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情報通信審議会 総会 第50回

2024-02-09一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

情報通信審議会 総会 第50回 資料情報通信審議会 総会 第50回 資料情報通信審議会 総会 第50回 資料情報通信審議会 総会 第50回 資料情報通信審議会 総会 第50回 資料情報通信審議会 総会 第50回 資料情報通信審議会 総会 第50回 資料情報通信審議会 総会 第50回 資料

資料1

資料50-1-1 令和5年8月28日付け 諮問第28号 市場環境の変化に対応した通信政策の在り方 第一次答申(案)の 概要について 2024年2月9日 情報通信審議会 はじめに 1 ■ 検討の経緯  令和2年改正法(令和2年成立の電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律) の施行後3年見直し規定に基づき、情報通信を取り巻く環境変化に対応し、時代に即した制度の見直しを行う ため、2023年8月、情報通信審議会に「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」が諮問。 ■ 検討の方向性  「2030年頃に目指すべき情報通信インフラの将来像」を整理した上で、電気通信市場の環境変化を踏まえ て、その実現のために検討すべき論点を整理。  論点ごとにNTT法の在り方を含めた政策の方向性を検討する際には、以下の3つを確保することを基本。 1.通信政策として確保すべき事項 ① 通信サービスが「全国に届く」 (不採算地域を含むサービス提供) ② 「低廉で多様」なサービスが利用できる(事業者間の公正競争の確保) ③ 「国際競争力」を確保する (国全体の基礎研究の推進) 2. NTTの経営面で 確保すべき事項 3. 制度改正の際に 確保すべき事項 ○ NTTの経営自由度向上 ○ 「早期」の改正と 「円滑」な改正の 両立 ④ 「経済安全保障」を確保する(漏れのないセーフガード措置)  情報通信産業の国際競争力強化を 進める上で早期に結論が得られた事項 「速やかに実施すべき事項」(→P3)として提言  上記以外の事項 「今後更に検討を深めていくべき事項」(→P4)として整理 情報通信産業を取り巻く諸課題 2 ■ 2030年頃に目指すべき情報通信インフラの将来像 Beyond 5Gの運用が開始され、各種情報通信インフラの相互補完により、 陸・海・空・宇宙をシームレスにつなぎ、通信カバレッジの拡張と先進的なソリューションの実装を進める。 光ファイバは、情報通信の主たる基盤 5Gは、光ファイバの上で展開 NTN※は、離島等の効率的なカバーや (世帯カバー率、2027年度末目標) (人口カバー率、2030年度末目標) 地上系ネットワークを補完 99.84% → 99.9% 93.2% → 99% 非常時の通信手段として ※ Non-Terrestrial Network(非地上系ネットワーク) ■ 電気通信市場の環境変化 【国内市場環境の変化】  情報通信産業の国際競争力低下/経済安全保障の重要性の高まり  国内事業者の研究開発費の伸び悩み/NTTにおけるIOWN構想  ブロードバンド化・モバイル化/メタル回線老朽化/未整備地域等の課題  仮想化・クラウド化/プラットフォーマーの影響拡大 我が国の情報通信産業の国際競争力強化  AI・ロボット市場の拡大やDX・GX投資の増加による、海外の旺盛な需要を取り込むことが今後の成長の鍵  しかし、我が国の情報通信産業の国際競争力は高いとは言えない状況 情報通信産業の国際競争力の推移 20位 → 32位 (2013) (2023) (出典) IMD(2017, 2023)「World Digital Competitiveness Rankings」 国際競争力の強化を図る鍵 電子情報産業における日系企業シェア 19% → 10% (2011) (2021) プラットフォーマーの売上高 Amazon 楽天 51.6兆 1.7兆 (出典) 総務省(2023) 「情報通信に関する現状報告」 (出典) JEITA(2021) 「電子情報産業の世界生産見通し」 ①積極的な研究開発と、②グローバルな視点を持った機動的な事業運営 速やかに実施すべき事項 3  NTTは旺盛な海外需要に対応する取組を進めており、特にNTTのIOWN構想による「ゲームチェンジ」が実現すれば、我 が国の情報通信産業全体の国際競争力飛躍の契機。NTTの研究開発や機動的な事業運営等によるイノベーション 促進を法制度面から支援することが重要であるため、NTT法の関係規律を検討し、「速やかに実施すべき事項」を整理。 速やかに実施すべき事項 現状・課題 ■ 研究の推進責務 【趣旨】 優れた研究開発能力や技術陣を有しているNTTに技術発展のけん引的役割を担わせる。  NTTの基礎・基盤的研究の役割は今後も重要  事業ニーズを把握するNTTの経営判断で研究内容を決めることが最も効果的  NTTは、責務の有無にかかわらず、研究推進に積極的に取り組む考えを表明 現状・課題 ■ 研究成果の普及責務 取組の方向性 研究の推進責務の撤廃 (責務撤廃後の運用:NTTの基礎・基盤的研究 の取組状況は継続的に検証していくことが適当) 【趣旨】 NTTの研究成果独占は不適当であり、NTT仕様の特注設備等についての公正な情報開示が必要  独占的な成果開示を求める海外パートナーとの国際共同研究に支障  経済安全保障の観点から技術流出の問題  汎用品が利用され、NTTの成果独占による公正競争上の懸念が低下 現状・課題 ■ 外国人役員規制 <制度見直し> <制度見直し> 研究成果の普及責務の撤廃 (責務撤廃までの運用:研究成果の原則開示 の運用は、12/22の委員会に見直しの考え方 (NTTが最も効果的と判断する方法で実施) が報告) 【趣旨】 NTTの安全確保に対する役割に鑑み、経営の自主性を確保(外国人役員は一切認められていない)  グローバルかつ多様な観点での経営による国際展開の更なる強化  一定割合までであれば、取締役会の議論を活性化させ、会社経営を安定化  他の特殊会社で外国人役員を一切認めない規制を課している例がない <制度見直し> 外国人役員規制の緩和 (他例を参考に、 一切禁止から、「代表者でないこ と」と「役員の3分の1未満」への緩和が適当 。) ※ 総務省においては、その他早急に見直すべき事項として、必要な措置(NTTの社名変更、NTT持株の剰余金処分の認可の撤廃、役員選解任の認可の緩和)を 速やかに講じることが適当。 今後更に検討を深めていくべき事項 4 「速やかに実施すべき事項」以外の論点については、「検討の方向性」(1ページ)に基づき、引き続き関係者の意見を 幅広く聞きながら「今後更に検討を深めていくべき事項」として整理。 1.通信政策として確保すべき事項 今後更に検討を深めていくべき事項 ① 通信サービスが「全国に届く」(不採算地域を含むサービス提供) 【論点1】 ユニバーサルサービスの基本的考え方 【論点2】 電話のユニバーサルサービス 【論点3】 ブロードバンドのユニバーサルサービス 【論点4】 NTT東西の自己設備設置要件 ② 「低廉で多様」なサービスが利用できる(事業者間の公正競争の確保等) 【論点5】 NTT東西の業務範囲(本来業務) 【論点6】 NTT東西等の地域電気通信業務以外の業務 【論点7】 NTTのグループ経営における公正競争環境の確保 【論点8】 電気通信事業法における競争ルールの在り方 【論点9】 ネットワークの仮想化・クラウド化の進展を踏まえた規律の在り方 ③ 「国際競争力」を確保する(国全体の基礎研究の推進) 【論点10】 我が国の情報通信産業の国際競争力の強化 ④ 「経済安全保障」を確保する(漏れのないセーフガード措置) 【論点11】 外資規制 【論点12】 外国人役員規制 2.NTTの経営面で確保すべき事項 【論点13】 政府の株式保有義務 【論点14】 各種認可事項等 ※ 総務省においては、上記事項の検討の結果等を踏まえつつ、必要な規律を適切かつ確実に担保するための法形式について検討を行うことが求められる。

資料2

資料 50-1-2 市場環境の変化に対応した通信政策の在り方 第一次答申(案) 令和5年8月 28 日付け 諮問第 28 号 2024 年2月9日 情報通信審議会 第1章 はじめに.......................................................................................................................................... 2 第1節 検討の経緯 .............................................................................................................................. 2 第2節 検討の方向性 ......................................................................................................................... 3 第2章 情報通信産業を取り巻く諸課題 .......................................................................................... 4 第1節 2030 年頃に目指すべき情報通信インフラの将来像 ............................................. 4 第2節 電気通信市場の環境変化 ................................................................................................ 8 第3節 我が国の情報通信産業の国際競争力強化について ......................................... 10 第3章 速やかに実施すべき事項 .................................................................................................... 12 第1節 研究の推進責務について ................................................................................................ 13 第2節 研究成果の普及責務について ...................................................................................... 17 第3節 外国人役員規制について ................................................................................................ 21 第4節 今後総務省において実施すべき事項 ........................................................................ 23 (別添) 今後更に検討を深めていくべき事項 ............................................................................. 24 ■ 本答申における主要な事業者についての表記は以下のとおり NTT 持株 日本電信電話株式会社 NTT 東西 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社 NTT NTT 持株及び NTT 東西 1 第1章 はじめに 第1節 検討の経緯 我が国は、少子高齢化の進展、景気の長期低迷による経済的地位の低下 1、自 然災害リスクに加え、厳しさを増す安全保障環境など、様々な課題を抱えている。 情報通信インフラは、コロナ禍を契機とした需要の高まりや AI・ロボット市場の拡大 等による社会全体のデジタル化の更なる進展が見込まれる中で、あらゆる社会経 済活動を支える基盤かつ経済成長のけん引役としてその果たすべき役割が飛躍的 に高まっている。 一方で、国外に目を向けると、ネットワーク機器及びサービスの国際市場におい て、我が国のシェアは低く 2、情報通信産業のグローバルな競争力は回復していな い状況にある 3。今後、国際競争力の強化に向けて、国際展開や研究開発を積極 的に推進することが重要になっているところ、時代に即した制度の見直しを不断に 行うことで、この環境変化に迅速かつ柔軟に対応する必要がある。 このような状況の中、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する 法律の一部を改正する法律(令和2年法律第 30 号)附則第5条では、施行後3年を 経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要が あると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされていること を踏まえ、2023 年8月に総務大臣から情報通信審議会(以下「審議会」という。)に 対し、同法の施行状況を含め、「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」に ついて諮問がされた。 具体的な検討は、電気通信事業政策部会の下に通信政策特別委員会(以下 「委員会」という。)を設置して進めることとされ、特に、日本電信電話株式会社等に 関する法律(昭和 59 年法律第 85 号。以下「NTT 法」という。)の在り方については、 通信政策の根幹に関わる問題であり関係者が多岐にわたるため、同法の在り方を 中心に、2023 年 12 月 22 日まで委員会を 11 回開催し、9回にわたり事業者、団体、 自治体等の関係者ヒアリングを行いながら、検討を重ねてきたところである。 1 日本の競争力は 1990 年に世界で1位だったところ、2023 年には過去最低の 35 位となった(出典:IMD (1990,2023)「World Competitiveness Yearbook」)。 2 マクロセル基地局市場(出荷額。2022 年)における日本企業のシェアは、2.3%である(出典:総務省(2023)「情 報通信に関する現状報告」)。 3 情報通信産業の国際競争力は、2013 年に我が国は 20 位だったが、2023 年には 32 位に低下した(出典: IMD(2017, 2023)「World Digital Competitiveness Rankings」)。 2 第2節 検討の方向性 今回の検討では、「2030 年頃に目指すべき情報通信インフラの将来像」(第2章 第1節)を整理した上で、電気通信市場の環境変化(同章第2節)を踏まえて、その 実現のために検討すべき論点を整理したが、論点ごとに NTT 法の在り方を含めた 政策の方向性を検討する際には、以下の3つを確保することを基本とすることとした。 1.通信政策として確保すべき事項 (1)通信サービスが「全国に届く」(不採算地域を含むサービス提供) (2)「低廉で多様」なサービスが利用できる(事業者間の公正競争の確保) (3)「国際競争力」を確保する(国全体の基礎研究の推進) (4)「経済安全保障」を確保する(漏れのないセーフガード措置) 2.NTT の経営面で確保すべき事項 NTT は、日本電信電話公社(以下「電電公社」という。)から全国津々浦々の 線路敷設基盤を受け継ぎ、公共的な役割を果たすことが期待されることに鑑み、 上記1を確保する上で重要な役割が求められる一方、NTT が民間企業である ことに鑑みれば、上記1の確保に支障のない範囲内で時代に即した自由な経 営を確保し、グローバルな競争環境等において効率的かつ機動的な対応を可 能とする必要がある。 3.制度改正の際に確保すべき事項 制度の廃止と新設を同時に行わないと制度的な空白を生み、国民・事業者 に不利益を与え得ることを踏まえて、「早期」の改正と「円滑」な改正の両立を 図る必要がある。 第一次答申では、審議会において上記検討の方向性に基づき、これまで検討し てきた事項のうち、情報通信産業の国際競争力の強化を進める上で、早期に結論 が得られたものとして速やかに実施すべき事項(第3章)を提言するものである。 また、委員会等において、今後更に検討を深めていくべき事項については、別 添のとおり、整理を行った。 3 第2章 情報通信産業を取り巻く諸課題 第1節 2030 年頃に目指すべき情報通信インフラの将来像 1.我が国の情報通信インフラの現状 情報通信インフラは、我が国の国民生活・経済活動を支える基盤であり、我が 国の経済成長のけん引役としてその果たすべき役割が飛躍的に高まっている。 総務省では、2023 年4月に「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」を改訂 し、安全で強靱な情報通信インフラの構築に向けた取組を一層強化することとし ている。具体的には、①光ファイバの未整備地域の解消や公設光ファイバの民 設移行、②インフラシェアリングの一層の活用等による 5G や 4G の整備、③離島、 海上、山間部等の効率的なカバーや、非常時のネットワークの冗長性確保に有 用な非地上系ネットワーク(以下「NTN 4」という。)の早期国内展開等 5の取組を一 層推進することとしている。 居住世帯向け光ファイバは、2022 年度末時点で世帯カバー率 99.84%(未整備 世帯約 10 万世帯)に達し、2027 年度末までに世帯カバー率 99.9%の目標を掲げ ている。また、固定ブロードバンドに占める光ファイバの割合は、韓国(88.8%)に次 いで世界第2位となっている 6。 5G の展開の基礎ともなる 4G については、エリア外の居住人口が 2021 年度末 時点で約 0.6 万人 7まで減少した。5G については、人口カバー率が 2022 年度末 時点で 96.6%であり、2030 年度末には 5G 人口カバー率を 99%とすることを目 標としている。また、モバイルブロードバンドの普及率は、エストニア(204.1/100 人)に次いで世界第2位となっている 6。 4 Non-Terrestrial Network その他、データセンターや海底ケーブル等の整備促進、次世代インフラ Beyond 5G に向けた研究開発・社会実 装の促進が盛り込まれている。 6 出典:OECD(2022)「Broadband Portal」 7 平成 27 年国勢調査人口を基礎とし、2021 年度末時点で自治体に対して実施したサービスエリア外地域の現状 調査の結果。 5 4 表 2-1-1 情報通信インフラ(地上系)の普及 我が国における NTN の進展について、衛星通信については、衛星コンステレ ーションによる通信サービスの提供が欧米企業を中心に活発化している。我が国 の事業者は、これらの企業との業務提携等によって国内でサービスを提供してお り、2022 年 10 月に KDDI が、2023 年には NTT ドコモ、ソフトバンク等が、それぞ れ SpaceX 社と提携して、一部の地域において法人向けサービスの提供を開始し、 ブロードバンドサービスのほか、携帯電話基地局のバックホールへの導入等が行 われている。また、専用のアンテナ・端末を必要とする従来の利用形態に加えて、 スマートフォン等から衛星に直接通信を行うサービスについても計画が進められ ている。 他方で、HAPS 8 による通信サービスは、現時点ではサービス開始に向けて無 線設備や機体の技術開発を進める段階にあり、2025 年度以降のサービス開始を 目指している。 8 High Altitude Platform Station(高高度プラットフォーム)の略。高高度(高度 20km 程度の成層圏)の飛行機等に 携帯電話基地局等の機能を搭載して広範囲の通信エリアを構築するもの。 5 (出典)総務省(2023) 「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会」(第1回配付資料) 表 2-1-2 新たな通信(衛星コンステレーションの動向) (出典)総務省(2023) 「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会」(第1回配付資料) 図 2-1-1 上空・宇宙における多層的な空間利用の拡大 6 2.情報通信インフラの将来像 各情報通信インフラの特性を踏まえると、2030 年頃には、各インフラが以下① ~③のように展開されることに加え、Beyond 5G(6G)の運用が開始され、各種情 報通信インフラの相互補完により、陸・海・空・宇宙をシームレスにつなぎ、通信カ バレッジの拡張と先進的なソリューションの実装が進むことが考えられる。 ① 光ファイバが伝送の安定性から情報通信の主たる基盤となる。 ② 5G 等は光ファイバの基盤の上で展開が進められる。 ③ NTN は、専用の端末・アンテナを用いるブロードバンドサービスに加えて、 スマートフォン等からの直接の利用は、テキストベースのやりとりに次いで、 音声通話やデータ通信を可能とするサービスの提供も予定されており、地 上系ネットワークの補完的役割を果たすことが期待される。 光ファイバ  安定的な伝送が可能。現時点で世帯カバー率が高い。  離島や山間部等における整備・維持は、コストが極めて高くなる。 モバイル  現時点で 4G の人口カバー率は高く、5G についても今後更なる 展開が期待される。  一時的な利用者の集中等により、トラヒックが集中した場合、通信 速度が低下するほか、安定性を欠くことがある。基地局まで光ファ イバで接続されるのが一般的である一方、離島や山間部等の整 備では衛星回線を活用する場合があるが、通信品質の制約が生 じる場合がある。  災害時に基地局が停波するリスクがある。 NTN  離島、海上、山間部等の効率的なカバーや非常時等のネットワー クの冗長性確保に有用。  衛星コンステレーションによる通信サービスについて、現時点で は、専用のアンテナ・端末に係る導入コストや、利用者が増えた場 合の速度や安定性の観点で、光ファイバと比較して課題があると 考えられる。 表 2-1-3 各情報通信インフラの特性 7 第2節 電気通信市場の環境変化 1985 年の通信自由化以降、電話・メタル回線が中心であった電気通信市場にお いては、IP 化・ブロードバンド化やモバイル化が進展し、現在は、固定ブロードバン ドやモバイルが競争の中心となっている。一方、メタル回線など、電話時代の設備 は老朽化が進んでいる。 近年では、仮想化・クラウド化が急速に進展しており、端末レイヤーやプラットフォ ームレイヤーの巨大な事業者がネットワークレイヤーに進出しつつあり、ネットワーク レイヤー内の構造変化にとどまらず、レイヤー横断的な形で電気通信市場の構造 変化が生じている。 また、情報通信産業の国際競争は年々熾烈化しており、国際市場における我が 国企業の競争力強化に加え、経済安全保障の確保が一層重要になっている。 例えば、NTT 持株においては、2030 年頃の実現を目指す IOWN 構想 9を通じて 世界に先駆けたオール光ネットワーク技術を確立し、新たな情報通信インフラを構 築することを提唱しており、グローバルにゲームチェンジを図ることで我が国の国際 競争力の向上に貢献することが期待されている。 9 IOWN (Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、革新的な技術によりこれまでのインフラの限界を超 え、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした 革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処 理基盤の構想のこと。2024 年の仕様確定、2030 年の実現をめざして、研究開発を始めている(出典:NTT R&D Website)。 8 図 2-2-1 電気通信市場の環境変化 9 第3節 我が国の情報通信産業の国際競争力強化について 人口減少が進む我が国では、今後、国内市場が大幅に拡大することは期待しに くい一方で、国際市場においては、大量のデータ処理を必要とする生成 AI の台頭 等に伴う AI・ロボット市場の拡大や、コロナ禍や温暖化等を契機とした DX 10・GX11投 資の増加により情報通信インフラへの需要が急増している 12こと等を踏まえると、旺 盛な海外需要を取り込むことが、今後の経済成長の鍵になると考えられる。 しかし、このために必要な情報通信産業の国際競争力について我が国は高いと は言えない状況にあり、その順位は、10 年前(2013 年)の 20 位から、2023 年は 32 位に低下している 13。 ネットワークレイヤーでは、我が国のネットワーク機器生産額は、2000 年の2兆 3,237 億円から 2022 年は 6,607 億円に減少し、マクロセル基地局市場(出荷額。 2022 年)では、Huawei(31.6%)、Ericsson(25.3%)、Nokia(17.5%)が上位3位を占め るのに対し、日本企業は合計 2.3%を占めるに過ぎない状況にある 14。 また、端末レイヤーでは、世界の情報端末の出荷額は増加傾向にあり、2022 年 には 92 兆 2,574 億円であるの対し、我が国の情報端末の生産額は減少傾向にあ り、2005 年の 3 兆 7,126 億円から 2022 年は 9,567 億円に減少している 15,16。 さらに、プラットフォームレイヤーでは、売上高(2021 年)で比較すると、Amazon は約 51 兆 5,648 億円(2016 年比 3.5 倍)、Alibaba は 12 兆 2,080 億円(同年比 7.3 倍)と規模も大きく高い成長率となっているのに対し、日本企業は、楽天は 1 兆 6,818 億円(同年比 2.1 倍)、Z ホールディングス 17は1兆 5,674 億円(1.8 倍)など規 模・成長率ともに相対的に低い状況にある 15。 このような中で、国内の通信事業者等が、上述したような旺盛な海外需要につい て、ネットワークレイヤーや端末レイヤーだけでなく、プラットフォーム等の上位レイ ヤーを含めて積極的に取り込むためには、国際競争力の強化が喫緊の課題である ところ、その実現を図る鍵は、イノベーションの促進にあり、その源泉は、積極的な 研究開発とグローバルな視点を持った機動的な事業運営にあると考えられる。 10 Digital Transformation Green Transformation 12 国内の DX 投資は 2030 年には6兆 5,195 億円(2022 年の約 2.5 倍)になるとの予測(出典:富士通キメラ総研 (2022、2023)「『デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』まとまる(プレスリリース)」)。 13 脚注3参照。 14 脚注2参照。 15 出典:総務省(2023)「情報通信に関する現状報告」 16 電子情報産業における日系企業のシェアは 2011 年に 19%だったが、2021 年には 10%に低下した(出典: JEITA(2021)「電子情報産業の世界生産見通し」)。 17 現在はLINEヤフー株式会社。 11 10 研究開発については、次世代の情報通信インフラとなることが見込まれる Beyond 5G(6G)や、デバイスの高度化、AI、セキュリティ等に係る先進的技術の開発を積極 的に進めることが必要であるが、GAFAM 18 等の海外大手事業者と比較して、事業 構造の差異などはあるものの、国内大手通信事業者の研究開発費は、金額及び対 売上高比率の双方において大幅に低い状況にある。また、グローバルな視点を持 った機動的な事業運営に当たっては、各国におけるニーズを的確に把握し、迅速 に適応していくこと、国際的な市場における企業間の連携を進めるために国境を越 えた人材登用を進めることが必要となるが、世界人材ランキングで日本は 43 位 19で あり人材競争力も低い状況にある。 図 2-3-1 国際市場における我が国のシェア 18 19 Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft 出典:IMD(2023)「World Talent Ranking」 11 第3章 速やかに実施すべき事項 第2章第3節のとおり、我が国の情報通信産業において国際競争力の強化が喫緊 の課題となっているところ、NTT 法の在り方を含めた政策の方向性を検討するに当た っては、NTT 法と NTT グループの国際競争力との関係を考慮する必要がある。 NTT グループは、これまでも 1999 年の再編成以降に各社が大型の海外投資に 取り組んできているが 20、最近では、グローバル事業の強化を図るため、NTT データ グループにグローバル事業を統合する組織再編を行うなど、旺盛な海外需要に対応 するための取組を進めているところである。 NTT は、NTT 持株で研究開発を行う IOWN の技術・サービスの展開 21、世界第3 位のデータセンター基盤の更なる拡張、スマートシティをはじめとしたトータルソリュ ーションサービスの展開等を中心に国際展開を積極的に進めていくと述べている。 特に、IOWN 構想による「ゲームチェンジ」※が実現すれば、我が国の情報通信産業 全体が国際競争力を飛躍的に高める契機になると期待されることから、その実現に 向けた研究開発や機動的な事業運営等によるイノベーション促進を法制度面からも 支援することが重要となっている。 このような状況を踏まえ、検討の方向性(第1章第2節)で整理した「通信政策とし て確保すべき事項」のうち国際競争力の確保を図る観点から、NTT 法の関係規律に ついて検討を行った結果、以下第1節・第2節では研究開発に関する責務、第3節で は外国人役員規制について速やかに実施すべき事項を整理し、それを受けて、第4 節では、今後総務省において実施すべき事項を整理したものである。 ※ 光技術をベースとしたネットワーク・情報処理基盤(端末を含む。)の大容量、低遅延、低消費電力 を実現する IOWN を活用し、世界に先駆けて爆発的な情報量への対応と電力効率の向上の両立 を可能とする新たな技術を導入・転換することで、我が国の情報通信産業をはじめとしたあらゆる 産業の国際競争力の強化を図ること。 20 21 参考資料 40 頁参照。 NTT グループでは、海外における IOWN のビジネス創出を進めるため、北米等に拠点を展開している。 12 第1節 研究の推進責務について 1.現状と課題 NTT 法は、優れた研究開発能力や技術陣を有している NTT に対して、技術発 展のけん引的役割を担わせるため、電気通信技術に関する研究の推進責務を 課しており 22,23、直ちに利潤に結びつきにくい基盤的研究を NTT 持株が一元的 に取り扱い 24、事業に密着した応用的研究を NTT 東西が担っている 25。 NTT からは、「NTT は自らの競争力強化のためにこれからも研究開発を推進し ていく考えであり、法律によって義務付けられるものではない」 26との考えが表明さ れた。この点について、一部の委員からは、基礎・基盤的研究が後退しないか懸 念が表明された。そのため、法律上の責務を課さないこととした場合に、NTT が 研究開発費を縮小させて基礎・基盤的研究の後退につながらないか、NTT の考 えを聴取した上で検討することとした。 2.委員会における委員・事業者等からの意見 【委員等からの主な意見】 (NTT 持株と NTT 東西の役割) ・ 「基盤的研究」は NTT 持株、「応用的研究」は NTT 東西という NTT 法の 区分けについて、この整理が妥当か再検討が必要。 22 「会社及び地域会社は、それぞれその事業を営むに当たつては、(略)今後の社会経済の進展に果たすべき電 気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の 電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もつて公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。」(NTT 法第3条) 23 なお、同規定については、NTT 法制定時には、会社の経営意思を尊重する趣旨であったと考えられる。(「これ (NTT 法第3条の規定)は会社として一つの責務としての指針、あとは一つの会社の自主性で決めていただきた いということで、こういう表現になっているわけでございます」「法的な強制力を持たせるということよりも、会社の経 営意思でこれに従ってもらうということの方が会社らしい付き方である、こういうふうに判断したわけでございます」 (第 101 回国会・衆・逓信 13〔1984.7.4〕小山政府委員答弁)) 24 「サービスや商品に直ちに結びつかない基盤的研究(略)につきましては、多額の費用と多くの要員を要し、かつ 当面、競争による研究開発が期待できないわけでございますので、(略)持ち株会社に一元的に引き継がせること といたしております」(第 140 国会・衆・逓信9〔1997.5.14〕谷政府委員答弁) 25 「事業に密着しましたいわゆる応用的研究の分野につきましては、長距離会社、東西の各地域会社それぞれに おいて自由に行うことによりまして、各社が競い合って研究開発を行い、それによって多様なサービスの実現に資 するということを期待する」(第 140 国会・衆・逓信9〔1997.5.14〕谷政府委員答弁) 26 NTT への事後質問に対する回答(第5回委員会)において、NTT からは「例えば、量子コンピュータや高精度時 間計測技術等の技術について、国と共同研究または国からの受託研究を行ってきており、今後ともこれらの分野 に限らず様々な領域において、当社の技術や知見を活かして貢献していきたい」との意見があった。 13 (研究の推進責務の維持) ・ 研究所を縮小して基礎研究ができず、応用研究にも進めない企業が多 数ある等の課題を踏まえ、研究の推進責務については、持続的な基礎・ 基盤的研究の推進やイノベーション促進の観点から持続的に課していく ことを検討すべき。 【事業者等からの主な意見】 (研究の推進責務の撤廃) ・ 諸外国においては民間企業に研究の推進責務を課している例がない。 NTT は自らの競争力強化のためにこれからも研究開発を推進していく考 えであり、法律によって義務付けられるものではなく、推進責務自体を撤 廃すべき。 ・ NTT は、研究開発により新しい技術・サービスを生み出すことで、顧客や 社会の利便性等を向上するとともに、NTT の事業成長を達成し、更なる 成長に向けた新たな研究開発投資を行っていくという成長サイクルをめ ざして、研究開発を実施してきており、推進責務の有無に関わらず、今 後も研究開発を推進していく。 ・ 仮に今後、NTT に推進責務があることを背景に、国等から研究テーマや 優先順位、研究費の額等について指定される等が生じた場合、成長サ イクルを描けなくなる恐れがある。 (NTT による研究開発等への期待) ・ 国立研究開発法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。)と NTT が 相互に補完し、あるいは互いに切磋琢磨や共創することで、我が国が世 界と伍していくための研究力、競争力を強化することが必要。 ・ NTT に対しては、GAFAM とならぶ世界リーディング企業として、アカデミ ア、スタートアップ等をつなぐイノベーションエコシステムの確立等で引き 続き大きな役割を果たしていくことを期待。 3.取組の方向性 NTT は、電電公社から優れた研究開発のノウハウや技術陣等を引き継いでお り、これまで我が国の基礎・基盤的研究の中核を担ってきた。特に、NTT の基礎・ 14 基盤的研究は、国立研究開発法人である NICT と異なり、事業面でのニーズを取 り入れながら、基礎研究からサービス提供の基盤的研究まで一貫した研究開発 を行うことが可能であり、今後も NICT と相互に補完し共創することで、国の基礎・ 基盤的研究の中核を担うことが期待される。また、我が国の情報通信関連企業の 研究開発費を比較しても、その額は突出しており、我が国における情報通信産業 の発展に NTT の基礎・基盤的研究が果たす役割は今後も重要である。 NTT(連結) KDDI ソフトバンク 楽天 NEC 富士通 研究開発費 2,528 264 561 142 1,214 1,095 (出典)2022 年度有価証券報告書等から総務省作成(単位:億円) 表 3-1-1 日本の情報通信関連企業の研究開発費(2022年度) このように重要な役割が期待される NTT が効果的に研究開発を行うことが我が 国の国際競争力の強化を図る観点からも必要なところ、情報通信分野は技術革 新の進展が速く、GAFAM 等のグローバル企業を含め、多様な主体による研究開 発やその成果の市場投入が活発化・加速化している状況に鑑みると、事業面で のニーズを踏まえながら、NTT が、自らの経営判断によりその内容(研究テーマ の取捨選択や優先順位、リソース配分、開発期間等)を決定して、スピード感を持 って研究開発のサイクルを回していくことが最も効果的であると考えられる。 この点、研究の推進責務を撤廃することによって、NTT の研究開発は、NTT が 自らの経営判断に基づきその内容を定めるべきである点を明確化することができ る。 したがって、NTT が効果的に研究開発を行うことで我が国の国際競争力の強 化を図る観点から、NTT 法の研究の推進責務は、撤廃することが適当である。 ただし、研究の推進責務が撤廃された後、短期的利益を追求する株主の意見 等により、リスクの高い基礎・基盤的研究が後退しないかという懸念もあるが、この 点については、NTT から、今後も、更なる成長に向け、IOWN 等の研究開発の深 化・高度化を進めていくとともに、新たなイノベーション等を創出する基盤的技術 の研究開発に積極的に取り組んでいく考えであり、研究の推進責務の有無にか 15 かわらず、研究開発を継続的に推進していく考えとの表明があった 27ことも踏まえ、 総務省において、NTT の基礎・基盤的研究の取組状況について継続的に検証 していくことが適当である。その結果、我が国の情報通信産業の研究開発力の確 保に重大な支障が生じるおそれがあると認められる場合には、総務省において、 必要な対応の検討が求められる。 また、国家戦略である情報通信技術の基礎・基盤的研究の重要性を踏まえる と、NTT だけでなく産学官全体で促進していくことが必要であり、総務省において は、国立研究開発法人である NICT の強化に加え、情報通信分野における事業 者、研究機関等に対する必要な委託研究等の予算支援の強化や研究開発投資 の促進策等について検討する必要がある 28。 (出典)各社の有価証券報告書の数値を基に総務省作成 図 3-1-1 NTT の研究開発費の推移 27 28 第 10 回委員会 NTT の意見について脚注 26 参照。 16 第2節 研究成果の普及責務について 1.現状と課題 NTT 法は、電電公社から技術力を引き継いだ NTT がその研究成果を独占す ることは適当ではないことや、いわゆる NTT 仕様の特注設備などについての公正 な情報開示が必要であることから、広く我が国の電気通信の向上発展に資する ため、NTT に研究成果の普及責務を課している 29。 当該責務規定を受けて、NTT 再編成時の「日本電信電話株式会社の事業の 引継ぎ並びに権利及び義務の承継に関する基本方針」(平成9年 12 月 19 日郵 政省告示第 664 号。以下「基本方針」という。)では、NTT が行う研究の成果につ いては、「公平な条件で(略)その普及に努めるもの」とされており 30、NTT は、こ れに従い作成した「日本電信電話株式会社の事業の引継ぎ並びに権利及び義 務の承継に関する実施計画」(平成 11 年 5 月 21 日認可。以下「実施計画」とい う。)に基づき、NTT が行う研究の成果について、例外はあるものの、原則として いつでも適正な対価を前提として開示 31する運用を行っている。 現在、NTT は、2030 年頃の IOWN 構想実現等を目指して研究開発を進めて いるところ、経済安全保障上の課題 32と、国際競争力強化に向けた課題(独占的 な開示を求めるパートナーとの連携に向けた課題)があるため、研究成果の普及 責務については見直しが必要との意見を示している。 さらに、委員会においても、委員や NTT 以外の事業者等から、研究成果の原 則開示は研究開発インセンティブに逆行するものであり、経済安全保障の確保、 国際競争力の強化の観点から時代にそぐわないものであるとの意見が表明され た。 29 脚注 22 参照。 基本方針三(七)において、「持株会社が引き続き行う基盤的研究に係る研究成果については、持株会社が公 平な条件で積極的にその普及に努めるものとし、地域会社が引き継いで引き続き行う応用的研究に係る研究成 果については、各地域会社が公平な条件でその普及に努めるものとする。」とされている。 31 実施計画では、研究成果の開示の例外について、「a.プライバシーやセキュリティの保護に関連する研究成果は 開示できないことがある。b.事業者の個別のサービス・商品を実現する個性化・商品化のための研究成果は開示 時期を個別に判断する。」とされている。 32 国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等に伴い、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する 行為を未然に防止する重要性が増大していることに鑑み、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確 保の推進に関する法律(令和4年法律第 43 号)が成立し、研究開発に用いられる情報が外部に流出すること等 によって国家及び国民の安全を損なう事態が生じるおそれがある先端的技術の研究開発の促進及びその成果 の適切な活用や特許出願の非公開に関する規定が設けられる(同法第 60 条から第 65 条まで)等、電気通信技 術の研究開発に当たっても経済安全保障の重要性が高まっている。 30 17 2.委員会における委員・事業者等からの意見 【委員等からの主な意見】 (研究成果の普及責務の運用見直し) ・ 研究成果の普及責務について「開示ありき」としていることは、研究開発イ ンセンティブに逆行するのではないか。 (研究成果の普及責務の規定の見直し) ・ 研究成果の普及責務については、運用の見直しにとどまらず、そもそも法 律から削除することも立法論としては有力だが、これを議論するには、責 務があることで具体的に支障があった事例を確認することが必要。 ・ 研究成果の普及責務について当面は運用見直しで対応するのかもしれ ないが、NTT において国際展開の足枷になっているとの認識であるため、 規制自体が本当に必要かどうかは考える必要がある。 【事業者等からの主な意見】 (研究成果の普及責務の運用見直し) ・ IOWN 等をパートナーと展開していく上で、経済安保・国際競争力の課題 があるため、研究開発の推進・普及責務の見直しが必要。普及責務により 国際展開に影響が出ることを懸念。 ・ 共同研究に関するパートナーとの交渉の中で、NTT に課された普及責務 によって同業他社へ共同研究の成果を開示せざるを得なくなることから、 プロダクトの差異化が図れないこと等を理由に、交渉が不成立となった事 例がある。 ・ NTT の研究成果の普及責務が緩和されることで、グローバル企業が NTT と新たに提携を結ぶきっかけとなる可能性がある。 ・ 安全保障の確保は我が国にとって極めて重要であり、NTT の指摘も踏ま え研究開発の普及責務は見直す方向で良いと考えるが、様々な関係者 の見解を踏まえて検討されたい。 ・ 研究成果の開示・非開示は実際には NTT が自主的に判断しており、秘密 保持契約(NDA)に基づく研究開発も行っているため、運用の見直しで対 応可能。 18 ・ 国際競争力の強化や経済安全保障等の観点から、その普及責務を見直 すべき研究成果もある一方、電気通信市場の活性化に寄与するためのネ ットワークの相互接続等に不可欠な技術をはじめとして広く普及を図るべ き研究成果も存在するため、開示領域の定義や運用について、議論が必 要。 ・ NICT は、公的サービスに資するデータの公開、安全保障のための機密 保持、顧客/協業パートナーとの機密保持などにおいて、企業とは異なる 基準で開示・不開示の判断をしている。 ・ NICT は、NTT との共同研究等において、NTT 法による研究成果の普及 責務が障害になったことはないと認識。 (研究成果の普及責務の規定の見直し) ・ 研究成果の普及責務について運用によって対処する案が示されているが、 法律上の普及責務自体を撤廃すべき。 ・ 研究成果の普及責務は時代にそぐわない。NTT に限らない研究開発投 資の促進(税制支援の拡充等)が必要。 ・ NTT の潤沢な資産が NTT 仕様を前提とした研究に使われるインセンティ ブが働くことにより、国内で行われる研究が NTT 仕様のものに偏り、ガラ パゴス化したり、競争上の制約を受けたりする懸念がある。 3.取組の方向性 NTT の研究成果の普及責務は、原則開示とする運用が行われているところ、 当該運用は、国際競争力強化の観点からは海外のパートナーとの国際共同研究 に支障を生じさせる 33などの NTT からの主張があり、経済安全保障の観点からは 技術流出を招くなどの課題もあると考えられる。 また、NTT 持株の研究成果の公開件数は、2000 年時点と比較して3分の1以 下に減少しており、研究成果の普及責務の必要性はこれまでよりも低下している と考えられる。つまり、ネットワーク機器が電話時代のように NTT 仕様の特注設備 33 NTT への事後質問に対する回答(第5回委員会)において「共同研究に関するパートナーとの交渉の中で、当 社に課された開示義務によって同業他社へ共同研究の成果が開示せざるを得なくなることから、プロダクトの差 異化が図れないこと等を理由に、交渉が不成立になった事例」や「ベンダーとのパートナー交渉において、技術 の知的財産権の帰属先を協議した際、当社帰属分であっても成果を第三者へ開示しないことを強く要望され、 結果、交渉が不調に終わった事例」などがあることが示された。 19 ではなく、グローバルベンダーの開発・製造する汎用品が主流を占めていること など、NTT の研究成果に基づいた製品だけでなく、市中技術を元にした製品も 多く用いられていること、競争の主戦場がネットワークから上位レイヤーに移行し ていること等を踏まえると、NTT による研究成果の独占が、直ちに国内市場にお ける公正競争上重大な弊害を生じさせる可能性は低下していると考えられる。 このように、研究成果の普及責務について原則開示とする運用は、我が国の 国際競争力強化や経済安全保障の観点から見直す必要性があり、これを見直し たとしても、国内市場の公正競争に重大な弊害が生じる可能性は低下しているた め、委員会では、総務省に対し、当該運用の見直しに早急に取り組むことを求め、 総務省からは、委員会の第 11 回会合(2023 年 12 月 22 日)において運用見直し の考え方が報告されたところである。 これにより、研究成果の普及責務について原則開示とする運用は見直されるこ とになるが、研究成果を効果的に普及するためには、研究成果の普及責務に基 づき国が一定の方法を定めるよりも、国際競争力の強化や経済安全保障等に留 意した上で NTT が自らの経営判断に基づき定めた方法により行う方が柔軟性が 高いこと、研究成果の普及責務は、運用次第では、萎縮効果を生じさせる懸念が 示されていること等から、NTT 法の研究成果の普及責務は、撤廃することが適当 である。 図 3-2-1 NTT 持株の研究開発成果の公開状況 20 第3節 外国人役員規制について 1.現状と課題 NTT 法は、我が国を代表する基幹的電気通信事業者としての役割、特に我が 国の安全の確保に対する役割に鑑み、外国からの影響力に対する経営の自主 性を確保するため、外国人役員規制が設けられており、日本国籍を有しない人 は NTT 持株と NTT 東西の取締役又は監査役になることができない 34,35。 情報通信分野の国際競争が激しくなる中、経営に関する重要事項の決定に当 たって、海外における事業運営等の識見を取り入れる必要性が高まり、国籍に関 係なく取締役及び監査役を登用することが求められる中、外国人役員規制によっ て日本国籍を有しない人が取締役又は監査役に就けないことは、今後の国際展 開を進めていく上で支障になり得る。 2.委員会における委員・事業者等からの意見 【委員等からの主な意見】 (外国人役員規制の緩和)  外国人役員規制について、グローバルな観点でのマネジメントを困難に していることから、一定の制約を設けて規制緩和を行うことも検討すべき。  外国人投資家を背景とした外国人役員の存在は、一定割合までであれ ば、取締役会の議論を活性化させ、ひいては会社経営の安定に資する。  外国人役員規制については、他の事業の例も参考にしつつ、緩和して いくことが考えられる。 (アクティビスト対策)  仮に役員規制を緩和しても、出資規制の維持・強化により、外資ファンド のアクティビストが外国人役員の選任について圧力をかけてくるような事 態を防げるのではないか。 34 「日本の国籍を有しない人は、会社及び地域会社の取締役又は監査役となることができない。」(NTT 法第 10 条第 1 項) 35 NTT 持株又は NTT 東西が指名委員会等設置会社である場合、外国人は、取締役及び執行役となることができ ない。(NTT 法第 18 条の2第2項) 21 【事業者等からの主な意見】 (外国人役員規制の緩和) ・ NTT グループ従業員 34 万人中、15 万人が外国人である中で、外国人役 員の登用禁止により、グローバルかつ多様な視点でのマネジメントができ ず、どんなに業績を上げても持株の役員に登用することはできないため、 モチベーション低下に繋がっている。 ・ 我が国の基盤である特別な資産を有するという性質上、日本のインフラ・ 国民生活を守りきる意思を確実に有する「当事者意識」や「強い精神・志」 を持った人物により経営がなされるべき。また、判断する基準として、日本 に納税義務を有する役員が望ましい。 3.取組の方向性 NTT 法の外国人役員規制では、日本国籍を有しない人は、NTT 持株と NTT 東西の取締役又は監査役になることができない 36が、外国人役員を認めることは、 グローバルかつ多様な観点での経営を可能とし、国際展開の更なる強化につな がるほか、一定割合までであれば、取締役会の議論を活性化させ、会社経営の 安定に資するなどの利点がある。また、外国人役員規制のある特殊会社で、外国 人役員が一切認められていないのは、NTT 持株と NTT 東西のみであることも踏 まえると、NTT 法の外国人役員規制は、緩和することが適当である。 具体的には、取締役会の決議及び監査役会の決議において、外国からの影 響力に対して業務の自主性を確保するための最低限の規律として、航空法など 他法の規律を参考に、「代表者でないこと」と「役員の3分の1未満」に緩和する 37 ことが適当と考えられる。 36 執行役員については外国人役員規制の対象外であるが、NTT 持株及び NTT 東西においては、執行役員につ いても日本国籍を有しない人は就任していない。 37 会社法(平成 17 年法律第 86 号)では、取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席 し、出席した取締役の過半数をもって行うこととされ(同法第 369 条第1項)、また、監査役会の決議は、監査役 の過半数をもって行うこととされている(同法第 393 条第1項)ところ、同法における取締役及び監査役の規定 上、取締役会において一定数の取締役が取締役会を欠席することが想定されており、また、特別の利害関係を 有する取締役は、議決に加わることができないこととされている(同法第 369 条第2項)ことから、2分の1を超えな い範囲まで外国人の割合を認めてしまうと、外国からの影響力に対して業務の執行等の自主性を確保できない おそれがある。他方で、定足数(2分の1)及び決議(2分の1)の下限である4分の1を超えない範囲までしか外国 人を認めないこととすると、必要な識見を有する人材を十分に選任できなくなるおそれもある。 22 第4節 今後総務省において実施すべき事項 1.法制化等に向けた具体的作業の実施 変化の激しい情報通信市場において、我が国の情報通信産業の国際競争力 強化を図るためには、時代に即した制度の見直しを迅速に行うことが必要である ため、総務省においては、早期に結論が得られた下記事項について必要な制度 整備を速やかに行うことが適当である。 ① 研究の推進責務及び研究成果の普及責務の見直し NTT 法の研究の推進責務及び研究成果の普及責務は撤廃する。 ② 外国人役員規制の見直し NTT 法の外国人役員規制は緩和※1する。 ※1 「代表者でないこと」と「役員の3分の1未満」に緩和することが適当と考えられる。 なお、その他早急に見直すべき事項※2があれば、必要な措置を速やかに講ず ることが適当である。 ※2 NTT の社名変更、NTT 持株の剰余金処分の認可の撤廃や、役員選解任の認 可の緩和を対象とすることが適当である。 2.今後の検討に当たって留意すべき事項 審議会では、今後、上記以外の事項(別添参照)について、今後更に検討を 深めていくべき事項として、関係制度の検討を深めることになるが、総務省にお いては、当該検討の結果等を踏まえつつ、制度の廃止と新設を同時に行わない と制度的な空白を生み、国民・事業者に不利益を与え得ること等に鑑み、まずは 時代に即した必要な規律の在り方を先行して検討を進め、その上で必要な規律 を適切かつ確実に担保するための法形式について検討を行うことが求められる。 23 (別添) 今後更に検討を深めていくべき事項 今回、第一次答申第3章において、速やかに実施すべき事項を提言したところで あるが、当該事項以外の論点は、多岐にわたり、国民・利用者や電気通信事業者等 に重大な影響が生じ得るものであるため、これらについても、第1章第2節で整理した 検討の基本的方向性に基づき、引き続き関係者の意見を幅広く聴きながら議論を深 めることとする。 24 市場環境の変化に対応した通信政策の在り方 通信政策特別委員会(以下「委員会」という。)における 論点整理 目次 論点1 ユニバーサルサービスの基本的考え方............................................. 28 1.現状と課題.............................................................................................................................. 28 2.論点 ........................................................................................................................................... 28 【論点 1-1】 ユニバーサルサービスに位置付ける役務 ...................................... 28 【論点 1-2】 ユニバーサルサービス責務 ................................................................... 30 論点2 電話のユニバーサルサービス .............................................................. 31 1.現状と課題.............................................................................................................................. 31 2.論点 ........................................................................................................................................... 32 【論点 2-1】 ユニバーサルサービスに位置付ける役務(公衆電話を除く) . 32 【論点 2-2】 公衆電話の扱い .......................................................................................... 33 【論点 2-3】 ユニバーサルサービス責務 ................................................................... 35 【論点 2-4】 交付金制度 .................................................................................................... 36 【論点 2-5】 料金の低廉性の確保 ................................................................................ 36 【論点 2-6】 メタル回線の縮退 ....................................................................................... 37 論点3 ブロードバンドのユニバーサルサービス ............................................ 38 1.現状と課題.............................................................................................................................. 38 2.論点 ........................................................................................................................................... 38 【論点 3-1】 ユニバーサルサービスに位置付ける役務 ...................................... 38 【論点 3-2】 ユニバーサルサービス責務 ................................................................... 40 【論点 3-3】 交付金制度 .................................................................................................... 42 【論点 3-4】 料金の低廉性の確保 ................................................................................ 43 論点4 NTT 東西の自己設備設置要件 ............................................................ 44 1.現状と課題.............................................................................................................................. 44 2.論点 ........................................................................................................................................... 44 【論点 4-1】 設備の自己設置要件 ................................................................................ 44 【論点 4-2】 設備の設置概念 .......................................................................................... 45 25 論点5 NTT 東西の業務範囲(本来業務) ....................................................... 46 1.現状と課題.............................................................................................................................. 46 2.論点 ........................................................................................................................................... 46 【論点 5-1】 県域業務規制の扱い ................................................................................ 46 【論点 5-2】 本来業務の範囲 .......................................................................................... 47 【論点 5-3】 NTT 東西の分離.......................................................................................... 48 【論点 5-4】 制度見直しの留意事項 ............................................................................ 49 論点6 NTT 東西等の地域電気通信業務以外の業務 ................................. 50 1.現状と課題.............................................................................................................................. 50 2.論点 ........................................................................................................................................... 50 【論点 6-1】 NTT 東西の地域電気通信業務以外の業務................................... 50 【論点 6-2】 NTT 持株による事業の実施の在り方 ............................................... 52 論点7 NTT のグループ経営における公正競争環境の確保...................... 52 1.現状と課題.............................................................................................................................. 52 2.論点 ........................................................................................................................................... 53 【論点 7-1】 NTT 東西のアクセス部門の資本分離等 .......................................... 53 【論点 7-2】 NTT に対する累次の公正競争条件の在り方 ................................ 54 論点8 電気通信事業法における競争ルールの在り方 ............................... 56 1.現状と課題.............................................................................................................................. 56 2.論点 ........................................................................................................................................... 56 【論点 8-1】 卸電気通信役務に係る規律 .................................................................. 56 【論点 8-2】 第二種指定電気通信設備設置事業者に対する禁止行為規制 ....................................................................................................................................................... 57 【論点 8-3】 電話時代の規制・ルール......................................................................... 58 【論点 8-4】 5G(SA)時代の機能開放 ......................................................................... 58 論点9 ネットワークの仮想化・クラウド化の進展を踏まえた規律の在り方 ...................................................................................................................................... 59 1.現状と課題.............................................................................................................................. 59 2.論点 ........................................................................................................................................... 59 【論点 9-1】 ネットワークの仮想化・クラウド化 ........................................................ 59 論点 10 我が国の情報通信産業の国際競争力の強化............................... 61 1.現状と課題.............................................................................................................................. 61 2.論点 ........................................................................................................................................... 61 【論点 10-1】 国際展開の推進 ....................................................................................... 61 26 【論点 10-2】 研究開発の推進 ....................................................................................... 63 論点 11 外資規制 .................................................................................................. 64 1.現状と課題.............................................................................................................................. 64 2.論点 ........................................................................................................................................... 64 【論点 11-1】 NTT に対する個別審査と総量規制 ................................................. 64 【論点 11-2】 NTT 以外の主要事業者に対する規制 ........................................... 66 論点 12 外国人役員規制 ..................................................................................... 68 1.現状と課題.............................................................................................................................. 68 2.論点 ........................................................................................................................................... 68 【論点 12-1】 NTT に対する規制 ................................................................................... 68 【論点 12-2】 NTT 以外の主要事業者に対する規制 ........................................... 68 論点 13 政府の株式保有義務 ............................................................................ 69 1.現状と課題.............................................................................................................................. 69 2.論点 ........................................................................................................................................... 69 【論点 13-1】 政府の株式保有義務 ............................................................................. 69 【論点 13-2】 黄金株の発行 ............................................................................................ 70 論点 14 各種認可事項等 ..................................................................................... 71 1.現状と課題.............................................................................................................................. 71 2.論点 ........................................................................................................................................... 72 【論点 14-1】 各種認可事項等の在り方 ..................................................................... 72 【論点 14-2】 社名の変更 ................................................................................................. 73 27 論点1 ユニバーサルサービスの基本的考え方 1.現状と課題 ① ユニバーサルサービスは、国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国におけ る提供が確保されるべき電気通信役務(電気通信事業法第 7 条)であり、従来、① 不可欠性(国民生活に不可欠であること)、②低廉性(誰もが利用可能な低廉な 料金で提供されること)、③利用可能性(全国どこでも利用可能であること)が基本 的3要件とされてきた。 ② 電話のユニバーサルサービスについては、NTT 法で NTT 持株・東西に電話のあ まねく提供の責務を課している。また、電気通信事業法でメタル固定電話を中心 とした具体的な対象サービスを定め、不採算地域の維持費用の一部を支援する 交付金制度が設けられており、2006 年度以降交付金制度が運用され、NTT 東西 に交付金が交付されている 38。 ③ 他方、ブロードバンドのユニバーサルサービスについては、2022 年の電気通信事 業法改正により、不採算地域の維持費用の一部を支援する交付金制度が創設さ れたが、あまねく提供の責務が課されていないため、未整備地域の解消が進まな い、既に整備された地域から撤退すること等が懸念され、ユニバーサルサービス の適切、公平かつ安定的な提供に支障が生じるおそれがある。 ④ メタル固定電話は、1997 年の約 6,300 万契約をピークに減少傾向にあり、現在、 約 1,500 万契約。他方、IP 電話を含めると、固定電話は、約 6,000 万契約の水準。 また、固定ブロードバンドは、約 4,500 万契約に達している。 ⑤ NTT からは、老朽化しコスト効率が悪化するメタル設備は、2035 年頃を目途に縮 退せざるを得ない旨が表明。 2.論点 【論点 1-1】 ユニバーサルサービスに位置付ける役務  38 ユニバーサルサービスに位置付ける役務は、従来どおり、基本的3要件(①不可 欠性、②低廉性、③利用可能性)に照らして検討していくことが適当ではないか。 この際、「不可欠性」ではこれを満たすために必要な役務の品質、「低廉性」では 利用者料金の水準、「利用可能性」では役務の普及状況を特に勘案することが求 められるのではないか。 2023 年度の補填額は 67 億円(2022 年度の赤字額 588 億円)。 28  現在のユニバーサルサービスは、無線も一部(電話:不採算地域でのワイヤレス 固定電話、ブロードバンド:ワイヤレス固定ブロードバンド(専用型) 39 )あるが、有 線(電話:メタル固定電話、ブロードバンド:FTTH・HFC)が中心であるところ、検 討に当たっては、技術中立性や、不採算地域での設備の整備・維持の効率性等 も考慮し、無線サービスの更なる活用を検討すべきでないか。  この際、検討対象の無線サービスは、ワイヤレス固定サービス(専用型)、ワイヤレ ス固定サービス(共用型)、モバイルサービス、HAPS による通信サービス、衛星コ ンステレーションによる衛星通信サービスが考えられるが、どうか。 (参考)【論点 1-1】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (メタル回線の縮退)  モバイルや通話アプリの普及拡大に伴い、NTT 東西のメタル設備を用いた固定 電話(加入電話・ISDN 等)の利用は大幅に低下し、数年後には 1,000 万契約を下 回る見込みであり、赤字は拡大している。NTT 東西としては、老朽化しコスト効率 が悪化するメタル設備は縮退せざるを得ない(2035 年頃を想定)。 (ユニバーサルサービスに位置付ける役務の考え方)  ユニバーサルサービスの在り方を議論するに当たっては、利用環境の変化や技 術の進展を踏まえ、何が国民に不可欠なサービスであるかを改めて検討すること が必要。  ユニバーサルサービスとするブロードバンドサービスの通信性能の最低要件を具 体的な想定用途から明確にし、それを実現する通信形態を提供地域に合わせて、 最も効率的なコストになるよう選択できる仕組みが望ましい。 (ユニバーサルサービスに位置付ける具体的な役務)  今後とも NTT 東西の固定電話をユニバーサルサービスとして継続させるべきかに ついて議論が必要。  モバイルについて、普及台数やサービス利用の自由度に加えて、将来的な遠隔 操作等のサービス提供可能性、空白地帯の整備費用などの要素を考慮すると、 ユニバーサルサービスの対象はモバイルに変更することが将来的に望ましい。 39 固定通信サービス向けに専用の無線回線(地域 BWA やローカル 5G)を用いて提供する固定ブロードバンド。 29  電話及び固定ブロードバンドサービスをユニバーサルサービスとすべき。  情報通信インフラは、固定回線のみならず、NTN を含むモバイルなど、時代に応 じたものとすることが必要。 【論点 1-2】 ユニバーサルサービス責務  通信のユニバーサルサービス責務は、IP 化やブロードバンド化等の進展に対応し、 固定電話中心から、ブロードバンドを軸に、無線も活用した制度に見直すべきで はないか。  この際、ユニバーサルサービス責務については、以下の二種類があるところ、ユニ バーサルサービスに位置付ける役務の提供状況等を踏まえつつ、安定性と効率 性のバランスを取りながら日本全国におけるあまねく提供を確保するため、いずれ が適切かについて検討することが必要ではないか。  あまねく提供責務:他事業者の提供地域でも、サービスの提供責務を負う。 (=現在の NTT 法上の電話の責務)  最終保障提供責務(ラストリゾート責務):提供事業者がいない地域に限りサ ービスの提供責務を負う。(=他事業者の提供地域では責務は負わない)  ユニバーサルサービス責務を見直す場合、国民の不安や不利益につながらない ように、固定電話の責務の見直しとブロードバンドの責務の新設を一体的に進め て制度的な空白が生じないようにする必要があるのではないか。  メタル固定電話は、未だ約 1,500 万契約存在すること、また、固定ブロードバンド は、約 4,500 万契約に達しているものの、未整備地域が存在し直ちにその解消が 図られないこと等を考慮すると、責務の見直しと新設を一体的に進める場合にお いて、制度的空白が生じないようにするためには、どのように進めることが具体的 に考えられるか。 (参考)【論点 1-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (IP 化・ブロードバンド化を踏まえた制度見直し)  ユニバーサルサービスの責務について、電話からブロードバンドへ時代に即した 見直しが必要。 30 (制度的空白の発生の回避)  規律の廃止と新設を一体的に進め、責務の制度的な継続を担保することに留意 されたい。 【事業者等からの主な意見】 (IP 化・ブロードバンド化を踏まえた制度見直し)  メタル設備の縮退に当たっては、モバイルや光回線電話やワイヤレス固定電話等 の提供エリアを拡大することによって、全国に代替サービスを提供することが考え られ、その実現に向けては、全国で提供可能となるよう制度等の見直しも必要に なる。  FTTH が個宅まで担保されれば光 IP 電話により電話役務の提供が可能であり固 定電話の需要にも応えられること、未来永劫メタル回線を維持することは非現実 的であることから、徐々に光ファイバに制度の軸足を移すべき。 論点2 電話のユニバーサルサービス 1.現状と課題 ① 電話のユニバーサルサービスは、電気通信事業法において、当初は、「㋐メタル 固定電話、公衆電話、緊急通報」であったが、その後、メタル回線の老朽化の進 展等を踏まえ、「㋑メタル固定電話相当の光 IP 電話(光回線電話)やワイヤレス固 定電話(携帯電話網を利用した固定電話)」がメタル固定電話の代替として利用 可能となった。 ② また、公衆電話については、利用が大幅に減少している状況を踏まえつつ、社会 生活上の安全及び戸外における最低限の通信手段を引き続き確保する観点から、 設置基準が緩和されるとともに、「㋒災害時用の特設公衆電話」がユニバーサル サービスに追加された。 ③ 交付金制度による支援については、㋐ 40 は対象だが、追加された㋑・㋒ 41 は対象 外となっている。 ④ NTT 東西は、役務の安定的提供等を確保する観点から自己設備による役務提供 が原則とされているため、NTT 東西が(他者設備である)モバイル網を利用して提 40 41 脚注 38 参照。 特設公衆電話については、通話料部分が交付金制度の支援対象外。 31 供するワイヤレス固定電話(共用型)については、不採算地域等に限定して認め られている。 ⑤ 料金については、NTT 東西のメタル固定電話、公衆電話には、プライスキャップ 規制(一定の基準で定めた上限価格を上回る料金設定は認可制)が課されており、 これまで当該規制が実質的に電話のユニバーサルサービスの料金の低廉性確保 の役割を果たしてきた。 ⑥ このような中、NTT から、老朽化しコスト効率が悪化するメタル設備は、2035 年頃 を目途に縮退せざるを得ない旨が表明。 2.論点 【論点 2-1】 ユニバーサルサービスに位置付ける役務(公衆電話を除く)  現在、電話とブロードバンドがユニバーサルサービスとなっているが、メタル固定 電話の契約数が減少し、2035 年を目途としたメタル回線の段階的縮退に関する 考えが表明される中で、基本的3要件(①不可欠性、②低廉性、③利用可能性) に照らして、ユニバーサルサービスに位置付ける役務(光 IP 電話や無線サービス 等)の扱いを含めて、電話のユニバーサルサービスの在り方について、どのように 考えるか。  また、ブロードバンドのユニバーサルサービスが確保されれば、電話はその付加 サービスとしてあまねく利用可能となるため、電話単体をユニバーサルサービスと する必要性は低下するが、以下の「低廉性」要件との関係も含め、どう考えるか。  従来から、NTT 東西のメタル固定電話の基本料(NTT 東日本:1,700 円・住宅 用3級局)が「低廉性」の基準とされ、この料金水準で利用できるメタル固定電 話は未だ約 1,500 万契約存在している。  約 4,500 万契約ある IP 電話は、ブロードバンドのオプションサービスであり、 電話単体では低廉(NTT 東日本・ひかり電話 500 円)であるが、加えてブロー ドバンド料金(NTT 東日本:戸建て 5,200 円)が必要となるため、「低廉性」の 要件を満たさないとされている。 32 (参考)【論点 2-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (ユニバーサルサービスに位置付ける具体的な電話の役務)  固定電話をユニバとすること自体を切り捨てるのは乱暴。電話について、不採算 地域以外もメタル固定電話以外の技術による提供を検討してもよい。 【事業者等からの主な意見】 (ユニバーサルサービスに位置付ける具体的な電話の役務)  メタルの固定電話を将来にわたって継続することは現実的でない。NTT 東西の固 定電話をユニバーサルサービスとして継続させるべきか議論が必要であり、仮に 電話サービス等を引き続き対象とする場合は、光を全世帯に敷設するよりも、国民 に広く普及しているモバイルによる効率的かつ利便性の高い仕組みをめざすべき。  IP 電話も含めた固定電話(約6千万世帯)に一定のニーズがあることにも留意。  生活に不可欠なユニバーサルサービスとして維持すべき電話の対象は、IP電話 及びワイヤレス固定電話。  固定電話の減少と携帯電話の普及を踏まえ、電話のユニバーサルサービスとして は公衆電話の他、携帯電話の音声通信、緊急通報とすることが適当。  携帯電話をユニバーサルサービスとすることは現時点では適切ではない。 【論点 2-2】 公衆電話の扱い  公衆電話は、社会生活上の安全及び戸外における最低限の通信手段を確保す る観点から、電話のユニバーサルサービスに位置付けられているが、以下の点を 踏まえ、今後の位置付けについてどのように考えるか。  公衆電話の提供に用いられるメタル回線はコスト効率が悪化し、携帯電話も 普及している状況にあり、国民負担の観点からは、コストミニマムな方法が求 められること  携帯電話には、災害時の基地局停波のリスク、非常時のバッテリーの問題、 未保有者が一定数存在などの課題があること  公衆電話を光サービスで提供可能とするための追加コスト(バッテリー設置や 課金機能の開発・実装等)が必要となること 33  諸外国の公衆電話では、米国は当初からユニバーサルサービスの対象外、 EU 主要加盟国(仏、独、伊、西)はユニバーサルサービスの対象外に見直し、 英、韓、豪はユニバーサルサービスの対象となっていること  災害時等の通信手段の確保の観点から、公衆電話に代えて、特設公衆電話の普 及を進めることについてどう考えるか。また、公衆電話の光回線対応について、タ ブレットで対応することも考えられ、ベンチャー等の参加を得て検討すべきでない か。 (参考)【論点 2-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (災害時の通信手段の確保)  災害時等の通信手段の確保の観点から、公衆電話に一定のニーズがあることに も留意。 【事業者等からの主な意見】 (公衆電話のユニバーサルサービスへの位置付け)  固定電話の減少と携帯電話の普及を踏まえ、電話のユニバーサルサービスとして は公衆電話の他、携帯電話の音声通信、緊急通報とすることが適当。(再掲)  米については、公衆電話のユニバーサルサービス義務がなく、EU 主要加盟国 (仏、独、伊、西等)においては、公衆電話のユニバーサルサービス義務の廃止 等や電話機の撤去を進めていることも踏まえ、公衆電話のユニバーサルサービス 義務は、廃止も含め、モバイルによる代替等、国民負担の観点からコストミニマム な方法の検討が必要。 (災害時の通信手段の確保)  公衆の場所への特設公衆電話の設置を普及させていくことで災害対策をしていく ことがこれから重要。  公衆電話や災害時用公衆電話を維持強化することは、NTT の重要な役割。  社会生活上の安全及び戸外における最低限の通信手段を確保する観点から、当 面一定数は必要だが、内容や提供方法は、光ファイバへの移行等も踏まえて今 後検討が必要。 34 【論点 2-3】 ユニバーサルサービス責務  【論点 2-1】で仮に電話のユニバーサルサービスを維持するとした場合、ユニバー サルサービス責務も引き続き維持することでよいか。維持する場合、安定性と効率 性のバランスを取りながら日本全国におけるあまねく提供を確保するためには、ユ ニバーサルサービスに位置付けるサービスの提供状況等を踏まえ、当該責務は、 従来のあまねく提供責務と最終保障提供責務のいずれが適当か。  現在、電話のユニバーサルサービス責務は NTT に課されているが、約 1,500 万 のメタル固定電話の契約者に対して当該責務に基づきユニバーサルサービスを 提供していることや、電話の提供における無線サービスの更なる活用の可能性等 を踏まえ、当該責務を引き続き NTT に課すことの適否を含め、当該責務を担う主 体をどう考えるか。  仮に NTT に責務を引き続き課す場合、老朽化しコスト効率が悪化するメタル回線 の円滑な縮退を可能とする観点から、NTT 東西の自己設備設置要件の趣旨(後 述)を踏まえつつ、現在、不採算地域に限定されているワイヤレス固定電話の要 件の緩和・撤廃など、他者設備を利用して電話の責務を履行できる範囲を拡大す ることについて、どのように考えるか。 (参考)【論点 2-3】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (電話のユニバーサルサービス責務)  固定電話をユニバとすること自体を切り捨てるのは乱暴。(再掲) (役務の提供方法)  電話について、不採算地域以外もメタル固定電話以外の技術による提供を検討 してもよい。(再掲)  他者設備の更なる利用を含め、経済合理的な方法を選択可能とすべき。 【事業者等からの主な意見】 (電話のユニバーサルサービス責務)  「電話」の全国提供義務は時代にそぐわない。  電話のあまねく義務はメタル回線から光ファイバに移行すべきだが、あまねく義務 35 自体の撤廃は、公益性の高い通信の確保に支障をきたすことに留意。 【論点 2-4】 交付金制度  仮に電話のユニバーサルサービスや責務を維持する場合は、交付金制度 42も引 き続き維持することでよいか。維持する場合、現在、電話のユニバーサルサービス に位置付けられるサービスであっても、交付金制度の支援対象でないものもある が、支援対象サービスの範囲など、交付金制度の在り方についてどのように考え るか。 (参考)【論点 2-4】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (支援対象サービスの範囲)  メタルの固定電話を将来にわたって継続することは現実的でない。NTT 東西の固 定電話をユニバーサルサービスとして継続させるべきか議論が必要であり、仮に、 電話サービス等を引き続きユニバーサルサービスの対象とする場合は、光を全世 帯に敷設するよりも、国民に広く普及しているモバイルにより効率的かつ利便性の 高い仕組みをめざすべき。(再掲)  携帯電話はユニバーサルサービスとすることは現時点では適切ではない。(再掲)  生活に不可欠なユニバーサルサービスとして維持すべき電話の対象は、IP電話 及びワイヤレス固定電話。(再掲) 【論点 2-5】 料金の低廉性の確保  電話のユニバーサルサービスは、電気通信事業法上、基礎的電気通信役務と規 定されるが、基礎的電気通信役務には料金の低廉性を確保する規律はなく、 NTT 東西のメタル固定電話等が、特定電気通信役務(独占的サービスのうち利用 者利益に及ぼす影響が大きい役務)としてプライスキャップ規制を課される結果、 電話のユニバーサルサービスの料金の低廉性が実質的に確保されてきた。 メタル固定電話等の需要の減少が大きく、相対的に利用者利益への影響が低 下していることから、特定電気通信役務を対象にしたプライスキャップ規制につい ては、ユニバーサルサービス(基礎的電気通信役務)の料金の低廉性を確保する 仕組みへの見直しも含め検討することが必要と考えられるが、どうか。 42 脚注 38 参照。 36 (参考)【論点 2-5】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (低廉性を確保した役務提供の在り方)  他者設備の更なる利用を含め、経済合理的な方法を選択可能とすべき(再掲) 【事業者等からの主な意見】 (低廉性を確保した役務提供の在り方)  メタルの固定電話を将来にわたって継続することは現実的でない。NTT 東西の固 定電話をユニバーサルサービスとして継続させるべきか議論が必要であり、仮に 電話サービス等を引き続きユニバーサルサービスの対象とする場合は、光を全世 帯に敷設するよりも、国民に広く普及しているモバイルによる効率的かつ利便性 の高い仕組みをめざすべき。(再掲) 【論点 2-6】 メタル回線の縮退  2035 年頃を目途にメタル回線の縮退を進める場合、利用者や事業者等に不測の 支障が生じないように留意して行う必要があるところ、メタル回線の円滑な縮退を 実現するためには、NTT や国等においてどのような取組が必要となるか 43。 (参考)【論点 2-6】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (メタル回線廃止の必要性)  メタル回線の維持限界に伴い、メタル回線のサービスを廃止すること自体はやむ を得ない。  技術の進展に応じた設備更新は十分想定され得る。 (メタル回線の円滑な廃止)  2035 年頃にはメタル回線が維持限界を迎える。メタル回線の全廃には 10 年ほど かかることを踏まえ、今から検討が必要。  2035 年という廃止時期の適切性は、メタル回線の早期廃止による光ファイバ整備 43 光回線を用いた電話単体サービスとして、ひかり電話ネクスト(基本プラン 2,750 円/月)がある。 37 促進の効果と、メタル回線ユーザーの移行期間の確保の双方を考慮した上で判 断されるべきものであり、そのためにも、メタル回線のサービス廃止・移行計画等 については、ユーザーや卸先・接続事業者に対して十分前もって開示することで、 適切な廃止時期の検討を促進することが必要。 論点3 ブロードバンドのユニバーサルサービス 1.現状と課題 ① 現在、ブロードバンドのユニバーサルサービスは、FTTH、CATV(HFC 方式)とワ イヤレス固定ブロードバンド(専用型) 44。 ② ワイヤレス固定電話が電話のユニバーサルサービスとされる一方、ワイヤレス固定 ブロードバンド(共用型) 45 はブロードバンドのユニバーサルサービスとされていな い。 ③ ブロードバンドでも、交付金制度は導入された(現在コスト算定等の詳細を検討中) が、ユニバーサルサービス責務は、特定の者に課されておらず、また、現在の電 気通信事業法の規定においては参入・退出が原則自由となっているため、事業 者の判断でサービスが提供されなくなるおそれ。 ④ 電話のユニバーサルサービス制度では、特定電気通信役務に対するプライスキャ ップ規制により、料金の低廉性が実質的に担保されているが、ブロードバンドのユ ニバーサルサービス制度では、料金の低廉性を担保する仕組みがない。 2.論点 【論点 3-1】 ユニバーサルサービスに位置付ける役務  ブロードバンドのユニバーサルサービスに位置付ける役務は、基本的3要件(① 不可欠性、②低廉性、③利用可能性)に照らした場合、現時点では、品質や料金 水準(定額制)等の面から、光ファイバ等(FTTH、CATV(HFC 方式)、ワイヤレス 固定ブロードバンド(専用型))を原則とすべきではないか。  その上で、不採算地域では、効率的な整備・維持が必要となることや、相対的に 利用者数が少なく輻輳が生じにくいと考えられること等に鑑み、基本的3要件を踏 まえつつ、例外的に無線の更なる活用も検討することが適当ではないか。 44 45 脚注 39 参照。 固定通信サービスと移動通信サービス共用の無線回線(携帯電話網)を用いて提供する固定ブロードバンド。 38  活用対象となる無線としては、ワイヤレス固定ブロードバンド(共用型)、モバイル サービス、HAPS による通信サービス、衛星コンステレーションによる衛星通信サ ービスが考えられるところ、以下の点などを考慮して検討を深める必要があるので はないか。この際、「未整備地域」「既存提供者の撤退地域」「公設地域」「離島」な どの地域区分に応じた検討も必要でないか。他に留意すべき点はあるか。  各無線サービスの現状(品質・料金水準や利用状況)や課題、将来性等  公設設備には、放送用の光ファイバが含まれている場合もあること  提供手段の拡大は、交付金の支援区域の縮小に繋がること 46 (参考)【論点 3-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (ユニバーサルサービスに位置付ける具体的なブロードバンドサービス)  ワイヤレス固定ブロードバンド(共用型)をブロードバンドのユニバーサルサービス の対象として検討すべき。  ブロードバンドのユニバーサルサービスとして、NTN やモバイルは技術革新に合 わせて活用すれば良いが、現時点で NTN は海外のサービスしかなく、モバイル は速度が担保されていない。モバイルについては、今後、求められる水準を議論 することと、条件不利地域で安定的に接続するための技術開発が必要。 【事業者等からの主な意見】 (ユニバーサルサービスに位置付けるブロードバンドサービスの考え方)  ブロードバンドサービスの提供に当たっては、過疎地域においても、都市部と比 較して通信の利便性、品質、安定性、料金の平等性が確保されるべき。 (ユニバーサルサービスに位置付ける具体的なブロードバンドサービス)  ブロードバンドのユニバーサルサービスの提供手段としては、将来の技術革新や コスト面も考慮し、光ファイバだけでなく、モバイル、NTN も検討すべき。  衛星やモバイル等について、離島や山間部等を経済合理性のみで判断するのは 不適切。外国事業者に 100%依存する衛星ブロードバンドの経済安全保障上のリ 46 支援区域は、1 者以下提供地域であることが必要。 39 スクも含め、NTT 東西による提供方法の検討など、地域の実情を踏まえた検討が 必要。  衛星やモバイルは、料金や速度、安定性の観点で現実の使用に耐えない場合も ある。特にモバイルは、安定的な使用のために基地局までの光ファイバが必要で あり、大きな技術革新がない限り、固定の方が安定している。  携帯ブロードバンドサービスは固定ブロードバンドサービスと比較して、通信の特 性の違いから、遠隔教育、遠隔医療等を継続的・安定的に利用するための手段と しては必ずしも十分でないことから、現状においては FTTH/CATV(HFC 方式)/ ワイヤレス固定 BB(専用型)が適当だが、光インフラを整備できないような場所へ のサービス提供のための手段として、ワイヤレスや NTN など新しい技術を用いるこ との検討は必要。  各種 NTN(衛星等)については国内でのサービス展開、技術的課題の有無の精 査並びに制度整備が十分ではなく、ユニバーサルサービスとしての是非を論じる には時期尚早。 【論点 3-2】 ユニバーサルサービス責務  ブロードバンドのユニバーサルサービス責務については、安定性と効率性のバラ ンスを取りながら日本全国におけるあまねく提供を確保するためには、以下の点 などを踏まえると、最終保障提供責務とすることが適当ではないか。  現在、電話のユニバーサルサービスでは、NTT にあまねく提供責務が課され ているが、電話のユニバーサルサービスの中心であるアナログ固定電話につ いては、その提供に必要なメタル回線の約 99%は NTT 東西が保有している こと  ブロードバンドは、未整備地域や公設地域も存在する中で多様な設備設置 事業者が競争的に役務提供し、西日本を中心に電力系事業者やケーブルテ レビ事業者のみが提供する地域も存在するため、まずは NTT 東西や他の設 備設置事業者が連携しながらユニバーサルサービスを提供し、それでもなお 生じる未整備地域等について責務を課すことが適当であること  最終保障提供責務については、電電公社から線路敷設基盤を承継した NTT が その役割を担うことの適否を含め、当該責務を担う主体をどう考えるか。また、【論 点 3-1】の活用可能な無線の範囲や【論点 3-3】の交付金のコスト算定等は、NTT 東西に対する負担にも留意しつつ検討することが適当ではないか。 40  上記に関連し、【論点 3-1】の活用可能な無線の範囲の検討の際には、自己設備 設置要件の趣旨を踏まえつつ、NTT 東西が他者設備を利用してブロードバンドの 責務を履行できることを認めることについてどのように考えるか。 (参考)【論点 3-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (最終保障提供責務の考え方)  ラストリゾートというと、①未提供地域、②提供者の撤退地域、③民設移行を図る 公設地域があると考えられ、責務の範囲について議論をする際には、どこまでを 対象とするか留意が必要。 【事業者等からの主な意見】 (ユニバーサルサービス責務)  「光ファイバ」の全国提供義務は必要。 (最終保障提供責務を担う主体)  ユニバーサルサービスは、各地域で最適な方法で最適な事業者が担うべきであり、 固定電話とブロードバンドサービスの両方を含めて電気通信事業法に統合すべ き。また、モバイルや将来的には NTN も含めて、ユニバーサルサービス対象化の 検討が必要。これらを実現したうえで、「必要十分かつ過大でない交付金制度の 実現」「モバイルを含めた柔軟かつコストミニマムな提供手段の導入」等が整えば、 手を挙げる事業者がない地域において、NTT 東西としてラストリゾート責務を担っ ていく覚悟。  英・仏・独では、サービス提供を行う事業者がいない場合には、国がサービス提供 を行う事業者を指定する仕組みが確立されていることも踏まえた検討が必要。  ブロードバンドの整備において、NTT がラストリゾート責務を担うことに賛成。  ブロードバンドの未整備地域の解消等について NTT が公共的な役割を果たすこ とを強く期待している。  ブロードバンドのあまねく提供には、公共性のある民間事業者である NTT の協力 が不可欠。  ブロードバンドのあまねく提供について、他事業者も排除しないが NTT でないと 41 現実的には難しい。 (電気通信事業法における規定)  特定の事業者に退出を禁じるあまねく責務を参入・退出が自由の電気通信事業 法に規定することは、法律の枠組みとして課題あり。 【論点 3-3】 交付金制度  【論点 3-1】で、ブロードバンドのユニバーサルサービスに位置付けられるサービス は、交付金制度の支援対象とすることでよいか。  最終保障提供責務が課される者に対する交付金の水準は、当該責務に伴い生じ る不採算地域の赤字額を補填する必要がある一方、交付金の原資はブロードバ ンド事業者の負担金であるため、最終保障提供責務が課される事業者の非効率 性を排除する必要がある点を考慮して、どう考えるか。その他、交付金の算定に関 して検討すべき点はあるか。 (参考)【論点 3-3】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (交付金の支援対象)  ブロードバンドの提供手段として無線を活用することは当然だが、ブロードバンド のユニバーサルサービス制度における交付金の支援対象としてどこまで含むかは より深い議論が必要。  ワイヤレス固定ブロードバンド(共用型)をユニバーサルサービスに位置づけ、ブロ ードバンドのユニバーサルサービス制度における交付金の支援対象としようとする と、一者提供の地域が縮小するため結果として交付金の対象地域が狭くなってし まうという事態が生じるおそれがある。 【事業者等からの主な意見】 (交付金の支援対象)  仮にワイヤレス固定ブロードバンド(共用型)を二号基礎的役務に位置付けた場 合、ワイヤレス固定ブロードバンド(共用型)がカバーするエリアの拡大によって、 第二種交付金における支援区域の指定要件である「1者以下の提供地域」として 認められる地域が過度に少なくなり、必要な地域に支援が行き届かなくなることも 42 懸念される。 (交付金の水準等)  ユニバーサルサービスは、各地域で最適な方法で最適な事業者が担うべきであり、 固定電話とブロードバンドサービスの両方を含めて電気通信事業法に統合すべ き。また、モバイルや将来的には NTN も含めて、ユニバーサルサービス対象化の 検討が必要。これらを実現したうえで、「必要十分かつ過大でない交付金制度の 実現」「モバイルを含めた柔軟かつコストミニマムな提供手段の導入」等が整えば、 手を挙げる事業者がない地域において、NTT 東西としてラストリゾート責務を担っ ていく覚悟。(再掲) 【論点 3-4】 料金の低廉性の確保  プライスキャップ規制が課される電話と異なり、ブロードバンドには、料金の低廉性 を確保する規制が課されていないが、この点についてどのように考えるか。都市部 では、引き続き事業者間の競争を通じて料金の低廉性を確保すれば足りるか。  他方、不採算地域では、都市部と異なり、事業者間競争を通じた料金の低廉性の 確保が期待しにくく、コストに応じた料金が設定される場合、都市部に比べて高い 料金となることが懸念。このような地域間の料金格差が生じないようにするための 措置についてどのように考えるか。交付金の交付を受ける事業者には一定の措置 を講ずることも考えられるか。 (参考)【論点 3-4】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (低廉性確保の仕組み)  ブロードバンドのユニバーサルサービス制度において、料金の低廉性を担保する 仕組みを検討することは重要。他方で、特別支援区域の整備促進に事業者が躊 躇する金額になるのも望ましくなく、バランスを取ることが必要。  ブロードバンドのユニバーサルサービス制度において、地方と都市部の料金格差 をなくすため、例えば、適格電気通信事業者の指定要件に低廉化に関する担保 措置を入れることなども考えられる。 43 【事業者等からの主な意見】 (低廉性を確保する仕組み)  ブロードバンドのユニバーサルサービス制度に欠けている料金の低廉性を担保す る仕組みも今後求められる。  ブロードバンドサービスの提供に当たっては、過疎地域においても、都市部と比 較して通信の利便性、品質、安定性、料金の平等性が確保されるべき。 論点4 NTT 東西の自己設備設置要件 1.現状と課題 ① NTT 東西は、電電公社から全国規模の線路敷設基盤を受け継ぎ、自ら電気通信 設備を設置・運用することにより、他者の経営判断にかかわらず、電気通信役務の 安定的な提供の確保が可能となっている。すなわち、「全国規模の線路敷設基盤 の保有・運用」と当該基盤上での「自己設備の設置・運用」が相まって、全国規模 での役務の安定的提供を実現している。 ② ネットワークの仮想化やクラウド化等が進展するとともに、特に不採算地域では設 備の効率的な整備・運用が必要となる中で、シェアリングや他者設備の利用、オフ バランス化等を図ることも一つの有効な手段として考えられている。 2.論点 【論点 4-1】 設備の自己設置要件  設備の効率的な整備・運用を図るためには、シェアリングや他者設備の利用、オ フバランス化等を可能とすることも必要となるところ、その趣旨等を踏まえ、自己設 備設置要件の在り方についてどう考えるか。 (参考)【論点 4-1】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (自己設置要件の緩和)  NTT 東西の判断で機動的に設備のシェアリングやオフバランス化による効率的な 構築・運用が可能となるよう、設備の自己設置義務及び重要設備の譲渡の認可 については見直しが必要。 44  設備の自己設置義務の緩和は、基幹インフラ維持に支障が生じる蓋然性が高い こと、設備が第三者に譲渡されると必ずしも第三者が国民の利益のために活用す るとは限らないこと、一種指定設備の規律を免れることが可能になることから反対。 (自己設置要件の緩和の条件)  設備の自己設置義務の緩和は、ワイヤレス固定電話の提供要件のように、著しく 不経済となるエリアにおいて例外的に他者設備を利用する場合に限るべき。 【論点 4-2】 設備の設置概念  電気通信事業法は、設備の「設置」の有無に着目した規律の体系となっており、 「設置」とは、「設備の所有」ではなく、「設備の継続的な支配・管理」を意味すると ころ、他者設備の利用やオフバランス化など、今後、設備の所有者と利用者が分 かれる形態の増加も想定される中で、設備の「設置」に着目した規律を検証する 必要性が生じている。自己設備設置要件における「設置」の概念も、電気通信事 業法の検証に合わせて、当該要件の趣旨を踏まえつつ、検証することが適当でな いか。 (参考)【論点 4-2】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (設備の「機能」に着目した規制)  現在の電気通信事業法は「設備」起点の規制ではあるものの、現実的には「機能」 にも着目した規制であるとの認識であり、本規制により国際競争力強化を阻害し ている認識はない。 (設備の「設置」の解釈)  技術基準に限らず、加入者識別番号(IMSI)の利用条件や、「設備の設置」の解 釈等、クラウドネイティブな情報通信ネットワークの実現に向けて障害となっている 規制について、速やかに見直しが必要。 45 論点5 NTT 東西の業務範囲(本来業務) 1.現状と課題 ① NTT 法では、NTT 再編時(1999 年)は、地域通信と長距離通信の区分が公正な 競争の促進を図る上で重要であったことに鑑み、NTT 東西は、長距離通信(県間 通信・国際通信)を担わない会社とされ、県内に閉じる通信(県内通信)の媒介が 本来業務とされるとともに、本来業務は、原則としてそれぞれ東日本地域と西日本 地域で行うことが必要とされている。 ② NTT 東西は、NTT 法で別々の株式会社と規定されており、東西間の合併が禁止 されるとともに、県内通信に限定する業務範囲規制(県域業務規制)により県をま たぐことが想定される移動通信事業や ISP 事業等を営むことが禁止されている。こ れにより、新たに県をまたぐ移動通信事業を営むことが禁止されるだけでなく、全 国で移動通信事業を営む NTT ドコモ等との合併も禁止されることとなる。 ③ IP 化の進展により登場したブロードバンドや光 IP 電話は、地域通信と長距離通信 を区分した料金・サービス体系ではなく県間通信を伴うものであるため、NTT 東西 は、NTT 法上の活用業務の届出をして特例的に実施してきたところ、2025 年に PSTN(回線交換網)が IP 網に完全移行すると、メタル固定電話の県内通話も、東 京又は大阪のルータを経由する県間通信となり活用業務の届出が必要となるた め、メタル固定電話、光 IP 電話やブロードバンドといった基幹的なサービスは、全 て本来業務の範囲では実施できないサービスとなる。 2.論点 【論点 5-1】 県域業務規制の扱い  IP 化の進展により、県内サービスと県間サービスを区分して競争を促進する意義 が希薄化している状況を踏まえ、県域業務規制は、見直しが必要ではないか。 (参考)【論点 5-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (県間業務の本来業務化)  NTT 東西の業務範囲について、移動通信業務など公正競争に重大な影響を与 えるおそれのある業務を除き、少なくとも固定通信の県間業務は本来業務化する ことが必要。 46 【事業者等からの主な意見】 (県域業務規制の意義の希薄化)  NTT 東西の業務範囲を県内に限定する規制は意義が薄れてきている。 【論点 5-2】 本来業務の範囲 47  NTT 東西の県域業務規制について県内通信の制約を撤廃する場合、NTT 東西 は、それぞれ東日本地域又は西日本地域で「他人の通信を媒介する電気通信業 務」を広く実施可能と考え得るところ、NTT 東西には、これまで禁止されてきた移 動通信事業や ISP 事業など、公正競争に重大な影響を及ぼす業務は引き続き禁 止することが必要ではないか。  この禁止される公正競争に重大な影響を及ぼす業務の詳細については、引き続 き検討を深めることが適当ではないか。 (参考)【論点 5-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (移動通信事業や ISP 事業の禁止の維持)  ISP 事業における競争が NTT 法の構造規制により実現されてきたことを踏まえれ ば、地域通信と移動通信を競争上区別する重要性も失われていないと考えられ、 NTT 東西の移動通信事業や ISP 事業の禁止は、引き続き維持すべき。 【事業者等からの主な意見】 (移動通信事業や ISP 事業の禁止の維持)  公正競争上の観点から、移動体や ISP 等への進出を妨げる業務範囲規制は引き 続き必要。  業務区分撤廃により NTT 東西がインターネット接続に進出可能となると ISP 市場 が崩壊する懸念がある。 (NTT 東西による公正競争条件の遵守)  47 NTT 東西は、現行の電気通信事業法の規定に基づき、接続に関するルールや事 地域電気通信業務(本来業務)の自己設備設置要件については、【論点 4-1】参照。 47 業者の公平性の担保等、公正競争条件を遵守しており、引き続き公正競争条件 を遵守していく考え。 (NTT グループの統合や一体営業等)  NTT と他事業者との公正競争確保のためには、NTT 東西と他のグループ会社と の事業再統合の防止が必要で、NTT 法の業務範囲規制や合併等の認可手続は 引き続き必要。  NTT 東西と NTT ドコモを統合する考えはないが、担保措置が必要ということであ れば、電気通信事業法で NTT 東西の移動体通信事業・ISP 事業への進出禁止 や NTT 東西と NTT ドコモの統合禁止を規定して頂いて構わない。  業務範囲の見直しにより NTT グループの商材を活用した一体営業等が可能にな ると、公正競争阻害のおそれがある。  NTT 東西の業務範囲の見直しにおいては、旧国営企業と民間企業との間で平等 な競争条件が確保されることが重要。 【論点 5-3】 NTT 東西の分離  NTT 東西の分離は、「両社のコスト構造や収益構造の比較・検証等(ヤードスティ ック競争)による非効率性の排除」、「NTT 東西が相互参入し得る市場構造に改め ることによる、それぞれの地域における独占性の弊害の抑止」の観点から導入され たところ、当該観点及び以下の意見等を踏まえ、NTT 東西の分離についてどのよ うに考えるか。  NTT は、経営の必要に応じて東西統合も経営戦略の選択肢の1つとして検討 可能となるよう見直しを要望  他方、競争事業者からは、NTT 東西が統合されると NTT の競争力が更に高 まり、設備競争が抑制され競争事業者が淘汰される可能性があるとの意見  また、NTT 東西の統合は、両社のコスト構造や収益構造の比較・検証等によ る非効率性排除の観点から問題との意見 48 (参考)【論点 5-3】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (NTT 東西の統合)  NTT 東西の統合も選択肢となる見直しを希望。  NTT 東西が統合されると NTT の競争力が更に高まり、設備競争が抑制され競争 事業者淘汰の可能性あり。  NTT 東西の統合は、両社のコスト構造や収益構造の比較・検証等による非効率 性排除の観点から問題。 (NTT 東西と他 NTT グループ企業の統合)  NTT 東西と NTT ドコモ、NTT 東西と NTT データ、NTT 東西と NTT コミュニケー ションズの合併は考えていない。  NTT 東西とドコモ等の統合による独占力を通じた競争事業者の排除を懸念。  NTT 東西とドコモの合併禁止、グループ内取引の監視・検証強化が必要。 【論点 5-4】 制度見直しの留意事項  NTT 東西の業務範囲に関する制度の見直しは、規律の廃止と新設を一体的に進 めないと制度的な空白が生じ、公正競争上の問題が生じるのではないか。 (参考)【論点 5-4】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (制度的空白の発生の回避)  制度見直しは、規律の廃止と新設を同時に進めないと空白が生じ、公正競争上 の問題が大きい。 【事業者等からの主な意見】 (制度的空白の発生の回避)  公正競争確保に関する NTT 法と電気通信事業法の改正が必要となる場合、同時 に改正することが必要。 49 論点6 NTT 東西等の地域電気通信業務以外の業務 1.現状と課題 ① 1999 年の NTT 再編時は、NTT 東西の業務を地域電気通信業務(及び目的達成 業務)に限定していたが、その後のインターネットの普及等、電気通信分野におけ る環境が大きく変化したため、2001 年の NTT 法の改正により、「NTT 東西が本来 業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気 通信業務その他の業務」(活用業務)を、総務大臣の認可により地域電気通信業 務以外の業務を営むことを認めた(2011 年の NTT 法の改正で事前届出に緩和)。 ② 活用業務の実施は、「本来業務への支障」と「公正競争への支障」が生じない範 囲で認められている。すなわち、過大な投資や設備・職員の転用により、本来業 務の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと及びネットワークのオープン化 や必要不可欠な情報へのアクセスの同等性が確保されるなど、電気通信事業の 公正な競争の確保に支障のない範囲で行われることが必要とされている。 ③ NTT からは、地域産業の活性化や地方創生の推進のため、地域課題に対するト ータルソリューションの提供を求められることから、地域電気通信業務以外の業務 も可能になるよう業務範囲規制を見直すよう要望があった。 2.論点 【論点 6-1】 NTT 東西の地域電気通信業務以外の業務  地域課題に対するトータルソリューションの提供といった地域電気通信業務以外 の業務については、活用業務として総務大臣への届出を行うことで実施できる可 能性はあるが、以下の点などを踏まえ、本来業務として実施が禁止される電気通 信事業の公正競争に重大な影響を及ぼす業務を除き、より自由に実施可能とす ることについてどのように考えるか。より自由に実施可能とする場合、何らかの要 件を課すことが必要か。仮に要件を課すことが必要な場合、どのような要件が考え られるか。  活用業務には、以下の制約があること  活用業務は、地域電気通信業務の設備・技術・人員等を活用する業務に 限定される。  活用業務の実施は、「本来業務への支障」と「公正競争への支障」が生じ ない範囲に限定される。 50  このような制約の中で、地域課題に対するトータルソリューションの提供といっ た地域電気通信業務以外の業務が、NTT 法上、活用業務で実施可能かは 必ずしも明確ではないこと 48  競争事業者からは、NTT 東西が自ら非通信系サービスを提供することが可能 となった場合や、NTT グループの商材を活用した一体営業等が可能になった 場合、公正競争阻害のおそれがあるといった懸念が示されていること (参考)【論点 6-1】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (地域産業の活性化)  地域産業の活性化等に向け、NTT 東西が電気通信業務以外の業務も可能とな るよう見直しが必要。 (NTT 東西による公正競争条件の遵守)  NTT 東西は、現行の電気通信事業法の規定に基づき、接続に関するルールや 事業者の公平性の担保等、公正競争条件を遵守しており、引き続き公正競争条 件を遵守していく考え。(再掲) (NTT グループの一体営業等) 48  NTT 東西と NTT ドコモを統合する考えはないが、担保措置が必要ということであ れば、電気通信事業法で NTT 東西の移動体通信事業・ISP 事業への進出禁止 や NTT 東西と NTT ドコモの統合禁止を規定して頂いて構わない。(再掲)  NTT と他事業者との公正競争確保のためには、NTT 東西と他のグループ会社 との事業再統合の防止が必要で、NTT 法の業務範囲規制や合併等の認可手 続は引き続き必要。(再掲)  業務範囲の見直しにより NTT グループの商材を活用した一体営業等が可能に なると、公正競争阻害のおそれがある。(再掲)  NTT 東西の業務範囲の見直しにおいては、旧国営企業と民間企業との間で平 等な競争条件が確保されることが重要。(再掲) 例えば、2018 年に NTT 東日本より総務省に相談のあった「RPA(人間が PC を使って行う作業を、ソフトウェアに 組み込まれたロボットが代行・自動化する仕組み)を用いた業務改善コンサルティングは、経営コンサルティング に該当するため、活用業務として認められない」と判断された事例がある。 51 【論点 6-2】 NTT 持株による事業の実施の在り方  NTT からは、NTT 持株が事業を実施できるようにしてほしいとの要望があるが、以 下の点についてどう考えるか。  仮に NTT 東西と NTT ドコモ等の協業に係る事業(移動通信事業や ISP 事業) など、NTT 東西の市場支配力の他市場へのレバレッジや複数市場にまたが るジョイントドミナンス等を可能とする事業を NTT 持株が行うこととなれば、公 正競争上の懸念が生じるため、認めるべきでないと考えられること  他方で、研究成果の事業化など公正競争上の懸念が生じないケースについ ては、これを認めても特段の支障が生じないと考えることもできること (参考)【論点 6-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (NTT 持株による事業実施)  研究成果の実用化に向けた事業立ち上げ等本来業務に資する場合は原則自由 とし、移動通信事業や ISP 事業のように、公正競争上問題がある場合は例外禁止 といった、メリハリをつけた規制が望ましい。 【事業者等からの主な意見】 (NTT 持株による事業実施)  研究開発成果の活用に当たっては、研究所が持株会社に属しているにもかかわら ず、NTT 法により、持株会社は事業を行うことができないため、研究成果を事業化 する際に、立ち上げ時のリスクを自らとって推進できず、いわゆる「死の谷」を越え られないケースもあり、新たな技術を積極的に活用し、自ら事業を立ち上げ成長さ せる、あるいは軌道に乗ったタイミングで子会社化や合弁会社化を図る等の戦略 も選択できるよう、業務範囲規制を見直していただきたい。 論点7 NTT のグループ経営における公正競争環境の確保 1.現状と課題 ① NTT 東西は、電電公社から承継した線路敷設基盤を特別な資産として独占的に 保有しており、こうした資産を保有したまま完全民営化するのであれば、公正競争 52 を阻害するとの強い懸念から、一部の競争事業者等は、NTT 東西のアクセス部門 の資本分離を求めている。 ② なお、資本分離(完全分社化)や構造分離(グループ内分社化)といった構造的 な措置については、過去にも議論され、「グローバル時代における ICT 政策に関 するタスクフォース」取りまとめ(平成 22 年 12 月 14 日)を踏まえ、NTT 株主への 影響、実現に要する時間やコスト、設備競争への影響等の観点からも総合的に考 慮し、当時は採用しなかったもの。 ③ また、NTT は、NTT データ・ドコモ・コムウェアの分社時、NTT 東西・NTT コミュニ ケーションズの再編時に策定された累次の公正競争条件(例:NTT 持株と NTT デ ータ・ドコモ間の在籍出向の禁止等)について、市場競争や競争環境の変化を踏 まえた見直しを要望。 2.論点 【論点 7-1】 NTT 東西のアクセス部門の資本分離等  NTT 東西のアクセス部門の資本分離について、以下の意見などを踏まえ、どう考 えるか。これ以外にも、NTT が現状のまま運営する方法や国有化して事業者に運 営を委託する方法なども考えられるが、どうか。  KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル等からは、公社承継資産・ボトルネック設備 を保有する NTT 東西が完全民営化される場合、NTT 東西と NTT ドコモ等の 連携が容易となり、モバイル市場等の公正競争の確保に重大な影響が及ぶ との意見  NTT からは、NTT 東西のアクセス部門の資本分離は、ネットワークの高度化 が進まない、コスト効率化や品質維持・向上が見込まれない、自然災害等に 対する迅速な復旧対応等に影響を及ぼす等のリスクを招くとの意見  オプテージ、STNet からは、光ファイバの設備競争が減退するとの意見 (参考)【論点 7-1】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (資本分離への懸念)  NTT 東西のアクセス部門の資本分離や別会社化は、ネットワークの高度化が進ま ない、コスト効率化や品質維持・向上が見込めない、自然災害等に対する迅速な 53 復旧対応等に影響を及ぼす等のリスクを招くため、行うべきではない。これまで日 本が世界に先駆けて FTTH の普及を達成したこと等を踏まえ、引き続き、現在の 体制でネットワーク構築・提供に取り組むことが最適。  公正競争確保の規定はあるが、ボトルネック設備の独占的な所有に伴う整備・運 用の懸念がある。  NTT 東西の固定アクセス網を分離し、インフラ会社を設立すると、設備競争が減 退する可能性がある。 (資本分離の必要性)  政府・NTT・競争事業者等が応分に出資するほか、取締役も派遣する等で、アク セス会社のインフラを利用する事業者の意向が公平に働く仕組みをもって、国や 多様なプレイヤーがアクセス会社に関与する形態も一案。  完全民営化等するのであれば、その前に特別な資産を保有するアクセス部門の 資本分離が不可欠。 【論点 7-2】 NTT に対する累次の公正競争条件の在り方  NTT に対する累次の公正競争条件は、NTT の各種事業の分離や再編時に、 NTT の巨大・独占性の弊害を可能な限り改善し、経営の向上を図る等の観点から 策定されたが、NTT は以下の見直しを要望。NTT に対する累次の公正競争条件 について、市場環境や競争環境の変化等を踏まえ、どのように考えるか。  NTT 持株と NTT データ・NTT ドコモ間の在籍出向の禁止・取引条件の公正 性  NTT 持株・東西の研究開発成果の NTT ドコモ・NTT コムウェア・NTT コミュニ ケーションズへの開示における他事業者との公平性  NTT 持株・東西と NTT データ・NTT ドコモ・NTT コムウェア・NTT コミュニケー ションズとの共同調達の禁止 (参考)【論点 7-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (電気通信事業法と NTT 法の両輪による規制の必要性)  電気通信事業法には NTT のグループ内再編について事前審査する仕組みがな 54 く、独禁法の企業結合審査の対象外であるため、同法と NTT 法の両方で公正競 争確保を図る必要あり。 【事業者等からの主な意見】 (公正競争条件の見直し)  NTT データ・NTT ドコモ・NTT コムウェアの分社時、NTT 東西・コムの再編成時に 策定された累次の公正競争条件のうち、「持株と NTT データ・NTT ドコモ間の在 籍出向禁止・取引条件の公平性」、「研究開発成果の開示の公平性」、「共同調達 の禁止」については、市場や競争環境の変化を踏まえ、見直すことが適当。 (独占回帰に対する抑制)  独占回帰は常にけん制すべきで、NTT の在り方は定期的な検証・見直しが必要。  NTT の経営の自由度を高める法改正は、NTT の独占回帰を進め、公正な競争環 境が維持できず、結果として国民の利益が損なわれる懸念があり、公正な競争環 境を確保するための十分な議論が必要。  NTT 組織再編が行われた場合には、携帯、ネット(ISP 含め)、電話、放送等の情 報通信サービスが共通パッケージとして一体的に提供されることが可能となる結 果、市場の寡占化による競合他社の市場退出が生じる懸念がある。 55 論点8 電気通信事業法における競争ルールの在り方 1.現状と課題 電気通信事業法は、固定通信ではアクセス回線のボトルネック性、移動通信では電 波の有限希少性等に着目して、接続ルール等の行為規制(非構造的措置)を定めて いるところ、固定通信市場(特に固定電話市場)の規律が移動通信市場の規律よりも 相対的に強く、また、卸よりも接続に対する規律が相対的に強い等の構造となってい る。 【固定通信市場・移動通信市場においてシェアの大きい事業者に対する規制】 接続に係る規制 卸電気通信役務 に係る規制 利用者料金規制 禁止行為規制 固定通信市場 (50%超の加入者回線シェア:NTT 東西) アナログ固定電話 ブロードバンド・IP 電話 接 続 約 款 の 認 可 接続約款の認可(実 (LRIC 接続料 49) 際費用ベース接続料) 移動通信市場 (10%超の端末シェア: NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンク) 接続約款の届出(実際費用ベース接 続料) 業務届出 業務届出 業務届出 上 限 価 格 制 ( 上 限価 格 を 超 え る場 合 は認 約款の届出制 可が必要) ・情報の目的外利用 ・不当に優先的な取扱い等 ・メーカー等への不当な規律・干渉 ・一定のグループ会社との役員兼任 等 なし (収益シェア 25%超:NTT ドコモ) ・情報の目的外利用 ・グループ内事業者に対する不当に優 先的な取扱い 2.論点 【論点 8-1】 卸電気通信役務に係る規律  卸電気通信役務の規律が接続に係る規律よりも相対的に弱いことについて、以下 の意見などを踏まえ、どのように考えるか。  NTT からは、卸については接続と異なり、ビジネスベースであることから、規律 は必要最小限であるべきとの意見  JAIPA からは、卸料金の高止まりや、卸関連情報等の目的外利用など、公正 競争維持の観点から事業者に重大な影響が生じる懸念があり、光サービス卸 のキャリアズレート化も含む接続メニュー化など接続と同等レベルで規制・検 証が必要との意見 49 非効率性を排除するため、実際の費用ではなく、モデルで費用を算定して接続料を設定。 56 (参考)【論点 8-1】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (卸に係る規律の在り方)  卸については接続と異なり、ビジネスベースであることから、規律は必要最小限で あるべき。  卸料金の高止まりや卸関連情報等の目的外利用など、公正競争維持の観点から 事業者に重大な影響が生じる懸念があり、光卸の規律強化が必要。 【論点 8-2】 第二種指定電気通信設備設置事業者に対する禁止行為規制  第二種指定電気通信設備設置事業者に対する禁止行為規制は、現行、NTT ドコ モに対してのみ課されているが、以下の意見などを踏まえ、どのように考えるか。  NTT からは、NTT ドコモの携帯電話の契約数のシェアは、競争の進展に伴い、 約6割から約4割以下にまで減少する 50等、競争優位性はなくなってきている ことを踏まえれば、NTT ドコモだけに禁止行為規制を課すことは適当ではなく、 撤廃していただきたいとの意見  テレコムサービス協会からは、MVNO が公正な競争環境のもとで事業展開や 市場競争を行っていくためには、現行の NTT ドコモに加え、KDDI、沖縄セル ラー、ソフトバンクの3社に対し禁止行為規制を早期に適用することが必要と の意見 (参考)【論点 8-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (MNO に対する行為規制の在り方)  競争的な事業者に成長した MNO に対して行為規制を課すのは合理的。 【事業者等からの主な意見】 (MNO に対する行為規制の在り方)  50 NTT ドコモの携帯電話等の契約数シェアは、競争の進展に伴い、約 6 割から約 4 割以下にまで減少する等、競争優位性はなくなってきていることを踏まえれば、 禁止行為規制の適用根拠となる収益シェアについて、NTT ドコモは 40%を超過。 57 NTT ドコモだけに禁止行為規制を課すことは適当でなく、撤廃していただきたい。  MVNO が公正な競争環境のもとで事業展開や市場競争を行っていくためには、 二種指定事業者のうち、特に交渉力が高い事業者として、現行の NTT ドコモに加 え、KDDI、沖縄セルラー、ソフトバンクの3者に対し禁止行為規制を早期に適用 することが必要。 【論点 8-3】 電話時代の規制・ルール  NTT からは、今後メタル設備を縮退すること等を踏まえれば、電話時代の規制・ル ール(LRIC 接続料 51、プライスキャップ規制等) 52は廃止すべきとの意見が表明さ れたが、この点について、どのように考えるか。  E メールや国際電話といった電報の代替的なコミュニケーション手段の普及や取 扱通数が電気通信事業法制定当時から大幅に減少していること等を踏まえ、国 際電報事業(廃止)の認可制、契約約款の認可制等について見直しが要望され ているが、この点について、どのように考えるか。 (参考)【論点 8-3】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (電話時代の規制の見直し)  今後、メタル設備を縮退すること等を踏まえれば、電話時代の規制・ルール(LRIC 接続料、プライスキャップ規制等)は廃止すべき。  Eメールや国際電話といった電報の代替的なコミュニケーション手段の普及により 国際電報の取扱いが大幅に減少したことや国際電報の取扱いを廃止した国も増 えている状況を踏まえ、国際電報に係る制度が適切かどうか検討してもらいたい。 【論点 8-4】 5G(SA)時代の機能開放  5G(SA)時代の機能開放として、以下の4類型が考えられ、テレコムサービス協会 からは、RAN シェアリングによるフル VMNO 等の早期実現が必要との意見があっ た。いずれの機能の開放形態においても、MVNO が実現したいサービス提供イメ ージを具体化し、MNO と MVNO の相互理解を深めていくことが必要であるが、事 51 LRIC については、電話のユニバーサルサービス交付金制度の交付金の設備管理部門コストの算定にも用いら れている。 52 論点 2 及び論点 3 参照。 58 業者間協議を加速し、MNO による機能開放を促すためには、どういった仕組みが 考えられるか。他にどのようなことが必要と考えられるか。  L3 接続相当(サービス卸)  ライト VMNO(スライス卸/API 開放)  L2 接続相当(PCC 接続方式/ローミング接続方式)  フル VMNO(RAN シェアリング) (参考)【論点 8-4】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (MNO による機能開放の在り方)  5G(SA)時代において、MNO による積極的な機能開放を促すための制度化や MVNO が金銭を対価に MNO 設備の共用に参加できる枠組み(RAN シェアリング によるフル VMNO 等)の早期実現が必要。 論点9 ネットワークの仮想化・クラウド化の進展を踏まえた規律の在り方 1.現状と課題 ① 現行の電気通信事業法は、ネットワーク設備を自ら設置し、又は、他人の需要に 応じて通信を媒介する者に着目した規律の構造となっている。これは、同法の制 定当時に主であった固定電話がネットワーク設備を設置する者間で設備を接続し 通信を媒介する形態で提供されるサービスであったことに起因している。 ② ネットワーク技術の進化により、電話交換機・専用機から、IP ルータ・汎用機に移 行しており、近年は、汎用機器とソフトウェアで機能を実現する仮想化や、通信事 業者が自ら設備を所有しないクラウド化が進展している。 ③ また、近年では、ネットワークの仮想化・クラウド化により、プラットフォーマーによる レイヤーを超えた影響力が拡大している。 2.論点 【論点 9-1】 ネットワークの仮想化・クラウド化  今後、ネットワークの仮想化・クラウド化により、ネットワークレイヤーにおいても、ネ 59 ットワーク設備とネットワーク機能の分離により、他者設備を利用した効率的なサ ービス提供や、ネットワーク機能のみを提供するクラウド事業者の増加等が想定さ れるところ、このような環境変化を踏まえ、ネットワーク設備の設置や他人の需要に 応じた通信の媒介行為に着目した規律の在り方について、公正競争の確保、サ ービスの安定的な提供や利用者保護等の観点から、どのように考えるか。  また、ネットワークの仮想化などを踏まえて、物理的設備を起点に「電気通信役務」 や「電気通信事業者」といった概念が構築されている現在の体系について、どの ように考えるか。 (参考)【論点 9-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (上位レイヤー事業者に対する規制の在り方)  電気通信事業法の公正競争の観点は、設備よりももう少し上流のレイヤーに目を 広げるべき。  クラウド事業者には、届出制や退出規制、データポータビリティの義務付け等、何 らかの規制は必要。  プラットフォームの事業が情報通信サービスの重要なピースの一つを構成する以 上、電気通信事業法の中でも何らか手当をすべき時代に入っている。 (プラットフォーム間の相互運用性の確保)  プラットフォーマー間の相互接続性はもちろんあるのが望ましいが、どの程度類似 性を持ったサービスとなったタイミングで誰が相互接続性を要求するかが課題。 (電気通信事業法の規制対象)  電気通信事業であるか否かの線引きは、現状に即しておらずわかりにくい面もあり、 今後電気通信事業法の議論の中で検討していく必要がある。 【事業者等からの主な意見】 (上位レイヤー事業者に対する規制の在り方)  上位レイヤー事業者に対する規制要件は、必要以上のものを設けるべきではな い。 60  クラウド事業者について、規制よりも競争の中で消費者の選択により解決すること を目指すべき。  クラウドサービス事業者自身が、全ての電気通信サービスを提供するということで はないので、規制の内容は慎重に検討すべき。  我が国におけるイノベーション促進を阻害しないよう、クラウド事業者への規制の 導入には慎重であるべき。  技術基準に限らず、加入者識別番号(IMSI)の利用条件や、「設備の設置」の解 釈等、クラウドネイティブな情報通信ネットワークの実現に向けて障害となっている 規制について、速やかに見直しが必要。(再掲) (プラットフォーム間の相互運用性の確保)  現在でもスマートフォンのデータシェアリング機能、メッセージング機能等におい てプラットフォーム間の相互運用性がなく、ユーザーにとって不利益となっている。 今後進展していく自動運転や教育、医療においても、プラットフォーム間の相互運 用性が確保されていないと、公共の福祉を大いに損なうため、必要な規制の枠組 みの議論を始めることが重要。 論点 10 我が国の情報通信産業の国際競争力の強化 1.現状と課題 ① 情報通信の技術革新が急速に進展しており、我が国の情報通信産業における国 際競争力の強化は喫緊の課題となっている。 ② 国際市場においては、AI・ロボット市場の拡大やコロナ禍や温暖化等を契機とした DX・GX 投資の増加により情報通信インフラへの需要が急増している。 ③ 競争力の源泉となる研究開発については、GAFAM 等の海外大手事業者と比較 して、国内大手通信事業者の研究開発費が、金額及び対売上高比率の双方に おいて大幅に低い。 2.論点 【論点 10-1】 国際展開の推進  総務省においては、「総務省海外展開行動計画 2025」(2022 年7月 21 日策定) 61 を推進する中で、特に、各国で今後も積極的な投資が見込まれる 5G/Open RAN や、我が国の国際競争力が高い光海底ケーブル、データセンターの整備等の分 野において積極的な支援を進めることが重要ではないか。  具体的な支援手法については、国際展開支援のための予算施策に加えて、具体 的な案件形成に向けた現地機関、国際機関とのネットワーク強化、事業の大型化 や経済安全保障等の観点で期待が高まる海外通信・放送・郵便事業支援機構 (以下「JICT」という。)等との連携を通じた投資等の拡大などを引き続き進める必 要があるのではないか。 (参考)【論点 10-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (設備投資による国際競争力の強化)  最新の IT 設備への設備投資を行うことが国際競争力強化に繋がることから、設備 投資へのインセンティブの確保に関しても何らかの措置を検討すべき。 (経済安全保障と関連する国際展開の推進)  海外投資案件には、中長期的に経済安全保障上の意義が大きいものもあり、我 が国の国際通信の 99%をカバーする海底ケーブルへの投資が重要。 【事業者等からの主な意見】 (国の関与の在り方)  グローバル競争について国の戦略を考えるに当たっては、電気通信事業に限定 して考えるのではなく、デジタルサービスや端末、通信機器等を含めた幅広い産 業政策の視点から検討することが重要。  グローバルスタンダード獲得に向けて、国内における先行的な実証や実装の支援 による実績作り、海外政府・企業等への技術紹介の機会創出、進出国における共 同研究や実証実験等への支援、特に電波等の技術規格や法規制の異なる国を ターゲットとした場合の開発支援等が重要。  国からの支援として、国際展開に必要な資金及び現地との折衝の支援並びに展 開する技術及びサービスの標準化の支援等が必要。 62 (経済安全保障と関連する国際展開の推進)  政府系ファンドである JICT としては、国際展開に当たり、経済安全保障の重要性 を認識している。 (国際展開のため支援すべき分野)  光海底ケーブル施設、データセンター、小型携帯電話基地局について我が国の 国際競争力は高く、今後の成長にも期待。また、デバイス単位での他国製品との 差別化は困難であり、海外事業投資(プロジェクト、M&A)による海外展開に要着目。  O-RAN について、日米連携の更なる強化を通じ、第三国への展開がより積極的 になされるよう、研究開発支援だけでなくマーケティング等にも利用可能な柔軟か つ大規模な経済的支援が必要。 【論点 10-2】 研究開発の推進  我が国の情報通信産業全体における国際競争力の強化や経済安全保障の確保 を図るためには、次世代の情報通信インフラとなることが見込まれる Beyond 5G (6G)をはじめとする先進的技術の開発・社会実装・海外展開が進むよう、産学官 がそれぞれの役割を果たす形で取組を強化することが必要ではないか。  そのためには、どのような取組が必要と考えられるか。例えば、社会実装や海外展 開を見据えた研究開発や国際標準化活動へのインセンティブを確保し、民間企 業や大学、基盤的な研究等を担う NICT 等に対する支援等の枠組みが引き続き 重要ではないか。 (参考)【論点 10-2】に関連する委員会の主な意見 【事業者等からの主な意見】 (研究開発等において支援すべき分野)  生成 AI の登場に伴い AI の学習に必要な計算能力が加速度的に増加しているこ とを踏まえると、我が国も国際的に見劣りしない研究開発環境を整え、当該分野を リードしていくためには、大規模な計算資源の確保や低消費電力化の推進等が 必要で、そのための政策的支援の充実が求められる。  国際展開の観点から、AI の活用や高度なデータ活用が急速に進展する中で、 63 HPC 53 や量子技術等、コンピューティング技術の研究開発や情報通信インフラと しての計算資源の整備及びネットワークとの融合が重要。  米国プラットフォーマーへの依存度が高まる傾向にあるが、国産クラウド・プラット フォーマーの育成の観点も必要。 論点 11 外資規制 1.現状と課題 ① 電気通信事業法における外資等規制は、累次の規制緩和を経て全て廃止 54され、 現在、外国投資家による電気通信事業者の株式取得は外為法(外国為替及び外 国貿易法)により規律されている。 ② 外為法における外資規制は、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社 会の平和及び安全の維持を期すため、国の安全を損なうおそれ等のある 1%以上 の個々の株式取得について事前届出により個別審査 55を行う等の規制を課してい る。 ③ NTT 持株については、外為法に加え、NTT 法において、我が国を代表する基幹 的電気通信事業者としての役割、特に我が国の安全の確保に対する役割に鑑み、 外国の影響力に対する経営の自主性を確保するため、外国人の議決権保有割合 が3分の1以上となることを禁止 56している。 2.論点 【論点 11-1】 NTT に対する個別審査と総量規制  NTT については、これまで外為法の「個別審査」と NTT 法の「総量規制」が相まっ て外資から保護を図ってきたところ、以下の点を踏まえ、NTT に対する「個別審査」 「総量規制」の在り方について、どう考えるか。  外為法と NTT 法では、以下のように目的と手段に差異があること  外為法の目的は「対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の 53 High Performance Computing 1994 年に国際衛星通信事業者、WTO 自由化約束を経て 1998 年に旧第一種電気通信事業者に対する外資 規制を撤廃。 55 一定の基準を遵守した場合には、事前届出の免除あり。 56 立法当時は外国人等による株式保有を禁じていたが、1992 年にはその保有割合が5分の1未満まで緩和され、 2001 年に現行制度に改められた。 54 64 平和及び安全の維持を期す」こととされる一方、NTT 法の目的は、業務・ 責務の適切な遂行・履行の担保のため、外国の影響力に対する経営の 自主性を確保することであること  外為法は居住要件を採用しているため、日本に居住する外国人は規制 対象外となる一方、NTT 法は国籍要件を採用しているため、全ての外国 人が規制対象となること  外為法は、国の安全を損なうおそれのある投資を個別審査するため、 NTT の外資比率と無関係に不適切な投資を防止できるのに対し、NTT 法は、総量規制であるため、閾値を超える投資はその内容に関係なく防 止できること  米、韓、豪などのように、個別審査に加えて、個別法で総量規制がある国があ る一方、英、仏、独などのように、個別法の総量規制はなく、個別審査のみの 国もあること (参考)【論点 11-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (NTT 法の外資規制と外為法の両法による外国性の排除)  外為法は「国の安全を損ない、又は公の秩序の維持を妨げる事態が生じるおそ れ」がある株式取得に限定してその中止勧告・命令をするもの。一方、NTT 法はこ のような限定なく、3分の1以上の外国人の議決権保有を確実に防止するもので ある点に留意。  情報通信インフラを守る経済安保の観点から、NTT 法は重要。外為法の投資規 制は、外国投資家が対象であり日本の投資家に適用はない。また規制の強化は 経済活動を阻害し得る。外為法と個別法の両方が必要ではないか。  投資家による外資のフローに対して個別審査を課す外為法が、組織に対して数 値に基づく定量的で画一的な、ストックの規制を課す個別法を代替するのは難し い。  外為法の事前審査で NTT 法と同様の外資等規制が実現できる保証はなく、NTT 法の外資等規制には一定の合理性がある。当該規制を廃止することについては、 慎重に議論する必要がある。  居住を基準に外国投資家を判断する外為法では捕捉しきれない事例についても、 65 国籍を基準に判断する NTT 法は制限できる。 (NTT 法における外資規制の代替措置)  外為法等の国内法の改正によって外資規制を強化しようとすると、日本政府が既 に締結している数々の国際協定との関係で問題がないか、慎重な検証や検討が 必要になるが、安保例外の範囲が狭い国際協定との関係では規制強化は困難。  電気通信事業法による外資規制は、かつては相互主義の発想に基づいていたこ ともあり、日本の対外投資に影響が出る可能性も考えられる。  外為法の事前届出の対象を拡大すると、機関投資家等には、対象銘柄かどうか の確認や事前届出の準備が必要となり、投資家に日本株での資金運用を思いと どまらせ、日本株から離れてしまうことが懸念される。 (その他)  NTT 法の外資規制を見直す場合、保護法益も考慮しつつ、他の法律も含めてど のような枠組みで保護法益を担保するかを検討すべき。 【事業者等からの主な意見】 (NTT 法の外資規制と外為法の両法による外国性の排除)  外国人の株式取得制限は安全保障上の観点からも重要であり、外為法の強化等 を検討することが必要。  NTT が公社から承継した電柱・管路等の設備は、「特別な資産」であり、外資の手 に渡った場合の影響が極めて大きいことから、特に保護する必要がある。 【論点 11-2】 NTT 以外の主要事業者に対する規制  NTT について、個別審査に加えて総量規制も引き続き必要と考える場合、NTT 以外の主要な電気通信事業者に総量規制を課すことについて、以下の点なども 踏まえ、どのように考えるか。  NTT が電電公社から承継した線路敷設基盤は「特別な資産」であり、他の主 要事業者に比べて、外資から保護することが特に必要との考え方もあること  KDDI、ソフトバンクなど、NTT 以外の事業者についても、その提供する重要 な役務の安定的な提供を確保するため、経済安全保障推進法の特定社会基 66 盤事業者として指定されていること  NTT だけに外資規制を課すだけでは不十分であり、主要事業者も対象とす べきとの考え方もあること  WTO 等の国際協定上の例外措置として留保が可能か否かについて数年を 要する可能性のある国際交渉が必要となること  国際協定では安全保障例外が認められるが、その範囲が狭いため、その適 用は慎重に検討する必要があること  上記で主要事業者に総量規制を設けることが必要と考える場合、主要事業者の 範囲についてどう考えるか。 ※ なお、外為法の強化について、財務省より以下の意見が表明された。  外為法等の国内法の改正によって外資規制を強化しようとすると、日本政府が既 に締結している数々の国際協定との関係で問題がないか、慎重な検証や検討が 必要となるが、安保例外の範囲が狭い国際協定との関係では規制強化は困難と なり得る。  外為法の事前届出の対象を拡大すると、機関投資家等には、対象銘柄かどうか の確認や事前届出の準備が必要となり、投資家に日本株での資金運用を思いと どまらせ、日本株から離れてしまうことが懸念される。  NTT 法の外資規制について、目的と対象が違うため外為法で完全に代替するこ とは難しい。 (参考)【論点 11-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (国際交渉の必要性)  外資規制を撤廃した電気通信事業法で、複数の事業者に再び外資規制を導入 する場合、国際的な交渉が必要であり、長期化が予想される。 【事業者等からの主な意見】 (他の通信事業者への規制の必要性)  外為法の強化等が必要。他の通信事業者や他分野の重要インフラも含め産業全 体で対応すべき。 67  主要事業者を対象とする法律で実現することを検討すべき。  外資規制を NTT 持株以外に課すことは、日本が外国人投資家からの投資を否定 する国であると捉えられるおそれがあるため反対。 論点 12 外国人役員規制 1.現状と課題 ① NTT 法は、我が国を代表する基幹的電気通信事業者としての役割、特に我が国 の安全の確保に対する役割に鑑み、外国の影響力に対する経営の自主性を確 保するため、NTT 持株と NTT 東西について外国人役員規制(取締役・監査役等 が対象)を設けている。 ② グローバル化が進む中、外国人役員規制によって外国人が役員に就けないこと は、今後の国際展開を進めていく上で支障になり得る。 ③ このため、第一次答申では、NTT 法の外国人役員規制は、速やかに緩和すること が適当であると提言したところである。 2.論点 【論点 12-1】 NTT に対する規制  第一次答申では、NTT 法の外国人役員規制は、速やかに緩和することが適当と 提言したところであるが、論点 11 の外資規制の検討等を踏まえつつ、他の代替 措置を講ずることの可否を含め、更なる緩和や撤廃をすることについてどう考える か。 【論点 12-2】 NTT 以外の主要事業者に対する規制  仮に、NTT に対する外国人役員規制について要件緩和した上で引き続き課すこ ととする場合、NTT 以外の主要な電気通信事業者に対しても同様の外国人役員 規制を課すことについて、外資規制の場合と同様に、国際協定上の留保措置が 必要となる点を含めて、どのように考えるか。  上記で主要事業者に外国人役員規制を設けることが必要と考える場合、主要事 業者の範囲についてどう考えるか。 68 論点 13 政府の株式保有義務 1.現状と課題 ① NTT 法は、政府が安定株主となることで、特定の者による経営の支配や株主権の 濫用を回避し、NTT の経営の安定と適正な事業運営を確保するために、政府が3 分の1以上の株式を保有することを義務付けている。 ② NTT は、政府の株式保有について、一義的には政府が判断するものとし、賛否を 示していない。 ③ 一方で、委員会の委員や事業者等からは、公社から承継した財産の公共性や運 用管理の安定性のため、政府株式保有の見直しは慎重に議論すべきとの意見が あった。 2.論点 【論点 13-1】 政府の株式保有義務  政府の株式保有義務は、NTT の業務・責務の適切な遂行や履行を担保するため の措置であることから、業務・責務の在り方が整理された上で改めて検討する必要 があるが、以下の点などを踏まえ、その在り方をどう考えるか。  政府が引き続き3分の1以上の NTT 株を保有する場合、特別決議の拒否権 を通じ、短期的な利益を追求する株主等に影響されずに、着実に経営の安 定と適正な事業運営を確保することができると考えられること  他方、政府が引き続き、特別決議への拒否権を通じてある程度の経営への介 入が可能な状態であると、他の許認可等を緩和した場合でも、NTT が求める 効率的かつ機動的な事業運営に対する一定の制約が生じ得ること  政府の株式保有義務がない特殊会社もあり、NTT についても、政府の株式保 有義務がなくても、一定の許認可等の担保措置を講ずることで必要な監督を 行うことが可能であること  また、政府の株式保有義務が撤廃されても、事実上、政府が一定の株式を保 有し続けることとする場合は、これにより、株式を保有していない場合と比して、 経営の安定と適正な事業運営を確保することが可能であること 69 (参考)【論点 13-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (政府保有義務の必要性)  政府の株式保有義務は、より制限的でない他に代わり得る手段が存在する場合、 その在り方を検討することが必要。  公社から承継した財産の公共性や運用管理の安定性のため、政府株式保有の 見直しは慎重に議論すべき。 【事業者等からの主な意見】 (政府保有株の売却時の留意事項)  仮に、政府保有株が売却される場合は、段階的な売却をする等、既存株主利益 の保護の観点での検討をお願いしたい。 (政府保有義務の必要性)  外資規制や株式の政府保有義務は、NTT が保有する「特別な資産」の公共性や 安定的提供の観点から規定されているものであり、安全保障の観点からこれらの 規定については議論することが必要。 【論点 13-2】 黄金株の発行  仮に政府の株式保有義務を撤廃した場合、特定の者による経営の支配や株主権 の濫用を防ぐ観点から、黄金株(拒否権付種類株式)を発行することも考えられる が、これまで上場後に黄金株を発行した事例はなく 57、以下の点などを踏まえると、 現実的に発行は難しいのではないか。  東京証券取引所では、上場会社が重要事項の拒否権を定めた黄金株の発 行を決定した場合、株主等の利益を侵害するおそれが少ないと認める場合を 除き、上場を廃止するとしていること 58  欧州では、黄金株は EC 法で違反とされ、英・伊・蘭等で黄金株が廃止された こと 57 上場会社の黄金株発行事例としては、株式会社 INPEX(旧国際石油開発帝石株式会社)の事例があるが、当 該黄金株は、上場前に発行を決議した上で、上場と同時に発行されたもの。 58 既上場会社が新たに拒否権付種類株式を発行する場合については、既存の一般株主の利益が侵害されるお それが大きいため、上場廃止に係る規定の例外の適用は慎重に行われている。 70  黄金株の発行には、定款の変更が必要であり、定款の変更には株主総会の 特別決議が必要になること (参考)【論点 13-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (NTT 東西における黄金株の発行)  仮に、政府の株式保有義務を撤廃した場合には、非上場企業の NTT 東西が黄 金株を発行し、政府が保有することも検討できるのではないか。 【事業者等からの主な意見】 (黄金株についての懸念)  既上場企業にとって、黄金株の導入は、株価への悪影響は避けられず、特別多 数決を得られるかの問題もあるため、現実的ではない。  黄金株は、欧州では違法であるという判断が出ており、踏み切るのはなかなか難 しい。  NTT 東西の黄金株発行については、NTT 持株の株価が、グループ内の連結して いる利益や売り上げの総体に基づいて形成されていることを踏まえれば、仮に NTT 東西であったとしても黄金株が適用されるとすれば、株主権の侵害になる。 論点 14 各種認可事項等 1.現状と課題 ① NTT 法は、NTT 持株・NTT 東西のそれぞれの事業が、基盤的技術の研究開発 や電話のあまねく提供の確保という重要な公共性を有していることから、その適切 な遂行・履行を図るため、以下の事項について総務大臣の認可を受けなければ ならないこととしている。 (ア) NTT 持株・NTT 東西の定款変更(会社の組織、資本、運営等に関する基本 的規則であるため) (イ) NTT 持株・NTT 東西の合併、分割及び解散の決議(会社の根本に触れる重 要事項であるため) 71 (ウ) NTT 持株の剰余金処分(資産を外部に流出させるものであり、その有効適正 な使途を確保するため) (エ) NTT 持株・NTT 東西の事業計画(適確な事業の遂行を確保するため) (オ) NTT 持株の取締役及び監査役の選任及び解任(会社の職務執行や監査の 機関として相応しい者であるかを担保するため) (カ) NTT 持株の新株募集(将来にわたる適切な事業運営を確保する観点から、 新株募集の必要性、妥当性等を審査するため) ② また、NTT 持株及び NTT 東西の事業が適確に遂行されているかを把握するため に、財務諸表の提出を義務付けている。 ③ 上記事項のうち、特に株主総会の特別決議を要する重要事項については、政府 の保有株式に基づく議決権により、株主総会においてその高い公共性が確保さ れるように拒否権を発動できることから、総務大臣の認可と株主総会決議の差異 によって会社の経営に混乱をきたすことを避けることができる。 ④ NTT からは、各種認可制度等に向けた事前の準備や政府に対する説明等の対 応、認可制度等を背景とした政府からの各種報告・説明依頼等に伴う稼働が発生 していることから、少なくとも効率的かつ機動的な事業運営を行う観点から各種認 可制度等を見直すことを要望する意見があった。 2.論点 【論点 14-1】 各種認可事項等の在り方  各種認可事項等は、NTT の業務・責務の適切な遂行や履行を担保するための措 置であり、原則として、業務・責務の在り方に合わせて改めて検討する必要がある ところ、各種認可事項等の趣旨や他の特殊会社の例を踏まえ、その在り方につい てどう考えるか。 (参考)【論点 14-1】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (担保措置に関する考え方)  事業計画の認可を含む各種担保措置は、NTT が担うべき業務や責務について適 切な遂行・履行を確保するために必要な範囲のものとし、その趣旨に則った運用 を行うことが必要。 72  大臣認可事項の中で、剰余金処分と新株募集については、株主総会の普通決議 で済む事項なので、早期に検討しても良い。 【事業者等からの主な意見】 (担保措置の見直し)  ユニバーサルサービス責務や研究開発の責務が見直されるのであれば、各種認 可事項(役員選解任、事業計画、新株発行、定款変更、剰余金処分等)は不要と なる。また、効率的かつ機動的な事業運営を実現する観点からも当該規律は見 直しが必要。 (担保措置の維持)  公社から承継した資産等はあらゆる通信サービスで用いられるので、これらを有 する事業者は国民の利益保護の観点から一定の制約を受けるべき。  NTT グループにおける合併は電気通信事業法において担保する事項にも影響 があるため、事業計画についての認可規定は必要。 【論点 14-2】 社名の変更  NTT からは、「電信」も「電話」も事業の主体とマッチしていないため、自社で社名 を変更・決定できるようにしてもらいたいとの要望が示されているが、この点につい てどのように考えるか。 (参考)【論点 14-2】に関連する委員会の主な意見 【委員等からの主な意見】 (社名の変更)  電信サービスは提供していないので社名を変更してほしいという NTT の要望を踏 まえ、法律名も含め、何らかの手当を考えても良い。  NTT の商号変更について、総務省で何らかの手当を検討すべき。 【事業者等からの主な意見】 (社名の変更要望等)  「電信」も「電話」も事業の主体とマッチしていないため、自社で社名を変更・決定 73 できるようにしていただきたい。  社名変更を総務省に相談したことはない。 74 資 料 編 75 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 名簿 (2023 年4月1日現在 敬称略) 氏 名 主 もりかわ ひろゆき お か だ よ う すけ あさかわ ひでゆき あらまき と も こ 1 部会長 森川 博之 2 部会長代理 岡田 羊 祐 3 委 員 浅川 秀之 4 〃 荒牧 知子 5 〃 石井 夏生 利 6 〃 江崎 浩 7 〃 大橋 弘 8 〃 高橋 利 枝 い し い か お ひろし おおはし ひろし たかはし と し え 現 職 東京大学 大学院 工学系研究科 教授 成城大学 社会イノベーション学部 教授 株式会社日本総合研究所 主席研究員/ プリンシパル 公認会計士 り え さ き 要 中央大学 国際情報学部 教授 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授 東京大学 副学長/公共政策大学院 教 授/大学院 経済学研究科 教授 早稲田大学 教授/ケンブリッジ大学 「知 の未来」研究所 アソシエイト・フェロー 76 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 通信政策特別委員会 構成員 名簿 (2023 年9月7日現在 敬称略) 氏 名 主 1 主 査 専門委員 山内 弘 隆 2 主査代理 専門委員 相田 仁 3 委 大橋 弘 員 やまうち ひ ろ た か あ い だ ひとし おおはし おかだ すけ 〃 岡田 羊 祐 5 専門委員 大谷 和子 6 〃 関口 博 正 7 〃 長田 三 紀 8 〃 9 〃 藤井 威生 10 〃 矢入 郁子 11 12 せきぐち ひ ろ ま さ はやし み しゅう き や や い り やまもと い く こ 山本 隆司 〃 渡井 理 佳子 か 情報通信消費者ネットワーク 上智大学 理工学部情報理工学科 教授 りゅうじ り 神奈川大学 経営学部 教授 電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーシ ョン研究センター 教授 た け お 〃 わ た い 成城大学 社会イノベーション学部 教授 名古屋大学大学院 法学研究科 教授 林 秀弥 ふ じ い 武蔵野大学 経営学部 特任教授 株式会社日本総合研究所 執行役員 法務部 長 か ず こ な が た 職 東京大学 副学長/公共政策大学院 教授/大 学院 経済学研究科 教授 4 おおたに 現 東京大学 名誉教授 ひろし よう 要 こ 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授 慶應義塾大学大学院 法務研究科 教授 77 諮 問 第 2 8 号 令 和 5年 8月 28 日 情報通信審議会 会長 遠藤 信博 殿 総務大臣 松本 剛明 諮 問 書 下記について、別紙により諮問する。 記 市場環境の変化に対応した通信政策の在り方 78 別紙 諮問第 28 号 市場環境の変化に対応した通信政策の在り方 1 諮問理由 電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法 律(令和2年法律第 30 号)附則第5条では、施行後3年を経過した場合において、 改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、そ の結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされている。同法の施行状況を含め、 市場環境の変化に対応して通信政策の在り方を検討することは不断に求められる ところである。 我が国は、少子高齢化の進展、景気の長期低迷による経済的地位の低下、大規 模災害等の自然災害リスク、安全保障環境の厳格化等の様々な課題を抱えている。 情報通信インフラは、光ファイバや携帯電話ともに世界最高水準の基盤が整 備され、既に社会経済活動に重要な役割を担っているところ、コロナ禍等を契機 としてDX・GX需要が高まり、今後はAI・ロボット市場やメタバースの拡大 等により社会全体のICT化の更なる進展が見込まれる中で、あらゆる社会経 済活動を支える基盤かつ経済成長の牽引役としてその果たすべき役割は飛躍的 に高まっている。 社会経済活動にとって不可欠な情報通信インフラについては、全国あまねく 整備・維持された上で、多様な事業者による競争を通じて料金の低廉化やサービ スの多様化・高度化を図ることが必要となるところ、情報通信分野は技術革新が 著しく、情報通信インフラ・サービスに求められる機能や役割も市場環境の変化 に応じて変わってくることから、これらの変化に的確に対応して必要な取組を 進めることが重要となる。 電気通信市場の競争環境を見ると、2000 年頃まではメタル回線と回線交換網 (PSTN)によるメタル固定電話が競争の中心であったが、IP化・ブロード バンド化やモバイル化の進展により、現在は、固定ブロードバンドやモバイルが 競争の中心となる一方、メタル固定電話の契約数は約 20 年前の4分の1に減少 し、その提供を支えるメタル回線は老朽化が進み、PSTNはIP網への完全移 行が来年に予定されるなど、ネットワークレイヤーの構造は大きく変化してい る。 さらに、近年では、仮想化・クラウド化等が進展する中で、端末レイヤーやプ ラットフォームレイヤーの支配的事業者がネットワークレイヤーに進出しつつ あり、ネットワークレイヤー内の構造変化にとどまらず、レイヤー横断的な形で 79 電気通信市場の構造変化が生じている状況にある。 また、情報通信産業が経済成長を牽引するためには、国内市場の競争環境の整 備にとどまらず、旺盛な需要が見込まれる海外市場も見据えた戦略的取組が求 められるところ、我が国の情報通信産業の国際競争力は低下傾向にあり、今後、 国際競争力の強化に向けて、国際展開や研究開発を積極的に推進することが重 要となっている。 さらに、情報通信インフラの重要性の増大は、その安全・信頼性を確保する重 要性をより一層高めることとなるため、大規模災害等の自然災害リスクへの対策、 今後具体化する能動的サイバー防御などのサイバーセキュリティ対策、サプライ チェーンリスク等に対応した経済安全保障の確保等に支障を生じさせないことは 当然の前提となる。 以上のような市場環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、国民生活の向上や経 済活性化を図るため、通信政策の在り方について検討を行うことが必要である。 2 答申を希望する事項 (1)2030 年頃に目指すべき情報通信インフラの将来像及び政策の基本的方向性 2030 年頃に実現が見込まれる情報通信インフラの将来像を踏まえ、今後求 められる情報通信政策の基本的方向性を検討する。 (2)我が国の社会経済活動を支える「情報通信インフラの整備・維持」の在り方 情報通信インフラの整備・維持の在り方や、ユニバーサルサービスの対象と すべきサービスやその確保方法等について検討する。 (3)低廉・多様で安心・安全なサービスを確保するための「競争ルール等の整 備」の在り方 IP化・ブロードバンド化やモバイル化、ネットワークの仮想化・クラウド 化等が進展する一方、メタル回線の老朽化が進み、PSTNのIP網への完全 移行が来年に予定されている状況等を踏まえ、競争ルール等の整備の在り方 について検討する。 (4)我が国の情報通信産業の発展のための「国際展開の推進」の在り方 2030 年以降、我が国の生産年齢人口の減少が想定される中で、旺盛な海外 需要を取り込むことによって我が国の情報通信産業の発展を図り、経済成長 に繋げるため、情報通信インフラの国際展開の推進の在り方について検討す る。 (5)国際競争力強化等に向けた先端的・基盤的技術の「研究開発の推進・成果 80 普及」の在り方 我が国の国際競争力の一層の強化や経済安全保障等の観点から、電気通信 事業者等における先端的・基盤的技術の研究開発の推進や研究成果の普及の 在り方について検討する。 (6)上記(1)~(5)を踏まえた関係法制度の在り方 (7)その他必要と考えられる事項 3 答申を希望する時期 令和6年夏頃目途 4 答申が得られたときの行政上の措置 今後の情報通信行政の推進に資する。 81 「通信政策特別委員会」開催要綱 1 目的 令和5年8月 28 日情報通信審議会諮問第 28 号に基づき、市場環境の変化に 対応した通信政策の在り方等について検討するため、「通信政策特別委員会」を 開催する。 2 名称 本委員会は、「通信政策特別委員会」と称する。 3 検討事項 (1)2030 年頃に目指すべき情報通信インフラの将来像及び政策の基本的方向性 (2)我が国の社会経済活動を支える「情報通信インフラの整備・維持」の在り方 (3)低廉・多様で安心・安全なサービスを確保するための「競争ルール等の整備」 の在り方 (4)我が国の情報通信産業の発展のための「国際展開の推進」の在り方 (5)国際競争力強化等に向けた先端的・基盤的技術の「研究開発の推進・成果普 及」の在り方 (6)上記(1)~(5)を踏まえた関係法制度の在り方 (7)その他必要と考えられる事項 4 構成及び運営 (1)本委員会の構成員は、別紙※のとおりとする。 (2)本委員会には、主査及び主査代理を置く。 (3)主査は、本委員会を招集し、運営する。また、主査代理は、主査を補佐し、主 査不在のときは、主査に代わって本委員会を招集し、運営する。 (4)主査は、必要に応じて、必要と認める者を本委員会の構成員として追加するこ とができる。 (5)主査は、必要に応じて、構成員以外の関係者の出席を求め、その意見を聴くこ とができる。 (6)その他、本委員会の運営に必要な事項は、主査が定めるところによる。 5 議事・資料等の扱い (1)本委員会は、原則として公開とする。ただし、主査が必要と認める場合につい ては、非公開とする。 (2)本委員会で使用した資料及び議事概要は、原則として、総務省のウェブサイト に掲載し、公開する。ただし、公開することにより、当事者若しくは第三者の利 益を害するおそれがある場合又は主査が必要と認める場合については、非公 開とする。 6 その他 本委員会の庶務は、総務省総合通信基盤局電気通信事業部事業政策課がこ れを行うものとする。 ※ 通信政策特別委員会の構成員は P77 に記載 82 開催状況 会議 回数 日付 主な検討事項 2023 年 第 49 回 8月 28 日 ・ 「市場環境の変化に対応した通信政策の在 り方」について(諮問) 【令和5年8月 28 日 付け 諮問第 28 号】 電気通信事業 第 67 回 8月 29 日 政策部会 ・ 「市場環境の変化に対応した通信政策の在 り方」について ・ 通信政策特別委員会の設置について 情報通信 審議会 通信政策 特別委員会 ・ 「市場環境の変化に対応した通信政策の在 り方」について ・ 委員・有識者プレゼン(林 秀弥専門委員) (テーマ:NTT 法の在り方) 第1回 9月7日 第2回 ・ 関係者ヒアリング①(日本電信電話(株)、 9月 12 日 KDDI(株)、ソフトバンク(株)、楽天モバイル (株)) 第3回 9月 21 日 第4回 ・ 関係者ヒアリング③(全国町村会、高知県、 長崎県、稚内市) 9月 25 日 ・ ユニバーサルサービスの責務と交付金制度 ・ 外資等規制 第5回 ・ 提案募集の結果 ・ 関係者ヒアリング④(JCOM(株)、(一社)日本 ケーブルテレビ連盟) 10 月4日 ・ 委員・有識者プレゼン(渡井 理佳子専門委員、 田島 正広弁護士・西川 文彬弁護士)(テーマ: 外資等規制) ・ 外資等規制 第6回 10 月 13 日 ・ 関係者ヒアリング②(全国知事会、全国市長 会、全国離島振興協議会、愛知県) ・ 関係者ヒアリング⑤((株)オプテージ、 (株)STNet、在日米国商工会議所) 83 第7回 ・ 関係者ヒアリング⑥((一社)テレコムサービス 10 月 19 日 協会、(一社)日本インターネットプロバイダー 協会、(一社)全国消費者団体連絡会) 第8回 ・ 関係者ヒアリング⑦((株)JTOWER、 10 月 25 日 JICT((株)海外通信・放送・郵便事業支援機 構)、NICT((国研)情報通信研究機構)) 第9回 ・ 関係者ヒアリング⑧((一社)新経済連盟、ア マゾン ウェブ サービス ジャパン(合)、クア 11 月6日 ルコムジャパン(合)) ・ 財務省プレゼン(テーマ:外為法) ・ 外為法について ・ 論点整理(案) ・ 関係者ヒアリング⑨(日本電信電話(株)、 第 10 回 12 月 13 日 KDDI(株)、ソフトバンク(株)、楽天モバイル (株)) 第 11 回 12 月 22 日 ・ 第一次報告書(案) 第 69 回 12 月 27 日 電気通信事業 政策部会 情報通信 審議会 ― ・ 「市場環境の変化に対応した通信政策の在 り方」 第一次報告書について 12 月 28 日 ~ ・ 意見募集 2024 年 1 月 22 日 第 70 回 2月6日 ・ 第一次答申(案)に対する意見募集の結果 概要 ・ 第一次答申(案)取りまとめ 第 50 回 2月9日 ・ 第一次答申 84 ৘ৃ୭୆भ૗৲पৌૢखञৢਦ৆ੁभ૔ॉ্ ਸ਼঳ઃ௦ண‫ق‬੧‫ك‬ ૞અৱમ ফ‫ڮ‬া‫ڵ‬঩ ੲਾৢਦଟ৮ভ ৯ઃ ْੲਾৢਦਓ঵॑਄ॉඕऎ౾ୖ਻ٓ 9 ੲਾৢ ਦਓ ঵॑਄ ॉඕ ऎ౾ୖ ਻‫گ؞ ؞؞؞ ؞ ؞؞ ؞؞؞ ؞؞ ؞؞؞ ؞؞ ؞؞؞ ؞ ؞‬ ْৢਦ৆ੁधखथન৳घसऌহඨٓ 9 ৢਦ१‫ش‬অ५ऋَ৸বपඍऎُ‫఼ਂق‬઴৉ୠ॑அि१‫ش‬অ५઀୹‫؞؞؞؞؞؞؞ك‬ 9 َ଩ᆛद੗஘ُऩ१‫ش‬অ५ऋਹ৷दऌॊ‫ق‬হ঵঻৑भਁਫ଼ଥभન৳‫؞؞؞؞؞؞ك‬ 9 َব੠଼ଥৡُ॑ન৳घॊ‫ق‬ব৸৬भ੦ຊଢ଼஢भ௓ਤ‫؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞ك‬ 9 َ৽ੋ਍৸৳௽ُ॑ન৳घॊ‫ق‬๫ोभऩः७‫ش‬ইफ़‫ॻش‬ೈ઼‫؞؞؞؞؞؞؞؞؞ك‬ ْ177भ৽੾એदન৳घसऌহඨٓ 9 177भ৽੾એदન৳घसऌহඨ‫؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞؞‬ 85 ੲਾৢਦਓ঵峼਄峴ඕ岹౾ୖ਻ 86 87 88 89 90 91 92 ৢਦ崝嵤崻崡岶岣৸ব峕ඍ岹岤 ‫఼ਂق‬઴৉ୠ峼அ峪崝嵤崻崡઀୹‫ك‬ 93 94 95 96 97 岣଩ᆛ峑੗஘岤峔崝嵤崻崡岶ਹ৷峑岷峵 ‫ق‬হ঵঻৑峘ਁਫ଼ଥ峘ન৳‫ك‬ 98 99 100 101 102 岣ব੠଼ଥৡ岤峼ન৳峃峵 ‫ق‬ব৸৬峘੦ຊଢ଼஢峘௓ਤ‫ك‬ 103 104 105 106 岣৽ੋ਍৸৳௽岤峼ન৳峃峵 ‫ق‬๫島峘峔岮崣嵤崽崔嵤崱ೈ઼‫ك‬ 107 108 177峘৽੾એ峑ન৳峃峣岷হඨ 109 110

資料3

資料 50-1-3 (案) 情 通 審 第 令和 総 務 松 大 本 年 号 月 日 臣 剛 明 殿 情報通信審議会 会 長 答 申 遠 藤 信 博 書 令和5年8月28日付け諮問第28号「市場環境の変化に対応した通 信政策の在り方」について、審議の結果、別添のとおり答申する。 (別添は、資料50-1-2とする。)

資料4

資料 50-2 情報通信技術分科会・各部会の活動状況 (第 49 回総会[R5.8.28]以降) 情報通信技術分科会 開催回数 種別 第 174 回 答申 (R5.9.12) 審議事項 ①「国際無線障害特別委員会(CISPR)の諸規格について」のうち「CISPR 会議 対処方針」について 【昭和 63 年 9 月 26 日付け電気通信技術審議会諮問第 3 号】 ②「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「広帯域無線 LAN の導入のための技術的条件」及び「無線 LAN システムの高度化利用に係る技術 的条件」について 【平成 14 年 9 月 30 日付け諮問第 2009 号】 第 175 回 答申 (R5.11.21) 「放送に係る安全・信頼性に関する技術的条件」のうち「地上デジタルテレビジョン放送 等の安全・信頼性に関する技術的条件」について 【平成 22 年 12 月 21 日付け諮問第 2031 号】 第 176 回 答申 (R6.1.18) 「気象レーダーの技術的条件」のうち「9.7GHz 帯フェーズドアレイ気象レーダー等に関 する技術的条件」について 【平成 29 年 9 月 27 日付け諮問第 2040 号】 報告 ①「非静止衛星を利用する移動衛星通信システムの技術的条件」のうち「高度約 600km の軌道を利用する衛星コンステレーションによる Ka 帯非静止衛星通信シ ステムの技術的条件」の検討開始について 【平成 7 年 9 月 25 日付け電気通信技術審議会諮問第 82 号】 ②「非静止衛星を利用する移動衛星通信システムの技術的条件」のうち「衛星コンス テレーションによる携帯電話向け 2GHz 帯非静止衛星通信システムの技術的条 件」の検討開始について 【平成 7 年 9 月 25 日付け電気通信技術審議会諮問第 82 号】 ③CISPR 会議の審議結果について ④国際電気通信連合(ITU)2023 年無線通信総会(RA-23)及び世界無線 通信会議(WRC-23)の結果について 情報通信政策部会 開催回数 種別 審議事項 (開催なし) 電気通信事業政策部会 開催回数 第 67 回 種別 諮問 (R5.8.29) 議決 第 68 回 諮問 (R5.10.2) 報告 審議事項 「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」について 「電気通信事業政策部会決定の廃止制定」について IP 網への移行後の音声接続料の在り方について NTT 東日本・西日本における光回線の卸売サービスの提供状況(令和 4 年度) について 第 69 回 議決 (R5.12.27) 「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」について 【令和 5 年 8 月 28 日付け諮問第 28 号】 郵政政策部会 開催回数 第 34 回 (R5.10.23) 種別 審議事項 「デジタル社会における郵便局の地域貢献の在り方」について 【令和 4 年 10 月 14 日付け諮問第 1235 号】 第 35 回 (R5.11.20) 「デジタル社会における郵便局の地域貢献の在り方」について 【令和 4 年 10 月 14 日付け諮問第 1235 号】

資料5

情報通信審議会 総会(第50回)議事概要 1 日時 令和6年2月9日(金)15:32~16:05 2 場所 第1特別会議室(Web会議併用) 3 出席者 (1)委員(敬称略) 遠藤 信博(会長)、尾家 祐二(会長代理)、浅川 秀之、 荒牧 知子、石井 夏生利、伊丹 誠、井上 由里子、浦 誠治、 江﨑 浩、大橋 弘、上條 由紀子、閑歳 孝子、木村 朝子、 國領 二郎、三瓶 政一、高田 潤一、高橋 利枝、東條 吉純、 長谷山 美紀、平野 愛弓、堀 義貴、増田 悦子、横田 純子、 米山 高生(以上24名) (2)総務省 竹内 芳明(総務審議官)、吉田 博史(総務審議官)、 竹村 晃一(官房長)、藤野 克(官房総括審議官) (国際戦略局) 田原 康生(国際戦略局長) (情報流通行政局) 小笠原 陽一(情報流通行政局長)、湯本 博信(官房総括審議官)、 西泉 彰雄(官房審議官)、玉田 康人(郵政行政部長)、 (総合通信基盤局) 今川 拓郎(総合通信基盤局長)、 渋谷 闘志彦(総務課長)、飯村 博之(事業政策課長)、 (サイバーセキュリティ統括官) 山内 智生(サイバーセキュリティ統括官) (3)事務局 田邊 光男(情報通信政策課長) 4 議 題 (1)答申案件 ①「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」について 【令和5年8月 28 日付け 諮問第 28 号】 【内容】 「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」について、情報通 信産業の国際競争力強化を図る観点から、速やかに実施すべき事項な どをとりまとめた第一次答申(案)について審議したもの。 審議の結果、電気通信事業政策部会から提案があったとおり、第一 次答申(案)を了承し、第一次答申とすることとした。 (2)報告案件 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について 【内容】 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について、事務局より報 告があったもの。 本会議にて配付された資料を御覧になりたい方は、総務省HPにおいて 公開しておりますので御覧下さい。 また、総務省において、閲覧に供し及び貸し出しておりますので、以 下まで御連絡をお願いいたします。 担 当:総務省 情報通信審議会事務局 電 山下補佐、岡本補佐、益田官 話:03-5253-5432 メール johotsushin-shingikai/●/soumu.go.jp 迷惑メール防止対策のため、送信時は/●/を@に置き換えてください。

資料6

情報通信審議会 総会(第50回)議事録 1 日時 令和6年2月9日(金)15:32~16:05 2 場所 第1特別会議室(Web会議併用) 3 出席者 (1)委員(敬称略) 遠藤 信博(会長)、尾家 祐二(会長代理)、浅川 秀之、 荒牧 知子、石井 夏生利、伊丹 誠、井上 由里子、浦 誠治、 江﨑 浩、大橋 弘、上條 由紀子、閑歳 孝子、木村 朝子、 國領 二郎、三瓶 政一、高田 潤一、高橋 利枝、東條 吉純、 長谷山 美紀、平野 愛弓、堀 義貴、増田 悦子、横田 純子、 米山 高生(以上24名) (2)総務省 竹内 芳明(総務審議官)、吉田 博史(総務審議官)、 竹村 晃一(官房長)、藤野 克(官房総括審議官) (国際戦略局) 田原 康生(国際戦略局長) (情報流通行政局) 小笠原 陽一(情報流通行政局長)、湯本 博信(官房総括審議官)、 西泉 彰雄(官房審議官)、玉田 康人(郵政行政部長)、 (総合通信基盤局) 今川 拓郎(総合通信基盤局長)、 渋谷 闘志彦(総務課長)、飯村 博之(事業政策課長)、 (サイバーセキュリティ統括官) 山内 智生(サイバーセキュリティ統括官) (3)事務局 田邊 光男(情報通信政策課長) 4 議題 (1)答申案件 「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」について 【令和5年8月 28 日付け諮問第 28 号】 (2)報告案件 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について - 2 - 開 ○遠藤会長 会 皆様、こんにちは。遠藤でございます。 それでは、ただいまから、情報通信審議会第50回の総会を開催させていただきたい と存じます。 本日は、ウェブ会議とのハイブリッド形式にて会議を開催してございます。 現時点で委員22名の方に御出席していただいてございまして、定足数を満たしてご ざいます。 会議の傍聴につきましては、ウェブ会議システムによる音声のみでの傍聴とさせてい ただいてございます。 それでは、お手元の議事次第に従いまして議事を進めてまいりたいと存じます。 本日の議題は、答申事項1件、報告事項1件でございます。円滑な議事進行に御協力 をお願い申し上げたいと思います。 (1)答申案件 「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」について 【令和5年8月28日付け諮問第28号】 ○遠藤会長 はじめに、答申案件について審議をさせていただきたいと思います。諮問 第28号「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」について審議をさせていただ きたいと思います。 本件につきましては、電気通信事業政策部会及び通信政策特別委員会において、精力 的に調査・審議していただき、このたび第一次答申(案)を取りまとめていただきまし た。 本日は、電気通信事業政策部会委員の大橋委員から、御説明をお願いしたいと存じま す。よろしくお願いいたします。 ○大橋委員 それでは、市場環境の変化に対応した通信政策の在り方の第一次答申(案) の概略について、電気通信事業政策部会の委員を務めています私から御説明申し上げま す。 - 1 - 資料は50-1-2になります。本件は、IP化、ブロードバンド化やモバイル化が 進み、また、仮想化、クラウド化などの進展、事業者間の競争構造が多様かつ複雑にな る中において、情報通信産業の国際競争力の低下が懸念されるなど、市場環境が変化し ている状況に対応した通信政策の在り方などについて検討するため、昨年8月28日、 総務省より情報通信審議会に諮問されたものでございます。 本件は、電気通信事業政策部会に付託され、昨年8月29日の部会において、新たに 通信政策特別委員会を設置し、調査・検討を行うこととされたものの報告書となります。 通信政策特別委員会では、昨年9月以降、事業者などのヒアリングや論点整理に係る 議論などを積み重ねて、昨年12月22日の第11回会合において第一次報告書を取り まとめたものです。 これを踏まえて、電気通信事業政策部会において意見募集を実施し、今年の2月6日 の部会において、第一次答申(案)を取りまとめた結果となります。今回、それを御報 告するものとなります。 お手元、今映していただいておりますものが第一次答申(案)の本体でございます。 表紙の次のページに目次がありますので、それを御覧いただきながら、全体の構成につ いて御説明させていただきたいと思います。 第1章において、検討の経緯及び検討の基本的方向性について触れています。 第2章では、我が国の情報通信インフラの現状や将来像、電気通信市場の環境変化、 また、それを踏まえた我が国の情報通信産業における国際競争力強化の必要性について 説明しております。 第3章では、国際競争力の強化を図る観点から、NTT法の関係規律について検討を 行った結果を踏まえて、今後、総務省において実施すべき事項として、研究の推進責務 及び研究成果の普及責務の撤廃と外国人役員規制の緩和などについて提言しているもの でございます。 最後に、参考として別添を付しておりますけれども、当該事項以外の多岐にわたる論 点についても、第1章で示した検討の基本的方向性に基づきつつ、引き続き、関係者の 意見を幅広く聞きながら議論を深めることとしております。この部分については、提案 募集を行った通信政策特別委員会において提出された提案内容も参考にして議論を深め ていきたいと思っております。 なお、第一次答申(案)の概要を資料50-1-1にまとめておりますので、こちら - 2 - につきましては、事務局から御説明をお願いできればと思います。 ○遠藤会長 大変ありがとうございました。 それでは、これから、事務局から御説明いただけますか。 ○飯村事業政策課長 総合通信基盤局事業政策課長の飯村でございます。 それでは、資料50-1-1に基づきまして、第一次答申(案)の概要について説明 させていただきます。 まず、1ページ目をお開きください。あらためて検討の経緯でございますけれども、 本件は令和2年の法改正の3年後見直し規定に基づきまして、昨年8月に諮問したもの でございます。 この第一次答申(案)におきましては、検討の方向性、枠組みとして、「2030年頃 に目指すべきインフラの将来像」 、そして、その実現のために検討すべき論点を整理する とともに、その検討の際に確保すべき事項として、3点を整理いたしました。この3点 は中段にございます1.通信政策として確保すべき事項、2.NTTの経営面で確保す べき事項、3.制度改正の際に確保すべき事項の3つでございまして、その幹となりま す1つ目の通信政策として確保すべき事項につきましては、①通信サービスが「全国に 届く」 、ユニバーサルサービスの確保、②「低廉で多様」なサービスが利用できる、公正 競争の確保、③「国際競争力」の確保、④「経済安全保障」の確保の4つを整理したと ころでございます。 そして、この第一次答申(案)におきましては、検討事項を大きく2つに分けて整理 してございます。まず、喫緊の課題である国際競争力の強化を図る上で早期に結論が得 られた事項につきましては、 「速やかに実施すべき事項」として、具体的な提言を行って おります。また、それ以外の事項につきましては、「今後更に検討を深めていくべき事項」 として、今年夏頃の答申に向けて、引き続き議論すると整理したところでございます。 続きまして、2ページ目を御覧ください。上段は2030年頃に目指すべき情報通信 インフラの将来像でございます。Beyond 5Gの運用が開始され、固定通信の光フ ァイバや衛星などの非地上系のネットワークであるNTNなどとが相互に補完し合うこ とによって、陸・海・空・宇宙をシームレスにつなぎ、通信のカバレッジの拡張を図る とともに、その上に先進的なソリューションの実装が進むとしてございます。 次に、この将来像を実現する上で踏まえるべき環境変化としては、国内環境、国際競 争の二つがございますが、この第一次答申(案)におきましては、国際競争に焦点を当 - 3 - てて整理したところでございます。その理由といたしましては、人口減少が進み、国内 市場が縮小する中で、AI・ロボット市場の拡大とかDX・GX投資の増加等によって、 旺盛な海外市場を取り込むことが今後の成長の鍵となりますが、我が国の国際競争力は 必ずしも高いとは言えず、その強化が喫緊の課題であるためとしてございます。 そして、国際競争力の強化のためには、イノベーションの促進が必要でございます。 そして、イノベーションの源泉は積極的な研究開発とグローバルな視点を持った積極的 な事業運営にあるとの認識の下、今回、具体的な提言を行うものでございます。その提 言が3ページ目でございます。NTTは、現在、オール光ネットワークで大容量、低遅 延、低消費電力を実現するIOWN構想というものを推進しておりまして、これは我が 国の情報通信産業全体の国際競争力の飛躍の契機となることが期待されております。そ こで今回、NTTの研究開発や機動的な事業運営によるイノベーションを促進する観点 から、 「速やかに実施すべき事項」を整理したものでございます。 その一つ目が研究推進の責務の関係でございます。この責務は電電公社から優れた研 究基盤を引き継いだNTTに牽引的な役割を担わせるために設けられたものでございま す。ただ、技術の進展が早く、グローバル競争も活発化する中で、研究開発は事業ニー ズを把握するNTTが自らその内容等を決めることが最も効果的であるため、その点を 明らかにする観点から、責務の撤廃が適当としてございます。ただ、責務を撤廃した後 には研究が縮退するリスクもございます。このため、NTTの研究の取組状況につきま しては、継続的に検証し、その結果を踏まえ、総務省において必要な対応を行うこと。 さらには事業者や研究機関への予算支援を強化し、産学官全体の研究開発を促進してい くことも必要などとしてございます。 2つ目が研究成果の普及責務の関係でございます。この責務はNTTが研究成果を独 占した場合の公正競争上の影響に鑑み、設けられたものでございますが、従来、研究成 果につきましては、原則、開示の運用がされておりまして、これによってNTTが共同 研究を断られたり、懸念国等への技術流出の懸念などが生じるようになったところでご ざいます。そこで、このような状況を踏まえまして、また、ネットワーク機器につきま しては、従来のようなNTT仕様の特注品ではなくて、グローバルベンダーの汎用品が 主流となり、NTTの成果独占による公正競争上の懸念は低下していることなどを踏ま えまして、今回、責務の撤廃が適当とされたところでございます。 3つ目が外国人役員規制の関係でございます。この規制はNTTの重要性に鑑み、外 - 4 - 国の影響力を排除するために設けられたもので、現在、外国人役員は一切認められてい ない状況にございます。外国人役員につきましては、グローバルな視点での経営を可能 とするなどの利点もございます。そこで今回、航空法あるいは電波法などの他法の例に 倣いまして、代表者への就任は禁止、3分の1以上を占めることは認めないといった最 低限の規律は課した上で緩和をすることが適当としてございます。 その他早急に見直すべき事項として、下段にパブコメの意見あるいは本日御出席の大 橋委員の意見などを踏まえて、NTTの社名変更、剰余金処分の認可の撤廃、役員選解 任の認可の緩和についても必要な措置を速やかに講じることが適当としてございます。 最後が4ページ目でございます。今後、夏頃に向けて継続的に検討を深めるべきと整 理された14の論点を示したものでございます。1つ目の通信政策として確保すべき事 項としましては、①の論点1から4までがユニバーサルサービスの関係、②の論点5か ら9までが公正競争の関係、③の論点10が国際競争力の関係、④の論点11、12が 経済安保の関係となってございます。また、2のNTTの経営面で確保すべき事項につ いては、論点13が政府の株式保有義務、論点14が各種認可事項等となっておりまし て、ユニバーサルサービス、公正競争、経済安保の関係につきましては、本件を議論し ております通信政策特別委員会の下に、先月それぞれワーキンググループを設置しまし て、今年夏頃の答申に向けて、専門的な見地からの御議論をいただいている状況にござ います。その議論の結果につきましては、今後また答申案として整理して御審議をお願 いしたいと考えております。 説明につきましては以上でございます。 ○遠藤会長 御説明ありがとうございました。 それでは、ただいまの御説明に対しまして、皆様から活発な御意見、御質問をいただ ければと存じます。いかがでございましょうか。 三瓶委員、お願いします。 ○三瓶委員 御説明どうもありがとうございました。私からは、2ページ目の一番下に 書いてある国際競争力を強化するという点についてのコメントです。①の積極的研究開 発、これは非常に重要で、日本は最近、大きな予算も使っていますし、かなり活発にや っているということで、これについて私はあまり心配していないのですが、②のグロー バルな視点を持った機動的な事業運営、ここがやっぱり大きなネックになっているとい うのが現状だと思います。特に5G、それから6Gの議論の中で、ユースケースが必ず - 5 - 議論されるのですが、このユースケースに対しての対応というか認識が、技術者全体で、 まだ、あまりできていないような気がします。これはなぜなのかというと、4Gまでの 時代というのは、情報通信ネットワークに何かつないで、そこでサービスが完了してい るというものですので、情報通信ネットワーク側からも分かりやすかったですし、つな いだ先はつないだものが何とかすればいいんだろうという形だったと思いますが、5G 以降というのは、つないだ先にさらにシステムがあり、システム間で連携がなされ、そ の結果として、お客様には、そのシステムから提供されるサービスしか見えない、要す るに、情報通信はお客様からは一切分からないというか、存在すら分からない時代に、 これから入ろうとしているわけです。それで、ユースケースというのはどういう位置づ けなのかというと、情報通信が接続されているものは一つの製品ではなくて、システム になるわけですね。そのシステムがどういう形態なのかということを想定しないと、効 率的なシステムというのは実現できないという中で、ユースケースが非常に重要な意味 を持ってくるという位置づけだと思いますし、さらに6Gの時代にシステムの構成がよ り複雑になっていくという中では、このユースケースをいかに柔軟に考えられるかとい うのが、実は国際競争力も含めて、技術開発の最も重要な点であろうと思うのですが、 現状を見る限り、日本はここが著しく弱いというのが私の感覚であります。こういう中 でも、やっぱり、ユースケースをどう考えるのかという議論をより強化すべきではない のかということとです。もう一つコメントは、ユースケースがなぜ議論されないかとい うことです。日本の企業は今まで、技術をつくり、マーケットに商品を投じてくるとい うサイクルでずっと動いてきましたが、これからはユースケースをベースにバックキャ ストでものを考えなくてはいけないという時代の重要な変化の時期にあるということで す。 、そのような時代であっては、バックキャストを考えられる能力が必要となるわけで す。そのためには、未来を予測する能力、あるいは、未来を単に予測するだけではなく て、さらにディスカッションの中で未来の方向性を議論できる能力がないと、日本はこ れから世界でやっていけないだろうと思うわけで、それがユースケースの議論において 非常に重要となります。②のグローバルな視点を持った機動的事業運営という以前に、 人材強化というか、そういうところをやはり推し進める必要があるのではないかなとい うコメントでございます。 以上です。 ○遠藤会長 ありがとうございました。非常に貴重な意見だと思います。まさに、通信 - 6 - ネットワークそのものが本当にいろいろな社会生活に加え、実は価値創造までも支えて しまってきておりますので、そのような意味で、バックキャストするためには、将来、 それがどういう価値をつくるのかということを考えながら進めるべきだと思いますし、 そのような人材がなかなかいないというのは御指摘のとおりだと思いますが、その点に ついても、我々はしっかりと考えるべきだと思います。 ほかにございますでしょうか。ウェブのほうはよろしいですか。 江﨑委員、お願いできますでしょうか。 ○江﨑委員 どうもありがとうございます。江﨑でございます。 方向性としては非常に整理されているものだと思ってお伺いしましたけれども、2ペ ージのところで、2030年に宇宙、それから空というところがシームレスにつながっ ていき、そこで具体的にはNTN(Non-Terrestrial Network)というお話が入ってきて いるわけですけれども、NTNにいったときに、何となく先ほどお話ししたグローバル という地球全体の空間をどうするのかというところがちょっと落ちているのかなという のが非常に気になるところです。経営、それからビジネス展開に関してグローバルに闘 うために、今回いろいろな施策をやっていくということになっているのですけれども、 特にNTNを意識したような構成も含めた議論というのがアジェンダの、これは4ペー ジのこれから検討すべきところの中にそこが見えていないのがちょっと気になるところ ではあります。国際競争力を確保するというところに含まれているのかもしれませんけ れども、やっぱりグローバル空間のインフラストラクチャーというのをどうしていくの かということの観点から経営と研究開発と、そしてルールというところがやっぱりきち んとしっかり考えなければいけないところですし、ルールメイキングに対しての体制を どうするのかということも、当然、NTT法にも関係するところになってくるのではな いかというところかなと思って、この資料を拝見させていただきました。つまり、やっ ぱりグローバルというところからのビジネスだけではない部分というところもしっかり と、それに関連してビジネスのところが議論されるというのが重要ではないかなと感じ ました。 以上でございます。 ○遠藤会長 ありがとうございました。これに関しては、分科会から何か意見がござい ましたらお願いします。 ○飯村事業政策課長 事務局でございます。 - 7 - NTNにつきましては、委員御指摘のとおり、これから非常に有望な技術でございま す。ダイレクトアクセスも含めて、過疎地におけるユニバーサルサービスの確保も含め て重要になってくる中で、先生御指摘の国際競争力の観点についても、今後検討すべき 事項の中にも含まれ、研究開発の支援も含めて議論を継続していく予定になっておりま す。先生からの御指摘も踏まえつつ、検討を深めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 それでは、ほかに。よろしゅうございますか。ウェブのほうも大丈夫ですか。 貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。今御指摘の点も踏ま えて、その次の検討に入っていただければと存じます。 それでは、意見もないようでございますので、本件に関しての審議事項の確認をさせ ていただきたいと存じます。先ほど申し上げましたように定足数も満たしてございます ので、本件については、資料50-1-3のとおり、第一次答申とすることとしてはい かがと思いますが、皆さま、よろしゅうございますでしょうか。 ( 「異議なし」の声あり) ○遠藤会長 ありがとうございます。それでは、御異議がないようでございますので、 本件を第一次答申とすることとさせていただきたいと存じます。 それでは、本日の答申につきまして、私からも少しコメントさせていただければと存 じます。 まずは森川部会長をはじめ、委員の皆様におかれましては、大変精力的に御検討いた だきましたこと、深く感謝を申し上げたいと存じます。本日の第一次答申につきまして、 既にコメントをいただいてございますが、非常に急速な技術革新、半導体も含め、IC Tの領域全てそうでございますけれども、相当に早い進歩が見えてございまして、情報 通信の市場環境というのは大きく変化してございます。先ほども御意見がございました けれども、情報通信プラットフォームというものが当初はコミュニケーションを中心に したプラットフォームでございましたけれども、それが価値創造というところにまで来 ているということで、その扱われ方も変わってきてございますし、生成AIというよう なものも、先ほど三瓶先生からもございましたけれども、ユーザーが直接そのサービス に対面し、その後ろは見えないという形になっているんですね。そういう意味でも、 我々のプラットフォームはどうあるべきかというものは、ユーザーのありよう、ユーザ - 8 - ーの使われ方、そういうことを含めて考えていく必要がございまして、不断の見直しを 行いながら、考えていく必要があろうと存じます。 そこで、情報通信を取り巻く環境変化に対応するため、今般、2030年頃に目指す べき情報通信インフラの将来像を整理して、通信の政策として確保すべき事項、NTT の経営面での確保すべき事項、制度改正の際に確保すべき事項、これについて議論を行 っていただき、非常にこれらに関しては意義深いものと考えてございます。特に我が国 の情報通信産業の国際競争力の強化は喫緊の課題でございまして、提言に基づいて、N TTによる積極的な研究開発や、さらには機動的な事業運営によるイノベーションが促 進されることで、NTTにおいてIOWNの構想の推進を含めて、世界に先駆けた事業 創出に取り組んでいただくとともに、我が国の情報通信産業全体としても、国際競争力 を飛躍的に高めるきっかけとなることが期待されていると思います。 また、今般、提言いたしました事項以外の論点は、大変多様な内容にわたります。こ のため、国民、利用者や電気通信事業者等に重大な影響が生じる可能性もあるため、具 体的な制度や取組の形に至るまでには、なお整理すべき課題があるかと存じます。委員 の皆様におかれましては、今後の答申に向けて、引き続き検討を深めていただければと 存じます。 最後になりますけれども、本日は幅広い分野から皆様から見識豊かな御意見をいただ きまして、大変ありがとうございました。総務省には、本日の第一次答申を踏まえて、 そこに示された取組を強く推し進めていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上 げます。 以上で私のコメントとさせていただきます。 それでは、ただいまの答申に対しまして、竹内総務審議官より御発言をいただけると いうことでございますので、お願いいたしたいと思います。 ○竹内総務審議官 総務審議官の竹内でございます。 皆様には、日頃より情報通信行政に格段の御理解を賜り、厚く御礼を申し上げます。 ただいま御答申いただきました諮問第28号「市場環境の変化に対応した通信政策の在 り方」については、遠藤会長をはじめ、委員の皆様の活発な御審議を経て、取りまとめ ていただきました。 このたびいただいた第一次答申につきましては、我が国の国際競争力強化を図る観点 から、早期に結論が得られたものとして、速やかに実施すべき事項を御提言いただきま - 9 - した。情報通信は、社会全体のデジタル化のさらなる進展が見込まれる中で、引き続き、 あらゆる社会経済活動を支える基盤、かつ、経済成長の牽引役としての役割が期待され ます。 総務省としては、こうした認識の下、通信政策として確保すべき事項として示された 4つの観点、すなわち、ユニバーサルサービスの確保、公正競争の確保、国際競争力の 強化、経済安全保障の確保、この4つの観点を重視する必要があると考えております。 今般の御提言は、将来に向けた通信政策を検討する上で貴重な指針となるものと受け 止めております。今般の第一次答申を踏まえ、制度整備を含め、必要な対応を迅速に行 ってまいりたいと考えております。皆様におかれましては、今後さらに検討を深めてい くべき事項について、引き続き精力的な御議論を賜りますよう、よろしくお願い申し上 げます。本日は誠にありがとうございました。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 (2)報告案件 情報通信技術分科会及び各部会の活動状況について ○遠藤会長 それでは引き続きまして、報告事項に移りたいと存じます。情報通信技術 分科会及び各部会の活動状況につきまして、事務局から御報告をお願いしたいと思いま す。 ○田邊情報通信政策課長 事務局でございます。 報告案件でございます。資料50-2に基づいて御説明させていただきたいと思いま す。本件は、情報通信審議会議事規則第10条第6項及び第11条第11項に基づき、 前回開催されました第49回総会以降の情報通信技術分科会及び各部会の活動状況につ いて御報告申し上げるものでございます。 情報通信技術分科会は、3回の会合を開催いたしまして、4件の答申をいただいてお ります。 各部会につきましては、まず、情報通信政策部会は開催の実績がないところでござい ます。また、電気通信事業政策部会は3回の会合を開催し、2件の議決、郵政政策部会 は2回、会合を開催しております。 - 10 - 以上でございます。 ○遠藤会長 ありがとうございました。 それでは、ただいまいただいた報告につきまして、御意見、質問等がございましたら お願いしたいと存じますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。チ ャット等もございませんか。 ありがとうございます。 閉 ○遠藤会長 会 それでは、皆様からの御異議等ございませんので、以上で本日の議題を終 了させていただきたいと存じます。 委員の皆様には、何か御報告等がございましたらお受けしたいと思いますが、よろし ゅうございますでしょうか。 事務局から何かございますか。 よろしいですか。はい、分かりました。 それでは、本日の会議を終了させていただきたいと存じます。 次回の日程につきましては、別途、調整させていただきます。事務局より御連絡させ ていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 以上で閉会といたします。皆様の御出席ありがとうございました。 - 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