟化を図る。
様々な専門分野や関連分野の知見を有する複数人からなるアドバイザ
リーボードのようなチームを組成し、チームとして責任をもって、全体の
方向付けや個別の取組の助言を行う体制を構築する。
なお、既に実施中の研究開発についても、これらの見直しの考え方を可
能な限り取り入れ、効果的な取組を行う。
(2)
「B5G(6G)基金事業」におけるワイヤレス分野のテーマ設定の重点
化
革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業においても、ワイヤレ
ス分野の研究開発に対する支援については、本中間答申を踏まえたテーマ設定
の重点化を行う。
(3)共通技術の開発支援、共通化の推進
国内ベンダー単独では開発が困難であり海外に依存している素材・部品・デ
バイス(無線部の ASIC 等)を共同で開発するための研究開発を支援するとと
もに、協調領域の設計を可能な限り共通化するなど、低コスト化・国際競争力
の強化を図る。
4.3.3
制度・環境整備、標準化
フェーズ
(1)利用機会促進、利用環境整備に向けた制度整備
ミリ波など高周波数帯の更なる利活用やワイヤレスによる市場創出を図る
ために必要な制度整備、見直し等の検討を進める。
屋内等における通信環境の整備や、ミリ波が利用可能なスポットの整備を促
進する観点から、インフラシェアリングの円滑な推進を図るための方策の検討
等を進める。
49
(2)サプライチェーン構築・維持のための取組
自律性を確保するために強靱なサプライチェーン(供給体制)を構築・維持
することが重要であり、ワイヤレス機器の製造・保守上必要な半導体や先端電
子部品のうち、国内での長期確保が困難なものや海外に依存しているものにつ
いて、あるいは、ワイヤレス機器全体について、関係省庁とも連携して、国内
製造の確保・自律性強化やサプライチェーン・セキュリティ上のリスクの分析、
課題への対応に向けた検討を進める。
(3)重要インフラに用いられるワイヤレス機器の仕様の共通化、機器更新サ
イクルの標準化
重要インフラの運用・制御に用いられる無線システム(例:鉄道、電力など)
について、官民が連携して、各社ごとの仕様を可能な限り全国で共通化・標準
化する検討を進め、低コスト化・生産体制の確保を図る。また、標準的な更新
サイクルを検討し、機器ベンダーにとっての予見可能性を高める取組を業界と
連携して検討する。
4.3.4
実証、PoC、マーケティング
フェーズ
(1)先端技術の社会実装・市場創出に向けた実証環境の構築、ユースケース実
証
深刻化する地域課題を潜在的な社会需要と捉え、ワイヤレスを含む先進的な
通信技術を活用したソリューションの創出・早期実用化に向けた支援を推進す
る。特に、自動運転をはじめとするフィジカル AI・IoT システムの社会実装に
向けて、他分野・他産業と連携し、インフラ整備の推進とともに、ワイヤレス・
バイ・デザインの観点に基づき、ユースケース創出や実証支援を推進し、好事
例の横展開を図る。
具体的には、「地域社会 DX 推進パッケージ事業」を通じ、地域での実証支
援や地域の通信インフラ等整備の補助等を行うことで、交通・農業・防災・医
療といった他分野との連携による地域課題解決に係る好事例の創出を図り、市
場の先行開拓を行う。
また、次世代通信システム(B5G)領域においても、基地局の高度化や
vRAN の導入に伴い、RAN などのエッジにおける AI 活用が可能となり、新た
なビジネス創出が期待されている。エッジ AI の実現に向けた、研究開発・社
会実装に向けた試験環境の構築・実証支援を推進する。
将来のトラヒック増大への対応や超高速・超大容量通信が期待されている中、
50
我が国が技術開発で先行し、いち早く利用を進め、部品・デバイス等に強みを
有するミリ波について、更なる利用に向けたユースケースの実証を通じて、ミ
リ波対応端末や中継器の普及拡大、利用促進を図ることにより、需要の創出、
市場の立ち上げを図る。
(2)社会実装・市場創出を加速する支援
次世代通信システム(B5G)領域において今後更なる普及拡大が見込まれ
る NTN(非地上系ネットワーク)分野について、HAPS、低軌道衛星(衛星コ
ンステレーション)等の技術の自律性の確保をしつつ、機器・サービスの早期
実現による需要創出・市場創出を図る。
フィジカル AI・IoT システム領域において、急速な社会実装が進展する自動
運転分野について、我が国が強みを持つ V2X 等の技術を最大限に活用し、こ
れらの社会実装の基盤となる、いつでもどこでもつながるセキュアな通信技術
の開発・インフラの整備を強力に推進する。
(3)海外展開、海外ベンダーとの連携支援
ミリ波、V2X、vRAN、AI RAN など我が国が今後技術的な主導権を握ること
が期待される分野において、技術開発、サービス展開等を世界に先駆けて行い、
市場創出、インフラ整備、サービス展開をグローバル市場で獲得することがで
きるよう、海外展開に向けた支援を推進する。
セキュアなサプライチェーンの確保を図り、自律性・不可欠性の獲得に向け
た海外ベンダーとのパートナーシップ/アライアンスを前提とした共同研究
開発・生産連携の支援の可能性について検討する。
51
第5節
今後の進め方
本検討結果を踏まえ、総務省においては、重点技術の推進方策に基づき、①ワ
イヤレス分野の人材確保・育成、②研究開発、③制度・環境整備、標準化、④実
証、PoC、マーケティングの施策について、産学官が連携した取組を強力に推し
進めることが適当である。特に、国内においてワイヤレス分野の一定の市場規模
があることを踏まえ、国内ベンダー、通信事業者、さらには他分野・他産業も含
め、業界が連携した取組を行うことが重要である。
本検討において示された工程表における技術等は、現時点の見通しに基づき
整理して、重要と考えられるものを提示したものであることに留意する必要が
ある。
作業班においては、ワイヤレス分野の技術トレンドや市場動向等を踏まえつ
つ、総務省とともに、引き続きワイヤレス分野の技術インテリジェンスやサプラ
イチェーンの状況について解像度を上げた調査・分析を行い、政策的な課題を継
続的に把握・検討していくことが望ましい。
特に、今般取りまとめた工程表について、今後も企業・大学等の関係者から十
分にヒアリングを行うとともに、技術インテリジェンスも注視しつつ、毎年度更
新することが求められる。その際、工程表の更新においては、技術ありきの取組
とならぬよう、関係する企業等のビジネス上の戦略やマーケット分析を十分に
踏まえた上で、我が国としてどの技術が勝ち筋であるか、どの技術に注力すべき
か、その技術を誰が担うか、いつまでに何をするか、企業・大学等の関係者にお
いて精査する必要がある。
したがって、取り組むべき技術について適時に取捨選択を行い、市場の先読み
や日々刻々と変化する市場の動向に応じた柔軟な取組を通じて、我が国として
残すべき/伸長させるべき重点技術を推進していくことが求められる。そのた
めに、継続的かつ不断に見直しを行っていく仕組みづくりも求められる。
また、日本成長戦略会議における戦略 17 分野の一つである情報通信分野の検
討とも連携し、日本成長戦略会議において取りまとめられる官民投資ロードマ
ップや、情報通信成長戦略官民協議会で取りまとめられる政策パッケージも踏
まえた政策を講ずることが期待される。
最後に、本検討を踏まえ、総務省や企業、大学等我が国の産学官のワイヤレ
ス関係者が一体となって直面している危機に立ち向かい、我が国のワイヤレス
技術の優位性の維持・向上、一定の世界シェアの確保等を通じた強靱なサプラ
イチェーンの構築や、ワイヤレス人材の確保・育成の実現に取り組むことによ
52
り、我が国の社会経済活動に不可欠なワイヤレス産業、ワイヤレスインフラが
更なる発展を遂げることを期待したい。
53
第 11 章 電波監視の在り方(別冊3)
電波監視の今後の在り方については、新たな電波利用の拡大に伴い、電波利用環境が大きく変
化していることから、現在の電波監視における課題や今後の在り方を検討するため、令和7年5
月に本委員会の下に電波監視作業班を設置し、検討を進めてきたところである。本事項に係る中
間答申は別冊3のとおりであり、今後、同中間答申に基づき、取組を進めていくことが適当であ
る。
第1節
検討の背景
第2節
電波監視の在り方に対する検討
第3節
まとめ
190
諮問第30号「社会環境の変化に対応した電波有効
利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環境の在
り方」(電波監視の在り方)について
情報通信審議会
第11章
第一次中間答申(別冊3)
電波監視の在り方
目次
はじめに ........................................................................................................................... 4
第1節 検討の背景 ........................................................................................................... 5
1.1. 電波監視の概要 ................................................................................................ 5
1.2. 電波監視業務の概要 ......................................................................................... 5
1.2.1. 電波の監査 ................................................................................................. 7
1.2.2. 電波の調査 ................................................................................................. 8
1.2.3. 不法無線局の探査 ...................................................................................... 9
1.2.4. 不法無線局探査の取組 ............................................................................ 10
1.2.5. 宇宙電波監視の取組 ................................................................................ 12
1.2.6. 不法無線局や混信の未然防止の取組 ...................................................... 17
1.3. 検討すべき優先課題 ....................................................................................... 21
第2節 電波監視の在り方に対する検討 ........................................................................ 23
2.1. 課題認識の概要 .............................................................................................. 23
2.2. 対応の方向性 .................................................................................................. 24
2.3. 電波監視の基本体制の強化 ............................................................................ 25
2.3.1. 移動監視体制の強化 ................................................................................ 25
2.3.1.1. 移動監視体制の現状と課題 ............................................................. 25
2.3.1.2. 移動監視体制の強化に対する考え方 .............................................. 25
2.3.1.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 25
2.3.2. 電波監視分野における外部連携の強化 ................................................... 26
2.3.2.1. 電波監視分野における外部連携の現状と課題 ............................... 26
2.3.2.2. 電波監視分野における外部連携強化に向けた考え方 .................... 26
2.3.2.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 26
2.3.3. AI 活用と DX 推進.................................................................................... 27
2.3.3.1. AI 活用と DX 推進に関する現状と課題 .......................................... 27
2.3.3.2. AI 活用と DX 推進に対する考え方.................................................. 27
2.3.3.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 27
2.4. 革新的な無線システムへの早期対応 ............................................................. 28
2.4.1. NTN 時代の電波監視体制の早期構築 ..................................................... 28
2.4.1.1. NTN 時代の電波監視体制に向けた現状と課題 .............................. 28
2.4.1.2. NTN 時代の電波監視体制に向けた考え方 ..................................... 28
2.4.1.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 28
2.4.2. 技術開発の推進 ....................................................................................... 29
2
2.4.2.1. 電波監視における技術開発の現状と課題 ....................................... 29
2.4.2.2. 電波監視における技術開発の考え方 .............................................. 29
2.4.2.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 29
2.4.3. 国際機関との連携強化 ............................................................................ 30
2.4.3.1. 国際機関との連携強化における現状と課題 ................................... 30
2.4.3.2. 国際機関との連携強化に向けた考え方 .......................................... 30
2.4.3.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 30
2.5. 基準不適合機器への対応強化 ........................................................................ 31
2.5.1. 試買テスト・市場モニタリングの強化 ................................................... 31
2.5.1.1. 試買テスト・市場モニタリングに係る現状と課題 ........................ 31
2.5.1.2. 試買テスト・市場モニタリングの強化に向けた考え方 ................. 31
2.5.1.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 31
2.5.2. 事業者等との連携強化 ............................................................................ 32
2.5.2.1. EC モール事業者等との連携強化に係る現状と課題....................... 32
2.5.2.2. EC モール事業者等との連携強化に向けた考え方 .......................... 32
2.5.2.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 32
2.5.3. 周知啓発活動の強化 ................................................................................ 33
2.5.3.1. 周知啓発活動における現状と課題 .................................................. 33
2.5.3.2. 周知啓発活動の強化の考え方 ......................................................... 33
2.5.3.3. 具体的な取組の方向性 .................................................................... 33
第3節 まとめ ................................................................................................................ 35
3
はじめに
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会(主査:藤井 威生 電気
通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター教授。以下「委員会」と
いう。)は、令和7年諮問第 30 号「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
の在り方」のうち「電波の利用環境の在り方」に基づき、令和7年5月に「電波監視
作業班」
(主任:菊間 信良 国立大学法人名古屋工業大学 名誉教授。以下「作業班」
という。
)を設置し、電波監視分野における重要課題や優先して実施すべき政策課題等
について、専門的な見地から、具体的かつ集中的な検討を行った。 本中間答申は、委
員会における検討の結果を取りまとめたものである。
4
第1節
検討の背景
1.1.
電波監視の概要
電波は、携帯電話や警察、消防の無線等、国民生活にとって不可欠なサービスの提
供等に幅広く利用されている有限・希少な資源であり、国民共有の財産であることか
ら、公平かつ能率的な利用を確保することが必要である。具体的には、電波は、同一
の地域で、同一の周波数を利用すると混信が生じる性質があるため、無秩序に利用す
ることはできず、適正な利用を確保するための仕組みが必要である。
このような電波の特性と社会的な重要性を踏まえ、総務省では、図表 1-1のとお
り、混信・妨害や電波障害のない良好な電波の利用環境整備を目的として、電波監視
を実施している。電波監視は、免許を受けていない無線局や基準に適合しない無線設
備の使用による不法無線局の摘発、混信・妨害の早期発見と対応、災害時の非常通信
の確保、さらには国際的な電波干渉への対応など、多岐にわたる目的を持つ。
特に重要な無線通信に対しては、24 時間体制で申告を受け付け、迅速に対応できる
体制を整備している。この体制により、混信の除去に向けた迅速な対応が可能となっ
ている。
総務省における電波監視と電波監視設備(DEURAS)
電波は国民生活や経済活動に深く浸透。一方で、電波のルールを守って利用しなければ混信・妨害を引き起こすこととなる。
電波の不適正な利用による混信・妨害を防ぎ、良好な電波利用環境を維持するため、電波監視設備(DEURAS※)や不法無
線局探索車等を利用することで、妨害電波の発射状況を監視するとともに、不法無線局を探査・特定し、排除している。
※
DEURAS=DEtect Unlicensed RAdio Stations
特に、消防・救急、航空・海上等の重要無線通信への妨害に対しては24時間365日で受付を行い、迅速な対応体制を整備。
【電波監視設備(固定/移動)の概要】
【電波監視の流れ】
妨害発生
妨害
①固定監視で
発射源の方位
測定を行う
発射源の探査イメージ
申告受付*
固定監視で特定できない場合は
移動監視へ
固定監視
不法無線局
探索車
DEURASセンタ局
②移動監視で
妨害源を特定
移動監視
【電波監視設備(宇宙)の概要】
現地に出動し、混信源を特定
*重要無線通信妨害に係る
申告受付は24時間対応
妨害源特定
妨害源の例:
外国規格のトランシーバー
妨害電波の発射停止を命令
(告発または行政処分等の措置)
図表 1-1:電波監視の概要
1.2.
電波監視業務の概要
総務省が実施している電波監視業務は、電波利用の秩序を維持し、適正な電波環境
を確保するための重要な活動である。無線局に対する混信・妨害に関する申告件数
は、図表 1-2のとおり、年間 2,000 件程度の推移となっている。重要無線通信に対
する混信・妨害では、航空・海上関係が多くを占めるほか、電気通信、放送、鉄道、
防災行政無線、インフラ管理(道路・河川)等が続く。
5
図表 1-2:混信・妨害申告件数の推移
これらの申告等をもとに電波監視業務を実施し、特に悪質な事例と判断され、告
発、指導を行った件数は図表 1-3のとおりであり、令和2年度までは人口減少や外
出抑制を背景とする減少傾向であったが、国民生活行動や電波利用環境の変化によ
り、近年、増加傾向となっている。不法アマチュア局、外国規格トランシーバー
(FRS/GMRS)
、不法簡易無線等が多くを占める状況となっている。
図表 1-3:無線局別措置状況の推移
6
図表 1-4のとおり、電波監視業務は主に電波の監査、電波の調査、不法無線局の
探査という三つの基幹的業務から構成されている。これらの活動は、電波が適切に利
用されているかを確認し、不適切な使用を未然に防ぐことを目的としている。
図表 1-4:電波監視業務とは
本項では、これらの基幹的業務について詳細に説明する。
1.2.1.
電波の監査
総務省では、電波の利用秩序の維持に資するため、電波法に基づき免許を受けた無
線局が免許状の指定事項の範囲で電波の発射を行っているか、また、法令を遵守した
無線局の運用がされているかを確認する監査業務を行っている。監査の結果、電波法
令に違反している無線局と認めた場合は、必要に応じ、電波規正用無線局を用いて、
当該無線局に対し電波の規正に関する通報を送信して是正を促している。電波規正用
無線局の運用は、図表 1-5に示す。なお、後述の「不法無線局の探査」業務で確認
した不法に開設されたと思われる無線局に対しても電波の規正を行うことがある。
7
電波規正用無線局の運用
正規無線局への妨害
不法電波等の捕捉
不法無線局等
(例:海外製トランシーバー)
こちらは「でんかんき
せい●●」総務省●●
総合通信局です。
電話等による
混信・妨害申告
遠隔監視
による捕捉
総合通信局・沖縄総
1 合通信事務所で不法
無線局等を確認
こちらは「でんかんきせい●●」
総務省●●総合通信局です。
あなたの発射している電波は電
波法令に違反しています……
2 運用場所等の絞り込み
3
不法無線局探査車に
より不法無線局等の
付近へ出動
電波規正用無線局
4 による警告等を実
施(自動音声)
通信内容の確認
電波発射場所の推定
図表 1-5:電波規正用無線局の運用
1.2.2.
電波の調査
総務省では電波の利用秩序の維持に資するため、定常的な電波の強度や方位等を調
査し、無線設備等が発射する電波が法令に適合しているか否かの確認を行っている。
令和6年度は、地上デジタルテレビジョン放送及び FM 放送で使用する周波数帯におけ
る潜在電界調査等の電波の調査業務を行い、全国で 276 回の調査を行った。また、電
波の利用状況の調査等に関する省令に基づく発射状況調査については必要に応じ調査
結果を公表している。調査結果の一例を図表 1-6に示す。こうした取組を通じて、
電波の有効利用に資する政策を進めている。
< 調査設備の一例>
< 調査結果の一例 >
図表 1-6:電波の発射状況調査
8
1.2.3.
不法無線局の探査
混信の申告等を受け、免許を受けないで不法に開設されたと思われる無線局が混信
の原因と考えられる際は、電波を捕捉又は視認等の方法で探知し、不法無線局の所在
を確認している。令和6年度に電波を捕捉又は探知した不法無線局は 3,926 局であ
る。最近の不法無線局の出現状況の推移を図表 1-7に示す。
図表 1-7:不法無線局の出現状況の推移
総務省には概ね年間 2,000 件程度の混信の申告が寄せられるが、その多くは混信を
意図したものではなく、使用者の不注意等により発生しているものが多い。
図表 1-8に総務省による電波監視で確認された混信のうち、重要無線通信妨害と
なって大きな影響を与えた事例を紹介する。
重要無線通信への妨害及び対処の実例
不法無線局の利用は、重要無線通信対する混信・妨害の原因となり、社会インフラに重大な影響を及ぼし得る。
近年は、インターネット販売を通じた海外製のワイヤレス機器による混信事例や、従来とは異なる混信事例(太陽
光発電やLEDライト等の電子機器が原因)が増加。
放送中継用携帯局への混信
①妨害発生
②申告受付
③固定監視
携帯電話基地局への混信
④移動監視の実施
①妨害発生
⑤妨害源特定
妨害波
⑤妨害源特定
スマホが
使えない
外国規格のトランシーバ
航空無線/GPSへの混信
航空管制・GPS
HELLO
④移動監視の実施
妨害波
テレビ放送
が乱れる
①妨害発生
③固定監視
②申告受付
携帯電話基地局
放送中継用無線
②申告受付
③固定監視
ワイヤレスヘッドホン
防災無線への混信
①妨害発生
④移動監視の実施
②申告受付
③固定監視
④移動監視の実施
防災行政用無線
妨害波
航空機が
欠航になる
妨害波
⑤妨害源特定
防災無線が
聞こえない
ワイヤレスカメラ
⑤妨害源特定
太陽光発電システム
(パワーコンディショナー)
図表 1-8:重要無線通信への妨害及び対処の実例
9
まずは、放送中継用無線局への混信事例である。テレビ局スタッフが屋外で取材を
する際に、テレビ局本局と連絡を取り合う無線に混信が発生していると申告を受け、
遠隔方位測定設備 (DEURAS-D)の固定監視を実施し、大まかな場所を絞り込んだ後、
発射源があると推定した場所付近に移動監視に出動。その結果、付近の工事現場で使
われていた外国規格トランシーバーが電波の発射源と断定したものである。
続いて、ワイヤレスヘッドホンの電波が携帯電話の基地局に混信を与えた事例であ
る。一般的にワイヤレスヘッドホンは小電力データ通信システムを使うものが多く、
携帯電話の周波数とは別の帯域を使っているが、この事案のヘッドホンは独自の規格
で 900MHz 帯の周波数を使用していた。900MHz 帯は携帯電話で広く使われており、当
該ヘッドホンと同一の周波数帯を使用する携帯電話事業者の携帯電話が繋がりづらく
なったというもの。日本でこのような無線機器を使用する場合は、技適マークが必要
となるが、技適マークはなかった。この事例についても、携帯電話事業者から申告を
受け、移動監視を行い、ヘッドホンの場所を特定したものである。
最後は、ワイヤレスカメラから航空機の衛星航法システム(GPS 等の測位衛星から
の航法信号を利用するシステム)用受信機への混信事例である。衛星航法システムに
混信が発生し、使用不能となったため、航空機の離発着に影響が生じたというもの
で、原因は数キロメートル離れた工事現場のクレーンの先端に設置された外国規格の
ワイヤレスカメラであった。当該カメラは、電波法に定められている技術基準に適合
しない無線設備であり、本事例は、カメラの送信機から発射された電波に依るもので
あった。この事例についても、国土交通省から申告を受けて移動監視を行い、原因を
特定したものである。
次項で、不法無線局探査の取組、宇宙電波監視の取組、不法無線局や混信の未然防
止の取組について詳細に紹介する。
1.2.4.
不法無線局探査の取組
電波監視業務のうち、不法無線局の探査は電波利用の秩序を維持するための重要な
業務である。図表 1-1のとおり、妨害が発生した際には、電波を利用している免許
人等から総務省に申告が行われる。重要な無線通信への妨害については、24 時間体制
で申告を受け付け、迅速に対応する体制が整備されている。
固定監視は、全国各地に設置された固定センサを活用し、電波の到来方向を確認す
る仕組みである。複数の固定センサからのデータを基に、発射源の位置を交差点とし
て推定することができる。推定された大まかな位置に対して、現地に赴き可搬型の測
定器を用いてさらに詳細な位置の特定を行う移動監視を実施し、発射の停止命令を行
うことで、混信・妨害の除去を図っている。
また、近年では、電波利用環境の変化が著しく従来の通信技術と比較してより高い
周波数帯域を利用するため、通信速度の飛躍的な向上が可能となり、低遅延で大容量
のデータ通信を実現できる。特に、5Gではミリ波帯と呼ばれる極めて高い周波数帯
の利用が進んでおり、ミリ波帯はその特性上、伝搬距離が短く、障害物に弱いため、
従来の監視技術では対応が難しい。このため、移動監視体制の強化が必要であり、特
に都市部における高密度な電波利用環境に対応するための体制整備が求められてい
る。
さらに、図表 1-9においては、電子機器の普及に伴い電波利用環境がさらに複雑
化していることが示されている。スマートフォンやウェアラブルデバイス、IoT 機器
が増加する中、それらが発する電波が他の無線通信に干渉するリスクが高まってい
10
る。これは特に都市部において顕著であり、無線局の密集地では、電波干渉が通信の
品質に重大な影響を与える懸念がある。
図表 1-9:電波の特性と利用形態
一方で、総務省の電波監視業務に従事する人員の確保が課題となっている。図表
1-10のとおり、国家公務員の定員合理化が大きな流れとなっており、今後も定員の
減少傾向が継続する見込みである。また、職員の年齢構成比は 50 歳以上の割合が半数
を超えていることも踏まえると、長年蓄積されてきた電波監視の経験やノウハウが今
後 10 数年で急速に失われてしまう懸念があり、電波監視技術の伝承は非常に重要かつ
喫緊の課題である。さらに、今後、移動監視業務を拡充していくにあたっても、電波
監視業務に従事する人員の確保と技術向上が課題である。
図表 1-10:国家公務員の定員削減
11
1.2.5.
宇宙電波監視の取組
本項では、総務省における宇宙電波監視の取組について詳細に説明する。
総務省では、図表 1-11のとおり、神奈川県三浦市に三浦電波監視センターを構
え、宇宙電波監視施設として静止衛星向け電波監視設備及び非静止衛星向け電波監視
設備を整備し、人工衛星から発射される電波や衛星の軌道について、各種監視業務を
行っている。
宇宙電波監視施設(DEURAS-S)
三浦電波監視センター(神奈川県三浦市)及び5G基地局からの電波の影響を受けにくい茨城ネットワーク管制センター(茨城県常陸大宮市)に、
静止衛星監視施設及び非静止(周回)衛星監視施設を整備し、宇宙電波監視を実施。
静止衛星監視システムは、L/S/C/Ku/Ka帯に対応する5バンドの13mパラボラアンテナ2基、各バンドに対応したバックアップ用固定アンテナ7基(計9
基)で構成。R5年度にC帯/Ku帯は茨城ネットワーク管制センターに新規アンテナ設備の配備を完了し、三浦電波監視センターから遠隔監視を実施。
なお、茨城に整備を行ったC帯/Ku帯以外の監視施設は耐用年数による更改時期を迎え整備中。
非静止(周回)監視システムは、VHF/UHF/X帯各1基(計3基)のアンテナで構成。あらかじめ衛星の周期、高度、角度等の軌道要素を計算して
衛星追尾が可能。
センタ局
CS/BS復調用アンテナなど(庁舎屋上)
固定アンテナ
非静止衛星追尾アンテナ
固定監視局1
宇宙電波監視施設(神奈川県三浦市)
固定監視局2
施設全体図
センタ局
C帯/Ku帯監視施設
(茨城県常陸大宮市)
固定アンテナ
固定監視局のバックアップ(L,S,C,Ku,Ka帯)
非静止衛星追尾アンテナ
手前︓低域追尾アンテナ装置(60MHz~450MHz)
中央︓高域追尾アンテナ装置(400MHz~2.6GHz)
奥 ︓X帯追尾アンテナ装置(7.235GHz~10GHz)
図表 1-11:宇宙電波監視施設の概要
宇宙空間における電波利用のうち、人工衛星が発射する電波においては図表 1-1
2のように、広い周波数帯域にわたり様々な電波利用が行われており、国民生活に密
接に関わっている。その中でも、特に衛星測位サービス(GNSS)や放送・通信衛星に
おいて利用されており、地上だけではなく、航空・海上への重要な情報伝達手段とな
っている。
12
図表 1-12:人工衛星が発射する電波
また、図表 1-13のとおり、非地上系ネットワーク(以下、
「NTN」という。
)の利
用拡大として、低・中・高の各層での空間利用が拡大している。これにより、従来の
地上系通信だけでなく、非静止衛星を用いた衛星通信等、新たな利用形態が広がって
いるほか、高高度プラットフォーム(以下、
「HAPS」という。
)の実用化に向けた取組
が進められている。 これらの技術革新は、特に離島や山間部等の広域エリアにおける
ブロードバンドネットワークの提供を可能にしている。
上空・宇宙における多層的な空間利用の拡大
陸・海・空・宇宙のあらゆる空間での電波利用拡大に伴い 、それらの空間をシームレスにつなぐ非地上系ネットワーク (NTN)
の実現に向けた取組が進展 。 我が国にNTNを円滑に導入していくためには 、周波数の確保、制度整備等の着実な推進
が必要不可欠となる。
より低軌道の衛星利用
高度約36,000km
新たな利用が見込まれる空間・空域
高度約300km~
静止軌道衛星
低軌道周回衛星(衛星コンステレーション)
宇宙
高度80~100km
高高度プラットフォーム(HAPS)
航空機
高度約10Km
上空利用の拡大
高度約20km
ドローン
船舶
地上基地局
図表 1-13:非地上系ネットワークの利用拡大
13
図表 1-14のとおり、欧米の事業者を中心に、多数の非静止衛星を一体的に運用
する衛星コンステレーションが進展しており、高速大容量の衛星通信サービスが提供
されている。
図表 1-14:主な衛星コンステレーション
併せて、図表 1-15のとおり高度約 20km 程度に滞在する HAPS を用いた通信も今
後サービス開始が予定されており、令和8年度以降、災害地域や島嶼部のスポット的
なカバーから始まり、全国で高速大容量のサービスを展開する計画が進行中である。
HAPS(High-Altitude Platform Station, 高高度プラットフォーム)の動向
NTTドコモ及びソフトバンク (旧 HAPSモバイル)が、携帯電話基地局としての HAPSの利用に向け 、無線設備や機体の技術開
発、将来の更なる高度化に向けた研究開発等を推進。
2026年にサービスを開始する予定 (NTTドコモとSpace Compassは商用サービスを、ソフトバンクはプレ商用サービスを開始する
意向を示している )。まずは島嶼部等をスポット的にカバーするサービスや災害時での活用を想定しており 、将来的には高速 ・大容
量サービスの全国での提供及び海外展開を予定。
総務省においては、HAPSの早期実用化に向けて、令和8年4月に制度整備を実施。
HAPSの開発事例
Space Compass(NTTドコモと共同で実証)
ソフトバンク(旧 HAPSモバイル)
機体名称
Zephyr 8 (英AALTO社製)
SCEYE HAPS (米Sceye社製)
大きさ等
翼長25m、重量75kg未満
全長65m
運用高度
20km程度
20km程度
成層圏での滞空実績
約67日(2025年2~4月)
約29時間(2024年8月)
滞空目標
100日以上
数か月から数年程度
NTT(50%)とスカパーJSAT(50%)の合弁により2022年に設立
2023年10月にソフトバンクがHAPSモバイル(2017年設立)を吸収合併
固定翼型の機体(Sunglider)についても引き続き開発を実施
外観(イメージ)
©AALTO
備考
サービス展開のイメージ
2026年以降、島嶼部、災害地域等をス
ポット的にカバー(スモールスタート)
より高速・大容量のサービスを全国で展開
高度化
(参考)Sunglider 外観
(出典)各社の資料をもとに総務省作成
図表 1-15:HAPS の動向
14
さらに、図表 1-16のとおり、衛星ダイレクト通信サービスは、スマートフォン
に特別な改造を施すことなく、直接衛星と通信が可能となるため、中山間地域といっ
たルーラルエリアに対して利便性が高いとされている。
図表 1-16:衛星ダイレクト通信についての詳細
国際的な取組に関しては、図表 1-17のとおり、国際電気通信連合(以下、
「ITU」という。
)の無線通信規則(以下、「RR」という。
)に基づく国際監視体制が整
備されている。特に、短波放送に関する電波監視ネットワークが全世界的に構築され
ており、これに基づく電波監視結果が毎月 ITU に報告されている。このように、国際
的な協力を通じて、電波の適正利用が促進されている。
図表 1-17:国際電波監視体制について
15
さらに、図表 1-18のとおり、衛星コンステレーションにおいては、これまでの
監視体制と異なり、海外の衛星オペレータ向けへの電波監視が必要となること、そし
て、衛星の基数が従来と大きく異なることを考慮した電波監視が求められている。こ
れにより、より複雑な周波数共用環境が形成されており、その電波監理が重要となっ
ている。
以上のように、NTN 時代における電波監視は、多層的な空間利用の拡大に伴い、従
来の監視体制とは異なる新たな課題に直面している状況である。
図表 1-18:衛星監視における留意点
16
1.2.6.
不法無線局や混信の未然防止の取組
本項では、電波法の基準に適合しない無線機器への対応策について、具体的な取組
とその成果、そして課題について詳述する。
まず、基準に適合しない無線機器の流通を防ぐために、図表 1-19のとおり、総
務省では様々な未然防止の取組を実施している。
基準に適合しない無線設備への対策(全体概要)
近年のECサイトの利用拡大により、様々な無線設備が容易に購入できるようになった一方で、これらECサイトでは電波法に定める
基準に適合しない無線設備(技術基準に適合しない基準不適合設備、微弱無線の基準に適合しない無線設備)が流通している。
購入者が意図せず、基準に適合しない無線設備を購入して使用することで、電波法違反や他の無線局に混信・妨害を起こすことを
未然に防ぐため、国民や無線設備のメーカー及び販売店等を対象に、以下の施策を実施。
インターネットで容易に購入できる無線設備の例
要請
勧告
命令
販売状況
調査
携帯電話中継器
ワイヤレスカメラ
通信機能抑止装置
FMトランスミッタ
無線設備試買
テスト
無線設備試買テスト
要請・勧告・命令
販売状況調査
• 電波法に規定する免許を要しない無線
局のうち発射する電波が著しく微弱な
無線局の無線設備(微弱無線設備)
を対象として、技術基準への適合性を確
認。
• 試買テスト等の結果により、基準に適合し
ない微弱無線設備や、基準不適合設備
について、総務省から販売中止等の要請
を実施。悪質な場合、電波法に基づく勧
告・命令を実施。
• インターネットや実店舗等で販売されて
いる無線設備を対象に基準に適合しない
無線設備の販売状況を調査。
図表 1-19:基準に適合しない無線機器の未然防止
取組の一つである無線設備試買テストについては、平成 25 年度から実施されてお
り、電波法に規定する免許を要しない無線局のうち発射する電波が著しく微弱な無線
局の無線設備(以下「微弱無線設備」という。)を対象として、技適マークの表示が外
観上確認できない製品を中心に購入して測定し、微弱無線設備の技術基準に適合しな
いものについて公表している。図表 1-20のとおり、令和6年度までに公表された
機種数は 1,695 機種となっており、令和6年度には 95.1%の販売業者が改善措置を実
施したことが確認されている。
17
無線設備試買テストについて
平成25年度から、重要無線通信等に対する妨害等の未然防止の観点から、市場で販売されている無線設備の電波の強度等を
測定し、電波法の「微弱無線設備※」の基準への適合を確認・公表する無線設備試買テスト(以下「試買テスト」)を実施。(公表し
た機種数は、延べ1,695機種)
不適合の公表後、無線設備の販売店等に対し、総合通信局等から販売自粛等の要請を実施し、令和6年度は95.1%の販売
店で、当該無線設備の販売中止等が措置された。
※ 微弱無線設備︓電波法第4条第1号、施行規則第6条第1号の規程に基づく、発射する電波が著しく微弱な無線設備
●無線設試買テストのながれ
①購入︓インターネットで販売されている無線設備のうち、基準への適合が疑わしい機器
を選定し、1機種あたり各2台ずつ、月20~25機種程度を購入
②測定︓電波暗室において電界強度を測定。配置や測定方法は、昭和63年郵政省
告示第127号「著しく微弱な電波を発射する無線局の電界強度の測定方法
を定める件」及び「微弱無線設備の測定方法に関する解説書」を基に実施
③評価︓有識者(大学、研究機関、無線機器メーカー等)で構成される評価会により、
測定項目、試験設備、測定結果、測定方法等の妥当性を検証
④公表︓1年度のサイクルで3回実施(総務省ホームページで公表)
(第1次︓10月、 第2次︓1月、 第3次︓4月)
⑤要請︓無線設備の販売店等に対し、販売自粛等の要請を実施
ECモール等の運営者への共有(その時点で対応の場合もあり)
●実施サイ クル
※基準に適合しないもののみプロットしたもの
⑥とりまとめ︓⑤の要請結果の確認、とりまとめ(公表︓6月末頃)
今年度
4月
5月
計画
策定
購入・測定
6月
7月
8月
次年度
9月
10月
11月
12月
第1次
評価会
第1次
公表
販売店等へ要請
第2次
評価会
購入・測定
1月
第2次
公表
購入・測定
2月
3月
販売店等へ要請
第3次
評価会
4月
第3次
公表
5月
6月
販売店等へ要請
次年度 試買テスト 開始
図表 1-20:無線設備試買テストの概要
次に、図表 1-21のとおり、総務省からの要請等勧告及び命令についても重要な
取組となっている。電波法の技術基準に適合しない無線設備を販売している事業者に
対しては、販売をしないよう要請を行うが、他の無線局に重大な悪影響を与えるおそ
れがあると認められる際には、その事態を除去するよう、事業者に対し勧告を行う等
の対応を実施できる。一方で、多くは要請の段階において、販売が中止されるため、
一定の改善が進んでいる。
無線設備の販売業者への要請等について
無線設備試買テストの流れ
①
無線設備
の購入
②
電波の
測定
③
測定結果
の評価
④
総務省
HPで公表
⑤
販売業者へ
の要請等
⑥
結果確認
とりまとめ
無線設備の販売業者への要請等
無線設備試買テストの結果を踏まえ、混信や妨害を防止するため、微弱無線設備の基準に適
合しない無線設備の販売業者等に対して、無線設備の販売等を行わないよう要請。
ECサイト運営者への無線設備試買テストの公表結果を情報提供。
要請結果の確認、とりまとめの公表
要請の結果、販売業者等は、当該無線設備の販売を中止又は当該無線設備が電波法に定
める微弱無線設備に合致しないため、使用にあたり無線局免許が必要なことを明示するなどの
改善策を実施。
改善状況(令和3年度から要請等を実施)
令和3年度 93.6%、令和4年度 91.2%、令和5年度 92.5%、令和6年度 95.1%
図表 1-21:販売業者への要請等
さらに、電波法第 102 条の 11 第1項では、無線設備の製造業者、輸入業者、販売業
者は、基準に適合しない無線設備が販売されないよう適切に取り組むよう努めなけれ
ばならないと努力義務が課されており、図表 1-22のとおり、総務省では、各者に
18
求める取組を明確化するために、
「技術基準不適合無線機器の流通抑止のためのガイド
ライン」を策定・公表している。
「技術基準不適合無線機器の流通抑止のためのガイドライン」の策定・公表
ガイドライン策定の背景
電波有効利用成長戦略懇談会令和元年度フォローアップ会合における、技術基準不適合機器の流通抑止に関する以下の提言を
踏まえ、検討を実施。
提言概要
電波法(102条の11 第1項)の努力義務の対象である製造業者、輸入業者、販売業者においては、技術基準不適合機器が販売されな
いよう適切に取り組む必要があることに加え、消費者との間の実質的な接点を果たしている インターネットショッピングモール等運営事業者 (媒介
等業者)において、自主的な取組を促すことが必要。
総務省が各者に求める取組を予め明確化し、ガイドラインとして対外的に明示することにより、各者の主体的な取組を促すことが必要。
ガイドラインの概要
電波法で努力義務が課されている製造業者、輸入業者、販売業者に加え、インターネットショッピングモール運営者による自主的
な取組についても記載し、その強化を推進。
技術基準適合性の確認の実施 、技術基準不適合機器の取扱排除 、適合性に関する情報を流通の上流から下流への通知 、
販売に際し消費者へ分かりやすい通知・表示など、具体的な取組内容を明記。
意見募集の結果
実施期間
令和2年10月29日(木)~12月4日(金)
概ねガイドラインについては賛同の意見。技適マーク表示義務や販売規制を求める意見、微弱無線適合マークの推奨についての
意見あり。
ガイドラインの公表
改正電波法の施行(令和2年12月15日)に合わせ、ガイドラインを公表。
電波法・省令の改正内容及びガイドラインについて、電波利用ポータルにおいて紹介。
ガイドラインに基づくインターネットショッピングモール運営者等による取組の実施状況について継続的に確認、取組の強化を推進。
図表 1-22:ガイドライン策定・公表の経緯
図表 1-23のとおり、ガイドラインの中で、製造業者、輸入業者、販売業者にお
いては、技術基準適合性の確認の実施、適合性情報の表示、技術基準不適合機器(基
準に適合しない無線機器を含む。以下同じ。
)取扱いの排除、消費者への分かりやすい
通知・表示等、具体的な取組内容を明記している。また、EC モール等においては、出
品者による技術基準への適合性情報の表示の要求、適合性情報が適切に表示されてい
ない場合の掲載中止等の取組内容が含まれている。
「技術基準不適合無線機器の流通抑止のためのガイドライン」の概要
(令和2年12月15日公表。以下は抜粋して概要としたもの)
基本的考え方(目的)
本ガイドラインは、電波法第102条の11第1項に基づき無線機器の製造業者、輸入業者及び販売業者が努力義務を果たし、
無線機器の製造、輸入、販売を適正化する取組を実施すること、並びに無線機器を商品として掲載しているインターネットショッピン
グモールの運営者による無線機器の掲載の適正化に向けた自主的な取組を明らかにすることにより、技術基準不適合機器の流通
抑止及び無線機器の流通における適切な情報提供を確保し、もって電波の公平且つ能率的な利用の確保による公共の福祉の増
進を図ることを目的とする。
無線設備の製造業者、輸入業者、販売業者の努力義務(無線設備製造業者等)
1 流通上の取組
⑥ 技術基準不適合機器の総務省への通知
① 無線設備の技術基準への適合性確認
⑦ 技術基準への適合性に疑義のある場合の措置
② 技術基準適合証明等の表示、工事設計合致義務
⑧ 技術基準への適合性情報の購入者への通知
③ 技術基準不適合機器の不製造・不輸入・不販売
④ 技術基準適合性情報の出荷先への通知・確認対応措置
2体制の整備
⑤ 技術基準不適合機器リストにある無線機器の不販売・不輸入
① 社内体制の整備
② 代表者の責務
インターネットショッピングモールの運営者の取組
① 出品者による技術基準への適合性確認の要求
② 出品者による技術基準への適合性情報の表示の要求
③ 技術基準適合性情報が適切に表示されていない場合の掲載中止
④ 技術基準不適合機器リストにある無線機器の掲載中止
⑤ 技術基準への適合性に疑義のある場合の措置
⑥ 規約への反映
その他(総務省、関連団体等の取組)
① 総務省は、本ガイドラインの遵守のモニタリング、基準不適合リストの更新、周知啓発活動 、無線機器製造業者等及びイン
ターネットショッピングモール運営者との情報交換を等を行う。
② 無線機器製造業者等の関連団体は、会員企業に対して必要な指導や助言等を行うことにより、問題事例の発生を未然に防
ぐことが望ましい。また、総務省から報告の求めや対応要請等があった場合には適切に対応すること。
③ 無線機器製造業者等は、民間の微弱無線設備証明マークを表示するなど、技術基準適合性情報を購入者が確認することを
容易にするための取組が望まれる。
図表 1-23:ガイドラインの概要
19
以上のように、総務省では基準に適合しない無線設備による混信の未然防止に向け
た取組について様々な事業を実施しているものの、図表 1-24に示すとおり、無線
設備試買テストにおいては、過去に基準に適合しない無線設備として公表されたもの
が、別の販売業者によって再び市場に流通しているケースが確認されている。令和3
年度の試買テストで公表された無線設備では、107 機種中 44 機種が再び販売されてい
たことが確認されている。さらに、外国製無線機器への対応の困難さも挙げられる。
多くの微弱無線設備が、外国の製造業者によって製造されており、その追跡や管理が
難しい状況にある。令和6年度に公表された無線設備のうち、製造業者が外国または
不明な機種が約9割を占めるという状況である。また、令和7年度の外国規格無線機
器の取締りにおいて機器の入手先を確認したところ、7割以上が EC モールを通じた購
入であった。とりわけ、EC サイトの拡大等により、基準に適合しない無線機器の市場
での流通が続いている状況である。
試買テストの結果の分析(不適合機器の内訳、継続販売の状況)
・ ECサイトに掲載されている技適マークが無い等、疑いのある機器を対象として試買テストを実施した結果、微弱無線の基準
に適合しない機器の割合が高い水準で推移。
・微弱無線の基準に適合しない機器として公表された機器のうち外国製機器の割合が高い水準で推移。
・公表された機器について、引き続き販売されていることが確認されている。
試買テスト( EC 販売)の測定結果における
試買テスト不適合機器の製造業者等の内訳
不適合機器の割合
100%
外国製無線機器の割合
100%
不適合機器の割合
17% 22% 16%
80%
9%
外国
22%
国内
16% 14%
60%
95% 90%
89% 91%
80%
69% 66%
83%
83% 78% 84%
40%
75%
20%
0%
2%
80%
60%
40%
6%
94% 98% 91%
78%
84% 86%
20%
H28 H29 H30
R1
R2
R3
※ECサイトに流通している機器の中から
写真や記載等を確認しても技適マークが無いなど、
微弱無線の基準を超過している疑いのある機器を
選定対象として測定調査を実施
R4
R5
0%
R6
試買テスト不適合機器のモニタリング調査
100%
80%
(継続販売状況)
51%
H28 H29 H30
販売確認
販売未確認
R1
R2
R3
R4
R5
R6
※試買テストの結果不適合だったものについて
パッケージや説明書等の記載から製造業者等を調査
59%
60%
40%
20%
0%
49%
41%
R5R2公表分
(R2公表分)
(R5調査時点)
R3公表分
R6 (R3公表分)
(R6調査時点)
※不適合機器として過去に公表したものを対象に
その後の販売状況を調査
図表 1-24:不適合機器の内訳・継続販売の状況
また、消費者における認知度向上も課題である。技適マークをはじめとする技術基
準適合性に係る制度、無線設備試買テストの結果等について、リーフレットや広報活
動を通じて消費者への周知を強化している。
さらに、GPS 抑止装置、携帯電話抑止装置や外国規格のドローン等、重要無線通信
に対する妨害の可能性がある無線設備が市場に存在している状況である。
20
1.3.検討すべき優先課題
以上の背景を元に、電波監視分野における利用環境の変化と優先課題として検討す
べき内容をまとめたものを図表 1-25に示す。
図表 1-25:検討の背景
電波監視や不法無線局の排除は、電波の利用秩序の維持に必要不可欠であり、総務
省では、電波監視業務として電波監視設備(DEURAS)等を用いて、不法無線局の特
定・排除に向けて対応を行っている。
しかしながら、近年、電波利用環境の変化が顕在化しており、これらの変化に対応
し、限られた人的資源で電波監視業務を着実かつ持続的に実施していくための方策の
検討が必要な状況にある。
まず、5G技術の浸透や技術向上により DEURAS 固定センサ対応の周波数を超える高
い周波数の電波利用が拡大しており、従来の固定センサを中心とした電波監視では移
動体通信に対する混信や妨害の特定・排除が困難になってきている。また、太陽光発
電設備や LED 等の電子機器の利用増大に伴う、ノイズを由来とした意図しない混信事
例が増加し、高周波数帯の妨害源から発射される電波や電子機器からのノイズは伝搬
距離の短さから、同様に固定センサではとらえることが困難となっており、5G等、
高い周波数の利用拡大や新たな干渉源の顕在化に対応することが求められる。
次に、急速な技術革新により、メガコンステレーション衛星や HAPS といった NTN が
登場する中、現行の衛星監視設備はメガコンステレーション衛星には未対応であり、
国際的にも監視手法が未確立という現状である。衛星コンステレーションや HAPS 等の
革新的な通信サービスの急速な進展に電波監視も対応することが求められる。
さらに、EC サイトの拡大により、基準に適合しない外国製無線機器と一般利用者の
接点が増大しており、総務省では、EC サイトにて販売される無線機器に対して試買テ
スト等の対策を推進する一方で、基準に適合しない外国製無線機器の市場での流通が
21
続いている状況である。特に、ドローンをはじめ、基準に適合しない無線機器の上空
での利用が拡大することにより、広範囲において混信・妨害の影響が及ぼされること
が危惧されており、外国製等の基準に適合しない無線機器に対応することが求められ
る。
本中間答申においては、これらを背景として、今後、電波監視が対応を求められる
優先課題として検討していくこととする。
22
第2節 電波監視の在り方に対する検討
本節においては、今後の電波監視体制の方向性について検討した結果を示すもので
ある。前節にて整理したとおり、電波利用環境は急速に変化しており、従来の監視技
術や体制の延長線上では対応が困難な状況が生じている。これらの状況から課題を整
理し、今後の対応の方向性を示すものである。
2.1.
課題認識の概要
図表 2-1に、電波監視体制の今後の方向性について検討した結果を示す。
図表 2-1:
電波監視の今後の方向性について
課題認識として、まず、5G等の高い周波数の利用拡大や新たな干渉源の顕在化に
より、固定監視の限界を超え、移動監視の重要性が増大している。携帯電話等の移動
体通信において、より高い周波数帯の利用が進んでおり、これらの電波は伝搬距離が
短いという特性を持つため、従来の固定監視設備では対応が困難となっている。
次に、衛星コンステレーションや HAPS 等の革新的な通信サービスが急速に進展して
いる。特にメガコンステレーション衛星は、従来の静止衛星通信とは異なり、多数の
衛星が同時に存在し、24 時間常に各方面から電波が届くといった特性を持つ。このよ
うな新しい無線システムに対して、従来の監視技術の延長線では対応が困難である。
さらに、EC サイトでの販売の拡大やインバウンドの増加により、外国製等の基準に
適合しない無線機器による混信の可能性が増大している。EC サイトでの販売において
技適マークの確認が困難な事例が多く、製品が無線設備に該当することや国内使用が
禁じられていることを消費者が意識せずに購入している場合も少なくない。このよう
な状況に対して、事後的な取組だけでは対応が困難である。
23
2.2.
対応の方向性
これらの課題認識を踏まえ、図表 2-1において対応の方向性が示されている。NTN
をはじめとした革新的な通信サービス、高い周波数帯の利用、新たな混信源への対応
等、電波利用を取り巻く環境の変化に対応し、時代に即した電波監視を推進すること
が必要である。そのためには、移動監視体制の強化、監視設備の早期配備、技術開発
の推進、事業者との連携強化、持続的な体制の確保をはじめとする取組が不可欠であ
る。加えて、流通段階の対策強化に取り組むことで、電波監視との両輪での対応を進
めていく必要がある。
具体的な電波監視体制の今後の方向性として、図表 2-1下部に示されるとおり、
三つの柱を軸とした対応強化の方向性を設定した。
第一の柱は「電波監視の基本体制の強化」であり、特に移動体通信における高い周
波数利用を踏まえ、移動監視を重点的に行う電波監視体制を構築することである。
第二の柱は「革新的な無線システムへの早期対応」であり、革新的な無線システム
に早期に対応するため、国産技術の育成や電波監視体制の構築を推進することであ
る。
第三の柱は「基準不適合機器への対応強化」であり、流通段階の対策を強化するた
め、試買テスト等の強化、EC モール事業者との連携強化等を推進することである。
24
2.3.
電波監視の基本体制の強化
2.3.1.
移動監視体制の強化
2.3.1.1.
移動監視体制の現状と課題
総務省における従来の電波監視は、警察・消防無線等都市部で盛んに利用されてき
た無線システムに対する妨害をいち早く検知するため、特に人口が密集する地域に優
先して配備した固定電波監視施設(DEURAS-D)を用いて、はじめに混信源の大まかな
推定を行い、移動監視を行うことで混信源の特定、排除を行ってきた。
警察・消防無線等の無線システムは低い周波数を利用しており、移動監視にあたっ
ても、これら低い周波数をターゲットとするような電波監視用設備を配備・活用して
きており、配備から時間が経過し、老朽化が進んでいる状況にある。
また、総合通信局所在地から距離のある地点の混信源探査には、現地到着までに相
応の時間を要する場合もある。
さらに、近年、高い周波数の電波利用における混信や電子機器から発生するノイズ
による混信においては、混信源の電波の伝搬距離が短く、携帯電話システムの混信に
おいては、稠密に基地局が存在することから、これらの周波数にあっては、固定電波
監視施設により電波を識別・推定することが困難となっている。
重要無線通信妨害に対応する人員体制面においても、重要無線通信妨害に関する申
告受付は 24 時間 365 日体制ではあるが、夜間・休日に発生した妨害に対応する移動監
視人員の確保が非常に困難となっている。さらに、重要無線通信妨害以外の一般申告
が多く、その対応に電波監視職員の業務時間の大半を割いている実態がある。
2.3.1.2.
移動監視体制の強化に対する考え方
高い周波数の利用拡大や伝搬距離が短い無線機器からの混信に対応するため、現地
に赴き電波監視を実施する移動監視の重要性が増大していることから、より高度化さ
れた移動監視機器を導入し、あわせて即応的に移動監視を行える人員を確保するとい
った電波監視体制の構築が求められる。
移動監視に赴く体制を確保するために、電波監視業務の優先度を見直し、重要度に
応じた電波監視を行える電波監視体制の構築が求められる。
また、固定電波監視設備について、移動監視体制の強化にあわせて、配置箇所の最
適化を進め、効率的な設備を導入することが求められる。
2.3.1.3.
具体的な取組の方向性
・効率的な移動監視のための機器を早期導入
特に高い周波数や伝搬距離が短い無線機に対応した移動監視を行うために必要な
機器を早期導入し、効率的な移動監視を実施する体制を構築することが必要であ
る。具体的には操作性・利便性を向上させた車載型センサ機器や高度化された電波
可視化装置等の導入の検討などの取組を推進することが適切である。
移動監視機器の導入にあわせて固定電波監視施設の最適配置を目指し、固定監
視・移動監視双方が効率的に連携を行える施設整備を推進することが必要である。
・24 時間 365 日での持続的な体制の確保・強化
交代要員の拡充による重要無線通信妨害申告受付・初動体制を早急に強化するこ
とが必要である。
25
・重要無線通信妨害対策の重点化・強化
電波監視業務における人的リソースの再配分として、業務の棚卸や対応する業務
の優先順位を見直し、限られた人的リソースを重要無線通信妨害に対する移動監視
に集中できるよう体制を見直すことが必要である。
また、現在実施している、漏洩電波調査事業のように、長期定点観測や巡回車両
調査などの定常監視を民間事業者等に外部委託することで、申告を受けた際に即時
に現地調査可能な体制の構築を推進することが適切である。
さらに、新たな無線システムなどの導入に伴い周波数割当に追加・変更が生じた
場合において、周波数割当に沿った電波利用が行われているか等の適正な使用状況
の把握に資する調査を一層強化し、電波の適正利用の確認に取り組むことが必要で
ある。
・ノウハウ共有といった電波監視経験値向上の推進
近年様々な無線機器が普及しており、基準に適合しない無線機器に起因する重要
無線通信妨害が多発している。こういった機器は次々に新たなパターンとして混信
源として登場することから、発生後ただちに探査手法を確立しなければならない。
このため、総務省における電波監視・分析機能をより向上させるといったコンサル
ティング能力を強化するとともに、混信原因や探査手法をとりまとめ、電波監視職
員が同じ知識や経験を有するようにするための取組を推進することが適切である。
2.3.2.
電波監視分野における外部連携の強化
2.3.2.1.
電波監視分野における外部連携の現状と課題
携帯電話の普及や小電力で利用する無線機の増加といった電波利用環境の変化によ
り複雑化する混信に対応するため、混信源の探査・排除に際しては事業者等免許人と
の一層の連携が重要である。また、移動監視の重要性が高まる現状において、総務省
における電波監視業務に従事する職員の高齢化や定員削減が進行中であり、人的リソ
ースの確保とともに電波監視業務の特殊性・専門性から、蓄積したノウハウや技術の
伝承が課題である。
一方、外部調査能力の活用についても、現在、漏洩電波調査の形で実施している民
間事業者の活用については、混信源の推定・分析・探査といった総合的な電波監視能
力が求められるものの、長期間に及ぶ電波調査等、人材や体制といった業務の受け皿
の確保が困難といった課題がある。
2.3.2.2.
電波監視分野における外部連携強化に向けた考え方
携帯電話事業者をはじめとする免許人の重要無線通信等が混信を受けた際に、効率
的かつ迅速に混信を排除できる体制を構築するとともに、電波監視業務に従事する総
務省職員の電波監視技術能力の維持・向上が求められる。
電波監視能力の確保のために、民間の調査技術の積極的な活用を行い、迅速な混信
排除体制を構築し、混信申告対応時のみならず、平時においても調査技術を活用し能
力の維持・向上に努めることが求められる。
2.3.2.3.
具体的な取組の方向性
・電気通信事業者等、免許人との連携強化による対応の迅速化
26
重要無線通信を行う事業者等免許人と日頃の連絡・情報共有を密にすることで、申
告の際に即応し、迅速な混信排除に取り組むことが必要である。
さらに、新たな周波数帯や新たな技術を用いた無線システムでは、より稠密な電波
利用となることが想定されるため、電波利用における情報連携を一層深め、官民連携
して電波利用環境の維持を目指すための協力体制の構築を推進することが適切であ
る。
・定常監視等の外部委託の拡充、即応性向上
民間の調査技術を積極的に活用するため、現在行っている取組である漏洩電波調査
事業について、より事業規模を拡大し、混信が発生した際に迅速に現地に赴き測定を
行う体制を確保することが必要である。また、平時においては、巡回測定を行い、混
信の未然防止の取組の一環として、基準に適合しない無線機器の探査等を積極的に実
施する取組を推進することが適切である。
これら民間の調査技術の活用を行うことで、電波監視に必要な能力を有する組織や
人材を育成するとともに、電波監視業務の受け皿を確保することが必要である。
2.3.3.
AI 活用と DX 推進
2.3.3.1.
AI 活用と DX 推進に関する現状と課題
これまで述べたとおり、今日、様々な無線システムが発展し、無線機器が身近に普
及している一方で、電波監視を行うための人材は、その性質から育成に時間を要する
ため、人員の確保が難しい状況にある。
また、電波監視業務に従事している総務省職員は、主流となっている業務として、
アマチュア無線の業務利用や識別信号の不送出といった運用違反等に対して、職員に
よる聴取から電波規正用無線局を用いた適切な利用呼び掛けといった業務を行ってい
るが、聴取や規正の呼び掛けは手作業での業務となっているため、総務省職員が対応
可能な時間や能力が限られ、度重なる違反に対して是正指導や告発に至るための証拠
の積み上げに手間と時間を要している実態がある。
2.3.3.2.
AI 活用と DX 推進に対する考え方
少ない人員体制で最大限の効果を発揮するような設備や機能の導入を行い、引き続
き電波利用環境の保護に務める体制を確保・維持していく必要があるため、AI の活用
や DX の推進により電波監視業務の省力化を目指すことが求められる。
2.3.3.3.
具体的な取組の方向性
電波監視業務を洗い出し、デジタル化や AI の活用により総務省職員の業務効率を向
上する取組を推進することが必要である。
特に、総務省職員が手作業で行っている電波監視業務について、業務効率向上を目
指すために、業務の棚卸を行い、単純化できる業務は DX 化を進め電波監視業務の効率
化を行うことが必要である。
また、音声認識や自動記録といった運用監査の補助を行うだけでなく、将来的には
不法無線局の探査や判定を行えるといった AI の活用を推進することが適切である。
27
2.4.
革新的な無線システムへの早期対応
2.4.1.
NTN 時代の電波監視体制の早期構築
2.4.1.1.
NTN 時代の電波監視体制に向けた現状と課題
これまでの電波利用では、陸上・海上・航空利用を主とした地上系無線システムが
主な利用場所であり、電波監視においても地上系無線システムによる無線局の探査や
監査が主であった。NTN 時代においては宇宙や高高度での電波利用が活発になってい
くため、これまでの電波監視とは大きく異なる電波監視設備が必要となる。
例えば、メガコンステレーション衛星群は多数の衛星が同一地点から見え、様々な
角度から様々な電波が地表面へ到達する。従来の静止衛星や非静止衛星に対する電波
監視体制では対応できず、より高度な電波監視設備が必要となる。さらに、多数の衛
星から電波が発射されることから、国際的なルールにより電波利用が優先される静止
衛星通信が保護されているか確認するために、間断のない電波監視体制の構築が必要
となる。
2.4.1.2.
NTN 時代の電波監視体制に向けた考え方
NTN 時代においては、特に、地上系無線システムと衛星系無線システムが同一周波
数によりサービスを提供するといった周波数共用が進んでいる。周波数共用により、
同一周波数を利用する他システムに影響を及ぼさないよう各システム間で定められた
制限値の範囲内で運用することが重要となる。これら制限された運用を確認するよう
な電波監視体制の確保が求められる。
特に、サービスを開始しているメガコンステレーション衛星に対する電波監視体制
の構築は、即時の対応が求められる。
2.4.1.3.
具体的な取組の方向性
・メガコンステレーション衛星に対する電波監視設備の整備(令和8年度から)
運用が開始されている Ku 帯のメガコンステレーション衛星を用いたサービスのう
ち、衛星通信サービスについて、令和8年度より電波監視設備を整備し、早期に電波
監視体制を構築することが必要である。電波監視設備の整備にあたっては、従来の衛
星通信に対する電波監視設備とは異なり、メガコンステレーションの特徴を踏まえた
設備を広域に導入していくことが必要である。
また、携帯電話と同一周波数を利用した衛星ダイレクト通信については、サービス
の形態を分析し、不適切な利用が行われていないかを確認する電波監視を実施するた
めの電波監視設備の整備が必要である。
さらに、今後サービスを開始するとされるメガコンステレーション衛星を用いた Ka
帯衛星通信サービスや HAPS を用いた携帯電話のエリア拡充事業に対して、必要な時期
に必要な電波監視設備を整備できるよう準備を行うことが適切である。
・ 運用体制の確保、能力の向上
メガコンステレーション衛星の電波監視について、従来の衛星通信とは異なる運用
形態であることから、24 時間 365 日即応できる体制を整え、混信が発生した場合には
直ちに対象の衛星を探査するといった運用が必要である。
また、HAPS や衛星ダイレクト通信においては、地上系の基地局が整備されていない
ルーラルエリアが主な利用地域となることが想定される。そのため、サービス提供事
28
業者と連携し、必要に応じて現地調査を行うといった人員体制を確保することが必要
である。あわせて、海外の人工衛星から我が国上空で電波が発射され、サービス対象
外にもかかわらず接続されてしまうといった問題が生じる懸念が存在することから、
いち早く対象の人工衛星を特定し、国際的な連携を行い、早急な排除を行えるよう体
制を確保することが必要である。
さらに、衛星系の電波監視は従来の地上系の電波監視とは大きく異なるため、職員
の能力を向上するための取組を推進することが必要である。
2.4.2.
技術開発の推進
2.4.2.1.
電波監視における技術開発の現状と課題
電波監視に係る技術については、幅広い周波数に対応する能力、発射源の特定等、
通常の無線システムでは用いられない専用の技術が必要となる。
これまでの電波監視分野における設備の調達は、メーカー等で開発を行った機器に
ついて、現場での実証等を踏まえ、導入の可否を判断し、調達を実施してきた。一部
機器については、総務省からの要望に基づいて開発製造された製品も存在するもの
の、生産台数が少ないことから導入コストが増大する場合もあった。そのため、我が
国のメーカー等事業者が参入することが難しく、国産技術の育成が困難な状況にあ
る。
しかしながら、高度化・複雑化する新たな電波利用に対応するため、行政ニーズと
して新たな電波監視技術・設備の導入が求められる一方、電波監視分野は特殊性のあ
る分野であり、電波監視に特化した研究開発は広く行われていないといった課題があ
る。
2.4.2.2.
電波監視における技術開発の考え方
電波監視の効率化及び技術の高度化を推進するため、大学、メーカー及び研究機関
と課題を共有し連携することで、電波監視分野に応用可能な基礎的な技術開発を行え
る仕組みが求められる。
2.4.2.3.
具体的な取組の方向性
・アンテナ技術等、電波監視に係る国産技術育成のための研究開発を推進
電波監視技術の基礎的技術開発として、新たな検波システムの開発や受信アンテナ
の高利得化・小型化・広帯域化等、電波監視技術のみならず、電波産業全体の発展に
寄与するような技術開発を推進することが必要である。
・電波監視システムの技術開発推進・新技術活用
電波監視設備の機能について、各測定器より得られたデータを統合して解析・分析
を行えるような統合分析環境の構築をはじめ、技術や監視設備の効果的な運用技術
等、電波監視設備を効率的に利用するための機能開発を推進することが必要である。
加えて、今後打ち上げられる見込みの、地表面の電波を測定できる地球探査衛星のデ
ータ活用の検討や、上空から機動的に観測する電波監視ドローンのような新たな監視
機器の活用の検討を推進することが適切である。
29
2.4.3.
国際機関との連携強化
2.4.3.1.
国際機関との連携強化における現状と課題
電波資源を国際的に管理している国際電気通信連合(ITU)では、電波について、各
国において電波監視を実施し、適切な周波数管理、無線局運用を行うよう取組を行っ
ている。
特に国境を越えて電波が到来する短波帯は、無線通信規則(Radio Regulations)に基
づき、国際監視局に指定された我が国を含む各主管庁から収集された電波監視結果を
公表するといった国際監視体制が整備済みである。
しかしながら、人工衛星が利用する電波利用については、事前の周波数調整に重点
を置いており、実際の運用時においては各国間での協議のもと設定された諸元での運
用を行っている状況である。人工衛星の電波監視は各国それぞれで実施しており、平
時のデータ収集や混信発生時における電波監視協力体制が乏しい状態である。
2.4.3.2.
国際機関との連携強化に向けた考え方
メガコンステレーション衛星による衛星通信の構想からサービス開始まで、性急な
導入となり監視体制の構築に時間を要したことから、今後登場する革新的な無線シス
テムに対して国際動向調査を継続するといった情報収集活動を行うことが求められ
る。
国際協調・連携を強化するため、今後、メガコンステレーション衛星に対する電波
監視に関心を持つ主管庁との情報交換等を実施し、電波監視協力関係を強化するこ
と、また、国際ルール整備の働きかけとして、ITU において、NTN に対する監視手法の
標準化を推進するとともに、通告の対応等、国際ルール整備に向けた働きかけを行う
ことが求められる。
2.4.3.3.
具体的な取組の方向性
・革新的な無線システムに関する国際動向の情報収集能力の強化
革新的な無線システムについて、その動向を調査し、我が国に影響を及ぼすおそれ
がある場合においては電波監視体制を早期に構築できるよう情報収集能力の維持・向
上に向けた取組を推進することが必要である。
・電波監視手法及び電波監視データの国際標準化の推進
現在、国際的に成熟していないメガコンステレーション衛星等の電波監視手法につ
いて、各国の動向を把握するとともに、我が国の取組を情報提供し、国際的に標準化
された電波監視手法の早期確立に寄与する取組を推進することが適切である。
また、革新的な無線システムにおける外国からの混信に早期に対応できるよう、ITU
に対して短波帯と同様の国際電波監視体制の整備に向けた働きかけを行うとともに、
通告に使用する電波監視データについて、世界的に標準化を進めるといった国際連携
強化を進めることが必要である。
30
2.5.
基準不適合機器への対応強化
2.5.1.
試買テスト・市場モニタリングの強化
2.5.1.1.
試買テスト・市場モニタリングに係る現状と課題
EC サイトに掲載されている一部商品において、電波を発射することが明確であるも
のの、技適マークが無く、微弱無線の基準にも適合しない等の疑いのある機器が多数
存在し、そういった機器を対象として総務省では無線設備試買テストを実施してい
る。
試買テストの結果、微弱無線の基準に適合しない機器の割合が令和6年度の調査結
果で 76%と高い水準となっており、さらにそのうち外国製機器の割合が 86%となってい
る。
また、過去に基準に適合しなかった無線設備と同一の型式を EC サイト上で調査した
ところ、別の販売業者で販売されている状況も確認されており、重要無線通信妨害と
なる可能性がある無線機も散見されている状況である。
さらに、上空から動画を送信するドローンなどが混信源となる場合や、基準に適合
しない機器が大量に販売されている場合は、影響が広範囲に渡ることが危惧されるな
ど、流通段階での取組が重要性を増している。
2.5.1.2.
試買テスト・市場モニタリングの強化に向けた考え方
現在、総務省において実施している無線設備の試買テストについて、販売動向や混
信リスクを踏まえて対象機器を拡大する等、取組の強化を進めることが求められる。
また、基準に適合しない無線設備が継続して販売されている現状について、市場モ
ニタリングを実施するなど、流通段階の対策強化に繋げることが求められる。
2.5.1.3.
具体的な取組の方向性
・販売動向や混信リスクを踏まえて対象機器を拡大する等、試買テストの強化
試買テストの強化として、EC サイトでの販売動向を加味するとともに、近年の監視
業務の結果や電波障害分析の知見を活用しつつ、混信の発生状況や傾向、リスク等を
把握しながら、試買テストの対象を決定していくなどの取組を推進することが必要で
ある。令和7年度試買テストにおいては、先行してドローンの重点的な調査に着手し
ており、直近の状況を踏まえ、年度ごとに柔軟に対象を見直しながら進めることが適
切である。
また、消費者団体等の他団体への基準不適合機器リスト等の情報共有を含めた連携
の強化に取り組むことが有効と考えられる。
・販売状況を把握する市場モニタリングの開始
市場モニタリングとして、現在総務省で実施している販売状況調査を強化して、不
適合機器の販売状況を継続的に把握するとともに販売業者等に対応を促すなどの取組
を推進することが必要である。
31
2.5.2.
事業者等との連携強化
2.5.2.1.
EC モール事業者等との連携強化に係る現状と課題
前述のとおり、EC サイトに掲載されている技適マークが無い等、疑いのある機器を
対象として試買テストを実施した結果、微弱無線の基準に適合しない機器の割合が高
い水準で推移している。基準に適合しないものは、製造業者等が外国か記載の無いも
のが多く、このような場合はガイドラインに基づく取組や要請も困難である。ガイド
ラインの中で、販売業者等においては、適合性情報の表示、消費者への分かりやすい
通知等の取組を求め、EC モール事業者等においては、出品者による技術基準への適合
性情報の表示の要求、適合性情報が適切に表示されていない場合の掲載中止等の取組
を求めている一方で、販売時に技適マークを確認できない事例も多く、現行の販売業
者への要請やガイドラインに基づく対応は必ずしも十分でない。
特に、EC モールを通じた販売では、海外の販売業者や個人事業主等を介して、外国
規格の無線設備と一般消費者との接点が拡大している。海外の製造業者は必ずしも日
本国内での使用を想定して無線設備を製造しているわけではなく、消費者は製品が無
線設備に該当することや国内使用が禁じられていることを理解せずに購入している場
合も少なくない状況となっている。また、総務省において外国規格の無線設備の不法
電波を補足し現場で措置を行ったところ、その多くは EC モールを通じて入手されたこ
とが確認されている。
EC モール事業者は、ガイドラインに基づく取組の継続を希望するとともに、総務省
の試買テストやその情報提供を評価しつつ運用改善を希望している。
2.5.2.2.
EC モール事業者等との連携強化に向けた考え方
EC モールは無線機器の販売において基盤的な役割を担っており、試買テストの効果
的な運用やガイドラインに基づく取組の着実な推進など、基準不適合機器への対応強
化に向けて、EC モール事業者等との連携を深めることが求められる。
また、EC モール事業者等は直販を行わない場合、電波法第 102 条の 11 の「努力義
務」の対象ではないが、利用者が意図しない基準不適合機器の購入や使用に繋がらな
いよう、取組の強化が求められる。販売時の技適情報の活用促進や、購入時において
利用者保護の視点での適切な情報提供を推進することが求められる。
さらに、技適マークをはじめとする技術基準適合性に係る制度やその必要性につい
て、利用者や販売業者への周知・啓発の強化が求められる。
2.5.2.3.
具体的な取組の方向性
・試買テスト等の効果的な運用のための EC モール事業者等との連携強化
EC モール事業者等との情報交換や連携を深め、総務省における試買テストをはじめ
とする取組の効果的な運用や改善に繋げるとともに、技適マークをはじめとした制度
の利用者・販売業者への周知・啓発の強化に繋げる。その際、販売経路の実態や国内
外の各主体の取組状況等を捉え、実効性のある取組を推進する必要がある。
・販売時の技適情報の活用促進や利用者への適切な情報提供の推進(ガイドラインの見
直し等)
EC モールを中心とした販売時の技適情報(認証番号等)の提示を推進する必要があ
る。専ら海外で使用するもの等、例外的に適合性が確認できない機器を販売する場合
においては、電波法上のリスクについて消費者への適正な情報提供を目指して、販売
32
業者や EC モール事業者等を対象としたガイドラインの見直し等を通じ、理解しやすい
表現での確実な情報伝達が求められる。また、必要に応じて規制対象や努力義務の見
直しの検討が必要である。
2.5.3.
周知啓発活動の強化
2.5.3.1.
周知啓発活動における現状と課題
EC サイトの普及により、消費者は様々な製品を手軽に購入できるようになった一方
で、購入時に製品が無線設備に該当することや、技適マークの有無を認識せずに購入
している場合も多く、また、訪日外国人の増加に伴い、国内での利用が違法となる、
外国規格の無線設備を利用し、重要無線通信への混信も発生している。
そのため、技適マーク等の周知用ポスター、リーフレット、動画、専用ウェブサイ
ト等を作成し、地方主要施設等への掲示、インターネット広告、業界紙・専門誌、各
種サイネージ等を通じて展開することで、周知啓発活動を実施しているが、依然とし
て認知が低い状況となっている。
加えて、無線設備が電波法の基準に適合しているか確認する無線設備試買テストに
ついては、その結果は販売業者等に通知しているため一定の効果は得られているが、
消費者にはあまり知られていないことや、製品選びの目安となる微弱無線設備登録制
度(ELP マーク)の取得促進も併せて、周知・啓発活動における継続的な課題となっ
ている。
2.5.3.2.
周知啓発活動の強化の考え方
これまで技適マーク等の周知用ポスター・リーフレットを作成・配付しているもの
の、消費者の認知が依然として低いことから、ターゲットやメッセージを明確にしつ
つ、効果的に認知率を向上させるための周知方法について具体的な検討が求められ
る。
加えて、リテラシー向上のため電波教室を通じた周知啓発活動が実施されていると
ころ、公民館や学校など特定の参加者のみが対象となっているため、デジタル技術の
活用も含めリーチを拡大していくことが求められる。
2.5.3.3.
具体的な取組の方向性
・EC サイト利用やインバウンドによる持込無線機器に対する注意喚起の強化、取締状
況の周知強化
EC サイトを通じた一般利用者による外国規格の無線機器の購入、訪日外国人による
無線機器の持込みをはじめ、近年の不適合機器の利用に至る具体的な状況をターゲッ
トとした注意喚起や、不適合機器を利用した場合の影響度や罰則対象となるといった
利用者のリスクの明確化、インターネットターゲット広告の更なる活用等を通じて、
周知啓発活動を強化する取組を推進することが適切である。
併せて、不法無線局の取締を着実に推進するとともに、具体的な取締事例や混信事
例の周知を強化し、利用者の理解促進に努めることが必要である。
・集中的で効果的な周知啓発活動の実施、電波教室の活性化
効果的な周知啓発の方策について、技適マークをはじめとした制度のより一層の認
知度の向上を目指し、他分野のグッドプラクティスや専門家からの助言も参考としつ
33
つ、著名人とのコラボレーションや短期で集中した動画配信、テレビスポット放映を
実施するなどの情報発信手法等について検討し、認知率向上の取組を推進することが
必要である。
リテラシー向上の更なる促進のため、リーチ拡大を目指し、従来、公民館や学校等
で開催している電波教室について、不特定多数の人出が見込めるショッピングモール
等における試行的な開催や、デジタルコンテンツ化を推進することが必要である。
34
第3節 まとめ
本中間答申では、電波監視体制の今後の方向性について、三つの柱を軸に具体的な
方向性の検討を行った。第一の柱である「電波監視の基本体制の強化」では、移動監
視体制の強化、電波監視設備の整備、外部連携の強化、AI 活用と DX 推進について具
体的な取組を示した。第二の柱である「革新的な無線システムへの早期対応」では、
NTN 時代の電波監視、メガコンステレーション衛星への対応、上空からの電波監視、
宇宙電波監視体制の拡充、技術開発の推進、国際協調について具体的な取組を示し
た。第三の柱である「基準不適合機器への対応強化」では、市場調査の強化、事業者
等との連携強化、周知啓発の強化について具体的な取組を示した。
これらの取組を通じて、高い周波数帯の利用、新たな混信源への対応、NTN をはじ
めとした革新的な通信サービス等、電波利用を取り巻く環境の変化に対応し、時代に
即した電波監視を推進することが必要である。そのためには移動監視の強化、監視設
備の早期配備、技術開発の推進、事業者との連携強化、持続的な体制の確保をはじめ
とする取組が不可欠であり、加えて、流通段階の対策強化に取り組むことで、電波監
視との両輪での対応を進めていく必要がある。
図表 3-1に前節にて検討を行った電波監視体制及び未然防止取組強化に対するロ
ードマップを示す。総務省においては、それぞれの柱において、迅速な体制確保や実
施を行う必要がある。
電波監視体制・未然防止取組強化ロードマップ
令和8年度
令和9年度
移動監視体制強化(先行)
設備の試験導入
移動監視の強化
移動監視体制の強化(全国)
操作性・利便性を向上させた移動監視設備の導入
固定センサ配置計画の
固定センサ施設の高度化・再配備
検討・策定
コンサルティング能力の強化、監視経験値向上の推進
外部連携の強化
基準不適合機器
への対応強化
令和11年度~
業務の棚卸し・優先度付け 重要無線通信妨害対応の重点化、関連規定の整備
電波監視の
基本体制強化
革新的な
無線システムへの
早期対応
令和10年度
連携強化に向けた意見交換 免許人等との連携強化
現行調査請負の拡充
AI活用やDX推進による
業務効率化
DX化やAI活用による業務効率向上
電波監視体制の
早期構築
メガコンステレーション衛星に対する
監視設備の構築、監視体制の確保
技術開発の推進
研究課題の選定
定常監視等の外部委託の拡充
機能の充実
監視の実施・設備の充実
国産技術育成のための研究開発の推進、監視システムの技術開発の推進
国際機関との連携強化
情報収集能力の向上・電波監視手法や電波監視データの国際標準化の推進
試買テスト・市場モニタ
リングの強化
販売状況調査の改善、事業者との連携
ECモール事業者等との
連携強化
周知啓発活動の強化
試買テストの強化・消費者関係団体との連携
市場モニタリングの開始
流通抑止ガイドラインの見直し
経過観察・さらなる改定の検討
事業者等との連携強化
周知啓発活動の改善
図表 3-1:
周知啓発活動の更なる強化
電波教室の活性化
電波監視体制の今後の方向性
今後、これらの取組を着実に実施していくことにより、電波利用環境の保護を図
り、安心・安全な電波利用を確保していくことが重要であり、また、技術の進展や電
波利用環境の変化に応じて、継続的に電波監視体制の見直しを行っていく必要があ
る。
35
参考資料
情報通信審議会 第一次中間答申(別冊4)
参考資料1
1.諮問書
2.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 運営方針
3.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 構成員名簿
4.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 審議経過
5.用語解説
参考資料2
1.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波上空利用作業班 運営方針
2.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波上空利用作業班 構成員名簿
参考資料3
1.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
重点技術作業班 構成員名簿
2.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
重点技術作業班 開催経緯
3.ヒアリングにおける構成員・事業者等提出資料
参考資料4
1.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波監視作業班 構成員名簿
2.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波監視作業班 開催経緯
参考資料1
1.諮問書
諮 問 第
3 0 号
令和7年2月3日
情報通信審議会
会長 遠藤 信博
殿
総務大臣
諮
問
書
下記について、別紙により諮問する。
記
社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方
村上
誠一郎
別紙
諮問第30号
社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方
1
諮問理由
我が国は、他の主要先進国に先駆けて人口減少・少子高齢化に直面しており、生産
年齢人口が減少する中にあっても持続的な経済成長を実現するための生産性の向上
に取り組むことが喫緊の課題である。また、令和6年能登半島地震などの大規模な災
害が頻発する中、災害に強い強靱な社会システムを構築することも大きな課題である。
携帯電話に代表されるように、電波を使ったシステムやサービスは、すでに国民生
活や経済活動に深く浸透しているが、自動運転やスマート農業、遠隔医療など、電波
のより一層の活用を徹底して進めることで、平時・災害時を問わず、国民生活を便利
で安全・安心なものにするとともに、地域の課題解決や新たな市場の創出を通じた経
済成長の源泉となる可能性を持っている。
他方で、電波は有限の資源であり、電波の活用の進展に伴い電波資源はひっ迫する
ため、電波の利用状況やニーズ、電波に関する最新の技術トレンドを踏まえて、周波
数の割当てや周波数の移行・再編・共用を適正かつ効率的に実施するなど、電波法(昭
和25年法律第131号)の目的である電波の公平かつ能率的な利用を確保すること
がますます重大となる。
このため、社会環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、電波の公平かつ能率的な利用
を通じて国民生活の利便性向上、地域の課題解決及び持続的経済成長を実現するため、
国が取り組むべき電波の有効利用の推進の在り方について包括的に検討することが
必要である。
2 答申を希望する事項
(1)電波有効利用の推進に関する基本的方向性
(2)無線局の免許制度等の在り方
(3)周波数割当の在り方
(4)無線を利用したビジネス促進の在り方
(5)電波の利用環境の在り方
(6)その他必要と考えられる事項
3
答申を希望する時期
令和7年夏頃目途
4
答申が得られたときの行政上の措置
今後の情報通信行政の推進に資する。
2.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 運営方針
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
運営方針
1
調査検討事項
電波有効利用委員会(以下「委員会」という。)は、情報通信審議会諮問第30
号「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」について、調査検討
を行う。
2 委員会の運営
(1)主査は、委員会の議事を掌理する。
(2)委員会に主査代理を置くことができ、主査が指名する委員、臨時委員又は
専門委員が、これに当たる。
(3)主査代理は、主査不在の時、その職務を代行する。
(4)委員会の会議は、主査が招集する。
(5)主査は、委員会の会議を招集するときは、構成員にあらかじめ日時、場所
及び議題を通知する。
(6)主査は、必要があると認めるときは、委員会に、必要と認める者の出席を
求め、意見を述べさせ又は説明させることができる。
(7)主査は、委員会の検討を促進するため、作業班を設置することができる。
(8)作業班は、主査から指名された者により構成する。
(9)作業班の主任は、主査が指名する。
(10)その他、委員会の運営については、主査が定めるところによる。
3
会議の公開
会議は、次の場合を除き、公開する。
(1)会議を公開することにより当事者若しくは第三者の権利利益又は公共の利
益を害するおそれがある場合
(2)その他、主査が非公開とすることを必要と認めた場合
4
事務局
委員会の事務局は、総合通信基盤局電波部電波政策課が行う。
3.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 構成員名簿
(令和8年7月1日現在
氏
主
査
委
員
主査代理
名
藤井 威生
主
電気通信大学
現
職
先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センタ
ー 教授
大谷 和子
株式会社日本総合研究所
専門委員
太田 香
東北大学
〃
黒坂 達也
〃
専門委員
要
大学院
アドバイザー
情報科学研究科
教授
株式会社企 代表取締役
慶應義塾大学 X Dignity センター
副代表
猿渡 俊介
大阪大学
教授
〃
瀧
株式会社マネーフォワード
〃
中島 美香
中央大学
〃
西村 真由美
公益社団法人全国消費生活相談員協会 常務理事
〃
林
名古屋大学 大学院
〃
矢入 郁子
上智大学
〃
安田 洋祐
政策研究大学院大学
俊雄
秀弥
敬称略)
大学院
情報科学研究科
国際情報学部
執行役員
教授
法学研究科
教授
理工学部情報理工学科
教授
教授
4.情報通信審議会
情報通信技術分科会
電波有効利用委員会 審議経過
電波有効利用委員会
会合
開催日
主な議題
第1回
令和7年
○最近の電波利用の動向について
3月 31 日
○構成員プレゼンテーション
○電波環境分野の在り方検討作業班の設置について
第2回
第3回
令和7年
○WX 推進戦略アクションプランの進捗状況について
5月 29 日
○電波監視作業班の設置について
令和7年
○価額競争の実施方法に関する検討作業班の設置について
6月 25 日
○事業者・団体へのヒアリング
・株式会社 NTT ドコモ
・ソフトバンク株式会社
・一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟
・地域 BWA 推進協議会/阪神電気鉄道株式会社
第4回
令和7年
7月 18 日
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
の在り方」のうち「電波の利用環境の在り方」について
○無線設備の認証の在り方検討作業班の設置について
○事業者へのヒアリング
・KDDI 株式会社 ・楽天モバイル株式会社
第5回
令和7年
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
8月 28 日
の在り方」のうち「電波の利用環境の在り方」に対する意見募集の
結果について
○重点技術作業班の設置について
○事業者へのヒアリング
・株式会社 JTOWER ・Sharing Design 株式会社
第6回
令和7年
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
10 月8日
の在り方」のうち「周波数割当の在り方」(価額競争の実施方法)
について
○電波上空利用作業班の設置について
第7回
令和7年
11 月5日
○携帯基地局強靱化対策事業に関する地方公共団体へのヒアリング
・東京都 ・静岡県 ・大阪府 ・高知県
○900MHz 帯を使用する新たな無線利用について
第8回
令和7年
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
12 月3日
の在り方」のうち「周波数割当の在り方」(価額競争の実施方法)
に対する意見募集の結果について
○900MHz 帯を使用する新たな無線利用について(論点整理)
会合
開催日
主な議題
第9回
令和8年
○900MHz 帯を使用する新たな無線利用について(事業者へのヒアリ
1月7日
ング)
・MetCom 株式会社 ・株式会社 NTT ドコモ
第 10 回
令和8年
○電波有効利用委員会におけるこれまでの議論等について
1月 19 日
○900MHz 帯を使用する新たな無線利用について(事業者へのヒアリ
ング)
・有限会社プリシード ・Wi-SUN Alliance
・802.11ah 推進協議会
・一般社団法人特定ラジオマイク運用調整機構
第 11 回
令和8年
2月 17 日
○委員会報告骨子案「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
の在り方」について
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
の在り方」のうち「周波数割当の在り方」(900MHz 帯を使用する新
たな無線利用)及び「無線局の免許制度等の在り方」(無線設備の
認証制度の在り方)について
○無線 LAN 及びドローンに係る運用調整の仕組みに関する事業者への
ヒアリング
・一般社団法人無線 LAN ビジネス推進連絡会
・日本無人機運行管理コンソーシアム
第 12 回
令和8年
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
3月 31 日
の在り方」のうち「周波数割当の在り方」(900MHz 帯を使用する新
たな無線利用)及び「無線局の免許制度等の在り方」(無線設備の
認証制度の在り方)に対する意見募集の結果について
○全国 BWA について(事業者へのヒアリング)
・KDDI 株式会社、UQ コミュニケーションズ株式会社
・ソフトバンク株式会社、Wireless City Planning 株式会社
・株式会社 NTT ドコモ
・楽天モバイル株式会社
○インフラシェアリングについて(事業者へのヒアリング)
・公益社団法人移動通信基盤整備協会
○携帯電話等周波数の有効利用に関する検討作業班の設置について
第 13 回
令和8年
4月 27 日
第 14 回
令和8年
6月 19 日
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
の在り方」について
○委員会報告(案)
「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進
の在り方」に対する意見募集の結果について
電波有効利用委員会・重点技術作業班合同ヒアリング
会合
開催日
第1回
令和7年
第2回
主な議題
○関係事業者からのヒアリング(非公開)
10 月8日
・日本電気株式会社 ・1FINITY 株式会社
令和7年
○関係事業者等からのヒアリング(非公開)
11 月5日
・京セラ株式会社 ・トヨタ自動車株式会社
・青木孝文 氏(東北大学 理事・副学長(企画戦略総括)
・プロボ
スト・CDO)
5.用語解説
技術等
索引
用
語
概 要
Third Generation Partnership Project の略称。3G、4G
3
3GPP
などの仕様を検討・開発し、標準化することを目的とした標準
化団体。日本、米国、欧州、中国、韓国の標準化団体によるパ
ートナーシッププロジェクトとして 1998 年に設立された。
携帯電話の通信規格である第 3.9 世代移動通信システム(LTE)
4
4G
と第4世代通信システム(LTE-Advanced)の総称。我が国では、
2009 年6月に4Gに係る電波の割当てを初めて実施し、2010
年に商用サービスが開始された。
携帯電話の通信規格である第5世代移動通信システムの略称。
5G
4Gの次の世代の移動通信システム。我が国では、2019 年4
月に5Gに係る電波の割当てを初めて実施し、2020 年に商用
サービスが開始された。
5
5G Stand Alone の略称。5G専用のコアネットワークを活
用し、5G基地局のみで5Gの電波を発射するネットワーク構
5G SA
成をいう。5G SAは、ネットワークスライシング等の新た
な技術を導入することが可能となり、更なる超低遅延が実現す
るなど、5Gの特徴を最大限発揮できる構成である。
Automated Frequency Coordination の略称。6GHz 帯を利用す
AFC
る既存の無線局等への有害な干渉を回避するために、自動的に
無線 LAN が利用可能な周波数と最大送信電力を通知するシス
テム。
A
Artificial Intelligence(人工知能)の略称。データから学
AI
習・推論を行い、認識、判断、最適化などの知的処理をソフト
ウェアで実現する技術。近年は通信制御やネットワーク運用の
高度化にも活用されている。
Broadband Wireless Access(広帯域移動無線アクセスシステ
B
BWA
ム)の略称。高速なデータ通信を目的とした無線アクセス方式
の総称で、固定系・移動系の双方を含む。
索引
用
語
概 要
5Gの次の世代として、2030 年頃の導入が見込まれている新
Beyond5G
たな無線通信システム。サイバー空間を現実世界(フィジカル
(6G)
空間)と一体化させ、Society 5.0 のバックボーンとして中核
的な機能を担うことが期待されている。
Digital Transformation の略称。スウェーデンの大学教授の
D
DX
エリック・ストルターマンが提唱したとされる概念であり、
「ICT の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変
化させること」を表す。
Fiber To The Home の略。ケーブルテレビの局舎設備から加入
F
FTTH
者宅の光回線終端装置(V-ONU) まで全て光ファイバで伝送す
る方式。
High Altitude Platform Station の略。上空約 20km に滞留する無
人の航空機(飛行船型、固定翼型、気球型)を利用した高高度通
H
HAPS
信プラットフォームであり、携帯電話の基地局などを搭載すること
で気象条件や地震などの災害の影響を受けない強靱な通信ネット
ワークの実現が期待されている。
Internet of Things の略。モノのインターネット。PC やスマートフォン
I
IoT
に限らず、センサー、家電、車など様々なモノがインターネットで繋
がること。
MCA
Multi-Channel Access の略。複数の周波数を特定多数のユー
ザーが繰り返し共同利用する無線通信システム。
Multi-Operator Core Network の略称。複数の携帯電話事業者
M
MOCN
が、周波数を含む RAN(無線アクセスネットワーク)の全要素
を共有して運用する形態。
MORAN
Multi-Operator Radio Access Network の略称。複数の携帯電
話事業者が、無線設備を共用し、個別の周波数を利用する形態。
非地上系ネットワーク。人工衛星、成層圏等の高高度を飛行す
る無人航空機等を活用した地上の通信施設に依存しないネッ
N
NTN
トワーク。通信インフラの整備が困難な離島、海上、山間部等
を効率的にカバーしてあらゆる場所で通信サービスの提供を
可能とすると共に、自然災害をはじめとする非常時等の通信手
段としても活用が期待されている。
索引
用
語
NR 化
概 要
New Radio 化の略称。既存周波数帯を5G向けの通信規格に置
き換えること。
Open Radio Access Network の略称。無線基地局の仕様を標準
O
O-RAN
化し、公開することにより、様々な事業者の機器やシステムと
の相互接続を可能とする無線アクセスネットワーク(RAN)。
「オープン化」の項を参照。
Radio Access Network(無線アクセスネットワーク)の略称。
R
RAN
端末とコアネットワークを無線で接続する通信網で、基地局や
その制御機能から構成される。
Standard Power モードの略称。6GHz 帯無線 LAN の屋内外で
の利用が認められる標準電力モード。より出力の低い Very
Low Power(VLP)モードや Low Power Indoor(LPI)モードと
SP モード
比較して、通信速度やエリアカバーに優れている。一方で、電
波の出力が強く、かつ屋外での利用も想定されているため、
S
6GHz 帯の既存無線システムに対して有害な干渉を与えないよ
う、AFC システムによる運用調整が必要となる。
Sub6
VHF 帯
5Gで利用される周波数のうち、6GHz 未満の周波数帯域。広
域利用に適している。
Very High Frequency の略称。30-300MHz の周波数(超短波)
帯域。
Virtual Radio Access Network の略。基地局機能を汎用サー
V
vRAN
バー上のソフトウェアで動作させる仮想化無線アクセスネッ
トワーク。クラウド技術を活用し、拡張性や運用効率を向上さ
せることも可能になる。「仮想化」の項を参照。
Wireless Fidelity の略称。無線 LAN の標準規格である「IEEE
802.11a/b/g/n/ac」の消費者への認知を深めるため、業界団体
W
Wi-Fi
の Wi-Fi Alliance が名付けたブランド名。他社製品との相互
接続性などに関する試験をパスした装置にロゴの表示などが
許可される。
い
インフラ
シェアリング
複数事業者が鉄塔やアンテナ等の通信設備を共同で使用する
こと。
索引
用
語
概 要
無線局の運用に際し、既設の無線局の運用を阻害するような混
う
運用調整
信その他の妨害を与えるおそれがある場合に、それを回避する
ために免許人間で運用に関する調整を行うこと。
衛星コンステ
レーション
え
衛星ダイレクト
通信
非静止衛星軌道上に、同型の小型衛星を多数打ち上げ、これら
を一体的に運用するシステム。高速大容量通信など多様なサー
ビスの提供が可能となる。
既存の携帯電話端末を用いた人工衛星との直接通信が可能な
サービス。
医師と医師、医師と患者との間を ICT(インターネット、テレ
遠隔医療
ビ電話など)を活用して、患者の情報や放射線画像などを伝送
し、診断等を行うこと。
お
オープン化
開設計画
3GPP を補完する形で、機器の柔軟な構成を可能とするオープ
ンインターフェース化を推進する動きのこと。
携帯電話等に係る特定基地局を開設しようとする者が総務大
臣に提出する特定基地局の開設に関する計画。
入札又は競りの方法により、最も高い価額を申し出た者を落札
者として決定する手続。電波法及び放送法の一部を改正する法
か
価額競争
律(令和7年法律第 27 号)により、6GHz を超える高い周波
数帯の活用を希望する多種多様なサービスを提供する者の中
から、最も電波を有効に利用できる者を、価額競争により選定
する制度が導入された。
今まで専用のハードウェアを用いて行っていた携帯電話の基
仮想化
地局の処理を、汎用のサーバー内でソフトウェア処理によって
行うこと。
基地局強靱化
対策事業
き
地方自治体や携帯電話事業者等が携帯電話基地局の強靱化を
実施する場合、国が当該施設の改修等に対して補助金を交付す
る事業。
技術基準適合証明
電波法第3章に定める技術基準に適合していることの証明。
キャリア・
複数の搬送波を連続又は不連続に束ねることにより、伝送速度
アグリゲーション
を高速化する技術。
索引
け
用
語
携帯電話エリア
整備事業
概 要
地理的に条件が不利な地域(過疎地、辺地、離島、半島など)
において、地方公共団体や無線通信事業者等が携帯電話の基地
局等を整備する場合に、整備費用等の一部を補助する事業。
特定無線設備の工事設計の技術基準適合性及び当該無線設備
こ
工事設計認証
がその工事設計に合致することの確認方法を審査し、認証する
もの。
毎年度実施する電波の利用状況調査の評価結果に基づく具体
し
周波数再編
的な周波数の再編を円滑かつ着実にフォローアップするため
アクションプラン
に、電波利用環境の変化なども踏まえ、策定・公表されるアク
ションプラン。
せ
全国 BWA
全国的に広帯域データ通信サービスを行う無線システムとし
て制度化された広帯域移動無線アクセスシステムのこと。
ソフトウェアを書き換えることで、周波数や変調方式を変更できる
そ
ソフトウェア無線
無線機器。従来ハードウェアで実装していた無線機能をソフトウェ
アで実現し、柔軟な仕様変更を可能にする。
た
ダイナミック
異なる無線システム間において地理的・時間的に柔軟な周波数
周波数共用
の共用を図る手法。
デジタル・ディバイドの解消、地域の公共サービスの向上など
ち
地域 BWA
当該地域の公共の福祉の増進に寄与することを目的として制
度化された BWA システム。
不法電波の監視等の電波の適正な利用の確保に関し、無線局全
体の受益を直接の目的として行う事務(電波利用共益事務)の
て
電波利用料
処理に要する費用を、電波の利用状況に応じてその受益者であ
る無線局の免許人等に負担を求める(いわゆる電波利用の共益
費用として負担する)もの。
5G等の周波数の割当てにあたり、従来の比較審査項目(カバ
と
特定基地局
開設料制度
ー率、MVNO 促進など)に申請者が申し出る周波数の経済的価
値を踏まえた周波数の評価額を追加して、総合的に審査する制
度。認定を受けた事業者は申し出た額(特定基地局開設料)を
国庫に納付する。
索引
用
語
特定実験試験局
制度
概 要
総務大臣が公示する周波数等の範囲内であることなどの一定
の条件の下で実験試験局を開設する際、免許手続や事後手続が
簡略化される制度。
ネットワーク上を移動する音声や文書、画像などのデジタルデ
トラヒック
ータの情報量。通信回線の利用状況を調査する目安となる。
「ト
ラヒックが増大した」とは、通信回線を利用するデータ量が増
えた状態を指す。
航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機などの機
ドローン
器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操
作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことを
いう。)により飛行させることができるもの。
携帯電話端末等の無線局のうち、適合表示無線設備のみを使用
するものは、個別の無線局毎に免許を受けることなく、目的、
ほ
包括免許制度
通信の相手方、電波の型式及び周波数並びに無線設備の規格を
同じくするものである限りにおいて、複数の無線局を包括して
対象とする1つの免許を受けることができる制度。
み
ミリ波
周波数にして 30GHz から 300GHz、波長にして 1mm から 1cm ま
での電波。
169.05MHz を超え 169.3975MHz 以下、
169.8075MHz を超え 170MHz
以下、2483.5MHz を超え 2494MHz 以下又は 5650MHz を超え
無人移動体画像
伝送システム
む
5755MHz 以下の周波数の電波を使用する自動的に若しくは遠
隔制御操作により動作する移動体に開設された陸上移動局又
は携帯局が主として画像伝送を行うための無線通信(当該移動
体の制御を行うものを含む。)を行うシステム。ロボット・ド
ローンの利用ニーズを踏まえ、平成 28 年6月に制度化された。
ケーブル線の代わりに無線通信を利用してデータの送受信を
無線 LAN
行う LAN(Local Area Network)。IEEE802.11 諸規格に準拠し
た機器で構成されるネットワークのことを指す場合が多い。
電波法第4条第1項各号に規定されている、免許を要しない無
め
免許不要局
線局のこと。発射する電波が極めて弱い無線局や、一定の条件
の無線設備だけを使用し、無線局の目的、運用が特定されてい
る無線局が該当する。
索引
用
語
概 要
電波の利用状況の調査。平成 15 年度から3年を周期として、
電波法で定める周波数帯を①714MHz 以下、②714MHz を超え
り
利用状況調査
3.4GHz 以下、③3.4GHz を超えるものの3つに区分し、毎年一
の区分ごとに電波の利用状況を調査し、その結果を電波監理審
議会に報告するとともに、結果の概要を公表するもの。
地域や産業の個別のニーズに応じて地域の企業や自治体など
ろ
ローカル5G
の様々な主体が、自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に
構築できる5Gシステム。令和元年 12 月から免許受付が開始
された。
電波の有効利用の程度の評価。電波監理審議会が、利用状況調
ゆ
有効利用評価
査の結果の報告を受け、当該結果に基づき、調査区分ごとに、
電波の有効利用の程度の評価を行うもの。
団体等
索引
用
語
概 要
Institute of Electrical and Electronics Engineers(米国電
IEEE
気電子学会)の略称。アメリカ合衆国に本部を置き、電気・情報
工学分野の学術研究、標準化活動等を行う、世界最大の技術専門
家組織。
I
International Telecommunication Union(国際電気通信連合)
ITU
の略称。電気通信に関する国際連合の専門機関。主要任務は、①
国際的な周波数の分配、②電気通信の標準化、③途上国に対する
電気通信の開発である。
総務大臣の諮問に応じて、情報の電磁的流通及び電波の利用に関
し
情報通信審議会
する政策に関する重要事項を調査審議し、総務大臣に意見を述べ
ること、郵政事業及び郵便認証司に関する重要事項を調査審議
し、関係各大臣に意見を述べることを所掌事務とする審議会。
参考資料2
1.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波上空利用作業班 運営方針
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波上空利用作業班 運営方針
1 検討事項
作業班は、以下の事項について検討する。
(1) 航空分野における電波の利用拡大を見据えた今後の電波利用政策の在り方
(2) 航空分野の電波利用に関し優先して対応すべき政策課題
2 作業班の運営
(1) 主任は、作業班の議事を掌握する。
(2) 作業班に主任代理を置くことができ、主任がこれを指名する。
(3) 主任代理は、主任不在の時、その職務を代行する。
(4) 作業班の会議は、主任が招集する。この場合、主任は、構成員にあらかじめ会議の日時、
場所及び議題を通知する。
(5) 主任は、必要があると認めるとき、作業班に必要と認める者の出席を求め、意見を述べさ
せ、又は説明させることができる。
(6) 本作業班において検討された事項については、主任が取りまとめ、これを電波有効利用委
員会に報告する。
(7) 主任は、作業班の調査を促進させるため、アドホックグループを設置することができる。
(8) アドホックグループのリーダ及び構成員は、主任が指名する。
(9) その他、本作業班の運営に必要な事項は、主任が定めるところによる。
3 会議の公開等
会議は、次の場合を除き、公開する。
(1) 会議を公開することにより当事者又は第三者の権利、利益や公共の利益を害するおそれ
がある場合。
(2) その他、主任が非公開とすることを必要と認めた場合。
4 事務局
本作業班の事務局は、総務省総合通信基盤局電波部基幹・衛星移動通信課がこれに当たる。
2.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波上空利用作業班 構成員名簿
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
電波上空利用作業班 構成員
(令和8年3月 17 日現在 敬称略)
役職
氏名
主要現職
主任
藤井 威生
電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター 教授
構成員
加保 貴奈
湘南工科大学大学院 工学研究科 電気情報工学専攻 教授
構成員
河村 暁子
構成員
武市 昇
構成員
土屋 武司
構成員
松田 隆志
構成員
吉田 宏昭
オブザーバー
古市 茂
オブザーバー
山本 昂太朗
オブザーバー
菅 康博
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
電子航法研究所 主幹研究員
東京都立大学 システムデザイン研究科 航空宇宙システム工学科
教授
東京大学 大学院工学系研究科 教授
国立研究開発法人 情報通信研究機構 ネットワーク研究所
ワイヤレスネットワーク研究センター ワイヤレスシステム研究室
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 航空技術部門
航空利用拡大イノベーションハブ 主幹研究開発員
経済産業省 製造産業局 航空機武器産業課
次世代空モビリティ政策室 室長
国土交通省 航空局 安全部 無人航空機安全課
無操縦者航空機企画室 室長
国土交通省 航空局 交通管制部
マルチ航空モビリティ交通管制調整室 室長
参考資料3
1.情報通信審議会
重点技術作業班
情報通信審議会
情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
構成員名簿
情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 重点技術作業班
構成員名簿
(令和8年4月1日現在 敬称略)
(主任、主任代理以外の構成員は五十音順)
氏
名
主
要
現
職
主任
森川 博之
東京大学 大学院 工学系研究科 教授
主任代理
黒坂 達也
株式会社企 代表取締役
慶應義塾大学 X Dignity センター 副代表
構成員
石井 義則
一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会 常務理
事
〃
太田 香
東北大学 大学院 情報科学研究科 教授
〃
長内 厚
早稲田大学 大学院 経営管理研究科 教授
〃
白石 和泰
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士・防衛経済
安全保障プラクティスグループ共同代表
慶応義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任
教授
〃
立本 博文
筑波大学 ビジネスサイエンス系 教授
〃
堀越 功
株式会社日経BP 日経ビジネスLIVE 編集長
2.情報通信審議会
情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
重点技術作業班 開催経緯
開催経緯
令和7年2月3日 第 52 回総会にて諮問
令和7年2月 13 日 第 185 回情報通信技術分科会にて電波有効利用委員会
を設置
■電波有効利用委員会
令和7年8月 28 日 第5回
(1)(略)
(2) 重点技術作業班の設置について
(3)(略)
■電波有効利用委員会・重点技術作業班合同ヒアリング
令和7年 10 月8日 第1回
関係事業者からのヒアリング
令和7年 11 月5日 第2回
関係事業者等からのヒアリング
■重点技術作業班
令和7年9月 18 日 第1回
(1) 重点技術作業班の設置について
(2) ワイヤレス分野の現状について
(3) 意見交換
(4) その他
令和7年 10 月 20 日 第2回
(1) 関係事業者からのヒアリング
(2) その他
令和7年 10 月 22 日 第3回
(1) ワイヤレス分野の技術動向及び現状分析について
(2) 構成員プレゼンテーション
(3) 関係事業者からのヒアリング
(4) その他
令和7年 11 月 27 日 第4回
(1) ワイヤレス分野の技術動向及び現状分析について
(2) 関係事業者からのヒアリング
(3) その他
令和7年 12 月 22 日 第5回
(1) 中間論点整理について
(2) その他
令和8年1月 27 日 第6回
(1) ワイヤレス分野の技術動向及び現状分析について
(2) ワイヤレス分野の重点技術について
(3) その他
令和8年2月6日 第7回
(1) 関係事業者からのヒアリング
(2) その他
令和8年2月 27 日 第8回
(1) ワイヤレス分野の重点技術の推進方策に関する検討について
(2) その他
令和8年3月 26 日 第9回
(1) ワイヤレス分野の重点技術について
(2) 重点技術作業班骨子(案)について
(3) その他
令和8年4月 16 日 第 10 回
(1) 重点技術作業班 報告(案)について
(2) その他
3.ヒアリングにおける構成員・事業者等提出資料
ヒアリングにおける構成員・事業者等提出資料
※
ヒアリングは非公開で実施したため、本資料集には構成員・事業者等提出
資料のうち公表可能なもののみを掲載。
重点技術作業班(第1回 R7.9.18)
・資料 1-5 森川構成員提出資料
・資料 1-6 堀越構成員提出資料
・資料 1-7 黒坂構成員提出資料
電波有効利用委員会・重点技術作業班合同ヒアリング(第1回 R7.10.8)
・資料 1-1 日本電気株式会社提出資料
・資料 1-2 1FINITY 株式会社提出資料
重点技術作業班(第2回 R7.10.20)
・資料 2-1 楽天モバイル株式会社提出資料
・資料 2-2 ソフトバンク株式会社提出資料
・資料 2-3 KDDI 株式会社提出資料(全部非公開)
・資料 2-4 株式会社 NTT ドコモ提出資料
重点技術作業班(第3回 R7.10.22)
・資料 3-1 株式会社三菱総合研究所提出資料(全部非公開)
・資料 3-2 石井構成員提出資料
・資料 3-3 白石構成員提出資料
・資料 3-4 シャープ株式会社提出資料
・資料 3-5 クアルコムジャパン合同会社提出資料(全部非公開)
電波有効利用委員会・重点技術作業班合同ヒアリング(第2回 R7.11.5)
・資料 2-1 京セラ株式会社提出資料
・資料 2-2 トヨタ自動車株式会社提出資料
・資料 2-3 青木孝文 氏(東北大学 理事・副学長(企画戦略総括)・プロ
ボスト・CDO)提出資料
重点技術作業班(第4回 R7.11.27)
・資料 4-1 株式会社三菱総合研究所提出資料(全部非公開)
・資料 4-2 エリクソン・ジャパン株式会社提出資料
・資料 4-3 ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社提出資料
・資料 4-4 株式会社村田製作所提出資料
・資料 4-5 日本無線株式会社提出資料
・資料 4-6 アイコム株式会社提出資料
重点技術作業班(第6回 R8.1.27)
・資料 6-1 株式会社三菱総合研究所提出資料
重点技術作業班(第7回 R8.2.6)
・資料 7-1 住友電気工業株式会社提出資料
・資料 7-2 三菱電機株式会社提出資料
・資料 7-3 一般財団法人情報通信振興会提出資料
・資料 7-4 モバイルコンピューティング推進コンソーシアム提出資料
重点技術作業班(第9回 R8.3.26)
・資料 9-1 株式会社三菱総合研究所提出資料
作業班資料1-5
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Hiroyuki Morikawa | The University of Tokyo
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ȡ Had no RAN equipment, renting it from the suppliers along
with a maintenance contract from them
ȡ Had no core network, buying it as a service from a
hyperscaler
ȡ Had no shops or physical presence, performing all activities
online
ȡ Had no central office, using rented premises
ȡ Potentially, had no direct customers, selling wholesale
capacity to MVNOs who handle the customer relationship
The End of Telecoms History by William Webb, 2024.
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Jupyter NotebookሁᲣᲩȇȸǿǻȃȈᲢMNIST, ImageNetሁᲣᲩᇤʗȗȩȃȈȕǩȸ
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作業班資料1-6
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ニュースを突く
日本製の通信機器、消滅の危機
通信
堀越 功
ほりこし・いさお
が効かなくなるようなことはしな
IT(情報技術)サービス分野のけ
。ある NEC の幹部はこのよう
い」
ん引によって絶好調だ。富士通は
に打ち明ける。ただ NEC の通信イ
新光電気工業や富士通ゼネラルと
ンフラ事業は、開発費を抑えるな
いった非 IT 分野の関連会社の株
どして効率化が進む。防衛関連事
日本の通信機器ベンダーはこの先
式を売却。NEC も子会社の日本航
業などへの人材シフトも進めてお
も生き残れるのか。霞が関ではこんな
空電子工業株を売却するなど、経
り、事業が縮小へ向かっているの
危機意識が広がっている。日本勢の
営資源を IT 分野へと集中させてい
は事実だ。
勝ち筋を見いだす議論が始まる。
る。
日本の通信機器ベンダーのこの
同じように NEC と富士通が、
経
先の勝ち筋はどこにあるのか。も
はや中国・華為技術(ファーウェ
「このままでは 5 年後に、日本か
営の主流ではなくなった通信機器
ら通信機器ベンダーが消滅しかね
事業を売却するのではないか──。
イ)やエリクソン、フィンランド
。ある霞が関の関係者は筆者
ない」
業界内ではこんな観測が浮上する。
のノキアといった通信機器大手と
に対して、このような危機感を訴
それが冒頭の霞が関における危機
の差を日本勢が縮めることは難し
えてきた。
意識を高めている。
い。
携帯電話の基地局などを開発・
製造しているのが通信機器ベンダ
は、企業のデジタル化需要による
生き残れるか最後のチャンス
安全保障や国益の観点で、どの
技術分野にフォーカスすべきなの
ーだ。日本には NEC や、富士通
経営の視点から見ると、NEC や
か。そもそも日本に通信機器ベン
が分社化した 1FINITY(ワンフィ
富士通が IT 分野に集中することは
ダーが数社存在することが過剰で、
、通信インフラ事業に再
ニティ)
極めて正しい戦略だ。実際、両社
生き残るためには 1 社でまとまっ
参入を果たした京セラ、そして、楽
の株価は、こうした経営戦略の正
た方がいいのではないか。
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EchoStar Announces Spectrum Sale and Hybrid Mobile Network Operator (MNO) Agreement, Steps
Toward Resolving Federal Communications Commission's (FCC) Inquiries
August 26, 2025
EchoStar to sell 3.45 GHz and 600 MHz spectrum licenses to AT&T for approximately $23 billion.
Boost Mobile will continue to compete in the U.S. wireless market as a hybrid MNO, offering subscribers connectivity through Boost Mobile's cloudnative 5G core and AT&T's cell sites.
ENGLEWOOD, Colo., Aug. 26, 2025 /PRNewswire/ -- EchoStar has entered into a definitive agreement with AT&T to sell the company's 3.45 GHz and
600 MHz spectrum licenses – a total of 50 MHz of nationwide spectrum – for approximately $23 billion, subject to regulatory approval. In addition, the
companies have amended their network services agreement to create a hybrid mobile network operator (MNO) relationship. This transaction is part of
EchoStar's ongoing efforts to resolve the Federal Communications Commission's (FCC) inquiries.
The license sale to AT&T will enable rapid deployment of the purchased spectrum to U.S. consumers across the country, as AT&T has the option to
lease the spectrum, pending the closing of the spectrum sale. This arrangement benefits both AT&T and Boost Mobile subscribers.
"I'm enormously proud of the EchoStar team for deploying the world's first Open RAN network in record time, despite industry skepticism and in the
face of the many challenges raised by the COVID-19 pandemic," said Charlie Ergen, co-founder and chairman, EchoStar. "EchoStar and Boost Mobile
have met all of the FCC's network buildout milestones. However, this spectrum sale to AT&T and hybrid MNO agreement are critical steps toward
resolving the FCC's spectrum utilization concerns."
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合同ヒアリング資料1-1
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ශ֞֩؈ׁู֪ؠؗઇ֪ྉ๗֖Ւ
႘ᄇ֭ؤ՛פਙട֧ᆀಱآץב՛֪ؠ्֦֧֘֒Ւ
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合同ヒアリング資料1-2
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崘嵕嵤崸嵓崻崠崵崡峼૿岰য౫峘ಲਢਛ
عফ৻峕਼ੀব峢峘ৢਦਃஓୟল崻崠崵崡峼૿峍峉਼৻峘ਬ岞
ਲਗଢ଼ఊ嵣ਲਗ嵣ਲਗ੫峒峘崿嵕崠崏崗崰ಉ峕峲峍峐੭峳島峉ੴৄ嵣崶崎崷崎岶য峕峨峴岝ੌ௶ੴ৲峅峄岞
崘嵕嵤崸嵓峔崙嵤崹崻嵒崮崋峼ৈ峫峵ੁ峼ৰষ峃峵岽峒峬岬峵岶岝ಢ峔இ૾ய峘୶峕峲峴ಲਢ峅峄岞
崘嵕嵤崸嵓ৃ峕岴岻峵ਊ峘ੳ
ੴ২
崘嵕嵤崸嵓ৃ峕岻峉ૼ峮崙嵤崹崻嵒崮崋峘崊崼嵤嵓ਂଌ岞
ر峔崹崡峼ણ৷峁峉ব峘ਿ嵣崡崮嵤崗嵃嵓崨嵤峢峘ா峔嵒嵤崩崊崎崰岶ેী峑峙峔岮岞
ভ崌嵛崽嵑崻崠崵崡峼૿岰ব峑
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作業班資料3-2
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作業班資料3-3
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作業班資料3-4
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合同ヒアリング資料2-1
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孶孱季௪৶ؖ࿊෨ࣆ ۂख岤ૌ岙屮়ղ
學孱季௪৶岱崀峢島ؖحؽ࿊ ख岤ૌ岙屮়ղ
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屭岦履岣岜ֆ岈ਕ岍岂岂岂岜岅ऀճ՟ୌ岈մ݀岅屫屹ேક岬କ屫岀岘属岤岘屳屆
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寬季宎宜宒宆守宕宄季宆宲宵害宲宵室宷宬宲宱
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屇峊峷峲屎峄峴崀়ղ
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ˠ孴季守宆宐ʤ守宱宷宨宵害宵宬家宨季 宆宲宱宷宨宱宷季 宐室宱室宪宨宰宨宱宷 ʥˠ孵季 宆宖宓ʤ宆宲宱宷宨宱宷季 宖宨宵容宬宦宨家季 宓宯室宷宩宲宵宰ʥ
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季季
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合同ヒアリング資料2-3
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4
ԤՂԺՈՆԵԵӨ֭؇ؚ՛֮ؓיჺ֊ഞ֖֞֏֘ᇶ֎ӱ ਙട֪ؠ؎ءॉ᛫֧֘j
ဪሾ་ॺ ශฬጃبؘע؆ءب֦֭ؗ՛ بภঊ֦ঊ၌֭֘ؑآईႷตבಲশ
Ԕԏԏԏಁ֭Ӽ֣֭ಈ ԌՃՇՈՃՂӨԎՍՂԱՁԺԳՇӨ֧ ԤՂԺՈՆԵԵӨԡՃԲՃՈԺԳՇ
་ਊኟப၌ؠؗӡԙԌԚӢ֭؞חኃபב౫և
ؑبՔ֭פؔיශ؈֭ןᆧ༊ጮ
Ԕԏԏԏ ԢՄԵԳՈՆՉՁ ӲӺԁӨԢԵՄӨӼӺӼӿӴ
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؊ؠנטԋԔב౫ևبי֩חؚעװ؊؞ନ֪
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ӡ㕱Ӣ ؊ؠנטԋԔಐ༉֭ৰᄯਙട
z ಛ၌ೆՒآ՛بՒ֨֩ؑآՒԋԔಲฌै֭ዻ֩৯֪ಲົ֔ᆾጫפ״
֘֩֒בզ؊ؠנטԋԔէ֭ಐ༉בև֥փՓ
z ԋԔᄖ၏֮ౌ֭զ၈ႸէՒගሇྫྷම֮ౌ֭զଆࢻէ֧֖֥Ւׁ֧֪؊ؠנטԋԔב
౫և๗ጸ֪ഓጅ֩ৰᄯਙട֦ցՓ
ժጅ֩ᄖ၏৫့ׇ֪㕲㕰㕳㕰Ⴉࡒவ֭ቴያ໐ի
ᇌᆪऎॺ൶զฌ༉ฌ༉ᄖ၏֪֭חؔנח։ଞ्ᄇ့֪֘ଙ၀वሇெി֪֣փ֥էׇᄌෲ
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/028/mext_00001.html
ӻӸӨ؊ؠנטԋԔב౫ևᄖ၏֧ගሇྫྷම
ӡ㕲Ӣ ؊ؠנטԋԔ֪֧֢֥֭ഓጅبי؊؞ӡ
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z ၈Ⴘ֧֩ԋԔᄖ၏֮ॹශਙട֭၏ႚׇ֪Ւ
ྖ࿃൯ᅉဃ్࣏׃ശጫႷᅌ֪୶එ
Åਙട፯ӱᅑँՒஸࡰᆳ؟ؗؖӡԒԌԚӢՒᆊ
৸ᄇ؟ؗؖՒ؉פآبՒء؞װפח՛״Ւ
ӽଭആูՔಲົਙട ،ءਙട֩֨
z ಛ၌ೆՒჯՒౌ৯ՒؑآՒآ՛بՒԋԔ֨֩؞ץՒภঊՔౌבᇬጦ֪֘
ዻ֩৯֪ԋԔᄖ၏զ؊ؠנטԋԔէ զםԋԔէ֧֖֥ဩఐ
z ״بװ՛ԋԔӡ໊כ؞פӢ֧ᎌૢ֖֞ՒםԋԔؤ՛פഓጅ֩ೂवبי؊֧֩؞
ԋԔᄖ၏ᇀኾ֭ଵఓད
z ؊ؠנטԋԔ֭၈Ⴘ֧֩ԋԔײ؊׃חלכԋԔᄖ၏֪֣փ֥֮ᇚཨჀଚבຮօ
z ᇚ໊ת،לי؞՛ࡴ֭ب༾ב༶օ႘֮็૱Քล່ӡ࿘Ӣ֊ࡴဗ༄֖֞थੌ
z ॽ֭ทᆒဨಃׇ֪ಐ֥֊בਙടՔఔ֭௺ஓཝַӡଢ଼࿘׃ຍఔ့֪֮੫־Ӣ
ගሇྫྷමᇀኾַ֭ৼ
z ؗؤؠי՛آץ֮פ՛ب؎ؠ՛౦בาবׁ֘Ւֽ֟༄֪֮౼֙
z ԝԣԝՒԒԋԟԢՒஸ೮Ⴢਙട֊ԚԏԚԢֽ֦पே੫ב־ዛ֘ਙടፚࡰׁփ
ஃ֎ᆗਸ֘םԋԔؤ՛בפ౫ևගሇྫྷමਙടבህউԔԍԣ֧ࡔམ֤Ւ
ጲՔॆՔՔࢍཪנב՛֘؊ؠנטԋԔೂव֭ഓጅبי؊֥֖֧؞Ւทᆒูઇ֪ဨಃָ֘
ӼӸӨህউԔԍԣ֪֖֥ཧኬָ֘ፚࡰ֧ਙട֭ሑ୶ต
7
ؗؤؠי՛ب؎ס॒ؖॆ֮פ՛౦בาଘ֖֥փՒ
㕵ԑฌै֪֢֥֔փ֩փ֧֮֒႘֪֧֢֥་֦֭֮֩֩֩بؘփ֊i
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9 ժ፯ի ၗ֮ೆፊ֦֟֩֎Ւၗ็׃ᅏ֭ጫՒࢥபฑ֨֩ؕՒ႘৫ຳ
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z ௗଢ଼֭؊ؠנט㕺㖂֭ᆗਸ४་֪ᄔփبי؊؞ᎌౌ֭ॗႪׁׁ֭֭֜४་
9 ժ፯ի ႘֭ಛ၌ೆౌ֮Ւറෲ֩ೆፊؖ՛בנ༨֖֥ՒࡊՔࡊ֩ಛ၌ࢥת՛؈בᇱ
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ኁ၏ৼב֘֎֦֭֮֩Ւሻఆ့ׁມ࿊֖֞بם؟ءԝԣԝבே၏֦ஓཝ
ժౄணի Top 10 Telecommunications Stories of 2024
IEEE ᶵ㛵ㄅ Spectrum (28 Dec 2024)
https://spectrum.ieee.org/telecom-news-2024
8
z ྫྷමै֭ၥೄ֭ኬבׁೖؚ֣֞՛
z ၟ֪ኅ֭؎י՛ט؋֩ਙട֪ኬആཨ
1. China’s Challenge to SpaceX’s Starlink
ཨே֮Ւ๑ᄙ֧ା֯ءبרסؖ՛֦بՒ 2025Ⴉቨֽ֦֪14,000ৰ֭࿃ၗࢸนבඑ֑ያ࿊
2. 6G Terahertz Signals Curve Around Obstacles
THzࡴ֭ؠפ؏ᆪ֭ፚࡰ֮Ւ֧֖֥આၗבᅷՒྞଣྫྷ֖ྖבև֥४྅֧֘֒ईႷ
3. Qualcomm Brings AI to Wi-Fi
AI੫ँבؠפ؏ዿփ֥Wi-Fiමב४྅֘FastConnect 7900֧փօ،ב2024Ⴉ֪؟؟՛
4. European Telcos Wave a Slow Goodbye to Huawei and ZTE
EU౪፭֦Ւࡰၾ֭5Gؤ՛֊פHuawei֧ZTE֭৯בཌॎ֪
5. Low-Power Wi-Fi Extends Signals Up to 3 Kilometers
Morse MicroՒWi-Fi HaLowؤ՛֭פြ༥ጱ֧ྫྷමᄧࡗב3ؖآע՛ྖבؠևᄧࡗ֪४྅
6. Quantum Cryptography Has Everyone Scrambling
ؒፘࡍӡPQCӢਊ६֧ፘନვຽ(QKD) ्֭ؕᄇ֪୶֞ຎᇖப֖֥෮ු
7. FCC Denies a Starlink Bid for Lower Orbit
Starlink֭ཛ࣊ב࿃ଲ֘׀֞SpaceXࢸนྖב࿃ၗӡVLEOӢ֦೮ष֧֚֔փօጅษבFCCਯऀ
8. Glass Antenna Turns Windows Into 5G Basestations
JTowerೂ֮Ւဪੜ֭ן؊ט؈֪ັ֭ؠ5Gבبחຎ־ॹ֟גශؚ֩؟ײ՛בب브
9. Wi-Fi Goes Long-Range on WiLo Approach
ཨே֭ଞ՛֮ؕWi-Fi֭ዿᄧࡗྙׇבጱ֭ኅؤ՛ַ֧פ४་
10. Satellites Are Becoming the New Cellphone Towers
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զஃਟ֭بי؊؞ᎌፚࡰէ ֧ զט؟ؚעװبם؟ءፚࡰէ
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㕳ӸӨભ֩෮ු֭ሑ୶ต
ભ֪Ւࡒऀ֭㕳֪֖֥փ֎֧֒ഓጅ
ӡ㕱Ӣ ถྙፚࡰՔ๐༾ਙട्ַ֭
ӡӼӢ Ԏԋԡԟԋଞ्ᄇ֭၏ႚ
ӡӽӢ ଞ्ᄇ֭טؚؔר४་
10
㕳ӸӨભ֩෮ු֭ሑ୶ต
11
ӡӻӢ ถྙፚࡰՔ๐༾ਙട֭ጦዿבಡ֖֞ทᆒ֭ଞ्ᄇဨಃ
ഌ֭ؕרםب؎֞ח؟ؘע
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ըبי؊؞ᎌፚࡰթ ըט؟ؚעװبם؟ءፚࡰթ
֪֣փ֥ශ֞֩ถྙי؞בภ־ഞ֘ଞ्ᄇဨಃഓጅ
ഞӱගሇྫྷමලਢव ගሇྫྷමਙടᇀऎव
ဃჂዛ୲ጦዿ࡙ࡿव ഓਙടఢᄡӡ༌ӻषӢ
ህউԔԍԣ֧֖֥ශ֪֞ဨಃָ֘ፚࡰ
ؕרםب؎֞ח؟ؘע
ྫྷම֭؎ؓب՛פi
ถྙ֭֮ן؟ጅ؎بଂ࿊i
بי؊؞ᎌፚࡰ
ט؟ؚעװبם؟ءፚࡰ
بי؊ౌ؞ӡဃՒၗ֩֨ӢՒ
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㕶ԑ
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ගሇྫྷමਙട
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㕳ӸӨભ֩෮ු֭ሑ୶ต
12
ӡӼӢ Ԏԋԡԟԋଞ्ᄇဨಃ֭၏ႚ
9 ؎י՛بՔถྙבภ־ഞ֪֮֘Ւශ֞֩،ؙיء՛֭ౄबᆊईଁ
9 ࡴሑՒ㕵ԑՒ㕶ԑՒԧԑՒՒՒ֧փ֢֞آץ՛ب؎ؠ՛၏֭ᅮമँ֣֪ؕרםփ֥փ֎
֦֮֟Ւ႘֊ශ֞֩ਙട֭ؕ״بؖؗภֽ֩փ֦֭֮֩փ֊
9 ଵඡַ֭֭ؕרם౫֮࣍Ւ৻ໜ،ؙיء՛֭࣊ຂམ֪֥֢փ֩փ֊
ශ֞֩،ؙיء՛֭ౄႚࡣ׃֧֭ᎌૢבኬ౪֖֞
Ԏԋԡԟԋ؊็בץبטبזՒ႘֭ਙട֩੫ב־ຕഞ֖֥փ֎ָ
z ໒ตՔഎႌต֧ಪ֭ዴ
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զ؉՛ഓ౽էՒզ॒ᆪਙട֭־էՒ
զפ؟יՔ״؟י՛بէՒզວৼ֭ଣઇ׀է
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ഌ֭ౌ֭࣊ৼ༽׃֩౽Ւਙടࡔ֦֮֩֎Ւ൙֭ᅋᎌ໗֩؈ถྙב
ଣขև֞ड༎็࿊֦ԟԎ֭ᄇՔࡱถׁഓጅ
इև֥ՔՔՔทᆒ֭،֭ؕ؞ץآธᅏഓጅ
æଞ्ᄇ֪็૱Ւශ֞֩ౄႚೄ׃ᄇມ້֘בຎ֥֢֧֩־փ֊
Å፯և֯ՒဃჂሓ֦֮ဃჂጦዿፍ֭ౚထ֧֖֥Ւ
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ਸֲဴड़ଞ्ᄇ֭֭֞׀ᇸൃઞ֭୪ᆋթ ֧ցՓ
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㕳ӸӨભ֩෮ු֭ሑ୶ต
13
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9 ৫֭ଞ्ᄇဨಃ֭၌୶֧ॺภ֭๔ᇀኾ֭ਂ֮੫֎ະ֘୶
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ׁ֮׃ගሇྫྷමؤ՛ࢥ֭פዿጫ׃ਙടൡ֦֩փଖႪ
9 ගሇྫྷමᇀኾ֭ଞ्ᄇבஸ֪֮׀֞׀Ւਙടፚࡰ֭จኾ֧֭טؚؔר४་ב౽ኾ
֪ႚՒҒఔࡱถ։ֲׇғౌॺᎌૢ֪ຎֿ֧֒ᅢጅ֦֮֩փ֊
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ගሇྫྷමै֪ᇘ֗֞౽֦֮֩֎Ւࡣᇀኾבব֦גփ֎౽ഓጅ
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9 ဪሾ་ॺ֮็૱Քล່Քຎ־ጵֽ֥֦ࡴਂྫྷ֦ଞ֦౮็Քଞೄആཨ
9 ৫Ք་ॺՔஸ๔့֧ᎌૢ֖ՒॺภՔೂवבඉ֧֘ఔࡱถ،בؕ؞ץآຕ็
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z ࡣᇀኾ֭ఔ֭ব־
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ᎌૢׇ֪֩֨ಲಠ֭၏ႚ
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z ႘֪ଞ्ᄇဨಃבபօॆ॒৫֭ঊዿ
9 ே֩بءՒ๐༾ਙടֵॺב֊Ւ႘֭ఔ֪ৼ॒֘ॆ৫
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ᎌૢ֖Ւຳ֩ఔࡱถ،בؕ؞ץآஓཝ֧֮֘֒ईႷ
14
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15
• ᄖ၏בஃ֎ᐵ֖֥֪᪻ץبעببיৰ֤փ֞अཏຕ່בಲଵ֪֮֘׀֞Ւഌ֭ഒআ֦๔ตבഓ౽֖֦֮֞ؕ؞ؚע؟נ֦ࣤ֩փՓ
• ᄖ၏ᇀኾ֪։փ֥ฌै౪֭ಲ֧ײ؟՛בဪሾ་ॺ֭ዻ֩ຎ॒ॺ׃ᎌૢרב՛ט՛֘؋֧֖֥ՒಱՒፘׁ֧֪ዓ֞ఔב
ଞ्ᄇ֧ጛࡱ֥׀ถ֘ฑבஓཝ֘Փ
ײبר՛ؕח
ဪሾᄖ၏Քפآפءם
ײبרبי՛ؕח
ทᆒՔಛಓ
ץب؟ע؟
ఔ՛´ׯಃઞ
z ஸ๔ภ
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z ᄖ၏ౌఔ
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ဪሾ་ॺ
ᄖ၏טים؟פ؈ט؋ӡԢӷԒՉԲӢ
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ੱࡱ،ؕ؞ץآ࿓
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ᄖ၏௶ӡਟӢᄖ
၏ಲՔ็૱ಲ
ੱࡱࢪࢥب؎י
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॒ᆪಃઞ९ၜ
ఔࡱถ ،ؕ؞ץآ
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• ேၾ་ॺ་ਊኟ؟פ՛ؠب՛ؕૌӡ૱ԂӶӿӺӺՁӼӴ
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• ،בبי؞װآዿփ֞ᄖ၏ಲ็׃૱ಲ
• ॺኴፚࡰՒே੩ࣁבև֞๐ු֩་ॺࢇ
ੱࡱ،آץׇ֪ؕ؞ץآ՛ؠఔ֭ࡱถ
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⾍ ⾧ ⾢⼇⽾⽤⼇⾰
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ժౄணի ᄖ၏֭ఔࡱถ፯ӡ৬ॡজग़ॖॸॕঅॸॕঁঈभউটॢছك
16
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17
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ගሇྫྷම৫ౌॺᎌૢב४་֭֘ड༎
ᇀኾ֭ࡣ֩ዻ֩ଞೄ֪֘פ״بר֭ጫ֩ᇝ
ଞೄౌॺᎌૢ֪ౄब֭֘טبװبי؋֭ᆊ໑
ժဪሾ་ॺ֭౮ప፯ի
z ৫Ւ་ॺ֭ցׅᇀኾ֭ଞೄՒຎදՒ౮็Ւ״՛ח،့ַ֭ח،آ՛֦
ౌॺຕ،؞؊מ՛֧֖֥ؕզຕଞസฑဗէבຕ็֖Ւֽ֪֦֒ӾӾೂ็མ
z ଞೄַ֭טبװبי؋֭ຎ֥֖֧־զཐଝᅉฑဗէ֩֨בຕ็Ւಡूॹבዤ၏
ժทᆒָ֧෮ුపի
z ౌॺᎌૢב෮ු֘ଞ्ᄇ،֭ؕ؞ץآຕ็
9 םԋԔՒԒԋԟԢঊዿ֩֨ࡴ࿊࿘ဗ֭՛ؓבነ॰ँ֖֞օև֦ౌॺᎌૢԟԕ֪ဨಃ
9 ዻ֩ଞೄ৫֧ᎌૢ֖Ւड༎֪֘ਙടח،آ՛בևຎב־၏ႚ
ӡਙട֭ၤಛตՔ๐ුต֊ഞ୵๗ጸֽ֦౽ኾ֭ஃփᅴअฑׁഓጅӢ
z ගሇྫྷමᇀኾ֭ᇥॹבપ၌֦ኁఔզטים؟פ؋Քؓ՛ؘ՛ӡंӢէ֭ვམ
9 ་ॺՔேଞ့֦֭ኁఔဎዿු້בӡᇌऎ൶ן՛،؎יب՛بஓ֭ธᅏಈ့בౄணӢ
9 ་ॺՔேଞ့ב౪࿊֖֞օև֦ගሇྫྷමᇀኾ֭ᇥॹבપ၌֘،؞؊מ՛ؕבถ
ժ་ॺຎָֿड༎ի
z ؎י՛بຕഞבৣ֧֘་ॺ૪ࢪूॹ
9 ౌॺᎌૢ֭ँӡຕଞസ็མӢטبװبי׃؋็૱֩֨בॹूؕ෮ු
9 अཏຕ່֭ഩৄ֭॰ጵב౨୶ӡཐअཏæೂवअཏæಃઞæ๗ጸ૪ࢪ्֭Ӣ
ֲֿ֪֘ Ԕԍԣᇀኾ֭ਙടבبל؟بי੫ँָ֘
18
૪అࡊᇱඏבணፄ֖֞ගሇྫྷමਙട֭๗ጸଞ्ᄇ֪֮׀֞׀ුבՒת،
לי؞՛בبಡ֖֞৫Քଞ့֭ගሇ೭ആՔᇀืഓጅ
z ෯ᇓᇀՒײ؊־ු့ँחלכՒת،לי؞՛֮بᆷँ
z དทॺפ؟Ւฌै૪అՔ౦ᇥ၌֭ࢬׁ་
Ԕԍԣפب״פبႷ֭੫ँ
ת،לי؞՛֭بႾ࠶
ؤ՛פ
ח،צ؟՛ب
ؤ՛פஓཝՔ
ءץبי՛ب
ת՛؈
՛״،؞؊מ՛ؕ
ंມँ
ן՛ءצ՛ب
؆؋כ؞פפ؟
ؤ՛็פ૱
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9 ౦၌୶
9 ਙടዓࡔต
9 ဨಃ၌୶
9 དทॺפ؟
ײ؊्חלכᄇ
็૱Ւล່
ᄖ၏ӡԢՃԍՒԍԟԤӶԑԟԤՒ؟ؗؖՒԋԔӢ
ᆪᆀՔؒبר՛ب
ဃᆪᆀӡ״פרՒԔԍՒؚؗ՛ؠӢ
ຍఔӡبר؟Ւ،ب؟ఔፍՒᭀఔፍӢ
ؙיء՛
ਙടጅຍ
՛ב့بיؒפ၃ֽև֞
ทపဨಃՔଞ्ᄇ့֭ಲப
作業班資料4-2
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KWWSVZZZHULFVVRQFRPMDEORJQRZLVWKHWLPHWRXQORFNMDSDQVGLJLWDOSRWHQWLDO
●
㻌
ER Japan
㻌
●
established
●
in 2021
●
●
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●
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2022
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EXPO KDDI
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AI robots
Three interdependent
technologies
Mobile
Mobile
telephony
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Mobile
broadband
Cloud
Advanced
connectivity
Cloud
computing
Sovereign
cloud
Distributed
computing
SA
ธࠅʀϱχʀࠅͲ͗Ίɼ
SAՅ߶͏ࣆ͗ंۂɼ
ંକՃΝͤڛΖ
ֆSAՅི͗55%Ν͓Ζ
ηϧεϱή͵ʹΝ
ϋρφϭʖέՃΝڛ
Network APIs
RRP
RPS
RCS
PBAC
RAN
Identity&Security
QoS
Location
Communications APIs
5G SAϋρφϭʖέ͗ଚࡑͤΖࠅʀஏҮ
GSA ” 5G Standalone August 2025” υʖνΝخͶࡠ
PBAC: Priority Based Admission Control
RCS: Rate Controlled Scheduling
RRP: Radio Resource Partitioning
RPS: Relative Priority Scheduling
Messaging
Voice
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●
●
●
●
●
Private/Local Network (PN)
Mission Critical Network (MCN)
'LJLWDO$LU6SDFH
1RQWHUUHVWULDO1HWZRUNV 171
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Video
●
●
●
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●
–
Technology
trials
Research
Open 5G evolution
5G
Consumer
Low/mid/high
frequency bands
●
–
–
–
–
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3GPP, ORAN 6G
standardization
High performance, differentiated networks
Residential
Stand
alone
Network
slicing
Industries
RedCap
IoT
Enterprise
Cloud Core
Cloud RAN
Governments
API-driven
monetization
AI-driven
automation
Society
Edge
compute
New
IMT 2030
spectrum
●
●
●
●
●
●
(%
ʹ3.1
2023 ೧ʛ2030 ೧
φϧϓΡρέଁՅ
FWA
ʤ4G/5Gʥ
5G
2G/3G/4G
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●
●
●
●
–
–
–
●
●
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作業班資料4-3
ৱમگٕڰ
Laying the groundwork
for a thriving 6G future
November 2025
1
岯峅岴崀峍
2
© 2025 Nokia
Why – ᮍ᮶ࡢ㟂せ6Gࢆᙧᡂࡍࡿࢺࣞࣥࢻࢆண
What – 6Gࢿࢵࢺ࣮࣡ࢡࢆタィࡍࡿ㝿ࡢ㔜せ࡞⪃៖㡯
How – 6Gࡢࢱ࣒ࣛࣥᡓ␎ⓗ࡞6G day-one ࡢඃඛ㡯
㛗ᮇⓗ࡞┠ᶆ – 6G day-one ࡢࡑࡢඛࡢ㠉᪂
6G࢚ࢥࢩࢫࢸ࣒ࢆ๓㐍ࡉࡏࡿ – ᡂຌྥࡅࡓඹ
6G Executive deck - Nov 2025
© 2025 Nokia
宄完岂宏宏宐岈ʤԿʥַໍ屦峚峐峕峼屎岼岈峘屎峇岬࠸ఈٝ
Humans
Machines/IoTs
AI agents
2G & 3G
4G & 5G
6G
Built mainly for human
communications
Expanded to support machine
and IoT connectivity
Extend further to connect AI
agents and intelligence
3
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6G Executive deck - Nov 2025
峀峚岼峓岰峠峓岰履岣岱崀峓峷峅岴崀峕岒
Humans
Machines/IoTs
AI agents
Today’s
networks
Tomorrow’s
networks
Excel at connecting people and devices reliably and
They are still predominantly data transport systems
They will process AI tokens and inference
efficiently, optimizing speed, coverage and capacity
Will evolve from connecting data to
understanding and processing intelligence
tasks in addition to transmitting data
2G & 3G
4G & 5G
6G
Built mainly for human
communications
Expanded to support machine
and IoT connectivity
Extend further to connect AI
agents and intelligence
4
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6G Executive deck - Nov 2025
屯岣岅居ٗڷढ़岉ܩକద岄峚峐峕峼屎岼岈Կ岬චགྷ岂山岀属岘屳
5
Network-cloud
continuum
Space
communications
Quantum
security
Quantum
compute
Sustainable
technology
The future of digital
infrastructure lies in
the integration of
edge and multi-cloud
platforms with the
network.
With the launch of
commercial services,
the Direct-to-Cellular
(D2C) market is poised
to expand rapidly.
As cryptological
relevant quantum
computers come
online the very nature
of network security
must evolve.
Quantum computing
applications will be
available broadly,
consumed as a service.
ESG-compliant
software is on the rise.
Hardware designed for
longevity.
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6G Executive deck - Nov 2025
孹宊岉Կద岄ඊ༄岁屜岥岂ಋ࣎岅ַໍద岄ఴ岁屜岤居າཔ岈ऩ
གྷ岬ຮ屹山ਬ屳岥屹岛岅અܯ屯岦岀属岘屳
Support AI-powered devices
and new form factors
End-user devices will go beyond
smartphones.
With AI agents and TN/NTN integration,
they will enable more intuitive and
seamless communication.
6
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6G Executive deck - Nov 2025
Enable new and
enhanced services
Unlock new
business models
Immersive experience, digital twins and
critical communications that began in
5G will mature in 6G, reaching scale.
Networks are evolving into versatile
platforms beyond traditional
connectivity.
New services such as sensing-as-aservice will emerge.
6G will accelerate this with new and
enhanced capabilities.
岯峅岴崀峍
7
© 2025 Nokia
Why – ᮍ᮶ࡢ㟂せ6Gࢆᙧᡂࡍࡿࢺࣞࣥࢻࢆண
What – 6Gࢿࢵࢺ࣮࣡ࢡࢆタィࡍࡿ㝿ࡢ㔜せ࡞⪃៖㡯
How – 6Gࡢࢱ࣒ࣛࣥᡓ␎ⓗ࡞6G day-one ࡢඃඛ㡯
㛗ᮇⓗ࡞┠ᶆ – 6G day-one ࡢࡑࡢඛࡢ㠉᪂
6G࢚ࢥࢩࢫࢸ࣒ࢆ๓㐍ࡉࡏࡿ – ᡂຌྥࡅࡓඹ
6G Executive deck - Nov 2025
孹宊峚峐峕峼屎岼岬ߑ屳岥ࡏ岈॑གྷ岄ߡྂࣆߴ
8
Performant
Intelligent
Sustainable
Driving performance,
network efficiency,
innovation, and unlocking
a new spectrum to fuel
economic growth
Leveraging AI for network
design, optimization, and
operation, while ensuring
seamless connectivity for
devices and applications
Supporting a low-carbon,
circular future,
whereas fostering
greater equity for people
and the planet
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6G Executive deck - Nov 2025
Cyber-resilient
& secure
Focusing on innovative
security measures and
pioneering quantum-safe
technologies
岯峅岴崀峍
9
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Why – ᮍ᮶ࡢ㟂せ6Gࢆᙧᡂࡍࡿࢺࣞࣥࢻࢆண
What – 6Gࢿࢵࢺ࣮࣡ࢡࢆタィࡍࡿ㝿ࡢ㔜せ࡞⪃៖㡯
How – 6Gࡢࢱ࣒ࣛࣥᡓ␎ⓗ࡞6G day-one ࡢඃඛ㡯
㛗ᮇⓗ࡞┠ᶆ – 6G day-one ࡢࡑࡢඛࡢ㠉᪂
6G࢚ࢥࢩࢫࢸ࣒ࢆ๓㐍ࡉࡏࡿ – ᡂຌྥࡅࡓඹ
6G Executive deck - Nov 2025
ڂݜ履岣ඬ६Կ岘岁居孹宊岒岈ಕ岈岤岉॑གྷ岄ઇ岅౺ୣ
6G commercial
launch
6G research & vision
formulation
6G trials & use case
exploration
6G standardization &
industry consensus
First 3GPP 6G workshop meeting,
Incheon, Korea, March 10th-11th , 2025
10
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6G Executive deck - Nov 2025
ްིద岁峆岾屎島峣峸岄孹宊岈خ൭ʤ宕宨宯季孵孴ʥ岬ཱི֮屳岥屭岂屦ޯ岈伶
6G day-one basic services set
Immersive
multimedia /
Cloud gaming
Extended
reality
NextG mobile
broadband
Fixed wireless
access
Integrated
global
connectivity
IoT/LPWAnative support
6G will build on 5G’s success and do so in more efficient,
economical, scalable and sustainable ways
11
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6G Executive deck - Nov 2025
孹宊屦 宧室宼孰宲宱宨 孫宕宨宯孰孵孴ʥ岅岜屹岣屳岜岈
1
Development of new
and existing real estate
A single architecture
with a modular design
Unlock new spectrum
Improve efficiency in existing bands
A single architecture for smooth
deployment
Modular radio-protocol design
AI and
data driven
4
End-to-end intelligent system
and enablers
AI-native framework
12
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Elevated
sustainability
Green 6G and energy efficiency
by design
2
A strengthened
foundation
3
Non-Terrestrial Networks to support all
device types
Programmable networks and API native
5
Enhanced
cyber-security
6
Security and privacy framework
Quantum-safe networking to counter
new network threats
岯峅岴崀峍
13
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Why – ᮍ᮶ࡢ㟂せ6Gࢆᙧᡂࡍࡿࢺࣞࣥࢻࢆண
What – 6Gࢿࢵࢺ࣮࣡ࢡࢆタィࡍࡿ㝿ࡢ㔜せ࡞⪃៖㡯
How – 6Gࡢࢱ࣒ࣛࣥᡓ␎ⓗ࡞6G day-one ࡢඃඛ㡯
㛗ᮇⓗ࡞┠ᶆ – 6G day-one ࡢࡑࡢඛࡢ㠉᪂
6G࢚ࢥࢩࢫࢸ࣒ࢆ๓㐍ࡉࡏࡿ – ᡂຌྥࡅࡓඹ
6G Executive deck - Nov 2025
ௗغద岄ໃતڂݜ岉รַద岄岱峛峦屎峄峴崀岬岜屹岣山岘屳
Nokia Bell Labs examples
SoC
Processing
Element
Accelerating
digital-physical
fusion
Harnessing
the full potential
of AI
Exploring
converged 6G and
AI through
parallelization
and acceleration
Preparing
for the quantum
era
6G networks will be at the center of a hyper-digital future
14
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6G Executive deck - Nov 2025
Advancing
beyond a simple,
scalable, secure
6G architecture
岯峅岴崀峍
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Why – ᮍ᮶ࡢ㟂せ6Gࢆᙧᡂࡍࡿࢺࣞࣥࢻࢆண
What – 6Gࢿࢵࢺ࣮࣡ࢡࢆタィࡍࡿ㝿ࡢ㔜せ࡞⪃៖㡯
How – 6Gࡢࢱ࣒ࣛࣥᡓ␎ⓗ࡞6G day-one ࡢඃඛ㡯
㛗ᮇⓗ࡞┠ᶆ – 6G day-one ࡢࡑࡢඛࡢ㠉᪂
6G࢚ࢥࢩࢫࢸ࣒ࢆ๓㐍ࡉࡏࡿ – ᡂຌྥࡅࡓඹ
6G Executive deck - Nov 2025
ࢴ屹屻岉孹宊岬ࣰݳ岈岜岈岅屳岥屹岛岈ಕ岬岤属岀属岘屳
ֆ岁岈ׯ࿊ܠ岒岈ۅద岄ࢂՅ
India
Japan
South
Korea
China
Nokia holds key leadership positions within the European (6G-IA) and
North American (Next G Alliance) ecosystems and is active in India, Korea and Japan.
16
© 2025 Nokia
6G Executive deck - Nov 2025
າཔ岈ٗढ़岈ࣰݩ
宆宖宓岞ۂֆ岈ؔ岂岈ܠ
孫孴孲孵孬
6G AI-native air interface
Wireless AI Interoperability
ICAS
Joint research
collaboration to
improve performance
and minimize energy
consumption
Joint research on AIinteroperability
technology to boost
wireless capacity and
performance
Explore real-world use
cases in an industrial
environment and
traffic scenarios
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© 2025 Nokia
6G Executive deck - Nov 2025
າཔ岈ٗढ़岈ࣰݩ
宆宖宓岞ۂֆ岈ؔ岂岈ܠ
6G AI receiver for distorted signals
(2/2)
6G energy efficiency improvement
Off-peak hour
Joint research on
AI-based digital postdistortion receiver,
HybridDeepRx, to improve
6G coverage and efficiency
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© 2025 Nokia
6G Executive deck - Nov 2025
Digital twins for mining operations
Models of EE features
Jointly evaluating Energy
Efficiency features by
combining Nokia’s EE
model with KDDI’s real
network data.
Research agreement
signed to implement a
cognitive monitoring
network services, enhancing
safety and productivity
ྙڢڂݜ岬௪屲岀າཔ岬ଆ屳岥
ۂֆ岬峷屎峖屳岥ָढ़ؖؽ岞ؖؽڂݜ岂岈ྙڢ
A landmark industry event created by
Nokia and the NYU WIRELESS research
center in 2014 and rebranded in 2021.
Nokia is a member of 6G@UT, a
funded collaboration between industry
and University of Texas at Austin.
19
© 2025 Nokia
In May 2018, Nokia became cocreator member of University of
Oulu 6G flagship program.
In October 2023, Nokia established a
6G Lab at its Global R&D center in
Bengaluru, India.
6G Executive deck - Nov 2025
岘岂岛
孹宊岉峀峚岼峓岰峠峓岰岬屢岀居
岱崀峓峷峅岴崀峕岁宄完峚岱峓岰峣岄
峤島峐峕峢岶屎峭岂岄岤居າཔ岈
ऩགྷ岅ଲԢ山岘屳
20
© 2025 Nokia
6G Executive deck - Nov 2025
屷岦岉Կద岄ඊ༄岁屜岤居峯
峅峲屎峸Կ屯岦屹ࣰૹ山岞屳属
અܯ岬ඍ屢居ྙک岄ؽ岬
屳岥ַໍద岄ิ岁岜屜
岤岘屳
孹宊岈خ൭岉居߁岄岵峀峄峆
峓峭岈ྙڢ岂ڠ岬௪屲岀ࠕ
ೖ履岦岀属岘屳
作業班資料4-4
ৱમڰٕڰ
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Agenda
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'RFXPHQW1R؟1)1
Agenda
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ઈఫ峘৸ਙ峒૨৲峼৯峒峁峐岴峴峁峉ਏ
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ਲ৷૮ਃৃ峑峙岝崊崌崛嵈峙崾嵑嵛崱ੳੴ২岝
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ਃঢ়峮岝಼૩ৎ峘ৢਦু峼峫峵੫峮ঽ৬峔峓岝বਗ峘்ઁ岮嵎嵤崞嵤峕ਹ৷岮峉峊岮峐岴峴峨峃岞
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嵣 ௧৷ణ峼ৰಎ峁嵇崫崟嵏嵛崗嵒崮崋崓嵓峔ৃ峑ઈ৷岿島峵ಹਜ৷૮ਃ
嵣 ৈলৡ峑崯崠崧嵓৲峁峐峵ඊಅணட岝ఃஈணட岶ਏ峔ලಔ૮ଂ
嵣 嵑崌崣嵛崡崽嵒嵤峕峲峴ධ୫峮๘峔峓ر峔崟嵤嵛峑ਹ৷૭ચ峔્৵ਗ਼ৡ
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嵤 ৸ব峘岵ਚ峘ጌਫਝ峘崯崠崧嵓૮崟崡崮嵈峼ଲୗਲ਼
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શષ峑峘ਝੑ峼ষ峍峐岴峴峨峃岞岽島峙ਊਝੑ௬੦峕峉峔岮,&岶岮岽峒岵峳峇峘఼৷峼ೂ峃峵్岮峒ਃர崛崡崰峼ৣ
岼峵岽峒岝峇峁峐ਲਗଲષ峕ൂோ峃峵嵒崡崗峼嵀崫崠峃峵岽峒峼৯峒峁峐岴峴峨峃岞
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嵤 ૮ਃ৸৬峘ਝੑ峕岴岮峐ਦಀ૪৶峼૿ਊ峃峵'63ق崊崲嵕崘ਦಀ峼崯崠崧嵓৲峃峵ૼك峒ர崯崸崌崡౪峝嵆嵛嵆崟嵛
,)峘౪峼૿ਊ峃峵&38峼࿌ൗ峃峵岽峒峕峔峴峨峃岶岝ਊ峙峇峘崕嵤崯崸崌崡峼ঽଲ峘62&峒峁峐৫峁峐岴峴峨峃岞
峇峘62&峼࿌ൗ峁峉ਁુ岻峘峔ਃர峒峁峐ਰৣ岶岾峀岮峨峃岞
5)ਝੑ峒峂岹峁峉ષସ峼૿৳峁岝ਲਗ峘ੲિ峕ంక岿島峔岮েਓ峼ৰਠ峃峵峉峫ଲ৲峼岴岽峔峍峐岴峴峨峃岞৫峙ਸ਼৻਼گ
峕ਤ৲峁峐岴峴岝峇峘62&峼࿌ൗ峁峉ਁુ岻峘峔ਃர峒峁峐ਰৣ岶岾峀岮峨峃岞
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嵤 ્৵ਗ਼ৡ崰嵑嵛崟嵤崸嵤峑峙岝ঽ৫峁峉崛嵤崯崫崗ق72.8'$(5ك岶࿌ൗ岿島峐岴峴峨峃岞
ఠଢ峘崯崠崧嵓৲峝ಓೠطള়峼峃峵崒嵒崠崲嵓崊嵓崜嵒崢嵈峕峔峴峨峃岞
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ޮӻࡔ๑ਕΠαϞుࢢ௪৶ָ৾ࡔڷ
ਁஇଃ੮১য॔ॖ॥ਗ਼ৢਦੵ৾ஷ௪ଃ੮मؚधखथਗ਼ਞभ੦ຊੴ
॑ਡपखञःૼभਛ॑ॊञीྡؚୠभপ৾؞প৾प৾
व৾েपৌखथတ৾ରஃ॑ষअधधुपؚઃ਼৻॑૿अपఐ৾ૼष
भ௪್॑ऊचॊણ॑ৢगथؚভ൴पॉੌ॒दःऽघ؛
ুૼ峘ਛ੍ର
岣ਗ਼ਞ峘੦ຊੴ峘ಆ੭峃峵崊崲嵕崘ૼ峘ਛ岤峼ଳ峁岝ਗ਼ৢਦੵ৾峘
ী峼ಂ峃৾ে峕ৌ峁峐တ৾স峼ஔહ峁峐岮峨峃岞
ਗ਼ৢਦੵ৾峘ஷ௪
ਗ਼ৢਦੵ৾峕ঢ়峃峵৹ਪ嵣ଢ଼峼ষ岰য峮੮৬峢৹ਪ嵣ଢ଼ા峘ஃਛ峮ઃ
਼৻峼૿岰岝峕ఐ৾ૼ峢峘ঢ়ੱ峼ৈ峫峵崌嵁嵛崰হ峢峘ஃਛ峼ষ峍峐岮峨
峃岞
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՟ୌ
ใଲષ峘,&峮62&峼嵁嵤崡峒峁峉ଲષ৫岶岬峉峴峨岲峘૾ய峑岝ঽ峳5)岝62&峘৫峘੦ຊ岵峳ઇ峃峵岽峒岝
峨峉峇島峳峘য৩峼ન৳峃峵岽峒峕ౙੱ峁峐岴峴岝প岷峔ୖ峘峜峒峎峒峔峍峐岮峨峃岞
峨峉૮ਃ峘嵎嵤崞嵤峙ೠ৵ൊ峕岬峴岝峔,&峮62&峼఼৷峃峵੫峒峘ત଼ଥ岶ౕ৲峃峵峔岵峑
ஆঽ峘৫峼ষ岰岽峒峙ਹஇಓ峕峎峔岶峴岝৽峕峬ౙ峁岮૾ய峕岬峴峨峃岞
གྷ
૮ਃ峘৫峕ਏ峔੦ຊઇ峘ౄৰ峒岝ਲ਼ਯ岶峃峵峔岵峑৫崛崡崰峘ઽ峙峒峔峴峎峎岬峵র岝
峁峉ષସ峮਼ੀੲિ峕ంక岿島峕岹岮ஆঽ৫峼ಲਢ峃峵峉峫峘ଃ峔੍ର峼岮峉峊岻峨峃峒ౘ岮峑峃岞
ٴ崊崌崛嵈ઙૄভ岝崊崌崛嵈岝,&20嵕崜峙岝崊崌崛嵈ઙૄভ峘ఃஈૹఏ峑峃岞ٴ峇峘峘峝ଲષ峙岝峘ૹఏ峨峉峙ఃஈૹఏ峑峃岞
作業班資料6-1
ဃჂዛ୲ጦዿ࡙ࡿवӹഓਙടఢᄡ
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ኬՔר՛،ӡಃፍ֭ࡔམ֤Ӣ
z ಃፍ֮Ւपே֭ဃჂՔءؙיؤᎌౌ֪֣փ֥Ւ೫ጅؚ֧؟՛ל՛֭بஓ່ב֪Ւ
ౌ֭ਊኟশՒअཏՔዿ֭ᇀᆑՒֲ֪֩ኜ֪։Ꭺבธጫ֘ב֧֒ኬ֧֘Փ
z ભ֪֮ՒဃჂՔౌءؙיؤבՒؚ໊֭؟՛ל՛بӡຍఔՔᆪᆀՒؚؗ՛ؠՔ৯Ւ
ؤ՛פஓཝՔࢥዿՒࣧཉႷ့Ӣ֧Ւ೫ጅӡྫྷՔৰᄯՒಛࢪኦՒח؟ؘעኦӢ֭ႏଭ֦ธጫ֖Ւภౌॽ
ӡპඑະဴӢ։ֲׇዿӡഌೄӢ֭෮૱ଅऐׁ֪֧בՒౌ֭ؕרםໂבነ֪֘֊Փ
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և࠽Ւת،לי؞՛بඑ֭Ꭺ֩֨Ւ࿓ඞଉՔᅴअ့֭ธጫבபօׁ֦֭ցՓ
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z ౌஓ່בᐵ֪᪻໎և׀֞Ւ೫ጅӡӽતᇀӢؚ໊֧֭؟՛ל՛بӡӿພӢ֦૩ँ֖Ւ֭֨ພՔ
֭֨೫ጅ֦अཏӡภౌॽӢภֽ֥փ֊Ւ֭֨ພ֪ዿആཨ֖֥փ֊Ւ೫ጅ֧֪֓ౌ
ஓׇ່֭֨օ֪ࡣ֣֪֩֨֩֊փ֥ᇀืבಲ౮Փ
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9 ஓཝՔࢥዿ㕪ಛࢪኦ֮ျ૱එၤጵ૱එ֔֎֎֪ᇀ૱ႍ֦ց׀֞Ւ్ႚ֚֙ח؟ؘעኦ֪ആዃՓ
9 ேၾภౌ֪॒֔ॆഞझ֔ᇀӡዐഞӢֽ֮ࡴሑՒॆ॒֭ಈസ֦ภౌ֦॒֔ॆᄦპ֔ᇀӡॆ॒ଵདภ
ౌՔଵདპඑӢֽ֮֩փՓॆ॒პඑᄾጴஸփ৫֪֣փ֥֮Ւ৫ᎌଅპඑ֧ேၾภౌ֪֭Ᏺጱภ֗ၜՓ
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z ኅ ֪ ྞ ไ ᅩ ֤ ֎ զ ྫྷ ම ת՛ ؈ է զ ኅ ৯ է զ ૢ ༾ ቨ է զ ೮ ᇩ ֭ ਙ ട ౫ ࣍ է֭ օ ֠ Ւ ᆪ ֧ ֖ ֥ ໐ ֦ ׁ֭
ב ֜ ׃౫ և එ ጺ ӡ ຍ ఔ Ք ࡴ ᄤ ล ່ Ք ಈ സ ת՛ ؈ ့ Ӣ ֭զ ኅ ୶ ᆪ ᇀ է בՒ ဨ ႚ ஓ່ ֦ ֿ
z ց ಐ ֭ ౌ ஓ ່ ֦ ց ׀ ֞ Ւ ౌ ஓ ່ ׃ ጺ Ք ࢂ ඡ ੳ ֭ ᇥ ँ ֮ଣ և ֩ փ Փ
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⏕⏘ᛶ䠖䜽䝻䝇䝏䜵䝑䜽⏝
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z ዿຳ૱֮ͤዃ42ቮՒօ֠ྫྷՔৰᄯӱ3.1ቮՒಛࢪኦӱ4.4ቮՒח؟ؘעኦӱ34ቮ
Å၍ؚ؟՛ל՛֪بഌಈ֘ೄӡ፯ӱח؟ؘעኦ㕪ஓཝՔࢥዿ֮Ւਙട֭֙֩־Ւת՛؈्ᄇՔؓ՛ץبטצՔࢪ့ֿׁӢ
z ภౌॽ֦֮զஓཝՔࢥዿէӻӼཽࣅׁׁ֧֢֧་փՒዿ֦֮զஓཝՔࢥዿէ֧զࣧཉէ֭Ӽ֣་փ
z ภౌตӡภౌॽӹዿӢ֦֧־ՒզஓཝՔࢥዿէ㕪զח؟ؘעኦէະ֪ஸ֎Ւզࣧཉէ㕪զח؟ؘעኦէ
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• ຳ֥֗Ւຳॽ֭භֲׇզᆀኬᇠ֭ႷՔᆀಱࡊ
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• ԔՃԣྫྷමӱӼӺӼӾႩ ዃԀӸӽཽࣅ֦ௗଢ଼ԍԋԑԡӽӾӮ֦४་
• ไ໗༾ቨӱӼӺӼӾႩӻԂӺࣳÇӼӺӽӿႩӿӺӺࣳྖՒ
՛״೭ആՔई౽ँՔฑ֭೫ጅᎌ௳֪ໃइ
Ӳآץ՛ؠӴ
• ԝԣԝӱӼӺӽӿႩ ዃӼӸӽཽࣅՒԎӼԍӱӼӺӽӿႩ ዃӻӸӿཽࣅ
• ೭ࢽՒष༳֊ጦঊዿӡฑՔँՔԢԙԋՔࡊӢ־
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ਙട
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• ᇀኾַ֭ຎ־׀֭֞־Ւ࿃ཛ࣊ՔஸමጘՔஃࡰඕྙ֭၍
ಐ༥ถӡདඑࢸน๔ዿኅ֭ຎ֚࿓֪Ӣ
• ؊ؠנטԋԔ֭ᆗਸ֦Ւ༾ቨ֭םԋԔശጫՔ໌ಐ؊ט՛
׃פಛጳँ็૱ഓጅ֪ӡࣣכ؞פᆲ֭ణଲ့Ӣ
• ԝԣԝ֮ՒӽԑԟԟӨԝԣԝ֦ࣤ༾ቨ֪ؕרםျՒ༾ቨ
໊֭ࣤ،ՔႷಲົᆗਸבइ໒
ຮඡੳ • آץ՛֦֮ؠՒࢸน֮ءبר՛ب၏֭ऍ๒৳Ւ
Ք႘֭ • དඑ໊֮ԚԝԞ࿓ૢ֦౦ถ֥֔փ֎
႘֮Ւఆ॔ࣤՔৄ੩Ք་ဒ౦ࢥዿ֭૪ଫ୴֎Ւඕྙ
੫־
ँՔዓ๐ฑՔࢥዿ็૱ב؆צ՛֘׃֖ँփ
ᆊईଁตՔ • ྫྷමཉ֮பทՔሻఆՔ୪ྫྷᆾጺՔፑՔଂఅֽ֦Ⴢਸ
ಛጳต • ఆ॔ಐ֮ዛ֭༉࿊Ւࡤ၌ৰདઅՔࢸนՔ๔ዿኅ
֭໌ࣤვᅏ֧โࢥዿᅢጅ֧֩
• ၟ֪Ւഓጅبי؊؞Քט؟ؚעװؠᇀኾ֮զֽ֩
փ็૱էዓ๐֦ցՒඕྙँՔዓ๐ဗฑࢥ׃ዿؠ՛֮ؠ
ࡴພഓጅ֪֩
• इև֥Ւྫྷම㕪ԋԔ㕪؛՛צ՛֭ျ࿓ࡎӡࢥዿՔԢԙԋՔଵ
၏ֽֿ֦Ӣ֦௭ᇠँׁईႷ
ԙӿԄӨ໐࿊Ք็૱Քଙආӡ့ץب؟חبםӢ
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• ૱໐ՔଙආӱӼӺӼӿႩ ዃӿӸԁཽࣅÇӼӺӽӾႩ ዃԃӸӾཽࣅ
• ஸ೮ჂँՔ೮Ⴢँ֦็૱ႍ֭ဗඑ൦Ւଵད็૱Քؚ՛
ץبՔ௺็૱֭ໃ་
Ӳآץ՛ؠӴ
• ן՛،ँبՔंມँӲԞӷԡԋԝӹՊԡԋԝӴ֦ຎ֚ໃևՒ็૱
ÇଙආÇ၏ႚ֭ᄗᆲӡణଲӢဨಃ୲ऐב௬ࢌ֘
• ؊ט՛ؠಀଫ֭ैପఓँՒ็૱ཌॎ֦௺ଵ֦ଙආ
ַ֭མহු
ਙട
بء
ຮඡੳ • ࡴᄤ֪Ւ֮ץب؟חبם՛לؠ՛بӡ็૱ՔଙආՔಛ၌
Ք႘֭ • ँӢ໊࠶ב੫֎Ւऍ๒ँ֖֘׃փஓ෨
႘֮Ւဒ౦ஸቹဗՔᆷᄚӡࢾՔ့ب؎יӢ֭૪ଫཏ
੫־
୴֎Ւ็૱כ֘׃֖ँؠؗבכփ
ᆊईଁตՔ • ็૱Քଙආ֧Ւ၏ႚՔஏूཛ֖࣊Ւᆀಱᎀँࢥ׃ዿר
ໃ֧֖֥ପఓँՓྙ೧ዿထӡبי؊؞Ք୰့Ӣֺ֨Ւ௺
ಛጳต
็૱Ք௺Ⴁ࿊֭ᆟ༶ഓ֎Ւ็૱ৰᄯ֭૫໗ตጅ֪
• ؠؗՔಀଫዻՔᅴअ՛֭ؠຎ־ࡕַ֭֚ໜ੫փ
ֺ֨โՔ༉֪֊֊׀֞Ւ็૱Քᅴअሓבேၾ֦
ಏֺ֣֨ଵँ֭؉՛ب؎ؠ֧ؓಛዡဗ୶එ
• इև֥Ւ૱໐ՔᅴअӡؗؠיӹৰདઅӢ֪੫փேၾಈೄໜ
ఓՓ็૱Çଙආ֭ࡴਂྫྷ֦֭ࣤՒؓب؎ؠ၏ႚ֦֭
ျՔྔธӡଵདँӢבಲົཐ֧֖֥ཡู֖֘׃փ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
• ஸ೮Ⴢँ֦ؠؗؠؘՔץبטبכתՔءؚؔם՛ب
ᅢ෦Ւ็૱Çଙආ֭ရ֖ဴ֪֞֩
• Ԟӷԡԋԝׁզਊ६ະୗไ໗ตႷᅴअէב૫໗ࢥዿ
• ૱໐֭ԋԔँׇ֪Ւ໐ÇಡᇠՔࡣඛଙཐՔጅࢀโᇀӡश
ืؚ؟ײ՛ँبӢՒಀଫৼ֭༽ചअཏ֪
• ຳ֥֗Ւח؟םӹष็૱ՒဃჂৄ੩֭૱໐ՔᅴअՔءؚؔם՛
بഓጅਙട֧֩
ӻӺ
ғת،לי؞՛بᇀื
ӼӸ२ؙ֭יءၟ྇ ӲӼӴᎪጫ֩ৰᄯ
z ျӡԢԔӢ֧ࢥዿՔಛ၌ँ֦ؓৄب؎ؠ੩֭ᆷต֪֦ࣤ֊ՒᆀಱՔרՔ४྅ต֭ຮ֪Փ
ԙӾԄӨؤ՛פஓཝՔࢥዿ
౦
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•
•
•
Ӳآץ՛ؠӴ
•
ԞӷԡԋԝӱӼӺӽӺႩዃԁཽࣅਊኟַျ֦־၏ႚුֿ
ՊԡԋԝӱӼӺӽӺႩ ዃӻӺཽࣅਊኟַᄞዿৰᄯँ֦จኾ४་
ԡԔԍӱӼӺӽӺႩ ዃӻཽࣅਊኟՒฑח،؟౦ጵඑ
ԍԋԟԏԧँӡஏू֭༭ӢבԞԟԏԧँӡࢥዿஸဗँ့Ӣ
֦ᇸօጺՒࢥዿअཏ֭ᄾഓඑ൦
ਙട
بء
• ԗԟԔँՒ൶ဃՒ็࿊ՔᇥஏՔඏ֭॔ࣤಛ၌ँ֩֨Ւ
ਙട֭ཨ७֪֩Ւࢥዿᆀಱ֭ઍࡴँ֧ࡕໜב࿃ଲ
• ԡԔԍ֮ՒԝԵԱՆӷԡԣӡӻӺՁՇӻᅹӢ֦ኅ֭ฑՔँבப
փՒԝՃՂӷԡԣ֦ฑሑ֭ప࿊ॺ׃֭ؠؗஏශב૫໗
ԋԔׇ֪ኅँՒࢥ״آױዿՒءץח؟ؘע՛
Պԡԋԝ֭֩֨ਙട֭ಲົฌ༉ྫྷම֭ࢥዿ֭࿓֪֩
ຮඡੳ • ԡԋԝ֮එࡔऍ๒੫փࡴሑՒࢥዿՔျ֮དࡰጅଉՔଵ ᆊईଁตՔ • ࢥዿֽ֧ՒᆀಱᎀँÇඏ॔ྙৼँÇೂवႷӡሻఆՔ୪
ಛጳต • ྫྷՔଂఅ့ӢַჂਸ
Ք႘֭ • ँ֦௭ᇠँዬདౖ
་ਊኟՔஸቹဗࢥዿ֭૪ଫבՒࢥዿײ؊Քಛ၌ँب،ءՔࢥ
ֺؓ֨ँب؎ؠျ႞ആཨՒଙආՔஏශਫֽ֧
੫־
ዿ็૱्֧֖֥ईႷՓ֭֜֞׀ՒंມँՔಛ၌ँࢥבዿᆀಱ
ஏूֽՓײ؊ஏශՔࢥዿ՛״Քಛ၌ँؠ՛ؠಃౌ
֭ጅଉ֪ᄗࢭईႷ֩ఔՔཐଣ֭ཡูഓጅ֪
• ၟ֪Ւഓጅبי؊؞Ք୰ዿထ֭ጅਿӡ॰ಲตՔඕྙՔዓ๐ฑӢ
ࢥבዿዻַᄗࢭ֧֘֒ሰֽ֖փ
ँՒଁጜ֧֘ᆲՔँཛ
• ፚࡰӱࢥዿಛ၌ँՔඕྙँՔஏශ૫໗
׀ፚࡰӱࢥዿ֭ؠ्ؗӡԢԔӹࢥዿײ؊ӹവӢ֩֨
ԙӽԄӨؚؗ՛ؠՔ৯
• ৰདઅ֮بחՒӼӺӽӿႩ ዃӻཽࣅਊኟՒԚԱՇՇԺՊԵӨ
ԚԔԚԞᄾጴඑ൦ଣ־
• ԡԡԒՔԡԤ֮ӼӺӽӿႩ ዃӻӸԀཽࣅਊኟՒԡԤᄾጴඑ൦
Ӳآץ՛ؠӴ
• ೫ጅ֭Ⴢ֮Ւဨಃؠפיתӡஏू֭༭ÇԀԑമᅏӢ֪੫֎ᎌ၌֘
ׁՒ؉՛פಐ֪ฑዃഞ֘׃փ
౦
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• ԡԤ໊֭Ⴗആዃӡ؈՛ؕ؊מ՛ؔץبԔԍ့ӢՒ೮ჂँՔஃ
ࡰँ֦ԡԐ؊بםبآᆷँՓ
• ֮بחՒ֭״פװ೮ჂࣤՒԚԱՇՇԺՊԵӨԚԔԚԞ့֭ஸ
ဗँුӡ؈՛ؕฑՔॵฝՔ၍ৼႍ֭ဗඑ൦Ӣ
• ԝԣԝ֦֮Ւ༾ቨؚ໊ؗ՛ؠျՒདඑኦ֧֭โՔඕྙ֭
็૱࿓֧֩Փ
ຮඡੳ • ৰདઅົམ֮ॆ॒་֭ऍ๒Ւ৯༳֭अ६ՔตႷຮ֮ ᆊईଁตՔ • ৯ֽ֧Ւໃ็ՔஏूֽՒᆀಱՔඕྙตՔఆ॔
ಛጳต • ࣤ࿃ऀ
Ք႘֭ • ଯ֖֎Ւצ՛؞؈ט؟॰ᇱ֦֩փ৫֮ౄႚႍ
ົམ֭ࡴᆪፚࡰӡبחӹԡԤ೮ᇩӢ֭ஸဗँျՔࢥዿ
ԡԤӹ֮بחᆪᆀ֭ျՒؑפؠᆪᆀӡ؊״ؠטӹ
੫־
؆ؤ՛بח،ӹץبؔי״့יӢֽ֦ၜ
ӡԢԔӹँӢ֧֭ຎ־֚Ւ༾ቨՔౌ୶ؚؗ՛֭ؠዿ
• ႡආՔະୗไ໗Քᇱᆪఔ֭ฑዃ֦Ւ༉ྔ༥զᆾ֮ց֢֥
ׁౚև֩փէඡ֪֩ၜ
• ፚࡰӱ༉ईႷ็૱ՔᇱตՔଙආ
׀ፚࡰӱஸᆋइअཏԡԤӹبחျ्֭֩֨
ထၟँӡଵጅଉՔႡආՔৄ੩Ӣׇ֪௭ᇠँՒඑጺᆪఔՔ૱
໐Քࢥዿ֧֬֞՛ؠ״࿓ࡎ֩֨ຮዓࡔ֪֣֩ई
Ⴗตց
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
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ӼӸ२ؙ֭יءၟ྇ ӲӽӴᆾጫ֩ৰᄯ
z ༉॰ᇱ֧ፘౌ֭ࡊ࿊ต֭ፊጵ੫֭־ฌ༉ፚࡰַ֭४྅֦Ւऀጺ֭็૱ಛዡဗ֧૫໗ตב॰ᇱՓ
ԙӼԄӨᆪᆀՔי
• ೫ጅஓ່֮Ւຳ֥֗ኁภ༳ၤࡕໜÇೆఐՔౌՔبי؊୶؞
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֭׀ৰᄯ֧࿊ਟӢ֭ธᅏ֪։փ֥֮Ւఔ׃ಲົৰᄯӡ့ץب؟חبםӢ֭॰ᇱׁઇ֥׀ഓጅ֪֩Փ
ן՛،ँبՔंມँՔAI့֭ࣤුׇ֪Ւົམࡴ֊ᇀՔျַࡤப֖Ւະୗࢥዿต֭༶ᇱՒျଙආՒࢥዿಛ
၌ँ့֧փ֢֞ࣧཉႷ׃ᎌਙടՒಛጳต׃ຮב௬ࢌ֖֘׃փஓ່֪֣֣֩ցՓ
ءؙיؤבᐵ֧᪻֘Ւ႘֮ዻ֩ፚࡰ֪੫ב־ዛ֖֥։Ւู֒בઇ֪ঊዿ֖֣֣Ւ૫໗֪ࡥಏՔ੫
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֧Ւฑዃପఓँ֖֘׃փፚࡰӡຍఔؚؗ՛ؠՔ৯Ӣבโᇀ֣֣Ւഓਙടבଙ၀֧֘֒ሰֽ֖փՓ
ת،לי؞՛بඑ֮ՒຍఔՔᆪᆀ ༉ईႷตՔఓୃՔྔ༥ዬདՒؚؗ՛ؠՔ৯ ྔ༥ዻँՔະୗࢥዿตՔျଙ
ආՒஓཝՔࢥዿ ࡥಏஏශՔࢥዿஸဗँ֭ဨಃვᇀՒࣧཉ ૱໐ՔᅴअՔఔৰᄯ့Ꭺ֧֩Փ
ࡊ࿊֭॰ᇱ֪इևՒྔ༥ዴตՔ௺็૱ᆟझ֭࿃ଲ့Ւேၾ॒֦֭؈्໒ဗׁ֪ྞଅ֧֘փևՓ
֭֒Ꭺ֮Ւפ؟࿃ଲֽ֪֧֨֙Ւपே֭੫־ᄇ৸֦ፚࡰ֪ཧኬ֦֧֘֒Ւبי؊؞ธᅏ֭॰ಲต
׃्໒ဗבஸ׀Ւேၾ॒֭ಈवׁ֪֣֧֩ணևՓ
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ഓਙട֭ணևሑַ֭ಘ௪ӡզէզ׀էਙടӢ
ഓਙട֪֣փ֥֮Ւೂवبי؊֥֖֧֭؞ৰᄯ֭ᆊईଁต֧Ւேၾ֭ࢥዿಲՔ೮Ⴢጦዿ့֪໌֖֞ಛጳต֭॰ᇱ
֭֊Ւ֧ؑפؠ௭ᇠँፚࡰആཨ֘ङസ֪ኬׁ֧֘֒ഓጅ֧ணևՓ
զէਙട֧֖֥֮Ւ፯և֯ഓጅبי؊֨֩؞ထ์֔֩փፚࡰב֪Ւ૫໗ࢥዿבถጵ֚֔ৰᄯӡ
૫໗Ւ༉ՔஏශईႷตՒྙৼᇱՒסء՛૫ൡՒಲົ॰ಲต့Ӣב॰ᇱ֘ፚࡰੑ֑Փ
զ׀էਙട֧֖֥֮Ւपே֭੫ב־ᠾ֪Ւ፯և֯ஸ೮Ⴢ֭ዓࡔตՒץب؟חبם㕪ࢥዿཐႷँՒءؙיؤ
ՔיՔׇ֪بיᆗਸइ໒့בৰᄯ֪Ւॆ्ׁ॒֦֦ፚࡰኬ֔Փᇏ֥֚ՒAIՔRIC့֭ಲົׇ֪
ࢥዿᆀಱ֭૫໗ू׃೭ࢽँׁՒࡥؕרםಏؠ״׃ৰᄯ֭ᄇՒॆ्॒֪։փׁ֥ഓጅ֪֩օՓ
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作業班資料7-1
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作業班資料7-2
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作業班資料7-3
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作業班資料7-4
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ऽञँؚॊਗ਼ਃওشढ़दमૼؚभ੭တৱતप
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ঋঝभੴध੧ৡؚ੫ਗद૽સ॑૿इॊয౫
भਛ॑৯घق؛ফभಌৗؚਜୖশभँॉك
ঔংॖঝ
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ঔংॖঝ३५ॸभৈ২ऩ௧ੇदؚঔংॖঝॿॵॺডش
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ਝੑदऌॊয౫भਛ॑৯घ؛
ঔংॖঝ
ঔংॖঝ३५ॸभ੦ຊ॑৶ੰखؚৰਜदણ৷दऌॊૼ
दؚঔংॖঝॿॵॺডشॡؚഈଜؚ७य़গজॸॕؚॡছ
क़ॻऩनभ੦মऩૼਏಞ॑৬௺प৶ੰखथःॊয౫
भਛ॑৯घ؛
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ঔংॖঝૼभ੦ম قਗ਼ణभ્ਙ॑ك৶ੰखञভ
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౫भਛ॑৯घ؛
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५ঐॺشইज़থऩनঔংॖঝਃஓभੀभੴૼؚੴؚ
১ੴ॑इञपਲ਼५ॱॵইभਛ॑৯घ؛
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قଫഏিপ৾५ঐॺشग़५ॖشఊവुৌك
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,R7भ੦মଡୗ॑৶ੰखؚਠৃदभো؞ઈ৷॑৶ੰदऌؚ
,R7્થभজ५ॡृୖऋॎऊॉؚ৸पඞइॊয౫भ
ਛ॑৯घ؛
ডॖখঞ५,R7
উছথॼ
ঘش२੫ؚঽ৬ؚ੮৬ऩनपँढथؚ,R7োभ੦ຊ
ੴ॑ठؚডॖখঞ५ૼ॑৶ੰखؚਠৃद,R7ણ৷॑
ਤदऌॊয౫भਛ॑৯घق؛ਜରك
10
&RS\ULJKW0RELOH&RPSXWLQJ3URPRWLRQ&RQVRUWLXP$OOULJKWVUHVHUYHG
ਫ਼भॸय़५ॺكڭق
ਉಋফभಌৗ
ঔংॖঝ३५ॸૼਫ਼ॸय़५ॺقਠभك໗
قઙك177ॻ॥ঔ ؟িଝྊ শ
.'',قઙك
ૈ؟িขଡ଼ শ
९ইॺংথॡॢঝشউقઙ ؟ਆဋ শ
௫ଠঔংॖঝقઙ ك
؟൰ஂ শ
11
&RS\ULJKW0RELOH&RPSXWLQJ3URPRWLRQ&RQVRUWLXP$OOULJKWVUHVHUYHG
ਫ਼भॸय़५ॺكڮق
ਉಋফभಌৗ
,R7३५ॸૼਫ਼໗
ূপ৾
ਆ ઇ౸
ଫഏিপ৾
๎൞ ઇ౸
ডॖখঞ५,R7উছথॼਫ਼໗قਜରك
ূఐ৾প৾ ৈিဋ ষ૽ౢ৾শ
12
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ঋথॲঘش२भॠকॵউكق
ਠ
ঘش२
ঋথॲ
૩ऋँॊध
ਗ਼ణऋඍऊऩः
૩ऋँॊभद ؚീਙभৣ
ਗ਼ణऋඍऊऩःभ ఢణਯऋৈःऺनణশऋ
मல্ऋऩः
ಢऎऩॉؚ૩भ୶प
ॉाقീكऋൠऎ
ऩॊ
ංऋఋॊधਗ਼ణभ ංभप৹ऋப
૾ଙऋபः
ःभमல্ऋऩः
ංဃقUDLQ
DWWHQXDWLRQك
ං၄पेढथਗ਼ణऋล
ઽ؞ങೊऔो્ؚपৈఢ
ణقঐॖॡটణ؞জ
ణكदႀ෩पൠऽॊ
ܒঘش२੫भ੫؞ঔংॖঝ३५ॸোிભ؞
૿ਊऐ
ِডॖখঞ५,R7উছথॼਫ਼ّقਜରك
13
&RS\ULJKW0RELOH&RPSXWLQJ3URPRWLRQ&RQVRUWLXP$OOULJKWVUHVHUYHG
0&3&َ:LUHOHVV,R7ॢটشংঝૼ
ਫ਼قෘُكपेॊਗবয౫भਛ
মभভभ৲धजोपൣअয౫ਂଌभമ৲
9 ੲਾਓभয౫ਂଌभമ৲قكقবॹॱشংথॡফা৹सك
9 ଲୗ॑রੱप்ઁःਓद,R7৲ऋਤिقଲୗؚਓؚग़ॿঝॠؚش
ॖথইছؚୢك
ঽद৫ऊोञॖথॻ୬ஞ॑੦ೕधघॊমधূવવ
॔४॔౾বधभෆฐ৴भਤؚૼقয౫ઐك
9 মधभૼੈৡؚযઐपेॉূવવ॔४॔౾বभभমभডॖখ
ঞ५ૼपৌघॊ৶ੰ॑ीؚ௪॑ৈीॊ
9 ੶॑ৢखؚমभૼરਜ਼ਙ॑യਤੋ৽ؚ৸৳भਘ৲ؚॖথইছਲਗ
ன৫भਤقઃ਼৻ৢਦॿॵॺডشॡषभষ॑യਤك
३५ॸग़থ४ॽ॔ਂଌमؚশ৲भৄৢख؛0&3&ऋশফ
သढथऌञَডॖখঞ५,R7ਫ਼ُ॑ৢखथؚરೢऩਗবয౫
ऋমभૼभਠ૾ؚजभ্ਙ॑৾लؚ੶भ੍इधऩढथ
ुैअ ܒਫ਼ୡभஶୁ৲َ:LUHOHVV,R7ॢটشংঝૼਫ਼ُ
قऽङॖথॻؚॖথॻॿ३॔ৌك
14
&RS\ULJKW0RELOH&RPSXWLQJ3URPRWLRQ&RQVRUWLXP$OOULJKWVUHVHUYHG
ྟৡँॊডॖখঞ५ੀध
घॊञीप
0&3&॔ডॻشपेॊરೢহभ༟
ॢছথউজ؞ਜপ෦ೖऊैတཫೖऽद৺হ॑༟
টشढ़ঝ*ڱೖभৗਝपेॊ/*ણ৷भਤ
ܒnਛखञঔংॖঝ,R7ણ৷হ|॑ষؚனऩनदଦഘ
ঀॼ؞॥থૢ৷॥থॸ५ॺपুૼभਸ
੫भؚপ৾؞௧৾ૅभুૼऋਯૢ൳؛
ିঀॼك॥থق$UGXLQR൩ఌभঐॖ॥থ؞
ঔ४গشঝ॑࿌ൗघॊத৵ड़شউথ९ش५
ঁॻشक़ख़॔ ९ইॺक़ख़॔ك
ੈৡূؠপ৾੩ଢ଼
ॺজজड़থঀॻشଢ଼ভ
1ϱ
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1ϲ
作業班資料9-1
ဃჂዛ୲ጦዿ࡙ࡿवӹഓਙടఢᄡ
ৱમڭٕڵ
ءؙיؤᇀኾ֭ഓਙട֪֘ଙ၀
ӼӺӼԀӹӽӹӼԀ
ؗ؈ט؟Քྫྷමทపᆪ
Ԕԍ ԣبי؊؞๗ጸؠץ՛،
ಃፍ֭ࡔམ֤
¢ኬ£
z ഓਙടఢᄡ֪֥ಘ֥֔փഓਙടፚࡰ֪։փ֥Ւௗଢ଼पே֧֖֥ഓਙട֧֖֥ ኬָ֘
ਙട֭፯ཬבഞ֖Ւ౦ต׃ഓጅตՒೂवಲົ֭ಐತ့בธጫ֦֧֘֒Ւௗଢ଼֭ଞ्ᄇ့࿘ᅳప
࿊֪ಃ֘ৰຉಃፍבಘ֧֘֒Փ
¢ࡔམ֤£
z ಃፍ֮Ւءؙיؤᇀኾ֪։ഓਙട֪֣փ֥Ւௗଢ଼֭ଞ्ᄇ֭ഓँਸֲ෮ුሑప֭ଙ၀့֪
ಃ֘׀֞ՒଵಐӡӼӺӼԀႩӽଈӢ֭ଣྫྷ֖֪ৰ֤ธጫ֖֞ၾዴ֦ցՓ
z ଼ᇠ֭ਙട፯֮Ւଵಐ֦֭༉ᅳ፯בಘׁ֦֭֘ցՒି࿊֩ଅᎪ֦֮֩֎Ւௗଢ଼֭ਙടبל؟بי
Ւ౦Քຮৄ੩Ւทప၌୶့ב၃ֽև֥૫໗֪ஏශ֖֥փ֎࿓֧֘Փ
z ଞ्ᄇඉ֭ཬഞ֪ৣבམ֎ࡴሑ֦Ւ૫໗ตՒಛጳตՒᇱࢥዿต့֭֊ࡥಏָ֘ਙട
׃ႷՔฑ֪֣փ֥֮Ւ෮ුሑప֭ଙ၀ֽׁ֪֧֭֘Փ
¢२ਙട֭ཬഞਸֲᅴअሑሓ£
z ேၾ॒֭౦Քଞ्ᄇ၌୶֪֘ᇌଝྔ௮ӡଞᎪᇌֿӢՒೄַ֭؇֗ྫྷב့ץب؟חՒഓਙട
ፚࡰ֧֪֓ਙട፬ਸֲ༉ᅳਙട፯ཬבഞ֖Ւࡒऀ֭Ӽತ֦ᅴअՔธጫ֖֞Փ
z ౦ตӱᎌ౦֭ਊኟՔถྙตՒዿထՔ؛՛צ՛֭ஃՒጅ،ؙיء՛Քຮৄ੩ՒᅮമँՔฑဗธ
ᅏ׃ೂवಲົ֭ුईႷตՒ ӼӺӽӺႩ༉֪୶֞पே֭ຮዓࡔ֧֩ၜ့֊
z ഓጅตӱᆊईଁตՔಛጳตב॰ᇱָ֘֊Ւᇀኾַ֭ჂਸตՔৰᄯตבዛ֘֊Ւேၾ֦ࡥಏָ֘็૱Ք
ล່Ք౮ՔᇱࢥዿႷ့֪֊
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
Ӽ
࿘ᅳ֭ఢถ֪ց֢֥֞
㕱ӧಐತ֭็࿊
z
२ፚࡰ֭࿘ᅳ֮Ւ଼ᇠਙട֭ଯቹ֩Ⴉᅳ֦֮֩֎Ւೂवಲົ֪୶֞ᄇཌॎ֭ኬࡊבಘ֖֞Փ
z
ཧಐৼ׃ಲົಐৼ֮Ւਙടถഝဗ֦֟֩֎ՒᅮമँՒฑဗธᅏՒᅴअՔႡආৰᄯՒྔ༥ஏශؠפיתՒ๐ப೫
ጅ֭ዛኅׇ֪֥֢ଢ଼֖ၜՓ֭֜֞׀Ւ२࿘ᅳ֦֮Ⴉିב࿊֪໎և֎֦֭֮֩Ւଞ्ᄇÇಲආÇഷ
ৼ၏ႚÇৰᄯँՔ्֧ࣧփ֢֞ጺבৰ֪ธጫ֖֞Փ
㕲ӧଞ्ᄇ֭፬֭ணևሑ
z
ഓਙടבඉ֧֖֞ଞ्ᄇ֭ኬՔຆփࡴዻ֦֮֩֎Ւೂवಲົֽ֦֭ጳ໒ጅࢀׁࡣ֩Փ֭֜֞׀࿘
ᅳ֦֮Ւଞ्ᄇ֭ኬ֧ೂवಲົඑ֭֭ؑפؠփ֩֨ב၃ֽև֥Ւු׀ሑ֭፯֧֖֥፬ँ֖֞Փ
ӷ ᅮ മ ँ
ଞ ्ᄇ֭ৣՒ ະୗไ໗ตՒ ྫྷዻՒ ಀଫሓՒ Ⴁආඞଉ֭॰ጵ֪ց ፬Փ
ਙ ട ถጵ֖֥փׁ֥ Ւ ᅮമँ׃ᅴअՔႡආৰᄯธ֯ ֩ᆗਸՔ् ֖֪֎փ ֞ ׀Ւ ೂव ಲ ົ֪ ୶֥֮ே ᅮമ ँՒ ಀ
ଫ Ւ Ⴁආ ע ՛ ؕ ஓཝጅ֩ ้ኬ֧֩ Փ
ӷ ؛՛ צ ՛ ๐ப
ଞ ्ᄇ֭ৣՒ ଵ֦ ֭ዛ୲ตࢥ׃ዿถጵต֭ಲආ֪ց ፬Փ
ਙ ട ༳֭ตႷ ׁ ׇՒ ๐பጦዿೄ֧֭ಲආՒ ၏ႚ୲ऐ֭ई౽ँՒ ࢥዿฑ ׃ᅉ ዿ ᆟ༶֭ ธ ጫ့ ᆗ ਸՔ ्֭࿓ ֧ ֩ Փ
ӷ ೂ व ಲົ
ଞ ्ᄇ֭ৣՒ ฑဗՒ ྔ༥Ւ ႞ᇀैՒ ࡊጅଉ့ ב֥ ׀ೂव֪ຎ ־ ׀ בธ և֪ ֧ ֒ց፬ Փ
ਙ ട ֭ถഝ֟ ֦ ֩ ֎Ւ ฑဗ็૱Ւ ྔ༥ጅଉՒ ૫໗ࢥዿ֭ ؠ ؗธᅏ့ ࿘ ב௬ࢌ ֘ Փ
ӷ י
ଞ ्ᄇ֭ৣՒ ตႷಲଵ֪इև ֥Ւ ፘౌᇶጽֽՒ ࡊ࿊ต့ֽ֦ ֥ ׀ಈ ँ בถጵ ֚֔ ֪ ֧֒ց ፬ Փ
֒ ֭ ֞ ׀Ւ ዻַ ֭ຎ ־Ւ ᅴअՔႡ࿊Ւ ፘౌጵඑ֑Ւ ת، לי؞՛ب॰ᇱ ့ ጅ ้֩ ኬ ֧֩ Փ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӽ
ഓਙടፚࡰ֭ॗጅ
તᇀ
ፚࡰ
ፚࡰ֭ࡔམ֤Քዂআ
౦ต
ഓጅต
႘֭੫־Ӳ፯Ӵ
ӻӸӻ
؊ؠנטԋԔՔԔՃԣ
ԋԔՔתبװՔྫྷමבዿփ֥ଵ
ಲฌै֭็ᅏՔॅՔৄ੩ב
ँؠ״Քಛጳँ֘
ล່ՒᆾጺՒႺՒଔ็Ւؗ
ଵᆀಱՒפטؑآՒװ
ౌຮ֭ಲົኜב௬
؈֨֩ט؟ଵड༎
תبျՒೂवؕಲ
ࢌ֘ৰᄯਙട
֦౦ጵ֣
ົ
ӻӸӼ
ഓጅبי؊؞Ք
ؠ
ט؟ؚעװ
ྫྷමՒဃՒ୪ྫྷՒሻఆ֩֨
ೂवႷב౫ևৰ
ࡊבؕ࿊ࢥዿ֘
୰ဨಃՒبי؊؞ஏශՒ
ࢥዿᇱ౦
ӻӸӽ
ฌ༉ྫྷම ؕೂवՔౌבؕ౫ևྫྷ මಈೄဨಃՒౌ ே֭ྫྷමৰᄯ֧֖֥ಛጳ ࢥዿਙടՒಲආৰᄯՒᆪᇀ
ӡԌӿԑӹԀԑӢ
ฌ༉ྫྷමৰᄯבஓཝ֘ؤ ՛פՒبי؊؞ஏू
ตՔଚตஸփ
ਙട
ӼӸӻ
ԋԔՔ؊חטبآ
ӼӸӼ
ྫྷමՔ૱్৯֭ตႷב౫և
ԌՈՃԌᆪఔ౦֧֖֥ ኦ֭၏ଚב௬ࢌ֘ ဃᆪᆀՒఔፍՒยቹᆪఔՒ
ຍఔՔᆪᆀՔ יఔፍՔဃᆪᆀՔᄖ၏֩
ࡊ࿊֪४་
ᆊईଁፚࡰ
ಲົ
֨ᆾጫৰᄯב༶օ
ӼӸӽ
ץب؟חبםՔ
بי
⽴Ө⽶⾃⾝ਙട
ӻ
࿄ೂवႷ֪ྞଅ֘ ஸමጘࢥዿՒᇱՒฑဗ็
ᆊईଁፚࡰ
૱Ւبי؊؞ျ
ԋԔ֧๐༾֭֨֩ءؙיؤශ
ମጫਙട֪ྫྷׇමՔ૱్Ք ଞՔಲආ၏֦ጵ֠එ ൙֭ਙട၏ଚ׃ᅮമ ಲආৰᄯՒ૱໐ՒᅮമँՒ
ฑ֭ஓ່בᅋᎌ໗֪ஸဗ Ւ൙౦ถ
ँຮ֪ྞଅ
ጅຍਙട
ँ֘
⽰Ө⽟ਙട
Ӽ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ጅຍਙടבျ֖ՒตႷՔר
Քමጘตבተ֞֘
ؕ็૱ՔಲົՔँב༶օ
็૱ՒျՒᅴअՒົམՔ ਙടבೂवಲົ֦ؕ ֊ျՒಲົ็૱Ւ
्ؕᄇ֪ᆋइअཏ
בଂ࿊֘ျႷ
ᆀಱ็૱
Ӿ
ӻӸӻӨ؊ؠנטԋԔՔԔՃԣؕፚࡰ
z ፚࡰ֮Ւ؊ؠנטAI׃IoTבଵ֦ಲົՔࢥዿईႷ֪֭֘׀֞ྫྷৰᄯב༶օፚࡰ֦ցՒؑآՒ
ᆾጺՒౌIoTՒؗ؈ט؟Ւبי؊؞ᇱ့֭๐ப౦ถ֪ྞଅ֘Փ
z ྫྷමตႷ֪इևࢥዿՔᇱՔࡊตֽ֦֥׀ଵ֦ࢥዿषຎ֥֖֧־ธև֧֒ഓጅ֦ց֒
֧֊ՒඡੳבႾ࠶֘ӡႡಡՔࡔམՔಐӢՒโ֪֙ไ໗֘ӡไ໗Ք೭ዴӢՒࡊ֪၌֊֖໗ӡฑՔ
ࢥዿӢႷࡴב֦ஸဗँ֧֘֒ਿ׀Փ֭֜֞׀Ւ଼ᇠጅຍ֭ตႷຮ֦֟֩֎Ւዻ֩ౌ
ଵ्֪֦ࣧྫྷৰᄯ֧֖֥ถጵตבଣઇ׀ഓጅ֦ցՓ
֩ਙടӡ፯Ӣ
ਙട֭፬
ஸยဗԟԝԣ
ႡಡՔಐਙട
ไ໗Ք೭ዴਙട
ฑՔࢥዿਙട
ඡੳႾ࠶֧ࡔམՔ
ಐธב༶օਙട
༾ቨՔࡤ၌Ք
ஃࡰৄ੩ׁ֦ไ໗ב
ࡥಏ֘ਙട
࿃ཛ࣊ฑ֧ࢥዿՔ
ᇱՔࡊבଵ֦
ถጵ֚֔ਙട
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӡԟՃՇԺՈԺՃՂԺՂԷӶԝԱՊԺԷԱՈԺՃՂӶԣԺՁԺՂԷӢ
ࣴၾ॒ࡤ׃၌ׁ֦ࡔམՔಐבஸยဗ֪֜ևՒؑآՔೆፊՔ
ఢࡿ֭ྔฑࡊ׃ࢥபבถጵ֚֔Փ
ՔᆾՔৄ੩֭ඡבઝጱ֦ඛಐႾ࠶֖ՒଣՔࡣඛଙཐՔ၌
ઝጱ໐ࡔՔ ץببװႾ࠶ב൶ვՔ࿃ᆟ༶֦ಲଵ֘Փ
ԝԣԝӲᅋདඑኦӴ
དඑኦ֧ࢸนՔԒԋԟԢבຎ־֚ՒᆪՔॆඑՔఆ॔ಐב֞׀
โኬ֩փஃࡰไ໗בಲଵ֘Փ
ԋՁԲԺԵՂՈӨԔՃԣ
ဃཕ୪হ֭ᆟ༶בઇ൚ँ֖ՒՔམ֎ྖ֭ؠ؎ءྙבתبװ
ৼࢥዿ֖֥Ւඛಐ՛״೭ആ֭ኜ्בईႷ֪֘Փ
ԚԱՇՇԺՊԵӨԔՃԣ
ሶ་֩ԔՃԣ༾ቨבඃၩՔཛ࣊בጌև֥୲ጴ֪೭ዴ֖ՒՔᆾጺՔ
بי؊؞ଵ֦֭၍ಐ૱໐ՔࡴฮฑבईႷ֪֘Փ
ؗ؈ྫྷ୶ט؟ම
ஸ໒ࡤ၌ཨׁ֦࿃ཛ࣊Քஸමጘ֪ไ໗֖Ւಛ၌ࢥՒࣙॸഒՒ༆
ຼபՒآ՛ࢥبந֭֩֨ࡤ၌ת՛؈ࡊ့֭࿊ࢥዿב౫ևՓ
ಛጳ௺ஓถኅ
ඏ॔ৄ׃੩ᇥ၌֪֥ࣤ֗ྫྷම૪᎓็׃࿊בಛ၌ँՔᆲ֖Ւ
ထโ֎֪փྫྷම֧൶ࢥዿבಲଵ֘Փ
ӡԢԵՀԶӷԞՆԷԱՂԺՎԺՂԷӨԝԵՈՋՃՆԽ့Ӣ
ᆷ֭םಃଳבᎌૢ֚֔Ւ՛ב״ઝሧ֦ᇀైശጫ֘֒
Ԛԏԍ؊ءל՛֦֧ بՒ࿃ཛ࣊ԋԔՔࢭໂशืՔདࡰࣧཉࢥዿבईႷ֪֘Փ
ӿ
ӻӸӻӨ؊ؠנטԋԔՔԔՃԣؕፚࡰ २ਙട֭ᇀื
ਙട
౦ตՔຮৄ੩
ഓጅต
ೂवಲົן؟
• ಛ၌ࢥՒᆾጺԋԑԥՒبי؊؞ᇱ • ໐ࡔ֧ஸยဗಐ֮ؑآฑՒ ӷӼӺӽӺԄؑآՔآ՛بՔಛ၌
֦ஸยဗ໐ࡔՔಐ၍ৼ೫ጅ४་Փ ຽဃՔྫྷම၍ৼՒఆ֭॔ࣤྫྷৰ ࢥ့࿊ዿထ֦ഷৼ౦ถՓ
• ԣՆԺՁԲՀԵ့ॆ॒ฒ๐பՒԑԝԢԢ
ᄯ֦ထ์့֮ೂवႷ࿄֪ྞଅՓ ӷӼӺӽӿԄྔ༥ጅଉँՒ༉໐ࡔՔ
ஸยဗԟԝԣ
ৰᄯ֮ᇚࣨཨ၏Փ႘֮മྚࢸ • ම็૱ՔԟԝԣഓँՔሪ॔
ඕྙ၍ৼՔࡣඛଙཐ֩֨ಲົුՓ
นؕӡԠԩԢԢӢӹԚԋԎԞԍԋב
ตՔଙආᅴअՔಐ֩֨ேၾႷ ӷӼӺӾӺԄࡤ၌Քౌฑ֭ྫྷ
ತ֪Ւஸยဗँ֧ตႷᅴअ֪੫־Փ
ৰᄯ֧֖֥࿊ཧՓ
֭ࡥಏሰֽ֖փՓ
• ຘୃՔӹጺӹࡊଣ֦
• ࣴၾՔᆾႡಡ֮ؑآྔ׃ᆾ ӷӼӺӽӺӱՔᆾଙཐࡔ׃མ෮࿊
ԦԺӷԐԺ֨֩ץببװᆗਸՒ৻็
ጺಛ၌ँ֭࿓Ւץببװৰᄯ֭ ့୶֩֨ഷৼ౦ถ
ࡊ็૱Ք،י؞՛॰ᇱഓጅՓ ӷӼӺӽӿӱؓ՛؊؟פזՔ؈ؠ
ઝጱ໐ࡔՔ ԋԟঊዿ֦၏ႚඏᇝ֮ᄾॵ࿃փՓ
• ץببװԦԺӷԐԺ،؎့ب౦בଛࢂՓ • ဃჂᅴअՒؕׯ؟שؠחՒ༾ቨӹ بחጫ֦၏ႚ४་ՒؑآՔ็ᅏฑ
႘֮৯ಲົՔଵዿ֦௭ᇠँ
ಲົՒଵଙආႷ֭ࡥಏሰ ᎌૢ֭ඛ็ץببװৰᄯँՓ
ዬདցՓ
ӷӼӺӾӺӱဒ౦့्֪Ք࿊ཧՓ
ֽ֖փՓ
• ဴኜ֮ࣙॸདؐפ՛ؠՔఆ॔ӹॆ • ஃࡰఆ॔Քདทॺྫྷ֦֭ऀפ؟ම ӷӼӺӽӺԄ࿊၏ႚՒདඑኦ֧ࢸน
එ୶೫ጅ๐பՒӼӺӽӺႩଢ଼֪
૫໗֮ᆊईଁՓ
ӹԒԋԟԢ֭โࢥዿבಲົՓ
ԎӼԎࢸน׃ԒԋԟԢᎌૢ४་֧ມ࿊Փ • ࢸนӹདඑઅ็૱Ւࢥዿ౽Քඕྙँ ӷӼӺӽӿԄࡴ็૱ᆗਸՒ༾ቨՔ
ԝԣԝ
• ԢՄԱԳԵԧՒԏՉՈԵՀՇԱՈՒԋՁԱՎՃՂ့
့֭ேၾৰᄯँ֦ዛಈ့֭ಛጳࢥ ࢥዿጫՔ໐ࡔᎌૢֽ֦ျՓ
֭ऍ๒න੫փՓ႘֮ࢸนӹདඑ
ዿ֪ಃ֘Փ
ӷӼӺӾӺԄདඑӹᅋདඑࡴ֭ไ໗
અՔ༾ቨಲົ֧ࢥዿԢԔ֪੫־Փ
ৰᄯ֧֖֥࿊ཧՓ
• ӼӺӽӺႩଢ଼֊ᆾጺ့֭ء՛ • תဃཕ୪হႍ֩بי؊؞Քஃࡰ็ ӷӼӺӽӺԄՔᆾጺ့֦ಲආՒဃ
؈֦ט؟ဃཕץ״ء६ँ֖
ᅏ֦ඛಐבץببװईႷ֪֖Ւᇱ ཕ୪হణଲ֩֨၏ႚᅴअුՓ
ၜՒၥبי؊؞ဨಃ֧༳अ࿃
֧רဃཕב་ᆳ֪ଲ֘Փ ӷӼӺӽӿԄଵ֭་ፘ၏ႚ֦౦ጵ
ԋՁԲԺԵՂՈӨ
ऀถᄵב௬ࢌ֖ᆊ॰ಲต֮ஸփՓ • ם՛՛؎ץبטՒྖ࿃൯ එ֑ՒႡආՔନጫՔஏශ็૱־
ԔՃԣ
• ԦԺՀԺՃՈ့๐பՒӽԑԟԟ֦ᅮമँ
ᅉ็૱Ւץ״ፘౌՒၥვམ็૱Ւ ֭࿓ුՓ
ුபཨՓ႘֮ࡽలՔᆪఔ֧ଵ
՛״මጘตᅴअבேၾ֦ಏ֣֧֒ ӷӼӺӾӺԄྖ༾ቨב࿓֧֖֞
၏ႚ็૱֪੫־Փ
֦ౌຮׁ֪৳ይՓ
ࢥዿ֥֖֧ؠؗ४་Փ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
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֦ธև֧֒ഓጅ֦ց֊֧֒Ւ૫໗ࢥዿตՔᇱ૫໗ตՔ૫໗ต֧֖֥ཧኬՓ
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ဃჂץببװՔء՛֭ ວৼႾ࠶֧ඡੳႡಡבಲଵ֘Փ
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ೂवಲົן؟
• ล່ՔဃՔᎻ့֦آ՛ؠנӿԑ့ • ࿄ဃՔఆ॔ऀׁ֦ഓጅ็ᅏ֭౽ฑ ӷӼӺӽӺԄஏශৼ֪ՒඕྙँՔಛୂ
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ഓጅبי؊
• ॆ॒؎ࡕبໜໃ֧֘ะೕตࣤ ँ׃ᇱต֭־ँුՓ
ࢥטዿӢ֦౦४་Փ
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• ་؎֭بՒேၾཨءؙיؤ
׃ᇱ૫໗׀֞Ւ็૱Ք౮Ք ӷӼӺӾӺԄೂवৰᄯࡥבಏ֘ᅮമ
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ࢥዿՔᅴअՒᆪఔྔ༥֭ேၾႷ֭ ็૱֧֖֥࿊ཧՓ
֧ᇏ֚֞੫ב־ዛ֘Փ
ᇱಏሰֽ֖փՓ
• ୰ࡊՔၗՔبי؊֪୶؞୰ • ౪৸ျฑ֭ྫྷৰᄯ֧֖֥Ւࣿฤ֪ ӷӼӺӽӺԄሻఆՔ୰ࡊՔଵࢥዿ
ኦַࡤபՔᇏዿුՒ༾ቨՔת՛
इևࡔམՔࢭໂՔ՛ב״ዓ๐ฑ֖ ֦၏ႚ४་Ւዓ๐ฑؠץ׃՛،
ྫྷම֭ಲົුՓ
ՔନጫՔࡤபԢԔ֧ӼӾӹӽԀӿࢥዿ
֣֣ዛ֦֧֒ᆊईଁՓ
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• ఆ॔ಐ֭ະୗࢥዿՒࡍँՔ༾ቨႡ ӷӼӺӽӿԄະୗࢥዿՔן؊ࢥዿ
့ஸԢԙԋँ֦౦ถՓ
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• ॆ॒֮ԚՃՈՃՆՃՀԱӨԢՃՀՉՈԺՃՂՇ׃
ආՒ༉ྫྷම็૱֩֨ேၾ֦ࡥಏ֖Ւ ב֥׀ᆗਸՓ
ྫྷම
ျฑՔ૫໗ࢥዿ֭॰ᇱഓጅՓ ӷӼӺӾӺԄኁጦዿ֦ྫྷৰ
ԋԺՆԲՉՇ֩֨Փ႘֮๔ዿኦธᅏ
ᄯ֧֖֥࿊ཧՓ
ח،؟ӹԢԔ֩֨੫փՓ
• ་ਊኟඏ॔ಐ֭חפ،့֧֖ • ఆ֭॔ྙৼँ׃ዛಈׁ֦࿃֭ ӷӼӺӽӺԄࡥಏஏශৼ֧֖֥࿃
֥ԙԦӹԚԦӹԒԐՔईᄚኅՔࢸน
ᎌጛՔ౪৸ב॰ᇱ֦ཌՓ
֭Ⴗ॰ᇱුՓ
ྙጱՔ
༾ቨ֭ྔ༥ՒᅏཡஏශՒᇱ֩֨ • ईᄚઅ्֭Ւᅢጅ֩৯็མՒᇱ ӷӼӺӽӿԄᅋඛಐחפ،ྫྷම
༉ྫྷම
ฑ੫ँ֦֩֨Ւᆲഷ၌׃૫໗ ֧֖֥ઝ༉ँՔࢥዿஸဗँՓ
೫ཨ֪૫໗Փ
ਙട
• ႘֮ျࢥዿ֪֩֨੫־Փ
ࢥዿ֪֣֩Փ
ӷӼӺӾӺԄࢸนՔૢኦᆊ༥ಐ֭༉
ৰᄯ֧֖֥࿊ཧՓ
• ၍ሇႷ֭ಲົՒሻఆபทኅ֭ᇸ • ểỂಐՔ࿄ဃऀׁ֦ࡴ֦॰ಲ֪ ӷӼӺӽӺԄ୰ሇՔࡴฮვමዿထ
ၫՒම༾ቨ֭ಛ၌၌ׁईႷ֩ ֭֩֨ႷஸဗँՓ
ሐຽՔؓ ؠর֧֖֥ஏශ೫ጅ૫໗Փ
֞׀ᅊႍՔ֭࣍ഷ၌ב௬ࢌ֘Փ ӷӼӺӽӿԄ୰ዿထཨ֪ᆗਸՓ
ؘע • ॆ॒֦֮ӿԑӷԚԌԢਊ६֮་؎ب
၏֦ಲආӷമዿཌॎՓ
ӷӼӺӾӺԄᅋඛಐ၍ሇ༥֭ৰᄯ
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Ⴗ֧֖֥࿊ཧՓ
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ӻӸ㕲 ഓጅبי؊؞Քט؟ؚעװؠፚࡰ २ਙട֭ᇀื
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ೂवಲົן؟
• ࢸน໐ࡔሪַ֭॔ప೫ጅ֭४་Ւ • ྫྷමՔဃՔ୪ྫྷՔந֦֮Ւ໐ࡔ֟ ӷӼӺӽӺԄ୪ྫྷՔဃ့֦ಲົ४་Ւ
ӼӺӼԀႩࡒவ֮౽תبװՒሪ॔
֦֩֎ಐ၍ৼ֭ນಪׁஃᄧ֩ඏ ሪ॔ଙཐ֧ඕྙโב၏ႚՓ
بחՒႡආࣤමՒ༉ಐ
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ԟԝԣሪ॔
ଳ֭౦ጵ֠එුՓ
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• ॆ॒֮මؖ՛נ՛့๐ப֘ࡊ • ֩ࢥዿ૫໗֧ඏ॔ಐ֭โ֩ ӷӼӺӾӺԄഓጅبי؊ࣧ؞ཉ֭ৰᄯ
ต็૱
ࡴሑՒ႘֮ᅴअՔ౽ࢥዿ့֪੫
ᆲᄕཉ֭֞׀ՒමᅴअՒ൰ ਙടँՓ
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౽Ւ༉ಐვම֩֨ேၾ֦૫໗
֦ฑഓጅՓ
• ౽Քሻ୦ዿထ֭ء՛֮Ւഓጅ౮ • ඹႚ౽׃ࡰՔ࣎য়౽֭໌ࣤต ӷӼӺӽӺԄໜՔሪ॔ตՔ
็׃੩ै౽့֦ஏශՔஸဗँ೫ጅ
ב౫ևཨ७֦תبװցՒת،ؤ ؞՛֭ँפಲົුՓ
૫໗֘Փ
יထ์ಐׁࡥಏᅢጅՓ
ӷӼӺӽӿԄົམஏශ֧ࡴ֦ஸဗँ
ဃჂبװ
• ء՛็૱ՒමശጫՒ็མฝՔೲ ු־Ւ౽Քᅴअ౦४་Փ
ץبՔء՛ • ԣԸԱՀԵՇՒԙՃԳԽԸԵԵԴӨԚԱՆՈԺՂՒ
ԡԱՍՈԸԵՃՂ့ॆ॒ฒׇ֪ऍ๒
ጫՒࢥዿ՛״ᅴअՒית՛ሻ୦ֽ ӷӼӺӾӺԄࡊᇱඏՔೂव౽֭ৰ
୶֟Ւፚࡰׇ֪֥֢֮ேၾ؎ب
֦ேၾႷ֩փ֧૫໗౽ ᄯਙടँՓ
ׁตႷՔಲົՔᇱኜ֦੫փՓ
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ӻӸ㕲 ഓጅبי؊؞Քט؟ؚעװؠፚࡰ ࿘ᅳ
z ็ᅏஏශ׃ોᎉࢥዿ֥֗ྫྷבᄾॵວৼ֪ೂवಲົַࡤப֖֘׃փ૫໗ྫྷමՔ༉༥૩ਙട֧Ւ౽
੫ँ׃ጅଉँՒྙৼ֩ࡤபࣤב࿓֧֘ሪ॔Քྙৼሻ୦૩ਙട֪་ᇠՓ
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૫໗ྫྷමՔ༉ຽ
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ஸමጘँՔ༉ཌ֭ธᅏ
ະୗࢥዿՔોᎉࢥዿ֭ᆗਸ
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ӡඕྙँՔዓ๐ฑՔחפ،ྫྷමӢ
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ሐຽՔؘؓעؠຽ
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ӡԟԝԣตՔ౽ؤ՛פՔࡍט؟חӢ
ӡ౽ՔોᎉࢥዿՔႡආ௮ՔᇏዿࢥዿӢ
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ଞ्ᄇժೂवಲົի
ሪ॔ଙཐ၏ႚ ÇӨྔ༥ጅଉँ ÇӨࣧཉৰᄯँ
ဃჂץببװՔء՛
ଞ्ᄇժೂवಲົի
ໜಲົ ÇӨ౽ஸဗँ ÇӨ౽ৰᄯँ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӻӼ
ӻӸ㕳 ฌ༉ྫྷමؕӡԌӿԑӹԀԑӢፚࡰ
z ፚࡰ֮ՒདඑኦՔᅋདඑኦבֿዻ֩ไ໗ࡴב֦փ֩ՒஸตႷँӡஃࡰՔ࿃ཛ࣊Ӣ֧ࢥ
ዿถጵตӡᆷ֭֔ਹ೭Ӣבፊጵ֘ৰᄯב༶օፚࡰ֦ցՓ
z ֭֜֞׀Ւן՛،ँبՔಛ၌ँࡊב֪ࢥዿ֘ӡח՛ؘפעՔฑӢᇀైՔஸቹဗৄ੩ׁ֦ᆀಱࡥב
ಏ֘ӡᇀైኅՔஸตႷಲົӢྫྷමႷ֭४྅׃ᄚৄ੩֭ঊዿבถጵ֚֔ӡႷዩՔৄ੩ࣤӢ
ਙടࡴב֦ธևᅢጅց׀֞ՒᅮമՔᅴअՔಲົ֥֗ྫྷבຮዓࡔב॰ᇱ֖ၜፚࡰ֧֖֥ཧኬՓ
ਙട֭፬
֩ਙടӡ፯Ӣ
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ח՛ؘפעՔ
ฑਙട
ן՛،ँبՔಛ၌ँՔ
؎בँبՒࡊ
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ၟ࿊؎֪بᇘ֗֩փഎႌ֩ஓถבईႷ֪֖Ւ४྅Քஏू֖֘׃փ
ኅװפחኦבಲଵ֘Փ
ྫྷමඡੳ֪֥ࣤ֗ኅಃଳ׃ᆀಱב၌֪ँ֖Ւஸ୲ጴ֩
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؎بՔ֖֞ँכ؞פԡԋԝׁ֦ࡊตב༶ᇱ֖Ւן՛،֧ँب
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ӡஸยဗ؈՛ؕ؊מ՛့ؔץبӢ ֦֭ஸ୲ጴྫྷමבಲଵ֘Փ
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ಲົਙട
ᇀైՔஸቹဗৄ੩֦
ׁዴፘՔཛ࣊Քᆀಱב
ࡥಏ֘ৰᄯ
ᇀైԡԋԝஸยဗ၍ৼ
ད֭ኅົམבஸยဗ֪ྔ֚֔Ւᇀైვམ֔֞ৰདઅ֭
ࡴࢥዿבಲଵ֘Փ
ؠװ؊؟՛་ਊኟԚԔԚԞ
ᆷ֭בبיؒװפחᇀైՔྔვམ֖Ւৄ੩ׁ֦ࡊ࿊֖֞
ไ໗ᆀಱבಲଵ֘Փ
ӡᇀైԋԟྔӢ
ႷዩՔ
ৄ੩ࣤਙട
ྫྷමႷ֭४྅֧
ᄚৄ੩ঊዿבՒಲົՔ
ᅴअईႷ֦֩ถጵ
֚֔ৰᄯ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ԔԢԋԍ
ӡྫྷමץببװӢ
ྫྷමבபփ֩ࡔམՔඡՔ೮ᇩৄ੩ׁႾ࠶֖Ւྫྷම֧ץببװ
֭ࡴጦዿבಲଵ֘Փ
ԔԢԋԍԄԔՂՈԵԷՆԱՈԵԴ ԢԵՂՇԺՂԷӨԱՂԴӨԍՃՁՁՉՂԺԳԱՈԺՃՂՇ
ת״ؖ՛؊ל
ӡԡԔԢӹԔԡԢӢ
ᄚৄ੩בႷ၌֪ฑ֖Ւೇᇗ׃ᄗಽ֭ᆊጦבᇸ֢֥Ւ֣֩
֪֎փസ֦֭ྫྷමᆀಱ୶එבಲଵ֘Փ
ԡԔԢԄӨԡԵԳՃՂԶԺԷՉՆԱԲՀԵӨԔՂՈԵՀՀԺԷԵՂՈ ԢՉՆԶԱԳԵӶӨԔԡԢԄӨԔՂՈԵՀՀԺԷԵՂՈӨԡԵԶՀԵԳՈԺՂԷӨԢՉՆԶԱԳԵ
ӻӽ
ӻӸ㕳 ฌ༉ྫྷමؕӡԌӿԑӹԀԑӢፚࡰ २ਙട֭ᇀื
ਙട
౦ตՔຮৄ੩
ഓጅต
ೂवಲົן؟
• ӿԑஏශဨಃ֦ԞӷԡԋԝՔՊԡԋԝ֮ • ԡԋԝ्֭ሐՔंມँ֮ົམ֭ ӷӼӺӽӺԄ၏ႚ४་Ւؓب؎ؠ
Ⴗྩइ֭ஸ໒ँ֧ԣԍԞ࿃ଲኬ֪
ฑዃ׃ၟ࿊؎ࡕبໜ֑ऀבՒఆ
ျ֧ंມँৰᄯ֭ಲົුՓ
ཌॎ֪၏ႚՓ
॔Քᆊ໑ಐ֭༉ྔ༥בईႷ֪֘ ӷӼӺӽӿԄະୗࢥዿՔࢥዿಛ၌ँՔװ
ԡԋԝஸဗँ •
ԏՆԺԳՇՇՃՂՒԝՃԽԺԱՒԒՉԱՋԵԺ့ॆ
ഓጅৰᄯՓ
ט؟ؚע௮ֿஓถࡴᄤँՓ
ਙട
• ேၾ֦ԢԔՒࢥዿՒᅴअՒኅಲົ֭ ӷӼӺӾӺԄྔ༥Քࢥዿ֭ಛጳตב౫
॒་؎֦بऍ๒Փ႘֮ԡԤՔ
ԢԔӹᅴअ့֭੫֭־ᄇ৸֪ৼՓ
ࡴႷࡥבಏ֖֩փ֧ಛጳू ևԡԋԝৰᄯ֧֖֥࿊ཧՓ
ፕႍ֧֩Փ
• ኅฑ֭ँՔ൶ဃՔᇱಛ • ಛጳࢥዿՔ൶ဃՔᆀಱँ֮൙ ӷӼӺӽӺԄᆗਸཌॎ֪ႚՒՆԋՄՄ
၌ँ֦֩֨Ւዿ၏ႚුֿ६
֭ພԝԦࢥዿבר௬ࢌՓ
ӹՌԋՄՄঊዿ֦ࢥዿஸဗँුՓ
• ԡԔԍ֮ࢥዿ՛֧״ԋԔӹฑ آӷӼӺӽӿԄฑؒ؟՛ጫ֧ח،
ᆗਸ֮ӼӺӽӺଢ଼֧ያມՓ
ԡԔԍ
• ॼب؊מ՛Ւॆ॒་؎ب
בפேၾ֪ᇱಏ֦ጅ֦ցՒಪ ؟ଙආถഝՓ
๐பՓேၾ֮ࢥዿཐଣ֧ח،्؟
օ֧ࢥዿಛ၌ँ֧ँ ׯ؟שؠחӷӼӺӾӺԄ௮ईႷ֩ᇘؠ՛،ฑ
ᄇ့֪੫־Փ
֭ؕ၏ଚࡕ֪॒ॆבໜՓ
ৰᄯ֧֖֥࿊ཧՓ
• ँכ؞פՔׇ֪ؓँب؎ؠ • ؞آױዿ֧֎ଁב؎ بӷӼӺӽӺԄ؎بՔבँכ؞פგ
ࢥዿಐ֭ඹ॔४་׃૫໗ࢥዿะ ֪ಲົුՓ
ૼפ؟ໃ་ׇ֪Ւԡԋԝሻ֮ᅢ
ೕँՓ
ӷӼӺӽӿԄඛಐ௮Քฝต॰ႡՔ
؞آױ෦ፚࡰ֧֖֥೫ጅໃևՓ
• ႘֮ԢԌԞԚӹಀଫՔႡආ֦੫փՒ • ேၾ֦ጅଉ࿊ਟՒ࡚ᇀืՒଙආՒ ൚ଚࢥዿ࿊ཧՓ
ԡԋԝ
؎بՔכ؞פ२ೂՒט؟ؚעװ
ะೕตࣤՒࡍՔႡආಲົ֭Ⴗ ӷӼӺӾӺԄԡԋԝሻ֭࿓ח՛ע
๔੫֎Ւऍ๒ँ୶Փ
ࡥבಏ֧֘֒ᆊईଁՓ
ؘ֥֖֧פৰᄯँՓ
• ့ؔبஸ೮Ⴢ֦Ւஃࡰ • ೮Ⴢᅥჱऀ֦֭ዴፘ॰ᇱ֧൶ဃ ӷӼӺӽӺԄӿԑӷԋԴՊԱՂԳԵԴஏू֧
֦֭ዴፘՔנء४྅֪
ँ֪ྞଅ֖Ւဒ౦Քདሑ֭ྫྷමᆀ ׁ֧֪ஸဗँՓ
ӷӼӺӽӿԄဒ౦ᆪՔஸቹဗבח؟ם
ԚԱՇՇԺՊԵӨԚԔԚԞӹ་्୵ءח՛֭
ಱ֧ౌԎԧ֭࿓֧֩Փ
ԚԱՇՇԺՊԵӨ
• ேၾ֦ஸ೮ჂԡԐՒبחಲົՒႨ ཨ֪ᆗਸՓ
೫ጅ૫໗Փ
ԚԔԚԞ
• ԏՆԺԳՇՇՃՂՒԝՃԽԺԱՒԒՉԱՋԵԺՒ
็૱Ւፘౌล່Ւኅᅴअ֭ৰᄯँ ӷӼӺӾӺԄஸ೭ዴՔஸশᆀಱב౫
ׇ֪Ւৰདઅஏශ֭ಛጳตב॰ᇱՓ ևᅮമႷ֧֖֥࿊ཧՓ
ԢԱՁՇՉՂԷ့֭་؎֭بऍ๒Փ
႘֮ԡԤՔᆪఔ्֦ཨՓ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӻӾ
ӻӸ㕳 ฌ༉ྫྷමؕӡԌӿԑӹԀԑӢፚࡰ २ਙട֭ᇀื
ਙട
౦ตՔຮৄ੩
ഓጅต
ೂवಲົן؟
• ฌ༉ྫྷමኦ֭ಲົ֦֮ஸยဗಐ • ಐ၍ৼ֮؊ؐبآ՛ؠՒྔຽ ӷӼӺӽӺԄஸဗँཌॎַᇀైྔב
၍ৼถᄵב௬ࢌ֖Ւӿԑஸဗँ
මՒ൶ဃࢥዿ֭ဘ༊֦ցՒᇀ ࿓֧֖֞၍ৼ౽ՔโුՓ
ᇀైԡԋԝ
Ԁԑ֪୶೫ጅ࿌փՓ
ైँՔಛ၌ँ֭ตႷᇱආב௬ࢌՓ
ӷӼӺӽӿԄᆗਸ֖Ւ၍ৼᆀಱ֭ࡥಏ
ஸยဗ၍ৼ • ་؎֪بइևՒץبؔי״ԔԍՔ૱ • ேၾ֦၍ৼ็૱ՒඏशืՒಀଫՔႡ ࢥዿጅଉँՓ
໐ӹଙආ؎بՓ႘֮૱໐Ք
ආ֭Ⴗבᇱಏ֖Ւ૫໗ࢥዿב༶ᇱ ӷӼӺӾӺԄᇀైԡԋԝถጵ֭ৰᄯඞ
ᅴअ֧ࢥዿ็૱֦ౄႚዬདցՓ
֧֘֒ഓጅՓ
ଉ֧֖֥࿊ཧՓ
• ൰࿃ଲ֧ࡴዻᆀಱבຆօׁՒਙ
• ့ࣴၾ֭ஸමጘՔ࿃ཛ࣊ בӷӼӺӽӺԄಲආཌॎ֦Ւஸቹဗ؟ם
ടՔࢥዿඑ֭ड༎֦Ւዿ֮ӼӺӽӺ
ಲଵ֖ՒჂਸต་փՓ
֪୶חถጵඞଉבธጫՓ
ؠװ؊؟՛
• ᇀైමശጫՒ၍ৼՒኅײ؟՛ ӷӼӺӽӿԄࡴᆪᆗਸ֖Ւ౮ՔᇱՔ
Ⴉࡒவ֭࿊၏ႚՓ
་ਊኟ
• ་؎بՔଞ֦ຮՒؠח
ฑՒଵ็૱Ք౮ՒตႷᅴअ֭Ⴗ ᆀಱࡥಏ့֭၏ႚؠؗ॰ጵՓ
ԚԔԚԞ
ؕׯ؟שӹԢԔ֪௭ᇠँዬདցՓ႘
ࡥבಏ֖ՒԀԑ୶֭ࢥዿכ כӷӼӺӾӺԄᇀైبחஓถ֭ዛ
֮ಲආ֧ᅴअ֪੫־Փ
׃ཐఖ֪ಃ֘Փ
༖౺֧֖֥ᆗਸՓ
• ྫྷම֪໐ࡔՔבץببװျՒ୪ྫྷ • ఆ॔ࣤՔبי؊؞౽Քᆾጺಛ၌ँ ӷӼӺӽӺԄಲආཨ֦ՒྫྷමԠՃԢ֧
౽Ւآ՛بଙཐ့֭ශ౦४
֦֩֨ྫྷම֧ࡴ֭ץببװࢥዿ ץببװตႷבፊጵ֚֔ᅴअ
་Փӽԑԟԟ֦ԝԡ୶ଙ၀ුֿՒ ᆊईଁ֧֩ईႷตցՓ
Ꮂຎ־ธᅏՓ
ԔԢԋԍ
•
ጵඑ֮ӼӺӽӺႩଢ଼֧ያມՓ
ேၾ֦ဃჂץببװᅴअՒࡔམ෮
ӷӼӺӽӿԄ୪ྫྷՔล່Ք୰֦֩֨
ӡྫྷම
ץببװӢ
• ༾ቨՔ،Քء՛৫֩֨ౄႚՒ
࿊ؕׯ؟שؠחՒט؟ؚעװӹ، י؞࿊ᆗਸՓ
႘֮ಛ၌ೆՔล່֩֨؛՛צ՛
็૱Ւ֩֨ഓጅ՛ࢥ֧״ዿ ӷӼӺӾӺԄዿထᇠ֪४་֖Ւᅴअ౪
֪੫־Փ
၏ଚבᇱಏ֘ᅢጅցՓ
ᅮᅮമँՓ
• ಲৄ੩֦֭௺ଵ׃ฑՔᅮമ֭ቴธ • ஸ೮Ⴢँׇ֪ೇᇗ့בश൯֖Ւ
ӷӼӺӽӺԄԟՃԍཌॎ֦Ւಲৄ੩ጦၜ
ᅏ֦Ւጵඑ֮ӼӺӽӿႩࡒவ֧ያມՓ ԝԦ็૱֭ಛዡဗבஃ֑ৰᄯጅຍՓ֭௺ଵตᅴअුՓ
״ؖ
ת՛؊ • לఔፍՔبחՔ৯؎بශ৫ • ״ؖఔፍ็૱Ւፘౌ،װآՒԏԚᅴ ӷӼӺӽӿԄ࿊၏ႚ֔Ւ୲ऐ֧ࢥ
ӡԡԔԢӹԔԡԢӢ
֦ऍ๒֮ු֦גփ֩փՓ႘ฒ֮
अՒبי؊؞ಲົႷ୶එ֦ࣴၾ॒ ዿ֭רଣઇֿු׀Փ
ఔፍՔล່ਙടࣴ׃ၾಲົ֪੫־Փ
ँ֦၏ଚᇱಏሰֽ֖փ
ӷӼӺӾӺԄዿፚࡰב࿊֖४་
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӻӿ
ӻӸ㕳 ฌ༉ྫྷමؕӡԌӿԑӹԀԑӢፚࡰ ࿘ᅳ
z ӿԑӷԋԴՊԱՂԳԵԴ֭ஏूՔዿँ֪ྞଅ֖ՒᅮമՔະୗࢥዿՔࢥዿඞଉ֭ธᅏ֧ᇖப֖֥၏ႚුֿৰᄯਙ
ട֧Ւዿထᇠ֭ถጵต׃ᅴअඞଉ֭॰ጵב૪֥Ԁԑৼ֪६ँ֘ႷዩՔৄ੩ࣤ૩ਙട֪་ᇠՓ
ଵఓ
ӿԑÇ㕶ԑᅮമँՔಲົ
ԡԋԝஸဗँਙട
ӼӺӽӺႩ
ӼӺӾӺႩ
ӿԑӷԋԴՊԱՂԳԵԴ၏ႚՔᅮമ॰ጵ
ᆗਸՔະୗࢥዿՔࢥዿஸဗँ
ԀԑৰᄯँՔே्
ӡԞӷԡԋԝՔஸቹဗँՔஸยဗ၍ৼӢ
ӡԡԔԍՔ؞آױՔᇀైྔӢ
ӡႷዩՔᅴअৰᄯӢ
ଞ्ᄇժᅮമँի
ԡԔԍ
ଞ्ᄇժᅮമँի
؞آױԡԋԝ
ଞ्ᄇժೂवಲົի
ԚԱՇՇԺՊԵӨԚԔԚԞ
ӼӺӽӿႩ
ଞ्ᄇժೂवಲົի
၏ႚ४་ ÇӨᆗਸ ÇӨԡԋԝৰᄯँՔ॒ᄦ
၏ႚ ÇӨࢥዿஸဗँ ÇӨฑৰᄯՔ॒ᄦ
ഷৼ၏ႚ ÇӨඛಐ௮ँ ÇӨሻৰᄯՔႡආ्
ஏू၏ႚ ÇӨஸቹဗᆗਸ ÇӨஸ೭ዴᅮമႷ
ᇀైԡԋԝஸยဗ၍ৼ
ଞ्ᄇժೂवಲົի
ؠװ؊؟՛་ਊኟԚԔԚԞ
ଞ्ᄇժ؛՛צ՛๐பի
࿊၏ႚÇ၏ႚුÇᇀైԋԟஓถᆗਸ
ԔԢԋԍ
ଞ्ᄇժ؛՛צ՛๐பի
࿊ᆗਸ ÇӨዿထᇠ४་ ÇӨዿထᇠျঊዿ
ת״ؖ՛؊ל
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ྔಲົ ÇӨࢥዿጅଉँ ÇӨ၍ৼৰᄯँ
ଞ्ᄇժ؛՛צ՛๐பի
ӻԀ
࿊၏ႚ ÇӨၟ࿊ዿထ्
ӼӸӻ ԋԔՔ؊חטبآፚࡰ
z ፚࡰ֮ՒAIבঊዿ֖֥ྫྷමኦ֭ตႷՔࢥዿՔಏ໗ตבஸဗँׁ֪֧֧֘Ւஸ೮ჂՒፘՒྫྷමՔ૱
్ዩ့֭൙؊חטبآਙട֥֗ྫྷבՒฌ༉ؤ՛֭פශ֞֩ईႷตבโ༗֎ፚࡰ֦ցՓ
z ྫྷමตႷ֭୶එ֪इևՒAIࡊב֪၏ႚՔጫ֘ؤ՛׃פኅבಛጳ֪ँ֘ӡಛጳࢥ
ዿՔျӢᆀಱՔ൶ဃՔ૫໗ࢥዿבፊጵ֚֔ӡኅஸဗँՔಏ໗ตӢஸ೮ჂՔፘ့ׇ֪ᅋᎌ
໗֩४྅ב෨ӡ൙؊חטبآӢႷ֩֨ഓጅ֦ց֊֧֒Ւ໑ଭ֭ಲົ֧ཨྙৼ֭ਙട၏
ଚ֭ຖሑב॰ᇱ֪֘ཧኬՓ
֩ਙടӡ፯Ӣ
ਙട֭፬
ԋԔ၏ႚՔጫਙട
ॺՔვᅏ့ጫ֖Ւ
ԋԔӹԚԙࢥዿጫৰᄯ
ࡊ֪ౚփ໗ਙട
ಛጳࢥዿՔ
ျਙട
ࢥዿՔԡԋԝՔ૱్ಃ
ଳבᇘؠ՛،֦
ँ֘ਙട
ኅஸဗँՔ
ಏ໗ตਙട
ᆀಱՔ൶ဃՔ૫໗ࢥ
ዿבፊጵ֚֔ਙട
൙؊חטبآ
ਙട
൙֭ࡊตՔ་ዴ
ፘँ֪๐பࣤ֘
ਙട
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ॺՔვᅏՔஏශՔ௮ࡴבଭጫ֖ՒԋԔࡊב֪ౚփ໗ࢥ
ዿৰᄯבಲଵ֘Փ
ࢥ״آױዿ
็࿊ᇥஏՒඏ॔ࣤՒँבಛ၌ँ֖Ւ൶ֽ֦֎֪փ
ؤ՛ࢥפዿבಲଵ֘Փ
ԋԔӷԡԋԝ
ԋԔശጫ֧ኅಃଳבᎌૢ֚֔ՒԋԔ೫ጅׁ֪ࣤईႷ֩ԡԋԝࢥዿ
ৰᄯבಲଵ֘Փ
ԋԔӹԚԙ
ኅ״بי؊ל՛
ဃჂৄ੩֪֥ࣤ֗ᇥྔՔමՔ؈՛ؕฑ့בँ֖ՒኅตႷ֭
૫໗֩ಛጳ୶එבಲଵ֘Փ
൶ဃՔףؠם՛
୲ጴँԝԦ
ᆀಱࡥבಏ֖֩ဃ൯ᅉ็׃ᅏᆟझבጌևՒಏ໗ईႷ֩
ؤ՛ࢥפዿבಲଵ֘Փ
ፘࡊྫྷම
ஸဗ֩ࡊต׃ශ֞֩ྫྷමႷבଣขևՒฌ༉֭මጘตՔᅃၛต
ৰᄯבಲଵ֘Փ
ӡԟԠԍӹԠԗԎᎌૢӢ
ת؋ԣԒՎӹԣԒՎྫྷම
ԟԠԍӱԟՃՇՈӷԠՉԱՂՈՉՁӨԍՆՍՄՈՃԷՆԱՄԸՍӶӨԠԗԎԄӨԠՉԱՂՈՉՁӨԗԵՍӨԎԺՇՈՆԺԲՉՈԺՃՂ
ྖ་ዴፘՔஸቹဗྫྷමבईႷ֪֖Ւ൙֭ஸᆟझ؛՛צ՛ַ֭
ࣤבಲଵ֘Փ
ӻԁ
ӼӸӻӨԋԔՔ؊חטبآፚࡰ २ਙട֭ᇀื
ਙട
౦ตՔຮৄ੩
ഓጅต
ೂवಲົן؟
• ӿԑӷԋԴՊԱՂԳԵԴ֭ᆷँ֧Ԟԟԏԧ • ࢥዿಛ၌ँ֮ఆ॔ՔểỂಐ֭૫໗ࢥ ӷӼӺӽӺӱԋԔ֭ؠؗጫጅଉ֭
ణଲ֦ՒӼӺӽӺႩ֪֊֥ྫྷම
ዿ֧૪అࡊᇱඏ֪ྞଅՓ
ธᅏ्בౡՓ
ԋԔԞՄՇӹԚԙԞՄՇ၏ႚइ໒Փඏ॔ • ؟ؖء೭ആՒࢥዿ՛֭״ျಓՒ ӷӼӺӽӿӱԋԔטי؋ࢥዿ֭ᆗਸ
ԋԔӹԚԙࢥዿ
ያཽՔᇘؠ՛،ँዿထՓ
ؠؗଙආՒᇘؠ՛،ฑבேၾ֦ ֪֚ՒؠؗვᆑՔஏශՔ௮
ጫৰᄯ
• ጅ֮ԏՆԺԳՇՇՃՂՒԝՃԽԺԱՒ
࠶֦֩փ֧Ւৰᄯࢥዿॆ॒֭ פৰᄯ౦ँՓ
ԒՉԱՋԵԺՒԋԦԢՓ႘֮ࢥዿৰᄯ
כ؞ӹ؎ب՛ࡕໜ֧֩৭ಐ ӷӼӺӾӺӱ௮ईႷ֩ಛጳࢥዿ֭
ӹԢԔ֪੫־Փ
֭ఏፘבಪօՓ
࿓Ⴗ֧֖֥࿊ཧՓ
• ಛጳࢥዿַ֭೫ጅஸֽՒࢥዿඞ • ഝᎉೄᆊ໑֧ؤ՛פᆷँ֭ ӷӼӺӽӺӱࡴᆪፚࡰ֦၏ႚౡֽՒ
ଉ֪֥ࣤ֗ಛ၌֦ᄕཉՔฑ֘ױ
ཨ֦Ւ֮״آױᆀಱՔᇱตב౫ ࢥዿרణଲבኬ֧֖֞ಛ၌
ँුՓ
ࢥ״آዿཌॎ֪४་Փ
ևࢥዿৰᄯՓ
• י؞ӹכ؞פӹኅ ؟ؒ֏בӷӼӺӽӿӱᄕཉ๊֭ነՒࡣඛಐ
• ״آױጅ֮ԋՁԴՃԳՇՒԏՆԺԳՇՇՃՂՒ
ԒՉԱՋԵԺՒԝԵՈԳՆԱԳԽԵՆӲԝԏԍృ
՛Ւᇘؠ՛،֭ࡊ็૱בேၾ֪ ֭โ֖Ւଚጫבᅏև֞ಛ၌
ࢥዿ
ऀӴՒྫྷමಈೄၾลՓ႘֮ᅮമँ ౖ֔֩փ֧ՒᆲՔूೲ֭ต֧ ࢥዿ࿊ཧՓ
֧ࢥዿཐଣ֪੫־Փ
௮ईႷต࿃ऀ֘פ؟ցՓ ӷӼӺӾӺӱ௮ईႷ֩ಛ၌ࢥዿৰ
ᄯ֧֖֥ࡴᄤँՓ
• Պԡԋԝӹכ؞פԡԋԝ֧ԑԟԤঊዿ • בԋԔӷԡԋԝ֮ԡԋԝ֭ฑבৰདઅ ӷӼӺӽӺԄ࿊၏ႚՒԋԔശጫ֧
გ֪ՒԋԔ֧ԡԋԝב၍ࡴৰᄯ֦၌
֊ዛ૱్ৰᄯՔן՛ءצ՛ ԡԋԝശጫ֭ျח՛בؘפע
ዿኦ֦ಀபՓ
֊֘ԋԔӷԡԋԝӼӺӽӺႩ֪֊֥
ࡤַبபבइ໒Փ
• ԑԟԤӹࡕכ؞פໜି࿊ँ֧֘Ւ ӷӼӺӽӿԄᆗਸ֖ՒࢥዿඞଉՔ႞ᇀ
ಲආ֊ዿഷৼַՓ
• ԝԥԔԎԔԋӹԏՆԺԳՇՇՃՂӹԝՃԽԺԱӹӨ
ตႷՔ൶םՔ֭ט؟ؚעװँ ैՔᅴअሓธᅏՓ
ԋԔӷԡԋԝ
ዬདבಪօ֞׀Ւேၾ֦ျࢥዿՔ ӷӼӺӾӺԄԋԔျԡԋԝৰᄯँՓ
ԢԱՁՇՉՂԷՒԋԦԢӹԚԺԳՆՃՇՃԶՈ֩
ଙආႷ֭ࡥಏሰֽ֖փՓ
֨ࣨᇚ؎بՔྫྷමח؟ؘעኬጵ
֣Փ႘֮ྫྷමח؟ؘע၏ՒԋԔӷ
ԋՀՀԺԱՂԳԵ֦֭،֨֩بױء੫־Փ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӻԂ
ӼӸӻӨԋԔՔ؊חטبآፚࡰ २ਙട֭ᇀื
ਙട
౦ตՔຮৄ੩
ഓጅต
ೂवಲົן؟
• ᆾጫພ֮ྫྷම֦֭ցՒᅃၛྫྷ ӷӼӺӽӺԄ࿊၏ႚӹಲආՒײ؊ஏ
• ዿ֮ӼӺӽӺଢ଼ӡႷ࿊Ӣ
ම׃ሻఆྫྷම֪ᅢጅ֩ตႷ֭ಲଵ ශ֦ตႷूבዿထᇠ֪ಲົՓ
ӼӺӽӿࡒவཨ֧ມ࿊Փዿထ֮
ԋԔӹԚԙ
ԍԢԔӹ؈՛ؕጫ့මശጫஸဗँՓ ֪ሑಠ็૱֧ಲົਙടഓጅՓ
ӷӼӺӽӿԄࡴᆪᆗਸ֖ՒตႷ௭ᇠँ
ኅ• ״بי
ԠՉԱՀԳՃՁՁՒԢԱՁՇՉՂԷ့֭་ • ՛״ӹ֭ؠؗဴตଙආՒ ጅຍ֧֖֥࿊ཧՓ
؊ל՛
،ӹ؎ب੫փՓ
ಀଫՒตႷᇱආՒමጘต็૱בேၾ ӷӼӺӾӺԄᆾጫພ֊ࢥዿֽ֦ஃ֎
ᇱಏሰֽ֖փՓ
ৰᄯँՓ
• ဃרඑ൦֧༨༼ຍጅษבგ • ൶ဃँ֮רణଲ֦֟֩֎Ւ ӷӼӺӽӺԄԗԟԔธᅏཌॎ֦Ւ൶ဃ
֪Ւ൶ဃँ֖֞ԡԋԝӹࢥ׃חרዿ
ဃฑዃऀׁ֦ྫྷමࡥבಏ֘৭ ֭ଣև֧ँᄾॵᅴअב॰ጵՓ
ँ֭౦֦֪֮֘४་ՓԋԔבঊ ጫጅଉ֧֩Փ
ӷӼӺӽӿԄԢԙԋँු־Ւᆀಱ֧൶
൶ဃՔ
ዿ֖֞ᆟझᇀై׃ဃጫׁුՓ • ဃԗԟԔ૱໐Ւ؟՛،ฑ֭ࡊ ဃ֭ፊጵዃՔࢥዿඞଉँՓ
ףؠם՛
็૱Ւ୯ӹဃଳӹ፰ਯבֿ็ᅏ็
ӷӼӺӾӺԄྔ༥ጅଉँ֔Ւ૫໗ࢥ
୲ጴँԝԦ • ་؎ب๐பׁ֘Ւ႘֮ᆪ
ఔࢥ׃ዿ็૱֪੫־Փ
૱Քᇱ֭ேၾᇱಏׇ֪ಏ໗ต ዿ֭࿓֪֩Փ
֧ᆲࡥבಏ֦Փ
• ทᆒՔઞዩՔഓጅبי؊֭؞ନვຽӹ • ፘࡍྫྷම့֪ົׇམՔନ
ӷӼӺӽӺԄଞՔԟՃԍཨ֦Ւዿ
ᇱዿထ֦ဴኜ֮ಲආ࿊၏ႚ
ጫՔࢥዿৰᄯஓཝ֮൙֩ନ ୭ᇸ֧ᅴअᎲຎב־ธጫՓ
֪ጽֽՒᆊ॰ಲต֮་փՓ
࿄׃ะೕต֪ࣤ։փ֥ᆊईଁՓ ӷӼӺӽӿԄ࿊ಲආՒፘࡊՔ
ፘࡊ
• ԣՃՇԸԺԲԱՒԔԎӨԠՉԱՂՈԺՅՉԵՒཨே • ᎌיՒႡආᅴअՒಀଫՒࢥዿ ँ֧֭ไ໗ඞଉבભँՓ
ྫྷම
ฒ੫փՓ႘֮׃؎୯
വ֩֨ேၾ֦๐ப֖Ւࡥಏ֘ ֒ӷӼӺӾӺԄྔ༥ՔᅮമँਢᎪ֪ไ໗
֪י੫־Փ
֧ሰֽ֖փՓ
֖Ւྙৼ๗ጸፚࡰ֧֖֥࿊ཧՓ
• ӼӺӽӺႩଢ଼֪ؐפ՛့֭ؠዿ • ஸ೮Ⴢ֮൙֭ྖ་ዴፘՔ بװӷӼӺӽӺԄಀఢՔᅴअཨՒถጵඞ
ထ֊၏ႚౡֽՒஃփבח؟ם
ץبျ֭ৰᄯ֦ցՒ೮Ⴢ၏ ଉבธጫՓ
ඉ֧֘ؗؠיጦዿ֮ӼӺӽӿႩ
ଚ֧ౌຮ֪ྞଅՓ
ӷӼӺӽӿԄ࿊၏ႚՒഷৼ౦֮ಀ
ת؋
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ࡒவՓᅮമँ֧ฑဗธᅏ࿓Փ
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ᅮമՔॵฝבேၾᇱಏ֮Ւล່Քଙ
ӷӼӺӾӺԄஸ೮Ⴢ֭ঊዿፚࡰ
ྫྷම
ԗԵՍՇԺԷԸՈ့Փ႘֮૱໐ৰᄯ֧ஸ
௮ՔฑဗธᅏՒಲົ၏ଚ॰ᇱ֪֣ ४་Փ
೮Ⴢᆪఔ֪੫־Փ
֩Փ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӻԃ
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z ৻ໜԝԦ֭ஸဗँՔࢥዿ୲ጴँ֪ྞଅ֖ӼӺӽӺଢ଼֭ಲົଣֽԋԔࢥዿ૩ਙട֧Ւஸ೮ჂՔፘ
့֭ྙৼ֩ਙടถഝ֧ᅴअᎲຎ֭־ธᅏבጅ֖ՒӼӺӽӿࡒவ्֭ມ࿊༷֔ఫਙട֪་ᇠՓ
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ԋԔטי؋ࢥዿ֭ᆗਸ
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ӡԋԔँՔԋԔӷԡԋԝ֭࿊၏ႚӢ
ଞ्ᄇժೂवಲົի
ଞ्ᄇժೂवಲົի
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ԋԔျؤ՛֭פৰᄯँ
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࿊ಛ၌ँ ÇӨᆗਸ ÇӨᎌؚ؟ײ՛ب्
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ଞ्ᄇժᅮമँի
࿊၏ႚ ÇӨᆗਸ ÇӨԋԔျԡԋԝৰᄯӹᅮമՔᅴअؠ्ؗ
ԋԔӹԚԙኅ״بי؊ל՛
ଞ्ᄇժ؛՛צ՛๐பի
࿊၏ႚ ÇӨตႷ௭ᇠँ ÇӨዿထᇠ्
൶ဃՔףؠם՛
୲ጴँԝԦ
ፘࡊྫྷම
ஸ೮Ⴢ֭४྅
ת؋ԣԒՎӹԣԒՎྫྷම
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ଞ्ᄇժೂवಲົի
ई౽ँ ÇӨԢԙԋँ ÇӨྔ༥ጅଉँ
ଞ्ᄇժᅮമँի
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࿊၏ႚÇྙৼ๗ጸፚࡰँ
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ԣԒՎྫྷම֭ಲዿँ४་
ӡྖஸ໒ྫྷමՔஸቹဗྫྷමӢ
࿊၏ႚ ÇӨዿထ४་ ÇӨᆪఔՔಲົ्
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ӼӸӼӨຍఔՔᆪᆀՔיፚࡰ
z ፚࡰ֮Ւྫྷම֭ஸ೮ჂँՔஃࡰँՔ࿃ဃँՔֿුँبחཨ֦ՒؕตႷ֧ፘౌถጵตב
௬ࢌ֘ᆾጫಲົৰᄯב༶օፚࡰ֦ցՓ
z ֭֜֞׀ՒตႷՔ൶ဃ֭එבଂ׀ӡחריӢஸ೮ჂՔבبፘౌईႷ֪֘ӡRFՔಲົျ
ӢᆀಱՔሐႨՔࡊ࿊ตב౫ևӡఔፍՔӢਙടࡴב֦ธևᅢጅցՒᇱዛבװחঊ֊
֖֥ຮዓࡔ֧ಛጳตב॰ᇱ֦ፚࡰ֧֖֥ഓँ֘ᅢጅցՓ
ਙട֭፬
֩ਙടӡ፯Ӣ
ኅԢՃԍԋԢԔԍ
חרי
ྫྷමตႷՔ൶ဃՔ
൙ࡰ֭එב
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ஸ೮ჂँՔب
ԡԐՔಲົျਙട ँבፘౌईႷ֦֩
ถጵ֚֔ਙട
ఔፍՔਙട
ᆀಱՔමጘตՒ
ࡊ࿊ตב౫ևਙട
ྫྷමႷՔฑՔ൶ဃശጫבஸആูँ֖ՒஸตႷ֊֣ಲົ֖֘׃
փኅ৯ৰᄯבಲଵ֘Փ
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ஸ୲ጴԟԋՔ
ஃࡰԋԎԍӷԎԋԍ
ஸ೮ჂՔஃࡰׁ֦ဃ୲ጴ֧මᆀಱבፊጵ֖ՒஸตႷኅ֭
ถጵඞଉב౫ևՓ
ԟԋӱԟՃՋԵՆӨԋՁՄՀԺԶԺԵՆӶԋԎԍӹԎԋԍӱԋՂԱՀՃԷӷՈՃӷԎԺԷԺՈԱՀӨԍՃՂՊԵՆՈԵՆӹԎԺԷԺՈԱՀӷՈՃӷԋՂԱՀՃԷӨԍՃՂՊԵՆՈԵՆӨ
ת؋ԣԒՎԣԒՎי
ྖஸ໒Քஸቹဗྫྷම֪ᅢጅ֩೮ჂבփՒ൙֭་ዴፘྫྷමৰ
ᄯבಲଵ֘Փ
ؓؠبԡԐԐԏ
ᆷ֭೮Ⴢ׃ሑಠבഎႌ֪փՒዻ֩ྫྷමਊ६֪֦ࣤ
༾ቨՔົམבಲଵ֘Փ
ԡԐԐԏӱԡԐӨԐՆՃՂՈӨԏՂԴ
๐༾؆צ՛
ஸ೮Ⴢᆪᆀ׃،בஸቹဗՔ࿃ໟಪ֦ಲົ֖ՒஸตႷ֧ፘౌตב
ፊጵ֘ಲົৰᄯבಲଵ֘Փ
࿃ໟಪৰᄜఔፍԋԌԐ့
ሐႨՔ࿃ໟಪՔමጘตב॰ᇱ֖Ւஸ೮ჂՔஸቹဗಲົב౫ևᆪఔৰ
ᄯבಲଵ֘Փ
ԋԌԐӱԋԻԺՂՃՁՃՈՃӨԌՉԺՀԴӷՉՄӨԐԺՀՁ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
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ਙട
౦ตՔຮৄ੩
ഓጅต
ೂवಲົן؟
• ӿԑӷԋ֧ԋԔ༾ቨӹౌԔՃԣ֦ኅ
• ኅԢՃԍ֮ྫྷමตႷՔ൯ᅉဃՔ װӷӼӺӽӺԄዿထၟँ็૱֭ഓጅဗ
ԢՃԍ೫ጅ֮४་֖Ւ༾ቨՔԍԟԏՔ
בט؟ؚעਊ࿊֘ཨ७֦Ւྔ༥ එ൦֖ՒஸමጘՔଙආႷ
Պԡԋԝ֦ျँ֧࿃ဃँුֿՓ
ထ์֮༾ቨӹྫྷම৯֧֭ஏශ ௭ᇠँጅຍँՓ
ኅԢՃԍ • ԠՉԱՀԳՃՁՁՒԚԵԴԺԱԣԵԽՒ
֘ૼྞבՓ
ӷӼӺӽӿԄஸ೮Ⴢ׃൶ဃዿထ
ԋԢԔԍ
ԢԱՁՇՉՂԷဃՒԌՆՃԱԴԳՃՁ့֦ • ேၾ֦ጅਿ࿊ਟՔଙආՔחؚעװಲ
့֦ంዿ४་Փ
ऍ๒Փ႘ฒ֮ՒዿထၟँԋԢԔԍ֧
ົՔፘౌࡤ֭Ⴗࡥבಏ֖Ւ༉ ӷӼӺӾӺԄົམตႷՔஏශตב௬ࢌ
ଙආՔᅴअ֩֨ຮዓࡔ֭ፚࡰבଣ
็૱֧૫໗ࢥዿ֪ᅏևᅢጅցՓ ֘ཨ७֥֖֧יৰᄯँՓ
ഞ֘ᅢጅցՓ
• ԚԱՇՇԺՊԵӨԚԔԚԞৰདઅՒԝԣԝ့ • ԟԋ֧՛״ᇥহ৯֮ြ༥ጱՔዴ ӷӼӺӽӺԄົམஏශבგ֪೫ጅ४
֦ஸ୲ጴԟԋ֧ஃࡰԋԎԍӹԎԋԍ֭ ፘՔ൯ᅉဃב௬ࢌ֖Ւົམ֭ேౌ ་Փ
೫ጅ४་֖Ւ൶ဃँ၏ႚᄕཉ
ຮ֧ஏශ໒ဗבਊ࿊֘Փ
ӷӼӺӽӿԄဃ֧ตႷ֭ء՛ן
• ຍՔँՔႨ็૱Քමጘตᅴअ ב؊ँຮ֧֖֥࿊ཧՓ
֪ྞଅՓ
ஸ୲ጴԟԋՔ
• ԔՂԶԺՂԵՃՂӨԣԵԳԸՂՃՀՃԷԺԵՇՒԝԧԟӨ ࡴ֦ष֚֩փ֧ਊ६ྩഌ֧ፘౌ ӷӼӺӾӺԄஃࡰՔ൶ဃؕ
ஃࡰ
Ⴁ࿊ཛՒ૫໗ตבໟ֩օפؠ֭ؑ ؟ᆪᆀ֧֖֥ৰᄯँՓ
ԋԎԍӷԎԋԍ ԢԵՁԺԳՃՂԴՉԳՈՃՆՇՒԋՂԱՀՃԷӨ
ԎԵՊԺԳԵՇՔԣԵՌԱՇӨԔՂՇՈՆՉՁԵՂՈՇ
פցՓ
֩֨ॆ॒၏Փ႘֮ಲົՔႨ็૱
֧ᅴअՔ໐࿊֪֩֨੫־ցՓ
• Ԁԑ୶୭ᇸਙട֧֖֥ଙ၀ුֿ • ೮Ⴢಃଳ४྅֮൙֭ዴፘै ӷӼӺӽӺԄಀఢՔᅴअՔ໐࿊೫ጅཨ
֧ேᅮമ֭၏ଚב௬ࢌ֘Փ
Փ
ࡴሑՒ׃יಲົਙടֽ֮֟ᄇ
ת؋ԣԒՎ
ထඑՒ౦ጵ֠එ֪֮ᆊ॰ಲ • ேၾ֦֭יಀఢՒဃჂᄚᅴ ӷӼӺӽӿԄ࿊၏ႚౡֽՒഷৼ
अՒ૱໐Ւبחӹ؆צ՛ಲົ ౦בถՓ
ԣԒՎ
ตցՓဴኜ֮༽ጱ֭ྖஸ໒ྫྷම
֮ՒԀԑࡤப֪։ਙട֭ ӷӼӺӾӺԄ൙ࡰ֭ಲົᆪᆀ֧֖
י
׃ؐפ՛ؠዿထཨՓ
• ࣨᇚՔே֭؎׃بଞ๐
׃ᄇସ့֪֣֩Փ
֥४་Փ
பՒ႘֮ଞՔᅴअبי؊֪؞੫־Փ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ӼӼ
ӼӸӼӨຍఔՔᆪᆀՔיፚࡰ २ਙട֭ᇀื
ਙട
౦ตՔຮৄ੩
ഓጅต
ೂवಲົן؟
• ӿԑ֭ஸ೮Ⴢ׃ԦԺӷԐԺԁ့֦֮ • ԡԐԐԏ֮ဃჂጦዿ୲ጴՒ༾ቨဃཕ೧ ӷӼӺӽӺԄ༾ቨՔৰདઅ֭ஏශ೫ጅ
ࣤ೮Ⴢໃև׀֞Ւᆷࡰ֪
Ւ൰ตבଂ׀ՒӿԑӹԀԑ֭ೂ ֪֥֚౦४་Փ
ࣤ֘ԡԐԐԏ֮Ւ༾ቨ׃༔ၾ৯
वಲົྞ֪רଅՓ
ӷӼӺӽӿԄبࣤՒ൶ဃँՒ
୶בཨ֪ஸᆋइअཏँ໗֎Փ • ᆪఔထ์֧֘༾ቨՔԔՃԣஏ ഞझ֭ྔธՔᇸฝֽֿ֦ፘౌ
ؓؠ• ب
ԠՉԱՀԳՃՁՁՒԌՆՃԱԴԳՃՁՒဂล
ශֽ׀֞Ւஸ೮ჂᆪᆀՒؗ
ಲົᆗਸՓ
ԡԐԐԏ
ఢസ֩֨൛֭ጅ৫၏Ւ็
ؚ՛ؠಲົՒፘౌႡ࿊Ւමጘตᅴ ӷӼӺӾӺԄஸ೮ჂՔࢥبዿב
૱ຮב௬ࢌՓ႘ฒ֮Ւ
अႷࡥבಏ֧֘֒ᆊईଁՓ
౫ևᅮമஓถ֧֖֥࿊ཧՓ
؊ؚؗ׃״ؠט՛֭֨֩ؠᆪఔ֪
੫־Փ
• ஸ೮Ⴢँ֦ໟಪӹሐႨӹ൚ँ֭ฑ • ົམตႷ׃ፘౌಐ֭ᇶጽֽב௬ ӷӼӺӽӺӱԡԐ֧ࡴ֭ؠ״ಲ
ዃଯ֖֎֩ՒԋԺԟӹԋՃԟӹԢԺԟ
ࢌ֖Ւဴड़Ⴗבಪօ֧ົམ्ᄇ ົ४་֦೫ጅໃևՒಲົ࿘֭
༾ቨՔৰདઅԡԤ֭௭ᇠँጅࢀՓ
ॆ॒ล່࿘֪་֎௬ࢌ֔Փ ฑዃᅳኜँՓ
• ԣԢԚԍՒԋԢԏӨԣԵԳԸՂՃՀՃԷՍӨ
• ேၾ֦ৰᄜ็૱ՒಲົՒႨՔဃಗፊጵ ӷӼӺӽӿӱፘౌႷՒሐႨࣤՒම
๐༾
ԒՃՀԴԺՂԷՒԋՁԽՃՆӨԣԵԳԸՂՃՀՃԷՍ
ตӡԏԚԍӢపՒଙ௮ՔමጘตᅴअՒ ጘต॰ᇱጅ֩ຮತ֪Փ
؆צ՛
့֭๐༾؆צ՛་ౄႚՓ
ፘౌጵඑ֑ӡႡ࿊Ӣࡥבಏ֧֮֘֒ՒӷӼӺӾӺӱஸ೮Ⴢಲົב౫ևৰ
ಛጳต֭॰ᇱ֧৭ಐ֭ࡊ࿊ ᄯਙട֧֖֥࿊ཧՓ
ؔ؟ჂԋԺԟ֭ဂลఢസ֩֨႘ฒ
֪ྞଅՓ
֮ৰᄜՔఔፍՔමጘตᅴअ֪੫־Փ
• ஸ೮Ⴢ֦֮ຽໟಪྫྷමต • ࿃ໟಪఔፍ֧ৰᄜ֮ྫྷමົམ֭ต ӷӼӺӽӺԄஸ೮ჂՔஸቹဗँב౫և
Ⴗב௬ࢌ֖Ւ࿃ໟಪৰᄜఔፍ׃ஸ೮
ႷՔ൶ဃՔමጘตב༶օᆾጫৰᄯ ࿓ᆪఔ֧֖֥೫ጅໃՓ
ჂࣤఔፍՒԋԌԐ֩֨೫ጅໃइՓ
֦Ւת،י؞ထ์֮ேၾົམ֭ፘౌՔ ӷӼӺӽӿԄᆀಱ֣֯ጫ֧ྙৼ
ంዿඞଉँՓ
ᇱב࿄֚֔ၜՓ
࿃ໟಪৰᄜ • ԋԻԺՂՃՁՃՈՃӡԋԌԐӢՒԟԱՂԱՇՃՂԺԳӨ
ԔՂԴՉՇՈՆՍ့ౄႚՓፘౌႡ࿊֭ၜ • ఔፍ็૱ՒৰᄜइՒᅴअՔइ໒ಀଫՒӷӼӺӾӺԄఔፍࡊ࿊ตׁ֭֭֜
ఔፍԋԌԐ
ء՛ת؈בט؟ேၾ֪ࡥಏሰ ຮ֭ࡴᆪ֧֖֥࿊ཧՓ
֧ࡊ࿊ႷౄႚඏᇝՓຮ
့
ֽ֖փՓ
֮ဨಃ૫໗ตַ֧֭פ؟ࣤ
௬ࢌՒ႘ฒ֮ఔፍՔৰᄜᇀኾ
֪੫־Փ
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
Ӽӽ
ӼӸӼӨຍఔՔᆪᆀՔיፚࡰ ࿘ᅳ
z ༽ৼ֩ஏू೫ጅ׃ตႷ୶එ՛ྞ֪ׯଅ֖Ւਰลᆀַ֭ంዿ֧ፘౌँ֥֗ྫྷבᄾॵວৼ֪ጵ֠එ
ৰᆪఔਙട֧Ւፘౌඞଉ׃ዿထුב၃ֽև֣֣ཨྙৼ֪ጵ֠එ൙ࡰࣤਙട֪་ᇠՓ
ଵఓ
ӼӺӽӺႩ
ӼӺӽӿႩ
ӼӺӾӺႩ
ᆾጫಲົৰᄯ֭ஸဗँ
ஸ೮ჂՔዿထၟँ็૱֭४་
ፘౌႡ࿊Քමጘตຮ֭६ँ
Ԁԑ൙ࡰಲົ֭ৰᄯँ
ӡԢՃԍՔԡԐԐԏՔ๐༾؆צ՛Ӣ
ӡ൶ဃՔሐႨՔฝՔฑዃࣤӢ
ӡת؋ԣԒՎՔ๐༾ຍఔՔ૫໗Ӣ
ኅԢՃԍԋԢԔԍ
ଞ्ᄇժיի
ዿထၟँంዿ ÇӨ൶ဃዿထ४་ ÇӨཨ७יৰᄯँ
ஸ୲ጴԟԋՔ
ஃࡰԋԎԍӷԎԋԍ
ଞ्ᄇժיի
ஏශ೫ጅ४་ ÇӨဃตႷँ ÇӨؑפؠᆪᆀৰᄯँ
ת؋ԣԒՎԣԒՎי
ؓؠبԡԐԐԏ
๐༾؆צ՛
࿃ໟಪৰᄜఔፍԋԌԐ့
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
ଞ्ᄇժיի
ಀఢՔᅴअÇ࿊၏ႚÇ४་
౦४་ ÇӨፘౌಲົᆗਸ ÇӨᅮമஓถँ
ଞ्ᄇժיի
ଞ्ᄇժיի
ଞ्ᄇժיի
೫ጅ४་ ÇӨፘౌՔሐႨࣤՔஸဗँ ÇӨஸ೮Ⴢಲົৰᄯँ
࿓ᆪఔ೫ጅໃ ÇӨᆀಱඞଉँ ÇӨࡊ࿊ຮँ
ӼӾ
ӼӸӽӨץب؟חبםՔبיፚࡰ
z ፚࡰ֮Ւශ֖փኅሑಠׁ֦֭֭֮֜֩֎Ւኅ֭ஸဗँב౫և็૱ՔᅴअՔฑဗಲົ֭ྫྷৰᄯב
༶օፚࡰ֦ցՒೂवಲົ֭࿓֔ࣥבևඑ֦ᆊईଁ֦ցՓ
z ಲৄ੩בႾ࠶Ք௺ଵ֘ӡ૱໐Ք௺ଵӢಲࢥዿඞଉ֦ตႷ׃षᆲตבଙආ֘ӡᆀಱՔࢥዿᅴअӢዿՔ
႞ᇀैՔฑဗֽ֦็૱֘ӡዿՔฑဗ็૱Ӣਙടࡴב֦ธևᅢጅցՒਙടב၏ႚईႷ֪֘
ࣧཉৰᄯ֧֖֥ཧኬՓ
ਙട֭፬
૱໐Ք௺ଵਙട
ᆀಱՔࢥዿᅴअ
ಲ֭ဃჂৄ੩בႾ
࠶Ք௺ଵ֖Ւ็૱Ք
࿊Ք၏ႚ֭࿓בఢ
ਙട
ಲࢥዿඞଉ֦ตႷՔ
ᆀಱՔषᆲตב૫໗
ଙආ֘ਙട
֩ਙടӡ፯Ӣ
ဃჂৄ੩ई౽ँ
Ւ൰Ւೇᇗ֭֩֨ಲৄ੩בႾ࠶֖Ւ็૱Քࢥዿू֭࿓֧֩
ඡੳႾ࠶בಲଵ֘Փ
ဃჂৄ੩ᅴअ
ءؚؔםؠؘ՛ب
ಲ֭ጦዿৄ੩בಀଫৄ੩֦௺ଵ֖Ւ၏ႚ֪ตႷ׃ड༎בଣઇ
׀ᅴअৰᄯבಲଵ֘Փ
ԞԣԋՔඏ॔ตಀଫ
ಲࢥዿ֪ઝփඞଉ֦ตႷՔᆀಱՔषᆲตבଙආ֖Ւଵ၏ႚ֪և
ᆀಱᇱආבಲଵ֘Փ
ԞԣԋӱԞՊԵՆӷԣԸԵӷԋԺՆ
ࡣ֩ؕ၍ࡴՔઝไ೮Ⴢࡊב֪ౚևׇօ֪֖Ւዿ
ዿՔฑဗ็૱
ਙട
ዿՔ႞ᇀैՔ౽
ֽ֦֥׀ೂवಲົ
בถጵ֚֔ਙട
ԍՃՄՍՆԺԷԸՈӨ٢ӨԚԺՈՇՉԲԺՇԸԺӨԡԵՇԵԱՆԳԸӨԔՂՇՈԺՈՉՈԵ
೮ჂዿՔ൰ጫ ࿓֭ೂवಲົבಲଵ֘Փ
بי؊ץب؟חל؞
ᆷ֦็ᅏב၍ጦዿ֖֣֣ᆀಱ׃႞ᇀैבธጫ֖Ւ୲ጴ
֊֣ಏ໗ईႷ֩بי؊ࢥ؞ዿבಲଵ֘Փ
Ӽӿ
ӼӧӽӨץب؟חبםՔبיፚࡰ २ਙട֭ᇀื
ਙട
౦ตՔຮৄ੩
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ೂवಲົן؟
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参考資料4
1.情報通信審議会
電波監視作業班
情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
構成員名簿
(令和8年4月 27 日現在
役職
氏
名
主
要
現
敬称略)
職
菊間 信良
国立大学法人名古屋工業大学 名誉教授
主任代理
田久
国立大学法人信州大学 学術研究院(工学系) 教授
構成員
加藤 千早
構成員
佐野 康二
構成員
鈴木 宗俊
構成員
永井 徳人
構成員
橋本 昌史
構成員
山本 真之
主
任
修
一般財団法人電波技術協会 技術顧問
一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター
電磁環境・較正事業本部 電磁環境試験部 部長
一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会
共通技術部長 兼 インフラ整備事業推進室長
光和総合法律事務所 弁護士
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
周波数管理室 室長
国立研究開発法人情報通信研究機構
電磁波研究所 電磁波伝搬研究センター 総括研究員
(計8名)
2.情報通信審議会
電波監視作業班
情報通信技術分科会 電波有効利用委員会
開催経緯
令和7年2月3日 第 52 回総会にて諮問
令和7年2月 13 日 第 185 回情報通信技術分科会にて電波有効利用委員会を設置
■電波有効利用委員会
令和7年5月 29 日
第2回
(1) WX 推進戦略アクションプランの進捗状況について
(2) 電波監視作業班の設置について
令和8年1月 19 日 第 10 回
(1) 電波有効利用委員会におけるこれまでの議論等について
(2) 900MHz 帯における新たな無線利用について(事業者へのヒアリング)
令和8年4月 27 日 第 13 回
(1) 電波有効利用委員会報告(案)について
■電波監視作業班
令和7年5月 30 日
第1回
(1)作業班の設置・運営等について
(2)電波監視における現状及び課題について
(3)その他
令和7年6月 27 日
第2回
(1)不法無線局や混信の未然防止の取組について
(2)関係団体等からのヒアリング
(3)その他
令和7年8月5日
第3回
(1)電波監視作業班での主な意見について
(2)NTN 時代の電波監視について
(3)関係団体等からのヒアリング等について
(4)その他
令和7年8月 28 日
第4回
(1)前回作業班までの主な意見について
(2)電波監視の基本体制について
(3)関係団体等からのヒアリング等について
(4)その他
令和7年 10 月 10 日 第5回
(1)電波監視の基本体制について
(2)不法無線局や混信の未然防止の取組について
(3)関係団体等からのヒアリング等について
(4)その他
令和7年 11 月 25 日 第6回 (無線設備の認証の在り方作業班(第4回)合同会議)
(1)技適マークの表示の現状
(2)技適マークの表示に係る課題
(3)技術基準不適合設備の流通抑止の取組の現状
(4)技適マークの表示方法の在り方(案)
令和7年 12 月 25 日 第7回
(1)作業班中間とりまとめ案について
(2)その他
令和8年3月6日
第8回
(1)報告書骨子(案)について
(2)その他
令和8年4月 17 日~21 日
第9回(メール審議)
(1) 報告書(案)について