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情報通信審議会 総会 第54回

2025-09-11一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

情報通信審議会 総会 第54回 資料情報通信審議会 総会 第54回 資料情報通信審議会 総会 第54回 資料情報通信審議会 総会 第54回 資料情報通信審議会 総会 第54回 資料情報通信審議会 総会 第54回 資料情報通信審議会 総会 第54回 資料情報通信審議会 総会 第54回 資料

資料1

資料54-1-1 「地域社会DXの推進に向けた情報通信政策の在り方」 答申(案)概要 令和7年9月11日 情報通信審議会 情報通信政策部会における「地域社会DXの推進に向けた情報通信政策の在り方」の審議 2 ● 地方創生2.0の実現に向け、地域経済・社会を維持・発展させ、地域住民の生活を支えるためには、AIを含むデ ジタル技術の徹底活用により地域課題を解決(地域社会DX)し、イノベーションにより付加価値を創出していくこと が求められる。 ● このため、AIを含むデジタル技術の中核的担い手となる企業が、地域のニーズに合った事業展開をできるようにす るための政策の在り方について、本年2月に情報通信審議会に諮問。 ● 6月10日の情報通信政策部会で答申案を審議し、意見募集を実施。9月目途での答申を希望。 答申(案)のポイント ①地域課題を起点としたマーケット・インのソリューション創出・導入強化 ②AIの徹底活用を核としたデジタル技術の活用強化 ③実装・事業化・普及に向けた大幅な支援強化 ④地域課題解決のための新たなデジタルインフラの活用 これまでの審議スケジュール 令和7年 2月13日 事務局説明、ヒアリング(住友商事㈱、㈱愛媛CATV、㈱フォレストシー) 3月28日 ヒアリング(NICT・杉原専門委員、㈱コクリエ、広島県、浜松市) 4月17日 ヒアリング(松尾専門委員、(一社)ナスコンバレー協議会、㈱ビットコミュニケーションズ) 5月22日 答申骨子(案) 6月10日 答申(案) 6月13日~7月12日 意見募集 7月29日 答申(案)に対する御意見及びその考え方(案) 現状① 3 地域の課題と地方公共団体のデジタル化の現状 ・ 地方では、都市部と異なる課題が山積。一方、地域課題 解決に向けたデジタル技術の導入は十分に進んでいない。 地域課題解決に向けた企業等との連携の重要性 ・ 小規模自治体はリソースに限界があり、企業等と連携し た取組が重要。企業側にも連携メリット・ニーズは存在。 三大都市圏以外の自治体が解決を図りたいと考える地域課題の分野 (上位5位を抜粋) 中小企業による地域課題解決 事業の取組状況(R4.12) 自治体が事業者と連携する上で、事業 者側に求めること(上位3位を抜粋) 35.9% ・ 自地域が抱える課題を理解しているこ と(72.7%) ・ 事業を継続的に実施していくこと (67.6%) ・ 課題解決に向けた出口に対しての共通 理解がある又は良い提案があること (62.0%) 公共交通機関の縮小による住民 公共交通機関の縮小による住民の… の利便性低下 37.7% 起業・創業支援 起業・創業支援 29.6% 農林水産業の担い手 農林水産業の担い手 28.0% 地場産業衰退に伴う地域での就 地場産業衰退に伴う地域での就業… 業機会の不足 23.6% 設備の維持管理・更新費の増加 設備の維持管理・更新費の増加 22.3% 64.1% 取り組んでいる 約36% 49.0% 51.0% 取り組む予定 約49% 出典:中小企業庁 2023年版 小規模企業白書より事務局作成 地域課題解決のために、デジタル技術の導入に取り組んだ 事例の有無(R6.7末時点) 取組・実証事例なし 約47% 出典:総務省 地方公共団体におけるデジタル技術の導入・活用状況等調査 地域課題解決事業に取り組む 事業者の連携状況(R4.12) 〇自治体との連携 事業者が自治体等と連携したことに よるメリット(上位5位を抜粋) ・ 信用度向上(44.1%) 28.9% 31.8% 39.3% ・ 販路拡大(35.8%) 取り組んでいる・今後取り組む予定 ・ 地域課題ニーズの把握(35.3%) ・ 他の事業者やキーパーソンの紹介、関 約61% 係づくり等の機会が増える(27.1%) 〇他の事業者との連携 ・ 補助金または税制優遇を受けられる 34.7% 34.1% 31.2% (23.9%) 取り組んでいる・今後取り組む予定 約69% 出典:中小企業庁 2023年版 小規模企業白書より事務局作成 現状② 4 AIの日米企業導入状況・地域課題への適用状況と今後の進展 ● 新しいデジタル技術の一つであるAIは、ロボットや自動運転などへの活用を通じて市場が拡大していることに加え、生成AIも 登場。今後、頭脳・肉体労働両面の自動化が進むことが期待。 ● 一方、日本では中小企業を中心に企業のAI導入・利活用割合が低い。地方ほど中小企業の割合が高いことから、地方の企業に おけるAIの利活用も低い水準と見込まれる。地方公共団体においても、小規模自治体ほどAI利活用水準が低い。 日本の企業におけるAIの導入状況 世界のAI市場規模(売上高)の推移及び予測 (10億ドル) 予測値 企業におけるAIの導入状況 (米国との比較) 1,847 約20倍 2023年度日本 1,415 96 420 2021 2025 頭脳労働 の代替 肉体労働 の代替 2026 795 2022年度米国 2027 2028 2029 2030 (年) ・ ロボットの学習に必要な大量の データと、ロボットの認知や動作 に必要な基盤モデル ・ ロボットの動作が圧倒的に器用 で柔軟になるため、様々な場所 での肉体労働を代替 出典:第65回情報通信政策部会 資料65-1-1 「AIの最新動向とエコシステムの展開」より事務局作成 導入・実証している 約11% 1001人以上 導入・実証している 約57% 出典:令和6年度 情報通信白書より事務局作成 AIの今後の技術進展の見通し 技術 概要 ・ 特定のタスクや目標を、自律的 に実行するシステム AI ・ 文章や画像の生成にとどまらず、 エージェント 人間に代わって様々なタスクを 実行できるため、デスクワークを 圧倒的に効率化 ロボット 100人以下 導入・実証している 約34% 1,069 583 企業におけるAIの導入状況 (従業員規模別) 導入・実証している 約74% 出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2024(データ集)」より事務局作成 日本の地方公共団体におけるAIの導入状況(2023年度) 100% 都道府県 100%導入済み 100% 指定都市 その他の市町村 72% 〇地方公共団体における導入例 ・住民問合せ対応 ・会議録作成、多言語翻訳 ・保育所入所マッチング 導入済み・実証中・導入 予定・導入検討中 約72% ・道路損傷検出 ・国保特定検診の受診勧奨 ・観光客入込状況の予測 等 出典:総務省「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」より事務局作成 現状③ 5 総務省の地域社会DXの実証事業から実装に至った割合 ● 総務省の過年度の地域社会DXの実証事業から実装に至った割合は、令和2~4年度 (ロー カル 5G 開 発 実 証) は 平均11%程度に留まっているが、令和5~6年度(地域デジタル基盤活用推進事業)は平均20%とやや上昇しているものの、 依然として割合は低い。 実装件数割合の推移 30% 25% 27% 4件 28% 7件 20% 20% 3件 15% 10% 15% 令和5年度: 登山口駐車場の安全管理、 アンダーパスの安全管理、 養殖業の遠隔監視による効率化 4件 11% 2件 8% 5% 2件 0% 令和2年度 令和3年度 令和4年度 実装割合 令和5年度 令和6年度 実装見込み ※ 過年度実証事業における総件数:令和2年度19件,令和3年度26件,令和4年度24件、令和5年度15件、令和6年度25件。 ※ 令和2~4年度は技術検証を中心に実施、令和5年度~は地域課題解決に向けた費用対効果を含む実証に移行。 ※ 実装見込み:令和5年度は追跡調査及び事業者からのヒアリング、令和6年度は成果報告書における「実装に向けた課題」の解決予定時期が令和7年度中、かつ、実 装スケジュールが令和7年度予定のもの、及び令和7年度補助事業での採択結果、事業者からのヒアリングを元に抽出。 出典:事業者へのアンケート調査の結果、令和6年度 地域デジタル基盤活用推進事業 成果報告書より事務局作成 現状④ 6 新しいデジタルインフラの整備に向けた動き ● 非地上系ネットワーク(NTN)による通信サービスの提供が開始され、今後、オール光ネットワーク(APN)などの 新しいデジタルインフラの整備が見込まれている。こうしたインフラを活用することで、これまで解決できなかった地域課題を解決 する可能性がある。 非地上系ネットワーク(NTN) オール光ネットワーク(APN) ・ 陸・海・空・宇宙をつなぐインフラとして非地上系ネットワーク(NTN)の 導入促進・高度化が期待。 ・ NTNは 離島、海上、山間部等を効率的にカバーし、携帯電話の基地 局、光ファイバ等の通信インフラが未整備の地域に対しても通信サービスの 提供が可能。 また、自然災害等の非常時の通信手段としても有用。 ・ 総務省においては、HAPSの早期実用化に向けた必要な技術的条件な どの制度整備を推進。 ・ 2030年代のAI社会を支えるデジタルインフラとして、低遅延・高信頼・ 低消費電力な次世代情報通信基盤が必要。 ・ 2023年3月に情報通信研究機構に情報通信研究開発基金を設置し、 民間企業等に対する委託・補助により、次世代情報通信基盤の社会実 装や海外展開を強く意識した戦略的な研究開発等への支援を実施。 ・ 次世代情報通信基盤の中核技術としてオール光ネットワークの研究開 発を強力に推進するとともに、テストベッドの整備に着手、今後順次拡張。 「地域社会DXの推進に向けた情報通信政策の在り方」答申(案)の概要 7 ● 地域社会DXを加速するためには、その中核的担い手となりうるデジタル技術を活用する企業が、 地域のニーズに合った事業展開をできるようにする必要がある。 ● このため、①地域課題を起点としたマーケット・インのソリューション創出・導入強化、②AIの徹底 活用を核としたデジタル技術の活用強化、③実装・事業化・普及に向けた大幅な支援強化とともに、 今後に向け④地域課題解決のための新たなデジタルインフラの活用に取り組む必要がある。 課 題 対応の方向性のポイント 地域課題起 点のソリュー ション創出・ 導入強化 ・地方公共団体等とデジタル技術を有する企業 や大学等の産官学のマッチング体制が不十分 ・企業は地域課題ニーズ、地方公共団体は技術 シーズの把握が不十分 ・AIは都市部との格差是正に有効な手段にも 関わらず、地方ほどAI等のデジタル人材が AI等の徹底 不足し、AI等の活用も進んでいない 活用強化 ・地方公共団体等にとって、実績が乏しいスタート アップ活用には不安が伴う ・地方公共団体等とデジタル技術を活用する企業と の連携体制構築を支援 ・企業の取組が事業化・海外展開を見据え、地域 課題や経済性などニーズに合ったものとなるよう実 証前から支援 ・地方公共団体・地域企業における教育機関に よるAI等人材育成講座の活用の推進 ・スタートアップの地域課題解決の実績作り支援 ・自然環境下等でのデータ収集と開発を行うAI 実装・事業 ソリューションは実装まで長期間が必要 化・普及に ・通信等の面的なインフラ整備は費用負担が 向けた大幅 重いため、関係省庁の所管する農業や防災など な支援強化 多用途での有効活用が必要 ・複数年のAI等による地域課題解決の実証枠組み ・通信インフラを活用したスマート農業やスマート 防災等の地域課題解決を関係省庁連携で支援 ・優れたソリューションをモデル化等し、関係機関と 連携して国内外展開などフォローアップ支援強化 新たなデジ タルインフラ の活用 ・NTN、APNやデータセンターなどの新たなデジタル インフラを活用した地域課題解決ソリューションの 創出・実装 ・デジタルインフラ整備計画に基づき、全国利用 可能なNTN、超高速なAPN、データセンター などの整備が進展 【参考】「情報通信政策部会」委員及び専門委員 氏 部 会 長 國 名 領 部会長代理 大 委 主 二 橋 要 現 職 郎 慶應義塾大学 名誉教授 弘 東京大学 副学長/大学院 経済学研究科 教授 員 石 井 夏 生 利 中央大学 国際情報学部 教授 〃 市 毛 由 美 子 のぞみ総合法律事務所 弁護士 〃 井 上 由 里 子 放送大学 教授 〃 内 山 隆 青山学院大学 総合文化政策学部 教授/(公財)情報通信学会 会長 〃 江 﨑 浩 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授 〃 閑 歳 孝 子 株式会社くふうカンパニー CSO 〃 木 村 朝 子 立命館大学 情報理工学部 教授 〃 桑 津 太 郎 立命館大学 客員教授/桑津調査房 代表 〃 甲 田 恵 子 株式会社AsMama 代表取締役社長 〃 越 〃 小 島 隆 洋 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会 事務局次長 〃 高 橋 利 枝 早稲田大学 教授/ケンブリッジ大学 「知の未来」研究所 アソシエイト・フェロー 〃 長 谷 美 紀 北海道大学 副学長/大学院情報科学研究院 教授 〃 増 田 悦 子 公益社団法人全国消費生活相談員協会 顧問 専 門 委 員 井 上 い 子 ai株式会社 代表取締役 〃 小 林 寛 史 一般社団法人ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構 理事長 〃 杉 原 智 子 フォーアイディールジャパン株式会社 代表取締役社長 〃 松 浩 塚 登 東京大学 大学院 情報学環 教授 山 あ 美 尾 豊 東京大学大学院 工学系研究科 教授 8

資料2

資料 54-1-2 「地域社会DXの推進に向けた 情報通信政策の在り方」 答申(案) 令和7年9月11日 情報通信審議会 目次 はじめに ............................................................................................................................................ 2 第1章 現状 ...................................................................................................................................... 3 1 地域の課題と地方公共団体のデジタル化の現状 .......................................................................... 3 2 地域課題解決に向けた企業等との連携の重要性.......................................................................... 4 3 AI の日米企業導入状況・地域課題への適用状況と今後の進展 .................................................... 4 4 総務省の地域社会 DX の実証事業から実装に至った割合 ............................................................ 7 5 新しいデジタルインフラの整備に向けた動き .................................................................................. 7 第2章 課題と対応の方向性 ........................................................................................................... 11 1 地域社会 DX 推進強化の基本方針 ............................................................................................. 11 2 課題と対応の方針 ...................................................................................................................... 13 (1)地域課題を起点としたマーケット・インのソリューション創出・導入強化 ........................................ 13 ① 課題 ...................................................................................................................................... 13 ② 対応の方向性 ........................................................................................................................ 14 (2)AI の徹底活用を核としたデジタル技術活用の強化..................................................................... 14 ① 課題 ...................................................................................................................................... 14 ② 対応の方向性 ........................................................................................................................ 15 (3)実装・事業化・普及に向けた大幅な支援強化 ............................................................................. 16 ① 課題 ...................................................................................................................................... 16 ② 対応の方向性 ........................................................................................................................ 18 (4)地域課題解決のための新たなデジタルインフラ活用の推進 ....................................................... 19 ① 課題 ...................................................................................................................................... 19 ② 対応の方向性 ........................................................................................................................ 19 参考資料集 ..................................................................................................................................... 21 1 はじめに 我が国の地域社会・経済は、少子高齢化・人口減少に伴う働き手不足や市場規模の縮小、 頻発・激甚化する自然災害、インフラの老朽化など、多様な課題に直面している。 こうした中、政府においては「新しい地方経済・生活環境創生本部」を設置し、 「地方こそ 成長の主役」との発想に基づき、日本経済成長の起爆剤としての大規模な地方創生策の検討 を進めている。 地域経済・社会を維持・発展させ、地域住民の生活を支えるためには、AI を含むデジタル 技術の徹底活用により地域課題を解決(地域社会 DX)し、イノベーションにより付加価値を 創出していくことが求められる。そのためには、その中核的担い手となりうるデジタル技術 を活用する企業が、 地域のニーズに合った事業展開をできるよう支援することが重要である。 こうした背景の下、情報通信政策部会は、令和7年(2025 年)2月3日付けで総務大臣か ら諮問を受けた「地域社会 DX の推進に向けた情報通信政策の在り方」について、日本の地域 社会・経済を取り巻く状況、AI を含むデジタル技術の最新動向を踏まえ、我が国における情 報通信政策の観点から、これまで計5回にわたり、有識者や関係事業者・団体からのヒアリ ング等を通じて調査審議を行ってきた。 本答申は、情報通信政策部会における審議を踏まえ、AI を含むデジタル技術を活用した地 域課題解決を実証にとどまらず持続的な社会実装に効果的につなげるための方策、意欲ある 企業による AI を含むデジタル技術を地域課題解決に活用できるようにするための適切なマッ チングのための方策、スタートアップや研究機関の AI を含む新たなデジタル技術を地域課題 解決における社会実装につなげるための支援策といった検討項目について、今後、国が重点 的に取り組むべき対応の方向性を提示するものである。 具体的には、①地域課題を起点としたマーケット・インのソリューション創出・導入強化、 ②AI の徹底活用を核としたデジタル技術の活用強化、③実装・事業化・普及に向けた大幅な 支援強化、そして④地域課題解決のための新たなデジタルインフラ活用の推進の4つの柱に 整理し、地域社会 DX の推進に向けた情報通信政策の在り方について提言を行うものである。 総務省においては、本提言を踏まえて、地域社会 DX の加速に向けた施策を具体化し、必要 な措置を講ずることを期待するものである。 2 第1章 現状 1 地域の課題と地方公共団体のデジタル化の現状 地域の課題と地方公共団体のデジタル化の現状について、地方では、少子高齢化と人口 減少による働き手不足をはじめとする様々な課題が深刻化しており、都市部とは異なる課 題に直面している。地域の社会・経済を維持・発展させるためには、デジタル技術の徹底 活用により地域課題を解決することが求められているが、地方における地域課題解決に向 けたデジタル技術の導入は十分に進んでいない。 例えば、 「起業「 ・創業支援」や「公共交通機関の縮小による住民の利便性低下」は、三大 都市圏と地方ともに、解決を図りたいと考える課題の上位2分野となっている。一方、三 大都市圏は、 「公共交通機関の縮小による住民の利便性低下」と「省エネルギー対策や二酸 化炭素の排出抑制への高まり」が同率で上位であるが、地方では「農林水産業の担い手不 足」が課題として挙げられている。 図表1-1:三大都市圏以外の地方公共団体が解決を図りたいと考える地域課題の分野(上 位5分野を抜粋) 出典:中小企業庁 2023年版 小規模企業白書より事務局作成 調査結果によれば、地域課題解決のためにデジタル技術の導入に取り組んだ事例がある 地方公共団体の割合は約53%にとどまっており、地方公共団体では、地域課題解決に向け たデジタル技術の導入が十分に進んでいない現状がうかがえる。デジタル技術の導入に当 たっては、予算の不足のほか、人材不足、情報不足、推進体制の欠如といった課題が存在 すると考えられる。 図表1-2:地域課題解決のために、デジタル技術の導入に取り組んだ事例の有無(令和6 年(2024年)7月末時点) 出典:総務省 地方公共団体におけるデジタル技術の導入・活用状況等調査 3 2 地域課題解決に向けた企業等との連携の重要性 人口減少・少子高齢化等が進展する中でも、地域社会・経済を持続的に発展させ、地域 住民の豊かな生活を支えるためには、AIを含むデジタル技術の徹底活用により、地域課題 を解決(地域社会DX)し、イノベーションにより付加価値を創出していくことが求められ る。小規模自治体にはリソースに限りがある中、地域課題解決のためには、その中核的担 い手となりうるデジタル技術を活用する企業が、地域のニーズに応じた事業展開を行える よう支援することが重要である。 企業の地域課題解決への取組状況を見ると、中小企業の3分の1以上は現に何らかの地 域課題解決に取り組んでいるほか、約半数が今後取り組む意向を示している。企業の地域 課題解決に当たっては、 地方公共団体や他事業者との連携事例や連携ニーズも多く見られ、 連携によって、信用度向上や販路拡大、地域課題ニーズの把握といったメリットが期待さ れている。 図表1-3:中小企業による地域課題解決事業の取組状況・企業に求められること 出典:中小企業庁 2023年版 小規模企業白書より事務局作成 図表1-4:地域課題解決事業に取り組む事業者の連携状況・企業のメリット 出典:中小企業庁 2023年版 小規模企業白書より事務局作成 3 AI の日米企業導入状況・地域課題への適用状況と今後の進展 地域課題解決に用いられるデジタル技術として、近年発展が著しい AI を活用していくこと が期待される1。AI は、ロボットや自動運転などへの活用を通じて市場が拡大しているほか、 1 総務省の実施する地域社会 DX に関する実証事業においても、AI を活用した実証事業の割 合は、令和5年度(2023 年度)の 53%から令和7年度(2025 年度)には 75%と、年々増加 している。 4 生成 AI が登場し、今後、AI による頭脳労働・肉体労働両面の自動化が進むことが期待され る。 図表1-5:世界のAI市場規模(売上高)の推移及び予測 出典:令和6年版 情報通信白書より事務局作成 図表1-6:AIの今後の技術進展の見通し 出典:第 65 回情報通信政策部会 資料 65-1-1 「AI の最新動向とエコシステムの展開」より事務局作成 クラウドでAI開発環境が提供され、大規模言語モデル(LLM)等の言語により利用できる 生成AIが一般に提供されるようになったことから、AIを用いたソリューションの開発及び 利活用の障壁はかつてなく低下しており、これを地域課題の解決に活用し、都市部と地方 との格差を是正する機会が到来している。 しかしながら、AI導入状況については、米国企業の約57%(令和4年度(2022年度))が AIを導入・実証しているのに対し、日本企業は同約34%(令和5年度(2023年度) )と、日 本では米国などと比べてAIの導入・利活用が進んでいない。 また、AI導入目的については、日本企業では業務負担の軽減や生産性向上に関する活用 が7割以上を占め最も高い(令和5年度(2023年度) )のに対し、米国企業では既存製品・ サービスの高度化/付加価値向上や新製品・新サービスの創出が約3分の2を占め最も高 くなって(令和4年度(2022年度) )おり、導入率及び導入目的における積極性に差異があ 2 る。 2 生成 AI の個人の利用については、日本、米国、中国、ドイツ、英国の5か国中、日本 は、自分の生活には必要ないとの回答が約4割と他国に比べて最も高くなっており、利用経 験も 9.1%と最も低くなっている(令和5年度(2023 年度)) 。 (総務省(2024)「デジタルテ クノロジーの高度化とその活用に関する調査研究」) 5 図表1-7:日本の企業におけるAIの導入状況 出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX 動向 2024(データ集) 」より事務局作成 図表1-8:企業におけるAIの導入状況(導入目的(経年変化及び米国との比較)) 出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX 動向 2024(データ集) 」より事務局作成 日本企業のAI導入・利活用について、従業員数別にみると、従業員数1001人以上の企業 ではAIを導入・実証している企業が約74%であるのに対し、従業員数100人以下の企業では 同約11%と、中小企業を中心に企業のAI導入・利活用割合が低い状況にある。地方ほど中 小企業の割合が高いことから、地方の企業におけるAIの利活用も低い水準にとどまってい ると考えられる。 また、地方公共団体においても、都道府県及び政令指定都市においては、100%がAIを導 入済みなのに対し、その他の市町村においては、導入済み・導入検討中等が約72%(いず れも令和5年度(2023年度) )にとどまっており、小規模自治体ほどAI利活用水準が低い状 況がうかがえる。 6 図表1-9:日本の地方公共団体におけるAIの導入状況(令和5年度(2023年度) ) 出典:総務省「地⽅⾃治体におけるAI・RPAの実証実験・導⼊状況等調査」より事務局作成 4 総務省の地域社会 DX の実証事業から実装に至った割合 総務省では、デジタル技術を活用した地域課題の解決を支援するため、令和5年度(2023 年度)より地域デジタル基盤活用推進事業を、令和7年度(2025年度)より地域社会DX推 進パッケージ事業を実施している。デジタル人材・体制の確保支援、AI・自動運転等の先 進ソリューションや先進無線システムの実証、地域の通信インフラ整備の補助等の総合的 な取組を通じて、地域社会DXを推進している。 この際、 総務省のこれまでの地域社会DXに関する実証事業において実装に至った割合は、 令和2年度(2020年度)から令和4年度(2022年度)まで実施したローカル5G開発実証は 平均11%程度にとどまり、 令和5年度に実施した地域デジタル基盤活用推進事業は平均20% とやや上昇しているものの、依然として割合は小さく、実証から実装により多くつなげて いくことが課題となっている。 図表1-10:実装件数割合の推移 出典:事業者アンケート調査の結果、令和6年度 地域デジタル基盤活用推進事業 成果報告書より事務局作成 5 新しいデジタルインフラの整備に向けた動き デジタル・新技術を支えるインフラ環境の整備にあたっては、AI利用の急増に伴い大規 模な計算資源の確保が必要となる中、我が国のデータセンターの立地は、その9割が東京 圏・大阪圏といった都市部に集中しており、また、海底ケーブルについては、陸揚局が房 7 総半島及び志摩半島並びにそれらの周辺に集中している。耐災害性を高め、デジタルイン フラを強靭化するためには、データセンターや海底ケーブルの分散立地が必要である。 通信環境に関しては、居住世帯向けサービスのための光ファイバは、令和4年度(2022 年度)末時点で世帯カバー率が99.84%3となっている。残る未整備地域の多くは、離島や半 島、山間部などの条件不利地域となっており、また、既に光ファイバを整備した地域にお いても、人口減少等が進展する中で、光ファイバ基盤の維持は重要な課題となっている。 こうした中、非地上系ネットワーク(NTN)による通信サービスの提供が開始され、今後、 オール光ネットワーク(APN)などの新しいデジタルインフラの整備が見込まれている。 ① 非地上系ネットワーク(NTN) 陸・海・空・宇宙をつなぐインフラとして、NTNの導入促進・高度化が期待される。NT Nは、離島、海上、山間部等を効率的にカバーし、携帯電話の基地局、光ファイバ等の通 信インフラが未整備の地域に対しても通信サービスの提供が可能である。また、自然災害 等の非常時の通信手段としても有用である。総務省においては、高高度プラットフォーム (HAPS)の早期実用化に向けた必要な技術的条件などの制度整備を推進している。 図表1-11:非地上系ネットワーク(NTN) 図表1-12:主な衛星コンステレーション 令和 7 年 8 月 22 日発表の「令和 5 年度末ブロードバンド基盤整備率調査」より光ファイ バ整備率の推計手法を見直しているため、今後の数値と単純比較できない点に留意が必要。 3 8 出典:各社の資料をもとに総務省作成 図表1-13:衛星ダイレクト通信 出典:KDDI 資料 ② オール光ネットワーク(APN) 2030年代のAI社会を支えるデジタルインフラとして、低遅延・高信頼・低消費電力な次 世代情報通信基盤が必要となる。総務省では、令和5年(2023年)3月に情報通信研究機 構に情報通信研究開発基金を設置し、民間企業等に対する委託・補助により、次世代情報 通信基盤の社会実装や海外展開を強く意識した戦略的な研究開発等への支援を実施してい る。次世代情報通信基盤の中核技術として、APNの研究開発を強力に推進するとともに、テ ストベッドの整備に着手、今後順次拡張を予定している。 図表1-14:オール光ネットワーク(APN) 9 NTNによる複層的でつながりやすいネットワーク環境の実現や、APNによる距離にとらわ れない高速通信の実現が見込まれ、こうした新たなデジタルインフラを活用して、地域課 題解決を進めていくことが必要となる。 10 第2章 課題と対応の方向性 第2章では、第1章で示した我が国の地域社会・経済を取り巻く現状や、AIを含むデジ タル技術の最新動向を踏まえ、デジタル技術を活用する企業が地域課題ニーズに合った事 業展開をするに当たって解決すべき課題を整理した。あわせて、地域社会DXを加速させる ため、取るべき対応の方向性を示す。 1 地域社会DX推進強化の基本方針 (1)課題 地域課題の解決に新たなデジタル技術を活用していく上では、いくつかの課題が認識さ れており、ヒアリングや審議を通じ、以下の課題が明らかになった。 まず、新たなデジタル技術のシーズを持つ企業、特にスタートアップなどは、有望な技 術を有しながらも、それを地域課題ニーズに合ったソリューションとするためには、技術 シーズありきで課題に適用するのではなく、地域課題をいかに解決するかという観点で検 討することが必要である。しかしながら、地域課題ニーズの把握や実証の実施に当たって は、必要となる地方公共団体との連携において、リソース不足や認知度の低さといったハ ードルを抱えている。 また、第1章(4)で述べたようにデジタル技術を用いた地域課題解決の実証は、実装・ 事業化・普及、さらには海外展開まで至っているものが低い割合にとどまっているという 課題がある。 地域社会DXを加速させるための支援においては、計画段階、実証段階、実装段階、そし て海外展開といった各フェーズにおける支援がそれぞれ独立してしまっており、相互の連 携が不十分であることも考えられる。 図表2-1:地域社会DX推進パッケージ事業 11 図表2-2:安全性・信頼性を確保したデジタルインフラの海外展開支援事業 さらに、生成AIを含むAIは、地域間格差の是正にも貢献が期待されているが、第1章(3) で述べたように、我が国におけるAI活用は諸外国に比して相対的に遅れており、特に地方 の企業におけるAIの利活用はより低い水準にとどまると考えられるため、その徹底的な活 用を促進することが重要である。加えて、NTNや、今後整備が見込まれるAPN等の新たなデ ジタルインフラを、地域課題の解決に向けて積極的に活用することも重要である。 これらの課題は、地域課題解決に向けたデジタル技術の効果的な活用と社会実装を進め る上で乗り越えるべきハードルとなっている。 (2)基本方針 (1)で述べた課題に対しては、以下を基本方針として、地域社会DXの推進強化を図る べきである。 まず、技術シーズの支援については、真に地域課題を解決するものとするために、地域 課題を起点としたマーケット・インの視点で開発されたソリューションとなるよう支援し ていくことが重要である。 地域課題ニーズについては、国として、地方公共団体における明確化・具体化を要望に 応じて支援するとともに、技術シーズとのマッチングについては、各地方公共団体におけ る体制構築や、国による計画策定支援等の段階において、支援することが重要である。特 に、スタートアップが、地域課題ニーズの把握や実証を実施するに当たっては、地方公共 団体等とのマッチングや、実証を通じた技術シーズの効果検証の支援を行うことが重要で ある。 また、地域課題解決ソリューションの実証が実装・事業化・普及に結びつくような支援 を行うとともに、事業計画等への支援も行うことが重要である。その際に、地域社会DXを 加速させるためには、地方公共団体等における計画、実証、実装、海外展開の各フェーズ におけるAI等デジタル技術を活用した地域課題解決の支援について、相互に連携したもの とすることが重要である。 12 課題先進国とされる我が国におけるソリューションは、近い将来、諸外国においても導 入が進むと見込まれることから、経済安全保障の観点も含め、海外展開を視野に入れたも のについて必要な支援をより強力に行うことが重要である。 加えて、特に地域企業による生成AIを含むAIを活用した地域課題解決について、支援し ていくことが重要である。新たなデジタルインフラが導入された環境があることで、新た な地域課題解決ソリューションの実証や、地域での実装・事業化が容易になるものも想定 されることから、新たなデジタルインフラの整備と地域課題解決ソリューションの創出・ 実装を両輪として一体的に支援していくことが重要である。 2 課題と対応の方針 (1)地域課題を起点としたマーケット・インのソリューション創出・導入強化 ① 課題 デジタル技術による地域課題の解決には、地域課題のニーズを把握する地方公共団体等 が、デジタル技術に関するノウハウを有するスタートアップや地域内外の企業と連携して 取り組むことが求められる。 しかしながら、第1章(2)で述べたように、地域課題解決に資する技術シーズがあっ ても、地方公共団体等に十分に認知されておらず、逆に地域課題を解決しうる技術シーズ を有する企業も、地域課題ニーズを有する地方公共団体等を把握できていないため、活用 が進まない面があると考えられる。 また、地域課題ニーズを把握しつつ、企業の技術シーズを活用するには、地方公共団体 等とデジタル技術を有する企業や大学等の産官学が連携してマッチングができる体制が有 効であるが、必ずしも多くの地域でそのような体制が設けられているわけではない。 図表2-3:事業者が地方公共団体と連携するために取り組んだこと 出典:中小企業庁 13 2023 年版 小規模企業白書 図表2-4:地方公共団体等とデジタル企業との連携体制のイメージ 出典:第64回情報通信政策部会 資料64-1-3 「ひろしまサンドボックス」 、資料64-1-4「民間企業の技術を活用 した地域課題解決について」より事務局作成 ② 対応の方向性 企業や大学等と地方公共団体等との連携を促進するに当たっては、国が支援などを通じ て把握した地域課題ニーズと、研究開発機関の有する技術、スタートアップ支援・実証事 業を通じて得られた地域課題解決に資する技術シーズや実装・普及につながった有効なソ リューションを、効果的なマッチングにつなげる必要がある4。 また、地域をフィールドとした実証や実装に際して必要となる地方公共団体や地域の関 係者の協力を得られるよう、地方公共団体等とデジタル技術を活用する企業との連携体制 の構築を支援するべきである。 さらに、地域課題を起点としたマーケット・インの観点から、実証を行おうとする企業・ 団体に対して、①地域課題ニーズの広がりや②地域の費用対効果等を踏まえた事業計画を 作成できるよう、希望する企業・団体に対し、意義や事業化の可能性等も踏まえ支援する ことが必要である。 この際、ソリューションの内容に応じて、セキュリティバイデザイン等、実装に際して 必要となると見込まれる要素が適切に取り組まれるようにすることも重要である。 また、将来的な海外展開を視野に入れた案件については、必要となるコンソーシアム構 築などに向け、計画策定の段階からより強力に支援すべきである。 (2)AIの徹底活用を核としたデジタル技術活用の強化 ① 課題 地域企業にとって、都市部のAI等のベンダー活用は費用面を含めハードルが高いため、 地域企業自身がAI等のデジタル技術を活用しつつ、地域の課題解決に貢献することが望ま しいが、AIは地方と都市部との格差是正に有効な手段にも関わらず、現状では、地方ほど AI等のデジタル人材が不足しており、AI等の活用も進んでいないことが懸念される。 地方公共団体とスタートアップや地場企業とマッチングに際しては、地方公共団体側が課 題と予算を併せて示すことで、スタートアップや地域企業に対して、事業化の見通しの判断 材料を提供することが有効であるとの指摘があった。 4 14 また、高等専門学校(高専)などにおいてスタートアップに向けてアントレプレナーシ ップ教育に必要な設備整備などは行われているが、指導体制が追い付いておらず、全国的 なメンターによるサポート体制が必要と考えられる。 さらに、新たな技術導入ではスタートアップの役割が拡大している一方、地方公共団体 や地域企業にとって、特に実績が乏しいスタートアップには不安が伴い、導入が進みにく い面があり、サービスの社会実装に向けたハードルとなり得る。 図表2-5:実証事業におけるスタートアップ等との連携体制 出典:令和4年度 ローカル5G開発実証 成果報告書、令和5年度 地域デジタル基盤活用推進事業 成果報告 書、令和6年度 地域デジタル基盤活用推進事業 成果報告書より事務局作成 特にスタートアップについては、各省庁や地方公共団体などが提供する支援施策の情報 が届きにくいという課題がある。 ② 対応の方向性 現在、教育機関を中心に、AI等デジタル人材やAI等の導入・活用に必要な基礎的知識を 有する人材の育成プログラムが地方公共団体や企業などに対して提供されている5。このよ うに教育機関を中心に育成されるAI等デジタル人材について、地方公共団体やスタートア ップを含む地域企業で活躍し、地域課題解決に貢献できるようにするとともに、都市部に 偏在するAI等デジタル人材も、テレワーク等による副業等も含め地域での活用も推進すべ きである。地方公共団体については、自治大学校等により職員向けに提供される各種研修6 において、AI等デジタル技術に関する基本的知識を習得できるようにしていくことも重要 である。 また、地域企業や地方公共団体が、デジタル技術を活用した地域課題解決に取り組むス タートアップを支援しつつ、生成AI等のAIを徹底的に活用し、地域に経済効果が還元され るエコシステムを構築する必要がある。このため、スタートアップを育成する観点から、 高専・大学等発を含む地域発のスタートアップへのメンタリングや法務・知財・財務など 東京大学の松尾研究室では、①基礎研究②講義③共同研究④インキュベーションの4つの 活動を通して、社会への貢献を図っている。ここではグローバル消費インテリジェンス寄付 講座(GCI)が全てのスタート地点となっている。GCI 受講後には、応用講座を通じた「知 識強化」や、企業との共同研究のインターンを通じた「実践強化」の場が用意されており、 これらの活動を通じて AI 人材や起業家を育成している。また、北海道大学では、地域にお ける「人材全体のデジタルスキルレベルの底上げ」と「デジタル中核人材の育成」を目指し て、デジタルリスキリングプログラム(DREP)に取り組んでいる。DREP では4ステージ・ 5コースの研修メニューを用意し、Stage1 から Stage3 を受講することで、「デジタル」に 関して体系的に学ぶことができ、また Stage4では企業等の課題解決をサポートする取組が 行われている。 6 地方公共団体職員に対するデジタル分野の研修等の一部として、自治大学校においてデジ タル人材の確保・育成に向けた研修等として、AI 等に関する講義や、地方公共団体情報シ ステム機構(J-LIS)において AI 等の研修が提供されているほか、総務省と全国地域情報化 推進協会(APPLIC)の共催により、AI や RPA 等の実践学習も行われている。 5 15 の面でのアドバイス等を通じた、国内外市場も見据えた事業展開に向けた支援とともに、 地域企業や地方公共団体が具体的な導入実績に基づき採否を判断できるよう、実績形成を 支援するべきである。 さらに、行政、インフラ、医療等の産業など、各分野に特化したAIモデルが必要となる。 この際、地域での自律的な地域課題解決を促すため、各分野に必要なデータを集積しつつ、 AIモデルを開発し、徹底的に活用していく必要がある。この際、著作権やプライバシーな どの観点など、AI開発・利用に関する各種ガイドライン等7を参照しながら開発を推進する とともに、そうしたプロセスを経て開発されたものを明らかにすること等により活用に際 しての様々な懸念を払拭していくことが重要8である。 加えて、地域の中小企業などにおけるAI等の活用についても、上述した教育機関により 提供されている人材育成プログラムの活用等により、まずは生成AIなどを実際に使うよう に促すとともに、地域課題解決の観点から、具体的なAI等の導入事例や活用可能な補助金 の紹介、地域課題と技術シーズのマッチング支援等に取り組んでいくべきである。 特に、スタートアップが利用可能な支援情報にアクセスできるよう、政府全体のスター トアップ支援の取組などを通じた情報発信等にも取り組むべきである。特に資金面では、 日本政策金融公庫をはじめとした融資制度や、ディープテック・スタートアップ支援事業 向けの補助金・助成金等の支援策の効果的な活用を推進するべきである。 (3)実装・事業化・普及に向けた大幅な支援強化 ① 課題 総務省における地域課題を解決するソリューションの実証採択に当たっては、過去の事 業の取組も踏まえ、事業に参加する地方公共団体の状況を考慮しつつ、事業の効果を高め るため、課題の明確化・事業主体内での合意、ソリューションの妥当性のほか、参加する 地方公共団体の意欲、投入リソース等を踏まえた審査要件とされている。 図表2-6:地域社会DXの成功・課題要因分析 7 「AI 事業者ガイドライン第 1.1 版」 (総務省・経済産業省)、「行政の進化と革新のための 生成 AI の調達・利活用に係るガイドライン」(デジタル庁)、「AI と著作権について」(文化 庁)、「生成 AI サービスの利用に関する注意喚起等について」(個人情報保護委員会)、「AI・ データの利用に関する契約ガイドライン」 (経済産業省)、 「農業分野における AI・データに 関する契約ガイドライン」 (農林水産省)、 「医療デジタルデータの AI 研究開発等への利活用 に係るガイドライン」 (厚生労働省)等 8 「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和 7 年法律第 53 号)第3条 第4項では、基本理念として「人工知能関連技術の研究開発及び活用は、不正な目的又は不適 切な方法で行われた場合には、犯罪への利用、個人情報の漏えい、著作権の侵害その他の国民 生活の平穏及び国民の権利利益が害される事態を助長するおそれがあることに鑑み、その適正 な実施を図るため、人工知能関連技術の研究開発及び活用の過程の透明性の確保その他の必要 な施策が講じられなければならない。」と規定されている。 16 しかしながら、デジタル技術を用いた地域課題解決について、実証を行っても実装・事 業化・普及に至らない事例には、無線の遅延等の解消や画像認識モデルの精度向上などの 技術面の課題から実証による効果が期待どおりでなかった場合のほか、提供費用と需要と のバランスがとれていないなどの運営面に関する課題や導入先の判断基準が明確でないと いった課題が見られる。 図表2-7:地域社会DXの成功・課題要因分析 出典:令和6年度 地域デジタル基盤活用推進事業 成果報告書より事務局作成 このうち、AIなどを用いたインフラ点検、養殖、自動運転等では、多数の関係者からの データ収集や自然環境下等でのデータ収集とそれを用いた開発を行うため、サービス提供 まで長期間を要する傾向があり、 実装に至るため複数年度の実証が必要な事例が見られる。 図表2-8:複数年継続した実証が必要な事業例 17 出典:事業者ヒアリング、令和7年度実証計画書などより事務局作成 また、通信等の面的なインフラ整備を要する事業では、整備の費用負担が重くなるため、 関係省庁の所管する農業や防災など多用途での有効活用を図るとともに、実装に向けた補 助による支援が必要である。加えて、実証フィールドにおける通信のインフラ整備も支援 の対象とすることで、実証を促進し、実装につなげることが可能となる。この際、既に地 方公共団体により整備された光ファイバについては、人口減少等が進展する中で、サービ ス提供の継続が困難となる事態等が懸念される。 実証後の実装・事業化・普及において、ソリューションが関係者に認知されるためには、 国などによる関係機関・団体への働き掛け等が有効である。また、ソリューションの海外 展開においては、国内の普及とは異なる体制構築や資金面での困難があり、円滑な海外展 開の課題となっている。 ② 対応の方向性 地域課題を解決するソリューションが、実証から実装・事業化・普及、更には海外展開 へとつながるよう、実証中又は実証から実装に移行しようとする企業・団体に対して、① 地域の利用者の経済力に応じた適切な価格設定、②全国・海外展開を視野に入れた汎用性 のあるサービス設計などを含む事業計画についても、実証過程・結果を踏まえつつ、状況 に応じた当初計画からの変更を含むアジャイルな伴走支援することで、実装・事業化・普 及を推進することが必要である。 特に、AIなどを用いた地域課題解決に際し、データ収集等を必要とする場合には、進捗 状況等に関する中間的なレビューの仕組みも設けつつ、最終的に実装可能とすることを目 的に何をどこまで取り組むかを明確にさせた上で、複数年度にわたりデータ収集・開発を 可能とする実証枠組みを設けるべきである。 また、地域課題解決に際し、費用負担が大きい通信等の大規模なインフラ整備について は、多用途での有効活用を確保しつつ補助の対象にするとともに、実証を促す観点から実 証フィールドのための整備についても支援対象とすべきである。 加えて、通信インフラの多用途での有効活用を実現し、ソリューションの円滑な普及に つながるようにするため、地方公共団体や企業等が連携して行う通信インフラを活用した 18 スマート農業やスマート防災等の地域課題解決プロジェクトを関係省庁と連携して支援す べきである。 この際、通信インフラについては、未整備地域の解消については、引き続き、条件不利 地域における整備促進によって地域間の整備状況の格差縮小を図るとともに、既に地方公 共団体により光ファイバが整備されている地域については、地方公共団体の要望を踏まえ、 公設設備の民間移行を希望する地方公共団体が早期かつ円滑に移行できるよう支援する必 要がある。 更に、優れたソリューションについては、実証後における普及支援として、単なる情報 発信にとどまらず課題とソリューションのパッケージ(モデル)化等を行うとともに、関 係省庁や都道府県とも連携して、普及や海外展開に取り組み、必要に応じて関係機関・団 体への働き掛けにも取り組むべきである。 (4)地域課題解決のための新たなデジタルインフラ活用の推進 ① 課題 NTNの活用により通信サービスの利用可能な地域が拡大し、今後、APNによる距離にとら われない高速通信、更には日本の文化・習慣などを学習させたLLMなどの新たなデジタルイ ンフラの整備が見込まれている。 また、AI利用の急増に伴うデータセンターを、化石燃料に頼らない電源とともに分散立 地を推進することや、電力消費を抑制する光電融合技術など、GXにも貢献する開発と併せ、 高速大容量・低遅延・低消費電力なデジタルインフラの構築に取り組むことは、経済安全 保障や産業立地の面からも極めて重要になる。 総務省は、本年6月に、デジタルインフラ整備計画2030を策定し、これらの新たな デジタルインフラの整備を推進していくこととしているところ、地域課題解決の更なる推 進のためには、そうしたインフラを活用していくという視点も重要になる。 図表2-9:デジタルインフラ整備計画2030(概要) ② 対応の方向性 NTNやAPN、日本での活用に適したLLM、地域の通信環境と一体となったエッジAI、データ 19 センター等について、経済安全保障の観点からも、国として開発や整備を推進していくこ とが必要である。 その上で、今後のNTNやAPNなどの新たなデジタルインフラを活用した地域課題解決に資 するソリューションの創出・実装に取り組むことも求められる。 20 参考資料集 21 22 23 令和7年 2月 9日 情報通信審議会総会 2月13日 情報通信政策 3月2 日 情報通信政策 会 リン 4月17日 情報通信政策 会 リン 5月22日 情報通信政策 会 (案) 月1 日 情報通信政策 会 答申(案) 月13日 7月12日 7月29日 情報通信政策 会 審議 ・ リン 集 会 答申(案)に対 24 及 の考 方(案) の 25 26 27 28 29 30 ( 支出 31 ( ) ) 出 32 政 情報 推進 「 動向 (データ集)」を基に総務省 出 出 33 政 政 情報 情報 推進 推進 「 「 動向 動向 (データ集)」を基に総務省 (データ集)」を基に総務省 34 出 事 大 会議第9 の 大 の は 基 イン ュ ーションの4 の活動を通し い 「資料 ・起業支援 共 社会への を っ ー ル イン リジ ン ( ) の ター ト地点となっ い 後には 応用 を通じた「 強 化」 企業との共 のインターンを通じた「実 強化」の 用 り らの活動を通じ 起業 を し い 事 大 デジタルリ 大 は 地域に け 「 ルの底上 」と「デジタル 核 の リン ラ ( )に り と は ージ・ を に き リン ラ ) 体のデジタル ル 」を目 し デジタルリ い ー の ューを用 し と 「デジタル」に し 体系 から に 35 資料(進化 日本 の の 活用)」を基に総務省 36 37 38 39 地域 40 活用の 進等 41 フ ー フ ー の支援 から本 に起業 し は ルー ない タート ッ な を支援 支援 大 事業化を目 は起業し の 事業の 業化 事業 り ッ 年 支援 大を目 し 技術の事 の ラッシュ ッ 等に ルー は タート の を支援 大 年 支援 の 支援を い タート ッ の に 起業 実用化への 実用化に 事務 な支援 起業 に 強会 ッ マッ ン イ ントの のフ ー 展 会への出展支援 42 上 を支援・ 進 フ ー 等 の技術シー 地域 技術な 地域課題解決 タート ッ に い 地域課題解決に り 地域課題解決に資 技術シー の ネットワーク ーンに 実装に進 い 技術シー 在 基地 に を に のルート し に のルート に り 通信を マル ッ 技術を用いた ネットワー クと リケーション の か の地域課題解決・社会実装に向けた とし データ 活用等のデジタル化の推進に 現在の 社会課題・地域課題の解決に な 新たな に 実 証 の を実 事業 体 イ 対 地域 地 対 割合 事業 体 第3 クター 社団 な地域( 地 地 ( 備を )等 に 備 ( 体の ( )( の の ( 事業 )( 事業 地 ) 体 1 5 ( 情報通信インフラ整備 )( 1 体 2 事業 )( の 合) 3 ク・ ) 1 5 )( 3 ク・ ) 1 4 3 4 イ ージ 新 整備に 本事業に け 令和2年 からは 事業の事業 通信事業 体に 公 通信事業 備の を を 43 け 対応等の ッケージ の の 地域 ( 化 の 4 5 の の ) 2 は 活に大きな支 出 に き ため い し な い の課題を解決 ため ・ マ リ 「 」の ・ から 令和 年 令和 年 地域 )( 1 等 (第3 クター・ ) を活用し 在 き 活用 日本の き は ( 総 の 割 上( 点))に し り 今後 き は の 化 の のリ ク に な の課題を解決 ため き と 用 を な マッ ン ラットフ ー を 用 合) 4 5 の い 事 ッ トン 「 」には 日 ン ル い 用 ない 合 に り に集 きないとい の課題 の課題を解決 ため ネット ー 「 か 」の ・ ーンに 技術 の ( と ) を り 大 ッ の 通信を用いた か を 証した通信技術( マン ッ ー技 術)に ン オー ー 通し 通信 動 タート ッ 化を 新を 合 44 45

資料3

資料 54-1-3 情 通 審 第 ※ 号 令 和 7 年 9 月 1 1日 総 務 大 臣 村 上 誠 一 郎 殿 情報通信審議会 会 長 答 申 遠 藤 信 博 書 令和7年2月3日付け諮問第29号「地域社会DXの推進に向けた情 報通信政策の在り方」について、審議の結果、別添のとおり答申する。

資料4

資料54-2-1 「社会環境の変化に対応した電波有効利用の 推進の在り方」のうち 「電波の利用環境の在り方」 一部答申(案)概要 令和7年9月11日 情報通信審議会 検討の背景 1 (1)社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方 〇我が国は、 人口減少・少子高齢化に直面 ●生産年齢人口が減少する中で持続的な経済成長を実現するため、 生産性の向上に取り組むことが喫緊の課題 〇電波を使ったシステムやサービスは、 国民生活や経済活動に深く浸透 ●国民生活を便利で安全・安心なものにするとともに、 経済成長の源泉となる可能性 国が取り組むべき電波の有効利用の推進の在り方について包括的に検討することが必要(R7.2.3諮問) (2)電波環境分野における利用環境の変化と優先課題 〇電波環境分野では、近年、主に以下のような電波の利用環境の変化が顕在化 ●B5G(6G)を見据えた更なる高周波数帯の利用拡大、 デバイスの進化など新技術の進展 ・ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)では 今後国際的 に取り組むべき高周波研究課題を公表 WHO(世界保健機関)でも、近々、高周波電磁界のばく露に 関する健康リスク評価書を改定の見込み ・過去、5Gの導入・普及の際には、他国において不正確な情報( いわゆるデマ情報)等が流れ、基地局への放火や破壊活動が発生 する等の社会問題も発生 ・2030年代頃を見据え、B5G(6G)の円滑な導入に向けて 電波の安心・安全な利用の観点から検討が必要 ①電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方 ②電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方 ●モバイル機器の増加や無人ロボットの導入等、 高周波利用設備を含む無線機器の利用形態の変化 ●EV(電気自動車)やAGV(無人搬送車)を始めとした 無線による非接触給電ニーズやユースケースの増加 ・近年、国内外でEV化等が進む中で、WPTのような新たな無線技 術のニーズ等が生まれてきており、その普及に向けた高周波利用設 備制度の在り方や進め方について、機会を逸することのないよう、早 急な検討の必要性の高まり ③WPTに関する制度運用の在り方 ☞3つの優先課題をR7夏頃までを目途に検討・答申 検討課題①:電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方 2 (1)電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方 ●総務省の研究成果は、これまでもICNIRPガイドライン改定等に積極的に活用され、電波防護指針もそれと整合的に運用 今後もそれに貢献するとともに、国内の電波の安全性の基準を他国の研究結果によらずに検証するため、引き続き、我が国で主体 的に研究を推進していくことが適当 ●総務省が2018年に策定した研究ロードマップは、策定後約7年が経過しており(特に2025年以降のリスク評価のロードマップが 未確立であるほか)B5G(6G)に向けた電波利用の高度化やICNIRP等の国際機関の動きを踏まえ、見直すことが適当 【今回の見直しのポイント】 リスク評価 ①主にICNIRPの検討内容を参照している熱作用・刺激作用といった「科学的に確立した作用」については、 同機関において具体的な研究課題が公表されていることから、今回の見直しでそれを踏まえ検討 他方、主にWHOの検討内容を参照している発がん性等といった必ずしも「科学的に確立していない作用」については、 近々、同機関の環境保健クライテリアの改定が予定されており、今回は見直さず同クライテリアの改定後に改めて検討 リスク管理 ②特に2025年以降の研究課題が未確立であったことから、上述のICNIRP等の国際機関の最近の動きを踏まえ、 単に人体表面の体温の上昇値のみを考慮するだけでなく、より正確な電波の安全性の指針値を得るため、 以下の3つの研究課題を追加(※各周波数帯の特性に応じて実施) 「痛覚閾値に関する研究」、「深部体温上昇と健康への影響に関する研究」、「眼球の損傷と機能に関する研究」 ③また、非常に高い周波数であること等から困難性が高く時間がかかり、かつ、今後需要が見込まれる「熱作用の反応閾値」の研究 を一部前倒し ④今後のより高い周波数帯での利用の拡大を見据え、以下のとおり見直し ・現在10GHzが上限となっている「吸収電力密度の測定法」のより高い周波数帯の研究を追加 ・現在300GHzが上限となっている電波防護指針のより高い周波数帯を研究するため、「テラヘルツ波ばく露量標準の確立」 を前倒し ⑤手間の多いばく露評価手法の省力化のため、IEC等の国際的な動きに合わせ、「AI等を活用した適合性評価方法」に取り組む リスクコミュニケーション ⑥国民の関心に応じ対象無線システムを必要に応じ検討するとともに、2030年代頃にB5G (6G)を追加 (2)今後の研究の進め方等 ●総務省は、研究を適正に実施・運用するため、具体的な研究の実施に当たりその時点で内容・期間について精査し、より幅広い者 の研究への参入を促し、ロードマップも適時に見直しを行うことが重要 ●さらに、今後も我が国において当分野の研究を適切に実施できるよう、大学、研究機関や企業等を含めた、研究者の育成を促すエ コシステム等の構築に向けた努力が重要 総括ロードマップ(修正案) 2030年 ①緑色の「科学的に確立されていない 主な「追加」「前倒し」は、太字・赤文字の部分 2025年 中間周波 疫学 がんを含む疾病との関連についての症例対照研究 ヒト 「刺激作用」 ガイドライン確定前に、 指針値の見直しの検討 状況等を発信 接触電流に関する痛覚閾値の研究 2040年 ICNIRP 高周波ガイドライン 改定の見込み (2030年代後半目途) 工学 高周波 リスク評価 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 ヒト ②ICNIRPの「今後必要 となる研究課題」から周 動物 波数帯に応じた研究を 「追加」 疫学 超高周波 ヒト :科学的に確立されていない作用 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 動物 細胞 作用」は変更せず、WHOの「環境保 健クライテリア」改定後に検討 3 :科学的に確立されている作用 接触電流や熱作用に関する痛覚閾値の研究 深部体温上昇と健康への影響 眼球の損傷と機能に関する研究 「熱作用」 ビッグデータ等を利活用した、 がんに関する症例対照研究 テラヘルツ波電波ばく露の熱作用に関する研究 高周波と超高周波の複合的な電波ばく露の生理応答に関する研究 深部体温上昇と健康への影響 眼球の損傷と機能に関する研究 動物 細胞 中間周波 超高周波 指針値 全周波数 リスク管理 指針値 指針値 適合性 適合性 適合性 リスクコミュニケーション 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 今後利用される可能性のある電波利用技術(~3THz)の 熱作用の反応閾値に関する研究 今後利用される可能性のある電波利用技術 (~500GHz程度)の熱作用の反応閾値に関する研究 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 ③B5G(6G)等での高周波帯の利用を見据え、 既存研究の一部を「前倒し」 ④今後のより高い周波数帯での利用を見据え、吸収電力密 度の対象の拡張の「追加」や、既存研究の一部「前倒し」 基本制限(体内誘導電界)の直接測定に基づく適合性評価方法の開発と標準化 安全指針値の拡張(上限周波数をテラヘルツ波に拡張) 吸収電力密度の測定法の対象周波数の拡張 テラヘルツ波ばく露量標準の確立【適合性評価法の一部を前倒し実施】 安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評価 テラヘルツ波利用システムの適合性評価方法の開発と標準化 各周波数にあった ものを「再整理」 ⑤作業の煩雑な適合性評価についてIEC等の動き を踏まえ、AI等の活用の観点について「再整理」 AI等を活用した適合性評価方法の開発・改良と標準化 電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用 ⑥B5G(6G)の観点から「追加」 B5G (6G)のデータ取得・蓄積・活用を追加 検討課題②:電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方 4 (1)現状と今後の課題等 〇過去の5Gの導入・普及の際には、 他国において、 デマ情報等に基づく社会問題が発生 〇我が国でも、 総務省の窓口に5Gの安全性に関する 多くの問合せ • ●これまでも、総務省・携帯電話会社・研究機関等では、 電波の安全性に関する情報発信・啓発の取組を実施 ●また、電力線からの低周波電磁界の影響などについて 電磁界情報センターでも情報発信・啓発を実施しており、 (説明会等で)総務省とも連携 ●国内外において、リスクコミュニケーションの取組を実施 総務省研究でもリスクコミュニケーションの研究を実施 今後、2030年代が想定される将来のB5G(6G)の導入・普及に向けて、 安心して利用できるよう情報発信・啓発を適切に進めていく必要。 (過去の例や国民の関心からも、特に携帯電話に関する情報が重要。) • ただし、単に安全性を強調して発信・周知しても逆に不安を感じる者も出て来るおそれもあることから、 科学的に確立している根拠・情報をしっかり踏まえながら、適切な内容や手段を用いた情報発信に留意すべき。 (2)今後の取組みの方向性 • B5G(6G)の導入・普及の本格化に向け、総務省や携帯電話会社、研究機関等において、まずは情報共有の 枠組み(連絡会等)を設け、最新情報や各組織での知見の共有等を図ることを検討するべき • 中立的な組織が十分な対応能力を持てるようにしつつ、 それぞれの組織で、これまでの情報発信の内容や方法を、より正確で、より良いものにするよう努力していくべき • その際、動画等の効果的な発信方法やサイエンスコミュニケーターの知見の活用も、可能な範囲で検討するべき • 総務省の研究で実施しているこれまでのリスクコミュニケーションの研究における知見を整理し、 共有して活用することで、対外発信をより効果的なものにするべき 検討課題③: 近接結合型WPTの制度運用の在り方 5 (1)現状と課題・対応策 ●近年、EVの需要増加や製造や物流の自動化でAGV等の普及が進む中、効率的に給電できるWPTへの期待が増 ●他方、総務省ではこれまで世界に先駆けて近接結合型WPTの制度化をしたものの、必ずしも普及につながっていない状況 【現状】 【課題】 〇型式化の検討を行うシステムの 優先順位や調整の在り方が明確でない ●型式化までの見込みが立てにくく 事業化するタイミングを逸失 型式化の検討 の考え方を整理 【対応策1】国際規格を活用した型式の指定化 ☞ CISPR規格を国内答申した際は、対象となっているWPTについては速やかに 型式指定化の検討を実施 【対応策2】普及実績に基づいた国内独自の 型式の指定化 ☞ 国内独自のWPTの制度化検討は、関連業界等の取組による十分な普及 〇利用環境が非常に多様で、共用検討や ●ワイヤレス電力伝送作業班の の実績又は民間規格の策定等の一定程度確実な普及の見込みがある場合に 検討に1.5年~3.5年程度が必要 開始 人体への影響等検討事項が非常に多い ☞ 無線通信等との共用検討や電波防護指針への適合等の検討は、作業班の ●国際規格との不整合を 開始前に関係者間で事前に十分な検討を行った上で作業班での議論を開始 〇国際規格や民間規格の策定状況 ☞ 同じユースケースでの複数の型式の指定は国内規格の混乱を招くことから、 生じる可能性 が不十分 関連業界において送受電装置の相互運用性の確保を含む方式の整理が重要 ●型式の制度化後も普及が進まない 〇システムの普及や見込みを待たずに 【対応策3】個別許可の制度の周知 型式の制度化の検討を開始 ☞ 個別許可制度の周知を行い、普及の初期段階における活用を推進 【対応策1】国際規格を活用した型式の指定化 (現状) ●型式化すべきシステムの 調整に手間と時間 ●型式化の検討に長期間 (1.5~3.5年)必要 ●型式後も普及が進まない ワイヤレス電力伝送作業班での検討 (最短6か月程度) 国際規格を活用することで検討項目を減らし、型式指定を迅速化 国際規格の国内答申 新規の WPT案 【対応策2】普及実績に基づいた国内独自の型式の指定化 ワイヤレス電力伝送作業班での検討 事前の検討 (最短6か月程度) 製品の普及 個別許可で普及実績を積んだシステムにつき、事前検討を行い、迅速に型式指定に向けて検討 (2)制度運用の見直しによる効果等 型式指定 WPTシステム の普及促進 【対応策3】個別許可の制度の周知 ●ワイヤレス電力伝送作業班における検討を最短で6か月程度まで迅速化し、制度化のタイミングを明確化することでメーカの事業化の見通しを 良くすることにより、近接結合型WPTの普及を促進 ●関連業界の積極的な国際規格策定への参画により、国内市場のみならず海外市場への進出を視野に入れた我が国の関連業界の国際展開に 寄与することを期待 総務省と関係業界が協調して適時・適切かつ円滑に制度化を実施し、近接結合型WPTの普及や諸外国への展開の促進を期待

資料5

資料 54-2-2 「社会環境の変化に対応した電波有効利用の 推進の在り方」のうち 「電波の利用環境の在り方」 一部答申(案) 令和7年2月3日付け 諮問第30号 令和7年9月11日 情報通信審議会 情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 報告 目次 第1章 検討の背景 ...................................................... 3 1.1 社会環境の変化を踏まえた電波有効利用の在り方 ...................... 3 1.2 電波環境分野における環境の変化 .................................... 4 1.3 電波環境分野において優先的に取り組むべき政策課題 .................. 4 第2章 電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方 ...................... 8 2.1 検討の経緯 ........................................................ 8 2.2 ロードマップ見直しにおける枠組みの考え方 .......................... 8 2.2.1 見直しの方向性について .......................................... 8 2.2.2 ロードマップの構成について ...................................... 9 2.3 ロードマップ見直しにおける期間についての考え方 ................... 11 2.4 ロードマップ見直しにおける評価の観点ごとの基本的な考え方 ......... 11 2.4.1 リスク評価の観点 ............................................... 11 2.4.2 リスク管理の観点 ............................................... 12 2.4.3 リスクコミュニケーションの観点 ................................. 12 2.5 個別の研究についての検討 ......................................... 12 2.5.1 リスク評価の観点 ............................................... 12 2.5.2 リスク管理の観点 ............................................... 16 2.5.3 リスクコミュニケーションの観点 ................................. 19 2.6 ロードマップの見直しについて ..................................... 20 2.7 今後の研究の実施に当たっての考慮事項について ..................... 21 第3章 電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方 ................... 22 3.1 これまでの経緯・現状の整理 ....................................... 22 3.2 課題と留意点 ..................................................... 24 3.3 今後の取組の方向性 ............................................... 25 第4章 近接結合型 WPT(ワイヤレス電力伝送)に関する制度運用の在り方 .... 26 4.1 社会環境の変化と WPT の動向 ....................................... 26 4.2 近接結合型 WPT の国内制度について ................................. 29 4.3 CISPR における近接結合型 WPT の検討状況について .................... 29 4.4 近接結合型 WPT に関する制度運用上の課題 ........................... 30 4.5 制度化に関する課題とその対応策 ................................... 31 4.5.1 【対応策1】国際規格を活用した型式指定の制度化 ................. 31 - 1 - 4.5.2 【対応策2】普及実績に基づいた国内独自の型式の指定化 ........... 32 4.5.3 【対応策3】個別許可の制度の周知 ............................... 32 4.6 制度運用の見直しにより期待される効果 ............................. 33 第5章 今後について ................................................... 34 参考資料 1.電波の安全性に関する研究のロードマップ 2.諮問書 3.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 構成員名簿 4.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 電波環境分野の在り方検討作業班 構成員名簿 5.開催経緯 - 2 - 第1章 検討の背景 1.1 社会環境の変化を踏まえた電波有効利用の在り方 我が国は、他の主要先進国に先駆けて人口減少・少子高齢化に直面しており、生産 年齢人口が減少する中にあっても持続的な経済成長を実現するための生産性の向上に 取り組むことが喫緊の課題である。また、2024 年の能登半島地震などの大規模な災害 が頻発する中、災害に強い強靱な社会システムを構築することも大きな課題である。 携帯電話に代表されるように、電波を使ったシステムやサービスは、すでに国民生 活や経済活動に深く浸透しているが、自動運転やスマート農業、遠隔医療など、電波 のより一層の活用を徹底して進めることで、平時・災害時を問わず、国民生活を便利 で安全・安心なものにするとともに、地域の課題解決や新たな市場の創出を通じた経 済成長の源泉となる可能性を持っている。 他方で、電波は有限の資源であり、電波の活用の進展に伴い電波資源はひっ迫する ため、電波の利用状況やニーズ、電波に関する最新の技術トレンドを踏まえて、周波 数の割当てや周波数の移行・再編・共用を適正かつ効率的に実施するなど、電波法(昭 和 25 年法律第 131 号)の目的である電波の公平かつ能率的な利用を確保することが ますます重要となる。 このため、社会環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、電波の公平かつ能率的な利用 を通じて国民生活の利便性向上、地域の課題解決及び持続的経済成長を実現するため、 国が取り組むべき電波の有効利用の推進の在り方について包括的に検討することが必 要であるとの理由から、2025 年2月3日に、総務大臣から情報通信審議会に対し、電 波の利用環境の在り方も含めた「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在 り方」(諮問第 30 号)について諮問された。 図 1 我が国の電波利用の進展(国内の無線局数の推移) - 3 - 1.2 電波環境分野における環境の変化 電波の有効利用の推進に関して、総務省電波環境課の所掌分野である電波環境分野 では、これまで主に次のような取組を実施している。 ① 生体電磁環境対策の推進(電波の安全性等に関する研究、調査や情報発信等) ② 電子機器からの不要電波による障害の防止の推進(高周波利用設備の制度運用、 国際無線障害特別委員会(以下「CISPR」という。 )での国際標準化等) ③ 近接結合型ワイヤレス電力伝送(以下「WPT」という。 )の規律・推進(技術的条 件の検討等) ④ 無線設備等の測定方法・測定技術の高度化(試験方法の策定等) これら電波環境分野に関連して、近年の社会環境の変化を踏まえた電波の利用環境 の変化が見られる。 具体的には、Beyond 5G 1(以下「B5G」という。)(6G)を見据え、世界無線会議にお いて、携帯電話向けに新たに 7025~7125MHz、24.25~27.5GHz、37~43.5GHz、47.2~ 48.2GHz、66~71GHz が特定される等、更なる高周波数帯の利用拡大に向けた動きが進 んでいる。これに併せ、国内・海外問わず、デバイスの進化や新技術の進展にも取り 組まれているところである。 また、携帯電話等のモバイル機器の増加のみならず、ドローンの普及や倉庫・工場 における無人ロボットの導入等、高周波利用設備を含む多数の無線機器等がより近接 して利用される形態の増加が見られる。加えて、電気自動車(以下「EV」という。 )や 無人搬送車(以下「AGV」という。)等を始めとした無線による非接触給電ニーズやユ ースケースが増加しているところである。 社会環境の変化を踏まえた電波の利用環境の在り方を検討する際には、このような 電波環境分野における近年の大きな動きを踏まえることが重要な視点である。 1.3 電波環境分野において優先的に取り組むべき政策課題 ①電波の安全性の観点 上述のとおり、B5G (6G)といった電波利用の高度化に向けて、国内外で新たな周波 数帯の使用の検討が進行しているところ、電波利用の高度化を進めるためには、電波 を利用する技術や他の無線システムとの共用検討だけでなく、電波の安全性について も十分に考慮する必要がある。 電波の安全性の研究については、国際的にも大きな動きがある状況であり、具体的 には、国際非電離放射線防護委員会(以下「ICNIRP」という。 )が、2020 年に「高周波 1 5G の次の世代の情報通信インフラ - 4 - ガイドライン」2及び「今後国際的に取り組むべき低周波研究課題」3を公表し、さらに 2025 年には「今後国際的に取り組むべき高周波研究課題」 4を公表した。 表 1 ICNIRP が策定した今後国際的に取り組むべき高周波研究課題(今後研究が必要な データギャップ)の概要 (電波環境分野の在り方検討作業班第2回資料から抜粋・一部編集) 課題 無線周波加熱における 痛覚閾値 深部体温上昇と 健康影響 概要 無線周波による温度上昇速度が痛覚閾値に与える影響及 びばく露の空間的広がりや持続時間が痛覚閾値に及ぼす 影響を明らかにすることを目的とする研究。 100 kHz から 300 GHz にわたる無線周波電磁界による全 身加熱の関係をより詳細に特性評価するための更なる研 究を推奨。 形態学的に人と類似した動物モデルを用いた研究を推 眼の損傷と機能 奨。ヒト眼球における温度上昇の計算による電波ばく露 量評価研究の実施も推奨。 接触電流による 痛覚閾値 痛覚閾値に関しては、接地条件、接触面積及び体表の接触 部位の影響を明確にすることが必要。 また、世界保健機関(以下「WHO」という。 )においても、電磁界による健康影響及 び生物学的作用に関する世界各国の研究結果の系統的レビューの作業が進められおり、 近々、高周波電磁界へのばく露に関する健康リスク評価書の「環境保健クライテリア (EHC) 」 5の改定が行われる見込みとなっている。 図 2 WHO の環境保健クライテリア (電波環境分野の在り方検討作業班第2回資料から抜粋) 2 100kHz から 300GHz までのばく露の制限に関する ICNIRP のガイドライン 3 1Hz から 100kHz において、国際的に更なる研究が必要な分野をまとめた文書 4 100kHz から 300GHz において、国際的に更なる研究が必要な分野をまとめた文書 5 WHO が公表する化学物質等が人の健康に及ぼす影響を総合的に評価した基準で、電磁界の影響につい ても含まれる。 - 5 - 他方で、国際機関のみならず、個別の国においても電波の安全性に関する動きが見 られる。 例えば、イタリア等の国際ガイドラインよりも厳しい制限値を設定している国の一 部において、5G の展開を踏まえ、近年、電磁界ばく露の独自制限値の見直しが実施さ れている。 表 2 海外における 5G の展開を踏まえた独自制限値の見直し (電波環境分野の在り方検討作業班第1回資料を基に作成) 国・地域 ベルギー ブリュッセル 首都圏地域 ベルギー フランドル地域 電界強度(V/m)@900MHz (ICNIRPガイドライン:41V/m) 見直し前 見直し後 見直しの背景・経緯 2021年、ブリュッセル議会はブリュッセル首都圏地域における5G展 開に関する議論を行うため、抽選で選ばれた市民45名、議員15名か ら構成される市民参加型の審議会を開催。同審議会の議論の結果と して、5Gの展開を可能にするため、制限値を緩和することなどを含 む43の勧告をブリュッセル首都政府に対して行った。勧告に基づき、 2023年3月に制限値を定めた条例を改正。 6 14.57 全アンテナ累積 屋外、全アンテナ累積 9.19 屋内、全アンテナ累積 5Gの技術的進化に適応するため、2022年7月に制限値を定めた政 3 令を改正。周波数範囲や平均化時間は国際ガイドラインに整合させた。 単一アンテナあたり 20.6 全アンテナ累積 9.2 単一事業者のアンテナ累積 ベルギー ワロン地域 イタリア 5G展開の取組みの一環として、制限値の見直しを行う技術専門家グ 3 単一アンテナあたり ループ(連邦政府の通信規制当局、公共サービス科学研究所、ワロン 地域の自治体連合、デジタル庁、保健高等評議会が参加)を設置。同グ ループの勧告を受けて、2022年12月に制限値を定めた政令を改正。 18.4 5G展開により産業競争力を高めるため2024年4月に制限値を改定。 6 注意値、※24時間平均 あわせて、事業者による「電磁空間の囲い込み」を防ぐために、アンテ 6 ナの設置・拡張の許可手続きに新たな規定を導入。 15 全アンテナ累積 9.2 単一事業者のアンテナ累積 注意値、※24時間平均 15 品質目標 品質目標 ポーランド 2019年12月、国内のモバイルインターネットの普及を進めるため、 既存の制限値を定めた規則を置き換える規則を制定。 7 41 インド 2025年2月より、5Gの基地局に限り、電力密度の制限値を5倍引き 上げることを政府が決定、と報道された。 (電力密度: 1 W/m2) (電力密度: 5 W/m2) ②電波の安全性に関する啓発の観点 5G の導入・普及の際には、他国において 5G に関する不正確な情報(いわゆるデマ 情報)等が流れ、基地局への放火や破壊活動が発生する等、社会問題も発生した。 我が国でも、総務省の相談窓口に 5G の安全性に関する多くの問合せが寄せられた ところである。 ③WPT の利用の観点 他方で、近年、国内外で EV 化等が進む中、WPT のような新たな無線技術のニーズ等 が生まれてきており、その普及に向けた高周波利用設備制度の在り方や進め方につい て、機会を逸することのないよう、早急な検討の必要性が高まっている。 具体的には、後述するように、例えば EV の普及においては、高容量電池コストの低 減や給電設備を始めとしたインフラの整備といった課題もあるとされており、こうし た課題を解決する可能性のある技術として近接結合型 WPT に関心が寄せられている。 また、近接結合型 WPT は、工場や倉庫で使われるロボットが走行中であっても給電 - 6 - できることから、更なる生産性の向上に資する技術として注目される中、一部で導入 が始まっており、今後も需要の拡大が期待されている。 電界結合方式 磁界結合方式 6.7MHz帯一般用 電気自動車用(85kHz帯) ラップトップPC EV 図 3 400kHz帯一般用 搬送ロボット用(6.7MHz帯) (令和6年度制度改正) スマートフォンやタブレット AGV 近接結合型 WPT の例 上記の①~③の動きを踏まえ、①電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方、 ②電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方、③WPT に関する制度運用の在り 方について、優先的に検討を実施することが適当であると考えられる。 - 7 - 第2章 電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方 2.1 検討の経緯 総務省では、2018 年に「生体電磁環境に関する研究戦略検討会」 (座長:上野 照剛 東京大学名誉教授)が取りまとめた「生体電磁環境に関する研究戦略検討会第一次報 告書」内の電波の安全性に関する研究のロードマップ(以下「ロードマップ」という。 ) を基にして、その後の状況等も踏まえながら研究を実施している。 しかしながら、ロードマップの策定から約7年が経過し、特に 2025 年以降のリスク 評価に関する研究に関する研究課題が未確立であることや、B5G(6G)等に向けた電波 利用の高度化を背景とした社会環境の変化のほか、ICNIRP 等の国際的な組織等の動き を踏まえ、今後の電波の安全性に関する研究の在り方やロードマップについて見直す ことが適当と考えられる。 【参考】 2019年 2025年 現行版 2030年 EHC・ICNIRP(高周波・ 超高周波)への成果入力※ 2040年 中間周波 ※2040年以降も随時成果を入力 刺激作用の閾値の調査、接触電流の調査等について 実測とシミュレーション技術を用いた研究 ヒト 工学 高周波 リスク評価 細胞 EHC・ICNIRP(中間周波) への成果入力※ がんを含む疾病との関連についての症例対照研究 疫学 動物 総括ロードマップ 確立されていない作用の評価に必要な 研究方法の標準化 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 第1世代、第2世代携帯電話システム 利用者の晩発性疾病に関する研究 疫学 NTP研究の確認研究 動物 ビッグデータ等を利活用した、 がんに関する症例対照研究 疫学 超高周波 動物 超高周波の電波ばく露と温熱感覚・痛覚の 閾値に関する研究 実環境であり得る環境条件を考慮した電波に よる眼障害閾値に関する研究 細胞 確立されていない作用の評価に必要な 研究方法の標準化 ヒト 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 適合性 WPTの適合性評価方法の改良・標準化 指針値 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 適合性 マイクロ波WPTの適合性評価方法の開発と標準化 指針値 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 適合性 5G等の適合性評価方法の開発と標準化 リスクコミュニケーション 図 4 テラヘルツ波電波ばく露の熱作用に関する研究 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 安全指針値根拠(閾値(人体への 電波ばく露量))の不確かさ評価 今後利用される可能性のある電波利用技術(~ 3THz)の熱作用の反応閾値に関する研究 基本制限(体内誘導電界)の直接測定に基づく適合性評価方法の開発と標準化 安全指針値根拠(閾値(人体への 電波ばく露量))の不確かさ評価 IoT・ウェアラブルヘルスケアデバイスの適合性評価方法の開発と標準化 安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評価 安全指針値の拡張(上限周波数をテラヘルツ波に拡張) テラヘルツ波利用システムの 適合性評価方法の開発と標準化 電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用 全期間を通じて、 IEC 国際規格等に随時反映 超高周波 リスク管理 中間周波 高周波 指針値 高周波と超高周波の複合的な電波ばく露の 生理応答に関する研究 2018 年に策定した電波の安全性に関する研究のロードマップ 2.2 ロードマップ見直しにおける枠組みの考え方 2.2.1 見直しの方向性について 現行のロードマップは、2018 年当時において、国際機関における重点研究課題や国 内における今後の研究課題のニーズの整理等を踏まえて策定されたものであり、基本 的な方向性は現在においても通用するものであると考えられる。 - 8 - さらに、総務省ではこれまでも本ロードマップを基に研究を実施してきていること から、その継続性の観点からも、現行のロードマップをベースとして、策定時の考え 方等を再整理しつつ、その後の変化を踏まえ、研究内容の追加や前倒し等の検討を行 うことが適当と考えられる。 これまでの総務省の研究成果は ICNIRP のガイドライン改定等に積極的に活用され ており、我が国の電波防護指針も当該ガイドラインと整合したものとなるよう運用し ている。 図 5 総務省における電波の安全性に関する研究 ICNIRP の指針値策定では、性別・年齢等の人口分布や気温・湿度、服装等の生活環 境により電波が人体に与える影響も考慮された。 他国の研究や知見だけによらず、我が国からも ICNIRP 等における国際的なガイド ライン策定に積極的に貢献するとともに、国内で電波の安全性に関する基準を決める 際にも他国の研究結果によらず検証する観点からも、特に我が国の関心が高いシステ ムが使用する周波数の電波の影響や測定法等を中心に、我が国で主体的に研究を推進 することが適当と考えられる。 2.2.2 ロードマップの構成について (1)分類について - 9 - 研究を分類するに当たり、現行のロードマップでは、まず「リスク評価」、「リスク 管理」、 「リスクコミュニケーション」の3分類に整理している。 これは、電波が人体に与える影響を評価し(=リスク評価) 、それを基に電波の強度 が一定以下となるように管理し(=リスク管理) 、また、それらの知見を基に国民にそ の影響をわかりやすく伝える(=リスクコミュニケーション)という観点から分類さ れたものと考えられる。 このような考え方や分類は現在においても引き続き有効な考え方であることから、 この分類を継続することが適当と考えられる。 (2)周波数について 周波数帯の観点からは、現行のロードマップでは、リスク評価とリスク管理におい ては、 「中間周波」(10kHz~10MHz)、 「高周波」(10MHz~6GHz)、 「超高周波」(6GHz~3THz) の3分類に、また、リスクコミュニケーションは全周波数帯共通の課題であることか ら周波数帯を分けずに整理している。 国際ガイドラインや電波防護指針でも周波数帯を分けて指針値等を規定しており、 このような分類は電波の人体への影響が周波数によって異なる本分野において一般的 な考え方となっている。 また、携帯電話を対象としたリスク評価の実績の蓄積が進んでいる高周波 (10MHz ~6GHz)と、刺激作用が起こる周波数帯であり WPT 等への活用が進む中間周波(10kHz ~10MHz)、他の周波数帯と比べ研究の蓄積が進んでいない超高周波(6GHz~3THz)に分 類することは、引き続き合理性があると考えられる。 そのため、ロードマップの継続性の観点からも、リスク管理及びリスク評価の観点 からは中間周波、高周波及び超高周波の周波数帯の3分類を継続することが適当と考 えられる。 (3)観点・手法について 研究の観点・手法等の観点からは、現行のロードマップでは、リスク評価において は、 「疫学研究」、 「ヒト研究」、 「動物研究」 、 「細胞研究」、 「工学研究」の5分類に整理 している。 また、リスク管理においては、それぞれの周波数帯において「指針値」、 「適合性」 の2分類に整理している。 リスク評価については、国際的な観点からも、当該分類でリスク評価に関する研究 手法を網羅しているため、引き続き、本分類により整理することが適当と考えられる。 また、リスク管理についても、安全指針値の策定(=指針値の策定)とそれへの適 合性の確認(=適合性評価)という考え方はリスク管理の基本的な考え方であること から、引き続き、本分類により整理することが適当と考えられる。 - 10 - 2.3 ロードマップ見直しにおける期間についての考え方 現行のロードマップは、2019 年度~2040 年度の期間を対象としている。 電波に関する分野は技術の進展や変化が非常に早く、現時点で 2040 年度以降に取 り組むべき研究課題を見通すことは困難になってきていることから、今回の見直しに 当たっては、現在時点(2025 年度)から、ひとまず現行ロードマップで対象としてい る 2040 年度までを検討し、今後、適時に見直していくことが適当と考えられる。 現行ロードマップ 2019年 新ロードマップ 図 6 2025年 2030年 2040年 2025年 2030年 2040年 ロードマップの期間の見直しのイメージ 2.4 ロードマップ見直しにおける評価の観点ごとの基本的な考え方 2.4.1 リスク評価の観点 電波の人体への影響については、熱作用・刺激作用といった「科学的に確立されて いる作用」と、発がん性や脳神経系・生殖機能等への影響といった「科学的に確立さ れていない作用」とがあり、研究の視点が異なることから、それぞれの分類に応じて 追加や見直しを行うことが適当と考えられる。 その際、ロードマップの見直しに当たり、分類がわかるように下図のように明示し て整理していくことが適当と考えられる。 :科学的に確立されている作用 :科学的に確立されていない作用 図 7 ロードマップの研究の分類の表示のイメージ 科学的に確立されている作用については、ICNIRP 等において「今後必要となる研究 課題」が整理されており、これを踏まえてロードマップの見直しを検討することが適 当と考えられる。 科学的に確立されていない作用については、現在、WHO において、国内外の研究論 文のレビューを踏まえた「環境保健クライテリア」の見直しが進められており、今後、 公表予定である。そのため、現段階で WHO の評価を待つことなく、我が国が単独で取 り組むべき課題も必ずしも想定されないことから、環境保健クライテリアの改定等の 今後の状況を踏まえ、改めてロードマップの見直しを検討することが適当と考えられ - 11 - る。 また、その際、2040 年度の状況を現時点で見通すことは困難であるため、ロードマ ップ上における 2040 年度付近の部分は、破線で表現することとする。 2.4.2 リスク管理の観点 特に適合性評価の観点について、テラヘルツを含む高周波数帯の活用の機運の高ま りを受けて、国際電気標準会議(以下「IEC」という。 )においても当該帯域の電力密 度等の測定法に関する議論が始まっており、そのような国際的な動きを踏まえていく ことが重要であると考えられる。 また、同じく適合性評価の観点から、従来の適合性評価法では、例えば、携帯電話 システムでは変調方式やビームフォーミング技術等の多数の条件で、総当たりで測定 を行い、そのすべてで指針値以下となることを確認する必要があり、多くの手間を要 していた。 一方で、昨今 AI が急激に発展し、多くの分野において従来は人間が行う必要があっ た作業の AI の補助による省力化が進んでおり、我が国においても早期にそのような 技術の進展を取り込んでいくことが重要であると考えられる。 2.4.3 リスクコミュニケーションの観点 現在、我が国を始め各国で 2030 年代における B5G (6G)開始に向けた取組が進めら れている。 そのため、B5G (6G)を踏まえ、新技術や新周波数帯の導入も見据えながら、電波の 人体に対する安全性に関するモニタリングデータの蓄積等のほか、国民の理解の深化 に寄与する研究も進めていくことが適当と考えられる。 2.5 個別の研究についての検討 2.5.1 リスク評価の観点 (1)中間周波について ①周波数帯の特性・対象 中間周波は、AM ラジオのような広い範囲に情報を伝えるという電波の利用方法に加 え、近距離でエネルギーを伝える WPT のような新たな無線システムが出現してきてい る帯域である。 ②科学的に確立されていない作用 科学的に確立されていない作用については、前述のとおり、WHO の環境保健クライ テリアの改定までは、当面、現行のロードマップの研究を引き続き記載することが適 当と考えられる。 - 12 - ③科学的に確立されている作用 科学的に確立されている作用については、痛覚閾値を踏まえたものにすることによ り、現在国際ガイドラインで定められている指針値をより正確なものにできる余地が あり、2025 年2月、ICNIRP において「今後研究が必要なデータギャップ」として特定 された。 中間周波(10kHz-10MHz)においては、主に刺激作用が論点となることから、上記の うち、ロードマップに「接触電流に関する痛覚閾値の研究」を追加することが適当で ある。 手法については、ヒトの主観的な知覚が研究対象に含まれるため、ヒト研究とする ことが適当と考えられる。 研究期間については、高周波の研究課題である「接触電流や熱作用に関する痛覚閾 値の研究」と連携しながら対応する観点から、2027 年度目途から 10 年程度とするの が適当である。 ただし、具体的な研究の実施に当たっては、その時点で内容・期間を更に精査した 上で、前半・後半等に分けて公募する等の検討・工夫を行うことが適当と考えられる。 現行ロードマップ 2019年 2025年 工学 中間周波 リスク評価 動物 細胞 2040年 がんを含む疾病との関連についての症例対照研究 疫学 ヒト 2030年 刺激作用の閾値の調査、接触電流の調査等について 実測とシミュレーション技術を用いた研究 確立されていない作用の評価に必要な 研究方法の標準化 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 がんを含む疾病との関連についての症例対照研究 ヒト 動物 細胞 :科学的に確立されていない作用 図 8 疫学 工学 :科学的に確立されている作用 中間周波 リスク評価 新ロードマップ 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 接触電流に関する痛覚閾値の研究 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 リスク評価(中間周波)の見直しのイメージ (2)高周波について ①周波数帯の特性・対象 高周波は、電波の届く距離と伝送できる情報量とのバランスがよい帯域であること から、これまで携帯電話等に広く利用されてきた帯域である。 ②科学的に確立されていない作用 科学的に確立されていない作用については、WHO の環境保健クライテリアの改定ま では、当面、現行のロードマップの研究を引き続き記載することが適当である。 なお、現行ロードマップの高周波において、当該作用の研究の記載はない。 - 13 - ③科学的に確立されている作用 科学的に確立されている作用については、1.3 節で述べたとおり、単に人体表面の 体温の上昇値のみを考慮するだけでなく、 (ア)痛覚閾値を踏まえたものにすること、 (イ)深部体温上昇と健康への影響、 (ウ)電波の眼球への影響について、より詳細に 明らかにすることにより、現在国際ガイドラインで定められている指針値をより正確 なものにできる余地があり、2025 年2月、ICNIRP において「今後研究が必要なデータ ギャップ」として特定されたため、これらを基に検討することが適当と考えられる。 高周波(10MHz~6GHz)においては、10MHz 以上は熱作用の影響も強くなり、熱によ る体内深部の温度上昇や眼球への影響等が想定される。 そのため、中間周波で記載した「接触電流及び熱作用に関する痛覚閾値の研究」 (ア に該当)のほか、熱作用に関する研究課題もあるため、 「深部体温上昇と健康への影響」 (イに該当)及び「眼球の損傷と機能に関する研究」 (ウに該当)を追加することが適 当と考えられる。 手法については、接触電流及び熱作用に関する痛覚閾値の研究はヒトの主観的な知 覚が研究対象に含まれるため、また、深部体温上昇と健康への影響は人体への影響を 評価する必要があるため、ヒト研究とすることが適当である。 また、眼球の損傷と機能に関する研究については、損傷については倫理的な観点か ら動物研究を主体とし、機能についてはより直接的なリスク評価が可能となるヒト研 究を主体とすることが適当と考えられる。 研究期間については、上記のすべての研究課題について、2030 年以降の B5G (6G)の 開始・本格普及と合わせ、2030 年代に想定されている ICNIRP のガイドライン改定に 向けた必要なデータ取得の観点や、当該研究には一定の時間が想定されることから、 必要な時間を考慮した上で 2030 年代後半目途の ICNIRP 高周波ガイドライン改定に間 に合うよう、2027 年度目途から 10 年程度とすることが適当である。 ただし、具体的な研究の実施に当たっては、その時点で内容・期間を更に精査した 上で、前半・後半等に分けて公募する等の検討・工夫を行うことが適当である。 工学 リスク評価 高周波 現行ロードマップ 2019年 2025年 疫学 第1世代、第2世代携帯電話システム 利用者の晩発性疾病に関する研究 動物 NTP研究の確認研究 :科学的に確立されていない作用 工学 :科学的に確立されている作用 高周波 リスク評価 新ロードマップ 2030年 接触電流や熱作用に関する痛覚閾値の研究 ヒト 動物 図 9 深部体温上昇と健康への影響 眼球の損傷と機能に関する研究 リスク評価(高周波)の見直しのイメージ - 14 - 2040年 (3)超高周波について ①周波数帯の特性・対象 超高周波は、伝送できる情報量が多いという特徴から、5G やその先の B5G (6G)への 活用が進む周波数帯である。 ②科学的に確立されていない作用 科学的に確立されていない作用については、WHO の環境保健クライテリアの改定ま では、当面、現行のロードマップの研究を引き続き記載することが適当である。 ③科学的に確立されている作用 科学的に確立されている作用については、前述のとおり、ICNIRP が特定した今後研 究が必要なデータギャップ(ア~ウ)を基に検討することが適当である。 超高周波 (6GHz~3THz)においては、熱作用が主になり、接触電流による痛覚への 刺激がないため「接触電流に関する痛覚閾値の研究」 (アに該当)は記載せず、「深部 体温上昇と健康への影響」 (イに該当)及び「眼球の損傷と機能に関する研究」(ウに 該当)を追加することが適当と考えられる。 手法については、高周波と同様、前者はヒト研究、後者はヒト研究及び動物研究と し、期間については、ともに 2027 年度目途から 10 年程度とすることが適当である。 また、現行のロードマップにおいて、2030 年代以降に「今後利用される可能性のあ る電波利用技術(~3THz)の熱作用の反応閾値に関する研究」の細胞研究が記載され ているが、細胞研究のみならず生物個体に関するより直接的なリスク評価のデータを 得ることが重要であること等から、動物研究も併せて実施することが適当と考えられ る。 さらに、同研究においては、熱作用に関連する体温調節反応に関し、米国電気電子 学会(IEEE)から電波による皮膚温度上昇に対する体温調節反応に関する研究が不足 している認識が示されたことや、テラヘルツ帯の研究は技術難易度が極めて高く、相 対的に低い周波数から研究を進めて知見を深めることで効果的に研究を進めることが できるため、相対的に低い周波数分の研究を前倒し、2028 年度目途から 2030 年代初 めにかけて、「今後利用される可能性のある電波利用技術(~500GHz 程度)の熱作用 の反応閾値に関する研究」を実施することが適当である。 なお、手法については上記と同様とすることが適当と考えられる。 他方で、 「高周波と超高周波の複合的な電波ばく露の生理応答に関する研究」につい ては、ミリ波の利用等により高周波と超高周波に同時にばく露する機会が増えつつあ り、従来どおり、現行のロードマップに沿って研究を進めることが適当である。 - 15 - 同様に「テラヘルツ波電波ばく露の熱作用に関する研究」についても、特に高周波 数帯の熱作用に関する研究は今後のガイドライン検討の基礎的かつ重要なデータとな るため、従来どおり、着実に研究を進めることが適当と考えられる。 現行ロードマップ 2019年 2025年 2030年 工学 超高周波 リスク評価 疫学 ヒト 超高周波の電波ばく露と温熱感覚・痛覚の 閾値に関する研究 動物 実環境であり得る環境条件を考慮した電波に よる眼障害閾値に関する研究 細胞 確立されていない作用の評価に必要な 研究方法の標準化 工学 ヒト 図 10 テラヘルツ波電波ばく露の熱作用に関する研究 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 今後利用される可能性のある電波利用技術(~ 3THz)の熱作用の反応閾値に関する研究 ビッグデータ等を利活用した、 がんに関する症例対照研究 高周波と超高周波の複合的な電波ばく露の生理応答に関する研究 テラヘルツ波電波ばく露の熱作用に関する研究 深部体温上昇と健康への影響 眼球の損傷と機能に関する研究 動物 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 今後利用される可能性のある電波利 用技術(~500GHz程度)の 熱作用の反応閾値に関する研究 :科学的に確立されている作用 :科学的に確立されていない作用 2040年 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 疫学 超高周波 リスク評価 新ロードマップ 高周波と超高周波の複合的な電波ばく露の 生理応答に関する研究 ビッグデータ等を利活用した、 がんに関する症例対照研究 細胞 今後利用される可能性のある電波利用技術 (~3THz)の 熱作用の反応閾値に関する研究 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 リスク評価(超高周波)の見直しのイメージ 2.5.2 リスク管理の観点 (1)全周波数について ①指針値 指針値について、現行のロードマップの 2025 年度以降については、 「安全指針値根 拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評価」が、中間周波、高周波、超高周 波のそれぞれに記載されている。 安全指針値根拠の不確かさの評価は、安全指針値の設定に当たり、例えば、高精度 の測定法が確立していないことや必要な測定データが蓄積されていないことにより、 これまで含まれている不確かさを評価することで、より電波の人体への影響を正確に 示すことができる指針値を得ることに繋げるために、引き続き、必要な研究である。 これらは全周波数に渡る課題であるため、今般、統合して全周波数を対象に実施す ることが適当である。 また、ICNIRP のガイドラインへの反映のために必要なデータを得る観点から、現状 どおり、2030 年度頃まで取り組むことが適当と考えられる。 ②適合性 適合性について、現行のロードマップでは、中間周波、高周波については 2025 年度 目途から、また、超高周波については 2030 年度目途から、想定されるシステム等の各 周波数帯の事情に応じた適合性評価方法の開発と標準化に取り組むことが記載されて いる。 現在の適合性評価におけるばく露評価は、機器の位置合わせや多数の周波数・変調 - 16 - 条件を網羅した測定等に非常に手間がかかるところ、AI 等の活用により評価の簡素化 が期待でき、IEC の一部でも関心が高まっているところである。 このため、これらの課題については、適合性評価方法に関する課題という共通点を 考慮しつつ、現在の最新技術である AI の進展を踏まえ、 「AI 等を活用した適合性評価 方法の開発・改良と標準化」として、全周波数に渡る課題として再整理することが適 当である。 期間については、2025 年度は適合性評価方法の開発・改良を行いつつ、AI 技術の発 展状況も見ながら、2026 年度以降の適切なタイミングで AI の活用に向けた対応を実 施していくことが適当である。 また、中長期的に時間をかけて改良をしていくことが必要であるため、現状どおり、 2040 年度まで継続して実施していくことが適当である。 指針値 2019年 2025年 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 2030年 2040年 安全指針値根拠(閾値(人体への 電波ばく露量))の不確かさ評価 適合性 WPTの適合性評価方法の改良・標準化 基本制限(体内誘導電界)の直接測定に基づく適合性評価方法の開発と標準化 指針値 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 安全指針値根拠(閾値(人体への 電波ばく露量))の不確かさ評価 適合性 マイクロ波WPTの適合性評価方法の開発と標準化 指針値 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 適合性 5G等の適合性評価方法の開発と標準化 :科学的に確立されている作用 :科学的に確立されていない作用 図 11 全周波数 リスク管理 新ロードマップ 指針値 IoT・ウェアラブルヘルスケアデバイスの適合性評価方法の開発と標準化 安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評価 安全指針値の拡張(上限周波数をテラヘルツ波に拡張) テラヘルツ波利用システムの 適合性評価方法の開発と標準化 全期間を通じて、 IEC 国際規格等に随時反映 超高周波 リスク管理 中間周波 高周波 現行ロードマップ 安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量)) の不確かさ評価 適合性 AI等を活用した適合性評価方法の開発・改良と標準化 リスク管理(全周波数)の見直しのイメージ (2)中間周波について ①指針値 指針値について、「安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評 価」は、前述のとおり、全周波数の研究として整理した。 ②適合性 適合性について、 「基本制限(体内誘導電界)の直接測定に基づく適合性評価方法の 開発と標準化」は、再現性及び信頼性に優れた評価方法・手順を開発・改良し、実際 の中間周波利用システムに適用するものであり、引き続き、WPT の更なる普及に向け て実施する必要がある。 時期については、国際規格の検討状況も踏まえ、現状どおり、2030 年代にかけて実 施することが適当である。 - 17 - 中間周波 リスク管理 現行ロードマップ 2019年 2025年 2030年 2040年 指針値 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 安全指針値根拠(閾値(人体への 電波ばく露量))の不確かさ評価 適合性 WPTの適合性評価方法の改良・標準化 基本制限(体内誘導電界)の直接測定に基づく適合性評価方法の開発と標準化 :科学的に確立されていない作用 図 12 中間周波 :科学的に確立されている作用 リスク管理 新ロードマップ 指針値 適合性 基本制限(体内誘導電界)の直接測定に基づく適合性評価方法の開発と標準化 リスク管理(中間周波)の見直しのイメージ (3)超高周波について ①指針値 指針値について、「安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評 価」は、前述のとおり、全周波数の研究として整理した。 また、「安全指針値の拡張(上限周波数をテラヘルツ波に拡張)」については、安全 指針値の定義の検討を経て、テラヘルツ波の安全指針値の策定を目指す課題であり、 テラヘルツ波利用システムの今後の本格的な普及までに実施をすることが重要である ため、現状どおり、2030 年代半ばまでに取り組むことが適当である。 ②適合性 適合性について、現行のロードマップでは 2030 年度から「テラヘルツ波利用システ ムの適合性評価方法の開発と標準化」の研究が記載されている。 現行制度において、電波防護指針では上限周波数が 300GHz となっているが、より正 確な人体への評価が可能である吸収電力密度の測定法は 10GHz までしか制度化されて おらず、5G、B5G (6G)での利用を踏まえ、より高い周波数の適合性評価を可能とする ことは電波利用の観点から重要であり、「吸収電力密度の測定法の対象周波数の拡張」 の研究を実施することが適当である。 研究期間は、上記の事情から、早急に取り組むことが必要であり、安全性を確保し た上でのミリ波を用いた 5G 等の更なる利用拡大に資するよう、2026 年度目途から5 年程度とすることが適当である。 同じく、 「テラヘルツ波利用システムの適合性評価方法の開発と標準化」の研究につ いては、リスク評価(超高周波)の「テラヘルツ波電波ばく露の熱作用に関する研究」 に資するよう、ばく露量評価に関する部分を適合性評価法の開発等に必要なステップ として一部を前倒して、 「テラヘルツ波ばく露量標準の確立」を実施することが適当と 考えられる。 研究期間は、上記と同様の理由から、2026 年度目途から5年程度とすることが適当 である。 - 18 - さらに、これに合わせ、現行のロードマップに記載されている「テラヘルツ波利用 システムの適合性評価方法の開発と標準化」については、これらの研究の後、2031 年 度頃から本格的に実施していくことが適当である。 ただし、上記のそれぞれの研究について、具体的な研究の実施に当たっては、その 時点で内容・期間について更に精査することが適当と考えられる。 現行ロードマップ 超高周波 リスク管理 2019年 2025年 指針値 安全指針値定義(平均化領域・平均時間等)の 高精度化 適合性 5G等の適合性評価方法の開発と標準化 :科学的に確立されていない作用 図 13 超高周波 :科学的に確立されている作用 リスク管理 新ロードマップ 2030年 2040年 安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評価 安全指針値の拡張(上限周波数をテラヘルツ波に拡張) テラヘルツ波利用システムの 適合性評価方法の開発と標準化 安全指針値の拡張(上限周波数をテラヘルツ波に拡張) 指針値 吸収電力密度の測定法の対象周波数の拡張 テラヘルツ波ばく露量標準の確立 【適合性評価法の一部を前倒し実施】 適合性 テラヘルツ波利用システムの適合性 評価方法の開発と標準化 リスク管理(超高周波)の見直しのイメージ 2.5.3 リスクコミュニケーションの観点 現行のロードマップでは、リスクコミュニケーションの観点からは、身の回りの電 波を継続的に測定する「電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用」 を実施するとされており、当該取組を 2040 年度頃まで継続的に実施することが記載 されている。 また、当研究では、身の回りの電波の強さの測定(=取得・蓄積)のみならず、ど のように情報を伝えるべきかなどの国民の理解の深化に関する研究(=活用)を含め、 リスクコミュニケーションに関する研究を総合的に推進している。 これらについては、現在は放送・携帯電話等の電波の測定を行っているが、今後、 例えば、過去の調査で特に電波の安全性への関心の高いものなど、国民の関心に応じ て対象とする無線システムを必要に応じ追加することを検討していくことが適当と考 えられる。 さらに、2030 年代の B5G (6G)開始に向けた取組が進められていることを踏まえ、 (2030 年頃から)B5G (6G)等のシステムを対象として適切に位置付けて、引き続き、 総合的に推進していくことが適当である。 - 19 - 現行ロードマップ 2019年 2025年 リスクコミュニケーション 2030年 2040年 電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用 新ロードマップ :科学的に確立されている作用 電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用 リスクコミュニケーション :科学的に確立されていない作用 図 14 B5G (6G)のデータ取得・蓄積・活用を追加 リスクコミュニケーションの見直しのイメージ 2.6 ロードマップの見直しについて 以上を踏まえ、現行のロードマップを次の図 15 のように見直すことが適当と考え られる。 また、前述のとおり、WHO の動き等もあるほか、電波利用の分野は技術の進展も非 常に早いことから、適時に見直していくことが重要と考えられる。 主な「追加」「前倒し」は、太字・赤文字の部分 2025年 総括ロードマップ 2030年 :科学的に確立されている作用 :科学的に確立されていない作用 がんを含む疾病との関連についての症例対照研究 疫学 中間周波 ガイドライン確定前に、 指針値の見直しの検討 状況等を発信 ヒト 接触電流に関する痛覚閾値の研究 2040年 ICNIRP 高周波ガイドライン 改定の見込み (2030年代後半目処) 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 動物 工学 高周波 リスク評価 標準化手法に基づく中間周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 細胞 接触電流や熱作用に関する痛覚閾値の研究 深部体温上昇と健康への影響 ヒト 眼球の損傷と機能に関する研究 動物 ビッグデータ等を利活用した、 がんに関する症例対照研究 疫学 超高周波 ヒト テラヘルツ波電波ばく露の熱作用に関する研究 高周波と超高周波の複合的な電波ばく露の生理応答に関する研究 深部体温上昇と健康への影響 動物 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する動物研究 眼球の損傷と機能に関する研究 今後利用される可能性のある電波利用技術 (~500GHz程度)の熱作用の反応閾値に関する研究 細胞 超高周波 指針値 全周波数 リスク管理 中間周波 指針値 指針値 今後利用される可能性のある電波利用技術(~3THz)の 熱作用の反応閾値に関する研究 標準化手法に基づく超高周波の電波ばく露の影響に関する細胞研究 基本制限(体内誘導電界)の直接測定に基づく適合性評価方法の開発と標準化 適合性 安全指針値の拡張(上限周波数をテラヘルツ波に拡張) 吸収電力密度の測定法の対象周波数の拡張 テラヘルツ波ばく露量標準の確立【適合性評価法の一部を前倒し実施】 適合性 テラヘルツ波利用システムの適合性評価方法の開発と標準化 安全指針値根拠(閾値(人体への電波ばく露量))の不確かさ評価 AI等を活用した適合性評価方法の開発・改良と標準化 適合性 電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用 B5G (6G)のデータ取得・蓄積・活用を追加 リスクコミュニケーション 図 15 見直し後の電波の安全性に関する研究のロードマップ (注:末尾の参考資料において拡大版を再掲) - 20 - 2.7 今後の研究の実施に当たっての考慮事項について 電波の安全性に関する研究を実際に実施する際は、それぞれの研究の質を高めてい くことが重要となる。 このため、総務省においては、①具体的な研究課題の実施に当たってはその時点で 内容・期間について精査(必要に応じ分割・見直し等)して公募を実施するとともに、 ②平素からより幅広い者の研究への参入を促すことが重要と考えられる。 併せて、研究課題のより詳細な内容や始期・終期を国際的・社会的な動きに合わせ てより適切なものにしていくため、③ロードマップも適時に見直しを行うことが重要 である。 また、将来にわたって我が国が当分野の研究を適切に実施し、また、国際的にもリ ードできるよう、大学、研究機関や企業等を含めた、研究者の育成を促すエコシステ ム等の構築に向けた努力が重要と考えられる。 - 21 - 第3章 電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方 3.1 これまでの経緯・現状の整理 過去、5G の導入・普及の際には、他国においては、5G に関する不正確な情報(いわ ゆるデマ情報)が流れ、基地局への放火や破壊活動が発生する等の社会問題も発生し た。 WHO からも、5G が新型コロナウイルスを媒介させるということはデマである旨の情 報発信が行われた。また、我が国においても、総務省の相談窓口に 5G の安全性に関す る多くの問合せが寄せられたことがある。 図 16 WHO による 5G に関するデマを正すための情報発信の例 6 総務省や携帯電話会社、研究機関等の各組織では、これまでも電波の安全性に関す る各種の情報発信・啓発の取組を実施してきた。 具体的には、例えば、総務省では、電波の安全性に関する研究を実施して科学的な 知見を蓄積することに加え、①ウェブサイトやパンフレットによる情報発信、②電力 線による電磁界の影響にも対処する観点も含めた、経済産業省と共同での説明会、③ 電波の安全性に関する電話相談窓口の設置を実施してきている。 また、電磁界情報センターでも、50Hz, 60Hz である電力線からの低い周波数の電磁 界を中心に情報発信・啓発に取り組み、説明会等で総務省とも連携しているとともに、 国民からの問い合わせに対してワンストップセンターとしての機能も果たしている。 6 https://www.youtube.com/watch?v=oDE8_4UTuRM(引用元) - 22 - 【ウェブサイトやパンフレットによる情報発信】 ・ウェブサイトでも電波の安全性に関する情報を発信。 ・一般の方にも分かりやすいパンフレットを作成。 【説明会の開催】 ・総合通信局等がある全国の各地域ブロックにおいて、電波の安全性について不安を持つ方等を対 象とする説明会を開催。 ・電力線等から発生する電磁会の影響も併せて説明するため、総務省と経済産業省で共催している。 ・電波の生体に及ぼす影響や安全性をテーマに、総務省職員、経産省職員及び当該分野の専門 家による講演及びQ&Aを実施。 【電話相談の受付】 ・専門相談員を配置し、電波の安全性について不安を持つ方の電話相談に個別に対応。 ・電話相談による不安解消度の分析では、「不安」「少し不安」に感じている人の割合が減 少。 図 17 総務省における情報発信の取組 海外においても、電波の安全性に関する情報発信に取り組まれている。 例えば、オランダでは、電波の安全性に関する情報を一括して調べることができる プラットフォームが設置されている。オーストラリアにおいても、オーストラリア放 射線防護・原子力安全庁において、国民からの問合せを電話・メールで受け付けるサ ービスも提供されている。 - 23 - 図 18 オランダにおける電波の安全性の情報発信の例 (電波環境分野の在り方検討作業班第1回資料から抜粋) 我が国では、どのように電波の安全性の情報発信をすると聞き手に受け入れられや すいかというリスクコミュニケーションに関する研究が総務省により行われている。 具体的には、例えば、電波ばく露レベルモニタリングデータを含む電波に関する情 報を掲載したウェブサイトを調査用に構築し、ウェブサイト閲覧直後及び5週間後の 無線機器利用のニーズ及び電波に関する不安感等について調査を行った。その際、電 波に関して不安を感じている集団における不安感は、ウェブサイトの情報により5週 間後も低減効果が持続している傾向が観察されたなどの結果が得られている。 3.2 課題と留意点 5G の導入時にあった上述の問題・課題を踏まえ、特に将来(2030 年代頃)の B5G(6G) の導入・普及に向けて、安心して利用できるよう情報発信・啓発を適切に進めていく ことが必要と考えられる。その際、過去の例や国民の関心からも、特に携帯電話に関 する情報が重要と考えられる。 ただし、過去のデマや社会問題化の経験等を踏まえ、単に安全性を強調して発信・ 周知しても逆に不安を感じる者も出て来るおそれもあることから、これまで科学的に 確立している根拠・情報をしっかり踏まえながら、適切な内容や手段を用いた情報発 信に留意すべきである。 - 24 - 3.3 今後の取組の方向性 5G 導入の際には、他国において、いわゆるデマ情報が社会問題化したことや我が国 でも多くの問合せがあったことを踏まえ、近い将来である 2030 年代頃の B5G(6G)の 導入・普及の本格化に向けて、総務省や携帯電話会社、研究機関等において、まずは 情報共有の枠組み(連絡会等)を設け、最新情報や各組織での知見の共有等を図るこ とを検討するべきである。 それも踏まえながら、中立的な組織が十分な対応能力を持てるようにしつつ、それ ぞれの組織において、これまでの情報発信の内容や発信方法をより正確で、より良い ものにするよう努力していくことが重要である。 その際、情報の受け取り手も意識した効果的な(例えば動画等の)発信方法につい て、可能な範囲で検討するべきである。また、科学的な内容を一般国民にわかりやす く伝える専門家であるサイエンスコミュニケーターの知見の活用も検討することが重 要である。 さらに、今後、発信内容や発信方法をより適切にしていくためにも、総務省の研究 で実施しているこれまでのリスクコミュニケーションの研究における知見を整理し、 共有して活用することで、対外発信をより効果的なものにすることが適当と考えられ る。 - 25 - 第4章 近接結合型 WPT(ワイヤレス電力伝送)に関する制度運用の在り方 4.1 社会環境の変化と WPT の動向 我が国では 2050 年のカーボンニュートラル目標が設定され、脱炭素社会の実現が 目指されている中、モビリティ分野においては化石燃料を用いた従来の自動車から EV への転換が進んでいる。 「エネルギー使用の合理化及び非石油エネルギーへの転換等に関する法律(改正省 エネ法) 」においては、輸送事業における非化石エネルギーへの転換の目標の目安が示 されており、小型トラックやバスは 2030 年度までに保有台数の5%、タクシーにおい ては保有台数の8%を非化石エネルギー自動車に更新することとされている 7。 また、EV の普及においては、高容量電池コストの低減や給電設備を始めとしたイン フラの整備といった課題もあるとされており、こうした課題を解決する可能性のある 技術として近接結合型 WPT に関心が寄せられている。 50% 42.0 40% 30% 22.0 18.0 20% 15.0 9.3 10% 2.5 0.6 0.7 0.6 1.0 1.2 1.5 1.1 2015 2016 2017 2018 0.9 4.4 2.7 1.2 0.8 2.8 3.5 2.8 2022 2023 2024 0% 2019 2020 日本 2021 2030 世界 (出典)IEA Global EV Data Explorer に基づき作成 図 19 日本/世界の EV シェア(対車両販売台数) (電波環境分野の在り方検討作業班第3回資料から抜粋) 他方で、国内の少子高齢化の進展に伴う生産年齢人口の減少に対応するため、製造 や物流分野においてはオートメーション化の重要性が増しており、特に工場内や物流 拠点内の材料・部品・製品の移動を人によるものから、AGV や AMR(Autonomous Mobile Robot)と呼ばれるロボットでの自動輸送に置き換える動きが進んでおり、今後もこの 7 国土交通省 輸送業者の皆様へ(省エネ法) https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000002.html - 26 - 傾向は継続するものと考えられる。 近接結合型 WPT は、ロボットが走行中であっても給電できることから、更なる生産 性の向上に資する技術として注目される中、一部で導入が始まっており、今後も需要 の拡大が期待される。 3,300 3,500 3,000 2,500 システム数 2,050 2,000 1,575 1,500 1,000 500 0 2021年 (実績) 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 2027年 2028年 (実績) (実績) (見込) (予測) (予測) (予測) (予測) 2029年 2030年 (予測) (予測) (出典)富士経済「2024 年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」 (2024 年 10 月発刊) 図 20 国内の AGV 用ワイヤレス給電システムの市場規模推移・予測 (電波環境分野の在り方検討作業班第3回資料から抜粋) また、スマートフォンやスマートウォッチ等の電子機器向けの 15W 以下の WPT に関 して は、 民 間の 企業 等 が参 画す る 国際 標準 化 団体 であ る WPC (Wireless Power Consortium)において Qi 規格が策定されおり、国内においても(電波法上の)許可が 不要な高周波利用設備として普及が進んでいる。 WPC では 50W 程度まで高出力な装置に関する規格を策定する動きもあり、今後我が 国において許可を要する装置が対象として含まれる可能性がある。 また、EV 向け WPT に関しても、米国発の民間規格であり、自動車業界におけるデフ ァクトスタンダードでもある SAE 規格では、EV 向けの 11kW 級の WPT が規定されてい るところである。 - 27 - 表 3 国内の AGV 用ワイヤレス給電システムの市場規模推移・予測 (電波環境分野の在り方検討作業班第3回資料から抜粋) Qi Qi2 MagSafe 推進 Wireless Power Consortium 団体 (WPC) 方式 電磁誘導方式 周波 数 最大 出力 備考 110-205 kHz 5W~15W 2010 年策定 AirFuel Resonant AirFuel Alliance Apple (2015 年に A4WP と PMA が合併) 電磁誘導方式 磁界共振結合方式 360 kHz 360 kHz 6.78 MHz 15W 15W ※今後 50W ま (25W) ※ で対応可能性 iPhone 16 以降 2023 年策定 2017 年 WPC に加 A4WP の Rezence MagSafe をベ 盟し技術協力 規格がベース ースとして、 2024 年発売の PMA 規格をベース マグネット固 iPhone16 から にした AirFuel 定(MPP)を採 最大 25W 充電に Inductive は新規 用 対応開始 規格開発を凍結 ~50W 超級 ※試作事例ベース 電子機器からの漏えい電波に関して許容値と測定法を定める国際委員会である CISPR においても、近接結合型 WPT に関する規格が検討されており、一部のユースケ ースについては規格が作成されたところである。 こうした近接結合型 WPT の今後の需要増加、アプリケーションの拡大及び民間規格・ 国際規格の充実を背景として、各国においても近接結合型 WPT に関する制度・ガイド ライン等の策定が加速しているところである。 我が国においては、2015 年に世界に先駆けて近接結合型 WPT の制度化を行ったが、 2025 年度現在、制度の利用は限定的であり、このような社会環境の変化や国際的な標 準化、制度化の動きを受けて、我が国の優位性を確保することや普及の機会を逸失す ることのないよう、規制や推進の在り方の見直しを行うなどの政策的な対応が必要で ある。 - 28 - 4.2 近接結合型 WPT の国内制度について 近接結合型 WPT は電波法に規定する高周波利用設備であり、高周波出力が 50W を超 えるものは原則として設置に許可が必要であるが、一部は型式指定の対象となってお り、型式ごとに指定を受ければ許可を受けずに設置が可能となっている。 これまで、400MHz 帯電界結合型一般用非接触電力伝送装置、6.7MHz 帯磁界結合型一 般用非接触電力伝送装置、電気自動車用非接触電力伝送装置及び搬送ロボット用非接 触電力伝送装置の4種類の WPT が型式指定の対象となっている(表 4 参照) 。 しかしながら、現状指定されている型式は電気自動車用非接触電力伝送装置につい ての1型式のみであり、他の WPT については、制度化は行ったものの制度の利用はな されていない状況にある。 表 4 型式指定の対象として制度化された近接結合型 WPT WPT システム 400MHz 帯電界結合型 一般用非接触電力伝送装置 6.7MHz 帯磁界結合型 一般用非接触電力伝送装置 送電対象 検討期間 利用状況 平成 25 年6月 申請なし (送電出力) 情報端末 (100W 以下) ~ 平成 26 年 10 月 情報端末 平成 25 年6月 (100W 以下) ~ 申請なし 平成 26 年 10 月 電気自動車用 非接触電力伝送装置 EV 平成 25 年6月 (7.7kW 以下) ~ 指定1件 平成 27 年5月 搬送ロボット用 非接触電力伝送装置 搬送ロボット 令和2年 10 月 (AGV 等) ~ (4kW 以下) 令和6年3月 申請なし 4.3 CISPR における近接結合型 WPT の検討状況について 前述のとおり、電子機器からの不要電波の測定方法や許容値等を定める国際委員会 である CISPR においても近接結合型 WPT に関する検討が進められている。 CISPR では WPT が給電する対象ごとに担当の小委員会が決められており、いわゆる ISM 機器を担当する B 小委員会において、85kHz 帯を利用する磁界結合型 EV 用 WPT の 送電装置の許容値及び測定法の素案が 2025 年6月現在検討されている。EV 向け WPT - 29 - の検討の後、他の ISM 機器に対する WPT が検討される予定である。 自動車関連機器を担当する D 小委員会では、EV 用 WPT の受電装置について今後検討 される予定である。 家電及び電動工具等を担当する F 小委員会においては、既に家電用、電動工具用の 磁界結合型 WPT に関する許容値及び測定法が作成されており、CISPR 14-1 に定められ ている。 マルチメディア機器を担当する I 小委員会においては、今後マルチメディア機器に 対する WPT の許容値及び測定法が検討される予定である。 いずれの製品群にも当てはまらない製品に対する WPT の許容値及び測定法について は、H 小委員会で今後検討される予定である。 4.4 近接結合型 WPT に関する制度運用上の課題 ①高周波利用設備における型式指定 電波法令では、10kHz 以上の高周波電流を利用する設備を高周波利用設備として扱 っており、その発する電波が無線通信に対して混信や障害を与えることのないよう漏 えい電磁界等に関する技術基準を定め、原則的にその設置には装置個別に許可の取得 が必要としている。 ただし、大量に導入が予想される設備については、型式指定の対象として制度化す ることで、一度指定を取得すれば同一の型式の設備については個別装置に許可を取得 することなく設置が可能となるため、導入が容易となり普及の後押しとなる。 ②現状と課題 総務省では、近接結合型 WPT について社会のニーズや産業界の検討状況や要望等に 応じて、都度、型式指定の対象とするべく、その技術的課題について「情報通信審議 会 情報通信技術分科会 電波利用環境委員会 ワイヤレス電力伝送作業班」において 制度改正に向けた検討を実施してきた。 しかしながら、現状、その検討・調整の過程においては、 ・ 社会・産業界のニーズ等を踏まえた型式化の検討を行うシステムの優先順位や調 整の在り方が必ずしも明確ではなかった。 ・ 高周波利用設備である近接結合型 WPT は、局種等の使用用途が厳密に規定されて いる無線設備とは異なり多様な環境で利用されることから、他の無線通信に対する 影響を評価する共用検討や人体への影響を評価する電波防護指針に関して様々な可 能性を考慮する必要があり、検討すべき事項が非常に多い。 ・ 過去のワイヤレス電力伝送作業班での技術基準の検討においては、参照すべき国 際規格及び民間規格の策定状況も不十分であり、無線通信との共用検討、電波防護 指針への適合、漏えい電磁界等の許容値及び測定法等の多岐にわたる項目を網羅的 に検討する必要があった。 - 30 - といったことが見受けられ、こうした過去の型式指定に向けた制度運用の在り方に おいては、 ・ 制度化時期の見込みが立たないことで、WPT 製造業者が事業化のタイミングを逸 する。 ・ 2013 年から開始した同作業班は 1.5 年、2020 年から開始した同作業班は 3.5 年 もの長期間を検討に要してきた経緯がある。 ・ 国際規格や民間規格の作成が進められているが、今後そうした規格との不整合が 生ずるおそれもある。 ・ 製品の普及を待たずに机上の市場予測を基にして制度化の検討を開始するため、 制度化後も制度の利用が進まず製品の普及が進まない。 といった課題があるものと考えられる。 ③その他 また、型式指定に向けた検討以外の課題として個別許可に関する課題も明らかとな った。 近接結合型 WPT を始めとする高周波利用設備は、型式指定の対象として制度化され ていなくとも、装置ごとに個別許可を受けることで設置が可能である。 しかし、技術基準に適合を確認するための漏えい電磁界等の測定に費用や手間がか かることや許可の単位が不明確であることが問題となっており、個別許可制度の利用 の妨げとなっている。 4.5 制度化に関する課題とその対応策 多様な環境で利用される高周波利用設備としての近接結合型 WPT の特徴を踏まえ、 検討を実施した結果、これまでの近接結合型 WPT の型式指定の制度化及び個別許可に おいて生じた課題に対して、次の3つの対応策のとおり運用し、その普及を図ること が適当である。 4.5.1 【対応策1】国際規格を活用した型式指定の制度化 近接結合型 WPT の過去の制度化においては、参照すべき国際規格の整備が不十分で あり制度化に必要な検討を一から行っていたが、現在では国際規格の作成も進んでい ることから、CISPR 規格を国内答申した際は、対象となっている WPT について速やか に型式指定化の検討を行うことが適切である。 国際的な周波数利用に対する共用検討や漏えい電磁界の許容値及び測定法等は国際 規格の作成の検討において CISPR で十分に議論されていることから、原則的に国際規 格をそのまま採用することが可能と考えられる。一方で、ワイヤレス電力伝送作業班 では、国内独自の周波数利用との共用検討等に重点を絞ることで検討すべき項目を削 減し、短期間での検討を目指すことが適当である。 - 31 - 国際規格で定められた漏えい電磁界の許容値や測定法をそのまま採用が可能であり、 国内独自の周波数利用への影響がなく、電波防護指針や植込み型医療機器への影響評 価にも特に懸念がないなど、理想的なケースにおいては、ワイヤレス電力伝送作業班 での検討は半年程度での終了を見込むことができる。 なお、同作業班での検討終了後には、電波利用環境委員会や情報通信技術分科会で の検討や、総務省において制度改正に係る手続等が必要であるため、理想的なケース であっても同作業班の開始から制度改正までは1年程度が必要となると考えられる。 4.5.2 【対応策2】普及実績に基づいた国内独自の型式の指定化 国際規格と国内規格の整合等の観点から、近接結合型 WPT の型式指定の制度化は国 際規格に基づいて前項で示した方法で行うことが望ましい。 しかし、国際的な規格の制定には至らない WPT システムについて、先行して国内で 普及させるため型式指定の制度化の検討が必要となる場合が想定される。そうした場 合には、ワイヤレス電力伝送作業班での議論が長期化しないよう、関係者間において、 無線通信等の周波数利用との共用検討、電波防護指針への適合、植込み型医療機器へ の影響評価、漏えい電磁界等の許容値及び測定法について作業班の開始前に検討し、 これらの技術基準に適合する製品が一定程度普及している、または、これらの技術基 準と整合する WPC 等の国際的な民間規格が作成されるなどの十分な普及の見込みがあ る場合に、ワイヤレス電力伝送作業班での検討を開始することが適切である。 また、同じユースケースに関して複数の方式の近接結合型 WPT を型式指定の対象と することは国内規格の乱立を招き、我が国に有利な国際規格の作成を戦略的に進める ことが困難となるとともに、送受電装置間の相互運用性の確保が困難となり WPT 利用 者の不利益につながる。そのため、ユースケースごとに用いる WPT の方式について関 係者間で整理を行うことが重要である。 円滑に進行した場合にはワイヤレス電力伝送作業班は半年程度で終了することを見 込まれるが、同作業班開始前の検討が不十分である場合等には、同作業班で新たな検 討事項が発生し追加の検討期間が必要となるおそれがあることから、十分な事前検討 が重要である。 なお、作業班での検討終了後には、情報通信審議会における検討や総務省において 制度改正に係る省内手続等が必要であるため、理想的なケースであってもワイヤレス 電力伝送作業班の開始から制度改正までは1年程度が必要となる。 4.5.3 【対応策3】個別許可の制度の周知 近接結合型 WPT は高周波利用設備であるため、型式指定の制度化がされていない場 合であっても、個別許可の技術基準を満たし許可の申請を行うことで設置、販売は可 能であり、実証実験や概念実証(以下「PoC」という。 )的な普及の段階においては個 別許可制度の活用を推進すべきである。 - 32 - しかし、過去のワイヤレス電力伝送作業班における議論において個別許可制度の運 用の詳細、特に技術基準への適合を判断するための測定の要否について誤解があった などが考えられ、改めて総務省 HP において個別許可制度について周知を行い、製品普 及の初期段階における制度活用を推進することが適当である。 なお、設置場所において測定された漏えい電磁界強度が他の設置場所においても流 用可能であるかどうかについては懸念があることから、設置場所における測定値の流 用については、引き続き慎重に検討する必要がある。 4.6 制度運用の見直しにより期待される効果 型式指定の制度化に当たっての運用の見直しにより、型式指定の検討を迅速化し、 制度化の時期を明確化することで、製造業者の事業計画の見通しを良くすることによ り、製品の普及や事業化を促進されると考えられる。 また、制度化において国際規格を活用することで、WPT 業界が積極的に国際規格の 作成に参画するモチベーションが生まれ、国内市場のみならず海外市場への進出を視 野に入れた我が国の利益になる形での国際規格の作成が期待される。 また、高周波利用設備の個別許可制度の運用の詳細等について総務省のウェブサイ ト等で周知を行い、漏えい電磁界強度の測定の要否や許可の単位を明確化することで 個別許可制度の利用を推進し、型式指定の対象ではない実証実験及び PoC 的な普及を 促進することが重要である。 図 21 期待される近接型 WPT の型式指定に向けた検討のイメージ - 33 - 第5章 今後について 本検討結果を踏まえ、総務省においては、特に 2030 年代の B5G(6G)に向けて、今 回改定した新たなロードマップに基づき、戦略的に生体電磁環境に関する我が国の研 究を推進することが適当である。その際、研究を適正に実施・運用するため、①具体 的な研究の実施に当たってはその時点で内容・期間について精査して実施するととも に、②より幅広い者の研究への参入を促し、③ロードマップを適時に見直しを行う等 の取組を進めていくが重要である。なお、ロードマップの見直しについては、WHO の 環境保健クライテリアの動きなど、国際的な動向も注視していくことが重要である。 さらに、今後も我が国において当分野の研究を適切に実施できるよう、大学、研究 機関や企業等を含めた、研究者の育成を促す努力が重要である。 また、総務省ほか関係機関においては、B5G(6G)の導入に向けて、国民の安心・安全 な電波利用を確保するため、①各機関による情報・知見の共有の枠組みや、②各機関 における効果的な情報発信の方法、③サイエンスコミュニケーターやリスクコミュニ ケーション研究の知見の活用といった方策について、引き続き、適切に検討・実施し ていくことが望まれる。 近接結合型 WPT の制度運用については、我が国における WPT の普及・発達の機会を 逸失することがないよう、総務省と関係業界が協調して型式制度化等が適時・適切に 円滑に実施されることにより、近接結合型 WPT の社会への普及や諸外国への展開に資 することが期待される。 総務省においては、型式化制度化を適切に判断するなどして、近接結合型 WPT の制 度運用を行うとともに、関係業界においては、国際標準への提案や民間規格の策定等 により、社会普及に向けた活動を行うことが適当である。 なお、電波環境分野の在り方検討作業班においては、同分野の国内・海外の動向を 踏まえながら、総務省とともに、今回取り上げた優先課題以外の課題についても、引 き続き、政策的な課題を把握・検討していくことが望ましい。 - 34 - 参考資料(別紙) 1.電波の安全性に関する研究のロードマップ 2.諮問書 3.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 構成員名簿 4.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 電波環境分野の在り方検討作業班 構成員名簿 5.開催経緯 1.電波の安全性に関する研究のロードマップ 2.諮問書 諮 問 第 3 0 号 令和7年2月3日 情報通信審議会 会長 遠藤 信博 殿 総務大臣 諮 問 書 下記について、別紙により諮問する。 記 社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方 村上 誠一郎 別紙 諮問第30号 社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方 1 諮問理由 我が国は、他の主要先進国に先駆けて人口減少・少子高齢化に直面しており、生 産年齢人口が減少する中にあっても持続的な経済成長を実現するための生産性の 向上に取り組むことが喫緊の課題である。また、令和6年能登半島地震などの大規 模な災害が頻発する中、災害に強い強靱な社会システムを構築することも大きな課 題である。 携帯電話に代表されるように、電波を使ったシステムやサービスは、すでに国民 生活や経済活動に深く浸透しているが、自動運転やスマート農業、遠隔医療など、 電波のより一層の活用を徹底して進めることで、平時・災害時を問わず、国民生活 を便利で安全・安心なものにするとともに、地域の課題解決や新たな市場の創出を 通じた経済成長の源泉となる可能性を持っている。 他方で、電波は有限の資源であり、電波の活用の進展に伴い電波資源はひっ迫す るため、電波の利用状況やニーズ、電波に関する最新の技術トレンドを踏まえて、 周波数の割当てや周波数の移行・再編・共用を適正かつ効率的に実施するなど、電 波法(昭和25年法律第131号)の目的である電波の公平かつ能率的な利用を確 保することがますます重大となる。 このため、社会環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、電波の公平かつ能率的な利 用を通じて国民生活の利便性向上、地域の課題解決及び持続的経済成長を実現する ため、国が取り組むべき電波の有効利用の推進の在り方について包括的に検討する ことが必要である。 2 答申を希望する事項 (1)電波有効利用の推進に関する基本的方向性 (2)無線局の免許制度等の在り方 (3)周波数割当の在り方 (4)無線を利用したビジネス促進の在り方 (5)電波の利用環境の在り方 (6)その他必要と考えられる事項 3 答申を希望する時期 令和7年夏頃目途 4 答申が得られたときの行政上の措置 今後の情報通信行政の推進に資する。 3.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 構成員名簿 (令和7年7月 16 日現在 敬称略) 氏 主 査 委 員 主査代理 専門委員 名 藤井 威生 大谷 和子 主 電気通信大学 ンター 要 現 職 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究セ 教授 株式会社日本総合研究所 執行役員 経営管理部門 法務 部長 室蘭工業大学 大学院 工学研究科 コンピュータ科学セ 専門委員 太田 香 〃 黒坂 達也 〃 猿渡 俊介 大阪大学 〃 瀧 俊雄 株式会社マネーフォワード 〃 中島 美香 中央大学 〃 西村 真由美 公益社団法人全国消費生活相談員協会 常務理事 〃 林 秀弥 名古屋大学 大学院 〃 矢入 郁子 〃 安田 洋祐 ンター長・教授 株式会社企 代表取締役 慶應義塾大学 大学院 大学院 政策・メディア研究科 情報科学研究科 国際情報学部 特任准教授 准教授 執行役員 教授 法学研究科 教授 上智大学 理工学部情報理工学科 教授 大阪大学 大学院 教授 経済学研究科 4.情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 電波環境分野の在り方検討作業班 構成員名簿 (令和7年4月7日現在 敬称略) 役職 氏 名 主 任 平田 晃正 主任代理 大久保 千代次 構成員 鈴木 宗俊 〃 西村 真由美 〃 藤野 義之 〃 渡辺 聡一 主 要 現 職 国立大学法人名古屋工業大学 先端医用物理・情報工学研究センター センター長・教授 一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター所 長 一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会 共通技術部長 兼 インフラ整備事業推進室長 公益社団法人全国消費生活相談員協会 常務理事 学校法人東洋大学 理工学部電気電子情報工学科 国立研究開発法人情報通信研究機構 波標準研究センター 研究センター長 教授 電磁波研究所 電磁 5.開催経緯 令和7年2月3日 第 52 回総会にて諮問 令和7年2月 13 日 第 185 回情報通信技術分科会にて電波有効利用委員会を設置 ■電波有効利用委員会 令和7年3月 31 日 第1回 (1) 委員会の運営等について (2) 最近の電波利用の動向について (3) 今後の進め方について (4) 意見交換 (5) その他 令和7年7月 18 日 第4回 (1) 委員会報告(案) 「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在 り方」のうち「電波の利用環境の在り方」について (以下略) ■電波環境分野の在り方検討作業班 令和7年4月7日 第1回 (1) 作業班の運営等について (2) 電波環境分野の動向について (3) 意見交換 (4) その他 令和7年4月 24 日 第2回 (1) 前回の議論と今後の検討の進め方について (2) 電波の安全性等に関する国際的な動向について (3) 総務省による電波の安全性等に関する研究について (4) 意見交換 (5) その他 令和7年5月 29 日 第3回 (1) 電波の安全性等に関する研究ロードマップの見直し等について (2) 近接結合型 WPT の動向等について (3) その他 令和7年6月 16 日 第4回 (1) 報告書骨子案について (2) その他 令和7年7月 11 日 第5回(メール審議) (1) 報告書案について

資料6

資料 54-2-3 情 通 審 第 ※ 号 令 和 7 年 9 月 1 1日 総 務 大 臣 村 上 誠 一 郎 殿 情報通信審議会 会 長 答 申 遠 藤 信 博 書 令和7年2月3日付け諮問第30号「社会環境の変化に対応した電 波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環境の在り方」につ いて、審議の結果、別添のとおり答申する。

資料7

資料 54-3 情報通信審議会議事規則の一部改正について 1 目的 電気通信サービスは、国民生活及び社会経済活動を支える基盤的インフラとして極 めて重要な役割を担っており、その公共性は非常に高い。技術革新の進展やサービスの 多様化により、利用者にとっての利便性や選択肢は大きく広がっている一方で、情報の 非対称性や交渉力の格差といった構造的課題から、利用者トラブルは絶えず発生してい る。 電気通信事業法(昭和 59 年法律第 86 号。以下「事業法」という。)はその法目的と して、適正かつ合理的な事業の運営と公正競争の促進により、電気通信役務の円滑な提 供を確保するとともに利用者等の利益を保護することを掲げており、2003 年の事業法 改正における消費者保護ルールの法定化以降、累次の検討・見直しを積み重ねること で、現在の消費者保護ルールを形成するに至っている。特に 2015 年の事業法改正(電 気通信事業法等の一部を改正する法律(平成 27 年法律第 26 号))における消費者保護 ルールの見直しは、契約前の説明義務の充実(適合性の原則の採用)、契約書面の交付 義務、禁止行為規制(不実告知等の禁止、勧誘継続行為の禁止)、初期契約解除制度、 電気通信事業者による販売代理店への指導等措置義務といった現在の消費者保護ルー ルの基礎となる措置を導入するものとなっている。 この消費者保護ルールの在り方に関しては、その導入以降もいわゆる行政運営上の 会合(研究会等)においてアドホックに検討し、適時必要な制度見直しを行ってきた。 一方で、 「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」の報告書 2025(2025 年8月) においても言及されているように、今後も情報通信技術の発展、社会全体のデジタル 化、スマートフォン等の高度な情報通信端末の利用拡大等が見込まれる中で、利便性の 向上と表裏一体で、新たな利用者トラブルが生じることも想定されるところ、引き続き 利用者が安心・安全に電気通信サービスを利用できるような環境を確保するため、消費 者保護ルールの在り方について不断の検証と見直しが求められている状況にある。 このため、通信サービスに関する消費者保護に係る制度全般について、市場環境の変 化を踏まえつつ、中長期的な観点から恒常的な検討を行っていく必要があることから、 消費者保護に係る制度について検討を加える諮問事項を電気通信事業政策部会の専決 事項に加え、電気通信事業政策部会で検討することとする。 2 概要 利用者の利益の保護に係る制度について検討を加える諮問事項については、電気通 信事業政策部会の専決事項とする。 3 内容 情報通信審議会議事規則 別記 2 電気通信事業政策部会の専決事項の一部改正 1 4 五 ︵ 略 利 ︶ 用 者 の 利 益 の 保 護 に 係 る 制 度 に つ い て 検 討 を 加 え る 諮 問 事 項 一 ~ 次 四 の 事 ︵ 項 略 に ︶ つ い て は ︑ 当 部 会 の 決 議 を も っ て 審 議 会 の 決 議 と す る ︒ 3 1 ~ 専 2 決 事 ︵ 項 略 ︶ 3 1 ︵ 一 ~ ︵ 新 ~ ︵ 専 2 略 設 四 同 決 上 事 ︵ ︶ ︶ ︵ ︶ 項 同 上 略 ︶ ︶ 4 2 電 気 通 信 事 業 政 策 部 会 の 所 掌 等 は ︑ 次 の と お り と す る ︒ 電 気 通 信 事 業 政 策 部 会 の 所 掌 等 は ︑ 次 の と お り と す る ︒ ○ 情 報 通 信 審 議 会 議 事 規 則 ︵ 平 成 十 三 年 一 月 十 七 日 情 報 通 信 審 議 会 決 定 第 一 号 ︶ 別 記 二 改 正 案 別 記 二 現 行 ︵ 傍 線 部 分 は 改 正 部 分 ︶ 情 報 通 信 審 議 会 議 事 規 則 ︵ 平 成 十 三 年 一 月 十 七 日 情 報 通 信 審 議 会 決 定 第 一 号 ︶ の 一 部 改 正 ︵ 案 ︶ 新 旧 対 照 条 文 (別添) 消費者保護政策に関する当面の検討課題について 1 契約手続の DX に関する検討 スマートフォン等の通信サービスの契約は、従来の店舗で行うものからオンラインで 行うものにシフトしてきている。オンライン契約に関しては、従来にはない新たな消費者 トラブルが発生してきていることから、実態を把握し、必要に応じた制度見直しを実施す ることが急務である。 特に、従来契約書面の交付は紙での交付が原則であったところ、利用者利便と事業者 負担を勘案し、 「消費者保護ルールの在り方検討会報告書 2024」において、 「契約書面の 電子交付の優先勧奨」を許容するとし、消費者保護ガイドラインの改正(2024 年 10 月) を行ったところである。 当該報告書 2024 においては、「中期的に契約書面の電子交付の優先勧奨による利用者 トラブルの増加が見られなければ、利用者の利便性向上の観点から、電子交付をデフォ ルト化することを検討すべき」ともされているところであり、利用者トラブルの動向やデ フォルト化の是非について検討を行う必要がある。 2 電話勧誘販売に関する検討 消費者保護ルールの在り方検討会報告書 2025(2025 年8月)においては、電話勧誘販 売にまつわる消費者トラブルに関して議論をした結果として、 「総務省においては、引き 続き苦情動向を注視するとともに、不適切な販売を行っている電気通信事業者への対処 を強化していくことが求められる。そしてその結果、苦情が増加する/高止まりが続く等 の状況が続くようであれば、追加的規制の導入を検討することが求められる。」とされた ところである。 これを受け、電話勧誘販売に関する苦情動向のモニタリングや、電気通信事業者におけ る法令遵守状況等を確認の上、制度の在り方について検討を行う必要がある。 3 その他の検討課題 今後の情報通信技術の発展、社会全体のデジタル化、スマートフォン等の高度な情報 通信端末の利用拡大等の状況を踏まえ、消費者保護政策について随時検討を実施するこ とが必要である。その際、電気通信事業者による消費者保護ルールの運用状況及び消費 者から寄せられる苦情相談の動向をモニタリングし、消費者保護政策の改善につなげる ことが肝要である。 3 (参考)改正後 ○ 情 報 通 信 審 議 会 議 事 規 則 改 正 情 令 報 通 和 信 七 審 議 年 会 九 決 定 月 第 ※ ※ 号 日 情 平 報 成 通 二 信 審 十 議 五 会 年 決 一 定 月 第 十 十 三 八 号 日 情 平 報 成 通 信 二 審 十 議 三 会 決 年 定 二 第 月 十 二 十 号 日 情 平 報 成 通 二 信 十 審 一 議 会 年 決 八 定 月 第 二 十 十 一 六 号 日 情 平 報 成 通 二 信 十 審 年 議 六 会 決 月 定 二 第 十 十 七 号 日 情 平 報 成 通 信 十 審 八 議 年 会 決 八 定 月 第 九 一 号 日 情 平 報 成 通 十 信 六 審 年 議 一 会 決 月 定 二 第 十 八 八 号 日 情 平 報 成 通 信 十 審 四 議 年 会 決 八 定 月 第 七 七 号 日 情 平 報 成 通 十 信 三 審 年 議 三 会 決 月 定 二 第 十 四 八 号 日 情 平 報 成 通 十 信 審 三 議 年 会 一 決 月 定 第 十 一 七 号 日 4 3 2 第 ( 第 ( 3 2 第 ( 第 ( る 二 会 る そ 一 目 起 と か 四 諮 三 議 報 文 見 複 時 の が 数 答 草 会 審 す つ 条 問 条 長 告 な 書 会 及 あ 会 。 条 議 。 の 条 的 反 の 申 を 長 議 る 、 他 及 ) し お に 長 び る 長 の ) 映 意 書 さ は 会 。 効 審 び 会 審 情 審 招 な 、 よ は 場 臨 は さ 見 は せ 、 の 議 報 率 議 答 長 議 集 け こ る 、 所 時 、 れ を 、 る 委 答 会 通 的 会 申 は 会 ) れ の 審 特 を 委 会 た 並 委 こ 員 申 の 信 な に 等 、 の ば 会 議 に 通 員 議 も 記 員 と の 又 運 審 審 対 ) 総 会 な 議 を 緊 知 を を の す の が 中 は 営 議 議 す 会 議 ら を 行 急 し 含 招 と る 間 で か 意 ( に 会 が る の な 行 う の な む 集 す な に き ら 見 以 議 い っ こ 必 け 。 し つ ( 行 諮 る ど お る 起 は 下 長 。 た と 要 れ 以 よ い 以 え 問 。 、 い 。 草 文 「 と て 下 る は 場 を が ば 下 う 会 な は 「 審 て よ 、 合 通 あ な 同 と 委 書 議 り 、 審 議 見 う 総 員 を は 知 る ら じ す 。 し な 」 、 も こ 議 の 解 に 務 を 、 と ) る と 、 い 議 っ の 会 結 の 必 会 大 命 認 に と 会 い 。 事 て 規 」 果 分 要 長 臣 じ め 対 き 議 う を 行 則 と な と か 、 は が る し は を 。 整 う の い し れ 資 答 文 と 召 あ 、 ) る す 理 。 定 う 料 書 て 申 き 集 は ら 委 事 る す め 。 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資料8

資料 54-4 情報通信技術分科会・各部会の活動状況 (第 53 回総会[R7.7.15]以降) 情報通信技術分科会 開催回数 第 188 回 (R7.7.17) 種別 答申 審議事項 ① 「業務用陸上無線通信の高度化等に関する技術的条件」のうち「43GHz 帯鉄 道用無線通信システムの技術的条件」について 【平成 25 年 5 月 17 日付け諮問第 2033 号】 ② 「業務用陸上無線通信の高度化等に関する技術的条件」のうち「6/6.5/7.5 GHz 帯固定通信システムの高度化に係る技術的条件」について 報告 【平成 25 年 5 月 17 日付け諮問第 2033 号】 ① 「新世代モバイル通信システムの技術的条件」のうち「高高度プラットフォーム (HAPS)の技術的条件」の検討開始について 【平成 28 年 10 月 12 日付け諮問第 2038 号】 ② 「ネットワークの IP 化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」のうち「電気 通信事業におけるパブリッククラウドシステム利用」の検討開始について 第 189 回 (R7.9.1) 答申 【平成 17 年 10 月 31 日付け諮問第 2020 号】 ① 「国際無線障害特別委員会(CISPR)の諸規格について」のうち「CISPR ニュ ーデリー会議 対処方針」について 【昭和 63 年9月 26 日付け諮問第3号】 ② 「ネットワークの IP 化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」のうち「電気 通信サービスの利用実態の変化等を踏まえた電気通信事故報告制度の在り方」に ついて 議決 【平成 17 年 10 月 31 日付け諮問 2020 号】 「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環 境の在り方」について 報告 【令和7年2月3日付け諮問第 30 号】 ① モバイル網固定電話の技術的条件に関する検討作業班の立ち上げについて 【平成 17 年 10 月 31 日付け諮問第 2020 号】 ② 「非静止衛星を利用する移動衛星通信システムの技術的条件」のうち「衛星コン ステレーションによる携帯電話向け 700MHz 帯非静止衛星通信システムの技術的 条件」の検討開始について 【平成 7 年 9 月 25 日付け諮問第 82 号】 情報通信政策部会 開催回数 第 68 回 (R7.7.29) 種別 議決 審議事項 「地域社会 DX の推進に向けた情報通信政策の在り方」について 【令和 7 年 2 月 3 日付け諮問第 29 号】 電気通信事業政策部会 (開催なし) 郵政政策部会 開催回数 第 40 回 (R7.7.31) 種別 答申 審議事項 「郵便事業を取り巻く経営環境等の変化を踏まえた郵便料金に係る制度の在り方」 について 議決 【令和 6 年 6 月 24 日付け諮問第 1239 号】 「郵政政策部会における委員会の設置」の一部改正について

資料9

情報通信審議会 総会(第 54 回)議事概要 1 日時 令和7年9月 11 日(木)13:00~14:20 2 場所 第1特別会議室(Web 会議併用) 3 出席者 (1)委員(敬称略) 遠藤 信博(会長)、高田 潤一(会長代理)、荒牧 知子、 石井 夏生利、伊丹 誠、市毛 由美子、内山 隆、大柴 小枝子、 大橋 弘、岡田 洋祐、加藤 寧、閑歳 孝子、桑津 浩太郎、 甲田 恵子、國領 二郎、小島 隆洋、丹 康雄、東條 吉純、 長谷山 美紀、藤井 威生、増田 悦子、横田 純子(以上 22 名) (2)総務省 阿達 雅志(総務副大臣)、竹村 晃一(総務審議官)、 今川 拓郎(総務審議官)、山碕 良志(官房長)、 大村 真一(官房総括審議官)、藤田 清太郎(官房総括審議官) (国際戦略局) 布施田 英生(国際戦略局長) (情報流通行政局) 荒井 陽一(官房審議官)、高田 裕介(地域通信振興課長) 、 坂本 光英(地域通信振興課 デジタル経済推進室長)、 牛山 智弘(郵政行政部長) (総合通信基盤局) 湯本 博信(総合通信基盤局長)、吉田 恭子(電気通信事業部長)、 内藤 頼孝(電気通信事業部 料金サービス課 消費者契約適正化推進 室長)、翁長 久(電波部長)、小川 裕之(電波部 電波政策課長)、 向井 ちほみ(電波部 電波環境課長) (サイバーセキュリティ統括官) 三田 一博(サイバーセキュリティ統括官) (3)事務局 中村 裕治(情報通信政策課長) 4 議 題 (1)答申案件 ①「地域社会 DX の推進に向けた情報通信政策の在り方」について 【令和7年2月3日付け諮問第 29 号】 【内容】 本件は、地方創成 2.0 の実現に向け、AI を含むデジタル技術の中核的 担い手となる企業が、企業のニーズに合った事業展開をできるようにす るための政策の在り方について審議を行ったもの。 審議の結果、情報通信政策部会から報告があったとおり、答申(案) を了承し、答申とすることとした。 ②「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電 波の利用環境の在り方」について 【令和7年2月3日付け諮問第 30 号】 【内容】 本件は、電波の利用環境の在り方として、電波の安全性に関する我が 国の研究等の在り方、情報発信・啓発等の在り方及び近接結合型 WPT の 制度運用の在り方について審議を行ったもの。 審議の結果、情報通信技術分科会から報告があったとおり、一部答申 (案)を了承し、一部答申とすることとした。 (2)議決案件 情報通信審議会議事規則の一部改正について 【内容】 本件は、通信サービスに関する消費者保護に係る制度全般について、 市場環境の変化を踏まえつつ、中長期的な観点から恒常的な検討を行っ ていく必要があることから、消費者保護に係る制度について検討を加え る諮問事項を、電気通信事業政策部会の専決事項として追加することに ついて事務局から提案があったもの。 審議の結果、提案のとおり、情報通信審議会議事規則の一部改正につ いて了承した。 (3)報告案件 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について 【内容】 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について、事務局より報 告があったもの。 本会議にて配付された資料を御覧になりたい方は、総務省HPにおいて公開 しておりますので御覧下さい。 また、総務省において、閲覧に供し及び貸し出しておりますので、以下まで 御連絡をお願いいたします。 担 当:総務省 情報通信審議会事務局 高橋補佐、岡本補佐、東出係長、斉藤官 電 話:03-5253-5432 メール johotsushin-shingikai/●/soumu.go.jp 迷惑メール防止対策のため、送信時は/●/を@に置き換えてください。

資料10

情報通信審議会 総会(第 54 回)議事録 1 日時 令和7年9月 11 日(木)13:00~14:20 2 場所 第1特別会議室(Web 会議併用) 3 出席者 (1)委員(敬称略) 遠藤 信博(会長)、高田 潤一(会長代理)、荒牧 知子、 石井 夏生利、伊丹 誠、市毛 由美子、内山 隆、大柴 小枝子、 大橋 弘、岡田 洋祐、加藤 寧、閑歳 孝子、桑津 浩太郎、 甲田 恵子、國領 二郎、小島 隆洋、丹 康雄、東條 吉純、 長谷山 美紀、藤井 威生、増田 悦子、横田 純子(以上 22 名) (2)総務省 阿達 雅志(総務副大臣)、竹村 晃一(総務審議官)、 今川 拓郎(総務審議官)、山碕 良志(官房長)、 大村 真一(官房総括審議官)、藤田 清太郎(官房総括審議官) (国際戦略局) 布施田 英生(国際戦略局長) (情報流通行政局) 荒井 陽一(官房審議官)、高田 裕介(地域通信振興課長)、 坂本 光英(地域通信振興課 デジタル経済推進室長)、 牛山 智弘(郵政行政部長) (総合通信基盤局) 湯本 博信(総合通信基盤局長)、吉田 恭子(電気通信事業部長)、 内藤 頼孝(電気通信事業部 料金サービス課 消費者契約適正化推進 室長)、翁長 久(電波部長)、小川 裕之(電波部 電波政策課長)、 向井 ちほみ(電波部 電波環境課長) (サイバーセキュリティ統括官) 三田 一博(サイバーセキュリティ統括官) -1- (3)事務局 中村 裕治(情報通信政策課長) 4 議 題 (1)答申案件 ①「地域社会 DX の推進に向けた情報通信政策の在り方」について 【令和7年2月3日付け諮問第 29 号】 ②「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電 波の利用環境の在り方」について 【令和7年2月3日付け諮問第 30 号】 (2)議決案件 情報通信審議会議事規則の一部改正について (3)報告案件 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について -2- 開 ○遠藤会長 会 ただいまから情報通信審議会第 54 回総会を開催させていただきます。 本日はウェブ会議とのハイブリッド形式にて会議を開催させていただいております。 現時点で、委員 30 名中 22 名の方が御出席をいただいており、定足数を満たしてござい ます。 会議の傍聴につきましては、ウェブ会議システムによる傍聴とさせていただきたいと 存じます。 また、本日、審議の終了前に、阿達総務副大臣から御挨拶をいただく予定になってご ざいます。 それでは、お手元の議事次第に従いまして、議事を進めてまいりたいと存じます。 本日の議題は、答申案件2件、議決案件1件、報告案件1件となってございます。円 滑な議事進行に御協力をお願いいたします。 (1)答申案件 ① 「地域社会DXの推進に向けた情報通信政策の在り方」について 【令和7年2月3日付け諮問第29号】 ○遠藤会長 初めに、答申案件、諮問第 29 号「地域社会 DX の推進に向けた情報通信政 策の在り方」について、審議をいただきたいと存じます。 本案件につきましては、情報通信政策部会におきまして精力的に調査・審議し、この たび答申案をまとめていただきました。 本日は、情報通信政策部会の部会長である國領委員から御説明をいただきたいと存じ ます。よろしくお願いいたします。 ○國領委員 情報通信政策部会長の國領でございます。 それでは、資料 54-1-2が答申案ではございますが、大部のため、資料 54-1-1 の概要資料に基づいて説明をさせていただきます。 本件は、令和7年2月に総務大臣より諮問を受けた諮問第 29 号「地域社会 DX の推進 に向けた情報通信政策の在り方」について、情報通信政策部会において調査・審議を重 -3- ねてきたものでございます。本年2月 13 日の第 63 回部会において検討開始以降、会合 を6回開催し、事業者ヒアリング等を重ね、議論を深めてまいりました。そして、7月 29 日の第 68 回部会において、本日の答申案を議決したところでございます。 2ページ目について、本諮問の概要を載せております。少子高齢化と人口減少による 働き手不足をはじめ、様々な課題に直面している地域社会・経済を維持・発展させるた めには、AI を含むデジタル技術の徹底活用により地域課題を解決する地域社会 DX を推 進し、イノベーションにより付加価値を創出することが求められています。そのために は、AI を含むデジタル技術の中核的担い手となる企業が、地域のニーズに合った事業展 開をできるようにすることが重要です。 これを踏まえ、情報通信政策部会では、地域社会 DX の推進に向けた政策の在り方につ いて検討するため、ケーブルテレビ事業者、商社、IoT サービス事業者、インフラ管理、 スタートアップ、自治体等、11 者からヒアリングを実施して審議いたしました。 審議を踏まえた答申案のポイントとしましては、地域課題を起点としたマーケット・ インのソリューション創出・導入の強化、AI の徹底活用を核としたデジタル技術の活用 強化、実装・事業化・普及に向けた大幅な支援強化、地域課題解決のための新たなデジ タルインフラの活用、の4つの柱を挙げさせていただいております。 3ページ目について、4つの柱を打ち出すに至った背景について御説明します。 地域の課題と地方公共団体のデジタル化の現状です。三大都市圏以外では、公共交通 機関の縮小や農林水産業の担い手不足、設備の維持・管理、更新費の増加などの課題が 挙げられています。また、総務省で毎年夏に行っている全自治体向けの調査では、約半 数の自治体において、地域課題解決のためにデジタル技術の導入に取り組んだことがな いとの結果が出ています。 地域課題解決に向けた企業等との連携の重要性について、中小企業の3分の1は、現 に何らかの地域課題の解決に取り組んでいます。さらに、今後取り組みたい企業は、ほ ぼ半分となっています。地域課題解決に当たっては、自治体やほかの事業者と連携して 取り組む事例、あるいは今後取り組みたいと思うというニーズが多くなっており、連携 によってメリットがあると受け止められています。 次に、AI の発信点とその導入状況について整理しています。 新しいデジタル技術の一つである AI は、ロボットや自動運転などへの活用を通じて市 場が拡大していることに加え、生成 AI も登場しており、今後、頭脳・肉体労働両面の自 -4- 動化が進むことが期待されています。 一方、日本では中小企業を中心に、企業の AI 導入利活用割合が低くなっています。地 方ほど中小企業の割合が高いことから、地方の企業における AI の利活用も低い水準と見 込まれます。地方公共団体においても、小規模自治体ほど AI 利活用水準が低いという状 況になっています。 5ページ目について、総務省の地域社会 DX の実証事業から実装に至った割合です。令 和2年度から4年度は 10%前後でしたが、令和5年度は平均 20%とやや上昇しておりま すが、依然として低い割合にとどまっています。 6ページ目、新しいデジタルインフラの整備についてですが、衛星通信などの非地上 ネットワーク、NTN やオール光ネットワーク(APN)を例として挙げております。NTN に ついては、低軌道周回衛星との通信で既にサービス提供が進んでいますが、APN につい てはこれからという状況になっております。今後の地域課題解決においては、こうした 新しい通信技術の活用が想定されます。 以上を踏まえつつ、7ページ目では、4つの柱に沿って、その課題と対応の方向性に ついて整理しています。 まず、地域課題起点のソリューション創出・導入強化につきましては、地方公共団体 等とデジタル技術を有する企業や大学等の産学官マッチング体制が不十分、企業は地域 課題ニーズ、地方公共団体は技術シーズの把握が不十分といった課題があり、これに対 して、地方公共団体等の地域課題ニーズと企業の技術シーズをお互い把握しやすくし、 効果的にマッチングになるよう官民の連携体制構築を支援すべき、企業の取組が事業 化・海外展開を見据え、地域課題や経済性などニーズに合ったものになるよう実証前か ら計画の策定を支援すべきという対応の方向性を示しています。 次に、AI の徹底活用強化につきましては、AI は都市部との格差是正に有効な手段であ るにもかかわらず、地方ほど AI 等のデジタル人材が不足し、AI 等の活用も進んでいな い、地方公共団体等にとっては、実績が乏しいスタートアップの活用には不安が伴うと いった課題があり、これに対して、大学等が提供する AI 等人材育成講座の活用を推進す べき、スタートアップの課題解決の実績づくりを支援すべきという対応の方向性を示し ています。 次に、実装・事業化・普及に向けた大幅な支援強化については、例えば農産物が気候 変動の影響や栽培サイクルに合わせたデータが必要であるように、自然環境下等でのデ -5- ータ収集と開発を行う AI ソリューションは実装までに長期間が必要である、通信等の面 的なインフラ整備は費用負担が大きいため、多用途での活用が必要といった課題があり、 これに対して、複数年の実証枠組みを創設すべき、通信インフラを活用したスマート農 業やスマート防災等の地域課題解決を関係省庁連携で支援すべき、優れたソリューショ ンをモデル化すると共に、関係機関と連携して国内での普及や海外展開などにも取り組 むべきという対応の方向性を示しています。 最後ですが、新たなデジタルインフラの活用について、総務省が本年6月に策定した デジタルインフラ整備計画 2030 に基づき、新しい通信技術として NTN や APN などの整備 を推進することに加えて、それらを活用した地域課題解決モデルの創出・実装に取り組 むことも求められると示しています。 私からの御説明は以上となります。どうぞ御審議よろしくお願い申し上げます。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 ただいまの御説明に関しまして、皆様から活発な御意見をいただければと存じます。 ○内山委員 この部会のメンバーでしたので、今御報告あったとおり、通信を通していろ いろな自治体の問題解決に資することができればということで、いろいろな御提案もい ただきましたし、また、課題も御披露いただいたと考えております。 なかなか技術だけで問題を解決するというわけではないですが、あくまで一助として しっかり通信技術を位置づけ、リアルな問題に対して取り組むという姿勢を引き続き持 っていくことで、この施策は多分、有効に作用するかなと考えております。 ○遠藤会長 ○長谷山委員 ありがとうございました。 大変にポイントを捉えた資料 54-1-1 を作成いただきまして、誠にありが とうございます。議論頂いた皆様にも感謝申し上げます。 デジタル技術の導入が十分に進んでいない地域課題解決について、先ほどの御説明に もありましたが、大学等で、簡便かつ容易に受講可能な形態でデジタル技術を習得でき る機会の提供が重要です。デジタル技術の習得といいましても、先ずは、利用するため に十分な技術を学び、心理的な障壁を下げることが必要です。 難易度が高かったり、学ぶ量が多かったりすると、受講せずに、結局、元の状態に留 まることになります。多様な受講者を対象として、受講環境を実装するときに、このよ うな点がポイントになるのではないかと思っております。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 -6- ○甲田委員 全体的な取りまとめ、ありがとうございます。まず、全体的に、AI を使う ことが何か目的のようになっているので、AI を使うことが目的ではなくて、課題解決の 効率化が目的だという見え方が必要かなと思っています。 先ほど全国各地の課題が出ていましたが、私、AsMama という会社で、DX を使って、子 育てや暮らしを近隣共助で頼り合うということを、様々な行政様や企業様と連携させて いただいているんですが、移動の問題、農業・地元産業の人手不足みたいなところに対 しては、子育て支援の人手不足と同じようなデジタル技術が活用できるんですけれども、 それらを使った事例を、やはり小さな自治体様とか企業様は御存じなくて、どういった 課題にどういった DX が使えるのかという事例を、まだまだ御存じないなと感じることが 非常に多くあります。なので、課題は明確でも、それに適した DX の活用、AI の活用と いうのが分からないので、デジタルも AI もよく分からないみたいな状態が続いているの ではないかと思っています。 あと、実証の在り方で、20%程度しかその後実装されないというところだったと思う のですけれども、今後は複数年度にわたる実証・実装というものが検討されるというこ とは、一つ非常に喜ばしいことだと思っておりまして、これまではどうしても実証とい うと単年度で、大体6月、7月ぐらいに公募が出てきて、もう 10 月、11 月、12 月ぐら いまでにはどうするのかを検証しなければいけないみたいな大きな課題があったので、 非常に複数年度の実証というのはすばらしい取組だと思っております。 一方で、例えば、総務省に限らないですが、実証に関しては多少補助金等々が出るも のの、その後の実装やその前の調査についてはなかなか予算がつかないところで、実証 の一部分については少額予算がつくものの、その後の実装のところになったら、もうい きなり民間のほうで実用化すべき、経済的にも自立すべきという状況が非常に多く見ら れて、それではなかなかベンチャーが長年かけて自分たちで見つけてきたソリューショ ンを自治体向けに提案していこうみたいな形にならないので、その辺もよく検討される とよいのではないかなと思いました。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 ○國領委員 ありがとうございます。それぞれに非常に重要なポイントをいただいたか と思うのですが、最後の甲田委員からいただいた点、最初の論点として AI を非常に重視 したわけですけれども、ただし AI というのも課題解決の文脈できちんと位置づけていか なきゃいけない、これが非常に重要じゃないかと思います。 -7- 複数年度支援の仕組みについては、かなり多くの議論があったところでございます。 単年度の体制から複数年度、何とか制度的にいろいろ工夫をしながらやっていくという ことについて書き込ませていただいているわけです。御指摘のように、実証後も継続す る割合を 20%から引き上げていくためには、後のことも考えなければいけないですし、 ひょっとすると前の部分も重視しなければいけないという御指摘は非常に重要な論点で はないかと思います。今回の答申を受けての活動にも反映していただきたいですし、さ らなる改善を図っていくべき点ではないかと感じた次第でございます。ありがとうござ います。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 ○髙田地域通信振興課長 國領先生、甲田先生、ありがとうございます。 まず、AI の活用が目的化してはいけないというのは、そのとおりだと思います。私た ちの事業は、いずれも地域課題を解決するための手段として AI ないしはデジタル技術を 活用していく、この部分が本線だと思いますので、そういったところをしっかり肝に銘 じてやっていきたいと思ってございます。 2点目でございますけれども、実証の前の部分での支援という御指摘がございました。 この点、そのとおりかと思っております。私たちの事業の中でも、計画策定支援という 形で自治体の DX 計画を支援させていただいたり、あるいは推進体制構築支援ということ で、自治体のほうの座組の支援もさせていただいたりしてございます。 また、國領先生、甲田先生にはお世話になってございますが、地域情報化アドバイザ ーといった形で助言する制度がございますが、そういった部分と実証の部分の継ぎ目と いうものが果たしてシームレスかというところにつきましては、私たちも引き続きしっ かり精査をしていきたいと思ってございますし、実証、提案書が出されて、もう手も足 も出ないということになりませんように、申請前から丁寧にケア、フォローに努めてい きたいと思ってございます。 そういった中で、課題は分かったけれども、どういった技術を使うか分からないよと いったところにつきましても、そういった課題解決の道具集のようなものを作っていけ ないか、これは提言の中でもソリューションのモデル化ということでお話しさせていた だいてございますが、こういったところの解像度を一層上げていきたいと思ってござい ます。 御指摘やコメント、ありがとうございました。 -8- ○遠藤会長 ありがとうございました。 1点だけ、私から、お話の中で出たかどうかということについて確認させていただき たいと思いますが、國領先生、お願いします。 1つは、AI を使うことになると、どれだけデータプラットフォームが充実しているか というのは大変重要なことですが、地域でのデータの収集またはプラットフォームの構 築、そういうことについても何か御議論があったのかということと、先ほど NTN、APN と いうお話をいただきましたけれども、これと、データプラットフォームと関連しますが、 時間軸上で、どういうようなタイミングで、どのようなものがあることが望ましいかと、 そういうような若干ミッドタームでのスケジュール的なお話も出たんでしょうか。 ○國領委員 データの取扱い、例えば水産業におけるデータの蓄積のようなところにつ いては、いろいろな形で議論がなされました。ここでもやっぱり、どうやってこの継続 性を、本当に実証などを始めてデータを蓄積したものを実際に使えるようなところまで 蓄積していくためには相当程度の時間が必要です。その意味において、会長が御指摘い ただいたとおり、継続性の話とデータの活用というのは非常に密接に関係しているとい う、そんな議論がなされてきたかと思います。 ○遠藤会長 ありがとうございました。私はやっぱり、ローカルのデータを集める方法 論も含めて、地方大学の果たす役割というのは結構大きいんじゃないかなという気がし ています。それはまた別のところで議論されるかもしれませんが、いずれにしても、今 回の答申をいただいて、一つの方向感が出てきたことは大変よかったなと思います。あ りがとうございます。 皆様、ありがとうございました。まず、1件目につきましては、この辺りで審議を終 了させていただきたいと存じます。 定足数も満たしてございますので、本件につきましては資料 54-1-3のとおり答申 することとしてはいかがかと存じますけれども、御了承いただけますか。 (異議の申出なし) ○遠藤会長 それでは、本件をもって答申をすることとさせていただきたいと存じます。 ありがとうございました。 ②「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環 境の在り方」について -9- 【令和7年2月3日付け諮問第30号】 ○遠藤会長 続きまして、答申案件、諮問第 30 号「社会環境の変化に対応した電波有効 利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環境の在り方」につきまして、審議をさせて いただきたいと存じます。 本件につきましては、情報通信技術分科会及び電波有効利用委員会におきまして精力 的に調査・審議をいただき、このたび一部答申案を取りまとめていただきました。 本日は、情報通信技術分科会長の高田委員から御説明をいただきたいと存じます。よ ろしくお願いいたします。 ○高田会長代理 資料 54-2-2が答申案でございますが、大部のため、資料 54-2- 1の概要資料に基づき説明させていただきます。 本件は、本年2月に総務大臣より諮問を受けた諮問第 30 号「社会環境の変化に対応し た電波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環境の在り方」について、情報通 信技術分科会及び電波有効利用委員会において調査・審議を重ねてきたものです。本年 3月 31 日の第1回電波有効利用委員会において検討を開始いたしまして、その後、同委 員会を2回、委員会の下に設置した電波環境分野の在り方検討作業班を5回開催し、議 論を深めてまいりました。そして、9月1日の第 189 回情報通信技術分科会において、 本日の答申案を議決したところです。 1ページ目について、こちらに検討の背景を載せております。 我が国は人口減少・少子高齢化に直面しており、生産性の向上に取り組むことが喫緊 の課題である中、電波を使ったシステム、サービスは、国民生活や経済活動に深く浸透 しており、国民生活を便利で安全・安心なものにし、経済成長の源泉となる可能性があ り、国が取り組むべき電波の有効利用の推進の在り方について包括的に検討することが 必要ということで、本年2月に諮問をいただいて検討を進めてまいりました。 2番、電波環境分野における利用環境の変化と優先課題について御説明します。電波 の利用環境については、B5G、いわゆる 6G を見据えた更なる高周波数帯の利用拡大、モ バイル機器の増加や無人ロボットの導入など、高周波利用設備を含む無線機器の利用形 態の変化、電気自動車や無人搬送車をはじめとした、無線による非接触給電ニーズやユ ースケースの増加といった変化が顕在化しております。この状況を踏まえて、電波の安 全性に関する我が国の研究等の在り方、2番、電波の安全性に関する情報発信・啓発等 -10- の在り方、3番として、ワイヤレス電力伝送、以下 WPT と略しますが、こちらに関する 制度運用の在り方を優先課題とし、検討を進めてまいりました。 2ページ目について、検討課題1、電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方に ついて御説明させていただきます。 電波の安全性に関する総務省の研究成果は、これまでも、ICNIRP、これは以下「イク ニルプ」と読ませていただきますが、国際非電離放射線防護委員会という WHO とも公式 に連携している国際的な委員会によるガイドライン改定等に積極的に活用され、我が国 の電波防護指針もそれと整合的に運用されております。今後も引き続き我が国で主体的 に研究を推進していくことが適当と考えられます。 また、総務省では 2018 年に、生体電磁環境に関する検討会の報告書の中で、電波の安 全性に関する研究のロードマップを策定しましたが、7年が経過しているため、電波利 用の高度化や国際機関の動きを踏まえて見直すことが適当です。そこで、今回の見直し のポイントのとおり修正をいたしました。 表の左側に記載しておりますが、ロードマップでは、電波が人体に与える影響を評価 するリスク評価、それを基に、電波の強度が一定以下となるよう管理するリスク管理、 それらの知見を基に、国民にその影響を分かりやすく伝えるリスクコミュニケーション の3つに分類しています。 まず、リスク評価につきましては、1番として、熱作用・刺激作用といった科学的に 確立した作用について、ICNIRP が公表した研究課題を踏まえて見直しを行い、発がん性 等の必ずしも科学的に確立していない作用について、WHO について見直しが進められて いる環境保健クライテリアの改定後に改めて検討します。 それから2番として、特に 2025 年以降の研究課題が未確立であったことから、国際機 関の最新の動きを踏まえて、「痛覚閾値」、「深部体温上昇と健康への影響」、「眼球の損 傷と機能」といった3つの研究課題を追加し、3番として、検討の困難性が高く時間が かかり、今後需要が見込まれる「熱作用の反応閾値」の研究を一部前倒ししました。 続いてリスク管理につきましては、4番ですが、今後のより高い周波数帯での利用拡 大を見据え、「吸収電力密度の測定法」のより高い周波数帯の研究を追加、「テラヘルツ 波ばく露量標準の確立」、これを前倒しし、5番として、手間の多いばく露評価手法の 省力化のため、 「AI 等を活用した適合性評価方法」を追加しています。 それからリスクコミュニケーションについては、6番、2030 年頃に B5G を追加しまし -11- た。 続いて2番、今後の研究の進め方につきましては、具体的な研究の実施に当たり、そ の時点で内容・期間を精査し、より幅広い者の研究への参入を促し、ロードマップも適 時に見直しを行うことが重要であり、大学・研究機関や企業等を含めた研究者の育成を 促すエコシステムの構築に向けた努力が重要であると考えられます。 それでは、次のページ、3ページをお願いいたします。こちらがロードマップの修正 案となります。ただいま説明しました見直しのポイント1から6に対応した修正案です ので、ここでの説明は割愛させていただきます。 4ページ目について、検討課題の2番で、電波の安全性に関する情報発信・啓発等の 在り方について御説明いたします。 過去、5G の導入・普及の際には、他国においてデマ情報等に基づく社会問題が発生し、 我が国でも総務省の窓口に多くの問合せがありました。これまでも総務省、携帯電話会 社、研究機関等では情報発信・啓発の取組や連携を行っており、リスクコミュニケーシ ョンの取組や研究も行っています。今後、将来の B5G の導入・普及に向けて、国民が安 心して電波を利用できるよう、情報発信・啓発を適切に進めていく必要がありますが、 単に安全性を強調するのではなく、科学的に確立している根拠や情報をしっかり踏まえ ながら、適切な内容や手段を用いることに留意すべきと考えます。 (2)今後の取組の方向性ですが、B5G の導入・普及の本格化に向け、総務省、携帯 電話会社、研究機関等において情報共有の枠組みを設け、知見の共有等を図る。また、 情報発信の内容や方法について、動画等の効果的な発信方法やサイエンスコミュニケー ターの知見の活用など、より正確でより良いものにしていく、リスクコミュニケーショ ンの研究における知見を整理し、共有して活用することで、対外発信をより効果的なも のにするといったことを検討し、実施していくべきと考えます。 5ページ目について、検討課題の3番で、近接結合型 WPT の制度運用の在り方につい て御説明いたします。 近年、脱炭素化に向けた取組の一環としての電気自動車の需要強化や、製造・物流現 場における自動化に伴う無人搬送車の普及が進む中、それらに対して効率的に給電がで きる近接結合型 WPT への期待が高まっています。近接結合型 WPT の設置は原則として装 置ごとに個別に許可を取る必要がありますが、WPT の普及・促進のため、総務省では一 部システムの型式指定を行い、型式ごとに設置許可が不要とできるよう制度改正を行い -12- ましたが、必ずしも普及につながっていない状況です。 これまでは、型式の指定を行うシステムの優先順位等が明確でない、共用検討などの 検討事項が非常に多い、過去には国際規格等の策定状況が不十分、普及を待たずに型式 指定の検討を開始しているといった状況であり、これによって、型式の制度化までの見 込みが立てにくい、作業班の検討に1年半から3年半程度を要する、国際規格との不整 合を生じる可能性、型式の制度化後も普及が進まないといった課題がありました。 このような課題を解決するために、対応策1として、国際規格を活用した型式の指定 化ということで、近接結合型 WPT を対象とする CISPR 規格を国内答申した際は、速やか に型式指定の検討を実施する、対応策2として、普及実績に基づいた国内独自の型式の 指定化ということで、十分な普及実績があるなどの場合に検討を開始し、共用検討など はワイヤレス電力伝送作業班の開始前に十分な検討を行う、対応策3として、個別許可 の制度の周知として、型式の指定を受けていない製品であっても個別許可で使用が可能 であり、関連するルールを周知することで型式の指定前の普及を促進することを考えて おります。 今後、新たな WPT の型式指定の制度化は、対応策1の国際規格を活用する方法、また は対応策2で示す普及実績及び事前検討に基づく方式で型式指定の検討を進め、必要な WPT システムの型式の指定を迅速化してまいります。 2番目の制度運用の見直しによる効果等につきましては、ワイヤレス電力伝送作業班 での型式の指定に関する検討の所要時間を最短で6か月程度まで迅速化し、メーカーの 事業化の見通しを良くすることで近接結合型 WPT の普及を促進し、また、関連業界の積 極的な国際規格策定への参画により、我が国の関連業界の国際展開に寄与することが期 待されます。 このように、総務省と関係業界が協調し、型式の指定が適時・適切かつ円滑に実施さ れることにより、近接結合型 WPT の社会への普及や諸外国への展開に資することが期待 されます。 私からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 ただいま御説明いただきました内容に関しまして、皆様から活発な御意見、御質問を いただければと存じます。 ○長谷山委員 指摘をされている点が明確に示されておりまして、導入についての線表 -13- も見えるようでございます。妥当なものであると理解いたしました。素晴らしいものを 作成頂きありがとうございます。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 ○内山委員 私は社会科学の人間なので、本来の専門ではないところで発言をさせてい ただきますけれども、まず、課題1番に関して、こちらの分野に限らず、全分野で研究 者不足、あるいは学生の不足ということはあり得る問題なので、この課題等に対しては このように書くのはしようがないかなと思うところはございます。 それから、検討課題の2番目の情報発信というところですけれども、本当に偽・誤情 報問題が非常にシビアな時代ですので、なかなか難しい時代になってきているなという 思いは正直あります。一流の先生方が、お国のお墨つきをもらって、これはリスクがあ る・ない、あるいはこれはまだ未知であるといったことをしっかり情報発信していただ くことは、それなりに有効なことではないかなと思いますし、同時に、お国がお墨つき をつけてということであれば、くれぐれも総務省におかれましても、アカウントを盗ま れないように運用していただければと思うところがございます。 それから課題3番目は、もう典型的によくありがちな認証の問題かと思いますので、 迅速化あるいはワークフローの合理化ということで検討いただいたと見えますので、ぜ ひこのように進めていただくのはよろしいかなと思います。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 私から高田先生に2つ御質問させていただきたいと思いますけれども、これからロボ ティクスが 2030 年にはもう実用化というお話も出ているようでございますが、その観点 からいうと、B5G を含めて高い周波数というものが必須になって、かつロボットをしっ かり動かすためにはどのぐらいのパワーが必要なのかということも含めて考えると、結 構その間に人が入っていて電波の照射を受けるということも考えられますが、その辺に ついて何か具体的なリスクが起きるようなシチュエーションというのは、ロボティクス も含めて何か環境をお考えになられたのかということと、2点目は、WPT ですけれども、 本当に今はビークルだけではなくて、ドローンとか、今申し上げたロボティクスとか、 そういうものがリモートで動く必要があるという観点からいうと、本当に重要な領域だ と思います。そういう観点で、すぐ目の前ではドローンのようなものは絶対的に必要だ と思いますけれども、その辺の時間軸について、御議論はおありになりましたか。お伺 いできればと思います。 -14- ○高田会長代理 御質問ありがとうございます。基本的には委員会及び作業班で議論し ていますので、申し訳ございませんが、まず事務局から状況について回答いただいてよ ろしいでしょうか。 ○向井電波環境課長 まず、1点目につきましては、これから高周波のニーズが高まっ ていく中で、人が入って電波の照射を受けるといった何らかのリスクが生じ得るシチュ エーションについて考えているのかという御質問だったかと思いますけれども、これに つきましては事業者でまだ検証段階でございまして、具体的な議論はこの委員会の中で はなかったところでございます。 もう1点の WPT につきましては、ドローンについても今後のニーズが高まっていくと ころで、時間軸のお話があったかと思いますけれども、こちらについてもまだ具体的な 検討がなされていないところで、今後のニーズを見て、事業者が導入される際に使える ように、制度として設計をしていくということを御議論いただきました。 ○遠藤会長 ありがとうございます。 ○高田会長代理 補足です。高い周波数への対応については、電波利用環境という観点 から、テラヘルツ波のばく露標準、特に電波が体内に浸透しないので、表面ばく露につ いて深く議論するということが入っています。 他方で、高い周波数の運用の形態につきましては、各利用システムにおいて、技術基 準の議論の中で今後議論されていくものと考えています。振る舞いが光に近くなってき ますので、見通し・見通し外というところが非常にはっきりしてきます。この辺りはシ ステム設計の中できちんと反映していく必要があると私も考えております。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 ○甲田委員 安全性(資料3ページ)について、これまでかつて未曽有のことですよね、 5G とか 6G とかというのが出てくるのは。そこで安全性で科学的根拠がないというのは、 まだまだ科学の研究が追いついていないところも多分にあると思っておりまして、まだ まだこういったものが出てきて歴史が短いので、本当に安全性に対するケースがあるの かないのかといったような、まだ科学的根拠は見つけられていないけれども、こういう ケースがあるということは、しっかり把握して公表されていくべきではないかなと思い ました。 デマとそうではないものに対する境界線も、そういった意味でいうと非常に微妙で、 本当にデマのものもあれば、こういうケースがあった、科学的根拠はないにしても疑わ -15- しい事例があるということをしっかり把握した上で我が国の導入を進めていかなければ、 後から実は科学的根拠が発見されたみたいなことが今後起こり得るのかなと思いました。 ○遠藤会長 ありがとうございます。 ○高田会長代理 今おっしゃっていただいた点、大変重要かと思います。先ほども少し お話ししましたように、必ずしも科学的に確立されていない作用ということで認識され ているものもありますので、そういったところも基本的な議論の流儀がある程度確立し ていると思いますので、情報公開も含めて、きちんとコミュニケーションをとっていく。 その意味で、リスクコミュニケーションの重要性が今後も増していくのではないかと理 解しています。 起こり得るということは一つのリスクですから、それをきちんとコミュニケーション する、皆さんに御理解いただくというところが非常に重要かと思っております。 ○向井電波環境課長 今、高田会長代理が御説明いただいたとおりでありまして、事実 関係をしっかりと把握し、利用者の方々に分かりやすいようにお伝えをしていくところ をしっかりとやっていく必要があろうかと思いますので、頑張っていきたいと考えてお ります。 ○遠藤会長 ありがとうございました。特にユースケースというのは、どのように使わ れるのかというイメージを持つことがとても大切なので、ぜひその辺の議論を含めなが ら、安全性に対する何らかのガイドというのをお出しいただけるとありがたいなと感じ ました。 皆様、大変ありがとうございました。ウェブのほうからも現状ないようでございます。 この辺りで審議を終了させていただきたいと存じます。 定足数も満たしてございますので、本件につきましては、資料 54-2-3のとおり答 申をするということにしてはいかがかと存じます。よろしゅうございますか。もし御異 議がございましたら、チャット機能でお申出いただければと思います。 (異議の申出なし) ○遠藤会長 御異議ないようですので、本案を持って答申をさせていただきたいと存じ ます。ありがとうございました。 それでは、本日の2件の答申につきまして、私からもコメントさせていただければと 存じます。 まずは、國領部会長、大橋部会長代理、それから、髙田分科会長、長谷山分科会長代 -16- 理をはじめ、委員、専門委員の皆様におかれまして精力的に御検討いただきましたこと を、心より感謝申し上げたいと存じます。 本日の2件の答申につきましてのコメントでございますが、まず、 「地域社会 DX の推 進に向けた情報通信政策の在り方」の答申につきましては、少子高齢化と人口減少によ る働き手の不足をはじめとして様々な課題に直面している地域社会、そして、経済を維 持・発展させ地域住民の生活を支えるためには、AI を含むデジタル技術の徹底的な活用 により地域課題を解決する地域社会 DX、これを推進することが必須であろうと考えてお ります。 そのためには、AI を含むデジタル技術の中核的な担い手となる企業が地域のニーズに 合った企業展開をできるようにすることが重要であることから、本答申では、総務省が 取り組むべき事項として、地域課題を起点としたマーケット・インのソリューションの 創出・導入の強化、それから AI の徹底活用を核としたデジタル技術の活用の強化、さら には事業化、普及に向けた大幅な支援の強化、そして4番目として、地域課題解決のた めの新たなデジタルインフラの活用の4つの柱を掲げ、それぞれに沿った課題及び対応 の方向性を示していただきました。総務省におかれましては、本答申を踏まえまして、 地域社会 DX のさらなる推進に向けて、施策を具体化し、必要な措置を講ずることを期待 してございます。 次に、「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利 用環境の在り方」の答申につきましては、電波の利用環境の変化を正確に捉えて、適切 な課題の設定と対象方針の検討をしていただきました。 1点目の電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方につきましては、研究のロー ドマップについて、電波利用環境の変化等を踏まえ適切に見直していただいたこと、2 点目として、電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在り方については、情報共有の 枠組みを設けて知見の共有を図ること、そして情報発信の内容や方法をより正確でより 良いものにしていくということで、国民の皆様に電波をより安全・安心に使っていただ けるようになることを期待してございます。 3点目の、近接結合型 WPT の制度運用の在り方については、国際規格を活用した型式 の指定の仕方、それから、さらには普及の実績に基づいた国内独自の型式指定の仕方、 そして個別許可の制度の周知を進めるということで、近接結合型 WPT の国内での普及や 諸外国への展開が促進されることを期待したいと存じます。 -17- 私からは以上でございます。 それでは、答申書をお渡ししますので、阿達総務副大臣がお見えになるのを少々お待 ちしたいと思います。 (報道関係者入室) (阿達総務副大臣入室) ○中村情報通信政策課長 ○遠藤会長 それでは、ただいまより答申書の手交を行っていただきます。 今日は答申書が2件ございます。 まず、1件目でございます。答申書、令和7年9月3日付け諮問第 29 号「地域社会 DX の推進に向けた情報通信政策の在り方」につきまして、審議の結果、別添のとおり答申 をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 (答申書手交) ○中村情報通信政策課長 ありがとうございます。それでは、2件目の答申をよろしく お願いいたします。 ○遠藤会長 2件目でございます。答申書、令和7年2月3日付け諮問第 30 号「社会環 境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利用環境の在り方」 につきまして、審議の結果、別添のとおり答申をさせていただきたいと存じます。よろ しくお願いいたします。 (答申書手交) ○遠藤会長 それでは、ただいまの答申に関しまして、阿達総務副大臣より御発言がご ざいます。阿達副大臣、よろしくお願い申し上げます。 ○阿達総務副大臣 総務副大臣の阿達雅志でございます。日頃より情報通信行政に格段 の御理解を賜り、厚く御礼申し上げます。 ただいま答申をいただきました2件につきましては、遠藤会長をはじめ、委員の皆様 の活発な御審議を経て取りまとめていただきました。 まず、「地域社会 DX の推進に向けた情報通信政策の在り方」答申については、日本の 地域社会・経済を取り巻く状況や AI 等デジタル技術の最新動向を踏まえ、地域社会 DX のさらなる推進に向けた情報通信政策の在り方について御提言をいただきました。 総務省では、地域社会 DX を推進し、石破内閣の最重要課題である地方創生2.0にも 貢献するため、従来の地域社会 DX 推進施策を、人材確保に関する施策も含めた総合的な 施策として地域社会 DX 推進パッケージ事業に改め、令和6年度補正予算より実施してお -18- ります。 同事業は、令和8年度概算要求において継続して要求しているところ、本日の御提言 を次年度事業に適切に反映し、地域初の先進ソリューションの創出と普及に力を尽くし てまいります。 次に、「社会環境の変化に対応した電波有効利用の推進の在り方」のうち「電波の利 用環境の在り方」答申については、電波の利用環境の変化を適切に捉えた上で、電波の 安全性に関する我が国の研究等の在り方、電波の安全性に関する情報発信・啓発等の在 り方、近接結合型ワイヤレス電力伝送(WPT)に関する制度運用の在り方という3つの 優先課題に関して御提言いただきました。 電波の安全性に関する我が国の研究等の在り方については、今後、修正いただいたロ ードマップを踏まえ、研究を進めてまいります。また、その研究成果も踏まえつつ、関 係者による情報共有の枠組みを設け、情報発信の内容や方法をより正確でより良いもの にしていくことで、国民の皆様により安心・安全に電波を利用していただけるよう努め てまいります。また、近接結合型 WPT の制度運用の在り方については、型式指定を迅速 化するなどにより、WPT の普及促進、さらには諸外国への展開の促進につながるよう取 組を進めてまいります。 最後になりますが、委員の皆様におかれましては、引き続き情報通信行政への一層の 御指導と御協力をお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。本当にありがとう ございます。 ○遠藤会長 ありがとうございました。阿達総務副大臣におかれましては御公務のため、 ここで御退席をされます。 ○阿達総務副大臣 ○遠藤会長 どうもありがとうございました。 皆様、御協力ありがとうございました。 (2)議決案件 情報通信審議会議事規則の一部改正について ○遠藤会長 続きまして、議決案件に移ります。 事務局より情報通信審議会議事規則の一部改正につきまして提案をいただいておりま -19- す。事務局から内容について御説明をいただきたいと思います。 ○中村情報通信政策課長 それでは、情報通信審議会議事規則の一部改正につきまして、 資料 54-3により御説明させていただきます。 電気通信サービスにつきましては、申し上げるまでもなく、国民生活及び社会経済活 動を支える基盤的インフラといたしまして、極めて重要な役割を担っております。その 公共性は非常に高いものとなっており、こうした状況の中、技術革新の進展とか、ある いはサービスの多様化によりまして、利用者にとっての利便性とか選択肢は大きく広が っている一方で、情報の非対称性とか交渉力の格差といった構造的課題から、利用者ト ラブルは絶えず発生している状況です。 これまでも総務省におきましては、消費者保護ルールを法定するなどをしてまいりま したが、通信サービスに関する消費者保護に係る制度全般につきまして、市場環境の変 化を踏まえつつ、中長期的な観点から、恒常的な検討を弾力的に行っていく必要がある ことから、消費者保護に係る制度につきまして検討を加える諮問事項を、電気通信事業 政策部会の専決事項として追加することを御提案申し上げます。 詳細につきましては、担当から御説明をさせていただきます。 ○内藤消費者契約適正化推進室長 資料 54-3につきまして、別添を含めまして御説明 をさせていただきます。 電気通信事業法につきましては、法目的として、適正かつ合理的な事業の運営と公正 競争の促進により、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともに利用者等の利益の保 護を図ることを掲げているということでございまして、2003 年の事業法改正におきまし て消費者保護ルールを法定化して以降、累次の検討・見直しを積み重ねてまいりまして、 現在の消費者保護ルールを形成するに至っております。 特に 2015 年の事業法改正におきまして消費者保護ルールの見直しを行った際に、契約 前の説明義務の充実、契約書面の交付事務、その他不実告知等の禁止行為規制、初期契 約解除制度、電気通信事業者による販売代理店への指導等措置義務等、現在の消費者保 護ルールの基礎となる措置を導入しております。 こうした消費者保護ルールの在り方に関しましては、これまでいわゆる行政運営上の 会合、検討会の形でアドホックに検討を積み重ねてまいりまして、必要な制度の検討・ 見直しを適時に行ってきたところでございますが、こうした見直しの結果として、2015 年の先ほど申し上げた事業法の抜本的な消費者保護ルールに関する改正以降も、10 年間、 -20- 消費者トラブルについて減少傾向にあるといったところではございますけれども、引き 続き一定の水準で消費者トラブルが発生し続けている状況にあります。 また、今後、技術革新、さらに社会全体のデジタル化の進展、スマートフォン等の高 度な情報通信端末を通じたサービスの利用の態様の変化といったものが見込まれる中で、 利用者の利便性の向上と表裏一体の形になりますけれども、新たな利用者トラブルが生 じることも想定されております。こうした状況を踏まえまして、利用者が安心・安全に 電気通信サービスを利用し続けることができる持続的な環境を確保するために、消費者 保護ルールの在り方につきまして不断の検証と見直しが求められている状況です。 このような状況を踏まえまして、今後、審議会、電気通信事業政策部会において、中 長期的な視点の下、恒常的な検討を行ってまいりたいと思っております。 その際、当面の検討課題の一例といたしまして、例えば契約手続の場が店舗からオン ラインへと移行する流れもある中で、デジタル化により消費者にもたらされる利便性と、 一方で新しく消費者に生じ得る問題といったところのバランスを図りながら、デジタル 化の流れに適切に対処していくといった検討が考えられております。例えば契約に係る 書面につきまして、電子交付をデフォルト化するといったことの是非も含めて検討する ことを想定しているところです。 また、長年にわたる懸案事項として、継続的な検討がこちらは必要なものとなります が、例えば光ファイバー等の電話勧誘販売によるいわゆるプッシュ型の営業に関する規 制につきましても、引き続き検討を進めていくことが想定されているところです。 その他様々な検討課題が想定されております中で、現行の政策・制度、市場環境の下 で、事業者の法令遵守の状況、消費者からの苦情相談の動向につきまして的確にモニタ リングを行っていくことで、データに基づく適切な検証・評価を進めまして、より実効 的な政策・制度の立案を図る PDCA のサイクルを確立してまいりたいと考えているところ です。 こうした取組を通じまして、市場環境の変化に対応した消費者保護ルールの在り方に つきまして、柔軟かつ迅速に検討を進めてまいることができればと考えているところで す。 ○遠藤会長 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明いただきました内容 につきまして、御意見、御質問等ございましたら、チャット機能も含めていただければ と思いますが、いかがでございましょうか。 -21- 私からご質問してよろしいでしょうか。これはやはり大変重要な案件で、結構せっぱ 詰まった問題でもあろうかと思いますが、時間軸上で何かスケジュールはイメージされ ていらっしゃるのでしょうか。 ○内藤消費者契約適正化推進室長 現状で明確な時期といったところを確定できている ところではないのですが、大体2年から3年といったスパンを一つの区切りにし、そう した中で迅速に対応するものにつきましては段階的に早めに検討の結果を出していくと いった形で、中長期的な観点と申しましても、いたずらに長くならないように2~3年 のスパンを想定しながら、その中で随時短期的に対応するものにつきましては早めに結 論を出していくといった形で検討を進めさせていただければと考えているところです。 ○遠藤会長 ありがとうございます。私自身が個人的に困っているのは、毎朝迷惑メー ル(SMS)が大量に来てしまい、一応、差出人の電話番号は見えていますが、迷惑メー ルをいかに減らしていくかみたいなところも含めて、ぜひ御検討いただければなと思い ます。そういうような領域も今おっしゃられた内容の中に入るものでしょうか。 ○内藤消費者契約適正化推進室長 我々の検討の主眼としては、まずは契約時の手続の 適正化といったところでございますが、審議会の議事規則の改正の文面にもございます とおり、利用者の利益の保護に関するものといったところを事業政策部会にも諮らせて いただくといったところではございます。直接的にどこまでを迷惑メールの対策として 考えるかですが、例えばですが、迷惑メールに関しては法令が別途ございますけれども、 必ずしも我々の事業法の消費者契約の入り口のところの契約の手続に関するところのみ にとらわれることなく、周知・啓発とかそういった取組も含めて、広く利用者の利益に 関するものといったところで取り組んでいくことができればと考えております。そうい ったことの具体的なトピックにつきまして、引き続き有識者の皆さんも含めて幅広く検 討していくことができればと考えているところです。 ○遠藤会長 そういう意味では、ユーザーがかなり、ネットワーク上の幾つかの問題を 必ずしも善良に使いこなしているわけではなくて、問題を発生させるような使い方をさ れている者に対して何らかの処置がとれる法制度みたいのも用意すべきじゃないかと思 うのですよね。そういうものを含めて今御説明いただいた内容を実行していくというこ とで、そういう意味では、ユーザー側の困っている内容をもう一度網羅的に把握される というフェーズがあってもいいような気もいたしますが、いかがでしょう。 ○内藤消費者契約適正化推進室長 こちらは我々のほうでも従前から継続的に苦情相談 -22- といったものを相談センターとして設けまして総務省で把握しているものがあり、加え て消費生活センターで把握している情報を含め、我々で苦情相談の状況を分析しながら 取組をこれまでもやってきたところでございまして、引き続き我々としても、そうした 消費者からの声、データといったものを踏まえながら、実際のデータに基づいた形で政 策立案をしていくことができればと考えております。実態を踏まえて、PDCA という形で、 データを踏まえて政策を立案し、その状況をまた踏まえて、状況を見て、しっかりと取 組を進めていくことができればと考えているところです。 ○遠藤会長 ありがとうございました。ほかにございませんか。 それでは、ただいま御説明いただいたとおり、情報通信審議会議事規則の一部改正に つきまして、資料 54-3のとおり承認をさせていただきたいと存じます。 (3)報告案件 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について ○遠藤会長 続きまして、報告事項でございます。情報通信技術分科会及び各部会の活 動状況につきまして、事務局から御説明をいただきたいと存じます。お願いいたします。 ○中村情報通信政策課長 それでは、情報通信技術分科会及び各部会の活動状況につき まして、資料 54-4により御説明をさせていただきます。 本件でございますが、情報通信審議会議事規則第 10 条第6項及び第 11 条第 11 項に基 づきまして、前回開催されました第 53 回総会以降の情報通信技術分科会及び各部会の活 動状況につきまして御報告申し上げるものでございます。 まず、情報通信技術分科会でございますが、こちらにつきましては2回、7月と9月 にそれぞれ会合を開催しまして、4件の答申をいただいておるところでございます。 また、部会についてですが、情報通信政策部会のほうは、7月に1回、会合を開催し ております。電気通信事業政策部会につきましては、開催の実績はございません。また、 郵政政策部会に関しましては、7月に1回、会合を開催いたしまして、1件の答申をい ただいておるところでございます。 内容の詳細につきましては省略をさせていただきますが、概要は以上でございます。 ○遠藤会長 ありがとうございました。報告について、もし御意見、御質問ございまし -23- たら、今お受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。 全ての案件は以上で終了をいたしました。委員の皆様方、大変ありがとうございま す。 これ以外のことについて何か事務局のほうからあれば、お受けしたいと思いますが、 いかがでございましょう。 閉 ○遠藤会長 会 それでは、本日の会議を終了させていただきたいと存じます。 次回の日程につきましては、別途調整をさせていただき、事務局より御連絡を申し上 げたいと思います。 以上で閉会とさせていただきます。皆様の御協力に心より感謝申し上げます。ありが とうございました。 -24-