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産業構造審議会 総会 第34回

2025-07-29一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

産業構造審議会 総会 第34回 資料産業構造審議会 総会 第34回 資料産業構造審議会 総会 第34回 資料産業構造審議会 総会 第34回 資料産業構造審議会 総会 第34回 資料産業構造審議会 総会 第34回 資料産業構造審議会 総会 第34回 資料産業構造審議会 総会 第34回 資料

議事録

第34回産業構造審議会総会 議事録 日時:令和7年7月29日(火)13:30~15:30 場所:本省17階国際会議室 1.出席者 委員出席者 対面:筒井会長、伊藤委員、大谷委員、鎌倉委員、小林委員、神保委 員、滝澤委員、武田委員、中空委員、浜口委員、福田委員、柳 川委員 オンライン: 大野委員、工藤委員、白坂委員、関灘委員、東委員、 御手洗委員、矢澤委員 経済産業省出席者 対面:武藤経済産業大臣、藤木経済産業事務次官、片岡大臣官房長、 畠山経済産業政策局長、荒井通商政策局長、藤井米州課長、伊 吹製造産業局長、吉村大臣官房総務課長、 オンライン:佐々木総括審議官(兼)首席地方創生担当政策統括調整 官、茂木首席国際博覧会統括調整官、湯本技術総括・保 安審議官、藤本福島復興推進グループ総括官、成田貿易 経済安全保障局長、菊川イノベーション・環境局長、伊 藤 GX グループ長、野原商務情報政策局長、南商務・サ ービス審議官、村瀬資源エネルギー庁長官、龍崎資源エ ネルギー庁次長、河西特許庁長官、山下中小企業庁長官 2.議題 「『経済産業政策の新機軸』第4次中間整理について」 「米国関税措置に関する合意の概要及び影響」 「令和8年度経済産業政策の重点(案)について」 「令和6年度に講じた政策に関する政策評価(事後評価)について」 3.議事概要 - 1 - (1)事務局説明 ○吉村課長 定刻の前でございますけれども、おそろいになられましたので、本日の議 事に先立ちまして、事務局から御連絡をさせていただきます。 昨日、産業構造審議会会長であられました十倉雅和様が辞任されました。十倉前会長か らの御指名によりまして、冒頭は伊藤委員に会長代理として議事進行を務めていただきま す。 また、新任の委員の方々を御紹介いたします。今回から新たに白坂成功委員、オンラ インで参加されていらっしゃいます。それから、筒井義信委員、中空麻奈委員、オンライ ンで東恵美子委員に御参加いただいております。 また、益委員、安永委員は御欠席となっておりますが、御意見を書面でいただいており まして、それぞれ資料5、6として配付しておりますので、後ほど御参照いただければと 思います。 それでは、伊藤会長代理、よろしくお願い申し上げます。 ○伊藤会長代理 伊藤でございます。ただいまより第34回産業構造審議会総会を開催い たしたいと思います。 十倉前会長の御指名を受けまして、会長代理として議事進行を務めさせていただきます。 委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席いただき誠にありがとうございます。 それでは、本日の議事に入りたいと思います。 昨日、7月28日付で、十倉前会長は産業構造審議会会長を辞任されました。 そこで、最初に、後任となる会長を選任したいと思います。規定によりまして、産業構 造審議会の会長は、委員の互選により選任することになっております。 私としては、筒井委員に会長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。 ――どうもありがとうございます。 それでは、筒井委員が産業構造審議会の会長に選任されました。それでは、以降の議事 進行については筒井さんにお願いいたします。 ○筒井会長 ただいま産業構造審議会会長に選任いただきました筒井でございます。 5月29日付で経団連会長に就任いたしました。十倉会長の後を受けましてのことでござ います。 - 2 - 生産性向上、産業競争力強化に向けまして、委員の皆様方の御支援と御協力をいただき ながら、円滑な議事運営に努めてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたしま す。 それでは、議事を進めます。 本日は、武藤経済産業大臣に御出席いただいております。議論に入る前に、大臣から一 言、御挨拶をいただきたいと思います。武藤大臣、お願いいたします。 ○武藤経済産業大臣 ありがとうございます。経済産業大臣を仰せつかっております武 藤と申します。 まずもって、本日は大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。 第34回産業構造審議会総会の開催に当たり、一言、御挨拶を申し上げます。 足下の日本経済に目を向けますと、国内投資と賃上げが30年ぶりの高水準となる一方、 物価高や人手不足など様々な課題を抱えています。 また、米国の関税措置については、日米両国の国益に一致する形での合意を実現するこ とができましたが、内外の経済情勢の変化に対して、引き続き機動的に対応していく必要 があります。 一方、世界的に不確実性が高まる中において、高付加価値型の経済・産業構造への変革 は、ぶれずに取り組むことが重要です。 2040年、GDP1,000兆円の目標実現に向けて、今後も官民で国内投資の拡大を継続さ せ、近年の力強い賃上げの動きを地域の中堅・中小企業にも波及していかなければなりま せん。また、不確実なグローバル環境に対応するため、エネルギーや経済安全保障の観点 からも強靱な経済基盤をつくり上げていく必要があります。 こうした観点から、本日、来年度の経済産業政策の重点案を提示させていただいており ます。委員の皆様には、忌憚のない御意見を頂戴したいと思います。本日、御審議いただ いた内容を踏まえ、今後の経済産業省の政策運営に反映してまいります。どうか闊達な御 議論をよろしくお願い申し上げます。 以上であります。 ○筒井会長 ありがとうございました。 プレスの皆様の撮影はここまでとさせていただきます。御退席をお願いいたします。 武藤大臣におかれましては、次の日程がございます。ここで御退席になります。どうも ありがとうございました。 - 3 - それでは、次の議事に入ります。 本日は、まず「経済産業政策の新機軸」第4次中間整理について、米国関税措置に関す る合意の概要及び影響、令和8年度経済産業政策の重点(案)について、令和6年度に講 じた政策に関する政策評価(事後評価)について、以上4点を御報告させていただき、そ の上で、委員の皆様の御意見をいただきたいと思います。 なお、本日の会議はYouTube上で生放送させていただきます。 最初に、事務局より資料を御説明いたします。まずは、「経済産業政策の新機軸」第4 次中間整理について、畠山経済産業政策局長、お願いいたします。 ○畠山経済産業政策局長 ありがとうございます。それでは、お手元の資料1を御覧く ださい。横向きの資料でございます。経済産業政策の新機軸について御説明させていただ きます。 ページを開けていただきまして、右下2ページを御覧ください。これまでの枠組みでご ざいまして、これは昨年までも御説明させていただいているところでございますけれども、 2021年の産構審総会以降、この新機軸を進めておりまして、ミッション志向の産業政策と 社会基盤の組換えという枠組みで、政府が一歩前に出て、大規模、長期、計画的な産業政 策の強化策を提示して実行に移しているところでございます。 一貫して、①、②、③とございますけれども、国内投資の拡大、イノベーションの加速、 国民の所得向上の3つの好循環の実現を掲げてきたところでございます。 ミッション志向ということで左側の8分野、それから、右側の社会基盤の組換えという ことで4分野を提示して進めているところでございます。 次のページを御覧ください。日本経済の成長にとりまして、国内投資と賃上げが重要で あるということの背景でございます。まず、国内投資のほうでございます。 潜在成長率を要因分解いたしますと、左下のグラフを御覧いただければと思いますけれ ども、緑色の全要素生産性は他国と遜色ないところが見てとれると思います。最大の違い は資本投入量、この赤いところでございまして、これが日本は不足しているということで、 右側を御覧いただきますと、資本ストックの推移で見ても、この30年間、日本は1%未満、 ほぼ横ばいで推移しているということが見てとれます。 次のページを御覧ください。その中身でございますけれども、まず研究開発費は、実額 でもこの15年、ほとんど伸びていないところでございます。売上高に対する割合も他国で は増加しておりますけれども、日本は横ばいだという状況でございます。 - 4 - 人材投資も諸外国と比較して低いというのが右側のグラフで見てとれると思います。 右下5ページを御覧ください。次に、賃金でございます。左側のグラフを御覧いただけ ればと思いますけれども、日本の労働生産性は年率1%以上で伸びてまいりました。水準 自体は低いので改善が必要ですけれども、伸びはしてきたということが見てとれます。 ところが、右側でございますけれども、実質賃金は過去30年、横ばいということで、こ れに伴いまして個人消費も低迷してきたと。 実質賃金が低迷してきた、横ばいで推移してきた背景ですけれども、次のページを御覧 ください。左側のグラフを御覧いただければと思いますけれども、水色の労働生産性は先 ほど申し上げたように1%ぐらい伸びているのですが、その下の赤いところは交易条件の 悪化でございまして、これが足を引っ張って実質賃金が上がらないという状況でございま す。 右側、その交易条件ですけれども、要は輸入物価が上がる一方で、輸出物価が上がって いないということでございまして、成長投資によって高付加価値化をしていくことが必要 かと思っております。 7ページを御覧ください。そういう経済停滞の中で、特に個人消費の伸びが停滞してき たということでございまして、2012年以降の景気回復局面で、年平均の成長率は1.2%と 戦後最低でございました。 特に個人消費は年平均で僅かプラス0.3%とほぼゼロ成長だったというのが右側で見て とれます。 8ページでございます。そういう中で、今まさに潮目の変化が起きているということだ と思っておりまして、国内投資と賃上げの状況でございます。 国内投資、足元では2024年度で108兆円ということでございますけれども、2030年度に は135兆円、2040年度には200兆円を目標に設定をしているということでございます。官民 で引き続き国内投資の拡大を継続していくことが必要だと思っております。 参考資料3には、国内投資マップを添付してございますので、お時間あるときに御覧い ただければと思います。 右側が賃金でございまして、今年の春闘、昨年に引き続きまして5%をクリアし、昨年 よりも高い5.25%、中小企業でも4.65%の賃上げということになってございます。 9ページを御覧ください。一方で、そうした国内投資、賃上げが生産、消費に継続的に 結びついていくのかというところ、まだそこまで至っていないという状況でございまして、 - 5 - 今がまさに正念場で、力強い成長投資、それに基づいて賃金が上がっていくということを 実現していく必要がございます。 一方で、10ページを御覧いただければと思いますけれども、世界の不確実性は相当上が っておりまして、もちろん米国トランプ政権の状況、ロシアのウクライナ侵攻、中東情勢 など、不確実な面が相当大きいと。 そういう中で、11ページを御覧いただければと思いますが、各国は産業政策を相当活発 にやっております。アメリカは関税をやるとともに、国内の投資促進税制など相当強力に 展開しておりますし、ヨーロッパは気候変動と産業政策を両立させるのだということで取 り組んでいるところでございます。 12ページを御覧ください。そういう中で、予見性を高めるということからも2040年の産 業構造をお示しするということを4次中間整理でやっておりまして、これがその産業構造 でございます。 積極的な政策強化で国内投資拡大をして官民目標の2040年200兆を継続すれば、賃上げ は名目3%が継続し、名目GDPは2040年で1,000兆円の規模になるということで見通し をしているところでございます。 13ページは、その産業構造の中で、製造業、情報通信・専門サービス業、アドバンス ト・エッセンシャルサービス業が付加価値を上げていくことが求められるということで、 そのための取組を後ほど紹介いたします。 14ページを御覧ください。就業構造でございます。全体の労働供給は減少するものの、 AI、ロボットの活用ですとかリスキリングによる労働の質の向上で、大きな不足は生じ ないということで見込んでおります。 ただ、職種間、学歴間によってミスマッチが発生するリスクはあると考えておりまして、 右下の吹き出しを御覧いただければと思いますけれども、AI、ロボットなどの活用を担 う人材が326万人不足、生産工程も281万人不足、それから、その下の学歴ということでい いますと、理系人材が不足していくということが見てとれます。 15ページ、先ほどの製造業、情報通信業・専門サービス業、エッセンシャルサービス業 の付加価値向上ということですけれども、まず製造業はGX、あるいはDXなどのサービ ス化によって高付加価値化を実現していくということが必要になります。 それから、情報通信業・専門サービス業につきましては、製造業の高付加価値化、サー ビス業の省力化で新たな付加価値を創出していくということで成長産業化していくと。 - 6 - エッセンシャルサービス業につきましては、インバウンド、あるいは地域資源などの活 用で高付加価値化するということ。それから、省力化、デジタル化等を進めることで生産 性を向上させていくと。こんな取組をしていく必要があろうかと思っております。 そういうことを踏まえまして、今後の経済産業政策の基本的な考え方でございますけれ ども、最後の16ページでございます。高付加価値型の経済・産業構造に転換していくこと の重要性は不変だと思っておりまして、まさに国内投資と賃上げを続け、高付加価値な製 品、サービスを生み出すということに政府は引き続きコミットしてまいります。 下の四角ですけれども、①、②、③とあります。①新たな付加価値を生む成長投資のた めの構造改革を行うこと。②は、賃上げを定着させるという意味もございますけれども、 持続的に成長できる地方経済・産業をつくっていく。③は、そうした成長投資を実現する 経済基盤でありますエネルギー、国際ルール、経済安保、こういったものの取組を強化し ていくということを軸に政策を展開してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○筒井会長 ありがとうございました。 次に、米国関税措置に関する合意の概要及び影響について、荒井通商政策局長、伊吹製 造産業局長、お願いいたします。 ○荒井通商政策局長 通商政策局長の荒井でございます。よろしくお願いいたします。 資料2の右下の3ページに1枚紙がございます。これが日米間の合意の概要なので、ま ずこれから御説明いたします。 もうマスコミ報道等で出ておりますけれども、相互関税、それから自動車完成車の関税、 自動車部品の関税、それぞれ既存の税率、自動車とか自動車部品の場合は2.5%です。こ れを含めて15%の関税率になるということになってございます。 それから、半導体、医薬品につきましては、いわゆるMFN、日本を他国に劣後して取 り扱わないという約束を取り付けてございます。昨日、米、EUが合意しまして、半導体、 医薬品については15%以下になるということなので、この税率が日本にも適用されること になると考えてございます。 この辺りで日本からアメリカ向けの輸出は大体カバーされていると思いますので、少し 影響の緩和にはなったかなと思いますけれども、片方で税率は一定程度残るということは 事実でございます。この影響についても検討していかなければいけないと思います。 それから、日本からどのような協力をしていくかというところにつきましては、次に経 - 7 - 済安全保障面での協力という柱が立っていますけれども、半導体、医薬品、鉄鋼、造船、 重要鉱物等々、9つの重要な戦略分野において、日本、他国、第三国からの投資促進、産 業協力、サプライチェーンの強靱化をやっていく。そのために日本の政府系金融機関、J BICとNEXI、日本貿易保険を意味しております。これが上限5,500億ドルの枠をつ くってファイナンスの協力をしていくというような提案をしてございます。 さらに、貿易の拡大につきましては、既存の約束事が多いのですけれども、バイオエタ ノール、農産品、航空機、LNG等エネルギー、防衛装備品等々の購入、これは特段無理 をしたことはなくて、既にコミットしているような数字を並べてアメリカ側に見せて約束 をしております。 それから、非関税措置としてアメリカの車、日系メーカー含むですけれども、日本に輸 入する場合の手続の簡素化、安全基準をアメリカとそろえていくといったことに取り組ん でいくということを約束してございます。 合意内容はこんな感じなのですけれども、ぜひこの産構審の場で御議論いただきたいの は、これはインプリケーションでございますが、私も赤澤担当大臣について8回ほどアメ リカで関税交渉をやってまいりました。相当、アメリカ側といろいろな対話をしてきて、 アメリカの今の現実をさんざん見せつけられてきましたけれども、今後も一定の関税率は 世界的に残ると。アメリカというのは別に突然トランプで変わったわけではなく、アメリ カの国内の経済状況を踏まえて、国民の支持もあって、この関税政策については一定の壁 は残っていくと。それがグローバルに大きな影響を与えていくということは事実として認 識すべきかなと思ってございます。トランプ大統領は、非常に強い信念で関税政策を取っ ております。 これは関税収入というのもありますし、投資を引っ張って国内の雇用を拡大する、産業 基盤を強化するという強い産業政策としての意識もございます。国民にも非常に分かりや すいシンプルな政策でして、これは国民の支持も高いと。例えば各国の半導体、医薬品、 造船といった重要産業を各国から強引にでも引っ張ってくるというぐらいの取組になって おります。これは同盟国だろうが、同盟国以外であろうが区分もなく、かつ経済のみなら ず安保も含めて、アメリカというのは今後世界への関与を薄めていくという中での今後の 日本の在り方を考えていく必要があると思っています。 そもそも戦後の国際秩序というのが、みんなアメリカにおぶさってきたと。アメリカが 世界から輸入することを前提に、米軍がいるということも含めて、世界の平和と繁栄を維 - 8 - 持してきたということですけれども、今後これが変わっていく中で、日本としてどう食っ ていくか、生き抜いていくかということは考えていかなければいけないと思ってございま す。 他方で、アメリカ市場へのアクセスを閉じられた中国製品などは、安い価格でASEA Nを含め新興国市場に出てくる中で、新興国との仲間づくり、新興国マーケットをどう取 っていくかというところも大変重要かと思ってございます。 かつアメリカは関税を上げるだけでなくて、アメリカとディールをする国はアメリカ向 けの関税は下げるのですけれども、それはまた相対的に日本には不利に働いてくる、国際 ルールがますます守られなくなっていくというところも受け止めなければいけないと思っ ています。日本は国内、大分着実に投資拡大、賃上げが続いてきましたけれども、海外か らの影響に非常に弱い国だと思っています。リーマンとかコロナにもありましたとおり、 海外からの影響で、がくっともろく崩れるようなところもありますので、そうした中で、 今後、日本経済、国内政策、どうあるべきかというところをぜひ御議論いただいたらと思 ってございます。 私からは以上です。 ○伊吹製造産業局長 では、影響のほうを簡単に、5ページを御覧ください。 日本からアメリカへの輸出の構造ですが、3分の1が自動車で、青いところは基本的に BtoBの資本財と理解をいただければと思います。それから、鉄、アルミ、薄い青、 時々、紫で吹き出しが出ているのが今後出てくるであろう半導体、医薬品等々という構造 になっています。 特徴的なのは、8ページに飛んでいただきまして、直近の貿易統計ですが、輸出数量は プラス3.4ということになっていますが、額で見るとマイナス26.7ということなので、3割 弱値下げした状態で輸出をしているということで、今、自動車メーカー側がかぶっている 状況だと御理解ください。 10ページに飛んでいただきまして、起点になる米国市場がどのように動くかということ なのですが、1,600万台ぐらいのマーケットだと思っていただいて、3、4月は駆け込み があって、5、6月はちょっと反動減が出ているという状態になっていますが、あまり皆 さん、まだ値上げ、そんな激しくしていないので、マーケットが崩れる状態には今のとこ ろなっていないということであります。 次に、14ページまで飛んでいただいて、足元、政府のほうにいろいろな相談が来ている - 9 - のは左側のグラフに出ていますが、ちょっとずつ資金繰りの御相談が増えているというの が今の実態でございます。 今後、影響をどのように見ていくかということなのですが、1つは車、どこかで値上げ という話になってきますが、それでアメリカマーケットが崩れて、輸出を通じて国内生産 に影響が出るかどうかというのが1点。 それから、相互関税25は回避できたのですが、企業から見ると今10かかっている状態か ら15に上がるということになりますので、この影響がどのように出るのか、それから鉄、 アルミが50のままの影響がじりじりと出てくるというのが2点目。 3点目が、そういったことを受けて中小、資金繰り、雇用、どれぐらい影響が出てくる のかという辺りは、よく注意深く見ていかないといけないかなということで、今後の見る ポイントとして3点考えているところでございます。 以上です。 ○筒井会長 ありがとうございました。 次に、令和8年度経済産業政策の重点(案)について及び令和6年度に講じた政策に関 する政策評価について、以上2点について、片岡大臣官房長、お願いいたします。 ○片岡大臣官房長 よろしくお願いします。資料3と4をまとめて御説明いたします。 資料3は概要になってございますけれども、全体像を示すためにこちらで御説明いたしま す。令和8年度経済産業政策の重点(案)ということであります。 今ほど説明がありましたけれども、産業構造の転換という中長期の話と足元、現下の情 勢を踏まえた機動的な対応、両方が必要だと考えてございます。 まず最初に、足元、関税の影響を含めて、機動的な対応が不可欠であるということで、 8年度を待たずとも、7年度中から関税の対応とか賃上げ、物価高対策に徹底して取り組 んでいくということで、上のほうに点々で四角囲いをしていますけれども、3つ、関税の 影響につきましては、自動車を中心としまして影響緩和と体制の強化を図っていくという ことでございます。また、賃上げにつきましては、中堅・中小の稼ぐ力の強化ということ で、先般成立いたしました取引適正化の法令遵守も含めまして徹底していくということで ございます。また、物価高への対策ということで、特段、エネルギー価格の高騰対策とい うことで、燃料高騰への影響の緩和、さらには原子力発電所の再稼働ということが書かれ てございます。 こうした足元の対応策に加えまして、その上で中長期的な高付加価値型の経済・産業構 - 10 - 造への転換の重要性は変わらないということでございます。具体的には3つの柱で取り組 んでまいりたいと考えてございます。 下のほうの真ん中、ブルーの四角囲いで3つの箱がございますけれども、1つ目には新 たな付加価値を生む成長投資の継続と高度化に向けた構造改革ということで、(1)GX、 DX、経済安保等々における官民連携での投資。 (2)ですけれども、先ほど人材の話がありましたが、人材システムの再構築ということ で、人材需要の明確化でありますとか、専門人材、トップ人材の育成、活用を行ってまい ります。 また、持続的なイノベーションに向けたエコシステムということで、戦略技術領域の特 定と事業化までの一気通貫の支援。大学の集中支援、スタートアップ政策の強化。 (4)ですけれども、デジタル化、サービス化による産業構造の高付加価値化ということ で、半導体、計算資源等々のインフラの確保、AIモデルの開発を見据えた現場データの 大規模なデジタル化の推進等々を行ってまいります。また、コンテンツ産業の国際競争力 強化も図ってまいります。 真ん中の2.好循環を生み出す賃上げの定着、中堅・中小企業の成長促進、さらには地 方創生による国民所得の拡大ということでございまして、(1)中堅・中小の賃上げ継続と いうことで、改正下請法の施行と執行の強化、官公需も含めた価格転嫁、取引適正化のさ らなる徹底等がございます。また、地域の成長と賃上げを牽引する中堅・中小の成長支援 でございますとか、事業承継、M&Aの支援強化も図ってまいります。 (2)構造的な人手不足下でも持続可能なローカル経済圏の形成ということで、省力化投 資の促進、あるいは地域のエッセンシャルサービスの維持、発展に向けた地域協同プラッ トフォームへの支援を行ってまいります。 また、地域における産業立地の促進ということで、産業用地確保への支援、GX産業立 地の推進を行ってまいります。 右側のほうですけれども、3.不確実なグローバル環境と交易条件の悪化に対応するた めの強靱な経済基盤の構築ということで、まず1つ目に、エネルギーでございまして、G X産業政策の推進、再エネ、原子力などの最大限の活用、原子力のバックエンドプロセス の加速化、水素、CCSの活用を行ってまいります。 (2)で経済安全保障の確立、強化ということで、経済インテリジェンス機能の強化、サ プライチェーンの強靱化、デュアルユース技術の産業基盤の強化等を図ってまいります。 - 11 - (3)ですけれども、不確実性が増す世界経済における事業環境の再構築ということで、 グローバルサウス、同志国との連携強化、国際的なルールメーキングの推進等を図ってま いります。 最後に、そうした政策の基盤となります最重要課題ということで、福島の復興、能登半 島の地震からの復興にも引き続き取り組んでまいります。 続きまして、資料4を御覧いただければと思います。政策評価についてでございます。 1枚めくっていただきまして、2ページ目で政策評価の体系が書いてございます。大括 り化いたしました政策のレベル、この図の①でありますけれども、その下に予算、税など の事業レベルで重層的に行っているものでございます。 特に、このうち大規模なものにつきましては、個別に検証方法を検討いたしまして、効 果検証を行っています。これが③でございます。 政策レベルでの評価につきましては、政策評価法に基づきまして、政策評価基本計画を 定めまして、これに基づいて行っております。その枠組みの下で、各局において令和6年 度に講じた施策に関する自己評価を実施しましたので、本審議会に報告するものでござい ます。 3ページで、令和5年の政策評価基本計画の改定の際に、7つの政策体系への大括り化 を行ってございます。今回、これで2回目の事後評価を行ったことになります。 4ページ目には、その7つの政策軸に基づきまして、12のテーマと責任部局、それぞれ 1つの局ごとに1つのテーマということで整理をしてございます。 個別にその後ずっと政策評価がついていますけれども、時間も限られていますので、1 つ代表例といたしまして、商務情報政策局の評価について御説明をいたします。 飛びまして30ページでございますけれども、政策テーマ、責任部局の局長名の後にミッ ションステートメントが書いてございます。主要な目標に対する進捗と評価につきまして、 目標に対する評価と今後の対応欄に記載してございます。 例えば、目標1を御覧いただければと思いますけれども、国内で半導体を生産する企業 の売上高を2030年に15兆円とする。2027年度までに、60EFLOPSのAI計算資源を国内に整 備するという目標を書いてございます。 それに対する取組といたしまして、AI・半導体産業基盤強化フレーム基づく先端半導 体の産業基盤支援、それから、経済安保基金による生成AI開発支援を実施してきたとこ ろでございます。 - 12 - これによりまして、国内で半導体を生産する企業の売上高、足元で6兆円、それから20 27年度までに60EFLOPS以上の計算資源を国内に整備できる見通しとなってございます。 法律の改正も行いました。今後もハードウェア、先端半導体の産業基盤の確保でありま すとか、計算資源基盤の整備を含めましたソフトウェアとしてのAI開発を具体的に進め ることとしてございます。 最後、31ページですけれども、主要な目標の達成度合いを見る図表を掲載してございま して、その後、32ページには令和6年度の政策テーマに関する主な動き、33ページでは主 な関連施策と、それらを推進する担当課室、関連する予算、税制などを記載してございま す。32ページにおきましては、今年度に追加したところでございます。 その他、11の政策テーマにつきましても、同様の形で記載しているので、お時間ござい ましたら御参照いただきたいと思います。 私からは以上です。 (2)自由討議 ○筒井会長 ありがとうございました。 それでは、ここから自由討議に入ります。討議に当たっては、事務方への御意見、御質 問だけでなく、委員の皆様の間でも意見交換をいただければと考えております。 今から五十音順で私より指名いたします。お1人3分程度で発言をいただきます。その 後、時間が許す範囲で、御希望があれば、再度御意見を伺いたいと思います。 それでは、まず伊藤委員からお願いいたします。 ○伊藤委員 どうもありがとうございます。3点申し上げたいと思います。 1つは、産業政策についてでございまして、マクロ経済政策運営です。 とりわけ、設備投資や研究開発投資などにおいて、政府が前面に出るケースが国際的に 増えているというのはそのとおりであると思います。ただ、民間がそうした投資の主な担 い手であることは間違いないわけですから、産業政策という形で政府が行う誘導の重要性 は増しているとはいえ、具体的に官民分担の在り方はどうするかということが多分問われ るだろうと。これは具体的な個別の産業とか分野によって違いがあると思いますので、今 後さらに詳しく詰めていただきたいと思います。 2番目は、財政なのですけれども、財政の議論をここでする場ではないというのは分か - 13 - っているのですが、政策運営として財政負担が多くなるようになっていることは事実で、 マクロのポリシーミックスでいうと、金融の政策が少し後退して、それに代わる形で財政 が出るわけで、シミュレーションの結果の中には将来の財政負担の研究はあまりないので すけれども、足元では御案内のように長期金利が上がるということで、少し気になる動き があります。これは日本だけではなくて、アメリカでも同じような動きが見られるわけで、 産業政策を大胆に実行するということは重要なのですけれども、それと財政問題との関係 が気になるということは、ぜひ注意していただきたいと。 最後に通商政策で、今はトランプ関税の嵐が吹き荒れているものですから、それにどう 対応するかということが最重要課題であることは間違いないと思いますけれども、では、 今後どうなるのだろうということだろうと思います。 先ほど自動車関税の話を言われたのですけれども、15%で決まったものが、今後すぐに 下がるというのはなかなか考えにくいですし、鉄鋼は第1次トランプ政権のときに25%に 上がったものが、バイデン政権のときも変わらないで、それが今50に上がっているわけで、 今後どうなるか分かりませんが、アメリカ、特に主要国が相互関税を維持しているときに、 どういう通商政策をしたらいいかということが多分問われてくるのだろうと。 もう一つ気になるのは、トランプがもちろん大きな波乱要因であることは事実なのです けれども、何となく事実関係として見ると、2008年のリーマンショック以降、世界経済は いわゆる保護主義的な方向に少し動いていた気がします。 私は、ある国際会議でバーシェフスキーという、中国がWTOに加盟するときのUSス チールのトップだったのです。彼女が言っていましたけれども、WTOに中国が加盟する ことによって、中国が先進国、主要国に接近してくれると。自由な貿易体制になってくれ るということを期待していたのですけれども、最初はそうだったのですが、2008年ぐらい からUターンを始めたという言い方をしています。よく考えてみたらUターンをしたのは 中国だけではなくてアメリカも同じで、トランプ第1次政権があって、バイデン政権のと きも、さっき言ったように保護主義が動いていた?という形で、少し大きな流れの変化が ある。もちろん、これをどのように変えるかというのが重要なのです。 中国は話題?にならなかったのですけれども、アメリカは戦後のWTOシステムの中で、 自由貿易システムをサッカーゲームに例えると、非常に重要な審判員の役割を果たしてい たのです。審判がコートの中で暴れ始めて、コートから出てきて、なかなか次の審判にな る者がいない。そういう中で、日本がどういう形で自由貿易体制を守っていくかというの - 14 - は、対アメリカはもちろん重要なのですけれども、世界との関係について、ぜひしっかり 頑張っていただきたいと思います。 以上です。 ○筒井会長 大谷委員、お願いします。 ○大谷委員 ありがとうございます。保安・消費生活用製品安全分科会会長を務めてお ります大谷でございます。 この分科会に関連したこととして、本日の資料3、令和8年度経済産業政策の重点 (案)におきまして、一番下の枠になりますけれども、経済社会の基盤を支える最重要課 題として、③で産業のレジリエンス・安全の向上について記載いただいておりますので、 これについてちょっとコメントさせていただきたいと思います。 産業保安を取り巻く環境はダイナミックな変化に直面しているところでございます。ま ず、産業の基盤であるエネルギーの需給に関してですが、本年2月に第7次エネルギー基 本計画やGX2040ビジョンが閣議決定されました。こうしたエネルギー需給構造の転換を 進めていく上で、安全を確保していくことは大前提だと思います。 他方、少子高齢化により生産年齢人口が減少していく中、産業保安に関わる分野の人材 獲得が喫緊の課題となっております。 このような環境変化の中で、中長期的に保安レベルを確保、向上するために、まずスマ ート保安技術の効果的な導入と保安に関わる組織体制の再構築が重要でございます。 これまで高度なリスクマネジメント能力を有する事業者への認定高度保安実施者制度の 導入であるとか、遠隔監視等を可能とする制度改正等を進めていただいております。 地球環境の変化や、本年の初めの八潮の道路陥没事故がございましたけれども、このよ うなインフラの劣化といったリスク要因が増加してきているというのが現実だと思います。 こういうものに対応したリスクマネジメント能力の強化がますます必要になってくると思 います。 また、一方では、AIなどの技術が急速に進展すると想定されますので、そうした新技 術が保安力を向上させる効果、スマート保安とかと言われていますけれども、これは継続 的に評価をしていくということが重要になってくると思います。 事業者側におきましても、新技術への対応を含めた社内の人材育成とか保安人材の最適 な配置、法定の資格者や外部リソースの活用など、多様な専門人材をマネジメントし、保 安力の維持向上を図っていく体制を考えていくことが必要です。 - 15 - また、水素やCCS等の新技術の導入に当たりましては、技術開発時から安全面での要 求事項を意識した計画的なデータ取得が必要になってくると思います。 例えば、液化水素タンクの開発プロジェクトでは、保安基準の策定に資するデータを取 得すべく、初期段階から保安当局も参加しております。このように保安当局と事業者が早 期から連携することや、民間規格や適合性確認機関をさらに活用していくことが期待され ます。 加えて、新たな技術分野や市場の拡大に伴って、実施主体が多様化することを想定した 対応も重要になってくると思います。 引き続き、経済産業省におかれましては、産業保安の保安水準の向上、安全な製品の技 術確保、効率的かつ効果的な化学物質の管理を進めていただければと思います。 以上です。 ○筒井会長 次に、オンラインから御参加の大野委員、お願いいたします。 ○大野委員 東北大学の大野です。2点申し上げたいと思います。 1つは、技術インテリジェンスの必要性についてです。 日本は、ものづくりが強い、他国からも言われていますが、その件に関しては検証し、 戦略的に把握する必要があると考えています。ウクライナ戦争以降、欧米諸国では製造業 の国内回帰が進められ、情報と融合した高度化の取組が進められています。 一方で、日本では、ものづくりが強いといった概念的なイメージが先行し、実態の分析 や技術のコアの所在を把握する取組は後手に回っていると感じています。最近、専門性の 高い技術系人材が就職後、業務は技術開発の進捗管理や調整が中心で技術がやれないと嘆 く声をしばしば耳にします。つまり、技術開発が外注などに委ねられている現実があると いうことです。もちろん、これは必要でもあるわけですが、技術の中核の存在が不透明と なっている側面もあると考えています。このままでは蓄積されるべき知見や技能を見失い、 競争力の源泉を失うことにもなりかねません。 日本のスタートアップなどが少子高齢化対応の切り札となる優れたロボットを開発、提 供していますが、高価格で社会に浸透せず、イノベーションを引き起こすまでには至って いません。 一方で、他国では自社でレアアース入りのモーターを開発、生産し、高性能かつ低価格 のAIロボットなどを市場投入する企業も出てきています。公共調達などを通じて社会実 装を加速するなどの戦略が必要となりますけれども、これは技術インテリジェンスに基づ - 16 - く政策判断が不可欠だと思います。 したがいまして、素材、部材、装置、工程、ソフトウェアなどの技術要素も含め、我が 国の競争優位であったりチョークポイントを把握、可視化する技術インテリジェンス機能 の整備が不可欠です。これは経済安全保障の観点からも、また、成長分野への投資を戦略 的に行うためにも基盤となる重要な機能です。 2点目です。研究大学の役割と制度整備についてであります。 研究大学は、単なる高等教育機関ではなく、知の創造と技術革新の源泉でもあります。 科学技術力が国力に直結するという認識の下、海外では研究大学イノベーションエコシス テムの不可欠な要素として位置づけ、国の戦略に組み入れる体制が整えられています。 日本において成長する大学の支援を進めるには、研究費の充実に加え、社会との橋渡し を担う人材や組織の整備、さらには経済安全保障に対応できる制度、環境の構築など、包 括的な体制整備が必要です。こうした取組によって研究の時間を確保しつつ、大学と民間 の本格的な共同事業が大きく加速できると考えています。大学と民間とが融合した接続部 を設計し、知と産業の循環を支える構造を構築することが今まさに求められていることか と思います。 以上です。ありがとうございました。 ○筒井会長 次に、鎌倉委員、お願いします。 ○鎌倉委員 御指名ありがとうございます。製造産業分科会と地域経済産業分科会の委 員を務めております。 まず、全体について、先ほど国内マップを提供していただいているように、国内の中で 投資が増えてきているということ自体は非常によいことかなと思いますし、全体について はおおむね納得のいくものかなと思っております。その上で地域、どのように面的にこの ような影響が広がっていっているのかということについて関心があるわけですけれども、 それに関連して2つほどコメントさせていただきたいと思います。 まず、ミッション・オリエンテッド・ポリシーを中心に掲げつつ政策を練り上げていっ ているということかと思うのですけれども、その中で掲げられている地域の包摂的成長と いうところが私の専門に一番関わるところであると思うのですが、全体としては途中でい ろいろ変わって、多分、少子化対策に資する地域の包摂的成長というものになったかと思 います。 こちらについて、これは私の解釈違いかもしれないのですけれども、このように書かれ - 17 - てしまうと、やはり子供を産み育てる地域として、地域というのは包摂的に成長するべき であって、都市へ人口を送り出すために、そのような地域があるというような位置づけと いう印象を受けてしまうところがあります。 一方で、将来像として、人口減少地ではAIやロボットの導入が都市を上回るスピード で進み得ると。リープフロッグする可能性もあるというような言及もあるわけなのですけ れども、そうなっていくと、そうしたシステムはかなりプラットフォーム化が進んでいっ て、非常に効率のよいような形で産業が導入されていって、産業側では高付加価値化やサ ービス化が進められていく中で、産業のプラットフォーム化が進むと付加価値の帰属がど こにあるのかということが、やはり地方圏でそういった効率化が進んでいって、人口が減 少していく中でも産業が維持できるという体制はあったとしても、結局、果実といいます か、利益の部分が中心であったりだとか、場合によっては海外の主体に偏ってしまうとい う可能性もあるかと思います。どこに利益がもたらされるのかというような観点からも、 こういった政策を考えていっていただきたいかなと考えております。 懸念としては、地域の将来像というのが、どこの誰のためのものなのかということです。 場合によっては、荒廃地になってしまう可能性があるかなというところが懸念点かなと考 えております。 ちょっと時間がないので、2つ目に関しましては、イノベーションシステムに関しても 同様のところがあるかなと考えておりまして、非常に成長する大学への集中投資はどんど ん進められていくかもしれないのですけれども、やはり多様性があるということも重要か なと考えておりますので、様々な地域に、いろいろな可能性が残るような形でこういった 政策が進められていくことを期待しております。 以上とさせていただきます。 ○筒井会長 オンラインから御参加の工藤委員、お願いします。 ○工藤委員 工藤でございます。御指名ありがとうございます。また、子細な取りまと めと御説明ありがとうございます。 まず、経済産業政策の新機軸の枠組みについて1点申し上げます。今回お示しいただい た2040年の産業構造のあるべき姿と、3分野における産業構造転換に取り組まれるという 方向感に違和感はございません。政府には、引き続き足元の国際情勢を踏まえた機動的な 対応とともに、中長期の視点での政策を打ち出していただきまして、経済成長の予見可能 性を高めることで、投資拡大とこれに伴う産業の高付加価値化、賃金上昇、消費拡大とい - 18 - った好循環の実現を後押しいただけますと幸いです。 次に、経済産業政策の重点(案)についても異論はございません。今後の検討課題につ いて2点申し上げます。 1点目は、人材活用システムの再構築についてです。 人口減少が進む中にあって、産業の高付加価値化と構造改革を確実に実現するためには、 短期、長期両面での人材確保が不可欠だと考えます。優秀なシニア層の再雇用、処遇改善 を行い、足元における人材の国外流出を防止するほか、特定の産業、技術に関して、省庁 横断的な教育高度化を行うことで、将来の専門人材を確保していくということは大変重要 だと考えております。 2点目、経済基盤の構築についてです。 強靱なエネルギー需給構造への転換のためには、再生可能エネルギーや原子力などの脱 炭素電源の最大限の活用はもちろん、ペロブスカイト太陽電池や核融合発電などの次世代 技術の社会実装が必要という方向性に賛同します。 一方、次世代技術の中には、民間での市場開拓が進んでおらず、国内でのサプライチェ ーン構築、供給力確保がまだ難しい技術もございます。政府には、需要家創出を御支援い ただくほか、官民で債務保証等の適切なリスク分担をしながら、財務的な支援を継続する 仕組みも御検討いただければと思います。 最後に、今回の政府の施策や具体的な支援について、ぜひステークホルダーとのコミュ ニケーションをしっかり取って伝えていっていただきたいと。双方向のコミュニケーショ ンを取っていただきたいと思います。 先ほどもおっしゃっておりましたが、やはり財政にインパクトを与えるものでございま すので、持続的に行うためには国民の理解を取るということも必要でございますし、やは り担い手である民間企業にしっかりとコミットして、自分たちも投資しながら進めてもら うことが必要でございますので、そういったモメンタムをつくっていくという意味でも、 ぜひコミュニケーションを強めていただければと思います。 以上でございます。ありがとうございました。 ○筒井会長 ○小林臨時委員 小林委員、お願いします。 私からは、中小企業、小規模事業者の立場から意見を申し上げます。 経済産業政策の重点の各施策ですが、これは民間の挑戦を後押しするもので、しかしな がら、好循環を生み出す原動力は、雇用の7割、あるいは3大都市圏を除くと9割を担っ - 19 - ている中小企業、小規模事業者と地域経済の活性化であると考えております。キーワード は地域経済と中小企業、これは何回も言っておりますが、そういうことであります。 中小企業が稼ぐ力を強化し、地域経済の好循環の原動力となれるように、生産性の向上、 イノベーション創出への支援、知的財産の創造、活用、GX、海外展開等、付加価値の創 出、拡大に向けた取組を強力に後押しする予算の拡充が必要であると考えております。 中小企業の成長促進に関してですが、地域の中小企業の多くは構造的な人手不足に加え、 賃上げに伴う労務費の増加、賃上げを上回るコストプッシュインフレ、金利上昇、消費低 迷等に直面し、業況の二極化が顕在しているという現状であります。 持続的な賃上げ、あるいは投資の原資確保に向けて、価格転嫁など取引適正化に向けた ビジネス環境の整備を強力に推進するとともに、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁 を商習慣として定着させることが重要であると考えております。 また、一方では、BtoC取引では、コストプッシュ型インフレが消費者心理に大きな 影響を及ぼして、価格転嫁は一層難しいという状況にあります。最終消費価格が上がらな ければ適正な価格転嫁の仕組みは成り立ちません。消費者のデフレマインドの払拭が急務 であると考えております。 また、企業数の約85%を占めるいわゆる小規模事業者、彼らは地域の生活、あるいは商 業インフラを支えるだけでなく、政府が推進する地方創生に不可欠な存在であります。地 域に価値ある事業を継続、発展させていくため、こうした事業者への経営支援体制に係る 地方交付税措置と、それに基づく予算の拡充をぜひお願いしたい。 加えまして、米国の関税措置により、輸出企業だけでなくサプライチェーンを構成する 中小、小規模事業者に必要な支援を迅速に講じるとともに、受注先の中小企業等へのコス ト負担の防止を呼びかけるということと、地域の産業や雇用を守るための万全の対策が不 可欠であると考えております。 最後に、地域経済の再活性化についてですが、地方創生には若者や女性等を地域に引き つける魅力的な産業や事業の創出が必要であります。地域経済を牽引する中堅・中小企業 の事業拡大を後押しするために、用地の取得、あるいは拠点整備に必要な規制緩和等々、 企業立地に不可欠なインフラ整備もぜひお願いしたいと思います。 以上です。 ○筒井会長 オンラインから御参加の白坂委員、お願いします。 ○白坂委員 6月から製造産業分科会の会長を拝命しております慶応大学の白坂と申し - 20 - ます。よろしくお願いいたします。4点コメントをさせてください。 最初の3点は資料の中のもので、最後の1つはどこにも書かれていなかったものではあ るのです。まず資料1の中で、13ページに全産業の産業構造の分析の結果がございました。 こちらは、まさにこれを目指していかなければいけないのですが、それを目指す中で、こ の全体の構造ではなくて、個別の産業ごとにも新しい産業構造をつくっていかなければい けないと認識しております。これはテクノロジーによって、まさに産業構造が変わり始め ているということが大きなところになりますけれども、戦略的に産業構造のデザインをす る必要性があると思っています。 昔は、米国はそういったことをそれほどやっていなかったと思うのですが、近年ですと スマートグリッド産業でやっていますし、宇宙産業のほうでも今まさに米国が産業構造の デザインを官民が協力してやろうとしています。 ちょっと単純な例でいいますと、デジタルが入る前と入った後で、例えば農業も大きく 変わろうとしています。いわゆる農業レイヤー化といいますが、もともとは農家さんがト ラクターを買って自分の農地を耕していたものが、農家さんがトラクターの自動の運転サ ービスを使って耕してもらう。さらに、農地は自分のものだけではなくて、人の空いてい る農地をマッチングで合わせてやるようなことが起きる。そうすると、農家さんという名 前なのですが、トラクターも農地も持たない農家さんが生まれてきたりですとか、農地ば かりを持っていて自分では何も作らないような人たちも出てくる。つまり、産業の構造自 体が全く変わるというのがデジタルで起きてきています。 このように既存の産業がデジタルで大きく変わり始めるというのもありますし、もちろ ん宇宙ですとか浮体式洋上風力発電のような今ない、これから新しく出てきている産業分 野では、産業構造をあらかじめデザインして、産業として勝ち筋をつくりながら国の施策 を進める。このような活動が、特に米国を中心に行われていますので、こういったところ を日本もやっていかなければいけないだろうというのが1点目になります。 2点目が、14ページのところなのです。こちらで人材の話が出ているわけですが、右側 のオレンジの枠の中に、AIやロボットなどの活用を担う人材という書き方がしてありま すが、まさにこの「活用を担う」というところが重要かと思っています。もちろん、AI ですとかロボットに詳しい人も必要なのですが、実はこの人たちは活用を担うにはちょっ と一歩足りない。まさにDXでも起きていましたが、DX人材育成でデジタル技術(AI ですとかデータ分析)の得意な人材をたくさん育成することをしました。これはもちろん - 21 - 必要なのですが、それだけではなかなか活用が進まない。先ほども話がありましたが、経 産省さん中心にDX推進人材の育成というので、推進人材というのを定義しました。 その中では、どんなテクノロジーをどう活用するかをデザインする人材、これをビジネ スアーキテクトという名前で定義したのですが、こういった「活用を担う人材」がテクノ ロジーを理解する人材にプラスして必要です。実はアメリカも言われているわけですが、 そういった人材の育成をセットでつくらないと、なかなか活用が進まない。この活用を担 うところで、まさに何に対してやるのか、どう活用していくのかがデザインできるような 人材育成が必要かなと思っています。 3点目が、資料3の重点(案)の概要のほうの話です。右側の3つ目の柱のところに、 (2)経済安全保障の項目がございます。ここで重要だと思っていますのが、デュアルユー スのところでございます。ほとんどの先端技術が実際にはデュアルユースになるのですが、 日本ではなかなかデュアルユース・スタートアップが育ってきていないという事実がござ います。 一方で、アメリカを見ますと、アメリカはアマゾンとかグーグルの時代からDoDがか なりスタートアップに対してDoDの予算をつぎ込む、いわゆるアンカーテナンシー的に 大きな契約額を長期にわたって出す。それで安定した経営の下で、民間側での競争力を上 げるために各社がビジネス展開するという構図がどんどん出来上がってきています。これ、 アマゾン、グーグルでうまくいったということで、その後スペースXもそうですが、最近 ではオープンAIがまさにそれでして、かなりの額のDoDのお金がベースとして入って いる。その上で、民間側でどんどん新しいことを開発することができている。このような ことが実際、米国中心に行われている。こういったところを日本も少しまねていかなけれ ばいけないのではないかというのが3点目です。 最後、4点目は資料にはなかったのですが、こういった先端技術がどんどん出てくるこ とを通じて、今、世の中で改めてと言ったほうがいいと思うのですが、標準化というとこ ろがすごく活発になってきています。 といいますのも、先端技術を使った製品やサービスを購入しようとしたときに、その正 しさ、その品質の評価ができない。自分たちで評価ができないので、それをちゃんと評価 する枠組みを世の中に入れてほしいというリクエストが出る。そのために、説明責任です とか認証ができるような、いわゆる機能安全規格という形で取る場合も多いのですが、シ ステム規格的に説明責任を果たす仕組みを用意する。これが通らないと買わない、あるい - 22 - は買う側はこれで評価するといった形が出てきていますので、今さらかもしれませんが、 もう一度ここで国際規格の戦略的な使い方を先端技術の分野でやらなければいけなくなっ ているという認識がありますので、この辺りも今後考えていかなければいけないのではな いかと考えております。 私からは以上になります。 ○筒井会長 神保委員、お願いいたします。 ○神保委員 ありがとうございます。私からは、「経済産業政策の新基軸」第4次中間 整理について、2点ほど申し上げたいと思います。 まず、1点目でございますけれども、人への投資についてであります。 新機軸ケースによると、2040 年にGDP1,000 兆円を実現するためには、やはりイノベ ーションの源泉である人への投資が必要不可欠であろうと考えております。人口減少下の 日本において何よりも重要なのは人材育成であって、国内の成長投資に基づくフロンティ ア技術等による新需要の創造が企業の稼ぐ力の向上につながりますし、所得の向上につな がっていくと。こういった好循環実現ための体制整備、国を挙げて人への投資を強化して いただきたいと考えています。 また、2040 年の就業構造推計において、職種間、あるいは学歴間によるミスマッチの リスクが指摘されております。我が国にとって重要な分野や技術を明確に示した上で、産 官学が連携して、戦略的に高等教育段階から人材育成を行っていく、あるいはリスキリン グ等々を行っていく必要があるのだろうと思います。 また、各地域で産官学連携の下、産業や投資を呼び込み、当該産業に必要な人材を、こ れも高等教育機関が育成することで産業や人材が地方に根づき、地方活性化につながる、 このような観点もぜひ実現していただきたいと思っております。 2点目でございますけれども、米国の関税についてでございます。 日米間の相互関税が 15%で合意されましたけれども、上昇するであろう関税コストの 負担がサプライチェーンに連なる、特に中小企業にしわ寄せといった形で転嫁されないよ うに、ぜひ国からも指導、監督を行っていただきたいと思います。 今日の御説明でいろいろ出てまいりましたけれども、賃上げも、いわゆる中小企業への 波及の背景の1つには、皆さんの御尽力もいただきながら価格転嫁が進みつつあるという ことも大きな要因だろうと思うのです。そこに水を差すようなことがないように、ぜひ関 税のところの監督、指導をお願い申し上げておきたいと思います。 - 23 - また、米国による関税措置が世界経済や自由貿易体制に深刻な影響を及ぼしかねず、世 界の不確実性が高まっているとの御説明もございました。 日本政府にはWTO協定の基本原則の尊重と多国間枠組みでの連携を強化し、ルールに 基づく公正な貿易体制の堅持に向けて、指導的な役割を果たしていただきたいと思ってお ります。 私からは以上です。 ○筒井会長 オンラインから御参加の関灘委員、お願いします。 ○関灘委員 よろしくお願いいたします。今、私は米国系のコンサルティングファーム で日本、インド、東南アジア、中国、韓国、オセアニア地域を見ております。今週はイギ リスにおりまして、欧州、中東、米州の各地域の責任者と共に、これからの世界経済の動 向や各国を代表する企業にとってCEOアジェンダ、重要な経営テーマについて議論をし ています。 この議論の中で、生成AIをはじめとするテクノロジーが企業経営に与える影響、各企 業が取るべき対応が主要なテーマの 1 つになっています。他の主要国も製造業の拡大、生 成AI等のテクノロジーを活用した高付加価値化、サービス業の省力化にスピード感を持 って進めているということを改めて実感しています。つまり、日本の政策の方向性と同じ 方向性の政策であると思いますので、日本が他の主要国企業以上にパフォーマンスを出す ために重要となるのは、スピードと試行錯誤の能力であると改めて感じております。 民間企業が主導すべきことが多いと思いますが、後者の試行錯誤については、新しい取 組みをする企業、出る杭になっていくような企業を後押しする空気や文化を官の皆さん、 メディアの皆さん、一人一人の国民の皆さんの力で作られると非常に良いと思っておりま す。各社が試行錯誤をしていって、新しい取組みをスピーディーに実行していくことが肝 要であると思っております。 あるインド企業の経営者の方とお話をしていて印象的だったことは、日本企業は完璧性 を求め過ぎているということでした。結果として、試行錯誤のスピードや種類が少なく、 イノベーションの競争に負けてしまう構造にあるという指摘でした。インドの企業の中に も、大胆に投資をして、試行錯誤しながら、先進国に勝る産業を築こうという取組みも見 てとれていますので、日本企業も負けないような取組みができると良いと思っております。 あと2点だけお話しできればと思います。製造業の高付加価値化、輸出拡大についてで - 24 - す。特にグローバルで寡占化が進んでいく業界では、生き残り、勝ち残りを実現できなけ れば、日本国内に所得再配分をするための原資を稼ぐことができなくなります。業界別に 生き残り、勝ち残りのための方法論の解像度を高めて、着実に実行していく必要があると 思っております。 幾つかの業界では、国内に企業数が多く、母国市場である国内事業の収益性が他国企業 の母国市場より低くなっています。つまり、アメリカ企業のアメリカ市場と日本企業の日 本市場を比較した場合に、日本企業の収益性が低いので、日本企業が海外への大型M&A などを実行するための投資余力を十分に蓄えられていないケースがあります。海外投資の 規模・スピードでの遅れの結果として、逆転が難しくなるケースもありますので、いくつ かの業界では民間企業間での協調・再編、投資余力、グローバルでの競争力の確保は引き 続き重要であると思います。 一方で、官ができることもあるかもしれません。例えばインドはインベストインディア、 中東は新たな産業の創造など官の取り組みも見られます。既に日本と他国間でいろいろな 取組みがあると思いますが、製造業を強化したい他主要国とより戦略的に日本が連携でき るのか、日本企業にとっても利益を得られる仕組みどのように築くのか、といった戦略に は進化の余地があるのではないかと思っております。 最後に、地域の経済についてです。様々な地域のステークホルダーの方々と議論させて 頂いて感じておりますのは、1つの目安として、売上 100 億円未満の地域の企業が売上 100 億円以上になっていくことの重要性です。このような成長意欲とポテンシャルがある 企業を支援することの重要性が高まっていると思います。各地域に売上 100 億円以上の企 業ができると、それらの企業は、投資余力の中から地域の教育機関や文化などへの投資が できるようになります。そうすると、その地域には人が住み続けることができるだけの教 育や文化などのインフラを維持・発展できる可能性が高まります。 実際に、前橋、直島をはじめ、北は北海道から南は九州に至るまで各地域に、民間によ る一定規模の投資がなされてきた地域、魅力的な都市もあります。これらの地域経済発展 のロールモデルになり得るような地域で、意欲とポテンシャルのある企業が売上 100 億円 以上へとどんどん拡大していく政策的な後押しにも期待したいです。ロールモデルとなる 地域を参考にして、他の地域も発展していく、こういた好循環を生み出すことも可能であ ると思っておりますので、何かしらの後押しをお願いしたいと考えております。 私からは以上になります。 - 25 - ○筒井会長 滝澤委員、お願いします。 ○滝澤委員 ありがとうございます。私からは、短く4点申し上げたいと思います。 1点目は、生産性の向上と賃金が上がらない理由として交易条件の悪化というのを資料 で挙げられていましたけれども、輸出財の高付加価値化も重要と思われますが、足元の動 きは輸入財の価格の上昇のほうが交易条件悪化の要因として大きいという資料をお示しい ただいておりましたので、輸入物価の悪化、特に石油、石炭、天然ガスの要因が大きいの で、エネルギーの安定供給の確保ですとか、エネルギー需給構造の変換は非常に重要にな ると思いました。 2点目は、足元では賃金と物価の好循環が見られるとの指摘がございました。これは長 らく低成長、低インフレが続いて、実質賃金が伸び悩んできた日本経済において、画期的 な動向であると思いますが、一方で物価上昇に追随する形で賃金を引き上げても、生産性 の裏づけがなければ、企業収益を圧迫して、持続的な賃上げには結びつかないと考えられ ます。足元、私ども中小企業データを使った分析ですと、労働生産性が伸び悩む、あるい はマイナス成長となっていたにもかかわらず、高水準のベアを実施している産業、企業も ありましたので、人手不足への対応のために賃上げを余儀なくされている実態があるのか もしれないということで、今後、賃金と物価の動きだけでなくて、生産性の動向も引き続 き同時に注視しなければいけないと思いました。 3点目は、私自身、統計委員会に参加しておりますけれども、先週、国民経済計算体系 的整備部会がございまして、そこでは国民経済計算における2020年基準改定について報告 がありました。国際基準への対応とか経済活動の適切な把握に向けた推計方法の改善を行 うということで、これ自身、望ましい方向だと思いますが、試算値ですけれども、20兆円 ほどGDP及び総固定資本形成が上振れるとの報告がされております。幾つか2040年に向 けて目標数値、今回の資料でも設定されていると思いますけれども、こうした変更に対応 しつつ、柔軟な目標設定が大事になるのではないかと思いました。 最後に、2040年の産業構造推計を踏まえた就業構造推計は、いつも大変興味深く拝見し ております。これを踏まえて、文科省とも協力して、学生の育成を進めていくものとも伺 っております。 加えて、既に労働市場にいる方々、就業者をこうした需要予測を基にどのように変化さ せていけるのか、あるいはリスキリングなどもお示しいただいていたかと思うのですけれ ども、企業に政府はどのような働きかけができるのか、そういった点、重要になろうと思 - 26 - いました。 以上です。 ○筒井会長 武田委員、お願いします。 ○武田委員 ありがとうございます。まず、3点申し上げたいと思います。 1点目は、国際情勢に関してです。 まず、日米交渉の合意については、関係者の御尽力に心より敬意を表したいと思います。 詳細はまだ不透明な部分が多くございますけれども、少なくとも何%になるか分からない という不確実性が和らぎ、予見可能性が増したという点は、経済にはプラスではないかと 考えます。 一方、国際情勢の変化は、冒頭の御説明にもございましたけれども、構造的な変化と捉 えておりまして、荒井局長からも御説明がございましたが、米国の世界への関与は今後も 薄まり、国際公共財の提供は後退させていくだろう。さらには、その中で世界の保護主義 的な傾向も続くということは、ポストトランプでも見ておいたほうがいい傾向ではないか と考えています。 こうした中で、世界は既に動いていると思っておりまして、日本は、自律性の向上は経 済という観点では非常に重要だと思っています。また、国外ではグローバルサウスも含め た世界各国との連携強化というところが非常に重要だと考えておりまして、確かに足元で は関税影響ということでの対策という話が出ているわけですけれども、私としては、こう した構造変化も見据えながら、少し中長期、そして俯瞰的な視点から、大臣もおっしゃっ たとおり、ぶれずに強靱な国内基盤が自律性を高めるために一番必要ですので、そうした 動きを生産性上昇につなげていくということが、何よりも重要ではないかと思います。 2点目は、新機軸についてです。 以前よりお話を伺ってきましたけれども、大変よく整理いただいていると思いますし、 国内投資、賃上げの重要性も同意いたします。実際、企業のほうも変化がうかがわれてい ると思っておりまして、弊社でトランプ政権が相互関税を発表した後に企業向けにアンケ ート調査を行いまして、今後の投資先としてどこが重要かということを聞いたところ、グ ローバルにビジネスをやっている企業を含めると、米国がやはり1位なのですが、全体で 捉えると日本が今後重要性を増す、これ、絶対水準ではなく意識の変化として、今後重要 性が増すが一番でございました。投資先の決定として重視することとしては、当然、販売 市場ということなのですが、日本が他国より多く回答されている項目は、人材の質と安全 - 27 - 性ということでございました。こうした動きを今後実際に投資につなげていくということ が非常に重要な局面だと思っております。 ただ、予算措置を呼び水とするだけでは、私は十分ではないと思っておりまして、一部 では、むしろ補助金待ちになってしまうのではないかというようなことも懸念しておりま す。その観点では、投資の質ということにこだわっていただきたいと思います。 また、政策の予見可能性、GX、DX、いろいろ取り組んでいただいているのですが、 特にAIは本当に変化のスピードが速く、リスクもそれによって変わってきますので、後 者は中小企業では対応できない動きもあろうかと思います。そうしたことをアジャイルに 見直しながらも企業に周知していくこと。 さらに、3番目として、賃上げ、投資を進める環境整備として、事業継承やM&A、円 滑な労働移動を前提とした施策に力点を置かないと、人手が全体として減る中で、賃上げ も生産性上昇もというのは非常に厳しい。そういったことについて頑張っている企業に人 が集まる仕組みが、より持続的な賃上げと生産性上昇を実現するすべになるのではないか と考えます。 最後、3点目、一言だけ、政策評価、大変すばらしい取組だと思いますので、ぜひ今後 も続けていただきたい。その上ではデータが不可欠だと思います。やはり補助金などを出 す際に、企業にデータも求める形で、相互ウィン・ウィンになるような形で政策評価を行 っていただければと思います。 以上です。 ○筒井会長 中空委員、お願いします。 ○中空委員 ありがとうございます。御説明いただいた資料に基づいて質問ないしは意 見を言わせていただきたいと思います。 まず、資料1、新機軸についてですが、御説明の中で日本の競争力のために投資をとい うお話があって、本当にそうだと思っているのですが、アメリカでやっている投資即時償 却措置というのは、私は日本でもやるべきでないかと思っているのですけれども、それに ついて御意見があったら教えてください。これが1点目。 2点目が、資料2についてです。 トランプ関税の、ここからの下振れリスクというのは、私たちはどれぐらい見ておいた らいいでしょうか。経産省の方として言える範囲で教えてください。 それから、これは先ほど小林委員のおっしゃっていたことに相反しては嫌なのですけれ - 28 - ども、14ページにあった資金繰り懸念のところです。それについて、日本はとかく何でも かんでもお金を出してしまうところがあるので、どうか、いわゆるゾンビ企業にお金を出 すというのではなくて、基本的には生産性が上がる、競争力がつくということを観点に資 金を出すという態度でお願いしたいと思います。これは質問というよりはお願いの話です。 資料3の1ページ目、これは本当に肝中の肝で、とてもよいと思います。ただし、重要 なものを全部書いてあるように思えてならないのです。ポイントになるのがどこなのかと いうことを私はもっと知りたいと思っています。優秀な皆さんがつくると、資料としては いつも完璧なのですけれども、どれが今やらなければいけないことなのかというのが見え てこないというところが問題かと思っていて、それがクローズアップされてくるような、 浮き上がるようなことがあるといいなと思います。 そのためには、例えば私が注目しているGX、これは競争力を高めるのではないかと期 待しているのですが、資料4の47ページ以降がそうなのですが、残念ながら具体性には欠 けるのではないかと思います。ぜひ具体的なものを示していただきたいと思います。 私は、例えば日本のスタートアップがなかなか生まれないのは、振りつけをするような 人、つまりマッチングをするような人が少ないのでないかと思っているのです。ぜひ経産 省には、日本の競争力、いろいろなところに源泉はあると思うので、うまく振りつけをし ていただきたいと心よりお願いしたいと思います。 以上です。 ○筒井会長 浜口委員、お願いします。 ○浜口委員 私は、地域経済産業分科会会長を務めております。私からは、主に資料3 の経済産業政策の重点(案)について発言したいと思います。具体的には、特に資料3の 1ページの中段の真ん中にある好循環の定着に関わることです。 今日の御説明にあったとおり、国際貿易投資環境が非常に不確実になっている中で、好 循環を定着させるためには、国内で経済成長の裾野を広げることが肝要です。その意味で、 中堅・中小企業の成長促進と地方創生による国民所得の拡大に重点を置いた政策が着実に 実施される必要があるという重点(案)の考え方に同意します。 中堅・中小企業の成長促進においては、例えば地域未来牽引企業の支援対象を中堅企業 にも広げるような取組が必要と思われますし、中堅企業支援においては、中堅企業に本当 に必要とされる支援のメニューを新たに開発する必要があります。中小企業、特に小規模 企業については、コンサルティングサービスをプッシュ型で提供することを通じて、事業 - 29 - の成長や新分野への事業拡大を刺激するような支援を充実させることが必要かと思います。 このように、中堅・中小企業成長促進においては、事業規模に応じて支援の力点を置く ポイントを変えることが望ましいと考えます。 また、地方公共団体においては、産業立地への関心が強いところでありますが、企業か らのアプローチを期待する待ちの姿勢になりがちでもあり、自分の地域の特徴だけに目が 向いてしまって、全体を俯瞰する比較の視点からの地域の相対的な立地の強みや弱みを分 析した結果に基づいて、特定の業種に積極的にアプローチするような用地セールスのノウ ハウが十分でないところがあります。 県、あるいは国のレベルにおいて、産業用地と企業のマッチングが効率的に進むように、 市町の情報発信のプラットフォームを構成していただいたり、また、用地セールスの能力 開発を支援したりするような施策を講じていただきたいと思います。 最後に、同じ資料3の中で、片岡官房長からも言及がございました能登の被災地復興に ついても申し上げます。 私は、6月に能登地方を訪問して、地方公共団体及び産業団体の関係者の皆様から、復 興の現状と今後の見通しについて意見交換をさせていただきました。経済産業省におかれ ましても、なりわい再建補助金など多岐にわたる支援を提供されているところですが、全 壊、半壊の被害を受けた建物の撤去や災害廃棄物の処理などは進んできている印象を受け ました。 しかし、更地になった被災地に今後どのような、なりわいと暮らしを再建していくか明 確に認識されるようになるには、まだ時間が必要ですし、既に長期にわたって人口減少の トレンドが続いてきた地域を持続可能な形で再建していくためには、特に外需を獲得する 伝統産業や観光産業において、何か革新的な事業の見直しと人材育成の再構成、また、ダ ウンサイジングをある程度受け入れて、公共サービスやインフラ提供で複数の自治体とも 連携するような施策が必要と感じられました。経済産業政策の新機軸の中でも提案されて いるアドバンスト・エッセンシャルサービスを積極的に投入していくことも有効ではない かと思います。 ただし、こういう変化は外から押しつけるものでなく、地域内で内発的にアイデアがま とまっていくことが期待されるもので、それに寄り添った息の長い支援が求められていま す。とはいえ、人口減少は待ったなしで進んでおりますので、各地方公共団体においては、 時間との戦いを意識せざるを得ない状況であると思います。 - 30 - 地震発生から1年半以上が経過して、新聞、テレビ等で能登の実情が報じられる機会は 少なくなっていますが、復興は時間軸に沿って直線的に進むものでもありませんので、被 災地の認識を風化させないことが重要かと思います。そういった意味で、本日発言させて いただきました。ありがとうございました。 ○筒井会長 ○東委員 オンラインからの東委員、お願いします。 初めまして。新参者で、今日から初めて産構審の総会に参加させていただき ます東恵美子です。御説明を一度いただきましたけれども、これまで皆さんがいろいろな 検討をされた結果について新参者の私が、横から口を出すのも何ですが、幾つか今日の印 象をシェアさせていただきたいと思います。 1つは、老齢化ですとか少子化などが産業政策にいかに影響するかということについて。 AI、ロボット、移民政策等々、老齢化政策に関連すると思うのですけれども、それぞれ 全てが高齢化ということがネガティブであるという大前提で物事を考えている節があるの ではないかと思います。 一方で、世界中の先進国で、高齢化が進んでいくことは見えているわけで、そういう中 で、日本が高齢化社会最先端の国として、高齢化をよりポジティブに捉えた政策、例えば 50歳以上の労働人口をいかに有効に80歳まで使っていくかとか、そういうことについて包 括的に、もう少し広範に、労働人口をこれから30年、50年の時間軸でいかに考えていくか もう少し検討する余地があるのではと思います。積極的に、ポジティブに、システム、ス トラクチャーをどう変えていかなくてはいけないかということを政策として検討する価値 はあるのではないかと思いました。 もう一つは、また新参者で余計なコメントかもしれませんが、例えば令和8年度の重点 (案)、大変いろいろ、ものすごく項目がいっぱいあるわけですけれども、それぞれにつ いて経産省、お役所と、競争原理に基づいてオペレートしている民間企業との間のライン がどこにあるのかということが、私にはまだ何となくよく分かりません。ここで箇条書き にされておられるいろいろな構造改革の重点、たくさんあるわけですけれども、それぞれ について、それでは、それがどのように民間企業に波及していくのか、あるいは政策とし てどういう政策、具体的に何が起こるのかということについて、私の勉強不足かもしれま せんが、もう少し理解させていただきたいなと思います。それに基づいて、では、どこに 一番フォーカスするべきなのかということが、見えてくるのではないかなと思いました。 それと同時に、結局民間に何をやってもらわないと我々のミッション、それから、2040 - 31 - 年度、GDP1,000兆円の目的が達成できないのか。先ほどどなたかから、日本は試行錯 誤がなかなかできない、そういう構造になっているということがありましたけれども、試 行錯誤こそ民間が一番できるわけで、そこのところをいかに民間がリスクを取りながら拡 大的な考え方でやっていくことができるか、そういう環境を政府がいかに政策としてつく っていくかということが一番重要なのではないかなと思っています。ちょっとばらばらの コメントで申し訳ありません。 それともう一つ、国内投資を上げなくてはいけないという課題がございましたけれども、 それについて海外から日本国内への投資をいかに積極的に政策として打ち上げていくかと いうのは、世界中、アメリカも含め、シンガポールですとかいろいろな国の政策を見れば、 いろいろな例があるわけで、もちろん皆さん、そういうことをいろいろ勉強なさっている と思いますが、そこのところも海外からの国内投資についての政策を更に考える価値はあ るのではないかと思います。 最後に、先ほど関税の御報告をいただいた中で、私は本拠がサンフランシスコですので、 アメリカの情勢を毎日見ているわけですが、トランプ関税について、アメリカの国民がこ れまでのところは支持率が高いという御発言、御報告をいただきましたけれども、関税が このようになって、関税によって物価が高くなり、それによってアメリカの経済がインフ レ傾向になっていく可能性があります。そういうことが起こったときに、実際にトランプ 関税を支持していた国民が、そういう支持を継続するかということについては、今アメリ カの中でも疑問を持っている人たちは大変多くいると思います。これは全く個人的なオブ ザベーションですけれども、ここでシェアさせていただきます。 以上です。 ○筒井会長 福田委員、お願いします。 ○福田委員 私は、地域の中堅・中小企業への投資と経営の現場に日々携わっておりま すので、本日はそういった立場から意見を述べさせていただきます。 まず、第4次中間整理の文脈において、昨年来から足元にかけて地域の中堅・中小企業 の動きを実際に振り返りますと、確かに変化の兆しが現れていると感じております。厳し い経営環境の中でも、賃上げや大規模な成長投資に踏み切る事例が徐々に増えてきており ますし、経産省による各種支援の効果に加えて、企業側の守りから攻めへの意識転換が重 なった好循環が生まれていると認識しております。 例えば、私が関わっております労働集約型のサービス業の投資先におきましても、実際 - 32 - に取引先から、人件費が上昇した分の価格転嫁を求められる動きというのも目の当たりに しておりますし、それをきっかけに自社のサービスを見直し、付加価値を高めて、こちら も価格転嫁をしていこうという機会が以前より多く見られるようになりました。 改正下請法の施行に加えまして、前向きな動きを確実にしていくためには、賃上げや価 格転嫁等の状況を一律ではなく、しっかり業種別、それから地域別に見える化して、現場 に根差したモニタリング体制を敷いていくことが不可欠だと感じております。 また、こういった機運を構造的な変化につなげていくためには、政策面で幾つか補強、 強調すべき点があると考えております。 まず、1点目は、イノベーション政策についてです。 資料を拝見しておりますと、スタートアップ重視といった傾向は理解しておりますが、 一方、地方経済の観点で見ますと、そもそも創業件数自体がかなり限られています。その ような中では、既存の中堅企業が、ある意味スタートアップのような形で新産業・新事業 にチャレンジしている動きが、むしろ現実的なイノベーションの創出の機会だと考えてお りますので、こういった動きを後押しするような中堅企業主導型のオープンイノベーショ ンの整備もぜひ観点に追加していただければと思っております。 2点目はそれに関連してなのですが、100 億円企業創出政策についてです。 今年の初めには、中堅企業成長ビジョンが策定されましたが、地域の中堅・中小企業が エコシステムの起点となるには、やはり官からの対象企業に対する一律の支援ではなくて、 成長志向の強い企業に特化した全集中的な支援が必要だと思っております。民間企業を基 軸としまして、地域の金融機関や大学、行政が連携する地域版のアクセラレータ、こうい うことを目指すことによって、新市場の開拓や人材投資への伴走支援をしていくというこ とが重要だと思っております。 最後に、今申し上げたことを包括する重要な点として、今後、産業構造転換に対応した 人材の再構築についても資料の中で触れていただいております。 成長を実現するためには、地域企業における経営人材の強化は、以前より申し上げてい るとおり欠かせないことではありますが、一方で現状、中堅企業側、中小企業側は、人を 教育やリスキリングに送り出す余力が非常に乏しい状況になっておりまして、教育機関と の実務的な連携もまだまだ十分とは言えない状況だと思っております。 足元では、しっかりとした優秀な人材を地域企業へ流入させるということは進めつつ、 長期目線では大学や高専、それから産業支援機関がハブとなって、地域中堅企業のニーズ - 33 - に沿った実務直結型の人材教育の体制を整えていくことが重要だと考えております。既に 九州ですとか北関東では有望なそういったモデルが動き出しておりますので、これらを政 策としてしっかり可視化・検証して、良いモデルとして拡張して押し出していくことが地 域の持続的な成長につながると考えております。 以上です。 ○筒井会長 ○御手洗委員 オンラインからの御手洗委員、お願いします。 御手洗でございます。よろしくお願いいたします。私からは、4点コメ ントをさせていただきます。なるべく手短になるように気をつけます。 まず、1つ目ですけれども、GDP比率でも、従業者の比率でも、サービス業というの は非常に大きく、製造業等よりも生産性向上のインパクトが大きい産業であると理解して います。 また、関税が外交カードになっていて、輸出型産業が不安定な状況にさらされている昨 今では、外貨獲得産業としても観光産業の重要性は上がっていくことと思っております。 ですが、残念ながら、毎年のことなのですけれども、経産省さんの資料では、観光産業と いう言葉はほぼ出てこないのです。これは、観光業は国交省傘下の観光庁の管轄であると いうことで、やりにくさもあるかと思うのですけれども、今申し上げましたように、観光 産業は今後非常に重要な産業になると思いますので、ぜひ観光庁さんとも連携しながら戦 略的な産業戦略を取っていくべきではないかと考えております。 2点目が、人材ミスマッチの分析です。 これ、非常に意義深く重要な観点だと思いました。ぜひ文科省と連携して、現場にこの 認識がしっかり根づいていくように取り組んでいただけたらと思います。 私も宮城県で地域の公立高校の評議員を長年しているのですけれども、やはり現場の先 生方は日々お忙しくて、世の中の動向にまでキャッチアップして、それを進路指導に生か すということを御自身で、自らなさるということは非常に難しいと思います。ぜひ教育分 野と産業分野がスムーズにつながっていくように、文科省さんと連携して、現場に落ちて いくような取組をお願いできたらと思います。 3つ目に、政策のまとまっている資料、概要のページにもあったかと思うのですけれど も、エネルギーの分野についてです。 大きな流れとしては、GXの推進ですとか脱炭素電源の確保という方針は理解している ところなのですけれども、先日、ホルムズ海峡が封鎖されるかもしれないという状況にな - 34 - ったときに、原油の9割を中東に依存している日本のリスクは顕在化したと思うのです。 もし封鎖されていたら原油価格が上がるねというどころではなくて、そもそも供給が不足 するのではないか、そこまで大きなリスクであったと思います。これはぜひ平時から原油 の仕入れ元、輸入元の地理的分散などには取り組んで、リスクヘッジの取組をしていただ けたらと思います。 最後に、米国の関税措置についてです。 こちらはまだ不透明な状況もございますし、合意内容等については私からはコメントご ざいませんが、関税交渉の結果として、米国内に強靱なサプライチェーンを構築するとい う今回の話と、以前から維持されている国内投資の拡大を1丁目1番地に置いた経産省の 新機軸の戦略というのは果たして整合するのかなと、やや疑問というか、心配に思うとこ ろです。 各国が自国に投資を引っ張ってこようとしている中では、単に日本企業の国内投資を促 進していきましょうというだけでは不足なのではないか。先ほど東委員がおっしゃられて いたように、むしろ海外から日本への投資を引っ張ってくる努力も相当しないと、ここは 負けてしまうのではないかというようなことを素人ながらに思うところです。 今回は、関税交渉から産構審まで日がなかったので、時間がなかったと思いますけれど も、外部環境の変化を踏まえて、この産業戦略についても機動的に見直して、リバイスし て、このような外部環境の変化があったので、こう見直しておりますというような御説明 をいただけたらと思います。 以上です。長くなり申し訳ありません。 ○筒井会長 同じくオンラインの矢澤委員、お願いします。 ○矢澤委員 本日、発言の機会いただきありがとうございます。Yazawa Venturesの代 表の矢澤麻里子と申します。ベンチャーキャピタルの立場から、重点(案)について3点 提言させていただきます。 まず1点目、重点政策案の中に高付加価値な成長投資の促進とありますが、やはり政府、 行政ができることは、企業が活躍しやすい環境をつくり出すことだと考えています。投資 において、しっかり数値目標を置いて資金を投じていく政策が講じられていると思います が、ベンチャーキャピタル投資において、既に実績のあるファンドへの出資ではなくて、 これからVCを立ち上げるエマージングマネジャーにもしっかり投資をしていくことが重 要と考えています。 - 35 - 現在、多種多様なVCファンドが生まれつつありますが、こういった多種多様なVCに 出資をすることで、そこから先の多様なスタートアップを生み出していく、そして正しい 競争環境をつくっていくということができるのではないか、そういったところにつながっ ていくのではないかと思います。 また、賃上げ及び価格転嫁によって企業の成長力を支援されると思いますが、法人に係 る税負担の軽減もしっかり併せて検討していただきたいと思います。社会保険料などを筆 頭に法人に係る負担額が非常に大きくかつAIの普及によって、雇用に対して二の足を踏 む企業も増えてきたと感じています。もちろん、他国と比べて非常に高いというわけでは ないかもしれないのですが、企業努力で賃上げしたところで、従業員の給与額の控除の実 感というのは非常に微々たるものとなっておりまして、やはり個人消費の傾向にも大きく 影響を及ぼしていくと思っています。ぜひ御検討ください。 続いて、2つ目、人材システムの再構築について、これは非常に重要なことだと思いま す。 現在、高度IT人材不足と言われていますが、一方で自律型のAIエージェントの普及 によって、IT人材の人余りというのも併せて同時に起きていくと想定されています。こ れまでリスキリングに取り組んでおられると思いますし、その中でやはりAI、LLMの 普及のスピードが圧倒的に勝っていると感じています。 そこで、大きな懸念というのが、やはりAI、IT活用のリテラシーの格差は非常にあ ると思います。現在、地方企業の支援も政策の中にありますが、このままだと地方の産業 の生産工場において、東京都市部とで大きく差が開き、さらに言うと、そこが東京一極集 中を加速させることにもなるのではないか。 また、前年もお伝えしましたが、解雇規制の緩和も労働市場の抜本的改革において非常 に重要、不可欠と考えています。これまで解雇規制を緩和することによって、AI普及に よる雇用の不安定化を招くという意見もありますが、だからこそ人材が成長するのではな いかと。これまで解雇規制によって、生産性の高くない社員がずっと企業に残れていたた め、やはり個々人が成長しなくてもよい、大丈夫という環境ができてしまっているのでは ないかと思います。そこをやはり抜本的に変えないと、日本の生産性に大きく影響すると 思います。 最後に、先ほど多様なVCファンドへの出資促進について言及させていただきましたが、 海外投資家から日本のスタートアップに投資をするという機会も積極的につくっていく、 - 36 - そして日本のスタートアップの海外展開を促す仕組みも非常に考えていくべきではないか と思っております。 これまで日本の新産業において一番の課題は、やはりGAFAMなどの時価総額の大き い企業をつくれなかったことがあるのではないかと。そこにはもちろん言語の壁や人口減 少、コストカット型の経済などの内需の弱さがありますが、やはりスタートアップがもっ とグローバルな中で活躍していくには、海外VCからの調達、それによって受けられるナ レッジや成長の後押し、そして日本から海外の外需を取れるスタートアップの量と質の向 上が必要だと考えています。 済みません、長くなりましたが、以上で3点提言させていただきます。ありがとうござ いました。 ○筒井会長 それでは、柳川委員、お願いします。 ○柳川委員 包括的な説明をいただきましてありがとうございます。全体的なコメント としては、資料1の最後の16ページにあります3本柱をどうやって実現させていくのかと いうのがやはり大事なところだと思っています。その点では、どういう方向性を目指すか というよりは、それを具体的にどう実現させるかというハウの部分が、これからとても重 要だということで3点コメントさせていただきます。 1点目は、武田委員からもお話がありましたけれども、投資の質をどうやって高めてい くかということです。 投資の総額は金額を積めば出せるわけですけれども、より質のいい投資をしっかり実現 して、成長投資をしっかり実現させていくには、それなりの工夫が必要です。官が、これ だけ新機軸ということで表に出た以上、官の側は投資に対して責任を持つ必要があります。 ボールを投げてどこへ行くか分からないというだけではなくて、しっかりとゴールにボー ルを投げないといけない。そのプロセス管理と検証と成果を客観的に出していく。このプ ロセスがどうしても必要になると思いますので、その点での政策が非常に重要になってく ると思います。 それに関連して、官民連携して投資を増やすということで、これもずっと使われている 政府の用語なので、官民連携、非常に正しいことなのですけれども、では、連携をどうや るのか。どういう役割をどこまで官がやり、どこまで民がやるのか。言い方は悪いですけ れども、どうしてももたれ合いになりがちなので、連携というからには、どこまで官がや って、どこまで民が責任を持ってやるのかという辺りの仕分けをぜひしっかりやっていた - 37 - だきたいというのが1点目です。 2点目は、要するに構造改革で産業構造の転換をしていかなければいけないわけですけ れども、これは単に投資をすればいいというわけではなくて、皆さんお話しになったよう に、やはり大きな経済政策全体を変えていかないと、産業構造全体の転換はできないわけ ですよね。 その面では、裏側ではどうしても規制改革が走らないといけないし、産業再編、事業再 編に関する政策的な支援なり政策が必要になってくるし、それから、お話があったような、 ある種のミスマッチがいろいろなところで噴出してくることがかなり確実視されている中 で、リスキリングが強調されて、私もずっと言ってきているわけですけれども、リスキリ ングで間に合うのか、対応できるのかというぐらいの大きなミスマッチが発生しつつあっ て、それをやっていかないと、なかなか経済全体がうまく回っていかない中で、より高度 なリスキリングであったり人材育成をしっかりやっていくということが不可欠だと思いま す。これが2番目です。 3番目が、やはり通商政策に関してどう考えるかということで、これは書いてくださっ ているように、経済外交であるとかルールメーキングをしっかりやっていくということな のですけれども、これもある意味でずっと言われてきたことで、では、これを具体的にど うやって進めるのか。グローバルサウスやヨーロッパとどういう連携をして、何のルール メーキングをやっていくのかという辺りは、もちろん議論していらっしゃるのだと思いま すけれども、ここをしっかり詰めて早期に手を打っていかないと、これからの日本の通商 政策というのはあり得ないし、経済政策との連携もできないと思いますので、ぜひその点 も深掘りをしていただければと思います。 以上でございます。 ○筒井会長 各委員から一通り御意見をいただきました。ありがとうございました。私 からも発言をさせていただきたいと思います。 御説明にもあり、御議論にもありましたけれども、国内には構造的な課題が山積してお ります。また、国際情勢は混迷してきております。関税交渉は非常に高く評価できる内容 で合意をいただいたと思います。同時に、今後の様々な負の影響にどう対処していくかと いう課題がございます。 こういう中で、我が国の経済・産業が持続的な成長を実現するためには、中長期的な観 点から日本の目指すべき姿をしっかり描いていくということ、そして、その実現のための - 38 - ロードマップを策定していくということです。このことを官民連携で着実に実行していく ということが今や不可欠であります。 経団連は、昨年末に FUTURE DESIGN2040 を取りまとめました。そこでは、社会課題の解 決を通じて、国内外の持続的な経済社会の発展に貢献する科学技術立国と貿易・投資立国 の実現を掲げたところであります。 これは先ほど説明のありました今回の中間整理にあります経済産業政策の新機軸の枠組 みと、まさに軌を一にするものと考えております。ぜひ目指すべき 2040 年の日本の姿の 実現に向けて、官民でビジョンを共有し、そして連携を一層強化していきたいと考えてお ります。 また、国内投資 200 兆円を実現するためにも、ルールに基づく自由で開かれた国際秩序 の維持・強化が極めて重要であるということであります。自由貿易が危機に直面している 中ではありますけれども、政府にはCPTPPをはじめとするEPA・FTAネットワー クの拡大、またWTOを中心とする多角的自由貿易体制の立て直し、こういうところに注 力いただくことを切に期待しております。 最後に、経産省には所掌分野にとどまらず、政府全体でよく連携し、山積する諸課題に 取り組んでいただきたいと思います。我が国が 2040 年に目指すべき経済社会の姿の実現 に向けまして、今後とも委員の皆様と多角的な視点から議論をさせていただければ幸いで す。 それでは、本日の議論を受けまして事務方からもコメントをお願いしたいと思います。 残り時間が限られておりますので、簡潔にお願いいたします。 まず、畠山経済産業政策局長、お願いいたします。 ○畠山経済産業政策局長 様々な意見、本当にありがとうございました。全てにはお答 えし切れませんけれども、幾つかブロックに分けて私から回答したいと思います。 1つは、国内投資の関連でございます。これはまさに御指摘いただいたように、質の高 い投資を実現していかなければいけないということで、もちろん官民の役割分担が大事と いう議論もございました。こういう議論の中で、どうしても民間が主要なプレーヤーであ りますから、官がどこまで出るのかという議論になるのですけれども、やはり各国とも相 当、官が前に出てきているという状況も踏まえた上で、それで我々は一歩出るということ を決めたからには、しっかり企業にも責任を持って、その後、投資を続ける、そういう努 - 39 - 力をちゃんと引き出す、そういう政策的な工夫もしながら取組を進めていきたいと思って おります。 その関連で税制の話がございました。アメリカは100%償却、加速償却ということをや る極めて強力な投資減税を採用しましたけれども、日本として投資がアメリカに全部行っ てしまうということにならないように、国内に投資を振り向ける税制も含めた強力な措置 を取っていく必要があると思っています。当然、その償却の仕組みも選択肢の中に入ると 思いますけれども、何が本当に効果があるかということをよく見極めて、それで御指摘の 是正も含めて検討していきたいと考えております。 それから、投資ということでいいますと、最近、産業用地が足りないという議論もござ いまして、マッチングの議論もございましたけれども、産業用地が足りないというのも、 いつ以来だという話になってまいりますので、したがってマクロ、ミクロ両面から検討が 必要だと思いますが、産業用地確保の政策もしっかりと進めていきたいと考えております。 それから、次に賃上げの議論でございまして、やはり生産性向上を伴うものでないと、 じり貧になっていくという話でございまして、まさにそのとおりだと思っていまして、賃 上げをする原資を稼ぐ、その成長をしっかり促す、成長するための環境を整える、こうい う政策展開が必要だと思っております。そういう中で、中小企業の中でも100億円以上の 売上げを目指す企業に集中支援ということも含めて取り組んでおりまして、こういったこ とを引き続き強力に進めていければと考えております。 それから、新機軸を含めた政策全般についてでございまして、これは2040年の産業構造 の姿をお示しさせていただいているところでございますけれども、御指摘があったように 個別の産業についてどうするのかという議論をさらに深掘りしていく必要があると思って おりまして、今後そういった検討は深めていきたいと考えております。 それから、強力な政策と、一方で財政への影響はどう考えるのかと。ここも財政への影 響をよく見極めてやらないと、政策の効果がかえって発揮しないということになりかねま せんので、そこの両面をしっかり見ながら政策づくりを進めていきたいと考えているとこ ろでございます。 私からは以上でございます。 ○筒井会長 ○藤井米州課長 藤井米州課長、お願いします。 私から通商政策、特に米国関税と保護主義について多数の委員の方か ら御指摘いただきましたので、お答えしたいと思います。 - 40 - まず、ルールベースの国際秩序を維持強化していくということは、我々としては絶対下 ろしてはならない旗だと思っております。 他方で、今回のトランプ政権は、第1期政権と異なり、関税を脅しに使うのではなくて、 本当に関税をかけてくると。最初に関税をかけてくるものですから、企業の方の利益がな くならないように止血するということで、まず関税交渉を急いだということであります。 他方で、このような保護主義の流れはトランプ政権下でも続く可能性が高いですし、ト ランプ政権以降も続いていく可能性が高いという中で、我が国がどのようにやっていくか ということを御指摘いただいたと考えております。 1つ目は、やはりルールベースの実効性ある国際秩序をいかに確保していくか。WTO の枠組みの中でも、こういった日本と同じような価値観を共有する国と、そうではない国 が分かれてきているということだと思っていまして、日本と利害が一致する国とちゃんと 組んで、新しい国際秩序をつくっていくということが1つの大きい柱だろうと思っており ます。 同時に、保護主義の流れが我が国経済に大きな影響を与えるということはあってはなり ませんので、先ほど委員の方からもお話がありましたけれども、我が国のサプライチェー ンの自律性、そして不可欠性をちゃんと確保していくと。そういったものを念頭に対内投 資も進めていくということが非常に重要だろうと思っています。 それから、委員の方から今回の日米ディールの中で、対米投資を日本が支援するという 要素が入っていて、これが国内投資を促進することと矛盾するのではないかというような 御指摘もいただきました。対内投資はしっかりやっていくということですけれども、今回 の5,500億ドルと書かれているものについていいますと、これは日本企業が含まれている プロジェクトに対してJBIC、NEXIという日本の政府系金融機関が支援するという ことでありますので、日本企業の利益がそこにちゃんと確保されているかどうかというこ とを当然我々としては見ていくということだと思います。その上で、国内の産業が空洞化 することがないように、国内の対内投資もしっかり進めていくということだろうと思いま す。 引き続き、委員の方の御意見もお伺いしながら進めていきたいと思います。ありがとう ございました。 ○筒井会長 オンラインから菊川イノベーション・環境局長、お願いします。 ○菊川イノベーション・環境局長 イノベーションの関係で御指摘いただきました。菊 - 41 - 川でございます。 筒井会長からも科学技術立国ということで、軌を一にするということで力強い御発言い ただきましてありがとうございました。しっかりとやっていきたいと思います。 大野委員から技術インテリジェンスの観点で御指摘がありましたけれども、やはりフロ ンティア領域をしっかりと見定めていく、これが非常に大事でございまして、経産省だけ ではできませんので、文科省の関係のJSTや理研、そしてCSTI等ともチームをつく っておりまして、先端のフロンティア領域を探って、かつそれに対して、いわゆる懸賞金 型の予算で支援するようなスキームをつくり始めてございます。 一方で、重要な分野については、白坂先生からも御指摘があったようなデュアルユース という観点ですけれども、ここについては調達のところが大事です。もともとSBIRと いうことで調達の支援をやっていますけれども、それをいわゆる量産化の領域まで含めて やれないかという仕組みを考えていきたいと思ってございます。 そして、標準化の点についても白坂先生から御指摘いただきましたけれども、これも個 別に、例えば量子のような先端技術であれば、ISOやIECでまだきちっとルールがで きていないという点がございますので、特にこういった先端技術は、まだこれからルール をつくるところです。既に日本が誘致を進めておりますけれども、個別にしっかりと標準 のルールづくりをやっていくことについては、予算執行にもきちっとシステムとして組み 込んでやっていきたいと思っております。 また、鎌倉委員や福田委員、そして中空委員からも地域のエコシステムという御指摘が ございました。大学発のスタートアップが非常に増えておりまして、かつこれは東京以外 の地方での割合、増加分の5割以上、地域での大学スタートアップが増えてございます。 こういったところとしっかり連携するということと、地域の中堅の企業が、例えばスター トアップをM&Aするというような、M&Aのような観点からも含めて、地域のエコシス テムについてもしっかり環境を整えていきたいと思います。 あと、矢澤委員からベンチャーキャピタルについて多種多様にということがありました が、インパクトスタートアップ、こういったところについても金融庁と一緒に指針づくり をやっておりますので、進めていきたいと思います。 また、海外VCを引っ張ってくるという話ですけれども、我々J-StarXというプログラ ムの中で、アントレプレナーを海外に送るという支援をやっていますが、ある種の見返り といいますか、副作用として、海外のVCで非常に日本への興味を持っていただいており - 42 - ます。これは個別に我々は今、誘致活動をやっておりまして、欧米のみならず、アジアか らも日本への投資ということがありますので、ただ、そのときにイコールフッティングの 関係で、税制の関係がいろいろ課題がございますので、そういった整備、環境をしっかり 整えるということも進めていきたいと思います。 以上です。 ○筒井会長 では、もうお一方、山下中小企業庁長官、お願いします。 ○山下中小企業庁長官 小林委員と神保委員からございました価格転嫁のところで、今 回のアメリカの関税の影響が、中小企業の価格転嫁のところに悪影響がないようにという ことは、我々としてもここはしっかりと取り組んでいくべきだと思っておりますので、や っていこうと思います。 それからあと、関灘委員と福田委員から100億企業の話がございましたが、100億企業に つきましては、補助金だけではなくて、今後こういった人たちを集めてネットワークをつ くっていって、支援者のネットワーク化も進めていって、民間できちんとお金が回るよう な仕組みを構築しようと思ってございますので、引き続き応援をお願いします。 それからあと、中空委員からございました関税に関する資金繰りで、ゾンビに金を出す ようなことはやめろよというお話がありましたが、我々としても、きちんと状況を踏まえ た適切な支援策が妥当だと思っておりますので、そういう道筋でやらせていただければと 思ってございます。 以上です。 ○筒井会長 ありがとうございました。 時間も来ましたので、今日の議論はここまでにさせていただきたいと思います。私から 本日の議論を総括させていただきます。 改めて言うまでもありませんが、構造的に様々な課題を抱えております。必要な政策の 実現に取り組むに当たりましては、繰り返しになりますけれども、官民が緊密に連携をし ていくと。これは柳川委員がおっしゃいましたように、連携の在り方も含めて、しっかり やっていかなければいけないということだと考えております。 今日は多岐にわたる論点が紹介されましたし、今後の政策を考える上で極めて有意義な 意見交換ができたと思います。経済産業省におかれましては、来年度の予算、税制、制度 改正を含めて、今日の産構審での議論を今後の政策運営に反映していくように検討を進め ていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。 - 43 - それでは、最後に藤木次官から御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいた します。 ○藤木事務次官 事務次官の藤木でございます。 今日は、長時間にわたり、委員の皆様方、大変ありがとうございました。いつも時間の 中で短いコメントをお願いしていて大変恐縮でございますけれども、今日いただいたコメ ントを踏まえまして、また、委員の皆様方とは継続的にいろいろな形でディスカッション させていただければと思います。皆様方には、ちょっと御面倒ですが、分科会のほうにも 御参画いただくということにしてございますので、そういった分科会の場等々で、さらに 深く御議論させていただければと思ってございます。 幾つかありますけれども、政策面の話は別として、最近やはり予算の使い方、経産省は 多額の予算をお預かりしている中で、個人的には経産省の予算は、企業会計でいうとPL でなくてBSに乗るようなお金の使い方をしていく、つまり投資的予算として使っていく。 それが本当に日本の未来にとって投資的な予算として使われているかどうかということは、 我々はもう一度腹を据えて見直しながら、その覚悟を持ってやっていくということだと思 っています。そうした意味でも、これ気になるよというような話、また皆さんからいろい ろ御指摘いただければと思っています。 それから、もう一つ、AIみたいな話も出てきましたけれども、やはり役所の仕事の仕 方そのものを変えていかなければいけない時代だと思います。人口減少というのは役所に おいても厳しい影響を及ぼしておりますので、こういう中でありながら、しかし、我々が 十分なパフォーマンスを示していく中で、仕事の在り方をこう変えていくべき、こうした 面からも、今日の本題からは、ずれるかもしれませんが、委員の皆様からも、ぜひいろい ろなインプットをいただければありがたいと思っています。 いずれにしましても、今日いただいた御議論を踏まえて、これからさらに政策をブラッ シュアップして、今年度、来年度、しっかり対処してまいりたいと思いますので、どうぞ よろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。 ○筒井会長 どうもありがとうございました。 以上で今日の議事は終了いたします。委員の皆様には、活発に議論いただきまして本当 にありがとうございました。 経済産業省の皆さんには、もう一度言わせてもらいますけれども、本日の御意見を今後 の政策立案にしっかりと反映していただくようお願い申し上げます。 - 44 - それでは、これをもちまして、第34回産業構造審議会総会を閉会といたします。ありが とうございました。 ――了―― - 45 -

資料1

第34回産業構造審議会総会 資料一覧 資料1 「経済産業政策の新機軸」第4次中間整理について 資料2 米国関税措置に関する合意の概要及び影響 資料3 令和8年度経済産業政策の重点(案)について 資料4 令和6年度に講じた政策に関する政策評価(事後評価)について 資料5 益委員提出資料 資料6 安永委員提出資料 参考資料1 産業構造審議会 活動報告書 参考資料2-① 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理 参考資料2-② 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理 別添版:2040 年に向けたシナリオ集 参考資料2-③ 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理の概要 参考資料2-④ 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理 参考資料集 参考資料3 国内投資マップ

資料2

産業構造審議会総会 委員名簿 <委員> いとう もとしげ おおたに ひでお おおの ひでお かまくら なつき くどう ていこ 伊藤 元重 大谷 英雄 大野 英男 鎌倉 夏来 工藤 禎子 しらさか じんぼ まさし 神保 政史 せきなだ しげる たきざわ み ほ たけだ ようこ つつい よしのぶ なかぞら ま な ぬまがみ つよし はまぐち のぶあき 関灘 茂 滝澤 美帆 武田 洋子 筒井 義信 中空 麻奈 沼上 幹 浜口 伸明 え み こ 東 恵美子 ふくだ え み 福田 映美 ます 横浜国立大学名誉教授 / 放送大学特任教授・神奈川学習センター所長 東北大学総長特別顧問 / 経済産業省特別顧問(科学技術担当) 東京大学大学院総合文化研究科 地域未来社会連携研究機構 株式会社三井住友銀行 取締役兼副頭取執行役員 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 研究科委員長・教授 日本労働組合総連合会 副会長 A.T. カーニー株式会社 アジアパシフィック代表 兼 日本代表 学習院大学経済学部 教授 株式会社三菱総合研究所 執行役員 兼 研究理事 シンクタンク部門長 一般社団法人 日本経済団体連合会 会長 BNPパリバ証券株式会社 グローバルマーケット統括本部副会長 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター 教授 神戸大学経済経営研究所 教授 東門キャピタルパートナーズ、マネージング ディレクター 日本共創プラットフォーム マネージングディレクター かずや 益 一哉 み た ら い たまこ 御手洗 瑞子 やざわ ま り こ やすなが たつお やながわ のりゆき 矢澤 麻里子 安永 竜夫 柳川 範之 国立研究開発法人 産業技術総合研究所量子・AI 融合技術ビジネス開発グローバル研究センター長 株式会社気仙沼ニッティング 代表取締役 社長 Yazawa Ventures 一般社団法人 代表パートナー 日本貿易会会長/三井物産代表取締役会長 東京大学大学院経済学研究科 教授 <臨時委員> こばやし けん 小林 健 すみ 隅 准教授 せいこう 白坂 成功 ひがし 東京大学 名誉教授 しゅうぞう 修三 日本商工会議所 会頭 東京海上日動火災保険株式会社 相談役 (委員21名、臨時委員2名)

資料3

第34回産業構造審議会総会 議事次第 令和7年7月29日(火)13:30~15:30 経済産業省本館 17 階国際会議室 1. 開会・産業構造審議会会長互選 2. 「経済産業政策の新機軸」第4次中間整理について 3. 米国関税措置に関する合意の概要及び影響 4. 令和8年度経済産業政策の重点(案)について 5. 令和6年度に講じた政策に関する政策評価(事後評価) について 6. 討議 7. 閉会

資料4

資料1 「経済産業政策の新機軸」第4次中間整理について 令和7年7月 経済産業政策局 1 「経済産業政策の新機軸」の枠組み ⚫ 2021年の産構審総会以降、社会課題解決を成長のエンジンと捉え、 「ミッション志向の産業政策」と 「社会基盤の組換え」という枠組みの下で、大規模・長期・計画的な産業政策の強化策を提示。 ⚫ 一貫して、①国内投資の拡大、②イノベーションの加速、③国民の所得向上の3つの好循環の実現を掲げ てきた。 ミッション志向の産業政策(8分野) 社会基盤(OS)の組換え(4分野) 世界的な社会課題を起点に、人口減少下でも中長期的に拡大する国内需要を 開拓。海外含め需給両面から施策を継続実施することで世界水準の戦略投資を 加速。政府支援は、国富を拡大する「国の戦略投資」。 ミッションの実現には、個別産業政策を補完するものとして、 テーマ横断的な経済社会構造の基盤整備も必要。個別 ミッション範囲外でも、国内投資・イノベーション・所得向上 の3つの好循環に貢献。 <ミッション>  GX:10年で150兆円超の官民投資、そのために20兆円規模の政府支援。  DX:デジタル化による新たなサービスへの需要が創出、ソフトウェアを含む設備投資が増加。例えば、2030年ま でに国内で半導体を生産する企業の合計売上高(半導体関連)15兆円超を目指す。AI・半導体で10兆円の 公的支援により、10年間で50兆円超の官民投資、約160兆円の経済波及効果。  グローバル・経済安全保障:世界の課題解決を通じて日本の世界における付加価値を最大化すると 同時に、不確実な世界においても信頼できる経済パートナーで在り続けるため、ルールに基づく国際経済秩序の維 持・強化・再構築を実現。/対日直接投資残高について、2030年に120兆円、2030年代前半のできるだけ早期に 150兆円とする。/自律性向上、優位性・不可欠性確保を実現。  健康:2040年に健康寿命75歳以上、2050年に公的保険外サービス77兆円、世界市場の獲得。  少子化対策に資する地域の包摂的成長:地域の良質な雇用や豊かな生活環境の創出(可 <社会基盤(OS)>  人材 物価上昇を超える賃上げの持続的な実現。  イノベーション・スタートアップ スタートアップへの投資額を今後5年で10倍。  価値創造経営 日本の代表的企業がPBR1倍超えとなる割合を2030年に8割に。  EBPM・データ駆動型行政 処分所得/時間の向上等)を通じ、希望出生率を1.8に回復、将来的には更なる希望向上へ。  災害レジリエンス:途上国の適応市場(2050 年約 70 兆円)含めた世界市場の獲得。  バイオものづくり:2030年時点で国内外で総額92兆円の市場規模の獲得。  資源自律経済:2030年に80兆円、2050年に120兆円のサーキュラーエコノミー市場を実現。 2 日本経済の停滞要因の一つは投資 ⚫ 潜在成長率を要因分解すると、全要素生産性は他国と遜色ない。最大の違いは資本投入量。 ⚫ 特に金融危機以降、多くの日本企業は、海外で投資を拡大、日本での投資は横ばい。 潜在成長率の各項目寄与度の比較(各期間の平均値) 資本投入量 4.5% 労働投入量 全要素生産性 資本ストックの推移 (1995年=100) 260 潜在成長率 3.5% 韓国=+3.93%/年 240 (2000~2022) カナダ=+3.04%/年 220 2.5% (1995~2022) 200 1.5% 米国=+1.92%/年 180 (1995~2022) 日本 米国 (非農業部門) ドイツ 英国 フランス 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 1998-2007年 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 2000-2009年 -0.5% 韓国 160 英国=+1.68%/年 140 フランス=+1.63%/年 120 ドイツ=+0.93%/年 (1995~2022) (1995~2022) (1995~2022) 日本=+0.66%/年 100 韓国のみ2000=100 (1995~2022) 80 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 0.5% (年) (注)左図:英国は英国予算責任局の公開データの都合上、1998-2007年までの潜在成長率の寄与度分解を掲載。 右図:資本ストックの伸び率は、厚生労働省「第2回社会保障審議会年金部会 年金財政における経済前提に関する専門委員会」(令和5年2月24日)資料3を参考に、(総固定資本形成-固定資本減耗)/固定資産 により算出。資本ストックは、 1995年を100として、前年の資本ストックに伸び率を掛け合わせることで算出。なお、韓国はデータの制約上、2020年を基準としている。 (出所)左図:内閣府「GDPギャップ、潜在成長率」(2025年3月18日)、米国議会予算局「An Update to the Budget and Economic Outlook: 2019 to 2029」(2019年8月21日)、「The Budget and Economic Outlook: 2022 to 2032」(2022年 5月25日)、ドイツ経済諮問委員会「SPRING REPORT 2024」(2024年5月15日)、英国予算責任局「Economic and fiscal outlook」(2022年11月16日及び2025年3月26日)、 世界銀行「A Cross-Country Database of Potential Growth」(2023年3月27日)を基に作成。 右図:OECD.stat、厚生労働省「第2回社会保障審議会年金部会 年金財政における経済前提に関する専門委員会」(令和5年2月24日)より作成。 3 (参考)研究開発投資や人材投資といった無形資産投資も停滞してきた • 企業の研究開発費は、売上高に対する割合が他国では増加、しかし日本は横ばい。 • 日本企業のOJT以外の人材投資(GDP比)は、諸外国と比較して低い。 研究開発投資上位1000社の 売上高に対する研究開発費の割合 人材投資の国際比較(OJT除く) (%) (出所)学習院大学宮川努教授による推計(厚生労働省「平成30年版 労働経済の分 析」に掲載)を基に経済産業省が作成 4 なぜ、所得拡大なのか ⚫ 労働生産性:日本の労働生産性は、過去30年で年率で1%以上伸びてきた。 ⚫ 実質賃金:日本の実質賃金は、過去30年横ばい。それに伴い個人消費も低迷してきた。 労働生産性の国際比較 実質賃金の国際比較 時間当たり労働生産性(ドル/時間) ドイツ =+1.2%/年 89.8 (1991~2024) 100 フランス =+1.1%/年 (1991~2024) 90 87.3 80 70 60 84.8 米国 =+1.7%/年 (1991~2024) 73.2 英国 =+1.3%/年 (1991~2024) 51.4 50 日本 =+1.2%/年 (1991~2024) 1人当たり実質賃金(ドル) 米国 =+1.2%/年 (1991~2024) 82,933 85,000 80,000 75,000 69,433 70,000 63,691 65,000 60,000 60,608 55,000 49,446 50,000 ドイツ =+0.9%/年 (1991~2024) 英国 =+1.2%/年 (1991~2024) フランス =+0.8%/年 (1991~2024) 日本 =0.0%/年 (1991~2024) 45,000 40 40,000 30 (年) 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 35,000 (注)左図:2020年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化したGDPを総労働時間(就業者数×年間の平均労働時間)で割った値。右図:2023年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化した値。 (出所)OECD.statより作成。 (年) 5 実質賃金向上には、労働生産性の上昇だけでなく交易条件の改善(日本全体の価格転嫁)が必要 ⚫ これまで、労働生産性の上昇は主要先進国並みだったが、交易条件の悪化(=資源等を高く輸入、製品・サービスを安 く輸出)が大きく影響し、実質賃金は停滞。交易条件要因は、社会保障負担要因や労働分配率要因よりも大。 ⚫ 輸出物価上昇(日本全体の価格転嫁)ができるよう、成長投資による高付加価値化等が必要。 実質賃金上昇率の要因分解 交易条件(契約通貨ベース)の推移 (1995~2021年の26年平均) (1995~2025年) 労働生産性上昇率 GDPデフレーター - CPI上昇率 雇主の社会負担 労働分配率の変化 自営業者、混合所得等 税・補助金 実質賃金上昇率(マンアワーベース) (交易条件=輸出物価/輸入物価) (2020=100) 2 160 1.8 140 2.5% 労働生産性 の上昇 2.0% 1.6 120 1.5% 1.0% 交易条件の 悪化を含む 事業主の 社会保障負担増 0.0% 1.4 100 1.2 80 1 -0.5% 0.8 60 -1.0% 0.6 40 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 労働分配率は ほぼ変化なし 0.5% 輸入物価指数(右軸) 1995年1月:84.3 ⇒2025年6月:120.6 =上昇 (注)左図:GDPデフレーターとCPI上昇率の差は、交易条件以外に、そもそもの指数の作成方法の違い等によっても生じる。税・補助金とは、「生産・輸入品に課される税ー補助金」のことである。 (出所)左図:厚生労働省「第3回社会保障審議会年金部会年金財政における経済前提に関する専門委員会(令和5年4月5日)」より、経済産業省が作成。右図:日本銀行「企業物価指数」より作成。 輸出物価指数(右軸) 1995年1月:134.5 ⇒2025年6月:111.2 =低下 交易条件(左軸) 1995年1月:1.6 ⇒2025年6月:0.9 =悪化 (年) 6 経済停滞の中で、特に個人消費の伸びが停滞してきた ⚫ 2012年以降の景気循環(第16循環)は長さでは戦後2番目の71か月だったが(いざなみ景気 に2か月及ばず)、成長率は年平均+1.2%で戦後最低だった。 ⚫ とくに個人消費が年平均わずか+0.3%とほぼゼロ成長だった。 個人消費(実質)の局面比較 実質GDPの局面比較 (景気の谷 = 100) バブル崩壊後 (93/4Q~) ITバブル (99/1Q~) いざなみ (02/1Q~) リーマンショック後 (09/1Q~) 第16循環 (12/4Q~) 114 112 110 112 110 108 108 106 106 104 104 102 102 100 100 0 1 バブル崩壊後 (93/4Q~) ITバブル (99/1Q~) いざなみ (02/1Q~) リーマンショック後 (09/1Q~) 第16循環 (12/4Q~) (景気の谷 = 100) 2 3 (資料) 内閣府 (出所)第11回新機軸部会 門間氏プレゼンテーション資料より作成。 4 5 6 (谷からの年数) 98 0 1 (資料) 内閣府 2 3 4 5 6 (谷からの年数) 7 「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への転換に向けて、 「潮目の変化」を定着させ、将来の成長軌道を確信できるかの瀬戸際 ⚫ 経団連は、当初の目標の設備投資額115兆円(2027年度)を更新し、2030年度に135兆円、2040年度に 200兆円を目標と設定(2025年1月の「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」)。この目標の実 現のために、官民で引き続き国内投資の拡大を継続していくことが必要。 8 ⚫ また、2025年春季労使交渉では、33年ぶりの高水準を記録した昨年の結果を、全規模・中小組合いずれも上回 る結果となった。今後、この力強い賃上げの動きが、地域の中小企業にも波及することが重要。 (兆円) 民間企業設備投資額の推移と官民目標 200 6.0 200兆円(2040年度官民目標) 135兆円(2030年度官民目標) 115兆円(2027年度官民目標) ※1991年度:102.7 兆円 5.5 5.70 4.65 4.45 3.99 4.0 2.5 5.10 5.10 4.5 3.5 5.25 5.66 5.0 4.97 3.0 3.58 3.90 3.23 全規模 2.0 1.5 1.0 中小組合 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 ※2023年度:101.8兆円 ※2024年度:107.6兆円(2次速報値) ※2025年度:111.1兆円(政府経済見通しの「見通し」) 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024 2026 2028 2030 2032 2034 2036 2038 2040 140 130 120 110 100 90 80 70 60 50 40 春季労使交渉回答集計結果(最終回答集計)の推移 (%) (注)左図:1980年~1993年度までは2015年基準支出側GDP系列簡易遡及値を利用。1994年度~2023年度は、「国民経済計算年次推計」、2024年度は「国民経済計算」の2025年1-3月期・2次速報(2025(令和7)年6月9日公表)、2025年度は「政府経済見通し」を利用。 (出所)左図:内閣府「国民経済計算」「政府経済見通し」、令和5年4月6日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連資料、令和7年1月27日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連資料を基に作成。 (注)右図:調査対象は、連合加盟企業の組合。「中小組合」は、組合員数300人未満の組合。賞与等を含まない月例賃金ベース。平均賃金方式(集計組合員数による加重平均)の集計。(出典)右図:日本労働組合総連合会「春季生活闘争回答集計結果について」最終回答集計結果を記載 8 足下、生産・消費が継続的に上向くまでには至っていない ⚫ 潮目の変化は継続しているが、生産や消費が継続的に上向いていくのか、今が正念場。 ⚫ 30年続いたコストカット型の縮み思考を変えられるかの瀬戸際であり、今後も力強い成長投 資に裏付けられて、継続的に賃金が上がっていくと見通せることが重要。 鉱工業生産 家計最終消費支出(実質)推移 (兆円) (2020年=100) 170 260 150 250 生産用機械 自動車 130 241.9 240 鉱工業 110 247.9 101.2 90 230 220 210 電子部品・デバイス 70 200 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ (期) 2019 50 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2020 2021 2022 2023 2024 2025 (年) 2025 (年) (注)左図:季節調整値。2025年5月確報値まで(2025年7月14日公表)。右図:持ち家の帰属家賃を除く実質季節調整系列。 (出所)左図:経済産業省「鉱工業指数」より作成。右図:内閣府「国民経済計算」より作成。 9 設備投資等の経営判断を迷わせる「世界の不確実性」は過去最高水準 ⚫ 不確実性の高まりは、設備投資や新規事業開発といった企業の経営判断に影響する。 ⚫ 世界の不確実性は、足下、コロナ禍以来の過去最高水準に達しつつある。背景には国内・国家間の格差 拡大、デジタルによる富の偏在、自国中心主義による分断、大国による一方的措置の多用、ロシアのウクライ ナ侵略による西側先進国と権威主義国家の分断等に加え、足下の米国の動きによって、世界の不確実性が 継続・進展。企業の国内投資を促すには、予見可能性を高める政策対応が必要。 世界における政策不確実性指数 700 日本 600 米国関税 世界 500 米大統領選 トランプ 大統領就任 コロナ 米中摩擦 400 (銀行・証券破綻) 300 アジア 通貨危機 200 金融危機 米国同時 多発テロ イラク戦争 SARS ロシア ウクライナ 米大統領選 米国の財政の崖 ブレグジット 100 2025 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989 1988 1987 2009 (東日本大震災) 0 (年) (注)政策不確実性指数は、G7や中国等の21か国の新聞中の経済政策に関する記事で、不確実性について議論されている記事の占める割合を月ごとに算出し、GDPを基に加重平均している。世界のデータはGlobal Economic Policy Uncertainty Index を基に、日本はJapan Monthly Indexを基に作成。グラフ中の「アジア通貨危機」等の出来事はIMFの記事を参照しつつ、経産省で一部加筆。 (出所)https://www.policyuncertainty.com/ https://www.imf.org/ja/News/Articles/2021/01/19/blog-what-the-continued-global-uncertainty-means-for-you より作成(2025年7月に取得した直近データ(日本は2025年6月まで、世界は2025年4月までの値)を掲載) 。 10 世界各国で産業政策が活発に 【課題】 • 格差拡大・中間層の疲弊 • 中国への対抗 • インフレ 【課題】 • 気候変動緩和の主導 • 製造業中国依存、デジタル米中依存 • 域内の良質雇用確保 • インフレ 【課題】 • キャッチアップ・輸出主導型 高度成長経済の終焉 • 米欧等西側陣営への対抗 【対応】 【対応】 〈バイデン政権〉 ➢EU復興パッケージ<2020年7月> ➢ 中国製造2025<2015年7月> ➢ CHIPS法:5年間で527億ドル(約7.1兆 中核基礎部品・基幹基礎材料の2025年国内自給率 グリーンやデジタルへの移行:7年間で約 70%目標 円)の資金提供<2022年8月> 1.8兆ユーロ(292兆円) ○税額控除分込みで約14兆円規模の投資支援 (当時の円レート1ドル=135円で換算) ➢「欧州の競争力の未来」(いわゆるドラギレ ➢ 特別国債を活用した国内需要喚起策 ポート) <2024年9月> ➢ インフレ削減法:10年間で4,370億ドル ○1兆元(約20兆円)の超長期特別国債を発行。科学 ○産業戦略として整合的な産業政策・競争政策・貿易政策 (約65.1兆円) <2022年8月> 技術イノベーション、食糧・エネルギー安保等の支 へ提言 【対応】 〈トランプ政権〉 ○官民で7.5~8.0千億ユーロ(約122~130兆円)/年 の追加投資 ➢ 恒久的な投資即時償却措置(工場も含む 建屋については4年間の時限措置)を創設➢ 「クリーン産業ディール」<2025年2月> する法案が成立 <2025年7月> ○加盟国に対して、クリーン技術資産の早期償却やクリー ン移行の戦略分野の企業への税額控除といった税制措置の 導入を推奨 ※第1次政権(2017年~)においても、法人税率を 35%→21%に引き下げるとともに、設備投資の100%特別 償却(5年間の時限措置)を実施 ➢ 新たな財政枠組み案:2028年からの7年間で ➢関税を活用した国内生産奨励 ○鉄鋼・アルミや自動車・同部品への関税や相互関税な どを次々に発表 約2兆ユーロ(324兆円)<2025年7月> ○産業競争力強化のための「EU競争力基金」(7年間で 約4,100億ユーロ(66兆円))の創設も含む 援。<2024年3月> ⇒その内、2024年度は設備更新(工業、環境インフ ラ、医療、エネルギー等) と消費財(車や家電、中古 住宅リフォーム等)買換え支援強化に合わせて3,000 億元(約6兆円)を配分 〇2025年度に超長期特別国債を1兆3000億元(約 26兆円)発行することを決定。<2025年3月> 8,000億元(約16兆円)は「『二重』(国家重要戦 略と重点分野の安全保障)」、残る5,000億元(約 10兆円)は「『二新』(大規模設備更新と消費財買 換え政策)」の更なる拡大に充てられる。 11 (注)1ドル=149円、1ユーロ=162円、1元=20円で換算(2024年3月末の為替レート) 2040年の産業構造推計 ⚫ 成長投資が導く2040年の産業構造を、経済産業研究所(RIETI)と共同で、産構審(経済産業政策新機軸 部会)で整理(深尾理事長ほか経済学者10名程とも連携)。これを踏まえた就業構造の推計も実施。 ➢ 積極的な政策強化を前提に、潮目の変化と同様の国内投資拡大(官民目標2040年200兆円)を継続すれ ば、賃上げ名目3%が継続し、名目GDPは約1000兆円に(新機軸ケース)。 ➢ 過去30年のトレンド同様の国内投資横ばいで、賃上げは横ばい、名目GDPも607兆円(ベースケース)。 ⚫ 本推計結果は、内閣府の中長期試算や長期推計と目的や推計方法が異なるが、結果としてマクロ指標につ いては、骨太方針2024(「2040年頃に名目1000兆円程度の経済も視野」)とも整合的といえる。 名目GDP推移と各試算結果 (兆円) 1,200 国内投資・賃上げを継続、 産業構造が転換 1,000 内閣府(高成長実現ケース):1,019兆円 経産省(新機軸ケース):975兆円 内閣府(成長移行ケース):962兆円 800 潮目の変化 内閣府(過去投影ケース):696兆円 経産省(ベースケース):607兆円 600 400 国内投資・賃上げが停滞 過去30年の停滞 200 (出所)内閣府「国民経済計算」、「経済・財政・社会保障に関する長期推計」、経済産業省「RIETI産業構造推計モデル」より作成 2040 2038 2036 2034 2032 2030 2028 2026 2024 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994 0 2022 2021~ 新しい資本主義 経済産業政策の新機軸 12 将来の産業構造は、①製造業X(エックス)、②情報通信業・専門サービス業、 ③アドバンスト・エッセンシャルサービス業がカギ ※名目賃金=雇用者報酬(個人事業主・家族従業者を含まない) 時間当たり賃金 <円/時間> 10,000 20% 2021 40% 60% 7,500 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 5,000 2,500 宿 飲 泊 食 業 業 0 サそ ーの ビ他 スの 郵 便 業 ・社 介会 護福 祉 卸 売 業 小 売 業 医 療 パ ル プ ・ 窯 紙 業 ・ ・ 紙 土 加 石 工 製 品 品 繊 維 製 品 運 輸 業 食 料 品 製そ 金 造の 属 業他 製 の 品 電 子 情 部 報 品 ・ ・ 通 デ 信 バ 機 イ 器 ス ・は 業ん 務用 電 用・ 気 機生 機 械産 械 用 廃電 棄気 物・ 処ガ 理ス 一 業・ 次 水 金 化道 学 属 ・ 輸 送 用 機 械 鉱 業 不 動 産 業 情 報 通 信 業 建 設 業 金 融 ・ 保 険 教 育 (総労働時間) 967 億時間 2040新機軸ケース 10,000 20% 40% ①製造業X(エックス):GX、フロンティア技術で差別化、DXによるサービス化等で 新需要創出による高付加価値化により雇用拡大・賃上げ ②情報通信業・専門サービス業:新需要開拓で新たな付加価値を創出 他産業を上回る賃上げ ③アドバンスト・エッセンシャルサービス業:省力化設備・サービスを使いこなし、賃上げ 7,500 5,000 郵 便 業 宿 泊 業 2,500 飲 食 業 0 農 林 水 産 業 80% 60% サそ ーの ビ他 スの 介社 護会 福 祉 ・ 医 療 運 輸 業 通情 一 信報 次 機・ 金 属 器 ②情報通信業・ 専門サービス業 鉱 業 ①製造業X(エックス) ③アドバンスト・エッセンシャルサービス業 廃電 農 林 水 産 業 80% パ ル プ ・ 窯紙 業・ ・紙 土加 石工 製品 品 棄気 物・ 処ガ 理ス 業・ 水 道 ・ 小 売 業 卸 売 業 建 設 業 そ 繊 金 の 維 属 他 製 製 の 品 品 製 造 業 食 料 品 ・は 業ん 務用 用・ 機生 械産 用 電 輸 気 送 機 用 械 機 械 電 子 部 品 ・ デ 化 バ 学 イ ス (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く(出所)2021年については経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 情 報 通 信 業 不 教 動 育 産 業 金 融 ・ 保 険 業 (総労働時間) 868 億時間 13 2040年の就業構造推計 ⚫ 本推計では、少子高齢化による人口減少に伴って労働供給は減少するものの、AI・ロボットの活用促進や、 リスキリング等による労働の質の向上により大きな不足は生じない(約200万人分の不足をカバー)。今後、 シナリオ実現に向けた政策対応が必要。 ⚫ 一方、現在の人材供給のトレンドが続いた場合、職種間、学歴間によってミスマッチが発生するリスクがあ り、戦略的な人材育成や円滑な労働移動の推進が必要となる。 AI・ロボットの利活用促 進、労働の質の向上 (189万人分相当) 6303万人 6983万人 ※色分けはイメージ 2021年 労働需要 (新機軸ケース) 2040年 労働供給 (トレンド延長) 専門的技術的職業 職 種 間 ・ 学 歴 間 の ミ ス マ ッ チ (2021年現在の就業者数) 供給とのミスマッチ ※現在のトレンドを延長した場合 1387 万人 (1281万人) -49万人 学歴 高卒 2040年労働需要 2112 (2021年現在の就業者数) 供給とのミスマッチ ※現在のトレンドを延長した場合 販売 サービス 生産工程 714 865 うちAI・ロボット等 の活用を担う人材 職種 2040年労働需要 事務 498 1166 万人 万人 735 万人 万人 万人 (196万人) (1420万人) (834万人) (880万人) (885万人) -326万人 214万人 -281万人 51万人 10万人 短大・高専等 大学理系 院卒理系 大学文系 院卒文系 万人 (2735万人) -37 万人 1212 万人 685 万人 (1240万人) (563万人) -52 万人 -60 万人 227 万人 1545 万人 (154万人) (1332万人) -47 万人 28 万人 83 万人 (70万人) 7 万人 →職種間、学歴間のミスマッチの解消のため、 労働需要に対して必要な労働の質の向上及び人材供給の在り方の再検討が必要。 14 (注)試算方法:労働需要については、新機軸ケースの産業別就業者数を、足下データ(2020)の産業×職業×学歴別比率で分解し、その上で①産業別の自動化影響による職種の変化、②職種ごとの学歴構成の変化を加味。労働供給については、2040年就業 者数*を、産業別・職業別就業者数の足下の増減傾向が続くと仮定して産業×職業別比率を推計、分解(学歴については、最終学歴に大きな変化が生じないという仮定のもと、大学進学率の上昇を加味しつつ、年代に応じ、足下比率(2020)をスライド)。 *2023年度版労働力需給の推計(JILPT)の労働参加漸進シナリオを活用 「2040年に向けたシナリオ」の定量化 産業構造・投資・輸出入 ⚫ 産業構造は、ベースケースでは、変化がないことによって、問題が生じる。 新機軸ケースでは、3つの変化に対応することが必要。 ベ ー ス ケ ー ス ①製造業 ➢ 過去30年と同様、物量・品質 勝負を続け、生産性は一定程度 上昇するが、雇用は増えない。 ②情報通信業・専門サービス業等 ➢ 過去30年の加速トレンドに沿っ てサービス輸入が拡大し、生産 性向上が乏しく、雇用も減少。 ③エッセンシャルサービス業(観光(飲食・ 新 機 軸 ケ ー ス ①製造業 ②情報通信業・専門サービス業等 ③エッセンシャルサービス業 (社会を変革する製造業X(エックス)) ➢ GX・フロンティア技術による 差別化や、DXやメンテナンス 等のサービス化等によって高付 加価値化 (物量・品質勝負だけでない、 新需要創出による高付加価値化 で世界と勝負)。 ➢ 生産額・輸出額を拡大させ、賃 金は全産業平均程度に上昇。 ➢ 雇用は、構成変化して増加(情 報処理技術者等が増加、生産工 程従事者はほぼ横ばい)。 (製造・サービス新需要で成長産業化) ➢ フロンティア技術等による新需 要開拓(製造業の高付加価値化、 サービス業の省力化等)で新た な付加価値を創出。 ➢ 生産額・輸出額を拡大させ、各 産業への中間投入に必要な輸入 も増加する中、付加価値も増加 する。 ➢ 雇用は、構成変化(情報処理技 術者等の質が向上)し、他産業 を上回る賃金水準に。 宿泊業)、小売・卸売、医療・介護、運輸、建設等) ➢ 過去30年と同様、省力化・デジタル 化が不十分。人手不足の中で、生産 性低迷で供給が需要に追いつかない。 (アドバンスト・エッセンシャルサービス業) ➢ インバウンド・地域資源/文化等による高 付加価値化と、省力化・デジタル化 等の補完・高度化で、生産性向上。 ➢ 賃金は他産業に追いつくように上昇 し、個人消費による内需拡大の主要 部分を担う。 ➢ 雇用は、省力化・デジタル化を使い こなすアドバンスト・エッセンシャ ルワーカー(情報処理技術者等が増 加、サービス従事者は人数は増加し ないが多能工化等で質が向上)とし て、中間層の受け皿となる。 ⚫ 民間の国内投資は、次世代投資(研究開発、ソフトウェア・省力化投資)が拡大していく。 ⚫ 財・サービス輸出入は、鉱業(資源エネルギー等)と製造業に加え、情報通信・専門サービス業が拡大していく。15 今後の経済産業政策の基本的な考え方 ⚫ 足下、米国関税措置が国際秩序にすら構造的な変化をもたらす可能性もあるなど、世界の 不確実性は高まっている。世界情勢の変化に対する機動的な対応が不可欠。 ⚫ ただし、中長期的に、高付加価値型の経済・産業構造に転換していくことの重要性は不変。 ➢ 国内投資と賃上げで国内需要の拡大をけん引し、 ➢ 世界にかけがえのない高付加価値な製品・サービスを生み出す ことは、いかなる状況でも不可欠であり、政府は引き続きコミット。 ⚫ 高い不確実性が継続する中でもこれを実現するため、産業政策を気を緩めずに継続・発展させ、 ① 新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革 ② 物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業 ③ 成長投資を実現する経済基盤(エネルギー、通商等)の強化 という3本柱に沿って、高付加価値化に向けた成長投資の促進に取り組んでいく。 16

資料5

資料2 米国関税措置に関する合意の概要及び影響 令和7年7月 通商政策局・製造産業局 1 1.米国関税措置に関する合意の概要について 2.米国関税措置に関する影響について 2 和7年7月25日 米国の関税措置に関する日米協議:日米間の合意(米国時間7/22)(概要) 令 内閣官房関税事務局 米国の関税措置に関する総合対策本部(第6回)資料1より引用 (米国の関税措置の見直し)  相互関税 追加関税25%(8月1日以降) →15%(含:MFN税率)(注) (注)MFN関税率が15%以上の品目には追加関税は課されず、15%未満の品目については15%となる。  自動車・自動車部品関税 追加関税25%  半導体・医薬品関税 →15%(含:MFN税率)(注) (注)自動車の場合、MFN税率は2.5%。自動車の追加関税は半減。 仮に分野別関税が課される場合も日本を他国に劣後する形で扱わない (経済安全保障面での協力)  日米は、日本企業による米国への投資を通じて、経済安全保障上重要な9つの分野等(注)について、 日米がともに利益を得られる強靱なサプライチェーンを米国内に構築していくため、緊密に連携。 (注)半導体、医薬品、鉄鋼、造船、重要鉱物、航空、エネルギー、自動車、AI/量子等  日本は、その実現に向け、政府系金融機関が最大5500億ドル規模の出資・融資・融資保証を提供 することを可能にする。出資の際における日米の利益の配分の割合は、双方が負担する貢献やリスクの度 合いを踏まえ、1:9とする。 (貿易の拡大)  日本は、以下の事項に関連する対応をとる(農産品を含め、日本側の関税引下げは含まれていない)。 ➢ バイオエタノール、大豆、トウモロコシ及び肥料等を含む米国農産品、及び半導体、航空機等の米国製品の購入の拡大。 ➢ MA米制度の枠内で、日本国内のコメの需給状況等も勘案しつつ、必要なコメの調達を確保。 ➢ LNG等米国産エネルギーの安定的及び長期的な購入。アラスカLNGプロジェクトに関する検討。 (非関税措置の見直し)  日本は、日本の交通環境においても安全な、米国メーカー製の乗用車を、追加試験なく輸入可能とする。  日本は、クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金の運用に関して適切な見直しを行う。 3 1.米国関税措置に関する合意の概要について 2.米国関税措置に関する影響について 4 1. 米国の日本からの輸入品目と追加関税賦課状況 米国政府は、①鉄鋼・アルミ及び派生品、②自動車及び自動車部品への関税、③相互関税を発動。 相互関税除外品は、個別に関税措置される可能性(半導体、医薬品、銅等)。 日米両国は、米国の関税措置への対応について7月23日に合意。今後、米側において必要な措置がとられる見込み。 ①鉄鋼・アルミ及び派生品 航空機部品(8807) 航空機部品 1.2% $18億 鉄鋼 2.0%, $31億 医薬品は大部分が除外 ($73億) その他 8.0% $121億 精密機械 4.7% $71億 医薬品 4.9%, $74億 化学製品 6.6%, $100億 医療機器(9018) 乗用車(8703) ②自動車・自動車部品 対米輸出総額 $1,480億 ※対象外品目 $192億 自動車/ 部品 34%, $513億 変速機(8707) (HS2桁で分類) エレクトロニクス 13% $192億 半導体除外 ($17億) タイヤ(4011) 半導体除外 ($58億) 生産用・業務用・ 汎用機械 24%, $361億 ③相互関税 半導体製造装置(8486) 変圧器・整流器(8504) バッテリー(8507) ターボエンジン(8411) 建設機械(8429) ※米国輸入統計(2024)HS2桁で経産省作成。()内はHS4桁。自動車部品及び鉄鋼・アルミ派生品への関税は他分類品目も一部対象である点、相互関税に除外品目がある点を考慮してない。 (出所)各写真は各社HP等より 5 2.全産業 貿易統計(地域別輸出) ⚫ 2025年6月の貿易統計によると、日本からの米国向け輸出額は前年同月比▲11.4%。 ⚫ 全世界向け輸出額も前年同月比▲0.5%と減少。 地域別輸出額(2025年6月) (前年同月比,%) 30 25 米国 20 世界 ASEAN 15 10 4.9% 3.6% ▲0.5% ▲4.7% 5 0 ▲5 ▲10 ▲11.4% 中国 ▲15 EU ▲20 1 4 7 2024 (資料)財務省「貿易統計速報」2025年7月17日公表 10 1 4 2025 6 (月) (年) 6 2.全産業 貿易統計(対米国輸出) ⚫ 2025年6月における日本からの米国向け輸出額が減少(前年同月比▲11.4%)。 ⚫ 品目別にみると自動車の輸出額減少の影響が最も大きい。 米国向け輸出額の品目別寄与度(2025年6月) 寄与度※1: %pt (前年同月比,%) 25 自動車 鉄鋼 建設用・鉱山用機械 その他 総額 20 15 10 5 建設用・鉱山用機械 ▲0.8%pt 鉄鋼 ▲0.5%pt 0 ▲5 自動車 ▲7.9%pt ▲10 その他※2 ▲2.3%pt 輸出総額前年同月比 ▲11.4% ▲15 1 4 7 10 2024 (資料)財務省「貿易統計速報」2025年7月17日公表 ※1 寄与度は、全体の輸出額増減率に対してある特定の品目がどれだけ影響したかを定量化した値。 ※2 「その他」は自動車、鉄鋼、建設用・鉱山用機械以外の品目を合算したもの。 ※3 端数処理の影響で、寄与度の合計は必ずしも全体の輸出額増減率と一致しない。 1 4 6 (月) 2025 (年) 7 3.産業別の状況 ①自動車 対米国輸出 ⚫ 2025年6月の日本からの米国向け輸出台数は、12.4万台(前年同月比+3.4%)。 ⚫ 輸出額は、4,194億円(前年同月比▲26.7%)。 対米国自動車輸出(2025年6月) (前年同月比,%) 60 50 40 30 輸出数量 輸出金額 20 +3.4% 10 0 ▲10 ▲26.7% ▲20 ▲30 1 4 7 2024 (資料)財務省「貿易統計速報」2025年7月17日公表 10 1 4 2025 6 (月) (年) 8 3.産業別の状況 ①自動車 鉱工業生産指数 ⚫ 2025年5月の自動車工業の生産指数(数量ベース)は、前月比+2.5%。 先行きは、6月・7月とも低下の見込み。 ⚫ 鉱工業生産指数(数量ベース)は、前月比▲0.1%と、2か月連続の低下。生産活動は一進一退。 自動車工業(2025年5月) 鉱工業(2025年5月) 見込み (2020年=100、季節調整済) 見込み (2020年=100、季節調整済) 120 120 9 部品工場の事故 115 型式認証不正に伴う 稼働停止 110 6月見込 115 110 ▲3.4% 6月見込 105 105 100 100 7月見込 5月実績 前月比 +2.5% 95 5月実績 前月比 ▲0.1% +0.3% 7月見込 95 ▲4.4% ▲0.7% 90 90 1 2 3 4 5 6 7 2024 8 9 10 11 12 1 2 3 4 2025 5 6 7 (月) (年) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 (月) 2024 (資料)経済産業省「鉱工業指数」「製造工業生産予測指数」(2025年7月14日公表) ※自動車工業の生産見込みについては、輸送機械工業の数値を使用。 ※鉱工業生産指数においては、見込みと実績との間で生じる乖離を統計的に調整した値(補正値)が公表されており、6月の補正値は前月比▲1.9%。 2025 (年) 9 3.産業別の状況 ①自動車 米国市場における自動車販売台数 ⚫ 2025年6月の米国市場の年間販売台数(季節調整※済み年率換算値)は1,568万台(前月比▲0.3%) 。 4月の1,731万台から下落。 Car 百万台 Truck 20 17.31 15.68 15 10 5 0 18/06 19/06 20/06 21/06 (資料) Motor IntelligenceよりPwC スマートモビリティ総合研究所作成 ※季節調整:原数値から、季節変動(営業日等を起因として発生)を取り除いた数値 22/06 23/06 24/06 25/06 10 3.産業別の状況 ①自動車 関税措置の影響 ⚫ 2025年4月に発動した自動車及び5月に発動した自動車部品に対する追加関税(25%)の影響により、 自動車メーカーの利益が圧迫されるなど徐々に影響が顕在化。 ⚫ 自動車メーカーは、コスト削減の努力等を進めつつ、関税影響の緩和も図っている。 ⚫ 米国向けに輸出をしている自動車部品メーカーの中には、現時点で関税分を自社で負担しており、顧客と 価格交渉しているとの声もある。 <自動車部品メーカーから寄せられた声> 【国内生産への影響】 ⚫ 関税影響による減産は今のところないが、先行きを注視。 【関税負担の影響】 ⚫ 米国内に立地している顧客等との関係において直接的な影響はまだないが、先行きの不透明感に鑑み、今期決算においては、 損失を織り込んだ。 【関税負担の転嫁】 ⚫ 関税負担分について、販売価格に上乗せできるように米国の顧客と交渉中。 ⚫ 輸出先である自社米国拠点が関税分を負担している状況。現地顧客(自動車メーカー)との価格交渉を進めている。 ⚫ 現在のところ、主要顧客は関税の事後請求に応じてくれており、影響は大きくない。 11 3.産業別の状況 ②鉄鋼・建設機械等 対米国輸出 ⚫ 2025年6月の鉄鋼輸出額は218億円(前年同月比▲28.5%)。 ⚫ 2025年6月の建設用機械・鉱山用機械の輸出額は、775億円(前年同月比▲16.1%) 。 ただし、建設機械は受注から納品までのリードタイムが長い製品もあるため、影響については引き続き注視 が必要。 建設用・鉱山用機械(2025年6月) 鉄鋼(2025年6月) (前年同月比,%) (輸出金額,億円) 500 (前年同月比,%) 1600 20 対前年同月比 450 40 1400 400 0 350 300 (輸出金額,億円) 輸出金額 ▲28.5% 250 218億円 対前年同月比 775億円 20 1200 ▲20 1000 ▲40 800 0 輸出金額 ▲16.1% 200 ▲20 ▲40 600 ▲60 150 100 400 ▲60 200 ▲80 0 ▲100 ▲80 50 4 ▲100 6 (月) 2025 (年) 0 1 4 6 7 10 2024 (資料)財務省「貿易統計速報」2025年7月17日公表 1 1 4 6 7 2024 10 1 4 6 (月) 2025 (年) 12 4. 米国関税の国内への影響(日銀短観サマリー) ⚫ 業況判断指数は全規模全産業で+15と3月調査から横ばい。先行きは+9と悪化。 ⚫ 経常利益計画は2024年度比▲5.7%。3月調査より4.3%pt減と減益幅が拡大。 業況判断指数 経常利益計画 前年度比 先行き 「良い」-「悪い」、%pt 50% 30 40% 2021年度 +42.7% 2025年度 ▲5.7% 30% 2022年度 +16.2% 20% 20 2023年度 +12.4% 10% 0% ▲10% 10 ▲20% 2024年度 +5.6% ▲ 1.4 2019年度 ▲9.6% ▲30% 0 2020年度 ▲20.1% ▲40% 3月調査 ▲10 全規模全産業 現状+15(3月:+15) 先行き +9 6月調査 9月調査 12月調査 (3月)見込 設備投資計画 前年度比 20% 2023年度 +9.4% ▲20 15% 大企業製造業 現状+13 (3月:+12) 先行き +12 ▲30 ▲40 5% Ⅰ Ⅱ Ⅲ 2019 Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 2020 Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 2021 Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 2022 Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 2023 Ⅳ Ⅰ Ⅱ 2024年度 +6.9% 2.2 2019年度 +1.6% 0% ▲5% ▲50 2022年度 +7.4% 10% 中小企業製造業 現状+1 (3月:+2 ) 先行き ▲2 Ⅲ 2024 Ⅳ Ⅰ Ⅱ 2025 (資料)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」2025年7月1日公表 ※設備投資計画は、ソフトウェア・研究開発を含む設備投資額(除く土地投資額) Ⅲ (期) (年) (6月)実績 2021年度 +1.2% 2025年度 +8.7% 2020年度 ▲8.5% ▲10% 3月調査 6月調査 9月調査 12月調査 (3月)見込み (6月)実績 13 4.米国関税の国内への影響(相談窓口への問合せ等)[7月23日集計時点] ⚫全国約1,000カ所に設置した相談窓口では、計4,650件の問い合わせを受付。 (4月24日集計時点では2,212件) ⚫相談内容は、依然として関税措置の詳細に関する問合せが中心。足元では資金繰りに関する相談も若干増加 (計1,671件)しているが、融資・保証承諾に至ったのは約3割(493件)。 <相談件数(内容別)の推移> (件数) 5000 その他 4000 3000 <日本政策金融公庫や信用保証協会等において 資金繰り相談の中で得られた事業者の声> 資金繰り 2000 関税内容 1000 0 ➢ 米国関税の影響により主要取引先から減産の通達があり、今後の売上減 少を見込んでいることから手元資金確保が必要。(関東・自動車部品製 造業) ➢ 米国の仕入れ先が中国から材料を購入しており、仕入値が上昇している ことから手元資金確保が必要。(近畿・自動車部品製造業) 4月24日集計時点 (相談件数2,212) その他 10.2% 資金繰り 21.1% 関税内容 68.7% 7月23日集計時点 (相談件数4,650) その他 11.5% 資金繰り 35.9% ➢ 自動車部品への追加関税について、一部を自社で負担。(近畿・自動車 部品製造業) ➢ 直接の影響はないが、米国・国際経済の悪化により、自社業績が悪化す る可能性。(多数) 関税内容 52.6% ※関税内容の相談件数=JETROでの相談件数 ※資金繰りの相談件数=日本政策金融公庫、商工中金、信用保証協会での相談件数 14 4.米国関税の国内への影響(地域の中小企業等※の声) ※自動車、鉄鋼、建設機械は除く ⚫ 地域の中小企業からは、当面の取引に対する懸念よりも、今後の受注量の減少など、将来に対する不安の声 が聞かれる。[①、②、④、⑤、⑥] ⚫ 一部の業界においては、関税による負担増分を米国顧客側に価格転嫁する意向を示しており、今後の調整状 況を注視する必要がある。[⑥] <半導体関係> ① 現時点において、相互関税対象から除外されており、限定的。納入先の半導体装置メーカーから減産等の要請はなく、当面の影響は懸念さ れない見通し。今後、半導体市況の変化によっては需要減も想定される点は注視が必要。 ② 半導体生産ライン向けシステムを日・台・韓から米に輸出。生産財のため関税による輸入控えはないが、米国の通商政策が自動車・ 半導体産業を中心とした顧客の今後の投資計画に影響を及ぼす可能性を懸念。 <食品関係> ③ 台湾、オーストラリア、米国などへ輸出している。現時点では、米国関税の影響はあまりないと考えており、計画どおり輸出する 予定。 ④ 国内外で店舗展開する外食チェーン(米国で3店舗)。日本及び中国から米国店舗が調達する食材について、一部商品では卸価格が 上がっており、将来的な値上げによる消費者離れ・売上減少を懸念。 ⑤ 米国における需要の拡大を受けて受注は増加傾向にあるが、関税措置による販売価格の上昇リスクがあり、消費の落ち込みを懸念。 <医療機器> ⑥ 相互関税が適用される場合は、影響が出る可能性がある。なお、米国の現地法人が負担する関税分を価格に転嫁する調整を販売代理 店と行い、一部を上乗せできた。 <その他> ⑦ トランプ関税の影響で自動車関連のサプライヤー(金属製品製造業)が住宅関連業界に参入。価格競争が激化しており受注減少。 15

資料6

資料3 令和8年度 経済産業政策の重点(案)<概要> ※当面の対応等、令和7年度中の対応も含め記載 ⚫ 内外の経済情勢の変化を踏まえ、機動的な対応が不可欠な中、足下の令和7年度中は、米国関税への対応や賃上げ・物価高対策などに徹底して取り組んでいくことが重要。 ⚫ サプライチェーンの維持・強化 / 内需拡大・地域経済維持(活性化) / 新市場開拓と輸出力の強化 等 ① 米国関税対策 ~自動車産業を中心とした影響緩和と耐性強化 ② 賃上げ ~賃上げに取り組む企業の応援と中堅・中小の稼ぐ力の強化 ⚫ 生産性向上投資の促進による「稼ぐ力」の底上げ / 官公需も含めた価格転嫁・取引適正化対策の徹底 等 ③ 物価高 ~足元のエネルギー価格高騰対策 ⚫ 燃料高騰等の影響緩和 / 安全性を前提として地元の理解を得た原子力発電所の再稼働 等 ⚫ その上で、中長期的な高付加価値型の経済・産業構造への転換の重要性は不変。「国内投資と賃上げで国内需要の拡大をけん引」し、「世界にかけがえのない高付加価値な製品・サービスを生み出す」ことは不可欠。 ⚫ 令和8年度の経済産業政策の重点としては、高い不確実性が継続する中でもこれを実現するため、産業政策を気を緩めずに継続・発展させ、「新たな付加価値を生む「成長投資」の継続と高度化に向けた構造改革」、 「好循環を生み出す「賃上げ」の定着と中堅・中小企業の成長促進・地方創生による国民所得の拡大」、「不確実なグローバル環境と交易条件の悪化に対応するための強靱な経済基盤の構築」という3本柱に沿っ て、高付加価値化に向けた成長投資の促進に取り組んでいく。 2040年GDP1000兆円を目指す成長戦略・構造改革 1.新たな付加価値を生む「成長投資」の継続と高度化 に向けた構造改革 2.好循環を生み出す「賃上げ」の定着と中堅・中小企業 3.不確実なグローバル環境と交易条件の悪化に対応 の成長促進・地方創生による国民所得の拡大 するための強靱な経済基盤の構築 (1)高付加価値な成長投資の促進 ⚫ GX、DX、経済安保、健康、バイオものづくり、コンテンツなど戦略分 野への官民連携での投資 ⚫ 企業による成長投資・事業ポートフォリオの組替えを促進 (2)産業構造転換に対応した人材システムの再構築 ⚫ 就業構造推計による人材需要明確化、戦略分野での専門人 材・トップ人材の育成・活用 ⚫ リスキリングを通じた成長分野への労働移動円滑化などの労働市 場改革の推進 (3)持続的なイノベーション創出に向けたエコシステム形成 ⚫ 戦略技術領域の特定と事業化までの一気通貫支援 ⚫ 「成長する大学」への集中支援等を通じた基礎研究力底上げ ⚫ スタートアップ政策の強化、国際頭脳循環等による研究力向上 (4)デジタル化・サービス化による産業構造の高付加価値化 ⚫ 半導体や計算資源等の基盤インフラ確保、 AIモデル開発を見据 えた製造業等の現場データの大規模なデジタル化推進、AI・デー タ・ロボティクスを活用した新プレイヤー・産業創出 ⚫ コンテンツ産業の国際競争力強化 (1)中堅・中小企業の賃上げ継続と成長力の抜本強化 (1)エネルギー価格変動に強い強靱なエネルギー需給構造への転換 ⚫ 最低賃金含む賃上げの環境整備に向けた改正下請法(取適 ⚫ 規制制度と支援が一体的となったGX産業政策の推進 法)等の施行と執行強化による官公需も含めた価格転嫁・取引 ⚫ 再エネ・原子力などの脱炭素電源の最大限活用、それに向けた事 適正化の更なる徹底、省力化・デジタル化の促進、中堅・中小企 業環境等整備・系統整備・次世代技術の社会実装推進(ペロブス 業による知財活用に向けた伴走支援、保護の推進等 カイト・浮体式洋上風力・次世代型地熱・次世代革新炉)、最終 ⚫ 地域の成長と賃上げを牽引する中堅・中小企業の成長支援 処分を含むバックエンドプロセスの加速化、水素・CCS等の活用 ⚫ 事業承継・M&Aの支援強化、中小企業金融の規律発揮と早期の ⚫ 徹底した省エネ・非化石転換・DR(蓄電池の導入等)促進 経営改善・事業再生・再チャレンジ支援 ⚫ 石油・天然ガス安定供給の確保、地域の燃料供給体制の強化等 (2)構造的な人手不足下でも持続可能なローカル経済圏形成 (2)経済安全保障の確立・強化 ⚫ 特に人手不足が深刻な業種に対する徹底した省力化投資促進 ⚫ 経済インテリジェンス機能の強化、市場・技術を守り・育てる同志国 ⚫ 地域のエッセンシャルサービスの維持・発展に向けた「地域協同プ での協力枠組みの構築 ラットフォーム」への支援 ⚫ 自律性に加え不可欠性の強化も意識したサプライチェーン強靱化、 技術・データの保護、造船・無人機・宇宙を含めたデュアルユース技 (3)地域における産業立地の促進 術の産業基盤の強化等 ⚫ 産業用地確保への支援の強化、脱炭素電源活用等のGX産業立 地の推進 (3)不確実性を増す世界経済における事業環境の再構築 ⚫ 本社機能の地方分散・強化や海外企業の誘致に向けた取組強化 ⚫ 経済外交の強化(グローバルサウス・同志国との連携強化等) ⚫ 国際的なルールメイキングの推進 (4)地域におけるイノベーションの促進 ⚫ 外需獲得に向けた輸出促進(JETROによる輸出・海外展開支援等) ⚫ 「地方イノベーション創生構想」への貢献 経済社会の基盤を支える最重要課題:福島復興・能登半島復興・レジリエンス ① 福島復興 ⚫ 福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉の実施 / ALPS処理水の海洋放出の安全性確保・風評対策・なりわい継続支援 / 輸入規制即時撤廃への働きかけ ⚫ 帰還困難区域の避難指示解除 / 事業・なりわい再建、新産業創出、交流・関係人口拡大、芸術文化を通じた復興の推進 ② 能登半島地震からの復興 ⚫ 能登半島地震の復旧・復興、被災者の生活・生業の再建 1 ③ 産業のレジリエンス・安全の向上 ⚫ BCP策定の促進 / スマート保安の導入普及等を通じた保安水準の向上 内外の経済情勢の変化を踏まえた令和7年度中の機動的対応 ① 米国関税対策 ~自動車産業を中心とした影響緩和と耐性強化 ⚫ サプライチェーンの維持・強化(中小企業向けの資金繰り支援による機動的で万全な影響緩和対策、ピンチをチャンスに変え る事業構造強化・経営強靱化支援、レアアース等重要鉱物の安定供給確保) ⚫ 内需拡大・地域経済維持及び活性化(国内自動車市場の活性化、関税の影響を大きく受ける地域経済の維持) ⚫ 新市場開拓と輸出力の強化(中堅・中小企業をはじめとした農産品等を含む輸出・海外展開支援、「グローバルサウス」との 連携強化による市場開拓) ② 賃上げ ~賃上げに取り組む企業の応援と中堅・中小の「稼ぐ力」の強化 ⚫ 生産性向上投資の促進による「稼ぐ力」の底上げ(「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」に基づく、業種 別のきめ細やかな省力化支援など) ⚫ スケールアップを目指した成長投資の促進による「稼ぐ力」の拡大(中堅企業・100億企業の成長支援、事業承継・M&Aの 推進など) ⚫ 官公需も含めた価格転嫁・取引適正化対策の徹底 ⚫ 地域の実情に応じた地域の主体的な取組の促進(地域資源の活用と地域企業の応援) ⚫ 賃上げ促進税制の活用 ③ 物価高 ~足元のエネルギー価格高騰対策 ⚫ 燃料高騰等の影響を緩和するための、暫定税率の扱いについて結論を得て実施するまでの間の、ガソリン価格等の定額引下げ ⚫ 原子力規制委員会が策定した新規制基準に適合すると認められた原子力発電所について、地元の理解を得ながら再稼働 2 2040年GDP1000兆円を目指す成長戦略・構造改革 ~1.新たな付加価値を生む「成長投資」の継続と高度化に向けた構造改革~ (1)高付加価値な成長投資の促進 ⚫ GX、DX、経済安保、健康、バイオものづくり、コンテンツなど戦略分野への官民連携での投資 ⚫ 企業の成長戦略を中心とする社会システム・政策体系の構築により、企業の成長投資・事業ポートフォリオの組替えを促進 (法人税インセンティブを含む政策対応により、研究開発・設備投資の後押しを成長投資型の構造へ、企業の選択肢拡大 と投資家との対話の実質化・効率化に資する会社法改正に向けた検討、リスクマネー供給の充実、組織再編に係る税制、 競争政策等) (2)産業構造転換に対応した人材システムの再構築 ⚫ 就業構造推計による人材需要の明確化と、これを踏まえた関係省庁とも連携したGX・DX等の戦略分野における現場専門人 材やトップ人材の育成・活用 ⚫ リスキリングを通じた成長分野への労働移動円滑化などの労働市場改革の推進 (3)持続的なイノベーション創出に向けたエコシステム形成 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 戦略技術領域の特定と事業化までの一気通貫支援(人材、研究開発、拠点形成、設備投資、スタートアップ、標準化等) 「成長する大学」への集中支援等を通じた基礎研究力底上げ(経営の柔軟化、産学官連携の抜本強化等) スタートアップ政策の推進・強化(グローバル連結強化、事業化までの一貫支援、公共・民間調達促進、M&A推進等) 国際頭脳循環と国際共同研究の取組強化による国内研究水準の向上(海外有望研究者の招聘、多国間共同研究等) (4)デジタル化・サービス化による産業構造の高付加価値化 ⚫ 半導体や計算資源等の基盤インフラ確保(AI・半導体産業基盤強化フレームの活用等) 、 AIモデル開発を見据えた製造業 等の現場データの大規模なデジタル化の推進、AI・データ・ロボティクスを活用した新プレイヤー・産業創出(データ連携ユース ケース創出・産業財産権保護・サイバーセキュリティ・ロボティクス市場形成等) 3 ⚫ コンテンツ産業の国際競争力強化 2040年GDP1000兆円を目指す成長戦略・構造改革 ~2.好循環を生み出す「賃上げ」の定着と中堅・中小の成長促進・地方創生による国民所得の拡大~ (1)中堅・中小企業の賃上げ継続と成長力の抜本強化 ⚫ 最低賃金を含む賃上げの環境整備に向けた改正下請法(取適法)等の施行と執行強化による官公需も含めた価格転嫁・ 取引適正化の更なる徹底、人手不足を乗り越える省力化・デジタル化の促進、中堅・中小企業による知財活用に向けた伴走 支援、保護の推進等 ⚫ 地域の成長と賃上げを牽引する中堅・中小企業の成長支援(中堅・100億企業の創出、研究開発・輸出後押し等) ⚫ 事業承継・M&Aの支援強化。中小企業金融の規律発揮と早期の経営改善・事業再生・再チャレンジ支援 (2)構造的な人手不足下でも持続可能なローカル経済圏の形成 ⚫ 特に人手不足が深刻な業種に対する徹底した省力化投資促進(政府大での「省力化投資促進プラン」の実行) ⚫ 営利を追求する企業では供給困難な地域のエッセンシャルサービスの維持・発展に向けた、省力化・デジタル化・協同化に取り 組み、恒常的な赤字構造には陥らない程度に利益確保を図る共助型事業体(地域協同プラットフォーム)への支援 (3)地域における産業立地の促進 ⚫ 不足する産業用地のマッチング、土地利用調整手続の迅速化や土壌汚染対策法の点検・見直しに係る検討を踏まえた土地 の有効活用、産業立地に対するインフラ支援や、自治体が進める産業用地整備への支援の強化、脱炭素電源活用等のGX 産業立地の推進、地域単位での産業人材育成 ⚫ 本社機能の地方分散・強化や海外企業の誘致に向けた取組強化 (4)地域におけるイノベーションの促進 ⚫ 「地方イノベーション創生構想」への貢献(スタートアップ育成(自治体調達の促進等)、イノベーション拠点整備、福島復 興の好事例の全国展開等) 4 2040年GDP1000兆円を目指す成長戦略・構造改革 ~3.不確実なグローバル環境と交易条件の悪化に対応するための強靱な経済基盤の構築~ (1)エネルギー価格変動に強い強靱なエネルギー需給構造への転換 ⚫ 規制制度と支援が一体的となったGX産業政策の推進(GX経済移行債の効果的活用とカーボンプライシング・サーキュラーエ コノミーに関する制度整備、GX産業立地の推進【再掲】等) ⚫ 再エネ・原子力などの脱炭素電源の最大限活用、それに向けた事業環境等の整備・系統整備・次世代技術の社会実装推進 (タンデム型を含むペロブスカイト太陽電池、浮体式洋上風力、次世代型地熱、次世代革新炉の技術開発等)、最終処分を含 むバックエンドプロセスの加速化、水素・アンモニア・合成燃料・合成メタンやバイオ燃料の活用促進、CCSのバリューチェーン構築 ⚫ 徹底した省エネと非化石転換及びDR(蓄電池の導入等)促進 ⚫ 石油・天然ガスの安定供給のための環境整備、地域の燃料供給体制の強化等 (2)経済安全保障の確立・強化 ⚫ 経済インテリジェンス機能の強化(シナリオ分析・サプライチェーン分析・技術分析の実施、「経済安全保障センター(仮称)」の 確立)、市場・技術を守り・育てる同志国での協力枠組みの構築 ⚫ 自律性に加え不可欠性の強化も意識したサプライチェーン強靱化・研究開発から国内外の事業展開も含めたバリューチェーン 全体を射程に捉えた取組強化、技術・データの保護(技術流出対策ガイダンスの見直し・拡充)、造船・無人機・宇宙を含め たデュアルユース技術の産業基盤の強化等 (3)不確実性を増す世界経済における事業環境の再構築 ⚫ 経済外交の強化(二国間外交、G7・WTO・CPTPPを含むEPA等の国際枠組みの活用、グローバルサウス・同志国との連携 強化等) ⚫ 国際的なルールメイキングの推進(非価格要素による公正な市場の形成、AZECの具体化等) ⚫ 外需獲得に向けた輸出促進(相手国市場の整備、NEXIリスク対応能力強化等、JETROによる輸出・海外展開支援、貿易 5 手続デジタル化の推進等) 経済社会の基盤を支える最重要課題:福島復興・能登半島復興・レジリエンス ① 福島復興 ⚫ 福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉の実施・ALPS処理水の海洋放出の安全性確保・風評対策・なりわい継続 支援・日本産食品の輸入規制即時撤廃への働きかけ ⚫ 将来的な帰還困難区域の全ての避難指示解除や、安全確保を大前提とした帰還困難区域における活動の自由化の検討 ⚫ 改定した「福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真」を踏まえた、福島国際研究教育機構の取組、事業・ なりわい再建、エネルギー・ロボット・宇宙分野を含む新産業創出、交流・関係人口拡大、芸術文化を通じた復興の推進 ② 能登半島地震からの復旧・復興 ⚫ 能登半島地震の復旧・復興、被災者の生活・生業の再建に向けた取組 ③ 産業のレジリエンス・安全の向上 ⚫ 中小企業の防災力を高め、事業継続力を強化するBCP策定の促進 ⚫ 人手不足の克服と産業インフラの保安レベルの維持向上の両立に向けたスマート保安の導入普及等を通じた保安水準の向上 6

資料7

資料4 令和6年度に講じた政策に関する 政策評価(事後評価)について 令和7年7月 経済産業省 政策評価の全体像 • ①省全体の政策評価は、政策評価法に基づく「政策評価基本計画」に基づき、7つの政策軸で年に一度 実施。(次頁以降に、詳細) • ②個別事業(予算や税、法令、研究開発等)については、それぞれ行政事業レビューシートやRIA等によ り個別に評価を実施。それぞれ7つの政策軸への紐付けを行っている。 • ③更に、個別事業のうちの特に大規模予算事業については、別途個別に検証方法を検討し、効果検証 シナリオを策定・公表している。 ① 政策軸 (7) 目標 経済産業省の政策体系に基づく評価 (7政策(施策)) 例)情報処理の促進並びにサービス・製造産業の発展 政策テーマ (12) 例)デジタル社会の実現 目標 例)デジタル人材の育成 カテゴリー 目標 ③ ■大規模予算事業の効果検証(事業例) ② 目標 目標 目標 事 業 ① 事 業 ② 事 業 ③ 事業=予算や税、法令、研究開発等 ・‥・・ • グリーンイノベーション基金 • バイオものづくり革命推進事業 • 宇宙戦略基金 • グローバルサウス未来指向型共創等事業 • 量子コンピュータ開発事業 • 鉱物サプライチェーン安定化事業 • 中堅・中小成長投資補助金 • 充電・充てんインフラ事業 • 中小企業成長加速化補助金 • 中小企業省力化投資補助事業 ※掲載先:検証シナリオ(METI/経済産業省) 2 政策評価法に基づく「政策体系」に関する政策評価 • 各省庁は、政策評価法に基づき、所掌する政策について、3~5年間の政策評価基本計画を定め、 評価を行うこととされている。 • 令和5年、経済産業省は、令和5~7年度の基本計画を策定。「政策体系」については、7つの政策体 系への大括り化を実施し、当該政策体系に掲げる政策について、事後評価を実施するもの。 政策評価の枠組みのポイント ① 新機軸部会の議論との連携 ➢ 「経済産業政策の新機軸」の議論を受け、関連指標を評価に盛り込み ② 責任部局の明確化 ➢ 政策評価軸と責任部局を明確に関連付け、政策立案・実施・評価・見直しを組織マネジメントと連動 ③ 国民への発信 ➢ 政策の重点や評価を国民にわかりやすい形で提示 3 政策評価軸(7)と政策テーマ(12) 政策評価軸 1.経済構造改革の推進及び地域経 済の発展 政策テーマ 責任部局 開始ページ ①経済構造改革の推進及び地域経済の発展 経済産業政策局 5 ②福島の復興 福島復興推進G 9 通商政策局 13 貿易経済安全保障局 18 イノベーション・ 環境局 22 製造産業局 26 商務情報政策局 30 商務・サービスグループ 34 産業保安・安全グループ 39 資源エネルギー庁 43 ①日本企業の海外市場獲得及び国際経済秩序の安定化 2.対外経済関係の円滑な発展 ②経済安全保障の実現 3.イノベーション政策の推進並びに産業標準の整備及び普及 ①DX、GX、経済安全保障を軸とした製造業のグローバル 競争力強化 4.情報処理の促進並びにサービス・ 製造産業の発展 ②デジタル社会の実現 ③新しい産業の創出や安全・安心な市場の環境整備を通 じた社会課題解決 5.産業保安・安全の確保 6.資源エネルギーの安定的かつ効率 的な供給の確保並びに脱炭素成長 型経済構造への円滑な移行の推進 ①資源・エネルギーの安定供給の実現 ②脱炭素成長型経済構造への円滑な移行(GX)の実現 GXグループ 47 7.中小企業の発展 中小企業の発展 中小企業庁 53 4 政策テーマ:1.①経済構造改革の推進及び地域経済の発展 (政策評価軸:経済構造改革の推進及び地域経済の発展(1/2)) 経済産業政策局長 畠山 陽二郎 目標(ミッションステートメント) 日本経済がコストカット型経済から脱却し成長型経済へ移行しつつある一方で、足下の米国関税措置が国際秩序に構造的な変化をもたらす可能性もあるなど、 世界の不確実性は高まっており、今後も、世界情勢の変化に機動的に対応していくことが不可欠。しかしながら、中長期的に、高付加価値型の経済・産業構 造に転換していくことの重要性は不変であり、高付加価値化に向けた成長投資を促進していくため、① 新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革、 ② 物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業、③ 成長投資を実現する経済基盤(エネルギー、通商等)の強化に取り組んでいく。 主要な目標 目標1:民間企業設備投資額を2030年度に135兆円、2040年度に200兆円とする官民目標の実現 目標2:日本の代表的企業(TOPIX500を念頭)におけるPBR 1倍以上の企業の割合を2030年までに約6割から約8割に(欧州STOXX600の水準) 目標3:物価上昇を1%程度上回る賃上げの定着 目標に対する評価と今後の対応 ・目標1に対し、官民目標の実現に向けて、GXやDX、経済安保といった戦略分野に対する大規模な投資促進策を講じると同時に、中堅・中小企業の成長投資支援、工業用水や 産業用地等の産業インフラ整備を含む予算措置、対日投資案件の誘致、戦略分野への生産・販売量に応じた大規模・長期の減税措置等を実施した。2024年度における民間企 業設備投資額は107.6兆円(二次速報値)であり、今後、経済産業政策新機軸部会第4次中間整理において提示した2040年の将来見通しにより、企業・国民・政府にとっての 予見可能性を高め、官民での国内投資の拡大を定着させていく。 ・目標2に対しては、中長期目線の成長投資を行うにあたって、資本収益性(ROE等)や成長期待(PBR等)に応じた企業群ごとの成長のための打ち手とその実行の支障とな る社会システムの課題分析等を通じ、価値創造経営の推進を図り、持続的な企業価値向上を促している。2024年度末時点で、 TOPIX500構成企業におけるPBR1倍以上の企 業の割合は6割超であるが、依然として欧米に劣後。同目標の達成に向け、企業群ごとの課題を解決する政策の具体化により価値創造経営の浸透を図るとともに、企業経営 者が大胆なリスクテイクを行い、事業ポートフォリオの組替えや積極的な成長投資を実行していくことを後押しするための環境整備(会社法改正等)の検討を進め、また、 コーポレートガバナンスの運用面と法制度の一体的な見直しの議論を不断に進めていく。 ・目標3に対しては、賃上げ促進税制や大規模補助金を措置しており、春季労使交渉の結果として昨年に引き続く5%を超える高い賃上げ水準となっている。同目標の達成に向 けては、「賃金向上推進5カ年計画」や「省力化投資促進プラン」の内容を実行に移すこと等を通じ、物価上昇を上回る賃上げを後押ししていく。 5 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1:民間企業設備投資額を2030年度に 135兆円、2040年度に200兆円 資料:内閣府「国民経済計算」「政府経済見通し」 目標2:日本の代表的企業におけるPBR 1以上の企業の割合を2030年 までに約6割から約8割に 資料:Bloombergのデータを基に作成 目標3:物価上昇を1%程度上回る賃上げの定着 資料:日本労働組合総連合会「春季生活闘争回答集計結果について」 6 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年4月30日 企業情報開示のあり方に関する懇談会を立ち上げ 2024年5月30日 国内投資拡大のための官民連携フォーラム(官邸会議)を開催 2024年6月7日 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 第3次中間整理を公表 2024年6月17日 第8回中堅企業等の成長促進に関するワーキンググループ(官邸会議)を開催 2024年6月28日 事業再構築小委員会を立ち上げ 2024年9月6日 工業用水道事業の経営基盤強化等に向けたワーキンググループを立ち上げ 2024年9月18日 「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会を立ち上げ 2024年11月20日 多様性を競争力につなげる企業経営研究会を立ち上げ 2025年1月15日 企業価値向上に向けた海外資本活用に関する研究会を立ち上げ 2025年1月17日 「稼ぐ力」の強化に向けた コーポレートガバナンス研究会 会社法の改正に関する報告書を公表 2025年1月22日 第4回中堅企業成長ビジョン策定に向けた作業部会を開催(「中堅企業成長ビジョン(案)」を提示) 2025年1月27日 国内投資拡大のための官民連携フォーラム(官邸会議)を開催(2030年度135兆円、2040年度200兆円の官民設備投資目標を設定) 2025年2月18日 事業再構築小委員会報告書を公表 2025年2月21日 中堅企業成長ビジョン、中堅企業向け政策パッケージを決定・公表(第9回中堅企業等の成長促進に関するワーキンググループ(官邸会議) を開催) 2025年2月4日 価値創造経営小委員会を立ち上げ 2025年3月4日 「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案」閣議決定(同年6月6日に成立、6月13日に 公布) 2025年3月31日 ファミリービジネスのガバナンスの在り方に関する研究会を立ち上げ 7 主な関連施策 推進体制(主担当課室) マクロ経済運営、内外マクロ経済の分析等 総務課、産業構造課、調査課 「経済産業政策の新機軸」の策定による中長期の産業構造のあり方検討・提示 産業構造課 社会課題解決型の国内投資の拡大や、これに資する産業インフラ整備促進、地域の「良質 な雇用」を創出する中堅企業の成長促進 産業構造課、投資促進課、地域産業基盤整備課、産業創造課、地域経済産業政策 課 人的資本経営の推進やリスキリングなどの「人への投資」促進 産業人材課・未来人材戦略室 官民ファンドや財投、金融支援策等を通じたリスクマネーの供給 産業資金課 価値創造経営の推進、資本・金融市場改革、効率的・効果的な開示制度の構築、コーポ レートガバナンスの強化による中長期の企業価値向上 産業創造課、産業資金課、企業会計室、産業組織課 事業再生・事業再編の円滑化による産業の革新 産業組織課、産業創造課 税制改正や国際租税への対応等を通じた企業の予見可能性の向上 企業行動課、投資促進課 ダイバーシティ経営の普及や女性活躍の推進 経済社会政策室 不正競争防止法における営業秘密の流出や外国公務員贈賄の防止 知的財産政策室 競争紛争に係る相談・解決支援やGX実現に向けた複数社連携における課題への対応 競争環境整備室 データに基づく施策の効果検証(EBPM) 大臣官房業務改革課、大臣官房調査統計グループ、産業構造課 (RIETI)等 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約1,422億円(国庫債務負担含め総額約3,022億円) 【令和7年度当初予算】約84.9億円 【令和7年度税制改正】 ・地域未来投資促進税制の拡充・延長 ・経済のデジタル化等に対応した新たな国際課税制度への対応 ・外国子会社合算税制の見直し 等 8 政策テーマ:1.②福島の復興 (政策評価軸:経済構造改革の推進及び地域経済の発展(2/2)) 福島復興推進グループ長 辻本 圭助 目標(ミッションステートメント) ①東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉、②帰還困難区域の避難指示解除、③事業・なりわい再建、新産業創出、交流人口拡大を軸とし て、東日本大震災からの福島の復興及び被災市町村の自立的・持続的な経済発展を推進。 主要な目標 目標1:中長期ロードマップに基づく「2041年~2051年の廃止措置終了」を目指し、国も前面に立って、東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉に取り組む 目標2:帰還困難区域全域において避難指示を解除する(まずは、2020年代をかけて、帰還意向のある住民の方々全員が帰還いただけるよう、特定帰還居住区域の避難指示 解除に向けて取り組む) 目標3:2030年頃までに、福島イノベーション・コースト構想の重点分野を軸に、産業集積を進め、福島浜通り地域等における自立的・持続的な産業発展を目指す 目標に対する進捗と評価と今後の対応 ・廃炉・ALPS処理水:目標1に対し、①廃炉に関しては、2024年9月、2号機における燃料デブリの試験的取出し着手により、中長期ロードマップの第3期に移行。同年 11月に1回目、2025年4月に2回目の試験的取出しに成功。②ALPS処理水に関しては、2025年6月までに12回の放出を実施し、同年2月にはALPS処理水の放出が完了 した区画のタンク解体に着手。また、関係国の関心を踏まえ、IAEAの枠組みの下で現行のモニタリングを拡充。更に、ALPS処理水の海洋放出に伴う一部の国・地域によ る輸入規制を踏まえ、「水産業を守る」政策パッケージ等による水産業支援を継続。また、中国の輸入規制については、2024年9月に「日中間の共有された認識」を公表。 2025年5月、農林水産省と海関総署との間の4回目の技術協議において、日中双方は、中国向け輸出再開のために必要な技術的要件について合意。同年6月、中国政府は、 日本の一部地域(37道府県)の水産物の輸入を回復する公告を発出。引き続き、水産物の輸出再開の早期実現に向けて取り組んでいくとともに、10都県を含め、残る輸入 規制の撤廃を強く求めていく。また、目標達成に向けて、①廃炉に関しては、今後、より本格的な段階に移行するところ、安全確保を最優先に進め、②ALPS処理水に関 しては、輸入規制の即時撤廃を働きかけるとともに、安全性の確保と風評対策・なりわい継続支援に万全を期す。 ・避難指示解除:目標2に対し、➀2025年3月までに、大熊町・双葉町・浪江町・富岡町・南相馬市の5市町において「特定帰還居住区域復興再生計画」を認定した。認定 された計画に基づき、除染やインフラ整備等の避難指示解除に向けた取組を進めた。また、②飯舘村・葛尾村の帰還困難区域の一部において土地活用に向けた避難指示解 除を実施した(2025年3月)。目標達成に向け、➀まずは、2020年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還することができるよう、特定帰還居住区域の避難指示解 除に向けた取組を着実に進めていくとともに、②住民の方々の暮らしやすさを実現するためにも、個人線量ベースでの安全確保を前提に活動を全面自由化していくことを 検討する。 ・産業復興:目標3に対し、①官民合同チームにおいてこれまで約5,900の事業者と約2,800の農業者を個別訪問(2025年3月末時点)し、②実証フィールドの整備・拡充 やスタートアップの実用化開発の重点支援、企業誘致支援等により、約400件の企業立地と約4,800人以上の雇用創出を実現(2025年3月末時点)した。また、③「交流 人口拡大アクションプラン」に基づき、誘客コンテンツの開発支援を実施する等、福島浜通り地域等のブランディングを推進した。目標達成に向け、①産業発展のビ ジョンとして本年6月に改定した「福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真」に基づく取組を同地域等で一体となって、適切なフォローアッ プを行いながら進める。②自立的かつ持続的な発展に向けて、事業再開や新産業の創出、万博の福島復興展示や芸術等の新たな地域コンテンツも活用した交流・関係人 口の拡大、福島国際研究教育機構(F-REI)との連携等を通じた創造的復興を一層加速させる。 9 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1:中長期ロードマップに基づく「2041年~2051年の廃止措置終了」を目指し、国も前面に立って、東京電 力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉に取り組む 2024年9月、2号機において燃料デブリの試験的取出し着手により、中長期ロードマップの第3期に移行。 同年11月には1回目、2025年4月には2回目の試験的取出しに成功。 目標2:帰還困難区域全域において避難指示を解除する (まずは、2020年代をかけて、帰還意向のある住民の方々全 員が帰還いただけるよう、特定帰還居住区域の避難指示解除 に向けて取り組む) ●直近の進捗状況 • 福島特措法改正で「特定帰還居住区域」制度を創設 ( 2023年6月) • 大熊町・双葉町・浪江町・富岡町・南相馬市の5市町 (2025年4月時点)において、「特定帰還居住区域復興再 生計画」を認定。認定された計画に基づき、除染・インフ ラ整備等の避難指示解除に向けた取組を実施中。 目標3:2030年頃までに、福島浜通り地域等における自立的・持続的な産業発展を目指す 双葉郡8町村(※)の域内総生産等は未だ震災前の3割弱(建設業除く。)に留まるなど、復興は道半ば。 ※広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村 (資料)福島相双復興官民合同チーム調査 (出典)国勢調査 10 令和6年度の政策テーマに関する主な動き(閣僚会議等重要会議には◆付加) 時期 出来事 2024年4月23日~26日 ALPS処理水の取扱いに関するIAEA安全性レビューミッションを実施(放出後2回目、同年7月18日に報告書が公表) 2024年4月23日 双葉町の「特定帰還居住区域復興再生計画」の変更を認定 2024年6月24日 ◆福島イノベーション・コースト構想推進分科会(第5回、青写真改定に向けた議論) 2024年8月30日 ◆廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議(第7回、合同開催:ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議) 2024年9月10日 「福島新エネ社会構想加速化プラン2.0」を策定 2024年9月10日 燃料デブリの試験的取出しに着手(同年11月7日、試験的取出しに成功)。中長期ロードマップ第3期へ移行 2024年9月20日 IAEAの枠組みの下での「追加的モニタリング」に一致。日中双方で「日中間の共有された認識」を発表 2024年9月25日 台湾による日本産食品の輸入規制緩和 2024年10月15日 IAEAの枠組みの下での追加的モニタリングの実施(第1回:海水の採取) 2024年12月9日~12日 ALPS処理水の取扱いに関するIAEA安全性レビューミッションを実施(放出後第3回目、2025年3月24日に報告書を公表) 2024年12月20日 ◆福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた再生利用等推進会議(第1回) 2024年12月27日 ◆復興推進会議 「「第2期復興・創生期間」以降の東日本大震災からの復興の基本方針の見直しに向けた主な課題等」を決定 2025年2月14日 ALPS処理水の放出が完了した区画のタンクの解体作業に着手 2025年2月19日~21日 IAEAの枠組みの下での追加的モニタリングの実施(第2回:海水、魚、海水希釈前のALPS処理水の採取) 2025年2月24日 ◆原子力災害からの福島復興再生協議会(第31回) 2025年3月18日 南相馬市の「特定帰還居住区域復興再生計画」を認定。浪江町の「特定帰還居住区域復興再生計画」の変更を認定 2025年3月31日 ◆原子力災害対策本部:飯舘村の堆肥製造施設及びその周辺農地、葛尾村の風力発電事業用地について、土地活用に向けた避難指示解除を決定 2025年4月15日 IAEAの枠組みの下での追加的モニタリングの実施(第3回:海水希釈後・海洋放出前のALPS処理水の採取) 2025年4月23日 燃料デブリの試験的取出しに成功(2回目) 2025年5月30日 ◆福島イノベーション・コースト構想推進分科会(第6回、同年6月6日に青写真改定) 2025年5月30日 ALPS処理水の取扱いに関するIAEA安全性レビューミッションを実施(放出後第4回目) 2025年6月17日 IAEAの枠組みの下での追加的モニタリングの実施(第4回:海水希釈前のALPS処理水の採取) 2025年6月20日 ◆復興推進会議 「「第2期復興・創生期間」以降の東日本大震災からの復興の基本方針」の変更を閣議決定 2025年6月29日 中国政府による公告の発出(日本の一部地域(37道府県)の水産物の輸入を回復) 11 主な関連施策 推進体制(主担当課室) 【廃炉・汚染水・処理水対策】 • 「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に基づく東京電力福島第一 原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策 原子力発電所事故収束対応室 • ALPS処理水の処分に係る安全性確保、風評対策、なりわい継続支援、一部の国・地域による日本産食品の輸入規制の即時撤廃に 向けた働きかけ 【原子力損害賠償】 • 東京電力福島第一原子力発電所事故への適切な損害賠償の実施に関する東京電力への指導 【避難指示区域の避難指示解除】 • 帰還困難区域全域における避難指示解除に向けた取組等 【福島イノベーション・コースト構想、新産業創出等】 • 福島浜通り地域等における福島イノベーション・コースト構想の重点分野の実用化開発の促進、福島新エネ社会構想の推進、企 業立地等 【事業・なりわい再建】 • 福島浜通り地域等の被災事業者の帰還・事業再開、創業の促進 総合調整室 原子力損害対応室 原子力被災者生活支援チーム 福島新産業・雇用創出推進室 福島新エネ社会構想推進室 福島事業・なりわい再建支援室 【広報・風評対策・交流人口/関係人口の拡大】 福島広報戦略・風評被害対応室 • 原発事故・福島復興に関する広報、風評対策の徹底、映画など芸術文化を通じたソフトパワーによる復興 福島事業・なりわい再建支援室 福島芸術文化推進室 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】424億円 【令和7年度当初予算】342億円(東日本大震災復興特別会計) 東電フレーム:15.4兆円(令和6年度予算総則において、交付国債発効限度額を1.9兆円引上げ) 12 政策テーマ:2.①日本企業の海外市場獲得及び国際経済秩序の安定化 (政策評価軸:対外経済関係の円滑な発展(1/2) 通商政策局長 荒井 勝喜 目標(ミッションステートメント) ①自由で公正な国際経済秩序と経済安全保障の確保に向けた対外経済政策の立案、②海外投資・進出、③サービス貿易促進等、④輸出促進を軸に施策 を進め、日本が国際経済秩序の安定化に寄与するとともに、日本の経済、産業、社会の徹底的なグローバル化により、日本企業が海外で稼ぐことを最 大化する。 主要な目標 目標1:二国間関係を積み上げ、多層的な経済外交を展開する。 目標2:グローバルサウスをはじめとする国・地域ごとに戦略的なプロジェクトを組成し、日本の稼ぐ力を強化する。 目標3:2030年までに中堅・中小企業等の輸出額及び現地法人売上高の合計額を35.5兆円とする(「成長戦略フォローアップ(令和3年6月18日閣議決定)」)。 目標4:2030年までに農林水産物・食品の輸出額を5兆円とする(中間目標として、2025年までに農林水産物・食品の輸出額2兆円を目指す。)「食料・農業・農村基本計画 (令和2年3月31日閣議決定)」。 目標5:経済連携協定を発効済みでない主要な地域・国との経済連携協定の署名・発行を目指すほか、米・欧等の二国間協力や、G7・G20・ OECD等の枠組みを通じて、重要 物資のサプライチェーン強靱化、非市場的措置・慣行や経済的威圧への対応に関する国際連携を促進する。 目標6:紛争解決制度の機能回復や、貿易と産業政策に関する議論の促進、電子商取引交渉等のプルリ交渉への取組等を通じて、WTOの機能強化に貢献する。 目標に対する進捗と評価と今後の対応 ・目標1に対し、特定の国・地域に過度に依存しない対外経済関係を確保する観点から、多様な国々との関係構築を促進。特に、新政権が成立した米国との間では、首脳・閣 僚級のみならず事務レベルでもカウンターパートとの対話を実施。米国による関税措置については、その見直しを強く求めていく。 ・目標2に対し、グローバルサウス未来志向型共創等事業を立ち上げ。2024年度には最長2028年3月末までの大型実証事業を20件採択した他、将来的な案件組成に向けてマス タープランを64件採択するなど、日本企業の稼ぐ力を強化していく。AZECや中東・アフリカ等との第三国連携をインドと共に面的に展開することを目的に打ち出した「アフリ カの持続可能な経済発展のための日印協力イニシアティブ」等の国際枠組みを起点に、重点分野・国を特定した戦略的取組をインフラ構築や、ファイナンス強化(NEXIの機能 強化等を検討)等をパッケージで展開する等、グローバルスサウス向けの各種政策を通じて、グローバルサウス諸国との連携も目指す。 ・目標3に対し、2022年度は34.7兆円となっている。地域の中堅・中小企業を支える地域商社等の輸出支援事業者の支援措置等に取り組む。 ・目標4に対し、2024年は1兆5,071億円となっている。食産業の海外展開促進に関する取組を総合的に進める。 ・目標5に対し、我が国は、2025年6月現在50か国との間で21の経済連携協定を署名・発効済み。RCEP発行後のFTA等カバー率は、約8割(2023年)。2022年1月には、中 国・韓国とは初のEPAとなるRCEP協定が発効した。また、透明、強靱で持続可能なサプライチェーン・市場の確保に向けた政策協調を同志国と議論中。今後は、「持続可能 性」等の観点が考慮された製品の需要を創出すべく、米欧といった同志国とともに産業政策面の協力を戦略的に推進する。OECD議長国として、経済安全保障やWTO改革の推 進等に関する議論を主導し、国有企業の市場歪曲的慣行に対応する規範作り等に関する取組を進めた。 ・目標6に対し、WTOの機能強化に向けて、紛争解決制度改革に向けた議論を実施しつつ、MPIAの参加メンバー拡大(2025年5月時点で56メンバー)に取り組んだ。貿易と産 業政策については、2024年9月から開始したWTOでの非公式対話で、多くの新興国・途上国の関与を得て補助金等の政策措置の透明性向上等に関する議論を主導した。プルリ 交渉では、2024年7月に電子商取引に関する協定の安定化したテキストを達成した。今後、これらの取組をより加速するとともに、特に、プルリ交渉では、電子商取引に関する 協定及び投資円滑化協定のWTO法的枠組みへの早期組込みに向けて、参加国・地域と連携しつつ取り組む。 13 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標2:地域における海外進出日系企業拠点数の状況 2018 2023 アジア 54,341 59,308 大洋州 1,297 1,315 北米 9,773 9,964 中南米 2,920 3,047 欧州 7,592 8,619 中東 871 994 アフリカ 857 目標3:○○を20○○年までに○○ 合計 77,651 目標3:中堅・中小企業等の輸出額及び現地法人売上高の合計額の推移 948 84,195 資料:外務省「海外進出日系企業拠点数調査」を元に経済産業省作成 目標4:農林水産物・食品の輸出額の推移 資料:「企業活動基本調査」「海外事業活動基本調査」 目標5(参考):各国のFTAカバー率 資料:財務省「貿易統計」を元に農林水産省作成 資料:「IMF DATA ACCESS TO MACROECONOMIC&FINANCIAL DATA」を元に 経済産業省作成 14 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標2(参考):日本経済に関する評価例 目標2(参考):日本の第一次所得収支の推移 雇用者報酬 その他投資収益 (兆円) 50 直接投資収益 その他第一次所得 証券投資収益 第一次所得収支 40 1 グローバル・イノベーション インデックス 2022 (WIPO) 13位 (132ヵ国中) 2 人材競争力 調査レポート2022 (INSEAD) 24位 (133ヵ国中) 30 20 10 0 3 経済自由度指数2023 (ヘリテージ財団) 31位 (184ヵ国中) 4 世界デジタル競争力 ランキング2022 (IMD) 29位 (63ヵ国中) 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 -10 (年) 資料:通商白書2025 資料: 1: https://www.wipo.int/en/web/global-innovationindex/2022/index 2: https://www.wipo.int/en/web/global-innovationindex/2022/index 3: https://www.heritage.org/index/ 4: https://www.imd.org/centers/wcc/worldcompetitiveness-center/rankings/world-digitalcompetitiveness-ranking/ グローバル製造業 国内製造業 能力開発投資額(百万円、対数) 研究開発投資とグローバル売上高 グローバル製造業 国内製造業 グローバル売上高(百万円、対数) 労働生産性(百万円、対数) 能力開発投資と労働生産性 グローバル売上高(百万円、対数) 目標2(参考):グローバル製造業と国内製造業における投資対効果の比較 直接投資とグローバル売上高 グローバル製造業 研究開発投資額(百万円、対数) 注:経済産業省「企業活動基本調査」及び経済産業省「海外事業活動基本調査」を用いて推計。推計期間は2013年から2019年まで。 国内製造業 直接投資額(百万円、対数) 資料:通商白書2024 15 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年5月 OECD閣僚理事会(フランス) 2024年5月2日 日・EUハイレベル経済対話(フランス) 2024年6月 G7サミット(イタリア) 2024年6月10日 日・ウクライナ官民ラウンドテーブル(ドイツ) 2024年6月11日 ウクライナ復興会議(ドイツ) 2024年7月 G7貿易大臣会合(イタリア) 2024年7月 WTO電子商取引に関する協定の安定化したテキスト達成 2024年8月 アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)閣僚会合(インドネシア) 2024年10月 アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合(ラオス) 2024年10月 G20貿易投資大臣会合(ブラジル) 2024年10月 G7産業・技術イノベーション大臣会合(イタリア) 2024年11月8日 日ポーランド政府間協議(東京) 2024年11月9日 日中省エネルギー・環境総合フォーラム(東京) 2024年11月 G20サミット(ブラジル) 2024年11月 APEC首脳会議 (ペルー) 2024年11月15日 日中首脳会談(ペルー) 2024年12月 日アフリカ官民経済フォーラム(コートジボワール) 2024年12月20日 日ASEAN経済共創フォーラム2024(東京) 2025年1月 日・サウジ・ビジョン2030閣僚会議(サウジアラビア) 2025年2月26日 日インド・アフリカ・官民フォーラム(東京) 2025年3月5日 日英戦略経済貿易政策対話(東京)、日英経済版2+2閣僚会合(東京) 2025年3月12日 米国、鉄鋼・アルミ232条関税の一律適用を開始。 2025年3月26日 ルーラ・ブラジル連邦共和国大統領訪日(東京) 2025年3月27日 トランプ・米大統領自動車・同部品に対する25%の追加関税発表。 16 主な関連施策 JETROによる日本企業の海外展開支援 推進体制(主担当課室) 総務課 AZEC等の国際枠組みや米・欧をはじめとした同志国やグローバルサウスとの連携等、 通商戦略課、企画調査室 他局との連携も含めた戦略的な通商政策の企画・立案 貿易の振興、技術協力を通じた途上国産業人材の育成支援 貿易振興課、技術・人材協力室 通商金融・資金協力 通商金融課、資金協力室 米州課、中南米室、欧州課、ロシア・中央アジア・コーカサス室、中東アフリカ課、 海外市場開拓 アフリカ室、アジア大洋州課、南西アジア室、北東アジア課、韓国室 ルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化(WTO、G7/G20、OECD等) 国際経済部参事官室 経済連携・地域協力の推進 経済連携課、APEC室 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】 ・グローバルサウス未来志向型共創等事業(総額約1,500億円(国庫債務負担行為等を含む)) ・地域経済の成長につながる対内直接投資促進及び海外展開支援事業(100億円) 【令和7年度当初予算】 ・一般会計:約284億円の内数 17 政策テーマ: (政策評価軸:対外経済関係の円滑な発展(2/2)) 貿易経済安全保障局長 成田 達治 目標(ミッションステートメント) 経済安全保障を実現するため、①自律性の向上(基幹インフラやサプライチェーン等の脆弱性解消)、②優位性・不可欠性の確保(技術・産業競 争力の向上や技術流出の防止)、③基本的価値やルールに基づく国際秩序の維持・強化に取り組む。 主要な目標 目標1:「経済安全保障に関する産業・技術基盤強化アクションプラン改訂版(2024年5月15日公表)」に基づいた取組等を早期に実行 目標2:特定重要物資(9分野)関係 【半導体】2030 年に、国内で半導体を生産する企業の合計売上高(半導体関連)として15兆円超を実現 【蓄電池】2030 年に、国内製造基盤 150GWh/年の確立、グローバル市場においてシェア20%の確保等 【重要鉱物】2030年までにリチウム約 10 万トン/年、ニッケル約9万トン/年、レアアース約1.4万トン/年 等 【航空機部品】 ①大型鍛造品:2030 年以降、日本を含めたグローバルサプライチェーンにおいて、全体の 2 割以上を供給 等 ②鋳造品:2030年までに、国内需要量を満たすための供給量をコスト競争力を有する形で確保 ③CMC及びSiC繊維: 2030年以降に導入が見込まれる次期航空機エンジンについて、月産 70 台分のCMC製部品の供給体制を確立 等 ④炭素繊維: 2027 年までに年間生産能力を公称能力で 5,000 トン以上増強 等 ⑤スポンジチタン:2026 年頃までに、航空機エンジンの回転体部品用途ともなる高品位なスポンジチタンの2万トン以上の生産能力を確保 等 【工作機械・産業用ロボット】2030年までに工作機械約11万台/年、産業用ロボット約35万台/年の生産能力を確保 等 【永久磁石】・2030 年時点の国内需要量に応じた生産能力 ・2030 年までにリサイクル能力を 2020 年比で倍増 等 【可燃性天然ガス】当面は、12月から2月の3ヶ月に対応する戦略的な余剰のLNGを確保 等 【クラウドプログラム】2027 年度までに、国内に事業基盤を有する事業者が基盤クラウドを持続的に提供できるような体制を構築 等 【先端電子部品】2030 年に、特定重要物資に指定された先端電子部品を国内で生産する企業の合計売上高3兆円超を実現 目標に対する進捗と評価と今後の対応 <目標1> アクションプラン改訂版に基づき、Promotion, Protection, Partnership からなる3つのPと、それを支えるインテリジェンス強化について、以下の取組を実施。 ○Promotion ・特定重要物資の安定供給確保のための生産施設等に関する設備支援として、令和6年度補正予算において既存の予算の追加分として1,979億円を確保 ○Protection ・外為法に基づく「技術管理強化のための官民対話スキーム」を2024年12月に施行 ・「経済安全保障上の課題への対応 (民間ベストプラクティス集) 」の第2.0版に2025年3月に更新 ・「外国為替令及び輸出貿易管理令の一部を改正する政令」の公布により、対内直接投資管理を強化 ○Partnership ・サプライチェーン強靭化や先端技術における不可欠性強化、輸出管理や投資管理などにおける同志国とのバイやマルチでの連携 ○インテリジェンス強化 ・シナリオ分析、サプライチェーン分析、技術分析等の手法を通じて「脅威・リスク」を特定、経済安全保障上重要な分野における「鍵を握る重要物資・技術」を把握 ・インテリジェンス分野における官民連携の基盤となる重要経済安保情報保護活用法の施行に向けた準備を実施 このほか、アクションプランの再改訂に向けて有識者会議を2024年10月に再開し、検討を進めているところ。 <目標2> 特定重要物資の安定供給確保のための生産施設等に関する設備支援として、令和6年度補正予算において既存の予算の追加分として1,979億円を確保。引き続き、これらの物資の安定 供給に向けた対応に努めていく。 18 主要な目標及びその他目標の足元の動向 その他目標:外為法に基づく申請手続きの電子化割合を2030年度までに90%以上にする 平成30年度 令和元年度 令和2年度 電子申請率 (単位:%) 50 55 61 令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度 ・・・ 令和12年度 64 73 77 78 ・・・ 90以上 19 主な関連施策 体制強化 脅威・リスク分析 <産業支援策> 国内産業基盤強化 研究開発・人材事基盤強化 産業インフラ 国際投資資金確保 【サプライチェーンの強靱化(特定重要物資関係)】 永久磁石、工作機械及び産業用ロボット、航空機の部品、 半導体、蓄電池、クラウドプログラム、可燃性天然ガス、 重要鉱物、先端電子部品 <産業防衛策> 先端的な重要技術に関する官民協力 サイバーセキュリティ対策強化・データポリシー 企業行動指針・ガイドライン 技術情報管理認証制度の運用、民間ベストプラクティス集の改定・普及 <国際枠組みの構築> 経済的威圧への対応 経済安全保障に係る対外経済政策の立案 経済安全保障上の脅威認識 <外為法の適切な運用等(国際的な平和及び安全への貢献等)> 外為法・貿易管理制度の企画・構築・普及 輸出入禁止措置等の対外経済制裁 外為法及び関税定率法に基づく貿易審査 原産地証明制度等の企画・構築・執行 外為法に基づく対内直接投資管理 アンチダンピング等の特殊関税措置 デジタル技術を活用した外為法申請手続きの利便性向上と審査業務の高度化/効率化 技術管理強化のための官民対話スキームの運用・執行 推進体制(主担当課室) 貿易経済安全保障局 総務課 貿易経済安全保障局 情報調査室、技術調査・流出対策室 経済産業政策局 総務課 イノベーション・環境局 総務課、研究開発課 経済産業政策局 産業構造課 経済産業政策局 産業資金課 等 製造産業局 金属課、産業機械課・ロボット政策室、航空機武器産業課、素材産業課、鉱物課 商務情報政策局 情報産業課、電池産業課、デバイス・半導体戦略室、情報処理基盤産業室 資源エネルギー庁 資源・燃料部 資源開発課 等 貿易経済安全保障局 経済安全保障政策課 商務情報政策局 サイバーセキュリティ課、情報処理基盤産業室 貿易経済安全保障局 経済安全保障政策課 貿易経済安全保障局 技術調査・流出対策室 等 通商政策局 通商戦略課 貿易経済安全保障局 経済安全保障政策課 等 貿易経済安全保障局 貿易経済安全保障局 貿易経済安全保障局 貿易経済安全保障局 貿易経済安全保障局 貿易経済安全保障局 貿易経済安全保障局 貿易経済安全保障局 経済安全保障政策課、貿易管理課、安全保障貿易管理課 貿易管理課 貿易審査課・安全保障貿易審査課 原産地証明室 国際投資管理室 特殊関税等調査室 電子化・効率化推進室 技術調査・流出対策室 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】2,916億円(経済安全保障の確保に繋がる投資等) 【令和7年度当初予算】約73億円(経済安全保障の確保) 20 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年4月24日 経済安全保障に関する産業・技術基盤強化のための有識者会議 2024年4月24日 中華人民共和国産黒鉛電極に対する不当廉売関税の課税に関する調査を開始。 2024年4月24日 産業構造審議会 通商・貿易分科会 安全保障貿易管理小委員会「中間報告」の取りまとめ。 2024年5月15日 経済安全保障に関する産業・技術基盤強化アクションプラン改訂版を公表。 2024年5月17日 重要経済安保情報保護活用法の公布。 2024年7月1日 貿易経済安全保障局を新設。 2024年10月1日 経済安全保障に関する産業・技術基盤強化のための有識者会議 2024年12月30日 「技術管理強化のための官民対話スキーム」を施行。 2025年3月25日 中華人民共和国産黒鉛電極に対する暫定的な不当廉売関税の課税を決定。 2025年3月28日 「外国為替令及び輸出貿易管理令の一部を改正する政令」の公布。 2025年3月29日 経済安全保障上の課題への対応(民間ベストプラクティス集(第 2.0 版))に更新。 第4回を開催。 第5回を開催。 21 政策テーマ:3.イノベーション政策の推進並びに産業標準の整備及び普及 (政策評価軸:イノベーション政策の推進並びに産業標準の整備及び普及(1/1)) イノベーション・環境局長 菊川 人吾 目標(ミッションステートメント) スタートアップ・エコシステムの構築に向けて、スタートアップの事業拡大を促し、世界最先端の研究開発を進めて社会実装につなげることで、イノベー ションの好循環を拡大する 主要な目標 目標1:2027年度におけるスタートアップ投資額を2022年度と比較して約10倍にする 目標2:官民合わせた研究開発投資額を2021年度から2025年度までの5年間(合計額)で約120兆円にする 目標に対する評価と今後の対応 • 目標1については、地政学リスクの高まり等を背景に国際的にベンチャーキャピタルの資金調達額が減少し、海外主要国が大幅に投資額を減少させる中、スタートアップ育 成5か年計画(2022年11月策定)の下、VC等への公的資本の投資拡大、税制を通じたスタートアップの育成・協業促進、ディープテック・スタートアップに対する支援の 強化等を行ったところ、2024年の投資額は約8,600億円となった(海外の主要国における2023年の投資額は、対2021年比で、米国が-59%、中国が-35%、英国が-48%である のに対し、日本は-8%)。今後は、スタートアップ・エコシステム構築に向けて、引き続きスタートアップ育成5か年計画を着実に実行することに加え、イノベーションの 担い手であるスタートアップ等による事業拡大・社会実装を促進させる。 • 目標2について、量子等の国家戦略上重要な分野への重点投資を行い、2023年度の官民合わせた研究開発投資額は22兆円に達し、2016年度から2020年度までの投資額の平 均を上回った。今後も日本の研究開発の量・質を拡充するため、研究プロセスに対して支払う従来型の委託・補助型の研究開発の支援手法に加えて、研究成果に報酬を支 払う仕組みとなる懸賞金型事業を、省全体の研究開発予算に対するポートフォリオを拡大する方向で本格的に実施する。さらに、まだ産業化に至っていないフロンティア 領域の探索のためのインテリジェンス機能の強化を行うとともに、フロンティア領域への重点支援及び社会実装に向けたロードマップ作成を行う。また、戦略的に重要な 技術への企業の研究開発投資の拡大や、国際的に遜色のないイノベーション立地競争環境を確保するためのインセンティブの強化について検討を行い、研究開発税制等の 関係税制について、必要な改正を検討する。 • 目標1~2を達成するため、スタートアップの事業拡大や研究開発については、戦略的な標準化活動を一体的に展開することが重要であることから、戦略的な標準化の基盤 となる人材の育成・確保や、企業経営者・アカデミア・投資家等のステークホルダーの理解浸透・意識改革、研究開発の早期段階からの標準化活動の促進、改正産業競争力 強化法の特定新需要開拓事業活動計画認定制度を通じたオープン&クローズ戦略の推進等を行った。引き続きこれらの取組を進めるとともに、産業構造の転換につながる不 確実性の高い分野については、国が牽引する形で、標準化戦略の策定や規格開発・交渉を進めるとともに、国内試験・認証基盤を強化していく。 • 目標1~2を達成するため、産総研、NEDO、NITEの3独法について、各独法の目標に従い、社会課題解決や産業競争力強化に資する研究開発や行政執行支援を着実に実施 するなど、効率的かつ効果的な運営に引き続き取り組む。 22 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1: 2027年度におけるスタートアップ投資額を2022年度と比較して約10倍にする 単位:億円 ~ ~ 9889 8827 8139 6233 5083 2056 2014 目標 5724 3784 1446 目標 :2027年度10倍へ 目標2:官民合わせた研究開発投資額を2021年度から2025年度ま での5年間で約120兆円にする 7793 2627 2019 2024 2027 資料:INITIAL(2025年1月20日時点) *現時点で判明している資金調達額(7,793億円)に、後に判明する資金調達額の推計分を加えたもの 目標1補足:投資額の各国比較 資料:令和5年度当初予算案 令和4年度補正予算の概要について(内閣府) より経産省作成 目標2補足:主要国の研究開発費総額の推移 (2023年度投資額(2021年度比)) 研 究 開 発 費 総 額 ( 名 目 額 ) 2007年から2022年の間で、 ・米国:1.9倍(45.5兆円→87.6兆円) ・ドイツ:1.9倍(8.8兆円→16.6兆円) ・フランス:1.5倍(5.3兆円→8.1兆円) ・EU:1.8倍(27.9兆円→51.5兆円) ・韓国:2.7倍(4.9兆円→13.2兆円)に対して、 ・日本:1.1倍(18.9兆円→20.7兆円)に留まる。 資料:NISTEP「科学技術指標2023」の「表1-1-1主要国における研究開発費総額の推移」をもとに作成 23 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年4月17日 「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver.2.1(大学編)」の解説パンフレット、及び大学と事業会社・スタートアップが連携する 際に意識すべきポイントを整理したマナーブックを取りまとめ。 2024年4月26日 事業会社からのスタートアップ創出を促すための「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を取りまとめ。 2024年6月10日 「スタートアップからの公共調達促進に関する関係府省庁等会議」を開催。 2024年6月21日 イノベーション小委員会中間とりまとめを公表。 2024年7月22日 「日本スタートアップ大賞2024」表彰式。 2024年8月22日 「大学発ベンチャー表彰2024」受賞者決定。 2024年9月2日 「新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律」の一部施行。 2024年10月7日 令和6年度産業標準化事業表彰の受賞者公表。 2025年1月13日 第2回日韓スタートアップ政策対話開催。 2025年3月13日 官民によるスタートアップ支援プログラム「J-Startup」新たな選定企業を発表。 24 主な関連施策 推進体制(主担当課室) イノベーション政策の推進 ・イノベーション政策課 ・イノベーション推進政策企画室 ・国際室 スタートアップ・エコシステムの構築 ・イノベーション創出新事業推進課 ・スタートアップ推進室 ・大学連携推進室 研究開発の量・質の拡充による社会実装の強化 ・研究開発課 ・フロンティア推進室 ・基準認証政策課 基準認証政策の推進 ・基準認証政策課 ・国際標準課 ・国際電気標準課 3独法の効率的かつ効果的な運営 ・産業技術法人室 ・研究開発課 ・基準認証政策課 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約9893億円の内数 【令和7年度当初予算】約1910億円 【令和6年度税制改正】イノベーション拠点税制の創設(令和7年4月1日施行) 25 政策テーマ:4.①DX、GX、経済安全保障を軸とした製造業のグローバル競争力強化 (政策評価軸:情報処理の促進並びにサービス・製造産業の発展(1/3)) 製造産業局長 伊吹 英明 目標(ミッションステートメント) DX、GX、経済安全保障を政策の軸として、製造業のビジネスのグローバル展開を通じてグローバルバリューチェーンの中で無視できないポジショ ンを獲得することで、利益の創出、競争力の維持・強化を図り、もって国内の生産性向上や賃上げ、雇用の新陳代謝にもつなげていく。 主要な目標 目標1:GXの推進を通じ、エネルギー基本計画と整合的にHard to abate産業のCO2排出量を削減するとともに、産業プロセスの転換を通じて製造業の競争力強化を目指す。 目標2:経済安全保障に関する企業との対話を通じてサプライチェーンや技術の構造を解明し、産業支援策・防衛策の方向性を具体化する。 目標3:2030年までにベースメタル自給率80%以上、蓄電池150GWhの国内製造基盤等の確立に必要なレアメタルの安定供給確保を目指す等。 目標4:2035年に新車販売で電動車を100%。 目標5:2030年・2035年にSDV(Software Defined Vehicle)の世界販売台数における日系自動車メーカーのシェア3割。 目標6:宇宙産業の市場規模を2030年代早期に約8兆円に拡大するという政府目標の達成に向け、宇宙産業の本格的なビジネス化等を目指す。 目標に対する進捗と評価と今後の対応 目標1:鉄鋼や化学等の排出削減が困難な産業(Hard-to-abate産業)におけるエネルギー・製造プロセス転換を支援するため、令和6年度4,844億円(国庫債務負担行為) の予算を措置した。GX推進のためのグリーン鉄研究会を5回開催しグリーン鉄市場拡大に向けたアクションプラン等をとりまとめたほか、グリーンイノベーション基金事 業等による社会実装に向けた研究開発を実施している。引き続きGX経済移行債等も活用し、原料・燃料転換を促しつつ、国際ルールメイクによりグローバル市場への展開 を進める。また、航空機産業においては2024年4月に新たな「航空機産業戦略」を策定し、我が国航空機産業の課題と成長の方向性を示した。同戦略に基づき、令和7年度 より5年で1,200億円規模の支援を行う旨をGX実行会議において決定しており、本予算を活用して、航空分野でCNが求められる中で日本の技術をレバレッジに従来のサプ ライヤー 構造を脱し、将来の次世代航空機開発において国際連携による完成機事業創出を目指す。 目標2:業界団体のほか、サプライチェーン全体での取組や特定の技術・製品を有する企業、地域等と計100回以上の戦略的対話を実施した。これら戦略的対話の内容を踏 まえ、産業支援策・防衛策の方向性を具体化するため、経済安全保障に関する産業・技術基盤強化のための有識者会議や製造産業分科会でも議論を深め、経済安全保障に 関する産業・技術基盤強化アクションプランを公表・改定した。今後もアクションプランに沿って必要な産業支援策・防衛策を進める。 目標3:ベースメタル自給率は2023年時点で34%にとどまっており、銅の権益確保支援を含む取組のために令和6年度補正予算(政府保証付借入含め1,597億円)を確保し た。本予算等を活用して、自給率80%以上という目標達成に向けた取組を進める。また、レアメタルについても、既存の予算も活用して、上流開発プロジェクトの組成等 により、供給源の多角化を進め、安定供給確保を目指す。 目標4:2024年の国内における乗用車新車販売の電動車比率は57%に到達。今後、戦略分野国内生産促進税制による生産の後押しのほか、蓄電池の国内製造基盤強化、車 両購入補助や充電インフラ整備支援等を進めていく。 目標5:5月に策定した「モビリティDX戦略」を踏まえ、RoAD to the L4プロジェクト等の実証・支援事業を進めるとともに、ソフトウェア人材の確保や企業間連携等 の促進を目的とした「モビリティDXプラットフォーム」を新たに立ち上げた。また国際競争の激化や地政学リスクの高まりなどを踏まえ、戦略の見直しに向けた議論を実 施し、今後取組を更に強化していく。 目標6:「宇宙戦略基金」では、前年度と合わせて2,260億円(政府全体では6,000億円)の予算を措置した。事業化に向けた具体的な計画を有する事業者による技術開 発・実証等への大規模かつ継続的な支援を開始し、宇宙関連市場の拡大に関する政府目標の達成を目指す。今後こうした取組を支えるため、宇宙基本計画に示された方針 を踏まえ、成長市場確保や経済安全保障確保の観点も考慮しながら様々な経済施策を総合的に進めることで、我が国の宇宙産業基盤の強化を実現していく。 26 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1:GXの推進を通じ、エネルギー基本計画と整合的に Hard to abate産業のCO2排出量を削減するとともに、産業プロ セスの転換を通じて製造業の競争力強化を目指す Kt CO2 Hard to abate産業 CO2排出量推移 400,000 目標3:2030年までにベースメタル自給率80%以上 ベースメタル(銅、鉛、亜鉛、錫)の自給率 60% 300,000 55% 200,000 50% 100,000 45% 0 40% 250 化学 窯業・セメント 150 100 37% 34% 30% 紙パルプ 資料:国立研究開発法人 国立環境研究所 日本の温室効果ガス排出データ(2012~2023年度) 確報値を基に作成 57% 50% 200 55%55% 53%54%53% 52%51% 52% 51%50% 50% 50% 48%48% 46% 35% 鉄鋼 目標4:2035年に新車販売で電動車を100% 31% 33% 34% 35% 36% 40% 45% 60% 50% 40% 30% 21% 23% 26% 20% 50 10% 0 0% HEV PHEV EV FCV 電動車比率 資料:日本自動車工業会調べにより経済産業省作成 ※ 自給率は4鉱種の自給率を加重平均した値 資料:経済産業省 参考指標:製造業の当期 利益(税引前) 参考指標:輸出額 参考指標:製造業の直接投資収益 直接投資収益 兆円 製造業(計) 自動車 情報通 その他の輸 機械 金属製品 業・土石 繊維 化学工業 食品 電気機械 用機械 生産用機械 鉄鋼 非鉄 業務用機械 石 ・石炭 パルプ・ ・ 材・ 製品 加工 印 ・同関連 その他製造業 (年度) 用機械 利益率(製造業計) ※単位は2015暦年連鎖価格、1兆円 資料:法人企業統計 資料:国民経済計算(GDP統計) (年) (年度) 資料:日本銀行 国際収支関連統計 27 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 目標 時期 出来事 1 2024年4月 航空機産業小委員会で議論された新たな「航空機産業戦略」を公表 2024年12月27日 GX実行会議にて示された分野別投資戦略にて、航空機産業において5年間で1200億円規模の支援を行うことが決定 2025年1月23日 GX推進のためのグリーン鉄研究会 とりまとめ 2025年2月18日 GXに向けた投資の予見可能性を高めるため、GXの取組の中長期的な方向性を官民で共有すべく、GX推進戦略を改訂し、本年2月に 「GX2040ビジョン」、および「第7次エネルギー基本計画」を策定。 2024年9月25日以降 「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」を実施。R6年度は2件(鉄鋼1件、 パルプ1件)5年間 で約1,200億円分(事業総額約3,850億円)の補助を採択。 2024年5月15日 経済安全保障に関する産業・技術基盤強化アクションプラン改訂版にて、産業支援策・防衛策の方向性を具体化。 2024年10月1日 経済安全保障に関する産業・技術基盤強化のための有識者会議にて、アクションプラン再改訂の検討を開始。 2024年12月 経済安全保障推進法に基づく供給確保計画として、2件の設備投資計画を認定。 2024年10月28日 2025年3月24日 第1回、第2回鉱業小委員会を開催し、鉱業政策の今後の方向性に関する議論を実施。 2024年9月2日 改正産業競争力強化法施行。EV等の生産・販売量に応じた税額控除措置を講じる戦略分野国内生産促進税制が創設された。 2025年2月20日 充電インフラ補助金に関して、コンビニやディーラー、既築の集合住宅への充電器の設置を促進する制度見直しを実施。 2025年3月 クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)に関して、車両の評価・自動車分野のGXの実現に必要な要素を総合的に評価 するこれまでの方法を踏襲しつつ、GX推進に向けた鋼材の需要喚起のための新たな加算措置を設け、補助額を決定。 2024年5月20日 第2回 モビリティDX検討会を開催し、「モビリティDX戦略」を策定。 2024年10月17日 SDVや自動運転に関する様々な企業・人材・情報が集積・交流するコミュニティである「モビリティDXプラットフォーム」を立ち上げ。 2025年3月19日 第3回モビリティDX検討会を開催し、戦略の見直しに向けた議論を実施。 2024年11月15日以降 宇宙戦略基金(令和5年度補正予算措置分1,260億円)で支援する技術開発課題として、「衛星コンステレーション構築加速化」の4件 をはじめ、衛星分野・輸 分野から全5テーマ23件を採択。年度内より順次事業を開始。 2025年2月14日 2025年3月13日 今後の新たな取組について、宇宙産業小委員会にて議論。宇宙戦略基金(令和6年度補正予算措置分1,000億円)の「実施方針」策定と 宇宙産業基盤強化の方向性の検討を行い、更なる課題解決に向けた取組を開始。 28 2 3 4 5 6 主な関連施策 推進体制(主担当課室) 経済安全保障: • サプライチェーンの強靱化 • 先端的な重要技術の研究開発の促進 総務課(サプライチェーン強靱化政策室)、鉱物課、金属課、素材産業課、産業機 械課、ロボット政策室、素形材産業室、航空機武器産業課、次世代空モビリティ政 策室、宇宙産業課 GX: • 2050年CNに向けた革新的技術の開発、設備投資の促進 • グリーンプロダクトの定義設計、計測手法、政府調達の検討 • クリーンエネルギー自動車の導入促進、車体課税の見直し 総務課(製造産業GX政策室)、鉱物課、金属課、素材産業課、素形材産業室、自 動車課、航空機武器産業課 DX: • スマートマニュファクチャリングの実装加速化(製造現場の全体最適を実現するDX の推進や、ダイナミックケイパビリティの実装)、企業間データ連携の推進 • 「モビリティDX戦略」の実行(自動走行の社会実装、自動車分野におけるデータ 連携の推進等) • ロボットの導入・利活用による省力化・自動化の促進 • 大手製造業のグローバル競争力強化に向けたコーポレート・トラン スフォーメーション(CX)の促進 総務課製造DXチーム、製造産業戦略企画室 自動車課、産業機械課、ロボット政策室 個別産業政策: • 航空機産業、宇宙産業の育成・振興、安全保障の確保 航空機武器産業課、次世代空モビリティ政策室、宇宙産業課 • 防衛産業基盤の強化 生活製品課、金属課、素材産業課、自動車課 • サーキュラーエコノミーへの対応(繊維産業、金属産業、化学産業、自動車産業等) 競輪・オートレースの振興 車両室 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約3,605億円 【令和7年度当初予算】約699億円(うち約256億円は国庫債務負担4,247億円の内数) 【令和7年度税制改正】自動車関係諸税の課税のあり方の検討、探鉱準備金又は海外探鉱準備金、新鉱床探鉱費又は海外鉱床探鉱費の特別控除の拡充及び延長 29 政策テーマ: 4.②デジタル社会の実現 (政策評価軸:情報処理の促進並びにサービス・製造産業の発展(2/3)) 商務情報政策局長 野原 諭 目標(ミッションステートメント) ①半導体、蓄電池、AI、コンピューティングなどデジタル面で我が国産業を支える基盤の整備、②サイバーフィジカルシステムの社会実装に必要となる 基盤の整備、③デジタル人材の育成・確保を行うこと。これらを通じて、デジタル技術を活用した新たな製品・サービス・ビジネスモデルを我が国で創 出し、グローバルに新たな付加価値を生み出すと共に国内投資を拡大することで日本経済の成長に貢献すること(DX)。同時に、GXの実現、経済安全 保障に資すること。 主要な目標 目標1:国内で半導体を生産する企業の売上高を2030年に15兆円超にする/ 2027年度までに、60EFLOPSのAI用計算資源を国内に整備する 目標2:蓄電池の国内生産能力を2030年までに年間150GWhとする 目標3:2027年度までに、5領域においてデジタル基盤に関する新規サービスの提供を開始する 目標4:デジタル推進人材を政府全体で2026年度末までに230万人育成する 目標に対する評価と今後の対応 (目標1)2024年11月の経済対策において、2030年度までに半導体・AI分野に10兆円以上の公的支援を実施するための「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を策定。同フ レームに基づき、令和6年度補正予算・令和7年度当初予算では約1.8兆円を計上した。加えて、「情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する 法律」が2025年4月に成立し、同法に基づき、次世代半導体の量産及びデータセンターの整備に対する金融支援を講じていく。こうした施策を通じて、①ハードウェアとし ての先端半導体の産業基盤の確保、②計算基盤整備※を含めたソフトウェアとしての生成AI開発を一体的に進めていく。※経済安保基金(クラウドプログラム)による支援等 により、2027年度までに60EFLOPS以上の計算資源を国内に整備できる見込み。 (目標2)蓄電池の製造基盤強化については、令和6年度補正予算で1,778億円の予算を確保。経済安全保障推進法に基づき、これまでに総額約1兆8,000億円の供給確保計画 を認定し、「2030年までに国内における蓄電池の年間製造能力150 GWhの確立」という目標に対して、100 GWh以上の製造基盤を確立する計画が進行する。今後も、蓄電 池・部素材・製造装置の国内製造基盤の更なる拡充によって蓄電池サプライチェーンの強靱化を進めるとともに、全固体電池を始めとする次世代電池の技術開発を推進する。 (目標3)2023年度までに5領域(自律移動ロボット、空間情報、サプライチェーン、契約・決済、スマートビル)でアーキテクチャ設計を開始し、2024年度は「デジタ ルライフライン全国総合整備計画」に基づき、ドローン航路の整備、自動運転サービス支援道の設定、インフラ管理のDXについて、それぞれ先行地域における取組を実施。 また、情報処理の促進に関する法律施行規則及び指針を改正し、公益デジタルプラットフォーム運営事業者認定制度を創設し、同年9月に第一号認定を行った。引き続き、 様々な産業分野でのウラノス・エコシステムのユースケース拡大及び国際展開を図るとともに、同計画に基づいてデジタルライフラインの全国展開を加速する。 (目標4)デジタルスキル標準に基づき、デジタル人材プラットフォームの運営や情報処理技術者試験等を通じて、2024年度上半期までに128万人のデジタル推進人材を政府 全体で育成した。引き続き、目標に向けた取組を推進するとともに、デジタル人材のスキル、スキルアップ状況、試験によるスキル評価に関するデータの蓄積・可視化を可能 とする共通基盤の構築を通じた、デジタル人材育成のエコシステム実現を目指す。また、情報処理技術者試験のAI活用等の視点も踏まえた今日的な試験体系への見直しに取り 組む。 30 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1:国内で半導体を生産する企業の売上高を2030年に15兆円超にする 目標2:蓄電池の国内生産能力を2030年までに年間150GWhとする 国内で半導体を生産する企業の売上高(2030年に15兆円超) 資料:実績分について、世界全体売上はOMDIA、日本国内売上は経済産業省「工業統計調査」、「経済センサス」、「経 済構造実態調査」の品目別出荷額の値を集計。出荷額については、半導体関連(半導体素子、光電変換素子、集積回路)及 び、「他に分類されない電子部品・デバイス・電子回路」のうち半導体関連品目を出荷額ベースで按分した値の合計。 目標3:2027年度までに、5領域においてデジタル基盤に関する新規サービス の提供を開始する 資料: 第2回蓄電池産業戦略推進会議 資料3を一部修正 目標4:デジタル推進人材を政府全体で2026年度末までに230万人育成する 各年度の人材育成目標と実績 (2026年度末までに政府全体で230万人育成) • 資料:(独)情報処理推進機構第5期中期目標 ※2025年6月現在 2024年度上半期までの2年半で、政府全体で約128万人を育成した。 資料:デジタル田園都市国家構想実現会議 資料1 31 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年6月 「デジタルライフライン全国総合整備計画」を策定 ※デジタルライフライン全国総合整備実現会議決定(2024 年6月5日)、デジタル行財政改革会議決定(2024 年6月18 日)、デジタル社会推 進会議決定(2024 年6月21 日) 2024年6月28日 「デジタル時代の人材政策に関する検討会」報告書2024「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024~変革のための生成AIへの向 き合い方~」公表 2024年7月8日 デジタルスキル標準改訂 2024年9月6日 経済安全保障推進法に基づく供給確保計画(蓄電池)第3弾を認定 2024年9月2日 公益デジタルプラットフォーム運営事業者の第一号認定 2024年11月22日 AI・半導体産業基盤強化フレームを策定 (参考)国民の安心・安全を持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~(令和6年11月22日) 2024年12月20日 経済安全保障推進法に基づく供給確保計画(蓄電池)第4弾を認定 2025年3月5日 サイバーセキュリティ産業振興戦略を策定 2025年4月25日 「情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」 2025年5月16日 2025年5月28日 「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律及び重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」成立 「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案」成立 2025年5月23日 「Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会」報告書 -「スキルベースの人材育成」を目指して-公表 成立 32 主な関連施策 推進体制(主担当課室) 【半導体製造基盤の強化等】 情報産業課 【蓄電池製造基盤の強化等】 電池産業課 【高度な情報処理基盤の構築】 情報産業課 情報処理基盤産業室 【高度情報通 情報産業課 高度情報通 インフラの拠点整備・競争力強化】 デバイス・半導体戦略室 技術産業戦略室 【ウラノス・エコシステムの推進】 情報経済課 【デジタルライフライン全国総合整備計画の実施等】 情報経済課 アーキテクチャ戦略企画室 【デジタル取引環境整備】 情報経済課 デジタル取引環境整備室 【デジタル人材の育成】 情報技術利用促進課 【企業DXの推進】 情報技術利用促進課 【サイバーセキュリティの確保】 サイバーセキュリティ課 【DFFT等の推進】 国際室 【IPA】 総務課 IPA班 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約1兆6,505億円 【令和7年度当初予算】約3,511億円 【令和7年度税制改正】半導体分野における国内投資の継続的な拡大に向けた税制上の措置等 33 政策テーマ: 新しい産業の創出や安全・安心な市場の環境整備を通じた社会課題解決 (政策評価軸:情報処理の促進並びにサービス・製造産業の発展(3/3)) 商務・サービスグループ審議官 南 亮 目標(ミッションステートメント) 国内外の需要を喚起し新たな投資を促す好循環を生み出すため、 ①新規サービス産業の創出・拡大(ヘルスケア/医療・福祉/バイオ/教育/スポーツ分野でのデジタルの活用やスタートアップ育成・海外展開等) ②ビジネスインフラの整備(安全・安心かつ利便性の高いキャッシュレス決済、効率的な物流等) ③競争力のある我が国コンテンツ等の発展・海外展開(コンテンツ、地域産品の磨き上げや海外展開等) ④大阪・関西万博(「未来社会の実験場」とし、CN、デジタル、健康・医療等の分野で新しい技術・システムを実証し、世界に発 ) に注力し、同時に環境問題や健康増進、少子高齢化、人手不足、持続可能な発展と言った社会課題の解決に貢献する。 主要な目標 目標1:国内の公的保険外のヘルスケア・介護市場、2050年までに77兆円 目標2:バイオものづくりについて、2030年までに官民合わせて年間の投資規模を3兆円 目標3:2025年にキャッシュレス比率40%、将来的に世界最高水準の80% 目標4:全トラック輸 の車両について2030年度までに積載率44% 目標5:クールジャパン関連産業全体の海外展開を2033年までに50兆円、コンテンツの海外展開20兆円 目標6:希望出生率1.8への寄与 ※「地域の包摂的成長」で掲げる目標 目標7:2025年の大阪・関西万博の円滑な開催 目標に対する進捗と評価と今後の対応 ①新規サービス産業の創出・拡大: (ヘルスケア)2023年7月に立上げたPHRの業界団体を中心に市場の拡大・ユースケース創出を推進している。今後も万博会場での体 験機会の提供等、事業環境整備を行う。ビジネスケアラー対策として保険外介護の創出と利用促進に引き続き取り組む。(医療)「医療機器産業ビジョン2024」を踏まえ、 革新的医療機器の米国展開に向けた支援を継続する。(バイオ)「グリーンイノベーション基金(令和3年度補正、1767億円)」や「バイオものづくり革命推進基金(令 和4年度補正、3000億円)」等を措置、引き続き研究開発・実証を推進する。(教育)企業や個人等と公教育の連携といったエコシステムの在り方について検討を行い、 今後は産業界と教育現場とのマッチングの仕組み作りを目指す。 (少子化)家事支援・ライフデザインサービスの普及促進、企業等の意識醸成に引き続き取り組む。 ②ビジネスインフラの整備: キャッシュレス推進に向けて競争環境の整備等を行う。クレジットカードの不正利用対策のため、「官民対策会議」を通じて、本人認証の導 入等を促進する。物流危機への対応として、荷主に対して物流効率化の取組を義務づける法律の施行を踏まえ、引き続き荷主業界への周知及び支援策を検討する。 ③競争力のある我が国コンテンツ等の発展・海外展開: 2033年50兆円目標に向け、エンタメ・クリエイティブ産業戦略のとりまとめに向けた有識者会議の開催、海外現地 拠点等を活用した戦略的海外展開の促進、国際水準の制作を実現する支援、クリエイターの育成、トップスポーツの海外展開支援等を行ったところ、引き続きこれらの取 組を推進していく。また、書店活性化プランの策定に向け書店PTを実施したことを踏まえ、書店活性化プランの策定に向けた取組やその具体化を進める。 ④大阪・関西万博: 「未来社会の実験場」とし、CN、デジタル、健康・医療などの分野で新たな技術・システムを実証し世界に発 するとともに、2025年4月の開催に向 けパビリオンの建設等を円滑に進めた。今後は、博覧会協会と連携しながら、会期を通じ随時改善に取り組み来場者の満足度を高めるとともに、メディアやSNS等を通じ た万博の魅力発 を継続していく。 34 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1:国内の公的保険外のヘルスケア・介護市場、2050年までに77兆円 (兆円) 90 80 介護 健康づくり 70 60 50 40 30 20 10 0 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 出典:経済産業省「令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業(国内外で の健康経営の普及促進に係る調査)」に基づき経済産業省が作成 目標3:2025年までにキャッシュレス決済比率40% 目標4:全トラック輸 の車両について2030年度までに積載率44% 50.0% 45.0% 39.95% 40.0% 37.2% 35.0% 30.0% 33.7% 33.6% 25.0% 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 資料:各種公表データから経産省集計 2010 20.0% 1 出典:自動車輸送統計年 報(国土交通省総合政策局 情報政策本部) 2 積載率=輸送トンキロ/能 力トンキロ 3 2020年度より、トンキロの調 査方法及び集計方法が変更さ れたことから、「輸送トンキロ」及 び「能力トンキロ」について、令和 元年度以前の数値との連続性 を保つため、接続係数により遡 及改定を行っている。 35 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標5-2:コンテンツの海外展開20兆円 目標5-1:クールジャパン関連産業全体の海外展開、2033年までに50兆円 出典:知財戦略本部「新たなクールジャパン戦略」p19 目標6:希望出生率1.8への寄与 ※「地域の包摂的成長」で掲げる目標 (人) 1,400,000 2 1.8 1,200,000 1.6 1,000,000 1.4 800,000 1.2 600,000 0.8 1.2 72.7万人 1 0.6 400,000 0.4 200,000 0.2 出生数 2023年 2021年 2019年 2017年 合計特殊出生率 2015年 2013年 2011年 2009年 2007年 2005年 2003年 2001年 1999年 1997年 1995年 0 1993年 0 出典:厚生労働省「人口動態調査」 36 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年4月9日 第1回 クレジットカード・セキュリティ官民対策会議 2024年7月26日 イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会報告書とりまとめ(教育産業) 2024年8月23日 厚労・文科・経産3大臣会合の実施(ヘルスケア) 2024年9月3日 第4回SaMD産学官連携フォーラム開催(医療機器) 2025年1月 書店活性化のための課題に関する報告書案を取りまとめ公表 2025年3月3日 ライフデザインサービスシンポジウム開催(少子化、人手不足への対応) 2025年3月7日 第2期スポーツ未来開拓会議開催(スポーツ産業) 2025年4月13日 大阪・関西万博開幕 2025年6月10日 書店活性化プランの公表 2025年6月24日 エンタメ・クリエイティブ産業戦略の公表 37 主な関連施策 推進体制(主担当課室) ヘルスケア・医療機器産業の育成 ヘルスケア産業課、医療・福祉機器産業室 バイオものづくりと創薬エコシステムの育成 生物化学産業課 物流対策と小売のデジタル化を推進 流通政策課、物流企画室 キャッシュレス導入を通じた消費者の利便性向上と企業の業務効率化の両立 商取引・消費経済政策課 クレジットカードをはじめとする商取引の安全・安心な環境を整備 商取引・消費経済政策課 商品先物市場の健全な発展を推進 商品先物市場整備室 少子化対策に資するサービス産業の育成 サービス政策課 教育産業の育成 サービス政策課(教育産業室) スポーツ産業の育成 サービス政策課(スポーツ産業室) コンテンツ産業などの日本文化の海外展開を通じた海外需要の獲得 文化創造産業課 大阪・関西万博の円滑な開催に向けた取組を加速 博覧会推進室 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約803億円 【令和7年度当初予算】約257億円 38 政策テーマ:5.産業保安・安全の確保 (政策評価軸:産業保安・安全の確保(1/1)) 技術総括・保安審議官 湯本 啓市 目標(ミッションステートメント) 重大事故の発生や自然災害等による被害拡大を防止し、迅速に復旧・対応できる体制を構築することにより、重要な社会インフラの維持・形成、安 全な製品の流通確保、効率的かつ効果的な化学物質管理を通じて、我が国の健全な産業の発展及び国民の安全安心な暮らしを実現する。 主要な目標 目標1:電力、都市ガス、LPガス、コンビナート、水素・CCS等の適切な産業保安体制を維持・構築するとともに、その高度化・スマート化を実現。 目標2:第14次鉱業労働災害防止計画に基づき、令和5~9年度における毎年の死亡災害ゼロ、計画期間内の平均度数率0.70以下、計画期間内の平均重傷災害の度数率 0.50以下を目指す。 目標3:社会環境の変化に対応した制度の整備等を図り、重大製品事故の発生を未然に防止。 目標4:経済の発展と安全・安心を両立するための効率的かつ効果的な化学物質管理に係る施策を実施。 目標に対する評価と今後の対応 【重要な社会インフラの維持・確保】(目標1・2) • 産業保安体制の維持・構築のためには人材高齢化・プラント老朽化の中でスマート保安の推進を始めとする自主保安の高度化が重要。安全確保を前提に保安力に応じた 手続・検査とするべく、2022年に高圧ガス保安法等を改正し、「テクノロジーを活用しつつ、自立的に高度な保安を確保できる事業者」について、「認定高度保安実施 事業者制度」を創設し、制度を運用。 • さらに、2024年に水素法・CCS法を制定。水素の保安に関する審査体制の整備、二酸化炭素の貯留事業及び導管輸 事業に係る技術基準の策定など、新たな産業基盤 における保安の確保に向けた体制の整備を引き続き実施する。 • その上で、第7次エネルギー基本計画・GX2040ビジョンを踏まえ、2025年3月の産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会にて、今後の人口減少やエネル ギー・GX政策の進展等の環境変化を踏まえた中長期的な産業保安の在り方について議論を実施。中長期的にも産業保安のレベルを維持・向上していくための必要な 政策措置を検討する。 【安全な製品の流通確保】(目標3) • 海外から直接製品を販売する事業者を製品の安全性の確保に法的責任を有する者として明確化するとともに、新たに子供用特定製品という類型を設け、国が定める技術 基準や使用年齢基準への適合を求めるべく、2024年に製品安全4法を改正。子供用特定製品の指定に向けた検討を進めるとともに、海外の事業者等を含めた国内外の 関係者への周知、メディアを活用した広報等を通じて、制度内容についての理解促進を図る。 【効率的かつ効果的な化学物質管理】(目標4) • 国際条約等を踏まえた規制対象物質の指定に係る検討を進めるとともに、一般化学物質等のスクリーニング評価・リスク評価、及び新規化学物質の事前審査制度における 試験方法の効率化等に引き続き取り組む。 39 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1:電力、都市ガス、LPガス、コンビナート、水素・CCS等の適切な産業 保安体制を維持・構築するとともに、その高度化・スマート化を実現 高度保安 災害時連携計画策定 電力 認定高度保安実施設置者 3者※ 10者※※ 都市ガス 認定作業中 193者※※ 目標2:第14次鉱業労働災害防止計画に基づき、令和5~9年度における 毎年の死亡災害ゼロ、計画期間内の平均度数率0.70以下、計画期 間内の平均重傷災害の度数率0.50以下を目指す 第14次鉱業労働災害防止計画 指標1:毎年の死亡災害は零(0) LPガス ゴールド保安認定事業者 ー 452者※※※※ コンビナート等 認定高度保安実施事業者 2者※ 指標2:計画期間の5年間の平均度数率 0.70以下 死亡災害:0人 度数率 :0.71 重傷災害:0.51 指標3:計画期間の5年間の平均重傷災 害の度数率0.50以下 ー 特定認定高度保安実施事業者 5者※ ※高圧ガス保安法等に基づく認定高度保安実施事業者制度の認定事業者数。令和7年3月末時点。 ※※電気事業法に基づく災害時連携計画。対象となる全ての一般 配電事業者が作成し、令和6年7月に経済産業省に届出。 ※※※ガス事業法に基づく災害時連携計画。対象となる全ての一般ガス導管事業者が作成し、令和4年9月に経済産業省に届出。 ※※※※液石法に基づく第一号認定LPガス販売事業者。令和6年12月末時点。令和5年12月末から65者増加。 目標3:社会・技術のトレンドに合わせて技術基準等を改訂し、重大製品事故 の発生を未然に防止 重大製品事故の受付件数 2024年の状況 (令和5~9年度の目標) 資料: 第十四次鉱業労働災害防止計画(令和5年経済産業省告示第34号) 【注】 • 度数率:稼働延百万時間当たり罹災者数(人/百万時間) • 重傷災害:死亡災害を除く休業日数が2週間以上の災害 目標4:経済の発展と安全・安心を両立するための効率的かつ効果的な化学 物質管理に係る施策を実施 令和6年度に化審法のスクリーニング評価・リスク評価等を実施した化学物質数 7,840物質 171物質 2物質 資料: 消費生活用製品安全法に基づく重大製品事故情報 40 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年5月17日 「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律」及び「二酸化炭素の貯留事業に関 する法律」の成立 2024年6月19日 「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律」の成立 2024年7月5日 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定 ※「ペルフルオロアルカン酸(構造が分枝であつて、炭素数が八のものに限る。)(PFOAの異性体)又はその塩」及び「ペルフルオ ロオクタン酸関連物質」を第一種特定化学物質に指定 2024年8月19日 高圧ガス分野での認定高度保安実施者を初認定 2024年8月 令和6年台風10号への対応 2024年9月19日 電力分野での認定高度保安実施設置者を初認定 2024年9月 令和6年奥能登豪雨への対応 2024年9月24日 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定 ※ポリ(オキシエチレン)=アルキルフェニルエーテル(アルキル基の炭素数が9のものに限る。)を第二種特定化学物質に指定 2024年12月10日 「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」、「消費生活用製品安全法等の一部を改 正する法律の施行期日を定める政令」及び「液化石 ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行令の一部を改正する政令」 閣議決定 2024年12月13日 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定 ※「UV-328」、「メトキシクロル」及び「デクロランプラス」を第一種特定化学物質に指定 2024年12月24日 「水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定 2025年2月 岩手県大船渡市の林野火災への対応 2025年3月26日 第14回産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会において、人口減少やエネルギー・GX政策の進展等の環境変化を踏まえた 中長期的な産業保安の在り方を議論。 41 主な関連施策 【制度整備・法執行、新たな課題への対応】 • 法執行(許認可等審査、届出受理、立入検査、報告徴収、事故情報収集、化学物質の リスク評価等) • 最新動向を踏まえた規制対象・技術基準等の不断の見直し • 新たな規制課題への対応 ✓ 水素・CCS法の制定及び消費生活用製品安全法等の改正を踏まえた制度の整備等 ✓ 保安ネットの整備、インターネット通販対策等 等 【スマート保安の推進・安全文化の醸成】 • 予算措置を通じた事業者の取組の推進 • 高圧ガス保安法、ガス事業法、電気事業法における認定高度保安実施事業者制度の整 備・執行 • 優れた製品安全対策・適切な化学物質管理の普及に向けた情報発 等 【保安・安全人材の確保等】 • 国家資格の運用(資格試験の実施、免状交付事務等) • 専門技術に係る講習の実施 • NITE等の関係機関との連携 等 推進体制(主担当課室) 産業保安企画室、高圧ガス保安室、ガス安全室、電力安全課、 鉱山・火薬類監理官付、製品安全課、化学物質管理課 産業保安企画室、高圧ガス保安室、ガス安全室、電力安全課、 鉱山・火薬類監理官付、製品安全課、化学物質管理課 産業保安企画室、高圧ガス保安室、ガス安全室、電力安全課、 鉱山・火薬類監理官付、製品安全課、化学物質管理課 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約12億円 【令和7年度当初予算】約64億円 42 政策テーマ:6.①資源・エネルギーの安定供給の実現 (政策評価軸:資源エネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保並びに脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進(1/2)) 資源エネルギー庁長官 村瀬 佳史 目標(ミッションステートメント) 2050年カーボンニュートラル、2040年度温室効果ガスの2013年度比73%削減という目標の実現に向け、S+3Eの原則の下、安全性の確保を前提 に、エネルギー安定供給を第一として、経済効率性と環境適合性の向上に向けて最大限取組を進める。 主要な目標 目標1:エネルギー自給率について、2040年度3~4割程度の政府見通し(2023年度15.3%)に向けて向上を図る。 目標2:化石燃料について、2040年度一次エネルギー供給の化石燃料割合5割程度の政府見通し(2023年度80.7%)に向けて、過度な依存からの脱却を進める。 目標3:電源構成について、2040年度再生可能エネルギー4~5割程度(2023年度22.9%)、原子力2割程度(2023年度8.5%)、火力3~4割程度(2023年度68.6%)の政府 見通しに向けて取組を進める。 目標4:エネルギー起源CO2排出量について、2040年度3.6~3.7億t程度(2023年度9.2億t)の政府見通しに向けて取組を進める。 目標に対する進捗と評価と今後の対応 ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー安全保障を巡る環境変化、DXやGXの進展による電力需要増加の可能性、各国のカーボンニュートラ ルの野心的目標に向けた産業政策と一体化したエネルギー政策の実施など、エネルギーを巡る情勢変化を踏まえ、第7次エネルギー基本計画を策定するとともに、2040年 度におけるエネルギー需給の見通しを示した。また各電源の発電コストの検証を実施した。 需要側の取組として、徹底した省エネルギーに加えて、電化が困難な分野の脱炭素化の重要性に鑑み、2024年5月「水素社会推進法」、「CCS事業法」を成立させた。 再生可能エネルギーについては、地域との共生・国民負担の抑制を踏まえた主力電源化に向け、2024年4月に施行した改正再エネ特措法に基づき、事業規律を強化すると ともに、2025年3月には洋上風力の大規模な海域の案件形成実現に向けた「EEZ法案」を閣議決定した。原子力については、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得な がら、再稼働を進めるとの考えの下、取組を進め、女川原子力発電所2号機、島根原子力発電所2号機がそれぞれ2024年11月、12月に再稼働した。アジアの脱炭素化を図 るために立ち上げられた国際協力枠組みであるAZECについては、第2回首脳会合において日本のリーダーシップのもと「今後10年のためのアクションプラン」が採択 された。また、足下の物価対策として、2024年8月~10月「酷暑乗り切り緊急支援」として電気・ガス料金支援を行うとともに、2024年の11月の経済対策において2025年 1月から3月の冬期の電気・ガス代を支援することを決定した。 足下(2023年度)のエネルギーに係る実績としては、エネルギー起源CO2排出量は9.2億t、エネルギー自給率は15.3%、一次エネルギー供給の化石燃料割合は80.7%、 電源構成は再エネ22.9%、原子力8.5%、火力68.6%となった。 今後2040年に向けて、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点から再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度に依 存しないバランスのとれた電源構成を目指していく。その上で、化石エネルギーへの過度な依存からの脱却を目指し、需要サイドにおける徹底した省エネルギー、製造業 の燃料転換などを進めるとともに、供給サイドにおいては、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用していく。 43 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標2:化石燃料について、2040年度一次エネルギー供給の化石燃料割合5割程度の政府 見通し(2023年度80.7%)に向けて、過度な依存からの脱却を進める。 目標1:エネルギー自給率について、2040年度3~4割程度の政府見通し(2023年度 15.3%)に向けて向上を図る。 エネルギー自給率 (%) 100 20% 15.3% 15% 10% 6.5% 6.3% 7.3% 8.0% 9.5% 一次エネルギー供給の化石燃料割合 91 13.3%12.6% 11.7%12.1%11.3% 2013 (年度) 電源構成 10% 11% 9% 80% 41% 43% 85 83 83 81 41% 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 6% 6% 7% 8% 7% 12 40% 38% 37% 39% 34% 34% 33% 10 30% 28% 34% 33% 33% 32% 32% 31% 15% 2% 2016 16% 3% 17% 6% 18% 6% 20% 4% 22% 23% 13% 0% 2014 14% 1% 2015 20% 11% 1% 2013 7% 6% 9% 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 原子力 再エネ(水力含む) 石炭 天然ガス 石油等 (年度) 資料:総合エネルギー統計(2023確報値)より経済産業省にて作成 エネルギー起源CO2 (億t) 7% 33% (年度) 目標4:エネルギー起源CO2排出量について、2040年度3.6~3.7億t程度(2023年度9.2億 t)の政府見通しに向けて取組を進める。 8% 33% 2014 資料:総合エネルギー統計(2023確報値)より経済産業省にて作成 14 31% 40% 0% 85 0 目標3:電源構成について、2040年度再生可能エネルギー4~5割程度(2023年度 22.9%)、原子力2割程度(2023年度8.5%)、火力3~4割程度(2023年度68.6%)の 政府見通しに向けて取組を進める。 20% 86 20 資料:総合エネルギー統計(2023確報値)より経済産業省にて作成 60% 88 40 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 41% 89 60 0% 14% 90 80 5% 100% 91 12.4 11.9 11.5 11.3 11.1 10.6 10.3 9.7 9.9 9.6 9.2 2020 2021 2022 2023 8 6 4 2 0 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 (年度) 資料:総合エネルギー統計(2023確報値)より経済産業省にて作成 44 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年4月1日 改正再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 2024年5月17日 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律、二酸化炭素の貯留事業に関する法律成立 2024年6月10日 佐賀県玄海町での最終処分法に基づく文献調査 2024年7月22日 省エネ・地域パートナーシップ 2024年8月21日 第2回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)閣僚会合 2024年8月~10月 酷暑乗り切り緊急支援 2024年9月6日 第12回原子力関係閣僚会議 2024年10月11日 第2回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合 2024年11月6日 むつ中間貯蔵施設 事業開始 2024年11月22日 国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策 (電気・ガス料金負担軽減支援、燃料 激変緩和) 2024年11月、12月 東北電力女川原子力発電所2号機(11月15日)、中国電力島根原子力発電所2号機(12月23日) 再稼働 2025年1月~3月 電気・ガス料金負担軽減支援 2025年2月6日 発電コスト検証に関するとりまとめ 2025年2月18日 第7次エネルギー基本計画・GX2040ビジョン・地球温暖化対策計画 閣議決定 エネルギーミックス 策定 2025年3月7日 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案 2025年3月31日 電力システム改革の検証結果と今後の方向性 施行 開始 立ち上げ 閣議決定 閣議決定 とりまとめ 45 主な関連施策 推進体制(主担当課室) 第7次エネルギー基本計画を踏まえた、S+3Eの実現に向けたエネルギー政策の推進 長官官房総務課 戦略企画室、需給政策室 アジア・ゼロエミッション共同体構想の実現をはじめとする国際展開戦略の推進 長官官房国際課 再生可能エネルギーの主力電源化に向けた政策の推進 省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課 省エネルギー、非化石転換・DRの推進などエネルギー需要側施策の推進 省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー課 水素・アンモニアの導入促進 省エネルギー・新エネルギー部水素・アンモニア課 系統用蓄電池・DRの導入促進 省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課 エネルギー資源の安定供給の確保 資源・燃料部政策課、資源開発課 石 ・石 ガスや、合成燃料・SAF等のカーボンニュートラル燃料を含む燃料の安定供 給の推進 資源・燃料部燃料供給基盤整備課、燃料流通政策室 CCS事業化に向けた取組やカーボンリサイクルの推進 資源・燃料部燃料環境適合利用推進課 安定供給とカーボンニュートラルの実現の両立に向けた電力・ガス市場の整備 電力・ガス事業部電力基盤整備課、電力産業・市場室、ガス市場整備室 原子力発電の活用 電力・ガス事業部原子力政策課 核燃料サイクル政策の推進 電力・ガス事業部原子力立地・核燃料サイクル産業課 最終処分の着実な進展 電力・ガス事業部放射性廃棄物対策課 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約1兆4828億円 【令和7年度当初予算】約5997億円 ※一般会計・特別会計の別なし。 【令和7年度税制改正】 ・低公害自動車に燃料を充てんするための設備に係る課税標準の特例措置の延長 ※ このほかに電力・ガス取引監視等委員会が、電気事業法等の関係法令の規定により与えられた権限の範囲で、自由化された電力・ガス市場における適正競争を促すため、 エネルギー政策の枠組みの中で独立性と専門性を持って電力・ガス取引の監視や行為規制を実施している。 46 政策テーマ:6.②脱炭素成長型経済構造への円滑な移行(GX)の推進 (政策評価軸:資源エネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保並びに脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進(2/2)) GXグループ長 伊藤 禎則 目標(ミッションステートメント) 2050 年カーボンニュートラルなどの国際公約達成と、我が国の産業競争力・経済成長の同時実現に向けて、GXを前倒し・加速化するため、 2032年度までの10年間で150 兆円超の官民GX投資を実現する。 主要な目標 目標1:2032年度までの10年間で150兆円超の官民GX投資を実現する。 目標2:2030 年度の温室効果ガス 46%削減等の排出削減目標(NDC)の達成や、2050 年カーボンニュートラル実現に向けた取組を推進する。 目標に対する評価と今後の対応 ・目標達成に向けた具体的方策についてGX実行会議等で議論。そうした議論を踏まえ、2025年2月にGXの取組の中長期的な見通しとして「GX2040ビジョン」を閣議決定した。 目標達成に向けて、この戦略に基づき、下記の各種施策を着実に実行中。 ・GX2040ビジョンで示した各政策の具体化に向けて、脱炭素電源や電力インフラから見て望ましい地域に新たな産業を集積させていく「GX産業立地」、また、電力と通 の 効果的な連携を行う「ワット・ビット連携」について、各局との連携のうえ推進中。 ・世界初の国によるトランジション・ボンドであるGX経済移行債を発行。また、GX推進機構が2024年7月債務保証や出資の金融支援業務を開始。 ・2023年末に分野別投資戦略を取りまとめ、GX経済移行債を活用した投資促進策を展開(戦略分野国内生産促進税制の創設を含む)。また、革新的技術の研究開発・実証か ら社会実装までを継続的に支援するグリーンイノベーション基金により、ペロブスカイト太陽電池や水素還元製鉄等の分野で世界トップレベルの技術開発が進展。分野別投 資戦略は2024年末に改定済。 ・成長志向型カーボンプライシングの具体化と資源循環の強化のため、「GX推進法及び資源法改正案」を第217回通常国会に提出し、成立。2026年度からの排出量取引制度 の本格稼働に向け、制度の具体的措置等を規定するとともに、再生材の利用に関する計画策定や実施状況の定期報告の義務づけ、環境配慮設計を推進するトップランナー 認定制度を創設した。 ・排出削減に積極的な企業群からなる「GXリーグ」では、700者超が参画し我が国の排出量の約6割をカバー。また製品の排出削減の指標であるGX価値について、見える化 や評価基準の国際標準化など、GX価値を持つ製品の需要創出・拡大のための市場環境整備に取り組む。 ・サーキュラーパートナーズ(CPs)において、製品・素材ごとの課題の抽出、資源循環のロードマップの策定などに向けて議論を行った。今後、具体的なアクションへ落と し込み、新たなユースケースも含めた情報流通プラットフォームの構築の進展を図るとともに、地域循環モデル構築に向けた実証・実装の取組を進める。 ・第2回AZEC首脳会合(2024年10月)で「今後の10年のアクションプラン」を採択。当該プランにそって排出量の見える化や質の高い炭素市場構築に関するルール形成を パートナー国と進めるための対話の枠組み(AZECーDCM)の立ち上げを調整。今後も当該ルール形成と個別プロジェクトの推進を車の両輪として進める。 ・他国・地域の炭素調整国境措置が過度に貿易制限的な措置とならないよう、課題認識を共有する国とも連携。今後も継続して対応していく。 ・民間企業のニーズが大きく、GHG排出削減のポテンシャルの大きな国とのJCM署名に向けた交渉等を実施。改訂温対計画(2025年2月)に盛り込まれた2040年までの2億ト ンのJCMクレジット獲得の達成に向けて引き続き取り組む。 ・引き続き、成長志向型カーボンプライシング構想をさらに具体化し、20 兆円規模の大胆な先行投資支援を実行する。合わせて、それらが新たな市場・需要の創出に効果的に つながるよう、規制・制度的措置を一体的に講じていく。 47 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標②:2030 年度の温室効果ガス46%削減等の排出削減目標(NDC)の達成 や2050 年カーボンニュートラル実現に向けた取組を推進する。 目標①:今後10年間で150兆円超の官民GX投資を実現する。 出典:GX基本方針参考資料 補足② : GXリーグの段階的発展(排出量カバレッジの推移) 補足①:トランジション・ファイナンスの推進 (億円) (民間におけるトランジションボンド/ローンの調達額の推移) 80,000 トランジション・ファイナンス サステナビリティ・リンク・ローン サステナビリティ・リンク・ボンド サステナビリティ・ボンド グリーンローン グリーンボンド 70,000 60,000 50,000 出典:環境省報道発表資料「2023年度の温室効果ガス排出量及び吸収量(概要)」より抜粋 60% トランジション ・ファイナンス 累計約2.2兆円 50% 40% 30% 40,000 ※:2024年12月時 点。各社公表情報 より経済産業省が 把握している情報 に基づく。 30,000 20,000 ※:本データは、 クライメート・ト ランジション・ボ ンドを除く。 10,000 0 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 20% 10% 0% 2023 ※ 2024年の排出実績については、25年中に集計 48 主要な目標及びその他目標の足元の動向 補足③:脱炭素に係る企業の取組の推進 (CN税制の事業適応計画認定の累計件数) 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 162 173 補足④:排出量削減に係る市場形成(Jクレジット累積認証量の推移) 175 104 34 2021 2022 2023 2024 2025 (年度) ※2025年度は現時点での数値 補足⑤:途上国等の排出削減への貢献と日本の排出削減への活用 (二国間クレジット制度(JCM)の累積排出削減・吸収見込み量の推移) 補足⑥:資源自律経済の確立 (2030年までのサーキュラーエコノミー関連市場規模、CO2排出削減量、最終処分 場の残余年数) 経済的目標 1億トン (地球温暖化対策計画の目標) <サーキュラーエコノミーの市場規模(日本政府試算)> 2020年 50兆円 2030年 80兆円 2050年 120兆円 社会的目標 ◆ GXへの貢献(CO2削減) 直近の日本の温室効果ガス全排出量11.49億トンCO2換算 のうち、廃棄物関係で4.13億トンCO2換算(36%)の削減 貢献余地。 ◆ 最終処分場逼迫の緩和への貢献 これまで主に廃棄物の燃焼(熱回収)を通じて解消してきた 最終処分場の逼迫を、資源循環を通じてGXと両立しながら 解消。 (残余年数) 1995年 2019年 一般廃棄物 8.5年 → 21.4年 産業廃棄物 3年 → 16.8年 (注)JCM資金支援事業の採択済み案件の、採択時の見込み値に基づく、2030年までの累積排出削減・吸収見込み量。 49 主要な目標及びその他目標の足元の動向 補足⑦:10年で20兆円規模の政府によるGX投資の推進(GX経済移行債による投資促進策) 50 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年7月30日 第1回 2024年8月21日 第2回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)閣僚会合 2024年10月11日 第2回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合 2024年12月18日 クライメート・トランジション・ボンドの資金充当レポート(令和5年度分)を策定 2024年12月26日 第14回GX実行会議で「分野別投資戦略」を改定 2024年12月27日 第2回 2025年2月18日 第7次エネルギー基本計画、GX2040ビジョン、地球温暖化対策計画 閣議決定 2025年2月25日 「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」閣議決定 2025年5月28日 「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」成立 循環経済に関する関係閣僚会議 循環経済に関する関係閣僚会議 51 主な関連施策 推進体制(主担当課室) 【GX経済移行債の発行、トランジション・ファイナンスを通じた官民GX投資の推進】 ・2023年度から10年間で、20兆円規模のGX経済移行債の発行を通じた政府支援を実施。 ・トランジションボンド/ローンの調達額増や国際認証を通じたトランジション・ファイナンスの推進。 ・GX推進機構による債務保証や出資の金融支援を通じたブレンデッド・ファイナンスを推進。 ・GI基金を通じた、企業による革新的技術の研究開発から実証及び社会実装に向けた取組への支援を実施。 【脱炭素価値の需要開拓】 ・成長志向型カーボンプライシング構想の具体化:より炭素排出の少ない形で生産された製品の付加価値を向上すべく、化石燃料賦 課金、排出権取引の有償オークションの導入に向けた具体的検討(法改正含む)。 ・カーボン・クレジット市場の活性化(Jクレジット累積認証量の拡大等)。 環境金融室、脱炭素成長型経済構造 移行投資促進課、エネルギー・環境 イノベーション戦略室 【脱炭素に向けた産業界の取組の推進】 ・GXリーグの段階的発展(参加企業数の拡大及び参加企業によるコミットメントの強化) ・エネルギー利用に係る環境負荷を低減させる事業適応計画の認定及び税制等による関連投資支援 ・カーボンフットプリントの算定・表示・公表の推進(CFPレポートの作成及び公共調達への反映に関す る検討) ・GX価値の見える化や評価基準の国際標準化等に向けた検討。 【国際ルール形成等】 ・二国間クレジット制度(JCM)等を通じた国際協力の拡大 ・COP等の国際会議やAZEC等の国際枠組みを活用した、温暖化対策に係る日本の貢献(海外の産業脱炭素化及びそれを通じた削減貢 献、技術協力及び日本の技術発 、適応ビジネスの海外展開等)に係る案件の組成及び発 環境経済室、GX推進企画室 【成長志向型の資源自律経済の確立】 ・「サーキュラーパートナーズ(CPs)」において、製品・素材ごとの課題の抽出、資源循環のロードマップの策定などに向けた議論 ・トレーサビリティ確保のためのデータ流通を促す情報流通プラットフォームの検討・構築 ・地域特性を踏まえた地域循環モデルの構築支援 ・「資源循環経済小委員会」において、成長志向型の資源自律経済戦略の実現に向けた制度見直しに関するとりまとめを実施。 資源循環経済課 環境経済室、GX推進企画室 地球環境対策室 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】約5,334億円(国庫債務負担行為含め、約7,059億円) ※GX投資促進等を目的とした他局執行予算を含む 【令和7年当初予算】約6,839億円(国庫債務負担行為含め、約1兆6,682億円)※GX投資促進等を目的とした他局執行予算を含む 52 政策テーマ:7.中小企業の発展 (政策評価軸:中小企業の発展(1/1)) 中小企業庁長官 山下 隆一 目標(ミッションステートメント) 日本経済がデフレ構造から新しい経済ステージに移行する正念場において、企業数全体の99.7%、従業者数の7割、付加価値の過半を占める中小企業・ 小規模事業者の果たす役割は極めて大きい。このため、①物価高、人手不足等の厳しい経営環境への対応を進めるとともに、②成長分野等への挑戦に向 けた投資の促進、③創業・事業承継を通じた挑戦・自己変革の推進、④中小企業・小規模事業者への伴走支援・地域課題解決に向けた取組等を進めるこ とにより、中小企業・小規模事業者の挑戦・成長を後押しする。 主要な目標 目標1:中小企業の従業員一人当たりの付加価値額を2020年から5年間(2025年まで)で5%向上させる 目標2:中小企業の全要素生産性(技術進歩、イノベーション等の合計を表す指標)を2020年から5年間(2025年まで)で5%向上させる 目標3:中堅企業へ成長する企業数を年400社以上とする。※「中堅企業」とは、中小企業を卒業した企業であり、常時使用する従業員の数が2,000人以下の会社等(中小 企業者を除く)。 目標4:海外への直接輸出または直接投資を行う中小企業の比率を2020年から5年間(2025年まで)で10%向上させる 目標5:開業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指す 目標に対する評価と今後の対応 • 多くの中小企業・小規模事業者は、物価高、人手不足等の課題に直面。このため急激な環境変化に対応するための資金繰り支援や価格転嫁対策を通じて経営を支えるとと もに、人手不足に対応するための省力化投資をはじめとする生産性向上を支援してきた。 • 今、日本経済が潮目の変化を迎える中で、中小企業・小規模事業者においても大胆な賃上げとその継続が求められており、このためには「稼ぐ力」を高めることが重要。 ①持続的賃上げ実現に向けた中小企業の成長・生産性向上・省力化投資支援(売上高100億企業創出、省力化支援、研究開発支援等) ②物価高、人手不足等の厳しい経営環境への対応(価格転嫁対策、資金繰り支援、取引適正化の推進、省力化支援等) ③小規模事業者支援、災害からの早期復旧支援(小規模事業者の持続的発展、被災地域の施設復旧等の支援等) ④事業承継、再編等を通じた変革の推進(事業承継の円滑化、再編等を契機とした生産性向上・成長支援) ⑤中小企業・小規模事業者の活性化、地域課題解決に向けた取組支援の推進(多様な経営課題を抱える中小企業・小規模事業者への伴走・経営支援、地域課題解決に向けた 取組の支援) 等の施策を講じていく。 ・また、特に構造転換を促進すべく、引き続き、売上高100億円を目指す企業など成長志向の中小企業の後押しを強化する。 53 主要な目標及びその他目標の足元の動向 目標1:中小企業の従業員一人当たりの付加価値額を2020年から5年間(2025年まで) で5%向上 従業員一人当たりの付加価値額 580 (従業員1人当たり付加価値額=労働生産性、万円/人) 10.00 目標 +5.0% 560 全要素生産性 (全要素生産性、2020年度比、%) 14 8.00 +6.7% +4.5% 540 目標2:中小企業の全要素生産性を2020年から5年間(2025年まで)で5%向上 6.00 基準年 4.00 +0.0% +1.4% 520 2.00 12 9.28 10 6.61 8 6 4 2 0 500 0.00 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 25 年 資料:財務省「法人企業統計」を基に作成。%表記は2020年度を基準として水準を比較したもの。 目標3:中堅企業へ成長する企業数を年400社以上とする 目標5:開業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指す 中小企業から中堅企業に成長する企業の推移 450 16.0 (成長企業数、社) 目標 400 社 356 338 350 315 278 (開業率、%) 日本 14.0 400 300 資料:財務省「法人企業統計調査」を基に作成。 328 308 316 目標 10.0% 米国 12.0 英国 10.0 314 8.0 292 314 263 6.0 286 250 4.0 200 2.0 3.9% 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 年 資料:中小企業庁「令和6年度中小企業実態調査事業(中小企業からの卒業企業数に関する調査事業)」を基に作成。 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 年 資料:厚生労働省「雇用保険事業年報」、United States Census Bureau「The Business Dynamics Statistics」、英国国家統計局「Business demography」を基に作成。 54 令和6年度の政策テーマに関する主な動き 時期 出来事 2024年6月28日 中小企業の成長経営の実現に向けた研究会 2024年8月30日 中小M&Aガイドライン 2024年9月2日 中小企業政策審議会「今後の中小企業経営への提言及び中小企業政策の方向性」取りまとめ 2025年1月16日 価格転嫁、賃上げ等のチャレンジを進める中小企業を応援する総理車座 2025年2月21日 中小企業成長支援(「100億宣言」など)開始 2025年2月21日 第6回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議 2025年3月17日 第2回挑戦する中小企業の経営改善・再生支援強化会議 2025年3月25日 小規模企業振興基本計画(第Ⅲ期) 閣議決定 2025年3月11日 「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」閣議決定 2025年3月31日 「中小企業事業継続力強化計画制度研究会」取りまとめ 公表 2025年3月31日 「地域の経営支援力強化に向けたよろず支援拠点のあり方検討会」報告書 公表 2025年4月18日 第14回中小企業政策審議会金融小委員会 2025年5月23日 「中小企業の成長のためのイノベーション研究会」 中間取りまとめ 2025年5月16日 「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」 2025年5月26日 第43回中小企業政策審議会総会 中間報告書 公表 改訂 公表 成立 55 主な関連施策 推進体制(主担当課室) ①持続的賃上げ実現に向けた中小企業の成長・生産性向上・省力化投資支援 ➢ 中小企業・小規模事業者等の飛躍的成長、規模拡大、新事業進出・事業転換、生産性向上・省力化等の投 資の促進 ➢ 「新規輸出1万者支援プログラム」を通じた輸出実現、成長志向の中小企業の恒常的な創出・拡大 等 企画課、支援課、技術・経営革新室、生産性向上支援室、 小規模企業振興課、財務課、海外展開支援室等 ②物価高、人手不足等の厳しい経営環境への対応 ➢ 価格交渉促進月間・改正下請法(現・取適法)の執行強化等を通じた取引適正化の推進、物価高などの厳 しい事業環境に対応する中小企業・小規模事業者への資金繰り支援、構造的な人手不足への省力化投資支 援等 企画課、取引課、金融課、技術・経営革新室等 ③小規模事業者支援、災害からの早期復旧支援 ➢ 多様な経営課題を抱える小規模事業者への支援、災害からの早期復旧等の支援 小規模企業振興課、商業課等 ④事業承継、再編等を通じた変革の推進 ➢ 事業承継、再編等の促進に向けた支援体制の構築 財務課 ⑤中小企業・小規模事業者の活性化、地域課題解決に向けた取組支援の推進 ➢ 伴走・経営支援、ビジネスを通じた地域課題解決を図るローカル・ゼブラ企業の取組・支援の後押し 経営支援課、小規模企業振興課、商業課等 関連する予算、税制等の全体像 【令和6年度補正予算】5,601億円 【令和7年度当初予算】1,080億円 【令和7年度税制改正】中小企業経営強化税制(拡充・延長)、中小企業投資促進税制(延長)、固定資産税の特例措置(拡充・延長)、法人税軽減税率(延長)、中小企業 防災・減災投資促進税制(延長)等。 56

資料8

資料5 産業技術総合研究所 量子・AI 融合技術ビジネス開発グローバル研究センター センター長 益 一哉 2025 年 7 月 29 日開催「産業構造審議会 総会」に欠席いたしますが、下記のとお りコメントさせていただきます。よろしくお願いします。 ==================== 大学において長年半導体集積回路の研究開発に従事し、現在産総研量子・AI 融合技 術ビジネス開発グローバル研究センターにおいて量子コンピュータや量子技術の産 業展開に従事している立場から、資料3・第3頁について以下の4点をコメントしま す。 1. 大学と国研の連携によるイノベーション・エコシステムの形成 資料3・第3頁に示された「持続的なイノベーション創出に向けたエコシステ ム形成」は、日本の中長期的な競争力を左右する極めて重要な視点である。中で も、大学の知を活用した戦略的重点分野の研究開発と、その成果の産業化は不可 欠である。 「成長する大学」への集中支援は重要な政策であるが、大学単独では限 界があり、国立研究開発法人、特に産業技術総合研究所(産総研)との連携を視 野に入れた政策推進が求められる。大学と国研が協働することで、基礎研究から 応用・実装への橋渡しが強化され、社会実装のスピードと質の向上が期待できる。 2. 時間軸を意識した政策設計と量子技術の明示的な位置づけ 技術分野ごとの時間軸を踏まえた政策形成が不可欠である。半導体や AI は短 期的な対応が必要な分野である一方、量子技術は中長期的課題ではあるが、将来 的に既存の産業構造を根本から変革し得る技術である。このため、政策提言や戦 略文書において「量子」というキーワードが抜け落ちることのないよう、常に明 示的に取り上げていただきたい。 3. 急速な技術進歩と政府の継続的な投資姿勢の重要性 現在もなお、産業界の一部には「2nm はまだ先である」「量子コンピュータは 1 / 2 将来が見えない」といった見方が残っていると聞く。しかし、技術進歩の速度は 加速しており、基礎科学とビジネスの境界が曖昧な中で、研究と事業化が同時並 行的に進んでいるのが現実である。こうした時代にあっては、産官学が共通認識 を持つとともに、政府や経産省は、将来を見据えた継続的かつ戦略的な投資を行 い続けるという強い意志を内外に示し続けていただきたい。途中でやめないとい う意思が重要である。 4. 省庁横断的な取組への評価と今後への期待 先端半導体に関わる研究開発や人材育成を巡って、経済産業省と文部科学省が 連携し、省庁横断的な取組を進めている点は高く評価している。今後の先端・エ マージング技術に関する政策推進においても、縦割りの壁を越えた協働が不可欠 である。制度や文化の壁を乗り越えて取り組む関係者の努力に敬意を表するとと もに、こうした挑戦を持続的に支援する仕組みの整備が求められる。 以上 2 / 2

資料10

参考資料1 産業構造審議会 活動報告書 令和7年7月 29 日 目 次 Ⅰ活動概要 現在の組織 ……………………………………………………………………3 開催状況 ………………………………………………………………………3 答申・報告書等 ………………………………………………………………3 Ⅱ 組織の変更 組織図 …………………………………………………………………………5 Ⅲ 答申・報告書等 審査品質管理小委員会…………………………………………………………7 通商貿易分科会…………………………………………………………………8 不公正貿易政策・措置調査小委員会…………………………………………10 イノベーション小委員会………………………………………………………11 流通小委員会……………………………………………………………………12 伝統的工芸品指定小委員会……………………………………………………13 化学物質政策小委員会…………………………………………………………14 経済産業政策新機軸部会………………………………………………………15 事業再構築小委員会……………………………………………………………17 価値創造経営小委員会…………………………………………………………18 経営力向上部会…………………………………………………………………20 1 I 活動概要 2 活動概要 本活動報告書は、令和6年7月から令和7年6月までの産業構造審議会にお ける活動を取りまとめたものである。 活動報告書は、令和7年7月1日以降の組織図に合わせて記載している。 現在の組織 産業構造審議会は令和6年7月から令和7年6月にかけて、4つの小委員会 を設置、1 つの小委員会を廃止し、7つのワーキンググループを新設、2つのワ ーキンググループを廃止し、令和7年6月末現在、3の部会、7の分科会、44 の 小委員会、24 のワーキンググループによって構成されている。 開催状況 令和6年7月から令和7年6月にかけて、総会1回、部会8回、分科会 10 回、 小委員会 71 回、ワーキンググループ 58 回、総計 148 回開催しており、開催 状況・議事要旨を、経済産業省のホームページにおいて公開している。 答申・報告書等 令和6年7月から令和7年6月にかけて、総計 11 件の答申・報告書等を取り まとめており、経済産業省のホームページにおいて公開している。 3 Ⅱ 組織の変遷 4 5 Ⅲ 答申・報告書等 6 知的財産分科会 「令和6年度審査品質管理小委員会報告書」 審査品質管理小委員会(令和7年3月) 報告書の概要 令和6年度の特許庁の審査品質管理の実施体制及び実施状況について評価し、改善点についての 検討を行った結果を報告書として取りまとめた。 (1)特許庁における審査品質管理の取組の概要 特許庁における審査品質管理の取組の概要をまとめた。 (2)審査品質管理の実施体制・実施状況に関する評価結果 審査品質管理の実施体制・実施状況に関する評価を、本小委員会で策定した「審査品質管理 に関する評価項目及び評価基準」に基づいて行い、その結果を取りまとめた。 (3)審査品質管理の実施体制・実施状況に関する改善提言 審査品質管理の実施体制・実施状況に関する評価を通じて得られた、審査品質管理の実施体 制・実施状況に関して改善が期待される事項について審議し、本小委員会の改善提言として 取りまとめた。 7 通商・貿易分科会 「通商戦略 2025」 通商貿易分科会(令和7年 6 月) 戦略の概要 令和7年4月から同年6月にかけて、第 12 回及び 13 回通商・貿易分科会を開催し、昨今の国際 情勢を踏まえた、国際経済秩序の再構築等に関する課題について、議論を実施。 国際経済秩序の揺らぎへの対応、保護主義が進む中での自律性・不可欠性の確保といった要請に 応えつつ、グローバルサウスを巡る競争の激化、DX・GX の進展の中で、輸出・海外投資を通じて、 海外市場を開拓し、日本の付加価値を最大化していくための取組が求められる中、我が国の通商政 策の方向性についての通商戦略を取りまとめた。対応の大きな方向性は以下の3点。 1.対応の方向性 (1)保護主義の台頭を踏まえた国際経済秩序の揺らぎへの対応  国際経済秩序の再構築を目指して、 保護主義の台頭に適応した「公正で自由なルール」を追 求し、多層的な経済外交を展開していく。 主要施策例) ➢ Win-Win の二国間関係の積み上げ ➢ イシューに応じた同志国との連携・共創(AZEC での脱炭素化、G7 での経済安保連携) ➢ 国際経済秩序の維持・強化・再構築(CPTPP の拡大、EPA・投資協定の拡大、秩序の再構 築に向けた検討、WTO の機能回復・強化) ➢ グローバルサウス諸国との関係強化(地域・国別戦略) ➢ 国際情勢に関するインテリジェンス機能の強化 (2)付加価値の最大化に向けた海外活力の取り込み  輸出市場の確保・多角化やグローバルサウスとの共創など、日本企業の海外展開を支援 主要施策例) ➢ ルール・環境整備(経済外交の推進、貿易手続のデジタル化、諸外国のルール整備に向 けた働きかけ、標準化、模倣品対策) ➢ グローバルサウス市場の獲得(マスタープラン策定・実証支援、貿易保険事業の財務基 盤強化、人材育成・交流) ➢ サービス輸出・海外展開の政策支援の強化(欧米等との連携、コンテンツ輸出支援) ➢ 中堅・中小企業の輸出・海外展開支援の強化(新規輸出1万者支援プログラム、民間の 支援ビジネス、高度外国人材採用支援、知財活用支援) ➢ 高度外国人材の獲得(研究者の受け入れ促進) (3)自律性・不可欠性の確保に向けた内外一体の取組  サプライチェーンに関する同志国との協調や経済安保確保に向けた海外展開支援など、内外 一体に取組を推進 主要施策例) ➢ 同志国間での国際協調・連携の推進と国内施策の検討(非価格基準、規制的アプロー チ、人権) 8 ➢ ➢ 有事の対応も含めた国際協力枠組みの拡大(多国間、二国間) インド太平洋を中心とした同志国との Run Faster パートナーシップの推進 ➢ サプライチェーン強靱化や我が国不可欠性によるグローバルな社会課題の解決に資す る日本企業の海外展開支援(実証支援) エネルギー・鉱物資源の権益確保・調達先多角化の推進(資源外交、JOGMEC、NEXI) ➢ 2.中長期的な検討課題等 上記の対応の方向性について、今後の環境変化の中で取組の方向性が変化していくことも考えら れるため、関係省庁、企業等と綿密にコミュニケーションを図り、方向性のアップデートの必要性 を随時検討しながら、取組を着実に進めていく。 9 「2025 年版不公正貿易報告書」 不公正貿易政策・措置調査小委員会(令和7年6月) 報告書の概要 世界貿易機関(WTO)協定をはじめとする国際ルールに照らして、我が国の主要貿易相手国・地 域が採用している貿易政策・措置の問題点を明らかにし、撤廃や改善を促すことを主たる目的とし ている。 (1)第一部 第一部においては、22 ヶ国・地域の約 150 件の貿易政策や措置を取り上げ、問題点の改善に 向けての政府の取組や最近の動向についてまとめている。なお、2025 年版では、新規案件として 以下 2 件の政策・措置を指摘している。 ① EU:日本製熱延鋼板に対する AD 調査 ② 南アフリカ:熱延鋼板類に対する暫定セーフガード措置・対日 AD 調査 (2)第二部 第二部においては、第一部で挙げた問題点の指摘の根拠となる WTO 協定と主要ケースに関する 解説を行っている。なお、2025 年版の第二部では、以下6件の特集記事を記載している。 ① 企業のサプライチェーンと人権・環境問題 ② 過剰生産能力問題を巡る現状と対応~公平な競争条件(LPF)の確保に向けて~ ③ 越境補助金を巡る動き ④ EU の外国補助金規則を巡る動向 ⑤ WTO 上級委員会を巡る動向 ⑥ 貿易関連の気候変動対策措置(TrCMs)を巡る最近の議論と日本の取組 (3)第三部 第三部においては、WTO 協定を補完する新たな国際ルールとして、経済連携協定及び投資協定 について、体系的な解説を行っている。 10 イノベーション・環境分科会 「イノベーション小委員会中間とりまとめ~『科学とビジネスの近接化』時代のイノベーション政 策~」 イノベーション小委員会(令和7年4月) 中間取りまとめの概要 科学に対して官民が巨額の資本を投下し、科学からビジネスに至るまでのスピードが加速してい る「科学とビジネスの近接化」の時代にあって、研究開発はグローバル化し、イノベーション拠点 の誘致競争が世界各国で起こっている。そのような中、相対的に科学力が低迷している我が国はい かに国際競争に立ち向かうか、そのために政府、企業、大学、国立研究開発法人は何をすべきかと いう観点で議論を行い、提言として中間とりまとめ~「科学とビジネスの近接化」時代のイノベー ション政策~を発表した。 ポイント (1)重要技術領域の特定と一気通貫支援 「科学とビジネスの近接化」による必要投資の大規模化や、ビジネスに至るまでのスピードの加 速に対応するためには研究開発、ビジネス化等に関する政策を個別に講じるのではなく、有機的に 連動させていくことが不可欠となる。そこで、我が国にとって戦略的に重要な技術領域を特定し、 人材育成から研究開発、拠点形成、設備投資、スタートアップ支援、ルール形成等の政策を総動員 して一気通貫で支援する体系を構築し、民間の投資を呼び込んでいく。 (2)大学等の高度な研究・教育と戦略的投資の好循環の実現 文科省と連携し、産学官連携の大型化・国際化やスタートアップの活性化等を通じ、大学の強い シーズや人材を、社会価値の創造に繋げ、その貢献に応じた収入を、戦略的に次の研究・教育に再 投資できる柔軟な経営を目指す。また、世界で競い成長を目指す大学としての経営を可能にするた め、柔軟な会計制度や大学本部の資金・裁量確保等に向けて各大学が検討すべき事項への対応方針 の提示を行う。また、海外大学・企業との連携も推進する。 (3)アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成 エコシステムの「裾野」の拡大に加えて、「高さ」の創出と「継続」に重点を置く。また、成長 資金の供給、M&A の促進、グローバル・エコシステムの連結強化、ディープテックの成長、地域エ コシステムの形成により、持続的に発展するエコシステムの本格的な形成を目指す。 (4)デジタル化・グローバル化・コーポレートガバナンスへの対応 企業では、取締役会の監督機能の向上に加え、ファイナンス、人事、DX などの分野でグローバル 水準の経営執行能力が求められるとともに、適切に企業の価値創造ストーリーを資本市場に伝える ことが必要。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すために、コーポレートガバナン ス・コードやスチュワードシップ・コードの実質化に向けた社会システムの構築について改めて検 討を行う。 11 商務流通情報分科会 「産業構造審議会 商務流通情報分科会 流通小委員会・交通政策審議会 交通体系分科会 物流部 会・食料・農業・農村政策審議会 食料産業部会 物流小委員会 合同会議 とりまとめ」 (令和6年 11 月) とりまとめの概要 「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正す る法律」 (令和6年法律第 23 号。以下「物流改正法」という。)が第 213 回国会に提出され、国会 での審議を経て令和6年4月に成立し、同年5月 15 日に公布された。物流改正法による改正後の 物資の流通の効率化に関する法律(平成 17 年法律第 85 号。以下「改正物流効率化法」という。) の施行に向けては、改正物流効率化法に基づく政令、省令、告示等において基本方針、判断基準、 特定事業者の指定基準等を定める必要があるところ、令和6年6月から令和6年 11 月にかけて、 国土交通省における交通政策審議会交通体系分科会物流部会、経済産業省における産業構造審議会 商務流通情報分科会流通小委員会、農林水産省における食料・農業・農村政策審議会食料産業部会 物流小委員会の合同会議にて、各種業界団体からのヒアリングやパブリックコメントを行いつつ、 基本方針、判断基準、特定事業者の指定基準等の内容について審議し、以下の内容に関する取りま とめを行った。 (1)公布の日から1年以内に施行される規定関係 ① 基本方針について ② 荷主・物流事業者等の判断基準等について ③ 荷主等の取組状況に関する調査・公表について ④ 「荷待ち時間」と「荷役等時間」の算定方法について ⑤ 物流に関係する事業者等の責務について (2)公布の日から2年以内に施行される規定関係 ① 特定事業者の指定基準等について ② 中長期計画・定期報告の記載事項について ③ 物流統括管理者(CLO)の業務内容について ④ 荷主・物流事業者等の物流改善の評価・公表について ⑤ その他 12 「伝統的工芸品の指定に係る答申について」 伝統的工芸品指定小委員会(令和6年8月) 答申の概要 伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づく伝統的工芸品の指定品目に「佐渡無名異焼(さど むみょういやき)」及び「いずみガラス」を追加することについて了承した。 (1)「佐渡無名異焼」(佐渡無名異焼の会) 江戸時代に技法が確立した焼き物。無名異土と呼ばれる鉱山の坑内から産出される酸化鉄を含ん だ赤土の粘土を使って焼成したもので、他の陶土より粒子が細かく、収縮率が大きいことが特徴。 成型から乾燥まで約3割も収縮し非常に固く焼き締まるため、成形に高い技術が必要。 現在も伝統的な技法が継承されており、11 事業者、26 名の従事者がいる。 焼成により収縮する様子 (2)「いずみガラス」(日本人造真珠硝子細貨工業組合) 「いずみガラス」とは、19 世紀後半に技術が伝来し、20 世紀初頭に技法が確立したガラス製品 製造技術である。軟質ガラスが素材のため融点が低く、灯油ランプによるランプワークでの製造が 特徴で、温度の調整幅が広いことから豊富なカラーバリエーションを実現できることが特徴。ガラ スを巻き取って成形するため、職人の技術が問われる。現在も伝統的な技法が継承されており、82 名の従事者がいる。 本工芸品の指定により、伝統的工芸品は 243 品目となった。 13 保安・消費生活用製品安全分科会 「化学物質審査規制法の平成 29 年改正の施行状況の評価及び今後の化学物質対策の在り方につ いて」 化学物質政策小委員会 制度構築ワーキンググループ(令和7年6月) 報告書の概要 産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会化学物質政策小委員会制度構築ワーキンググル ープ(※)では、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律(以下、 「平 成 29 年改正化審法」という。)の全面施行から5年を経過したことを受け、平成 29 年改正化審法 に係る施行状況等について点検・評価を行うとともに、化学物質管理に関する昨今の国内外の状況 を踏まえた検討課題を整理し、その対応について議論を行った。 ※厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会化学物質審査等検討小委員会、中央環境審議会環境保健 部会化学物質対策小委員会との合同開催。 (1)平成 29 年改正化審法の施行状況等について 平成 29 年改正化審法では、新規化学物質の審査特例制度における全国数量上限値を「製造・ 輸入数量」から製造・輸入数量と用途に応じた排出係数から算出される「環境排出量ベース」 に変更し、また、一般化学物質に分類される化学物質のうち、毒性が強いものを「特定一般化 学物質」とし事業者に適切な取扱いを求める所用の措置を創設した。 いずれの改正事項及び付帯決議で指摘された事項について、おおむね順調に施行されている と評価された。 (2)主な検討課題について 現行制度の効率化・高度化に関しては、リスク評価の更なる効率化・実効性の向上のための 更なる取組について議論を行った。また、循環経済への対応が進む中、将来的なリサイクルを 見据えた安全性の確保のための取組を進めることが重要であり、化学物質管理の観点でも、資 源循環を想定した施策を検討することが必要との考え方に基づき、課題の分析をした上で、運 用改善の検討の必要性について提案がなされた。 その他、「化学物質に関するグローバル枠組み(Global Framework on Chemicals)」の考え 方に基づく「より安全な代替の開発」を促進するための制度的なインセンティブの検討につい ても提案がなされた。 14 経済産業政策新機軸部会 「経済産業政策新機軸部会第4次中間整理」 経済産業政策新機軸部会(令和7年6月) 中間整理の概要 ⚫ 令和3年以来、 「経済産業政策の新機軸」として、官が主導する伝統的産業政策でも、官が民を 邪魔しないことに徹する新自由主義的政策でもない、社会・経済課題解決に向けて、官も民も 一歩前に出て、あらゆる政策を総動員するアプローチで産業政策を強化する姿勢に転換。 ⚫ 具体的には、①「ミッション志向の産業政策(8分野)」と「社会基盤(OS)の組換え(4分 野)」という枠組みの下で、少なくとも5~10 年といった中長期的に継続させ、②大規模・長 ⚫ ⚫ ⚫ 期・計画的に、予算・税制・規制・標準化等のあらゆる政策を総動員することで、 「国内投資の 拡大、イノベーションの加速、国民の所得向上」の3つの好循環を実現すべく検討を進めてき た。令和3年 11 月以来、計 28 回の部会を開催し、令和7年6月には第4次中間整理をとりま とめた。 第4次中間整理においては、まず、国内投資と賃金において、国内外の社会的マクロ環境の変 化・政府の積極的な産業政策の効果もあいまって「潮目の変化」が起きており、昨年を上回る 水準で継続していることを指摘。他方で、足下、生産・消費が継続的に上向いているわけでは なく、さらに、米国関税措置が日本及び世 界経済、ひいては国際秩序に構造的な変化をもたら す可能性があり、継続的に上向く成長軌道に到達できるか否かの正念場であるという認識を示 した。 そのため、足下の喫緊の課題としての物価高・人手不足や米国関税措置等に機動的に対応す るとともに、中長期的に実質賃金を持続的に上昇させる上で重要な、交易条件改善に向けた高 付加価値化に資する成長投資を促進していくことが必要であることを示した。 こうした課題を乗り越え、30 年続いたコストカット型の縮み思考から、賃上げと投資が牽引 する成長思考に転換するためには、人口減少等を理由とした日本国内の根強い将来悲観を払拭 する必要がある。日本の国民性は長期性を重視し、不確実性を回避しようとする傾向が強いこ とから、合理的に実現可能な明るい将来見通しを共通認識とし、企業・国民・政府にとっての 予見可能性を高めることが重要であるとの考えのもと、第3次中間整理でまとめた定性的なシ ナリオを精緻化したシナリオ集を作成し、更にそれを経済モデルを用いて、2040 年の GDP 等や 産業構造等について定量的な推計を、経済産業研究所(RIETI)と共同で行った。 推計の結果、 「2040 年度国内投資 200 兆円」という官民の国内投資目標が実現した場合、GDP は 名目約 1000 兆円となり、賃金は足下の賃上げ水準が持続し実質+1.3%/年で上昇するという 結果が得られた。また、こうした絵姿の実現に当たっては、研究開発やソフトウェア等の次世 代型投資が拡大していくこと、下記の3つの産業構造転換が必要であることも示した。 <3つの産業構造転換> ① 製造業 X(エックス) :製造業がGX・フロンティア技術による差別化や、DXやメンテナ ンス等のサービス化等によって高付加価値化。社会を変革する製造業へ。 ② 情報通信・専門サービス業の成長産業化:製造業の高付加価値化、サービス業の省力化等 の新需要を開拓し、他産業を上回る賃上げが可能に。 ③ アドバンスト・エッセンシャルサービス業:省力化・デジタル化を使いこなし生産性向上、 15 ⚫ ⚫ 他産業に追いつくような賃金上昇で中間層の受け皿に。 その上で、上述の定量化の結果と足下の経済情勢を踏まえ、必要となる高付加価値化に向けた 成長投資を拡大させるため、経済産業政策として特に取り組むべき政策の方向性を下記のとお り示し、主要施策案を提示した。 ① 新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革 ② 物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業 ③ 成長投資を実現する経済基盤(エネルギー、通商等)の強化 さらに、8つのミッションと4つのOSそれぞれについて、①第2次中間整理で設定した長期 的目標、②第3次中間整理以降取り組んできた施策の進捗状況、③今後検討が必要となる施策 を提示した。 16 「事業再構築小委員会報告書-早期での事業再生の円滑化に向けて-」 事業再構築小委員会(令和7年2月) 報告書の概要 令和6年6月に、産業構造審議会経済産業政策新機軸部会の下に、「事業再構築小委員会」を設 置し、小委員会を6回開催、令和7年2月に、報告書を取りまとめた。 本報告書では、日本企業の債務残高や倒産件数が増加する中、事業者が早期での事業再生に取り 組める制度基盤を整備する観点から、金融債権者の多数決と裁判所の認可により、金融債務の整理 を可能とする法制の整備に向けた検討を取りまとめた。 (1)第1部 総論(早期での事業再生を図るための事業者の債務整理の重要性) 第1部では、日本企業の債務残高や倒産件数の増加といった事業再生に係る経済動向について 触れた上で、現行の事業再生に係る制度として、民事再生法等の法的整理手続と事業再生 ADR 等 の私的整理手続、それぞれの概要とその課題を比較した。また、ドイツやフランス、イギリスに おいて、倒産処理手続とは別個の倒産前手続として存在する、全ての貸し手の同意を必要とせず、 裁判所の認可の下で多数決により特定の債権の権利変更を行う制度の状況についてまとめた。 その上で、新たな制度の方向性として、経済的に窮境に陥るおそれのある段階(倒産前の状態) の事業者について、公平中立的な第三者機関(指定法人)と裁判所が関与して手続の透明性・公 正性の両方を担保しつつ、(直接の商取引に影響しない)金融債務の整理を迅速に行うことで、 早期での事業再生を円滑に行うことができる制度の概要を示した上で、制度の正当性及び既存の 制度との関係を踏まえた制度の位置付けについて取りまとめた。 (2)第2部 各論(新たな制度の方向性) 第2部では、第1部で示された新たな制度について、以下の個別論点について整理した。 ① 対象事業者 ② 対象債権 ③ 新たな制度の利用要件 ④ 一時停止 ⑤ 対象債権者集会における決議 ⑥ 裁判所による対象債権者集会の決議の認可手続 ⑦ 指定法人 ⑧ その他 17 「価値創造経営小委員会中間報告~企業の成長戦略を中心とする社会システム・政策体系の構築 に向けて~」 価値創造経営小委員会(令和7年5月) 中間報告の概要 産業構造審議会経済産業政策新機軸部会の下に、「価値創造経営小委員会」を設置し、令和7年 2月から小委員会を4回開催、「企業の成長戦略を中心とする社会システム」の構築に向けて、企 業の成長戦略の構築・実行の支障となる社会システムの課題とその解決のための政策検討の方向 性を議論し、同年5月に中間報告をとりまとめた。 ●コストカット型経済から賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指す中で、日本企業※ 1 の多くが成長戦略を実行できない背景には、企業自身の努力はもとより、企業のリスクテイク を阻む様々な問題が、社会システムの中に存在しているのではないかという問題意識の下、企業 がリスクをとって持続的な成長を目指していく「攻めの経営」、すなわち、中長期目線の成長戦 略によって成長期待を集め、事業ポートフォリオを最適化した上で、積極的な成長投資を実践す る経営に踏み出せるよう、 「企業の成長戦略を中心とする社会システム※2」を構築していくため の課題について整理した。 ※1 本小委員会では主に上場企業を想定 ※2 「企業の成長戦略を中心とする社会システム」とは、資本・金融市場や労働市場、政府(政策体系)が、 企業の成長戦略の実行を後押しするようデザインされ、企業が生み出す付加価値が、従業員や経営陣、 株主といった価値創造に貢献した主体に適切に還元されることで、企業が持続的に価値創造できる社会 システム ●「企業の成長戦略を中心とする社会システム」の実現に向けた「政策検討の方向性」を整理する にあたり、資本収益性(ROE、ROIC 等)と成長期待(PBR、PER 等)の2軸で上場企業全体を 企業群①~④の4つの象限に分類した上で、企業が資本収益性や成長期待のより高いポジション へ移行しようとする際に優先順位が高いと思われる有効な企業の打ち手と、その打ち手の実行の 支障となる社会システムの課題を「価値創造マップ」として整理した(図1)。 ●具体的には、全経路共通の課題として、コーポレートガバナンスの実質化、企業と投資家の価値 協創関係の構築に向けた株主還元・株主総会・議決権行使・開示、長期性のリスクマネーを供給 するアセットオーナーの多様化等を取り上げた。また各企業群が成長に向かう経路として、例え ば、企業群①(成長期待低・資本収益性低)から企業群②(成長期待低・資本収益性高)への移 行においては、コア・コンピタンスを起点とした既存事業の収益力強化や事業・資産の組み替え 等の構造改革等が優先順位の高い打ち手となり、その際に、事業再編手法の多様化や企業間連携 の迅速化等が課題となる。また、企業群③(成長期待高・資本収益性低)が企業群④(成長期待 高・資本収益性高)へと成長し、さらには、企業群④(成長期待高・資本収益性高)が更なる成 長を続けるには、成長投資を継続・加速させ、株主還元に優先させることが有効な打ち手となり、 大規模かつリスクの高い投資等の資金調達や、大学・スタートアップと連携した研究開発等が課 題となる。 ●その上で、「打ち手の実行の支障となる社会システムの課題」を解決するための政策検討の方向 性(図2)を整理するとともに、本小委員会や関連する審議会や研究会等において、「企業の成 長戦略を中心とする社会システム」を構築する上で必要な施策の検討を進めていく方針を示した。 18 図1 価値創造マップ 図2 政策検討の方向性 19 経営力向上部会 「『中小企業等の経営強化に関する基本方針』の改正案に係る答申について」 経営力向上部会(令和7年4月) 答申の概要 100 億企業の創出を促進するために実施された中小企業経営強化税制の改正を踏まえ、中小企業 等経営強化法(平成 11 年法律第 18 号)第3条第3項の規定に基づき「中小企業等の経営強化に関 する基本方針(以下、 「基本方針」という。)」 (令和3年厚生労働省経済産業省告示第1号)の改正 案に関して、大臣が産業構造審議会経営力向上部会に対して意見を求め、了承する旨の答申があっ た。 基本方針の改正内容は下記のとおり。 今般、100 億企業の創出を促進するため、中小企業経営強化税制の改正が実施された。改正後の 中小企業経営強化税制では、工場のラインや店舗等の生産性向上に係る設備導入に伴う建物が対象 設備に追加されるとともに、賃上げ率に応じて、建物の特別償却が 15%(上乗せ要件を達成した場 合は 25%)又は法人税等税額控除が1%(上乗せ要件を達成した場合は2%)となる。一方、税制 の適用にあたり、売上高 100 億円超の達成に向けたロードマップ作成等が要件として加えられる。 このため、「基本方針」においては、新たに売上高 100 億円達成までの目標期間についての規定を 設けることとする。 具体的な「中小企業等の経営強化に関する基本方針」の条文の改正としては、第4の2三に次の ように付け加える。 売上高が百億円を超えるまでの目標期間 中小企業等経営強化法施行規則(平成十一年通商産業省令第七十四号)第十六条第三項の経済産 業大臣の確認を受けて経営力向上計画の申請を行おうとする特定事業者等は、経営力向上に係る 事業の実施を通じて百億円を超える売上高を目指す期間(以下「目標期間」という。)を設定す るものとする。なお、目標期間は十年を超えないものとする。 20

資料11

参考資料2-① 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理 ~ 成長投資が導く 2040 年の産業構造 ~ 2025 年6月3日 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 経済産業省 1 目次 Ⅰ.はじめに ........................................................................................................................................................................................... 3 1.社会的マクロ環境の認識確認 ............................................................................................................................................ 3 2.今後の経済産業政策の基本的考え方 ........................................................................................................................... 5 3.新機軸全体から見た第4次中間整理の位置づけ ..................................................................................................... 6 4.第4次中間整理の構成 .......................................................................................................................................................... 8 Ⅱ.「2040 年に向けたシナリオ」の定量化 ................................................................................................................................ 9 1.定量化の前提 ............................................................................................................................................................................. 9 2.インプット .................................................................................................................................................................................... 10 3.マクロ経済の見通し .............................................................................................................................................................. 12 4.将来の産業構造転換 ........................................................................................................................................................... 15 5.将来の産業構造転換を踏まえた 2040 年の就業構造推計(人材) ................................................................ 21 6.地方 .............................................................................................................................................................................................. 24 Ⅲ.「2040 年に向けたシナリオ」の定量化と足下の経済情勢を踏まえた注力すべき論点 ............................. 25 1.定量化と足下の経済情勢を踏まえて得られる政策的示唆 ................................................................................ 25 2.政策の方向性① ~新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革~ .................................. 26 3.政策の方向性② ~物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業~ ......................... 28 4.政策の方向性③ ~成長投資を実現する経済基盤の強化~ ......................................................................... 30 Ⅳ.長期目標に向けた施策の進捗と今後検討が必要となる政策 ............................................................................. 33 <ミッション志向の産業政策>............................................................................................................................................... 33 (1)炭素中立型社会の実現(GX) ........................................................................................................................................ 34 (2)デジタル社会の実現(DX) ............................................................................................................................................... 37 (3)グローバル化・経済安全保障の実現(グローバル・経済安保) ...................................................................... 45 (4)新しい健康社会の実現(健康)....................................................................................................................................... 53 (5)少子化対策に資する地域の包摂的成長 .................................................................................................................. 57 (6)災害に対するレジリエンス社会の実現 ...................................................................................................................... 63 (7)バイオものづくり革命の実現 ........................................................................................................................................... 65 (8)成長志向型の資源自律経済の確立 ........................................................................................................................... 69 <社会基盤(OS)の組み換え> ........................................................................................................................................... 71 (9)人材 ............................................................................................................................................................................................ 71 (10)イノベーション・スタートアップ ........................................................................................................................................ 75 (11)価値創造経営....................................................................................................................................................................... 82 (12)行政・EBPM・データ駆動型行政 .................................................................................................................................. 86 2 Ⅰ.はじめに 1.社会的マクロ環境の認識確認 (潮目の変化の継続) ⚫ 2023 年の6月に第2次中間整理で示したとおり、日本経済の長期停滞の主要因として低迷していた 国内投資と賃金には、「潮目の変化」が起きており、現在、昨年を上回る水準で、継続している。国内 投資に関しては、2024 年度は民間設備投資が 108 兆円を記録し、30 年ぶりに過去最高を更新した ほか、賃上げについても 2025 年の春季労使交渉において 30 年ぶりとなった昨年の賃上げ水準を 更新しつつ継続している1。 ⚫ この潮目の変化は、民間企業の努力の賜物であるが、第2次中間整理でも指摘しているとおり、国 内外の社会的マクロ環境の変化と政府の産業政策の積極化2という民間事業の前提変更に裏打ちさ れたものである。こうした2つの変化は足下でも継続・進展している。 (国内外の社会的マクロ環境変化) ⚫ まず、世界の不確実性は、継続的に高まっており、足下、コロナ禍以来の過去最高水準となった。こ こ数年、国内・国家間の格差拡大、デジタルによる富の偏在、自国中心主義による分断、大国による 一方的措置の多用、ロシアのウクライナ侵略による西側先進国と権威主義国家の分断等が進んで いたが、足下、米国の関税措置等により、世界経済の不確実性の高まりは一段と進行することとなっ た。なお、日本の政策不確実性は、世界と比べると相対的に、安定している状況が継続している3。 ⚫ 加えて各国は、産業政策を継続的に強化している4。これまでの累次の取組に加えて、欧米でも関税 措置や、投資加速償却等の税制インセンティブ強化の動きが見られている5。 ⚫ また、世界のインフレは、継続的に進行している。欧米では一時期の急上昇よりは穏やかになってい る中で、長らくデフレーションが継続してきた日本においても、消費者物価上昇率が足下で主要国と 比較しても高い水準となっている6。ただし、コストカット競争等に伴い長期的・構造的に物価上昇率が 停滞してきたことが影響し、累積ではまだ欧米ほどのインフレには至っておらず、物価を加味した実 質実効為替レートは 1971 年と同等の円安水準となっており、「安い国」日本の現状は変わっていな い。とりわけ日本の物価上昇では企業物価と消費者物価に乖離が発生していることが特徴的だが、 その要因としては、輸入材の高騰により企業物価は上昇している一方、企業が対・消費者を中心に 十分な価格転嫁をできていないことで、消費者物価が企業物価ほど上昇してこなかったと考えられる 7 。 ⚫ さらに、人口減少と世界最高水準に到達した労働参加とが相まって生じている構造的人手不足は、 深刻化している。足下の人手不足DIは、バブル期並みの過去最高水準に達している8。 参考資料 P44「 「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への転換に向けて、 「潮目の変化」を定着させ、将来 の成長軌道を確信できるかの瀬戸際」参照 2 参考資料 P42「これまでの審議状況」参照 3 参考資料 P28「設備投資等の経営判断を迷わせる「世界の不確実性」は過去最高水準」参照 4 参考資料 P35「世界各国で産業政策が活発に」参照 5 参考資料 P36「足下の米欧の産業政策の動向」参照 6 参考資料 P32「物価上昇予想は定着しつつあり、高付加価値経済への移行に向けた転換点」参照 7 参考資料 P31「 「高コスト構造の是正」を経て、今や「安い国」日本」参照 8 参考資料 P33「人口減少に伴う構造的人手不足:日本の労働参加率は、世界最高水準」参照 1 3 (政府の産業政策の積極化) ⚫ こうした社会的マクロ環境の変化も踏まえ、経済産業省では、2021 年の産業構造審議会総会以降、 ⚫ ⚫ ⚫ 「経済産業政策の新機軸」(詳細は補論参照)と称して、産業政策の強化を開始した9。これまでの累 次の取組に加えて、昨年6月の第3次中間整理に基づき、追加策を着実に講じてきている10。 例えば、GX経済移行債を活用した 20 兆円規模の先行投資支援については、うち約 14 兆円につい て支援規模の見込みを公表11した。加えて、GX2040ビジョンを策定12するとともに、当該ビジョンを 踏まえGX推進法改正法案を提出13することで、2026 年度からの排出量取引制度の本格稼働をはじ め、既に始動しているGXの取組を 2040 年に向けて大きく飛躍させるための政策を示した。また、 2025 年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画14ではDXやGXなどの進展に伴う電力需 要増加に対応すべく、エネルギー政策と産業政策の一体化を掲げ、2040 年に向けた政策の方向性 を示した。 また、DXはこれまで、熊本における TSMC 誘致やラピダスプロジェクトへの支援等、令和3年度補正 予算から令和5年度補正予算までにいたる4兆円規模の予算措置を実施してきた15。これに加えて、 必要な財源を確保し、より大規模な官民投資を誘発するために、情報処理の促進に関する法律等を 改正する16とともに、2030 年度までに 10 兆円以上の AI・半導体分野への公的支援を行う「AI・半導 体産業基盤強化フレーム」を構築した17。 加えて、下請事業者の名称を中小受託事業者に変更する下請法改正法案を提出し18、サプライチェ ーン全体で適切な価格転嫁を定着させるとともに、早期事業再生法案の提出を通じて、経済の新陳 代謝機能を強化させる案を示した19。さらに、100 億企業創出や省力化投資等に向けた関係省庁の 施策について、1兆円を超える「中堅企業成長促進パッケージ 2025」を取りまとめた20。 参考資料 P39「世界的潮流を踏まえた産業政策の転換 = 「経済産業政策の新機軸」 」参照 参考資料 P42「これまでの審議状況」参照 11 参考資料 P130「GX 経済移行債による投資促進策(案) 」参照 12 「GX2040 ビジョン ~脱炭素成長型経済構造移行推進戦略 改訂~」 (令和 7 年 2 月) (https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250218004/20250218004-1.pdf) 、 参考資料 P126「GX2040 ビジョンとエネルギー基本計画」参照 13 参考資料 P129「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に 関する法律の一部を改正する法律の概要」参照 14 「第7次エネルギー基本計画」 (令和 7 年 2 月) (https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20250218_01.pdf) 、 参考資料 P126「GX2040 ビジョンとエネルギー基本計画」参照 15 参考資料 P94「経済産業省 半導体関係補正予算事業」参照 16 参考資料 P97「情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律概要」参照 17 参考資料 P96「AI・半導体関連支援策の方針」参照 18 参考資料 P110「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」参照 19 参考資料 P90「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律 案【早期事業再生法案】の概要」参照 20 「中堅企業成長促進パッケージ 2025」 (令和 7 年 2 月) (https://www.kantei.go.jp/jp/singi/katsuryoku_kojyo/pdf/sokusin_package.pdf) 参考資料 P114「中堅ビジョン成長ビジョン(概要)」参照 9 10 4 (補論:経済産業政策の新機軸とは21) ⚫ これまでの日本経済は、長引くデフレなどを背景に、企業が足下の利益の確保のために、国内投 ⚫ ⚫ 資などを抑制する「コストカット型経済」となっていた。政府も、民間主導という考えの下で、民間の 制約を取り除く市場環境整備策を中心としており、新たな価値創出に向けた取組が、結果として不 十分であった。 こうした状況に対応するべく、2021 年から「経済産業政策の新機軸」として、世界的潮流も踏まえ た産業政策の強化策の検討を開始。官が主導する伝統的産業政策ではなく、官は民を邪魔しない ことに徹する新自由主義的政策でもない、社会・経済課題解決に向けて、官も民も一歩前にでて、 あらゆる政策を総動員するアプローチで、産業政策を強化する姿勢に転換。 具体的には、①「ミッション志向の産業政策(8分野)」と「社会基盤(OS)の組換え(4分野)」という 枠組みの下で、少なくとも5~10 年といった中長期的に継続させ、②大規模・長期・計画的に、予 算・税制・規制・標準化等のあらゆる政策を総動員することで、「国内投資の拡大、イノベーション の加速、国民の所得向上」の3つの好循環を実現すべく検討。 ➢ ミッション志向の産業政策(8分野) ・ 世界的な社会課題を起点に、人口減少下でも中長期的に拡大する国内需要を開拓し、海 外含め需給両面から施策を継続実施することで、世界水準の戦略投資を加速(政府支援 は、国富を拡大する「国の戦略投資」)。 ・ 8分野のミッション:「GX」、「DX」、「グローバル・経済安全保障」、「健康」、「少子化対策 に資する地域の包摂的成長」、「災害レジリエンス」、「バイオものづくり」、「資源自律経 済」 ➢ 社会基盤(OS)の組替え(4分野) ・ ミッションの実現には、個別産業政策を補完するものとして、テーマ横断的な経済社会構 造の基盤整備も必要。個別ミッション範囲外でも、国内投資・ イノベーション・所得向上の 3つの好循環に貢献。 ・ 4分野の社会基盤(OS):「人材」、「イノベーション・スタートアップ」、「価値創造経営」、 「EBPM・データ駆動型行政」 2.今後の経済産業政策の基本的考え方 ⚫ これらの社会的マクロ環境変化と積極的な産業政策の効果もあいまって、潮目の変化は継続してい るものの、生産・消費はまだなお弱い。22さらに、米国関税措置が、日本及び世界経済、ひいては国 際秩序に構造的な変化をもたらす可能性があり、予断を許さない。継続的に上向く成長軌道に到達 できるのか、今が正念場である。 (足下で喫緊の問題となっている物価高・人手不足と米国関税措置対応) ⚫ まず、足下では、日本経済は物価高と人手不足を乗り越えることに四苦八苦している。企業物価が 消費者物価以上に上昇してきた中、労務費も含めた価格転嫁を推し進めていくことが重要となる。ま た、人手不足感が高まる中、省力化投資によって人手不足という制約を乗り越え、供給力の抜本強 化につなげることが物価対策にも寄与することとなる。 参考資料 P39「世界的潮流を踏まえた産業政策の転換 = 「経済産業政策の新機軸」」 、P40「経済産業政 策の新機軸の枠組み」参照 22 参考資料 P54「足下、生産・消費が継続的に上向くまでには至っていない」参照 21 5 ⚫ 加えて、自由で公正なルールに基づく国際経済秩序の維持・強化に取り組みつつ、米国の関税措置 に関し、一連の関税措置の見直しを強く申し入れるなど米国との協議を進めていくとともに、相談窓 口の設置や資金繰り支援等に取り組むことが重要となる。 (これまで中長期で実質賃金が低迷した主要因である交易条件の改善) ⚫ こうした喫緊の問題に対処する中、同時に、中長期的に実質賃金を持続的に上昇させていくために は、高付加価値化によって交易条件を改善させなければならないが、道半ばにある状況。 ⚫ 過去 30 年間の実質賃金の停滞を要因分解すると、日本は労働生産性の上昇は主要先進国並みだ ったものの、資源を高く輸入する一方、製品・サービスの輸出価格を十分に上げられなかったという 交易条件が悪化したことによる影響が、社会保障負担の増加や労働分配率よりも寄与度が大きかっ た。海外との貿易面で、日本全体で価格転嫁が不十分だったとも言える。23 ⚫ ⚫ 一般に、企業経営は、デフレではコストカットに努力しやすくなり、反対にインフレでは高付加価値化 に努力しやすくなるとの指摘がある24。過去 20 年の日本はデフレだったため、高付加価値なもの・新 しいものを提供しようとしても、高い値段がつけられないため、企業の生き残りを図るために、コストカ ット型の経営に陥りやすいマクロ環境であったとも考えられる。しかしながら、足下で期待インフレ率 も上昇するなど高付加価値化に取り組みやすいマクロ環境が整いつつあるにも関わらず25、未だ交 易条件は改善には至っていない26。 「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への転換に向けては、輸出物価上昇を通じた日本全体の価 格転嫁ができるよう、成長投資による高付加価値化等が必要となる。 3.新機軸全体から見た第4次中間整理の位置づけ ⚫ 今こそ、こうした課題を乗り越え、30 年続いたコストカット型の縮み思考から、賃上げと投資が牽引す る成長思考に転換しなければならない。そのためには、人口減少等を理由とした日本国内の根強い 将来悲観を払拭する必要がある。 ⚫ とりわけ日本の国民性は長期性を重視し、不確実性を回避しようとする傾向が強く27、合理的に実現 可能な明るい将来見通しを共通認識とし、企業・国民・政府にとっての予見可能性を高めることが、官 民で国内投資拡大28と賃上げを定着させていく上では重要である。 ⚫ 例えば、国内投資については、2022 年 12 月の第1回「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム (以降、国内投資フォーラム)」29において、日本経済団体連合会(以降、経団連)・十倉会長が、民間 設備投資額「2027 年度 100 兆円」という国内投資の「見通し」を表明した30。さらに、「令和5年度の経 済見通しと経済財政運営の基本的態度(以降、政府経済見通し)」(2023 年1月 23 日閣議決定)にお いて、2023 年度 103.5 兆円という見通しが示されたことを受けて、2023 年4月の第2回「国内投資フォ ーラム」において、経団連・十倉会長が民間設備投資額「2027 年度 115 兆円」という国内投資目標を 参考資料 P55「実質賃金向上には、労働生産性の上昇だけでなく交易条件の改善(日本全体の価格転嫁)が 必要」参照 24 参考資料 P9「マクロ経済と企業経営(デフレ経済に関するグリーンスパンの見解) 」参照 25 参考資料 P32「物価上昇予想は定着しつつあり、高付加価値経済への移行に向けた転換点」参照 26 参考資料 P55「実質賃金向上には、労働生産性の上昇だけでなく交易条件の改善(日本全体の価格転嫁)が 必要」参照 27 参考資料 P29「日本は長期志向が強く、不確実性を回避する傾向」参照 28 参考資料 P30「政策の不確実性が投資判断に大きく影響する」参照 29 内閣官房 HP「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」 (https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokunai_toushikakudai_forum/index.html)参照 30 参考資料 P46「 「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」(2022 年 12 月 8 日)」参照 23 6 表明した31。岸田総理の下、この目標は官民の目標へと昇華され、官民一体で実現に向け取り組むこ ととなった。 その後も国内投資は引き続き高い伸び率を維持し、「令和7年度政府経済見通し」(2025 年1月 24 日 閣議決定)においては、2025 年度 111.1 兆円という見通しが示され、「2027 年度 115 兆円」の国内投 資官民目標は前倒しで達成される見込みとなった。これを受けて、2025 年1月の第6回「国内投資フ ォーラム」において、経団連・十倉会長が民間設備投資額「2030 年度 135 兆円、2040 年度 200 兆円」 という野心的な目標を表明した。石破総理も呼応して官民一体で実現に向け取り組む旨を表明し、国 内投資官民目標が更新された32。 ⚫ このように、中期目標を設定し、これに向かって官民で努力して前倒しで達成し、さらに野心的な目標 を設定するというフォワードガイダンスによる好循環を実現してきている。こうした取組を、国内投資だ けでなく賃金・産業構造・マクロ経済等に拡張し、総体として、整合的に実現していくことが重要である 33 。 ⚫ 新機軸部会では、こうした問題意識に基づき、昨期からの2ヶ年プロジェクトとして、人口減少であって も豊かになれる「2040 年に向けたシナリオ」作りに着手した。シナリオの目的は、人口減少を始めとし て将来に悲観論が広がっている中で、大局的な目線を関係者の間でそろえて前向きな挑戦を促すこ とにある。具体的には、人口減少を前提に、産業構造等の変化を踏まえた企業投資、個人消費など の将来需要等のマクロ経済の変化を示し、国内投資と賃上げ・消費拡大の予見可能性を高めること にある。逆に言えば、未来を「予測して当てる」ことが目的ではなく、実現可能性を度外視した非連続 の「在るべき姿」を示すことが目的でもない。 ⚫ 2024 年6月の第3次中間整理においては、定性的なシナリオを示した。具体的には、まず、潮目の変 化の背景には、世界が直面する時代の転換点があり、これまでと異なるアプローチが求められる世界 的な構造変化があることを明らかにした。その上で、新機軸の政策の延長線上で、十分に実現可能 な、一つの将来見通し(定性的なシナリオ)を策定し、方向性を提示した。 ⚫ 今般の第4次中間整理では、経済財政運営と改革の基本方針 2024・新しい資本主義のグランドデザ イン及び実行計画 2024(2024 年 6 月閣議決定)やGX2040ビジョン・第7次エネルギー基本計画等の ここ1年の関連政策も踏まえて、第3次中間整理でまとめた定性的なシナリオを精緻化した「別添版: 2040 年に向けたシナリオ集」を作成し、更にそれを経済モデルを用いて定量化するとともに就業構造 についても推計を行った。その「2040 年に向けたシナリオ」の実現に向けて、注力すべき論点に関す る政策の方向性を提示する。 ⚫ 今回のシナリオは先に述べたとおり、国内投資と賃上げ・消費拡大の予見可能性を高めることを目的 とするものであるから、シナリオの定量化においては、数字そのものの「精緻さ」よりも、数字の変化の 「考え方」を重視している。また、今回の試算は、確定的なものではなく、今後中長期的に継続していく 議論・政策・行動の出発点であり、必要に応じて随時修正・更新していくものである。 ⚫ なお、20 個以上の産業分類で示され、産業構造転換がイメージしやすい将来見通しを経済産業省と して策定するのは、2006 年の「新経済成長戦略」以来、約 20 年ぶりとなる34。 参考資料 P47「 「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」(2023 年 4 月 6 日)」参照 参考資料 P48「 「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」(2025 年 1 月 27 日) 」参照 33 参考資料 P45「国内投資拡大の「フォワード・ガイダンス」による好循環」参照 34 参考資料 P58「過去に経済産業省が経済試算をしたビジョン等の比較表」参照 31 32 7 4.第4次中間整理の構成 ⚫ 『Ⅱ.「2040 年に向けたシナリオ」の定量化」』では、定量化に当たっての考え方や経済モデルの基本 ⚫ ⚫ 構造等の前提、人口動態等のインプットを示した上で、定量化により試算されるマクロ経済の見通し と将来の産業構造及び就業構造の転換を描写する。 『Ⅲ.「2040 年に向けたシナリオ」の定量化と足下の経済情勢を踏まえた注力すべき論点』では、定 量化の試算結果や足下のマクロ経済環境を踏まえ、経済産業政策として特に注力すべき論点につ いて問題意識と主要施策案を示す。 『Ⅳ.長期目標に向けた施策の進捗と今後検討が必要となる政策』では、今回の「2040 年に向けた シナリオ」を踏まえ、8つのミッションと4つのOSについて、①第2次中間整理で設定した長期的目 標、②第3次中間整理以降、取り組んできた施策の進捗状況を整理、③その上で、今後検討が必要 となる施策を示す。 8 Ⅱ.「2040 年に向けたシナリオ」の定量化 1.定量化の前提 (1)「2040 年に向けたシナリオ」の定量化にあたっての考え方とモデルの構造 ⚫ 「2040 年に向けたシナリオ」の定量化では、新機軸の積極的な経済産業政策の強化を前提に潮 目の変化における国内投資・賃上げを継続した場合の新機軸ケースと過去 30 年と同程度に国 内投資・賃上げが停滞した場合のベースケースの2つを示す。 ⚫ 定量化にあたり、経済産業研究所(以降、RIETI)深尾理事長ほか、学者 10 名程と連携の下、 RIETI がコブ=ダグラス型の経済モデルを構築35。「国内投資とイノベーションと所得向上の好循 環」を具現化する観点から、労働投入と投資(資本)の拡大を起点として賃金の上昇を算出し、整 合的な経済成長を描写した。 ⚫ 「全要素生産性(以降、TFP)」はアウトプットの量的変化から労働と資本の投入増加の寄与を引い ⚫ た残差として算出されるが、ハーバード大学における Zvi Griliches や Dale Jorgenson らのグルー プが開発した方法36等によって、労働と資本の質的な変化を精緻に分解し、既存の TFP 概念を可 能な限りで説明可能な要素に分解した。労働の質は労働投入の質的な変化を考慮しており、具 体的には教育水準・年齢構成・性別・職業分類等の労働の構成の変化を加味し、資本の質も同様 に ICT 機器の比率上昇等の構成の変化を加味した。 新機軸ケースでは、「別添版:2040 年に向けたシナリオ集」に沿った将来の産業構造転換を反映 すべく、国内投資の規模に応じて、産業間の取引関係を表現した 2040 年の産業連関表を作成し た。 35 ベースケースにおけるに日本の財・サービスに対する海外の輸入需要の推計については、板倉健名古屋市立 大学大学院経済学研究科教授に推計いただいており、詳細は下記の通り。 将来時点における日本の財・サービスに対する海外の輸入需要を推計するために、GTAP モデル(Corong et al. 2017)及び GTAP データベース第 11 版(Aguiar et al. 2022)を利用したシミュレーションを実施した。世界各国 の人口と経済に関する将来推計値に基づくシナリオを設定し、国連『世界人口推計:2024 年版』と国際通貨基 金『世界経済見通し:2024 年 10 月版』の将来推計値を利用した。シミュレーションの実施には GEMPACK ソフトウェア(Horridge et al. 2018)を使用した。 シミュレーション結果をまとめることで、i) 日本の財・サービス輸入価格の変化 ii) 日本からの財・サービス 輸出価格及び輸出数量の変化 iii) 海外の輸入に占める日本の割合を求めた。 36 RIETI「日本の潜在成長率向上に何が必要か:JIP データベース 2023 を使った分析」参照 (https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/23110010.html) Solow(1957)が成長会計分析により、1909-1949 年の米国における労働生産性上昇のうち 8 分の 7 が、全要素 生産性(TFP)の上昇(労働生産性上昇から資本深化の寄与を引いた残差として算出された)であったとの結 果を得て以来、多くの研究者が生産要素投入データの改善に努めてきた。残差として算出されるため経済学者 の無知の指標とも呼ばれる TFP 上昇の推計値は、教育の普及による労働の質上昇、労働時間の変動、資本財 毎の資本コストの違いを考慮した資本サービス投入の計測等を考慮することで次第に小さくなってきた。こう した研究により、経済成長のより大きな割合が、残差として計算されるためその変動の説明が難しい TFP 上 昇ではなく、人的資本の蓄積や資本財構成の変化で説明できるようになった。 無知の指標である TFP を小さくする上で特に貢献したのは、労働の質上昇の計測である。 産業レベルのデータを用いた今日の成長会計分析では、ハーバード大学における Zvi Griliches や Dale Jorgenson らのグループが開発した方法によって、まず総労働時間と時間あたり賃金(社会保障の企業負担分 を含む)を性、年齢、学歴、就業上の地位、産業など労働者の属性別に用意した上で、賃金の高い属性の労働 時間が相対的に増えるほど、労働の質が上昇したと見做す。これは、ある属性の労働に企業が高賃金を払うの は、それだけ生産への寄与が高いと考えられるためである。 9 (2)人口動態 ⚫ 人口は国立社会保障・人口問題研究所(以降、社人研)の「日本の将来推計人口」37における出生 中位・死亡中位の数値を利用し、2040 年時点で総人口1億 1,283 万人(年率▲0.6%)、生産年齢 人口 6,213 万人(年率▲1.0%)とした。なお、この中では、外国人労働者が足下の増加スピードと 同程度のペースで増加し続けることが想定されている。 (3)労働分配率 ⚫ 本経済モデルでは、労働分配率は生産において労働にかかるコストとして、RIETI「JIP データベー ス 2023」38より 2020 年時点の労働分配率を産業別に数値を算出し、利用した。 ⚫ 労働分配率は産業別に 2020 年時点と基準とした上で、AI・ロボットによる労働力の充足可能性に 関する RIETI 深尾理事長他の調査39を基に、AI・ロボットによる職種別の労働の代替を各産業に 反映した。 2.インプット (1)産業構造の転換 ⚫ 第3次中間整理において提示した産業政策の強化という新機軸の政策を続けていくことで得られ る姿に、ここ1年でのGX2040ビジョンや第7次エネルギー基本計画等の関連政策も踏まえて、 精緻化した「別添版:2040 年に向けたシナリオ集」に沿って、2021 年の産業連関表を基準として、 将来の産業構造の転換を反映した。 ⚫ 具体的には、シナリオで選定した個別産業を中心に、グリーン需要等の新たな価値創出という需 要構造の変化を受け、世界の市場で勝負する産業として国内製造拠点の整備や研究開発の推 進、生活の質を高める挑戦を行う産業は付加価値創出と省力化・デジタル化の推進を反映した。 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」 (令和 5 年 4 月)参照 (https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp_zenkoku2023.asp) 38 RIETI「JIP データベース 2023」参照 (https://www.rieti.go.jp/jp/database/JIP2023/) 39 AI・ロボット技術が人間中心の仕事を代替していく速度が職種間・産業間でどのように異なるかの推計に は、深尾他(2025a、RIETI PDP, #25-P-008)で作成された詳細な職種別および産業別の自動化リスク指数 (ARI, Automation Risk Index)に関する情報を用いた。彼らは、2024 年秋に RIETI と野村総合研究所が共 同で実施した AI・ロボット技術の専門家へのアンケート・インタビュー調査と、職種別に必要とされる労働者 のスキル・能力に関して労働政策研究・研修機構(JILPT)が推計した jobtag データを用いて 2040 年におけ る職種別 ARI を算出した上で、2019 年を対象とした賃金構造基本調査の職種別・産業別労働投入データをウェ イトとして集計することで産業別 ARI を算出している。なお、AI・ロボット技術の導入は大規模な事業所では 比較的速く進むと考えられるため、2020 年を対象とした経済センサス活動調査の産業毎の事業所規模分布デー タを使ってこの点を推計に反映させた。 深尾京司・池内健太・長谷佳明・Cristiano Perugini・Fabrizio Pompei (2025a) 「AI およびロボット技術の進 展と日本の雇用・賃金」 RIETI Policy Discussion Paper, No. 25-P-008。 (https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/25040010.html) 37 10 ⚫ その他、少子高齢化に伴う日本全体の人口構成の変化から、民間の消費4041における産業別の需 要の変化42を反映した。 (2)国内投資 ⚫ 国内投資についてはフォワードガイダンスによる好循環を実現してきており、新機軸ケースでは 2025 年1月に開催された第6回「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」43において、経団 連が発表した目標である 2040 年度 200 兆円、名目上昇率年+4%をインプットした。 (3)労働参加 ⚫ 労働参加率は労働政策研究・研修機構(以降、JILPT)の「労働力需給の推計」44より引用。新機軸 ケースは、JILPT の「成長率ベースライン・労働参加漸進シナリオ」を採用し、2040 年時点での就 ⚫ 業者数は 6,375 万人(年率▲0.5%)とした。一方、ベースケースでは、JILPT の「1人当たりゼロ成 長・労働参加現状シナリオ」を採用し、就業者数は 5,768 万人(年率▲1.0%)を採用した。 なお内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」45では、同じく JILPT の「労働力需給の推計」を 引用しているが、高成長実現ケース・成長移行ケースでは JILPT の「成長実現・労働参加進展シ 40 人口動態の変化がマクロ経済の貯蓄率に与える影響に関する推計については、宇南山卓京都大学経済研究所 教授(RIETI ファカルティフェロー)に、宇南山卓・大野太郎(2018) 「日本の世帯属性別貯蓄率の動向につ いて:アップデートと考察」RIETI Discussion Paper, 18-J-024 のバックデータの提供や推計方法に関するご 助言を頂いている。 41 家計消費については、宇南山卓・大野太郎(2017) 「貯蓄率の低下は高齢化が原因か?」『経済研究』 68 (3), pp.222-236.により与えられる消費比率対可処分所得を参考に、RIETI と連携して算出した。可処分所得と はすなわち、第 1 次配分(財産所得(純) 、営業余剰・混合所得、雇用者報酬の合計)と、第 2 次配分(税・社 会負担等の控除の他、現金給付と経常移転(純)の合計を合わせたものとなるが、このうち、年金等について は年金財政検証による給付額を反映するとともに、その他の受取支払い項目については概ね 2040 年までの経済 成長に対して比例的に伸びるものとして扱った。 42 高齢化に伴う需要構造の変化に関する推計については、東京大学エコノミックコンサルティング株式会社プ ロジェクトアドバイザー北尾早霧氏と独立行政法人経済産業研究所中田大悟上席研究員で推計方法に関する検 討を行った。詳細は下記のとおり。 人口構造の変化により、一人当たり消費額が年齢によって大きく異なる財・サービスについては需要が大きく 変動すると考えられる。しかしながら、本分析で構築したマクロモデルでは、家計セクター内における個人の 異質性、とりわけ年齢による違いを明示的に取り入れていないため、そのままでは高齢化に伴う需要構造の変 化を十分に捉えることが難しい。こうした変化をモデルに反映させるために、消費データと将来の人口推計を 用いて、以下の手法により支出パラメータの調整を行った。 家計調査などに代表される消費サーベイは、支出額が世帯単位で集計されているため、ミクロデータを用いて 年齢別の消費額を直接に算出することは困難である。そこで本分析では、中田上席研究員が委員として参画す る、国立社会保障・人口問題研究所(以降、社人研)の国民移転勘定(以降、NTA)プロジェクトによる年齢 別消費プロファイルの推計結果を活用することとした。NTA 推計においては、世帯単位で集計された消費デー タに関して、家計の構成員の属性情報を用いて、支出額の個人単位への割当を行っており、これにより個人の 支出項目ごとの年齢別消費プロファイルが得られる。具体的には、その支出が年齢に強く依存する医療、介 護、保育、教育の 4 分野の消費額と、それ以外のその他消費について、年齢別の公的・私的消費額の推計値が 得られる。ここから、2020 年時点における各項目の総支出シェアを年齢ごとの一人当たり支出シェアに分解す る。さらに、この一人当たりシェアが時系列で不変であると仮定し、社人研の 2040 年の将来人口推計を基に、 将来の一人当たり支出シェアを再計算する。こうして得られた新たな支出シェアを、2040 年の均衡計算に適用 する。少子高齢化が進展する場合、こうした調整を行わない場合と比べて、高齢者の支出が多い医療・介護の 需要は増加し、若年層の支出が中心となる保育・教育の需要は減少する、という結果が得られる。 43 参考資料 P48「 「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」(2025 年 1 月 27 日) 」参照 44 JILPT「2023 年度版 労働力需給の推計」参照 (https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2024/284.html) 45 内閣府「中長期の経済財政に関する試算」 (令和 7 年 1 月 17 日経済財政諮問会議提出)参照 (https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/shisan/r7chuuchouki2.pdf) 11 ナリオ」における労働参加率を踏まえている。新機軸ケースにおいて採用している JILPT のシナリ オは内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」で採用されている JILPT のシナリオと比べて、 ⚫ 就業者数が 359 万人少ない保守的な(少なめな)想定となっている。 1人当たりの労働時間は、新機軸ケース、ベースケースともに、JILPT の各シナリオ(「成長率ベー スライン・労働参加漸進シナリオ」では、フルタイム労働者の有給取得率の増加に伴い労働時間 が減少、パートタイム労働者は多様な就業形態が増えてこれまで減少傾向だった労働時間が増 加することを想定している。「1人当たりゼロ成長・労働参加現状シナリオ」では足下と一定)をベー スにし、65 歳以上の高齢者は労働者の年齢構成の変化を鑑みて、1人当たりの労働時間につい ては過去トレンドを踏まえて減少させた。これらを加味して、総労働時間については、新機軸ケー スは 960 億時間(年率▲0.5%)、ベースケースは 861 億時間(年率▲1.1%)を利用した。 (4)全要素生産性(TFP)の外生部分について ⚫ TFP に関しては、世界の経済学の最新の知見と、国内の各産業を構成する職務情報を踏まえた 上で、産業別の投資と労働の構成変化による質の向上と RIETI 深尾理事長他の調査による AI 等技術革新効果として新機軸ケースの方がベースケースよりも AI 等の活用が進展することを想 定し、産業毎の値を算出した。具体的には、過去の実績ではなく、生成 AI・ロボット等による既存 労働の代替による TFP の変化を、既存労働の代替と併せて、技術を体化した労働者や生成 AI・ ロボットへの投資が増加することに伴う、労働の質と資本の質の上昇として産業別に加味してい る。 (5)物価 ⚫ 新機軸ケースでの消費者物価指数(以降、CPI)を、日本銀行が掲げる物価安定の目標である 「CPI 2.0%」と設定し、その他のデフレータは CPI を基準として、産業別に経済モデル内から内生 的に算出した。 ⚫ ベースケースにおいては、内閣府「中長期の経済財政に関する試算」46の「過去投影ケース」を参 考に CPI を 0.9%と設定した。 3.マクロ経済の見通し (1)GDP・一人あたり GDP ⚫ 新機軸ケースでは、人口減少を前提に労働投入は減少するが、国内投資拡大を実現すれば、資 本装備率の強化を通じて労働生産性が上昇し、2040 年までの GDP 成長率は名目+3.1%(実質 +1.7%)となる。結果として、新機軸ケースの名目 GDP は、2021 年度の 547 兆円から 2040 年度 の 975 兆円に 1.8 倍となる。ベースケースでは、労働参加率の影響から新機軸ケースより労働投 入は少なく、国内投資も停滞することから、GDP 成長率は名目+0.5%(実質+0.1%)となる。結 果として、ベースケースの名目 GDP は、2021 年度の 547 兆円から 2040 年度の 607 兆円に 1.1 倍となる。 (2)労働生産性 ⚫ 新機軸ケースでは名目+3.7%(実質+2.3%)、ベースケースでは+1.7%(実質+1.2%)となる。 内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(令和 7 年 1 月 17 日経済財政諮問会議提出)参照 (https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/shisan/r7chuuchouki2.pdf) 46 12 (3)賃金 ⚫ ⚫ 新機軸ケースでは賃金上昇率は名目+3.3%(実質+1.3%)となり、ここ数年継続している春季労 使交渉ベース(+5%)を超える水準の賃上げ47が、2040 年まで継続することとなる。結果として、 名目の賃金(平均時給)は、2021 年度の 2,885 円/時間から 2040 年度の 5,366 円/時間に 1.9 倍となる。ベースケースでは+1.5%(実質+0.6%)、名目の賃金(平均時給)は、2021 年度の 2,885 円/時間から 2040 年度の 3,800 円/時間に 1.3 倍となる。 なお、賃金の額面から、社会保険料等の負担を控除した「可処分所得」については、内閣府・厚労 省公表資料を基に簡易的に試算すると、新機軸ケースでは、社会保障負担の増加を前提としても 名目+2.9%~+3.2%(実質+0.9%~+1.2%)、負担抑制に取り組めば名目+3.0%~+3.3% (実質+1.0%~+1.3%)となる。ベースケースでは、負担抑制に取り組んでも名目+1.2%~ 1.3%(実質+0.3%~+0.4%)の伸びにとどまる。 (4)諸外国との国際比較 ⚫ 「名目国内投資+4.0%(実質+2.6%)と名目賃金+3.3%(実質+1.3%)」という成長要素の組み 合わせは、過去 30 年の諸外国の投資拡大・賃上げの組み合わせと比べて、中位に位置してお り、決して実現不可能な水準ではない。 ⚫ 「実質 GDP+1.7%と実質賃金+1.3%」で経済成長した 2040 年の日本は、購買力平価で諸外国 の現状と比較すると、人口1億人未満の中規模国と比べて GDP は大きく、1人当たり実質賃金は 現状のフランス・イギリスと同程度となる。ベースケースでは、1人当たりの実質賃金は現状の韓 2024 年は、春季労使交渉ベースの賃上げが全企業 5.10%(中小企業 4.45%)であった中で、毎月勤労統計 調査における 2024 年の名目現金給与総額での前年比は 2.8%だった。春季労使交渉の数値と賃金上昇率の数値 との乖離には、定期昇給分や、春季労使交渉の対象に含まれない雇用者の賃上げ分が要因として考えられる が、一定程度の相関関係があると想定される。 47 13 国よりも低いままとなる。 (5) ⚫ IS バランス マクロ経済運営において、重要な「IS バランス」(企業、政府、家計、海外といった部門別の貯蓄投資)は、新機軸ケースでは、企業部門が投資超過となり、政府部門は、非社会保障関係の支出 を「政府の戦略投資」として GDP 成長率と同程度拡大していく想定でも貯蓄超過となる。ベースケ ースでは、企業部門が貯蓄超過を維持し、政府部門が非社会保障関係支出を過去 30 年と同様 に実質横ばい想定でも投資超過を維持する。 14 4.将来の産業構造転換 (1) 製造業の高付加価値化(製造業X(エックス)48) ⚫ ⚫ ⚫ ベースケースにおける製造業は、過去 30 年と同様に物量・品質勝負を続けて、労働生産性は一 定程度上昇(+1.6%)するが、雇用は増えない(▲0.8%)。 新機軸ケースにおける製造業は、GX・フロンティア技術による差別化や、DXやメンテナンス等に よるサービス化等によって、物量・品質勝負だけでない需要創出による高付加価値化で世界と勝 負し、生産額(+3.4%)・輸出額(+3.4%)を拡大させ、賃金は全産業平均程度に上昇(+3.1%) し、2021 年度の 3,003 円/時間から 2040 年度の 5,316 円/時間に 1.8 倍となる。 ここでいう生産額・輸出額の拡大は、既存の製品分類のシェア拡大に限らず、新たな需要に対す る新しい製品・サービスとして取引されることで、高付加価値化されることが想定される49。こうした 取引では、従来のモノとしての取引と、サービスとしての取引は切れ目無く融合されて取引される ことが多く50、「情報通信業」「専門サービス」として計上されてもおかしくないようなサービスも、ここ でいう「製造業」のアウトプットに含まれる。核となる製造品を起点としつつも、当該製品が所属す 「製造業 X(エックス) 」とは、GX(グリーンによる社会のトランスフォーメーション)や DX(デジタルに よる社会のトランスフォーメーション)と同様に、社会をトランスフォーメーションする製造業という進化し た絵姿を意味する。製品自体の高付加価値化に加えて、革新的な技術を生産工程段階や最終製品段階へ導入す ることや、製品売りではなくサービス売りにすること、また、メンテナンスなどのアフターサービスの充実化 といったビジネスモデルの革新を図るなど、様々な形で変革した製造業が、社会そのものを変革することを表 し、少なくとも、従来の技術・事業構造のまま規模を拡張したり、品質を向上させたりすることだけの進化で はないことを表す。以下の海外・国内の先行議論に限らず、国内外で様々な前提の下で、様々な製造業の変革 が議論されているが、共通しているのは、今後の製造業が従来構造のままではない形で発展していくことが見 通されていることである。こうした多岐にわたる議論を踏まえ、より広範に、社会を変革しうる主体となって いくことを総称して「製造業 X(エックス) 」と表現することとした。なお、こうした変革に加え、例えば人手 不足への対応や、経済安全保障の確保など、製造業を巡る課題は多様化していることにも留意が必要。 ・海外の先行議論(例) :世界経済フォーラムが、2023 年 10 月にアドバンスト・マニュファクチャリングとい うブリーフィング・ペーパーを策定している。ここでは、18 世紀の機械化、19 世紀の大量生産、20 世紀の標 準化・自動化と並ぶ現代の変革と位置づけ、強靱性・効率性・持続性・人間性・革新性の観点から影響を与え るものとして、事例を交えて議論されている。(https://jp.weforum.org/publications/advancedmanufacturing-a-new-narrative/) また、ドイツでは、Manufacturing-X というプロジェクトが存在する。ドイツのインダストリー4.0 推進機関 である Plattform Industrie 4.0 内の Steering Committee Manufacturing-X が、製造業のデータ連携基盤を構 築するためのプロジェクトとして主導している。名称に類似性があるものの、データ連携基盤に閉じた議論で あるため、幅広い高付加価値化を内包する「製造業 X(エックス)」よりも限定的なものと言える。 (https://www.plattform-i40.de/IP/Redaktion/EN/Downloads/Publikation/Manufacturing-X_long.html) ・国内の先行議論(例) :経済産業省製造産業局が新エネルギー・産業技術総合開発機構(以降、NEDO)と連 携して、2024 年にスマートマニュファクチャリング構築ガイドラインを策定している。ここでは、製造業のD Xは論点が多岐にわたるため手をこまねいている企業が多いことを踏まえ、ものづくりの全体プロセス(マニ ュファクチャリングチェーン=エンジニアリング、サプライ、プロダクション、サービス各々のチェーン)を デジタル技術を用いて最適化するためのリファレンスを提供している。 (https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240628004/20240628004.html) 49 例えば、CO2 を使わずに生産された素材がその脱炭素価値を高価格なものとして反映されて取引されたり、 量子コンピュータの性能を支える部素材がその不可欠性を高価格なものとして反映されて取引されたり、輸送 機械そのものではなくモビリティサービスという形で製品個数とは異なる価値で取引されたり、汎用ロボット が AI によって専門機能を発揮して価値を見いだして取引されたり、ビジネスモデルは多岐にわたることが想定 される。 50 例えば、モノの作り方を提供するというサービスや、モノがもたらす価値そのものに着目したサービスとし て販売するといったことが想定される。 48 15 る既存業種の枠組みを超えて、サービスも含めた多種多様な取引51が、製造業において今後より 一層広がっていく(=製造業X(エックス))。 ⚫ 雇用は情報処理技術者等が増加するが、生産工程従事者はほぼ横ばい52など、製造業の高付加 価値化に伴い構成が変化し、製造業全体では雇用は増加(+0.3%)する。 (2)情報通信業・専門サービス業等の新需要開拓 ⚫ ベースケースにおける情報通信業・専門サービス業53は、過去 30 年の加速トレンドに沿って、サ ービス輸入が拡大(+4.0%)し、労働生産性向上は一定程度上昇(+2.0%)するが、雇用は増え ない(▲2.4%)。 ⚫ 新機軸ケースにおいて、情報通信業や専門サービス業は、フロンティア技術等により、製造業で の高付加価値化やサービス業での省力化等における新需要開拓で新たな付加価値を生み出し、 ⚫ ⚫ 生産額(+3.8%)・輸出額(+7.0%)を拡大させ、各産業への中間投入に必要な輸入も増加(+ 6.2%)する中、付加価値も増加する(+3.6%)。 専門サービス業は、「その他の対事業所サービス」54を中心に、新需要開拓で新たな付加価値で 需要を生み出し、付加価値創出において必要となるハードウェアは半導体を含む電子部品・デバ イスの需要を生み出す。半導体に関しては、ハードウェアだけでなくDXによるサービス化等により 世界と勝負し、生産額・輸出額を拡大させる。特に財・サービスの輸出として情報通信(コンテンツ を含む)・専門サービス・半導体が拡大(+7.0%)する。 雇用は情報処理技術者等の質が向上するなど構成が変化55し、他産業を上回る賃金水準(+ 3.7%)となり、2021 年度の 3,171 円/時間から 2040 年度の 6,362 円/時間に 2.0 倍となる。 (3)エッセンシャルサービス業(アドバンスト・エッセンシャルサービス業) ⚫ ベースケースにおけるエッセンシャルサービス業56は、過去 30 年と同様、省力化・デジタル化が不 十分であり、人手不足の中で労働生産性が低迷(+1.7%)し、供給が需要に追い付かない57。 51 業種という概念をこえてビジネス展開が進むという世界的な動向については、すでに過去の産構審でも指摘 されており(例えば産業構造審議会新成長政策部会基本問題検討小委員会の報告書「知識組替えの衝撃―現代 産業構造の変化の本質―」等) 、すでに一部の業種で徐々に生じ始めている一般的事実である。 ただし、国民経済計算等の既存統計でこの詳細を確認することはできていないこともあり、今回の将来見通し でもこの業種を超えた取引の詳細を分析することが目的ではないため、旧来の標準産業分類に基づき、見通し を示すこととしている。 52 参考資料 P82「就業構造推計の結果(職種間のミスマッチ)」参照 53 JIP データベースにおける正確な産業分類では、 「研究機関」 「広告業」 「業務用物品賃貸業」 「その他の対事 業所サービス」を指す。 54 1994 年から 2021 年の変化をみると、日本国内で最も生産額が大きく増加した産業は、 「専門・科学技術、 業務支援サービス業」の内数である「その他の事業所向けサービス」である。 (第 24 回産業構造審議会新機軸 部会資料 3・P47 参照) 55 参考資料 P81「2040 年の就業構造推計」参照 56 飲食・宿泊業等の観光、小売・卸売、医療・介護、運輸、建設等を指す。 57 一例として、介護産業をみると、足下で厚生労働省が 2040 年に人手不足 57 万人としており、就業者 272 万 人×一人当たり労働生産性一定=付加価値 11 兆円が潜在需要となる。 (労働生産性は JIP2023 より 2021 年の 値を用いて作成)これに対して、ベースケースでは、労働投入量 30 億時間×実質労働生産性 3,139 円/時間= 実質付加価値 9 兆円となり、現時点で想定される公的介護保険を念頭とした本来の潜在需要に対応した事業活 動が実現されないことが想定される。(そのうえで、新機軸ケースの場合には、労働投入量も縮小が抑制されて 44 億時間となり、実質労働生産性が向上して 3,938 円/時間となるため、実質付加価値 17 兆円となり、潜在需 要よりも多い事業活動が行われることとなるが、これは公的保険外のサービスも含めて、新たな需要開拓を行 うためのモノと考えられる。 16 ⚫ ⚫ 新機軸ケースにおいて、エッセンシャルサービス業は、個人消費による内需拡大の主要部分を担 い、インバウンドや地域独自の資源や文化を活用した差別化等による高付加価値化とともに、省 力化・デジタル化58等の補完・高度化により労働生産性が向上(+3.6%)し、労働投入は減少(▲ 0.6%)しつつも、賃金は他産業に追いつくように上昇(+3.2%)し、2021 年度の 2,702 円/時間か ら 2040 年度の 4,918 円/時間に 1.8 倍となる。また、インバウンドや地域独自の資源や文化を活 用した差別化等による高付加価値化に伴うサービス輸出の拡大として、宿泊・飲食サービス業で の輸出が拡大する。 雇用は、情報処理技術者等が増加する59など省力化・デジタル化を使いこなすアドバンスト・エッ センシャルワーカーという形で、中間層の受け皿となる。 58 なお、デジタル化の推進にあたっては、単なる労働代替による労働の二極化に陥らないように留意が必要と の指摘もある。 第 27 回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会(2025 年 4 月 22 日) 首藤委員発言参照。(以下抜粋の上要約) 「省力化・生産性向上を通じたアドバンスト・エッセンシャルサービスの賃上げだけで、中間層の形成に資す る幅広い賃上げに繋がるかは議論の余地あり。過去の新技術の投入の影響は労働の二極化をもたらしてきた側 面もある。単なる分配の強化ではなく、どう進めていけるのか、業界として持続可能な賃金水準をどうやって 形成できるのかはもう少し幅を広げて議論する必要あり。」 59 参考資料 P82「就業構造推計の結果(職種間のミスマッチ) 」参照 17 18 19 20 5.将来の産業構造転換を踏まえた 2040 年の就業構造推計(人材) (1)2040 年の就業構造推計の試算について ⚫ 「2040 年に向けたシナリオ」の定量化と連動し、当該シナリオにおいて推計される産業構造実現 ⚫ ⚫ のための就業構造を試算した。 具体的な試算方法は以下のとおり。 ➢ 2040 年の人材需要については、新機軸ケースの産業別就業者数を、足下データ(2020)の産 業×職業×学歴別比率で分解。その上で、①産業別の自動化影響による職種の変化、②職 種ごとの学歴構成の変化を加味した。 ➢ 2040 年の人材供給については、2040 年就業者数60を、産業別・職業別就業者数の足下の増 減傾向が続くと仮定して産業×職業×学歴別比率を推計、分解した。なお、学歴について は、最終学歴に大きな変化が生じないという仮定のもと、大学進学率の上昇を加味しつつ、 年代に応じ、足下比率(2020)をスライドさせた。 本推計では、上記の前提のもと、2040年の人材需要・人材供給を推計し、両者の差分をミスマッ チとして分析している。 (2)2040 年の就業構造推計の結果(全体) ⚫ 「2040 年に向けたシナリオ・新機軸ケース」では、少子高齢化による人口減少に伴って労働供給 は減少するものの、AI・ロボットの活用促進や、リスキリング等による労働の質の向上により大き な不足は生じない(約 200 万人分の不足をカバー)。したがって、今後、シナリオ実現に向けた政 策対応が必要となる。 ⚫ 一方、現在の人材供給のトレンドが続いた場合、職種間、学歴間によってミスマッチが発生するリ スクがあり、戦略的な人材育成や円滑な労働移動の推進が必要となる。 60 JILPT「2023 年度版 労働力需給の推計」の労働参加漸進シナリオを活用。 21 (3)職種間のミスマッチ ⚫ 生成 AI、ロボット等の省力化に伴い、事務、販売、サービス等の従事者は約 300 万人の余剰が ⚫ 生じる可能性がある。 一方で、多くの産業で研究者/技術者は不足傾向。とりわけ、各産業で AI やロボット等の活用を 担う人材は合計で約 300 万人不足するリスクが存在。 (4)学歴間のミスマッチ ⚫ 研究者や技術者等の専門職を中心に、大学・院卒の理系人材で 100 万人以上の不足が生じるリ スク。また、生産工程を中心に、短大・高専等、高卒の人材も 100 万人弱の不足が生じるリスク。 ⚫ 事務職で需要が減少する一方、現在供給が増加傾向にある大卒文系人材は約 30 万人の余剰 が生じる可能性がある。 22 23 6.地方 ⚫ 今回の「2040 年に向けたシナリオ」の定量化を踏まえ、東京とその他地域に分割した経済モデル の構築を進めている。当該経済モデルは RIETI との共同研究において作成中であり、今後公表 予定。 24 Ⅲ.「2040 年に向けたシナリオ」の定量化と足下の経済情勢を踏まえた注力すべき論点 1.定量化と足下の経済情勢を踏まえて得られる政策的示唆 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 人口減少下でも、「投資と賃上げが牽引する成長型経済」に転換できれば、国内経済は縮小する ことなく、外需の獲得も相まって、日本経済は成長が可能である。 世界の不確実性は高まっており、例えば足下の米国関税措置が、日本及び世界経済、ひいては 国際秩序に構造的な変化をもたらす可能性もあり、今回試算された将来見通しのとおりに、各産 業が成長していけるかは、予断を許さない。このため、今後も、世界情勢の変化に、機動的に対 応していくことが不可欠である。 しかしながら、中長期的に、高付加価値型の経済・産業構造に転換していくことの重要性は、変わ りようがない。交易条件の改善の観点からも、日本としての比較優位を作っていくことが今一度必 要であるという指摘もある61。すなわち、国内投資と賃上げで国内需要の拡大を牽引することに加 え、資源・食料等経済社会活動に不可欠な物資を輸入せざるを得ない中規模国として、不安定な 国際経済環境においても世界にかけがえのない高付加価値な製品・サービスを提供していくこと は、いかなる状況においても不可欠となる。 高い不確実性が継続する中でこれを実現するには、過去 30 年の新自由主義的な考え方に戻る ことなく、必要あれば、安定的に政策を実施するための財源、柔軟に支出していく枠組みを検討し た上で、大規模・長期・計画的な財政出動も伴う新機軸の経済産業政策を、予算・税制・規制・標 準化等のあらゆる政策を総動員することで、気を緩めずに強化し続けていくことが必要となる。 こうした過去・足下・将来の社会経済分析を踏まえると、今、必要なのは、高付加価値化に向けた 成長投資である。国内投資と賃上げに向けて、政府と民間企業の対話の場を設けながら、官民で 目線をそろえて民間企業の予見可能性を高め、現実に直面する障害をハード・ソフト両面から、一 つ一つ取り除いていく。そのため、以下①~③に取り組んでいく。 ① 新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革 ② 物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業 ③ 成長投資を実現する経済基盤(エネルギー、通商等)の強化 第 27 回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会(2025 年 4 月 22 日) 伊藤部会長発言参照 (以下抜粋の上要約) 「高付加価値化におけるキーワードは交易条件。日本の高度経済成長からバブルが崩壊するまでの間、日本の 交易条件はずっと改善していく中で、初期には鉄鋼業のような重化学工業化をどうするか、その後は産業構造 の高度化という論点があったが、恐らく賛否両論の議論があった。比較優位がないものを一生懸命やっても仕 方がないという意見もあったが、それに対して当時の通産省は比較優位を作っていく、つまり量で拡大するの ではなく、付加価値や交易条件に非常に大きな意味があるという議論をした。当時と同じ議論がここに来て出 てきていると思う。その上で、これからの時代においては、技術進歩も踏まえて交易条件あるいは付加価値が どういう形で伸びていくのかを想定することも重要なことだろうと思う。どこに投資をするのかという論点が 再び重要になっているのであり、闇雲に量を増やせばいいのではないことは強調したい。 」 61 25 2.政策の方向性① ~新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革~ ⚫ 戦略分野への官民投資と産業横断的な構造改革により高付加価値化を実現するために、以下 (1)~(4)に取り組んでいく。 (1)高付加価値な成長投資の促進 ⚫ 高付加価値化に資する次世代型投資を、企業が経営の中心に据えて、成長投資をやりきれる社 会システム・政策体系を整備するために、以下の主要施策に取り組む。  GX、DX、経済安保、健康、バイオものづくり、コンテンツなど戦略分野への官民連携での投 資を継続・強化する。  国内に成長投資を惹き付けるための環境整備として、法人税インセンティブを含む政策対応 により、研究開発・設備投資の後押しを成長投資型の構造となるよう、見直しを進める。    リスクを取った経営判断をしやすい環境とするため、会社法改正に向け、株式を活用した人的 投資・M&A の促進、業務執行取締役・執行役の責任限定契約の締結、実質株主の情報開 示、バーチャルオンリー株主総会の実現、株主提案権の要件見直し、株主総会の効率化・合 理化等についての検討を進める。 成長投資を実行しようとする企業に対して適切なリスク性資金が供給される環境を整備する ため、産業革新投資機構(以降、JIC)を含む官民ファンド等を活用したファンドエコシステムの 強化や、社債市場の活性化、人的資本投資の開示の充実等に取り組む。 事業ポートフォリオの組替えを促進するため、組織再編に係る税制や競争政策の進化等を検 討する。 (2)デジタル化・サービス化による産業構造の高付加価値 ⚫ 製造業X(エックス)化をはじめ、デジタル化・サービス化により、物量勝負だけでなく高付加価値 化で世界と勝負できる事業環境を整備するために、以下の主要施策に取り組む。 ・ 産業全体のデジタル化を進め、国際競争力の強化につなげるため、AI・半導体産業基盤強化 フレームの高度な執行等を通じ、半導体や計算資源等の基盤インフラの確保を進めるととも に、トッププレーヤー創出に向けた AI・データ産業政策を推進する。 ・ 産業利益の保護と両立するデータ流通・活用を促進するため、ウラノス・エコシステムを通じた ユースケースの更なる拡大や、デジタルライフライン等の社会インフラの整備、AI/DX時代に 即した産業財産権制度の検討を進める。 ・ DXを進めるに当たって不可欠なサイバーセキュリティを確保するため、国際連携を踏まえたセ キュア・バイ・デザインの推進や、政府調達等への要件化による実効性確保も意識したサプラ イチェーン全体でのセキュリティ対策の強化、サイバーセキュリティ産業振興・研究開発の促 進等に取り組む。 ・ 今後、成長が見込まれるコンテンツ産業の国際競争力を強化するため、エンタメ・クリエイティ ブ産業戦略に基づき、国内外の発信拠点・機会の整備や、人材・技術・産業基盤の強化、国 家間を含む国際的な協業・規制対応体制の構築、海外拠点による支援体制構築等に取り組 む。 (3)持続的なイノベーション創出に向けたエコシステム形成 ⚫ フロンティア技術等による差別化を支える研究開発を、再び世界最高水準としていける社会シス テムを整備するために、以下の主要施策に取り組む。 26 ・ 将来の産業を担うことが期待される、我が国にとって戦略的に重要な技術の社会実装を加速 化するため、戦略技術領域を特定するとともに、量子産業政策をモデルケースとしつつ、人 材、研究開発、拠点形成、設備投資、スタートアップ、標準化等のルール形成等の政策を総動 員し、一気通貫での支援を行うことで、国内外から民間投資を呼び込んでいく。 ・ 世界で市場獲得競争が激化するなか、不確実性が高い分野等において、国が前面に立って 戦略的標準化を推進するため、戦略策定から規格開発・活用まで一気通貫で標準化を進める 体制構築や、各分野の標準戦略ロードマップ策定、充実した体制での継続的な規格開発・交 渉の実現に取り組むとともに、グローバル対応にむけた認証基盤の充実等により国内認証機 関の強化を図る。 ・ 我が国の基礎科学力を再興するため、世界で競い、“成長する大学“経営を可能とする柔軟な 大学会計のあり方を検討するとともに、産業界と大学/国研等による対話の促進、産学官連 携の大型化や拠点形成、国内のみならず海外企業と大学との連携促進などを進める。 ・ イノベーションの担い手であり、経済成長のドライバーであるスタートアップ創出のため、「スタ ートアップ育成5か年計画」を強化し、グローバル・エコシステムとの連結強化、スタートアップ の創出から事業化に至るまでの支援、需要創出に向けた公共調達・民間調達の促進、M&A 推進や上場後の成長動機付け等の出口・成長経路の多様化等に取り組む。 ・ イノベーション拠点としての日本の魅力を高め、日本への研究開発・イノベーション投資を加速 するため、研究開発のグローバルとの接続強化や企業がリスクを取って研究開発投資や人的 投資等の成長投資に踏み出すための環境整備などを進める。 ・ デジタル・AI 等の時代の変化に対応した知財政策を推進するとともに、知財分析等を通じたオ ープン・クローズ戦略を企業や大学が策定・実行できるようにするために、事業フェーズに応じ た支援を充実させる。 (4)産業構造転換に対応した人材システムの再構築 ⚫ 構造的人手不足の中で、将来の人材需要の姿を官民で共有することで、次世代を中心とした人 的投資を促進し、ミスマッチを解消するために、以下の主要施策に取り組む。 ・ 将来の人口減少や産業構造転換を見据えた労働需給のミスマッチを解消するため、就業構造 推計による産業全体の将来の人材需要の明確化を行うとともに、これを踏まえ、関係省庁とも 連携し、「産業人材教育のためのプラン」の策定を含め人材育成の強化に取り組む。 ・ 成長分野への労働移動円滑化等の労働市場改革を推進するために、リスキリング支援やジョ ブ型雇用の促進を進めるとともに、政府において、働き方改革関連法施行後 5 年の経過を踏 まえた状況の把握と点検を行う。 ・ 産業界から求められるトップ人材・専門人材等を育成するため、産業界から教育機関等への 資金提供・人材派遣を後押しするための政策を検討するとともに、大学等との共同研究を通じ た企業の研究者の博士号の取得促進や、初等中等教育段階における産学連携の好事例の 面的展開に取り組む。 ・ 海外の優秀な人材確保のために、寄附講座をはじめとする海外大学との連携強化や関連制 度の見直しなど具体的な措置を検討し、環境整備等を進める。 27 3.政策の方向性② ~物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業~ ⚫ 地方経済のポテンシャルを発揮させることで、日本経済の成長の起爆剤としていくため、以下(1) ~(4)に取り組んでいく。 (1)地域経済を牽引する中堅・中小企業の成長力の抜本強化 ⚫ 地方経済の成長の担い手となる中堅・中小企業の生産性向上・賃上げを実現するために、以下 の主要施策に取り組む。 ・ 賃上げ原資の確保に向けて、サプライチェーン全体での取引適正化を実現するため、改正下 請法・振興法に基づく執行強化、パートナーシップ構築宣言の実効性強化、官公需の取引適 正化等に取り組む。 ・ 人手不足が深刻化する中、単なるヒトの置き換えに留まらず、中小企業の抜本的な生産性向 上・省力化を促進するため、業種別省力化プランの策定や、各種補助金の効果的執行、生産 性向上に向けた専門アドバイザーによる伴走支援等を推進するとともに、中小企業の高付加 価値化・新事業進出・イノベーション創出支援に取り組む。 ・ 中小企業・支援機関・地域金融機関等のDX化を進めるため、地域のトップデジタル人材の育 成、地域DX推進ラボの充実やミラサポコネクトを活用した中小企業と支援機関のマッチング 促進、モニタリングの高度化、支援機関のDX化に向けた取組を進める。 ・ 地域の成長と賃上げを牽引する中堅・中小企業の成長促進に向けて、成長投資支援を強化 する。同時に、成長企業が自立的に生み出されるようなメカニズムを構築するため、ソフトイン フラの整備を加速する。地域経済への波及効果の高い重点支援企業を選定し地域毎の支援 体制を構築するとともに、中小機構による伴走支援、研究開発・設備投資支援、海外展開や 高度外国人材の活用促進、ファイナンスインフラの整備、持続的成長に不可欠な環境整備と 支援を一体的に進める枠組みの構築等に引き続き取り組む。地域の包摂的な成長を支える 中小企業・小規模事業者を効果的に下支えするため、地域の支援機関のあるべき機能・役割 を踏まえた支援への改善・強化を進める。 ・ 地域の中堅・中小企業が安定して人材を獲得できる経営・人事機能を確立するため、人的資 本経営の横展開や「地域の人事部」モデルの普及促進、兼業・副業のマッチング、人材活用ガ イドラインの更なる普及促進、よろず支援拠点等の支援機関による伴走支援等を通じた企業 の人材戦略の策定・実行支援、女性の健康増進に係る取組等を推進する。 ・ 経営者の交代や若返りによる経営力向上を目指し、M&A・事業承継を推進する。 ・ 適切な新陳代謝を促進するため、中小企業金融の規律を発揮させつつ、「再生・再チャレンジ 支援円滑化パッケージ」の着実な推進等の再生を加速させる。 ・ 中堅・中小企業が「知財で稼ぐ」ことを実現させるべく、産業財産権等の取得や利活用に向け た伴走支援や保護の推進等を行う。 ・ 中堅・中小企業の海外展開を促進し、地域経済を活性化するため、民間事業者による輸出支 援ビジネスの体制構築を支援するとともに、地域ごとの関係者をメンバーとするコンソーシアム にて高度外国人材のリクルーティングを促進する。 (2)構造的な人手不足下でも持続可能なローカル経済圏の形成 ⚫ アドバンスド・エッセンシャルサービス業化を通じて、人口減少下でも、地域内でエッセンシャルサ ービスの供給を、生産性向上によって維持・発展していくために、以下の主要施策に取り組む。 28 ・ 人手不足が深刻化する中、中小企業の抜本的な生産性向上・省力化を促進するため、業種 別省力化プランの策定や、各種補助金の効果的執行、生産性向上支援アドバイザー事業等 を推進する。【再掲】 ・ 小売、介護等、地域の生活を支えるサービスの供給が困難になる中で、省力化・デジタル化・ 協同化等の生産性向上を図り、恒常的な赤字構造には陥らない程度に利益確保を図るサー ビス供給を維持・発展させていく、協同組合や住民出資会社等を主体とした新たな共助型事 業体(「地域協同プラットフォーム」)の支援を検討する。 ・ 地域の包摂的な成長を図るため、小規模事業者の経営自走化や事前防災等に向けた施策改 善・強化、域外企業との連携等ローカル・ゼブラ企業のエコシステム創出の仕掛け作りなど、 小規模事業者・ローカル・ゼブラ政策の更新を進める。 (3)地域における産業立地の促進 ⚫ 地政学リスク等を背景に、日本の立地先としての魅力が高まる中、誘致のボトルネックとなりうる 産業用地・インフラの制約を解消するために、以下の主要施策に取り組む。 ・ 包括的な産業用地・インフラ不足に対応するため、産業用地のマッチングや、土地利用調整手 続の迅速化、土壌汚染対策法の点検・見直しに係る検討を踏まえた土地の有効活用、自治体 自ら又は官民連携により行う産業用地整備への支援強化など、GX・DXの進展も見据えた産 業用地の確保と必要となるインフラ整備にかかる支援を行う。また、工業用水の安定的な供給 に向けた取組を支援する。 ・ 長期的な経済成長の基盤として、地方経済に高い付加価値をもたらす機能(企業の本社機 能・研究機能等)の立地を促す観点から、人材の流動促進も含めた拠点機能の地方分散・強 化を促進する総合的な対策を推進する。 ・ 地域の産業構造に応じた、地域ごとの高等教育の体制整備を進めるため、地域単位での産 業人材育成の方向性を検討する連携体制を関係省庁が連携して構築する。 ・ GX、DXなど中長期的に成長が見込まれる戦略分野における対内直接投資を促進するため に、有望海外企業にアプローチし日本進出提案を行うなど、プッシュ型の戦略的誘致を行う。 (4)地域におけるイノベーションの促進 ⚫ 地域におけるイノベーションの創出促進により、地方経済の高付加価値化を実現するために、以 下の主要施策に取り組む。 ・ 地方におけるイノベーション創出を目指す「地方イノベーション創生構想」の実現に向けて、自 治体によるスタートアップ調達の促進等を通じた地域のイノベーションの担い手であるスタート アップを育成する環境の整備や、地域大学や国立研究開発法人によるイノベーション拠点整 備の支援、コンテンツや地方のストーリー・産品を活用した地方モデルの構築、地域におけるト ップレベルの IT 人材の育成基盤の確立等に取り組む。 ・ 中堅・中小企業における、産業財産権をはじめとする知財の取得・活用を通じた売上げの向 上・経営の高度化を目指し、地域における知財エコシステムの形成等に取り組む。 ・ 福島復興と地方創生 2.0 を掛け合わせた全国の参考となる絵姿を提示するため、「福島イノベ ーション・コースト構想の青写真」を本年夏頃をめどに改定する。 29 4.政策の方向性③ ~成長投資を実現する経済基盤の強化~ ⚫ 国内外のリスクに対応し、世界の中で日本が投資先として選ばれる立地競争力を形成するため に、以下(1)~(3)に取り組んでいく。 (1) ⚫ GX2040ビジョン・エネルギー基本計画の着実な実現 GX2040ビジョンやエネルギー基本計画を踏まえ、エネルギー安定供給・経済成長・脱炭素の同 時実現を図る取組を加速させるために、以下の主要施策に取り組む。 ・ 産業のGXに向けた取組をさらに加速するため、GX経済移行債の効果的活用及び排出量取 引制度の本格稼働を進めるとともに、同制度の対象業種ではないものの、自社のサプライチェ ーン全体での排出削減の取組がGXのために重要となるような業種のGXを促進する枠組にG Xリーグを見直す。 ・ 脱炭素電源等のクリーンエネルギーの地域偏在性を踏まえ、効率的・効果的に「新たな産業 用地の整備」と「脱炭素電源の整備」を進める。AI やロボットなどのデジタル技術を活用したD Xにも取り組む企業に脱炭素電力の利用を促すインセンティブ措置を検討するとともに、その ためにも不可欠なデータセンターの整備を、電力と通信の双方の課題を整理し進めていく。 ・ GX価値の見える化をはじめとしたGX市場創出を進めつつ、サーキュラーエコノミーへの移行 に向けた再生材の安定供給と国内再生材産業・製造業の競争力強化のために、設備投資支 援等を行うとともに、実証等を通じた効率的な回収・選別システムの構築と必要な制度見直し を推進する。 ・ 徹底した省エネ、非化石転換及び DR を促進するため、①省エネ設備投資や診断支援の強 化、金融機関等と組んだ地域での省エネ支援体制の構築、データセンターの効率改善を促す 制度、②電化・非化石転換支援や工場等の太陽光導入余地の報告制度、③安全性等が確保 された蓄電池の導入や機器の DRready 化等、支援と規制を一体的に取り組む。 ・ 特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスのとれた電源構成を目指すとともに、 再エネ、原子力などの脱炭素電源を最大限活用する。再エネについては、主力電源として、地 域との共生と国民負担の抑制を図りながら最大限の導入を促し、ペロブスカイト太陽電池や浮 体式洋上風力の導入拡大、次世代型地熱の社会実装等を進めるとともに、国内に強靭なサプ ライチェーンを構築する。原子力については、安全性の確保を大前提に、再稼働の加速、次世 代革新炉の開発・設置、核燃料サイクルや最終処分といったバックエンドの加速化に取り組 む。火力については、トランジション手段としてのLNG火力の確保、水素・アンモニア、CCUS 等を活用した火力の脱炭素化を進めるとともに、予備電源制度等の措置について不断の検討 を行う。 ・ 電力システム改革の検証を踏まえ、安定供給と脱炭素の両立に向けて、①安定供給を大前提 とした電源の脱炭素化に向けた事業環境や資金調達環境の整備、②電源の効率的な活用に 向けた系統整備・立地誘導と需給運用の仕組構築、③市場を通じた安定的な価格での供給 実現に向けた小売事業の環境整備といった制度措置を検討する。 ・ 新たな電力市場や既存電力市場の信頼性を確保するために、新市場に対する監視のあり方 の検討や市場監視の高度化を進める。 ・ 電化が困難な分野で天然ガスなどへの燃料転換を進めつつ、こうした幅広い分野で脱炭素の 鍵となる水素等について、価格差に着目した支援や拠点整備支援を実施するなど、更なるサ プライチェーン構築に向けて、各種設備や関連インフラ等の技術開発・製造・建設等への支援 や、電力や運輸など各分野における制度措置の検討を含め、規制・支援一体的な政策を継続 30 していく。バイオ燃料の導入拡大に向けた課題対応に関するアクションプランの策定を進め、 対策を講じる。合成燃料や合成メタン等の低コスト化、早期供給や大規模生産技術の確立に 向けた取組、投資環境整備等を進める。 ・ 石油・天然ガスは、地理的近接性や資源国との関係等を勘案した開発促進や供給源多角化、 資金調達環境整備、戦略的余剰の制度的確保等の LNG リザーブメカニズムを確立。また、地 域の燃料供給体制確保のため、災害対応能力強化や SS ネットワーク維持・強化等に取り組 む。競争力ある CCS バリューチェーン構築のため、諸外国の支援措置等を踏まえた支援制度 の取りまとめ、CCS 事業法の詳細ルール整備、先進的プロジェクトの推進を行う。 ・ 蓄電池・部素材・製造装置の製造基盤確立、全固体電池など次世代電池市場の獲得に向け、 研究開発の加速・サプライチェーン構築、蓄電池の導入促進等の取組を推進する。 ・ エネルギー政策の原点である福島復興の完遂に向けて、廃炉・ALPS 処理水、避難指示解除 に向けた取組、産業復興等についての次の5年の方針を提示する。 (2) ⚫ 不確実性を増す世界経済における事業環境の再構築 世界経済の断片化が進む中、外需獲得も見据え、国際的な事業環境の予見可能性を高めるた めに、以下の主要施策に取り組む。 ・ WTO、G7、G20、OECD、APEC 等の様々なフォーラムや、GCC、UAE、バングラデシュ、トルコ 等の新興国とのバイの経済連携協定(EPA)交渉及び環太平洋パートナーシップに関する包 括的及び先進的な協定(CPTPP)、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)等のマルチの経済 連携協定を活用し、有志国との連携の下、ルールベースの国際経済秩序の維持・強化を推進 する。 ・ 地域別・国別戦略を策定し、日本の国益と相手国の国益とが相互に Win-Win となるパッケー ジディールを組成する。また、地域別・国別戦略を含めた通商戦略全体の方向性については、 今後の通商白書に組み込んでいくとともに、国際情勢の変化を踏まえ、原則、毎年アップデー トを図る。 ・ 気候変動政策として各国が導入する炭素国境調整措置が過度に貿易制限的な措置とならな いよう、課題認識を共有する国とも連携しながら適切に対応していく。日本の脱炭素技術等が 適切に評価される地域の脱炭素市場を構築しつつ、これら技術等の導入を推進するため、ア ジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)を通じたルール形成と個別プロジェクトの実施を両輪で 進める。 ・ グローバルサウス地域での連携強化のため、他の施策との連携や重点化を念頭に、引き続 き、企業の実証・FS 事業を支援する。 ・ 同志国との経済連携を強化すると同時に、先端サービス・ハイテク分野における世界的なテス トベッドとして機能している同志国市場に向けた挑戦を後押しするために、スタートアップを含 む日本企業の展開を支援する。 ・ 非価格価値(供給安定性、サイバーセキュリティ、サプライチェーン上の人権尊重等)を持つ製 品が市場で正当に評価されるために、需要サイドの政策ツールへの非価格要素の導入を含 めた政策をさらに進めるとともに、G7等のマルチやバイを通じて同志国との間での協力を推 進する。 ・ 貿易の効率的かつ安定的な実施に向けて、貿易手続のデジタル化のための貿易プラットフォ ームと各種システムの連携を支援する。また、地政学リスクの増大による不確実性への対応 のため日本貿易保険(NEXI)のリスク対応能力を強化する。 31 ・ 相手国の政府・経済界の有力者を対象とした日本国内の制度等に関する各種研修等を行うこ とを通じて、相手国の制度の改正や創設等を促すことにより、日本企業による外需獲得を促進 する。 (3) ⚫ 経済安全保障の確立・強化 我が国を取り巻く脅威・リスクに対応するため、サプライチェーンを含む産業・技術基盤の強靱化 など、我が国経済力強化に向け、以下の主要施策に取り組む。 ・ 経済安全保障の観点から、我が国の自律性と不可欠性を高めるための施策を講じるべく、情 報保全に万全を期した上で、官民が連携し脅威・リスクを分析する経済インテリジェンス機能 の強化を図るとともに、自律性・不可欠性確保のための海外事業展開の支援やデータセキュ リティの強化について検討する。 ・ インド太平洋地域を中心とする同志国と、AI、量子コンピューティング、先端半導体、防衛産業 をはじめとした重点分野の市場・技術を守り育てるため、産業支援策と産業防衛策を同志国と 連携しながら一体的に講じる「Run Faster 協力枠組み」の構築・展開を行う。 ・ 重要鉱物の安定供給確保と供給途絶による国内外のサプライチェーンへの影響に備え、十分 な備蓄量の確保と国による主体的な上流開発プロジェクトの組成に取り組む。 ・ 経済安全保障上の脅威・リスクから我が国の技術等を守るため、技術流出防止のための投資 管理・輸出管理のあり方について検討するとともに、中堅・中小企業等に対する技術流出対策 に係るアウトリーチ強化に取り組む。 ・ 我が国の経済安全保障を支える宇宙産業の技術基盤を強化するため、衛星の量産やロケット 打上げの高頻度化等を可能とする自律的なサプライチェーン構築、開発プロセスの標準化や 国際的なルールメイキングも見据えた技術開発支援等に取り組む。 ・ 防衛産業の産業競争力を強化するため、防衛省・防衛装備庁をはじめとした関係省庁とも連 携しながら産業戦略の検討を進めるとともに、民生・防衛双方に資するデュアルユース技術を 有するスタートアップ等の研究・技術開発を引き続き支援する。 ・ 過剰供給問題への対応のため、貿易救済措置等の国境措置の効果的な執行に取り組む。 32 Ⅳ.長期目標に向けた施策の進捗と今後検討が必要となる政策 ⚫ 経済産業政策の新機軸においてはこれまで、社会課題解決(=ミッション)を成長のエンジンと捉え、 ⚫ ミッション志向の産業政策とテーマ横断的な社会基盤(OS)の組替えという枠組みの下で、大規模・ 長期・計画的な産業政策の強化策を提示してきた。これにより、国内投資・イノベーション・所得向上 の3つの好循環を実現することが、新機軸全体の目標である。 本章においては、8つのミッションと4つのOSごとに、当面見据える長期目標を設定するとともに、第 3次中間整理以降取り組んできた施策の進捗状況を整理する。その上で、今後必要な施策をⅢ.に おいて取り上げた重点政策も含めて網羅的に整理することとする。 <ミッション志向の産業政策> ⚫ 高付加価値分野への投資を推進するためには、世界的な社会課題解決を起点としながら、人口減 少下でも中長期的に拡大する国内需要を開拓しつつ、大規模・長期・計画的支援により供給側も同 時に育成することが重要である。このように海外の市場獲得を含め、需給両面から施策を継続実施 することで世界水準の戦略投資を加速していく。新機軸における政府支援は、民間企業の「後押し」 ではなく、国富を拡大する「国の戦略投資」である。 33 (1)炭素中立型社会の実現(GX) ① 当面の長期的目標 ⚫ 10 年で 150 兆円超の官民投資、20 兆円規模の政府支援を実現する。 ⚫ 2050 年 CN を実現する。 ② 第3次以降の進捗状況 【GX2040ビジョン・第7次エネルギー基本計画】 ⚫ 事業環境の予見性を高め、日本の成長に不可欠な付加価値の高い産業プロセスの維持・強化につ ながる国内投資を後押しするため、中長期の見通しとして「GX2040ビジョン」を策定した。 ⚫ 加えて、DXやGXの進展による電力需要増加が見込まれる中、それに見合った脱炭素電源を確保で きるかどうかが、我が国の経済成長・産業競争力に直結する状況となっており、こうした点も踏まえ、 2025 年2月、「GX2040ビジョン」と「第7次エネルギー基本計画」、「地球温暖化対策計画」を一体的 に策定した。 【成長志向型カーボンプライシング構想】 ⚫ 2026 年度から本格稼働予定の排出量取引制度(以降、GX-ETS) 等カーボンプライシングの基盤を 整備すべく、GX推進法の改正が成立した。 ⚫ カーボンリーケージの可能性に関する分析等を引き続き実施。 ⚫ GX・DXの進展に伴う電化への対応と関連国内投資の促進に必要な銅資源などのベースメタルや重 要鉱物等を戦略的に確保するため、上流開発支援等の強化を検討した。 ⚫ 先行して革新的な技術の研究開発支援を行ってきたグリーンイノベーション基金については、一部の ⚫ プロジェクトについて、開始当初に予見が困難であった急激な環境変化によりコストの上昇等が発生 し、当初想定のスピードや規模での実施に支障が生じるおそれがあったことから、実施者への追加 予算措置を行った。 また、浮体式洋上風力発電、ペロブスカイト太陽電池及び水電解に関するプロジェクトについて、新 たな研究開発・実証を行うために、グリーンイノベーションプロジェクト部会で審議を行い、当該研究 開発・実証の実施に関して了承を得た。 【国際展開戦略】 ⚫ GX投資促進策の協調等による同志国との GXサプライチェーンの構築を進めている。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ アジアの脱炭素に向けた協力枠組みである AZEC を活用し、2024 年8月に設置されたアジア・ゼロ エミッションセンターを通じた政策策定支援や日本の GX技術の導入促進等のセクター別の協力と G Xの取組を一体的に推進した。2024 年 10 月の第2回 AZEC 首脳会合で採択された「今後 10 年のた めのアクションプラン」に基づき、ルール形成を含む政策協調と個別プロジェクトの更なる組成を両輪 で進めるため、その具体化に向けて関係省庁や各パートナ-国と連携して取り組んでいる。 アジアでのトランジション・ファイナンスのルール形成に向け取組を進めている。 IEA 等と連携した LNG を座礁資産化しないための取組の強化を行っている。 バイオ由来材料・製品の市場化に向けて、バイオ製品価値の創出のため基準策定(LCA(Life Cycle Assessment)値算出のための計測手法、「原料 CO2」の証明方法)の確立に向けて対応している。 34 【公正な移行、中堅・中小企業を含む社会全体の GX】 ⚫ GXリーグの GX人材市場創造 WG において GX人材の労働移動市場に向けた共通の「ものさし」とな ⚫ る「GXスキル標準」を策定した。また、在職者のキャリアアップのための転職支援や企業による社員 のリスキリング支援等を通じて、新たなスキルの獲得とグリーン分野を含む成長分野への円滑な労 働移動を同時に進めている。 令和6年度補正予算において、GXに資する革新的な製品・サービス開発支援を措置するとともに、 省エネ設備への更新の支援や、省エネ診断の支援について、補助対象の拡大や新メニューの追加 など一部取組を強化しつつ措置した。加えて、金融機関や省エネルギー支援機関とも連携した、地 域で中小企業等の省エネルギーを支援する省エネ・地域パートナーシップを創設するとともに、中小 企業基盤整備機構において、相談の受付、中小企業や支援機関向けの研修を実施した。 GX分野のディープテック・スタートアップ等を対象に、研究開発から商用設備投資等の事業開発支援 ⚫ や、領域単位での伴走型による事業化支援を実施するために、GX令和6年度当初予算において 410 億円を措置(5年間で総額 2,000 億円)すると共に令和7年度当初予算として 300 億円を閣議決 定した。 地域・くらしの GX推進を行っている。 ⚫ ③ 今後必要な施策 【GX2040ビジョン・第7次エネルギー基本計画】 ⚫ 2040 年時点におけるエネルギー関連技術のイノベーションの状況や、各国のエネルギー政策の動 向、DXや GXの進展状況など不確実性が高い状況。こうした中で、使える技術は全て活用するとの 方針の下、あらゆる選択肢を追求する。 ⚫ 第7次エネルギー基本計画を踏まえ、省エネの徹底に加え、再エネ、原子力など、エネルギー自給率 向上に資する脱炭素エネルギーの供給を拡大するための事業環境整備等を講ずるとともに、低炭素 水素等(アンモニア、合成メタン、合成燃料を含む)や CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)などの新たな脱炭素技術の社会実装を推進していく。 ⚫ 特に、DXや GXの進展による電力需要増加が見込まれる中、それに見合った脱炭素電源を十分確 保できるかが我が国の経済成長や産業競争力を左右する状況にある。こうした中で再エネと原子力 を共に最大限活用する必要。 ⚫ 2040 年に向けて、脱炭素電力等のクリーンエネルギーを利用した製品・サービスが付加価値を生む GX産業が、日本経済の牽引役として期待。他方、脱炭素電力等のクリーンエネルギーの供給拠点 には地域偏在性があることから、効果的・効率的なインフラ整備の観点も踏まえ、クリーンエネルギ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ーの供給地域近傍への投資を促進するための「GX産業立地」の在り方について検討を行う。 徹底した省エネ、非化石転換及びディマンド・リスポンス(以降、DR)を促進するため、①省エネ設備 投資や診断支援の強化、金融機関等と組んだ地域での省エネ支援体制の構築、データセンターの 効率改善を促す制度、②電化・非化石転換支援や工場等の太陽光導入余地の報告制度、③安全性 等が確保された蓄電池の導入や機器の DRready 化等、支援と規制を一体的に取り組む。 電力システム改革の検証を踏まえ、安定供給と脱炭素の両立に向けて、①電源の脱炭素化に向け た事業環境や資金調達環境の整備、②電源の効率的な活用に向けた系統整備・立地誘導と需給運 用の仕組構築、③市場を通じた安定的な価格での需要家への供給に向けた小売事業の環境整備と いった包括的な制度措置を検討する。 新たな電力市場や既存電力市場の信頼性を確保するために、新市場に対する監視のあり方の検討 や市場監視の高度化を進める。 エネルギー政策の原点である福島復興の完遂に向けて、廃炉・ALPS 処理水、避難指示解除に向け た取組、産業復興等についての次の5年の方針を提示する。 35 【成長志向型カーボンプライシング構想】 ⚫ 事業者の投資予見性を高め、GX投資を促進するために、カーボンプライシングとして排出量取引制 ⚫ ⚫ 度と化石燃料賦課金を段階的に導入する。 引き続き、2050 年カーボンニュートラルの実現に向けて、グリーンイノベーション基金事業における 更なる取組を進める。 複数社連携における課題へ対応していくため、公正取引委員会と経済産業省で連携して事業者へ の普及啓発を実施する等、事業者の取組を後押ししていく。また、事業者の取組状況等も踏まえ、G Xの実現に向けた事業環境の更なる予見可能性の向上を引き続き図る。 【国際展開戦略】 ⚫ AZECの枠組みでは、2024 年 10 月に首脳間で採択された「今後 10 年のためのアクションプラン」に ⚫ ⚫ 沿って、①脱炭素化に資する活動を促進するルール形成等の「AZEC ソリューション」の推進、②排出 量の多い電力・運輸・産業分野の脱炭素化に関するロードマップ策定等のイニシアティブの始動、③ 個別プロジェクトの更なる組成と実施を図っていく。これらの取組により、日本の脱炭素技術・サービ スが適切に評価される地域の脱炭素市場の構築を目指す。 二国間クレジット制度(以降、JCM)の推進を通じて、世界全体の排出削減に貢献する。 気候変動政策として各国が導入する炭素国境調整措置が過度に貿易制限的な措置とならないよう、 課題認識を共有する国とも連携しながら適切に対応していく。 【公正な移行、中堅・中小企業を含む社会全体の GX】 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ GXの推進に伴う産業構造転換の中で新たに生まれる労働需給や地域経済への影響に対応すべく、 在職者の転職を伴わないリスキリング支援、GXスキル標準のさらなる浸透に向けた施策、セーフティ ネットに係る施策の活用等を検討する。 GX分野のディープテック・スタートアップ等を対象に、研究開発から商用設備投資等の事業開発支援 や、領域単位での伴走型による事業化支援を引き続き実施(5年間で総額 2,000 億円)すると共に、 リスク補完の観点から脱炭素成長型経済構造移行推進機構の出資により資金供給を後押しする。 中堅・中小企業のGXの取組を推進するため、排出量の算定・見える化や排出量削減計画等の策 定、GXの取組に資する設備投資支援を行うとともに、金融機関や省エネルギー支援機関と連携し、 地域における省エネルギーの支援体制を地方公共団体等とも協力して全国規模で充実させる。ま た、地域の金融機関、商工会議所、地方公共団体等が連携して中堅・中小企業のGXの取組を支援 するプッシュ型の支援体制の構築等を進める。 自社のサプライチェーン全体での排出削減の取組がGXのために重要となるような業種のGXを促進 する枠組にGXリーグを見直す。 36 (2)デジタル社会の実現(DX) ①当面の長期的目標 ⚫ 2030 年までに国内で半導体を生産する企業の合計売上高(半導体関連)15 兆円超とする。 ⚫ 2030 年度までに AI・半導体分野に 10 兆円以上の公的支援を行い、今後 10 年間で 50 兆円を超え る官民投資を促し、約 160 兆円の経済波及効果を実現する。 ⚫ グローバルなデータ経済圏形成の動きの中で、データ連携・活用で新たな価値を生み出す日本発イ ニシアティブであるウラノス・エコシステムについて、ミッション志向の産業政策と連動する形での拡大 を図る。 ⚫ 個人のデジタルスキル情報の蓄積・可視化と活用を通じてデジタル人材育成のエコシステムを実現 する。 ②第3次以降の進捗状況 【個別企業DX】 ⚫ 足下では 70%を超える企業がDX関連の施策を行う等、DXの取り組みは一定進捗。 ⚫ 経営者がDXにおいて取り組むべき事柄をまとめた「デジタルガバナンス・コード」について、DX推進 による企業価値向上に焦点を当てるとともに、経営者への伝わりやすさを重視して内容及び構成を 見直し、特に重要な論点としてデータ活用・連携、デジタル人材の育成・確保、サイバーセキュリティ リスクの重要性を強調するなど、抜本的な見直しを行った。加えて、デジタルガバナンス・コードに沿 った取組をDX銘柄(上場企業)、DXセレクション(中堅・中小企業等)として選定した。 ⚫ 特に中小企業の生産性向上と成長を加速するため、地域金融機関、ITベンダー、コンサルタント等 ⚫ の地域の支援機関を通じた面的な企業DXを推進した(DX支援ガイダンスに即したDX支援の取組 事例集の大幅拡充、DX事例に関するデータベースの構築等)。また、地域DX推進ラボとよろず支援 拠点の連携強化を通じて、全国的なDX支援の裾野の拡大に取り組んだ。さらに、中小企業の労働 生産性の向上を目的として IT ツールの導入を支援する IT 導入補助金において、IT 活用の定着を 促す導入後の活用支援を補助対象経費に追加する等の措置を講じた。 製造事業者が直面する経営課題の解決に向けて、「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライ ン」を NEDO・経済産業省共同で策定・公表した。 【デジタル産業基盤】 (半導体・電子部品) ⚫ ⚫ ⚫ 2024 年 11 月 22 日に「AI・半導体産業基盤強化フレーム」の策定が閣議決定された。産業競争力の 強化、経済安全保障及びエネルギー政策上の観点から、10 兆円以上の公的支援を行い、2030 年 度までの7年間に必要となる技術開発や設備投資計画を重点的に支援し、今後 10 年間で 50 兆円 を超える官民投資を促すため、複数年度にわたって、補助・委託や金融支援を行っていく。 半導体サプライチェーン強靭化に向け、我が国におけるミッシングピース補完を目指し、国内生産拠 点整備・人材育成等を継続。特に、次世代半導体の量産に向け、研究開発支援を実施しつつ、必要 な法案(「情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」)を 第 217 回国会に提出し、2025 年 4 月に成立した。 製造基盤整備及び研究開発支援を継続・強化した(特に、我が国における半導体・電子部品サプラ イチェーン上のミッシングピース(次世代半導体の設計開発、次世代メモリ開発、先端パッケージ開 発等)に対する支援)。 37 ⚫ 半導体生産拠点整備に伴うインフラ整備を推進した。北海道、岩手県、広島県および熊本県といった 関係自治体により、工業用水、下水道および道路整備が引き続き進められている。 (情報処理基盤) ⚫ 国内外の優れた企業・人材によるイノベーションを促進するための取組を進めた。 ➢ AI の開発・利活用に必要な計算資源の官民での整備促進。 ➢ データが多数の AI 開発者に使われ、その過程でフィードバック等がなされ、さらにデータ基盤が 質的・量的にリッチになっていくという「データエコシステム」の構築に取り組む事業者を支援。 ➢ 生成 AI のコア技術である基盤モデルの開発を、計算資源の調達やコミュニティ活動の面で支 援。 ⚫ データセンターの省エネを推進するため、利用可能な効率化に資する技術の着実な実装及び最先 端技術の開発・社会実装の加速を図る観点から、計算資源の高効率化をはじめとした技術開発支援 の検討に加えて、制度面での対応も同時に推進。 (蓄電池) ⚫ 蓄電池・部素材・製造装置の製造基盤の拡大に向けて経済安保基金を活用し、蓄電池7件、蓄電池 部素材 20 件、蓄電池製造装置5件の計画を認定した。 ⚫ カナダと署名した蓄電池サプライチェーンに関する協力覚書に基づく局長級対話を実施し、引き続 き、互いに連携し、持続可能で信頼性のあるグローバルなバッテリーサプライチェーンの構築に向け て、情報交換することに加え、更なるアクションをとっていくことを再確認した。 ⚫ 次世代電池の技術開発の推進や人材育成等を通じた、蓄電池分野における新たなイノベーションを 創出するために、次世代電池である全固体電池及びその部素材の生産に向けた設備投資・技術開 発や、蓄電池のリサイクル技術開発等への支援を行っている。また、バッテリー人材の育成のため、 産学官一体で作成した教材を活用し、高校・高専等計 29 校でバッテリー教育プログラムを実施し た。また、産業界側で蓄電池産業入社後に活用できる重要 12 テーマを選定し、より専門的な教材を 作成した。 (高度情報通信インフラ) ⚫ オープン RAN(Radio Access Network)の普及拡大に向けた日米連携をはじめとした国際連携や海 ⚫ 外現地での PoC(Proof of Concept、概念実証)含めた研究開発支援を継続した。また、ポスト5G 情 報通信システム基盤強化研究開発事業にてローカル5G を含む省エネ基地局等の研究開発の支援 を行った。 ローカル5G の普及促進に向けた、税制によるローカル5G の導入促進の支援を行うとともに、優良 なユースケース創出に対する支援に向けた必要性及び効果的なアウトプットを整理した。 【デジタルインフラ基盤】 (ウラノス・エコシステム) ⚫ データ連携コミュニティを様々な産業分野、バリューチェーンで実装していくための政策横断体制を整 ⚫ 備し、ウラノス・エコシステムの拡大を図っている。 システム設計・構築における技術的な参照モデルや技術仕様、ガイドライン及びガイドブックの策定・ 更新、開発者に向けた OSS(オープン・ソース・ソフトウェア)及び SDK(ソフトウェア開発キット)の公 開・拡充を進めている。 38 ⚫ 2024 年7月に情報処理の促進に関する法律施行規則及び指針を改正し、公益デジタルプラットフォ ーム運営事業者認定制度を創設し、同年9月に第一号認定を行った。 ⚫ デジタル庁と連携し、独立行政法人情報処理推進機構による、デジタル領域における基準・標準の 策定を推進している。 「デジタルライフライン全国総合整備計画」に基づき、共通の仕様等に準拠したデジタルライフライン (ハード・ソフト・ルール)の全国的な整備を進め、国民による自動運転・ドローン等のデジタルサービ ス活用を抜本的に促進している。 ⚫ (サイバーセキュリティ) ⚫ サプライチェーン全体での対策強化に向けて、情報処理推進機構(以降、IPA)と連携して業種横断 的なセキュリティ対策水準を定義して各企業における取組を可視化するような枠組みを構築すべく、 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」の方向性を 2025 年4月に中間的にとり まとめた。 IoT セキュリティ適合性評価制度(以降、JC-STAR)については、2025 年3月にあらゆる製品類型に 共通的な最低限度の適合水準(★1)の運用を開始した。産業界による制度活用を慫慂しつつ、同制 度の適合ラベルが付与された IoT 製品の政府調達等における活用を進めるべく、「政府機関等の対 策基準策定のためのガイドライン」に同制度の活用に関する記載を追加した。併せて、欧米等の関 連制度との相互運用性確保に向け、各国との議論・調整を進捗させている。 国内投資の促進が強力に進められている半導体関連産業におけるサイバーセキュリティの確保に 向けて、サイバーセキュリティ対策の情報共有、各種取組状況のフォローアップを行うべく枠組みを 立ち上げつつ、半導体デバイスメーカ向け OT(制御技術)セキュリティガイドラインの検討等を行っ た。 産業界等におけるソフトウェアセキュリティの確保に向けて、あらゆる企業にとって、SBOM(ソフトウェ ア部品表)をより効率的に活用できる方法等を検討し、2024 年8月に「ソフトウェア管理に向けた SBOM の導入に関する手引 ver2.0」を策定(ver1.0 を改定)した。 中小企業における情報セキュリティ対策への取組や被害の状況等を明らかにするための実態調査 を行い、調査結果を 2025 年5月に公表した。また、全国の中小企業において企業内部でセキュリテ ィ対策を推進する人材を確保・育成し、企業外部のセキュリティ人材を活用するためのガイドラインの 素案を策定した。基準改定後のサイバーセキュリティお助け隊サービスについては、政府広報等を 活用して普及促進を図った。 セキュリティ市場の拡大に向けたエコシステムを構築するため、「セキュリティ産業」の構造化や諸外 国の産業振興モデルの研究などを進め、国産サイバーセキュリティ製品・サービスを育成・振興する ための政策パッケージである「サイバーセキュリティ産業振興戦略」を 2025 年3月に策定した。情報 処理安全確保支援士(登録セキスペ)の活用促進に向けては、中小企業とのマッチングを促す場を 構築するための実証事業を行うとともに、資格の更新制度の見直しを含めた登録セキスペの活用促 進に向けた方策について検討を進めた。また、高度なセキュリティ人材の育成に向けて、IPA 産業サ イバーセキュリティセンターにおいて重要インフラ企業等向けに提供する1年間の教育トレーニング 「中核人材育成プログラム」の第8期を 2024 年7月に開始するとともに、次代を担う情報セキュリティ 人材を発掘・育成する「セキュリティ・キャンプ」も継続して実施した。 官民のサイバー状況把握力・対処能力向上に向け、先進的サイバー防御機能及び分析能力強化に 係る研究開発(経済安全保障重要技術育成プログラム)を 2024 年7月に開始するとともに、官民の 39 情報ハブとしての強みを有する IPA における地政学情報等を含めたサイバー情報を集約・情勢分析 する機能の強化を実施中(令和7年度予算を活用)。 (AI ガバナンス) ⚫ AI セーフティ・インスティテュートの取組として、AI セーフティに関する評価観点ガイド、レッドチーミン グ手法ガイドを発表した。 ⚫ 生成 AI の普及を始めとする近年の市場環境の変化を踏まえ、当事者間の適切な利益及びリスクの 分配、ひいては AI の利活用を促すことを目指し「AI の利用・開発に関する契約チェックリスト」を策 定・公表した。 ⚫ 事業者が AI の社会実装及び適切なガバナンスを実践するための「AI 事業者ガイドライン」を改訂し た。 【デジタル人材基盤】 ⚫ 政府全体でのデジタル推進人材 230 万人育成目標の実現に向け、関係省庁と連携しデジタル人材 育成施策を推進した。 ⚫ 生成 AI の登場を踏まえ、2023 年8月、2024 年7月に「デジタルスキル標準」の改訂を実施した。 ⚫ スタートアップ育成5か年計画に基づき「未踏事業」の地方や他の法人への横展開を実施した。 ⚫ デジタル人材のスキル、スキルアップ状況、試験によるスキル評価に関するデータの蓄積・可視化を 可能とする共通基盤の構築を通じた、デジタル人材育成のエコシステム実現に向けた議論を開始し た。 ⚫ DX・生成 AI 時代に対応した情報処理技術者試験の見直し(試験区分や出題内容等)や更なる受験 増を見据えた試験運営のDXを実施に向けた議論を開始した。 (半導体人材) ⚫ 最先端半導体の研究開発・高度人材育成に取り組む技術研究組合最先端半導体技術センター(以 降、LSTC)において人材育成検討委員会を設け、設計・製造を担う人材の育成・確保に向けた検討 を開始した。 ⚫ 半導体人材育成の推進に関する国際協力を推進した。 ⚫ 高度な半導体設計ができる次世代のエンジニア、アーキテクトの育成に向けて、高度設計人材育成 プログラムを開始した。 (バッテリー人材) ⚫ 産学官一体で作成した教材を活用し、高校・高専等計 29 校でバッテリー教育プログラムを実施し た。また、産業界側で蓄電池産業入社後に活用できる重要 12 テーマを選定し、より専門的な教材を 作成した。 【Web3.0】 ⚫ 令和5年度 Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業で実施するアドバイ ザリーボードやワークショップ等を通じて、ユースケース創出、技術開発・人材育成、グローバル化等 に係る課題や今後の方針を整理した。 40 ③今後必要な施策 【個別企業DX】 ⚫ ⚫ ⚫ 引き続き、地域金融機関、ITベンダー、コンサルタント等の地域の支援機関を通じた面的な企業DX を推進するため、DX支援ガイダンスに即したモデル事例の創出や支援機関同士の連携の在り方に ついて検討する。 一定程度DXが進捗している実態を踏まえ、各社が自らの現在地を相対的に比較できる環境が重要。 DXの取組に関する自社の立ち位置を把握し、更なるDXの推進に繋げることの出来る自己診断ツー ルの整備に取り組む。 DXの取組が企業価値にどのような影響を与えるのか、に関する定量分析を通じて、企業のDX推進 に資する更なる政策の打ち手を検討する。 【デジタル産業基盤】 (半導体・電子部品) ⚫ 産業競争力の強化、経済安全保障及びエネルギー政策上の観点から、10 兆円以上の公的支援を 行う「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を活用し、2030 年度までの7年間に必要となる技術開発や 設備投資計画を重点的に支援し、今後 10 年間で 50 兆円を超える官民投資を促すため、複数年度 にわたって、補助・委託や金融支援を行っていく。 (情報処理基盤) ⚫ 生成 AI の開発力強化とその利活用に向けて、社会実装に向けて個別領域に特化したモデルや音 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 声・画像といった言語以外の分野も含め、基盤モデルの開発を促進していく。 AGI 時代に向けて、海外との連携も含めた開発環境を整備し、フロンティア AI の開発を促進する。 ロボティクス分野における AI 開発を進めていくため、開発に必要なデータの収集やモデルの開発、ロ ボットへの実装と利活用の好循環の仕組みを構築していく。 AI の社会実装に向けて、研究開発の成果に報酬を支払う仕組みである懸賞金型事業を実施した。 データセンターの省エネを推進するため、導入すべき技術水準(満たさなければならないエネルギー 効率)の明確化や、プレッジ&レビューの仕組みを導入し、目標や取組方針、実績の可視化を行う。ま た、情報処理のエネルギー効率の評価指標について、国際標準化も視野に入れて検討を進める。 様々な分野で AI の利活用が進む中で、省エネ等の観点から高効率かつ高い利便性で計算資源が 提供されるため、多様な AI 半導体を利用できるテストベッド環境の構築や、これら AI 半導体を高効 率かつ高い利便性で利用可能にするソフトウェア群の開発を行い、国内の計算資源の高度化を図る。 AI活用を通じたDXを加速させ、経済成長と脱炭素の同時実現、国土強靭化に向け、効率的な電力・ 通信インフラを通した電力と通信の効果的な連携(ワット・ビット連携)を進める。 AI の導入を進める等の観点から、企業の情報システムのモダン化に向けた検討を進めていく。 世界中でデジタル投資が拡大する中、規模の経済の確保や、我が国のデジタル関連収支の改善を 図るためにも、日本で生み出した生成AI関連サービスについて、海外展開、特に成長著しく地理的 にも近いAPACへの展開を促進する。その際には、現地での人材育成をはじめとするエコシステム 作りに貢献していく。 (蓄電池) ⚫ 国内外の蓄電池・部素材・製造装置の製造基盤の更なる拡大を行う。 ⚫ 特定国への依存脱却を含めたグローバルなサプライチェーンの強靱化を進める。 41 ⚫ 次世代電池の継続的な技術開発、次世代電池市場の獲得に向けた取組を推進する。 (高度情報通信インフラ) ⚫ 引き続き、オープン RAN の普及拡大に向けて国際連携や海外現地での PoC 含めた研究開発支援 を継続する。また、電力需要の拡大が懸念される中、計算資源の最適化を行う等の省エネに資する 基地局等の研究開発支援を行う。 ⚫ 引き続きローカル5G の普及促進に向け、省エネに資する優良なユースケース創出に対する支援を 検討する。 ⚫ 経済安全保障の観点から、我が国の海底ケーブルの自律的な供給体制を確保するために、関係省 庁と連携しつつ、必要な支援を検討する。 【デジタルインフラ基盤】 (ウラノス・エコシステム) ⚫ 「デジタルライフライン全国総合整備計画」に基づき、共通の仕様等に準拠したデジタルライフライン (ハード・ソフト・ルール)の全国的な整備を進め、国民による自動運転・ドローン等のデジタルサービ ス活用を抜本的に促進する。 ⚫ デジタルによる新たな価値創造を促進するため、ウラノス・エコシステムについて、具体的な事例(ユ ースケース)の創出やグローバルでの連携を進める。 (サイバーセキュリティ) ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ サプライチェーンを構成する企業について、サプライチェーンにおける重要性を踏まえた上で満たす べき各企業の対策を提示しつつ、その対策状況を可視化する仕組みを整備する。また、大企業によ る中小受託事業者のセキュリティ対策の支援・要請に係る独占禁止法等の適用関係について整理 する。 強力に国内投資の促進が進む半導体関連産業におけるサイバーセキュリティ対策水準を向上させ るため、半導体デバイスメーカ向け OT(制御技術)セキュリティガイドラインの成案化やセキュリティ 対策基準の検討、経済産業省の投資促進施策の要件等へ紐付ける等の検討を進める。 中小企業等におけるサイバーセキュリティ対策促進のため、中小企業向けの各種施策の見直しや積 極的な普及活動を実施する。特に「サイバーセキュリティお助け隊サービス」制度については、関係 省庁や関係団体とも連携しながら全国的な普及促進を一層強化するとともに、同制度創設時からの リスク環境の変化を踏まえた認定基準の見直し等を実施する。 JC-STAR について、特定の IoT 製品類型に対するより高度なセキュリティ基準・ラベルを整備しつ つ、政府機関や地方自治体の調達要件化に加え、民間企業や一般消費者にも周知し、活用を推進 する。さらに、欧米等においても検討・実施されている関連制度との相互運用性の確保に向けた国際 連携を引き続き推進する。 ソフトウェアのセキュリティを確保するため、安全なソフトウェアの開発に向けた指針を整備し、当該 指針に沿った取組を確認するための枠組みを整備するとともに、日米豪印(以降、QUAD)を通じて、 国際的な共同指針の策定にも貢献する。また、一定の社会インフラの機能としてソフトウェアの開発・ 供給・運用を行っているサイバーインフラ事業者が顧客との関係で果たすべき責務を指針として整理 し、当該指針に沿った取組を確認するための枠組みを整備する。いずれについても、実効性強化の ため、政府調達等における要件として当該指針への対応の位置付けを進める。 42 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 急速に高度化し、攻撃対象領域が増加しつつある標的型攻撃(APT 攻撃)への対応を強化し、経済 安全保障の実現に貢献するため、IPA における経済安保に係るインテリジェンス機能を大幅に強化 し、関係省庁との連携体制を強化する。 国産サイバーセキュリティ製品・サービスを育成・振興するための政策パッケージとして取りまとめた 「サイバーセキュリティ産業振興戦略」に基づき、政府機関等による積極的なスタートアップ製品の活 用、マッチングの場の創出、セキュリティサービス提供事業者の品質評価制度の構築、技術・研究開 発の促進等の具体的な取組を進める。 高度専門人材の育成に向けて、重要インフラ事業者等においてサイバーセキュリティ対策を担う中 核的人材の育成を行う「中核人材育成プログラム」及び高度なサイバーセキュリティの技術・知見を 有する大学生・高校生等の若年層の発掘・育成を目的とする訓練プログラムである「セキュリティ・キ ャンプ」について、プログラムの拡充を通じた育成対象数の拡大を図る。 サイバーセキュリティの国家資格である情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)について、人材不 足を課題とする地域の中小企業等とのマッチングや支援機関等への配置を促進するための「アクテ ィブリスト」を整備するとともに、資格更新制度の見直しを実施する。 (AI ガバナンス) ⚫ 2024 年に策定した「AI 事業者ガイドライン」の継続的な更新及び周知・浸透を図る。 ⚫ AI 安全性評価手法に関する国際的な議論において、AIセーフティ・インスティテュート(以降、AISI)が 国内外のハブとなるよう、内閣府等と連携しながら、その活動を支えるとともに、官民による研究開発 を支援する。 (AI/DX時代に即した知財制度) ⚫ AI 利活用が進むことで、AI が発明に大きく寄与する事例が現れつつある中、事業者の予見可能性 を高めるため、AI が発明に寄与した場合の産業財産権の扱いを整理すべく、制度の見直しを検討す る。 ⚫ 越境データ流通量が増加する中、サーバーが海外にあるだけで、容易に他者による特許権侵害が 回避されてしまうおそれがあるところ、適切な権利保護に資する制度見直しを検討する。 【デジタル人材基盤】 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 引き続き政府全体でのデジタル推進人材 230 万人育成目標の実現に向け、関係省庁と連携しデジ タル人材育成施策を推進する。 「未踏事業」の育成規模の抜本的拡充に向け、一年間に二度のプログラム運営を行う「二期制」の本 格的な開始を円滑に進める。また、地方や他の法人への横展開を引き続き実施していく。 デジタル人材のスキル、スキルアップ状況、試験によるスキル評価に関するデータの蓄積・可視化を 可能とする共通基盤の構築を進めるとともに、運用開始を見据えた広報戦略・他組織との連携等を 進める。 DX・生成 AI 時代に対応した情報処理技術者試験の見直し(試験区分や出題内容等)に向けた議論 を踏まえた実装を検討する。 43 (半導体人材) ⚫ 地域単位での産学官連携による取組同士の地域を超えた横連携を図り、全国が相互連携しながら ⚫ 一体となった人材育成・確保に取り組む。また、産業界とアカデミアの双方が長期的な目線に立った ポジティブな影響を相互に作用させることが継続できるエコシステムを構築する。 半導体人材育成の推進に関する国際協力を具体化する。 (バッテリー人材) ⚫ コンテンツを拡充したバッテリー教育プログラムを、蓄電池関連投資の進む地域を中心に、普及展 開・定着させるための取組を進める。 【Web3.0】 ⚫ 「令和5年度 Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」で作成したガイド ラインの周知・活用を推進すると共に、ユースケースの創出・拡大に向けて構築した実証事例の発信 に取り組む。 44 (3)グローバル化・経済安全保障の実現(グローバル・経済安保) ①当面の長期的目標 ⚫ ⚫ ⚫ 世界の課題解決を通じて日本の世界における付加価値を最大化すると同時に、不確実な世界にお いても信頼できる経済パートナーで在り続ける。そのために、ルールに基づく国際経済秩序の維持・ 強化・再構築を実現する。 対日直接投資残高について、2030 年に 120 兆円、2030 年代前半のできるだけ早期に 150 兆円とす る。 自律性向上、優位性・不可欠性確保を実現する。 ②第3次以降の進捗状況 【自由で公正な国際秩序と経済安全保障を両立した対外経済政策の立案】 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ WTO を中核とするルールに基づく多角的貿易体制秩序の維持・強化のため、終局的な判断が得ら れる WTO 紛争解決機能の回復や、時代に即した貿易ルールの形成(電子商取引、投資円滑化 等)、現代的な貿易課題への審議の活性化(産業政策、環境等)に向けて努力した。特に電子商取 引交渉については、2024 年7月に、5年間の交渉を経て、電子商取引に関する協定の安定化したテ キストを達成した。 「持続可能性」等の価格以外の要素が市場で正当に評価されるように、米欧といった同志国ととも に、G7等のマルチやバイを通じて、産業政策面の協力を戦略的に推進。2024 年6月の G7プーリア サミットでは、「経済的要因のみならず、「強靱で信頼性のあるサプライチェーンに関する原則」に関 する要因も考慮した基準について、G7内での将来の連携のために、重要物品、戦略的部門及びサ プライチェーンを共同して特定することを追求すること」に合意した。また、グローバルサウスとの連 携として、タイ等ともサプライチェーンに関する議論を進めた。 グローバルサウス諸国との連携強化推進会議を通じて、2024 年6月にグローバルサウス諸国との 連携に向けた方針をとりまとめた。また 2024 年 12 月に、2030 年を見据えた従来のインフラの概念 を超えた領域における今後の海外展開の方向性を示すため「インフラシステム海外展開戦略 2030」 を策定した。 EPA について、日・インドネシア EPA 改正議定書の署名、日・バングラデシュ・EPA 交渉、日 UAE・ EPA 交渉の開始、日 GCC・EPA 交渉の再開を実現した。また、2024 年 12 月には、CPTPP への英 国の加入議定書が発効に至ったほか、一般見直しで一定の成果を得ることができた。RCEP 協定に おいては第3回 RCEP 閣僚会合を開催し、透明性のある履行確保、加入手続への対応等を進めた。 投資協定については、日・アンゴラ投資協定が発効、日タジキスタン投資協定交渉が実質合意、日 ザンビア投資協定が署名、日パラグアイ投資協定が実質合意に至った。 サプライチェーン強靱化に向けて、マルチでは IPEF サプライチェーン協定に基づき、半導体、重要鉱 物、化学品、ヘルスケアプロダクトのアクションプランチームの立ち上げに合意し、議論を進めている 他、有事を想定した危機対応ネットワークを立ち上げ、机上訓練を実施した。 2024 年4月から中国産黒鉛電極に対するアンチダンピング調査を開始し、2025 年2月に不当廉売さ れた貨物の輸入(ダンピング輸出)の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の 事実を推定した。 【輸出促進】 ⚫ 他省庁と連携して貿易手続デジタル化に向けたアクションプランを策定し、2024 年6月末に公表し た。以降、アクションプランにもとづき、補助事業等を通じて、日本企業による貿易プラットフォームの 45 導入や貿易プラットフォーム間連携を支援・促進。また、日本国内および ASEAN におけるデジタル 化未対応の貿易文書・手続に関する実態調査等を実施した。加えて、貿易円滑化と電子ビジネスの ⚫ ⚫ ための国連センター(以降、国連 CEFACT)に対して日本企業が貿易実務上使用しているデータ項目 を国際標準に追加する働きかけを実施し、2025 年度第1四半期中の国際標準改定を予定。 「信用状確認保険」等の NEXI の新たな保険商品の引受等を通じ、輸出環境改善を実施。 中小企業等の「稼ぐ力」を向上すべく、輸出未経験企業等を対象にした新規輸出1万者支援プログラ ム(2022 年度~)を推進・強化。中堅・中小企業の海外展開が自立的に拡大する仕組みの構築に向 け、民間事業者による輸出支援ビジネスの実証を支援した。NEXI は中小企業・農林水産業輸出代 金保険を中堅企業向けに拡大。また、海外への販路拡大を目指す企業を支援する公的機関の枠組 み「海外ビジネス支援パッケージ」へ地域金融機関の加入を促し、支援体制の強化を実施。 【サービス貿易促進等】 ⚫ AI・IT 技術を用いた医療機器であるプログラム医療機器(以降、SaMD)に対する研究開発支援等を 実施するとともに、SaMD による医療の効率化や経済的価値を実証するための予算を令和6年度補 正予算に計上。 ⚫ 近年、インターネット取引の拡大に伴い、オンラインモール等を通じて海外から国内の消費者に直接 製品が販売される機会が増大していることを踏まえ、2024 年度に消費生活用製品安全法等の改正 等を行い、国内消費者が製品を安全に使用する環境を整備した。 【海外投資・進出】 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ グローバルサウスとの経済連携強化に向け、中東・アフリカ等における第三国連携をインドと共に面 的に展開する枠組みを構築し、それを起点に、重点分野・国を特定した戦略的取組をインフラ構築 や、ファイナンス強化(NEXI の機能強化等を検討)等とパッケージで展開した。 新規事業探索支援を強化の一環として、スタートアップを含む先端企業の支援/現地企業とのマッ チング機会の創出、CPTPP の一般見直しにおいて、デジタル分野等を含む協定の更新及び強化に 向けた議論を行った。 資金調達支援の強化の一環として、国際経済環境が激変する中でも、貿易保険制度を通じて企業 のグローバルな挑戦を支えていくため、リスク管理と財務基盤の強化を推進。財務基盤強化の一環 として、NEXI の余裕金運用先拡大に係る制度改正を実施した。 我が国と相手国の双方が裨益する案件の創出に向けて、現地の状況を踏まえた事業化のための実 証事業や協業等を行い、現地での事業参入・拡大支援を強化した。 相対的に日本企業の進出が進んでいない地域への進出支援や新たな産業人材ニーズに応える人 材育成、共創事業組成に向けた現地人的ネットワーク構築の強化としてインド・アフリカ等への進出 支援、グリーン・デジタル分野等の人材育成支援や現地の規制・基準等の制度整備支援、海外人 材・大学等とのネットワーク構築支援を実施した。 【対日直接投資促進】 ⚫ 「海外からの人材・資金を呼び込むためのアクションプラン」を着実に実行した。 ⚫ 高度外国人材の活躍に向けた官民の課題等を包括的に整理した。2022 年、2023 年に立ち上がった 高度外国人材活躍地域コンソーシアムにおいて、大学や企業、経済団体等域内関係者の連携強化 を通じて採用を促進し、中小企業の経営の内なる国際化を進めるとともに、就労環境に関する課題 等について共有認識を醸成し、地域における解決の取組促進につなげた。また、高度外国人材の採 46 用から定着にむけた、JETRO の専門相談員による課題解決、就労環境整備、手続き支援等の企業 向け伴走型支援を行った。高度外国人材活躍推進ポータルにおいて日本での就労等に関する情報 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 提供を充実させるために HP の改修を手がけた。 地域を考慮した多様な高度外国人材の受入れを進めるべく、グローバルサウス諸国の大学・大学院 卒業生に関する情報提供や寄付講座開設拡大に向けた支援条件の緩和や大学調査を実施した。ま た、IT 人材のインターン受入促進等を通じた人材の多様化を図った。 日本企業と海外企業の協業を促進すべく、日本企業と外国企業の協業連携の成功事例をまとめた 「外国企業と日本企業の協業連携事例集」を 2024 年に公表し、計 11 回のセミナー等で周知したほ か、JETRO にて日本企業向けにクロスボーダーの協業連携に向けた企業内体制の構築を支援する ための講座を開講した。 英語による国・自治体の情報発信の強化に向けて、米国の主要経済紙に広告記事を発出したほか、 米国・シンガポールのイベントで日本の投資環境を PR するなど、広報活動を実施した。また、 JETRO 企業交流会では自治体等のブースを設け、地域による情報発信を支援した。 国・地域が一体となった対内投資誘致強化の一環として、重要分野について、海外の特定技術等を 持つ企業の、国内の特定地域への投資誘致に向け、4地域(北海道、群馬県、広島県、神戸市)にお いて、産業拠点における人材育成・確保や産業インフラの整備に関して、競合しうる米国や台湾等の 産業拠点との比較調査を実施した。 対内直接投資の喚起・投資検討プロセスの加速化に向け、世界 10 か国に対日投資誘致専門員を 22 人配置して有望な海外企業を個別訪問するとともに、投資の意思決定を後押しするべく、令和6 年度(1月末時点)は海外の経営者層等を 21 社招へいし、海外企業による日本での新規投資等に 係る事業実施可能性調査支援を 15 件採択した。 国内外のスタートアップ・エコシステム間のネットワークを強化すべく、JETRO のビジネスプラットフォ ーム「J-Bridge」を通じて 2024 年度(12 月末時点)は日本企業と海外企業の協業連携案件を 18 件 創出するとともに、2024 年度中に東京、サンディエゴ、ロンドンで開催したピッチイベントや 2023 年 11 月にシリコンバレーに設置したスタートアップ支援拠点「Japan Innovation Campus」、2024 年 11 月に万博を控える大阪で開催したカンファレンス「Startup Horizon 2024」等を通じて、現地エコシステ ム関係者とのネットワークを強化した。 日本のビジネス環境改善の一環として、「G7在日商工会議所連携会議」を 2024 年度中に3回開催 し、日本のビジネス環境の課題や地域への投資誘致に向けた周知施策等について議論した。 【技術優位性の確保】 ⚫ 我が国の産業・技術基盤を維持・発展させるため、脅威・リスク分析のための体制構築、技術優位性 獲得に向けた投資支援、新たな貿易管理における枠組みを含む技術管理対策の強化、産業界・主 要国との戦略的な連携を行っている。 ⚫ 産業構造審議会安全保障貿易管理小委員会の中間報告を踏まえ、安全保障上の観点から、特定 の技術について海外移転する場合に、外為法に基づく事前報告を求め、官民対話の下で技術流出 対策を徹底する新たな制度(技術管理強化のための官民対話スキーム)を開始した。また、同中間 報告を踏まえた外為法の政省令改正として、工作機械・ドローン・半導体等の特定の汎用品・汎用技 術の輸出等について、通常兵器の開発等のために用いられるおそれがある場合には経済産業大臣 の許可を受けることを義務づける通常兵器キャッチオール規制の見直しや、国際的状況を踏まえた 重要・振興技術に関するリスト規制品目追加を行うとともに、安全保障上の懸念度に応じた制度・運 用の合理化・重点化等を行った。 47 ⚫ 企業による技術流出対策等の好事例を集めた「民間ベストプラクティス集」を更新したほか、人を通じ た技術流出への対策等を取りまとめた「技術流出対策ガイダンス」を公表した。 ⚫ ⚫ 多額の国費が投じられる研究開発事業について、技術流出対策の要件を強化している。 経済安全保障推進法に基づく指定基金協議会を設置・開催し、先端的な重要技術の研究開発を進 める「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」を継続実施している。 令和6年度補正においては、AI 計算資源・先端半導体支援に約1兆 5,228 億円、量子コンピュータの 産業化に向けた環境整備と開発の加速に約 1,009 億円、再生・細胞医療・遺伝子治療薬の製造設備 投資支援(以降、CDMO 支援)に約 383 億円をそれぞれ措置した(※国庫債務負担行為を含む)。 ⚫ 【サプライチェーンの強靱化】 ⚫ 令和6年度補正予算では、新たに蓄電池・可燃性天然ガス・永久磁石・先端電子部品に対し、約 1,978 億円の予算措置を実施した。さらに、銅やレアメタルに関して、早期の新規供給源の確保を含 めサプライチェーンの多角化と供給安定化を実現するために約 1,597 億円(※政府保障付借入を含 む)を措置した。 【産業界との対話・国際連携】 ⚫ 脅威・リスク分析、重要物資のサプライチェーン強靱化等について、産業界との意見交換を継続実施 している。 ⚫ 有志国・同志国との経済安全保障に関する対話を活発化(G7などの国際プラットフォームの活用)し ている。 ⚫ 官民連携で産業・技術基盤を強化するため、「経済安全保障に関する産業・技術基盤強化アクション プラン」の再改訂に向けた有識者会議を令和6年 10 月、及び令和7年4月、5月に開催し、再改訂版 を公表。 【インテリジェンス機能の強化(脅威・リスク分析)】 ⚫ 我が国の産業・技術基盤に対する脅威・リスクおよびその影響を分析するため、シナリオ分析(特定 の脅威・リスクが発現した場合における影響等の分析)、サプライチェーン分析(供給途絶時の影響 が大きいサプライチェーン上のチョークポイントになり得る物資・技術の特定)、技術分析(我が国の 技術優位性の把握)を実施している。 ⚫ ⚫ 経済安全保障に関するシナリオ分析やTTXに高い知見を有する国外の専門家を招聘し、我が国企 業関係者等を対象としたセミナーを実施した。 我が国が直面する脅威・リスク情報を官民で共有し、適切な対策の実施につなげるため適切な対策 の実施につなげるため、重要経済安保情報保護活用法(令和7年5月 16 日施行)の円滑な運用が 図られるよう、民間企業等による情報保全設備の導入支援等を実施(令和6年度補正予算:約 16 億 円)。 ③今後必要な施策 【保護主義の台頭を踏まえたしたたかな経済外交】 ⚫ ⚫ 世界では、米中対立、ウクライナ侵略をはじめとする地政学リスクの高まり、保護主義および権威主 義国の台頭など、国際情勢の大きく変化する中、二国間及び多国間において対話を粘り強く進め、 自由貿易・経済安保の確保、各国とのウィンウィンの関係構築を実現する。 重要性を増しているグローバルサウス等における我が国企業の市場獲得・競争環境を有利にするべ 48 く、貿易・投資関係の強化を通じたサプライチェーン強化や保護貿易主義への対抗策としての EPA の重要性を認識し、新興国等との EPA 交渉や、アフリカ・南米・中央アジア諸国等との投資協定交渉 ⚫ ⚫ ⚫ を推進するとともに、発効済の協定を着実に履行する。特に、CPTPP については、一般見直しを通じ て、サプライチェーン強靱化に加え、鉱物輸出規制や市場歪曲的慣行等にも対応できるよう、協定の アップグレードを図り、「ゴールドスタンダード」を維持し世界の貿易ルール形成をリードするとともに、 新規加入の議論を通じて高いレベルのルール拡大を目指す。また、ルールを形成して終わりにする のではなく、発効した協定の着実な履行の重要性を認識し、RCEP や CPTPP をはじめとする発効済 EPA の透明性のある履行を確保する。 国際経済秩序の安定化に向けて、ルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化に取り組む。WTO の紛争解決機能、交渉機能及び監視・審議機能の回復・強化に加えて、G7・OECD 等を含む有志国 の連携強化を図る。また、非市場的政策・慣行への対応という根源的な課題について、幅広い国々 と問題意識を共有するとともに、具体的な議論に努める。 経済効率性を第一とする価値観からの変化や、経済安全保障や社会課題の解決(製造業の空洞化 による貧富の格差拡大等)といった現代的な要請を踏まえつつ、同志国と連携してルールに基づく国 際経済秩序の再構築を追求するために、新たな国際経済秩序の在り方を検討する。 OECD 輸出信用アレンジメント交渉を通じ、各国間での公平な競争条件(以降、LPF)の確保を目指す。 また、パリクラブ及び二国間の債権回収交渉等において、我が国債権が不当な制約を受けないよう 対処する。 【自由で公正な国際秩序と経済安全保障を両立した対外経済政策の立案】 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 過剰供給能力や特定の供給源への過剰依存といった課題に対応するため、同志国と連携しながら、 サプライチェーンの強靱化に取り組む。特に、非価格価値(供給安定性やサイバーセキュリティ等)を 持つ製品が市場で正当に評価されるよう、需要サイドの政策ツールへの非価格要素の導入をさらに 進めるとともに、G7等のマルチやバイを通じて同志国との間で、政策ツールにおける非価格要素の 調和を含む産業政策面の協力を戦略的に推進する。また、AZEC 等の国際枠組みやグローバルサ ウス向けの各種政策を通じて、グローバルサウス諸国との連携も目指す。 日本企業がサプライチェーン上の人権尊重の取組を適切に進めながら国際競争力を維持・強化でき るよう、ガイドラインの普及と定着、中小企業や海外取引先を含めた企業への取組支援、企業の取 組状況を客観的に評価する仕組みの検討、企業の人権尊重取組の義務化を進める国等との議論等 を推進する。 サプライチェーンの強靱化に向けて、同志国との連携を強化するため、マルチやバイでの協定等に 基づく協力を推進する。 中国産黒鉛電極をはじめとして、産業界からの要請に応じ、不公正な貿易等から国内産業基盤を保 護するため、適切に貿易救済措置を活用できるよう、調査体制の強化に引き続き取り組む。 【輸出促進】 ⚫ 貿易の拡大に向け、貿易手続デジタル化に向けたアクションプランにもとづき、引き続き、補助金事 業等を通じて、日本企業による貿易プラットフォームの導入や貿易プラットフォーム間連携促進を図 るとともに、船荷証券の電子化に向けた法令改正を含めたデジタル化未対応の貿易文書・手続のデ ジタル化に必要な取組を進める。また、国際標準にもとづく貿易データ連携を促進するべく、日本企 業の国際標準実装に向けたガイドラインを策定する。加えて、東アジア・アセアン経済研究センター 49 (以降、ERIA)と連携し、日 ASEAN 間での一気通貫での貿易手続デジタル化やデータ連携の実現に 向けた政策提言を行う。 ⚫ ⚫ 中堅・中小企業の輸出拡大を支援する事業者(地域商社等)同士の連携を通じ、各事業者の強みを 活かし弱みを補完するような輸出支援体制の構築を推進する。 日本企業がグローバルサウス諸国等においてビジネスを行うにあたり障壁となる規制や制度・基準 の未整備を解決するため、我が国企業のビジネスに資する制度改正やルールメイキングにつながる 研修等を相手国の政府・経済界の有力者に実施し、日本の対外輸出に有利な環境整備を行う。 【サービス貿易促進等】 ⚫ 医療機器においては、デジタル技術を中核とした製品が、大手企業・スタートアップから徐々に実用 化されている一方、社会実装を促進し、グローバルに競争力のある分野として成長させるため、研究 ⚫ 開発支援とともに、社会実装に向けた実証支援等を強化していく必要がある。 今後、成長が見込まれるコンテンツ産業の国際競争力を強化するため、エンタメ・クリエイティブ産業 戦略に基づき、海外におけるリアルイベントの不足などに対応するための海外で魅せる拠点の整備 や、近年増加が著しい海賊版の対策、人材・技術・産業基盤の強化、海外ロケの撮影誘致や共同制 作など国家間を含む国際的な協業・規制対応体制の構築、海外拠点による支援体制構築等に取り 組む。 【海外投資・進出】 ⚫ 世界市場を広く席巻している不当に安価な製品への過度な依存に対処し、日本企業が優れた製品・ ⚫ ⚫ ⚫ システムをグローバルサウス諸国に導入して市場拡大を実現するため、市場で価格以外の要素が 正当に評価されることの重要性について、日米協力を通じた ASEAN 行政官等への研修を実施し、 日本企業の海外投資・進出を支援する。 グローバルサウス市場における地域・国別戦略を策定し、我が国企業の「勝ち筋」が見える国・分野 等を踏まえ、市場獲得や経済安全保障の観点を含めた優先度に応じて戦略的かつ集中的に、必要 に応じて同志国と連携し、グローバルサウス諸国への事業展開に関するマスタープラン策定や実証 事業、インフラ等の計画策定の支援を行い、我が国の技術を活かした事業化を通じて日本と相手国 双方の経済成長や社会課題解決に貢献する。 同志国との経済連携を強化すると同時に、先端サービス・ハイテク分野における世界的なテストベッ ドとして機能している同志国市場に向けた挑戦を後押しするため、スタートアップを含む日本企業の 展開を支援する。 地政学リスクが高まり貿易保険ニーズが拡大する中でも、将来にわたって持続可能な形で企業のグ ローバルな挑戦を支えていくため、NEXI のリスク管理と財務基盤の強化を進めるとともに、適切な法 人管理を実施する。また、AZEC やグローバルサウス諸国との連携強化に資する取組への貿易保険 を通じた積極的な支援も継続する。アフリカ開発会議(以降、TICAD)に向けては、アフリカ開発銀 行、アフリカ輸出入銀行及びアフリカ貿易投資開発保険機構等、地域の開発金融機関や輸出信用 機関と NEXI との連携を推進し、企業のアフリカへの積極的な展開を支援する。 【対日直接投資促進】 ⚫ GX、DX、バイオ等、中長期的に成長が見込まれる戦略分野への対内直接投資の促進に向け、有望 投資案件の掘り起こしを含む能動的・戦略的な誘致活動を行っていく。 50 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 地域企業の相互紹介や相互支援等を通じて、国際的な協業連携案件が自律的に創出されるエコシ ステムの形成を促進するために、J-Bridge 等を通じた国内外の企業同士のマッチングや、国内外の 地域エコシステムのハブとなるプレーヤーのマッチングを支援する。 また、企業価値向上に向けた経営戦略上の選択肢のひとつとして、日本企業による海外資本活用の 検討を促進する。 地域への対内直接投資を促進するために、国内外の先進的な産業拠点のベンチマーキングに基づ く地域の対内直接投資誘致戦略のブラッシュアップ支援等、地域の投資誘致にむけた伴走支援を進 めていく。 高度外国人材活躍地域コンソーシアムにおいて、大学や自治体、経済団体等域内関係者の連携強 化を通じて地域の留学生の採用を促進する。また、高度外国人材の採用から定着にむけた、JETRO の専門相談員による課題解決、就労環境整備、手続き支援等の企業向け伴走型支援を行う。さら に、海外からの優秀な若手人材の確保に向けて、アンケート調査及び追加のヒアリング調査を行い、 高度外国人材の採用・定着に向けた支援ニーズとともに、現行の在留資格等に関わる調査結果を取 りまとめる。当該とりまとめ結果等を踏まえ、高度外国人材確保に資する在留資格制度の見直しや それに伴う体制整備を含め、必要な措置について 2025 年度中に関連省庁と検討し、結論を得る。 【技術優位性の確保】 ⚫ 技術管理強化のための官民対話スキームについて、着実に運用するとともに、対象とすべき技術に ついて不断の見直しを行う。 ⚫ 技術流出対策ガイダンスについて、産業界のニーズを踏まえた見直し、拡充を図る。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 事業者自身による技術流出対策を促進するため、地方経済産業局や関係独法と連携し、地域の中 堅・中小企業を中心とする産業界へのアウトリーチを強化する。 宇宙インフラや海底ケーブル、無人航空機など将来の自律性・不可欠性の両面に影響が与える戦略 分野においては、必要に応じて、研究開発から国内外の事業展開も含めたバリューチェーン全体を 射程に捉えた取組を強化する。 我が国の経済安全保障を支える宇宙産業の技術基盤を強化するため、衛星の量産やロケット打上 げの高頻度化等を可能とする自律的なサプライチェーン構築、開発プロセスの標準化や国際的なル ールメイキングも見据えた技術開発支援等に取り組む。 防衛産業の産業競争力を強化するため、防衛省・防衛装備庁をはじめとした関係省庁とも連携しな がら産業戦略の検討を進めるとともに、民生・防衛双方に資するデュアルユース技術を有するスター トアップ等の研究・技術開発を引き続き支援する。 【サプライチェーンの強靱化】 ⚫ 引き続き、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に関する取組等を通じ、更なる不可欠性の確 保、供給の多元化・自律性の回復を目指す。特に、重要鉱物については、供給途絶に備えた十分な 備蓄量の確保や、必要な供給量の確保のための国による主体的な上流開発プロジェクトの組成をは かる。 ⚫ 石油・天然ガスは、地理的近接性や資源国との関係等を勘案した開発促進や供給源多角化、資金 調達環境整備、戦略的余剰の制度的確保等の LNG リザーブメカニズムを確立。また、地域の燃料 供給体制確保のため、災害対応能力強化や SS ネットワーク維持・強化等に取り組む。 51 【産業界との対話・国際連携】 ⚫ 必要に応じてセキュリティ・クリアランス制度を活用しつつ、関連企業と情報を共有するための官民対 ⚫ ⚫ 話を継続して実施する。 引き続き、G7などの国際プラットフォームを活用し、有志国・同志国との経済安全保障に関する対話 を活発化する。 インド太平洋地域を中心とする同志国と、AI、量子コンピューティング、先端半導体、防衛産業をはじ めとした重点分野の市場・技術を守り育てるため、産業支援策と産業防衛策を同志国と連携しながら 一体的に講じる「Run Faster 協力枠組み」の構築・展開を行う。 【インテリジェンス機能の強化(脅威・リスク分析)】 ⚫ 引き続き、我が国の産業・技術基盤に対する脅威・リスクおよびその影響を分析するため、シナリオ ⚫ ⚫ ⚫ 分析(特定の脅威・リスクが発現した場合における影響等の分析)と、サプライチェーン分析(供給途 絶時の影響が大きいサプライチェーン上のチョークポイントになり得る物資・技術の特定)、技術分析 (我が国の技術優位性の把握)を実施する。 民間企業等で経済安全保障に関するシナリオ分析・TTX を実施する上で参考となるマニュアルを作 成するなど、民間におけるシナリオ分析・TTXの普及・促進を図る。 戦略的官民連携による我が国全体の経済インテリジェンス強化のため、経済安全保障に係る脅威・ リスク分析等に関して、シンクタンク等との対話を促進する。 NSS・内閣府(経済安全保障担当)をはじめとした関係省庁とともに、政府の経済インテリジェンスに 関する能力向上及び官民連携推進による政策執行能力向上のためのプラットフォームとして、企業 情報やオープンソースのデータを中心に、政府が実施する調査分析に必要な情報・知見の提供と、 成果の体系化・構造化を行うとともに、官民連携の中核組織としての機能を担う、「経済安全保障セ ンター(仮称)」の確立を目指す。 【インテリジェンス機能の強化(国際情勢分析)】 ⚫ めまぐるしい国際情勢を適切に把握し、海外市場の獲得、経済安全保障の強化などを達成するため、 JETRO などの海外拠点の調査・働きかけ機能を強化しつつ、日本企業への発信強化を行い、適切 な経済産業政策の立案に向けて、国際情勢のインテリジェンス機能を強化する。 52 (4)新しい健康社会の実現(健康) ①当面の長期的目標 ⚫ 2040 年に健康寿命 75 歳以上を実現する。 ⚫ 2050 年に公的保険外サービス 77 兆円を実現する。 ⚫ 世界の医療機器市場のうち 21 兆円の獲得を実現、世界の医薬品市場のうち 25~30 兆円の獲得を 実現する。 ②第3次以降の進捗状況 【PHR の推進・ヘルスケアスタートアップの振興等】 ⚫ ヘルスケアデータを活用した民間サービスの創出に向けた事業環境整備の取組として、マイナポー タルを経由して提供される公的情報が拡充されることを踏まえ、「PHR サービス提供者による健診等 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 情報の取扱いに関する基本的指針」について、対象となる情報や対象者の範囲、最新の情報セキュ リティ対策等の改定に取り組むとともに、民間事業者団体やアカデミア等と連携し、サービス品質確 保やデータ標準化に向けた検討を実施した。 PHR を活用した国民が価値を感じられる新たなユースケースの創出に向けた実証事業や万博等の 機会を活用した普及・啓発を実施した。 ヘルスケアスタートアップが提供する先端サービスの社会実装に向けて、Healthcare Innovation Hub (以降、InnoHub)の支援を継続するとともに、エビデンス構築支援や実証フィールド提供を行うヘルス ケアスタートアップ社会実装推進拠点(仙台、愛知、九州)を選定し、国内エコシステム整備を進め た。また、海外アクセラレータと連携した支援プログラムを JETRO を通じて提供し、海外エコシステム との連携を深めた。 健康経営を通じた企業や社会による健康への投資促進に向けた取組として、健康経営が資本市場 や労働市場(機関投資家や求職者等)における様々なステークホルダーから評価される仕組み(情 報開示促進等)を構築するとともに、健康経営実践企業が健康経営コンサルやメンタルヘルス、PHR、 女性の健康等の健康経営支援サービスを選択できるようプラットフォームを構築。同時に、日本の健 康経営のエッセンスを取り入れた国際規格(ISO25554)の発行を契機に健康経営の概念と顕彰制度 の普及について検討を進めた。 また、一人ひとりの従業員に寄り添い、健康経営の質の向上を目指す観点から、女性特有の健康課 題に着目し、経済損失額を試算(年間 3.4 兆円)し、経営者に取組を促すため、取組好事例集を公表 するとともに、女性の健康に関する取組の効果検証プロジェクトを始動した。 【公的保険外サービスの振興・介護と仕事両立促進等】 ⚫ 高齢者・介護関連サービスへの民間事業者の参画を促進するために、地域における資源情報を可 視化する分析ツールを開発し、資源状況の検証を進めるとともに、自治体と高齢者情報を蓄積して いる企業との連携促進を進めた。また、「高齢者・介護関連サービス産業振興に関する戦略検討会」 を開催し、産業振興の方向性として、企業と福祉関係者が連携・共創する「産福共創」の必要性や具 体的な戦略を提示した。 ⚫ 介護保険外サービスの信頼性確保に向け、業界団体の設立支援を実施し、2025 年2月に介護関連 サービス事業協会が設立された。加えて、仕事と介護の両立の推進に向けて、2024 年3月に「仕事 と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を策定し、経営層をはじめとした企業向けの情 報発信を進め、特に、中小企業に対しては、地域金融機関、自治体、業界団体などの地域のハブと なる主体が複数の中小企業の両立支援を側面支援する実証事業を進めた。 53 ⚫ テクノロジーの改良及び効果検証等を支援し、確立した介護DXパッケージモデルの投資効果を明ら かにすることで、介護の質の向上を実現するための予算を令和6年度補正予算に計上した。 【先進的な医療機器/医薬品の開発及び海外展開】 ⚫ 「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業(デュアルユース補助金)」を通 じ、ワクチン製造8拠点、製剤化・充填4拠点、治験薬製造4拠点の製造に着手しており、2027 年度 末までに多様なワクチンを国内生産できる体制構築を進めている。 ⚫ 再生・細胞・遺伝子治療分野における受託開発製造拠点の整備支援を開始した。 ⚫ 「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」を通じ、創薬ベンチャーに対する非臨床試験段階から臨床 試験段階までの研究開発及び VC によるハンズオン支援を強化。認定 VC を 30 社、創薬ベンチャー を 30 社採択済み。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 創薬及び医療機器ベンチャーの成長を政府全体で支援するための他省庁事業との連携を強化する 枠組みを、第三期健康・医療戦略(2025 年2月 18 日閣議決定)において創設した。具体的には、日 本医療研究開発機構(以降、AMED)内に新たに「イノベーション・エコシステムプロジェクト」を立ち上 げ、他プロジェクトとの連携を含む実用化の推進や、基礎研究から応用研究、非臨床、臨床研究・臨 床試験等の各補助等事業の間の連携を確保するための仕組み(ペアリング・マッチング)を導入し た。 アンメットニーズ(潜在ニーズ)を捉えた新たな競争力領域への集中的な研究開発投資と国際的競争 力確立に向けて、国際展開を見据えたスタートアップに対する臨床試験を含む研究開発支援、ネット ワーク構築や伴走支援等を行うほか、米国を含む海外展開に向けた取組支援強化のための予算を 令和7年度当初予算で要求した。 SaMD 等による医療の効率化や経済的価値を実証するための予算を令和6年度補正予算に計上し た。 MExx 構想の拡充に向け、ベトナムに続く新たな拠点をタイに設置し、2024 年9月・2025 年3月にフォ ーラムを開催した。また、アフリカ地域への進出を促進すべく、日本の医療・ヘルスケア関連企業を 対象にしたガーナ派遣ミッションを組成し、現地政府機関や医療関係者等との協議・面談を実施。加 えてエジプト・ガーナ・ケニアから政府職員や医療関係者等を日本へ招待し、日本企業を訪問する招 聘プログラムを組成し、新たなビジネス機会を創出した。 医療インバウンドの推進に向けて、海外の医療機関と連携した送り出し拠点の整備を進めるととも に、ベトナム市場を対象にする事業者のネットワーク構築支援を実施した。また、関係省庁とともに、 公的保険制度への貢献を含めた、適切な医療インバウンドの推進に関する戦略の策定を進めてい るところ。 ③今後必要な施策 【PHR の推進・ヘルスケアスタートアップの振興等】 ⚫ 予防・健康づくりに加え、医療現場や介護分野においても、PHR を活用しつつ AI 等の先端技術活用 も視野に入れることで、個々人の状態に合わせたより質の高い介護予防サービスの提供や効率的 な多職種連携の実現等に資するサービスの開発・社会実装を促進する。 ⚫ 大阪・関西万博の機会等を通じて、データを提供する PHR 事業者とサービスを創出するサービス事 ⚫ 業者の連携を行う情報連携基盤を介し、PHR を活用したサービスの普及に取り組む。 民間事業者団体やアカデミア等と連携しながら、安心安全な PHR サービスの普及に向けて、サービ ス品質確保については、「PHR サービス提供者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針」の 54 改定内容の反映や、アカデミアと連携した学会指針の民間ガイドラインへの取り込みや、学会指針の 活用事例集の取りまとめを行い、データの標準化については、実装に向けて Fast Healthcare ⚫ ⚫ ⚫ Interoperability Resource (以降、FHIR)や Open mHealth といった国際標準も考慮した詳細化や、ユ ースケースの幅を広げた検討など必要な事業環境整備を引き続き進める。 日本経済社会を支える基盤としての健康経営を目指し、より一層の環境整備を行う。具体的には、 健康経営の質の向上と中小企業等への普及拡大等による社会への浸透・定着を目的に、雇用主企 業における女性の健康やメンタルヘルス対策に資する取組に係る支援を実施する。 ヘルスケアスタートアップ社会実装推進拠点の本格稼働に向けて引き続き側面支援を実施するとと もに、InnoHub を通じた伴走支援の提供やヘルスケアコミュニティの活性化を進める。 海外アクセラレータと連携した支援プログラムを 2025 年度以降も引き続き実施するとともに、2025 年6月には、シンポジウムやビジネスコンテストを含むグローバルイベントである Global Healthcare Challenge を実施することで、我が国のヘルスケアスタートアップの海外展開の後押しや海外エコシ ステムとの連携をより一層推進していく。 【公的保険外サービスの振興・介護と仕事両立促進等】 ⚫ 高齢者・介護関連サービスの振興に向けて、自治体への伴走支援等を通じて、民間企業等との連携 に関する自治体の意識・インセンティブの抜本的転換を図るとともに、民間企業等と自治体との連 携・共創を通じた新しい形の地域づくりモデルの構築・評価・普及を推進する。加えて、シニア世代の 社会参画を通じた地域の潜在的担い手の拡充に必要な施策を検討する。 ⚫ 介護保険外サービスの活用促進に向けて、民間主体の認証制度構築を引き続き支援するとともに、 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 職域や地域とサービス提供企業をマッチングする機会を提供する。 仕事と介護の両立促進に向けて、経営層にむけて、2024 年3月に策定した「仕事と介護の両立支援 に関する経営者向けガイドライン」を普及・啓発するとともに、取り組むインセンティブの検討を進め る。また、企業における両立支援の効果の可視化や中小企業における両立支援を支えるモデルの 構築を引き続き進める。 介護は、直面するまで情報に触れる機会が限定的であることから、企業や個人を含め社会全体のリ テラシーや当事者意識が醸成されにくい状況。社会の中で、「介護」をより多様な主体が積極的に発 信・対話されるよう介護に関する社会機運醸成を実施する。 引き続き、介護テクノロジーの重点分野に基づく開発を支援し、海外市場獲得のための認証取得等 を促進する。 テクノロジーの改良及び効果検証等を支援し、確立した介護DXパッケージモデルの投資効果を明ら かにすることで、介護の質の向上を目指す。 【先進的な医療機器/医薬品の開発及び海外展開】 ⚫ バイオ産業について、バイオ医薬品や再生・細胞・遺伝子治療分野における受託開発製造拠点の整 備・増強を引き続き進める。 ⚫ 創薬及び医療機器ベンチャーの成長を政府全体で支援するための他省庁事業との連携を「イノベー ション・エコシステムプロジェクト」や「ペアリング・マッチング」制度などを基に、引き続き強化していく。 ⚫ 創薬ベンチャーについて、開発後期まで円滑な資金調達が可能となる環境を構築する。 ⚫ 国内企業の国際競争力等を捉えた、特に治療機器を中心とした新たな競争力領域への集中的な研 究開発投資と国際的競争力確立に向けて、米国展開に必要となる臨床試験等のエビデンス構築及 55 び展開に必要となるネットワーク構築を支援。また、スタートアップの出口戦略の強化に向けたアクセ ラレーション機能強化に取り組む。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ AI 診断等の SaMD の社会実装に向けて研究開発及び臨床的有用性や経済性に関するエビデンス 構築のための実証を継続的に支援する。 MExx 構想の更なる強化にむけ、既存の展開国(ベトナム・タイ)においてフォーラムの開催や具体的 プロジェクト組成を進めるとともに、新規候補国のニーズ調査・立ち上げに向けた動きを加速する。 アフリカ地域に進出する日本の医療・ヘルスケア関連企業の支援に向けて、中長期的に現地キーパ ーソンのネットワーク蓄積を行う新たな枠組み構築を目指す。 新興国市場を念頭に、欧米のグローバルトップ企業や中国やインドなどの新興企業との競合を踏ま え、日本の医療機器産業の海外展開を更に進める戦略検討を進める。 医療インバウンドの推進に向けて、関係省庁と連携し、意欲ある医療機関を選定し、当該医療機関 に対してマーケティング及び受け入れ態勢の側面から支援を実施する。具体的には、日本と海外の 医療機関同士が連携する枠組み構築や、海外に向けた情報発信機能を集約化していく。 56 (5)少子化対策に資する地域の包摂的成長 ① 当面の長期的目標 ⚫ 地域の企業の成長等を通じた良質な雇用や豊かな生活環境の創出(可処分所得・時間の向上)等 により、希望出生率 1.8 を回復し、更に人口動態の安定化をもたらす希望水準が実現できるような経 済環境を実現する。 ② 第3次以降の進捗状況 【良質な雇用の創出(若者・女性の収入増を通じた「可処分所得の増加」に繋がる産業政策)】 (地域の核となる企業の成長) ⚫ 賃上げや働き方改革による良質な雇用を実現できる地域の中核となる企業(地域経済への影響力 が大きく、成長性が見込まれるとともに、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手である中 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 堅・中小企業)を自治体等と連携しつつ育成し、更なる成長軌道に乗せるため、地域ごとに中堅企業 等地域円卓会議を発足した。 公正取引委員会と連携した(旧)下請法の執行や、「国等の契約の基本方針」に基づく、官公需にお ける労務費等の価格転嫁の徹底を実施している。 パートナーシップ構築宣言について、令和7年2月 21 日に開催した、第6回「未来を拓くパートナーシ ップ構築推進会議」において、公表要領の改正(宣⾔企業の説明責任及び業所管省庁によるチェッ クの強化)などを行った。 中小企業・小規模事業者における新事業進出・生産性向上等、及びその関連施策と一体的に行う賃 上げの促進に向けて、令和6年度補正予算等において、新事業進出補助金や生産性革命推進事業 等を措置した。 売上高 100 億円という高い目標に向けて、挑戦を行う中小企業に対して、成長を加速化させるため の支援措置を行った。 親族内承継や M&A を含む第三者承継を機とした変革の推進に向け、後継者支援、PMI 支援、M&A 市場の環境整備等を実施した。 多様化する経営課題への対応に向けた支援を先延ばしすることなく、事業者に寄り添いながら一歩 先を見据えて取り組むことの必要性が高まっていることを踏まえ、関係機関に対し、官民の金融機関 等における事業者支援を徹底する観点から、令和7年3月に「再生・再チャレンジ支援円滑化パッケ ージ」を公表した。 女性起業家支援のための地域ネットワーク構築を全国各地で構築するとともに、支援プログラムの 実施を通じて、ロールモデルとなる女性起業家の創出・育成を実施した。 中堅・中小企業を地域経済の核として、主に地域未来牽引企業を中心に、各地域でのネットワーキ ングイベントや専門家の派遣など各種支援策の活用を促進し、海外への輸出を含めて成長を促すと ともに、域内取引等を通じて、地域経済への更なる波及を図った。 地域経済を牽引する中堅・中小企業に向けて、新事業展開を支援するプラットフォームの立ち上げ、 地域の支援機関や政府機関地方支分部局の体制構築、省力化等による労働生産性の抜本的な向 上と事業規模の拡大を図る大規模な設備投資促進補助といった、地域の賃上げや働き方改革等を 精力的に行う企業をより多く創出するための支援を強化した。 中堅・中小企業において、賃上げや人材開発投資の強化、新事業展開等による経営力強化、若い 世代が求める柔軟な働き方を可能とする働き方改革等「良質な雇用」の実現に精力的に取り組むと ともに、各地域でネットワーキングイベント等を行い、地域未来牽引企業の成長支援策を強化した。 57 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 地域未来投資促進法を活用し、人材等の資源に限りがある中で、GX 等の環境変化も踏まえ、成果 を最大化するため、産業集積や産業インフラ等のそれぞれの地域特性を活かした産業政策を戦略 的に講じる意欲のある自治体の取組を促進するべく地域未来投資促進税制において新たな上乗せ 類型を措置した。 地域一体で人材の確保・育成・定着を行う「地域の人事部」の先進事例を活用した横展開を推進する とともに、地域未来牽引企業等の中堅・中核企業が中心となり地域の働き方改革を推進しながら行う 取組を令和6年度当初予算で支援。全国から 46 件の取組を採択した。 半導体等の戦略分野に関する国家プロジェクトの産業拠点の整備等に際し、工業用水を含む関連イ ンフラの整備を機動的かつ追加的に支援するため、内閣府にて「地域産業構造転換インフラ整備推 進交付金」を令和6年度補正予算にて措置した。 全国的に不足する産業用地の確保に向け、自治体における産業用地整備に関するノウハウ不足等 の解決のため、日本立地センターにおいて、団地造成に向けたプロジェクトマネジメント等にかかる 伴走支援を開始した。なお、土壌汚染対策法を所管する環境省の検討に関し、経済産業省として円 滑な土地の有効活用の観点から連携し、制度の合理化等を目指し検討を実施した。 低廉かつ安定的な工業用水の供給を図るために必要となる施設・設備の老朽化への対応、強靱化 を着実に図るため、工業用水道事業者に対し、今後の水需要を踏まえた適正な施設規模の検討や 実効性のある計画策定を通じた経営改善の具体的な方策を取りまとめた。 エンタメ産業は、①地域(地方)での制作拠点の拡大による雇用への神益②外国人のインバウンドに よる海外からの収益③音楽フェス等の継続的なイベント開催による地域(地方)の活性化により、地域 経済に対して一石二鳥の大きな便益をもたらすことから、海外展開に当たっての伴走支援体制を強 化した。 ➢ JETRO にコンテンツ専門人材を配置し拠点機能を強化した。 ➢ JLOX+補助金において、海外展開を念頭においた翻訳・広報支援や企画開発・制作、また海外 のプラットフォーマーの契約の際に係る弁護士費用等の支援を実施した。 海外展開支援の他にも、先進デジタル技術を扱うクリエイターへの事業化を念頭に置いた伴走支援 や、アートと企業や地域の協業取組について実証を行い、その効果やプロセスについて取りまとめを 実施した。 AI を含む様々な最先端のソフトウェアをロボットに組み込むことができるオープンな開発環境の構築 に加え、ロボットがより高度な判断・動作を可能とするための、データの蓄積・活用・循環の仕組みや それらのデータを用いる AI 基盤モデルの開発の推進に向けて、令和6年度補正予算(ポスト5G情 報通信システム基盤強化研究開発事業の内数)を措置した。 (地域全体の経済・産業のビジョンと資金・人材が循環するエコシステムの確立) ⚫ 企業規模拡大とともに高度化する経営課題(例えば、M&A、DX、知財、資本政策等)に対応するため の専門人材・大規模資金等のリソースを補完するためのソフトインフラや地域を越えた支援機関ネッ トワークを形成し、中小企業から中堅企業、さらに大企業へとシームレスに成長を目指すことが出来 る環境を整備するため、中堅企業等を取り巻くエコシステムの将来のあるべき姿とそれを実現するた めの障壁、官民の取り組むべき事項を整理・検討し、2025 年2月に「中堅企業成長ビジョン」を策定し ⚫ ⚫ た。 地域の個性を引き出すようなデザイン・アート投資・分野間連携等による高付加価値化を実現し、生 産性を高める取組に関する調査や実証を実施した。 国内スポーツリーグ・チームによるスポーツエンタメ・コンテンツの海外展開の取組への支援を実施。 58 【良質な雇用の創出(若者・女性の「可処分時間の増加」に繋がる働き方改革や規制改革)】 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 地域に根差した中小企業が、多様な価値観を受け入れ、女性・若者のニーズを捉えた誰もが働きや すい企業経営を実現できるよう、ダイバーシティ経営に関する中小企業向けリーフレットや「ダイバー シティ経営診断ツール」等の各種支援ツールの活用促進、企業事例の調査・普及等を通じ、企業の 取組を後押しした。 補助金審査の際の WLB 加点措置導入・・・補助金において、補助目的を鑑みつつ、子育て支援・女 性活躍推進企業に対して原則加点措置を実施した。 女性活躍に優れた企業を選定する「なでしこ銘柄」において、両立支援に積極的に取り組む企業を 「Next なでしこ 共働き・共育て支援企業」として選定し、取組内容を事例集として公開することで、企 業における取組を促進した。(2025 年3月) 先進的なフェムテック技術・サービスの実証事業に対する補助を行い、企業や自治体等における活 用を促すことで、女性特有の健康課題やライフイベントと仕事との両立を支援した。 【豊かな生活環境の創出(若者・女性の結婚・子育て・生活をめぐる環境を改善する取組)】 ⚫ 個人のライフステージに応じた諸課題に対応し、生活の質を高めるとともに、企業の人手不足解消や 離職防止につなげるため、可処分時間確保に資する家事支援サービス、主体的・自律的な自己決定 をしやすくするためのライフデザイン支援の利用を促進している。 ⚫ 多様な学びを各地で実現するため、企業や個人と連携し、民間教育サービスの活力や企業等からの 寄附・支援等も活かしながら、地域社会全体で次世代の教育を支えていくモデル創出を行っている。 ⚫ ローカル・ゼブラ企業を中心とする地域課題解決事業の地域での実証を全国 20 の地域で実施、事 業モデルの整理や社会的インパクトの評価手法等の確立に取り組んだ。 ③ 今後必要な施策 【良質な雇用の創出(若者・女性の収入増を通じた「可処分所得の増加」に繋がる産業政策)】 (地域の核となる企業の成長) ⚫ 賃上げや働き方改革による良質な雇用を実現できる地域の中核となる企業(地域経済への影響力 が大きく、成長性が見込まれるとともに、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手である中 堅・中小企業)を自治体等と連携しつつ育成し、更なる成長軌道に乗せる。 ⚫ 価格転嫁を阻害する商習慣の一掃に向けた業界団体への働きかけや、官公需における価格転嫁の ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 徹底等の取組を進める。 パートナーシップ構築宣言の更なる拡大及び実効性向上に取り組む。 人手不足が深刻化する中、単なるヒトの置き換えに留まらず、中小企業の抜本的な生産性向上・省 力化を促進するため、業種別省力化プランの策定や、各種補助金の効果的執行、生産性向上に向 けた専門アドバイザーによる伴走支援等を推進するとともに、中小企業の高付加価値化・新事業進 出・イノベーション創出支援に取り組む。また、その関連施策と一体的に賃上げの促進を行う。 中小企業の持続的な賃上げに向けて、中小企業の「稼ぐ力」の強化を行っていくべく、売上高 100 億 円という高い目標を掲げて、挑戦を行う中小企業に対する成長支援を継続・強化するとともに、これ らの支援を通じた成長機運を全国各地に波及させる等、他の中小企業政策との連携強化を行ってい く。 親族内承継や M&A を含む第三者承継を機とした変革の推進に向け、後継者支援、PMI 支援、M&A 市場の環境整備等を引き続き実施する。 59 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 「再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージ」の着実な推進等の再生を加速させる。 女性起業家支援のための地域ネットワーク構築を全国各地で構築するとともに、支援プログラムの 実施を通じて、ロールモデルとなる女性起業家の創出・育成を実施する。 中小企業等による知財経営を促進し、稼ぐ力の向上に繋げていくため、地域毎の支援体制の強化及 び制度改正等の環境整備を行う。 ➢ 知財を踏まえた経営改善が行われるよう、各地域別に知財エコシステム形成を迅速に進める。 好事例の創出と併せて、専門人材の質・量の向上も行う。 ➢ 国際出願や高額化する知財訴訟リスクへの対応に関して支援の見直しを検討し、海外市場に対 する高付加価値商材の輸出を促進する。 ➢ AI/DXの進展による中小企業等のイノベーション創出環境の変化や取引適正化に対するニー ズに即した制度改正を行う。 域内調達や域外販売を通じて地域経済の中核となる企業を重点的に支援することで、地域経済の 波及効果を高めていく。 地域経済を牽引する中堅・中小企業の中でも、新事業開発や省力化等の取組で生産性を高め、東 京圏と遜色ない給与水準への賃上げや働き方改革等を精力的に行う企業をより多く創出するための 支援を強化する。 地域への経済的波及効果が高く、また、良質な雇用を創出する企業に対して、関係省庁や地域の支 援機関が一体となって、重点的な支援を行う。また、地域未来牽引企業のロゴマークの使用等を通じ て、ブランド力の向上を促す。 地域未来投資促進法を活用し、人材等の資源に限りがある中で、GX 等の環境変化も踏まえ、成果 を最大化するため、産業集積や産業インフラ等のそれぞれの地域特性を活かした産業政策を戦略 的に講じる意欲のある自治体の取組を促進する。 地域経済の底上げを図る上で重要となる支援機関それぞれの役割を踏まえた支援機能の強化・連 携を進めるべく、自然災害や価格転嫁等の喫緊の政策課題に対応しつつ、地域の支援体制を補完・ 補強する役割を持つよろず支援拠点について、商工会・商工会議所との適切な役割分担のもと、全 国組織の強みを活かし、拠点間の知見共有、地域の支援機関・支援人材に対する支援スキル・ノウ ハウの共有、広報・研修の強化、支援の質の向上及び業務効率化に向けた AI 等の活用、課題解決 の自走化を目指す中小企業を積極的に支援するなどの各拠点の役割に応じた適切な評価指標の設 定等の運営体制整備や、地域の支援機関との連携のための体制強化等を進める。また、商工会・商 工会議所において広域的な支援体制の構築や生成AI等のデジタルツールの活用等を促進すること により、経営指導員のスキルアップを通じた支援の質の向上や人員不足への対応のため業務効率 化を図る。 地域一体で人材の確保・育成・定着を行う「地域の人事部」モデルの普及、伴走・横展開支援を通じ た地域間・広域連携の促進、地域企業の右腕人材育成や法制度と連携した取組へ重点支援する。 用地取得や土地利用調整手続の円滑さ、自治体の産業用地・インフラ投資へのリスク回避的傾向と いった課題の解消に向け、現行制度の見直しを含め、自治体・民間開発事業者等による産業用地整 備に対する措置の検討を進める。なお、土壌汚染対策法を所管する環境省の検討に関し、経済産業 省として円滑な土地の有効活用の観点から連携し、制度の合理化等を目指す。 自治体等の産業団地造成にかかる伴走支援について、更にきめ細やかな自治体のニーズを踏まえ た事業の拡充を行う。 60 ⚫ ⚫ ⚫ 工場立地法に基づく適地調査を通じて収集した、自治体が保有する産業用地に係る情報(非公表情 報を含む)を活用し、目的外使用とすることについて自治体の同意を得た上で、産業用地を探してい る企業と自治体とのマッチングの仕組みを構築する。 工業用水道施設の老朽化や強靱化への着実な対応を促すべく、補助事業における実効性のある計 画策定の要件化、民間活用・デジタル化の推進に向けた具体的な方策等、工業用水道事業者にさら なる経営改善を促すための仕組みを構築する。 高付加価値産業の成長のためには、労働力ではなくソフト資産を経済価値に結びつける必要があ り、世界市場に展開が始まっているのは、コンテンツ・クリエイティブ産業。これは、ソフト資産として文 化の積み重ねや多様性により我が国に地力・潜在力がある中で、スマホ・配信の世界的な普及によ る世界中の消費地・消費者が攻略可能な市場と拡大している環境の変化に起因する。こうした状況 下において、我が国として、コンテンツ・クリエイティブ産業を、外貨獲得や我が国の国際プレゼンス を上げる基幹産業に位置づけ、引き上げていくことが必要。そのため、「2033 年までに海外売上高を 5 兆円から 20 兆円」を実現することを政府の目標に掲げている。20 兆円を達成するには、毎年約 13%の成長が必要であるが、世界コンテンツ市場の成長見込みは、年率5%であり、諸外国と競争 し、保有シェアを守りつつ、市場シェアを獲得していくための強力な取り組みが必要になる。今後、8 年間の集中支援期間(2026~33 年)を設け、我が国発コンテンツで世界を面的に覆う形でビジネス 展開を進める。その具体化のため、海外現地拠点等を活用した戦略的海外展開の促進、国際水準 の制作を実現する支援、イベントと連携した日本発コンテンツの発信力強化、エンタメ・スタートアップ の創出促進、海賊版流通への国際執行体制の強化、アートと企業等との共創取組を促す基盤作り 等を盛り込んだ「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」を策定し、実施する。本戦略では、ゲーム、アニ ⚫ ⚫ メ、漫画、音楽、映画・映像、アート、デザイン、ファッション等、計 10 分野の振興に向けて埋めるべき 「8つの不足」と、この不足に対応するための「100 のアクション」を特定しており、6月頃をメドに最終 とりまとめを予定。本戦略で特定されたアクションの実行を通じて、他産業の高付加価値化を図り、 観光・インバウンドの稼ぐ力も強化する。 AI を含む様々な最先端のソフトウェアをロボットに組み込むことができるオープンな開発環境の構築 に加え、ロボットがより高度な判断・動作を可能とするための、データの蓄積・活用・循環の仕組みや それらのデータを用いる AI 基盤モデルの開発を推進する。 地方自治体や地域の支援機関等と連携したロボット導入地域連携ネットワーク(仮称)を設立し、地 域の中小企業等におけるロボット導入を推進する。 (地域全体の経済・産業のビジョンと資金・人材が循環するエコシステムの確立) ⚫ 今年2月に策定した「中堅企業成長ビジョン」に基づき、成長意欲のある企業の賃上げにつながる設 備投資の支援や成長の実現に必要な人材確保の推進、持続的な成長に不可欠なガバナンスの充 実と支援を一体的に進める枠組みの構築、輸出や研究開発の促進等の施策等を具体化、実行し、 高い成長目標を掲げる企業が、中小企業から中堅企業、さらにその先へと成長していける、シームレ スな政策体系を構築する。 ⚫ 地方におけるイノベーション創出を目指す「地方イノベーション創生構想」の実現に向けて、自治体に よるスタートアップ調達の促進等を通じた地域のイノベーションの担い手であるスタートアップを育成 する環境の整備や、地域大学や国立研究開発法人によるイノベーション拠点整備の支援、コンテン ツや地方のストーリー・産品を活用した地方モデルの構築、地域におけるトップレベルの IT 人材の育 成基盤の確立等に取り組む。 61 ⚫ 地域の個性を引き出すようなデザイン・アート投資・分野間連携等による高付加価値化を実現し、生 産性を高めるための基盤整備等を実施する。 ⚫ スポーツエンタメ・コンテンツの海外展開を通じた外需獲得、ひいてはインバウンド需要拡大の促進を 通じて、地域の観光産業の振興に貢献する。 福島復興と地方創生 2.0 を掛け合わせた全国の参考となる絵姿を提示するため、「福島イノベーショ ン・コースト構想の青写真」を本年夏頃をめどに改定する。 ⚫ 【良質な雇用の創出(若者・女性の「可処分時間の増加」に繋がる働き方改革や規制改革)】 ⚫ 地域に根差した中小企業が、多様な価値観を受け入れ、女性・若者のニーズを捉えた誰もが働きや すい企業経営を実現できるよう後押しする。 ⚫ フェムテック等を活用した実証事業の成果の普及を通じて、働く女性の健康課題に対応する企業を 増やす。 【豊かな生活環境の創出(若者・女性の結婚・子育て・生活をめぐる環境を改善する取組)】 ⚫ 小売、介護等、地域の生活を支えるサービスの供給が困難になる中で、省力化・デジタル化・協同化 等の生産性向上を図り、サービス供給を維持・発展させていく、協同組合や住民出資会社等を主体 とした新たな共助型事業体(「地域協同プラットフォーム」)の支援を検討する。 ⚫ 家事支援サービス、ライフデザインサービスの実証事業で得られた、これらのサービスは個人のキャ リア形成や生活の質の向上に加え、企業における多様な人材の活躍や人手不足の解消に寄与する ことが期待できるという効果を、ポータルサイト、メディア等を通じて両サービスの普及促進に繋げる ⚫ ⚫ ⚫ 気運醸成に向けた広報を実施する。 初等中等教育段階における産業界と教育機関との効果的な連携を促進するための仕組み作り、例 えば、プラットフォーム構築を通じた好事例の面的な展開について検討を進める。 「小規模企業振興基本計画(第Ⅲ期)」に基づき、商工会・商工会議所等による経営力の向上のため の支援拡充、商工会・商工会議所の支援体制強化、地方公共団体と連携した小規模事業者支援の 強化、事前防災の体制強化等に取り組むことで、小規模事業者の稼ぐ力を一層高め、経営の自走 化を図る。 ローカル・ゼブラ企業が創出する社会的インパクトに対する理解の醸成、社会的インパクト評価の活 用方法の整理に取り組むことで、ローカル・ゼブラ企業が中心となって、地域内外の老舗・中堅企業 や大企業、金融機関等との連携を強化しながら、各地域で共助の枠組みを構築するための環境整 備を図る。 62 (6)災害に対するレジリエンス社会の実現 ①当面の長期的目標 ⚫ 途上国の適応市場(2050 年約 70 兆円)含めた世界市場の獲得を実現する。 ②第3次以降の進捗状況 【企業の防災、強靭化投資の促進】 ⚫ スマート保安の一層の促進に向けた取組を実施。スマート保安実証支援事業において、保安の確保 が不可欠である電力、ガス、コンビナート等の産業インフラにおける遠隔監視・制御、AI による設備 点検作業の自動化といったスマート保安技術の導入を促進するための技術実証支援を行った。 【自治体における先進的な防災・減災ソリューションの導入】 ⚫ ⚫ 国内市場創出のための施策を検討するため、主要な需要者たる自治体、及び先進的な防災ソリュー ションを供給するスタートアップへのヒアリングを引き続き実施した。自治体が抱える防災・災害対応 課題やスタートアップサービスの調達にかかる課題を深掘りし、政策の方向性を整理した。 これまでの自治体調査において、とくに課題の声が挙がった「被災状況把握」の改善に資するスター トアップの伴走支援を開始した。具体的には、2024 年度 SBIR 推進プログラム(多様化する社会課題 の解決に貢献する研究開発型スタートアップ等の研究開発の促進及び成果の円滑な社会実装を目 指すプログラム)でスタートアップ3社を採択し、実用化に向けた研究開発を進めている。また、同プ ログラムの 2025 年度募集課題として「避難所の衛生環境改善技術」の公募を開始しており、今秋事 業開始予定。 【海外市場の獲得】 ⚫ アジア太平洋地域各国の市場規模や防災行政体制、規制、形成されているエコシステム等を調査 し、日本企業の進出余地がある地域やプロダクト、ビジネスモデルについて整理した。 ⚫ 防災・適応技術の海外展開推進に向けた取組を実施した。日本企業の製品・技術・サービスの海外 市場展開支援を通じて、途上国を中心とする防災・適応にかかる社会課題解決に貢献する観点か ら、COP29 における適応技術の国際広報、「SUBARU・イニシアティブ」の下でのアジア太平洋地域と 日本企業とのマッチング会議の実施、日本企業の海外展開に向けたフィージビリティスタディ(以降、 FS)調査、制度整備、実証支援、さらには適応分野への資金動員を促進するため国際ルール形成の 可能性調査を実施した。 ⚫ 国際標準化、エコシステム構築を推進するため、レジリエンスの産業化と海外進出を支える国際的な リスクファイナンスを活性化すべく、国際標準化に向けた調査・戦略立案を進めた。また、国内外関 係者のエコシステム構築と対話の場を創出すべく、国内関係者・有識者と議論を実施した。 ③今後必要な施策 【企業の防災、強靭化投資の促進】 ⚫ スマート保安の一層の促進に向けて取り組む。スマート保安を導入する上での課題を整理し、更なる 導入促進に向けた技術実証支援の効果的なあり方の検討や、事業者に対する継続的な周知・啓発 に取り組む。 63 【自治体における先進的な防災・減災ソリューションの導入】 ⚫ 自治体が抱える防災・減災課題の解決に資する技術領域の調査、検討を進める。引き続き、自治体 ⚫ ⚫ が抱える防災のニーズと、それらのニーズを満たしうる技術を提供しうる企業(スタートアップ)を調査 し、研究開発の支援を検討する。 国内市場創出のための施策の検討を行う。2024・2025 年度の SBIR プログラムで採択したスタートア ップ(被害情報把握、衛生環境整備)の伴走支援を行い、自治体への実装に繋げることを目指す。ま た、リソースが限られるスタートアップによるサービス実装を円滑化すべく、関係省庁とも連携のうえ、 官民連携や制度面のあり方等を検討していく。 災害対応ロボットへの応用など社会課題の解決に向けてロボット活用を進めていくため、開発に必要 なデータの収集やモデルの開発、ロボットへの実装と利活用の好循環の仕組みを構築し、ロボティク ス分野における AI 開発を進めていく。あわせて、スタートアップをはじめとする多様なプレーヤーが 柔軟かつ効率的にロボットを開発することが可能となる開発基盤の構築を進めていく。 【海外市場の獲得】 ⚫ 防災・適応技術の海外展開を推進する。日本企業の製品・技術・サービスの海外市場展開支援を通 じて、途上国を中心とする防災・適応にかかる社会課題解決に貢献する観点から、国際会議等にお ける適応技術の国際広報・発信の強化、「SUBARU・イニシアティブ」の下でのアジア太平洋地域と日 本企業とのマッチング会議の実施、日本企業の海外展開に向けた FS(フィージビリティスタディ)調 査、制度整備、実証支援、さらには適応分野への資金動員を促進するためのリスクファイナンス市場 に関する情報収集・戦略立案の検討を行う。 ⚫ 国際標準化の推進に向けて、防災関係 ISO のガイドライン規格を整備するとともに、関係機関への 打ち込みを進め、国際ルール形成の主導的推進を目指す。 64 (7)バイオものづくり革命の実現 ①当面の長期的目標 ⚫ 2030 年時点で総額 92 兆円の市場規模拡大を実現する。 ⚫ 2030 年までに年間3兆円のバイオ関連国内投資を実現する。 ②第3次以降の進捗状況 【微生物・細胞設計プラットフォーム技術、生産技術開発の加速化】 ⚫ バイオ由来製品の市場創出・拡大に向けた方策の策定に向け、グリーンイノベーション基金事業や バイオものづくり革命推進事業の採択結果を踏まえた検討を開始した。具体的には、グリーンイノベ ーション基金事業において、横断的な課題を議論する作業部会を設け、市場創出に向けた検討を実 施した。 ⚫ ⚫ グリーンイノベーション基金事業やバイオものづくり革命推進事業による研究成果を踏まえたデータ の集積・企業間連携を推進した。共通基盤としては、データの標準化を進め、企業間での情報共有を 円滑にするためのプラットフォームの構築に着手した。 2023 年4月に開催された G7(札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合)において、バイオものづくりが 気候変動や資源不足などを解決する鍵であるとの共通認識が形成されたことを受け、バイオ技術に 関する二国間連携や多国間でのルール形成等、国際連携の推進を検討した。 【市場環境の整備に向けた取組】 (技術開発の加速化) ⚫ 生物遺伝資源は微生物・細胞設計プラットフォーム技術の基盤であることから、生物遺伝資源とその 関連情報(生物の特性情報、オミックス情報など)を集積する生物遺伝資源・データプラットフォーム の基盤整備を実施した。 (バイオ由来製品の市場創出・拡大を図るための取組) ⚫ 原料やプロセスのバイオ転換に取り組む企業の市場予見性を高めるため、「成長志向型カーボンプ ライシング構想」に基づく施策等も活用しつつ、バイオ由来製品の環境価値を経済的価値に転嫁す る仕組み作りを推進した。 ⚫ バイオ由来材料・製品の市場化に向け、カーボンフットプリント(CFP)の活用、ライフサイクルアセスメ ント(LCA)手法の確立等、バイオマスやバイオ技術の利活用による環境価値を定量的に評価する仕 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 組みや、認証・クレジット化の仕組み、環境負荷を低減するバイオ由来製品の表示方法の在り方に ついて検討した。 技術の標準化に向け、国際標準化に関する調査や国際標準活動への積極的な参画、国際標準化 に取り組む国内プレーヤーの後押し等、バイオ由来製品に関する国際標準化等を戦略的に推進し た。 国内バイオマスの産業利用拡大や CO2・廃棄物等の未利用資源の活用を推進し、原料の多様化及 びサステナビリティを追求した。 バイオ由来製品の市場を早期に創出・拡大できるよう、グリーン購入法等を参考にした需要喚起策を 検討した。 化学産業において、GX経済移行債を活用し、植物等から製造され、ライフサイクルを通じた排出量 が低いバイオ原料への原料転換を検討した。 紙パルプ産業において、GX経済移行債を活用し、化石燃料由来のナフサからバイオ原料(植物等か 65 ら製造され、ライフサイクルを通じた排出量が低い原料)への転換を促進した。 【事業環境の整備等による国内産業基盤の確立】 ⚫ 2020 年度より実施している「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」に よるバイオファウンドリ拠点の整備を引き続き実施するとともに、日本の各地域の強みを活かして開 発された基盤技術を元にした地域拠点の整備に着手した。 ⚫ 合成生物学や発酵生産に関する専門的な知識に加えて、AI 等のデジタル分野やエンジニアリング、 ビジネスを成功に導くための経営等の様々な知見が求められるようになっていることを踏まえ、バイ オものづくりのバリューチェーンに応じて求められる知見や人材のニーズを把握し、産業界で求めら れる人材の育成・確保に向けた取組を進めるとともに、2020 年度より実施している「カーボンリサイク ル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」等を活用し、バイオファウンドリ拠点を活用した ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ものづくり人材の育成プログラムを引き続き実施した。 スタートアップが成長しやすい環境整備を図るため、政府全体のスタートアップ支援策とも連携しつ つ、国内のバイオものづくりにおける産業構造やプレーヤーの課題・ニーズを踏まえたスタートアップ 支援を実施した。 バイオものづくり領域の拡大に合わせて需要の高まりが見込まれる実験装置や測定機器、センサ ー、試薬等に関する国内のプレーヤーの競争力向上に向け、関係省庁とも連携しながら、国内の基 礎研究分野での協働の場の提供や仕組みづくりを進めるなど、ユーザーとの連携促進や、シェアラ ボやアカデミアの共同利用施設等における分析機器の共同利用促進に向けた支援を実施した。 バイオものづくりに関する国内のプレーヤーの競争力強化に向けたデータ利活用・連携を推進した。 バイオものづくり領域におけるステークホルダー間の産学官・分野横断的な連携・協議の円滑化を実 施した。 ③今後必要な施策 【微生物・細胞設計プラットフォーム技術、生産技術開発の加速化】 ⚫ グリーンイノベーション基金事業においては、横断的な課題を議論する作業部会を通じて、市場創出 に向けた検討を継続する。各事業の成果を基に成功事例やベストプラクティスを共有し、他の企業や 研究機関が参考にできるような情報提供を行い、引き続き市場創出に向けた検討を行う。また、バイ オものづくり革命推進事業では、第3次公募の採択結果も踏まえ、協調領域の整理と具体的な議論 ⚫ ⚫ ⚫ を加速化するための作業部会の立ち上げを検討する。 グリーンイノベーション基金事業やバイオものづくり革命推進事業による研究成果を踏まえたデータ の集積・企業間連携を引き続き推進する。共通基盤としては、企業間での情報共有を円滑にするた めに構築したプラットフォームを活用し、研究成果の商業化を加速させる。また、競争領域において は、各企業が独自の技術や製品開発を進める中で、相互に連携しながらも競争力を高めるための戦 略を策定する。さらに、安全性基準の確立に向けて、業界団体や規制当局と連携し、透明性のある 基準を策定する。 NITE(製品評価技術基盤機構)において、バイオものづくり支援基盤としての生物遺伝資源データの プラットフォームの拡充を行う。 バイオ技術に関する二国間連携や多国間でのルール形成等、国際連携の推進を継続して検討す る。 66 【市場環境の整備に向けた取組】 (技術開発の加速化) ⚫ 生物遺伝資源は微生物・細胞設計プラットフォーム技術の基盤であることから、生物遺伝資源とその 関連情報(生物の特性情報、オミックス情報など)を集積する生物遺伝資源・データプラットフォーム の基盤整備を継続する。バイオファウンドリに資する微生物やその関連データを新規に収集するだ けでなく、企業・公的機関・大学等の保有する生物遺伝資源の情報の集約、利活用促進及びデータ 連携を図ることで、バイオとデジタルが融合した環境整備を進め、バイオものづくりの社会実装を加 速化する。 (バイオ由来製品の市場創出・拡大を図るための取組) ⚫ 原料やプロセスのバイオ転換に取り組む企業の市場予見性を高めるため、「成長志向型カーボンプ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ライシング構想」に基づく施策等も活用しつつ、引き続きバイオ由来製品の環境価値を経済的価値に 転嫁する仕組み作りを行っていく。 バイオ由来材料・製品の市場化に向け、CFP の活用、LCA 手法の確立等、バイオマスやバイオ技術 の利活用による環境価値を定量的に評価する仕組みや、認証・クレジット化の仕組み、環境負荷を 低減するバイオ由来製品の表示方法の在り方について、継続的に検討を進める。 産学官が集まる様々な場を活用して、バイオものづくり分野でのルール形成を進めていく。具体的に は、GXやサーキュラーエコノミー等、共通の社会課題に対して野心的に取り組む産学官のプレイヤ ーが連携しながらルール形成を図るための場を活用し、効率的・効果的に施策を検討していく。 国際標準化に関する調査や国際標準活動への積極的な参画、国際標準化に取り組む国内プレーヤ ーの後押し等、バイオ由来製品・技術に関する国際標準化等を引き続き、戦略的に推進していく。 新たなバイオエコノミー市場の形成に向けては、人口減少等に伴い縮小が見込まれる国内市場だけ に目を向けるのではなく、需要拡大が見込まれるグローバル市場も見据えた市場環境整備が必要。 具体的には、二国間あるいは多国間での対話を通じて、企業のニーズに基づいた、バイオ由来製品 の展開に有益なルール形成を進める。 国内バイオマスの産業利用拡大や CO2・廃棄物等の未利用資源の活用を推進し、原料の多様化及 びサステナビリティを引き続き追求する。 バイオ由来製品の市場を早期に創出・拡大できるよう、グリーン購入法等を参考にした需要喚起策 の検討を引き続き行う。 化学産業において、GX経済移行債を活用し、植物等から製造され、ライフサイクルを通じた排出量 が低いバイオ原料への原料転換を引き続き検討していく。 紙パルプ産業において、GX経済移行債を活用し、化石燃料由来製品等の代替素材となる可能性を 有している木質パルプを活用したバイオリファイナリー産業への転換を継続して促進する。 【事業環境の整備等による国内産業基盤の確立】 ⚫ 2020 年度より実施している「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」に よるバイオファウンドリ拠点の整備を引き続き実施するとともに、日本の各地域の強みを活かして開 発された基盤技術を元にした地域拠点の整備を進める。 ⚫ 合成生物学や発酵生産に関する専門的な知識に加えて、AI 等のデジタル分野やエンジニアリング、 ビジネスを成功に導くための経営等の様々な知見が求められるようになっていることを踏まえ、バイ オものづくりのバリューチェーンに応じて求められる知見や人材のニーズを把握し、産業界で求めら れる人材の育成・確保に向けた取組を進めるとともに、2020 年度より実施している「カーボンリサイク 67 ル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」等を活用し、バイオファウンドリ拠点を活用した ものづくり人材の育成プログラムを引き続き実施し、先端研究と産業界の橋渡しを出来る人材の育 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 成を進める。 スタートアップが成長しやすい環境整備を図るため、政府全体のスタートアップ支援策とも連携しつ つ、国内のバイオものづくりにおける産業構造やプレーヤーの課題・ニーズを踏まえたスタートアップ 支援を継続して行う。 バイオものづくり領域の拡大に合わせて需要の高まりが見込まれる実験装置や測定機器、センサ ー、試薬等に関する国内のプレーヤーの競争力向上に向け、関係省庁とも連携しながら、国内の基 礎研究分野での協働の場の提供や仕組みづくりを継続して進めるなど、ユーザーとの連携促進や、 シェアラボやアカデミアの共同利用施設などで分析機器の共同利用を促すといった支援を継続す る。 バイオものづくりに関する国内のプレーヤーの競争力強化に向けたデータ利活用・連携を引き続き 推進する。 バイオものづくり領域におけるステークホルダー間の産学官・分野横断的な連携・協議の円滑化を継 続して実施する。 68 (8)成長志向型の資源自律経済の確立 ①当面の長期的目標 ⚫ 2030 年に 80 兆円、2050 年に 120 兆円のサーキュラーエコノミー市場を実現する。 ②第3次以降の進捗状況 【動静脈連携の加速に向けた制度枠組みの見直し】 ⚫ 3R 関連法制の拡充・強化の検討の一環として、「資源循環経済小委員会」での議論を基に、再生材 の利用に関する計画策定や実施状況の定期報告の義務づけ、環境配慮設計を促進するトップラン ナー認定制度の創設等を措置する「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及 び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律」が成立した。 【産官学サーキュラーエコノミー・パートナーシップ】 ⚫ 産官学連携によるサーキュラーエコノミー実現に向け、2023 年9月に産官学のパートナーシップ「サ ーキュラーパートナーズ」を立ち上げた。サーキュラーパートナーズの下にビジョン・ロードマップ検討 ワーキンググループ、サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォーム構築ワーキンググループ、地 域循環モデル構築ワーキンググループを設置しており、それぞれ議論を深めた。 ➢ ビジョン・ロードマップ検討ワーキンググループでは、2030 年や 2050 年を見据えた日本全体の サーキュラーエコノミーのビジョンやロードマップ、製品・素材ごとのビジョンやロードマップの検 討を進めている。 ➢ サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォーム構築ワーキンググループでは、資源循環に関 ➢ する事業者間の取引や情報連携の促進を図るため、素材情報等を事業者間で共有するプラット フォームの構築に向けた検討を進めている。 地域循環モデル構築ワーキンググループでは、地域の特性に応じた循環システムの構築や地 域資源の効率的な活用を目指した地域循環モデルの検討を進めている。 【デジタル技術を活用したトレーサビリティ確保のための情報流通プラットフォーム等の構築】 ⚫ 資源循環に関する事業者間の取引を図るため、素材情報等を事業者間で共有する情報流通プラット フォームの構築に向け、ウラノス・エコシステムにおける取組として、製品含有化学物質情報管理の ためのシステム構築を検討している。サーキュラーパートナーズの「サーキュラーエコノミー情報流通 プラットフォーム構築ワーキンググループ」を活用し、サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォー ム構築に関わる国内外の幅広い知見・経験を集約し、ユースケースの拡大に向けた議論を進めると ともに、サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォームに関わる様々な取組の全体像の整理を行っ ている。 【CE 実現のための研究開発・設備投資支援】 ⚫ 動静脈産業の連携(環境配慮設計の実現、選別・リサイクル技術の高度化等)と規模拡大を促進す るために設定した「官民合わせて 10 年間で約2兆円以上の投資」(2023 年分野別投資戦略)という 目標に向けて、GX移行債を活用し、技術開発から実証・実装まで一貫した支援を、2024 年度から開 始している。 69 ③今後必要な施策 【動静脈連携の加速に向けた新たな制度枠組みの実行】 ⚫ ⚫ 改正資源の有効な利用の促進に関する法律での措置を通じて、再生材利用に関する計画策定や定 期報告を法的に義務付け、企業の PDCA サイクルを踏まえた主体的取組を促すことにより、循環資 源の需要創出を促進する。また、資源・部品レベルの再利用や製品の長寿命化に資する特に優れた 環境配慮設計をトップランナーとして法的に認定することで、資源循環に配慮した製品の可視化・価 値化を図り、革新的なものづくりを加速させる。 再生材の安定的な需給体制の構築に向けて、設備導入等の支援に加えて、必要な制度的対応に向 けた検討を進める。 【産官学サーキュラーエコノミー・パートナーシップ】 ⚫ 「サーキュラーパートナーズ」を活用し、サーキュラーパートナーズ全体としてのビジョン・ロードマップ の策定と具体的なアクションへの落とし込み、新たなユースケースの検討も含めた情報流通プラット フォームの構築の進展を図るとともに、地域循環モデル構築に向けた実証・実装の取組を進めてい く。 【デジタル技術を活用したトレーサビリティ確保のための情報流通プラットフォーム等の構築】 ⚫ ウラノス・エコシステムで構築した仕組みや先行ユースケースでの取組を活用し、「サーキュラーエコ ノミー情報流通プラットフォーム構築ワーキンググループ」から産業界のニーズをくみ上げながら、サ ーキュラーエコノミー情報流通プラットフォームのユースケースを積み上げ、世界に伍する各産業で 共通的なプラットフォームを 2025 年中に部分的に構築する。 【CE 実現のための研究開発・設備投資支援】 ⚫ 再生材の供給量増大に向けた動静脈産業の連携(環境配慮設計の実現、選別・リサイクル技術の 高度化等)と規模拡大を促進するため、GX移行債を活用した技術開発から実証・実装まで一貫した 支援を継続していく。 70 <社会基盤(OS)の組み換え> ⚫ ミッション志向の産業政策において掲げた分野での社会課題解決の実現には、テーマ毎のミッション ⚫ 志向の産業政策を補完するものとして、テーマ横断的な基盤整備も必要である。こうした分野につい て、社会基盤(OS)の組替えとして取り組む。 OSの組替えは、個別ミッションに厳密に対応する範囲外でも、国内投資・イノベーション・所得向上 に貢献するものである。そうした観点から、これらの分野における施策にも取り組む。 (9)人材 ①当面の長期的目標 ⚫ 人手不足への対応を実施する。 ⚫ 物価上昇を超える賃上げを持続的に実現する。 ⚫ 人的投資・人材競争力の強化を目指す。 ②第3次以降の進捗状況 【徹底した人手不足への対応】 (時間的制約のある労働者の活躍支援) ⚫ 先進的なフェムテック技術・サービスの実証事業に対する補助を行い、企業や自治体等における活 用を促すことで、女性特有の健康課題やライフイベントと仕事との両立を支援した。 ⚫ 従業員の多様な働き方の実現、人手不足の解消や定着率の増加に資する家事支援サービスの活 用や、従業員の継続的なキャリア形成を支え、労働生産性の向上や離職防止につなげるライフデザ インサービスの利用を促進している。 (中小企業等向けの人材活用ガイドラインの普及) ⚫ 人材活用ガイドラインの活用事例の収集や、その事例を活用したセミナー・ワークショップ等を実施 し、当該ガイドラインの普及を促進した。 (省力化投資の促進) ⚫ 中小企業省力化投資補助金について、従来の汎用製品をカタログに掲載して中小企業等が選択し て導入する「カタログ注文型」に加え、新たにオーダーメイドの設備やシステムの導入等の省力化投 資を支援する「一般型」を新設した。 【賃上げに向けた取組の強化】 (中小企業の価格転嫁対策・取引適正化の推進) ⚫ 公正取引委員会と連携した(旧)下請法の執行や、「国等の契約の基本方針」に基づく、官公需にお ける労務費等の価格転嫁の徹底を実施している。 (中小企業の生産性向上支援) ⚫ 賃上げの原資の確保に向け、生産性向上に取り組みながら、最低賃金引上げ幅以上の意欲的な賃 上げの努力を行う場合、補助金の採択審査において加点措置を実施した。さらに、IT 導入補助金や ものづくり補助金等において、最低賃金の引き上げに向けて取り組む事業者を支援するため、補助 率引き上げの特例を措置した。 71 (賃上げ促進税制の周知・広報) ⚫ 賃上げ促進税制について、活用促進に向け、パンフレットや SNS 等を用いた周知・広報を実施した。 【内部労働市場・外部労働市場の活性化による労働移動の円滑化】 (リスキリングを通じたキャリアアップの普及促進) ⚫ 在職者に対するキャリア相談から、リスキリング、転職支援までを一体的に支援し、リスキリングと労 働移動の円滑化を引き続き一体的に進めている。 (ジョブ型人事の普及促進) ⚫ 新しい資本主義実現会議の下で開催する、三位一体労働市場改革分科会での議論を経て、2024 年 8月に内閣官房・経済産業省・厚生労働省の連名で、ジョブ型人事を導入した 20 社の事例を掲載し た「ジョブ型人事指針」を策定した。 (高度外国人材の活躍) ⚫ ビジネスチャンスの拡大や、人材の多様化を通じた組織の活性化、イノベーション促進の実現の観点 から、高度外国人材の受入促進を進めた。(詳細は「グローバル・経済安全保障」の箇所に記載) 【官民を挙げたリスキリング・人材育成】 (就業構造推計と産業人材教育の充実) ⚫ 人材需要の明確化と、これを踏まえた戦略分野における人材育成を進めるため、「2040 年に向けた シナリオ」の定量化を踏まえた 2040 年の就業構造推計を行った。 (デジタル人材育成の促進) ⚫ デジタル人材のスキル、スキルアップ状況、試験によるスキル評価に関するデータの蓄積・可視化を 可能とする共通基盤の構築を通じた、デジタル人材育成のエコシステム実現に向けた議論を開始し た。 (リスキリングを通じたキャリアアップの普及促進) ⚫ 在職者に対するキャリア相談から、リスキリング、転職支援までを一体的に支援し、リスキリングと労 働移動の円滑化を引き続き一体的に進める。 (博士人材等の高度な専門性を有する人材の育成) ⚫ 文部科学省と連携し、「博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブック」を策定。また、 博士号取得を目指す企業の若手研究者と大学等が実施する共同研究に係る費用の助成を実施。 ⚫ 多様な学びを各地で実現するため、企業や個人と連携し、民間教育サービスの活力や企業等からの 寄附・支援等も活かしながら、地域社会全体で次世代の教育を支えていくモデル創出を行っている。 ③今後必要な施策 【徹底した人手不足への対応】 (省力化投資の促進) ⚫ 地域社会を支える一方で人手不足が深刻な業種においてAI、ロボットなどの導入やDXを始めとする 省力化投資を推進するため、内閣官房と連携し、小売業・生活関連サービス業・製造業・運輸業にお ける「省力化投資促進プラン」の策定に向けた検討を進める。 72 (企業価値向上につながる多様な人材の活躍支援) ⚫ 多様な人材が活躍しその能力をイノベーション創出・企業価値向上につなげることができる環境の整 備・組織文化の醸成に向け、経営陣としての考え方や企業の取るべき具体的なアクション、事例につ いて掲載したレポート等を活用し、企業におけるダイバーシティ経営の取組を促進する。 (時間的制約のある労働者の活躍支援) ⚫ フェムテック等を活用した実証事業の成果の普及を通じて、働く女性の健康課題に対応する企業を 増やす。 ⚫ 家事支援サービス、ライフデザインサービスの実証事業で得られた結果を活用しながら気運醸成の ための広報を実施する。 (中小企業等向けの人材活用ガイドラインの普及) ⚫ 人材活用ガイドラインの活用事例の収集や、その事例を活用したセミナー・ワークショップ等を実施 し、更なる普及を促進する。 (人的資本経営の更なる普及・取組の深化) ⚫ 大企業を中心に実践してきた人的資本経営(ダイバーシティ経営含む)の取組を、全国の中堅・中小 企業に波及させることで更なる普及を目指す。また、人的資本経営の取組をより一層深化させるた め、各企業の実践を後押しする施策を行う。 【賃上げに向けた取組の強化】 (中小企業の価格転化対策・取引適正化の推進) ⚫ 価格転嫁を阻害する商習慣の一掃に向けた業界団体への働きかけや、官公需における価格転嫁の 徹底等の取組を進める。 (賃上げ促進税制の周知・広報) ⚫ 賃上げ促進税制について、活用促進に向け、パンフレットや SNS 等を用いた周知・広報を実施する。 【内部労働市場・外部労働市場の活性化による労働移動の円滑化】 (高度外国人材の活躍) ⚫ JETROなどの関係機関と協力しながら、我が国企業における国内外の高度外国人材の活用を支援 しつつ、高度外国人材確保に資する取組や在留資格に対する意見を取りまとめる。高度外国人材確 保の取組等に向けた必要措置は、2025 年度中に関連省庁と検討し、結論を得る。(詳細は「グロー バル・経済安保」の箇所に記載) (人的資本経営の更なる普及・取組の深化) ⚫ 経営戦略に沿った人材戦略の策定等を通じた人的資本投資の開示の充実に向けた検討を進める。 【官民を挙げたリスキリング・人材育成】 (就業構造推計と産業人材教育の充実) 73 ⚫ ⚫ 将来の産業界で必要となる人材の量・質の定量化の結果について、関係省庁とも連携し、地域の人 材育成の在り方などを議論する場に提供していく。当該結果も踏まえ、産学で連携し、博士人材等の 育成・活躍推進や成長分野における専門人材育成をしつつ、そのベースとなる初等・中等教育段階 からの多様な学びの充実の取組を進める。 文部科学省と連携し、産業側の需要と地域の大学・高等専門学校などの教育側の双方を一体的に 捉え、教育機関での柔軟な学部・学科の再編や企業からの資金提供の後押しなども含めた産業人 材教育のためのプラン策定に向けた検討を進める。 (博士人材の育成・活躍促進) ⚫ 「博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブック」の周知・普及を実施するとともに、大 学等との共同研究をと通じた、企業の研究者の博士号の取得を促進することで、オープンイノベーシ ョンを通じた博士人材の育成を進める。 (初等中等教育の連携促進) ⚫ 初等中等教育段階における産業界と教育機関との効果的な連携を促進するための仕組み作り、例 えば、プラットフォーム構築を通じた好事例の面的な展開について検討を進める。 (デジタル人材育成の促進) ⚫ デジタル人材のスキル、スキルアップ状況、試験によるスキル評価に関するデータの蓄積・可視化を 可能とする共通基盤の構築を進めるとともに、運用開始を見据えた広報戦略・他組織との連携等を 進める。 (人的資本経営の更なる普及・取組の深化) ⚫ 大企業を中心に実践してきた人的資本経営(ダイバーシティ経営含む)の取組を、全国の中堅・中小 企業に波及させることで更なる普及を目指す。また、人的資本経営の取組をより一層深化させるた め、各企業の実践を後押しする施策を行う。 74 (10)イノベーション・スタートアップ ①当面の長期的目標 ⚫ スタートアップへの投資額において、今後5年(2027 年度まで)で 10 倍を実現する。 ⚫ 官民合わせた研究開発投資の総額を 2021-2025 年度で合計約 120 兆円にする。 ②第3次以降の進捗状況 【国として重要な技術領域への一気通貫での集中支援】 (戦略技術領域の特定と一気通貫支援) ⚫ NEDO/イノベーション戦略センター(以降、TSC)や産業技術総合研究所(以降、産総研)、特許庁等 のネットワークを活用して、技術インテリジェンス機能の強化を図った。 ⚫ 日本の次の飯のタネとなるような先端技術領域である「フロンティア領域」の探索及び集中的な育成 ⚫ への取組について、産業構造審議会イノベーション・環境分科会イノベーション小委員会において、 議論を行った。 量子コンピュータ産業の創出に向け、補正予算(令和5年度 300 億円、令和6年度 518 億円(国庫債 務負担行為等含め総額 1,009 億円))等も活用しつつ、下記の取組を推進した。 ➢ 産総研 G-QuAT に量子・古典ハイブリッド計算環境(量子コンピュータや大規模 GPU コンピュー タ等)、部素材評価テストベッドなどを整備した。また、量子コンピュータ開発に関する世界最高 水準のグローバル・ハブとすべく、さらなる機能強化を実施中である。 ➢ 量子コンピュータの産業化に向け、民間企業の量子コンピュータそのものや、部素材、ミドルウェ アの研究開発及び人材育成に関する支援事業を開始した。 ➢ ⚫ ユーザー市場での量子・古典技術の事業化の促進に向け、アプリケーション開発やユースケー ス創出を支援した。 懸賞金型事業を活用した研究開発支援を実施しており、今後も引き続き実施する。また、国によるア セットの保有など新たな政策ツールの活用検討を行った。 (研究開発投資インセンティブの重点化・強化) ⚫ 研究開発税制について、より積極的な研究開発投資を後押しできるよう見直しに向けた検討を行っ た。 ⚫ 国家プロジェクトにおけるスタートアップ支援のポートフォリオ拡大と環境整備に向け、予算枠の創設 等の検討を行った。 ⚫ 経済産業省が実施する研究開発事業の評価制度について、前回見直し(2022 年)以降の評価実施 により明らかになった課題等を踏まえて適正化・明確化等の見直しを行った。 (人材高度化とグローバル・タレントの獲得) ⚫ 大企業やスタートアップにおける人材育成のための「越境学習」の促進に向けて、ガイドライン・事例 集の策定を行った。 ⚫ 起業家人材や若手研究者、海外市場に挑戦する人材など多様な人材を産学官で連携して育成する ためのプロジェクト整備を行った。 ⚫ 若手研究者育成として、研究シーズの実装化を目指す大学等の若手研究者が企業と共同研究を実 施する際の、マッチング支援、研究費助成を実施した。 75 ⚫ 将来のイノベーションを担う人材を育成するため、企業と自治体・学校等が連携し、こどもたちに先進 的な学びを提供するための資源を確保する方策や、学びを支えるエコシステムについて実証を行っ ている。 (創業から事業化までの一貫したスタートアップ支援) ⚫ 日本が競争力をもつディープテック・スタートアップの育成 ➢ 経営人材の確保・育成 ✓ 大学発スタートアップとの経営人材マッチング支援を実施する VC 等の事業者への支援を 実施した他、ディープテック・スタートアップへの専門家伴走支援を行った。 ➢ 研究開発資金の供給 ✓ NEDO によるディープテック・スタートアップ助成(事業開発にも支援拡大)や、AMED による ⚫ ⚫ 創薬スタートアップの研究開発への助成、また、宇宙戦略基金により、スタートアップ含む民 間企業等に対する技術開発・実証、商業化等の支援を実施した。 ✓ 研究シーズの実装化を目指す大学等の若手研究者に対する企業との共同研究費を助成し た。 ➢ スタートアップへの人材の流入 ✓ 改正産競法に基づくストックオプションプール制度の執行を開始した。(2024 年9月施行) ✓ 「スタートアップの成長に向けたインセンティブ報酬ガイダンス―人材獲得のためのストック オプション活用術―」の策定・公表を行った。 スタートアップが新規事業にチャレンジする際の規制面のハードルの解消に向け、規制に係る関係 法令の特定および各種支援制度の活用を個別に支援する体制を構築した。 カーブアウトの促進について、起業家主導型カーブアウト実践のガイダンスの公表・普及、カーブア ウトに取り組む個人やカーブアウト後の法人における研究開発の支援、カーブアウトを想定する新規 事業創出プログラムの事業会社への導入に取り組んだ。 (政府が前面に立った標準化活動、産業政策と一体的な戦略的標準化の推進等) ⚫ 研究開発事業における社会実装の推進について、研究開発事業における社会実装を促す取組につ いて、2024 年度には新たにバイオものづくり革命推進基金で標準化フォローアップを開始した。ま た、グリーンイノベーション基金については、2回目以降のフォローアップ案件において、3割以上の ⚫ 案件で標準化体制構築ないし戦略構築が進捗している。 企業・大学等の共同研究開発のオープン&クローズ戦略推進等を支援するため、産競法令和6年度 改正で新設した特定新需要開拓事業活動計画認定制度において、9件の計画認定を行った。 【大学等の高度な研究・教育と戦略的投資の好循環の実現】 (産学官連携の先駆けとしての産総研における取組) ⚫ 産総研における設備活用の促進のため、設備のスタートアップ等の利用ニーズとのマッチング推進 に向けたガイドラインを策定した。 76 【アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成】 (グローバル・エコシステムとの連結強化) ⚫ グローバル展開支援 ➢ 「Born Global」な起業家の育成・海外市場への展開支援 ✓ 世界 30 か所に設置したスタートアップ向け相談窓口「Global Acceleration Hub」や、シリコン バレーに設置したスタートアップ支援拠点「Japan Innovation Campus」において、現地のメン ターと連携して、投資家・事業会社とのマッチングや人材確保、拠点設立を支援した。 「Japan Innovation Campus」においては、約 100 社をメンバー企業として採択し、執務スペ ースの提供や、投資家・事業会社とのネットワーキングイベントの定期開催を行った。 ✓ 海外派遣を通じた起業家育成プログラム「J-StarX」 において、2023 年から 2024 年にかけ て 673 名を米国、欧州、アジアの主要都市に派遣したほか、フランス・パリで開催されたオ ➢ ープンイノベーションの祭典「VIVATECH 2024」にて、初めて日本が特別招待国(Country of the Year)となったことから、スタートアップ及びオープンイノベーションに積極的な大企業計 60 社を派遣。これらを通じて、現地の事業会社や投資家とのネットワーク構築を支援した。 ✓ 上記に加え、グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金などを採択し、グローバル サウスでの事業展開等を支援した。 ✓ ディープテック・スタートアップの海外技術実証・国際共同研究支援(NEDO) を行った。 海外の人材・資金の呼び込み ✓ 我が国の産業競争力強化及びアジア・世界のハブとなるエコシステムの構築のため、外国 人による起業活動を促進するため、外国人起業活動促進事業(スタートアップ・ビザ)におい ✓ ✓ ✓ て、外国人起業家の最長在留期間を2年に延長した。 JIC・中小機構の LP 出資により海外 VC が日本スタートアップへの投資を実施した。また、 JIC は、LP 出資先の海外 VC と連携し、国内のスタートアップ支援やスタートアップ・エコシ ステム発展を目的としたイベントを開催した。 海外投資家に対して日本のエコシステムの魅力を PR するため、2024 年 11 月、万博を控 える大阪において、海外 VC を招いた国際イベント「Startup Horizon 2024」を開催した。 投資契約実務のアップデートに向けて、「スタートアップ・エコシステムの発展に係る検討会」 において、スタートアップの体制や制度を含め、日本と米国等の投資契約実務を比較の上、 「我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項」の改訂を行った。 (国内ファイナンス機能の強化と需要創出による成長支援) ⚫ スタートアップのファイナンス環境等の整備 ➢ 未上場段階での成長資金の拡充 ✓ 金融庁・経済産業省共催の「ベンチャーキャピタルに関する有識者会議」において、VC のガ バナンス向上に向けた指針「ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項」の策定・ 公表をおこなった。 ✓ JIC や中小機構による VC への LP 出資、JIC-VGI によるセカンダリー投資を含むスタートア ップへの直接投資を実施した。 ✓ 公正価値評価(時価評価)の促進による VC への資金流入の拡大のため、企業会計基準委 員会が、上場企業等が保有する VC 出資持分に係る会計上の取扱いを見直し(非上場株式 の公正価値評価等)、金融商品会計に関する実務指針(案)として公表した。 77 ✓ ベンチャーデットの活用促進の観点から、独立行政法人中小基盤整備機構による債務保証 を実施。また、一般社団法人全国銀行協会において、スタートアップ融資実務ハンドブックの 策定・協会員向けに公表した。 ✓ 個人からの資金流入を促すエンジェル税制の拡充(再投資期間の延長)を行った。 ✓ オープンイノベーション促進税制の活用により、スタートアップへの出資や、スタートアップへ のM&Aの促進を図った。 ➢ 上場後の成長促進 ✓ のれんの財務報告に関する在り方の見直しを通じた M&A の促進に向け、検討を進めた。 ✓ 金融庁・経済産業省がオブザーバー参加する「市場区分の見直しに関するフォローアップ会 議」(事務局・東証)において、グロース市場の上場維持基準の見直しについて議論した。 ➢ 公共調達の拡大 ✓ 公共調達におけるスタートアップの販路拡大に向けて、SBIR(公共調達に向けた研究開発 支援)の他、官民ファンド出資先等のスタートアップの入札参加資格の緩和や、スタートアッ プからの調達拡大に向けた随意契約の仕組み整備を行った。 【グローバル化・デジタル化・コーポレートガバナンスへの対応による投資環境の整備】 (グローバル化・デジタル・AI 等の時代の変化に対応した知財政策の推進) ⚫ イノベーションを推進する企業や研究機関の間の技術の流動化のためのライセンス料率・知財ファン ド等の調査を行った。 ③今後必要な施策 産業構造審議会イノベーション・環境分科会イノベーション小委員会において、「科学とビジネスの近接化」 時代のイノベーション政策として、国として重要な技術領域への一気通貫での集中支援(人材育成/獲 得、研究開発、設備投資、スタートアップ、ルール形成等)、世界で競い”成長する大学”への集中支援、 産学官連携、アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成、イノベーションに向けた投資環境整備等 について 2025 年4月 16 日まで議論を行い、中間とりまとめ案を提示。主な論点は以下の通りである。 【国として重要な技術領域への一気通貫での集中支援】 (戦略技術領域の特定と一気通貫支援) ⚫ 総合科学技術・イノベーション会議(以降、CSTI)や内閣官房国家安全保障局(以降、NSS)等と連携 しつつ、戦略技術領域及びその一気通貫の支援策のあり方について検討する。 (研究開発投資インセンティブの重点化・強化) ⚫ 研究開発税制について、戦略的に重要な技術への企業の研究開発投資の拡大や、企業と大学等の 研究開発の重要拠点との連携強化、企業の博士人材等の活用促進、製造業のみならず非製造業に おける研究開発の促進、中堅企業の成長につながる研究開発投資の拡大に関するインセンティブの 強化を検討する。 ⚫ 研究開発税制等について、国際的に遜色のないイノベーション立地競争環境を確保するためのイン センティブの強化を検討する。 ⚫ 事業者が研究開発に専念できるよう、研究開発事業の執行手続きによる負担を軽減するための各 種執行制度の改善や、研究開発事業終了後のビジネス化や設備流動化の促進のための方策の検 討を行う。 78 (スター・サイエンティストとテストベッドを軸とした研究開発基盤整備) ⚫ 先端的な科学技術領域において、スター・サイエンティストの力を最大化する予算制度や、次なるス ター・サイエンティストの創出に向けた若手人材育成策を検討するとともに、こうした研究者をはじめ、 産学官の多様な知が集積するイノベーション拠点の形成を促進する。 (人材高度化とグローバル・タレントの獲得) ⚫ 産学官連携による人材育成、量子等の技術分野の特性に応じた人材育成・確保、博士人材の活用 促進を進める。また、日本へのイノベーション人材の呼び込みに向け、制度面を含めた課題を整理し 対応を検討するとともに、日本に留学するインドの大学院生等の日本でのインターンシップ機会の拡 大、アジア諸国でのジョブフェアの開催等を進める。 ⚫ 策定した「越境学習」の促進に向けたガイドライン・事例集の周知を行う。 ⚫ 初等中等教育段階における産業界と教育機関との効果的な連携を促進するための仕組み作り、例 えば、プラットフォーム構築を通じた好事例の面的な展開について検討する。 (創業から事業化までの一貫したスタートアップ支援) ⚫ NEDO による、ディープテック・スタートアップに対する創業から事業化への一気通貫支援を推進す る。特に、改正産競法に基づく設備投資等支援による大きな成長事例の創出や、研究者の起業家育 成や経営人材とのマッチング等により、大学・研究機関等の研究成果を元にした創業の促進を行う。 ⚫ 地方におけるイノベーション創出のため、自治体によるスタートアップ調達の促進等を通じた地域の イノベーションの担い手であるスタートアップを育成する環境の整備や、地域大学や国立研究開発法 人によるイノベーション拠点整備の支援、コンテンツや地方のストーリー・産品を活用した地方モデル の構築、地域におけるトップレベルの IT 人材の育成基盤の確立等に取り組む。 (政府が前面に立った標準化活動、産業政策と一体的な戦略的標準化の推進等) ⚫ 世界で市場獲得競争が激化・複雑化する中、ルール形成のスピードに対応できるよう、不確実性の 高い特定分野について、産業政策と一体的に国が戦略的標準化活動をリードする。 ⚫ 標準化戦略策定から規格開発・活用まで一気通貫で進める体制を構築する。 ⚫ 分野全体の標準化戦略ロードマップ策定に向けて、標準化戦略人材の確保・育成等による知見の集 約に取り組む。 ⚫ ⚫ ⚫ 標準化戦略ロードマップに基づく規格開発を実現するため、トップランナー企業群等の国際規格開 発・提案の加速、国際連携の強化、規格開発・交渉人材の確保・育成、充実した体制での継続的な 交渉の実現に取り組むとともに、開発した規格が活用される仕組みを構築する。 国内の認証機関について、海外認証機関との連携等による海外規制対応を進めるとともに、GXETS フェーズ2への対応に向けた人材育成や認証業務の抜本的効率化、産業政策と連動した認証 基盤の充実等を通じた強化に取り組む。 企業・大学等の共同研究開発成果の社会実装推進に向け、オープン&クローズ戦略策定等の先進 事例の実証を通じてノウハウ・知見を整理し、更なる取組を検討する。 【大学等の高度な研究・教育と戦略的投資の好循環の実現】 (世界で競い”成長する大学“への集中支援と制度整備) ⚫ 産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインの改定等を通じて、「成長する大学」が多様な 財源を獲得・活用して更なる成長を目指すために必要な制度の在り方を検討する。 79 ⚫ 地域における大学の研究力・研究人材供給によるイノベーションを創出するべく、地域大学における インキュベーション施設や企業等との共同研究施設等の整備を進める。 (内外の産業界のニーズの取り込みによる成長) ⚫ 新たな産学連携を生み出すための産学の対話の場を設置するとともに、産学官連携の強化に向け、 企業が中長期目線で大学等と連携を深めていくためのインセンティブ施策の強化を図る。また、大学 による海外企業との連携のための誘致機能の強化促進、産業界からの資金を活用した研究科設置 等研究人材を育成する取組への支援を検討する。 (先駆けとしての産総研における取組) ⚫ 産総研が、社会課題の解決と我が国の産業競争力強化に貢献するイノベーションの連続的創出に ⚫ ⚫ ⚫ より、「我が国のイノベーション・エコシステムの中核」となることを目指す。 AIST Solutions(以降、AISol)活用による、産総研の企業等との連携や産総研の知財活用等を通じた 研究開発成果の社会実装を促進する。 地域企業のニーズ・特色を踏まえた研究開発を地域大学等とともに推進するブリッジ・イノベーショ ン・ラボラトリについて取組を拡充し、産総研がけん引する地域イノベーションを加速する。 産総研が整備した施設・設備等を最大限活用するため、成果普及法人である AISol を活用した共用 化の仕組みを構築するとともに、将来的には、大学など他のプレーヤーによる共用化の取組とも連 携し、研究基盤インフラとして拡大するための方策を検討する。 【アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成】 (グローバル・エコシステムとの連結強化) ⚫ グローバル・エコシステムとの連結強化、スタートアップの創出から事業化への一貫支援 ➢ JETRO のスタートアップ向けの海外相談窓口(グローバル・アクセラレーション・ハブ)や起業家 等の海外派遣・育成事業(以降、J-StarX)等を実施しスタートアップの海外展開やグローバルサ ウス諸国等での調査・実証等を支援するとともに、J-StarX に若手投資家向けプログラムを新設 することで、グローバル視点を有するキャピタリストを育成する。 ➢ 海外投資家の外国組合員特例税制(PE 課税の特例)について、海外 LP から国内 GP への投 資を促す上での税制の在り方等について、政策ニーズや課題を踏まえつつ、必要な措置を検討 ➢ するとともに、日本に関心をもつ海外 VC を含む海外投資家による、日本のスタートアップ等へ の投資の検討から、探索、投資の実行までを伴走支援するための専任チームの組成等、海外 投資の誘致に向けた措置を検討する。 本年1月に改正したスタートアップ・ビザ制度(最長在留期間を2年に延長)の活用の促進等によ り、外国人起業家等の国内への呼び込みに取り組む。 (国内ファイナンス機能の強化と需要創出による成長支援) ⚫ M&A 等によるスタートアップの成長経路及び投資家の出口の多様化 ➢ M&A 等によるスタートアップの成長経路及び投資家の出口の多様化に向けて、オープンイノベ ーション促進税制について、大企業等のオープンイノベーションやスタートアップ・エコシステムの 形成を促す上での税制の在り方等について、政策ニーズや利便性を含む課題を踏まえつつ、必 要な措置を検討するとともに、のれんの財務報告に関する在り方の見直しを通じた M&A の促 進について検討を進める。 80 ➢ ⚫ 未上場から上場”後”までシームレスな成長を後押しする観点から、中小機構によるスタートアッ プに対する債務保証制度について、現状では非上場のスタートアップのみが対象となっていると ころ、上場したスタートアップも対象に含めること等を検討する。 需要創出に向けた公共調達・民間調達の促進 ➢ スタートアップ向けの入札参加資格や随意契約を可能とする仕組み等の公共調達促進に係る 措置の活用や新たな地方経済・生活環境創生交付金等の活用による公共調達を促進するとと もに、SBIR 等、更なる措置について関係府省庁とも連携しつつ検討を進める。 ➢ 大企業等とスタートアップの共創に向けた調達・購買のガイドラインやモデル契約書の策定・周 知、当該ガイドライン等を通じた大企業等のスタートアップ調達の促進、大企業等の経営課題の 解決に資するスタートアップへの支援や大企業の Power to Scale の更なる活用などにより、大 企業等との連携を通じたスタートアップの育成を後押しする。 【グローバル化・デジタル化・コーポレートガバナンスへの対応による投資環境の整備】 (イノベーション環境のグローバルとの接続強化) ⚫ 我が国の研究開発・イノベーション環境を、米国、欧州、韓国、シンガポール等の有志国のエコシス テムと一層深く接続していくべく、シリコンバレー等のスタートアップ・エコシステムとの接続強化(再 掲)や、韓国、シンガポール等との対話の促進、国際共同研究に対する支援の継続・強化を進める。 (グローバル化・デジタル・AI 等の時代の変化に対応した知財政策の推進) ⚫ 特許権等の知財は発明成果の保護のためのツールとして扱われることが多いものの、昨今、オープ ン&クローズ戦略に代表されるように、経営の高度化や成長投資、イノベーションの実現に向けたツ ールとしても利活用すべきとのニーズが高まっている。他方、スタートアップや中小企業はもとより、 大企業においてもこうした知財経営に適切に対応できている事例は少ない。こうした状況を踏まえ知 財の利活用を推進するため、ビジネスフェーズの課題に応じた伴走支援や人材育成等の支援の拡 充、シームレスかつ地域特性に鑑みた支援体制の構築を関係機関や自治体とも進めていくととも に、DX時代を反映した適切な知的財産権制度の見直し等を行っていく。 (資本市場との対話、コーポレートガバナンスとイノベーション投資促進) ⚫ 成長投資に関し、企業と資本市場間で認識ギャップがあり、十分な対話が行われていない可能性が あるとの指摘や、ROE 等の改善の形式的な追求により思わぬマイナス効果が生じているケースもあ るといった指摘があることも踏まえ、国内外で企業がリスクを取って研究開発投資や人的投資等の 成長投資に踏み出すための環境整備を進める。また、こうした環境整備を進めるとともに、企業が投 資家と価値協創関係を築き、中長期の成長戦略を描いて大胆な成長投資を行うよう重点的に支援す る。 81 (11)価値創造経営 ①当面の長期的目標 ⚫ 2030 年に日本の代表的企業(TOPIX500 企業を想定)の PBR1倍以上の割合を約6割から約8割 (欧州 STOXX600 並)にする。 ② 第3次以降の進捗状況 【成長志向の経営判断をサポートする制度整備(企業経営改革)】 ⚫ 「持続的な企業価値向上に関する懇談会」を開催し、2014 年に伊藤レポートを公表して以降 10 年間 の企業価値向上に向けた企業の取組やパフォーマンスを振り返った上で、課題及び要因について議 論した。2024 年6月には「座長としての中間報告」を公表し、①企業価値に対する企業と投資家との 間の認識のずれ、②長期視点の経営の重要性、③経営チーム体制の強化の必要性、④取締役会 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ の実効性の強化、⑤資本市場の活性化、といった5つ課題を整理し論点を示した。 「企業情報開示のあり方に関する懇談会」を開催し、諸外国企業との比較を通じ、日本企業の情報 開示の現状を確認した上で、日本企業の情報開示の目指す姿について議論した。2024 年6月には 中間報告を公表し、開示書類間の情報の重複をはじめとする日本企業の情報開示の課題と今後の 方向性について示した。 「「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会」を開催し、日本企業の「稼ぐ力」の強化に 向けたコーポレートガバナンスの取組の進め方や会社法の改正の方向性等について議論した。2025 年1月には「会社法の改正に関する報告書」を公表し、企業経営者による大胆なリスクテイクや成長 投資を後押しするための企業の選択肢の拡大や、企業と株主との意味のあるエンゲージメントの促 進(対話の実質化・効率化)に資する会社法の改正について提言を行った。 経済的窮境に陥るおそれのある事業者の早期での事業再生の実施を図るため、債権者の多数決及 び裁判所の認可により、事業者の金融債務に係る権利関係の調整を行うことができる手続の創設等 の措置を講ずるべく、「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手 続等に関する法律案」(早期事業再生法案)について、2025 年3月に閣議決定され、第 217 回通常国 会に提出された。 賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行において中堅企業が果たす役割の重要性を踏まえ、 中堅企業の役割や課題、官民で取り組むべき事項をまとめた「中堅企業成長ビジョン」を、2025 年2 月に策定した。 SX(Sustainability Transformation)シンポジウム 2024 を 2024 年5月に開催し、SX 銘柄 2024 表彰式 を行ったほか、日米 JUCIP(日米商務・産業パートナーシップ)の枠組みの下、日米投資家・企業を集 めたラウンドテーブル等を開催し、国内外投資家からの日本企業への投資拡大を図った。また、第2 回となる「SX 銘柄 2025」を 2025 年5月に選定した。 「「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会」の議論を踏まえ、取締役会と CEO ら経営 陣が役割に応じて機能を発揮するための「「稼ぐ力」を強化する取締役会5原則」を含む、日本企業 の「稼ぐ力」の強化に資するコーポレートガバナンスの取組を支援するためのガイダンスを策定した。 経営資源配分を行う3つのコア機能(ファイナンス(CFO)、HR(CHRO)、デジタル(CIO/CDO))の役 割を再定義・再構築する CX(コーポレート・トランスフォーメーション)について、ファイナンス分野で実 践するための一つの型として、リファレンスモデル案を策定した。 82 【成長投資を後押しする資本・金融市場整備(資本市場改革)】 (東証の取組との連携) ⚫ 「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」(事務局:東証)において、プライム・スタンダード上 場企業による ROE 等の資本収益性や PBR 等の市場評価についての現状分析と改善計画の策定・ 開示状況をモニタリングするなど、資本コストや株価を意識した経営の推進を継続した。 (関係省庁の取組との連携) ⚫ 「新しい資本主義実現会議 資産運用立国分科会」の下、「アセットオーナー・プリンシプルに関する 作業部会」にて議論が行われ、アセットオーナーがそれぞれの運用目的・目標を達成し、受益者等に 適切な運用の成果をもたらす等の責任を果たす観点から、アセットオーナーの運用・ガバナンス・リス ク管理に係る共通の原則である「アセットオーナー・プリンシプル」が策定された。 ⚫ 「スチュワードシップ・コードに関する有識者会議」(事務局:金融庁)において、スチュワードシップ活 動の実質化の観点から、建設的な目的を持った対話に資する協働エンゲージメントの促進や、実質 株主の透明性向上等に向けたスチュワードシップ・コードの見直しについて議論を行った。 ③ 今後必要な施策 日本企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、企業による国内外での成長戦略の実 行を後押しする社会システムの構築と、国内に成長投資を惹きつけるための政策体系について検討を進 めるため、2024 年 10 月に産業構造審議会経済産業政策新機軸部会の下に「価値創造経営小委員会」 を設置し、2025 年春に中間報告をとりまとめた。本中間報告の主な検討事項を含む今後必要な施策は、 以下のとおりである。 【成長志向の経営判断をサポートする制度整備(企業経営改革)】 ⚫ コア事業に専念するためのスピンオフに係る環境整備の在り方(大企業発スタートアップ創出促進の ためのパーシャルスピンオフ税制を 2023 年度に創設、2027 年度末が適用期限)の検討を進める。 ⚫ 事業ポートフォリオ最適化のために必要となる企業結合や複数企業間連携を後押しする事業環境の 在り方の検討を進める。 ⚫ 2025 年1月に公表した「会社法の改正に関する報告書」も踏まえて、以下の事項等について、関係 省庁と連携して、企業経営者による大胆なリスクテイクや成長投資を後押しするための企業の選択 ⚫ ⚫ ⚫ 肢の拡大や、企業と株主との意味のあるエンゲージメントの促進(対話の実質化・効率化)に資する 会社法の改正に向けた検討を進める。 ➢ 人的投資を促進するための従業員等への株式の無償交付 ➢ 成長投資の選択肢を広げるための株式対価 M&A の対象拡大 ➢ 業務執行取締役・執行役の責任限定契約の締結 ➢ 実質株主確認の円滑化 ➢ 株主提案権の合理化 中堅・中小企業のガバナンスの充実(ファミリーガバナンスを構築する為の規範策定等)と支援等を 一体的に進める枠組み構築に向けた検討を進める。 SX 銘柄選定を通じて、企業経営者の意識変革と経営変革を促し、国内外投資家からの日本企業へ の再評価と市場での新たな期待形成を図ることで、日本株の再興(リバイバル)及び企業価値の持 続的向上を目指す。 CX はグローバルに全体最適で経営資源を有効活用するための経営基盤・組織能力の強化を通じ 83 て、持続的な企業価値向上のための企業による事業ポートフォリオの最適化や成長投資を促すと 考えられることから、引き続き、リファレンスモデルの策定・普及を図る。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ デジタルによるビジネスモデルの抜本的な変革や新たな成長・競争力強化に取り組み成果を挙げ ている企業をDX銘柄として選定・周知する。これにより、DXへの取組を通じて企業価値向上を実 現する企業の創出を図るとともに、企業のDXの取組を投資家等に認知させるための施策を検討 する。 多様な人材が活躍しその能力をイノベーション創出・企業価値向上につなげることができる環境の整 備・組織文化の醸成に向け、経営陣としての考え方や企業の取るべき具体的なアクション、事例につ いて掲載したレポート等を活用し、企業におけるダイバーシティ経営の取組を促進する。 経営戦略に沿った人材戦略の策定等を通じた人的資本投資の開示の充実に向けた検討を進める。 「2040 年に向けたシナリオ」の定量化を踏まえた 2040 年の就業構造推計の結果について、地域の 人材育成の在り方などを議論する場に提供していく。当該結果も踏まえ、産学で連携し、博士人材等 の育成・活躍推進や成長分野における専門人材育成をしつつ、そのベースとなる教育段階からの多 様な学びの充実の取組を進める。 文部科学省と連携し、産業側の需要と地域の大学・高等専門学校などの教育側の双方を一体的に 捉え、教育機関での柔軟な学部・学科の再編や企業からの資金提供の後押しなども含めた産業人 材教育のためのプラン策定に向けた検討を進める。 「博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブック」の周知・普及を実施するとともに、大 学等との共同研究をと通じた、企業の研究者の博士号の取得を促進することで、オープンイノベーシ ョンを通じた博士人材の育成を進める。 大企業を中心に実践してきた人的資本経営(ダイバーシティ経営含む)の取組を、全国の中堅・中小 企業に波及させることで更なる普及を目指す。また、人的資本経営の取組をより一層深化させるた め、各企業の実践を後押しする施策を行う。 【成長投資を後押しする資本・金融市場整備(資本市場改革)】 (エクイティ(資本性資金)) ⚫ スタートアップの成長が期待される中、 また、M&A や事業承継、非公開化といった案件が今後活況 になることが見込まれる中、非上場市場と上場市場を支え、繋ぐような資金調達環境が重要である。 そのため、様々なリスク性資金が適切に供給される環境の整備に向けて、 ➢ ⚫ ⚫ 新興ファンドの立上げ支援により、エンゲージメント・PE・VC 等のプレーヤーの裾野を拡大させ る ➢ PE 等の民間ファンドへの出資や官民共同投資を進め、大型案件を扱うプレーヤー層を厚くして いく ことを目指すべく、民業補完の徹底に留意しつつ、官民ファンド等の公的機関による出資機能の活用 も検討する。 シームレスな非上場・上場市場を実現するため、企業のニーズに応じて非上場・上場を柔軟に選択 でき、かつ成長資金をどのステージでも獲得できるような環境整備について検討を進める。 海外資本の活用は、海外の資金・技術・ビジネスモデル・ネットワーク等の取り込みにより、グローバ ル展開の促進やイノベーションの創出等を通じた企業価値向上につながりうるものである一方、日本 企業による海外資本活用は諸外国と比べて低水準であるため、「企業価値向上に向けた海外資本 活用ガイドブック」(仮称)を作成・周知することで、日本企業が経営戦略上の選択肢のひとつとして 海外資本活用を検討することを促進する。 84 (デット(負債性資金)) ⚫ GXやDXなど、不確実性が高く事業リスクも大きい成長領域において、主導権を握るためのグローバ ⚫ ルな投資競争が激化し、M&A を含む投資規模も拡大する中、企業による成長資金の調達手法の多 様化を図ることが重要である。そのため、 ➢ 担保や保証に依らない事業性融資等を推進することによる、融資手法の多様化 ➢ 企業の成長投資を支えるメガバンク・地方銀行等・政府系金融機関の連携の在り方 ➢ 銀行以外の多様なデットの担い手の厚みを増す方策 などについて検討を進める。 社債が企業と投資家の双方にとって魅力的な選択肢となるよう、社債と融資のイコールフッティング (実効的なコベナンツ付与による社債権者保護の充実等)や、社債市場の活性化に向けた検討を進 める。 【国内に成長投資を惹きつけるための環境整備】 ⚫ 国内投資・立地の拡大による付加価値の創出と、人的投資による生産性向上に取り組む企業の後 押しをすることが必要。法人税インセンティブを含む政策対応により、研究開発・設備投資への支援 を成長投資型の構造となるよう、見直しを進める。 85 (12)行政・EBPM・データ駆動型行政 ①当面の長期的目標 ⚫ 政策の新陳代謝(新たな政策への挑戦や既存政策の廃止)及び高度化(政策の質的変化、中長期 の目的に応じた継続性の確保も含む)を実現する。 ②第3次以降の進捗状況 【個別事業/政策に対する EBPM の実施】 ⚫ 政策効果について、経済産業省の政策体系(7政策)の中で評価するとともに、特に GX政策及び半 導体政策については内閣府の経済財政諮問会議の枠組みで取組を実施。また、事業単位での政策 効果については、行政事業レビューシートの中での適切なアウトカム等の設定・評価を推進するとと もに、特に大規模な事業については重点的な EBPM を実施。 ➢ ➢ ➢ GX政策や半導体政策については、「経済財政運営と改革の基本方針 2024」(2024 年6月 21 日 閣議決定)における「経済・財政にとって大きな影響をもたらす多年度にわたる重要政策」として、 経済財政諮問会議の下の「経済・財政一体改革推進委員会」において議論を行い、「EBPM アク ションプラン 2024」及び「進捗管理・点検・評価表」をとりまとめ、経済財政諮問会議(2024 年 12 月 26 日)で報告・決定を行った。 事業単位では、省内向けに 2024 年度に作成した9分類毎の成果指標の設定ガイドを踏まえて 行政事業レビューシートを作成・予算要求を行い、各事業のロジックモデル等の品質向上を図っ た。 上記に加え、特に大規模な事業の重点的な EBPM については、公募開始前までの効果検証シ ナリオの作成や必要データの特定等、実施プロセスの見直し・具体化を行った。その枠組みのも とで、以下の 11 事業(これまでに選定した7事業に加え、新たに4事業を対象に追加)について、 RIETI 等の知見も活用しながら、効果検証シナリオの策定・公表、進捗状況のモニタリング等を 進めた。 ・ ・ ・ ・ ・ 特定半導体基金 グリーンイノベーション基金 バイオものづくり革命推進事業 宇宙戦略基金 グローバルサウス未来志向型共創等事業 ・ 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 ・ 中小企業省力化投資補助事業 ・ ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(量子コンピュータの産業化に向けた開 発の加速事業)【新規】 ・ 中小企業生産性革命推進事業(中小企業成長加速化補助金)【新規】 ・ クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ事業【新規】 ・ 鉱物サプライチェーン多角化・安定化事業【新規】 ➢ また、大規模事業における EBPM を重点的・効果的に実施するため、これまでに蓄積した様々な 知見・ノウハウ・検証手法等を省内向けにガイドブックとしてとりまとめた。 【データの整備】 ⚫ 公的統計の調査票情報の利用手続き簡素化・早期化を行った。 ⚫ 省内各部局等で保有するデータについて、政策の立案・モニタリング・効果検証への活用のための 86 ⚫ ⚫ データのあり方について検討し、様々なダッシュボードを試行・整備するなど、検討・取組を進めた。 政策の効果・進捗に係るモニタリングのための指標を BI(ビジネスインテリジェンス)ツールにより国 民にわかりやすい形で公表が可能となる環境を整備。 事業者からの申請データの政策立案・モニタリング・効果検証への活用を促進すべく、補助事業者か ら予め申請書データの利用・分析等に係る同意を得ることを公募要領に明記することとした。また、こ の取組により、データの EBPM への利活用及び経済産業政策にかかる EBPM 人材の裾野の拡大を 促進した。 【業務や行政手続きにおけるデジタル化】 ⚫ 規制改革実施計画(令和3年6月閣議決定)に基づく 2025 年末までの対応をはじめ、経済産業省に おける行政手続のオンライン化を進めるとともに、経済産業省所管の法令に基づく全ての行政手続 ⚫ についてオンライン化状況に係る悉皆調査を実施し、状況把握を行った。 業務効率化や政策立案高度化を促進すべく、2024 年6月に生成 AI 利活用環境を全省的に導入し、 複数のユースケースを省内展開する等により活用を推進している。また、業務効率化等に効果的な 機能の導入を更に進めていくため、音声ファイル文字起こしや OCR 等の機能の検証を行い、有用な 結果を得た。 【職員のリテラシー向上】 ⚫ EBPM ・データ利活用に関するリテラシー向上を目的とした一部職員向けの研修プログラムを実施し た。 ⚫ データの可視化に BI ツールを自ら活用したい職員に対するミニハンズオン研修を複数回実施すると ともに、全省導入した生成 AI の活用に必要なリテラシー向上等を図るための研修を複数回実施した。 ③今後必要な施策 【個別事業/政策に対する EBPM の実施】 ⚫ GX政策や半導体政策については、経済財政諮問会議で決定した「EBPM アクションプラン 2024」及 び「進捗管理・点検・評価表」に基づき、データ収集や政策効果の把握に努めるとともに政策立案等 に活かしていく。これまで事業レベルで EBPM を実施してきた特定半導体基金については、この枠組 みの中でモニタリング・効果検証を実施していく。 ⚫ ⚫ ⚫ 引き続き、2024 年度に作成した9分類毎の成果指標の設定ガイドを踏まえて行政事業レビューシー トの作成・予算要求を行い、各事業のロジックモデル等の品質向上を図っていく。 大規模事業については、必要に応じて今後も対象事業を追加しつつ、今般見直した EBPM の実施プ ロセスに基づき、RIETI 等の知見も活用しながら、必要なタイミングで適切にロジックモデルの作成や 事業設計、モニタリング、効果検証等を行い、事業の改善に資する EBPM になるよう、重点的な EBPM を実施していく。 上記については、策定した大規模予算事業の政策立案・効果検証のための EBPM ガイドブックを本 格活用の上、効率的・効果的な EBPM を推進していく。 【データの整備】 ⚫ 業務や行政手続きのデジタル化も見据え、省内各部局等で保有するデータについて、業務での更な るデータ利活用の高度化や、データに基づく政策立案に資する環境整備を引き続き実施していく。 87 ⚫ 政策の効果・進捗に係るモニタリングのための指標を BI(ビジネスインテリジェンス)ツール等により 国民にわかりやすい形で公表が可能となる環境整備を引き続き検討していく。 ⚫ 公募開始前に検証に必要なデータを特定し、公募要領等に反映することで、効果的な政策立案・モ ニタリング・効果検証を推進していく。 【業務や行政手続きにおけるデジタル化】 ⚫ 2025 年末までに実現することとされている経済産業省における行政手続のオンライン化を着実に進 めるとともに、それ以外の当省内の行政手続についてもできるだけ早期にオンライン化を図っていく ための計画を策定・推進する。 ⚫ 全省的に導入した生成 AI 利活用環境を活用した業務効率化事例等の周知に努めるとともに、生成 AI を用いた業務の目指す姿を提示し、最新の技術動向も踏まえながら、業務効率化に費用対効果 ⚫ が高いと考えられる機能実装を優先的に進めることで、効果的な生成 AI の利活用を推進する。 デジタル庁が提供する業務環境「GSS」への移行を契機に、業務アプリ作成ツールの環境及びその 利用ルールを整備するとともに、関連する研修や伴走支援の仕組みを構築し、省内の業務プロセス の更なるデジタル化・業務効率化を支援する。 【職員のリテラシー向上】 ⚫ EBPM ・データ利活用に関するリテラシー向上のための職員向け研修プログラムについて、政策プ ロセスの各段階で有用なエビデンスの作成に必要となる知識・スキルを習得できるよう、その内容の 改善を検討。 ⚫ ⚫ 省内での一層のデジタル活用を推進するため、経済産業省の職員に求められるDXリテラシー、それ を習得するための人材育成のあり方を検討し、体系的に整理する。 整理した人材育成のあり方等に基づき、職位や求められる専門性の違い等を踏まえて、職員のDXリ テラシーの向上に向け、効果的な研修等を検討・実施していく。 88

資料12

参考資料2-② 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理 別添版:2040 年に向けたシナリオ集 2025 年6月3日 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 経済産業省 1 目次 Ⅰ.はじめに ........................................................................................................................................................................................... 3 1.「2040 年に向けたシナリオ」の作成意義 ........................................................................................................................ 3 2.「2040 年に向けたシナリオ」の位置づけ ........................................................................................................................ 3 3.「別添版:2040 年に向けたシナリオ集」の構造と記載内容.................................................................................... 4 Ⅱ.2040 年に向けたシナリオ ......................................................................................................................................................... 5 1.シナリオの前提と導入 ............................................................................................................................................................ 5 (1)前提とする世界の時代認識 .......................................................................................................................................... 5 (2)人口減少を前に、岐路に立つ日本 ............................................................................................................................ 7 2.主要ミッション毎のシナリオ .................................................................................................................................................. 9 (1)GX ............................................................................................................................................................................................. 9 (2)DX .......................................................................................................................................................................................... 12 (3)グローバル・経済安全保障 ......................................................................................................................................... 19 (4)健康・地域の包摂的成長(少子高齢化・人口減少) ........................................................................................ 24 3.産業全体の変化 ..................................................................................................................................................................... 27 (1)世界全体の需要構造の変化 ..................................................................................................................................... 27 (2)世界全体の供給構造の変化 ..................................................................................................................................... 28 (3)新機軸の政策を通じた日本の産業構造の変化 ............................................................................................... 29 4.既存の個別産業の変化 ...................................................................................................................................................... 34 (1)半導体・計算資源............................................................................................................................................................ 34 (2)自動車・モビリティ ........................................................................................................................................................... 37 (3)蓄電池 .................................................................................................................................................................................. 39 (4)産業機械・ロボット........................................................................................................................................................... 41 (5)航空機・次世代空モビリティ ....................................................................................................................................... 45 (6)宇宙 ....................................................................................................................................................................................... 47 (7)素形材 .................................................................................................................................................................................. 49 (8)化学 ....................................................................................................................................................................................... 51 (9)鉄 ............................................................................................................................................................................................ 53 (10)医療機器............................................................................................................................................................................ 56 (11)医薬品................................................................................................................................................................................. 58 (12)ヘルスケア ........................................................................................................................................................................ 60 (13)介護...................................................................................................................................................................................... 61 (14)物流・流通(卸・小売)................................................................................................................................................... 63 (15)コンテンツ・クリエイティブ・観光 ............................................................................................................................... 65 5.一人一人が豊かな日本の将来の見通し .................................................................................................................... 69 (1)2040 年頃に向けた企業・国民・政府の見通し ................................................................................................... 69 (2)見通しの詳細①:得られる国民の豊かさ.............................................................................................................. 71 (3)見通しの詳細②:生じているマクロ経済構造...................................................................................................... 74 2 Ⅰ.はじめに 1.「2040 年に向けたシナリオ」の作成意義 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 2023 年の6月に第2次中間整理で示したとおり、日本経済の長期停滞の主要因として低迷していた 国内投資と賃金には、「潮目の変化」が起きており、現在、昨年を上回る水準で、継続している。国内 投資に関しては、2024 年度は民間設備投資が 108 兆円を記録し、30 年ぶりに過去最高を更新した ほか、賃上げについても 2025 年の春季労使交渉において約 30 年ぶりとなった昨年の賃上げ水準 を更新しつつ継続している。 この潮目の変化は、民間企業の努力の賜物であるが、第2次中間整理でも指摘しているとおり、国 内外の社会的マクロ環境の変化と政府の産業政策の積極化という民間事業の前提変更に裏打ちさ れたものである。こうした2つの変化は足下でも継続・進展している。 一方で、30 年ぶりの変化を前にして、経済界・国民には、強気と弱気が混在している。 こうした中で、人口減少であっても豊かになれる「2040 年に向けたシナリオ」作りに着手した。シナリ オの目的は、人口減少を始めとして将来に悲観論が広がっている中で、大局的な目線を関係者の間 でそろえて前向きな挑戦を促すことにある。具体的には、人口減少を前提に、産業構造等の変化を 踏まえた企業投資、個人消費などの将来需要等のマクロ経済の変化を示し、国内投資と賃上げ・消 費拡大の予見可能性を高めることにある。 そうした目的のもと、第3次中間整理において、2040 年頃を想定した一人一人が豊かになれる日本 の将来見通しとして作成。 今般の第4次中間整理では、まず、GX2040ビジョンや第7次エネルギー基本計画等のここ1年の 関連政策も踏まえて、第3次中間整理でまとめた定性的なシナリオを精緻化した「別添版:2040 年に 向けたシナリオ集」を作成し、更にそれを経済モデルを用いて定量化した。 2.「2040 年に向けたシナリオ」の位置づけ (新機軸全体における「2040 年に向けたシナリオ」の位置付け) ⚫ 2024 年6月の第3次中間整理においては、潮目の変化の背景には、世界が直面する時代の転換点 があり、これまでと異なるアプローチが求められる世界的な構造変化があることを明らかにした上で、 政府・企業・個人の考え方・やり方を変えて、取組を継続していける見通しを持つことが必要と考え、 非連続的な理想を示すビジョンではなく、新機軸の政策の延長線上で、十分に実現可能な、一つの 将来見通し(シナリオ)を策定した。 ⚫ ⚫ そして今般の第4次中間整理では、GX2040ビジョンや第7次エネルギー基本計画等のここ1年の 関連政策も踏まえて、第3次中間整理でまとめた定性的なシナリオを精緻化した「別添版:2040 年に 向けたシナリオ集」を作成。 この定性的なシナリオを基に、経済産業研究所(RIETI)とともに定量化を行い、「2040 年に向けたシ ナリオ」を作成。定量化結果も合わせたこの「2040 年に向けたシナリオ」については第4次中間整理 に記載している。 (シナリオの性質) ⚫ 本シナリオは、第3次中間整理の際と同様、将来の見通しに対する強い意志や決意を含意した、在 ⚫ るべき姿を示す「ビジョン」ではなく、新機軸的政策の延長線上にある、取組によって現実的に実現 可能なものとして示すもの。 ついてはこの「2040 年に向けたシナリオ」も確定的なものではなく、今後中長期的に継続していく議 論・政策・行動の出発点であり、随時修正・更新していくものである。 3 3.「別添版:2040 年に向けたシナリオ集」の構造と記載内容 (「別添版:2040 年に向けたシナリオ」の構造と記載内容) ⚫ シナリオの各パートでは、①需要構造の変化と②供給構造の変化は客観的な将来見通しとして、現状 や今後当然想定される事象を踏まえ、客観的に考えれば、2040 年はこういう姿になるという結果を描 く。③日本の事業構造の変化は、主観的な見通しとして、現状では課題もあるが、新機軸での政策も 含めた取組で到達し得るものとして描く。 ⚫ 「Ⅱ‐1.シナリオの前提と導入」では、シナリオの前提として、2040 年を見通した際に、今後世界が直 面する時代の転換点である「国際経済秩序の変化」と「世界的な人口動態の転換」の2つを描く。こうし た変化を受け、①日本がこれまでと同じ経済運営・企業経営を進めていく場合と、②新機軸で示した考 え方で進めていく場合とに分けて、マクロの日本経済の将来像を示す。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 「Ⅱ‐2.主要ミッション毎のシナリオ」では、第2次中間整理で整理したミッションとOSから抽出した5つ のミッション(炭素中立社会の実現(GX)、デジタル社会の実現(DX)、グローバル化・経済安全保障 の実現(グローバル・経済安保)、新しい健康社会の実現(健康)、少子化対策に資する地域の包摂的 成長)の①世界全体での需要構造や②世界全体での供給構造、③日本の事業構造の変化を描く。 「Ⅱ‐3.産業全体の変化」では、抽出した上記ミッションの解決に、同時並行で一体的に取り組む姿を 描く。総体として、世界各地、そして日本で、どのような新しい需要が生まれ、どのように産業構造が変 化(新陳代謝)するかという将来像を示す。 「Ⅱ‐4.既存の個別産業の変化」では、個別の産業毎に5つのミッションそれぞれによって生じる①需 要構造の変化、②供給構造の変化、③日本の事業構造の変化を記載している。前提として新機軸の 政策の延長線上として将来見通しを描いているため、将来存在しうる産業分類を基に構想するのでは なく、足下の産業分類を基に個別産業の将来見通しを描く。 「Ⅱ‐5.一人一人が豊かな日本に向けた見通し」では、一人一人が豊かな社会を実現するための企 業、国民、政府の姿を、①国内投資の拡大、②イノベーション/新陳代謝の加速、③所得の向上、④ マクロ経済の観点から整理する。その課題を乗り越えた先の未来として、国民の生活や日本の経済構 造の将来像を描く。 (図:シナリオの全体構造のイメージ) 4 Ⅱ.2040 年に向けたシナリオ 1.シナリオの前提と導入 (1)前提とする世界の時代認識 (前提とする世界の時代認識:「潮目の変化」の背景にある「時代の転換」) ⚫ 前述のような性質の「2040 年に向けたシナリオ」を描くに当たって、「潮目の変化」がまさに歴史的転 換の端緒として位置づけられるものであること、すなわち、その変化に通底しているものは単なる一 過性のものではなく、継続する世界の根本的なトレンドの転換(時代の転換)であるということを前提 として位置づけたい。具体的には①「地政学リスクの高まり」を背景とした国際経済秩序の変化と、② 「人手不足」につながる世界的な人口動態の転換である。 (前提とする世界の時代認識①:国際経済秩序の変化) ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ これまでの国際経済秩序は、冷戦終結後のおよそ 30 年にわたって、基本的には国境の垣根をでき る限り低くし、自由な貿易・経済協力体制を広げていくグローバリゼーションの時代であった。それを 担保していたのは、突出した国力をもつ米国による世界の主導という構造にあった。 一方で、今後の国際経済秩序は、自由主義と権威主義といった多様な政治経済体制が栄えるように なり、米国一強体制から多極化が進む中で、異なる政治経済体制間での緊張の高まりに加え、米国 政治の不透明化と先進国間での緊張の高まりを背景とした不確実性の高い状況が継続する 気候変動など民間だけでは対応できない社会的課題への要請と、世界の不確実性の高まりを背景 に、先進国も含めて産業政策が当たり前に行われる。不確実性が相対的に低い日本という場所は、 地政学・地経学的な観点から、多様な政治経済体制下のグローバル企業から、サプライチェーン上 の重要な位置付けとして認識される。 これまでと変わらない動向として、グローバルサウスを中心とした今後の所得拡大が見込まれる地域 における成長の取り込みを、先進諸国・新興国の政府・企業がともに模索し続ける。ただし、グローバ ルサウスは 2040 年頃においても、ほとんどの国で中所得国である。 (前提とする世界の時代認識②:世界的な人口動態の転換) ⚫ 世界では米国、グローバルサウスエリアを除き、日本だけでなく欧州等主要先進国・中国・東アジア 諸国など多くの高所得国・準高所得国において、人口減少フェーズに入っており、世界的にも人口の 伸びと経済成長の牽連性の低下が必然的に発生している。 ⚫ ⚫ ⚫ このため、多くの国で「高付加価値化により、一人当たりの生産性を高め需要を増やすことで総需要 も拡大する」ことが経済成長の主流となる。 また、疫病や飢饉、紛争による人口減少とは異なり、高齢化と少子化による人口減少フェーズにおい ては、需要のみの主体となる高齢者の比率が相対的に増えることとなり、供給の担い手である労働 力人口の減少スピードは、需要を担う全体の人口減少よりも早い。したがって、これから 30 年といっ た中長期で、構造的に「需要>供給」が起こりやすくなるため、世界全体でインフレ圧力が持続する。 特に日本においては、既に過去十数年にわたり女性・高齢者の労働参加が進行したことで労働参加 率は頭打ちになっており、これ以上の新規の労働参加による「労働投入量」増加の余地は限定的と なっている。すなわち、世界でも最も早い人口動態の変化によって、構造的な「需要>供給」というイ ンフレ圧力環境が発生し、2040 年においてもそうした環境が継続している国となっている。このため、 賃金や投資に対しても正の影響が継続的に生じている。 5 (前提とする世界の時代認識:総括) ⚫ 以上を総括すると、国際経済秩序の変化、世界的な人口動態の転換のいずれもが 2040 年頃(ある いはそれ以降)まで継続する大きなトレンドであり、日本においては、「国内投資」「イノベーション」 「所得向上」の3つに正の影響を与えるものである。後述の「シナリオ」を示す上で、この前提を共有 することとしたい。 6 (2)人口減少を前に、岐路に立つ日本 ポイント   日本経済の長期デフレは、国内投資の低迷と非正規活用等が原因であり、人口減少が主要因で はない。 国際経済秩序や世界の人口動態の変化を踏まえ、経済産業政策の新機軸による政策変更を継 続していけば、今後、人口減少下でも、一人一人の所得が増え、誰もが活き活きと生活する、豊か な社会を実現できる。 (日本の将来悲観の根本にある人口減少) ⚫ 日本企業・国民の悲観論の根本には、人口が減少することへの不安がある。 ⚫ まず、過去 30 年の日本経済の停滞が人口減少によるものなのかを分析し、未来の日本経済は人口 ⚫ 減少しても豊かになれるのかを考察することが必要である。 この点、過去については、日本経済は、デフレーションを背景とした投資とイノベーションの低迷があ り、デフレーションの主要因は人口減少ではない。これを念頭に、未来の日本経済を考察する。 (未来:今後の人口動態の想定) ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 人口動態の推計は、不確実性が低い。 少子化について、最重要課題である少子化対策の効果が表れ、足下で生まれる子どもが生産年齢 人口(15 歳以上)となるのは、今から 15 年後の 2040 年頃である。 高齢化について、人口構成上大きな塊である団塊ジュニア・氷河期世代が後期高齢者入りするのは 2040 年代半ばである。また、総人口から生産年齢人口を除いた従属年齢人口比率は 2030 年まで 横ばいであり、生産年齢を健康で捉えると従属年齢人口比率は、2040 年まで横ばい(高齢者を機械 的に 65 歳以上と捉えるのではなく、健康寿命で捉えると、日本の場合、74 歳以上が高齢者となり、 2040 年目標では 75 歳以上となるため、65 歳から9~10 年延長され、高齢者と捉えられる人の割合 が減る。)となる。 外国人労働者は、数倍といった規模で増加する可能性があるが、高度な知識・スキルを通じてイノベ ーション(TFP)に大きく貢献するものの、アジア等新興国都市部の生活水準向上との比較考量によ って賃金水準が低い仕事には外国人労働者を呼び込みにくくなり、人口構成に大きく影響を与える ような規模にまでは至らない。 これらを踏まえ、人口動態の推計に大きな変更は生じないものとして、2040 年までを念頭に、将来を 見通すと、今後、人口は、減少が加速(総人口は、1991 年から 2020 年の過去 30 年の平均伸び率 が年率 0.06%だったのに対し、2020 年から 2040 年の 20 年間は年率▲0.6%。同様に、15 歳~64 歳の生産年齢人口は、過去 30 年の平均伸び率が年率▲0.5%に対し、2020 年から 2040 年の 20 年 間は年率▲0.9%)する。 (過去 30 年と同じこれまでの考え方・やり方で進んだ場合) ⚫ 過去 30 年の日本経済は、①実質賃金は横ばいで、②労働生産性は、海外の安い中間財(海外投資 による逆輸入等)を利用することによる収益力を得ることで主要先進国並みの上昇率となり、③国内 ⚫ 投資は縮小し、④GDP は微増にとどまった。 背景として、企業は、安定した国際秩序の下で、生産コスト等が安価な海外拠点を活用したコストカ ット型の企業経営を行ってきたことがある。国内市場は、顧客数が減少し、物量が減少するため、市 場は縮小するものと捉え、投資先としては敬遠されてきた。所得収支は黒字だったが、国内の投資 7 ⚫ ⚫ ⚫ 需要が乏しく、海外投資収益は半分近くが現地で再投資されてきた。 マクロ経済全体でみると、企業部門は貯蓄超過となり、政府が社会保障費の増加を中心とした財政 赤字を通じて資金需要主体を担うことで経済を支え、実態としては「民主導型経済」とならなかった。 日本の経済・社会は、変化を起こして成長するという状況には至らなかったが、結果として安定を維 持した。実際、諸外国で社会情勢が不安定化する中、日本は、IMD 国際競争力ランキングにおいて、 失業率、低スコア生徒割合、治安などの項目では、世界トップクラスを記録した。 今後も、これまで同様の経済運営・企業経営を継続すると、当面社会は安定する可能性がある。しか し、実質賃金や GDP の成長は横ばいにとどまり、新興国に追いつかれ、海外と比べて「豊かではな い」状況に陥る可能性が高い。国内が貧しくなれば、経済的な資源やインフラの不足、技術的発展の 遅れ等が深刻化し、日本は世界と勝負できなくなるおそれがある。その結果、社会の安定性すら失 われる可能性がある。 (これからを「新機軸」で示した新たな考え方・やり方で進んだ場合) ⚫ 「現状維持であれば、日本は豊かでなくなる」というホラーストーリーを語るだけでは、企業や個人の 挑戦を促し、豊かな社会を実現するのは難しい。 ⚫ 前提として、持続的成長に必要なのは、需要が増加し、供給が強化されて、更に需要が増えるという 循環であり、需要と供給の循環を結びつけるものは投資・イノベーションである。社会課題解決を起 点とした高付加価値分野で新たな需要を喚起するとともに、それを満たす供給側への投資・イノベー ションが必要である。付加価値生産性の向上に裏打ちされた持続的な所得向上は、個人消費の拡 大という需要喚起にも繋がっていく。 ⚫ ⚫ ⚫ このため、直近数年間で示してきた経済産業政策の新機軸では、ミッション志向の産業政策として、 社会課題に政府も一歩前に出て大規模・長期・計画的に投資を行うことで、企業や個人の挑戦を促 し、マクロとミクロを融合していくといった、過去 30 年間とは異なるアプローチを掲げている。 第2次中間整理で示したとおり、マクロでは、国内投資、イノベーション、所得向上の3つの好循環の 実現を志向してきた。これらは、日本国内の経済成長・国民の豊かさ向上のためには、当然必要な 要素である。今後、企業や個人が、ミクロの政策アジェンダと融合しながらマクロで必要とされる取組 を持続することが求められる。 「(1)前提とする世界の時代認識」で示した国際経済秩序の変化や世界の人口動態の変化という時 代の転換点を踏まえて企業・個人がチャレンジし、政府が経済産業政策の新機軸による政策変更を 継続していけば、今後、真の意味での民主導型経済を実現し、人口減少下でも、一人一人の所得が 増え、デジタル化・自動化等により可処分時間が増加する。その上で、個々のニーズに対応した細や かなサービスが、少ない人手で提供され、国民の生活がよりスムーズで、心地のよい新たな生活へ と発展し、豊かな社会が実現する。その体験を求めて、多くの外国人も日本を訪れる。こうした経済 社会の実現に向けたシナリオを次頁以降で提示する。 8 2.主要ミッション毎のシナリオ ⚫ 本パートでは、第2次中間整理で整理した、世界的な社会課題を起点に、世界さらには人口減少下 ⚫ でも中長期的に国内で需要が拡大することが見込まれるミッションから、GX、DX、グローバル・経済 安保、健康・地域の包摂的成長を抽出し、①世界全体での需要構造がどのように変化し、これに応じ て②世界全体での供給構造がどのように変化するかを客観的に描き、こうした世界の事業構造を踏 まえて③日本の事業構造を、新機軸の経済産業政策を含めた官民の取組によってどのように変化さ せていくことができるかを描いている。 また、第3次中間整理策定時から、GX2040ビジョンや第7次エネルギー基本計画等のここ1年の関 連政策も踏まえて、第3次中間整理でまとめた定性的なシナリオを精緻化した「別添版:2040 年に向 けたシナリオ集」を作成している。 (1)GX ポイント  2040 年頃の世界では、グリーンな製品・サービスが進展する一方、非グリーンの需要も残存する。 そのため、両方の需要を捉えた供給体制が構築される。  日本企業は、①グリーン/非グリーンに加え、②国内市場/海外市場の2軸の需要を基に事業活 動を展開し、国内外のグリーン需要を基に高付加価値市場を獲得する。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 2040 年頃の世界では、気候変動の進展により、先進国を中心にグリーンの需要が拡大する一方、 途上国を中心に非グリーンの需要も残存する、市場のデカップリングが進行。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ (グリーンの需要) グリーンな製品・サービスの需要は、2050 年カーボンニュートラル(CN)に向けた動きの加速により、 先進国を中心に拡大し、市場が広がる。徐々に温室効果ガス(GHG)排出量の削減が製品・サービ スの付加価値から、先進国を中心とした市場への参入の前提となる。他方、国によっては 2060 年や 2070 年に CN を実現するという目標を掲げているため、CN の進捗には差があり、2040 年頃におい ては従来通り GHG を排出する非グリーンの製品・サービスの需要も存在する。 先進国では、国単位の GHG 削減目標を起点として、企業・製品単位での支援策を措置する段階か ら、国内外の規制を措置する段階へと移行し、グリーンな製品・サービスであることが市場の参入前 提となる。削減目標の達成やグリーンな製品の付加価値の間接的な向上を目的として、非グリーン な製品を対象とした炭素賦課金や関税が導入される。例えば、EU でバッテリー規制が本格導入さ れ、CO2排出量に応じて輸入課金を支払う必要がある。日本でも炭素賦課金や排出量取引制度が 設けられる。 また、国以外の企業や資本市場、消費者の取組も、グリーン製品・サービスの需要を高める要因と なる。国の垣根を越えて、サプライチェーン全体での CN を目指す企業の自主的な取組が、引き続き 国の取組に先行する。そうした企業の規模が拡大することで、取引先企業は早期に CN の実現を迫 られる。こうした動きに加え、資本市場による要請、消費者志向の変化も、グリーン製品の需要を高 める。 途上国でも、大気汚染等の環境問題や 2050 年 CN 達成を背景として、徐々にグリーンな製品・サー ビスを求めるようになる。 9 ⚫ (非グリーンの需要) 非グリーンの製品・サービスの需要は、先進国の内需型産業や途上国を中心に、一部残存する。特 に、途上国は CN を達成する目標年に差があるため、需要が残る。 <世界全体の供給構造の変化> (グリーンの供給) ⚫ グリーンな製品・サービスの供給は、コスト競争による低付加価値を供給量で賄う薄利多売型から、 グリーンの付加価値という質で勝負する世界に移行した後、グリーンが市場への参入の前提となる 2040 年頃には、質と量を兼ね備えた企業が優位性を確保する。 ⚫ 企業はグリーンの付加価値・供給力の向上のため、技術開発に注力する。グリーン製品を生み出す 技術には、製品間で進展の度合に差があるため、企業は技術の不確実性を織り込みながら事業活 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 動を行う。 GHG 排出量を削減できない製品は、技術開発がグリーンの需要に追い付かず、DAC(Direct Air Capture)等のネガティブエミッション技術や CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage) /カーボンリサイクル等で相殺することになる。今後、クレジットの需要は拡大するため、炭素クレジ ットの供給や認証等の周辺サービスが活性化する。 企業立地は、再生可能エネルギー等のクリーンエネルギーの供給量やコストが考慮される。グロー バル企業は、世界のどこでグリーン製品を生産することが最も合理的かという観点からポートフォリ オを組む。 (非グリーンの供給) 非グリーンな製品・サービスの供給は、従来製品・サービスの需要を受け、継続される。CN が進む 世界において、非グリーン製品は付加価値が限られるため、引き続きコスト競争が繰り広げられる。 長期的には縮小していく市場に対し供給能力を確保する必要があることから、グローバル規模で生 産基盤や経営主体の集約が進む。 先進国では、排出規制の強化等を背景に、排出削減の困難な産業の中では内需型のものが相対的 に維持される誘因が働く。 企業立地は非クリーンエネルギーの供給量やコストが考慮され、グローバル企業は、世界のどこで 非グリーン製品を生産することが最も合理的かという観点からポートフォリオを組む。その結果、途上 国の需要に対して、従来先進国で生産し、輸出していた製品は、現地で生産・供給を行うことになる。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 現在の日本の事業環境は、2040 年頃におけるグリーン需要の不透明性と、それに伴うグリーンと非 グリーンの供給体制のバランスという課題に直面している。また、国際的に遜色ない価格で安定した クリーンエネルギーの供給制約という課題も国内に存在している。 ⚫ こうした課題に対して、政策的対応も含めた官民での取組によって、主要な部分が解決されること で、日本企業は、①グリーン/非グリーンに加え、②国内市場/海外市場の2軸の需要を基に事業 活動を展開し、国内外のグリーン需要を基に高付加価値市場を獲得する。 ⚫ 特にグリーンについては、革新技術を活かした新たな事業が次々と生まれ、日本の強みである素材 から製品にいたるフルセットのサプライチェーンが、脱炭素エネルギーの利用やDXによって高度化さ れた産業構造になっている。 10 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ (グリーンの供給のための事業構造) グリーン需要に対して、技術流出を阻止する観点から、主に国内の拠点で研究開発と最終製品の製 造を行い、国内外に展開することで、付加価値を獲得する。また、企業は、エネルギー効率性を高め ることで、付加価値を上げていく。 国内では公共調達等でグリーン市場を創出し、排出量取引制度などカーボンプライシングが段階的 に発展していくため、グリーンであることが市場の参入前提となる。海外からの非グリーン製品・サー ビスに対しては、カーボンリーケージの可能性を分析し、国際ルールに準ずる形で、適切な措置を講 じる。 海外のグリーン需要に向け、国内で生産した技術優位な製品の輸出を行う。その際には、グリーンな 製品・サービスの供給量を増やすため、国内外の市場での DAC や CCUS/カーボンリサイクル等の 技術開発を行うとともに、こうした技術開発や需要創出に資する炭素クレジットに関する国内の制度 設計も行っていく。 また、製品によっては、国内の拠点で研究開発を行った技術を基に、海外の再生可能エネルギーが 豊富な地域で生産し、再度国内の拠点で最終工程を仕上げる、国際的な分業体制を構築する。 日本の特性として、国際的に遜色ない価格で安定したクリーンエネルギーの供給に制約があるた め、エネルギーコストの付加価値に占める割合の低い産業を中心に日本国内に立地する。国内で も、特に国際的に遜色ない価格で安定したクリーンエネルギーを多く供給できる地域は、相対的にエ ネルギーコストが安いため、そうした地域に産業が集積する。 (非グリーンの供給のための事業構造) ⚫ ⚫ ⚫ 非グリーン需要には、世界全体の CN の進捗を見ながら、対応する。 国内の非グリーン需要には、内需型産業を中心に、国内需要を満たす量を生産する。日本では、他 の先進国と同様にグリーン需要が高まっていく中で、非グリーン需要は一部残存するものの減少して いく可能性があるため、現在の国内の供給体制は再編される可能性がある。それに伴い、これらの 産業に従事する人材も、成長分野の産業や企業に労働移動を行うことが必要となる可能性がある。 海外の非グリーン需要に向け、日本企業は国内・海外の排出削減目標や市場規模等の事業環境に 鑑み、輸出ではなく、現地での供給にシフトする。 11 (2)DX ポイント    2040 年頃における日本の経済社会システムにおいては、強固なデジタル基盤(技術・産業基盤、 インフラ基盤、人材基盤)の上で、フィジカル空間(現実世界)から生じるリアルデータ(非構造化デ ータ)も含めたデータの利活用を通じて、経済成長に繋がる新たな付加価値の創出、構造的な人 手不足等の社会課題の解決も可能になるという、サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合す る Society5.0 が実現に向かっている。 こうした経済社会の構成要素として、①データを利活用してユーザー(最終需要家やサプライチェ ーン上で製品・サービスを受け取る企業)に付加価値を提供するサービス(とその提供者)が存在。 日本での事業展開においては、強固なデジタル技術・産業基盤や高度なデータ連携の仕組みを前 提に、付加価値の高い「標準サービス」を提供するとともに、付加価値の高い製品・サービスの創 出が進められている。それによって、データに基づく経営体制とデータを前提としての戦略やビジ ネスモデルの双方を兼ね備えた経営(新たな付加価値を生むためのDX)を行う企業への変革や 統廃合が進むとともに、新たな企業が絶えず創出されていく。 サイバー・フィジカル融合の前提となる高度なデジタル基盤の構成要素として、②デジタル技術・産 業基盤(情報処理基盤、次世代計算基盤(半導体等))、③デジタルインフラ基盤(データセンター や基地局等の高度情報通信インフラ(ハードウェア)、データ連携基盤(ソフトウェア)、ルール、サ イバーセキュリティ)、④これらを生み出し、また、利活用できるデジタル人材を生み出す基盤が存 在。日本ではこうしたデジタル基盤が強固なものに成長し、高い持続性を保っている。 <世界全体の需要の構造(社会のデジタル化による製品・サービスの価値の在り方)の変化> ⚫ デジタル技術の進展を通じて、ユーザーが求める付加価値(ニーズ)において、次の主要な影響が生 じる。その影響をもたらす最も根本的な変化は、ユーザーのニーズを瞬時に取り込みながら、サイバ ー空間において膨大なデータが創出・加工・分析され、ユーザーにフィードバックされながら、サイバ ー空間とフィジカル空間が相互に作用し合う柔軟かつ動的な価値創造プロセスが構築され、高い付 加価値を持続的に創出できるようになるという変化である。その中でユーザーは自身のニーズをより リアルタイムで、より高速に、より的確に満たすことができる製品・サービスを求めるというテイラーメ イド化の欲求が高度化する。 (付加価値をもたらすバリューチェーンの変化) ⚫ バリューチェーン下流(最終需要家(ユーザー)との接点)における変化 ➢ 時間・空間の制約からの解放・緩和による新体験の創出:自動化や効率化を通じて発生する可 処分時間を有意義に利用したいというニーズや、仮想現実を利用することで地理的な制約を超 越した体験をしたいといった、従来はユーザーのリソース制約上実現できなかったことへのニー ズが高まり、新たな付加価値の源泉となる。逆に時間・空間制約が限りなくゼロに近づくがゆえ に、わずかな時間・空間の差が生み出す価値も高くなる。 (例:自動運転技術の発展⇒車内空間における体験提供が鍵に、 VR/AR 技術による空間疑似体験やドローン等⇒新たな購買体験が可能に) ➢ 価値の見える化による製品・サービスの高度なパーソナライズ化:顧客状況や製品価値の見え る化と、他の新たな製品・サービスへの誘導が可能になることで、ユーザーごとに個別最適化さ れた納得性の高い内容の製品・サービスに対し、個別に最適化された価格での購入を行うよう 12 になる。 (例:自動車産業・・・OEM が車体販売を超えて最適な自動車保険サービスまで提案) ⚫ ⚫ バリューチェーン上流(研究・開発段階)における変化 ➢ 新手法による高速化、革新的アイデアの創出による潜在的ニーズの顕在化:AI 等の活用によ り、研究開発プロセスの高速化、革新的な製品・サービスのアイデア創出等を通じ、これまで提 供する側の技術的制約上実現できなかったニーズを満たすことができるようになる。 (例: AI 創薬・・・医薬品開発過程の高速化、新たな医薬品アイデアの創出を実現) ※ バリューチェーン上流での価値創造過程においても、下流(ユーザーとの接点)から得 られるデータの活用が寄与する例も。(例:患者の電子カルテデータを創薬の臨床試験 に活用する等) バリューチェーン中流(製造段階等)を中心とした変化 ➢ ⚫ ⚫ サプライチェーン上の徹底的な効率ニーズの実現:製造プロセス等における高度な最適化や省 力化によって、コスト効率化や人手不足対応といった製品・サービスの提供プロセスにおけるニ ーズを適切に満たすことができるようになる。 生成 AI の登場によるDXの更なる進展 ➢ あらゆる業界において、従来 AI が適用しづらかったホワイトカラー領域も含め様々な業務に生 成 AI の実装が進むことで、既存業務が大幅に自動化され、より創造的な業務へと労働移動が 進むとともに、顧客体験の向上など付加価値の高い製品・サービスの提供が業種横断で加速す る社会全体のDXが実現する。 データ処理量の爆発的増大 ➢ 産業のみならず社会活動・生活のあらゆる面において情報処理が求められるようになることか ら、データ処理量が爆発的に増大する。 <世界全体の供給構造の変化> (個別企業の経営) ⚫ こうした、デジタル社会においてこそ得られる高い付加価値を持続的に獲得するために、個別の企 業・産業は、付加価値創出のために押さえるべきデータフローを確保し、自身のサービス開発・提供 に必要なコンピューティングパワーを確保する。社会全体ではリアルデータの効率的な利活用サイク ル(データ取得⇒通信⇒貯蔵・連携⇒処理・解析⇒アプリ・サービス化⇒データ取得⇒・・・ というデ ⚫ ⚫ ⚫ ータフローの循環)が確立される。 そのため、個別企業・産業レベルでは、データの利活用を意識し、戦略やビジネスモデルを設計し、 それを実行に移す高い経営力が必要不可欠となる。この高い経営力を発揮する企業は、その前提 条件として、経営自体のDXによりデータに基づいた正しい意思決定が実行できる経営体制への改 革も実施できている。これら「データに基づく経営体制への変革(経営体制のDX=CX)」と「データを 前提とした戦略やビジネスモデルへの変革(戦略・ビジネスモデルのDX)」との両輪での推進が企業 経営の常識・大前提となっている。こうした経営を前提として、自身の事業に必要な機能や取引相手 を定義することとなり、サプライチェーンが再構成される。 こうしたなかで、バリューチェーンの中の重要な特定の機能を独占し、レントを独占するプラットフォー ム型ビジネスが高い利益率を誇りつつも、絶えず代替的な機能を提供し新たなレント独占を狙う競合 が現れ、激しい競争の中で機能単位でのイノベーションも活発化している。 サイバー・フィジカルの融合という観点では、AI およびロボティクスの発展により、サイバー空間での 分析結果をソフトウェアとアクチュエーターを通じてフィジカル空間における実際の作用をもたらす範 13 囲が劇的に拡大する。この動きの中で、サイバー空間とフィジカル空間の接続点を担うこれらの機能 を提供する企業の価値が非常に高くなっている。 (データ連携の在り方) ⚫ 業界横断の社会全体レベルでは、各国がそれぞれの特性に最適化したデータ連携基盤を確立する ための動きがみられる。その中で、既存のメガプラットフォーマーによるデータ連携基盤がデファクト となりそれを中心にあらゆる産業においてデータ連携が進められる国もあれば、そうした巨大プラット フォーマーを持たない国・地域において、メガプラットフォーマーによる独占を避ける観点からも、公的 な機関の関与や必要に応じた標準化・規制の導入なども進められながら、データ連携において特定 の国・企業が利益を独占することがないようなデータ連携の仕組みの構築を目指す場合もある。 ⚫ 企業を跨ぐデータの共有・活用を促すデータ連携基盤構築に当たっては、各企業の営業秘密の保持 やデータ主権(アクセス権等)の担保が、今後の新たなデータプラットフォーマー創出、ひいては当該 データプラットフォーマーを中心とするエコシステム創出の鍵となる。 (デジタル技術・産業基盤の在り方) ⚫ データの利活用により獲得できる付加価値を向上・持続させる経済社会構造では、爆増する計算需 要を満たすために、デジタル基盤も強固なものに成長し、高い持続性を保つ。 ⚫ その中核的存在である情報処理基盤(計算資源の制御やクラウド技術等に係るソフトウェアから構 成)については、研究開発及び製造にかかる設備投資額が巨額に上るため、資本力の高い企業が、 多数のユーザーからフィードバックを得て、より高度なコンピューティング技術を開発するエコシステ ⚫ ⚫ ⚫ ムを形成している。 2040 年頃の経済社会システムを担う次世代計算基盤については、高速・大容量・低消費電力の処 理が求められる。これを実現する重要技術として、先端半導体の設計・製造能力の重要性はさらに 高まっている。加えて、生成 AI は、経済社会システムのあらゆる分野において利活用が急速に進 み、クラウドと同様に重要な社会インフラの一つを形成している。これに伴い、生成 AI の開発や利活 用に不可欠な計算資源とデータ整備の重要性は更に高まっている。 こうした中で、メガプラットフォーマーの中には、自身のプラットフォームを最適化する観点から、ソフト ウェアのみならずハードウェアの主要構成要素である半導体に至るまで自身で設計する能力を獲得 している企業もある。 電力需要は、爆増する計算需要を満たす次世代計算基盤の存在によって劇的に高まっており、グリ ーン化の要請と相まって、グリーン電力を効率的・安定的に供給できるエリアの産業立地競争力が 高まっている。加えて、高い省エネ性能を発揮できる高性能半導体の生産・開発能力を有すること が、産業競争力を左右する。 (デジタル人材基盤の在り方) ⚫ 世界規模で、生成 AI を含むデジタルを製造・サービスの現場で活用し、付加価値を生み出す人材の 常態的な不足によって人材の獲得競争が激化する中で、各国が生成 AI を含むデジタル人材育成に 積極的に取り組み、個人のデジタルスキル・スキルアップ・スキル評価等に関する最新データが一元 ⚫ 的に収集・可視化・活用される環境が整備されている。 生成 AI などのイノベーションによって産業構造が急速に変化し続ける中でも、データに基づいた適 切な労働移動が実現される。 14 ⚫ ⚫ これらによって、個人が各々のスキル習得状況に応じてパーソナライズ化されたスキルアップを継続 でき、労働移動によるミスマッチが改善され、生成 AI を含めたデジタル活用人材のエコシステムが実 現される。 また、未だ踏み込んだことのない領域に挑戦するような独創的で才能あるトップ人材を発掘・供給す るエコシステムも世界各地で存在し、それらの人材が担い手となる形で、デジタル技術の開発等を通 じた世界規模の社会課題の解決や今までにないイノベーションの創出が進められている。 (サイバーセキュリティの在り方) ⚫ サイバー空間とフィジカル空間の融合に伴いサイバー攻撃の危険性が増大するとともに、地政学的 リスクの高まりや AI や量子コンピュータ等のデジタル技術の発展によりサイバー攻撃はますます高 度化・複雑化してくる。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 昨今は、サプライチェーン上に存在するセキュリティ対策不足の企業などを狙ったサイバー攻撃が増 加しており、その影響は、攻撃を直接受ける企業にとどまらず、サプライチェーンを通じて複数の企業 に広がるケースも出ている。また、サイバー攻撃が深刻化・巧妙化しており、各組織に対するサイバ ー攻撃が、国民生活、社会経済活動及び安全保障環境に重大な影響を及ぼす可能性が大きくなっ ている。サイバーセキュリティ対策は、企業の規模に関係なく、また、他の組織や社会全体に影響を 与えないという観点から、重要な課題である。 こうした状況下、企業は重要情報を守るとともに事業活動の影響を最小化する観点からサイバーセ キュリティ対策を経営上の重要課題の1つとして認識を強め、継続的に必要な対策の見直しを図って いる。加えて、そのような企業のセキュリティへの対策が外部からも評価される社会となっている。 また、こうした企業側の対策だけでなく、昨今は、製品を提供するソフトウェア事業者などに対する制 度整備も国際的に進んできている。例えば、欧米諸国を中心に、ソフトウェアの成分表である SBOM (エスボム)の活用や、セキュアな IoT 製品を可視化する、IoT セキュリティ適合性評価制度などの議 論が加速している。 こうした制度が普及することにより、脆弱性を持ったソフトウェア製品や、セキュリティ対策が実装され ている IoT 製品が可視化され、今後は、セキュリティ対策が実装されている製品が優先的に選択さ れる社会になる。 <日本の事業構造の変化> ⚫ ⚫ 現在の日本の事業環境は、先端半導体の設計・製造能力の欠如・不足やクラウドサービスを中心と した、世界トレンドを意識した標準サービスによるビジネス(デジタルプラットフォーム型ビジネス)を展 開できなかったことによる計算基盤・計算資源の劣後、事業者や業界の枠を超えたオープンなデータ 共有の取組の停滞、技術者やデジタルを利活用してビジネスを生み出す人材の不足と人材育成シ ステムの未整備、そして企業におけるデータに基づく意思決定といった組織ガバナンスの未整備や デジタルを起点に付加価値を定義し実行する経営能力の不足といった課題を抱えている。 こうした課題に対して、近年、とりわけ、半導体の国内製造拠点整備や研究開発の推進、情報処理 基盤の整備をはじめとするデジタル基盤の強化に向けた政策的対応に注力しているところである が、今後とも中長期にわたって、こうした取組を官民で継続することで、主要な課題の解決ができれ ば、次のような事業構造となっている。 15 (個別企業の経営・事業展開) ⚫ 信頼性が高く技術的な能力も高いデジタル技術・産業基盤や高度なデータ連携の仕組みが確保され ⚫ ていることを前提に、付加価値の高い「標準サービス」を提供するとともに、データを活用した、付加 価値の高い製品・サービスの創出が進められている。それによって、データに基づく経営体制とデー タを前提としての戦略やビジネスモデルの双方を兼ね備えた高い経営(新たな付加価値を生むため のDX)を行う企業への変革や統廃合が進むとともに、新たな企業が絶えず創出されていく。 その結果として、ユーザー企業は、IT システム導入を外部任せにせず、データを活用した付加価値 の高い製品・サービスを創出し、ベンダー企業は個社毎のITシステムの作り込みではなく、デジタル プラットフォーム型ビジネスによる世界トレンドを意識した「標準サービス」の展開により、低位安定と 称すべき状況を克服している。 (中小企業等のDX) ⚫ グローバルな競争力を持つ企業や人材が不足する地域では、地銀をはじめとする地域の中核的な 存在が地域企業のDX支援に乗り出し、地域企業においても人手不足を乗り越える生産性向上や積 極的なデータ活用が進むことで、地域全体が持続的に付加価値を生み出す成長の好循環が実現さ れている。 ⚫ また、全てのビジネスパーソンがDXに関する最低限のリテラシーを身につけることが一般的になる 中で、地域企業の経営者や従業員においてもデジタルリテラシーが格段と高まることで、地域企業に おける積極的なデジタル技術やデータの活用が加速する。 (データ連携) ⚫ 日本では、産業界のDXを推進するためのエコシステム(コラボレーションの形態)として、デジタル基 盤開発と政策・制度などのガバナンスを含めた、我が国の産業界のデジタル時代のオペレーションモ デルの確立が重要。そのオペレーションモデルの確立と信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の 実現に向け、運用者や管理者等が異なる複数の情報処理システムを連携させ、企業・業界・国境を 横断したデータ連携、サービス連携、ビジネス連携を具体的に実現するための官民協調の取組とし て「ウラノス・エコシステム」に取り組んでいる。 ⚫ このウラノス・エコシステムにおける取組の一環として、デジタル時代の社会インフラであるデジタル ライフラインの整備をはじめとしたデータ連携基盤の構築に向けた取組が進められている。 ⚫ ⚫ ⚫ このデータ連携基盤は、特定の国や企業が利益を独占することなく、官民協調の下で個別企業・産 業の垣根を越えて全体最適の実現を図り、地域内外の国・企業等のプレーヤーにもオープンで、グ ローバルにも連携可能かつ信頼できるデータ連携基盤をフィジカルも含めて目指している。 具体的には、データ連携基盤が、なりすまし防止・改ざん防止等の観点からソシキ・モノ・データ等の 真正性・完全性等を確保するシステム、データフォーマットが異なる各プレーヤー間のデータ流通を 円滑に行うためのデータ変換・加工等の機能を有するシステム等から構成される協調領域と、各プレ ーヤーが当該システムを活用してユースケースに応じたアプリケーション開発・利用が可能である競 争領域に峻別され、データ連携基盤の運営事業者の安全性・信頼性についても制度的措置により外 形的な担保がなされている。 このような取組は、他国のデータ連携基盤との相互運用性を確保しつつ、足下の欧州バッテリー規 制への対応のために先行的に進んでいる蓄電池分野におけるカーボンフットプリント、デュー・ディリ ジェンスに関するサプライチェーンデータ連携基盤に加え、徐々にその他分野における個別ニーズに 応じたデータ連携基盤の構築・活用として広がっていく。また、このデータ連携基盤を中心とするデジ 16 タルライフラインの全国津々浦々への整備が進むことで、地域の住民を含む多数の人が、ドローン・ 自動運転車等のデジタルサービスに容易かつ安価でアクセス可能となり、より豊かな生活が実現す る。 (デジタル技術・産業基盤) ⚫ 日本では、少数の巨大企業を中心とする在り方ではなく、高度な計算需要を持つユーザーコミュニテ ィと、情報処理基盤の開発コミュニティとの間で、ユーザー需要の創出と技術の高度化が相互に循環 するエコシステムが形成される。 ⚫ 情報処理基盤産業については、そのエコシステムの中で、国内に事業基盤を持つ企業による、高度 化(省電力化・高効率化)に向けた計算資源の開発や、AI 開発用の計算資源とともに、AI の幅広い 利活用に向けて推論用の計算資源の提供により、国内における情報処理基盤が確保・維持される。 ⚫ ⚫ 加えて、経済社会システムにおいて利活用を進めるために、生成 AI の性能向上に向けた開発が行 われ、それに伴い、開発に必要なデータの重要性がさらに高まる。 先端半導体の設計・製造において、日本では、ノード別にそれぞれ国内で一定の生産能力を確保す るとともに、持続的な資金供給や人材育成・確保の在り方が確立し、高いグローバル競争力を確保・ 維持している。 次世代計算基盤による電力需要は日本においても高まる中、資源制約のある日本においては、 ➢ 日本国内で電力供給の大部分を賄う場合は、比較的高価なクリーンエネルギーを活用すること による電気料金の高騰というリスクに、又は化石燃料の輸入増による貿易収支赤字の拡大とい うリスク、 ➢ 計算需要を海外企業から賄う場合は、コンピューティング・サービスの輸入増による、サービス 収支の赤字幅拡大というリスク といった状況に直面する。デジタル需要を満たし、国富を最大化するため、その時代の電力需要やエ ネルギー価格・サービス価格等の状況を総合的・戦略的に勘案し、エネルギー政策・マクロ経済政策 を選択することとなる。 (デジタル人材基盤) ⚫ 日本においても、個人のデジタルスキル・スキルアップ・スキル評価(試験・資格)等に関する最新デ ータが一元的に収集・可視化・活用される環境が整備されることで、個人が各々のスキル習得状況 ⚫ に応じてパーソナライズ化されたスキルアップを学校教育段階から社会人に至るまで一貫して継続 する「ラーニングカルチャー」や「グロースマインド」が定着している。また、データに基づいた適切な労 働移動が実現され、スキルに応じた適材適所での活躍ができるデジタル活用人材のエコシステムが 実現される。 また、未だ踏み込んだことのない領域に挑戦するような独創的なトップ人材を発掘・育成するエコシス テムが日本においても確立され、社会課題解決や新たなイノベーション創出の担い手となっている。 (サイバーセキュリティの在り方) ⚫ 大手企業のみならず中小企業もサイバーセキュリティの重要性を認識し、自らの業務の実態に合わ せて、必要な体制整備、セキュリティへの投資の強化、セキュリティ性の高い製品・サービスの調達、 ⚫ サプライチェーン対策などの対応を強化している。 さらに、デジタル関連の製品・サービスを提供する企業は、顧客のセキュリティ確保への責任を認識 し、設計段階からセキュリティ対策を考慮するようになっている。その上で、セキュリティ対策状況を 17 可視化する制度も活用して、当該製品・サービスのセキュリティ対策の状況について顧客に対し効果 的に説明責任を果たすようになっている。 18 (3)グローバル・経済安全保障 ポイント     パンデミック、地政学リスク、経済安全保障等を意識し、サプライチェーンの再編が進む。 WTO/EPA に加え、同志国間の分野別・国毎の取極めで戦略的な連携が強化。 日本は、世界の需要を取り込みながら持続的に成長する経済構造へと変容。 日本の技術優位性を維持・獲得し、その喪失を防ぐための方策が重要。 <世界全体の需要構造の変化> (マクロ対外経済状況の変化:地域特性に応じた市場の個別化と人口動態に応じた世界需要の変化) ⚫ 景気循環や、地政学的要因による高低はあれど、世界人口の増大やDX、GXが起点となって新しい ビジネスや既存ビジネスのイノベーションが創発され、世界経済は実質年率2%程度の安定的な成 ⚫ 長が見込まれる。 需要(=取引量×価格)は、人口動態ごとに以下のように変化を遂げている。 ➢ 人口減少地域(日本、欧州、中国等): 既存の商品サービスは、過去の延長では物量の減少に伴い需要減となるが、「良いものには値 がつく」という価格上昇を通じた需要増に加えて、①社会課題解決の価値化、②データドリブンで の新たな価値創出を通じた新需要開拓によって、需要が増えていく。 ① 社会課題解決(GX、経済安保等):自然体では顕在的な購買行動に繋がりにくいが、各国 政府の政策の力で、人為的に価値化。 ② データドリブンでの新たな価値創出(DX、健康・地域の包摂的成長等):顧客から取得した ➢ 様々なデータを基に新たな価値提供、時間・空間的制約の緩和による新需要創出、人口減 少地域を中心とした徹底的な効率化・自動化ニーズへの対応 人口増加地域(米国、新興国・途上国などグローバルサウス): 上述の新需要開拓に加え、人口増に伴う取引量の上昇によって、需要が増えていく。グローバ ルサウス諸国は、世界経済により大きな影響力を持ち、欧米圏の影響力は相対化(先進国間の 連携は強化されるも、世界経済に占める G7の割合は3割程度にまで低下)。 (国際政治経済状況の変化) ⚫ G7や G20 は、世界経済やグローバルな諸課題について、主要国の首脳・閣僚が率直に意見交換を ⚫ ⚫ 行う場として引き続き一定の意義を有するが、各国とも自国の国益を優先する傾向が強まる可能性 がある。 グローバルサウス諸国より新しい選択肢を示す試みがあるものの、世界銀行、IMF などの国際機関 を中心に世界経済の安定と健全な発展をはかる国際金融の枠組みは引き続き機能。WTO は、産業 政策、環境、経済安全保障、デジタル・エコノミーなどの諸課題に対処しながら、国際貿易・投資に一 定の規律をもたらしている。 現状から想定されうる 2040 年頃の姿は、 ➢ 北東アジアは、中国が、米国に比肩する超大国としてグローバルにパワーを照射する一方、足 下では 20 世紀より続く地政学的緊張(朝鮮半島、中台関係)が残存。 ➢ ➢ 東南アジアは、米中の地政学的対立を回避するための投資が流入し、「中所得国の罠」を乗り 越え繁栄。 南西アジアは人口増が続き、インドは市場規模で米中を猛追。インド洋では中印が影響力を競 いあっている。 19 ➢ 中東は、宗教・民族・政治経済体制などの対立軸による緊張が常態なるも、脱炭素化に伴い経 済社会が大きく変容。 ➢ ➢ アフリカは、人口増と資源開発ブームで最後の経済フロンティアとして浮上。 北米は、コンピューティング、バイオなどのイノベーティブな産業群で繁栄を謳歌。米国内の分断 と内向き志向は変わらぬものの、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)への関与は継続。カナダ も、引き続き日本と価値観を共有する貴重な G7 パートナー国であり、資源・産業面等での協力 は継続。 中南米は、人口増や経済成長を背景に経済が拡大。他地域と比較して地政学的緊張は高くな いが、米中貿易摩擦など国際情勢による域内経済への影響あり。北半球の地政学的な緊張か ら距離を置き、安定。 欧州は、域内統合が継続。クリーン・安全保障といった欧州全体の課題を起点とした戦略投資を ➢ ➢ 継続。欧露関係には安保上の緊張が残る一方、露の対中依存が深まる形で両国の結束が強化 され、ユーラシア大陸に一帯一路経済圏が浮上。 (経済安全保障上の要請がもたらす変化) ⚫ 2010~2020 年代に経済安全保障の確保に向けた各国の動きが進展したが、2040 年頃も脅威・リス クに対する経済安全保障上の対応は必要となる。すなわち、他国の技術・プロダクトを吸収・獲得し つつ、自国内でサプライチェーンを囲い込み、世界市場を席巻して自国のサプライチェーンに他国を 依存させ、経済的威圧等を行うような国家の動きへの対応が求められる。日本を含む各国政府は、 経済安全保障の確保を目指すべき。経済社会活動の持続性を前提とした産業競争力の維持・向上 ⚫ ⚫ ⚫ のため、国民生活の基盤維持を始めとする、日本経済にとって重要度の高い、国内産業・技術基盤 及び強靭なサプライチェーンを持続的に維持・発展させるべく政策対応を図っている。 ただし、「経済安全保障」は動的であり、各国の戦略的目標も随時見直され、変化することから、経済 安全保障上意識すべき国や必要な強度は現在と大きく変化している可能性もある。 こうした国際政治状況における貿易・投資の在り方は、ルールに基づいた、他国市場への広がりを 是とするグローバル戦略を進めつつも、その供給については、従来のように地球全体でプロダクト・ サービスの生産を比較優位性に応じて分業するグローバルフラットな在り方から軌道修正され、国民 の生活基盤維持を左右するクリティカルな物資・製品(戦略的物資・製品)を、自国内や同志国内で 調達するニーズが引き続き存在する。 上記の国際潮流に伴い、戦略的物資・製品については、希少性が高まり、世界・国内からの需要が 高まる。需要が高まり、供給が技術的・資源偏在的な要因で限られるものについては、その希少性 から価値(単価)が高まる。 <世界全体の供給構造の変化> (GX、DX、経済安全保障がもたらす変化) ⚫ ネットゼロに向けた地球規模のエネルギートランジションの中で、再エネ、原子力、水素などの脱炭 素エネルギーについて、統合コストや、移行に要する投資額等を加味した上で、長期にわたり安定的 かつ合理的な価格での供給が進む(化石燃料の需要が 2030 年までにピークに達するという IEA の ⚫ 見通しもある)。 重要鉱物の安定供給を図る国際的な枠組みが整い、鉱物資源やエネルギーの安定供給及びその 価格が、日本経済の主たる成長制約要因ではなくなる。 20 ⚫ DXの進展により、貿易手続のデジタル化等が推進され、モノの貿易コストが下がり、国境を越えたサ ービス貿易も活性化。 ⚫ パンデミックの記憶や地政学的な緊張が、事業活動に不測の事態への備えを必須化。 (産業の競争力に影響する諸要因) ⚫ 社会課題解決力:GXや経済安全保障などの社会課題解決の領域では、不確実性が存在することを 前提に、ケイパビリティの獲得(研究開発、設備投資、人材育成等)と想定外の変化に対応できる柔 軟性を両立した企業経営・ビジネスモデルの構築が鍵となる。 ⚫ DX:顧客の「データ」を押さえる競争、余暇充足をめぐる顧客体験競争、ネットワーク効果による勝者 総取りへの対応が必要になる。 ⚫ 各国政府の産業政策:企業は、税等の社会負担だけでなく、補助金等政策支援、地政学的な位置、 経営資源へのアクセス(クリーンエネルギー、水、土地、高度人材、生活環境等)を総合的に勘案し、 競争上優位な場所に立地する。 (GX、DX、経済安保がもたらすグローバルバリューチェーンの再編) ⚫ GXは、脱炭素エネルギーやカーボンニュートラル技術の供給国に、DXは、プラットフォーマーや生 成 AI などのイノベーションを生み出す企業に富の集中をもたらす。また、経済安保の意識の高まり は、透明、強靭で持続可能なサプライチェーンへの要請が高まる。 ⚫ 戦略的物資・製品の供給体制・生産基盤 ➢ 他国に比して優位性のある戦略的物資・技術については、同志国と積極的に連携することで、 ➢ 同志国の中での我が国の供給責任をしっかり果たすとともに、国内産業の利益の拡大のため に、かつチョークポイントを押さえる戦略的な観点からも、輸出の強化が図られる。また、軍事転 用リスク等への配慮からの厳格な管理も行われる。 戦略的物資・製品の安定供給確保の必要により、また、需要増加による価値の向上により、自 国だけでは完結できない戦略的物資のサプライチェーンは、自国への供給体制が確保しやすい 同志国とも連携した多角的なサプライチェーンが志向されていく。 (経済安全保障に対する意識の高まり) ⚫ 国際貿易・投資の拡大が経済効率の向上に資する一方、経済的依存関係が武器化された場合の弊 ⚫ ⚫ 害を目の当たりにしたことにより、各国政府や企業は、特定の相手国に貿易や投資を過度に依存す ることのリスクを強く認識。 従来の経済連携協定や投資協定に加えて、有志国の間で分野別協定形成の動きが活発になる。 地政学的な不確実性の高まった世界における我が国の経済社会活動の継続性の確保に向けて、国 内外に活力ある産業基盤を構築することが不可欠。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 日本企業(及びその総体としての日本経済)は、上記のような需給変化に直面する世界において、主 に次の課題に直面することとなる。 ➢ 日本の中規模国化による世界需要(米欧経済圏・非米欧経済圏双方から)の取り込みの必須条 件化に伴う対外経済・通商戦略の再構築。 ➢ 日本の高付加価値な製品・サービスの海外展開を容易化できる国際枠組・ルールの形成、 官民のグローバル・インテリジェンス能力の強化。 21 ➢ ⚫ 日本の優位技術の移転・流出(技術優位性の喪失)に伴う、市場からの淘汰・撤退リスクを回避 するための国際市場環境・サプライチェーンの再構築、官民のインテリジェンス能力強化。 こうした課題に対して、政策的対応も含めた官民での取組によって、主要な部分が解決されること で、日本経済・日本企業は次のような姿を実現できている。 (日本のマクロ経済状況の変化) ⚫ 中国や、ASEAN・インドをはじめとするグローバルサウス諸国においては、メガシティが幾つも生ま れ、中間層・富裕層が急増。これらが日本に外需をとらえるチャンスをもたらし、日本の高付加価値 な製品・サービスに輸出機会が到来するとともに、供給力を拡大するための国内投資も活性化。過 小投資による資本蓄積の毀損・潜在成長力の低下という日本経済の成長のボトルネックが改善し、 イノベーションと成長の好循環が生じる。 ⚫ 日本が中規模国化していく中で経済産業の活力を保つため、欧米先進国のみならずグローバルサ ウス諸国の伸びゆく外需の取り込みが不可欠。貿易依存度(貿易額/GDP)は、2020 年代初頭の4 割程度から高まり、日本は、世界の需要を取り込みながら持続的に成長する経済構造へ。輸出財の 競争力の向上と過度な化石燃料依存の脱却によって交易条件の悪化を抑制し、実質賃金の上昇に 寄与。 (日本に拠点を置く企業及び日本の産業全体の競争戦略の変化) ⚫ 日本企業は、日本経済が世界の中規模国となる中で、フルセットの産業構造、文化・コンテンツの魅 力、安定的な社会を実現してきた国民性といった強みを活かして世界と伍していく。 ⚫ 海外との貿易・投資をこれまで以上に拡大しつつ、その世界本社・世界工場といった「世界の創造拠 点」として日本を位置付け、世界中で稼いだ利益を国内に還流させて活用するのに見合うような、ソ フトウェアや研究開発を含む国内投資・賃上げ・イノベーションを継続的に拡大。 (国際市場環境・サプライチェーンの再構築、官民のインテリジェンス能力強化) ⚫ コモディティ化した技術・物資の市場からの淘汰・撤退リスクを回避するため、以下の取組が行われ ている。 ⚫ 日本に拠点を置く企業は、収益の持続的確保に向けて、競合が少なく日本の強みが生かせる製品 やサービスに加え、高い付加価値を持つ戦略的物資・製品の生産・輸出、同志国企業と協働したグ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ローバル・サプライチェーンの再構築が企業戦略の選択肢に組み込まれる。 戦略的物資・技術に関する他国の市場への貿易・投資行動が、企業の技術や産業競争力の維持・ 向上にとって不可欠である一方で、技術・サプライチェーンの囲い込みによって日本企業が市場から 淘汰・撤退させられるリスクを踏まえ、特定の国への過剰依存は回避する海外戦略を採ることも求め られる。(このリスク構造は、どの国に本社を持つ・持たないに関わらず、日本企業に共通するリスク となる。) また、優位技術の移転・流出によって技術がキャッチアップ(技術優位性の喪失)され、さらには当該 技術及び関連するサプライチェーンの囲い込みにより日本企業が市場から淘汰・撤退させられるリス クがあることから、優位性のある技術の流出が注意される。 ただし、サプライチェーン上のリスクは各国の政治・経済状況に応じて随時可変する上、利益が合致 する共通課題(気候変動、医療等)に関する経済的提携等は、リスクの精査を前提として更に拡大。 各産業・プロダクトを手掛ける企業・業界においては、グローバル市場への更なる積極的な展開が経 営戦略の要となるが、常に自社の製品・技術の競争優位性の確保を意識しつつ、海外展開における 22 地政学的なリスク評価を図ることが常識・前提となる。また、事業の見直しや撤退で M&A 等をする に当たっても、他国政府の政策によって相手企業に日本が優位性を持つ技術が流出するリスクを勘 ⚫ ⚫ 案することが常識・前提となる。 国民の生活基盤の基底を成し、従って希少・高付加価値である技術を把握し、一部の国への過剰依 存に陥らないこと、国民の生活基盤の基底を成す物資を生産・輸出する能力を強化することが、企業 戦略・産業戦略における重要要素となる。 政府はインテリジェンス能力を強化し、刻々と移り変わる国際状況、他国の通商戦略や経済安全保 障の状況について、より充実したシナリオ分析と民間への情報共有を実施。民間企業もよりインテリ ジェンス情報を積極的に摂取していくことから、官民の戦略的対話も一層活発化。 23 (4)健康・地域の包摂的成長(少子高齢化・人口減少) ポイント   少子高齢化が進む日本は、将来の世界の写し絵(先行指標)であり、健康に対する潜在的なニー ズをテクノロジーによって顕在化させる様々な製品・サービスが開発され、世界市場にも進出して いく。 地域の持つ価値を最大限引き出せる主体の関与を引き出し、テクノロジーも活用しながら生産性・ 賃金を高め、インフラの持続可能性を高めることで、良質な雇用と豊かな生活環境を享受できる地 域が創出されて、若者が子育てしやすい地方に定着し、希望出生率が改善する。 (健康) <世界全体の需要構造の変化> ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 健康で過ごすことは人間の根源的欲求の一つ。世界的な人口増加・都市化等を背景に、健康への 需要は潜在的には増大も、これまでは顕在化しづらかった。しかし、長寿命化、政府の介入(規制・ 社会保障制度)、テクノロジーの活用により、こうした潜在需要が大きく顕在化していく。 ➢ 長寿命化は、全世界の不可逆的トレンド。高齢化を背景に医療を含む健康への需要が顕在化。 ➢ 規制・社会保障制度により、政府が国民の健康増進に介入することで健康への需要が顕在化。 ➢ テクノロジーで、健康増進に向けた取組と健康状態との関係が可視化され、需要が顕在化。 他方で、高齢化の進展や医療の高度化等による社会保障給付費の増大は、先進国共通の課題。公 的保険内と外の製品・サービスの適切な役割分担やモラルハザードの回避が求められる。 高齢者は、健康寿命の延伸も相まって、65 歳で一律に引退するのではなく、希望すれば働き続ける ことが可能になる。(消費のライフサイクル理論によれば、)高齢者も収入を得ることで、(公的保険の 内・外を問わず)自らの QOL(Quality Of Life)を高めるための消費を増やす。 現役世代も、健康で長く働き続けられるように、若いうちから健康に投資するようになる。企業も人的 資本形成の一環として従業員の健康への投資が拡大。また、予防・健康づくりは生活習慣改善その ものであり、生活関連支出との一体化が進む。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 遺伝子治療や再生医療などが一般的となるだけでなく、健康関連サービスでも AI 等のデジタルテク ノロジーを活用することで、新しい製品・サービスが生まれていく。 ⚫ ⚫ PHR(Personal Health Record)はその典型。個人のライフログや健康に関するデータを活用すること で、衣食住を始め、あらゆる製品・サービスが、健康を切り口に高付加価値化されていく。 深刻化する医療・介護等の人手不足に対して、AI・ロボット等のテクノロジーの導入が進み、遠隔医 療や AI 診断といった効率的なサービス提供が可能になる。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 現在の日本の事業構造は、PHR の事業者・医療機関間での連携やデータの取扱いに対するルール や標準の不足、公的保険への過度な依存と公的保険内サービス供給の逼迫、医療機器・医薬品の 研究開発や海外展開の伸び悩みといった課題を抱えている。こうした課題に対し、政策的対応も含 めた官民での取組みによって、主要な部分を解決できれば、次のような事業構造となっている。 24 ⚫ ⚫ ⚫ 日本における健康面の課題は、将来の世界の写し絵(先行指標)であり、超高齢化に適応した新た な製品・サービスの開発が進む。こうした製品・サービスが、国内で、健康への新たな需要を開拓す るとともに、増大する医療・介護の需要を充足する。 日本の社会保障制度は、公的保険外サービスの受け皿が拡大することで、社会保障の公平性、保 険料に対する負担感、財政の持続可能性といった観点から、公的保険の給付を、より必要な人・効 果の高い施策に重点化できるようになる。 日本の医療機器・医薬品は、国内の医療系大学における留学生受入れや海外現地の有力者とのネ ットワーキング、海外での治験の実施などを通じて、日本の医療機器・医薬品を使う病院や医師の裾 野が拡大し、グローバル展開されていく。また、こうした財のみならず、データや、それらを活用した サービスも世界に輸出される。さらに、日本の質の高い健診や治療を受けるため、外国人旅行者の 医療インバウンドが拡大している。 (地域の包摂的成長) <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 産業が立地する場所としての投資需要は、経済安全保障等の観点から、自国又は価値観を共有す る同志国であり、かつ、十分な土地、豊富な水、良質な人材をといった要素を備えている地域で高ま る。加えて、CN への対応のため、国際的に遜色ない価格で安定した脱炭素エネルギーが調達でき る地域への立地需要がより高まる。 ⚫ グローバルな中間層の拡大と、その余暇時間の充足先として、デジタル・情報財(コンテンツなど)と、 ⚫ デジタルでは実現できない体験価値(芸術的価値、生活、観光など)が進む。国や地域に固有の文 化を体験できる観光・インバウンドの価値が上昇し、移動コストの低下等と相まって、観光・インバウ ンド需要は、大きく高まる。 人手不足や都市と地方の格差(所得や機会)という社会課題に対し、都市への人口移動によって労 働力が不足する地域において、AI・ロボットをはじめとするテクノロジーが雇用を代替するとの懸念が 相対的に少ない中で次々に実装され、都市よりも発展するリープフロッグが生じる可能性がある。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 外資・内資、地域の内外、大企業、中堅・中小企業、地方発のスタートアップといった主体の属性を問 ⚫ わず、その地域の持つ価値を最大限引き出せる主体の関与を積極的に引き出し、受け入れられる 地域は発展する。 産業のプラットフォーム化が進む中にあっても、顧客接点(ラストワンマイル)では、その地域の特性 に応じて最適化されたサービスが提供される。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 現在の日本の地域における事業構造は、産業インフラの老朽化や不足、不十分な高付加価値化・ 価格転嫁、成長余力のある中堅・中小企業のリソース制約、構造的人手不足への対応、生活インフ ラの持続可能性確保といった課題を抱えている。こうした課題に対し、政策的対応も含めた官民での 取組によって、主要な部分を解決できれば、次のような事業構造となっている。 25 (良質な雇用の創出) ⚫ 産業立地のポテンシャルを有する地域は、国の支援も踏まえて、新興国・途上国より良い投資先とし ⚫ ⚫ て選択される。 その他の地域では、豊かな自然や生活、文化資源・スポーツを活用した観光・インバウンドの振興 や、地場の中堅・中小企業等によって良質な雇用が創出されていく。 企業は、構造的な労働供給制約に対し、良い商品・サービスを良い価格で販売し、高い付加価値を 得ていくことや、デジタルも活用した省力化等の取組で生産性を高め、高い賃金や個人のライフステ ージに応じた柔軟な働き方・福利厚生等で労働者をリテンションしなければならなくなる。雇用の質を 向上させる企業が、若い世代や女性を含む多様な人材を引き付ける。 (豊かな生活環境の創出) ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 自治体は、若い人々を引き付けるために魅力的な教育を行う。その中で、企業・個人からの寄付を 含めた人的・経済的支援を獲得し、地域の優良企業を支える価値創造人材が育成されるエコシステ ムが各地域に出現していく。 地域の産業インフラ、生活インフラ、生活関連サービスは、テクノロジー(デジタル、自動運転、ドロー ン等)を実装し、統合運用されることで、現在の仕組みでは維持困難な人口密度の低い地域でも、イ ンフラの効率性やサービスの生産性が維持可能になる。ただし、極端な過疎化が進み、個人・社会 の生活を支える公共サービスのコストが高まる可能性がある中、コンパクトな都市計画・土地利用は 有効な選択肢となり得る。 あわせて、生活関連サービス等の地域経済インフラを支え、地域文化の担い手といったコミュニティ の中核も担う小規模事業者は、事業を継続して地域を支え続けるとともに、事業の拡大を目指す意 欲的な小規模事業者も生まれていく。また、ビジネスの手法で地域の社会課題解決に取り組むロー カル・ゼブラ企業を創出するエコシステムが構築される。 このようにして、機能性を高めた多様な地域の拠点において、良質な雇用創出と生活インフラの維持 が両立される。 企業や地域が変革した結果、良質な雇用や豊かな生活環境を享受できる地域が創出され、そうした 地域に若い世代が定着し、彼らの結婚・子育てへの「希望」が回復することで、低下が続く希望出生 率が上昇に転換する。 26 3.産業全体の変化 ⚫ 本パートでは、主要ミッション毎のシナリオを統合的に踏まえ、同時並行で一体的に取り組む姿を描 き、総体として、世界各地、そして日本で、どのような新しい需要が生まれ、どのように産業構造が変 化(新陳代謝)するかという将来像を示す。 ポイント  製造業は「製造業X(エックス)」化し、GX・フロンティア技術による差別化や、DXやメンテナンス等 のサービス化等によって高付加価値化。  情報通信業・専門サービス業はフロンティア技術等による新需要開拓で新たな付加価値を創出。  エッセンシャルサービス業はインバウンド等の高付加価値化と、省力化・デジタル化で生産性向 上。 (1)世界全体の需要構造の変化 ⚫ 需要(=取引量×価格)は、人口動態ごとに以下のように変化を遂げている。 ⚫ 人口減少地域(日本・欧州・中国)は、人口減の中で、既にある商品サービスに関する需要は、過去 の延長をするだけでは減少するが、価格上昇に値する品質の向上や価値の訴求(良いものには値 がつく。取引継続の条件として価格交渉することを含む)を通じた需要増に加え、①社会課題解決や ②データドリブンによる価値創出、によって新たな需要が開拓される。 企業経営改革・国家政策を通じて、こうした需要増に対応できるビジネス環境の整備に成功した経 済圏においては、賃金上昇を通じた購買力向上によって、こうした追加的需要や新たな需要が成立 ⚫ する。ただし、人口増時代のモデルを継続し、変革のない経済圏は、購買力が伴わないために需要 減に向かう。 人口増加地域(米国や新興国・途上国)は、上述の同様の新たな需要開拓の動きに加え、人口増・ 購買力増に伴う取引量・単価の上昇による需要増を実現する。 ① 「社会課題解決」の価値化による需要創出(GX、経済安全保障、資源自律経済等) ⚫ 温暖化や安全保障といった社会課題は、そのリスクが発現する蓋然性・時間軸・合成の誤謬性から、 自然体では各個人・企業の顕在的な購買行動につながりにくい。需要とならないため、市場が生ま れず、供給が量・質ともに不十分のため、ニーズの顕在化につながらないという悪循環に陥る。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ このため、各国政府の政策の力で、これらの「社会課題解決(ミッション)」を人為的に顕在化させて 「価値化」し、市場や多様な供給主体・サービスを創出することで、真の需要の発現を加速させる。 例えば、GXは、「CO2フリー」を政策によって価値化する。外部性の占める割合が大きいため、政策 の有無や CO2フリー製品購入者となる巨大資本の意思によって CO2フリーが「価値」か「コスト」か、 鮮明になっている。その結果、グリーン市場と非グリーン市場のデカップリングが生じる。 また、経済安全保障は、「チョークポイントの価値上昇」と「冗長的・代替的ニーズ」が発生する。安全 保障リスクの高まりを受け、経済社会活動の持続性に影響が大きいチョークポイント(物資・製品・技 術・データ)の需要が増加し、価値が上昇する。危機時のリスクを低減するため、平時ではコストとな る冗長的なニーズや代替製品に対するニーズが高まり、需要の総量は増加する。 これら以外の資源自律経済等の社会課題解決も同様に、政策の力によって、需要が顕在化する。 27 ② データドリブンでの新たな価値の創出(DX) ⚫ 顧客から取得した様々なデータをベースにした新たな価値が提供されれば、各個人・企業の新たな 購買行動が生じる。 ➢ 提供価値のテイラーメイド化:商品・サービスの内容、価格、提供タイミング等を顧客のニーズに 最適化。例えば、運転データに基づく保険サービスの提供がある。 ➢ 潜在的な顧客ニーズの顕在化:顧客のデータを徹底分析することで、顧客自身が認識していな いニーズを掘り起こし。 ➢ 顧客のマスデータ分析による製品・サービスの高付加価値化。例えば、故障データを活用した耐 久性の高い新製品の開発がある。 ➢ 非構造化データの構造化/新データ創造による革新製品・サービス創出。例えば、疾患データ を教師データ(AI が機械学習に利用するデータ)とした AI 分析による新薬開発がある。 ⚫ ⚫ 時間的・空間的制約の緩和による新たな消費ニーズが創出される。デジタル技術のイノベーションに よって、これまで所与とされてきた生活や生産活動における時間的・空間的制約が緩和。この結果、 生まれる余暇を充実させる新たな消費ニーズが生まれる。例えば、(生成)AI によってルーティンワ ーク不要、自動運転によって移動時間がフリー化、VR・AR によって自宅にいながら臨場感の高い海 外生活の体験ができる。 人口減少地域・人手不足分野を中心に、徹底的な効率化・自動化に対する需要が増える。現在人が 介在することが前提となっている労働集約的なサービス産業や、自動化しきれていない一部製造業 等を中心に、デジタル化・ソフトウェアによる自動化に対する需要が著しく高まっている。 (2)世界全体の供給構造の変化 ① 企業の競争戦略の変化 ⚫ 「社会課題解決」の価値化(GX、経済安全保障)による競争戦略の変化の共通事項として、各国政 策の進展状況に左右される市場環境に対峙することとなる。このため、国毎の違い・不確実性が存 在することを前提とする中で、優位性を確保するための独自技術・ノウハウ・取引先の獲得、先行者 利益(データ蓄積を含む)を確保するための迅速かつ大規模な設備投資、想定外の変化にも対応で きる柔軟な企業経営・ビジネスモデルの構築を行える企業が、勝者総取り・寡占化が生じやすくなっ ている国際競争の中で、生き残れる。 ➢ GXの観点から、グリーン市場と非グリーン市場が世界全体で共存する中で、CO2フリーが価値 ⚫ ⚫ を持つ市場の広がりに応じた迅速なグリーン/非グリーンのスイッチ(アジャイル性)、デジタル も活用した CO2フリー価値の最適配分戦略、国際的に遜色のない価格での安定したグリーンエ ネルギーへのアクセスが、競争上の重要事項となる。 ➢ 経済安全保障の観点から、チョークポイントを握るプレーヤーは代替商品の脅威を除けば高い マージンを享受/チョークポイントに依存せざるを得ないプレーヤーは、いかにそのリスクを低減 するサプライチェーンを構築できるかが事業の持続性として鍵になる。 結果として、競争力確保に向けたグローバル・サプライチェーンの再編が行われる。GXを起点とし て、製品・市場のグリーン/非グリーンに応じた国内立地・海外現地生産の最適化が進む。経済安 全保障を起点として、リスク低減のための自国ないし有志国でのサプライチェーン再編が進む。 DXによる競争戦略の変化により、製品・サービス提供の時空間上の制約が緩和される影響もあり、 製造・非製造の別に関わらずあらゆる産業・バリューチェーンでグローバル競争がより激化、継続す 28 る。ネットワーク効果と相まって勝者総取り(Winner takes all)がより顕著になり、技術起因による勝者 入替えのスピードも加速する。 ➢ ➢ ➢ ➢ ⚫ 最終消費者ニーズの「データ」を押さえるプレーヤーに競争力がシフト。データを元にしたネット ワーク効果が、消費者の利益を高め、結果として提供者の自然独占を許容しやすい構造は継続 する。希少価値の高い顧客ニーズのデータをいかに押さえられるか、顧客接点の確保、プラット フォーマー化、サプライチェーン・バリューチェーンといった個社にとどまらないエコシステム構築 が重要になる。また、潜在ニーズがデータにより可視化され、追加的な価値提供が競争上重要 になることで産業バリューチェーンが融解・再編される。 データによる新たな価値提供は、下流(最終消費者)近辺のみならず産業バリューチェーンのあ らゆるレイヤーで発生する。 余暇充足をめぐり、デジタルをフル活用した製品・サービス、デジタルでは実現できない顧客体 験(高度なヒューマンタッチ、芸術的価値など)の2つの創出に関する競争が生じる。 労働集約的なサービス産業や、自動化しきれていない一部製造業等を中心に、デジタル化・ソフ トウェアによる徹底的な自動化の追求が進む。 また、経営資源を巡る獲得競争の激化が進む。企業経営が、従来の世界が共通化して競争するグ ローバル化というだけでなく、各国の事情・文化なども踏まえた多様性を考慮して競争することが求 められる。企業は、各国政策動向に左右される社会課題解決型の新需要を中心に、これまで以上に 地産地消を念頭にした経営を行う。その結果、データ、技術、知財、これらを創出する人材のグロー バルかつローカルな獲得競争が激化する。 ② 政府の産業政策の変化:強力な国内誘致政策の展開(グローバルな立地競争時代へ) ⚫ 先進国を含む各国政府が、地政学リスクの高まりや各国国民のニーズを背景として産業政策を行う ことで、高付加価値な産業・企業の国内誘致を展開することが前提となる。 ⚫ 国内外の企業は、企業が資本市場の期待に応えるため最適な機能アロケーションを採用する(=企 業が立地国・地域を選ぶ)ことになる。その立地選定にあたって、従来型のグローバル時代に評価し ていた税等の社会負担の条件だけでなく、各国で提供する補助金等政策支援、地政学的な位置、経 営資源へのアクセス(クリーンエネルギー、水、土地、高度人材、生活環境等)を総合的に比較する ことが当たり前となる。 ⚫ なお、各国政府が国内外の企業に魅力的な経営資源へのアクセスを提供するための政策を実施す るに当たっては、政策間の相互連携に留意する必要がある。例えば、DXの進展に伴い、増加する計 算需要に対応する計算基盤の強化が必要となるが、これには脱炭素電源の強化というGX側の対応 が同時に必要となる。 (3)新機軸の政策を通じた日本の産業構造の変化 ① 産業構造のシナリオの実現のために乗り越えるべき課題 ⚫ 現在の日本の事業環境は、アジャイルな中堅・中小企業、スタートアップの活躍、土地や工業用水、 クリーンエネルギー、計算資源等の産業インフラ、研究開発、経営等の人材、グローバル水準の経 ⚫ 営を行う企業への金融資本が不足しているという課題に直面している。 すなわち、本項で示す産業構造のシナリオは、日本がその実現基盤となる次の機能を獲得できれ ば、実現しうる。また、次の機能を調達できる事業領域でのみ、国際競争の中で、日本を本社とする 企業、日本という立地場所は生き残る。 29 ➢ ➢ ➢ ➢ ➢ ⚫ アジャイルな経営思想・能力:高度な付加価値を徹底して追求し、時代のニーズ・シーズに即応 して事業転換/創出や大規模投資を迅速に繰り返していく、柔軟で大胆な(アジャイルな)経営 思想・能力が多数の企業に備わっていること。 ※ これが実現できれば、結果として従来の企業規模・業績は相対化され、アジャイルな企業が 競争力を獲得し、新たなプレーヤーが日本経済の枢要を担う可能性が拡大していく。(変化 の主体たるアジャイルな中堅・中小企業、スタートアップの成長可能性が拡大していく。) その影響が、産業構造の組み直し、経営人材を含めた労働移動や金融資本の流動化にも 及んでいくこととなる。 高度人材及びその教育・社会システム:国際比較してトップクラスである研究、生産現場、マーケ ティング、上記の経営思想・能力を備えた経営人材(高度外国人材を含む)と、その育成と確保 に徹底的に投資する教育・社会システム。 高度な経営体制とガバナンス:高度な能力を有する経営者が果断な意思決定を行い、迅速に事 業を遂行できる仕組みと、それを支えるコーポレートガバナンスが多数の企業で実現しているこ と。(例えば、将来期待の醸成を通じた企業価値の向上に向けた長期のビジョンと、ビジョン実現 のための中期の経営計画の適切な融合、独立性・多様性も踏まえた実効性の高い取締役会の 実現、取締役会・指名委員会が行う経営者の再任・不再任の審議の実質化を通じた経営者任期 の適正化等。) ※ これが実現できれば、M&A を含む日本企業の成長投資も国内外で活性化する。特に、GX や経済安全保障などのミッション志向の産業政策と連動することで、国内での成長投資の 活性化が期待される。以上のような価値創造経営による持続的な企業価値の向上を通じ、 日本企業の PBR は向上することとなる。 高度な経営体制を背景とした大規模な金融資本:上述のような、特徴的な高付加価値事業で成 長していく、グローバル水準の経営を行う企業だからこそ獲得できる、グローバルで戦うための 将来投資の必要条件となる大規模な資金。 ※ 日本経済の世界シェアが低下する中では、「日本企業一般」を投資先のインデックスに組み 入れる投資家は低下する可能性もある。一方、上述のようなグローバル水準の経営を行う 企業は、ミクロに個別企業の成長可能性を観察して投資を行う投資家に見いだされ、大規 模な資金調達を実現できる。 必要な産業インフラ: 国際比較してトップクラスである利用可能な土地、水、クリーンエネルギ ー、コンピューティング資源など。 政策的対応も含めた官民での取組がなされず、上記のような機能を獲得できない場合、 ➢ 製造業は、過去 30 年と同様に物量・品質勝負を続けて、労働生産性は一定程度上昇するが、 雇用は増えない。 ➢ 情報通信業・専門サービス業は、過去 30 年の加速トレンドに沿って、サービス輸入が拡大し、労 働生産性向上が乏しく、雇用も減少する。 ➢ エッセンシャルサービス業は、過去 30 年と同様、省力化・デジタル化が不十分であり、人手不足 の中で生産性が低迷し、供給が需要に追い付かない。 ② 産業構造全体のシナリオ(総論) ⚫ 食料・資源・原料を輸入せざるをえない日本にとって、世界で、イノベーションで稼ぐのは宿命。世界 が求めているのは、人類が直面する社会課題の解決であり、課題先進国の日本はチャンスである。 30 ⚫ 日本企業は、日本経済が世界の中規模国となる中で、フルラインナップのものづくりネットワーク、生 活・文化・コンテンツの魅力、安定的な社会を実現してきた国民性といった強みを活かしていく。 ⚫ それにより、「製造業の製造業X(エックス)化」や「情報通信業・専門サービス業の成長産業化」によ り世界と勝負する。また先述の情報通信業・専門サービス業による省力化等を通した「エッセンシャ ルサービス業のアドバンスト・エッセンシャルサービス化」により生活を豊かにする挑戦に取り組む。 こうして、海外への輸出・投資をこれまで以上に拡大しつつ、世界中で稼いだ利益を国内に還流させ て活用するのに見合うような、ソフトウェアや研究開発を含む国内投資・賃上げ・イノベーションを継 続的に拡大する。 ➢ 人口に比例して特に若者を中心に国内の顧客数は減少するため、既存事業で価格競争を継続 するだけでは成長を見込めないが、ソフトウェアや研究開発を含む持続的な国内投資拡大・イノ ベーション加速・所得向上を背景として、新たな付加価値の提供による客単価の上昇や新たな ⚫ ➢ ➢ ⚫ ⚫ ⚫ 事業領域の開拓と、海外市場における顧客数の増加(輸出増等)によって、成長する。 デジタル分野で世界を席巻している米国企業と同じ領域では競争せず、高度成長期に培った製 造業が、海外投資が進展してもなお国内にフルラインナップでそろっているという強みを活かし、 グリーン技術、製造分野における非構造データの構造化、ユニーク領域でのユーザーデータ分 析・価値提供サイクルを確立する。 また、コロナ期に様々な分野で導入が遅れていることが顕在化したデジタル化は、中小企業も含 め、少なくとも既に他国・企業で進んでいるものを取り組むような形でキャッチアップ的に進展す ることとなる。デジタルを使わずとも丁寧な人的対応で処理ができていたという優れた人材と、先 行者であるがゆえの試行錯誤が不要であることを踏まえると、他国よりも円滑にデジタル活用が 可能となる。 成長可能性があり、変化の主体たる中堅・中小企業、スタートアップの重要性が高まるとともに、こう した変化の主体が刺激となり、大企業の変革も促す。 物理的な領域で定義される日本経済は、人口減少地域の1つとして、「人口増が牽引する需要総量 の強さ」ではない、生み出される価値の高さを魅力として、国内外の企業の誘致・投資、個人消費を 生み出すことになる。 ➢ 既存事業で国内市場が縮小する分野でも、少子高齢化に基づく構造的人手不足の下では労働 供給の縮小のほうが早いため、省力化投資などを通じて供給力不足を補い需要獲得を着実に 行えば、縮小する市場規模でも労働生産性は上昇する。個人消費の構成は、長寿命化に伴い、 高齢者(特に女性)が増加する。 政府は、こうした観点から国の戦略投資として国内外の企業に「日本」が投資先として選ばれる産業 政策を継続する。 ③ 産業構造全体のシナリオ ⚫ ここから、日本の産業構造の変化を、「製造業の製造業X(エックス)化」や「情報通信業・専門サービ ス業の成長産業化」、「エッセンシャルサービス業のアドバンスト・エッセンシャルサービス化」に分け て描写する。 i. 「製造業の製造業X(エックス)化」 ⚫ 「製造業 X(エックス)」とは、GX(グリーンによる社会のトランスフォーメーション)や DX(デジタルに よる社会のトランスフォーメーション)と同様に、社会をトランスフォーメーションする製造業という進 化した絵姿を意味する。製品自体の高付加価値化に加えて、革新的な技術を生産工程段階や最 31 終製品段階へ導入することや、製品売りではなくサービス売りにすること、また、メンテナンスなどの アフターサービスの充実化といったビジネスモデルの革新を図るなど、様々な形で変革した製造業 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ が、社会そのものを変革することを表し、少なくとも、従来の技術・事業構造のまま規模を拡張した り、品質を向上させたりすることだけの進化ではないことを表す。このように、製造業は、GX・フロン ティア技術による差別化や、DXやメンテナンス等によるサービス化等によって、物量・品質勝負だ けでない需要創出による高付加価値化で世界と勝負する。 後述の海外・国内の先行議論に限らず、国内外で様々な前提の下で、様々な製造業の変革が議論 されているが、共通しているのは、今後の製造業が従来構造のままではない形で発展していくこと が見通されていることである。こうした多岐にわたる議論を踏まえ、より広範に、社会を変革しうる主 体となっていくことを総称して「製造業 X(エックス)」と表現することとした。なお、こうした変革に加 え、例えば人手不足への対応や、経済安全保障の確保など、製造業を巡る課題は多様化している ことにも留意が必要。 海外の先行議論例を挙げると、世界経済フォーラムが、2023 年 10 月にアドバンスト・マニュファク チャリングというブリーフィング・ペーパーを策定している。ここでは、18 世紀の機械化、19 世紀の 大量生産、20 世紀の標準化・自動化と並ぶ現代の変革と位置づけ、強靱性・効率性・持続性・人間 性・革新性の観点から影響を与えるものとして、事例を交えて議論されている。 加えて、ドイツでは、Manufacturing-X というプロジェクトが存在する。ドイツのインダストリー4.0 推進 機関である Plattform Industrie 4.0 内の Steering Committee Manufacturing-X が、製造業のデータ 連携基盤を構築するためのプロジェクトとして主導している。名称に類似性があるものの、データ連 携基盤に閉じた議論であるため、幅広い高付加価値化を内包する「製造業 X(エックス)」よりも限定 的なものと言える。 また、国内の先行議論例としては、経済産業省製造産業局が新エネルギー・産業技術総合開発機 構(以降、NEDO)と連携して、2024 年に策定しているスマートマニュファクチャリング構築ガイドライ ンが挙げられる。ここでは、製造業のDXは論点が多岐にわたるため手をこまねいている企業が多 いことを踏まえ、ものづくりの全体プロセス(マニュファクチャリングチェーン=エンジニアリング、サ プライ、プロダクション、サービス各々のチェーン)をデジタル技術を用いて最適化するためのリファ レンスを提供している。 なお、製造業X(エックス)化の結果もたらされる生産額・輸出額の拡大は、既存の製品分類のシェ ア拡大に限らず、新たな需要に対する新しい製品・サービスとして取引されることで、高付加価値化 されることが想定される。こうした取引では、従来のモノとしての取引と、サービスとしての取引は切 れ目無く融合されて取引されることが多く 、産業分類の大分類として「情報通信業」「専門サービ ス」に計上されてもおかしくないようなサービスも、産業分類の大分類である「製造業」のアウトプット に含まれる。核となる製造品を起点としつつも、当該製品が所属する大分類・中分類といった既存 業種の枠組みを超えて、サービスも含めた多種多様な取引が、製造業において今後より一層広が っていく(=製造業X(エックス))。 雇用は情報処理技術者等が増加するが、生産工程従事者はほぼ横ばいなど、製造業の高付加価 値化に伴い構成が変化し、製造業全体では雇用は増加する。 ii. 「情報通信業・専門サービス業等の成長産業化」 ⚫ 情報通信業や専門サービス業は、フロンティア技術等により、製造業での高付加価値化やサービ ス業での省力化等における新需要開拓で新たな付加価値を生み出し、生産額・輸出額を拡大させ るが、各産業への中間投入に必要な輸入も増加するため、付加価値の増加は大きくは生じない。 32 ⚫ ⚫ ⚫ 専門サービス業は、「その他の対事業所サービス」 を中心に、新需要開拓で新たな付加価値で需 要を生み出し、付加価値創出において必要となるハードウェアは半導体を含む電子部品・デバイス の需要を生み出す。半導体に関しては、ハードウェアだけでなくDXによるサービス化等により世界 と勝負し、生産額・輸出額を拡大させる。 雇用は情報処理技術者等の質が向上するなど構成が変化し、他産業を上回る賃金水準となる。 財・サービスの輸出として情報通信(コンテンツを含む)・専門サービス・半導体が拡大する。 iii. ⚫ 「エッセンシャルサービス業のアドバンスト・エッセンシャルサービス化」 エッセンシャルサービス業は、個人消費による内需拡大の主要部分を担い、インバウンド等の高付 加価値化とともに、省力化・デジタル化により労働生産性が向上し、労働投入は減少しつつも、賃金 は他産業に追いつくように上昇する。 ⚫ 雇用は、情報処理技術者等が増加するなど省力化・デジタル化を使いこなすアドバンスト・エッセンシ ャルワーカーという形で、中間層の受け皿となる。 33 4.既存の個別産業の変化 ⚫ 本文書では、新機軸の政策の延長線上として将来見通しを描くことを前提としているため、将来存在 ⚫ ⚫ しうる産業分類を基に構想するのではなく、足下の産業分類を基に個別産業の将来見通しを示す。 その上で、個別産業は、①5ミッション(GX、DX、経済安保・グローバル、健康・地域の包摂的成長 (少子高齢化・人口減少))の影響を受ける産業、②足下(2020 年)と将来(2040 年頃)の GDP や就 業構造に占める割合の上位の産業、③経済産業省がリーチできる産業、という3つの観点を踏まえ て選定した。 なお、2040 年頃には、個々の産業で示されているように、製造業から派生した付加価値のあるサー ビスの進展など、足下の産業分類では分類されない、「その他のサービス業」が増えるなど、産業分 類や産業間の波及関係が変わっていく可能性がある。 (1)半導体・計算資源 ポイント  DX・GXの進展により、世界全体で半導体・計算資源の需要が増大するとともに、性能向上が求め られる。  経済安全保障の観点から、引き続き半導体サプライチェーンの強靱化が求められる。そのために は、大規模投資の継続や研究開発・技術流出防止措置等を通じた技術的優位性の確保など、半 導体の種別に応じた対応が必要。  生成 AI などのイノベーションツールが幅広く経済社会で活用されるようになり、その開発・利活用 のための計算資源やデータ整備が鍵となる。  こうした半導体生産拠点・計算資源の整備に向け、人材育成等を進めていく必要がある。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 半導体は、(短期的にはシリコンサイクルの影響で需要が変動するものの)DX、GXの影響を受け、 中長期トレンドとしては需要が伸び続ける。 ⚫ 生成 AI は、経済社会システムのあらゆる分野において利活用が急速に進み、クラウドと同様に重要 な社会インフラの一つを形成している。これに伴い、生成 AI の開発や利活用に不可欠な計算資源と データ整備の重要性はさらに高まるとともに、需要が拡大する。 ⚫ DXに関連して、現在半導体が組み込まれていない製品にも半導体が組み込まれていくとともに、現 ⚫ 在半導体が組み込まれている製品でも、その個数の増大や性能の向上が進む。さらには、そうした エッジ端末から送られてきたデータを処理するクラウド側でも、情報処理量が爆発的に増大。大量か つ高速な情報処理を行うデジタル基盤として半導体・計算資源の需要が拡大するとともに、量子等 の新たな手法を用いた計算資源の技術革新も進展していく。 GXを背景として、電気自動車等のグリーン関連製品の制御に必要な半導体需要が増加。加えて、D X・AI の進展で増加する電力需要を抑えるため、エネルギー効率を改善させる半導体の性能向上が 求められ、高付加価値な製品の需要が増加する。特に、汎用品ではなく、電力消費効率の高い、ユ ーザー・用途ごとに特化して設計された専用半導体(ASIC:エーシック)に対するニーズが高まる。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 半導体は、2040 年頃においても脅威・リスクに対する経済安全保障上の対応が必要となるところ、 経済安全保障の観点から、自国内で供給体制を構築するか、有志国・地域間での連携により、供給 体制の自立性を確保する。 34 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ AI 等に必要な先端ロジック半導体については、研究開発及び製造に係る設備投資額が巨額にのぼ るため、世界市場を固定された数社が寡占。また、そうした半導体の設計についても、設計開発に必 要な金額が増大し、資金力又は技術力のある限られたユーザー等が担う。 データ記憶に使う先端メモリ半導体は、継続的な設備投資・研究開発を行い、大容量化や低消費電 力化等を継続的に実現できる企業が競争力を得る。 一方で、前工程においては、ムーアの法則に則った微細化や積層化が限界を迎え、後工程の重要 性が高まる。特に、同一チップ上に異なる機能を持つ半導体を集約し、効率よく連動させる先端パッ ケージ技術が不可欠な技術となる。高度な素材・実装技術等の開発を行う企業が付加価値を獲得す るとともに、経済安全保障の観点から、先端パッケージの製造基盤確保の重要性が高まる。 同時に、光電融合技術やメモリセントリックコンピューティングなど、革新的な技術が実装されてい る。 電力の変換等を担うパワー半導体は、酸化ガリウムやダイヤモンド等新たな高機能素材を用いたハ イエンド品については、研究開発力が市場シェアを握る鍵に。低価格・汎用的なローエンド品につい ては、中国やグローバルサウスが市場シェアを伸長させる一方、用途に応じて市場セグメントが細分 化され、多数のニッチ企業が存在。 半導体製造装置・部素材は、半導体そのものの市場成長に伴って市場が大きく成長。加えて、上記 の半導体市場の変化や国際環境の変化に合わせて、プレーヤーも変化する。 計算資源は、生成 AI などのイノベーションツールが、幅広く経済社会で利活用されることなどによ る、大量かつ高速な情報処理を行うデジタル基盤の需要が拡大することを踏まえ、AI 用の計算資源 (開発用、推論用)を中心に、国内整備や、省電力化・高効率化を見据えた計算資源の研究開発も拡 大していくことが見込まれる。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 1980 年代に世界シェア1位を誇った日本の半導体産業は、その後大きくシェアを落とした。このた め、半導体産業の復活及び経済安全保障の観点からのサプライチェーン強靱化に向けて、大胆か つ迅速な設備投資や研究開発投資に対する支援策を実施しており、今後も投資を促進することがで きれば、下記の(製品供給体制)に記載する事業構造となっていく。 ⚫ なお、半導体のサプライチェーンを一国のみでまかなうことはきわめて困難であることから、半導体 の安定供給確保等に向けて、有志国・地域との連携を図ることが重要である点に留意が必要。 ⚫ ⚫ ⚫ また、生成 AI については、生産性向上や人手不足の解消など様々な社会課題の解決や社会の発 展に向けたキーテクノロジーとして、経済社会システムの様々な業種・分野で、その利活用が進むと ともに、クラウドと同様に重要な社会インフラの一つとして捉えられることになる。このため、生成 AI の国内開発力強化、利活用促進に向けて、これまでにないスピード感で設備投資や研究開発投資、 開発環境整備等に対する支援策を実施しており、今後も投資を促進することができれば、国内発の AI モデルのシェアが拡大していくとともに、社会インフラの安定供給を確保することができている。 (製品供給体制) 日本は、破壊的技術革新が進む分野や技術的に優位にある分野の研究開発を進めるとともに、有 志国・地域との協業によりコア技術の流出を防ぐことで、その他の国・地域に対する技術優位性を継 続的に確保することで、高付加価値製品を海外に輸出する。 経済安全保障の観点からは、サプライチェーン上のミッシングピースを埋めるべく、国内生産拠点整 備を行いつつ、特定の国・地域への過剰依存構造を防止・是正する。 35 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 先端ロジック半導体は、ノード別にそれぞれ国内において一定の生産能力を確保する。特に、持続 的なファイナンスや政府によるガバナンス・技術流出防止措置を講じることを前提に、次世代半導体 (2nm、Beyond2nm)の国内での量産化により、世界市場の中で一定のシェアを確保する。また、国 内ユーザー企業等において、ASIC 等の設計開発が進み、国内におけるファブレスとファウンドリの 好循環が成立する。 先端メモリ半導体は、NAND・DRAM ともに、研究開発と設備投資を継続し、高速・小型・省電力な製 品で一定のシェアを確保する。さらに、先端ロジック半導体に必須となる混載メモリや次世代メモリな どの技術開発が進み、実用化し、量産化に至る。 また、光電融合技術やメモリセントリックコンピューティングなど、ゲームチェンジングな革新的技術の 開発が進み、実用化に至る。 先端パッケージ技術は、光チップレット、アナデジ混載 SoC(システムオンチップ)の技術開発が進 み、実用化に至るとともに、これら技術を活用した国内生産拠点の整備が進む。 産業用スペシャリティ半導体のうち、パワー半導体については、酸化ガリウムやダイヤモンド等新た な高機能素材を用いたハイエンド品の技術開発が進み、実用化に至る。加えて、こうした新たな技術 も軸としつつ、日本全体として競争力を高める。その他のローエンドなパワー半導体やマイコンにつ いては、特定の国・地域への過剰依存構造を防止・是正する。アナログ半導体については、用途に 応じて細分化された市場セグメントにおいて、ニッチ戦略を採用し、複数のグローバルニッチトップ企 業が存在。 半導体製造装置・部素材は、破壊的技術革新が進む分野や技術的に優位にある分野の研究開発 を進めるとともに、有志国・地域との協業によりコア技術の流出を防ぐことで、その他の国・地域に対 する技術優位性を継続的に確保することで、高付加価値製品を海外に輸出する。 生成 AI モデルは、モデルの研究開発を進めるとともに、開発や利活用に不可欠な計算資源やデー タの整備を進めていくことで、国内発の多様なモデルが様々な業種や分野、地域で活用されることで (日本企業のシェアを高める)、モデルの高度化にもつながっていく。また、AI の利活用が進むことに よって、更なる計算資源の高度化(高効率化・省電力化)に向けた研究開発が行われる。このサイク ルによって、利活用側と計算資源の供給側でのエコシステムが構築されていく。 (供給体制の制約要因) ⚫ 人口減少社会において、大規模な半導体投資プロジェクトを進めるに当たって、上下水道・道路等の ⚫ ⚫ インフラ整備が課題となるため、地方自治体とも連携して整備を進める。 半導体人材の不足も課題。製造現場における人材については、地域の特性に合わせた地域単位で の産学官連携により、パイの拡大を図る。加えて、次世代半導体の設計や研究開発等を担う高度人 材についても、海外の知見を取り入れながら育成を図るとともに、有志国・地域との連携を進める。 加えて、ソフトウェア人材の不足も課題。今後の企業DXを進めるうえでも必要不可欠であるソフトウ ェア人材については、世界規模で人材が常態的に不足しており、人材の獲得競争が激化している。 そのため、日本においてもデジタル人材育成に積極的に取り組み、社会人のリスキリングや大学・高 専におけるデジタル人材育成機能の強化などを通じて、産官学でパイの拡大を図る。加えて、個々 のソフトウェア人材の労働生産性向上も課題。生成 AI などの先端技術を活用しながら、一人当たり の労働生産性を向上させ、高付加価値なサービスの創出に取り組んでいく。 36 (2)自動車・モビリティ ポイント     CASE の潮流が進展し、自動車分野においてGX(電動化/燃料の脱炭素化)とDX(デジタル化) が進む。 電動化が進む。一方で、それぞれの地域の電動車のニーズ等は様々であることから、その進度は 地域・国ごとに異なり、引き続き相当程度の内燃機関車の需要が見込まれる。 水素インフラの構築に合わせて大型車等を中心に FCV の普及が進むとともに、脱炭素燃料の技 術革新が進展し、カーボンニュートラルな形での内燃機関の活用が進む。 クルマのデジタル化が進展し、SDV(Software Defined Vehicle)の社会実装が進むことにより、自 動車の作り方・使われ方が多様化する。これに伴い、自動車の付加価値が、車体の性能のみなら ず、移動体験など消費者との接点を通じたサービス(いわゆる MaaS)からも創出される。 <世界全体の需要構造の変化> (GX) ⚫ カーボンニュートラルの実現に向けて、世界市場において乗用車を中心に電動化が進む一方で、そ れぞれの地域の電動車のニーズ、エネルギー事情等は様々であることから、その進展は欧州、米 ⚫ ⚫ ⚫ 国、中国、ASEAN などグローバルサウスの地域・国ごとに異なる。 加えて、インフラ整備の普及の進度の違いもあり、途上国や非都市圏を中心に、引き続き相当程度 の内燃機関車の需要が見込まれる。 その結果、世界全体でのストックベースでは相当数の内燃機関車が残る。 水素インフラの構築に合わせて大型車等を中心に FCV の普及が進むとともに、脱炭素燃料の技術 革新が進展し、カーボンニュートラルな形での内燃機関の活用が進む。燃料の脱炭素へ転換に伴う ユーザー負担の増加に対する対応が課題に。 (DX) ⚫ 自動車の保有の在り方(「保有から利用へ」)や消費の在り方(「ハードからソフト・サービス・コンテン ツへ」)の変容が進む中で、クルマのデジタル化(SDV(Software Defined Vehicle)化)が、ユーザーの 多様なニーズや社会課題の解決のための用途を生み出し、モビリティ分野の新たなビジネスチャン スが連続的に創出される。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 販売後の消費者との接点を通じパーソナライズしたサービスへの多種多様なニーズが生まれる。 ユーザーは、自動運転技術の高度化に伴い、運転から解放され、どう移動するか、移動時間をどう 過ごすかといった点に主眼を置き、移動体験に付随したサービスを求める。 デジタル化・自動運転技術による省力化・効率化を通じて、人口減少等に伴い生ずる社会課題の解 決に資するモビリティへのニーズが高まる。特に地方における人流・物流におけるスマートモビリティ のニーズが高まる。 世界の経済成長やこうしたモビリティの社会における意義・魅力の高まりにより、自動車そのものの 需要は増加する。 <世界全体の供給構造の変化> (GX) ⚫ 日本の自動車メーカーは、EV においても供給体制を国内外に確立する。特にグリーンが市場参入 の前提となる市場への対応が先行的に進む。 37 ⚫ 内燃機関車が全体に占める割合は減少するため、ストックで残る車両への部品供給等も含めたサプ ライチェーンの合理化が進む。 ⚫ 企業の生産拠点の立地の経営判断では、規制・振興両面の各国の政策を勘案の上、クリーンエネ ルギーの安定供給性や経済合理性の観点が重視される。 走行時のみならずライフサイクル全体における CO2排出量削減の観点から、グローバル・サプライ チェーン全体の CO2マネジメントの仕組みが構築される。 自動車の部素材の効率的回収や蓄電池のリサイクルの仕組みなど静脈産業が拡大し、自動車分野 の循環経済のエコシステムが構築される。 ⚫ ⚫ (DX) ⚫ クルマの SDV 化の進展に伴い、自動車が創出する付加価値の源泉においてソフトウェアが高い割 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 合を占めるようになる。 移動に関するデータ利活用や OTA 機能を通じて、自動車・モビリティのバリューチェーンが拡張し、 他産業のプレーヤーの自動車・モビリティ分野への参入が進むとともに、自動車メーカーによる他の ビジネス分野への越境・展開が進む。 労働人口の減少への対応に伴い、生産工程の統合(例:ギガキャスト)や刷新(例:自走ライン)など の自動化・省力化が進む。 データや生成 AI の活用により車両開発が効率化し、ソフトのみならずハード面の研究開発のサイク ルが高速化する。 SDV の一つの要素である自動運転技術は、MaaS のユースケースを切り拓く手段として、例えば移 動時間中の制約からの解放のための技術要素として、革新・高度化が加速的に進む。 上述の付加価値の源泉の変化に伴い、設計から開発、メンテナンスに至るまで、ソフトウェア人材の 育成・獲得の重要性が高まる。他産業でもニーズが高いため、人材獲得競争は熾烈になる。 <日本の事業構造の変化> ⚫ GX・DX双方でビジネスの多様化・高度化が進む中で、日本の自動車関連企業は、各社の戦略にお いてターゲットとする市場やセグメントにおいてそれぞれの強みを生かすことで、世界のモビリティ産 業における競争の第一線で活躍する。 ⚫ デジタル化により販売後までバリューチェーンが拡張する中で、各社は、各々の CX などのビジネス ⚫ ⚫ ⚫ モデルの変革を通じて、必要なコア技術を獲得することで、競争力の源泉を多角化し、多様な稼ぎ方 を実現する。 競争力確保に向けたサプライチェーン戦略は企業によって垂直統合ないし水平分業が選択されるこ ととなり、その過程において、他産業やスタートアップ企業を含む多様なプレーヤーが参入し企業間 連携等が進むことで、自動車・モビリティ産業の競争が激化する。 垂直統合モデルにおいては、電池や半導体などの戦略的な物資について必要な規模の投資を行う ことによって、自動車産業全体として、国際競争で勝ち抜くことができる。 資源やサプライチェーンの偏在、地政学の影響等への適切な対応を講じていく中、競争力の高い車 種、重要部品等の国内生産に資する事業環境整備の充実や、充電インフラの普及により、日本は、 多様なニーズの創出による国内市場規模を維持するとともに、拡大する世界市場において、EV にお いても輸出拠点としての地位を確保する。 38 (3)蓄電池 ポイント   蓄電池は、コモディティ化が進み価格競争になる製品と、技術優位等が確保されて高い付加価値 を提供する製品に、二極化する。後者には、蓄電池の安全性や持続可能性など、最終製品のニー ズ・要求性能に合わせた価値も含まれる。 経済安全保障の観点から、機微技術の流出防止が徹底されるとともに、国内のインフラを支える 蓄電池は国内拠点での製造が進む。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 蓄電池は、車載用、定置用ともに世界的に需要が拡大する。 ⚫ 車載用蓄電池の需要は、世界的な CN の取組の進展に伴う EV 市場の拡大を受け、増加する。 ⚫ 定置用蓄電池の需要は、世界的な CN の取組を受けて、家庭や工場で再生可能エネルギーの導入 に伴う自家消費の増加や、データセンター等の重要施設のバックアップ電源としての利用を目的とし て、増加する。定置用のうち、系統用蓄電池の需要は、再生可能エネルギーの利用が拡大すること に伴い、電力系統の安定化に資する調整力として、増加する。定置用蓄電池と同様に、車載用蓄電 池も、調整力として使われる。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 蓄電池は、研究開発の進展により、①コモディティ化が進み、価格競争になる製品と、②技術優位等 が確保されて高い付加価値を提供する製品に、二極化する。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 車載用蓄電池は、政策的支援を受けて、供給力の拡大や研究開発が進む。液系リチウムイオン電 池がコモディティ化するとともに、LFP 等の低価格な電池の性能が向上し、世界的な価格競争が激 化する。全固体電池は、研究開発により実用化され、供給が進む。さらにその次の世代の電池とし て、エネルギー密度のさらなる向上や、資源制約やコストの低減といった観点から研究開発が進めら れる。 定置用蓄電池は、供給力の拡大や研究開発により、コモディティ化が進むため、価格競争になる。そ の一方で、最終製品のニーズ・要求性能に合わせて、リチウムイオン電池に限らず多様な蓄電池の 導入が進むとともに、価格のみならず、蓄電池の安全性や持続可能性といった観点を評価する動き も進む。 また、車載用、定置用蓄電池ともに、先進国を中心とした環境規制を背景に、CO2の追跡や人権・環 境への配慮が求められる。並行して、国際的な算定ルールや第三者検証の仕組みが構築される。 企業はデータ連携基盤の活用により、関係業界と連携しながら、蓄電池のサプライチェーン全体での CO2排出量や人権・環境への配慮状況等を把握する。 さらに、車載用、定置用蓄電池ともに、原材料の鉱物資源が特定の国への集中や高騰化を背景とし て、鉱物資源・材料の確保が供給力に必要な要素となる。企業は上流資源の権益の確保に加えて、 蓄電池のリサイクルシステムの構築・リサイクル技術の向上に注力する。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 日本企業は技術優位で液系リチウムイオン電池の初期市場を確保したが、外国企業が政府支援も 背景に急速に供給を拡大し、関連産業・企業に対する誘致・投資競争が激化する中で、シェアは低 下傾向にあった。液系リチウムイオン電池市場が当面続くことが見込まれ、このままでは日本企業が 疲弊して市場から撤退し、蓄電池を海外に頼らざるを得ない状況になる流れであった。このため、我 39 が国が競争力を持った形で蓄電池製造サプライチェーンを強靱化するために、蓄電池・部素材・製造 装置に対する大規模な設備投資・生産技術開発支援やグローバルアライアンスの形成、次世代技 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 術の開発、人材育成支援等を実施。今後も官民が一丸となって蓄電池産業の競争力強化を進める ことができれば、企業による設備投資が進み、蓄電池産業戦略(2022 年8月)で策定した目標(2030 年までに国内の製造基盤 150GWh/年、グローバルの製造能力 600GWh/年の確保)を達成するな ど、必要な蓄電池の供給力を確保する。さらに、全固体電池は技術優位な製品であるため、経済安 全保障の観点から、機微技術の流出を防ぎつつ、国際市場において高い付加価値を獲得する。 車載用蓄電池は、DXを活用したデータ連携基盤により、蓄電池のサプライチェーン全体での CO2排 出量や人権・環境への配慮状況等をグローバルに管理する仕組みを構築することで、国際市場にお いて競争力を維持・向上させる。 定置用蓄電池は、特に、系統用蓄電池や、データセンター等の重要インフラのバックアップ電源用蓄 電池について、経済安全保障の観点から、国内で使用されるものは国内拠点での製造が進む。 これらの蓄電池の製造装置メーカーは、コスト・納期等の観点から競争力を高めるため、アライアン スの構築等による企業間の連携が進み、生産規模を拡大する。 また、蓄電池に用いる重要鉱物は、経済安全保障や資源循環の観点から重要であるため、上流資 源の権益を確保する取組に加え、調達先の多角化や製錬工程の国内基盤の確立、蓄電池の回収を 効率的に行う技術や仕組みの導入が進む。 こうした蓄電池関連産業が発展する中、産業集積が進んだ地域では、産官学がより密接に連携して 成長のボトルネック解消に努めることで、産業競争力を強化する。 また、蓄電池の製造能力を確保するため、バッテリー人材の育成・確保の重要性が高まり、研究から 現場まで蓄電池に係る人材全体の底上げが進む。 40 (4)産業機械・ロボット ポイント     工作機械や建設機械、産業用ロボット等の需要は経済成長とともに伸び続ける。カーボンニュート ラルへの移行や、国内労働力不足を補うための省力化投資が新たな価値となる一方、地政学的 な緊張の中で、経済安全保障の枠組み等に基づくサプライチェーン増強が進む。 ロボットでは、新規ユーザー市場の拡大が進む中、領域の分離が進み、データに基づく生産工程 の最適化を行うツールとしての役割が拡大する。ロボット SIer 不足に対応した開発が加速する。 AI 技術やセンシング技術を持つベンダーやスタートアップとの協業が増加し、工場全体を最適化 するための機器間データ収集・標準化や、中堅中小製造業のビジネスモデル変革が進む。 サービスロボットの市場が大きく拡大し、これらの効率的な制御等を実現するため、AI 等のソフト ウェア技術に強みを持つ企業の参入が加速する。 (産業機械・産業用ロボット) <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 2040 年頃においても引き続き世界における工作機械、建設機械、空調機器、計測・分析機器とい った産業機械や産業用ロボットの需要は経済成長と共に伸び続け、海外需要の獲得を企図したこ れらメーカーのグローバル進出が加速する。 ⚫ カーボンニュートラルへの移行に対応したGX機器のニーズの高まりにより、建設機械のGX化 (EV、合成燃料、水素)や、水素・アンモニアの利活用に対応した重電機器(ガスタービン等)の導 入が国内のみならずグローバルに進む。加えてグローバルサウスに代表されるアジア・アフリカ地 域では、省エネ性能の優れた日本の空調機器(ヒートポンプやボイラ)、モータやコンプレッサ等の 汎用産業機械の普及が進み、こうした機器単体での市場の広がりとともに、消費者ニーズを捉え たデジタル対応の進展に伴う価値源泉のシフト(サービス化)に対応した企業が市場で優位性を 持ち続ける。 ⚫ 国内に目を転じれば、2040 年頃には現在より労働生産人口が約2割減少する中、人材獲得競争 が激化し、人を雇って製品を造ることは困難となるため、各製造業においては、産業用ロボット等 をはじめとする省力化投資により生産性を向上させ、賃金上昇などの従業員への待遇改善を行 わなければ生き残れないとの危機感が高まり、人口減少に伴う労働力不足を補うための産業機 械・産業用ロボットの需要が拡大する。これを受けて、あらゆる業種の省力化に対応することが可 能なロボットシステムへのニーズも高まり、生産や品質管理等の様々なデータを活用した機器間 連携や新たな生産システムの開発を加速化させるプラットフォームの構築が進む。 ⚫ ロボットに関しては、大手自動車メーカーや半導体メーカーといった既存のユーザー市場のみなら ず、中堅中小企業や食品製造業者など新規ユーザーによる市場が拡大する。前者の市場では、 現在ではロボット化が困難な作業(例えば、ワイヤーハーネスの配線・組立作業)において、高度 な AI 技術やハンドリング技術の確立により自動作業化が実現し、後者の市場では、ロボット自体 の高い精度よりも、圧倒的にユーザーフレンドリー(例えば、導入がしやすく、オペレーションが手 軽)なロボットシステムであることへとユーザー価値がシフトする。加えて、ロボットに対しては、単 に自動化・省力化を実現する装置からロボットやその周辺機器等から得られるデータを活用した DX化ツールという価値が重視される。 41 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 他方、地政学的な緊張が今後も続き、各メーカーにおいてはサプライチェーン上の脆弱性や潜在 的なリスクを軽減する必要性が高まっている。このため、経済安全保障の枠組み等により、安定 供給に向けた生産能力強化、研究開発が官民一体で行われ、高性能工作機械や産業用ロボット において、精度や品質に関わるコア部品や技術の国内サプライチェーンの増強、適切な技術情報 管理等が進み、競争上の優位と自律性が維持され続ける。 ⚫ 海外市場の獲得を企図して企業の経営がグローバルになるにつれ、地域・事業・人材の多角化 や、投資家や需要家によるGXや ESG、持続可能性、供給信頼性といった新たな価値軸に対応し た経営が求められる。また、グローバルサウスにおいては、例えば空調機器等において製造時や 保守時のルール形成や人材育成等の取組を官民一体で行うことで、現地進出が一層促され、日 本の製品のシェアがますます高まっていく。 ⚫ ロボットに関しては、生産現場における高い生産性を可能とするため、伝統的な競争軸である精 度・耐久性・安定性を徹底追求する領域に加えて、世界のあらゆる生産拠点において生産の早期 化を可能とし、熟練者でなくても操作が可能となるロボットシステムが求められることから、設計導 入の容易さや使い勝手に重きを置く領域が生まれる。業界企業間または企業内においては、両 者の棲み分けが顕著になっていく。 ⚫ 競争軸が相対的に変化していく中で、産業機械・ロボットの提供価値に関して、現場から収集され るデータに基づいた生産ラインの最適化や工場全体の高効率化のためのツールとしての役割が 大きくなる。 ⚫ また、需要が爆発的に拡大する中で、ロボット SIer が不足し、SI 人材の獲得競争が激化するとと もに、SI コスト(工数)を低減するためのロボットシステムや SI 技術の開発が加速する。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 国内人材不足に対応した圧倒的な省力化投資(ロボット、工作機械等)が進む。爆発的な省力化 投資増に対応するために、個別最適の一品モノのロボットシステムを作り上げる技術よりも、横展 開が容易で、汎用的・拡張性を向上させたロボットシステムの開発が進む。 ⚫ 産業機械・ロボットによる省力化投資と並行して、付加価値の源泉は、工場全体を一元的にシス テムとして設計でき、最適化できることに移る。具体的には、各機器の稼働データや動作データを 効率的に収集して、歩留まりの向上や機器の予知保全、製品の不良検知やトレーサビリティの確 保、ワークやラインの変更に即時対応できるフレキシビリティといった生産システムの最適化・高 度化が提供価値となる。 ⚫ 加えて、生産システムの最適化・高度化のみならず、製品の設計から、製造、検査、出荷までの すべての工程の最適化・高度化を可能とするハイパフォーマンスDXを実現するため、IT とロボッ トシステムの融合も進むことから、IT までをもインテグレートできるロボット SIer が拡大していく。ま た、未導入領域におけるロボットの浸透、拡大に伴って、ロボット動作を補完・補強する AI 技術や センシング技術を有するベンダーやスタートアップが台頭し、ロボットメーカーとの協業やオープン イノベーションが加速する。 ⚫ こうした価値の実現にあたっては、工作機械や検査機器、ロボット(アームロボットや AGV 等)とい った種々の機器間で均質的な動的データをリアルタイムで収集することが求められ、機器自体も 他の機器とつながることが価値提供の前提となる。そのためには、各機器に備わっているセンシ ングやデータ生成・送受信の方法(拡張子や通信 I/F)について一定の標準化が必要となる。 42 ⚫ こうした価値提供がなされることを前提に、現場の動的データをリアルタイムで収集・分析して、生 産システムの最適化に係る提案を一連で行うことを可能とするアプリケーション開発を促進するプ ラットフォーム(ものづくりOS)サービスが実現するとともに、こうしたサービスを採用して現場で実 装する上では、現場責任者に加えて、経営陣におけるデータ経営リテラシーが求められる。 ⚫ また、こうした現場の動的データの蓄積を前提とするプラットフォームの実現は、セットメーカー (Tier0~1)のグローバル展開の後押しとこれを支える中小製造業(Tier2~3のサプライヤを想 定)の新たなビジネス機会創出にも貢献する。例えば、設計から製造、検査までが自動化・データ 化されていることで、遠隔監視による生産管理や品質確認が可能となる。こうした仕組みは、今 後、国内サプライヤーの人手不足が加速する中で、Tier0~1メーカーが海外生産を拡大する際 に、現地においても既存サプライヤー(Tier2~3)の技術を再現し、品質や生産性を維持すること が可能となる。サプライヤーにおいては、データビジネスという新たなビジネス機会の創出につな がる。 ⚫ 更にこうしたプラットフォームの構築に加えて、遠隔通信技術や AI による現場の状態監視といっ た関連技術の深化に伴い、例えば、国外に立地する生産ラインであっても、本社等中央組織が監 視・コントロールを行うことで、国内の生産拠点と同等の生産性や品質を可能とするロボットシステ ムの実現が期待され、トラブル発生時には遠隔で復旧作業に対処するといった、グローバルな自 動生産ラインも実現される。 (サービスロボット) <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 人口減少に伴う省力化需要や危険作業の代替需要から、飲食、小売、宿泊、物流、介護、建設、 農業等1次産業等の多岐にわたる産業において、様々な用途・機能のロボットが必要とされる。こ うした適用領域の拡大により、産業用ロボットを超える成長市場となる。 ⚫ これらの領域で用いられるロボットは、「人との共存」が実現されることが求められる。ともに働く人 の言葉(自然言語)を理解し、自律的かつ的確に判断・動作することで、人と一緒に作業を行った り、サービスを提供したりすることが可能な AI ロボットの実現と、そうしたロボットを様々な領域で 活用できるためのロボット制御OSの構築が求められる。 ⚫ その一方で、ICT や通信技術の深化がロボットの遠隔操作の適用範囲を飛躍的に拡大させ、ロボ ットの社会実装を推し進めるに留まらず、各産業における従業員の働き方や雇用の在り方をも変 革させる。例えば、AI ロボットを現場の顧客等とのコミュニケーションツールとしつつ、ロボットオペ レータが遠隔でサービス支援を行うことで、働く場所や能力を問わずに、質の高い作業やサービス を提供することも可能となる。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 現在実装が先行する、配膳や清掃、警備といった「移動・走行」を主たる機能とするロボットに加え て、AI による高い認識・判断能力を備えつつ、人のような「作業」を行うための機能を持ったロボッ トの提供が求められる。 ⚫ 「移動・走行」に特化したロボットはコモディティ化していき、競争軸はロボット単体の機能から、建 物等の設備との連携や異なるメーカー・用途のロボットを同時制御する機能へと移る。こうした仕 組みを安価・簡易に実現するために、ロボットフレンドリーな環境整備が一層進むこととなる。 ⚫ 人のような「作業」を実現するロボットでは、低価格かつ操作性が高いマニピュレーション機構や人 と共存するための安全でソフトなハードウェアが求められる。また、複雑な作業を可能とするため 43 に高度な AI 技術と融合が一層進むこととなり、ロボットメーカーよりも AI 等ソフトウェア技術に強 みを持つ企業の参入・台頭が加速する。 ⚫ 加えて、AI ロボットの実現が進むにつれて、自然言語による判断や動作を可能とするためのマル チモーダルな基盤モデルを中心としたロボット制御OSに付加価値が移行する。そうしたOSの出 現により、様々な領域を対象としたロボットアプリケーションの開発と導入が加速していく。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 「移動・走行」及び「作業」のいずれの領域のロボットにおいても、通信技術や AI 技術を有する企 業に競争力の源泉が付されることとなり、こうした技術の獲得競争が苛烈化する結果、ロボットメ ーカーにおいてもそうした技術を有するスタートアップ等との協業が加速する。また、基盤モデルを 含む AI 等ソフトウェア領域の開発が国内外で活発化する中で、ハードウェアを含めたアプリケー ションやそれらを用いたサービスモデルをいち早く開発・実装できるプレーヤーが競争力を持つ。 ⚫ 他国に先駆けて新市場を形成・獲得するためには、開発技術が一定程度確立した段階で市場に 投入し、ユーザーからのフィードバックと技術・製品の改良を繰り返すことで完成度を高めていく、 「ハイサイクル・イノベーション」を実現する社会システムの実現が求められる。 44 (5)航空機・次世代空モビリティ ポイント ・ ・ ・ 機体事業では、今後拡大する単通路機市場において、サブシステム及びビジネスのインテグレー ションにも関与する形で共同開発へ参画する。また、脱炭素化に向けた環境新技術を次世代航空 機に対して適用する。エンジン事業においては、先行する技術開発や製造の効率化、国内サプラ イチェーンをレバレッジとして、概念設計等の上流工程から海外 OEM と共同し、プログラム全体で の主導権を確立する。 我が国が強みを有する分野において航空機サプライチェーンの国内構築を進めるとともに、グロー バルサウス諸国を含むアジア太平洋地域において現地進出を進め、国際的なサプライチェーンを 構築する。 AAM(Advanced Air Mobility)等の新興市場をきっかけとした他産業の巻き込みや、Additive Manufacturing をはじめとする革新的技術を有するスタートアップの新規参入を促進する。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 世界の航空旅客需要は、年率3~4%で増加し、今後 20 年間で約2倍までに達する見込み。世界 の民間旅客機の新規販売額は、2041 年時点では約 26 兆円/年(2016~2018 年平均では約 16 兆 円/年)、となると予測されるなど、大きな成長性が見込まれる産業。旅客需要の増加を背景に、航 空機製造、整備(Maintenance)、修理(Repair)、オーバーホール(Overhaul)(MRO)をはじめ航空輸 送を支える様々な事業において大きな成長性が見込まれる。 ⚫ 具体的な市場規模は、世界の民間航空機の新規販売額ベースで、単通路機は 8.6 兆円/年(2016 ~2018 年平均)が 16.5 兆円/年(2041 年時点)、双通路機は 7.7 兆円/年(2016~2018 年平均) が 9.9 兆円/年(2041 年時点)に成長すると試算されている。また現状は、一部の国が世界の主要 航空機の開発製造を支えている状況であり、航空機の開発製造を可能とする事業環境、産業基盤を 維持・獲得することは我が国の経済安全保障、産業競争力を高める観点からも重要。加えて、我が 国の安全保障を担う防衛航空機とのシナジー効果も期待できることから、共通基盤となるサプライチ ェーンの発展・強化など、民防双方での取組が重要である。 (GX) ⚫ 国際線の二酸化炭素排出に関する規制は、2050 年カーボンニュートラル達成の目標が合意されて いる(2021 年 10 月国際航空運送協会(IATA)、2022 年 10 月国際民間航空機関(ICAO))。航空業 界における 2050 年カーボンニュートラルの達成に向けては、Sustainable Aviation Fuel(以下「SAF」 という。)の導入に向けた取組とともに、新技術の導入、運航方式の改善に係る取組が加速する。現 行の機材では目標達成は困難であり、新技術の適用が必要となるが、こうした変化は我が国にとっ ても競争力強化の機会となる。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ ロシアのウクライナ侵攻等に伴う物流・原材料コストの増加や特定国への依存からの脱却の動き、コ ロナ禍で大幅に縮小した労働力の回復の遅れによる部素材の不足等といった状況変化を受け、一 定の供給能力を有する企業による安定供給の価値が増大。 45 (GX) ⚫ 航空分野の脱炭素化は、SAF、運航方式の改善、新技術導入(水素利用、電動化率向上、革新的な 燃費向上等)といった多様な選択肢の組合せが必要であるため、新たな国際アライアンス、他産業プ レーヤーの活躍、運航・インフラを踏まえた一体的取組といった産業構造変革が起きる。 (DX) ⚫ 航空機開発は、部品点数が約 300 万点(自動車の約 100 倍)に及ぶなど極めて高い複雑性を有し、 厳しい安全要求を満たさなければならないため、開発における手戻りがスケジュールやコストを圧迫 している。DXによるプロセス革新が求められる。 ⚫ こうした中、航空機の設計は、製品設計前にシステム上で製品全体を評価・解析し、開発の上流段 階で全体の適正な設計を行う MBSE(Model- Based Systems Engineering)等のデジタル技術活用な ど、航空機開発におけるDXが進展する。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 海外機体メーカーによる双通路機開発を中心に Tier1サプライヤーとして成長してきた我が国が、市 場が拡大する単通路機市場へも参入する。具体的には、機体事業では、環境新技術を採用した単 通路機開発において、サブシステムのインテグレーションやビジネスのインテグレーションに関与、あ るいは主導する形で共同開発へ参画し、成長する単通路機市場を取り込むともに、サプライチェーン 全体の生産能力を向上すべく、企業の量産体制の構築にも取り組む。脱炭素化に向けた環境新技 術について、次世代航空機への適用を進める。 ⚫ また、エンジン事業においては、超高効率推進システムやハイブリッド電動推進システム等の先行技 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 術開発や製造効率化、国内サプライチェーンの強靱化等をレバレッジとして、概念設計等の上流工 程から海外 OEM と共同し、プログラム全体での主導権を確立する。MRO 事業(Maintenance(整 備)、Repair(修理)、Overhaul(分解・点検等))においては、国内で一貫して整備可能な体制を構築 する。 航空機サプライチェーンについては、我が国が強みを有し供給に重要な役割を果たしているものなど について、国内で戦略的に構築を進めるとともに、グローバルサウス諸国を含むアジア太平洋地域 において、既存事業の延長に留まらない現地進出や JV(ジョイントベンチャー)設立を進め、国際的 なサプライチェーンを構築し海外市場における成長機会を獲得する。 AAM(Advanced Air Mobility)等の新興市場をきっかけとした他産業の巻き込みや、Additive Manufacturing をはじめとする革新的技術を有するスタートアップの新規参入を促進する。 環境新技術の導入に伴って必要となる新たな試験設備は、関係者で協調的に整備するものと各社 が個別に整備するものを整理し、国内全体で合理的な設備投資が実施される。 航空機開発の機会は、その規模が大きいため必ずしも多くなく、航空機産業全体の発展に向けては 民防双方でシナジー効果を発揮していくことが重要であることから、国際協力のもと我が国主導で戦 闘機を開発する「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」を、そうした貴重な機会と捉え、サプライ チェーンを民防双方で発展・強化すると共に、GCAP を通じて得られる知見を航空機産業全体へ還 元する。 46 (6)宇宙 ポイント    技術革新や量産化によるロケット・衛星の低価格化に伴う宇宙機の急増や高性能化により、宇宙 からの通信・地球観測・測位といったサービスが民主化し、産業社会に敷衍する。 モビリティ産業、土木・建築・インフラ産業、農林水産業、海洋産業等のDXや、宇宙からの環境モ ニタリングによるGXの促進、戦略的高地である宇宙の安全保障利用が一層進展。 2040 年時点で、現在の約 56 兆円から約 150 兆円へと3倍程度に国際市場が成長。日本政府とし ても、2020 年に4兆円となっている国内宇宙産業の市場規模を 2030 年代の早期に8兆円まで拡 大することを目標に掲げている。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ ⚫ 衛星通信サービス等の広がりにより人工衛星や宇宙輸送(ロケット)への民需が拡大するとともに、 安全保障ニーズの高まりにより、官需も拡大。官も自主開発のみならず民間からのサービス調達を 志向する流れに。 特に民需についてはDX、GX、官需については経済安全保障(・安全保障)、それぞれの文脈におい て、需要が急拡大。 ➢ DX: 安価かつ高性能な衛星群(通信、地球観測、測位)が、他産業のDX(例えば、高頻度地図 作成、Beyond5G/6G 通信、自動運転、インフラ監視、海洋状況把握 等)を促進。また、宇宙、 成層圏プラットフォーム、空飛ぶクルマ、ドローン、地上システム、海洋システム等が多層的につ ながる非地上系ネットワーク(NTN)が進展し、新たな通信需要が創出される。 ➢ GX: 地球観測衛星からの CO2、メタン等の GHG 排出状況の監視が高度化・高頻度化し、モビ リティ、工場、プラント等から排出される GHG 監視及びこれに伴う様々な環境ビジネスが進展。 また、森林、泥炭地、ブルーカーボン等の吸収・排出源の監視も高度化・高頻度化し、カーボンク レジットビジネスの高信頼化や排出削減を促進。SDGs 投資先に宇宙分野が組み込まれる。 経済安全保障: 安全保障分野では、従前から行われている高度な衛星による他国の情報収集 や測位サービスの提供に加え、極超音速ミサイルの探知・追尾、船舶等の海洋状況のリアルタ イム把握、高速・大容量の光通信インフラの提供など、安全保障分野における宇宙利用が一層 進展。また、宇宙インフラが新たな経済社会の重要インフラとして多様な産業・組織に広く利用さ れるようになる。こうした観点から、各国・地域において宇宙アセットの国産化や同盟国間での連 ➢ 携・共有を進める傾向が見込まれる。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 2000 年代以降、SpaceX に代表されるような民間企業による軍民デュアルユースの宇宙ビジネスが 勃興。最先端のテクノロジーが官ではなく民から創出されるようになり、特に近年、「官」主導から 「民」主導への移行が本格化。再利用可能ロケット、小型衛星コンステレーション等の技術革新によ り、宇宙へのアクセス、宇宙利用が拡大。大規模な投資が必要な宇宙サービスが民間ビジネスとし て供給されるように。 ⚫ 世界的に宇宙ベンチャーがさらに増加。また、宇宙企業と非宇宙企業(自動車、通信、電機、半導 体、AI、エネルギー、金融等)との協業、M&A、技術交流が進展。これらの新たなプレーヤー群によ り、さらなる技術革新、ビジネス化が進展。2040 年までには、プレーヤー毎の競争力の差がより顕著 になることが予想される。 47 ⚫ ⚫ この先には、グローバル市場を獲得するロケット企業、衛星コンステレーション企業(通信、観測等)、 衛星運用・地理空間データプラットフォーマー、軌道上サービス企業、宇宙状況把握(SDA)企業、キ ーコンポーネントメーカ等と、これらの垂直統合、他産業との水平統合、プラットフォーマーの出現が 予想される。 宇宙は安全保障上重要な技術・ビジネスであるため、他国に比べて競争力が劣後しても、一定程度 は国が支援して自国・自地域での技術・ビジネス化を目指す動きが続くことが見込まれる。しかしな がら、安価で高品質なサービスを求めるユーザー側の圧力により、政府が支援をしても生き残れな い企業が多くなり、結果的に宇宙活動の自立性を失う国が現れる可能性がある。日本が宇宙活動の 自立性を失った場合、我が国の安全保障や経済・社会に不可欠なインフラを海外に依存することとな り、安全保障上のリスクを抱えることに加え、デジタル赤字と同様に新たな貿易赤字をつくることとな る。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 日本の宇宙企業は今後一層、熾烈な国際競争にさらされる中で、国際競争で勝ち残る意思、技術及 び事業モデルを有する企業群のみが競争を生き抜く。 ⚫ こうした企業群のみが、国内外の安全保障ユーザー、政府機関、民間企業等からのサービス調達等 により投資資金を得て、更なる技術革新を行うという好循環に入ることができる。 48 (7)素形材 ポイント  素形材における新たな技術との融合や新陳代謝が加速し、個社の競争力が高まる。GX・DX等の 投資を進め、日系 OEM 以外を含めた拡大するグローバル需要を捉える取組が加速する。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 素形材は、今後、自動車、産業機械・ロボット等の需要の拡大、高付加価値化の動きと共に、それら を支える多種多様なニーズが高まる。 ⚫ グリーンであることが製品に求められる一方、非グリーンの需要も残存する。 ⚫ グリーンな素形材製品は、CN の動きを受け、先進国を中心に規制を起因として、需要が高まる。欧 州の自動車向けを中心に CO2ゼロを求められるようになり、精度よく、早く、安く製造・供給するとい ⚫ う素形材の価値そのものが変化していく。 非グリーンな素形材製品は、先進国の一部の内需向け製品や、途上国を中心に需要が存在する。 産業機械・ロボットなど、国内製造に競争力を有する分野や、経済安全保障上の観点から重要な金 属部品は、国内製造の需要が高まっていく。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 企業は、①高付加価値製品・コモディティ、②グリーン・非グリーンの2軸を基に事業活動を行う。 ⚫ 高付加価値製品の供給体制は、精密加工等による高機能部品、単一加工部品から複数加工部品、 部品を組み合わせたモジュールなどに移行し、グリーンの付加価値を上乗せする。これらの供給力 ⚫ ⚫ ⚫ を確保した企業が優位性を獲得する。 欧州企業は、潤沢な再生可能エネルギーを背景にグリーンな金属部品の供給を行う。 汎用製品は、コモディティ化し、グリーンの付加価値が限定的にしか効かない。 非グリーンな製品の供給は、合理的な企業行動の観点から、供給量で勝負するコスト競争となる。そ のため、先進国の内需産業向けの需要には、先進国内で生産し、途上国需要には、現地生産で対 応することが中心となる。現地企業の供給体制が整い、競争が激化するため、高付加価値化、生産 性向上等が一層求められる。 <日本の事業構造の変化> (日本の事業構造) ⚫ 人手不足等の課題に対応するため、自動化等の成長投資を持続的に行う企業が増加する。 ⚫ 2040 年頃の日本企業は、EV や e-fuel 車等の自動車分野に加え、航空宇宙・エネルギー等の分野 において、最終製品に求められる価値提案力と、それを実現する革新的な部品性能が求められ、そ れらを実現する企業が付加価値を獲得する。そうした中で、金属3D プリンタ等の新たな製造技術の 取り込み、現状の強みでもある職人のノウハウのデジタル化等が競争力を担保する上で重要とな る。 ⚫ 国内外とも、2040 年頃にはグリーンが市場の参入前提となるため、高付加価値製品にグリーンの付 加価値を上乗せするための供給体制を確立する。例えば、工業炉の電化・ゼロエミ燃料化に加え、 サプライチェーン全体での最適な生産管理と同時に、CO2排出量データの把握等に必要なDX化な どを行う。 49 ⚫ ⚫ 経済安全保障の観点から、重要部品の品質を左右する精密鋳造や、品質面を決めるだけでなく設 計情報ともいえる金型等において、情報管理の体制と一層の生産性向上が求められることになる。 そうした中で、サプライチェーンの最適化を踏まえた企業統合・企業間連携等も進む。 海外では、自動車製造等の需要を取り込むため、日系 OEM の供給体制と連動して、輸出向け製品 のための国内製造と共に海外での現地生産も進め、更に海外 OEM への部品供給に発展させていく ケース等が増加していく。 (グリーンの供給体制の制約) ⚫ 日本の特性として、国際的に遜色ない価格で安定したクリーンエネルギーの供給量と人手不足とい う制約要因がある。 ⚫ そのため、企業が新たに工場を建設する際には、国際的に遜色ない価格で安定したクリーンエネル ⚫ ⚫ ギーの供給力が相対的に多い地域かどうかが重要な考慮要素となる。 また、人手不足により、DXによる素形材製品の製造プロセスの効率化が必須となるため、これまで 以上にDXを進める人材の活躍が求められる。 2040 年頃までは、国内の限られた国際的に遜色ない価格で安定したクリーンエネルギーをDXとマス バランス方式で活用し、グリーンな素形材製品が製造される。 50 (8)化学 ポイント    コンビナートに立地するナフサ分解炉の統廃合により、稼働率を適正化し財務状況を筋肉質にす ることで、国際競争をリードしていく素地にしていく。 ナフサクラッカーの再編と並行して、国内需要に必要なエチレン、プロピレン等の基礎化学品を安 定的に生産・供給するとともに、国際的な脱炭素化の動向も見極めつつ、付加価値の高い機能性 化学品で外需を獲得し、国際競争力を高める。 中国の輸出規制や国内での震災を契機に、継続的かつ安定的に素材供給することは、もはや当 たり前ではなく付加価値領域。サプライチェーン全体としてその考えを認識し、必要な対価を支払う ビジネススタイルにしていくことが必要。 <世界全体の需要構造の変化> ① 自動車や半導体、電池等の分野を中心に、その部素材となる機能性化学品の需要が高まる。特に、 世界的な脱炭素化の取組の進展に伴い、欧州の自動車向けを中心に CO2排出ゼロを求められつ つあり、EU を中心とした規制を起因として、グリーンな機能性化学品の需要が高まる。Apple や Amazon 等の世界の主要グローバル企業も、産業部門の脱炭素化と市場創出のために、グリーンな ⚫ 化学製品の需要を支える。 他方で、比較的安価な生活物資に活用される基礎化学品については、先進国・途上国問わず、非グ リーンな需要が残存する。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 企業は、①高付加価値な機能性化学品・汎用的な基礎化学品、②グリーン・非グリーンの2軸を基に 事業活動を行う。 ⚫ 世界的な脱炭素化の取組により、高付加価値かつグリーンな化学製品の供給力を確保した企業が 競争優位性を獲得することに繋がるため、企業は機能面で高付加価値な製品を中心にグリーン化 学製品を製造・供給する体制に移行する。特に、自動車や半導体、電池等の部素材の高付加価値 な製品の製造の際に、燃料転換や原料転換を行うことを通じて、グリーンの付加価値を上乗せする。 ⚫ 研究開発や製造プロセスにおいてDXが進展。AI 等を活用して化学品の開発を行うマテリアルズ・イ ンフォマティクスが進展し、研究開発の効率性が飛躍的に向上する。製造時には、プロセスの最適化 ⚫ と CO2排出量の管理を、最終需要に応じて効率的に行われる。 企業立地は、経済安全保障の観点から、技術優位な機能性化学品を中心として、本社機能がある 自国内で行われる。 <日本の事業構造の変化> ② 今後の脱炭素化を見据え、化学製品の大元であるナフサ分解炉の統廃合を行い、稼働率を適正化 し財務状況が筋肉質に。 ③ エチレンなどの基礎化学品の国内生産・供給については、国内需要に必要な量に適正化を図る。 また、中国において 100 万トン超の大規模なエチレン生産設備が新設・稼働する状況を踏まえると、 基礎化学品の輸出はコスト競争力の領域になる。よって、グリーン・非グリーン問わず、アジアの途 上国を中心に、輸出ではなく現地生産に向けたエンジニアリングやライセンスなどで外貨を獲得。 ④ 高付加価値な機能性化学品については、国際的な脱炭素化の動向も見極めつつ、脱炭素化を図る 生産・供給体制に移行し、引き続き、グローバルシェアの高い半導体部素材等の領域で外需を獲得 51 する。そのため、石炭等を活用した自家発電などにおいて、現実的な形で燃料転換を進めていく観 点は重要。具体的には、水素・アンモニア・合成メタンなどの脱炭素エネルギーへの将来的な活用を 見越し、石炭火力から天然ガスへの燃料転換などについても後押ししていく。加えて、原料をナフサ からバイオエタノールや、廃プラに転換することを通じて、基礎化学品の脱炭素化を図り、グリーンの 価値を機能性化学品に付加する。こうすることで、輸入材であるナフサの資源制約の低減にも繋げ る。 ⑤ 中国の輸出規制や日本国内での震災を契機に、継続的かつ安定的に素材供給することは、もはや 当たり前ではなく付加価値領域。基礎化学品メーカー、誘導品メーカー、川下領域の自動車や半導 体メーカーなどサプライチェーン全体としてその考えを認識し、安定供給に必要となる対価を支払うこ とで共存共栄を進めるビジネススタイルを構築する。 ⑥ 基礎化学品の工場立地については、国内需要対応は自国のクラッカーを活用し、アジア中心とした 需要対応は現地生産。 ⑦ 機能性化学品については、基礎化学品メーカーと誘導品メーカーに加え、川下である自動車や半導 体メーカーとのすりあわせが必要であり、かつ、脱炭素化も求められる領域。また、技術流出がない よう慎重に対応することが必要であり、それらを勘案した工場立地を行い生産。 (グリーンの供給体制の制約) ⑧ 日本の特性として、国際的に遜色ない価格で安定したクリーンエネルギーの供給量と原料・人手など の制約がある。 ⑨ そのため、企業が脱炭素化に向けたプラントを新たに建設する際には、バイオ原料や廃プラの量に 加えて、水素・アンモニア等の拠点を考慮して立地する。 ⑩ また、人手不足により、DXを活用した機能性化学品の研究開発プロセスの効率化が必須となるた め、AI 等を活用したマテリアルズ・インフォマティクスが進展する。 52 (9)鉄 ポイント ・グローバル市場を相手にビジネスを展開する。 ・国内外のグリーン化の進捗のモザイクに的確に柔軟に対応するグリーン供給能力の保持。 ・国内生産体制は量的に縮小したとしても最先端技術を生み出す開発・生産機能は保持。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 【量】国内の鉄鋼需要は、人口減少の影響を受け、建材等の純内需向け需要が減少するとともに、 ユーザー企業の海外現地生産の動きがさらに進む中で、これら企業の輸出製品向けの需要である 内需の減少に伴い、全体として一定程度縮小する。他方、海外における需要は、世界的な人口の増 加や経済成長に伴って汎用品・高級品を含め増加していくため、グローバルなトータルの鉄鋼需要 ⚫ ⚫ ⚫ は拡大していく。 【質】グローバルな需要は、汎用品の需要が拡大するのみならず、GXやDXが世界的に進む中で、こ うした取組を支える、電動車向けのハイテンや無方向性電磁鋼板、エネルギーインフラ向けの厚板 や鋼管、方向性電磁鋼板といった高付加価値な鉄鋼の需要も、先進国のみならずグローバルに拡 大していく。 【新たな価値】カーボンニュートラルに向けた世界的な潮流を受け、例えば、欧州向け自動車の一部 や GAFA 等グリーンな素材使用を志向する企業の取組のように、既にグリーンな鉄製品を求める動 きも進みつつある。さらに今後は、先進国を中心とした規制・制度的措置を起因として、グリーンな鉄 製品の需要が段階的に高まっていく。他方で、国によって削減目標等の政策やビジネスの進捗には 差があり、非グリーンな鉄製品の需要は、相当な期間、残存するため、市場はグリーンと非グリーン との間のデカップリングが進行していく。 【新需要創出】GXやDXの動きの中で、例えば、熱処理不要の鋼材や水素脆化対応鋼材等のよう に、ソリューションを提供する高機能な素材として、高級品を中心に需要の拡大・創出も進んでいく。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 【競争環境】中国においては過剰生産能力への対応が一定程度進められたとしてもなお巨大な供給 力が維持される。インド等その他の国々においても、経済成長に伴い、高炉の新設も含めて供給能 力の増強が進む。また、欧米の鉄鋼産業は、安全保障や環境等それぞれの政策目的の下で、域外 ⚫ ⚫ からの鉄鋼製品の流入に対し抑制的な政策措置を講じつつある。中国、インド等新興国に最新の設 備が導入される中、日米欧においては、老朽化した設備の刷新を着実に進め、地産地消も含めた競 争力強化の取り組みが進んでいく。 【技術競争力】各国の鉄鋼産業においても、経済が成熟化するのにあわせて、汎用品のみならず、 高付加価値製品の生産技術の向上が一定程度進むことが見込まれ、日本勢との技術競争力格差 は一定程度縮小する。 【グリーン技術】市場のグリーン化が進む先進国等においては、炭素排出がより低い鉄鋼の生産体 制が構築される。その際、従来の、鉄スクラップを用いた電炉生産は、鉄鉱石の還元に伴う炭素排出 が生じず、生産時の炭素排出は低いものの、量的制約から鉄スクラップだけで鉄鋼需要を満たすこ とは困難であり、鉄鉱石の還元プロセスの脱炭素化が必要となるため、水素還元製鉄などの低炭素 な還元製鉄プロセスの研究開発や社会実装の取組みが進んでいく。こうした中で、グリーンかつ高 付加価値な製品が生産できるかが競争上、重要となっていく。 53 ⚫ 【ビジネスモデル】グリーンプロセス転換は、比較的低廉で供給安定性の高い石炭及び鉄鉱石を用 いて高い生産性を確保する能力の差が競争力に大きく影響してきた従来の構図から、グリーン生産 プロセスの技術競争力のみならず、脱炭素・低炭素電源、水素、CCUS、良質な鉄鉱石やスクラップ 等を経済的に確保することが、ビジネスの競争力を左右する構図へと変革していく。また、研究開発 や生産、さらにはグリーン製品の供給に当たってのトレーサビリティ管理のためのデータ連携などDX の活用が鍵となる。鉄鋼産業は、単なる加工生産事業から、原料、エネルギーの生産そのものにも 立ち入った総合的な事業として変革できるかが問われることになる。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 日本の事業環境には、各ミッションにも記載の通り、将来のグリーン需要の不透明性や、国際的に遜 色ない価格で安定したクリーンエネルギーの供給制約といった課題等が存在している。こうした課題 に対して、政策的な対応も含めた官民での取組によって、環境価値の高い製品に対して継続的で予 見性のある需要の創出が見込まれるなど、主要な部分が解決された場合には、下記のような事業構 造の変化が生じることになると想定される。 ⚫ ⚫ ⚫ 日本企業は、上述した国内外の需要面の変化に加え、競合企業の動向や、自社生産能力の状況、 立地競争力等も踏まえて、内外の供給体制の再構築を進めていくことになる。 【グリーン戦略】市場の相当程度のボリュームを占める非グリーン市場向けの競争力を維持・強化し ながら、国内外の市場のグリーン化の進捗スピードに則してグリーン市場向けの供給体制の整備・ 強化を進める。具体的には、市場のグリーン化とも連動する形で、既存のプロセスからグリーンな生 産プロセスへの転換を進める(大規模なものとしては、まずは高炉プロセスから革新的な電炉への 転換)が進んでいく。)。また、革新的な電炉へのプロセス転換の他にも、水素を活用した製鉄プロセ ス(水素還元高炉や水素直接還元)、CCUS/カーボンリサイクルの活用といった技術的オプション があり、これらの開発を進めつつ、転換時点での技術開発の状況や経済性等も見極めながら、適切 なオプションが選択される。その際、再生可能エネルギーが豊富な国等で生産された還元鉄を国内 の電炉で活用するといったオプションも選択肢となる。 【立地戦略】 ➢ 国内の供給体制については、純内需の減少に伴い国内生産が一定程度縮小することは不可避 ではあるものの、高付加価値な製品やグリーン製品を生産する能力を企業として保持する上で ➢ ⚫ は、研究開発拠点や上工程から下工程まで含めた鉄鋼の一貫生産体制が一定の規模、国内で 構築されていることがその基礎となること等から、国内の供給体制は一定程度のボリュームが 維持される。これにより、技術流出を防止しながら、高付加価値な製品を国内外へ供給すること が可能となる。 国外の供給体制については、これまでは日系ユーザー企業の海外現地生産の動きにあわせ て、日本から輸出された母材等を現地の下行程で製品に仕上げユーザー企業に供給するため の体制が中心であったが、新興国等においては、経済成長に伴って鉄鋼需要が伸長していくた め、M&A も活用しながら、現地での高炉等の上工程まで含めた生産能力を獲得し、現地需要 に応えていく体制が構築される。 【利益還流】現地生産においても、国内で構築した技術を活用した高付加価値製品の生産も技術流 出に十分注意しながら進められる。加えて、国内で構築するグリーン生産プロセス技術を活用するこ とによって、国外市場のグリーン化の進捗に合わせて、現地生産のプロセス転換も進められ、グリー 54 ン製品の需要に応えることも可能となる。こうした海外現地生産活動によって獲得する利益の一部 は、国内に還流し、国内供給体制の高度化に活用される。 55 (10)医療機器 ポイント   我が国に強みのある診断機器に、デジタル技術を掛け合わせたプログラム医療機器(SaMD)で勝 負できるかどうか、アンメットメディカルニーズを解決する機器を事業化できるかが、グローバル市 場でシェアを獲得するためのカギ。 一般論としては、診療報酬の引き下げ圧力から国内市場の収益性が低くなる中で、産業力の強化 のためには海外展開が必要であり、世界での競争力を確保するためにも米国展開が必須。国内 市場のみで競争力を高めるのであれば、経済安全保障を題目とする支援により安定供給を確保 する形にならざるを得ない。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 医療機器産業の市場規模は、先進国の高齢化、新興国・途上国の人口増加と経済発展に伴う医療 ニーズの増加、技術革新等に伴い拡大していく。さらに、医療従事者の担い手不足への対応も必要 になっていく。 ⚫ 先進国(特に米国)市場は、イノベーティブな製品の投入先として引き続きの成長が見込まれる。また、 新興国・途上国市場は、グローバルサウス(アジア・アフリカ)の疾病構造が感染症から生活習慣病 へとシフトすることにより参入余地が拡大するため、大きな伸びが期待される。 ⚫ 一方、治療機器に加え、新たな成長分野として、疾病の治療・診断・予防に直接的に効果を発揮する プログラム医療機器(SaMD:サムディー、Software as a Medical Device)やロボット手術といったデジ タル技術と医療機器を融合した分野が伸びていく。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 医療機器の研究開発は、一般的にニーズの発掘・コンセプト設定から上市まで5~10 年以上の時間 を要するため、長期的・大規模に行う必要。また、新たな医療機器が市場で受け入れられ、普及する ためには、薬事承認を得るだけではなく、臨床試験等で医療ニーズに大きなインパクトをもたらすこと を実証し、そのエビデンスをもって多くの医療現場で活用してもらうという、「育てる」プロセスが不可欠。 ⚫ 業界の構造は、こうしたリスクの高い大規模な研究開発や臨床試験への投資に耐えうる事業体でな ければ、グローバル競争で戦えないことから、研究開発をスタートアップが担い、製造・販売を医療機 器メーカーが担うという水平分業体制が構築される。そうした中で、スタートアップが開発したイノベー ティブな製品を、医療機器メーカーとの連携によって実用化していくことが一般的なものとなり、さらに はスタートアップが VC から大規模に資金調達を行うエコシステムの形成や、再編統合や海外企業の M&A 等による医療機器メーカーの企業規模拡大が進む。 ⚫ AI 診断等の SaMD のような新たなモダリティが次々に生み出されることで、アンメットメディカルニーズ に効果を発揮する製品が普及するとともに、医療従事者の過重労働や医療コストの増加といった医 療上・社会上の課題が解決されていく。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 国内市場は、IT 系の製品を含む高度な医療機器を扱うことができる限られた市場の一つであり、医 療水準が高く医療機器の価値を高めるためのエビデンスを取得できる市場であること等から一定の プレゼンスを持ち続ける。一方、社会保障財政の持続可能性に起因する診療報酬の引き下げ圧力か ら、海外市場より収益性が低い状況が継続する。そのような中でも、イノベーティブな製品が評価され る仕組みの検討が進み、世界トップクラスの国際競争力を有する産業に成長する。 56 ⚫ スタートアップが開発するAI診断等の SaMD やアンメットメディカルニーズにアプローチする製品等が 国内外でシェアを伸ばしていき、スタートアップは、医療に新たな価値をもたらすプレーヤーとして、医 療機器産業を牽引する欠かすことができない存在として位置づけられる。 ⚫ 国内の立地環境は、高い医療水準やものづくり技術がそろう環境に加えて、データ取得・利活用環境 の整備や、我が国が国際競争力を有する領域(診断機器/SaMD 等)の研究開発支援により、海外 市場に通用する医療機器を生み出すポテンシャルを維持する。また、部材供給における供給リスクへ の懸念を排除し、高い技術力を背景に部材供給において高い競争力を発揮していく。 ⚫ グローバル市場の獲得に向けた研究開発環境が整備され、米国を中心に海外展開する医療機器メ ーカーが増加する好循環が確立。世界トップクラスの国際競争力を有する産業に成長し、グローバル 市場に向けてイノベーティブな製品を含む医療機器の供給に貢献する。結果として国内の医療機器 の安定供給確保と貿易赤字縮小の両立も図られていく。 57 (11)医薬品 ポイント    医薬品はグローバル開発が基本。より効果的・効率的にグローバル展開をするためには、開発初 期段階から米 FDA 等で承認を得ることも目指すことが重要。 医薬品の上市を最優先に考えている創薬ベンチャーは、資金調達の手段に過ぎない IPO ではな く、大手製薬企業からの M&A を最終的な目標に位置づけるべき。 新規モダリティの CDMO は日本でも育つ可能性が十分にある。特に再生細胞・遺伝子治療の領 域においては勝機。 <世界全体の需要構造の変化> ⚫ 世界的な人口増、高齢化、経済発展により、途上国・新興国を中心にコモディティの需要が、先進国 ⚫ を中心にアンメットメディカルニーズを満たす新薬の需要が、それぞれ拡大していく。医薬品市場の 伸びの大半は、単価の高い新薬が生み出していく。 特に、市場規模は、核酸医薬や次世代抗体医薬品といったバイオテクノロジーを活用した新たな医 薬品(バイオ医薬品)で大きく拡大していく。また世界的には(米国を中心に)、効果が高く副作用の 少ない個別化医療や、根本治療につながる再生細胞・遺伝子治療も普及していくことが想定される。 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ 低分子医薬品で標的とすることが出来なかった疾患領域を対象に、バイオ医薬品の開発競争が加 速。一括りにバイオ医薬品と言ってもモダリティ毎(抗体、核酸、細胞等)に用いる基礎技術が全く異 ⚫ なるため、化学合成とは異なる多様な製造技術・ノウハウが必要であり、従来の低分子医薬品と比 べて開発・製造コストが非常に高い。このため、大学・ベンチャーがシーズを探索し、CMO(Contract Manufacturing Organization:医薬品製造受託機関)・CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関)が受託開発・製造し、製薬会社はシーズへ の投資・研究開発マネジメント・新薬の販売というバリューチェーン全体に事業投資を行う、という水 平分業のエコシステムが形成されている。バイオ医薬品市場の更なる拡大により、こうした傾向は今 後も強まっていく。(一部の最先端技術では、製造を内製化する動きもあり、垂直統合モデルが消滅 する訳ではない。) また、デジタル技術の進展や計算能力の増強により、探索研究の効率が非連続的に上昇する。シミ ュレーション精度の向上は新たな低分子医薬品の創出に寄与し、ゲノムと紐づく機能のデータ蓄積・ 分析精度の向上は新たなバイオ医薬品の創出を促す。 ➢ 大学・ベンチャー:アカデミアからは研究者の自由な発想に基づいて革新的な研究成果が生み 出される。論文化や知財化を行う際には、VC や起業家と共に実用化の可能性を検討し、事業 化を目指す場合には適切な戦略の下に行う。ベンチャー企業設立後は、開発パイプラインの価 値最大化のため、グローバル開発と大手製薬企業による M&A Exit を基本戦略とする。 ➢ CMO・CDMO:バイオ医薬品を中心に需要が増加。非臨床試験の段階から治験薬を製造する必 要があり、単純な受託製造ではなく技術開発要素が重要になる。 ➢ 製薬会社:創薬ベンチャーの買収を積極的に行うため、大学や創薬ベンチャーが所在する近隣 に、ビジネス・ディベロップメント(BD)部門を配置。競合に買い負けないために、より早期の段階 から出資等を行うようになる。 58 ⚫ ⚫ また、今回の新型コロナのワクチンや治療薬でも見られたように医薬品の供給を確保することは、経 済安全保障・医療安全保障の観点から非常に重要であり、各国は政府主導の下、原材料・原薬調 達先の分散化や製造拠点の国内回帰へとシフト。有志国との協力体制の構築も重要。 バイオ医薬品製造プロセスにおいては、高度な人材が必要。このため、企業は、国際的に競争力の ある人材(質・人件費)の集積が進む地域に立地する。また、拠点立地の優位性は、大学・ベンチャ ーとの近接性によっても左右されることから、創薬ベンチャーが一定程度集積していることも重要に なっている。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 国内市場は国民の医薬品へのアクセスの確保、社会保険料の抑制の観点から薬価の引下げ圧力 によって、海外(特に米国)市場より収益性の低い状況が継続せざるを得ない。他方で、経済安全保 ⚫ ⚫ ⚫ 障・医療安全保障の観点から、国内製造基盤の強化や有志国との協力体制の構築が進む。また、 革新的医薬品の価値に応じた評価方法についても検討が進む。 創薬ベンチャーは、国内だけではなく、米国市場での上市も出口として意識した企業が一定程度集 積。CMO・CDMO は、国際的に競争力のある人材(質・人件費)が集積していることから、国内立地が 進む。製薬会社は、日本国内においても、ビジネス・ディベロップメント(BD)部門の人員増強・刷新を 行い、バイオ医薬品に対応できるチーム編成とすることで、創薬ベンチャーの買収を積極的に行う。 国内大学の医学・薬学・生物学等の分野においては、産業界による博士人材の登用も進み、博士号 取得を基本とした教育体系が浸透する。 結果として、世界有数の創薬エコシステムが国内にも形成され、グローバルな創薬エコシステムの一 部として革新的な新薬創出に貢献する。また、製造設備の立地促進と輸出力が強化され、医薬品の 安定供給にも貢献する。 59 (12)ヘルスケア ポイント  PHR を核に、衣食住に関する様々な製品・サービスが健康を切り口に高付加価値化していく。 <需要構造の変化> ⚫ 健康づくりに対するニーズは、個人のライフスタイルに依拠するため、一括りにできない多種多様な ものであるとともに、足下では潜在的なものだが、世界に先行して進む高齢化と、テクノロジーの活 用により、こうした潜在的な需要が世界に先駆けて顕在化する。 ⚫ 具体的には、高齢者の多くは、自分や配偶者の健康に不安を感じており、既に健康ニーズが顕在化 しはじめている。また、長寿命化を前提とした人生設計の下で、現役世代も将来への備えとして若い うちから健康に投資するようになる。加えて、希望に応じて、定年後も働き続ける(企業から雇用され ⚫ ⚫ る)ためには、健康であり続けることが大きな価値となる。 また、ウェアラブル・IoT デバイスで取得されるライフログを通じて健康アウトカムが見える化され、自 らの健康状態や健康づくりの取組状況をリアルタイムかつ詳細に把握することができるようになる。 企業も、従業員の労働生産性やエンゲージメント向上のための人的資本投資として、従業員の健康 づくりに投資する。特に、女性特有の健康課題に対応し、女性が長く健康に働ける環境を整備する。 ⚫ こうした中で、サプリメント・健康食品から、フィットネス、エステ・リラクゼーション、機能性寝具・健康 志向家電、ヘルスツーリズムに至るまで、衣食住などの日々の生活に関するあらゆる製品・サービス が、健康志向のものに置き換わり高付加価値化されていくことで、健康づくりが、食費や光熱費等の 生活費(固定費)の一環として支出されていくような新たなライフスタイルが構築される。 ⚫ 加えて、人的資本が競争力の源泉となる中で、企業にとって従業員の健康は重要な投資対象とな り、第三者ひいては社会全体での健康への投資が促進され、将来的には個人のヘルスリテラシーの 向上や消費拡大にも寄与する。 <ビジネス供給構造の変化> ➢ ウェアラブル・IoT デバイスにより取得したライフログデータを元に、提供サービスがパーソナライズ 化される。また、データが標準化されることで、取得した PHR を、医療機関や消費者接点を多く持つ 様々な生活関連産業事業者が利用可能となる。また、IT や AI の活用で、時間・空間をとらわれずに 様々なサービスが提供できるようになる。 ➢ ⚫ ⚫ 例えば、SaMD によって自らの生活習慣にフィットした治療が受けられる、遠隔医療や AI 診断といっ た効率的なサービス提供が可能になる、スーパーで買い物する際に、健康データ等を元に取り入れ るべき食材や献立が提案される、フィットネスクラブで、日常の運動量や運動中の身体反応を元に個 別最適化されたトレーニングメニューが提案される、といったことが実現する。 こうしたサービスの提供を通じて、更なるデータの蓄積や活用によって、エビデンスの構築や更なる 個別化が促進され、よりよい製品・サービスが開発・提供される好循環につながる。 こうした中で、衣食住を始めとするあらゆる製品・サービスが、健康を切り口に高付加価値化されると ともに、我が国社会保障制度(国民の健康増進)の一端の担い手となる。 60 (13)介護 ポイント  公的保険財政の制約の下で、民間市場も有効活用しながら、高付加価値化・効率化による生産性 向上で、処遇が改善される。 <需要面の変化> ⚫ 介護に対する需要は、85 歳(※)以上人口の割合が、2020 年 4.9%から 2040 年 8.9%に増加するな ど、高齢者の高齢化の進展で大きく増加する。 ※要介護認定率が5割程度となる年齢(85~89 歳の要介護認定率は 48.1%(令和4年版厚生労働 白書))。 ⚫ 他方で、公的介護保険の自己負担割合や保険のカバー範囲は、社会保障の公平性、保険料に対す ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ る負担感、財政の持続可能性といった観点から一定程度見直される(例えば、既に、一定の所得以 上の者の自己負担増、軽度者(要介護1・2)への生活援助サービス等に関する給付の在り方等が議 論されている。)。 また、多様なライフスタイルや健康ニーズを背景に、より良い生活を求めて、公的保険内外のサービ スが組み合わせて活用されるように、現行制度等による費用面(保険内であれば所得に応じて1割 ~3割が自己負担、保険外であれば全額自己負担)や情報面(サービスへのアクセス)などの断絶が 解消され、最適な社会システムの構築がなされていく。 こうした中で、公的保険内で利用可能なサービスのみならず、希望するサービスの質や量などに応じ て、公的保険外のサービスも組み合わせて利用することが一般的になる。 例えば、富裕層を中心とする豪華な外観・内装、質の高い食事等が提供される高級な施設への入居 や、富裕層以外でも、公的保険のカバー範囲を超える訪問介護・生活支援サービス(訪問回数、ヘ ルパーの指名、提供されるサービスの種類等)の利用、フィットネスや通いの場など、社会参画を促 し介護予防につながるサービスの利用が広がる。 さらに、企業にとっては、働く家族介護者の増加に伴う仕事と介護の両立困難による労働生産性の 損失や介護離職などが、経営にとって深刻な課題となることから、経営層がコミットする形で、実態の 把握や、それに伴う人材戦略との連携などの対応、情報発信等を通じて、従業員の仕事と介護の両 立を支援する企業等が拡大する。 <ビジネス供給構造の変化> ⚫ 介護人材は、人口減少による構造的な人手不足や介護需要の増大を受け、自然体では、2040 年時 点で約 57 万人分の不足が生じる見込み。 ⚫ このため、ICT 活用や介護テクノロジーの導入、タスクシフト・シェア、リスキリング等の取組により、 生産性向上が徹底されるとともに、多様な担い手(外国人、高齢者など)が参画可能となる。 ⚫ また、介護事業者に限らない多様な主体が介護関連事業に参入し、地域とも相互に連携することで 公的保険外のサービスも含めたトータルの供給力で高齢者の介護需要を充足する。 ⚫ 例えば、民間事業者は、高齢者のニーズに合わせた家事支援やフィットネスなどのサービスや、公 的保険のカバー範囲を超えた訪問回数や突発的なニーズにも対応できる保険外の訪問介護サービ スなど様々なサービスを提供する。また、PHR 等の活用により、細やかな個人ニーズを踏まえた最 適なサービス内容や、複数サービスの組み合わせなどが実現する。サービスの付加価値も高まり、 従事者の賃金上昇の一助となる。 61 ⚫ ⚫ さらに、地域においては、高齢者が日頃から通う店舗と地域包括支援センターが連携し街ぐるみで見 守りサービスを提供したり、スーパーにデイサービスや集いの場が併設されたり、そうしたハブとなる 場所を起点に移動支援サービスが集約化するなど、地域と民間事業者が一体となって高齢者の生 活を支える体制を構築する。その際、市町村だけではなく、都道府県も関与する形で、地域と民間事 業者等との連携が促進されるような仕組みがそれぞれの地域で構築されてくる。 また、供給主体の裾野が広がっていくのと並行して、介護保険外サービスを高齢者に届けるチャネ ルの強化や信頼性の確保も図られていく。例えば、地域の福祉職が保険外サービスを紹介する際の インセンティブが設定されたり、職域に保険外サービスを含む介護関連サービスを総合的にアレンジ する窓口機能が充実されたりする。また、民間団体主体の認証制度構築により安心安全なサービス が確保され、保険外サービス活用に向けた環境整備が一層進んでいく。 62 (14)物流・流通(卸・小売) ポイント    需要面では、消費者のニーズ多様化等に伴い、より細かで広範な対応が求められるようになる。 供給面では、労働集約産業であるが故に、少子高齢化による人手不足に直面することとなる。 これらの状況に対応するためには、従来のような、安価かつ臨機応変な現場の労働力・対応力頼 みでは実現が困難。 既に、流通・物流いずれの領域についても、一部の企業が牽引する形で「装置産業化」が進展しつ つある状況。製造から小売に至るまでの垂直統合や、協調領域における企業間の水平連携、DX によるオンラインとオフラインの融合により、業界全体で生産性を高める。その上で、賃金水準を底 上げすることで、国民にとって身近かつ良質な雇用の場となる。 <需要面の変化> ⚫ 物流は、製造業・非製造業問わずあらゆる産業に関わるもので、国内の経済・生活にとって不可欠な 産業。輸送力不足の問題は、我が国経済の制約要件となる。 ⚫ GX、DX、経済安全保障等によって国内投資・国内回帰が進む中で、輸送に対する需要は拡大して いく見込み。 ⚫ ⚫ ⚫ 国内での商品需要は、人口減に伴い量的拡大は見込まれないものの、消費者の個別ニーズに合わ せたきめ細かな対応が必要に。生鮮品等を求める日本の消費特性は変わらないまま、人々のデジタ ルプラットフォームへの依存は高まり、オンラインで商品を購入する EC 化率は時間をかけ欧米中等 の諸外国並みに到達。対消費者向けラストワンマイルサービスの需要はますます増加し、より一層 の効率化が求められる。 都市部への人口集中が進むものの、デジタル技術を駆使し、地方農山間地で生活する国民層も一 定数存在し続け、需要が疎な地域へ生活必需品等のモノを届ける流通・物流の供給機能維持という 課題が本格化。同様に、都市部の中でもスポット的に、一人暮らしの高齢者世帯の増加等、アクセス 困難(買い物難民)人口が増えていく。 持続可能な消費(エシカル消費)への関心も高まっており、環境への配慮や倫理的な製品、健康増 進に関連する商品やサービスも求められていく。 <ビジネス供給構造の変化> ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 現状では、日本特有の業界構造として、市場が分散し、規模の大小問わず企業数が多く、過当競争 や高い販管費のためにマージンが薄く、十分な投資を実行するだけのリソースに乏しい。ともすると 価格競争ビジネスに向かってしまう傾向がはびこっており、賃金・生産性とも低迷。 人手不足時代の中で人材獲得競争にも劣後し、少子高齢化を背景に供給機能が著しく縮小する中、 需要を賄えない危機を迎えるが、流通・物流の機能は社会に不可欠であり、戦略的に、装置産業化 へ転換していく企業へと集約が進んでいくことで、一挙に生産性が高まる。賃金水準も相対的に上昇 していく。 極端な供給制約に直面する中で、機能を維持するため、合理化・効率化は徹底的に進む。流通から 製造・物流領域まで含めた垂直統合の動きや、協調領域における企業・業種の壁を越えた水平連携 の動きも活発に。従来存在した多くの企業ごとの個別最適は駆逐され、ハード・ソフト両面での標準 化が進み、こうした統合・連携の動きは一層加速化していく。 物流においては、フィジカルインターネットの実装に向けて、求貨求車マッチングや倉庫管理等の物 流プラットフォームを通じた効率化や、庫内作業等の自動化・機械化による物流の装置産業化が進 63 む。荷主の事業者は、こうした技術の活用や企業内外との連携の強化も踏まえ、物流を含むサプラ イチェーンマネジメントを軸に据えた経営を推し進める。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 小売は、オンラインとオフラインが一体となって高度なサービスを提供するオムニチャンネル化により、 顧客はよりシームレスな買い物体験が日常となる。リアル店舗では、自動化・キャッシュレス化が徹 底され、店舗運営に必要な人員数は大幅に減少し、無人店舗も増加。移動販売や宅配等、様々な選 択肢が当たり前となっていくが、他方で、リアル店舗は、単なる商品の陳列場ではなく、物資輸送拠 点、高齢者世帯の見守り拠点、医療・介護や行政等の様々なサービスの拠点等、地域・消費者のニ ーズに応えて、複合的な機能・価値を持つ形でその意義を再定義していく。 とりわけ、人口減の進む地域では、集客の効率性を目指す観点から、公共施設(自治体庁舎、バス 停等)と一体化した官民連携の店舗運営をはじめとする様々なモデルが広まっていく。著しく需要密 度が低下する地方山間地や一部都市部での、高齢者世帯をはじめとする生活必需品へのアクセス 困難者に対しても、DX等の活用に加えて、公共側との連携によって、流通・物流機能の維持が図ら れる。 また、商品自体も、環境配慮型の商品や、健康を意識した商品などの取扱いが増加し、川上まで統 合したことによる PB 商品の開発競争が活発化。過度な在庫や宣伝広告費、返品等、サプライチェ ーン・商習慣上見られた無駄・非効率を削減しながら差別化が進み特色が生まれていく。 アジアを中心に人々の所得・生活水準が上がっていく中で、DX等により競争力を高めた流通各社 は、国際展開も進めていく。 64 (15)コンテンツ・クリエイティブ・観光 ポイント    需要面では、我が国発コンテンツの海外売上高は、ここ 10 年で3倍に伸び、既に5兆円を超えて おり、自動車の輸出額に次ぐ規模である。政府の目標(新たなクールジャパン戦略)としては 2033 年に 20 兆円としている。また、コロナウイルスの大流行による巣ごもり需要の拡大とデジタルプラ ットフォームの登場の時期が重なり、需要構造が大きく変化。これにより、グローバルな市場が登 場し、従来では考えられなかったような、我が国発コンテンツの需要も急拡大している。 供給面では、グローバルなデジタルプラットフォームが登場し、国境を越えた発信が可能となって いる。デジタルプラットフォームは、配信するためのコンテンツの調達を進めるだけで無く、自ら作 品製作に乗り出したり、制作会社等への投資を増加させている。一方で、政策によりコンテンツ制 作費や海外展開を支援する国も現れており、コンテンツ分野は従来は欧米がリードする構造であ ったが、我が国を含めたアジア勢の活躍する場面も拡大していくものと考えられる。 我が国のコンテンツ・クリエイティブ・観光産業は国際競争力を有する基幹産業。コンテンツ・クリエ イティブ産業の振興に向けて、海外現地拠点等を活用した戦略的海外展開の促進、国際水準の 制作を実現する支援、プラットフォーマー等との契約交渉支援、クリエイターの育成等を進めること が必要。こうした取組により、関連産業への波及・高付加価値化を図り、観光・インバウンドの稼ぐ 力を強化する必要がある。 (コンテンツ・クリエイティブ) <世界全体の需要構造の変化> ⚫ ⚫ ⚫ 世界のコンテンツ需要は、CAGR で5%と高い伸びを示しており、2022 年に 173 兆ドルから 2027 年 には 215 兆ドルへと伸びることが想定されている。我が国発コンテンツの海外売上高は、ここ 10 年 で3倍に伸び、既に5兆円を超えており、自動車の輸出額に次ぐ規模である。政府の目標(新たなク ールジャパン戦略)としては 2033 年に 20 兆円としている。我が国発コンテンツの評価は非常に高 く、世界の中間層の確実な成長が見込まれる中で、2040 年の将来においても、確実に売上高を積み 増すことが可能な分野。 コロナウイルスの大流行による巣ごもり需要の拡大とデジタルプラットフォームの登場の時期が重な り、需要構造が大きく変化。これにより、欧米諸国においても、英語の吹き替え以外の字幕付きの動 画の視聴が急拡大するとともに、アニメに依存しない形で日本発の楽曲への人気が高まるなど、グロ ーバルな市場が登場し、従来では考えられなかったような、我が国発コンテンツの需要も急拡大して いる。一方で、我が国発コンテンツの拡大により、海賊版によるコンテンツ消費について、被害額が 約2兆円と試算されており、引き続き課題。2040 年においても、新興市場の変化により海賊版被害に ついては対策したとしても残っていくものと思われる。 他方で、物理的な「体験」そのものに対する、再評価・再発見が進み、特に若い世代を中心としたコト 消費が増大。日本固有の食・伝統芸能・生活様式のほか、アートやライブエンタメ、コンテンツ IP と地 域資源を掛け合わせるといったクロスオーバー、「体験」をより魅力的なものに引き上げていくデザイ ンなどへの期待も高まっている。デジタルによって世界に拡がった日本のクリエイティブが世界に認 知される中で、「体験価値」としての経済効果も拡大する。 65 <世界全体の供給構造の変化> ⚫ コンテンツ市場の世界的な供給構造の最大の変化としては、グローバルなデジタルプラットフォーム ⚫ ⚫ ⚫ が登場し、国境を越えた発信が可能となっている点である。 外資のデジタルプラットフォームは、単に配信するためのコンテンツの調達を進めるだけで無く、自ら 作品製作に乗り出したり、制作会社等への投資を増加させている。作品を生み出す制作会社・クリエ イターにとって、資金調達手法が多様化し、グローバル市場への足掛かりが形成されてきている。一 方で、個人が流通網に直接アクセスできるようになったことで、個人の創作物(UGC)の流通が増加。 コンテンツ制作ツールが無料あるいは低価格で提供されることを通じて、UGC がヒットを飛ばす例も 珍しくなく、個人クリエイターの活躍の場が拡大してきた。クリエイター個人の活躍の機会の拡大は今 後も継続していくものと考えられる。 一方で、韓国のように政策によりコンテンツ制作費や海外展開を支援する国も現れ、既にその年間 予算額は 1000 億円近くまで増加している。また、法制度により実質的に自国産業を保護する国も出 現。 こうした変化を背景に、コンテンツ分野は従来は欧米がリードする構造であったが、我が国を含めた アジア勢の活躍する場面も拡大していくものと考えられる。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 我が国のコンテンツ産業市場は約 13 兆円を占めるほか、関連産業市場も含めると約 108 兆円程度 と試算されており、規模の大きい産業であるのみならず、IP を軸とした他の産業への拡がり(経済 圏)も期待される。日本のコンテンツ・クリエイティブ産業の政策的な意義は、①クールジャパンに代 ⚫ ⚫ ⚫ 表される「国家ブランディング」にあると考えられてきたが、既に経済実態からも「基幹産業」として位 置づけられており、①に加え、②経済成長、③人的資本の強化、④地方創生、⑤イノベーションなど、 様々な役割が期待されるに至っている。 構造上の変化については、コロナによる巣ごもり需要により、コンテンツの提供形態として圧倒的に、 デジタルプラットフォームの役割が拡大する中で、我が国発コンテンツの世界への供給が進み、ニー ズが拡大している状況に至っている点にある。我が国発初のコンテンツが世界的に展開する状況に なっており、従来のゲームだけでなく、アニメ、映画・映像、音楽が大きく躍進するとともに、デジタル プラットフォームによるアニメの需要拡大と連動して、紙の本による漫画についても、海外市場を確保 する段階となっている。 一方で、海外展開上の課題としては、従来、低リスク低収益のライセンスにより進められてきたもの が、デジタルプラットフォームにより、海外需要の拡大が顕在化している中で、ライセンスビジネスか ら、自ら現地法人を立ち上げて、自ら現地で配給や卸売りを行う形でのビジネスモデル検討に着手 する事例が急増しており、JETRO の海外情報へのニーズが急拡大している。いわばリスクを取りな がら、海外市場において需要のある事業の収益化を確実なものとする事業構造の変化が顕在化し ているといえる。 他方、国内の事業基盤としては、海外需要の高まりから、製作スタジオ不足、アニメーターなどの技 能者不足が顕在化しており、評価の高い技能者を中心に人件費が高騰する傾向が高まる一方で、 将来の事業拡大が困難になるとする懸念が顕在化している。既に、ゲーム分野では、自動車分野よ りも高い年間収入額を達成している状況にある。こうした状況下にあっては、圧倒的な生産性の高い 新技術の導入や円滑な新規参入が行われなければ、2033 年の海外売上高 20 兆円を確保すること が難しい。また、我が国発コンテンツの海外市場の規模に比べて、我が国のコンテンツ制作企業の 受け取り収入の低さについても、関心が高まっている。 66 ⚫ 更に、より広く「クリエイティブエコノミー」という拡がりをもって捉えると、クリエイティブ産業は日本の 創造的活動を促していく観点からイノベーションの創出に大きく貢献し、今後の経済社会にとって重 要となる創造性人材の創出に大きく貢献できる。また、日本各地の多様な文化基盤は、地域経済の 活性化にも効果があり(聖地巡礼やアートによる社会コミュニティなど)、それをグローバルに展開さ せることで、国家ブランディングを向上させることができる。 (観光) <世界全体の需要面の変化> ⚫ 世界の観光需要は、グローバルサウス諸国等の新興国の経済成長や、産業のサービス化・デジタ ル化の進展による、世界全体の経済的余力や余暇的時間の増加に応じて、拡大していく。富裕層に よる高価な観光・宿泊体験に対する需要も、金融資産所得の向上を背景とした世界全体での超富裕 者の増加により、引き続き拡大していく。 <世界全体の供給面の変化> ⚫ 中間層の観光需要の獲得に向けた企業間競争は、世界全体で激化する。消費者の大部分は、訪 問・消費先の選択において、観光関連のデジタルプラットフォーマー(OTA(Online Travel Agent)や民 泊プラットフォーマー等)を情報取得源とすること、また、映像等のデジタルコンテンツの題材となった 場所やものに対する訪問・消費意欲から行動選択を行う傾向(又は供給側がそうした意図のもとで観 光商品を提供する傾向)が今後も継続することから、デジタルプラットフォームとも接続し、より多くの 消費者との接点を継続的に持ち、消費意欲を喚起し続けることができる者が高い市場競争力を持つ ⚫ こととなる。 富裕層の観光需要の獲得に向けた企業間競争も、世界全体で激化する。富裕層をターゲットとした 高価な観光商品を組成し、継続的に提供できる者に市場競争力が集中することから、それに必要な 経営資源(高度なデザイン・ブランディング能力、大規模な資金調達力、そうした能力を具備する人 材等)をめぐる競争も激化する。 <日本の事業構造の変化> ⚫ 観光産業の日本経済に占める位置は、インバウンド需要(訪日観光客数・一人当たり訪日外国人消 費額の双方)が成長し続けることにより、生産年齢人口が減少する国における最重要な外貨獲得産 ⚫ 業、かつ非東京圏の多様な文化芸術資源(工芸・ファッション・デザイン等を含む)を核に、経済社会 水準(賃金水準やインフラの持続性等)に最大の正の波及効果をもたらす産業として、国の基幹産 業としての地位を獲得する。 ➢ 現時点の日本においても、外貨獲得効果、関連産業への波及効果の点から、既に重要産業と 化している(例:2023 年時点で訪日外国人消費額は約 5.2 兆円であり、輸出額の上位2位であ る自動車や半導体等電子部品に次ぐ経済価値を生んでいる)が、引き続き産業規模は増大して いく。 日本の観光関連産業・企業の市場競争力は、デザイン、アート等の文化芸術資源やスポーツを活用 すること等により、顧客とサービスの多様化・ユニーク化・高付加価値化を軸として成長する。すなわ ち、他国と差別化された日本の独特な特徴(良好な治安、公共交通の時間の正確さ、を含めたインフ ラの確実性、米欧先進国と新興国の双方の信頼性を獲得できる地政学的位置、宗教的ではないが スピリチュアル(SBNR:Spiritual But Not Religious)な価値を持つ建造物や地域伝統芸能等による体 験、世界的に著名なコンテンツの題材となった実世界のものや体験への憧れ、日本独自の応援文化 67 や母国選手の活躍に触れるスポーツ観戦等)を競争力の源泉として、多様な地域・プレーヤーが、ユ ニークな継続的顧客層と強固な関係を構築し、高単価の観光・宿泊体験を提供し続ける産業へと成 ⚫ 長を遂げる。 具体的な領域としては、特に以下の方向性が強化される。 ➢ ①観光関連産業におけるアートやデザイン等の高付加価値投資を通じた単価向上の実現。 ➢ ②ビジネス・インバウンド市場:地政学的な重要拠点として多様な国から国際会議の拠点等とし て選択され、それが観光消費にも繋がるユーザー体験が各地で丁寧に設計されている。 ➢ ③スポーツエンタメ・コンテンツの海外展開を通じた、継続的な訪日客の増加。 このような成長を遂げた結果、観光関連産業の地域経済への正の波及効果として、以下のような効 果が発現している。 ➢ 地域経済における B2C 製品・サービスの適正な値付け慣行の確立、それを通じた地域 B2C ➢ 産業における賃金水準の向上。(高付加価値なサービス・人材には、高い値段・賃金を、というこ とが定常化している。) 高付加価値化を実現した地域における生活インフラの持続性の担保。(アクセスのための道路 の維持管理、物流等が、訪問・消費需要が継続することにより、民間サービスとして適正に維持 される。) 68 5.一人一人が豊かな日本の将来の見通し ⚫ ここまで、一人一人が豊かな社会に向けて、各ミッションや産業全体、個別産業が直面する世界の需 ⚫ 要・供給の変化、新機軸の経済産業政策も含めた官民の取組で進展していく日本の事業構造の変 化を示した。 本パートでは、こうした変化によって豊かな社会を実現するための企業・国民・政府の見通しを、国内 投資、イノベーション/新陳代謝、所得の向上、マクロ経済の4つの側面から再整理している。 (1)2040 年頃に向けた企業・国民・政府の見通し (国内投資の拡大:量の拡大) ⚫ 国内投資拡大(例えば、2030 年度 135 兆円、2040 年度に 200 兆円の投資額を達成する拡大スピ ード以上)を継続していく。 ⚫ 対内直接投資は、サプライチェーン上の位置づけの重要性の高さ、スタートアップ・エコシステムの成 熟とグローバルな資本市場への接続、国内投資拡大のための市場環境の整備などを背景として、対 GDP 比で大きく上昇することで、対外直接投資とのアンバランスが改善する。 (イノベーション/新陳代謝の加速:質の向上) ⚫ 世界と勝負する企業は、世界本社・世界工場といった「世界の創造拠点」として、世界と勝負し、付加 価値が高い本社機能(研究開発機能を含む)と生産機能だけが、日本に残る。 ⚫ その結果、交易条件は、個々の製品・サービスの高付加価値化や、GX・DXによる国内事業の選択 と集中で輸出に占める付加価値の高い製品・サービスのウェイトが向上することによって、輸出物価 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ が維持・上昇し、GXによるエネルギー自給率の向上で輸入に占める資源・エネルギーのウェイトが 低下することによって、資源価格が変動しても輸入物価の上昇が起きにくくなり、トータルとして悪化 を抑制していく。 スタートアップや大学・研究所、人材育成を含むイノベーション・エコシステムが強化され、イノベーシ ョンが拡大し続ける。 企業は、早期かつ迅速な事業再構築や事業再編により、競争力を高めていく。 構造的人手不足の時代には、賃金や働き方の面でより良い条件を提示できる仕事に、人々が移動 していく。賃上げを続け、柔軟な働き方でやりがいある「良い仕事」が、若者からの支持を受けて採用 できるものとして、企業は生き残りのために挑戦する。 地域の産業・生活インフラや生活関連サービスは、デジタル・自動運転・ドローン等の技術を活用し て統合運用することで、現在の仕組みでは維持困難な人口密度の低い地域でも高品質を確保。ただ し、極端な過疎化が進み、個人・社会の生活を支える公共サービスのコストが高まる可能性がある 中、コンパクトな都市計画・土地利用は有効な選択肢となり得る。それが進むと技術の活用とあいま って、インフラや生活を支えるサービスを維持することが可能となる。 国民一人一人が、デジタルを積極的に活用するなど、時代や社会の変化に適応することが求められ る。また、起業が当たり前の選択肢の一つとなり、個人も変化の主体になる。 (所得の向上:生まれた富の循環) ⚫ 構造的人手不足や国際的な人材獲得競争の中でも、自社に必要な人材を採用できる企業は、賃上 げは当然のこととして、さらに従業員の生きがい(社会貢献意識や柔軟な働き方)も提供する。 ➢ 失業率は、構造的人手不足を背景に、特に地方・現役世代で、低水準が継続する。 69 ➢ 社会保障負担は、従属年齢人口比率が当面横ばいのため、これまでの 30 年間に経験したほど は大きくは増えない。 ➢ ⚫ エッセンシャルワーカーの賃上げには、思い切った省力化(業務プロセスの改善・省力化投資) や、公的保険外サービスの振興などによる公定価格にとらわれない新たな付加価値の獲得が 必要。 リスキリングに取り組む個人は、年齢に縛られず学び直しを行い続けることで、賃金が上がりやすく なる。 (マクロ経済) ⚫ 真の意味での民主導型経済実現によって、企業が資金需要の主体となることで、財政の持続性も維 持しながら、経済成長・国民の所得向上を実現する。 ⚫ 政府は、民主導型経済に転換するため、新機軸で位置付けた「大規模・長期・計画的」という方針に 則り、企業の予見可能性を高めるため、一歩前にでて、目標設定・予算・税制・規制改革・標準化・出 融資等あらゆる政策を総動員する。民主導型経済が軌道に乗り、継続していくために、政府は国の 戦略投資として、インフラ投資や産業政策など必要な生産的政府支出を継続させることを通じ、挑戦 する企業を後押しする。 70 (2)見通しの詳細①:得られる国民の豊かさ ポイント   主要先進国並みの賃上げ(例えば、2023 年~2025 年の国内の賃上げの水準(名目))の継続で、 所得が向上する。 人口密度は減少し、二拠点居住が一般化。デジタル化で義務的作業時間が減少し可処分時間は 増加。世界で最も健康(健康寿命は 75 歳以上)に、誰もが(高齢者も障がい者等も)活き活きと生 活できる。 (国民一人ひとりの生活、所得) ⚫ 賃金は、投資、イノベーションを背景とした労働生産性の向上により交易条件は悪化を抑制し、構造 的人手不足による賃金上昇圧力により、主要先進国並みの賃上げ(例えば、2023 年~2025 年の国 内の賃上げの水準(名目))の継続で、伸びる。社会保障負担は、少なくとも 2030 年までは全人口か ら生産年齢人口を除いた、年少者(15 歳未満)と高齢者(65 歳以上)から構成される従属年齢人口 比率は横ばいなので、過去 30 年経験したほどには大きくは増えない(なお、高齢者を機械的に 65 歳以上と捉えるのではなく、健康寿命で捉えると、日本の場合、74 歳以上が高齢者となり、2040 年 目標では 75 歳以上となるため、65 歳から9~10 年延長され、高齢者と捉えられる人の割合が減 る。また、年少者も教育期間の長期化を踏まえ、19 歳未満とすることで、より健康・教育の実態に即 して捉え直した従属年齢人口比率は 2040 年まで不変)。結果として、手取りは増加傾向となる。ま た、気候変動対応により電気料金等のエネルギーコストは増えるが、賃金の伸びの方が大きくなるこ とで、負担感は弱くなる。 ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫ 個人のキャリアは、専門性を活かすことがより一層重要になり、デジタル活用を中心としたリスキリン グが広がる。リスキリングに取り組む人は、年齢に縛られず学び直しを行い続けることで、賃金が上 がりやすくなる。起業も当たり前の選択肢の一つになる。こうした働き手の自律的なキャリア意識の 高まりや構造的人手不足を背景に、従来の硬直的な人事制度・賃金制度である終身雇用や年功型 賃金といった日本型雇用システムのままでは企業の人材確保は難しくなる。 働き方は、子育て・介護といった個人のライフステージに応じて柔軟化する。政府の子育て支援強化 と地方・中小企業も含めた働き方改革の浸透による男性の子育て・介護・家事参加によって、既に若 い世代で生じ始めているように、女性の L 字カーブが解消される。また、地方でも、理工系・デジタル 関係含めて幅広い職務で活躍できるようになり、女性の就業機会がさらに増える。またデジタル社会 によってあらゆる価値創造プロセスが変化することとあいまって、女性のみならず、あらゆる人が年 齢、性別、障がいのあるなし等に関わらず価値創造できるようになる。 高齢者(2040 年時点で総人口の 35%程度)の労働所得は、インフレ傾向でマクロ経済スライドが発 動しやすくなる公的年金収入よりも、伸びやすくなる。健康寿命の延伸や構造的人手不足を背景に、 企業側も年齢の区切りに関わらず従業員を雇用する。その結果、パートタイムなどの柔軟な働き方 の下で、個人の就労が増加し、現在の生産年齢の概念が変わる。 家計の所得は、現役世代の賃金上昇、高齢者世代の就労期間の延長による就労所得の上昇に加 え、年金収入の相対的な給付水準の抑制を補うための家計貯蓄の金融投資への移行及び企業経 営改革(価値創造経営の推進)による株価向上により、金融所得が上昇することで、全体としても上 昇する。さらに、企業が従業員へ自社株式を付与していれば、企業価値の向上に伴い、株価も向上 し、従業員の金融所得も増加する。これらを背景として、個人消費も緩やかな拡大が継続する。 失業率は、構造的人手不足を背景に、特に地方・現役世代で、低水準が継続。賃金水準が低い地 方・中小を中心に、賃上げを続ける企業は人材を採用できる。賃上げできない企業も、賃上げできる 71 企業との M&A や、M&A で期待した効果を着実に実現するための事業統合作業(PMI)等を通じて、 賃金を上げることができる。結果として、構造的人手不足により、商品・サービスの供給不足が課題 ⚫ となり、取引価格は上昇傾向が続く。構造的人手不足においては、廃業・倒産や M&A・PMI は、雇用 の喪失ではなく、リソースの解放を意味する。個人にとっては、より良い条件を提示する企業への移 動の機会として捉えることとなる。 格差は、税・社会保障等による再分配前としては、一般論として、他の先進国と同様、これまでは、テ クノロジー導入で細分化された生産工程や業務が、それぞれの工程・業務にとってコスト最適な場 所・人材によってグローバルに分業できるようになる中で、拡大しやすい傾向にあった。また、一般論 として、年齢が高い階層になるほど若年時の実績の積み重ねや、引退するか働き続けるかの選択の 違いにより格差が高まるため、人口高齢化が進むことで社会全体の格差も拡大しやすい傾向にあっ た。今後は、新たなテクノロジーの実装、国際経済秩序の変化等に伴う国内投資、健康寿命の高ま り、といった要因が、こうしたトレンドを一定程度反転させることで、格差を縮小させる方向にも働いて いく。 ➢ 具体的には、生成 AI 等の新たなテクノロジーの実装は、高い知的生産活動を伴う専門職の雇 用は補完する一方で、定型的な認知・作業を伴う事務職の雇用を代替することとなる。しかし同 時に、生成 AI がロボット技術と組み合わさる省力化投資として、非定型な作業を伴う製造・サー ビス現場の技能職の雇用を補完するため、エッセンシャルワーカーの労働生産性向上・賃金上 昇をもたらす。 ➢ また、国際経済秩序の変化やカーボンニュートラルへの対応で、経済安全保障上重要な財や、 脱炭素の観点から付加価値の高い財の生産拠点を立地させるための国内投資により、国内に ⚫ ⚫ 良質な雇用が創出される。 ➢ さらに、健康への投資により健康寿命が延伸し、健康である限り、希望すれば働き続けることが できるようになり、結果として、高齢期の格差が縮小しうる。 さらに、税・社会保障の再分配によって、分配後の格差は現在とは大きくは変わらない。その結果、 全体としては多くの国民が、現在の停滞が続く場合よりも、よりよい生活水準を確保する。 (注)生成 AI とロボット技術の進展度合いによれば、非定型な作業を伴う製造・サービス現場の技能 職の雇用すら代替され、もはや働く必要がなくなるシナリオもありうる。その場合には、ベーシックイン カムの導入をはじめ、再分配制度の在り方の抜本的な見直しが必要になる。 賃金上昇の前提となる産業の付加価値の向上は、社会的マクロ環境変化・社会課題という必要に迫 られて、ミッション・OS組替えが同時進展(グリーン市場獲得による付加価値向上、デジタルによる供 給構造転換による付加価値向上、経済安保を背景としたチョークポイント拠点化による高付加価値 化、少子高齢化を背景とした健康需要獲得・省力化による付加価値向上など、詳細はミッション・産 業毎のシナリオであり、その統合像は「産業全体の変化」に記載)することで実現される。地域では、 特色ある産業が生じる地域に、製造拠点投資と産業インフラ投資が行われ、子育て・介護しやすい 働き方の事業所近くに、現役世代の人が流入(例えば、北海道・九州は脱炭素電源を使う製造業、 東京湾・瀬戸内は水素・アンモニアコンビナート、東北は洋上風力等)。 生活インフラ(交通、保育・介護)は、現状維持であれば老朽化により維持が困難となるが、デジタル で効率的に管理されることで、構造的人手不足が深刻な地方においても運用可能となる。エッセンシ ャルワーカーの賃上げには、思い切った省力化(業務プロセスの改善・省力化投資)や、公的保険外 サービスの振興などによる公定価格にとらわれない新たな付加価値の獲得が必要。 72 ⚫ 個人の生活は、デジタル化・自動化、脱炭素化、働き方の柔軟化などが進展することにより、可処分 時間は増加し、時間・場所の制約からは開放され、環境や健康の観点からサステナブルなくらしへと 変化していく。例えば、 ➢ 仕事、移動、家事等に要する時間が減少するため、余暇に使える時間が増える。 ➢ 個人のDXリテラシーが高まることで生活の利便性が向上し、サービス提供側のコストも下がる。 ➢ 人口密度が減少し、働き方の柔軟化なども相まって、二拠点居住も特別なものではなくなる。 ➢ 住居には、壁面などにも太陽光発電が取り付けられ蓄電可能な電動車の導入が進み、ライフス タイルに合わせて照明や暖房などが最適化される。 ➢ モーダルシフトが進み、鉄道や自転車などによる移動が増加する。 ➢ サーキュラーエコノミーによる製品のリユースや長寿命化、リサイクル製品などの普及が進み、 適量・食べきり販売による食品ロスの減少など環境志向のくらしへと変化する。 ➢ ウェアラブル・IoT デバイスにより取得されたライフログデータの活用により、食品から、フィットネ ス、エステ・リラクゼーション、機能性寝具・健康志向家電、ヘルスツーリズムに至るまで、日々の 生活に関するあらゆる製品・サービスが、健康志向のものに置き換わる。 73 (3)見通しの詳細②:生じているマクロ経済構造 ポイント   GDP は、生産年齢人口の減少率より、労働生産性が高い水準の伸びとなることで、プラス成長と なる。 企業の投資超過に伴い、政府は財政支出の増加を伴いながらも投資超過を解消していく。 (マクロ経済環境) ⚫ GDP は、生産年齢人口の減少率より、労働生産性が高い水準の伸びとなることで、労働参加率の 維持の中、プラス成長となる。一人当たり GDP も、プラス成長となる。 ⚫ 物価は、少子化・高齢化及び地政学リスク拡大によって、世界的にインフレ傾向が継続し、日本も世 界的な物価動向と、構造的人手不足を背景とした賃上げの継続傾向により、マイルドなインフレが定 ⚫ ⚫ ⚫ 着し、名目成長率>実質成長率が継続する。 名目金利(市場の目安となる長期・短期含めた国債金利平均)は、こうした物価動向を受けて上昇す るが、既発債の金利が低いため、当面大きな変動は生じない。国債の安全資産ステータスを維持す る中で、成長しながら金利が生じ、一時的な逆転などは生じるものの構造的には成長率>金利が継 続。実質金利は、物価上昇の継続によって、マイナスあるいはそれに近い状態が継続する。 経常収支は、黒字構造が維持される。貿易・サービス収支は、足下の悪化傾向から対内直投を含む 国内投資増加を背景とした輸出増、サービス化も伴う製造業の輸出拡大、インバウンド拡大とともに DXによるデジタル赤字増への対応により、黒字幅を拡大。所得収支は、世界最大の対外純資産な ど過去の蓄積と企業の海外展開としての現地子会社への投資拡大もあって対内直投が増える中で も黒字を維持する。 IS バランスは、企業が 2040 年度に 200 兆円の投資額を達成するペースで国内投資の拡大を継続 することで貯蓄超過を解消して資金需要主体(投資超過)となり、家計は賃金上昇・金融所得の増 加、税/社会保障による所得分配の改善により、高齢化比率が上昇する中であっても貯蓄超過を維 持し、政府は経済成長に伴う税収の増加等を背景に投資超過を解消していく。 74

資料13

参考資料2ー③ 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理 概要 ~ 成長投資が導く2040年の産業構造 ~ 2025年6月 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 経済産業省 1 現状認識 ⚫ 日本経済の長期停滞の主要因として低迷していた国内投資と賃金には、「潮目の変化」が起きており、現在、 昨年を上回る水準で、継続している。 国内投資: ➢ 2024年度は、30年ぶりに過去最高を更新(108兆円)。 賃金: ➢ 2025年春季労使交渉は、約30年ぶりとなった昨年の賃上げ水準を更 新しつつ継続(5.32%(第5回回答集計結果))。 ⚫ この潮目の変化は、民間企業の努力の賜物だが、国内外の社会的マクロ環境の変化と政府の産業政策の積極化 という民間事業の前提変更に裏打ちされたもの。こうした変化は、 足下でも継続・進展。 国内外の社会的マクロ環境変化: ➢ 世界の政策不確実性指数は、2025年、過去最高水準に。 ➢ 世界各国で産業政策が強化(累次の取組に加えて、欧米でも関 税や投資加速償却等税制インセンティブ強化の動き)。 ➢ 世界的インフレ継続(日本も主要国並み消費者物価上昇)と、安 い国日本(物価加味の実質実効為替レートは1971年水準)。 ➢ 人口減少と世界最高水準の労働参加による国内の構造的人手不 足(人手不足DIはバブル期並みの過去最高水準)。 政府の産業政策の積極化: ➢ GXは、20兆円規模の支援フレームのうち約14兆円の使途の見通 しを示し、GX2040ビジョンを策定、2026年度から排出量取引制 度の本格稼働。第7次エネルギー基本計画で電力需要増の見込 み、産業政策とエネルギー政策の一体化を謳う。 ➢ DXはこれまでの4兆円支援に加えて10兆円支援フレームを構築 ➢ 下請けという名称をなくす下請法改正法案。早期事業再生法案も。 ➢ 中堅・中小企業支援(100億企業創出、省力化投資等)に1兆円。 ⚫ しかし、生産・消費はまだなお弱く、足下では物価高と人手不足を乗り越えることに四苦八苦。さらに、米国 関税措置が、日本及び世界経済、ひいては国際秩序に構造的な変化をもたらす可能性もあり、予断を許さない。 ⚫ こうした喫緊の問題に対応しつつ、これまで実質賃金が長期低迷した要因を踏まえれば中長期的には交易条件 の改善も必要。継続的な成長軌道への到達には、正念場。 足下喫緊の問題である物価高・人手不足と米国関税措置対応: ➢ 企業物価は消費者物価以上に上昇。労務費含め価格転嫁が重要。 ➢ 省力化投資による人手不足解消・供給力強化は物価対策にも寄与。 ➢ 自由で公正なルールに基づく国際経済秩序の維持・強化に取り組 みつつ、米国の一連の関税措置に関する日米協議を進めていくと ともに、相談窓口・資金繰り等に対応。 これまで中長期で実質賃金が低迷した主要因である交易条件: ➢ 労働生産性の上昇は主要先進国並みだったが、交易条件の悪 化(資源は高く輸入、製品・サービスは安く輸出)の影響が大き く、実質賃金は停滞(労働分配率や社保負担の要因より大)。 ➢ 輸出物価上昇(日本全体の価格転嫁)ができるよう、成長投資 による高付加価値化が必要。 2 実質賃金向上には、労働生産性の上昇だけでなく交易条件の改善(日本全体の価格転嫁)が必要 ⚫ これまで、労働生産性の上昇は主要先進国並みだったが、交易条件の悪化(=資源等を高く輸入、製品・サービスを安 く輸出)が大きく影響し、実質賃金は停滞。交易条件要因は、社会保障負担要因や労働分配率要因よりも大。 ⚫ 輸出物価上昇(日本全体の価格転嫁)ができるよう、成長投資による高付加価値化等が必要。 実質賃金上昇率の要因分解 交易条件(契約通貨ベース)の推移 (1995~2021年の26年平均) (1995~2025年) 労働生産性上昇率 GDPデフレーター - CPI上昇率 雇主の社会負担 労働分配率の変化 自営業者、混合所得等 税・補助金 実質賃金上昇率(マンアワーベース) (交易条件=輸出物価/輸入物価) (2020=100) 2 160 2.5% 1.8 労働生産性 の上昇 140 2.0% 1.6 120 1.5% 1.4 1.0% 交易条件の 悪化を含む 事業主の 社会保障負担増 0.0% 100 1.2 80 1 -0.5% 0.8 -1.0% 0.6 60 輸出物価指数(右軸) 1995年1月:134.5 ⇒2025年3月:112.8 =低下 交易条件(左軸) 1995年1月:1.6 ⇒2025年3月:0.9 =悪化 40 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 労働分配率は ほぼ変化なし 0.5% 輸入物価指数(右軸) 1995年1月:84.3 ⇒2025年3月:125.3 =上昇 (年) (注)左図:GDPデフレーターとCPI上昇率の差は、交易条件以外に、そもそもの指数の作成方法の違い等によっても生じる。税・補助金とは、「生産・輸入品に課される税ー補助金」のことである。 (出所)左図:厚生労働省「第3回社会保障審議会年金部会年金財政における経済前提に関する専門委員会(令和5年4月5日)」より、経済産業省が作成。右図:日本銀行「企業物価指数」より作成。 3 今、なぜ将来見通しなのか(第4次中間整理の位置づけ) ⚫ 30年続いたコストカット型の縮み思考から、今こそ、投資と賃上げが牽引する成長思考に、転換しなければ ならない。そのため、人口減少等を理由とした日本国内の根強い将来悲観を、払拭する必要がある。 ⚫ 日本の国民性は、長期性を重視し、不確実性回避傾向が強い。合理的に実現可能な明るい将来見通しを共通 認識とし、企業・国民・政府にとっての予見可能性を高め、官民で国内投資拡大と賃上げを定着させていく。 既に国内投資については、フォワードガイダンスによる好循環(中期目標を設定し、これに向かって官民で努力して前倒しで達成し、さらに野心的 な目標を設定)を実現してきた。こうした取組を、国内投資だけでなく賃金・産業構造・マクロ経済等に拡張し、総体として、整合的に実現していく。 2022年12月:第1回国内投資フォーラム ➢ 2027年度100兆円見通しを表明 2023年4月:第2回国内投資フォーラム ➢ 2024年度頃100兆円前倒し視野 ➢ 2027年度115兆円目標を設定 2025年1月:第6回国内投資フォーラム ➢ 2026年度頃115兆円前倒し視野 ➢ 2030年度135兆円、2040年度200兆円を設定 ⚫ 新機軸部会では、こうした問題意識に基づき、昨期からの2ヶ年プロジェクトとして、「人口減少であっても 豊かになれる2040年シナリオ」作りに着手。第3次中間整理(昨年6月)では、産業政策の強化という新機 軸の政策を続けていくことで得られる姿について、定性的なシナリオとして方向性を提示してきた。 ⚫ 今期(第4次)は、骨太方針・新しい資本主義実行計画(2024年6月閣議決定)やここ1年の関連政策(GX 2040ビジョンや第7次エネ基等)も踏まえて、シナリオを精緻化し、更に定量化することで予見可能性を 高め、将来見通しの実現に向けたものとして、必要な追加策を示す。 シナリオの目的: ➢ 産業構造等の変化を踏まえた将来需要(企業投資・個人消費 など)等のマクロ経済の変化を示し、国内投資と賃上げ・消費 拡大の予見可能性を高めることを目的とする。 ➢ 未来を「予測して当てる」ことが目的ではなく、実現可能性を 度外視した非連続の「在るべき姿」を示すことが目的でもない。 定量化の特徴: ➢ 数字そのものの「精緻さ」よりも、数字の変化の「考え方」を重視。 ➢ 今回の試算は、確定的なものではなく、今後中長期的に継続していく。 議論・政策・行動の出発点。必要に応じて随時修正・更新していく。 ➢ 20個以上の産業分類で示され、産業構造転換がイメージしやすい将 来見通しは、2006年の「新経済成長戦略」以来、約20年ぶり。 4 「2040年に向けたシナリオ」の定量化 マクロ経済・国民 ⚫ 新機軸ケース(新機軸の積極的な経済産業政策の強化を前提に、潮目の変化における国内投資・賃上げを継 続)とベースケース(過去30年と同程度に国内投資・賃上げが停滞)の2つを示す。 ⚫ 経済産業研究所(RIETI)が、深尾理事長ほか経済学者10名程と連携し、RIETI産業構造推計モデルを構築。 RIETI産業構造推計モデルの特徴: ➢ 新機軸がマクロ経済として目指す「国内投資とイノベーションと 所得拡大の好循環」を、計量モデルとして具現化したもの。 ➢ 「労働投入」と「投資(資本)」の拡大を起点として、「賃金」の上 昇を算出。「TFP」は過去実績参照ではなく、AI等技術革新効 果に加え、資本と労働の質の向上も評価し整合的な値を算出。 ➢ 新機軸ケースでは、定性的シナリオにそった将来の産業構造転 換を反映(国内投資の規模に応じて、産業間の取引関係を表現し た2040年の産業連関表を作成)。 ➢ TFPのAI等技術革新効果は、世界の経済学の最新知見と、国内 の各産業を構成する職務情報を踏まえて、産業毎の値を算出。 ⚫ 新機軸ケースでは、人口減少を前提に労働投入は減少するが、国内投資拡大(官民目標2040年度200兆円= 名目+4%)を実現すれば、資本装備強化を通じて労働生産性が上昇し、2040年においてGDPは名目+3.1% (実質+1.7%)、賃金は名目+3.3%(春季労使交渉+5%相当※2024年参照、実質1.3%)となる。 諸外国との国際比較: ➢ 「国内投資名目+4%(実質+2.6%)と賃金+3.3%(実質 +1.3%)」という成長要素の組合せは、過去30年の諸外国の 投資拡大・賃上げの組合せと比べて、中位に位置しており、 決して実現不可能な水準ではない。 ➢ 「GDP実質+1.7%と実質賃金+1.3%」という2040年の日本は、 購買力平価で諸外国の現状と国際比較すると、人口1億人未満の 中規模国と比べてGDPは大きく、実質賃金は現状のフランス・イ ギリスと同程度となる。ベースケースでは、実質賃金は現状の韓国 よりも低い。 国内関連指標の簡易的試算: ➢ ➢ 国民目線で重要な「可処分所得」(賃金の額面から社会保障負担等を 控除)は、内閣府・厚労省公表資料を基に簡易的に試算すると、新 機軸ケースでは、社会保障負担の増加を前提としても名目+2.9% ~+3.2%(実質+0.9%~+1.2%)、負担抑制に取り組めば名目+ 3.0%~+3.3%(実質+1.0%~+1.3%)となる。ベースケースでは、負 担抑制に取り組んでも名目+1.2%~+1.3%(実質+0.3%~+0.4%)。 マクロ経済運営上重要な「ISバランス」(企業、政府、家計、海外の 部門別貯蓄-投資)は、新機軸ケースでは、企業部門が投資超過と なり、政府部門が非社保の政府支出を「政府の戦略投資」としてGD P成長率と同等程度拡大していく想定でも貯蓄超過となる。ベース ケースでは、企業部門が貯蓄超過を維持し、政府部門が非社保政 府支出を過去30年と同様実質横ばい想定でも投資超過を維持。 5 国内投資拡大・産業構造転換を踏まえた2040年の将来見通し 前提 (独)経済産業研究所(RIETI:深尾京司理事長他)と共同作成 ⚫ 人口動態:総人口▲0.6%、生産年齢人口▲1.0%(社人研(出生中位・死亡中位)) インプット ⚫ 産業構造:「2040年版の産業連関表」を設定(イメージ:自動車はEV化をはじめとする脱炭素化やSDV化) (2020年の産業連関表を基に、「2040年新機軸(定性的)シナリオ」※2024年6月 産構審・新機軸部会「第3次中間整理」、 「GX2040ビジョン」、「第7次エネ基」等も踏まえて設定) ⚫ 国内投資:名目+4%で、2040年度200兆円(国内投資フォーラムの官民目標) ※ベースケースは0.7% → 次世代型投資(研究開発やソフトウェア・ロボット・通信機器等)が1.8倍に(ストックベース) → 既存型投資(建物・構築物等)は横ばい ⚫ TFP:資本・労働の質向上効果に加えて産業別AI等技術革新効果 ⚫ 物価:CPI 2.0% ※ベースケース:0.9% アウトプット ※ベースケース(積極的な産業政策なし) ⚫ GDP:名目+3.1%(実質+1.7%) ⚫ GDP:名目+0.5%(実質+0.1%) ⚫ 労働生産性:名目+3.7%(実質+2.3%) ⚫ 労働生産性:名目+1.7%(実質+1.2%) ⚫ 賃金:名目+3.3%(実質+1.3%) ⚫ 賃金:名目+1.5%(実質+0.6%) ※春季労使交渉5.1%で名目賃金2.8%(2024年) 6 6 (参考)国内投資の増加は賃金上昇につながる 賃金と民間設備投資の相関図(1991-2021の年平均増減率とRIETI産業構造推計モデル試算) 2.5% 韓国 2.0% スウェーデン アイスランド 1.5% 実 質 賃 金 増 減 率 英国 ドイツ RIETI産業構造推計モデル (2040新機軸ケース) フランス カナダ 1.0% 米国 オーストラリア デンマーク ベルギー オランダ 0.5% RIETI産業構造推計モデル(2040ベースケース) 日本 0.0% 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 実質民間設備投資増減率 (注)実質賃金(縦軸)は総雇用者報酬(実質値)を従業者数で割り、「正規労働者の平均労働時間/全労働者の平均労働時間」を乗じたもの。 すなわち労働者の平均労働時間の変化に伴う影響を取り除いた推移を示している。民間設備投資(横軸)は住宅を除く民間設備投資の実質値。 2040年の日本のRIETI産業構造推計モデル試算のうち、実質民間設備投資と実質賃金について、2021⇒2040年までの年率伸びを利用。 (出所)OECD statより作成。 7 (参考)実質GDPと実質賃金の長期推移の国際比較 (万ドル) 9.00 ※ 実 中質 国賃 、金 イ ン ド は 一 人 当 た り 労 働 生 産 性 8.00 米国(2020) 7.00 RIETI産業構造推計モデル(2040新機軸ケース) 6.00 ドイツ(2020) 英国(2020) フランス(2020) 5.00 ドイツ(1991) RIETI産業構造推計モデル(2040ベースケース) フランス(1991) 英国(1991) 米国(1991) 日本※内閣府成長移行シナリオ 韓国(2020) 4.00 日本※内閣府高度成長実現シナリオ 日本(2020) 中国※参考値(2020) 日本※内閣府BLシナリオ 日本(1991) 3.00 韓国(1991) 2.00 インド※参考値(2020) インド※参考値 (1991) 1.00 中国※参考値(1991) 0.00 0.00 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 実質GDP (注)縦軸:2022年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化した平均賃金 (兆ドル) 横軸:2015年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化したGDP ※中国とインドは、OECD.statに実質賃金が掲載されていないため、参考値として一人当たり労働生産性を用いた。一人当たり労働生産性は、 2015年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化したGDPを、労働力人口(世界銀行)で割ったもの。 ※2040年の日本の実質GDPと実質賃金は、 ・内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」の2034年度の実質GDP成長率、賃金上昇率(消費者物価)、物価上昇率 ・RIETI産業構造推計モデルの試算のうち、実質GDPと実質賃金について、2021⇒2040年までの年率伸びを利用し、OECD.statの2021年の各値を延伸 を用いて、経済産業省が試算。 (出所)OECD.stat、世界銀行、内閣府より作成。 8 過去の産業構造転換(労働生産性=名目付加価値/時間) ※面積=産業別付加価値額 労働生産性 <円/時間> 80,000 1994 20% 40% 60% 80% 30,000 20,000 10,000 農 林 水 産 業 0 80,000 飲 食 業 宿 泊 業 サそ ーの ビ他 スの 卸 売 業 小 売 業 20% 2021 建 設 業 郵 便 業 40% 運 輸 業 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 社 会 福 祉 ・ 医 介 療 護 電 子 部 品 ・ 繊 金 デ 維 属 バ 製 製 イ 品 品 ス は ん 用 ・ 生 産 用 ・ 業 務 用 機 械 そ の 他 の 製 造 業 パ ル 情 プ 報 窯・ ・ 業紙 通 ・ ・ 輸 一 信化 土 紙 送 電次 機 学 金 加 食 石 工 用 気属 器 鉱 製 機 機 料 品械械 業 品 品 教 育 60% 10,000 宿 飲 泊 食 業 業 0 農 林 水 産 業 サそ ーの ビ他 スの 郵 便 業 運 輸 業 ・社 介会 護福 祉 医 療 建 設 業 鉱 業 (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く (出所)経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 小 売 業 卸 売 業 不 動 産(総労働時間) 業 1,178 億時間 80% 30,000 20,000 情 報 通 信 業 廃電 棄気 物・ 処ガ 理ス 業・ 金 水 融 道 ・ ・ 保 険 業 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 情 業はパ 報 一 務んル 電 ・ 次 用用プ 子 そ通 金 窯 機・・ 部 の 属 業 械 生 紙 品 他 信化 機 輸 ・ 電 産 ・ ・ の 器学 繊 金 送 土気用紙デ 製 維 属 用 石機・加バ 造 製 製 機製械 工イ 業 品 品 械品 品ス 教 育 食 料 品 ・電 廃気 棄・ 物ガ 処ス 理・ 業水 道 通情 信報 業 金 融 ・ 保 険 業 不 動 産 (総労働時間) 1,022 業 億時間 9 将来の産業構造転換(労働生産性=名目付加価値/時間) 労働生産性 <円/時間> ※面積=産業別付加価値額 2040ベースケース 80,000 20% 40% 60% 30,000 20,000 10,000 農 林 水 産 業 サそ ーの 飲 宿 ビ他 泊 食 スの 業 業 社 会 福 祉 ・ 介 護 建 設 業 郵 便 業 運 輸 業 医 療 0 80,000 卸 売 業 小 売 業 20% 2040新機軸ケース 80% は 廃電 情 ん 棄気 報 用 物・ ・パ・ 処ガ 生ル通 理ス 電 業専 産 プ 信一 業 ・ 子 務門 水 そ 部 窯用 ・ 機次 支・ の 品 業・ 紙 器金 化 道 学 ・ 援科 他 ・業 ・ サ学 繊 金 の ・ 土務 紙 電 属 ー技 維 属 製 デ 石用 加 気 ビ術 製 製 造 バ 製機 工 機 ス、 品 品 業 イ 品械 品 械 金 ス 鉱 業 融 情 業 輸 ・ 報 送 保 通 食 用 険 信 教 料 機 業 業 育 品 械 40% 60% 20,000 10,000 0 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 鉱 ス、 業 業 省力化等で労働生産性を向上 (専門サービスを活用し、AI(ソフト)・ロボット(機械)等を導入) 農 林 水 産 業 サそ ーの ビ他 スの 宿 飲 泊 食 業 業 建 設 業 介社 護会 福 祉 ・ 郵 便 業 医 療 教 育 運 輸 業 小 売 業 (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く。 卸 売 業 (総労働時間) 828 億時間 80% 高付加価値化 高付加 価値化 30,000 不 動 産 業 労働生産性高の仕事を拡大 繊金 維属 製製 品品 業は 窯 務ん 業 用用 ・ 機・ 土 械生 石 産 製 用 品 ・ 製そ 造の 業他 の ・電 廃気 情 パ 電報 一 棄・ ル 子・ 次 物ガ プ 部通 金 処ス ・ 品信 属 理・ 業水 紙 ・機 化 道 ・ 電 デ器 学 紙 気 バ 加 機 イ 工 械 ス 品 金 融 情 輸 ・ 報 送 通 保 食 用 信 険 料 機 業 業 品 械 不 動 産 業 (総労働時間) 922 億時間 10 将来の産業構造転換(賃金=名目雇用者報酬/時間) 10,000 ※名目賃金=雇用者報酬(個人事業主・家族従業者を含まない) 時間当たり賃金 <円/時間> 2021 20% 40% 60% 7,500 5,000 宿 飲泊 2,500 食 業 業 0 農 林 水 産 業 サそ ーの ビ他 スの 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 郵 便 業 ・社 介会 護福 祉 医 療 卸 売 業 小 売 業 80% 繊 維 製 品 輸 送 用 機 械 電 気 機 械 食 金 製そ 料 属 造の 品 製 業他 品 の 運 輸 業 廃電 棄気 物・ 処ガ 理ス 業・ 一 水 次 道 金化 ・ 属学 パ 電 ル 子 情部 プ ・ 窯 ・は報品 紙 業 業ん・・ ・ ・ 務用通デ 紙 土 用・信バ 加 石 機生機イ 工 製 械産器ス 品品 用 不 動 産 業 鉱 業 情 報 通 信 業 建 設 業 金 融 ・ 保 険 業 教 育 (総労働時間) 967 億時間 2040新機軸ケース 10,000 20% 40% ①製造業X(エックス):GX、フロンティア技術で差別化、DXによるサービス化等で 新需要創出による高付加価値化により雇用拡大・賃上げ ②情報通信業・専門サービス業:新需要開拓で新たな付加価値を創出 他産業を上回る賃上げ ③アドバンスト・エッセンシャルサービス業:省力化設備・サービスを使いこなし、賃上げ 7,500 5,000 2,500 0 郵 便 業 宿 泊 業 飲 食 業 サそ ーの ビ他 スの 介社 護会 福 祉 ・ 医 療 運 輸 業 パ ル 窯 プ 業 ・ ・ 紙 土 ・ 石 紙 製 加 品 工 品 情 報 ・ 一 通 次 信 金 機 属 器 鉱 業 ①製造業X(エックス) ③アドバンスト・エッセンシャルサービス業 廃電 農 林 水 産 業 60% 棄気 物・ 処ガ 理ス 業・ 水 道 小 売 業 卸 売 業 建 設 業 そ 繊 金の 維 属他 製 製の 品 品製 造 業 食 料 品 ・は 業ん 務用 用・ 機生 械産 用 輸 電送 気用 機機 械械 80% ②情報通信業・ 専門サービス業 電 子 部 品 ・ デ 化 バ 学 イ ス (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く(出所)2021年については経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 情 報 通 信 業 不 教 動 育 産 業 金 融 ・ 保 険 業 (総労働時間) 868 億時間 11 国内投資の構造転換(費目別・産業分類別の民間資本ストック) 製造業 産業全体 (兆円) 2,000 (兆円) 16 450 166 1,600 1,400 1,200 15 113 32 171 41 38 1,000 13 107 32 800 58 400 287 350 149 179 46 38 特に 研究開発 その他の機械・設備 が拡大 特に 研究開発 情報・通信機器 が拡大 0 97 300 250 既存型投資 ⇒横ばい (1.0倍) 200 600 150 1,109 特に ソフトウェア その他の機械・設備 情報・通信機器 が拡大 1 14 54 400 1,002 エッセンシャル サービス業 500 次世代型投資 ⇒拡大(1.8倍) 1,800 ※電子部品・通信機器除く 情報通信業・専門技 術サービス業等 1,095 200 100 50 0 0 0 68 67 7 8 68 73 5 4 6 4 101 101 15 1 14 9 45 5 10 26 19 1 12 10 51 12 27 54 75 13 41 34 107 65 22 7 113 4 29 9 26 3 27 6 28 20 4 20 4 59 55 2021 2040 59 260 222 207 8 77 0 2021 2040 2040 ベースケース 新機軸ケース 2021 2040 2040 ベースケース 新機軸ケース (注)産業全体における数値は民間部門のうち企業部門を念頭として住宅を除く。既存型投資は建物・構築物等、次世代型投資は建物・構築物等以外への投資である。 (出所)2021年については経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成 2040 ベースケース 新機軸ケース 2021 2040 2040 ベースケース 新機軸ケース 12 貿易=産業別名目輸出・輸入の変化(新機軸ケース) 輸出 1994 2021 (兆円) 専門・科学技術、業務支援サービス業, 1.1 金融・保険業, 0.7 情報通信業, 0.3 宿泊・飲食サービス業, 0.2 運輸・郵便業, 3.8 卸売・小売業, 3.0 輸送用機械, 10.1 はん用・生産用・ 業務用機械, 6.6 情報・通信機器, 3.3 情報通信業, 1.9 電気機械, 4.9 繊維製品, 0.7 パルプ・紙・紙加工品, 0.4 化学, 8.2 石油・石炭製品, 1.1 窯業・土石製品, 0.9 宿泊・飲食サービス業, 0.2 運輸・郵便業, 5.5 一次金属, 7.0 農林水産業, 2.6 宿泊・飲食サービス業, 2.1 運輸・郵便業, 2.4 卸売・小売業, 0.6 輸送用機械, 1.5 情報・通信機器, 1.0 電気機械, 1.3 電子部品・デバイス, 1.0 鉱業, 5.6 総額 40 兆円 その他の製造業, 3.6 はん用・生産用・業 務用機械, 1.6 金属製品, 0.3 一次金属, 1.9 その他の製造業, 3.7 電子部品・デバイス, 7.6 電気機械, 7.0 金融・保険業, 2.4 建設業, 0.1 その他の製造業, 4.6 輸送用機械, 31.7 電子部品・デバイス, 34.1 電気機械, 6.4 電子部品・デバイス, 5.3 石油・石炭製品, 1.0 その他の製造業, 7.5 はん用・生産用・業務用機械, 7.1 (出所)1994年、2021年については経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 農林水産業, 4.1 鉱業, 26.9 鉱業, 19.3 不動産業, 1.1 金融・保険業, 4.5 食料品, 12.9 情報通信業, 20.3 輸送用機械, 6.1 繊維製品, 2.6 電気機械, 5.3 その他のサービス, 1.4 専門・科学技術、業務支援サービス業, 25.1 卸売・小売業, 0.4 食料品, 4.6 窯業・土石製品, 0.4 はん用・生産用・業 務用機械, 44.2 卸売・小売業, 15.6 情報・通信機器, 0.9 農林水産業, 2.9 宿泊・飲食サービス業, 0.2 情報・通信機器, 6.1 パルプ・紙・紙加工品, 0.4 化学, 2.2 総額 233 兆円 業務用機械, 運輸・郵便業, 2.6 情報通信業, 0.4 宿泊・飲食サービス 業, 10.8 はん用・生産用・ 専門・科学技術、業務支援サービス業, 6.7 金融・保険業, 1.0 情報通信業, 12.7 輸送用機械, 17.9 情報通信業, 4.1 専門・科学技術、業務支援サービス業, 1.4 食料品, 2.1 繊維製品, 0.7 パルプ・紙・紙加工品, 0.6 化学, 13.8 石油・石炭製品, 2.3 窯業・土石製品, 1.8 一次金属, 10.6 金属製品, 1.4 金融・保険業, 3.9 運輸・郵便業, 19.7 14.3 情報・通信機器, 1.1 輸入 不動産業, 0.1 金属製品, 1.0 総額 96 兆円 卸売・小売業, 8.3 その他の製造業, 1.6 電子部品・デバイス, 3.6 食料品, 0.8 金融・保険業, 1.9 鉱業, 0.2 専門・科学技術、業務支援サービス業, 13.2 専門・科学技術、業務支援サービス業, 6.4 食料品, 0.2 繊維製品, 0.8 パルプ・紙・紙加工品, 0.2 化学, 2.4 石油・石炭製品, 0.3 窯業・土石製品, 0.5 一次金属, 1.9 金属製品, 0.6 総額 46 兆円 2040新機軸ケース 総額 115 兆円 総額 224 兆円 宿泊・飲食サービス業, 食料品, 8.0 0.5 運輸・郵便業, 6.2 繊維製品, 4.4 卸売・小売業, 0.7 輸送用機械, 8.4 パルプ・紙・紙加 情報・通信機器, 4.6 工品, 0.6 化学, 10.8 パルプ・紙・紙加 工品, 1.0 化学, 14.7 石油・石炭製品, 8.4 窯業・土石製品, 2.0 電気機械, 10.1 一次金属, 15.9 石油・石炭製品, 4.1 窯業・土石製品, 1.0 一次金属, 7.1 金属製品, 1.4 繊維製品, 7.7 電子部品・デバイス, 19.7 その他の製造業, 11.5 金属製品, 2.7 はん用・生産用・業務用機械, 13.5 13 「2040年に向けたシナリオ」の定量化 産業構造・投資・輸出入 ⚫ 産業構造は、ベースケースでは、変化がないことによって、問題が生じる。 新機軸ケースでは、3つの変化に対応することが必要。 ベ ー ス ケ ー ス ①製造業 ➢ 過去30年と同様、物量・品質 勝負を続け、生産性は一定程度 上昇するが、雇用は増えない。 ②情報通信業・専門サービス業等 ➢ 過去30年の加速トレンドに沿っ てサービス輸入が拡大し、生産 性向上が乏しく、雇用も減少。 ③エッセンシャルサービス業(観光(飲食・ 新 機 軸 ケ ー ス ①製造業 ②情報通信業・専門サービス業等 ③エッセンシャルサービス業 (社会を変革する製造業X(エックス)) ➢ GX・フロンティア技術による 差別化や、DXやメンテナンス 等のサービス化等によって高付 加価値化 (物量・品質勝負だけでない、 新需要創出による高付加価値化 で世界と勝負)。 ➢ 生産額・輸出額を拡大させ、賃 金は全産業平均程度に上昇。 ➢ 雇用は、構成変化して増加(情 報処理技術者等が増加、生産工 程従事者はほぼ横ばい)。 (製造・サービス新需要で成長産業化) ➢ フロンティア技術等による新需 要開拓(製造業の高付加価値化、 サービス業の省力化等)で新た な付加価値を創出。 ➢ 生産額・輸出額を拡大させ、各 産業への中間投入に必要な輸入 も増加する中、付加価値も増加 する。 ➢ 雇用は、構成変化(情報処理技 術者等の質が向上)し、他産業 を上回る賃金水準に。 宿泊業)、小売・卸売、医療・介護、運輸、建設等) ➢ 過去30年と同様、省力化・デジタル 化が不十分。人手不足の中で、生産 性低迷で供給が需要に追いつかない。 (アドバンスト・エッセンシャルサービス業) ➢ インバウンド・地域資源/文化等による高 付加価値化と、省力化・デジタル化 等の補完・高度化で、生産性向上。 ➢ 賃金は他産業に追いつくように上昇 し、個人消費による内需拡大の主要 部分を担う。 ➢ 雇用は、省力化・デジタル化を使い こなすアドバンスト・エッセンシャ ルワーカー(情報処理技術者等が増 加、サービス従事者は人数は増加し ないが多能工化等で質が向上)とし て、中間層の受け皿となる。 ⚫ 民間の国内投資は、次世代投資(研究開発、ソフトウェア・省力化投資)が拡大していく。 ⚫ 財・サービス輸出入は、鉱業(資源エネルギー等)と製造業に加え、情報通信・専門サービス業が拡大していく。14 定量化と足下の経済情勢を踏まえて得られる政策的示唆 ⚫ 人口減少下でも、「投資と賃上げが牽引する成長型経済」に転換できれば、国内経済は縮小することなく、 外需の獲得も相まって、日本経済は成長が可能。 ⚫ 世界の不確実性は高まっており、例えば足下の米国関税措置が、日本及び世界経済、ひいては国際秩序に 構造的な変化をもたらす可能性もあり、今回試算された将来見通しのとおりに、各産業が成長していける かは、予断を許さない。このため、今後も、世界情勢の変化に、機動的に対応していくことが不可欠。 ⚫ しかしながら、中長期的に、高付加価値型の経済・産業構造に転換していくことの重要性は、変わりよう がない。すなわち、国内投資と賃上げで国内需要の拡大を牽引することに加え、資源・食料等経済社会活 動に不可欠な物資を輸入せざるを得ない中規模国として、不安定な国際経済環境においても世界にかけが えのない高付加価値な製品・サービスを提供していくことは、いかなる状況においても不可欠となる。 ⚫ 高い不確実性が継続する中でこれを実現するには、過去30年の新自由主義的な考え方に戻ることなく、必 要あれば、安定的に政策を実施するための財源、柔軟に支出していく枠組みを検討した上で、大規模・長 期・計画的な財政出動も伴う新機軸の経済産業政策を、予算・税制・規制・標準化等のあらゆる政策を総 動員することで、気を緩めずに強化し続けていくことが必要。 ⚫ こうした過去・足下・将来の社会経済分析を踏まえると、今、必要なのは、高付加価値化に向けた成長投 資。国内投資と賃上げに向けて、政府と民間企業の対話の場を設けながら、官民で目線をそろえて民間企 業の予見可能性を高め、現実に直面する障害をハード・ソフト両面から一つ一つ取り除いていく。 そのため、以下①~③に取り組んでいく。 ①新たな付加価値を生む成長投 資促進のための構造改革 ②物価高・人手不足下でも持続 的に成長できる地方経済・産業 ③成長投資を実現する経済基盤 (エネルギー、通商等)の強化 15 政策の方向性① ~新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革~ ⇒戦略分野への官民投資と産業横断的な構造改革により高付加価値化を実現 (1)高付加価値な成長投資の促進 ⇒高付加価値化に資する次世代型投資を、企業が経営の中心に据えて、成長投資をやりきれる社会システムを整備 ⚫GX、DX、経済安保、健康、バイオものづくり、コンテンツなど戦略分野への官民連携での投資 ⚫企業の成長戦略を中心とする社会システム・政策体系の構築により、企業による成長投資・事業ポートフォリオの組替えを促進 (法人税インセンティブを含む政策対応により、研究開発・設備投資の後押しを成長投資型の構造へ、企業の選択肢拡大と 投資家との対話の実質化・効率化に資する会社法改正、リスクマネー供給の充実、組織再編に係る税制、競争政策等) (2)デジタル化・サービス化による産業構造の高付加価値化 ⇒デジタル化・サービス化により、物量勝負だけでなく高付加価値化で世界と勝負できる事業環境を整備(製造業X(エックス)化等) ⚫半導体や計算資源等の基盤インフラ確保(AI・半導体産業基盤強化フレームの活用等)、AI・データを活用した新プレイヤー ・産業創出(データ連携ユースケース創出・産業財産権保護・サイバーセキュリティ等)、コンテンツ産業の国際競争力強化 (3)持続的なイノベーション創出に向けたエコシステム形成 ⇒フロンティア技術等による差別化を支える研究開発を、再び世界最高水準としていける社会システムを整備 ⚫ 戦略技術領域の特定と事業化までの一気通貫支援(人材、研究開発、拠点形成、設備投資、スタートアップ、標準化等) ⚫ 「成長する大学」への集中支援等を通じた基礎研究力底上げ(経営の柔軟化、産学官連携の抜本強化等) ⚫ スタートアップ政策の推進・強化(グローバル連結強化、事業化までの一貫支援、公共・民間調達促進、M&A推進等) (4)産業構造転換に対応した人材システムの再構築 ⇒構造的人手不足の中で、将来の人材需要の姿を官民で共有することで、次世代を中心とした人的投資を促進し、ミスマッチを解消 ⚫ 就業構造推計による人材需要の明確化と、これを踏まえた関係省庁とも連携したGX・DX等の戦略分野における現場専門 人材やトップ人材の育成・活用 ⚫ リスキリングを通じた成長分野への労働移動円滑化、政府における働き方改革関連法施行後5年の経過を踏まえた状況の把 握と点検等の労働市場改革の推進 16 政策の方向性② ~物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業~ ⇒地方経済のポテンシャルを発揮させることで、日本経済の成長の起爆剤としていく (1)地域経済を牽引する中堅・中小企業の成長力の抜本強化 ⇒地方経済の成長の担い手となる中堅・中小企業の生産性向上・賃上げを実現 ⚫ 賃上げ原資の確保に向けた、下請法改正と執行強化による価格転嫁・取引適正化の更なる徹底。人手不足を乗り越える 省力化・デジタル化の促進。中堅・中小企業による知財活用に向けた伴走支援、保護の推進等 ⚫ 地域の成長と賃上げを牽引する中堅・中小企業の成長支援(中堅・100億企業の創出、研究開発・輸出後押し等) ⚫ 事業承継・M&Aの支援強化。中小企業金融の規律発揮と早期の経営改善・事業再生・再チャレンジ支援 (2)構造的な人手不足下でも持続可能なローカル経済圏の形成 ⇒人口減少下でも、地域内でエッセンシャルサービスの供給を、生産性向上によって維持・発展(アドバンスト・エッセンシャルサービス業化) ⚫ 特に人手不足が深刻な業種に対する徹底した省力化投資促進(政府大での「省力化投資プラン」の策定・実行) ⚫ 営利を追求する企業では供給困難な地域のエッセンシャルサービスの維持・発展に向けた、省力化・デジタル化・共同化に取 り組み、恒常的な赤字構造には陥らない程度に利益確保を図る共助型事業体(地域協同プラットフォーム)への支援 (3)地域における産業立地の促進 ⇒地政学リスク等を背景に、日本の立地先としての魅力が高まる中、誘致のボトルネックとなりうる産業用地・インフラの制約を解消 ⚫ 不足する産業用地のマッチング、土地利用調整手続の迅速化や土壌汚染対策法の点検・見直しに係る検討を踏まえた土 地の有効活用、産業立地に対するインフラ支援や、自治体自ら又は官民連携により行う産業用地整備への支援の強化、 脱炭素電源活用等のGX産業立地の推進、地域単位での産業人材育成 ⚫ 本社機能の地方分散・強化や海外企業の誘致に向けた取組強化 (4)地域におけるイノベーションの促進 ⇒地域におけるイノベーションの創出促進により、地方経済の高付加価値化を実現 ⚫ 「地方イノベーション創生構想」への貢献(スタートアップ育成(自治体調達の促進等)、イノベーション拠点整備、 福島復興の好事例の全国展開等) 17 政策の方向性③ ~成長投資を実現する経済基盤の強化~ ⇒国内外のリスクに対応し、世界の中で日本が投資先として選ばれる立地競争力を形成 (1)GX2040ビジョン・エネルギー基本計画の着実な実現 ⇒GX2040ビジョンやエネルギー基本計画を踏まえ、エネルギー安定供給・経済成長・脱炭素の同時実現を図る取組を加速 ⚫ 支援と規制が一体的となったGX産業政策の推進(GX経済移行債の効果的活用とカーボンプライシング・サーキュラーエコ ノミーに関する制度整備、GX産業立地の推進【再掲】等) ⚫ 再エネ・原子力などの脱炭素電源の最大限活用、それに向けた事業環境等の整備、水素・アンモニア・合成燃料・合成メタ ンやバイオ燃料の活用促進、CCSのバリューチェーン構築、徹底した省エネと非化石転換及びDRの導入拡大促進、石油・ 天然ガスの安定供給のための環境整備、地域の燃料供給体制の強化等 ⚫ 大前提である最重要課題としての福島の復興・再生に向けた取組 (2)不確実性を増す世界経済における事業環境の再構築 ⇒世界経済の断片化が進む中、外需獲得も見据え、国際的な事業環境の予見可能性を高める ⚫ 経済外交の強化(二国間外交、G7・WTO・CPTPPを含むEPA等の国際枠組みの活用、グローバルサウス・同志国との連 携強化等) ⚫ 国際的なルールメイキングの推進(非価格要素による公正な市場の形成、AZECの具体化等) ⚫ 外需獲得に向けた輸出促進(相手国市場の整備、NEXIリスク対応能力強化等) (3)経済安全保障の確立・強化 ⇒我が国を取り巻く脅威・リスクに対応するため、強靱な産業・技術基盤を構築 ⚫ 経済インテリジェンス機能の強化、市場・技術を守り・育てる同志国での協力枠組みの構築 ⚫ 自律性に加え不可欠性の強化も意識したサプライチェーン強靱化、技術・データの保護、防衛産業の基盤強化等 18 (参考) 長期目標に向けた施策の進捗と今後検討が必要となる政策 19 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 〇GX2040ビジョン・第7次エネルギー基本計画 「GX2040ビジョン」・「第7次エネルギー基本計画」・ 「地球温暖化対策計画」を一体的に策定 〇成長志向型カーボンプライシング構想 GX推進法の改正が成立 ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 複数社連携における課題対応を実施 GX ベースメタルや重要鉱物の戦略的確保のために上流開 発支援等の強化を検討 GI基金に関して、コスト上昇等に対応するため、実施者 への追加予算措置 10年で150兆円 超の官民投資、 20兆円規模の政 府支援/ 〇国際展開戦略 2050年でCNを実 アジア・ゼロエミッションセンターを通じた政策策定支援や 現 日本のGX技術の導入促進等のセクター別の協力と GXの取組を一体的に推進 アジアでのトランジション・ファイナンスのルール形成に向けて 取組推進 今後検討が必要となる施策 省エネの徹底に加え、再エネ、原子力などエネルギー自給率向上に資する脱炭素エネルギー供給拡 大のための事業環境整備等・低炭素水素等やCCSなどの新たな脱炭素技術の社会実装を推進 DXやGXの進展による電力需要増加が見込まれる中、それに見合った脱炭素電源を十分確保 すべく再エネと原子力を共に最大限活用 効果的・効率的なインフラ整備の観点も踏まえた、クリーンエネルギーの供給地域近傍への投資を 促進するための「GX産業立地」の在り方について検討 電力安定供給と脱炭素の両立に向け、事業や資金調達環境の整備、地域の供給体制の強化を 推進 福島復興の完遂に向け、廃炉や避難指示解除に向けた取組、産業復興等について次の5年の方 針を提示 カーボンプライシングとして排出量取引制度と化石燃料賦課金を段階的に導入 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、グリーンイノベーション基金事業における 更なる取組を推進 公正取引委員会と連携して複数社連携における課題対応を引き続き実施 脱炭素化に資する活動を促進するルール形成等の「AZECソリューション」の推進、排出量の多い 電力・運輸・産業分野の脱炭素化に関するロードマップ策定等のイニシアティブの始動、個別プロジェ クトの更なる組成と実施 二国間クレジット制度(JCM)の推進を通じて、世界全体の排出削減に貢献 IEA等と連携したLNGの座礁資産化を防ぐ取組の強化 〇公正な移行、中堅・中小企業を含む社会全体のGX GX人材の労働移動市場に向けた共通の「ものさし」と なる「GXスキル標準」を策定 GX分野のディープテック・スタートアップ等を対象に、 研究開発から商用設備投資等の事業開発支援 在職者の転職を伴わないリスキリング支援、GXスキル標準のさらなる浸透に向けた施策、セーフティネ ットに係る施策の活用等を検討 GX分野のディープテック・スタートアップ等を中心に事業開発支援や事業化支援を実施するとともに、 リスク補完の観点から脱炭素成長型経済構造移行推進機構の出資により資金供給を後押し 中堅・中小企業のGXの取組推進のため、排出量の算定・見える化や排出量削減計画等の策定、 GX関係の設備投資支援等を実施 排出削減の取組がGXに資する業種のGXを促進する枠組とすべくGXリーグ見直しを実施 20 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 今後検討が必要となる施策 〇個別企業のDX 「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」の策定や「デジタ ル・ガバナンスコード」の見直しを実施 DX支援ガイダンスに即したモデル事例の創出や支援機関同士の連携の在り方について検討 企業価値に与えるDXの影響を定量分析し、企業のDX推進に資する更なる政策の打ち手を検討 〇デジタル産業基盤 半導体・電子部品:「AI・半導体産業基盤強化フレーム」の 策定、及び「情報処理の促進に関する法律及び特別会計に 関する法律の一部を改正する法律」が成立。ならびに、製造基 盤及び生産拠点整備や研究開発支援を推進 情報処理基盤:エコシステム形成やDCの省エネ化促進 ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 DX 2030年までに国 蓄電池:経済安保基金を活用し、蓄電池・部素材・製造装 内で半導体を生産 置の製造基盤整備を推進 する企業の合計売 高度通信インフラ:「5G導入促進税制」施行。オープンRAN 上高(半導体関 の普及拡大に向けた国際連携や研究開発促進 連)を15兆円超 / 〇デジタルインフラ基盤 2030年度までに ウラノス ・エコシステムの拡大に向け、データ連携コミュニティを AI・半導体分野に 様々な産業分野、バリューチェーンで実装していくための政策横 10兆円以上の公 断体制を整備 的支援を行い、今 システム設計・構築におけるガイドライン等の策定・更新や 後10年間で50兆 OSS(オープン・ソース・ソフトウェア)等の公開推進 円を超える官民投 IoT製品のセキュリティ機能の評価・可視化によって、企業の円 資を促し、約160 滑かつ必要十分なセキュリティ対策の実装を促進するJC兆円の経済波及 STAR(制度)を推進 効果を実現/ 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」等を通じた中小企業の ウラノス・エコシステ セキュリティ向上の促進 ムの拡大等 〇デジタル人材基盤 デジタル推進人材230万人育成目標の実現に向け、デジタル 人材育成施策を推進 半導体・蓄電池等の専門人材の育成に向け、高校・高専等の 教育プログラムを実施 〇Web3.0 ユースケース創出や技術開発・人材育成、グローバル化等に係 る課題や今後の方針を整理 半導体・電子部品: 「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を活用し、2030年度までの7年間に 必要となる技術開発や設備投資計画を重点的に支援。今後10年間で50兆円を超える官民投 資を促すため、複数年度にわたって補助・委託や金融支援を実施 情報処理基盤:生成AIの開発力強化と利活用に向けて基盤モデル開発を促進するとともに、 ロボティクス分野におけるAI開発・活用の支援、省エネ化に向けたワットビット連携を推進 蓄電池:国内外の製造基盤及びサプライチェーンの拡大・強靱化や、次世代電池の継続的な 技術開発、次世代電池市場の獲得に向けた取組を推進 高度情報通信インフラ:引き続きオープンRANやローカル5Gの普及拡大に向けた研究開発・導入 促進支援を実施 共通の仕様等に準拠したデジタルライフライン(ハード・ソフト・ルール)の全国的な整備を進め、 国民による自動運転・ドローン等のデジタルサービス活用を抜本的に促進 ウラノス・エコシステムにおける具体的なユースケースの創出やグローバルでの連携を推進 サプライチェーンにおける重要性を踏まえた上で満たすべき各企業の対策を提示しつつその対策状 況を可視化する仕組みの整備、及び大企業による下請企業のセキュリティ対策の支援・要請に係 る独占禁止法等の適用関係について整理を実施 JC-STARにおいて、政府機関や地方自治体の調達要件化や、民間企業・一般消費者の 活用促進、欧米等の関連制度との相互運用性の確保に向けた国際連携を引き続き推進 中小企業等におけるサイバーセキュリティ対策促進のため、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」 等の中小企業向け施策の見直しや積極的な普及活動を実施 引き続き、デジタル推進人材230万人育成目標の実現に向け、デジタル人材育成施策を推進 デジタル人材のスキル、スキルアップ状況、試験によるスキル評価に関するデータの蓄積・可視化を 可能とする共通基盤の構築を推進 Web3.0・ブロックチェーンに関するガイドラインの周知・活用を推進すると共に、ユースケースの創出・ 拡大に向けて構築した実証事例を発信 21 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 グ ロ ー バ ル ・ 経 済 安 全 保 障 長期的目標 第3次以降の進捗 今後検討が必要となる施策 ○保護主義の台頭を踏まえたしたたかな経済外交、自由で公正な国際秩序と経済安全保障を両立した対外経済政策の立案 産業支援策と産業防衛策を同士国と連携しながら一体的に講じる「Run Faster協力枠組み」の 「持続可能性」等の価格以外の要素が市場で正当に評価され 構築・展開をはじめ、各国との対話によって自由貿易・経済安保の確保に努める るように、米欧といった同志国とともに、G7等のマルチやバイを 通じて、産業政策面の協力を戦略的に推進 新興国等とのEPA交渉や、アフリカ・中南米・中央アジア諸国等との投資協定交渉を推進するとと もに、発効済の協定を着実に履行 終局的な判断が得られるWTO紛争解決機能の回復や、時 代に即した貿易ルール(電子商取引等)の形成 国際経済秩序の安定化に向けて、ルールに基づく多角的貿易体制を維持・強化 世界の課題解決を 〇輸出促進 過剰供給能力や特定の供給源への過剰依存といった課題に対応するため、同志国と連携しながら、 他省庁と連携して貿易手続デジタル化に向けたアクションプラン 通じて日本の世界 サプライチェーンの強靱化 を策定し、2024年6月末に公表。以降各種支援実施 における付加価値 貿易手続デジタル化に向けたアクションプランにもとづき、引き続き、補助金事業等を通じて、 を最大化すると同 中小企業等の「稼ぐ力」を向上すべく、輸出未経験企業等を 日本企業による貿易プラットフォームの導入や貿易プラットフォーム間連携促進 時に、不確実な世 対象にした新規輸出1万者支援プログラムの推進・強化 日本企業の国際標準実装に向けたガイドラインを策定 界においても信頼 〇サービス貿易促進等 できる経済パート AI・IT技術を用いた医療機器であるプログラム医療機器 医療機器分野の研究開発支援とともに、社会実装に向けた実証支援等を強化 ナーで在り続けるた (SaMD)に対する研究開発支援等を実施 コンテンツ産業の国際競争力強化に向け、産業基盤や規制対応体制の整備等を実施 めに、ルールに基づ 〇海外投資・進出 く国際経済秩序の 市場で価格以外の要素が正当に評価されることの重要性について、日米協力を通じたASEAN 重点分野・国を特定した戦略的取組を、インフラ構築やファイナ 維持・強化・再構 行政官等への研修を実施し、日本企業の海外投資・進出を支援 ンス強化等をパッケージで展開 築を実現/ グローバルサウス市場における地域別戦略・国別戦略を策定する リスク管理と財務基盤の強化を推進。財務基盤強化の一環と 対日直接投資残 持続可能な形で企業のグローバルな挑戦を支えていくため、NEXIのリスク管理と財務基盤の強化 して、NEXIの余裕金運用先拡大に係る制度改正を実施 高について、2030 を進める 年に120兆円、 〇対日直接投資促進 2030年代前半の 中長期的に成長が見込まれる戦略分野への対内直接投資の促進に向け、有望投資案件の 「海外からの人材・資金を呼び込むためのアクションプラン」を着 できるだけ早期に 掘り起こしを含む能動的・戦略的な誘致活動を実施する 実に実行 150兆円とする/ 〇サプライチェーンの強靱化、技術優位性の確保、産業界との対話・国際連携、重要インフラ等のセキュリティ・レジリエンスの強化 自律性向上、優位 我が国の産業・技術基盤を維持・発展させるため、脅威・リスク 技術管理強化のための官民対話スキームについて、着実に運用するとともに、対象とすべき技術に 性・不可欠性確保 分析のための体制構築、技術優位性獲得に向けた投資支援、 ついて不断の見直しを行う。 を実現 新たな貿易管理における枠組みを含む技術管理対策の強化、 技術流出対策ガイダンスについて、産業界のニーズを踏まえた見直し、拡充する。 産業界・主要国との戦略的な連携を実施 経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に関する取組等を通じ、更なる不可欠性の 特定の技術について海外移転する場合に、外為法に基づく事 確保、供給の多元化・自律性の回復を目指す 前報告を求め、官民対話の下で技術流出対策を徹底する新 戦略的官民連携による我が国全体の経済インテリジェンス強化のため、経済安全保障 たな制度を開始 に係る脅威・リスク分析等に関して、シンクタンク等との対話を促進 蓄電池・可燃性天然ガス・永久磁石・先端電子部品・銅・レア 防衛産業の産業競争力を強化すべく、関係省庁連携で戦略の検討を進めるとともに、民生・防衛 メタルに対し予算措置を実施 双方に資するデュアルユース技術を有するスタートアップ等の研究開発を引き続き支援 22 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 長期的目標 第3次以降の進捗 〇PHRの推進・ヘルスケアスタートアップの振興等 ヘルスケアデータを活用した民間サービスの創出に向けた事業 環境整備の取組として、 PHR基本的指針の改定・データ標準 化等のデータ基盤としてのPHRの整備、ユースケース創出に向 けた実証事業を実施 ヘルスケアスタートアップへの伴走支援を強化するとともに、国内 エコシステムの整備、海外エコシステムとの連携深化を推進 健康経営が資本市場や労働市場から評価される仕組みの構 築を推進 〇公的保険外サービスの振興・介護と仕事の両立促進等 民間事業者の参画を促し、地域性に応じた介護事業を促進 する仕組みの構築に向け、実証事業を実施 公的保険外サービスの普及に向け、業界団体の設立を支援 仕事と介護の両立促進に向けて、経営者向けガイドラインを策 定し、企業向けの情報発信を強化 健 康 2040年に健康寿 命を75歳に/ 2050年に公的保 険外サービス77兆 円/ 〇先進的な医療機器・医薬品の開発及び海外展開 世界の医療機器 市場のうち21兆円、 平時にバイオ医薬品、感染症有事には政府の要請でワクチン 世界の医薬品市 を製造するためのデュアルユース製造拠点等の整備に係る支援 場のうち25~30 を引き続き実施 兆円 再生・細胞・遺伝子治療分野における受託開発製造拠点整備 支援を開始 創薬ベンチャーに対する非臨床試験~臨床試験段階までの研究 開発及びVCによるハンズオン支援を強化。同時に、その成長を政 府全体で支援するため他省庁事業との連携強化枠組みを、第 三期健康・医療戦略において創設 アンメットニーズ(潜在ニーズ)を捉えた新たな競争力領域への 集中的な研究開発投資と国際的競争力確立に向け、スタート アップに対する臨床試験を含む研究開発支援、ネットワーク構築 や伴走支援等を実施 医療インバウンドの推進に向け、関係省庁とともに、公的保険制 度への貢献を含めた、適切な医療インバウンドの推進に関する戦 略の策定に向け議論 今後検討が必要となる施策 医療現場や介護分野においても、PHRを活用しAI 等の先端技術活用も視野に入れることで、 個々人の状態に合わせた質の高い介護予防サービスの提供や効率的な多職種連携の実現等に 資するサービス開発・社会実装を促進 PHR事業者とサービス事業者を結び付ける情報連携基盤の実証を進めるとともに、データ標準化に ついても、ユースケース別に幅を広げた検討など更なる事業環境整備を推進 健康経営の質の向上の観点から、雇用主企業における女性の健康やメンタルヘルス対策に資する 取組に係る支援を実施 自治体への伴走支援等を通じ、民間企業等との連携に関する自治体の意識・インセンティブの抜 本的転換を図る。同時に、民間企業と自治体の連携・共創を通じた新しい形の地域づくりモデルの 構築・評価・普及を推進する テクノロジーの改良及び効果検証等を支援し、確立した介護DXパッケージモデルの投資効果を 明らかにすることで、介護の質の向上を目指す バイオ産業について、バイオ医薬品や再生・細胞・遺伝子治療分野における受託開発製造拠点の 整備・増強を引き続き進める 創薬ベンチャーにつき開発後期まで円滑な資金調達が可能となる環境構築 新興国市場を念頭に、日本の医療機器産業の海外展開を更に進める戦略検討を進める 医療インバウンドの推進に向けて、関係省庁と連携し、意欲ある医療機関を選定し、当該医療機 関に対してマーケティング及び受け入れ態勢の側面から支援を実施 23 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 今後検討が必要となる施策 〇良質な雇用の創出(若者・女性の収入増を通じた「可処分所得の増加」に繋がる産業政策) 下請法改正と執行強化による価格転嫁・取引適正化の更なる徹底 公正取引委員会と連携した下請代金法の執行や、「国等の契 約の基本方針」に基づく、官公需における労務費等の価格転嫁 地域の成長と賃上げを牽引する中堅・中小企業の成長支援(中堅・100億企業の創出、研 の徹底を実施 究開発・輸出の後押し、知財活用支援等) 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資 事業承継・M&Aの支援強化。中小企業金融の規律発揮と早期の経営改善・事業再生・再 補助金等を引き続き措置するとともに、中堅企業の育成を強化 チャレンジ支援 するべく、中堅円卓会議の発足、中堅企業成長ビジョンを策定 本社機能の地方分散・強化や海外企業の誘致に向けた取組強化 売上高100億円という高い目標に向け、挑戦を行う中小企業に 不足する産業用地のマッチング、土地利用調整手続きの迅速化や土壌汚染対策法の点検・見直しに 対し、成長を加速させるため支援措置を創設 係る検討を踏まえた土地の有効活用、自治体自ら又は官民連携によって行う産業用地整備への支 親族内承継・第三者承継を機とした変革推進に向けM&A市場 援強化、関連インフラ整備を含めた脱炭素電源活用等のGX産業立地の推進 の環境整備を実施 工業用水道施設の老朽化や強靱化への着実な対応を促すべく、工業用水道事業者に経営改善を ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 地 域 の 包 摂 的 成 長 地域の企業の成 長等を通じた可 処分所得・時間 の向上等により、 希望出生率1.8 を回復し、更に 人口動態の安定 化をもたらす希 望水準が実現で きるような経済 環境を作る 地域未来投資促進税制にて新たな上乗せ類型を措置 促すための仕組みを構築する 工業用水等の関連インフラの整備を機動的かつ追加的に支援す 「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」を策定、分野ごとのアクションプランを実行することで産業の高付加価 るための交付金を、令和6年度補正予算にて引き続き措置 値化を図り、観光・インバウンドの稼ぐ力も強化する 女性起業家支援のための地域ネットワークを全国で構築し、支 地域の中小企業の省力化の観点から、オープンなロボット開発環境、ロボット導入支援ネットワークの構 援プログラムの実施を通じて、ロールモデルとなる女性起業家の創 築を推進 出・育成を実施 中小企業や支援機関、地域金融機関等のDX化の推進 クリエイティブ産業振興に向け、海外展開の伴走支援体制を強化 「地方イノベーション創生構想」の実現に向け、自治体調達促進、イノベーション拠点やIT人材育成基 盤の整備、福島復興の好事例の全国展開等を実施 〇良質な雇用の創出(若者・女性の「可処分時間の増加」に繋がる働き方改革や規制改革) 地域に根差した中小企業が、多様な価値観を受け入れ、女性・若者のニーズを捉えた誰も 引き続き補助金において、補助目的を鑑みつつ、子育て支援・ が働きやすい企業経営を実現できるよう後押しする 女性活躍推進企業に対して原則加点措置を実施 「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」として両立支援に積 フェムテック等を活用した実証事業の成果の普及を通じて、働く女性の健康課題に対応する企業を増 極的に取り組む企業を選定。取組内容を事例集として公開し、 やす 企業における取組を促進 〇豊かな生活環境の創出 (若者・女性の結婚・子育て・生活をめぐる環境を改善する取組) ポータルサイト・メディア等を通じて、家事支援サービス、ライフデザインサービスを利用した場合の効果を 広報し、普及促進に繋げる気運を醸成 ローカル・ゼブラ企業を中心とする地域課題解決事業の実証を全 小規模事業者支援施策の改善・強化(商工会・商工会議所等による経営力の向上のための支援 国20の地域で実施、事業モデル整理や社会的インパクトの評価 拡充、商工会・商工会議所の支援体制強化等の実施) 手法の確立に取り組んだ 地域のエッセンシャルサービスの維持・発展に向けて、省力化・デジタル化・共同化に取り組む「地域協 同プラットフォーム」への支援を検討 ローカル・ゼブラ企業が中心となって、地域内外の老舗・中堅企業や大企業、金融機関等との連携を 強化しながら、各地域で共助の枠組みを構築するための環境を整備 24 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸施 策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 今後検討が必要となる施策 〇企業の防災・強靱化投資の推進 産業インフラにおける遠隔監視・制御、AI による設備点検作 業の自動化といったスマート保安技術の導入を促進するための 技術実証支援を実施 スマート保安を導入する上での課題を整理し、更なる導入促進に向けた技術実証支援の効果的 なあり方の検討や、事業者に対する継続的な周知・啓発を実施 〇自治体における先進的な防災ソリューションの導入 自治体の防災関連のニーズ、スタートアップの技術 に関するヒアリングを実施 ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 SBIR制度を活用し、「被災状況把握」及び「衛生環境整備」 に資するスタートアップの研究開発を支援 レ ジ リ エ ン ス 自治体が抱える防災のニーズと、それらのニーズを満たしうる技術を提供しうる企業 (スタートアップ)を調査し、研究開発の支援を検討 2024・2025年度のSBIRプログラムで採択したスタートアップの伴走支援を実施するとともに、 リソースが限られるスタートアップによるサービス実装を円滑化すべく、関係省庁とも連携のうえ、 官民連携や制度面のあり方等を検討 災害対応ロボットへの応用など社会課題の解決に向けてロボット活用を進めていくため、開発に 必要なデータの収集やモデルの開発、ロボットへの実装と利活用の好循環の仕組みを構築し、 ロボティクス分野におけるAI開発を進めていく。あわせて、スタートアップをはじめとする多様な プレイヤーが柔軟かつ効率的にロボットを開発することが可能となる開発基盤の構築を推進 災害大国日本とし て、途上国の適応 市場(2050年約 70兆円)含め世 界市場を獲得 〇海外市場の獲得 日本企業の製品・技術・サービスの海外市場展開を支援する ため、ASEANを中心とする国と地域の市場性と展開可能性調 査や国際標準化に向けた戦略策定、アジア太平洋地域と日 本企業とのマッチング会議等を実施 国際会議等における適応技術の国際広報・発信の強化、アジア太平洋地域と日本企業とのマッチ ング会議の実施、日本企業の海外展開に向けたFS(フィージビリティスタディ)調査、制度整備、 実証支援、さらには適応分野への資金動員を促進するためのリスクファイナンス市場に関する情報 収集・戦略立案を検討 防災関係ISOのガイドライン規格を整備するとともに、関係機関への打ち込み、国際ルール形成の 主導的推進に向けた検討を実施 25 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 今後検討が必要となる施策 〇微生物プラットフォーム技術、生産技術開発の加速化 バイオ由来製品の市場創出に向けた検討を実施 グリーンイノベーション基金やバイオものづくり革命推進事業の研 究成果を踏まえたデータ集積・企業間連携推進 バイオ技術に関する国際連携の推進策を検討 〇市場環境の整備に向けた取組 生物遺伝資源・データプラットフォームの基盤整備を実施 ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 バイオ由来製品の環境価値を経済的価値に転嫁する仕組み 作りを推進 バ イ オ も の づ く り 2030年時点で総 額92兆円の市場 規模/ 2030年までに年 間3兆円のバイオ 関連国内投資 環境価値評価や、認証・クレジット化の仕組み、環境負荷を低 減するバイオ由来製品の表示方法を検討 バイオ由来製品に関する国際標準化等を戦略的に推進 国内バイオマスの産業利用拡大やCO2・廃棄物等の未利用 資源の活用を推進 GX経済移行債の活用によって、バイオ・紙パルプ産業における バイオリファイナリー事業の展開により化学産業等原料転換を 促進 〇事業環境の整備等による国内産業基盤の確立 バイオファウンドリ拠点の整備を引き続き実施するとともに、各地 域の基盤技術を元にした地域拠点の整備に着手 バイオ人材の育成・確保に向けた取組の実施 国内のバイオものづくりにおける産業構造やプレーヤーの課題・ ニーズを踏まえたスタートアップ支援 国内の基礎研究分野での協働の場の提供や実験装置の共 同利用の仕組みづくりの推進 グリーンイノベーション基金採択事業では市場創出に向けた検討を継続。バイオものづくり革命推進 事業では協調領域の整理と具体的な議論を加速化するための作業部会立ち上げを検討 NITEにおいてバイオものづくり支援基盤としての生物遺伝資源データのプラットフォームの拡充を実 施 バイオ技術に関する国際連携の推進策を継続して検討 データプラットフォーム整備を継続し、企業・公的機関・大学等の保有する生物遺伝資源の情報の 集約、利活用促進及びデータ連携を図ることで、バイオとデジタルが融合した環境整備を推進 環境価値評価や、認証・クレジット化の仕組み、環境負荷を低減するバイオ由来製品の表示方法 の検討を継続 産学官が集まる様々な場を活用して、バイオものづくり分野でのルール形成を推進 バイオ由来製品・技術に関する国際標準化等を引き続き、戦略的に推進 二国・多国間での対話を通じて、企業のニーズに基づいた、バイオ由来製品の展開に有益なルール 形成を推進 国内バイオマスの産業利用拡大やCO2・廃棄物等の未利用資源の活用推進を継続 GX経済移行債の活用によって、バイオ・紙パルプ産業の原料転換促進を継続 バイオファウンドリ拠点の整備及び各地域の基盤技術を元にした地域拠点の整備を継続 バイオ人材の育成・確保に向けた取組を引き続き実施 国内のバイオものづくりにおける産業構造やプレーヤーの課題・ニーズを踏まえたスタートアップ支援を 継続 国内の基礎研究分野での協働の場の提供や実験装置の共同利用の仕組みづくりの推進 26 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 今後検討が必要となる施策 〇動静脈連携の加速に向けた制度枠組みの見直し、循環度やCO2排出量等の測定・開示 「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法 律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正 する法律」が成立した。再生材の利用に関する計画策定や実 施状況の定期報告の義務づけ、環境配慮設計を促進するトッ プランナー認定制度の創設等を措置 改正法を通じ、再生材利用に関する計画策定や定期報告を法的に義務付け、企業のPDCAサイ クルを踏まえた主体的取組を促すことにより、循環資源の需要創出を促進。また、資源・部品レベル の再利用や製品の長寿命化に資する特に優れた環境配慮設計をトップランナーとして法的に認定 することで、資源循環に配慮した製品の可視化・価値化を図り、革新的なものづくりを加速 再生材の安定的な需給体制の構築に向け必要な制度的対応の検討 〇産官学サーキュラーエコノミー・パートナーシップ ミ ッ シ ョ ン 志 向 の 産 業 政 策 成 長 志 向 型 の 資 源 自 律 経 済 サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ「サー キュラーパートナーズ(CPs)」において、傘下のWGで検討を 進める 〇情報流通プラットフォーム 2030年に80兆円、 ウラノス・エコシステムにおける取組として、製品含有化学物質 2050年に120兆 情報管理のためのシステム(CMP)の構築を検討 円のサーキュラーエ コノミー市場を実現 CPsを活用し、CPs全体としてのビジョン・ロードマップの策定と具体的なアクションへの落とし込み、新 たなユースケースの検討も含めた情報流通プラットフォームの構築、地域循環モデル構築に向けた実 証・実装の取組を推進 各産業で共通的なプラットフォームを2025年中に部分的に構築 〇研究開発、投資支援 資源循環分野における、官民合わせて今後10年間で約2兆 円以上の投資という目標の実現に向け、GX移行債を活用し た、技術開発から実証・実装までの一貫した支援を開始 再生材の供給量増大に向けた動静脈産業の連携(環境配慮設計の実現、選別・リサイクル技 術の高度化等)と規模拡大を促進するため、GX移行債を活用した支援を継続 27 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 〇徹底した人手不足への対応 時間制約のある労働者の支援、中小企業等向けの人材活用 ガイドラインの普及 中小企業省力化投資補助金について、従来の汎用製品をカ タログに掲載して中小企業等が選択して導入する「カタログ注 文型」に加え、新たにオーダーメイドの設備やシステムの導入等 の省力化投資を支援する「一般型」を新設 〇賃上げに向けた取組の強化 社 会 基 盤 ( O S ) の 組 替 え 公取委と連携した(旧)下請法の執行や、官公需における労 務費等の価格転嫁の徹底を実施 生産性向上に取り組みながら、最低賃金引上げ幅以上の意 欲的な賃上げの努力を行う場合、補助金の採択審査において 加点措置を実施 賃上げ税制の周知・候補を実施 人 材 今後検討が必要となる施策 地域社会を支える一方で人手不足が深刻な業種において省力化投資を推進するため、内閣官房 と連携し、小売業・生活関連サービス業・製造業・運輸業における「省力化投資促進プラン」の策 定に向けた検討を進める 時間制約のある労働者の支援、中小企業等向けの人材活用ガイドラインの普及 大企業を中心に実践してきた人的資本経営(ダイバーシティ経営含む)の取組を、全国の中堅・ 中小企業に波及させることで更なる普及を目指す。また、人的資本経営の取組をより一層深化さ せるため、各企業の実践を後押しする施策を行う 価格転嫁を阻害する商習慣の一掃に向けた業界団体への働きかけや、官公需における価格転嫁 の徹底等の取組を進める。 賃上げ税制の周知・広報を実施 人手不足への対応 / 物価上昇を超える 〇内部労働市場・外部労働市場の活性化による労働移動の円滑化 賃上げの持続的な 在職者に対するキャリア相談から、リスキリング、転職支援までを 我が国企業における国内外の高度外国人材の活用を支援しつつ、高度外国人材確保に資する 実現/ 一体的に支援し、リスキリングと労働移動の円滑化を引き続き 取組や在留資格制度に対する意見を取りまとめる 人的投資・人材競 一体的に進めている 経営戦略に沿った人材戦略の策定等を通じた人的資本投資の開示の充実に向けた検討を進める 争力強化 ジョブ型人事を導入した20社の事例を掲載した「ジョブ型人事 指針」を策定 〇官民を挙げたリスキリング・人材育成 人材需要の明確化と、これを踏まえた戦略分野における人材 育成を進めるため、「2040年に向けたシナリオ」の定量化を踏 まえた2040年の就業構造推計を行った 「博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブック」 を策定。博士号取得を目指す企業の若手研究者と大学等が 実施する共同研究に係る費用の助成を実施 多様な学びを各地で実現するため、地域社会全体で次世代 の教育を支えていくモデル創出を行っている 将来の産業界で必要となる人材の量・質の定量化の結果について、関係省庁とも連携し、地域の 人材育成の在り方などを議論する場に提供。当該結果も踏まえ、産学で連携し、博士人材等の 育成・活躍推進や成長分野における専門人材育成をしつつ、そのベースとなる初等・中等教育段 階からの多様な学びの充実の取組を進める 文部科学省と連携し、産業側の需要と地域の大学・高等専門学校などの教育側の双方を一体 的に捉え、教育機関での柔軟な学部・学科の再編や企業からの資金提供の後押しなども含めた産 業人材教育のためのプラン策定に向けた検討を進める 初等中等教育段階における産業界と教育機関との効果的な連携を促進するための仕組み作り、 例えば、プラットフォーム構築を通じた好事例の面的な展開について検討を進める 28 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 社 会 基 盤 ( O S ) の 組 替 え イ ノ ベ ー シ ョ ン ・ ス タ ー ト ア ッ プ 長期的目標 第3次以降の進捗 〇国として重要な技術領域への一気通貫での集中支援 日本の次の飯のタネになりうるフロンティア領域の探索・育成の あり方を議論 量子コンピュータの産業化に向け、産総研G-QuATの機能強 化、民間の研究開発・人材育成支援事業の開始、ユースケー ス創出支援等を実施 研究開発税制の見直しに向けた検討を実施 起業家人材や若手研究者など多様な人材を産学官で連携し て育成するためのプロジェクトを整備 NEDO等の機関や基金を通じて、ディープテック・スタートアップ 等への研究開発支援や資金供給を実施 特定新需要開拓事業活動計画認定制度により、企業・大学 等のオープン&クローズ戦略等を支援 スタートアップへの投 資額を今後5年で 10倍 今後検討が必要となる施策 総合科学技術・イノベーション会議や内閣官房国家安全保障局等と連携しつつ、戦略技術領域 及びその一気通貫の支援策のあり方について検討 研究開発税制について、戦略的に重要な技術への企業の研究開発投資の拡大や、企業と大学 等の研究開発の重要拠点との連携強化、企業の博士人材等の活用促進、製造業のみならず非 製造業における研究開発の促進、中堅企業の成長につながる研究開発投資の促進に関するイン センティブの強化を検討 研究開発税制等について、国際的に遜色のないイノベーション立地競争環境を確保するためのイン センティブの強化を検討 産学官連携による人材育成、量子等の技術分野の特性に応じた人材育成・確保、博士人材の 活用促進を進める。また、日本へのイノベーション人材の呼び込みに向けた対応策を検討 改正産競法に基づく設備投資等支援による成長事例の創出や、研究者の起業家育成や経営人 材とのマッチング等により、大学・研究機関等の研究成果を元にした創業を促進 標準化戦略策定から規格開発・活用まで一気通貫で進める体制を構築 〇アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成 起業家育成プログラム「J-StarX」等を通じて海外事業会社や 投資家とのネットワーク構築を支援 JICや中小機構によるVCへのLP出資等や、個人からの資金流 入を促すエンジェル税制の拡充等によってスタートアップ企業の 成長資金調達を支援 M&Aの促進に向け、のれんの財務報告に関する在り方の見 直しを検討 公共調達拡大に向け、官民ファンド出資先等の入札参加資 格緩和・随意契約の仕組み整備を実施 JETROのスタートアップ向けの海外相談窓口(グローバル・アクセラレーション・ハブ)やJ-StarX等 でスタートアップの海外展開を支援するとともに、J-StarXに若手投資家向けプログラムを新設するこ とで、グローバル視点を有するキャピタリストを育成 海外投資家の外国組合員特例税制について必要な措置を検討するとともに、海外投資家を伴走 支援するための専任チームの組成等、海外投資の誘致に向けた措置を検討 M&A等によるスタートアップの成長経路及び投資家の出口の多様化に向け、オープンイノベーション 促進税制について必要な措置を検討 新たな地方経済・生活環境創生交付金等の活用等によって公共調達を促進 大企業等とスタートアップの共創に向け、調達・購買のガイドラインやモデル契約書の策定・周知によ る大企業等のスタートアップ調達、大企業のPower to Scaleの更なる活用を促進 〇グローバル化・デジタル化・コーポレートガバナンスへの対応による投資環境の整備 企業や研究機関間の技術の流動化のためのライセンス料率・ 知財ファンド等の調査を実施 シリコンバレー等のスタートアップ・エコシステムとの接続強化や、韓国、シンガポール等との対話の促 進、国際共同研究に対する支援の継続・強化を実施 DX時代に即した形で知財の利活用を推進すべく、知的財産権制度の見直し等を実施 29 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 社 会 基 盤 ( O S ) の 組 替 え 長期的目標 第3次以降の進捗 今後検討が必要となる施策 〇成長志向の経営判断をサポートする制度整備(企業経営改革) 直近10年間の企業価値向上に向けた企業の取組や コア事業に専念するためのスピンオフに係る環境整備の在り方を検討 パフォーマンスを振り返った上で、課題及び要因について整理 事業ポートフォリオ最適化のために必要となる企業結合や複数企業間連携を後押しする事業環境 開示書類間の情報の重複をはじめとする日本企業の の在り方を検討 情報開示の課題と今後の方向性について提示 従業員等への株式の無償交付・株式対価M&Aの対象拡大・業務執行取締役等の責任限定契 企業経営者による大胆なリスクテイクや成長投資を後押しする 約の締結・実質株主確認の円滑化・株主提案権の合理化等の実現に向けた会社法改正への検 ための企業の選択肢の拡大や、企業と株主との意味のあるエン 討を実施 ゲージメントの促進に資する会社法の改正について提言 中堅・中小企業のガバナンスの充実(ファミリーガバナンスを構築する為の規範策定等)と支援等 「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する (研究開発・輸出等の後押し)を一体推進に向けた検討を実施 債務の調整の手続等に関する法律案」(早期事業再生法案) SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)銘柄選定を通じて、経営者の意識変革と経営変革 閣議決定 を促し、国内外投資家からの日本企業への再評価と市場での新たな期待形成を促進 中堅企業の役割や課題、官民で取り組むべき事項をまとめた 価 値 創 造 経 営 「中堅企業成長ビジョン」を策定 2030年に日本の 代表的企業の8割 がPBR1倍超え 経営資源配分を行う3つのコア機能(ファイナンス、HR、デジ タル)の役割を再定義・再構築するCX(コーポレート・トランス フォーメーション)について、ファイナンス分野のリファレンスモデル 案を策定 多様性推進を企業価値向上につなげるための経営陣としての考え方や企業の取るべき 具体的なアクション、事例を掲載したレポート等の周知・普及により、ダイバーシティ経営の取組 を促進 DXの取組を通じた企業価値向上を実現する企業の創出を図るとともに、企業のDXの取組を投資 家等に認知させるための施策を検討 企業の「稼ぐ力」強化に資するコーポレートガバナンスの取組を 支援するためのガイダンス策定 〇成長投資を後押しする資本・金融市場整備(資本市場改革)、国内に成長投資を惹きつけるための環境整備 資本コストや株価を意識した経営を推進 アセットオーナーの運用・ガバナンス・リスク管理に係る共通の 原則である「アセットオーナー・プリンシプル」を策定 建設的な目的を持った対話に資する協働エンゲージメントの 促進や、実質株主の透明性向上等に向けたスチュワードシッ プ・コードの見直しについて議論 官民ファンド等の公的機関による出資機能の活用も検討。これにより、エンゲージメント・PE・VC等 のプレーヤーの裾野の拡大や大型案件を扱うプレーヤー層の拡大を目指す 融資手法の多様化を図るための方策や、メガバンク・地方銀行等・政府系金融機関の連携の在り 方、銀行以外の多様なデットの担い手の厚みを増す方策を検討 社債と融資のイコールフッティングや社債市場活性化に向けた方策を検討 国内に成長投資を惹き付けるための環境整備として、法人税インセンティブを含む政策対応により、 研究開発・設備投資への支援を成長投資型の構造となるよう、見直しを実施 30 各分野(ミクロ)の主要施策 新機軸 施策の柱 長期的目標 第3次以降の進捗 〇個別事業/政策に対するEBPMの実施 政策効果について、経済産業省の政策体系の中で評価すると ともに、特にGX政策及び半導体政策については内閣府の経 済財政諮問会議の枠組みで取組を実施 また、事業単位での政策効果については、作成したガイドも活 用の上、行政事業レビューシートの中での適切なアウトカム等の 設定・評価を推進するとともに、特に大規模な事業については 公募開始前までの効果検証シナリオの作成や必要データの特 定等、実施プロセスの見直し・具体化を実施の上、これまでに 選定した7事業に加え、新たに追加した4事業について、重 点的なEBPMを実施 社 会 基 盤 ( O S ) の 組 替 え 〇データ整備、リテラシー向上 公的統計の調査票情報の利用手続き簡素化・早期化 EBPM 政策の新陳代謝 及び高度化 省内各部局等で保有するデータについて、様々なダッシュボード を試行・整備するなど、検討・取組を進めた 政策の効果・進捗に係るモニタリングのための指標をビジネスイ ンテリジェンスツールにより国民にわかりやすい形で公表が可能と なる環境を整備 補助事業者から予め申請書データの利用・分析等に係る同意 を得ることの公募要領への明記により、データのEBPMへの利活 用及びEBPM人材の裾野の拡大を促進した EBPM ・データ利活用に関するリテラシー向上を目的とした一 部職員向けの研修プログラムを実施した 〇業務や手続きにおけるデジタル化 規制改革実施計画に基づく2025年末までの対応をはじめ、 当省における行政手続のオンライン化を進めるとともに、当省所 管法令に基づく全行政手続のオンライン化状況調査を実施 業務効率化や政策立案高度化を促進すべく、2024年6月に 生成AI利活用環境を全省的に導入し、複数のユースケースを 省内展開する等により活用を推進。効果的な機能の導入を更 に進めていくため、音声ファイル文字起こしやOCR等の機能の 検証を行い、有用な結果を得た 今後検討が必要となる施策 GX政策や半導体政策については、経済財政諮問会議で決定した「EBPMアクションプラン2024」 及び「進捗管理・点検・評価表」に基づき、データ収集や政策効果の把握に努めるとともに政策立 案等に活かしていく。これまで事業レベルでEBPMを実施してきた特定半導体基金については、この 枠組みの中でモニタリング・効果検証を実施していく 省内向けに2025年度作成した9分類毎の成果指標の設定ガイドを踏まえて行政事業レビュー シートの作成・予算要求を行い、各事業のロジックモデル等の品質向上を図っていく 大規模事業については、必要に応じて今後も対象事業を追加しつつ、今般見直したEBPMの実施 プロセスに基づき、RIETI等の知見も活用しながら、必要なタイミングで適切にロジックモデルの作成 や事業設計、モニタリング、効果検証等を行い、事業の改善に資するEBPMになるよう、重点的な EBPMを実施していく。また、策定した大規模予算事業の政策立案・効果検証のためのEBPMガイ ドブックを本格活用の上、効率的・効果的なEBPMを推進していく 省内各部局等で保有するデータについて、業務での更なるデータ利活用の高度化や、 データに基づく政策立案に資する環境整備を引き続き実施していく ビジネスインテリジェンスツールにより国民にわかりやすい形で公表が可能となる環境整備を引き続き 実施 EBPM・データ利活用に関するリテラシー向上のための職員向け研修プログラムについて、政策プロセ スの各段階で有用なエビデンスの作成に必要となる知識・スキルを習得できるよう、その内容の改善 を検討 公募開始前に検証に必要なデータを特定し、公募要領等に反映することで、効果的な政策立案・ モニタリング・効果検証を推進していく 2025年末までに実現する当省の行政手続のオンライン化を着実に進めるとともに、それ以外の当 省内の行政手続についてもできるだけ早期にオンライン化を図っていくための計画を策定・推進 全省的に導入した生成AI利活用環境を活用した業務効率化事例等の周知に努めるとともに、生 成AIを用いた業務の目指す姿を提示し、最新の技術動向も踏まえながら、業務効率化に費用対 効果が高いと考えられる機能実装を優先的に進めることで、効果的な生成AIの利活用を推進 デジタル庁が提供する業務環境「GSS」への移行を契機に、業務アプリ作成ツールの環境及びその 利用ルールを整備するとともに、関連する研修や伴走支援の仕組みを構築 31

資料14

参考資料2ー④ 経済産業政策新機軸部会 第4次中間整理 参考資料集 ~ 成長投資が導く2040年の産業構造 ~ 2025年6月 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 経済産業省 1 【目次】 1.これまで30年の日本経済 ―――――――――――――――――――P.3 2.社会的マクロ環境の変化 ―――――――――――――――――――P.27 3.世界でも産業政策が活発化 ――――――――――――――――――P.34 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 ――――――――――――――――P.38 ―――――――――――――――――――P.43 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) ――P.56 7.今後の経済産業政策の方向性 ―――――――――――――――――P.84 2 1.これまで30年の日本経済 2.社会的マクロ環境の変化 3.世界でも産業政策が活発化 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) 7.今後の経済産業政策の方向性 3 期待成長率の低下 ⚫ 過去30年間で、企業の中長期的な期待成長率が低下。足下の値もほぼ横ばい。人口減少を背景 としたデフレマインドの蔓延、将来悲観が背景に存在。 ⚫ 1990年代には4%以上であった潜在成長率は年々低下し、2000年代に入ってからは0.6%程 度。 企業の期待成長率の推移 潜在成長率の推移 (%) 5.0 (%) 5.0 4.0 4.0 潜在成長率 4.20 1981-1990年平均 1991-2000年平均 3.0 3.0 2001-2010年平均 2011-2020年平均 今後5年間 2.0 2.0 1.0 1.73 1.0 0.59 0.59 2023 2021 2019 2017 2015 2013 2011 2009 2007 2005 2003 2001 1999 1997 (注)左図:上場企業・全産業への「我が国の実質経済成長率」の結果を掲載。右図:各年についての潜在成長率を掲載。 (出所)左図:内閣府「企業行動に関するアンケート調査」(2025年2月28日)より経産省作成。右図:内閣府「GDPギャップ、潜在成長率」(2025年3月18日)より作成。 1995 1993 1991 1989 1987 1985 1983 (年度) 1981 2024 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 0.0 2000 1998 1996 1992 1990 1994 今後3年間 0.0 (年) 4 日本の人口の絶対的な規模の大きさ、貿易圏人口は増加傾向 ⚫ 日本の絶対的な人口規模は減少していくものの、 21世紀を通じてドイツ・フランス等の欧州主要国より大きい。 ⚫ 貿易圏別人口は、欧州や中国では既に減少し始めている一方、CPTPP加盟国は2050年頃まで、インド・ASEANは 2060年頃まで増加する見込み。 ⚫ 国連の世界人口推計では、既に世界人口の1/4を占める国で人口はピークを迎えており、また、世界全体でも2080年 代半ばにはピークを迎えると推計されている。 各国別人口の将来推移 (億人) 1.4 貿易圏別人口の将来推移 (億人) 推計値 推計値 18 1.2 16 1 14 12 0.8 10 0.6 8 0.4 6 4 0.2 2 0 英国 フランス ドイツ 日本 韓国 米国 欧州 (注)2024年以降は推計値(いずれも出生・死亡中位の推計)。 右図:ASEANはインドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの合計。 CPTPP加盟国はオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、イギリスの合計。 (出所) United Nations 「World Population Prospects 2024」 (2025年4月データ取得)より作成。 中国 ASEAN インド 2097年 2090年 2083年 2076年 2069年 2062年 2055年 2048年 2041年 2034年 2027年 2020年 2013年 2006年 1999年 1992年 1985年 1978年 1971年 1964年 1957年 1950年 2097年 2090年 2083年 2076年 2069年 2062年 2055年 2048年 2041年 2034年 2027年 2023年 2013年 2006年 1999年 1992年 1985年 1978年 1971年 1964年 1957年 1950年 0 CPTPP加盟国 5 人口減少と経済の関係(デフレ要因でなく、インフレ要因との見方も出現) ⚫ 「長期停滞論」をはじめとして、人口減少はデフレ要因との見方が広がっており、足下のインフレは一過性にすぎず、 デフレに戻るので、人口増加にならない限り、日本経済は成長しないという見方が定着しつつある。 ⚫ 他方、人口減少は、少子化・高齢化の双方を伴うとインフレ圧力となり、中国の人口減少開始によって2000年代から 続いたディスインフレ傾向が終わり、日本を含めた世界はインフレ構造になるとの見方も出現。 人口減少と経済の関係に関する有識者の見解 「長期停滞論」(アルビン・ハンセン1938、ローレンス・サマーズ2013)・・・デフレ・ディスインフレ要因 ◦ 1930年代の世界大恐慌は、基本的な原因を人口成長率の低下による投資需要の減少によるもの。 ◦ 2008年の金融危機後の先進国の長期停滞は、1938年の世界大恐慌と同様、人口成長率の低下等によるもの。 (※人口減少ではなく、人口「成長率の低下」を指摘) 「人口大逆転」(チャールズ・グッドハート2020)・・・インフレ要因 ◦ 少子化は足下からの消費減少と、20年後の労働供給の減少になる。高齢化は供給に参加しないが消費はする主体の 増加によって需要過剰になる。少子化・高齢化の双方を伴う人口減少は、供給不足によるインフレ圧力となる。 ◦ 中国の労働人口が減り、これから30年、世界はインフレ時代に突入する。 (※中国の生産年齢人口は2013年をピークに減少、中国の総人口は2022年をピークに減少) ◦ 高齢化が進み、2000年代からは人口減少も始まった日本がデフレだったのは、海外投資により中国の安価な労働力 を活用するとともに、中韓との価格競争を背景に日本型雇用慣行の下、非正規雇用の拡大等により賃金を抑制した ことによるものであって、人口減少によるものではない。 6 我が国の将来人口:当面、人口減少は続かざるをえない ⚫ 将来推計人口の長期的な出生率は出生高位の場合でも1.64と仮定されており、機械的に算出した足下の希望出生率 (1.6※)とほぼ同じ水準。我が国の総人口は、出生高位であっても減少していく見通し。 ※「経済産業政策新機軸部会 第2次中間整理 参考資料集」より。 ⚫ 外国人人口は、2020年:275万人(うち大半が労働者※)から2040年:586万人まで増加見込み。 ※「『外国人雇用状況』の届出状況」(厚生労働省)によれば、2024年10月末時点の外国人労働者数は、約230万人。 総人口対比:2020年 2.2%から、2040年 5.2%に上昇。 生産年齢人口対比:2020年 3.7%から、2040年 9.4%に上昇(参考:フランスの2023年時点の外国人人口割合 約10.7%)。 我が国の総人口の推移 (億人) 総人口のうち外国人人口が占める割合 (万人) 700 1.30 推計値 推計値 ※2023年の出生率1.20 低位推計 (長期の出生率1.13) 1.20 500 1.15 億人 1.15 7% 400 5.2% 総人口対比 200 275 4% 1.05 3% 131 2% 100 1.11 億人 2.2% 1% 0% 2040 2038 2036 2034 2032 2030 2028 2026 2024 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 (年) 2040 2038 2036 2034 2032 2030 2028 2026 2024 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 0 1.00 6% 5% 外国人人口 3.7% 中位推計 1.13 億人 (長期の出生率1.36) 9% 8% 300 1.10 9.4% 10% 586 600 高位推計 (長期の出生率1.64) 1.25 生産年齢人口対比 (年) 【外国人人口のうち、高度専門職人材の数(単位:人)】 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 1,508 3,739 7,668 11,061 14,924 16,554 15,735 18,315 23,958 26,803 (注)左図:いずれも死亡は中位、右図:出生中位・死亡中位の推計結果。生産年齢人口対比は総人口(生産年齢)に対する外国人(全年齢)の比率を計算。 ※2024年のみ6月末の値。それ以外は各年12月末の値。 (出所)2020年以前:総務省「人口推計」、2021年以降:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」、厚生労働省「人口動態統計」、法務省「在留外国人統計」より作成。 7 健康寿命で見ると、生産年齢人口割合は2040年まで一定 ⚫ 生産年齢人口で見ると、総人口に占める割合は2030年まで一定。 ⚫ その上でさらに、健康生産年齢人口で見れば、総人口に占める割合が2040年まで一定となり、かつアメ リカ、ドイツなど主要諸外国よりも高い割合となる。 生産年齢人口(15歳以上、65歳未満)が 総人口に占める割合 健康生産年齢人口(20歳以上、健康寿命まで)が 総人口に占める割合 80% 80% 推計値 75% 推計値 75% 70% 70% 65% 65% 60% 60% 2030 2015 比較的フラットな期間 ドイツ 英国 フランス 日本 韓国 米国 中国 (注)20歳以上健康寿命以下の人口を健康生産年齢人口としている。健康寿命は、病気や怪我になる期間を除き、健康状態で生きられると予想される平均年数。 日本:73歳、韓国:72歳、フランス:70歳、ドイツ:69歳、英国69歳、中国:69歳、米国:64歳となっている(2021年)。 2024年以降は推計値(いずれも出生・死亡中位の推計)。 (出所)WHO 「World health statistics 2024」, United Nations 「World Population Prospects 2024」(いずれも、2025年4月データ取得)より作成。 ドイツ 英国 フランス 日本 2050 2046 2042 2038 2034 2030 2026 2022 2018 2014 2010 2006 2002 1998 (年) 1994 2050 2047 2044 2041 2038 2035 2032 2029 2026 2023 2020 2017 2014 2011 2008 2005 2002 40% 1999 40% 1996 45% 1993 45% 1990 50% 中国 2040 55% 50% 米国 2025 1990 55% 比較的フラットな期間 (年) 韓国 8 マクロ経済と企業経営(デフレ経済に関するグリーンスパンの見解) ⚫ グリーンスパンが中央銀行の議長を務めていた2000年頃の米国は、デフレの崖っぷちであると言われて いたが、積極的に金融緩和を行い、最終的に米国はデフレに陥らずにすんだ。その際にグリーンスパンは、 なぜ金融緩和が必要かという点について、デフレの本質から説明。 ⚫ 具体的には、デフレと言うと、物価が下がる、または動かないという、単なる価格の変調と捉えられる傾 向にあるが、デフレの本質はそこではなく、価格が動かないことが原因になって企業の活力が削がれると いう経済の変調が起きる、そこに本質があると見抜いていた。 デフレ経済に関するグリーンスパンの見解 日本のように価格と賃金が毎年据え置かれるような状況が起きたとして、その下で米国企業 の経営がどうなっているか想像してみると良い。 企業は、価格支配力を失うので、価格を1ドルたりとも上げることができない。そうなってし まったときに、米国企業はどうやって経営を維持しようとするだろうか? 新しい事業に果敢に取り組んでも、新商品に高い値段がつくわけではない。既存の商品とさし て違わない値段になってしまう。そんな状況で新事業に挑む企業が出てくるはずがない。 どの企業も攻めのビジネスで売り上げを伸ばすのを諦めて、生き残りのためにコストを抑えるこ とに全精力を注ぐことだろう。つまり、どの米国企業も後ろ向きの経営を始めてしまう。 そうなれば、米国経済の活力は消えてしまう。 (出所)月刊資本市場(2023.10 「賃金と物価の好循環」への道筋(東京大学 渡辺努教授)より引用。 9 日本企業の稼ぐモデルは「既存事業を有効活用するコストカット型」だった ⚫ 日本企業は、国内では既存設備を維持しつつ、海外投資を拡大(安い生産コストで逆輸入、国内で既に 確立した製品・サービスを他国に横展開)して利益を拡大してきた。 ⚫ リスクを抑えて利益を拡大するには、こうした既存事業を有効活用するコストカット型の稼ぎ方が、 (少なくとも短期的には)合理的なものとして選択されてきた可能性。 30 25 【 企業の資産(構成比) 】 現金・預金 有形資本ストック(有形固定資産+建設仮勘定) その他固定資産(株式を含む) 無形固定資産 土地 20 15 =内部留保(利益剰余金)を含む資本+負債は どのような形態で活用されているのか 海外投資+M&A等 < (%) 35 10 < 国内投資 5 キャッシュ 0 75 80 85 90 95 00 (注) バランスシート全体に対する比率 (資料) 財務省「法人企業統計」 出所:第11回新機軸部会(2023年1月27日)資料3「門間一夫氏提出資料」より抜粋・一部加工。 05 10 15 20 (年度) 10 過去30年の日本企業:経常利益は上昇するも、売上は横ばい ⚫ 30年間の大企業の財務を見ると、売上・売上原価は微増し、売上総利益は拡大。設備投資は微 減、人件費は微増(*)、配当金は拡大。 *総従業者数は666.6万人(1990年度)→713.2万人(2023年度)と7%増 ⚫ 企業の経常利益は長期的に増加し、足下では過去最高の数字。 売上高、設備・無形資産投資、従業員給与、配当金等の推移 (兆円) (兆円) ※【】内の増減は1990→2023年度の比 700 売上:600兆円 【増(+16%)】 120 600 売上原価:464兆円 【増(+7%)】 100 500 売上総利益:136兆円 【増(+59%)】 140 売上高(右軸) 売上原価(右軸) 80 売上総利益 400 従業員給与+賞与 経常利益 60 40 300 200 設備投資+無形資産投資 20 100 配当金 (注)全業種(金融・保険業除く)、資本金10億円以上の企業の集計。 設備投資+無形資産投資には、土地を除く有形固定資産、ソフトウェア、ソフトウェアを除く無形固定資産(のれん、特許権等)が含まれる。 無形資産投資は、ソフトウェアとソフトウェアを除く無形固定資産について、当該年度の固定資産残高から前年度の固定資産残高を差し引いた値として算出している。 (出所)財務省「法人企業統計調査」より作成。 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度 2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 1993年度 1992年度 1991年度 1990年度 2019年度 役員給与+賞与 0 0 経常利益:64兆円 【増(+241%)】 従業員報酬:45兆円 【増(+23%)】 設備+無形資産:26兆円 【減(-8%)】 配当金:16兆円 【増(+822%)】 役員報酬:1兆円 【増(+34%)】 11 日本経済の停滞要因の一つは投資 ⚫ 潜在成長率を要因分解すると、全要素生産性は他国と遜色ない。最大の違いは資本投入量。 ⚫ 特に金融危機以降、多くの日本企業は、海外で投資を拡大、日本での投資は横ばい。 潜在成長率の各項目寄与度の比較(各期間の平均値) 資本投入量 4.5% 労働投入量 全要素生産性 資本ストックの推移 (1995年=100) 260 潜在成長率 3.5% 韓国=+3.93%/年 240 (2000~2022) カナダ=+3.04%/年 220 2.5% (1995~2022) 200 1.5% 米国=+1.92%/年 180 (1995~2022) 日本 米国 (非農業部門) ドイツ 英国 フランス 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 1998-2007年 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 2000-2009年 2010-2019年 2000-2009年 -0.5% 韓国 160 英国=+1.68%/年 140 フランス=+1.63%/年 120 ドイツ=+0.93%/年 (1995~2022) (1995~2022) (1995~2022) 日本=+0.66%/年 100 韓国のみ2000=100 (1995~2022) 80 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 0.5% (年) (注)左図:英国は英国予算責任局の公開データの都合上、1998-2007年までの潜在成長率の寄与度分解を掲載。 右図:資本ストックの伸び率は、厚生労働省「第2回社会保障審議会年金部会 年金財政における経済前提に関する専門委員会」(令和5年2月24日)資料3を参考に、(総固定資本形成-固定資本減耗)/固定資産 により算出。資本ストックは、 1995年を100として、前年の資本ストックに伸び率を掛け合わせることで算出。なお、韓国はデータの制約上、2020年を基準としている。 (出所)左図:内閣府「GDPギャップ、潜在成長率」(2025年3月18日)、米国議会予算局「An Update to the Budget and Economic Outlook: 2019 to 2029」(2019年8月21日)、「The Budget and Economic Outlook: 2022 to 2032」(2022年 5月25日)、ドイツ経済諮問委員会「SPRING REPORT 2024」(2024年5月15日)、英国予算責任局「Economic and fiscal outlook」(2022年11月16日及び2025年3月26日)、 世界銀行「A Cross-Country Database of Potential Growth」(2023年3月27日)を基に作成。 右図:OECD.stat、厚生労働省「第2回社会保障審議会年金部会 年金財政における経済前提に関する専門委員会」(令和5年2月24日)より作成。 12 なぜ、所得拡大なのか ⚫ 労働生産性:日本の労働生産性は、過去30年で年率で1%以上伸びてきた。 ⚫ 実質賃金:日本の実質賃金は、過去30年横ばい。それに伴い個人消費も低迷してきた。 労働生産性の国際比較 実質賃金の国際比較 時間当たり労働生産性(ドル/時間) ドイツ =+1.2%/年 (1991~2023) 100 80 88.5 フランス =+1.1%/年 (1991~2023) 86.3 82.5 70 72.8 60 51.8 50 85,000 80,115 80,000 75,000 米国 =+1.7%/年 (1991~2023) 70,000 英国 =+1.4%/年 (1991~2023) 60,000 日本 =+1.2%/年 (1991~2023) 40 65,000 59,087 フランス =+0.9%/年 (1991~2023) 英国 =+1.2%/年 46,792 (1991~2023) 55,000 57,617 50,000 日本 =0.0%/年 (1991~2023) 45,000 40,000 30 米国 =+1.2%/年 (1991~2023) ドイツ =+0.8%/年 65,719 (1991~2023) 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 35,000 (年) 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 90 1人当たり実質賃金(ドル) (注)左図:2020年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化したGDPを総労働時間(就業者数×年間の平均労働時間)で割った値。右図:2023年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化した値。 (出所)OECD.statより作成。 (年) 13 経済停滞の中で、特に個人消費の伸びが停滞してきた ⚫ 2012年以降の景気循環(第16循環)は長さでは戦後2番目の71か月だったが(いざなみ景気 に2か月及ばず)、成長率は年平均+1.2%で戦後最低だった。 ⚫ とくに個人消費が年平均わずか+0.3%とほぼゼロ成長だった。 個人消費(実質)の局面比較 実質GDPの局面比較 (景気の谷 = 100) バブル崩壊後 (93/4Q~) ITバブル (99/1Q~) いざなみ (02/1Q~) リーマンショック後 (09/1Q~) 第16循環 (12/4Q~) 114 112 110 112 110 108 108 106 106 104 104 102 102 100 100 0 1 バブル崩壊後 (93/4Q~) ITバブル (99/1Q~) いざなみ (02/1Q~) リーマンショック後 (09/1Q~) 第16循環 (12/4Q~) (景気の谷 = 100) 2 3 (資料) 内閣府 (出所)第11回新機軸部会 門間氏プレゼンテーション資料より作成。 4 5 6 (谷からの年数) 98 0 1 (資料) 内閣府 2 3 4 5 6 (谷からの年数) 14 産業別の労働生産性と賃金の上昇率 ⚫ 製造業は労働生産性の上昇に見合う賃上げが進んでおらず、労働分配を促す取組の継続が必 要。他方、非製造業においては、賃上げを行う余力を確保するための生産性向上が必要。 産業別の賃金上昇率×労働生産性上昇率(1996~2020) ※農林水産業は除く 1.00% 名目労働生産性上昇率 < 名目賃金上昇率 不動産業 卸売・小売業 0.50% 娯楽業 公共サービス業 専門・科学・技術サービス業 建設業 情報通信業 名 目 賃 金 0.00% 上 昇 率 (%) 宿泊・飲食業 健康・福祉業 鉱業 金融・保険業 その他サービス業 電力・ガス 水道 教育 -0.50% 運輸・保管業 名目労働生産性上昇率 > 名目賃金上昇率 -1.00% -2.00% 製造業 -1.50% -1.00% -0.50% 0.00% 0.50% 名目労働生産性上昇率(%) (注)名目賃金上昇率は(名目労働コスト/マンアワー)の上昇率の平均、名目労働生産性上昇率は(名目付加価値額/マンアワー)の上昇率の平均として算出 (出所)EU KLEMSデータより作成 1.00% 1.50% 2.00% 15 経常収支とその内訳の推移 ⚫ 国内生産・輸出モデルから、対外直接投資を通じた海外展開モデルへの移行も進み、貿易収支 黒字は縮小し、経常黒字は投資収益により支えられる。 貿易・サービス収支、投資収益、経常収支の推移(1996-2024) (兆円) 50 40 経常収支 35.1 投資収益(=直接投資収益+証券投資収益+その他投資) 貿易収支 30 36.3 40.5 29.4 26.4 19.5 19.4 20 13.6 14.1 12.7 10 7.5 16.0 9.0 9.5 7.7 6.2 2.8 0 -1.1 -1.1 -6.7 -5.3 -2.7 -2.8 -3.7 -4.7 -2.7 -3.7 (注)「投資収益」とは、第一次所得収支の内数であり、直接投資収益+証券投資収益+その他投資収益の和に相当する。 (出所)財務省「国際収支統計」より作成。 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 その他(第二次所得収支等) 2005 2004 2001 2000 1999 1998 1997 1996 2003 サービス収支 -20 2002 -10 -1.0 (年) 16 貿易依存度の国際比較 ⚫ 日本は、他の主要国に比べて、輸出入ともに依存度が低い。 輸出依存度(輸出総額対GDP比) 輸入依存度(輸入総額対GDP比) 60% 60% 50% (2023年) 50% 40% 43.4% 41.5% 40% (2023年) 41.2% 39.4% 36.3% 34.3% 30% 31.1% 30% 20% 21.9% 20% 10% 11.0% 10% 0% 31.9% 23.3% 13.9% 日本 (注)GDP、輸出額、輸入額は、すべて名目値で各国通貨ベース。 (出所)OECD.stat より作成。 英国 米国 ドイツ フランス 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994 (年) 1992 1990 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994 1992 1990 0% (年) 韓国 17 貿易収支の推移 ⚫ 貿易収支は、近年赤字傾向。自動車等の輸送用機器や半導体等製造装置等の一般機械が輸出を 牽引しているが、資源価格の変動による影響を受けやすい石油や石炭、天然ガス等の鉱物性燃 料、食料品により赤字に陥っている。 (兆円) 貿易収支の推移 50 40 貿易収支 一般機械 電気機器 30 輸送用機器 20 10 0 -10 -20 食料品 -30 鉱物性燃料 -40 その他 (注)主要商品別の貿易収支。その他は、「原料品」、「化学製品」、「原料別製品」、「その他」の合計。1988年~2023年は確定値。2024年は確々報値。 (出所)財務省「貿易統計」より作成。 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989 1988 -50 (年) 18 日本のサービス収支の推移と国際比較 ⚫ サービス収支は、足下でインバウンドを背景とした旅行収支が伸びているものの、デジタル関 連収支の大幅な赤字により、世界と比較しても、全体の赤字が多い。 サービス収支の国際比較 日本のサービス収支の推移 (兆円) 6 (億ドル) 3,500 その他 4 3,000 旅行 2,500 2 2,352 2,000 0 2,002 1,500 -2 1,000 -4 685 500 -6 デジタル関連収支 -500 -8 日本 韓国 フランス ドイツ (注)左図:デジタル関連収支は、日銀レビューの分類を基に、①~③の合計として算出。 ①通信・コンピューター・情報サービス:ソフトウェアの委託開発やクラウド・サービス、オンライン会議システムの利用、ソフトウェアのサブスクリプション契約料等 ②専門・経営コンサルティングサービス:法務、会計・経営コンサルティング、広報、広告・市場調査に係る取引、 ③著作権等使用料:著作物(コンピュータソフトウェア、音楽、映像、キャラクター、文芸、学術、美術等)を複製して頒布(販売、無償配布等)するための使用許諾料(ライセンス料)等。 研究開発サービス収支は、研究開発に関わるサービス取引のほか、研究開発の成果である産業財産権の売買を計上 旅行収支とは、ある国に滞在中の非居住者(旅行者)が自ら使用するため、または贈与するために滞在先で取得した財貨とサービスを計上。 (出所)左図:日本銀行「国際収支統計」、 日銀レビュー「国際収支統計からみたサービス取引のグローバル化」より作成。右図:OECD.statより作成。 英国 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 (年) 2011 -1,000 2024 2023 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2022 サービス収支 -10 ▲73 ▲379 ▲423 2010 研究開発サービス 0 (年) 米国 19 デジタル関連収支の国際比較 ⚫ コンピュータ関連サービスやコンサルティングサービス、著作権等使用料からなるデジタル関連収支での 赤字は、日本が突出している。 デジタル関連収支の国際比較(2022年) (億ドル) 1,200 1,000 著作権等使用料 800 600 デジタル関連収支 400 200 0 -200 -400 専門・経営コンサルティングサービス 通信・コンピュータ・情報サービス 米国 英国 ドイツ フランス 韓国 日本 (注)デジタル関連収支は、日銀レビューの分類を基に、①~③の合計として算出。 ①通信・コンピューター・情報サービス:ソフトウェアの委託開発やクラウド・サービス、オンライン会議システムの利用、ソフトウェアのサブスクリプション契約料等 ②専門・経営コンサルティングサービス:法務、会計・経営コンサルティング、広報、広告・市場調査に係る取引 ③著作権等使用料:著作物(コンピュータソフトウェア、音楽、映像、キャラクター、文芸、学術、美術等)を複製して頒布(販売、無償配布等)するための使用許諾料(ライ センス料)等。ドイツ、フランスの著作権等使用料は、EUが知的財産権等使用料の内訳を開示していないため、著作権等使用料と産業財産権等使用料の双方を対象として 算出。 (出所) 日本銀行「国際収支統計」、日銀レビュー「国際収支統計からみたサービス取引のグローバル化」、OECD.statより作成 。 20 第一次所得収支 ⚫ 日本の第一次所得収支は、直接投資収益の増加を主として、全体として増加傾向にある。他方、 直接投資収益の約半分は海外で再投資されており、約半分は国内に戻ってきている。 (兆円) 第一次所得収支の推移 (ネット) (兆円) 45 直接投資収益における再投資収益の割合 (受取) 35 その他 40 再投資収益の割合 (右軸) 利子所得(左軸) 30 60% 50% 35 25 30 直接投資収益 25 20 40% 20 配当金・配当済支店収益 (左軸) 証券投資収益 15 15 30% 20% 10 再投資収益(左軸) 10 10% 5 5 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 (年) 0% 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 0 0 (年) (注) 左図:「ネット」の額を利用。その他は、「雇用者報酬」、「その他投資収益」、「その他第一次所得」の合計。右図:再投資収益(子会社の内部留保)、配当金・配当済支店収益(親会社と子会社の間で受払された利益配当金および 支店の収益のうち本社に送金されたもの)、利子所得(貸付け・借入れ利子や債券利子)はすべて「受取」の額を利用。再投資収益の割合=再投資収益 ÷(再投資収益+配当金・配当済支店収益+利子所得)で計算。 (出所)日本銀行「国際収支統計」より作成。 21 交易利得・損失 ⚫ 輸出入価格の変化(交易条件の変化)によって、国内と海外における所得の流出入が基準年と 比較してどれだけ変動したかを示す交易利得・損失(=実質国内総所得ー実質国内総生産)を 見ると、2000年代前半から所得の流出が加速しており、足下も当時の水準に戻っていないこ とがわかる。 交易利得・損失/実質GDPの推移 5.0% 4.0% 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% -1.0% -2.0% -3.0% 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 -4.0% (年) 22 (出所)内閣府「国民経済計算年次推計」より作成。 交易条件の要因分解 ⚫ 交易条件指数を品目別に要因分解すると、輸出物価の下落の大部分は電気・電子機器によるものだが、電気・電子 機器は輸入物価も下落しており、価格競争が激しい産業であることを物語っている。輸入物価の主な上昇要因は、 鉱物性燃料であり、その影響はここ十数年で傾向的に拡大している。 ※GDPデフレータではサービスの輸出入も含まれていたが、物価指数にはサービスが含まれていないことに留意。 交易条件指数の変動要因分解 輸出物価の品目別要因分解 (年) 2024 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 -20 2002 1990 0 2000 交易条件 20 1998 輸入物価要因 1996 輸出物価要因 1994 40 1992 (1990年1月の水準との比較、%pt) 40 繊維品 化学製品 30 金属・同製品 はん用・生産用・業務用機器 20 電気・電子機器 輸送用機器 その他産品・製品 総平均 10 0 -10 -20 -30 -40 -50 -60 (1990年1月の水準との比較、%pt) 輸入物価の品目別要因分解 -40 (1990年1月の水準との比較、%pt) 120 -60 飲食料品・食料用農水産物 金属・同製品 石油・石炭・天然ガス はん用・生産用・業務用機器 輸送用機器 総平均 100 80 -80 60 40 繊維品 木材・木製品・林産物 化学製品 電気・電子機器 その他産品・製品 20 2024 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994 1992 1990 -100 (年) 0 -20 2024 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994 1992 (出所)日本銀行「企業物価指数」より作成。 1990 -40 (年) 23 過去30年の各国の労働生産性上昇率の要素分解 ⚫ 産業別の労働生産性上昇率において、製造業はEU諸国・米国並みであるが非製造業は劣後。 労働生産性上昇率 = 純生産要素 + ボーモル効果 + デニソン効果 業種ごとの生産性 の向上の影響 名目付加価値額のシェア変化による影響 業種間の労働移動による影響 (生産性上昇率の高い産業の付加価値シェアが 増えるとマクロの生産性が上昇) (生産性の高い産業に労働が移動するとマクロの生産 性が上昇) 各国の労働生産性上昇率の要素(1996~2020) 2.00% 伝統的なサービス業 (卸小売、運輸通信、建設等) の中小企業の労働生産性上昇が劣後 1.50% 先進的なサービス業 (専門サービス、情報通信) の労働生産性上昇が劣後 1.00% 0.50% 0.00% -0.50% 日本 製造業_純生産性要因 英国 非製造業_純生産性要因 製造業_ボーモル効果 ドイツ フランス 非製造業_ボーモル効果 製造業_デニソン効果 米国 非製造業_デニソン効果 24 (出所)EU KLEMSより作成。 過去の労働生産性(欧州との比較) ⚫ 日本の労働生産性は、あらゆる産業で規模特性があり、中小企業には業種特性がない。 ⚫ 欧州の労働生産性は、企業規模という観点では、中小企業の方が低い傾向があるが、中小企業間でも業種 によっては高い水準となっている。 (購買力平価換算 USドル/人/時間) ドイツ 英国 日本 フランス 90 80 70 60 50 40 30 20 10 (年) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 (年) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 (年) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 0 (注)労働生産性の計算は、粗付加価値/労働者数/一人当たり年間総労働時間。企業規模は、EURO.statは250人以上を大企業・中堅企業、250人以下を中小企業とする。日本企業は資本金を1億円以上を大企業・中堅企業、1億円未満を中小企業と分 類。EURO.statでは、労働時間が企業規模別には掲載されておらず、業種別のものしかないため、労働時間は、企業規模によらないものを用いている。これに合わせ、日本企業側も、毎勤のデータから、企業規模にかかわらず、業種別の年間総労働時 間を用いている。日本企業の粗付加価値に関する計算は以下を利用。粗付加価値=営業利益+人件費+租税公課+動産・物品賃貸料+減価償却。人件費=従業員給与+従業員賞与+役員給与+役員賞与。またOECD.statの購買力平価で換算している。 (出所)経済産業省「中小企業白書」を参考に、EUROstat、財務省「法人企業統計」、厚労省「毎月勤労統計調査」より作成。 (年) 25 過去の労働生産性(米国との比較) ⚫ 米国と比較すると「専門サービス」「情報通信」産業における労働生産性上昇率の差が顕著。 日米の産業別の純生産要素(2016~2020) 純生産要素 = 各産業の労働生産性上昇率 × 基準年での付加価値額シェア 8% 鉱業 情報通信業 6% 農林水産業 4% 専門・科学・技術サービス業 労 2% 働 生 産 0% 性 上 昇 -2% 率 (%) 鉱業 建設業 水道 建設業 電力・ガス・水道 電力・ガス 製造業 公共関連サービス業 専門・科学・技術サービス業 宿泊・飲食業 金融・保険業 その他サービス業 農林水産業 製造業 卸売・小売業 公共関連サービス業 卸売・小売業 金融・保険業 情報通信業 不動産業 不動産業 運輸・保管業 その他サービス業 -4% 運輸・保管業 宿泊・飲食業 -6% -8% 0% 5% 10% 15% 基準年(2000年)における名目付加価値額のシェア(%) (注)公共関連サービス業には、公共サービス業、教育、健康・福祉業が含まれる (出所)EU KLEMSより作成。 日本の産業 米国の産業 20% 25% 26 1.これまで30年の日本経済 2.社会的マクロ環境の変化 3.世界でも産業政策が活発化 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) 7.今後の経済産業政策の方向性 27 設備投資等の経営判断を迷わせる「世界の不確実性」は過去最高水準 ⚫ 不確実性の高まりは、設備投資や新規事業開発といった企業の経営判断に影響する。 ⚫ 世界の不確実性は、足下、コロナ禍以来の過去最高水準に達しつつある。背景には国内・国家間の格差 拡大、デジタルによる富の偏在、自国中心主義による分断、大国による一方的措置の多用、ロシアのウクライ ナ侵略による西側先進国と権威主義国家の分断等に加え、足下の米国の動きによって、世界の不確実性が 継続・進展。企業の国内投資を促すには、予見可能性を高める政策対応が必要。 世界における政策不確実性指数 600 米国関税 日本 500 世界 米大統領選 トランプ コロナ 大統領就任 ロシア 米中摩擦 ウクライナ 米大統領選 ブレグジット 400 300 (銀行・証券破綻) 200 アジア 通貨危機 金融危機 米国同時 多発テロ イラク戦争 SARS 米国の財政の崖 100 (東日本大震災) 2025 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989 1988 1987 0 (年) (注)政策不確実性指数は、G7や中国等の21か国の新聞中の経済政策に関する記事で、不確実性について議論されている記事の占める割合を月ごとに算出し、GDPを基に加重平均している。世界のデータはGlobal Economic Policy Uncertainty Index を基に、日本はJapan Monthly Indexを基に作成。グラフ中の「アジア通貨危機」等の出来事はIMFの記事を参照しつつ、経産省で一部加筆。 (出所)https://www.policyuncertainty.com/ https://www.imf.org/ja/News/Articles/2021/01/19/blog-what-the-continued-global-uncertainty-means-for-you より作成(2025年5月に取得した直近データ(日本は2025年4月まで、世界は2025年3月までの値)を掲載) 。 28 日本は長期志向が強く、不確実性を回避する傾向 ⚫ 日本は「不確実性の回避」、「長期志向」、「集団主義」、「人生の楽しみ方が抑制的」の価値観が強い。価 値観に見合った政策が求められる。 文化的価値観の国際比較(Hofstedの6次元モデル) (出所)厚生労働省 新しい時代の働き方に関する研究会 第7回 中村構成員提出資料(令和5年5月25日)より引用。 29 政策の不確実性が投資判断に大きく影響する ⚫ 政策の不確実性の影響を受ける経営判断として、過半の企業が「設備投資」を挙げている。 政策の不確実性が影響する経営上の意思決定 (注)経済産業研究所が(株)東京商工 リサーチに委託して実施した「経済政策と企業経営に関するアンケート調査」(2015年) のデータ。上場企業・非上場企業、製造業・サービス産業を広くカバーする 15,000 社を対象に、郵送により 2015 年 10~12 月にかけて行った調査で、回答企業数は 3,438 社(回収率 22.9%)。当該表は、政策の不確実性が大きく影響する経営上の意思決定についての集計結果であり、この設問は7つの選択肢の中から一番目、二番目を選ぶ形の設問になっている。 (出所)RIETI 森川正之 “政策の不確実性:企業サーベイに基づく観察事実”(2016年2月)より引用。 30 「高コスト構造の是正」を経て、今や「安い国」日本 ⚫ 円の実効為替レート(対複数通貨での強弱を示すレート)をみると、近年円安が進行。また、近年名目値と実質値の乖 離が拡大。足下では、名目値では1ドル360円という円安水準にあった1971年と比較すれば円高だが、各国の消費者物 価の変化も勘案した実質値では1971年と同等、すなわち50年ぶりの円安水準。 ⚫ これは、①日本ではコストカット競争等に伴い長期的・構造的に物価上昇率が低かったこと、②近年の欧米の物価急騰 と金融引き締めに伴い相対的にインフレ率が低く緩和的な金融政策を続ける日本と金利差が大きく拡大したことが相 まった現象。 ⚫ また日本では、輸入財の高騰で企業物価は上がっているものの、企業が対消費者を中心に価格転嫁を十分にできておら ず、企業物価と消費者物価に乖離が発生。 円高 500 名目・実質実効為替レートの推移 日米英の消費者物価指数と企業物価指数の推移 (1971年12月=100) (2011年1月=100) 150 名目実効為替レート 400 130 300 消費者物価(日本) 企業物価(日本) 消費者物価(米国) 企業物価(米国) 消費者物価(英国) 企業物価(英国) 200 110 100 実質実効為替レート 2024 2023 2023 2022 2021 2020 2020 2019 2018 2017 2017 2016 2015 2014 2014 2013 2012 2011 90 (年) 2011 2022 2020 2017 2014 2012 2009 2006 2004 2001 1998 1996 1993 1990 1988 1985 1982 1980 1977 1974 1972 1969 1966 円安 1964 0 (注)左図:実効為替レートは、米ドルや人民元等の複数通貨間での強弱を表す指標。米国や中国等の複数国との貿易比率等を用いて算出。名目実効為替レートは、27ヶ国との名目為替レートの変動を、各国との貿易額により加重平均し算出。実 質実効為替レートは、各国との相対的な消費者物価水準により名目実行為替レートを実質化し算出。1971年12月の水準を100として指数化(2025年2月まで掲載)。 右図:各指数は、2011年1月の値を100として算出しており、2025年2月まで掲載。ただし英国の企業物価のみ2025年1月まで掲載。 (出所)左図:BIS ”Effective Exchange Rates” (Nominal, Real)を基に作成。右図:総務省統計局、日本銀行、FRED、英国統計局より作成。 (年) 31 物価上昇予想は定着しつつあり、高付加価値経済への移行に向けた転換点 ⚫ 世界では一時の急上昇期よりは穏やかになっているものの、インフレ進行が継続。消費者物価指数増減 率でみると、足下の日本は主要国の中でも高位に位置する。 ⚫ 企業経営は、デフレではコストカットに注力し、インフレでは高付加価値化に注力しやすくなるとの指 摘がある*。足下ではインフレが世の中に定着してきている中で、企業経営も転換点を迎えている。 *…月刊資本市場2023年10月号 (東京大学 渡辺努教授)より 消費者物価指数増減率の国際比較(前年同月比) 家計/企業の物価の見通し・金融市場の期待インフレ率 (%) (%) 12 14 10 12 8 10 8 家計 (5年後の見通し) 6 2025年3月 2024年9月 2024年3月 2023年9月 2022年9月 2022年3月 2021年9月 2021年3月 2020年9月 2020年3月 2019年9月 2019年3月 2024 2025 2018年9月 2023 2018年3月 2022 2017年9月 2021 2017年3月 2020 金融市場の期待インフレ率 -2 2016年9月 2019 0 2016年3月 8 11 2 5 8 11 2 5 8 11 2 5 8 11 2 5 8 11 2 5 8 11 2 2 2015年9月 0 企業 (1年後の見通し) 企業 (5年後の見通し) 2015年3月 米国 英国 ドイツ フランス 2 4 2014年9月 日本 2014年3月 4 2023年3月 6 -2 家計 (1年後の見通し) (参考)左図:2025年2月までの主要国の消費者物価指数の変化率。 右図:家計と企業の物価の見通しは、横軸の年の調査において「各主体が1年後、5年後の物価をそれぞれどれくらい上昇すると予測しているかをプロットしており、各年に4回行 われる結果の年平均をプロット。家計の物価は「購入される物やサービスの価格全体のこと」であり、企業の物価は消費者物価指数をイメージして回答する形式になっており、企業物価は全規模全産業のものを利用。金融市場の期待インフレ率は、 Bloombergのブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)を利用しており、物価連動国債の複利利回りと同じ残存期間の10年利付国債の複利利回りを基に計算したもので、各値は四半期末日のBEIである。 (出所)左図:総務省「消費者物価指数」を基に作成、右図:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」、「全国企業短期経済観測調査」(2025年4月1日)、Bloombergより作成。 32 人口減少に伴う構造的人手不足:日本の労働参加率は、世界最高水準 ⚫ 全産業で人手不足であり、特に宿泊・飲食をはじめとするサービス業で人手不足感が特に強い。足下の人 手不足DIは、バブル期並みの過去最高水準に達している。 ⚫ 他方で、足下の男性・女性・高齢者別の労働参加率は、いずれも世界最高水準になっており、労働参加が 天井に近くなっている可能性がある。 ⚫ 年収の壁の解消による一人当たり労働時間の拡大が期待されるものの、パートタイム労働者の多くは時間 制約がある人が多いことと、人口減少が継続することを踏まえた経済・産業の運営が必要。 男性(15~64歳)、女性(15~64歳)、高齢者(65歳以上) の労働参加率 雇用人員判断DIの推移 「過剰」 40 全産業(実績) (%) 90 宿泊・飲食サービス(実績) 男性 80 (15~64歳) 20 83.0 85.6 79.5 英国 フランス 88.3 82.6 76.8 75.6 ドイツ 83.7 79.0 1990年 2023年 60 -20 (%) 80 -40 70 女性 (15~64歳) 60 全産業(予測) 50 (%) 30 宿泊・飲食サービス(予測) 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019 2021 2023 2025 -80 「不足」 86.9 米国 70 0 -60 日本 (注)左図:宿泊・飲食サービスは統計の関係上、2004年よりデータ取得。 (出所)左図:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(2025年4月1日)、右図:OECD.statより作成。 20 高齢者 (65歳以上) 10 (年) 0 75.1 69.9 67.8 74.8 67.3 58.0 57.1 25.7 24.3 71.2 75.9 1990年 55.5 2023年 1990年 19.2 11.8 11.5 5.6 2.4 4.3 9.0 3.0 2023年 33 1.これまで30年の日本経済 2.社会的マクロ環境の変化 3.世界でも産業政策が活発化 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) 7.今後の経済産業政策の方向性 34 世界各国で産業政策が活発に 【課題】 • 格差拡大・中間層の疲弊 • 中国への対抗 • インフレ 【課題】 • 気候変動緩和の主導 • 製造業中国依存、デジタル米中依存 • 域内の良質雇用確保 • インフレ 【対応】 〈バイデン政権〉 ➢EU復興パッケージ<2020年7月> グリーンやデジタルへの移行:7年間で約 ➢ CHIPS法:5年間で527億ドル(約7.1兆 1.8兆ユーロ(292兆円) 円)の資金提供<2022年8月> 【対応】 【課題】 • キャッチアップ・輸出主導型 高度成長経済の終焉 • 米欧等西側陣営への対抗 【対応】 ➢ 中国製造2025<2015年7月> 中核基礎部品・基幹基礎材料の2025年国内自給率 70%目標 ○税額控除分込みで約14兆円規模の投資支援 ➢「欧州の競争力の未来」(いわゆるドラギレ ➢ 特別国債の発行<2024年3月、7月> ○3月に1兆元(約20兆円)の超長期特別国債を発行。 ➢ インフレ削減法:10年間で4,370億ドル ポート) 科学技術イノベーション、食糧・エネルギー安保等 (約65.1兆円) <2022年8月> <2024年9月> の支援 (当時の円レート1ドル=135円で換算) 〈トランプ政権〉 ○産業戦略として整合的な産業政策・競争政策・貿易政策 ○7月に3,000億元(約6兆円)の超長期特別国債を発 へ提言 行。 ○官民で7.5~8.0千億€(約122~130兆円)/年の追加投資 ➢ 法人減税(国内投資要件あり・ 設備更新に1,480億元(約3兆円)を配分。設備更新 21%→15%)・設備投資100%特別償却 (工業、環境インフラ、医療、エネルギー等)と消費 財(車や家電、中古住宅リフォーム等)買換え支援強 ➢ 「競争力コンパス」<2025年1月> 復活の方向性を発信<2025年1月発言> 化。利子補給や補助金の支給等を行う ○競争力強化を実現するための5年間の政策を公表。 ※第1次政権においても、法人税率を35%→21%に引き ○脱炭素化に向けた行程表作成に加え、イノベーション促 下げるとともに、設備投資の100%特別償却(5年間の時 進に向けて、革新的技術に投資する企業の規模拡大のため 限措置)を実施 に、民間と協力して、 TechEU投資プログラムを展開 ➢関税を活用した国内生産奨励 ○鉄鋼・アルミや自動車・同部品への関税や相互関税な ➢ 「クリーン産業ディール」<2025年2月> どを次々に発表 ○加盟国に対して、クリーン技術資産の早期償却やクリー ン移行の戦略分野の企業への税額控除といった税制措置の 導入を推奨 (注)1ドル=149円、1ユーロ=162円、1元=20円で換算(2024年3月末の為替レート) 35 足下の米欧における産業政策の動向 ⚫ 産業政策の国際競争は熾烈化。各国は自国への投資促進・回帰を念頭に、大胆な政府支援を実施。 【米国(第二次トランプ政権)】 : 投資分野を問わない広い減税 ⚫ トランプ政権は、諸外国に対する関税賦課と併せて、設備投資の100%特別償却・法人減税 (21%→15%)等の方向性を示しており、米国内投資の促進・回帰を強く志向。 ※ 3月4日の上下両院合同会議における施政方針演説において、「国内生産を行う製造業に対する税金を削減したい」 と発言。具体策の例示として「100%即時償却を提供する。これは2025年1月20日に遡及適用する。」と表明。 ※ 3月11日のビジネスラウンドテーブル(米国主要企業による財界ロビー団体)との会合にて、米国内で生産を行う企 業向けの法人税率を15%に引き下げる考えを示したとの報道。 【欧州】 : グリーン分野を中心とした投資促進 ⚫ 欧州においても、コロナ禍以降、グリーン産業等の重要分野への公的資金投入を積極的に実施。 ⚫ 2024年9月の「欧州の競争力の未来」(ドラギレポート)及び2025年1月の「競争力コンパス」で は EUの競争力強化を主眼に置いた包括的な指針を提示。それらを受け、特に脱炭素関連の施策 の具体化を行った2025年2月の「クリーン産業ディール」では、クリーン技術資産の減価償却期 間を短縮し、高額な初期投資を相殺できるようにすることや、クリーン移行のための戦略的分野 における企業向けの税額控除の導入を、EU各国に対して勧告。 36 欧州:「欧州の競争力の未来」と題する報告書 ⚫ イタリア前首相で欧州中央銀行総裁を務めたマリオ・ドラギ氏が欧州委員会の委員長フォン・デア・ライエン氏に提言。 ⚫ 戦略分野におけるEUの地位低下の原因を特定し、EUの新たな産業戦略の在り方を示すものであり、戦略をまとめた PartAとセクター別政策・水平的政策を記載したPartBの2部構成。 戦略の概要(PartA) 政策の詳細(PartB) ➢ 3つの構造変化に対応するための「新たな産業戦略」の打ち出し 人口減少する欧州圏で生産性を最大化するためには、欧州の重要な公共 財への投資のための共同資金等が必要。 ①米中とのイノベーション格差の解消(=大規模投資、規制改革) ②高いエネルギー価格への対応(=脱炭素化と競争力強化) ③地政学的リスクへの対応(=過剰対外依存の是正と防衛産業の強化) ➢ 「新たな産業戦略」実現に向けた4つの柱(Building Blocks) 1.単一市場の完全実施 ・単一市場活用の妨げになる加盟国ごとの規制やデジタル技術分野の企業 を対象とした規制の見直し 等 2.産業政策・競争政策・貿易政策の相互連携 ・競争政策:合併可否判断等における将来の技術革新への影響の一層考慮 等 3.大規模域内投資 ・民間投資に財政支援必要、生産性上昇が財政コスト低減 ・官民で7.5~8.0千億€/年(約122~130兆円)の追加投資の必要性 等 4.EU統治改革 (注)1ユーロ 162円(2024年3月末の為替レート) ・AI等を活用した規制負担の削減 等 = ➢ セクター別政策(10分野)  エネルギー  重要原材料  デジタル化と先端技術政策 ✓ ✓ ✓ 高速/大容量ブロードバンド ・ネットワーク コンピューティングとAI 半導体 ➢ 水平的政策(5分野)  イノベーションの加速  スキルギャップの解消  投資の維持  競争の刷新  ガバナンスの強化  エネルギー集約型産業  クリーン技術  自動車  防衛産業  宇宙  製薬  輸送 (出所)欧州委員会HP 37 (出所)欧州委員会HPより作成。 1.これまで30年の日本経済 2.社会的マクロ環境の変化 3.世界でも産業政策が活発化 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) 7.今後の経済産業政策の方向性 38 世界的潮流を踏まえた産業政策の転換 = 「経済産業政策の新機軸」 ⚫ 伝統的に産業政策を忌避しがちな米欧アカデミズム、IMF、OECDなどでも、従来の「市場の失敗への介入」を超えて、 社会・経済課題の解決に向けて、政府が積極的介入をすることで民間投資・イノベーションを促すことの効果を研究。 ⚫ 官が主導する伝統的産業政策ではなく、官は民を邪魔しないことに徹する新自由主義的政策でもない、 社会・経済課題解決に向けて、官も民も一歩前にでて、あらゆる政策を総動員する(新たな産業政策=新機軸)。 伝統的産業政策 (~1980s) 目的 特定産業 の保護・育成 理論的根拠 「市場の失敗」 の是正 幼稚産業保護 政策の フレームワーク 財政出動 ミクロ経済政策 (供給サイド) 官主導 ~過当競争の防止~ 中規模・中期 新自由主義的政策 (1990s~2010s) 市場環境 の整備 市場機能の重視 「政府の失敗」を懸念 経済産業政策の新機軸 (2021~) 多様化する中長期の社会・経済課題の解決 (「ミッション志向」) 不確実性への対応(政府による市場の創造) 「政府の不作為」を懸念 (政府もリスクを負う「起業家国家」) (厳格な費用効果分析 に基づく事前評価重視) ミクロ経済政策とマクロ経済政策の一体化 (需要と供給の両サイド、生産的政府支出(PGS)等) 意欲的な目標設定、その実現に向けたイノベーション支援、 規制・制度、標準化、国際連携等、政策ツールを総動員 失敗を恐れず挑戦、失敗から学習(「フェイル・ファスト」) 総合的・多面的な事後評価重視 小規模・単発・短期 大規模・長期・計画的 ミクロ経済政策 (供給サイド) 民主導 ~競争の促進~ 39 「経済産業政策の新機軸」の枠組み ⚫ 2021年の産構審総会以降、社会課題解決を成長のエンジンと捉え、 「ミッション志向の産業政策」と 「社会基盤の組換え」という枠組みの下で、大規模・長期・計画的な産業政策の強化策を提示。 ⚫ 一貫して、①国内投資の拡大、②イノベーションの加速、③国民の所得向上の3つの好循環の実現を掲げ てきた。 ミッション志向の産業政策(8分野) 社会基盤(OS)の組換え(4分野) 世界的な社会課題を起点に、人口減少下でも中長期的に拡大する国内需要を 開拓。海外含め需給両面から施策を継続実施することで世界水準の戦略投資を 加速。政府支援は、国富を拡大する「国の戦略投資」。 ミッションの実現には、個別産業政策を補完するものとして、 テーマ横断的な経済社会構造の基盤整備も必要。個別 ミッション範囲外でも、国内投資・イノベーション・所得向上 の3つの好循環に貢献。 <ミッション>  GX:10年で150兆円超の官民投資、そのために20兆円規模の政府支援。  DX:デジタル化による新たなサービスへの需要が創出、ソフトウェアを含む設備投資が増加。例えば、2030年ま でに国内で半導体を生産する企業の合計売上高(半導体関連)15兆円超を目指す。AI・半導体で10兆円の 公的支援により、10年間で50兆円超の官民投資、約160兆円の経済波及効果。  グローバル・経済安全保障:世界の課題解決を通じて日本の世界における付加価値を最大化すると 同時に、不確実な世界においても信頼できる経済パートナーで在り続けるため、ルールに基づく国際経済秩序の維 持・強化・再構築を実現。/対日直接投資残高について、2030年に120兆円、2030年代前半のできるだけ早期に 150兆円とする。/自律性向上、優位性・不可欠性確保を実現。  健康:2040年に健康寿命75歳以上、2050年に公的保険外サービス77兆円、世界市場の獲得。  少子化対策に資する地域の包摂的成長:地域の良質な雇用や豊かな生活環境の創出(可 <社会基盤(OS)>  人材 物価上昇を超える賃上げの持続的な実現。  イノベーション・スタートアップ スタートアップへの投資額を今後5年で10倍。  価値創造経営 日本の代表的企業がPBR1倍超えとなる割合を2030年に8割に。  EBPM・データ駆動型行政 処分所得/時間の向上等)を通じ、希望出生率を1.8に回復、将来的には更なる希望向上へ。  災害レジリエンス:途上国の適応市場(2050 年約 70 兆円)含めた世界市場の獲得。  バイオものづくり:2030年時点で国内外で総額92兆円の市場規模の獲得。  資源自律経済:2030年に80兆円、2050年に120兆円のサーキュラーエコノミー市場を実現。 40 企業と政府の「目線の違い」を意識した、マクロ・ミクロの連動が必要 経済産業政策新機軸部会 第3次中間整理より抜粋 (2024年6月7日) 「資本(株主)」が最大化したいもの(=世界全体での企業収益(からの投資家へのリターン)) ↓ 企業(グローバル:G型) 輸出(自動車・半導体素材・機械等) 輸入(食料・エネルギー等) サービス輸出(R&D、ソフトウェア等) サービス輸入(R&D、デジタル計算基盤等) ミッション志向 産業政策 OSの組替え (労働・資本等の (社会課題解決分野 市場機能を強化し、 で日本における投資・ 国内リソースが イノベーション活動を より有効に 強める) 活躍可能にする) 投資 子会社配当 輸入(食料・エネルギー等) サービス輸出(インバウンド等) 経常収支 ※交易条件 とGDPに 直接影響 企業(ローカル:L型) 日本経済 海外(経済安全保障との関係で、分野によっては仕分けが必要) ↑ 「政府」が最大化したいもの(=日本国民の生活の豊かさ) 41 これまでの審議状況 ⚫ 2021年の産構審総会「経済産業政策の新機軸」 ⚫ 2022年6月の第1次中間整理:政策の転換 ➢社会課題解決=成長エンジン、「ミッション志向産業政策」+「社会基盤(OS)の組替え」という枠組み。 ⇒ GX推進法・20兆円規模支援方針、5G法・半導体支援、スタートアップ5カ年計画、リスキリング1兆円支援、 経済対策「国内投資7兆円支援」 等。 ⚫ 2023年6月の第2次中間整理:政府全体・官民連携へ拡大 ➢ミッション=潜在需要を開拓するミクロ政策で、国内投資・イノベーション・所得向上の好循環というマクロ目標を実現。 ⇒ 国内投資フォーラムの創設、経団連2027年度115兆円目標と官民目標への昇華。 ⇒ 「国内投資促進パッケージ」(11府省庁200強事業)、「中堅企業成長促進パッケージ」(12府省庁190施策、うち18施策を厳選) 産業競争力強化法改正 等。 ⚫ 2024年6月の第3次中間整理:日本経済は変化するチャンスだが、ここからが正念場、予見可能性向上が重要 ➢将来の“飯の種”を生み出す国内投資を後押しするため、財政支援を含めて積極的な産業政策を更に展開し、企業の予見可能性を高める。 ⇒ 2040年頃に向けた将来見通しの提示(新機軸の政策継続で「人口減少下でも一人一人が豊かに生活できる」定性的なシナリオ)。 ⇒ 国内投資の官民目標の更新(2030年度135兆円、2040年度200兆円)。 ⇒ 情促法等改正法・7年間で10兆円の公的支援を行う”AI・半導体産業基盤強化フレーム”により50兆円を超える官民投資を引き出す、 GX2040ビジョン、第7次エネルギー基本計画、GX推進法及び資源法改正(排出量取引制度等)、下請法改正、早期事業再 生法案、 「中堅企業成長ビジョン」の策定と「中堅企業成長促進パッケージ2025」(13府省庁155施策、総額1.4兆円)のとりまとめ等。42 1.これまで30年の日本経済 2.社会的マクロ環境の変化 3.世界でも産業政策が活発化 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) 7.今後の経済産業政策の方向性 43 「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への転換に向けて、 「潮目の変化」を定着させ、将来の成長軌道を確信できるかの瀬戸際 ⚫ 経団連は、当初の目標の設備投資額115兆円(2027年度)を更新し、2030年度に135兆円、2040年度に 200兆円を目標と設定(2025年1月の「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」)。この目標の実 現のために、官民で引き続き国内投資の拡大を継続していくことが必要。 ⚫ また、2025年春季労使交渉では、大手企業を中心に昨年を上回る回答も見られるところ。今後、この力強い賃上 げの動きが、地域の中小企業にも波及することが重要。 (兆円) 民間企業設備投資額の推移と官民目標 200 6.0 200兆円(2040年度官民目標) 135兆円(2030年度官民目標) 115兆円(2027年度官民目標) ※1991年度:102.7 兆円 5.5 5.70 4.93 4.45 3.99 4.0 2.5 5.10 5.10 4.5 3.5 5.32 5.66 5.0 4.97 3.0 3.58 3.90 3.23 全規模 2.0 1.5 1.0 中小組合 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 ※2023年度:101.8兆円 ※2024年度:107.7兆円(1次速報値) ※2025年度:111.1兆円(政府経済見通しの「見通し」) 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024 2026 2028 2030 2032 2034 2036 2038 2040 140 130 120 110 100 90 80 70 60 50 40 春季労使交渉回答集計結果(第5回連合集計)の推移 (%) (注)左図:1980年~1993年度までは2015年基準支出側GDP系列簡易遡及値を利用。1994年度~2023年度は、「国民経済計算年次推計」、2024年度は「国民経済計算」の2025年1-3月期・1次速報(2025(令和7)年5月16日公表)、2025年度は「政府経済見通し」を利用。 (出所)左図:内閣府「国民経済計算」「政府経済見通し」、令和5年4月6日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連資料、令和7年1月27日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連資料を基に作成。 (注)右図:調査対象は、連合加盟企業の組合。「中小組合」は、組合員数300人未満の組合。賞与等を含まない月例賃金ベース。平均賃金方式(集計組合員数による加重平均)の集計。1990年~2024年については最終集計結果、2025年については第5回回答集計結果であり、今後数字が変動する可能性がある。 (出典)右図:日本労働組合総連合会「春季生活闘争回答集計結果について」 44 国内投資拡大の「フォワード・ガイダンス」による好循環 ⚫ 国内投資については、中期目標を設定し、これに向かって官民で努力して前倒しで達成し、さ らに野心的な目標を設定してきた。 ⚫ こうした取組を、国内投資を起点に、賃金・産業構造・マクロ経済等に拡張し、総体として、 整合的に実現していけないか。 2022年12月:第1回国内投資フォーラム ➢ 2027年度100兆円見通しを表明 (出所) 2023年12月8日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連 提出資料より作成 2023年4月:第2回国内投資フォーラム ➢ 2024年度頃100兆円前倒し視野 ➢ 2027年度115兆円目標を設定 2025年1月:第6回国内投資フォーラム ➢ 2026年度頃115兆円前倒し視野 ➢ 2030年度135兆円、2040年度200兆円を設定 (出所) 2024年4月6日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連提出 資料より作成 (出所) 2025年1月27日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連提 出資料より作成 45 「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」(2022年12月8日) ⚫ 円安などの経済情勢や脱炭素、サプライチェーンを巡る地政学的制約の顕在化といった国際情勢を、日本 国内への投資を拡大する絶好の機会と捉え、地方を中心に国内投資の拡大に向けた取組を加速するという 趣旨で、初めて開催。 ⚫ 経団連・十倉会長より、民間設備投資額「2027年度100兆円」という国内投資見通しを表明(※)。 ⚫ 岸田総理も呼応して、「国内投資の拡大こそが、我が国の成長戦略の核心」であり、「あらゆる措置を検 討し、さらに予見性が高く国内投資がしやすい環境づくりに取り組む」旨を表明。 (※)当時の政府経済見通し(2021年1月18日閣議決定)における足下の見通し:2021年度86.4兆円 当日の経団連十倉会長提出資料(抜粋) 46 (出所) 2022年12月8日 「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連提出資料より作成 「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」(2023年4月6日) ⚫ 前年12月のフォーラムで示された国内投資見通しが前倒しで達成見込み(※)のなか、第2回目を開催。 ⚫ 経団連・十倉会長より民間設備投資額「2027年度115兆円」の国内投資目標を表明。 ⚫ 岸田総理も呼応して、「持続的な賃上げ、地域活性化、少子化対策等のためには国内投資の一層の加速が 必要」であり、投資拡大に向けた取組を実行していく旨を表明。 (※)当時の政府経済見通し(2023年1月23日閣議決定)における見通し:2023年度103.5兆円 当日の経団連十倉会長提出資料(抜粋) (出所) 2023年4月6日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連提出資料より作成 47 「国内投資拡大に向けた官民連携フォーラム」(2025年1月27日) ⚫ 前年4月のフォーラムで示された国内投資官民目標が前倒しで達成見込み(※)の中、石破政権下で初開催 (第6回目)。 ⚫ 経団連・十倉会長より、民間設備投資額「2030年度135兆円、2040年度200兆円」に、国内投資目標を 上乗せ更新する旨を表明。 ⚫ 石破総理もこれに呼応し、国内投資拡大に向けた方向性を表明。 (※)当時の政府経済見通し(2025年1月24日閣議決定)における見通し:2025年度111.1兆円 当日の経団連十倉会長提出資料(抜粋) (出所) 2025年1月27日「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」経団連提出資料より作成 48 令和2年度・令和3年度補正予算により、既に動き出している主な国内投資案件 経済産業省の令和2年度・令和3年度補正予算の国内投資支援策 <DX>・先端半導体の国内生産拠点の確保(R3補正 6,170億円) <GX>・サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業(R3補正 470億円) ・蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術導入・開発促進事業(R3補正 1,000億円) <健康>・ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業(R3補正 2,273.8億円) ・マスク・アルコール消毒液等生産設備導入補助事業(R2補正 29.1億円) ・アビガン・人工呼吸器等生産のための設備整備事業(R2補正 87.7億円) ・感染症対策関連物資生産設備補助事業(R2補正 22.1億円) <その他>・サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金(R2補正等 5,168億円) ・中小企業等事業再構築促進事業(R2・R3補正 1兆7,608億円) バイオ 阪大微生物病研究会 半導体 三菱電機 再生可能エネルギー JFEスチール 再生可能エネルギー JFEエンジニアリング 382億円 半導体 SUMCO 2,015億円の内数 バイオ JCRファーマ 200億円 物流 歯愛メディカル 210億円 半導体 ミツミ電機 108億円 半導体 東芝デバイス& ストレージ (加賀東芝エレ クトロニクス) 蓄電池 プライムプラネットエナジー& ソリューションズ/トヨタ自動車 4,000億円の内数 蓄電池 BASF戸田 バッテリー マテリアルズ 半導体 富士電機 バイオ 富士フイルム バイオ 第一三共 蓄電池 日本重化学工業 半導体 デンソー岩手 バイオ 塩野義製薬 223億円 半導体 凸版印刷 半導体 キオクシア岩手 553億円 医薬品 小林製薬 200~250億円 蓄電池 東北村田製作所 バイオ ARCALIS 化学 カネカ 半導体 マイクロンメモリジャパン 1,394億円 バイオ ニプロファーマ 蓄電池 クレハ 金属 JX金属 半導体 JASM 86億ドル 蓄電池 信越化学 化学 双日・メキシケム ジャパン 蓄電池 三洋・ パナソニックエナジー バイオ KMバイオロジクス 蓄電池 住友金属鉱山 470億円 半導体 ソニーセミコンダクタ マニュファクチャリング 883億円 蓄電池 半導体 バイオ・医薬品 金属・素材 再生可能エネルギー 化学 物流 バイオ タカラバイオ 半導体 デンソー 131億円 半導体 キオクシア等 2,788億円 医薬品 健栄製薬 129億円 蓄電池 トヨタ自動車/ 豊田自動織機 蓄電池 エンビジョンAESC 1,000億円超 半導体 JSR 蓄電池 東芝 バイオ タウンズ 物流 富岳通運 242億 バイオ AGC 半導体 AGCエレクトロニクス 半導体 ルネサスエレクトロニクス 124億円 半導体 レゾナック (注)2023年4月6日時点。掲載した予算事業で採択された案件のうち、一定額以上の案件を掲載。 自社HP等からの引用含む。 49 令和4年度補正予算により、既に動き出している主な国内投資案件 経済産業省の令和4年度補正予算の国内投資支援策 <DX>・先端半導体の国内生産拠点の確保(R4補正 4,500億円) ・ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(R4補正 4,850億円) <安保>・経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業(R4補正 9,582億円) <健康>・バイオものづくり革命推進事業(R4補正 3,000億円) ・ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業(R4補正 1,000億円) <その他>・サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金(R4補正等 5,273億円) ・中小企業等事業再構築促進事業(R4補正 5,800億円) 航空機 日本エアロフォージ 半導体 マイクロン 5,510億円 機器 EVモーターズ・ ジャパン セメント 住友大阪セメント 蓄電池 メキシケムジャパン 51億円 蓄電池 東海カーボン 37億円 セメント UBE三菱セメント 蓄電池 旭化成 170億円 蓄電池 関東電化工業 46億円 部品 麗光 19.9億円 バイオ ワイエムシィ 蓄電池 日伸工業 25億円 部品 二豊鉄工所 17.8億円 半導体 ラピダス 2,600億円 部品 サンエー精機 19.0億円 蓄電池 ホンダ・GSユアサ・ 半導体 部品 ブルーエナジー 新光電気工業 堅田電機 4,341億円 533億円 30.6億円 化学 バイオ ダイセル 日本マイクロ バイオファーマ 半導体 半導体 住友電工 300億円 半導体 レゾナック 309億円 バイオ 旭化成メディカル 蓄電池 クレハ 199億円 部品 三協リール 14.9億円 半導体 大陽日酸 バイオ シオノギファーマ 部品 廣野鐵工所 14.9億円 バイオ ARCALIS 半導体 ルネサス 477億円 蓄電池※技術開発 デンカ 67億円 部品 エッチ・エム・イー 14.1億円 蓄電池※技術開発 パナソニックエナジー 92億円 蓄電池 日亜化学工業 124億円 蓄電池 宇部マクセル 33億円 蓄電池 トヨタほか 3,300億円 蓄電池 愛三工業 53億円 蓄電池 宇部マクセル京都 27億円 クラウド ソフトバンク 200億円 蓄電池 レゾナック 51億円 バイオ モデルナ・ジャパン 蓄電池 半導体 バイオ・医薬品 クラウド 部品、機器 その他 生活製品 サンワ 16.7億円 半導体 キヤノン 333億円 イビデン 半導体 SUMCO 2,250億円 セメント 太平洋セメント 58.5億 クラウド さくらインターネット 135億円 バイオ 佐竹マルチミクス バイオ 武州製薬 バイオ 富士フイルム バイオ Meiji Seikaファルマ (注)2023年10月4日時点。掲載した予算事業のうち、一定額以上の案件を掲載。 マッピングは都道府県単位であり、市町村以下の場所は反映せず。 50 令和5年度補正予算により、既に動き出している主な国内投資案件 経済産業省の令和5年度補正予算の国内投資支援策 クラウド さくらインターネット <DX>・先端半導体の国内生産拠点の確保(6,322億円) ・ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(6,773億円) <中堅等>・中堅中小賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(1,000億円) <物流>・物流効率化に向けた先進的な実証事業(55億円) <GX>・省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費(910億円) <経済安保>・蓄電池の製造サプライチェーン強靭化支援事業(2,658億円) ・経済環境変化に講じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業(クラウドプログラム)(1,166億円) ・経済環境変化に講じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業(航空機の部品)(327億円) 航空機 大阪チタニウムテクノロジーズ 330億円 蓄電池 日本触媒 375億円 半導体 アオイ電子 291億円 半導体 堀場エステック 158億円 部品 サムテック 化学 日華化学 蓄電池 京都製作所 54億円 部品 進工業 88億円 機械 フクシマガリレイ 86億円 蓄電池 パナソニック スバル 4,630億円 化学 ナミックス 200億円 蓄電池 artience トーヨーカラー 88億円 化学 千寿製薬 107億円 半導体 MARUWA 物流 疋田産業 金属 廣澤精機製作所 75億円 半導体 JASM 139億ドル規模 蓄電池 トヨタ PPES PEVE 2,450億円 物流 ナカノ商会 クラウド ハイレゾ ハイレゾ香川 物流 ヤハタ 食品 松岡 131億円 省エネ 王子マテリア 84億円 化学 大峰堂薬品 機械 ジェイ・イー・ティ 物流 レイズ 約5.4億円 食品 プレジィール 88億円 化学 中外医薬生産 60億円 機械 松尾製作所 省エネ 太平洋セメント 57億円 機械 メイド― 金属 アサヒセイレン中部 155億円 化学 フロイント産業 機械 山田ドビー 55億円 蓄電池 パナソニック マツダ 833億円 食品 福砂屋商事 機械・部品 半導体 省エネ 物流 金属 化学 クラウド 蓄電池 その他 機械 オリヒロ エンジニアリング 66億円 部品 丸井産業 113億円 金属 冬木工業 69億円 食品 創味食品 物流 昭和紙工 クラウド RUTILEA AI福島 機械 サーパス工業 210億円 部品 BBSジャパン 機械 ジェーイーエル 51億円 半導体 ラピダス 9,200億円 部品 日星電気 金属 アイ・テック 73億円 物流 東洋印刷 省エネ カネカ 物流 ジョヴィ 約15.2億 金属 アサヒフォージ 部品 三恵工業 117億円 蓄電池 日産 1,533億円 技術サービス グローバル・テック 56億円 食品 マリンフード 54億円 物流 サンゲツ 約5.3億 物流 ほくやく 省エネ 東京鐵鋼 54億円 省エネ 鹿島石油 61億円 金属 千代田鋼鉄工業 金属 トーカロ 111億円 省エネ 日本製鉄 省エネ JFEスチール 省エネ 出光興産 機械 オティックス ホールディングス 166億円 (注) 2024年9月30日時点。掲載した予算事業のうち、一定額以上の公表可能な案件を掲載。マッピン グは都道府県単位であり、市町村以下の場所は反映せず。複数都道府県に投資している案件は、 投資額が最大の都道府県にマッピング。「中堅中小賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補 助金」で補助している案件については、企業名に下線。「蓄電池の製造サプライチェーン強靭化 支援事業」で補助している案件については、財源に令和6年度当初の予算も含む。 51 倒産件数と完全失業率の推移 ⚫ 2017年~18年、2019~20年、2021~25年は倒産件数の減少を伴わずに失業率が低下・低 水準で推移。 ⚫ 足もとは倒産件数が増加しているものの、人手不足に伴い労働力の活用が進展する中で、完 全失業率は低水準を保っている。 倒産件数と完全失業率 (倒産件数<全規模>、件) (完全失業率<季節調整値>、%) 1,400 6.0 1,200 4月倒産 828 件 1,000 5.0 4.0 800 600 3.0 400 3月失業率 200 倒産件数 2.0 2.5% 完全失業率(季節調整) 0 1.0 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 (出所)総務省「労働力調査」、東京商工リサーチ「倒産月報」 15/1 16/1 17/1 18/1 19/1 20/1 21/1 22/1 23/1 24/1 25/1 52 年齢階層別の実質消費支出と可処分所得 ⚫ 高い賃上げを経験し、可処分所得が増加する若年層は積極的な消費行動をしている。 ⚫ 物価を上回る賃上げを幅広い層に拡大していくことが持続的な消費増加につながる。 年齢階層別の実質消費支出と可処分所得 (2024年対前年比) 7.0% 5.5% 実質可処分所得 4.6% 5.0% 3.0% 3.0% 3.2% 2.4% 1.0% 1.0% 0.7% 0.0% -1.0% -1.2% -0.6% -1.8% -1.8% -3.0% 1.1% 1.1% -0.9% -1.9% -1.5% 実質消費支出 -4.1% -5.0% 平均 34歳以下 35~39歳 40~44歳 45~49歳 (注)二人以上、勤労者世帯。消費支出と可処分所得は消費者物価指数「持ち家の帰属家賃を除く総合」を用いて実質化。 (出所)総務省「家計調査」(2025年3月11日公表)、「消費者物価指数」(2025年3月21日公表)より作成。 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65歳以上 53 足下、生産・消費が継続的に上向くまでには至っていない ⚫ 潮目の変化は継続しているが、生産や消費が継続的に上向いていくのか、今が正念場。 ⚫ 30年続いたコストカット型の縮み思考を変えられるかの瀬戸際であり、今後も力強い成長投 資に裏付けられて、継続的に賃金が上がっていくと見通せることが重要。 鉱工業生産 家計最終消費支出(実質)推移 (兆円) (2020年=100) 260 170 250 150 247.9 生産用機械 自動車 241.5 240 130 110 90 鉱工業 230 102.4 220 電子部品・デバイス 210 70 200 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ (期) 50 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 (年) (注)左図:季節調整値。2025年3月確報値まで(2025年5月19日公表)。右図:持ち家の帰属家賃を除く実質季節調整系列。 (出所)左図:経済産業省「鉱工業指数」より作成。右図:内閣府「国民経済計算」より作成。 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025(年) 54 実質賃金向上には、労働生産性の上昇だけでなく交易条件の改善(日本全体の価格転嫁)が必要 ⚫ これまで、労働生産性の上昇は主要先進国並みだったが、交易条件の悪化(=資源等を高く輸入、製品・サービスを安 く輸出)が大きく影響し、実質賃金は停滞。交易条件要因は、社会保障負担要因や労働分配率要因よりも大。 ⚫ 輸出物価上昇(日本全体の価格転嫁)ができるよう、成長投資による高付加価値化等が必要。 実質賃金上昇率の要因分解 交易条件(契約通貨ベース)の推移 (1995~2021年の26年平均) (1995~2025年) 労働生産性上昇率 GDPデフレーター - CPI上昇率 雇主の社会負担 労働分配率の変化 自営業者、混合所得等 税・補助金 実質賃金上昇率(マンアワーベース) (交易条件=輸出物価/輸入物価) (2020=100) 2 160 2.5% 1.8 労働生産性 の上昇 140 2.0% 1.6 120 1.5% 1.4 1.0% 交易条件の 悪化を含む 事業主の 社会保障負担増 0.0% 100 1.2 80 1 -0.5% 0.8 -1.0% 0.6 60 輸出物価指数(右軸) 1995年1月:134.5 ⇒2025年3月:112.8 =低下 交易条件(左軸) 1995年1月:1.6 ⇒2025年3月:0.9 =悪化 40 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 労働分配率は ほぼ変化なし 0.5% 輸入物価指数(右軸) 1995年1月:84.3 ⇒2025年3月:125.3 =上昇 (年) (注)左図:GDPデフレーターとCPI上昇率の差は、交易条件以外に、そもそもの指数の作成方法の違い等によっても生じる。税・補助金とは、「生産・輸入品に課される税ー補助金」のことである。 (出所)左図:厚生労働省「第3回社会保障審議会年金部会年金財政における経済前提に関する専門委員会(令和5年4月5日)」より、経済産業省が作成。右図:日本銀行「企業物価指数」より作成。 55 1.これまで30年の日本経済 2.社会的マクロ環境の変化 3.世界でも産業政策が活発化 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) 7.今後の経済産業政策の方向性 56 人口減少でも豊かになれる、2040年の日本に向けて ⚫ 人口減少等を理由とした日本国内の根強い将来悲観を払拭して、実現可能な明るい将来見通しを共通認識とすることで、 企業・国民・政府にとっての予見可能性を高め、官民で国内投資拡大と賃上げを定着させていく必要がある。 ⚫ 在るべき姿を非連続に示すビジョンではなく、ここ数年の取組で成果が出始めている「新機軸」の経済産業政策を継続 すれば十分実現可能なシナリオ(人口減少であっても豊かになれる「2040年に向けたシナリオ」)作りに着手。 ⚫ 2ヶ年プロジェクトとして、定性的なシナリオの作成と生産性・賃金・産業構造・GDP等の定量化をした。この将来 見通しの実現に向けて、足下で必要となる今後の施策の継続・検討をしていく。 人口減少でも豊かになれる 2040年の日本 ⚫ 世界の需要は、社会課題解決の価値化(GX等)とデータドリブンでの 新たな価値創出(DX等)で拡大。 ⇒物量は減少しても、高付加価値化・新需要開拓等で、人口減少下でも 需要は拡大。 ⚫ 一人一人の可処分所得・時間が増加。国 民の生活がよりスムーズで、心地のよい生活 へ。 ⚫ 食料・資源等を輸入せざるをえない日本は、世界でイノベーションで稼ぐ。 中堅・スタートアップの重要性が高まる。 ⇒「製造業の製造業X(エックス)化」・「情報通信業・専門サービス業 の成長産業化」で世界で勝負。 ⇒情報通信業・専門サービス業による省力化等を通じた「生活に不可欠な サービス業等のアドバンスト・エッセンシャルサービス化」で生活の質向上 に挑戦。 ※「半導体・計算資源」「自動車・モビリティ」「ヘルスケア」等15個別産業を詳述 ⇒国内外の企業に日本が投資先として選ばれる産業政策を継続。 ※「GX」・「DX」等8ミッション、 「人材」・「イノベーション・スタートアップ」等4OSを詳述 1990年頃 背景に ある世界 新自由主義的な政策 2025年 ⚫ ISバランス上、 ・企業が国内投資拡大を通じて貯蓄超過を 解消し投資超過へ。 ・家計は貯蓄超過を維持。 ・経常収支の黒字構造が維持。 ・政府は経済成長に伴う税収増等を背景に 投資超過を解消。 気を緩めて 継続しないと 2021年頃 ・国際経済秩序:グローバリゼーションの時代 ・世界人口動態:日本だけ人口減少 これまでの新自由主義的な政策を継続 ⇒ 不確実性の高い時代 ⇒ 中国・欧州・韓国も人口減少に。日本は労働参加率高止まり 当面社会は安定も、停滞する 2040年の日本 57 過去に経済産業省が経済試算をしたビジョン等の比較表 試算目的 「イノベーションと需要の好循環」 2002年3月 「新産業創造戦略」 「新経済成長戦略」 「産業構造ビジョン」 「経済社会ビジョン」 「新産業構造ビジョン」 2004年5月 2006年5月 2010年6月 2014年5月 2017年5月 ●1990年代から自律的な回復がなく、長期低迷 しているのは国民の一人一人が自らの現状と将 来について明るい希望が持てないから。 ●「安心感と期待感を持てる経済社会の将来 像」を共有し、将来不安を払拭して自信を取り 戻すために試算。 ●景気回復を実感できないと いう声、先行きに不安を抱え る地域や業種もある中で、過 去負債を清算し、長い低迷期 を抜けた今こそ、将来の一手 が必要。 ●そのためには我が国の産業 とそれを支える仕組みを見直 し、新産業が生まれるダイナ ミズムを日本経済に植え付け るため、未来への国家戦略を 描いた。 ●新経済成長戦略の各政策を着実 に実施することで、改革の先にど のような未来が見えるかを試算し、 これを予測ではなく、一種の政策 目標としている。 ●環境・エネルギー制約、少子高齢 化等の社会課題に対応する「転換」 のために、政府、企業、産業が変革 に向けた行動を起こすことが必要。 ●その官と民の関係や社会課題解決 に向けて新たな関係を作っていくべ く、「国民一人一人が豊かさを実感 する」目的に向かって今後のあるべ き姿と処方箋を共有するための試算。 ●「企業戦略・産業構造」と 「就業構造」の目詰まりを早 期に打開するべく、国家とし ての成長と個人の豊かさを再 接合し、豊かさを実感できる 成長に転換が必要。 ●そうした経済産業政策に転 換すべく、ビジョンを作成し、 その中で産業構造と就業構造 の試算を実施。 ●長期停滞が過大な日本において、2030年代 に向けて、第四次産業革命による技術ブレー クスルーが次々に起こる時代に、どのように 日本の強みを生かして日本の経済成長につな げていくべきか、そのためにはどういった経 済社会に変革すべきかの道筋を示している。 ●その中で、日本の勝ち筋を実現するため、 目指すべき中長期的な将来像を描くために試 算。 ●2010年に ①現状まま推移ケース:実質GDP 0.8%成長 ②好循環ケース:実質GDP 3.1%成長 ●2025年に総生産額の年平均 伸び 2.1% ※戦略7分野*のアクションプ ログラムの実施による関連産 業の成長を考慮した姿 *…燃料電池、情報家電、ロ ボット、コンテンツ、健康福 祉機器・サービス、環境エネ ルギー機器・サービス、ビジ ネス支援サービス ●2015年に実質GDP 2.2%成長 ※TFP1.3%程度で1990年以降の米国 並み ※新経済成長戦略で位置付けられ た政策により、TFP向上やサービス 産業活性化、ITによる生産性向上、 技術イノベーションの強化、「人 財力」強化による労働力の質の向 上、国際産業戦略による生産性向 上による経済成長寄与を考慮 ●なし(2020年を想定したビジョン)。 ※自動車一本足打法から、5つの戦 略分野*を有する「八ヶ岳構造」へ 産業構造転換した姿を考慮。 *…戦略5分野とは、インフラ関連/シ ステム輸出(原子力、水、鉄道)、環 境・エネルギー課題解決産業(スマー トグリッド、次世代自動車サービス 等)、医療・介護・健康・子育てサー ビス、文化産業立国(ファッション、 コンテンツ、食、観光等)、先端分野 (ロボット、宇宙等) ●2020年に ①空洞化ケース:実質GDP 0.3% 成長 ※輸出向け自動車生産が2020 年にかけて半減し、逆輸入が 増加 ②政策実現ケース:実質GDP 1.2%成長 ※国内の潜在需要のうち、3 分野(ヘルスケア・子育て、新 たなエネルギー産業、クリエ イティブ産業)が拡大し、消費 活性化。また輸出向け自動車 生産が維持される一方で、対 外直投も拡大 ●2030年に ①現状放置シナリオ実質GDP 0.8%、名目賃金 2.2% ※海外プラットフォーマーの下請けとなり、 新たなサービス付加価値を生み出せず、国内 産業が低付加価値・低成長部門化。低付加価 値・低成長の職業へ労働力が集中し、低賃金 の人が多い社会 ②変革シナリオ:実質GDP 2.0%、名目賃金 3.7% ※新たなサービスを提供し、グローバルに高 付加価値・高成長部門を獲得。生産性の向上 と労働参加率の増加により労働力人口減少を 克服 ●10程度の産業分類別で公表 ●30程度の産業分類別で公表 ●20程度の産業分類別で公表しつ つ、潜在的な新産業群でも市場規 模を算出 ●戦略5分野の2020年の市場規模(生 産額)と、その他産業への波及効果 (産業別なし)を加味した2007年から の生産額の増加分のみ ●7程度の産業分類別で公表 ●独自の財・サービスの生産活動による分類 で公表 ●10程度の産業分類別に公表 ●30程度の産業分類別に公表 ●20程度の産業分類別に公表 ●戦略5分野における就業者の2007 年からの増加分のみ ●産業分類とは少し異なる産 業分類を10程度作成し、その 分類別で就業者数を公表 ●独自の財・サービスの生産活動による分類 で公表 ●また就業者のみならず、職種別も公表 ●経済の需要側から推計するマクロモデルで生 産額を算出後、需要項目(消費、投資、輸出入 等)ごとに過去トレンドを基に産業毎の最終需 要額決定。 ●その後、トレンド延伸した2010年版産業連関 表で各産業の生産額を算出。 ●加えて、過去トレンドと技術動向を踏まえ産 業別労働生産性を予測し、生産額から除すこと で就業者数を算出。 ●マクロモデルで経済成長率 (実質1.5~2%)、需要項目(消費、 投資、輸出入等)の予測。 ●その値を産業連関表で産業 別に生産額を算出した上で、 戦略7分野の市場規模や波及 効果等を別途上乗せして、マ クロや各産業の生産額を算出。 ●加えて、戦略7分野の生産 性向上等を踏まえ、就業者数 を算出。 ●供給サイドのマクロモデル(労働、 資本、TFP等)に一定の仮定を置い てGDP等を算出。 ●その仮定には、各政策によるTFP や経済成長への寄与、生産性の向 上を加味している。 ●その値を基に、一定の仮定を置 いて、各産業の付加価値額を算出。 ●その上、各産業の労働生産性を 考慮し、就業者数を産業別に算出。 ●戦略5分野に該当する産業の市場 規模を推計し、そこから産業連関表 で分析。 ●就業構造は、戦略5分野について、 各種関連データを基に算出。 ●特定した3分野の潜在需要を 加味したGDP等を算出するマ クロモデルで推計。 ●そこで出てくるGDP等を用 い、産業連関モデルで、産業 別の生産額等を算出。 ●その後産業別の労働生産性 のトレンド等で、就業者数を 算出。 ●大まかな推計は経済社会ビジョンと同様。 マクロ 試 算 結 果 産業別 就業別 試算方法 58 「2040年に向けたシナリオ」の定量化に当たっての考え方 第24回経済産業政策新機軸部会資料3を抜粋の上加工 (2024年10月29日) ⚫ 内閣府・厚労省は、労働投入と全要素生産性(TFP)を起点とし、投資(資本)や賃金を算出し、経済成長を描写。 ⚫ 経産省「新機軸」では、 「国内投資とイノベーションと所得拡大の好循環」を具現化する観点から、労働投入と投資(資本)の拡 大を起点として、資本財の構成変化による資本の質向上や、労働属性や就業上の地位間の賃金格差の変化による労働の質向上を考 慮した上で、これらと整合的なTFP上昇や賃金上昇を算出することで、経済成長を描写。 → 供給と需要の両方に効く国内投資(ΔK+ΔTFP(資本の質)と投資)と賃上げ(ΔTFP(労働の質)と消費)に焦点。 算出結果…経済成長の姿 外生変数 内閣府 「中長期試算」 厚労省 「年金財政検証」 新機軸の 将来シナリオ 定量化 投資(資本) 労働投入量 TFP 賃金 ↑ 「過去経験から設定」 労働投入量 GDP成長率 「新機軸という 政策的積上げ」 ↓ 「AI等の技術革新」 「産業構造転換」 (産業連関表) ↓ 投資(資本) TFP 2040年200兆円 目標を踏まえた 国内投資拡大の継続 質の高い資本(アウトプットが高い) ≒生産性が高まる効果 賃金 GDP成長率 ※イメージ 5%超春季労使交渉 の継続 質の高い労働(賃金が高い) ≒生産性が高まる効果 59 国内投資拡大・産業構造転換を踏まえた2040年の将来見通し 前提 (独)経済産業研究所(RIETI:深尾京司理事長他)と共同作成 ⚫ 人口動態:総人口▲0.6%、生産年齢人口▲1.0%(社人研(出生中位・死亡中位)) インプット ⚫ 産業構造:「2040年版の産業連関表」を設定(イメージ:自動車はEV化をはじめとする脱炭素化やSDV化) (2020年の産業連関表を基に、「2040年新機軸(定性的)シナリオ」※2024年6月 産構審・新機軸部会「第3次中間整理」、 「GX2040ビジョン」、「第7次エネ基」等も踏まえて設定) ⚫ 国内投資:名目+4%で、2040年度200兆円(国内投資フォーラムの官民目標) ※ベースケースは0.7% → 次世代型投資(研究開発やソフトウェア・ロボット・通信機器等)が1.8倍に(ストックベース) → 既存型投資(建物・構築物等)は横ばい ⚫ TFP:資本・労働の質向上効果に加えて産業別AI等技術革新効果 ⚫ 物価:CPI 2.0% ※ベースケース:0.9% アウトプット ※ベースケース(積極的な産業政策なし) ⚫ GDP:名目+3.1%(実質+1.7%) ⚫ GDP:名目+0.5%(実質+0.1%) ⚫ 労働生産性:名目+3.7%(実質+2.3%) ⚫ 労働生産性:名目+1.7%(実質+1.2%) ⚫ 賃金:名目+3.3%(実質+1.3%) ⚫ 賃金:名目+1.5%(実質+0.6%) ※春季労使交渉5.1%で名目賃金2.8%(2024年) 60 国内投資の増加は賃金上昇につながる 賃金と民間設備投資の相関図(1991-2021の年平均増減率とRIETI産業構造推計モデル試算) 2.5% 韓国 2.0% スウェーデン アイスランド 1.5% 実 質 賃 金 増 減 率 英国 ドイツ RIETI産業構造推計モデル (2040新機軸ケース) フランス カナダ 1.0% 米国 オーストラリア デンマーク ベルギー オランダ 0.5% RIETI産業構造推計モデル(2040ベースケース) 日本 0.0% 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 実質民間設備投資増減率 (注)実質賃金(縦軸)は総雇用者報酬(実質値)を従業者数で割り、「正規労働者の平均労働時間/全労働者の平均労働時間」を乗じたもの。 すなわち労働者の平均労働時間の変化に伴う影響を取り除いた推移を示している。民間設備投資(横軸)は住宅を除く民間設備投資の実質値。 2040年の日本のRIETI産業構造推計モデル試算のうち、実質民間設備投資と実質賃金について、2021⇒2040年までの年率伸びを利用。 (出所)OECD statより作成。 61 実質GDPと実質賃金の長期推移の国際比較 (万ドル) 9.00 ※ 実 中質 国賃 、金 イ ン ド は 一 人 当 た り 労 働 生 産 性 8.00 米国(2020) 7.00 RIETI産業構造推計モデル(2040新機軸ケース) 6.00 ドイツ(2020) 英国(2020) フランス(2020) 5.00 ドイツ(1991) RIETI産業構造推計モデル(2040ベースケース) フランス(1991) 英国(1991) 米国(1991) 日本※内閣府成長移行シナリオ 韓国(2020) 4.00 日本※内閣府高度成長実現シナリオ 日本(2020) 中国※参考値(2020) 日本※内閣府BLシナリオ 日本(1991) 3.00 韓国(1991) 2.00 インド※参考値(2020) インド※参考値 (1991) 1.00 中国※参考値(1991) 0.00 0.00 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 実質GDP (注)縦軸:2022年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化した平均賃金 (兆ドル) 横軸:2015年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化したGDP ※中国とインドは、OECD.statに実質賃金が掲載されていないため、参考値として一人当たり労働生産性を用いた。一人当たり労働生産性は、 2015年の米国ドル(購買力平価ベース)で実質化したGDPを、労働力人口(世界銀行)で割ったもの。 ※2040年の日本の実質GDPと実質賃金は、 ・内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」の2034年度の実質GDP成長率、賃金上昇率(消費者物価)、物価上昇率 ・RIETI産業構造推計モデルの試算のうち、実質GDPと実質賃金について、2021⇒2040年までの年率伸びを利用し、OECD.statの2021年の各値を延伸 を用いて、経済産業省が試算。 (出所)OECD.stat、世界銀行、内閣府より作成。 62 過去の産業構造転換(労働生産性=名目付加価値/時間) ※面積=産業別付加価値額 労働生産性 <円/時間> 80,000 1994 20% 40% 60% 80% 30,000 20,000 10,000 農 林 水 産 業 0 80,000 飲 食 業 宿 泊 業 サそ ーの ビ他 スの 卸 売 業 小 売 業 20% 2021 建 設 業 郵 便 業 40% 運 輸 業 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 社 会 福 祉 ・ 医 介 療 護 電 子 部 品 ・ 繊 金 デ 維 属 バ 製 製 イ 品 品 ス は ん 用 ・ 生 産 用 ・ 業 務 用 機 械 そ の 他 の 製 造 業 パ ル 情 プ 報 窯・ ・ 業紙 通 ・ ・ 輸 一 信化 土 紙 送 電次 機 学 金 加 食 石 工 用 気属 器 鉱 製 機 機 料 品械械 業 品 品 教 育 60% 10,000 宿 飲 泊 食 業 業 0 農 林 水 産 業 サそ ーの ビ他 スの 郵 便 業 運 輸 業 ・社 介会 護福 祉 医 療 建 設 業 鉱 業 (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く (出所)経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 小 売 業 卸 売 業 不 動 産(総労働時間) 業 1,178 億時間 80% 30,000 20,000 情 報 通 信 業 廃電 棄気 物・ 処ガ 理ス 業・ 金 水 融 道 ・ ・ 保 険 業 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 情 業はパ 報 一 務んル 電 ・ 次 用用プ 子 そ通 金 窯 機・・ 部 の 属 業 械 生 紙 品 他 信化 機 輸 ・ 電 産 ・ ・ の 器学 繊 金 送 土気用紙デ 製 維 属 用 石機・加バ 造 製 製 機製械 工イ 業 品 品 械品 品ス 教 育 食 料 品 ・電 廃気 棄・ 物ガ 処ス 理・ 業水 道 通情 信報 業 金 融 ・ 保 険 業 不 動 産 (総労働時間) 1,022 業 億時間 63 将来の産業構造転換(労働生産性=名目付加価値/時間) 労働生産性 <円/時間> ※面積=産業別付加価値額 2040ベースケース 80,000 20% 40% 60% 30,000 20,000 10,000 農 林 水 産 業 サそ ーの 飲 宿 ビ他 泊 食 スの 業 業 社 会 福 祉 ・ 介 護 建 設 業 郵 便 業 運 輸 業 医 療 0 80,000 卸 売 業 小 売 業 2040新機軸ケース 80% は 廃電 情 ん 棄気 報 用 物・ ・パ・ 処ガ 生ル通 理ス 電 業専 産 プ 信一 業 ・ 子 務門 水 そ 部 窯用 ・ 機次 支・ の 品 業・ 紙 器金 化 道 学 ・ 援科 他 ・業 ・ サ学 繊 金 の ・ 土務 紙 電 属 ー技 維 属 製 デ 石用 加 気 ビ術 製 製 造 バ 製機 工 機 ス、 品 品 業 イ 品械 品 械 金 ス 鉱 業 融 情 業 輸 ・ 報 送 保 通 食 用 険 信 教 料 機 業 業 育 品 械 40% 60% 20,000 10,000 0 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 鉱 ス、 業 業 省力化等で労働生産性を向上 (専門サービスを活用し、AI(ソフト)・ロボット(機械)等を導入) 農 林 水 産 業 サそ ーの ビ他 スの 宿 飲 泊 食 業 業 建 設 業 介社 護会 福 祉 ・ 郵 便 業 医 療 教 育 運 輸 業 小 売 業 (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く。 卸 売 業 (総労働時間) 828 億時間 80% 高付加価値化 高付加 価値化 30,000 不 動 産 業 労働生産性高の仕事を拡大 繊金 維属 製製 品品 業は 窯 務ん 業 用用 ・ 機・ 土 械生 石 産 製 用 品 ・ 製そ 造の 業他 の ・電 廃気 情 パ 電報 一 棄・ ル 子・ 次 物ガ プ 部通 金 処ス ・ 品信 属 理・ 業水 紙 ・機 化 道 ・ 電 デ器 学 紙 気 バ 加 機 イ 工 械 ス 品 金 融 情 輸 ・ 報 送 通 保 食 用 信 険 料 機 業 業 品 械 不 動 産 業 (総労働時間) 922 億時間 64 過去の産業構造転換(賃金=名目雇用者報酬/時間) ※名目賃金=雇用者報酬(個人事業主・家族従業者を含まない) 時間当たり賃金 <円/時間> 1994 10,000 20% 40% 60% 7,500 5,000 農 林 水 産 2,500 業 0 宿 泊 業 サそ ーの ビ他 スの 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 社 会 福 祉 ・ 介 護 飲 食 業 10,000 2021 卸 売 業 小 売 業 医 療 不 動 産 業 20% 2,500 0 農 林 水 産 業 40% 飲 宿 食 泊 業 業 サそ ーの ビ他 スの 介社 護会 福 祉 ・ 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 小 売 業 卸 売 業 (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く (出所)経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成 輸 送 用 機 械 運 輸 業 繊 維 製 品 廃電 棄気 物・ 処ガ 理ス 業・ 水 道 ・ 郵 便 業 一 次化 金学 属 建 設 業 60% 郵 便 業 医 療 パ 業は ル 務ん プ 窯 情 用用 ・ 業 報 機・ 紙 ・ ・ 械生 ・ 土通 産 紙 金石 信 用 加 属製 機 ・ 工 製品 器 品品 電 気 機 械 食 料 品 7,500 5,000 製そ 造の 業他 の 繊 維 鉱製 業品 電 子 部 品 ・ デ バ イ ス 80% 情 報 通 信 業 運 輸 業 金 融 ・ 保 険 業 教 育 (総労働時間) 985 億時間 80% パ ル プ窯 ・業 紙・ ・土 紙石 加製 工品 品 金製 そ 食 属造 の 料 製業 他 品 品 の 電 業 は情 子 務 ん報 部 用 用・ 品 機 ・通 ・ 械 生信 デ 産機 バ 用器 イ ・ ス 電 気 機 械 廃電 棄気 物・ 一 処ガ 次 理ス 金化 業 ・ 学 属 水 道 輸 送 用 機 械 不 動 産 業 鉱 業 建 設 業 情 報 通 信 業 金 融 ・ 保 険 業 教 育 (総労働時間) 967 億時間 65 将来の産業構造転換(賃金=名目雇用者報酬/時間) ※名目賃金=雇用者報酬(個人事業主・家族従業者を含まない) 時間当たり賃金 10,000 <円/時間> 2040ベースケース 廃電 棄気 物・ 処ガ 理ス 繊 業・ 維 水 製 道 品 ・ 7,500 郵 便 業 5,000 2,500 宿 泊 業 飲 食 0 業 サそ ーの ビ他 スの 農 林 水 産 業 介社 護会 福 祉 ・ 小 売 業 医 療 サ業専 ー務門 ビ支・ ス援科 業 学 技 術 、 運 輸 業 卸 売 業 パ ル プ 窯 ・ 業 紙 ・ ・ 土 紙 石 加 製 工 品 品 食 料 品 そ の 他 の 製 造 業 業は 務 ん電 用 用気 金 機 ・機 属 械 生械 産 製 用 品 ・ 2040新機軸ケース 10,000 ①製造業X(エックス):GX、フロンティア技術で差別化、DXによるサービス化等で 新需要創出による高付加価値化により雇用拡大・賃上げ ②情報通信業・専門サービス業:新需要開拓で新たな付加価値を創出 他産業を上回る賃上げ ③アドバンスト・エッセンシャルサービス業:省力化設備・サービスを使いこなし、賃上げ 7,500 宿 泊 業 5,000 2,500 飲 食 業 0 農 林 水 産 業 サそ ーの ビ他 スの 介社 護会 福 祉 ・ 医 療 小 売 業 窯 業 ・ 土 石 製 品 一 次 金 化 属 学 輸 送 用 機 械 パ ル プ ・ 紙 ・ 紙 加 工 品 不 動 産 業 鉱 業 建 設 業 情 報 ・ 一 通 次 信 金 機 属 器 鉱 業 ③アドバンスト・ 廃電 棄気 エッセンシャルサービス業 物・ 処ガ 郵 理ス 運 便 輸 業 業・ 水 業 道 ・ 電 子 部 情 品 報 ・ ・ デ 通 バ 信 イ 機 ス 器 電 卸 売 業 (注)産業別の数値は民間の動向を政策的示唆に活用するため、市場経済を念頭におき公務を除く。 建 設 業 繊 金 維 属 製 製 品 品 食 料 品 業は 務ん 用用 機・ 械生 産 用 ・ 電輸 気送 機用 械機 金 融 ・ 保 険 業 教 育 (総労働時間) 776 億時間 ②情報通信業・ 専門サービス業 ①製造業X(エックス)子 そ の 他 の 製 造 業 情 報 通 信 業 部 品 ・ デ バ 化 イ 学 ス 業専 務門 支・ 援科 サ学 ー技 ビ術 ス、 業 情 報 通 信 業 不 教 動 育 産 業 金 融 ・ 保 険 業 (総労働時間) 868 億時間 66 国内投資の構造転換(費目別・産業分類別の民間資本ストック) 製造業 産業全体 (兆円) 2,000 (兆円) 16 450 166 1,600 1,400 1,200 15 113 32 171 41 38 1,000 13 107 32 800 58 400 287 350 149 179 46 38 特に 研究開発 その他の機械・設備 が拡大 特に 研究開発 情報・通信機器 が拡大 0 97 300 250 既存型投資 ⇒横ばい (1.0倍) 200 600 150 1,109 特に ソフトウェア その他の機械・設備 情報・通信機器 が拡大 1 14 54 400 1,002 エッセンシャル サービス業 500 次世代型投資 ⇒拡大(1.8倍) 1,800 ※電子部品・通信機器除く 情報通信業・専門技 術サービス業等 1,095 200 100 50 0 0 0 68 67 7 8 68 73 5 4 6 4 101 101 15 1 14 9 45 5 10 26 19 1 12 10 51 12 27 54 75 13 41 34 107 65 22 7 113 4 29 9 26 3 27 6 28 20 4 20 4 59 55 2021 2040 59 260 222 207 8 77 0 2021 2040 2040 ベースケース 新機軸ケース 2021 2040 2040 ベースケース 新機軸ケース (注)産業全体における数値は民間部門のうち企業部門を念頭として住宅を除く。既存型投資は建物・構築物等、次世代型投資は建物・構築物等以外への投資である。 (出所)2021年については経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成 2040 ベースケース 新機軸ケース 2021 2040 2040 ベースケース 新機軸ケース 67 貿易=産業別名目輸出・輸入の変化(ベースケース) 輸出 1994 2021 (兆円) 専門・科学技術、業務支援サービス業, 1.1 金融・保険業, 0.7 情報通信業, 0.3 宿泊・飲食サービス業, 0.2 運輸・郵便業, 3.8 卸売・小売業, 3.0 輸送用機械, 10.1 専門・科学技術、業務支援サービス業, 6.4 食料品, 0.2 繊維製品, 0.8 パルプ・紙・紙加工品, 0.2 化学, 2.4 石油・石炭製品, 0.3 窯業・土石製品, 0.5 一次金属, 1.9 金属製品, 0.6 総額 46 兆円 はん用・生産用・ 業務用機械, 6.6 電気機械, 4.9 食料品, 0.8 金融・保険業, 1.9 情報通信業, 1.9 繊維製品, 0.7 パルプ・紙・紙加工品, 0.4 化学, 8.2 石油・石炭製品, 1.1 窯業・土石製品, 0.9 宿泊・飲食サービス業, 0.2 運輸・郵便業, 5.5 一次金属, 7.0 はん用・生産用・ 輸送用機械, 17.9 農林水産業, 2.6 宿泊・飲食サービス業, 2.1 運輸・郵便業, 2.4 卸売・小売業, 0.6 輸送用機械, 1.5 情報・通信機器, 1.0 電気機械, 1.3 電子部品・デバイス, 1.0 鉱業, 5.6 総額 40 兆円 その他の製造業, 3.6 はん用・生産用・業 務用機械, 1.6 金属製品, 0.3 一次金属, 1.9 総額 131 兆円 はん用・生産用・業務 用機械, 15.9 その他の製造業, 3.8 電子部品・デバイス, 3.4 金融・保険業, 2.4 輸送用機械, 27.8 鉱業, 20.4 鉱業, 19.3 卸売・小売業, 0.4 不動産業, 0.7 輸送用機械, 6.1 金融・保険業, 2.6 電気機械, 6.4 繊維製品, 2.6 電子部品・デバイス, 5.3 石油・石炭製品, 1.0 その他の製造業, 7.5 はん用・生産用・業務用機械, 7.1 (出所)1994年、2021年については経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成 総額 115 兆円 情報・通信機器, 0.8 その他のサービス, 0.8 農林水産業, 2.3 専門・科学技術、業務支援サービス業, 24.8 農林水産業, 2.9 宿泊・飲食サービス業, 0.2 電気機械, 4.5 建設業, 0.1 電気機械, 7.0 食料品, 4.6 窯業・土石製品, 0.4 運輸・郵便業, 15.9 電子部品・デバイス, 7.6 情報・通信機器, 6.1 パルプ・紙・紙加工品, 0.4 化学, 2.2 金属製品, 1.2 卸売・小売業, 13.7 運輸・郵便業, 2.6 情報通信業, 0.4 一次金属, 10.0 その他の製造業, 3.7 情報通信業, 4.1 金融・保険業, 1.0 情報通信業, 1.8 宿泊・飲食サービス業, 4.3 業務用機械, 専門・科学技術、業務支援サービス業, 6.7 専門・科学技術、業務支援サービス業, 1.4 不動産業, 0.1 金融・保険業, 3.3 14.3 情報・通信機器, 1.1 輸入 農林水産業, 0.8 鉱業, 0.1 食料品, 1.7 繊維製品, 0.6 パルプ・紙・紙加工品, 化学, 5.8 石油・石炭製品, 2.0 窯業・土石製品, 1.5 専門・科学技術、業務支援サービス業, 11.0 金属製品, 1.0 総額 96 兆円 卸売・小売業, 8.3 その他の製造業, 1.6 電子部品・デバイス, 3.6 情報・通信機器, 3.3 2040ベースケース 食料品, 8.0 繊維製品, 4.4 パルプ・紙・紙加 工品, 0.6 化学, 10.8 石油・石炭製品, 4.1 窯業・土石製品, 1.0 一次金属, 7.1 金属製品, 1.4 食料品, 7.6 情報通信業, 15.2 宿泊・飲食サービス 業, 0.2 運輸・郵便業, 4.6 総額 143 兆円 卸売・小売業, 0.5 輸送用機械, 6.3 情報・通信機器, 2.4 電気機械, 5.1 電子部品・デバイス, 3.6 その他の製造業, 7.0 繊維製品, 5.0 パルプ・紙・紙加工 品, 0.6 化学, 9.0 石油・石炭製品, 5.7 窯業・土石製品, 1.2 一次金属, 9.6 金属製品, 1.7 はん用・生産用・業務用機械, 6.1 68 貿易=産業別名目輸出・輸入の変化(新機軸ケース) 輸出 1994 2021 (兆円) 専門・科学技術、業務支援サービス業, 1.1 金融・保険業, 0.7 情報通信業, 0.3 宿泊・飲食サービス業, 0.2 運輸・郵便業, 3.8 卸売・小売業, 3.0 輸送用機械, 10.1 はん用・生産用・ 業務用機械, 6.6 情報・通信機器, 3.3 情報通信業, 1.9 電気機械, 4.9 繊維製品, 0.7 パルプ・紙・紙加工品, 0.4 化学, 8.2 石油・石炭製品, 1.1 窯業・土石製品, 0.9 宿泊・飲食サービス業, 0.2 運輸・郵便業, 5.5 一次金属, 7.0 農林水産業, 2.6 宿泊・飲食サービス業, 2.1 運輸・郵便業, 2.4 卸売・小売業, 0.6 輸送用機械, 1.5 情報・通信機器, 1.0 電気機械, 1.3 電子部品・デバイス, 1.0 鉱業, 5.6 総額 40 兆円 その他の製造業, 3.6 はん用・生産用・業 務用機械, 1.6 金属製品, 0.3 一次金属, 1.9 その他の製造業, 3.7 電子部品・デバイス, 7.6 電気機械, 7.0 金融・保険業, 2.4 建設業, 0.1 その他の製造業, 4.6 輸送用機械, 31.7 電子部品・デバイス, 34.1 電気機械, 6.4 電子部品・デバイス, 5.3 石油・石炭製品, 1.0 その他の製造業, 7.5 はん用・生産用・業務用機械, 7.1 (出所)1994年、2021年については経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 農林水産業, 4.1 鉱業, 26.9 鉱業, 19.3 不動産業, 1.1 金融・保険業, 4.5 食料品, 12.9 情報通信業, 20.3 輸送用機械, 6.1 繊維製品, 2.6 電気機械, 5.3 その他のサービス, 1.4 専門・科学技術、業務支援サービス業, 25.1 卸売・小売業, 0.4 食料品, 4.6 窯業・土石製品, 0.4 はん用・生産用・業 務用機械, 44.2 卸売・小売業, 15.6 情報・通信機器, 0.9 農林水産業, 2.9 宿泊・飲食サービス業, 0.2 情報・通信機器, 6.1 パルプ・紙・紙加工品, 0.4 化学, 2.2 総額 233 兆円 業務用機械, 運輸・郵便業, 2.6 情報通信業, 0.4 宿泊・飲食サービス 業, 10.8 はん用・生産用・ 専門・科学技術、業務支援サービス業, 6.7 金融・保険業, 1.0 情報通信業, 12.7 輸送用機械, 17.9 情報通信業, 4.1 専門・科学技術、業務支援サービス業, 1.4 食料品, 2.1 繊維製品, 0.7 パルプ・紙・紙加工品, 0.6 化学, 13.8 石油・石炭製品, 2.3 窯業・土石製品, 1.8 一次金属, 10.6 金属製品, 1.4 金融・保険業, 3.9 運輸・郵便業, 19.7 14.3 情報・通信機器, 1.1 輸入 不動産業, 0.1 金属製品, 1.0 総額 96 兆円 卸売・小売業, 8.3 その他の製造業, 1.6 電子部品・デバイス, 3.6 食料品, 0.8 金融・保険業, 1.9 鉱業, 0.2 専門・科学技術、業務支援サービス業, 13.2 専門・科学技術、業務支援サービス業, 6.4 食料品, 0.2 繊維製品, 0.8 パルプ・紙・紙加工品, 0.2 化学, 2.4 石油・石炭製品, 0.3 窯業・土石製品, 0.5 一次金属, 1.9 金属製品, 0.6 総額 46 兆円 2040新機軸ケース 総額 115 兆円 総額 224 兆円 宿泊・飲食サービス業, 食料品, 8.0 0.5 運輸・郵便業, 6.2 繊維製品, 4.4 卸売・小売業, 0.7 輸送用機械, 8.4 パルプ・紙・紙加 情報・通信機器, 4.6 工品, 0.6 化学, 10.8 パルプ・紙・紙加 工品, 1.0 化学, 14.7 石油・石炭製品, 8.4 窯業・土石製品, 2.0 電気機械, 10.1 一次金属, 15.9 石油・石炭製品, 4.1 窯業・土石製品, 1.0 一次金属, 7.1 金属製品, 1.4 繊維製品, 7.7 電子部品・デバイス, 19.7 その他の製造業, 11.5 金属製品, 2.7 はん用・生産用・業務用機械, 13.5 69 「2040年に向けたシナリオ」の定量化 産業構造・投資・輸出入 ⚫ 産業構造は、ベースケースでは、変化がないことによって、問題が生じる。 新機軸ケースでは、3つの変化に対応することが必要。 ベ ー ス ケ ー ス ①製造業 ➢ 過去30年と同様、物量・品質 勝負を続け、生産性は一定程度 上昇するが、雇用は増えない。 ②情報通信業・専門サービス業等 ➢ 過去30年の加速トレンドに沿っ てサービス輸入が拡大し、生産 性向上が乏しく、雇用も減少。 ③エッセンシャルサービス業(観光(飲食・ 新 機 軸 ケ ー ス ①製造業 ②情報通信業・専門サービス業等 ③エッセンシャルサービス業 (社会を変革する製造業X(エックス)) ➢ GX・フロンティア技術による 差別化や、DXやメンテナンス 等のサービス化等によって高付 加価値化 (物量・品質勝負だけでない、 新需要創出による高付加価値化 で世界と勝負)。 ➢ 生産額・輸出額を拡大させ、賃 金は全産業平均程度に上昇。 ➢ 雇用は、構成変化して増加(情 報処理技術者等が増加、生産工 程従事者はほぼ横ばい)。 (製造・サービス新需要で成長産業化) ➢ フロンティア技術等による新需 要開拓(製造業の高付加価値化、 サービス業の省力化等)で新た な付加価値を創出。 ➢ 生産額・輸出額を拡大させ、各 産業への中間投入に必要な輸入 も増加する中、付加価値も増加 する。 ➢ 雇用は、構成変化(情報処理技 術者等の質が向上)し、他産業 を上回る賃金水準に。 宿泊業)、小売・卸売、医療・介護、運輸、建設等) ➢ 過去30年と同様、省力化・デジタル 化が不十分。人手不足の中で、生産 性低迷で供給が需要に追いつかない。 (アドバンスト・エッセンシャルサービス業) ➢ インバウンド・地域資源/文化等による高 付加価値化と、省力化・デジタル化 等の補完・高度化で、生産性向上。 ➢ 賃金は他産業に追いつくように上昇 し、個人消費による内需拡大の主要 部分を担う。 ➢ 雇用は、省力化・デジタル化を使い こなすアドバンスト・エッセンシャ ルワーカー(情報処理技術者等が増 加、サービス従事者は人数は増加し ないが多能工化等で質が向上)とし て、中間層の受け皿となる。 ⚫ 民間の国内投資は、次世代投資(研究開発、ソフトウェア・省力化投資)が拡大していく。 ⚫ 財・サービス輸出入は、鉱業(資源エネルギー等)と製造業に加え、情報通信・専門サービス業が拡大していく。70 家計・企業・政府の経済活動のISバランス ⚫ 企業は1990年代後半以降は黒字となり、政府が一貫して赤字主体となっている。 ⚫ 他方で新機軸ケースでは、企業部門は投資超過となり、政府部門は、非社保の政府支出を 「政府の戦略投資」としてGDP成長率と同程度拡大していく想定でも貯蓄超過となる。 部門別資金過不足(対GDP比) (%) (%) 15 15 企業の 債務返済 10 企業の 海外投資 2023 5 0 0 企業の国内 投資が旺盛 2040ベースケース 政府の 貯蓄超過 企業の 投資超過 -5 -10 2040新機軸ケース 10 5 -5 RIETI産業構造推計モデル部門別資金過不足 -10 政府 2020 2015 2010 2005 2000 1995 1990 1985 海外(海外のマイナスは経常黒字を意味) 1980 家計 1975 1965 1960 1955 1970 企業 -15 -15 企業 家計 海外(海外のマイナスは経常黒字を意味) 政府 (年度) (注)1955-79年度までは68SNA、1980-93年度までは93SNA、1994年度以降は08SNA。 2040年の部門別資金過不足については、RIETI産業構造推計モデルで推定した新機軸・ベースケースのマクロ経済状況を前提に、RIETIの研究成果による仮定に基づいて概算 (出所)内閣府「国民経済計算」より作成。 71 介護業における2040年の需要と供給 ⚫ 厚労省による第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数では、2040年度の介護職員 必要数を約272万人と推計し、2022年度とは約57万人の乖離が存在する。 ⚫ 新機軸ケースでは、公的保険外含む民間介護サービスが増加し実質需要も増加しているが、 生産性が向上することで、必要な需要に対するサービス供給を確保できている。 介護業における必要職員数(足下の供給=100と設定) 200 介護業における需要と供給(足下の供給=100と設定) 200 厚労省推計 150 ベースケース 57万人の人手不足 約272万人 ※約3割の効率化目標 約215万人 100 150 公的保険外含む 民間介護サービス の増加が影響 新機軸ケース 1割の生産性向上 人手不足の中で、生産性低迷で 供給が需要に追いつかない 100 152 50 127 100 0 50 0 2040職員需要 2022職員供給 108 143 98 2040国内実質需要 2040労働供給 (注)厚労省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(別紙1)」より、介護保険事業計画の介護サービス見込み量に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数から2022年度の介護職員数を100とした場合の需要を算出。 2040年時点での供給は2022年時点と同一として算出。デジタル行財政改革会議で決定した介護分野における KPI では、2040 年までに施設系サービス等において約3割の効率化を目指すこととされている。 新機軸ケース、ベースケースはRIETI産業構造推計モデルの試算のうち、介護業における実質国内需要と総労働時間を用いて、2021年を基準とした2040年の需要・供給を算出。 生産性を総需要÷労働投入で算出しているため、一般的な労働生産性とは定義が異なる (出所)厚労省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(別紙1)」より作成 72 名目GDP成長率の需要寄与度分解(ベースケース) 1994-2021 2021-2040ベースケース 0.6% 0.6% 製造業 ※電子部品・通信機器除く 0.5% :-0.1% 情報通信業・ 専門サービス業等 :0.0% エッセンシャル サービス業 :0.2% 製造業 ※電子部品・通信機器除く 0.5% :0.2% 情報通信業・ 専門サービス業等 :-0.2% エッセンシャル サービス業 :0.4% 0.2% 0.0% 0.4% 0.4% 0.3% 0.3% 0.2% 0.3% 0.2% 0.2% 0.1% 0.1% 0.1% 0.1% 0.0% 0.2% 0.0% 0.0% 0.0% 0.1% 0.0% 0.0% 0.1% 0.1% 0.0% -0.2% 0.1% 0.1% 0.0% -0.2% 0.0% -0.2% 0.0% -0.3% -0.1% 消費 投資 輸出 輸入 消費 投資 輸出 輸入 消費 投資 輸出 輸入 -0.1% 消費 投資 輸出 輸入 消費 投資 輸出 輸入 (注)産業別の項目別の需要額の変化を対象年のGDPに占めるシェアを元に寄与度に分解して算出。対象年の構成要素の変化の影響で産業別の数値の合計とマクロの名目GDP成長率は必ずしも一致しない。 産業別の数値は政策的示唆に活用する観点から、製造業・情報通信業・専門サービス業等・エッセンシャルサービス業以外の産業の数値は省く 2040年数値はのRIETIマクロモデル試算より2021⇒2040年までの年率伸びを利用。 (出所)経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 消費 投資 輸出 輸入 73 名目GDP成長率の需要寄与度分解(新機軸ケース) 1994-2021 2021-2040新機軸ケース 3.0% 3.0% 製造業 ※電子部品・通信機器除く :-0.1% 2.5% 情報通信業・ 専門サービス業等 :0.0% エッセンシャル サービス業 :0.2% 製造業 ※電子部品・通信機器除く 2.5% :0.8% 情報通信業・ 専門サービス業等 :0.4% エッセンシャル サービス業 :1.3% 0.2% 0.0% 0.2% 0.9% 2.0% 2.0% 0.3% 1.5% 1.5% 0.4% -0.3% 0.4% 1.0% 1.0% 0.1% 0.4% 0.5% 0.5% 0.3% 0.2% 0.0% -0.3% 0.3% 0.1% 0.0% 0.1% 0.0% 0.1% 0.0% 0.1% -0.3% -0.2% 消費 投資 輸出 輸入 消費 投資 輸出 輸入 -0.2% 消費 投資 輸出 輸入 0.0% 消費 投資 輸出 輸入 消費 投資 輸出 輸入 (注)産業別の項目別の需要額の変化を対象年のGDPに占めるシェアを元に寄与度に分解して算出。対象年の構成要素の変化の影響で産業別の数値の合計とマクロの名目GDP成長率は必ずしも一致しない。 産業別の数値は政策的示唆に活用する観点から、製造業・情報通信業・専門サービス業等・エッセンシャルサービス業以外の産業の数値は省く 2040年数値はのRIETIマクロモデル試算より2021⇒2040年までの年率伸びを利用。 (出所)経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 消費 投資 輸出 輸入 74 【参考】実質GDP成長率の需要面・供給面の寄与度分解 需要面 2.50% 1994-2021 1994-2021年平均:0.43% 2040ベースケース 2040新機軸ケース 2021-2040年平均:0.07% 2021-2040年平均:1.67% 1.50% 日経センター:標準シナリオ 2021-2035年平均:0.77% 0.71% 0.53% 1.27% 0.44% 0.50% 0.17% -0.32% 2.00% -0.30% -0.11% -0.50% 供給面 0.70% 0.01% 0.33% 内需寄与 輸出寄与 1995-2020 2040ベースケース 1995-2020年平均:0.53% 2021-2040年平均:0.07% 輸入寄与 -0.47% 実質成長率 2040新機軸ケース 2021-2040年平均:1.67% 0.93% 内閣府:成長移行 2029-2034年平均:1.50% 1.10% 1.50% 1.00% 0.50% 0.26% 0.16% 0.00% -0.50% -1.00% 0.40% 0.54% 0.47% 0.54% 0.01% 0.13% 0.50% -0.10% -0.33% 0.08% -0.45% 0.15% -0.62% 0.00% 労働投入 労働の質 労働投入 労働の質 資本投入 資本の質 残差のTFP 資本投入 資本の質 残差のTFP 労働投入 労働の質 資本投入 資本の質 残差のTFP (出所)過去数値は経済産業研究所「JIPデータベース2023」、各試算数値は、日本経済研究センター「第51回中期経済予測」、内閣府「中長期の経済財政に関する試算」より作成 資本投入 労働投入 TFP 75 (参考) RIETI産業構造推計モデルにおける試算結果 2021 額 2040ベースケース 2040新機軸ケース 額 額 成長率(年率) 成長率(年率) 名目 547 607 0.5% 975 3.1% 実質 547 554 0.1% 750 1.7% 名目 5,139 7,047 1.7% 10,260 3.7% 実質 5,139 6,441 1.2% 7,892 2.3% 名目(マクロ) 2,885 3,800 1.5% 5,366 3.3% 名目(製造業)※電子部品・通信機器除く 3,003 3,950 1.5% 5,316 3.1% 名目(情報通信業・専門サービス業等) 3,171 4,157 1.4% 6,362 3.7% 名目(エッセンシャルサービス業) 2,702 3,582 1.5% 4,918 3.2% 実質 2,885 3,208 0.6% 3,702 1.3% 民間総固定資本形成 (兆円) 名目 94 106 0.7% 200 4.1% 実質 94 94 0.0% 154 2.6% 輸出(兆円) 名目 102 131 1.3% 233 4.4% 輸入(兆円) 名目 117 143 1.0% 224 3.5% 純輸出(兆円) 名目 -15 -12 GDP(兆円) 労働生産性(円/時間) 賃金(円/時間) (注)RIETI産業構造推計モデルは2021年を基準としており、2021年数値は名目と実質が同一となる。 (出所)過去数値は経済産業研究所「JIPデータベース2023」より作成。 9 76 家計の可処分所得(手取り)の伸びについて ⚫ RIETI産業構造推計モデルの経済前提の下で、2040年時点の家計の可処分所得を試算。ただし、 社会保険料については、内閣府の「経済・財政・社会保障に関する長期推計」、厚労省「令和6年財 政検証」を基にしている。 ⚫ その結果、可処分所得(手取り)は、新機軸ケースでは、社会保障負担の増加を前提としても年率 で名目+2.9%~+3.2%(実質+0.9%~+1.2%)、社会保障(医療・介護)改革による負担抑 制に取り組めば名目+3.0%~+3.3%(実質+1.0%~+1.3%)で伸びる。対して、成長が実現 しないベースケースでは、負担抑制に取り組んでも名目+1.2~+1.3%(実質+0.3~+0.4%) の伸びにとどまる。 <試算方法の概要> ※全て名目値で試算 可処分所得(手取り) <年金> = 総雇用者報酬 - 家計が支払う直接税 - 社会保険料 ※家計が支払う直接税について RIETI 産業構造推計モデル ✓ 2021年度の税収額(SNAにおける「所 得・富等に課される経常税」)が、一定の 税収伸び率で2040年度まで増加すると 仮定。 ✓ 税収の伸び率については、RIETI産業構 造推計モデルの名目GDP成長率に、財 務省試算における税収弾性値(1.2)を 参考に、1~1.2を乗じて幅をもって 試算。 厚労省「令和6年財政検証」 における2040年度の厚生年 金・国民年金の保険料収入 <医療・介護> 内閣府「経済・財政・社会保障に関する長期推計」にお ける、2040年度の医療・介護の保険料負担の対GDP 比を、RIETI産業構造推計モデルにおける名目GDPに 乗じて、保険料総額を算出 (注)個々の計数については、一定の想定を置いて機械的に試算したものであるため、相当の幅を持って理解する必要がある。 (出所)財務省「令和7年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」、内閣府 「経済・財政・社会保障に関する長期推計」、厚生労働省 「令和6年財政検証(国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連試算(詳細結果))」より作成。 77 (参考)社会保険料に係る経済前提の対応関係 ◆ <医療・介護>内閣府「経済・財政・社会保障に関する長期推計」(医療・介護の保険料負担) ⚫ 経済前提(名目GDP成長率(年率)): ①過去投影シナリオで0.6% ⇔ RIETI産業構造推計モデルのベースケースは0.57% ②成長移行シナリオで2.8% ⇔ 新機軸ケースは3.1% ③高成長実現シナリオで3.3% ⇒これを踏まえ、機械的に、ベースケースを過去投影シナリオ、新機軸ケースを成長移行~高成長実現シナリオに対応させた。 ⚫ 保険料負担:①改革効果を含まないケース 、②改革効果を含むケースのそれぞれの場合において、2040年度における医療・介 護の保険料負担の対GDP比をRIETI産業構造推計モデルの名目GDPに乗じて保険料総額を算出。 ➢ ①改革効果含まない:高齢化・人口要因による伸び + 単価の伸び(物価・賃金に連動)+ その他要因(医療の高度化等)による 給付増加が見込まれている。その他要因については、これまでの実績を考慮した年率1%の伸びとして 試算した。 ➢ ②改革効果含む :「その他要因」(医療の高度化等)による増加を相殺する給付と負担の改革を実施した場合。 ◆ <年金>厚生労働省「令和6年財政検証」(年金の保険料負担) ⚫ 経済前提(実質GDP成長率(年率)): ①過去30年投影ケースで-0.1% ⇔ RIETI産業構造推計モデルのベースケースは0.07% ②成長型経済移行・継続ケースで1.1% ※財政検証においては、名目GDP 成長率が示されていないため、実 ③高成長実現ケースで1.6% ⇔ 新機軸ケースは1.7% 質成長率で比較。 ⇒これを踏まえ、機械的に、ベースケースを過去30年投影ケース、新機軸ケースを高成長実現ケースに対応させた。 (注)内閣府「経済・財政・社会保障に関する長期推計」における名目GDP成長率は、2025~2060年度の平均成長率。RIETI産業構造推計モデルにおける名目/実質GDP成長率は、2021~2040年度の平均成長率。厚生労働省「令和6年財政検証」における 実質GDP成長率は、2034年度以降30年間の平均成長率。 (注)内閣府「経済・財政・社会保障に関する長期推計」における医療・介護給付推計は、医療の高度化等を含む「その他要因」の伸び率について、これまでの実績を考慮した年率1%のケースと、医療の高度化が加速する年率2%のケースの2通りで試算し ているが、給付に占める保険料と公費の割合が年率1%のケースで明示されていることから、今回の試算においては「その他要因」が年率1%で伸びるケースを採用した。 (出所)内閣府 「経済・財政・社会保障に関する長期推計」、厚生労働省 「令和6年財政検証(国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連試算(詳細結果))」、内閣府「国民経済計算」、厚生労働省「令和3年度社会保障費用統計」 78 (参考)試算結果 (単位:兆円)※成長率、伸び率は年率。全て名目値 ③総雇用者 ①名目GDP 報酬 ②名目GDP ⑤総雇用者 RIETI産業 成長率 ④総雇用者 報酬伸び率 構造推計モ (2021~204 報酬伸び率 (時給ベー デル 2021 2040 2021 2040 0) ス) ベース ケース 606. 7 0.5% 547.4 新機軸 ケース 305.2 0.3% 0.7% (0.5%) 1.5% 1.2 (1.0) 288.6 974. 6 3.1% ⑥税収 弾性値 ⑧税収 ⑦税収 伸び率 2021 2040 ※ ※SNA実績 ※2021 ②×⑥ (家計の 実績×⑦ 直接税) 477.7 2.7% 2021 2040 ※③-⑧-⑫ ※③-⑧-⑫ 70.6 (69.2) 過去投影 シナリオ 成長移行 シナリオ 62.4 3.7% (3.1%) 3.3% ⑰可処分所得 124.4 (111.1) 高成長実現 シナリオ 内閣府長期推計 成長移行 シナリオ 高成長実現 シナリオ (1)改革効果含まない 5.7% 34.6 5.4% 32.8 (1)改革効果含まない 5.1% 49.7 4.9% 47.8 (1)改革効果含まない 5.0% 48.7 (2)改革効果含む 4.8% 46.8 47.1 1.2% (1.3%) 1.3% (1.3%) 2.9% (3.2%) 3.0% (3.3%) 2.9% (3.2%) 3.0% (3.3%) 2021 過去投影 シナリオ 成長移行 シナリオ 高成長実現 ケース 0.1% (0.1%) 0.1% (0.2%) 2.3% (2.6%) 2.4% (2.7%) 2.3% (2.6%) 2.4% (2.7%) ※社会保障費用 2040 統計の実績値 ※⑩+⑪ (医療・介護・ 年金の合計値) (厚生・国民 年金の合計) 過去30年投影 ケース 152.9 (154.4) 154.7 (156.2) 232.9 (246.2) 234.8 (248.1) 233.8 (247.2) 235.8 (249.1) 伸び率 (時給ベース) ⑫社会保険料 ⑪2040 年金保険料 ⑩2040医療 介護保険料 ※①×⑨ (2)改革効果含む (2)改革効果含む 150.7 年金財政検証 ⑨2040医療 介護保険料 対GDP比 過去投影 シナリオ (1)改革効果 含まない (2)改革効果 含む (1)改革効果 含まない (2)改革効果 含む (1)改革効果 含まない (2)改革効果 含む 伸び率 (2021~ 2040) (年金は高成長実現 ケース) 伸び率 (2021~ 2040) 81.7 0.4% 79.9 0.3% 120.4 2.5% 118.4 2.4% 119.4 2.5% 117.5 2.4% 75.5 70.7 高成長実現 シナリオ (注)個々の計数については、一定の想定を置いて機械的に試算したものであるため、相当の幅を持って理解する必要がある。 (出所)内閣府「国民経済計算」、内閣府 「経済・財政・社会保障に関する長期推計」、厚生労働省 「令和6年財政検証(国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連試算(詳細結果))」、内閣府「国民経済計算」、厚生労働省「令和3年度社会保障費用統計」より作成。 79 就業構造推計の試算方法について 2040年に向けたシナリオ・新機軸ケース <前提> <産業ごとの将来像> ✓ 国内投資:名目+4%で、2040年度200兆円 ○製造業X(エックス) ➢ GX、フロンティア技術で差別化、DXによるサービス化等で新需要創出に よる高付加価値化により雇用拡大・賃上げ (国内投資フォーラムの官民目標) ✓ 「2040年新機軸(定性的)シナリオ※」、「GX2040 ビジョン」、「第7次エネ基」等を踏まえて考慮 ✓ AI、ロボットの活用促進や、リスキリング等による労働の 質の向上が一定程度進んだ影響を加味。 ※2024年6月 産構審・新機軸部会「第3次中間整理」 就業構造推計 ○情報通信業・専門サービス業 ➢ 新需要開拓で新たな付加価値を創出。他産業を上回る賃上げ ○アドバンスト・エッセンシャルサービス業 ➢ 省力化設備・サービスを使いこなし賃上げ 新機軸ケースのアウトプット(産業構造)を活用 <人材需要> <人材供給> ✓ 2040年就業者数*を、産業別・職業別就業者 ✓新機軸ケースの産業別就業者数を、足下データ 数の足下の増減傾向が続くと仮定して産業×職 (2020)の産業×職業×学歴別比率で分解。 ✓その上で、①産業別の自動化影響による職種の変 化、②職種ごとの学歴構成の変化を加味。 業×学歴別比率を推計、分解。 両者の差分をミス マッチとして分析 ※学歴については、最終学歴に大きな変化が生じないという 仮定のもと、大学進学率の上昇を加味しつつ、年代に応 じ、足下比率(2020)をスライド。 *2023年度版労働力需給の推計(JILPT)の労働参加漸進シナリオを活用 80 2040年の就業構造推計 ⚫ 「2040年に向けたシナリオ・新機軸ケース」では、少子高齢化による人口減少に伴って労働供給は減少す るものの、AI・ロボットの活用促進や、リスキリング等による労働の質の向上により大きな不足は生じない (約200万人分の不足をカバー)。今後、シナリオ実現に向けた政策対応が必要。 ⚫ 一方、現在の人材供給のトレンドが続いた場合、職種間、学歴間によってミスマッチが発生するリスクがあ り、戦略的な人材育成や円滑な労働移動の推進が必要となる。 2021年 2040年 ※色分けはイメージ 6,303万人 6,983万人 職種間のミスマッチ AI・ロボットの活用促 進、労働の質の向上 AI・ロボット等の活用を担う人材が約300 万人不足 (189万人分相当) 学歴間のミスマッチ 大学・院卒の理系人材が約100万人不足 労働需要 (新機軸ケース) 労働供給 (トレンド延長) 81 就業構造推計の結果(職種間のミスマッチ) ⚫ 生成AI、ロボット等の省力化に伴い、事務、販売、サービス等の従事者は約300万人の余剰が生じる可能性。 ⚫ 多くの産業で研究者/技術者は不足傾向。とりわけ、各産業でAIやロボット等の活用を担う人材は合計で約 300万人不足するリスク。 管理的 職業 全 産 業 の主 労な 働産 需業 要の の2 内0 訳4 0 年 2040年の労働需要 (2040年の労働供給 ※現在 のトレンドを延長した場合) 専門的技術的職業 事務 販売 サービス 生産工程 輸送・機械 運転 運搬・清掃・ 包装等 うちAI・ロボット等 の活用を担う人材 124 万人 1,387 万人 498 万人 1,166 万人 735 714 865 193 415 (724万人) (583万人) (169万人) (269万人) -24万人 -146万人 万人 万人 万人 万人 万人 (175万人) (1,338万人) (172万人) (1,380万人) (786万人) 供給とのミスマッチ 51万人 -49万人 -326万人 214万人 51万人 10万人 -281万人 *2021年現在の就業者 143万人 1281万人 196万人 1420万人 834万人 880万人 885万人 244万人 516万人 製造業 情報通信業 24 206 130 196 52 0.7 642 10 52 3.9 131 46 43 14 0.3 3.9 0.2 0.8 卸売業、小売業 25 58 28 186 489 5.8 102 4.3 106 建設業 19 42 13 84 23 0.6 38 14 5.7 宿泊業 1.8 6.9 5.6 4.9 3.9 86 1.0 0.3 6.5 飲食業 2.6 2.8 1.0 7.4 8.7 172 1.9 0.5 12 運輸業、郵便業 5.8 21 18 68 5.8 2.9 6.4 128 81 医療・福祉 5.5 450 94 107 1.6 255 6.5 10 (注)産業分類は日本標準産業分類、職業分類は日本標準職業分類による。また、表中に含まれていない職業分類があるため、ミスマッチのトータルは0にならない。産業分類・職業分類は主要なもののみ掲載。 14 (単位:万人) 82 就業構造推計の結果(学歴間のミスマッチ) ⚫ 研究者や技術者等の専門職を中心に、大学・院卒の理系人材で100万人以上の不足が生じるリスク。 また、生産工程を中心に、短大・高専等、高卒の人材も100万人弱の不足が生じるリスク。 ⚫ 事務職で需要が減少する一方、現在供給が増加傾向にある大卒文系人材は約30万人の余剰が生じる可能性。 高卒 短大・高専等 大学理系 2,112 1,212 685 227 1,545 83 (2,075万人) (1,160万人) (625万人) (181万人) (1,573万人) (90万人) 供給とのミスマッチ -37 -52 -60 -47 *2021年現在の就業者数 2,735万人 1,240万人 563万人 154万人 1,332万人 70万人 管理的職業 27 13 23 4.0 50 1.6 専門的・技術的職業 190 311 210 151 438 57 94 52 78 87 155 27 295 251 157 31 397 12 214 122 76 7.5 271 3.9 277 196 39 2.0 119 1.7 442 147 82 23 107 3.8 110 21 8.2 1.1 28 0.3 214 60 17 1.2 56 0.6 2040年の労働需要 全 職 業 の主 労な 働職 需業 要の の2 内0 訳4 0 年 (2040年の労働供給 ※現在のトレンドを 延長した場合) うちAI・ロボット等 の活用を担う人材 事務 販売 サービス 生産工程 輸送・機械運転 運搬・清掃・包装等 万人 万人 万人 万人 院卒理系 万人 万人 大学文系 万人 万人 院卒文系 万人 28 (注)職業分類は日本標準職業分類、学歴分類は令和2年国勢調査の区分による。分類表中に含まれていない学歴分類(その他)があるため、ミスマッチのトータルは0にならない。職種分類は主要なもののみ掲載。 万人 万人 7 万人 83 (単位:万人) 1.これまで30年の日本経済 2.社会的マクロ環境の変化 3.世界でも産業政策が活発化 4.経済産業政策の新機軸の枠組み 5.潮目の変化の状況と課題 6.中長期的な見通しと政策の課題(「2040年に向けたシナリオ」を受けて) 7.今後の経済産業政策の方向性 方向性①:新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革 方向性②:物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業 方向性③:成長投資を実現する経済基盤の強化 84 政策の方向性① ~新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革~ ⇒戦略分野への官民投資と産業横断的な構造改革により高付加価値化を実現 (1)高付加価値な成長投資の促進 ⇒高付加価値化に資する次世代型投資を、企業が経営の中心に据えて、成長投資をやりきれる社会システムを整備 ⚫GX、DX、経済安保、健康、バイオものづくり、コンテンツなど戦略分野への官民連携での投資 ⚫企業の成長戦略を中心とする社会システム・政策体系の構築により、企業による成長投資・事業ポートフォリオの組替えを促進 (法人税インセンティブを含む政策対応により、研究開発・設備投資の後押しを成長投資型の構造へ、企業の選択肢拡大と 投資家との対話の実質化・効率化に資する会社法改正、リスクマネー供給の充実、組織再編に係る税制、競争政策等) (2)デジタル化・サービス化による産業構造の高付加価値化 ⇒デジタル化・サービス化により、物量勝負だけでなく高付加価値化で世界と勝負できる事業環境を整備(製造業X(エックス)化等) ⚫半導体や計算資源等の基盤インフラ確保(AI・半導体産業基盤強化フレームの活用等)、AI・データを活用した新プレイヤー ・産業創出(データ連携ユースケース創出・産業財産権保護・サイバーセキュリティ等)、コンテンツ産業の国際競争力強化 (3)持続的なイノベーション創出に向けたエコシステム形成 ⇒フロンティア技術等による差別化を支える研究開発を、再び世界最高水準としていける社会システムを整備 ⚫ 戦略技術領域の特定と事業化までの一気通貫支援(人材、研究開発、拠点形成、設備投資、スタートアップ、標準化等) ⚫ 「成長する大学」への集中支援等を通じた基礎研究力底上げ(経営の柔軟化、産学官連携の抜本強化等) ⚫ スタートアップ政策の推進・強化(グローバル連結強化、事業化までの一貫支援、公共・民間調達促進、M&A推進等) (4)産業構造転換に対応した人材システムの再構築 ⇒構造的人手不足の中で、将来の人材需要の姿を官民で共有することで、次世代を中心とした人的投資を促進し、ミスマッチを解消 ⚫ 就業構造推計による人材需要の明確化と、これを踏まえた関係省庁とも連携したGX・DX等の戦略分野における現場専門 人材やトップ人材の育成・活用 ⚫ リスキリングを通じた成長分野への労働移動円滑化、政府における働き方改革関連法施行後5年の経過を踏まえた状況の把 握と点検等の労働市場改革の推進 85 攻めの経営と投資・イノベーション:日本における企業統治の変遷 ⚫ 1980年代まで:メインバンク制度によるガバナンスが主流(銀行が主要株主としての地位も占 めていた) (=メインバンク等による利害関係者間の緩やかな相互監視による「インサイダー型ガバナンス」が中心) ⚫ 1990年代・2000年代:金融自由化・不良債権増加により、メインバンク制度が縮小 (=外部株主重視の「アウトサイダー型ガバナンス」の重要性が徐々に増加) ⚫ 2010年代以降:先行する諸外国の取組も参考に、資本効率向上に向けて、コーポレートガバナ ンス改革の取組加速(第1ステージ) 例)社外取締役の導入を促す会社法の改正、コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードの策定等 ⚫ 現在:形式的な体制整備は進捗、中長期の成長投資等を促すことができるかの実効性に課題 例1)独立社外取締役が取締役会の1/3以上を構成する東証プライム市場上場企業は2024年度98.1%(2014年度は6.4%) 例2)大企業のCEOの変動報酬比率は2022年度約7割(2015年度は約4割) ⚫ これからは、成長投資の実践に繋げる第2ステージ 86 企業の成長戦略を中心とする社会システム・政策体系の必要性 第1回 価値創造経営小委員会資料4を一部加工 (2025年2月4日) ⚫ コストカット型経済から賃上げと投資が牽引する成長型経済へ移行するにあたり、企業が、リスクを とって持続的な成長と企業価値の向上を目指していく「攻めの経営」、すなわち、中長期目線の成長戦 略によって成長期待を集め、事業ポートフォリオを最適化した上で、積極的な成長投資を実践する経営 に踏み出せるよう、こうした企業の成長戦略の実行を支える社会システム・政策体系を構築していく必 要がある。 持続的な成長・中長期的な企業価値の向上 (結果として高PBR) 収益性・資本効率(ROE)の向上と 将来成長期待(PER)の醸成 中長期目線の成長戦略によって成長期待を集め、 事業ポートフォリオを最適化した上で積極的な成長投資を実践する経営 (攻めの経営) 企業の成長戦略の実行を支える社会システム・政策体系 (例:コーポレートガバナンス・資本市場・事業ポートフォリオにかかる制度等) 87 企業の成長戦略を中心とする社会システム・政策体系の全体像 利益の創出 株主還元 資本・金融市場 機関投資家 (GPIF・企業年金等) 指名・報酬 ・監督 株主総会の議決権 行使・エンゲージ メント・株式保有 (ファンド、投信会社等) 返済 融資等 金融機関(銀行) 政府 (国内外の経営に影響を及ぼす 取締役会 開示 運用会社 個人(家計) 納税 企業 対話 アセットオーナー 第2回 価値創造経営小委員会資料5を一部加工 (2025年3月4日) 貸出・コベナンツ ・担保 報告 経営者・執行陣 中長期目線の成長戦略の実行 ・足下の収益力強化【営業 CF】 ・事業PF最適化、政策保 有株売却等【投資CF】 ・銀行借入、社債発行等 【財務CF】 雇用・賃金 ・成長投資(設備、 研究開発、人材、 M&A) 労働力 従業員 転職 就職 労働市場 制度環境 制度) 整備 ・会社法 ・支援 ・会計・開示ルール M&A 他 の 企 業 事業PF 最適化 ・競争法制・事業再生法制 ・スチュワードシップコード、 コーポレートガバナンスコー ド等 ・企業買収における行動指針等 ・・・ (国内投資促進策) ・税制 ・予算 ・・・ 人材移動 研究・教育機関 専門人材の 育成 大学 高専 寄付・共同研究 88 企業の成長投資を後押しする会社法改正の方向性 「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会 会社法の改正に関する報告書(概要) (2025年1月17日)抜粋 ⚫ 「稼ぐ力」の強化に向けて、企業経営者が大胆なリスクテイクを行い、成長投資を実行していくことを後押しする観 点から、「企業経営・資本市場一体改革」の一環として、企業活動の基盤である会社法制についても、価値創造ス トーリーを実行するための企業の選択肢の拡大や企業と株主との意味のあるエンゲージメントの促進(対話の実質 化・効率化)に資する制度見直しを早期に図ることが重要。 ⚫ 加えて、我が国企業の企業経営や企業を取り巻く資本市場の今後の変化も踏まえつつ、企業経営の根幹となる機関設 計や株主総会の在り方についても一体的に検討していくことが必要。 企業経営改革関連(企業の選択肢の拡大) 価値創造ストーリーの実行 • 株式を活用した人的投資の促進:(取締役・執行役に加え)従業員や子会社の役職員 に対しても株式の無償交付を可能にする • 株式を活用したM&Aの促進:(国内会社を子会社化する際に加え)外国会社を買収 する等の場合も自社株式を対価とすることを可能にする • 社債を活用した成長投資促進のための環境整備:社債権者集会のバーチャル化による 機動的な開催を可能とする • 経営者の適切なリスクテイクの促進:(社外取締役等に加えて)経営者(取締役・執 行役)も責任限定契約を締結することを可能にする 価値創造ストーリーの構築(取締役会/経営陣の体制・仕組み) • 機関設計の見直し:指名委員会等設置会社の指名(・報酬)の最終決定権限を、取締 役の過半数を社外取締役が占める場合に限り、各委員会ではなく取締役会に帰属させ る【要否含めて引き続き方向性を要検討】 - 更なる検討項目 企業経営改革関連 • モニタリングモデルを志向する企業向けの機関設計の在り方:今後の企業経営の変化 も踏まえ、企業が最適なCGを実現する上で、現行法上の3つの機関設計制度(監査 役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社)が適切な選択肢を提 供しているか、特にモニタリングモデルを志向する企業にふさわしい機関設計の在り 方について検討 エンゲージメント(対話の実質化・効率化) • 情報開示の充実:企業・株主の双方からの情報開示により企業と株主のエ ンゲージメントを促進 ✓ 企業が、対話相手である実質株主(議決権行使を指図しているが株主 名簿には記載されない者)の情報を取得可能にする(実質株主確認制 度の創設) ✓ 会社法上の開示(事業報告等)と金商法上の開示(有報)の重複の解 消を志向する企業が行うための環境整備を進め、企業の情報開示の効 率化と投資家の情報取得の質の向上の両立を図る【実務慣行の課題含 めて引き続き要検討】 • 株主総会のバーチャル化・効率化:株主総会外での建設的・実効的な対話 に人材と時間を活用 ✓ バーチャルオンリー株主総会の実現:産競法上の措置を会社法制に位 置づけ(大臣の確認プロセスを不要に) ✓ 書面決議の要件緩和:非上場会社で総会決議を省略するための要件を 緩和し、機動的な意思決定を容易にする 等 エンゲージメント • 株主総会の更なる効率化・合理化:株主総会当日における審議の重要性が 低いと考えられる場合、株主総会の効率化・合理化に向けた制度の在り方 を検討 • 株主提案権の合理化:取締役会によるモニタリング機能が十分に果たされ ている企業では、株主提案権の要件を限定する必要がないか検討 89 円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案【早期事業再生法案】の概要 背景 ✓ 日本企業の債務残高は、コロナ禍前に比べて120兆円以上増加。また、原材料高・人手不足等を受け、2024年の倒産件数は11年ぶりに1万 件を超えた状況。今後の円安・物価高、人手不足、金融政策の見直しによる借入金利の引上げ等を踏まえると、債務負担が収益性向上の事業 活動の足かせとなって事業再生の機会を逃し、倒産に至る企業が更に増加するおそれがある。 ✓ こうした経済社会情勢の動向を受け、経済的に窮境に陥るおそれがある事業者が早期での事業再生に取り組み、事業価値の毀損や技術・人材の 散逸を回避できる制度基盤を整備し、経済の新陳代謝機能を強化しておくことが重要。 現行の債務整理手続(民事再生等の法的整理及び事業再生ADR等の私的整理)の課題 ✓ 法的整理は、その利用の公告がなされ、商取引債権も含めた全債権が債務整理の対象となるため、事業価値や収益性への毀損の影響が大きくなりやすい。 ✓ 公告がなされず商取引への影響を抑制しやすい私的整理においても、全対象債権者の同意が必要とされることは事業再生の更なる円滑化に向けた課題。 経済的に窮境に陥るおそれのある事業者の早期での事業再生の円滑化を図るため、経済産業大臣の指定を受けた公正な第三者の関与の下で、金融機関等である債権者 の多数決(議決権の総額の3/4以上の同意等)及び裁判所の認可により、金融債務に限定※して、当該事業者の債務の権利関係の調整を行うことができる手続を整備。 ※金融債権以外の商取引債権や労働債権等は入らない。 ※欧州各国では、倒産手続とは別に、倒産状態前において裁判所の認可の下で債権者の多数決により債務整理を行う制度が存在するが、日本には存在しない。 早期での事業再生のために事業者の債務の権利関係の調整を可能とする手続の主な流れ ① 手続申請 事業者(債務者)が第三者機関(指定法人)※に手続を申請。 ※ 手続の監督等を行う公正な第三者機関として、事業再生の専門的知識・実務経験を有する者を事案ごとに選任できる等の要件 を満たす者を経済産業大臣が指定 手続申請・受理 ② 第三者機関による確認 第三者機関による確認 第三者機関は、事業者から提出された、書面(対象債権(金融機関等が有する金融債権)の権利変更の方向性 や事業再生の方向性等を記載)、対象債権の一覧等から、債務調整の必要性(経済的に窮境に陥るお ※ 一時停止の要請、必要性が認められた 確認できない場合 確認 それ)、対象債権者集会の決議成立の見込み、対象債権者一般の利益(清算価値保障)に適 場合は裁判所による一時停止の命令 対象債権者集会 合する見込み等を確認。 多数決で 全員合意で 多数決で ③ 対象債権者集会における決議 決議不成立 決議成立 決議成立 対象債権者集会において、事業者による情報提供及び債権者への意見陳述の機会の付与の後、 対象債権者の多数決(議決権の総額の3/4以上の同意。単一の債権者が議決権の総額の3/4以上を有する場合には、 裁判所の認可 議決権者の過半数の同意も必要。)により、対象債権のうち担保で保全されていない部分の権利変更を可 認可 不認可 決。 異議の申立て ※ 権利変更に係る賛否の判断に資する内容として、早期事業再生計画(事業者の資産や負債等の見込み等を記載)を提示 ※ 第三者機関は、決議前に、対象債権の権利変更に関する内容及び早期事業再生計画について、法令に定める調査事項(事 業者の資産や負債の算定等)を調査し、その結果を報告 ④ 裁判所による対象債権者集会の決議の認可 裁判所は、第三者機関及び債権者の意見の陳述を聴取しつつ、後見的に、決議の瑕疵(手続の法 令違反、決議の公正性を損ねる点がないか)や清算価値保障等を審査して、認可又は不認可を決定。 ※裁判所の認可に関する即時抗告が可能(異議申立ての機会の確保) 即時抗告審 認可 確定 決議成立・ 効力発生 不認可 確定 決議成立せず・ 効力発生せず 90 「稼ぐ力」のCGガイダンスの概要 主な対象:TOPIX500を構成する企業 目的:企業が、CGコードにおける原則を形式的にコンプライするのではなく、「稼ぐ力」の強化(※)に向けたCGの取組を行うことを支援する (※)単なる現時点の収益性・資本効率の向上ではなく、中長期的かつ持続的な収益性・資本効率の向上 (注)各企業において「稼ぐ力」を強化するためのCGの取組等の一例を示すものであり、記載されている取組を一律に要請するものではない。 ◼ CGの考え方の整理 「稼ぐ力」の強化に向けた企業経営 ✓ 自社の競争優位性を伴った価値創造ストーリー(※)を構築 し、実行することが重要 (※)長期的に目指す姿の実現に向けて、どのようなビジネスモデルを通 じて、どのような社会課題を解決し、どのように長期的な企業価 値向上に結びつけていくかについての一連のストーリー。 ≪具体的な行動≫ ① 事業ポートフォリオの組替え・成長投資の実行 ② CEOら経営陣による価値創造ストーリーの構築と実行を支える 実効的なCGの構築 ③ 価値創造ストーリーの構築と信頼関係の構築、将来期待の醸成 に向けた株主・投資家との対話 (主要メッセージとして抜粋) 「稼ぐ力」を強化する取締役会5原則 ✓ 取締役会・CEOら経営陣が常日頃から意識して行動 原則1:価値創造ストーリーの構築 原則2:経営陣による適切なリスクテイクの後押し 原則3:経営陣による中長期目線の経営の後押し 原則4:経営陣における適切な意思決定過程・体制の確保 原則5:指名・報酬の実効性の確保 「稼ぐ力」の強化に向けたCGの捉え方 ✓ 透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための基盤 ✓ 意思決定過程の合理性・透明性を確保しつつ、経営者に裁量と責任を与えるもの CGの取組の全体像 ✓「稼ぐ力」の強化に向けたCGの取組 ① CEOら経営陣による業務執行を様々な側面から支える取締役会の構築 ② 価値創造ストーリーを立案・実現できる強靭な経営チームの組成 ③ CGの実効性・持続性を担保する評価・検証の仕組みの構築 ✓ 価値創造ストーリーとCGの関連性 ➢ 価値創造ストーリーの構築、その実現に向けた業務執行、評価・検証という全体メ カニズムが実効的に機能するCGを構築することが重要 ✓ 企業が「稼ぐ」ためのアクション ➢ 株主・投資家の声を適切に反映:価値創造ストーリーの磨き上げ・信頼関係の構 築・将来期待の醸成 ➢ 将来的なビジネスモデルの在り方や、その下での事業ポートフォリオの在り方を踏 まえ、貴重な経営資源をコア事業の強化や将来の成長事業への投資に集中 ✓ 「稼ぐ力」の強化に向けたCGの取組の進め方 ➢ 自社におけるCGの在り方について十分議論し、取締役会等と経営陣が、各々の役割 を果たし、バランス良く機能発揮できるよう、一貫した考え方の下で、実効的な体 制・仕組みを検討することが重要 ◼ 自社におけるCGの取組の検討 自社におけるCGの在り方の検討 ✓ 議論する際に重要と考えられる検討ポイント/取組例を提示 ➢ CGの位置付け/役割分担等の明確化 ➢ 全取締役とCEOら経営陣の共通理解 ➢ 最適な機関設計の選択 CGの各体制・仕組みの検討 ✓ 「稼ぐ力」の強化の観点から特に重要と考えられる体制・仕組みを抽出し、議論 する際に重要と考えられる検討ポイント/取組例を提示 ➢ 取締役会(アジェンダ・議論活性化/権限委譲、 ➢ 報酬委員会(報酬委員会の体制、報酬政策) 実効性評価(取締役個人評価含む)等) ➢ CEOら経営陣(執行役員等体制(CxO等)、 ➢ 指名委員会(CEOの後継者計画、CEOの再任・ 経営会議等の在り方、幹部候補人材の選抜・育成) 不再任(CEO評価含む)等) ➢ 事務局(事務局体制・仕組み) 91 「稼ぐ力」を強化する取締役会5原則 ① 取締役会が踏まえて行動する原則 ※ 業務執行役員であっても、取締役会においては、取締役として 本原則を踏まえて行動することが求められる。 ⚫ 取締役会は、「「稼ぐ力」を強化する取締役会5原則」を踏まえて行動することが望ましい。 ⚫ 継続的に本原則を踏まえた行動がとられるよう、実効性評価を通じた評価・検証も行いながら、「稼 ぐ力」の強化に資する取締役会を構築していく必要がある。 原則1(価値創造ストーリーの構築) 自社の競争優位性を伴った価値創造ストーリー を構築する。 原則3(経営陣による中長期目線の経営の後押し) 取締役会自体が短期志向に陥らないよう留意しつつ、経営陣が、中 長期目線で、成長志向の経営を行うよう、後押しする。 ➢ 経営陣が策定した価値創造ストーリーの案について、以下の事項も含め て議論し、その結果を経営陣に還元するとともに、必要に応じて、経営 陣に更なる検討を促す。 ➢ 資本市場からの評価も踏まえつつ、経営陣が、短期的な成果にとらわれ、 中長期的な成長を犠牲にした対応を行っていないかを確認し、そのよう な状態となっている場合には、経営陣に改善を促す。 - 自社の強み(潜在的な強みを含む)とリンクした内容となっているか - 社会課題やステークホルダーについて考慮されているか - 長期的な経営環境変化の適切な分析の下、複数のシナリオが考慮され ているか - 中長期的な資本効率や成長性が考慮されているか ➢ 経営環境変化等に応じて、株主・投資家との対話も活用しつつ、随時、 経営陣と協働して価値創造ストーリーを磨き上げる。 原則4(経営陣における適切な意思決定過程・体制の確保) マイクロマネジメントとならないよう留意しつつ、経営陣の意思決 定過程・体制が、迅速・果断な意思決定に資するものとなるよう促す。 ➢ 経営陣の意思決定過程や体制を確認し、それらが価値創造ストーリーを 構築し、実現する上で十分ではない場合には、経営陣に体制や仕組みの 整備を促す。 ➢ 経営陣の創意を阻害し、責任の所在が曖昧になるマイクロマネジメント の弊を避け、取締役会に期待される役割を意識して行動する。 原則2(経営陣による適切なリスクテイクの後押し) 経営陣が、価値創造ストーリーの実現に向け、事業ポートフォリオ の組替えや成長投資等、適切なリスクテイクを行うよう、後押しする。 原則5(指名・報酬の実効性の確保) 最適なCEOの選定と報酬政策の策定を行うとともに、毎年、原則1 ~4の内容も踏まえたCEOの評価を行い、再任・不再任を判断する。 ➢ 価値創造ストーリーの実現に向けた経営陣の具体的な行動が十分ではな い場合には、不作為の理由も確認しつつ、経営陣に行動を促す。 ➢ 経営陣と役割分担を行い、経営トップとして最適なCEOを選定するため の後継者計画や価値創造ストーリーの実現に向けた報酬政策を策定する。 ➢ 事業ポートフォリオの組替えや成長投資等にあたり、必要十分な検討が なされているかや、その後の進捗状況・成果の確認等を行い、過度なリ スクテイクは抑止する。 ➢ 毎年、CEOの評価を通じて、CEOが期待通りのパフォーマンスを発揮し ているかについて、中長期的な取組の実施状況等も含めて検証する。 ➢ 自社の目指す姿や経営環境、CEOの評価結果等も踏まえ、CEOを誰に任 せるのが最適であるかを十分に検討する。 92 「稼ぐ力」を強化する取締役会5原則 ② 経営陣がとるべき行動 ⚫ 各原則に対応して、CEOら経営陣においても、しかるべき行動をとることが望ましい。 取締役会5原則 経営陣がとるべき行動 原則1(価値創造ストーリーの構築) 自社の競争優位性を伴った価値創造ストーリーを構築する。 ✓ グループの強みを生かした全体最適の視点を重視し、価値 創造ストーリーを策定 ✓ P/L視点だけでなく、B/S視点やC/F視点でも議論 原則2(経営陣による適切なリスクテイクの後押し) 経営陣が、価値創造ストーリーの実現に向け、事業ポート フォリオの組替えや成長投資等、適切なリスクテイクを行う よう、後押しする。 ✓ 価値創造ストーリーの実現に向けて、資本効率と事業の成 長性を考慮しつつ、事業ポートフォリオの組替えや成長投 資を実行 原則3(経営陣による中長期目線の経営の後押し) 取締役会自体が短期志向に陥らないよう留意しつつ、経営陣 が、中長期目線で、成長志向の経営を行うよう、後押しする。 ✓ 短期的な成果をあげることを過度に意識せず、価値創造ス トーリーを基に、中長期目線で業務を執行 ✓ 中長期的な成長による株主利益も考慮した株主還元を検討 原則4(経営陣における適切な意思決定過程・体制の確保) マイクロマネジメントとならないよう留意しつつ、経営陣の 意思決定過程・体制が、迅速・果断な意思決定に資するもの となるよう促す。 ✓ 価値創造ストーリーの構築・実現のための強靭な経営チー ムを組成 ✓ 経営環境の変化も踏まえつつ、社内論理に陥ることなく、 多角的な視点で議論し、意思決定できる仕組みを構築 原則5(指名・報酬の実効性の確保) 最適なCEOの選定と報酬政策の策定を行うとともに、毎年、 原則1~4の内容も踏まえたCEOの評価を行い、再任・不再 任を判断する。 ✓ 自社の経営トップとして適切なCEO候補者を選定し、育成 する仕組みを構築 ✓ 価値創造ストーリーの実現に向けた業務執行を行うととも に、取締役会に進捗等を適切に報告 ✓ 取締役会からの評価結果を踏まえて、翌年度以降の業務を 執行 93 経済産業省 半導体関係補正予算事業 ⚫ 令和3年度補正予算 7,740億円 ➢先端半導体基金:6,170億円 ➢半導体生産設備刷新補助金:470億円 ➢ポスト5G基金:1,100億円 ⚫ 令和4年度補正予算 1兆3,036億円 ➢ 先端半導体基金:4,500億円 ➢ 経済安全保障基金:3,686億円 ➢ ポスト5G基金:4,850億円 ⚫ 令和5年度補正予算 1兆9,867億円 ➢ 先端半導体基金:7,652億円 ※既存基金残金含む ➢ 経済安全保障基金:5,754億円 ➢ ポスト5G基金等:6,461億円 94 AI・半導体関係 令和6年度補正予算の概要 AI・半導体関係の予算は、既存基金の活用とあわせて計1.6兆円。 <補正予算に計上されている主要予算> ◆ ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等 (AI・半導体関係) 【9,916億円】 先端半導体等の設計・製造技術や、ロボティクス分野の生成AIに関する基盤モデル等の 開発、実証に取り組む。 ◆ 先端半導体の国内生産拠点の確保【4,714億円】 産業基盤の強靱化や戦略的自律性・不可欠性の向上の観点から、先端半導体の国内生 産拠点整備を支援し、事業者による投資判断を促すことで、安定供給の確保等を目指す。 ※2030年度までの7年間で10兆円以上の公的支援を行う「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を創設。 95 AI・半導体関連支援策の方針 第13回経済財政諮問会議資料6より抜粋 (2024年11月1日) ⚫ AI・半導体への投資は、他のあらゆる産業の発展やGX等の社会課題解決に不可欠であり、地域の中小企業も含め幅広く波及。 ⚫ このため、生成AI・半導体支援に対し、必要な財源を確保しながら、複数年度に渡り大規模かつ戦略的に支援を行う。 ⚫ これを通じ、2030年15兆円の売上高目標を上回るよう、官民合計約50兆円の関連設備投資を誘発し、また、半導体生産等に伴 う約160兆円の経済波及効果を実現していく。 ⚫ 加えて、AI・半導体の国内供給力強化を通じた産業全般の競争力強化を図る。 政府の支援により動き出している大規模な国内投資案件 (半導体関係) 国内の半導体関連売上の推移と目標 96 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律概要 背景・法律の概要 ✓ 生成AIの利活用の急速な拡大に伴い、電子計算機に求められる計算量は大幅に増加していることから、今後情報処理の更なる促進を図るためには、先端的な半導体の確保、生成 AIの計算需要を十分に満たせるだけのサーバーの導入等を併せて進める必要がある。 ✓ また、 半導体・AIの成長需要を取り込み、各産業の国際競争力の強化につなげていくため、半導体・AI分野の公的支援に係る民間事業者の予見可能性を高め大規模な官民投資を 誘発していく必要がある。 ✓ こうした背景を踏まえ、情報処理の高度化を推進するための環境の整備を図るため、 (1)指定高速情報処理用半導体※1の生産を安定的に行うために必要な取組の支援、 (2)高度な情報処理の性能を有する設備の導入※2の支援、 (3)デジタル人材の育成、 (4)(1)~(3)の措置に係る独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の業務の追加、 (5)半導体・AI施策に係る必要な財源を確保するための新たな公債※3の発行・償還等 に関する措置を情報処理の促進に関する法律(情促法)において定め、(5)に係る経理を明確にするための新たな勘定の創設等の措置について特別会計に関する法律(特会法) において定める。 指定高速情報処理用半導体に関する支援 【情促法】 ① 支援対象(公募により選定) ・ 経済産業大臣が指定した指定高速情報処理用半導体の生産 を安定的に行うために必要な取組を最も適切に実施すること ができる者 高度な情報処理の性能を有する設備 に関する支援【情促法】 ① 支援対象 ・ 高度な情報処理の性能を有する設備の導入を行おうとする 情報処理サービス業を営む会社 ② IPAへの追加業務 ② IPAへの追加業務 ・ 当該取組※に必要な資金の出資若しくは施設・設備の現物出資、 ・ 高度な情報処理の性能を有する設備の導入に必要な資金に 当該資金に係る社債又は借入れに係る債務の保証等 係る社債又は借入れに係る債務の保証 ※ デジタル人材の育成 【情促法】 ○ IPAへの追加業務 ・ デジタル人材の養成や、 その資質の向上に係る業務 を追加する。 生産施設の設置、需要の開拓等 必要な財源の確保【情促法・特会法】 ・ 「AI・半導体産業基盤強化フレーム」として、2030年度までに合計10兆円以上の半導体・AI分野への公的支援(補助・委託等:6兆円程度、金融支援:4兆円以上)を行うところ、 こうした支援には一度に多額の資金が必要と想定されることから、エネルギー対策特別会計の負担において、公債を発行できることとする。 ・①新たな公債の償還及び半導体・AI施策に要する費用の財源に充てるため、財政投融資特別会計の投資勘定から新たな勘定へ繰り入れることができる旨、 ②半導体・AI施策に要する費用の財源に充てるため、エネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定から新たな勘定へ繰り入れることができる旨及び ③半導体・AI施策に要する費用の財源に充てるため、一般会計(経済産業省が所管する基金からの国庫返納金)から新たな勘定へ繰り入れることができる旨を規定する。 ・ 上記に係る経理を明確にするため、エネルギー対策特別会計に新たな勘定及び対策を設置し、歳入歳出項目等を規定する。 ※1 我が国において生産及び供給が安定的に行われていない、極めて大量の情報を極めて高速度で処理することを可能とする半導体であって、情報処理の高度化のために特に必要なもの ※2 大規模なサーバーや冷却設備等の導入 ※3 半導体の性能の向上等の措置等に充てるために必要な財源を確保するためのつなぎ国債 97 「科学とビジネスの近接化」時代のイノベーション政策 イノベーションを巡る世界の動向 我が国の現状と課題 ①「科学とビジネスの近接化」 ①我が国のイノベーション拠点としての現在地 巨額資本が科学に投資、スピードの加速 これまで大企業が牽引、大都市の拠点の強み 一方、研究開発サービス収支の赤字 成長投資を促進するための市場との対話・コポガバの必要性 ②グローバルな“イノベーション拠点競争” 企業は世界最高の知を求めてR&Dをグローバル化 都市・地域・ネットワークの競争力 各国が誘致政策競争、戦略分野に重点投資 ②日本の科学力の低迷 アジアの中でも論文力、大学ランキングの低迷 ③成長する大学の発展 ③人材の高度化・グローバルからの獲得の遅れ 産学連携、知財、スタートアップ、寄付等、多様な財源で 大学が成長し、科学力を強化 博士人材の育成・活用不足、AI等の高度なグローバル人材確保出遅れ ④スタートアップのグローバル連結・資金供給の拡大 ④科学技術の社会実装メカニズムとしてのSU 海外からの投資・人材の呼び込み、大型の成長資金の調達、更なるM&A 公共・民間調達や需要創出の必要性 ディープテックにおけるスタートアップの重要性 施策の方向性 ①戦略技術領域への一気通貫での集中支援 国として重要な技術領域を特定し、人材育成/獲得、研究開発、設備投資、スタートアップ、ルール形成の政策を総動員で支援 ✓ 量子、AI、バイオ等の戦略的に重要な技術について、企業が研究開発投資を拡大するためのインセンティブ施策の強化(予算、研究開発税制等) ✓ 国際的に遜色のないイノベーション立地競争環境を確保するためのインセンティブ施策の強化(予算、研究開発税制等) ✓ スターサイエンティストとテストベッドを軸とした研究開発基盤整備、人材高度化とグローバルタレント獲得、政府リードの戦略的標準化 など ②世界で競い成長する大学への集中支援、産学官連携の大型化・グローバル化促進 ✓ ✓ ✓ 産学官連携大型化、知財、スタートアップ創出育成等を通じた大学の財務基盤強化に向け、会計・経営等のあり方を検討 企業が中長期目線で大学等と連携を深めていくためのインセンティブ施策の強化(予算、研究開発税制等) 大学による海外企業との連携のための誘致機能の強化促進 など ③アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成 ✓ ✓ ✓ 成長資金拡大やグローバル・エコシステムとの連結強化に向け、海外からの投資や人材の呼び込み強化、投資契約実務のアップデート、海外への人材派遣の推進 スタートアップ等の出口・成長経路の多様化に向けた、M&Aの促進や上場後の成長の動機付け ディープテックの成長や地域のエコシステムの形成に向けた、事業化・社会実装までの支援の充実、公共・民間調達の促進 など ④グローバル化・デジタル化・コーポレートガバナンスへの対応による投資環境の整備 時代の変化に対応した知財政策、企業の成長投資促進のための資本市場との対話、イノベーション環境のグローバルとの接続強化 ✓ デジタル・AIに対応した知財制度構築、成長投資を促すためのコポガバの実質化、オープンイノベーションと経済安保の両立 など 98 研究開発投資の拡大が必要 ⚫ 過去30年と比較して、足下は研究開発の伸びが拡大している。他方で、米国や中国、韓国と比べ、対 GDP比の伸びは劣後。 ⚫ 高付加価値・イノベーション経済に移行するには、こうした研究開発投資の更なる拡大が必要。 国内投資(実質)の内訳の推移 潮目の変化 (兆円) 35 100 90 30 80 25 70 60 20 50 15 40 30 10 20 5 10 0 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 0 (年) 国内投資(右軸) ○1994→2021年:1.14%/年 ○2021→2023年:1.98%/年 その他機械設備(左軸) ○1994→2021年:0.87%/年 ○2021→2023年:1.09%/年 その他建物・構築物(左軸) ○1994→2021年:▲0.65%/年 ○2021→2023年:2.28%/年 (%) 4.5% 4.14% 韓国:2.54%pt増加 4.0% 米国:1.13%pt増加 3.5% 日本:0.90%pt増加 3.0% 2.83% 研究開発(左軸) ○1994→2021年:1.17%/年 ○2021→2023年:3.21%/年 コンピュータソフトウェア(左軸) ○1994→2021年:3.14%/年 ○2021→2023年:4.29%/年 2.5% 2.70% 1.80% 2.0% 1.99% 1.70% 1.59% 1.5% 1.69% 1.42% 輸送用機械(左軸) ○1994→2021年:0.15%/年 ○2021→2023年:3.81%/年 情報通信機器(左軸) ○1994→2021年:5.37%/年 ○2021→2023年:▲2.65%/年 ドイツ:0.69%pt増加 2.11% 1.0%1.37% 1.98% 1.43% 1.39% 英国:0.30%pt増加* *英国国家統計院が2022年に発表 した統計が上方修正されており、連続 的な値として取得できり2014年から掲 載 中国:1.73%pt増加 0.96% 0.5% 0.0% フランス:0.06%pt増加 0.25% 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (兆円) 主要国の企業部門の研究開発費の対GDP比率の推移 (年) EU-27:0.43%pt増加 (参考)左図:国内投資は民間企業設備。「その他機械・設備」とは計測機器や医療用機械等の業務用機械、建設機械や工作機械、農業用機械等の生産用機械、ボイラやタービン等のはん用機械、器具・備品等。「その他建物・構築物」とは、居住用以外 の建物や構築物であり、例として、学校、病院、ホテル、工場、商業用建物 (住宅部分を除く)等。 (出所)左図:内閣府「国民経済計算」、「国民経済計算の用語解説」、右図:OECD” Main Science and Technology Indicators (MSTI database)”、文部科学省 科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2024」より作成。 99 イノベーションの源泉となる科学力の低迷 ⚫ Top10%補正論文数は、米中のみならずイタリア、カナダ、韓国、オーストラリア等にも劣後。 Top10%補正論文数(分数カウント法・全分野) アジア・オセアニア Top10%補正論文数(分数カウント法・全分野) G7・中国 論文数(分数カウント法・全分野) 中国(右軸) インド 米国(右軸) ドイツ 日本 英国 オーストラリア 英国 韓国 ASEAN10ヵ国 ドイツ イタリア 日本 カナダ フランス 日本 シンガポール 台湾 マレーシア ベトナム タイ インドネシア ※PYとは出版年(Publicationyear)の略である。Article,Reviewを分析対象とした。分数カウント法による結果。 ※論文の被引用数(2023年末の値)が各年各分野(22分野)の上位10%に入る論文数がTop10%論文数である。※()内は2023年時点のおおよその人口 (出典)文部科学省 科学技術・学術政策研究所からの提供情報を基に、経済産業省が作成。 100 産学連携の進展と課題 ⚫ 大学と国内民間企業の共同・受託研究の件数は増えてきた。 ⚫ 他方で、大学等の一件当たりの共同研究費が300万未満の小規模のものが約8割を占め、他国と比べても、 高等教育機関に対する国内企業の資金拠出割合は低いという点が課題。 大学と国内民間企業との共同・受託研究実績 (件数) 40,000 35,000 高等教育機関へのR&D予算および 国内企業による拠出割合(2021年) 大学等における1件当たり共同研究費 (億円) 受入額(共同研究)【右軸】 受入額(受託研究)【右軸】 1,600 1,400 総件数 【左軸】 30,000 ~5,000万円未満 5.4% ~1,000万円未満 6.3% 25,000 1,200 ~500万円未満 8.3% 1,000 20,000 800 15,000 600 10,000 ~1億円未満 0.6% ~1億円以上 0.2% 5.1% (十億円) 9,334 政府 高等教育機関 海外企業・機関 0円 22.8% 民間非営利 国内企業 国内企業拠出割合 300万円未満 34.2% 36.1% 100万円未満 22.3% 3,289 400 9.3% 2,192 5,000 13.1% 14.1% 200 780 479 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 0 (年度) ※300万円未満:79.2% (参考)右図:R&D出資額は2021年の年間平均TTBレートで円換算 (出典)左図・中図:文部科学省「令和5年度大学等における産学連携等実施状況について」、右図: OECD「Research and Development statistics」 0 1,188 米国 中国 英国 3.2% 2,653 193 204 0 347 ドイツ 878 韓国 2,150 12.3% 9 124 25 0.4 223 69 27 日本 台湾 101 スタートアップ5か年計画 策定後の状況: エコシステムの「裾野」の拡大 ⚫ 集中的に政策が充実化。世界的に資金調達環境が厳しくなる中にあっても、スタートアップの数などエ コシステムの「裾野」は拡大。大型IPOの発生やユニコーンの数も徐々に増えるなど、スタートアップ の「芽」は着実に成長。 国内スタートアップの資金調達額 大型IPOが複数発生 海外の主要国は対2021年比で大きく下げる中で堅調に推移 対2021年比でIPO数が減少 する中でも大型IPOは発生 (2021年:8,827億円 米国 英国 →2023年:8,139億円程度*) 中国 日本 (2021年:125社→2023年:96社) -8% -35% (出典)日本取引所グループ (出典)株式会社ユーザベース「スピーダスタートアップ情報リサーチ」 (2024年1月23日時点) -48% -59% (出典)dealroom, スピーダスタートアップ情報リサーチ 2021年~2024年の 主なスタートアップのIPO 年 企業名 初期 時価総額 (億円) 2024 タイミー 1,760 2024 アストロスケール ホールディングス 1,448 2023 ispace 804 2021 ビジョナル 2,545 2021 セーフィー 1,646 (出典)INITIAL 「Japan Startup Finance」(2025年1月21日時点) (社) スタートアップ数 対2021年比で約1.5倍に増加 4,288 4,000 (2021年:16,100社→2023年:22,000社) 大学発スタートアップ数* - 企業名 1 Preferred Networks 2 スマートニュース (2021年:6社→現在:8社) 3 Playco 4 SmartHR 上場企業と合計すると、 5 Spiber 6 Opn 7 GO 8 Sakana AI 累計ユニコーンは70社強。 0 19891992199519982001200420072014201720202023 以前 (年度) 国内のユニコーン企業 時価総額10億ドル以上の ユニコーンが増加 2,000 毎年増加傾向で、 2023年は過去最高の伸び。 (2021年:3,305社→2023年:4,288社) 国内ユニコーン数 (2022年時点。2013年-2022年の上場スタートアップ 463社中、68社が一時的に時価総額1,000億円超え。) (出典)株式会社ユーザベース「スピーダスタートアップ情報リサーチ」2012年からのスタートアップ創出数の累積として算出。 (出典)CB Insights 「現在」は2024年12月現在の数値。 *2023年10月末日現在で設立されている大学発ベンチャーが対象。(出典)経済産業省「令和5年度大学発ベンチャー実態等調査」 上場含む累計:JVCA資料(海外機関投資家向けPR資料:急成長を遂げる日本のスタートアップ市場) 102 ディープテックの特徴や成長段階に応じた支援の実行、発展 ⚫ スタートアップの創出から事業化に至るまで、成長段階に応じた施策を充実化。本格的な実行フェーズへ。 事業の 発展段階 起業前 起業後・シード アーリー ミドル以降 研究・起業準備 実用化研究開発 量産化実証 事業開発 研究、起業家育成、経営人材 マッチング等 実用化に向けた要素技術等 の研究開発 量産化・スケール化 の実証 商用の設備投資、ソフトウェア投資、 大規模ユーザー実証等 ディープテック・スタートアップの 起業・経営人材確保等支援事業 約15億円(R7当初) 事業会社の有する革新的な技術等の カーブアウト加速等支援事業 約10億円(R5補正) ディープテック・スタートアップ 事 業 への事業開発支援事業 化 約76億円(R6補正) 第1回公募:23件採択(令和5年8月) 第5回公募:7件採択 (令和6年12月) ディープテック・スタートアップ支援事業 約1,000億円(NEDOに基金造成) 第2回公募:17件採択(令和5年12月) 第6回公募:審査中 第3回公募:15件採択(令和6年3月) 第4回公募:12件採択(令和6年9月) ✓ マザープラント整備 ✓ 市場・需要を見据え、 大規模なスケール化を実現 GX分野のディープテック・スタートアップ支援事業410億円(NEDO交付金) 第1回公募:5件採択(令和6年9月) 第2回公募:4件採択(令和6年12月) 第3回公募:審査中 パイロット・実証プラント ✓ 知の掘り起こし ✓ 大学・研究機関等のStoS モメンタムの醸成 (出典)ユーグレナHP(バイオ燃料製造プラント) ・ 継 続 的 な 収 益 の 獲 得 新たな需要の 創出・拡大 事業会社との 更なる事業 連携 VCや金融機 関等からの 大規模な資 金調達 103 高等教育の強化(博士含む高度専門人材) ⚫ 国内投資(DX、GX等)と連動した大学・高専の機能強化を更に推進することが重要。 ⚫ 高度専門人材が産学を循環しやすいよう、産学双方の人材登用・処遇制度等の変革が重要。 大学の機能強化の好事例(半導体) 企業の高度専門人材の登用・活躍環境の整備 国は、2022年度から2023年度にかけて、JASMによる 熊本県の設備投資に対し約1.2兆円を支援決定 【ジョブ型人事指針】 熊本大学(文科省が基金事業(3,002億円)で支援) ✓ 2024年8月に、内閣官房・経産省・厚労省で指針を 取りまとめ。20社のジョブ型人事の導入好事例を公 表し、各社の導入を後押し。 ✓ 修士50名→120名、博士5名→22名等 ✓ TSMCやマイクロソフト等の世界的企業や海外大学、 高専等との連携による高度情報・半導体人材育成 ✓ 学部から大学院まで一体的に改革・強化 ・工学部半導体デバイス工学課程・情報融合学環新設 ・自然科学教育部半導体・情報専攻修士課程・博士課 程同時新設予定 ✓ 職務とスキルを基に人材を登用・処遇するジョブ型人 事を導入することで博士人材をはじめ、高度専門人材 の登用を促進。 【博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイド ブック】 ✓ 博士人材の労働市場の形成に向け、産学双方において 奨励される取組等を年度内に整理・公表予定。 104 成長分野における専門人材育成 ⚫ 半導体・蓄電池・洋上風力など、中長期的な人材育成が課題となっている分野を中心に、各分野の人材育成 を強化し、現場の労働生産性向上を通じた人手不足解消を推進すべく、業種横断的に専門人材育成の方向性 を整理した上で、関係省庁とも連携体制を構築し、案件組成・取組拡充を目指す。 成長分野における専門人材育成の方向性 中長期の産業構造・就業構造の明確化 (産業・科学技術政策の方向性を踏まえた人材像(分野、スキル)) <方向性のイメージ> ①重点産業分野、必要なスキル・能力の明確化 (経産省・業界団体) <具体的な取組例> 【蓄電池】 関西蓄電池人材育成等コンソーシアムにて技術職・ 技能職ごとにスキルセットを整理 ②スキル開発・教育プログラムの開発 (経産省・関係省庁・業界団体・教育機関) 【半導体】 高専機構にて実施しているCOMPASS5.0事業(国 立高等専門学校運営費交付金の一部)にて半導体 教育のカリキュラムを整備 ③スキル開発・教育プログラムの実践 (経産省・大学院・大学・高専・専門高校) 【洋上風力】 洋上風力の事業開発を担うエンジニア、専門作業員 の育成に向けたトレーニング施設を開設 日本の産業競争力強化に必要な人材供給の実現 105 企業による人的資本投資の活性化と三位一体の労働市場改革の推進 第14回経済産業政策新機軸部会資料を一部修正 (2023年4月19日) 人的資本経営を核とした企業による人的資本投資の活性化 ①人的資本経営を通じた人事制度改革、人的資本投資の促進 ・人的資本経営コンソーシアムの活動の拡大、企業による人的資本投資の開示の充実 ②労働市場改革の指針による日本型職務給の導入 ・スキルが適性に評価される“ジョブ型”の導入の参考情報として、先進企業20社の事例をとりまとめた 「ジョブ型人事指針」の公表 ③経営戦略の実現に必要な知・経験をもった人材が活躍するためのダイバーシティ経営の推進 ・競争力に資するダイバーシティ経営の取組を整理(ダイバーシティ2.0行動ガイドラインの改訂)、女 性活躍に取り組む企業の裾野の拡大 個人のリスキリングや労働移動を通じた一人あたりの能力・意欲の最大化 ①リスキリングと労働移動の一体的な推進 ・リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業によるキャリア相談から、リスキリング、転職までの一 体的な後押し ②各分野における専門人材育成の強化 ・必要なスキル・能力の明確化、教育プログラムの開発・実践 ・各分野・地域で組成されている産学官が連携した人材育成スキームの全国規模での普遍化 106 政策の方向性② ~物価高・人手不足下でも持続的に成長できる地方経済・産業~ ⇒地方経済のポテンシャルを発揮させることで、日本経済の成長の起爆剤としていく (1)地域経済を牽引する中堅・中小企業の成長力の抜本強化 ⇒地方経済の成長の担い手となる中堅・中小企業の生産性向上・賃上げを実現 ⚫ 賃上げ原資の確保に向けた、下請法改正と執行強化による価格転嫁・取引適正化の更なる徹底。人手不足を乗り越える 省力化・デジタル化の促進。中堅・中小企業による知財活用に向けた伴走支援、保護の推進等。 ⚫ 地域の成長と賃上げを牽引する中堅・中小企業の成長支援(中堅・100億企業の創出、研究開発・輸出後押し等) ⚫ 事業承継・M&Aの支援強化。中小企業金融の規律発揮と早期の経営改善・事業再生・再チャレンジ支援 (2)構造的な人手不足下でも持続可能なローカル経済圏の形成 ⇒人口減少下でも、地域内でエッセンシャルサービスの供給を、生産性向上によって維持・発展(アドバンスト・エッセンシャルサービス業化) ⚫ 特に人手不足が深刻な業種に対する徹底した省力化投資促進(政府大での「省力化投資プラン」の策定・実行) ⚫ 営利を追求する企業では供給困難な地域のエッセンシャルサービスの維持・発展に向けた、省力化・デジタル化・共同化に取 り組み、恒常的な赤字構造には陥らない程度に利益確保を図る共助型事業体(地域協同プラットフォーム)への支援 (3)地域における産業立地の促進 ⇒地政学リスク等を背景に、日本の立地先としての魅力が高まる中、誘致のボトルネックとなりうる産業用地・インフラの制約を解消 ⚫ 不足する産業用地のマッチング、土地利用調整手続の迅速化や土壌汚染対策法の点検・見直しに係る検討を踏まえた土 地の有効活用、産業立地に対するインフラ支援や、自治体自ら又は官民連携により行う産業用地整備への支援の強化、 脱炭素電源活用等のGX産業立地の推進、地域単位での産業人材育成 ⚫ 本社機能の地方分散・強化や海外企業の誘致に向けた取組強化 (4)地域におけるイノベーションの促進 ⇒地域におけるイノベーションの創出促進により、地方経済の高付加価値化を実現 ⚫ 「地方イノベーション創生構想」への貢献(スタートアップ育成(自治体調達の促進等)、イノベーション拠点整備、 福島復興の好事例の全国展開等) 107 地域の産業構造のイメージ 「域外開拓」=非日常 世界の創造拠点へ (世界で勝負) 東京以外の地方都市でも 世界水準の報酬 製造の サービス化 (生産プロセス・ 自動走行・ ロボット提供等) 事業所向け サービス D X 政 策 中 小 企 業 政 策 ( 1 0 0 億 企 業 創 出 ) 中 堅 企 業 政 策 地 域 未 来 牽 引 政 策 生活の質を高める (サービス維持) 製造業・情報通信業 GX政策 コンテンツ 宿泊・飲食・農林水産業 小売 物流 保険外 介護 その他(教育・建設・公務等) 社会基盤政策 産業構造・人材政策 「域内循環」=日常 安定・上向きの報酬 希望どおりの柔軟な働き方 中 小 企 業 政 策 ( 生 産 性 向 上 ・ 事 業 再 生 ・ 再 チ ャ レ ン ジ 支 援 ) 工 業 用 水 資 源 エ ネ ル ギ ー ( 電 力 ・ ガ ス ・ 燃 料 ・ 鉱 物 ) 国の 視点 地域の 視点 (理論) でも これまで (実際) 他 (結 果 イ的国 メにに ー多な ジ数い :も独 点ち自 画たの )いも の 他 1地 つ域 でに もな あい れ独 ば自 よの いも の 他 地 な域 んの で好 も例 やを り丸 た々 い見 習 う 全 国 で フ同 ル等 ラの イ高 ンい ナ品 ッ質 プ水 が準 必に 要し た い 他 地 域 フの ル良 ラい イや ンり ナ方 ッを プ普 が遍 必化 要し て 見 習 う 地 域 特 フ性 ル・ ラ小 イ規 ン模 ナを ッ理 プ由 がに 必新 要展 開 を 躊 躇 108 企業の投資が海外に行った結果、地方の資本装備率が伸びなかった ⚫ リーマンショック前後で、設備投資が大幅に減少している。 リーマンショック前(1994年~2008年) 資本装備率の成長率(年率.1994~2008) ・製造業の付加価値割合が大きい都道府県:0.58% ・その他の都道府県:0.51% (年率、%) 2 1 -2 沖縄県 鹿児島県 宮崎県 大分県 熊本県 長崎県 佐賀県 福岡県 高知県 愛媛県 香川県 徳島県 山口県 広島県 岡山県 島根県 鳥取県 和歌山県 奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 三重県 愛知県 静岡県 岐阜県 長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川県 東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 青森県 -1 北海道 0 資本装備率の成長率(年率.2009~2018) ・製造業の付加価値割合が大きい都道府県:0.16% ・その他の都道府県:0.13% リーマンショック後(2009年~2018年) 2 1 -2 (注)2018年時点でGDPに占める製造業の付加価値額割合が30%を超える県を網かけ。 (出所)経済産業研究所「都道府県別産業生産性(R-JIP)データベース2021」より作成。 沖縄県 鹿児島県 宮崎県 大分県 熊本県 長崎県 佐賀県 福岡県 高知県 愛媛県 香川県 徳島県 山口県 広島県 岡山県 島根県 鳥取県 和歌山県 奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 三重県 愛知県 静岡県 岐阜県 長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川県 東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 青森県 -1 北海道 0 109 下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律 背景・概要 ⚫ 近年の急激な労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を受け、発注者・受注者の対等な関係に基づき、サプライチェーン全体で適切な価格 転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を図っていくことが重要。 ⚫ このため、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、手形による代金の支払等の禁止、規制及び振興の対象となる取引への運送委託の追加等 の措置を講ずるとともに、多段階の取引当事者が連携した取組等を支援し、価格転嫁・取引適正化を徹底していく。 1.規制の見直し(下請代金支払遅延等防止法) 【規制内容の追加】 (1)協議を適切に行わない代金額の決定の禁止【価格据え置き取引への対応】 ●対象取引において、代金に関する協議に応じないことや、協議において必要 な説明又は情報の提供をしないことによる、一方的な代金の額の決定を禁止。 (2)手形払等の禁止 ●対象取引において、手形払を禁止。また、支払期日までに代金相当額を得る ことが困難な支払手段も併せて禁止。 ※手形払の禁止に伴い、割引困難な手形に係る規制を廃止。 【規制対象の追加】 (3)運送委託の対象取引への追加【物流問題への対応】 ●対象取引に、製造、販売等の目的物の引渡しに必要な運送の委託を追加。 【執行の強化等】 (5)面的執行の強化 ●関係行政機関による指導及び助言に係る規定、相互情報提供に係る規定 等を新設。 ※その他 ●製造委託の対象物品として、木型その他専ら物品の製造に用いる物品を追加。 ●書面等の交付義務において、承諾の有無にかかわらず、電磁的方法による提供を認容。 ●遅延利息の対象に、代金を減じた場合を追加。 ●既に違反行為が行われていない場合等の勧告に係る規定を整備。 (4)従業員基準の追加【適用基準の追加】 ●従業員数300人(役務提供委託等は100人)の区分を新設し、規制及び保護の対象を拡充。 2.振興の充実(下請中小企業振興法) (1)多段階の事業者が連携した取組への支援 ●多段階の取引からなるサプライチェーンにおいて、二以上の取引段階に ある事業者が作成する振興事業計画に対し、承認・支援できる旨を追加。 (3)地方公共団体との連携強化 ●国及び地方公共団体が連携し、全国各地の事業者の振興に向けた取組を 講じる旨の責務と、関係者が情報交換など密接な連携に努める旨を規定。 (2)適用対象の追加 ●①製造、販売等の目的物の引渡しに必要な運送の委託を対象取引に追加 ②法人同士においても従業員数の大小関係がある場合を対象に追加。 (4)主務大臣による執行強化 ●主務大臣による指導・助言をしたものの状況が改善されない事業者に対し て、より具体的措置を示して改善を促すことができる旨を追加。 3.「下請」等の用語の見直し(下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法等) ●用語について、「下請事業者」を「中小受託事業者」、 「親事業者」を「委託事業者」等に改める。 ●題名について、「下請代金支払遅延等防止法」を「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に、 「下請中小企業振興法」を「受託中小企業振興法」に改める。 施行期日 令和8年1月1日(ただし、一部の規定は本法律の公布の日から施行。) 110 各業界における取引適正化・商慣習是正に向けたハイレベル要請 ⚫ 2025年1月開催の 「価格転嫁、賃上げ等のチャレンジを進める中小企業を応援する車座」において、参加企業より、 価格交渉・転嫁の厳しい実態や、中小企業の利益を損ねる商慣習等について報告あり。 ⚫ 石破総理より関係大臣へ、価格転嫁、取引適正化の徹底に向けて、更なる対策を講じるよう指示。 ⚫ 中小企業が価格転嫁できるよう、価格転嫁を阻害する商慣習の一掃に向けて、「下請法の遵守状況の自主点検、価格 転嫁等を阻害する商慣習の見直し等」を、関係業界団体に対し、各事業所管省庁からハイレベルで要請。 実施状況、見通し ○経済産業省の所管業界に対する実施状況 要請内容: ①下請法遵守状況の自主点検、②下請法改正案の周知、 ③価格転嫁等を阻害する商慣習の見直し、 ④取引先の更に先を考慮した価格決定、 ⑤自主行動計画の遵守、⑥労務費指針の遵守 ・裾野が広いサプライチェーンを持つ等、中小企業の取引適正化に影響が大きい業界 (自動車、電機・電子、産業機械等 7団体)に対し、政務から直接、業界団体・企 業トップへ要請。 ・その他、経済産業省の所管する約960団体に対し、大臣名で要請文書を発出。 石破総理と車座参加企業の意見交換(1月16日) 以上を4月末までに実施。 ○建設業、トラック業、食品製造業等の事業所管省庁とも連携し、幅広い業界に要請。 各業界の取組状況を各省庁を通じてフォローアップ予定(6月)。 竹内大臣政務官による業界への要請(3月25日) 111 官公需(国・地方)における価格交渉・転嫁 ⚫ 国等の官公需で、中小企業の受注機会の増大に努力するよう定めた官公需法に基づき、中小企業の受注機会の増大に繋 がる措置等を盛り込んだ「基本方針」を、毎年度、閣議決定。 地方自治体についても、国に準じた施策を講じるよう努 める(官公需法に規定)。 ⚫ 例年、新年度が始まる前(3月頃)に「官公需に関する副大臣会議」を開催し、「基本方針」の内容(案)を、事前に 各省にハイレベルで徹底。(2025年は3月17日に開催) ⚫ ⇒ 加えて2024年度は、 総理から各省庁への「国・自治体の委託・請負契約でも、コストが上がった場合に適切に価格交 渉・転嫁に応じる」旨の指示を踏まえ、「官公需における価格交渉・転嫁」、「適正な入札手続き」についても検討。 これらを踏まえ、2025年度「基本方針」を2025年4月22日に閣議決定し、以下の価格交渉・価格転嫁に関 する更なる措置を盛り込んだ。今年は案の段階から、地方自治体への周知を徹底し、早期の対応を促した。 (価格交渉・転嫁に関する措置の例) ・契約期間が1年を超える、役務等の契約において、受注者から申出がなくとも国等から年に1回以上「契約金額の見直し が必要か」確認 ・資材価格高騰等の協議申出に対する、誠実な対応の義務化(例:「予算不足」等で協議申出を断ってはならない) ⇒ 官公需における「受注者・中小企業からの声の実態把握」についても、各省と連携して対応する。 112 成長志向の中小企業の成長・拡大 ⚫ 中小企業の中でも、売上高100億円規模の企業は、国内外の需要開拓や積極的な投資を通じて、地域経済を 飛躍的に押し上げ、賃金水準も高いなど、我が国の経済成長に大きく貢献する「切り札」。 ⚫ 売上高100億円規模の中小企業(現在、4,500者程度)を恒常的に創出するには、経営者の成長意欲と大胆 な投資拡大が必要。このため、成長・拡大を目指す企業に対して、新たに、大胆な建物・設備投資への支援 や、規模に応じた多様な経営課題(M&A、海外展開等)への支援を創設。 外需・内需の取り込み、賃上げ を高いレベルで実現している100億企業 (外需) (内需) 100億企業(売上100億円超の中小企業) は現状4,500者程度 (賃上げ) 大企業 約1,300者 中堅企業0.9万者 100億企業 4,500者程度 ・ 3 3 中 6 小 5 企 万 業 者 (出所)「直接輸出額」: 中小企業実態基本調査 対象 約172.8万社 「域内仕入高・仕入比率」: 地域未来牽引企業の中間評価に係る調査 対象 2,249社 「賃金」:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」再編加工 中小企業 (小規模以外) 約51.2万者 小規模企業 約285.3万者 (出所)総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」再編加工 113 中堅企業成長ビジョン(概要) ⚫ 賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行における中堅企業の重要性を踏まえ、中堅企業の役割や課題、官民で取り組むべき事項 をまとめた「中堅企業成長ビジョン」を策定。 ⚫ 本ビジョンを基に、非上場企業も含めた中堅・中小企業のガバナンスの充実と支援を一体的に進める枠組みの構築を進める。 114 「中小M&A市場改革プラン(仮称)」(健全な成長を促進するための3本柱) ⚫ 経営者の経営力向上は、中小企業にとって喫緊の課題である生産性向上や人手不足解消、賃上げの実現の上で重要。経 営者の若返りを進める事業承継や経営基盤の強化につながるM&Aは、そのための有力な手段。 ⚫ 今後、さらにM&Aを促進していくためには、M&A市場の規律を高め、売手を増やし、新たな買手を増やすことが必要。 この点、売手、市場、買手の3つの側面において課題が存在。 ①【売手】雇用維持や経営者保証の解除等のM&Aへの不安が存在。 ②【市場】M&A市場の活性化とともに不適切な取引も増加。 ③【買手】起業家精神や経営能力が高い優良な買手への支援が不足。 ⚫ これらの課題に対応した「中小M&A市場改革プラン(仮称)(健全な成長を促進するための3本柱)」を実行。 ①売手 不安解消や相場観の形成 (1)M&A後の経営者保証解除等の契約違反の場合、 売手の意思で買戻し又は解除する条項の検討・普及 (2)金融機関におけるM&A時の経営者保証の解除に係 る対応について監督指針に沿った対応を徹底 ※金融庁と連携して徹底を図る。 (3)支援機関(商工団体・金融機関等)による売手の 掘起しの支援、公的機関によるシンポジウム (M&Aキャラバン) (4)売手の実質的な財務状況把握のための支援の集中実 施 (5)中小M&A市場における取引データの集約・公開 による譲渡価格の相場観醸成 等 ②市場 質の高いM&A支援機関の増加 (6)M&Aアドバイザー個人の知 識・スキルに係る資格制度の創 設を検討 (7)金融機関や士業等からの人材 受け入れ等による事業承継・ 引継ぎ支援センターの体制強化 ③買手 新たな優良な買手の増加 (8)個人(従業員・サーチャー) による承継を支援するサーチ ファンド型ファンド等への支 援強化 (9)小規模案件に出資する事業承 継ファンドへの支援強化 115 再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージ 2025年3月17日 経済産業省 金 融 庁 財 務 省 再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージ 1/2 1. 2024年3月に「再生支援の総合的対策」を策定してから1年が経過。中小企業活性化協議会(以下、「協議会」)への相談件数 も過去最高水準に達し、事業再生支援ニーズはより一層高まっている状況。 2. 足下では、債権者の多数決と裁判所認可により金融債務の減免等を可能とする早期事業再生法案が閣議決定。中小企業向け には、更に、協議会や「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」を活用した支援を一層充実させていく必要がある。特に、抜本 再生・再チャレンジ案件が増加していることを踏まえ、時機を逃すことなく、「早期」に必要な支援を提供できるよう体制を強化する。 1.早期相談に向けた取組強化 ⚫ 信用保証協会から協議会への案件持込も一定の成果が出始めているが、事業再生支援ニーズの高まりも踏まえ、一層の促進。 コロナ禍で信用保証協会が実質メインとなる事業者が増加したこと等を踏まえ、信用保証協会と民間金融機関等が連携した予兆管 理の体制強化等、効果的な事業者支援の実行に向けて、経営情報のモニタリングの高度化を図る仕組みを構築するよう促す。 再チャレンジ支援が増加する中、関係機関も含め、経営状況の悪化が進んでしまった段階での相談にならないよう意識を醸成。 ① 信用保証協会向け監督指針改正後のPDCAの徹底 ⚫ ⚫ →信用保証協会による協議会への持込状況の把握や主体的な検討に基づく支援状況を確認【2025年夏頃】 ② 金融機関による「早期経営改善計画策定支援事業」の拡充・延長 →2025年2月に実施した民間金融機関による支援要件の拡充と期限延長を契機として、事業の通称をポスコロ事業からVアップ事業に変更【2025年4月~】 ③ 中小企業・小規模事業者の経営状況の「予兆管理における着眼点」を整理・公表 →信用保証付融資先の予兆管理の取組を促進【2025年3月】 ④ 経営悪化の予兆が検知された場合の情報共有・連携の考え方を整理・公表 →税理士等の認定経営革新等支援機関とも連携し、経営状況のモニタリング結果の活用の在り方を検討【2025年3月】 ⑤ 中小企業・小規模事業者が一定の経営情報を提供するインセンティブの具体化 →予兆管理・モニタリングの強化に向けて、中小企業による経営情報の提供を要件とした支援策の導入等を検討【2025年度中】 ⑥ 再チャレンジ事例集の公表 →早期決断による円滑な再チャレンジの意識醸成に活用【2025年4月】 116 再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージ 2/2 2.事業再生支援の体制強化 ⚫ ⚫ ⚫ 事業再生支援ニーズの高まりに対応すべく、政府系金融機関との連携も含め、各地域での事業再生支援の専門家育成を一層促進。 対象事業者が躊躇せず、円滑な再チャレンジフェーズに移行できるよう、再チャレンジ支援内容を拡大。 信用保証付融資割合の高い事業者の相談が増えている中で、抜本再生のための求償権放棄手続を迅速化。 中小企業活性化協議会・事業再生GL 政府系金融機関 保証付融資の求償権放棄円滑化 ① トレーニー研修制度・協議会補佐人制度の活用 や全国本部のサポート強化等による専門家育成 ① 日本政策金融公庫等の事業再生等に関する ノウハウ・ネットワークの活用 ① 「自治体における求償権放棄手続の手引 (仮称)」の策定・公表 →トレーニー派遣の経験ある地銀・信金・信用保証協会 割合を5割に →協議会補佐人制度の活用協議会を倍増 → 「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の第三 者支援専門家不在地域を解消(12→0) →全国本部によるサポート体制強化により低評価協議会 を中心とした協議会の支援レベルを向上【2025年度 中】 →全国ネットワークを通じた事業再生支援のノウハウを 活かし、引き続き関係機関(民間金融機関、協 議会)との連携を促進 →事業再生途上にあり、事業承継の課題も抱える事 業者に対して、関係機関と連携した計画策定支援 の促進 (※)事業再生に限らず、後継者不在の事業者等 と創業希望者等を結ぶ「事業承継マッチング支援」 等の実施 →自治体内手続迅速化に向け、手続時の参考 資料を提供【2025年夏頃】 ② 商工中金の事業再生支援機能の強化 ② 再チャレンジ支援の拡充 →一定の条件の下、主たる債務である法人の債務整理 に係る費用等に対する支援を実施【2025年3月~】 ③ 個人事業主の債務免除益の税務上の取扱いの 明確化 →協議会スキーム及び「中小企業の事業再生等に関する ガイドライン」に基づき策定された再生計画により個人 事業主が債務免除を受けた場合の税務上の取扱いを、 国税庁への照会により明確化・公表【2025年1月】 民間金融機関 ① 「経営者保証改革プログラム」等に関する 取組状況のフォローアップ →民間金融機関が経営者保証を締結する際の 説明・記録の状況等をフォローアップ【2025年】 →協議会との事業再生ノウハウ共有や人的サポート・ 連携体制を強化【2025年春頃】 ② 経営改善・事業再生支援の取組状況の →経営改善に向けた長期戦略策定サービスを創設し、 フォローアップ 本部の専門人材が営業店と一体的に策定を支援 →早期の経営改善・事業再生支援に向けた民間 【2025年春頃】 金融機関の取組状況(「早期経営改善計画 →全国型再生ファンド活用促進、地銀との連携強化 策定支援事業」の活用状況、事業承継・ →本部において事業再生の専門人材の配置を拡大 M&Aに係る支援の状況含む)をフォローアップ するとともに、社内資格の「経営サポーター」取得者 【2025年度】 のノウハウ向上により、商工中金の対応力を底上げ 3.その他経営改善・事業再生に資する支援インフラの整備 ① 「経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)制度」の開始 →協議会等の関与のもとで策定した計画の実行に必要な資金を、信用保証付融資 で支援【2025年3月14日~】 ② 日本政策金融公庫等の通常資本性劣後ローンの拡充 →コロナの影響の有無によらず、過大な債務等に苦しむ事業者の財務基盤を強化 【2025年3月~】 ③ 「協調支援型特別保証制度」の開始 →民間金融機関によるプロパー融資を含む金融仲介機能の一層の発揮【2025 年3月14日~ 】 ④ 日本政策金融公庫等のセーフティネット貸付金利引下げ措置の延長 →原油価格上昇等の物価高騰に苦しむ事業者向けの資金繰り支援を継続 【2025年4月~】 117 省力化・デジタル化(省力化投資補助金・IT導入補助金の拡充・運用改善) ⚫ 中小企業の生産性向上・省力化の実現に向け、政府では、設備導入を中心とした省力化投資を支援する中 小企業省力化投資補助金(令和6年度補正で3,000億円に再編)、中小企業のDX推進に向けたITツール の導入を支援するIT導入補助金(令和6年度補正で3,400億円の生産性革命事業の内数)という2つの大 規模な措置を実施。 ⚫ これらの措置を執行しながらも、業界・事業者のニーズに応じて、政策効果を最大化するため、不正対策 を講じつつ、より使い勝手のよい支援になるような運用の改善を実施。 中小企業省力化投資補助金の拡充・運用改善 IT導入補助金の拡充・運用改善 ◯次期制度において、以下を実施。 〇既存のカタログ型補助金の運用改善(主なもの) 項目 改善内容 申請受付の柔軟化 随時受付 補助対象の拡充 省力化に資する置き換え(リプレース)、レン タル、ファイナンス・リース等、事業者から ニーズの高い取引を新たに対象化 順次反映済(令和6年秋~) 価格に関する考え方 の見直し ビジネスの実態に合わせた価格設定や価格公表 の在り方を検討の上、見直し 反映済(令和7年2月) 〇一般型(個別発注型)の創設 • • 実施時期 カタログ型では捉えきれない、カスタマイズ機器やソフ ト+ハードの省力化製品も対象化予定。 中小企業等の個別の現場の設備や事業内容等に合わせた 設備導入・システム構築等の多様な省力化投資を促進。 反映済(令和6年8月) (一般型の対象製品イメージ) ・カスタマイズ機器 ・ソフト+ハード ➢ これまで単独申請不可だった汎用ツールのうち、 一部のITツールを単独申請可能とする ➢ ITツールの導入効果を高めるため、ツール導入後 のサポートを新たに補助対象化 ➢ セキュリティ枠の補助額・補助率引上げ ※簡素な申請による中小企業の活用促進を維持しつ つ、ITベンダー・ITツールの登録審査強化といっ た不正対策を実施 118 域内循環型産業(エッセンシャルサービス):「地域協同プラットフォーム」構想 ⚫ 人口減少地域では、「買い物難民問題」等に代表されるように、生活に不可欠な基盤的サービス(※エッセンシャル・サービス)の供給 が難しくなりつつあり、今後、さらに深刻化する状況。 ※卸小売、物流、介護、ヘルスケア、教育・保育・学童、家事支援サービス、葬祭業、給油所、地域交通等 ⚫ 営利を追求する企業では、人口減少地域でのビジネスの継続は困難。他方、地方自治体による基盤的サービスの供給能力にも限界。 ⚫ そこで、省力化・デジタル化・協同化等の生産性向上を図る取組により、恒常的な赤字構造には陥らない程度に利益を確保してサービス 供給を維持・発展させていく事業主体として、協同組合や住民出資会社等を主体とした新たな共助型事業体「地域協同プラットフォー ム」を創造・支援することが必要。 人口減少 地域 人口減少地域 大企業 郵便局 撤退 地域住民出資 サービス圏(縮小) 全市町村1718のうち、半数以上の885(約52%)が過疎関係市町村であり、 地域における基盤的サービスの維持は、全国的な問題 人口密度の低下や人手不足により、ビジネスを維持できない事業者がサービス 圏の縮小や撤退を余儀なくされている状況(既存の営利企業の限界) デジタル化 経営合理化 協同事業化 中小金融 地域協同 プラットフォーム 撤退 赤字・人手不足・後継者不在 国・ 自治体 (協同組合、住民出資 会社、非営利団体等) 地域住民出資 協同労働 サービス圏(維持・拡大) デジタル化、協同事業化、協同労働等により形成され た新たな共助型事業体「地域協同プラットフォーム」 によって、基盤的サービスの供給圏を維持・拡大 119 域外開拓型産業(製造業等):国内立地の促進により不足する産業用地 ⚫ GX・DXや中堅企業振興等の政策後押しも相まって、国内投資が潮目の変化を迎える中、全国的に産業用地、インフラ の不足が顕在化。 ⚫ 産業用地については、新規立地が新規造成を継続的に超過しており、分譲可能な用地面積がこの10年で半減。産業用 地の整備には時間を要す(一般に約3~5年)中で、新規立地のボトルネックとならないよう、新規造成の加速および 既存用地の活用が必要。 産業団地を確保できていないと回答した42府県の産業用地の需給状況 産業用地に関わる課題 ✓ ①新規造成(フロー0.1万ha/年): ✓ 用地取得や土地利用調整手続の円滑さ ✓ 自治体の産業用地整備ノウハウの脆弱化 ✓ 自治体の産業用地・インフラ投資へのリスク回避的傾向 ✓ ②整備済みで未利用の産業用地(ストック1.0万ha): ✓ 非公表情報が多く、企業による適地情報へのアクセス手 段が限定的 ✓ ③重厚長大産業の大規模跡地(ストック2.8万ha): ✓ 用途転換には、環境影響調査だけでなく、場合によって は土壌汚染除去が必要 (出所)一般財団法人日本立地センター「産業用地ガイド」及び経済産業省「工業立地動向調査」を基に作成。 ✓ だがその予見可能性が低く、調査開始を躊躇 (注1)都道府県・市町村・開発公社・民間ディベロッパーが事業主体となっている全国の造成済・造成中の工業団地、流通団地、研究団地、業務団地等及び集合工場について、日本立地センターが全都道府県に聞き取り調査を行い、都道府県から報 告のあった全ての用地を集計(各年10月時点の内容)。 (注2)経済産業省が実施した各都道府県・政令市向けアンケート調査(2023年実施)において、 「貴都道府県等では、現時点で、①の企業等からの問い合わせ(ニーズ)に応えられる産業団地(貴都道府県等が開発したものに限らず、市町村や民 間が開発したものも含む)を確保できていると認識されていますか。」という質問に対して、「確保できていない」と回答した42自治体を抜粋。 (出所)各企業へのヒアリング等を基に経済産業省作成 120 産業用地マッチング事業の実施について ⚫ 工場適地にかかる情報を把握するために毎年度全市町村に対して実施する、工場立地法に基づく工場適 地調査の結果を活用し、産業用地を探している企業の求めに応じて、自治体とのマッチングの仕組みを 構築し、円滑な企業立地の促進を図る。 ⚫ 具体的には、工場適地調査において収集・公表した工場適地に加え、市町村が工場適地の候補とした用 地(従来は公開していなかった土地)についても、自治体の同意を得た上で活用し、専門人材が間に入 り、企業が求める立地条件に関する自治体との調整も含めてマッチングを行う。 事業スキーム 経済産業省 ①工場適地調査結果 (適地及び適地候補(※))の提供 日本立地センター ③状況確認・調整 自治体等 ②適地 問い合わせ ④適地&自治体 紹介 ⑤マッチング 企業 (※)適地候補(台帳情報)のうち提供するものについては、自治体の同意が得られたものに限る。 121 自治体と民間事業者が連携した産業用地整備促進 ⚫ 迅速な開発、財政負担軽減、ノウハウの補完等の様々な利点から、自治体が産業用地整備を行う際に、民 間ディベロッパー等との官民連携のニーズが高まっている。 ⚫ このため、自治体と民間ディベロッパー等が連携して取り組む産業用地整備の促進や、地域未来投資促進 法を活用した円滑な土地利用調整事例の展開が必要。 官民連携の産業用地整備のメリット 68.3% 行政主導よりも迅速な開発 産業用地造成の資金面の負担 66.7% (財政負担軽減) 開発ノウハウや技術的見地の 63.3% 補完 58.3% 地権者交渉・取りまとめ その他 1.7% 自治体における官民連携の採用意向 佐賀県鳥栖市の例 • 佐賀県鳥栖市と民間事業者(東急不動産㈱× 日本国土開発㈱×丸紅㈱)が連携協定を締結 し、地域未来投資促進法に基づく佐賀県の 基本計画に沿って、産業団地を整備する予 定(34ha程度)。 • 地域未来法の承認 要件を満たしうる、 一定の大型案件を 含む企業誘致を実 施。土地利用調整 も実施予定。 関係者による協定締結式 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% (出所)経済産業省「自治体向けアンケート・ヒアリング調査」(2024年)を基に作成。左図(棒グラフ)は既に官民連携による用地造成済み又は造成中の60自治体が回答。 (出所)佐賀県鳥栖市ホームページ等をもとに経済産業省作成 右図(円グラフ)は全回答者(545自治体)が回答 122 跡地再活用に向けた土壌汚染対策の課題と対応 ⚫ 臨海部の大規模工場やその跡地・遊休地において、土壌汚染対策法の制度的規制、資金面(土壌汚染対策費用や建物解 体費用等)の負担等を要因に、他用途への転換が円滑に進まない場合がある。 ⚫ 現在、環境省において、中央環境審議会に土壌制度小委員会を設置し、複雑化した制度・運用の合理化と地歴情報(土 地利用の履歴)の適切な管理・承継の強化等の観点から、土壌汚染対策法の見直しに向けた検討が進められている。 ⚫ 経済産業省は、土壌汚染対策法を所管する環境省の検討に関し、円滑な土地の有効活用の観点から連携することとし、 例えば、人の健康被害が想定されにくい臨海部等の工業地域等に対する制度の合理化等を目指す。 「土壌汚染対策法の見直しに向けた検討の方向性」(要約) 土壌制度小委員会における産業界の意見(要約) 令和6年6月 土壌汚染対策法の施行状況等に関する検討会(報告書) • 複雑化した現行の制度・運用を合理化し、関係者にとって分かり やすいものに転換する。 • 地歴調査の契機は拡充、試料採取等調査は健康リスクの程度に応 じて対象等を合理化。 • 管理される健康リスクの範囲は維持しつつ、複雑化した区域指定 制度等を合理化。 • 有害物質使用特定事業場の敷地の土地の所有者等が変更される際 には、地歴調査の実施を義務づけた上で、例えば、その結果を新 しい所有者等に当事者間で承継することを義務とすることを検討。 • 費用負担能力が低い者も考慮した見直し後の制度の実効性の確保。 (出所):中央環境審議会水環境・土壌農薬部会土壌制度小委員会(令和6年9月18日開催)資料7-1、資料7-2 ⚫ 臨海部の工業地域について ✓ 住民による地下水飲用や土壌の直接摂取による健康被害の恐れが低いこ とから、工業専用地域を前提とする臨海部特例区域は、従来とは別の枠 組みでの管理を検討すべき。(日本経済団体連合会) ✓ 臨海工業地域等は、部外者の立入・汚染土壌の敷地外への移動・飲用井 戸もなく、健康被害のおそれのリスクは小さく、土地利用のメリットは 大きいため、当該地域は「届出対象外」とした運用をお願いしたい。 (日本化学工業協会) ✓ 臨海部に立地する製鉄所の形質変更時要届出区域は、工業専用地域で一 般住民の立ち入りはなく、地下水を飲用していないことから、人健康リ スク被害のおそれは極めて低い。人健康リスクに応じた適切で合理的な 見直しをお願いしたい。(日本鉄鋼連盟) 123 地方への本社機能移転の更なる促進 ⚫ 2015年度に内閣府が地方拠点強化税制を創設。地方に本社機能を有する業務施設を整備する場合、計画認 定を受けた事業者に対し、建物の取得価額や雇用者増加数に応じた税額控除等の特例措置を講じてきた。 ⚫ これまで累次に拡充してきたが、東京23区からの移転は少ない(累計約700件中10%程度)状況。 ⚫ 企業誘致に成果を上げている自治体では、都会に出た若者・女性がUターンして働きたいと思うような仕 事への誘致活動のターゲティングや地元企業や地域の団体・キーパーソンとの協働に共通点が見られる。 ⚫ 地方への本社移転を更に促進するため、企業への更なるインセンティブ付けによる自治体の誘致活動の活 性化とともに、先進的な自治体の事例の普及や、他施策と連携した取組の推進が重要。 本社機能移転の例 ○(株)サザンクロスシステムズ 宮崎県宮崎市 • 事業拡大や地域のDXに貢献するため、創業者の地元の宮崎へ 本社機能を東京から一部移転。 • 大学等と連携して、地域のIT人材 を育成。 • 空港近くに新オフィスを整備する ことで、オフィス自体がリクルー ト等の宣伝広告に。 企業誘致に積極的に取り組む自治体の例 ○静岡県庁 • 大規模な工場誘致を行う部署とは別部署で、若者・女性が働 きたいと思う業種(IT・コンサル・広告・デザイン関連等) に絞った企業誘致を重点的に実施。 • 静岡進出に関心のある企業を連れて静岡県内を案内するツ アーを行い、地元企業や地域の団体・キーパーソンを紹介。 • その結果、静岡県は地方拠点強化税制の認定件数99件と活 用度が全国1位。 (出所)(株)サザンクロスシステムズHPより 124 政策の方向性③ ~成長投資を実現する経済基盤の強化~ ⇒国内外のリスクに対応し、世界の中で日本が投資先として選ばれる立地競争力を形成 (1)GX2040ビジョン・エネルギー基本計画の着実な実現 ⇒GX2040ビジョンやエネルギー基本計画を踏まえ、エネルギー安定供給・経済成長・脱炭素の同時実現を図る取組を加速 ⚫ 支援と規制が一体的となったGX産業政策の推進(GX経済移行債の効果的活用とカーボンプライシング・サーキュラーエコ ノミーに関する制度整備、GX産業立地の推進【再掲】等) ⚫ 再エネ・原子力などの脱炭素電源の最大限活用、それに向けた事業環境等の整備、水素・アンモニア・合成燃料・合成メタ ンやバイオ燃料の活用促進、CCSのバリューチェーン構築、徹底した省エネと非化石転換及びDRの導入拡大促進、石油・ 天然ガスの安定供給のための環境整備、地域の燃料供給体制の強化等 ⚫ 大前提である最重要課題としての福島の復興・再生に向けた取組 (2)不確実性を増す世界経済における事業環境の再構築 ⇒世界経済の断片化が進む中、外需獲得も見据え、国際的な事業環境の予見可能性を高める ⚫ 経済外交の強化(二国間外交、G7・WTO・CPTPPを含むEPA等の国際枠組みの活用、グローバルサウス・同志国との連 携強化等) ⚫ 国際的なルールメイキングの推進(非価格要素による公正な市場の形成、AZECの具体化等) ⚫ 外需獲得に向けた輸出促進(相手国市場の整備、NEXIリスク対応能力強化等) (3)経済安全保障の確立・強化 ⇒我が国を取り巻く脅威・リスクに対応するため、強靱な産業・技術基盤を構築 ⚫ 経済インテリジェンス機能の強化、市場・技術を守り・育てる同志国での協力枠組みの構築 ⚫ 自律性に加え不可欠性の強化も意識したサプライチェーン強靱化、技術・データの保護、防衛産業の基盤強化等 125 GX2040ビジョンとエネルギー基本計画 ⚫ 国際情勢の緊迫化やGX・DXの進展に伴う電力需要増加の可能性など、投資環境への不確実性が高まる中、 中長期の見通しとして「GX2040ビジョン」を策定し、2025年2月に閣議決定された。 ⚫ 2040年度に向け、同じく閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」と一体的に遂行。 <GX2040ビジョンの概要> <第7次エネルギー基本計画(エネ基)のポイント> 126 第11回GX実行会議(2024年5月13日) 資料1より抜粋のうえ加工 脱炭素電源投資の重要性 ⚫ 半導体工場の新規立地、データセンター需要に伴い、国内の電力需要が約20年ぶりに増加していく見通し。 2050CNに 向けた脱炭素化とあいまって、 大規模な電源投資が必要な時代に突入。これまでの電力システム改革時には必ずしも想 定されていなかった状況変化が生じている。 ⚫ 脱炭素電源の供給力を抜本的に強化しなければ、脱炭素時代における電力の安定供給の見通しは不透明に。 ※電力広域的運営推進機関は、2024年度から29年度にかけて電力需要が年率0.6%程度で増加する見通しを公表(2024年1月)。 需要が減少する中で 電力システム改革を実施 最終電力消費 (億kWh) 約20年ぶりの需要増 に対する電源投資 総括原価制度の元で 積極的に電源投資を実施 9067億kWh CNのための電源の 脱炭素化投資 今後投資が 必要な 脱炭素電源 火力 72.7% 原子力5.6% 再エネ 21.7% 2022 (出所)総合エネルギー統計 脱炭素電力 (現行需要の3割程度) 2050 年度 127 「成長志向型カーボンプライシング構想」(2023年2月GX基本方針) 「GX2040ビジョンの概要(詳細版)」(2025年 2月18日)より抜粋のうえ加工 ⚫ 規制・支援一体型の成長志向型カーボンプライシング構想により、10年間で150兆円超の官民GX投資 ① 「GX経済移行債」*を活用した、「分野別投資戦略」に基づく、20兆円規模の大胆な先行投資支援 * 2050年度までに償還 ② カーボンプライシングの導入 ⅰ)28年度から「化石燃料賦課金」を導入 ⅱ)33年度から発電事業者に対する排出枠の有償オークションの導入(26年度から排出量取引制度本格稼働) ③ 新たな金融手法の活用:GX推進機構による債務保証 GX経済移行債 金額 20兆円規模 の投資促進 等 将来財源としても活用 150兆円超のGX投資の実現 <カーボンプライシング> ・化石燃料賦課金 (28年度~) ・発電事業者への有償オークション(33年度~) ※排出量取引制度の本格稼働(26年度~) ※GX経済移行債は2050年度までに償還 投資促進 投資規模(BAU) 2023 時間軸 2032 2050 128 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び 資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律の概要 ※脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)、資源の有効な利用の促進に関する法律(資源法) 背景・法律の概要 ✓ 2023年度成立の「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」に基づき、我が国では、2050年カーボンニュートラルの実現と経済 成長の両立(GX)を実現するための施策として、成長志向型カーボンプライシング構想の具体化を進めているところ。 ✓ 脱炭素成長型の経済構造への円滑な移行を推進するため 、(1)排出量取引制度の法定化、(2)資源循環強化のための制度の新設、 (3)化石燃料賦課金の徴収に係る措置の具体化、(4)GX分野への財政支援の整備を行う。 (1)排出量取引制度(GX推進法) ① 一定の排出規模以上の事業者の参加義務づけ • 二酸化炭素の直接排出量が一定規模(10万トン)以上の事業 者の参加義務化。 ② 排出枠の無償割当て(全量無償割当) • トランジション期にある事業者の状況を踏まえ、業種特性も考慮した 政府指針に基づき排出枠を無償割当。割当てに当たっては、 製造拠点の国外移転リスク、GX関連の研究開発の実施状況、 設備の新増設・廃止等の事項も一定の範囲で勘案。 • 割り当てられた排出枠を実際の排出量が超過した事業者は排出枠 の調達が必要。排出削減が進み余剰が生まれた事業者は排出枠 の売却・繰越しを可能とする。 ③ 排出枠取引市場 • 排出枠取引の円滑化と適正な価格形成のため、GX推進機構が 排出枠取引市場を運営。 • 金融機関・商社等の制度対象者以外の事業者も一定の基準を満 たせば取引市場への参加を可能とする。 ④ 価格安定化措置 • 事業者の投資判断のための予見可能性の向上と国民経済への過 度な影響の防止等のため、排出枠の上下限価格を設定。 • 価格高騰時には、事業者が一定価格を支払うことで償却したもの とみなす措置を導入。 • 価格低迷時には、GX推進機構による排出枠の買支え等で対応。 ⑤ 移行計画の策定 • 対象事業者に対して、中長期の排出削減目標や、その達成のた めの取組を記載した計画の策定・提出を求める。 ※排出量取引制度を基礎として、2033年度より特定事業者負担金の徴収を開始する。 (2)資源循環の強化(資源法・GX推進法) ① 再生資源の利用義務化 • 脱炭素化の促進のため、再生材の利用義務を課す製品を特定し、当該製品 の製造事業者等に対して、再生材の利用に関する計画の提出及び定期報 告を義務付け。 • GX推進機構は、当該計画の作成に関し、必要な助言を実施。 ② 環境配慮設計の促進 • 資源有効利用・脱炭素化の促進の観点から、特に優れた環境配慮設計 (解体・分別しやすい設計、長寿命化につながる設計)の認定制度を創設。 • 認定製品はその旨の表示、リサイクル設備投資への金融支援など、認定事 業者に対する特例を措置。 ③ GXに必要な原材料等の再資源化の促進 • 高い回収目標等を掲げて認定を受けたメーカー等に対し廃棄物処理法の特 例(適正処理の遵守を前提として業許可不要)を講じ、回収・再資源化の インセンティブを付与。 ④ CE(サーキュラーエコノミー)コマースの促進 • シェアリング等のCEコマース事業者の類型を新たに位置づけ、当該事業者 に対し資源の有効利用等の観点から満たすべき基準を設定。 (3)化石燃料賦課金の徴収(GX推進法) • 2028年度より開始する化石燃料賦課金の執行のために必要な支払期限・ 滞納処分・国内で使用しない燃料への減免等の技術的事項を整備する。 (4)財政支援(GX推進法) • 脱炭素成長型経済構造移行債の発行収入により、戦略税制のうち、GX 分野の物資に係る税額控除に伴う一般会計の減収補塡をする。 129 GX経済移行債による投資促進策(案)※令和6年末時点 製 造 業 運 輸 く ら し 等 措置済み R6FY補正 R7FY 【約3.3兆円】 ※R6FY補正予算額 (国庫債務負担行為込) ※R7当初予算額 官民 投資額 GX経済移行債による主な投資促進策(R4補正~R6当初)(国庫債務負担行為込) 鉄鋼 化学 紙パルプ セメント 3兆円~ 3兆円~ 1兆円~ 1兆円~ ・多排出製造業の製造プロセス転換に向けた設備投資 支援(革新電炉、分解炉熱源のアンモニア化、ケミカルリサイ クル、バイオケミカル、CCUS、バイオリファイナリー等への転換) 自動車 34兆円~ 蓄電池 7兆円~ ・定置用蓄電池導入支援 航空機 4兆円~ ・次世代航空機開発等の支援 SAF 1兆円~ ・SAF製造・サプライチェーン整備支援 276億円 船舶 3兆円~ ・ゼロエミッション船等の生産設備導入支援 94億円 くらし 14兆円~ ・電動車(乗用車)の導入支援 ・電動車(商用車等)の導入支援 ・生産設備導入支援 ・家庭の断熱窓への改修 ・高効率給湯器の導入 ・商業・教育施設等の建築物の改修支援 ・高い省エネ性能を有する住宅の導入支援 資源循環 2兆円~ ・循環型ビジネスモデル構築支援 半導体 ・パワー半導体等の生産設備導入支援 ・AI半導体、光電融合等の技術開発支援 12兆円~ ・既存原燃料との価格差に着目した支援 水素等 5年:4,247億円 (256億円) 327億円 2,191億円 545億円 8,274億円 1,100億円 400億円 3年:400億円 (150億円) 5年:868億円 (81億円) 278億円 5年:300億円 (102億円) 1,350億円 2,350億円 580億円 580億円 110億円 3年:344億円(112億円) 500億円 4,329億円 1,031億円 1,576億円 次世代再 エネ 7兆円~ 31兆円~ ・ペロブスカイト太陽電池、浮体式洋上風力、水電解装 置等のサプライチェーン構築支援 57億円 5年:1,460億円 (610億円) 548億円 ・高速炉/高温ガス炉実証炉開発 1兆円~ CCS 4兆円~ ・ディープテック・スタートアップ育成支援 分野横断的措置 686億円 1,740億円 5年:2,025億円 (300億円) 410億円 8,060億円 ・GX実装に向けたGX機構による金融支援 1,200億円 90億円 ・Scope3削減に向けた企業間連携省CO2投資促進 ・GXリーグ運営 税制措置 ・自動車等も含め、3年間で2兆円規模の支援を措置(GX経済移行債以外も含 む)※R5年末時点 ・別途、GI基金での熱分解技術等へのR&D支援を措置 ・別途、GI基金でのパワー半導体等へのR&D支援を措置 ・供給開始から15年間で3兆円規模 ※R5年末時点 ・別途、GI基金でのサプライチェーンのR&D支援を措置 ・EPCへの支援は、FEED事業の結果を踏まえ検討 ・設備投資等への支援総額は10年間で1兆円規模 ※R5年末時点 ・別途、GI基金でのペロブスカイト等のR&D支援を措置 ・先進的なCCS事業の事業性調査等の結果を踏まえ検討 ・GI基金等によるR&D ・地域脱炭素交付金(自営線マイクログリッド等) ・別途、GI基金でのアンモニア船等へのR&D支援を措置 3年:1,152億円 (829億円) 3年:93億円 (60億円) ・次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サ プライチェーン構築支援 ・CCSバリューチェーン構築のための支援(適地の開発等) ・中小企業を含め省エネ補助金による投資促進等 ・5年間で1,200億円規模の支援 ・別途、GI基金での次世代航空機のR&D支援を措置 ・別途、GI基金でのSAFのR&D支援、SAFの生産量等に応じた税額控除を措置 50億円 ・ペロブスカイト導入促進モデル構築支援 原子力 1,797億円 5年:3,897億円 (357億円) 89億円 ・水素等の供給拠点の整備(FEED事業) エ ネ ル ギ ー 12億円 3年:400億円 (180億円) 85億円 ・設備投資への支援総額は10年間で1.3兆円規模 ※R5年末時点 ・別途、GI基金での水素還元等のR&D支援、グリーンスチール/グリーンケミカルの生産量等 に応じた税額控除を措置 ・別途、GI基金での次世代蓄電池・モーター、合成燃料等のR&D支援、EV等の生 産量等に応じた税額控除を措置 ・別途、GI基金での全固体電池等へのR&D支援を措置 1,778億円 85億円 備考 ・グリーンスチール、グリーンケミカル、SAF、EV等の生産量等に応じた税額控除 760億円 ・3年間で7,000億円規模の支援 ※R5年末時点 300億円 ・5年間で2,000億円規模の支援(GX機構のファイナンス支援を含む) ※R5年末時点 ・R2第3次補正で2兆円(一般会計)措置/・今後1,200億円規模の支援を追加で措置 700億円 15億円 ・債務保証によるファイナンス支援等を想定 85億円 3年:50億円 (20億円) 31億円 ※上記の他、事務費(GX経済移行債の利払費等)が542億円 R6補正以降の予算措置:2兆7,147億円(R6補正: 7,711億円(緑下線)、R7当初:7,258億円(紫下線))。これまでの措置済(国庫債務負担行為含む)と青字を含めると約14兆円 130 脱炭素電源や水素等の新たなクリーンエネルギー近傍への産業集積の加速、 ワット・ビット連携による日本全国を俯瞰した効率的・効果的な系統整備 投資促進策と企業立地の連携のイメージ 「GX2040ビジョンの概要(詳細版)」 より抜粋のうえ加工(2025年2月18日) 太陽光導入量とDC導入箇所の場所のギャップ 脱炭素エネルギー立地(洋上風力・原子力) 石油化学コンビナートの立地 (出所)令和6年7月11日 GX実現に向けた専門家ワーキンググループ 資料1及び7月23日 GX2040リーダーズパネルにおける岡本浩氏の資料より事務局作成 131 通商戦略の全体像(案) 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2より抜粋の上加工 (2025年4月17日) 情国 勢際 ①格差拡大を背景とした保護主義・国際経済秩序の揺らぎ、②過剰供給・過剰依存による脅威の顕在化、 ③グローバルサウスを巡る競争の激化、④デジタル化がすべてを飲み込む時代、⑤競争力強化策としての環境エネルギー政策 目 標 「世界の課題解決を通じて日本の世界における付加価値を最大化」 (輸出額及び対外直投収益の増加、交易条件の改善、自律性の確保) 「不確実な世界においても信頼できる経済パートナーで在り続ける」 (国際社会におけるビジョン) (1)保護主義の台頭を踏まえた国際経済秩序の揺らぎへの対応 国際経済秩序の再構築を目指しながら、Win-Win関係を積み上げ、信頼できる経済パートナーとして国際社会に貢献 通 商 政 策 の 柱 ・ 主 要 施 策 <主要施策> • Win-Winの二国間関係の積み上げ • イシューに応じた同志国との連携・共創(AZEC、G7での経済安保連携等) • 国際経済秩序の維持・強化・再構築(WTOの機能回復・強化、CPTPP一般見直し・新規加入、EPA・投資協定の拡大、秩序の再構築に向けた検討、万博の活用等) • グローバルサウス諸国との関係強化(地域別・国別戦略等) • 国際情勢に関するインテリジェンス機能の強化 (2)海外活力の取り込みに向けた輸出市場の確保とグローバルサウス・同志国との共創 保護主義台頭と国内投資増強を踏まえた輸出市場の確保とグローバルサウスや同志国との共創による日本企業の高付加価値化 <主要施策> • ルール・環境整備(経済外交の推進、貿易手続のデジタル化、研修事業、標準化、模倣品対策等) • グローバルサウス市場の獲得(マスタープラン策定・実証支援、貿易保険事業の財務基盤強化、人材育成・交流等) • サービス輸出・海外展開の政策支援の強化(同志国連携、コンテンツ輸出支援等) • 中堅・中小企業の輸出・海外展開支援の強化(新規輸出1万者支援プログラム、民間の支援ビジネス、高度外国人材採用支援、知財活用支援等) (3)サプライチェーン強靱化に向けた内外一体の経済政策 国内サプライチェーンの維持・強化、資源・重要物資の安定供給といった自律性強化に向け、同志国との施策・制度協調や国内制度整備等 <主要施策> • 保護主義に対応した国内サプライチェーンの維持・強化(米国の自動車関税発効等を受けた支援策、各種国内施策) • 同志国間での国際協調・連携の推進と国内施策の検討(非価格基準、規制的アプローチ、人権等) • 有事の対応も含めた国際協力枠組みの拡大(二国間及び多国間、各セクター別) • サプライチェーン強靱化に資する日本企業の海外展開支援(実証支援等) • エネルギー・鉱物資源の権益確保・調達先多角化の推進(資源外交、JOGMEC、NEXI等) 132 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2より抜粋の加工(2025年4月17日) Win-Winな二国間関係の積み上げ ⚫ 保護主義の台頭など、国際経済秩序が揺らぐ中、二国間において対話を粘り強く進め、自由貿 易・経済安保の確保、各国とのwin-winな関係の構築を目指す。 二国間の主な機会(2025年) 1/10 1/11 1/12 2/7 2/21 2/26 3/7 3/10 3/26 3/30 3/30 石破総理とマレーシア・イブラヒム首相との会談 石破総理とインドネシア・スビアント大統領との会談 日・サウジ・ビジョン2030閣僚ラウンドテーブル 石破総理と米国・トランプ大統領との会談 武藤大臣とタイ・ピチャイ副首相との会談 武藤大臣とベトナム・ジエン商工大臣との会談 日英経済版2+2閣僚会合 第2回日英戦略経済貿易政策対話(閣僚級) 武藤大臣と米国・ラトニック商務長官との会談 武藤大臣と米国・グリア通商代表との会談 武藤大臣と米国・ハセット国家経済会議委員長との会 談 武藤大臣と米国・ハガティ連邦上院議員との会談 石破総理とブラジル・ルーラ大統領との会談 武藤大臣と韓国・安徳根産業通商資源部長官との会談 武藤大臣と中国・王文濤商務部長との対談 →更なる機会を追求 多国間の主な機会(2025年) 3/30 5/15-16 6/3-4 日中韓経済貿易大臣会合(韓国) APEC貿易大臣会合(韓国) OECD閣僚理事会および関連会議(フランス) WTO非公式閣僚会合等関連会議 6/15-17 G7サミット(カナダ) 9月中 国連総会(米国) 10/10 G20貿易投資大臣会合(南ア) 10/26-11/1 APEC閣僚会議・首脳会議(韓国) 11/10-21 COP30(ブラジル) 11/22-23 G20サミット(南ア) →多国間での合意に加え、二国間会談も同時に追求 133 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2 より抜粋の上加工(2025年4月17日) 国際経済秩序の維持・強化・再構築(CPTPP一般見直し・新規加入) ⚫ 一般見直しを通じ、現代的な課題(サプライチェーン強靱化等)に対応できるよう、協定の アップグレードを図り、「ゴールドスタンダード」を維持するとともに、世界の貿易ルール形 成をリード。 ⚫ 新規加入については、オークランド原則(※)を満たすことを前提としつつ、高いレベルの ルール適用拡大を目指すとともに、透明性のある履行を確保。 ※閣僚間で合意した、①ハイスタンダードの維持を大前提としつつ、②それらエコノミーの貿易に関するコミットメン トの遵守状況、すなわちトラックレコードを考慮しながら、③締約国のコンセンサスで対応していくという原則 一般見直し • 2023年に一般見直しに関する付託事項 (TOR)を閣僚間で承認。 • 2024年には、TORを踏まえ、電子商取引等の 既存分野の見直しに加え、現代的な課題に対 応するべく、サプライチェーン強靱化、市場 歪曲的慣行等の分野について議論。 • 2025年は引き続き、TPP委員会に向けて見直 しの議論を継続。 新規加入 • 2024年11月にコスタリカの加入作業部会を決定。 • 2024年12月に英国の加入議定書が発効。これに より英国がCPTPPのメンバーに正式加入。 • 現在、中国、台湾、エクアドル、ウルグアイ、ウ クライナ、インドネシアがCPTPP加入要請を提出。 締約国間で対応を検討中。 134 グローバルサウス諸国との関係を強化 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ 我が国企業の「勝ち筋」が見える国・分野等を踏まえ、優先度に応じて戦略的かつ集中的に グローバルサウス諸国への事業展開に関するマスタープラン策定や実証事業、インフラ等の 計画策定の支援を実行し、日本と相手国双方の経済成長や社会課題解決に貢献。 ⚫ 今後、グローバルサウス市場における地域別戦略・国別戦略を策定する。 【グローバルサウスの位置づけ】 135 イシューに応じた同志国との連携・共創(AZEC) 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ 2022年1月、岸田総理(当時)が、施政方針演説において、アジア各国が脱炭素化を進めるとの理念を 共有し、エネルギートランジションを進めるために協力することを目的としてAZECを提唱。 ⚫ 各国の事情に応じた多様な道筋による現実的な形で、着実にアジアの脱炭素を進めていく必要があり、 AZECの枠組みを通じて、日本の多様な技術やファイナンスを活用し、世界の脱炭素化に貢献していく (日本自身の温室効果ガス(GHG)排出量は世界の3%)。 ⚫ 首脳会合(2023年12月:東京)と閣僚会合(2023年3月:東京、2024年8月:ジャカルタ)を開催 ⚫ エネルギーセクターを中心に、再エネやグリーンアンモニア等の個別プロジェクトを推進 ⇒ アジアの産業やエネルギー構造を変えていくための面的なアクションが必要な状況 参加国 ブルネイ 豪州 インドネシア カンボジア ラオス 日本 2024年10月の第2回AZEC首脳会合で今後10年のためのアクションプランを含む共同声 明に合意し、新たなフェーズへ ※今後、第3回AZEC閣僚会合をマレーシアで開催予定。 (参考)主要国の電力調達先比率 インドネシア フィリピン マレーシア シンガポール 天然ガス 17% 石油等 3% タイ ベトナム 石炭 61% 再エネ 11% 水力 8% ベトナム 10% 45% マレーシア タイ 14% 31% 15% 62% 3% 32% 20% 1% 2% 17% 48% 136 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2 より抜粋の上加工(2025年4月17日) 同志国間での国際協調・連携の推進と国内施策の検討(需要サイド) ⚫ 重要物資について特定の供給源への過剰依存によるリスク等に対応するため、製品の価格だけで はなく、供給安定性等の非価格価値が市場で正当に評価されるよう、需要サイドからアプローチ。 ⚫ その際、市場の分断を生むことがないよう、国際的な枠組みなどを通じて、同志国と協調して取 り組む。 重要物資 • EV • 蓄電池 • 重要鉱物 • 半導体 • 太陽光 • 風力 • 水素 etc. 需要家 ・民間企業 調達 ・消費者 ・政府 重要物資の調達に際して非価格価値を評価 するよう、政策的にインセンティブ等を付与 137 (参考)重要物資に関する政策ツール 物資 政策ツール EV • CEV補助金 ⇒EV等の購入補助金 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2より抜粋の上加工(2025年4月17日) 価格以外の要素 • 安心・安全な環境構築 ⇒アフターサービス体制、充電インフラ設備 ⇒主要部品及びその構成要素の安定確保に向 けたリスク認識、取組方針・計画策定 蓄電池・鉱物 • 再生可能エネルギー導入拡大・系統用 • 健全な蓄電システムの普及 蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事 ⇒リサイクルなど廃棄物の適正な処理、故障 業費補助金 時の早期復旧等の体制整備 ⇒系統用蓄電池の導入補助金 洋上風力 • 安定供給確保支援基金事業 ⇒経済安保法に基づく計画認定を受けた 事業者に対する支援 • サプライチェーン途絶リスクへの対処方針 ⇒主要な原材料等の調達方針の記載、途絶リ スク分析と対応策 等 • 再エネ海域利用法に基づく洋上風力の 公募制度 ⇒促進区域における、洋上風力発電事業 の公募 • 安定的な電力供給 ⇒部品の供給方法、修理施設の有無 等 • 情報管理体制の確認 ⇒公募に参加する事業者に対して、海底地盤 等に関する情報の管理体制に関する書面の 提出及びヒアリングを実施 138 グローバルサウスを対象にしたルール・環境整備と輸出促進 ⚫ 日本企業がグローバルサウス諸国等においてビジネスを行う際障壁となる規制や制度・基準の未整備を解 決するため、相手国の政府・経済界の有力者に対する研修を通じて制度改正やルールメイキングを推進し て、日本企業の輸出促進・海外展開を目指す。 ⚫ また、今年度は、第2次トランプ政権下で米国が非軍事の対外援助を縮小する中でも米国等の関係国機関 と連携しながら、ASEAN諸国などに対して、①非価格要素を考慮する重要性(公正市場アプローチ)や ②持続可能な貿易・産業政策等をテーマにした啓発活動を実施予定。国際的な事業環境の整備に取り組む。 ルール整備(例:ボイラー関連法令) 国際的な事業環境の整備 ◆ 省エネ・安全面で優位性を持つ日本の小型貫流ボイラー ◆ ASEANのポリシーメイキングに携わる行政官等に米国等 をマレーシアに導入するため、導入のメリットや日本に の関係国と研修事業を実施(以下は研修テーマの例)。 おける規制に関する啓発活動等を実施し、既存の現地法 ① ASEAN各国が非価格要素を踏まえた産業政策・政 府調達などに対応することを後押しするため、その 令の改正を目指す。 ◆ マレーシアにおけるGXへの貢献と安全性向上に寄与す るとともに日本国内メーカーの国際競争力強化を図る。 重要性について研修を実施。 ② 過剰供給やその背景となる非市場的政策・慣行の現 状及び今後の対応策の必要性について啓発を行う。 小型貫流ボイラー (出典)三浦工業株式会社 https://www.miuraz.co.jp/product/boiler/ 日米合同研修 (2018年) 139 グローバルサウス市場の獲得(貿易保険事業の財務基盤強化) 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2 より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ NEXIでは、本邦企業等が行う海外取引(輸出・投融資)に対する保険提供により、企業の海外 展開を支援。近年の地政学リスク等の高まりを受け、貿易保険の重要性・必要性が一層高まっ ている。 ※2023年度末の貿易保険責任残高は、約17.2兆円と過去最大。 ⚫ 保険引受ニーズが拡大する中、持続可能な保険制度の実現に向け、適切なリスク管理と財務基 盤強化を推進。2025年2月にその一環として、NEXIの余裕金の運用先拡大に係る省令改正を実 施。 NEXIの引受実績及び責任残高 (兆円) 20 引受実績 責任残高 余裕金の運用先拡大 過去最大 15 • NEXIが行う貿易保険事業は、その業務を安定的に運営 することに対する要請が強いことから、余裕金の運用には一 定の制限がかかっている(運用先を省令で規定)。 • 外貨資産の顕著な増加を背景に、外貨資産を保有する必 要性が高まっていることから、2025年2月、運用先として外 国政府保証債(外貨建て)を追加。 10 5 0 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019 2021 2023 ※責任残高:ある時点においてNEXIが保険責任を有する金額 (出所)NEXI公表情報より作成 140 中堅・中小企業の輸出・海外展開支援の強化(1万者支援等) 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料2 より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ 中堅・中小企業の海外展開は、地域企業の内発的成長を実現する上で重要。経済産業省は、ジェトロ、中 小機構、地域の関係機関(商工会・商工会議所、金融機関等)と連携してポテンシャルを有する企業を発 掘し、海外展開を支援。 ⚫ 推進に当たっては、①地域の事情に合わせたきめ細かな海外展開支援、②輸出先の多角化・新規販路開拓 の促進、③民間の輸出支援ビジネスの自走化の促進 が必要。 今後の海外展開支援の方向性(案) 地域の事情に合わせた きめ細かな海外展開支援 地域の事情に合わせた支援が必要。 「新規輸出1万者支援プログラム」を通 じ、全ての都道府県に支援拠点を持つ ジェトロが関係機関と連携しつつ、地 域の事情に合わせた支援を実現。 輸出先の多角化・新規販路開拓の促進 民間の輸出支援ビジネスの 自走化の促進 輸出先の多角化・新規販路開拓が必要。 民間の輸出支援サービスが中堅・中小企業 のニーズに包括的に対応できる体制の構築 が必要。 「新規輸出1万者支援プログラム」を通 じた専門家の伴走支援や輸出商社との マッチング、越境EC活用等により、輸 出先の多角化や新規販路開拓を後押し。 民間の輸出支援事業者間の連携を軸とした 効果的な取組を支援し、民間の輸出支援ビ ジネスの体制構築を促進。 (地域商社等による地域発の民間コンソー シアムの形成の促進 等) メーカー モノづくりノウハウ、 品質管理 地域経済団体 顧客データベース、 企業支援ノウハウ ジェトロの国内拠点 (50か所) 輸出商社との マッチングイベント 海外バイヤーを地方に直接招へい 海外ECにおけるプロモーション (ジャパン・モール) スタートアップ 革新的なサービス、 トレンドへの対応 地域商社 貿易手続、 幅広い商材 サービスプロバイダ デジタルソリューション、 コンテンツIP 複数の者が連携して輸出支援に取り組む案件を支援 141 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料3 より抜粋の上加工(2025年4月17日) 経済安全保障に関する産業・技術基盤の強化(基本的考え方) 1. 「経済安全保障」に係る社会的要請 ⚫ 地政学的変化、破壊的な技術革新の中、各国は国力増大のため、「経済安全保障」の切り口で施策強化 ⚫ 技術力をてこに、資源制約を乗り越え、経常収支バランスを確保してきた我が国において、今こそ取組強化が重要 2. 経済安全保障推進法の施行(2022年8月):自律性の向上、優位性・不可欠性の確保に資する取組を法制化 ① サプライチェーン強靭化 ② 重要技術育成プログラム ③ 基幹インフラ事前届出制度 ④ 特許出願非公開制度 12物資指定、総額2.4兆円 50の重要技術、総額5,000億円 2024年5月から施行、15分野指定 2024年5月から施行 3. 「産業・技術基盤強化アクションプラン」の策定(2023年10月初版公表、2024年5月改訂) ⚫ 産業支援策及び産業防衛策を有機的に組み合わせながら、官民連携で、具体的取組を実施するためにアクションプランを整理、提示。 2 産業防衛策 1 産業支援策 ◆ 設備投資支援 研究開発支援 等 ◆ 輸出管理・投資管理 等 2024年7月に新たに「貿易経済安全保障局」を設置 3 国際枠組みの構築・産業界との対話 ◆ 経済版「2+2」 官民対話 等 司令塔として、上記施策を総合的に推進 基盤として、経済インテリジェンスと情報保全を強化 (2025年5月に重要経済安保情報保護活用法を施行) 142 大国間競争と厳しさを増す経済安全保障環境 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会資料3 より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ 我が国の安全保障を確保していくためには、国力の源泉である経済力を高めることが不可欠。 ⚫ 他方、4つの領域で地殻変動が起こっており、大国間の覇権を巡る競争が加速。我が国の経済力を支える産業・技術基盤 を毀損するリスクが増大。 ⚫ これらのリスクに対処すべく、経済安全保障推進法の3年見直しの機会も活用しながら、インテリジェンス強化を通じた 官民の情報共有・連携を強化し、新たな国際情勢に適応した経済安全保障政策の発展と迅速かつ効果的な実施につなげる。 ① ルールベースの国際経済秩序の揺らぎ ➢ 一方的措置や対抗措置、大規模支援策等を通じた大国間のパワーベースの競争が拡大 ➢ 大国による更なる産業・技術基盤の「囲い込み」と「武器化」のリスクの顕在化 ② エネルギー戦略の重要性の高まり ➢ 生成AIの普及によるデータセンター等の電力需要の増加や大国によるクリーンサプライチェーン支配の動きが 見込まれる中、インフラとしてのエネルギーと産業としてのエネルギーの重要性が高まっている ➢ 大国による支配的地位の確立に向けた動きが見られるなど、GX・エネルギー戦略の動きが加速 ③ 大国による新たなテクノロジー秩序の形成 ➢ 大国によるAIを中心としたテクノロジー覇権競争が激化、大国への産業・技術基盤の集積にも繋がる ➢ テクノロジー覇権争いを通じた実体的な秩序形成へ ④ フロンティア領域における競争激化 ➢ 宇宙や海洋、ドローンなどのフロンティア領域における競争も激化 ➢ 将来のコネクティビティインフラの在り方にも影響 新たな国際情勢に適応した日本の自律性・不可欠性強化に向けた産業・技術基盤の強化を目指す 143 産業・技術基盤強化アクションプラン再改訂にあたっての取組の方向性 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会 資料3より抜粋の上加工(2025年4月17日) 現状認識・評価 ⚫ 大国があらゆるツールを総動員し、物資、技術、人材、データなどの「囲い込み」によって自国 の優位性・不可欠性を強化すると共に、「自給自足」によって自律性を強化する動き。 ⚫ エネルギーと食糧を海外依存する我が国は大国によるパワーベースの競争には脆弱。 ⚫ 我が国も官民の総力を挙げて対応していかなければ、将来の自律性、不可欠性を喪失し、ひいて は将来のルールベースの国際秩序の再構築に対しても主導権を発揮できない。 対処の方向性 1. 国際情勢と技術革新の地殻変動の中、世界の企業のグローバルなサプライチェーン戦略の変更を 機会ととらえ、国内外の投資、人材、技術を呼び寄せるための環境整備を加速し、国内産業・技 術基盤を強化する。 2. 重要サプライチェーンの強靱化に加えて、我が国の「優位性」を「不可欠性」まで研ぎ澄まし、 世界にとってかけがえのない国となる。そのためには、先端技術分野において、企業の研究開発 活動から国内外事業展開までバリューチェーン全体を射程に捉えた取組強化を行っていく必要。 3. 既存の経済安保政策ツールを最大限活用するとともに、政策の相乗効果を図るため、政策ツール 間、同志国間、官民・民間同士の力を有機的につなぐためのプラットフォームづくりに政府が積 144 極的な役割を果たす。 自律性・不可欠性確保のための3つのPによる有機的連携 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会 資料3より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ 大国間競争の時代において、我が国の自律性・不可欠性を確保していくためには、これまでの産業振興策 (Promotion)、産業防衛策(Protection)、国際・官民連携(Partnership)の一層の有機的連携を 進めるための仕組みが必要。 ⚫ 今後の地政学的脅威・リスクが与える重要サプライチェーンへの影響、さらに我が国の優位性、不可欠性 技術の把握・分析といった経済インテリジェンスを一層高めることが、全ての政策立案、実行の起点。 Protection (産業防衛策) • • 規制的手法の強化 企業の意識啓発、アウトリーチ強化 Intelligence (インテリジェンス) Promotion (産業振興策) • 優位性維持のためのR&D支援 • 経営状態悪化に伴う体質改善支援 • • • 脅威・リスク サプライチェーン 技術 Partnership (国際連携、産業対話) • • 官民対話を通じた認識共有 同志国連携、相互補完 145 産業バリューチェーンアプローチ バリューチェーン下流:我が国と同志国の自律性・不可欠性確保に向けた海外展開 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会 資料3より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ ①我が国の自律性・不可欠性確保又は②これらの発揮による同志国等の社会課題等への貢献という観点から、 経済安保上特に重要な案件について、国が一歩前に出て企業等の海外展開を戦略的に推進することが重要。 ⚫ 想定されるケースとして以下が考えられる。 ①我が国の重要物資の安定供給確保のための地政学的要衝地の海外インフラ整備や市場創造 ②我が国が開発した「不可欠性」を活用した相手国の経済発展や社会課題の解決への貢献 ⚫ また、今後の戦略的相互依存関係を構築する観点から同志国の自律性・不可欠性確保への貢献にも留意が必 要。 海外展開を通じた我が国の安定供給確保 【需要】 不可欠性の海外展開による他国への貢献 需要拡大 【供給】 外国 需要 国内需要 ①追加的 国内生産 又は ②日本企業 の海外 現地生産 国内 生産量 同志国や グローバルサウスなど ①有事の生産能力確保 ②スケールメリット による事業性改善 優位性・不可欠性 のある 展開・解決 技術・インフラ等 経済発展・ 社会課題等 ※Kプロ、GI基金等による 不可欠性の磨き上げ 戦略的相互依存関係を構築するため、同志国の自律性・不可欠性確保にも留意 146 「Run Faster」パートナーシップとは 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会 資料3より抜粋の上加工(2025年4月17日) ⚫ 大国間競争時代において、国際連携の中で、「ルールベースに基づく国際経済秩序の再構築」や、「透明、強靱で持続 可能なサプライチェーン構築」等を目指していくためにも、破壊的技術革新が進む領域を中心に、技術優位性を磨き上 げ不可欠性まで強化することが経済安全保障上も重要。 ⚫ 我が国の将来の自律性・不可欠性確保に向け、産業支援策と産業防衛策を有機的に講じる「Run Faster」戦略を加速さ せていくことが必要。 ⚫ 特に、AI・先端コンピューティング、量子、バイオ、宇宙分野は各国が激しく競争を進め、安全保障の面でも重大なイ ンパクトをもたらすものであり、「Run Faster」戦略の重点分野に位置付ける。 ⚫ Run Fasterパートナーシップは、上記戦略を同盟国・同志国等と連携して産業・技術基盤共創に向けた産業支援策と産 業防衛策を一体的に進めるための枠組み。 Run Faster 将来の不可欠性・自律性の獲得 産業支援策 高度 技術 (技術開発支援等) + 産業防衛策 (技術管理、研究セキュリティ、 政府補助金における技術流出対策条項等) 破壊的技術革新が進む領域 不可欠性の維持 自律性の回復 技術流出防止 同志国協力など 他国からの技術導入 我が国が技術優位性を 持つ領域 経済インテリジェンス シナリオ分析 サプライチェーン分析 技術分析 対外依存の領域 147 第12回産業構造審議会通商・貿易分科会 資料3より抜粋の上加工(2025年4月17日) 経済インテリジェンスの強化 ⚫ 国際情勢が厳しさと複雑さを増す中、効果的な経済安全保障施策の立案・実行のため、政府内外に おける我が国全体の経済インテリジェンス能力の強化が必要。 「経済安全保障の観点から、我が国の自律性と不可欠性を高める ため、重要サプライチェーンの国内回帰・立地促進を含む強靱化 や技術流出対策等の取組を進めます。官民が連携し脅威・リスク を分析する経済インテリジェンス機能の強化を図ります。」 (2025年1月24日 総理施政方針演説) ⚫ 経済安全保障に関するシナリオ分析、サプライチェーン分析、技術分析の抜本強化を図るため、重 要経済安保情報保護活用法等を活用し、情報保全に万全を期した上で、次の措置を講ずる。 (1)政府における外部専門家の受け入れ(官民交流) (2)経済安全保障センター(仮称)の設立(独立行政法人等による取組強化) (3)産業界における経済インテリジェンス投資強化 (Trusted Thinktank Network、グローバルフォーラム) ⚫ また、従来より経産省として取り組んでいるシナリオ分析、サプライチェーン分析、技術分析を更 に発展させると共に、民間企業への知見の共有等を通じ、官民連携を更に強化する。 148

資料15

※地理院タイル (白地図)を加工して作成 参考資料3 国内投資マップ ~補助金等の活用事例~ 投資支援額 約7.8兆円(予算総額11.6兆円) 投資支援件数 約29万件 総投資額 約17兆円 ※令和3年度~令和7年度における経産省補助金等の実績 1 本資料の凡例 【記載項目】 ※市町村単位で地図に記載しているため、実際の正確な立地位置とは異なることに留意。 ※各ページ右肩の都道府県毎の投資支援額・投資支援件数・総投資額には、本マップに不記載の投資案件(下記の事業の採択案件 のうちマップに記載されていないもの等も含む)も算入。 中堅企業 ➢ 中小企業等事業再構築促進事業 【令和3年度補正 【令和4年度補正 中小企業 経済安保 ➢ バイオものづくり革命推進事業 【令和4年度補正 ➢ 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化投資補助事業 【令和5年度補正 3,000億円(国庫債務負担含む)】 ➢ 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の 大規模成長投資補助金 【令和6年度補正 3,000億円(国庫債務負担含む)】 バイオ 6,123億円】 5,800億円】 ➢ 中小企業生産性革命推進事業 【令和3年度補正 2,001億円】 【令和4年度補正 4,000億円(国庫債務負担含む)】 【令和5年度補正 2,000億円】 【令和6年度補正 3,400億円】 ➢ 経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援事業 【令和4年度補正 9,582億円】 【令和5年度補正 9,147億円】 【令和6年度当初 2,300億円】 【令和6年度補正 1,978億円】 DX ➢ 蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術導入・ 開発促進事業(※R4当初でも15億円を措置) 【令和3年度補正 1,000億円】 省エネ ➢ 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 【令和4年度補正 1,625億円(国庫債務負担含む)】 【令和5年度補正 2,025億円(国庫債務負担含む)】 【令和6年度補正 2,025億円(国庫債務負担含む)】 【令和7年度当初 760 億円(R5補正の歳出化分)】 分野・業種 企業名 投資案件立地市町村 投資内容 GX 3,000億円の内数】 ➢ ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品 製造拠点等整備事業 【令和3年度補正 2,274億円】 【令和4年度補正 1,000億円】 ➢ 創薬ベンチャーエコシステム強化事業 【令和3年度補正 【令和4年度補正 500億円】 3,000億円】 ➢ 先端半導体の国内生産拠点の確保事業 【令和3年度補正 【令和4年度補正 【令和5年度補正 【令和6年度補正 6,170億円】 4,500億円】 6,322億円】 4,714億円】 ➢ ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 【令和3年度補正 1,100億円】 【令和4年度補正 4,850億円】 【令和5年度補正 6,773億円】 【令和6年度補正 9,916億円】 ➢ GXサプライチェーン構築支援事業 【令和6年度当初 4,212億円(国庫債務負担含む)】 【令和7年度当初 1,460億円(国庫債務負担含む)】 ➢ 排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセ ス転換支援事業 【令和6年度当初 4,844億円(国庫債務負担含む)】 【令和7年度当初 4,247億円(国庫債務負担含む)】 ※上記のうち、2025年7月8日現在公募中の補助金等につきましては、こちらのURLをご確認ください。 北海道 3 観光(宿泊)・飲食 シロ 砂川市 ホテル施設の高付加価値化(温浴施 設の設置等)、宴会場・レストランを効 率化。3年間、年平均7.5%の賃上げ にコミット。 印刷等 協和印刷 札幌市 最新型のオフセット印 刷機の導入 クラウド さくらインターネット (立地市町村非公表) 生成AI向けクラウドサービスの 拡張 金属製品 阿部鋼材 石狩市 3Dレーザー加工機の導入に よる1次加工のQCD向上と 事業の高付加価値化 省エネ ベルーナ 札幌市 定山渓ビューホテルの省エ ネルギー化 プラスチック製品 東洋化工 小樽市 ブロー成形機の導入 北海道 金属製品 北新金属工業 恵庭市 EV車用カーエアコンセンサー 部品の量産体制構築 製造業 大海製作所 函館市 レーザ導入と工場新設による食 肉向けプラント製品の生産体制 の構築 省エネ ベルーナ 壮瞥町 洞爺サンパレスリゾート&ス パの省エネルギー化 18,137億円 投資支援件数 9,317件 総投資額 19,122億円 飲料等 網走ビール 網走市 醸造システム及びパストライザー導入 物品賃貸 日建片桐リース 恵庭市 仮設資材検査仕分ラインによる生産 性及び供給力の質量向上 通信 北海道大学 量子集積エレクト ロニクス研究センター 札幌市 マルチモーダル情報の効率的活 用と触診・遠隔医療技術への応 用 通信 BIPROGY 札幌市 マルチモーダル情報の効 率的活用と触診・遠隔 医療技術への応用 通信 テクノフェイス 札幌市 マルチモーダル情報の効率 的活用と触診・遠隔医療 技術への応用 パルプ等 川越製袋 札幌市 三方薬袋の自動生 産ライン導入 投資支援額 金属製品 フルヤ金属 千歳市 半導体前処理工程で使用される炉等向けの精密 な温度測定向けのセンサー等の増産。 3年間、 年平均4.0%の賃上げにコミット。 窯業等 東陽上村アドバンス 長沼町 未対応分野への参入と生産性向上を実現 するための生産能力の強化 半導体 ラピダス 千歳市 最先端ロジック半導体製造ラインの建設、 2nm世代半導体のチップレットパッケージ 設計・製造技術開発 東北 5 建築材料、鉱物・金属材料等 青南RER 青森市 資源ゴミAI自動選別機導入によるリター ナブル瓶回収能力向上 食品 マルコーフーズ 六戸町 冷凍とろろ等の食品生産能力の増強。3 年間、年平均6.04%の賃上げにコミット。 食品 エイト 十和田市 人手不足解消に向けた黒にんにくの計量・ 包装工程の省力化計画 79億円 投資支援件数 1,457件 総投資額 193億円 廃棄物処理 東通運輸 むつ市 新設備導入による生産プロセス改善と空き 家解体事業 情報通信機械 旭光通信システム 八戸市 自動材料棚導入による大型製品増産体制の構築 建設 北辰工業 八戸市 八戸駅西地区スマート・スポーツシティの一役を担う 東北最大級のトランポリンパークを核とした複合商業 施設開業 飲食料品 秀果 黒石市 縦型センサーとフリートレー選別機導入によ るりんご選果の省力化 金属製品 長谷川鉄工 平川市 設備投資による大型プロジェクト対応強化と生 産性向上・収益事業の多角化事業 投資支援額 青森県 金属製品 共同シヤーリング 八戸市 環境配慮型プラントに不可欠な高精度切 断加工品の製造技術確立 倉庫 共同物流サービス 八戸市 水産品向け-35℃冷凍倉庫の新設。 3年間、年平均4.5%の賃上げにコ ミット。 鉱業、採石業、砂利採取等 平和実業 十和田市 新型破砕機導入による砂利製造プラントの 生産性向上 はん用機械 三共機器 十和田市 熟練技能のDX化による特殊環境に耐え うる油圧シリンダーの開発 建築材料、鉱物・金属材料等 寺尾商事 十和田市 門型油圧スクラップせん断機(ギロチン シャー)の取得 繊維工業 オノデラサイン 二戸市 エコ生地を用いた環境配慮型広告幕の提供と 生産体制の構築 食品 ミナミ食品 洋野町 フリーズドライ製法による新食感ゆばで海外市 場を開拓 生産用機械 トラステックアース 一関市 トンネル拡幅用シールドマシン向けテールパッ キン製作技術革新事業 投資支援件数 2,183件 総投資額 289億円 建設 三陸土建 盛岡市 新素材の光硬化樹脂での管更生工事の不 良撲滅と災害対策の促進 金属製品 アイ・テック 北上市 建築用鋼材加工拠点の新設。3年間、 年平均8.0%の賃上げにコミット。 廃棄物処理 ニッコー・ファインメック 一関市 小型家電リサイクル工程における省人化処 理ラインの新設 97億円 窯業・土石製品 北日本採石興業 盛岡市 岩手県の社会インフラ等の建設需要の拡大に伴う生コン 用骨材の品質・生産能力増強計画 輸送用機械 エフアンドディ 八幡平市 xEVシフトを見据えた自動車部品・ユニッ ト製造への新分野展開 生産用機械 キクホー 北上市 半導体製造装置需要に対応する小ロット・短 納期生産体制の構築 投資支援額 岩手県 電子部品 宮古マランツ 宮古市 生産ライン全体の自動化による生産性向上 計画 電子部品 和田工業 山田町 全自動プロフィル研削盤導入による金型部 品生産体制の確立 金属製品 アロン社 一関市 金属のエッチング加工製品の製造設備の増強・集約。 3年間、年平均5%の賃上げにコミット。 電子部品 アロン社 一関市 金属製精密積層3次元構造製品の高効 率生産体制確立と高精度化 プラスチック製品 ヤマセ電気 大崎市 電気自動車向け工場の新設等。3年間、年平均 3.9%の賃上げにコミット。 はん用機械 菅原産業 栗原市 新商品「掘削作業関連資機材」の開発と生産性 向上による働き方改革対応と賃金等向上計画お よびサプライチェーンの棄損への対応 プラスチック製品 加美電子工業 加美町 ロボットと遠隔カメラによるデジタル塗装生産 管理システムの構築 半導体(黄リン) 住友商事 仙台市 黄リンリサイクル事業 金属製品 アステム 蔵王町 グリル生産のシステム化(DX、IoT)と自動機による省 人化 投資支援件数 3,558件 総投資額 1,283億円 紙パルプ 日本製紙 石巻市 石巻工場GHG排出量大幅削減による バイオマス製品競争力強化事業 電気機械 ササキ 大和町 車載部品製造工場の新設等。3年間、 年平均4.5%の賃上げにコミット。 電子部品 共栄電資 仙台市 プリント配線板表面加工の高度化によ る品質レベル・生産性の向上 498億円 建設 ヤマサカ 気仙沼市 耐震に強い板金屋根の自社加工と施工 金属製品 イズミテクノ 大衡村 次世代半導体製造装置向け部品を生産するための工場新設 印刷 今野印刷 仙台市 封入封緘作業の検査装置による正確性確保と自動化による 生産性向上 投資支援額 宮城県 金属製品 日新シャーリング 岩沼市 鉄骨梁貫通孔補強工法向け金属部材 供給のための切断加工技術革新事業 バイオものづくり 日本製紙 岩沼市 純国産木材バイオリファイナリーによ る世界最高クラスの低炭素バイオ エタノール生産プロセスの開発 建築材料、鉱物・金属材料等 Mogee 亘理町 独自のビジネスモデルと自動車減容による運搬効率向上を組 み合わせた循環型社会への貢献 金属製品 小川製作所 丸森町 工程統合・自動金型交換を実現する高効率パンチレーザ複 合加工システムの構築 鉄鋼 オシノ 岩沼市 乾燥工程の確立による加炭材 製造の品質向上で、循環型ビ ジネスモデルを実現 食品 無限堂 秋田市 冷凍稲庭うどん及びその派生商品等の生産効率改 善等による更なる海外市場開拓 投資支援額 91億円 投資支援件数 1,504件 総投資額 220億円 建設 石川技研コンサルタント 秋田市 洋上風力発電関連事業参入のためのマルチビーム 測深器の導入 省エネ ニプロファーマ 大舘市 コージェネレーションシステムの導入 金属製品 千代田興業 秋田市 自社加工サイズの拡張による企業競争力の増強 印刷 秋田協同印刷 秋田市 環境に優しい糊をつかった最新式製本機を使用した 印刷物の提供 生産用機械 マシンマックス 由利本荘市 進化する次世代EV車関連の受注拡大に向けた生 産体制強化 金属製品 協和工業 にかほ市 ブランク工程の全自動化による革新的な製造プロセス 構築で、飛躍的な生産性向上を果たす 生産用機械 秋田マシナリー にかほ市 金型段取りの自動化・熟練者のノウハウのデジタル化技術導入によ る曲げ加工の高効率化と工程削減への取組み 秋田県 林業 秋田グリーンサービス 大仙市 隣地残材を利用した高付加価値木質チップの創生 業務用機械 ゼネラルオプティックス 大仙市 深紫外線のみを透過するUV殺菌フィルターの開発 輸送用機械 秋田渥美工業 横手市 ダイカスト鋳造機を自動化と集約で電動化製品へ チャレンジ 生産用機械 丸大機工 にかほ市 最新デジタル技術導入による医用機器部品の生産 方式の確立 電気機械 中村電機工業 新庄市 輸入依存していた高精度アルミヒー トシンク加工品の製造技術確 金属製品 さいほく鉄工 新庄市 建築用鋼材加工設備の近代 化・増強。3年間、年平均 5.0%の賃上げにコミット。 プラスチック製品 ヨコタ東北 新庄市 食品トレーのリサイクルイノベーション を実現する新型成型機導入 次世代素材 Spiber 鶴岡市 人工タンパク質繊維の生産設備の増強。 3年間、年平均5.0%の賃上げにコミット。 医薬品 メタジェンセラピューティクス 鶴岡市 潰瘍性大腸炎治療薬 MGT-006 の 開発 山形県 投資支援件数 2,302件 総投資額 590億円 プラスチック製品 楯岡物産 村山市 高性能連続圧空真空成形機導入による 生産性向上と新規分野からの受注獲得 半導体 RESONAC 東根市等 SiCウエハの生産設備の増強 生産用機械 マイスター 寒河江市 デジタル技術を活用した製造 プロセスの改善 金属製品 スズキハイテック 山形市 めっき加工の省力化・生産能力増強。3年 間、年平均5.0%の賃上げにコミット。 食品 山口製麺工業 山形市 最新型自動茹上機の導入による米国へ の焼きそば等の輸出で売上拡大 生産用機械 奧田製作所 川西町 5面加工機導入による省力化機械に係る 生産体制強化 はん用機械 畑中特殊バルブ工業 米沢市 長尺部品の内製化による特殊バルブトップメー カーの経営力強化 186億円 家具 サクセス工業 尾花沢市 キッチン・家具製造ラインの効率化及び炭素生産 性向上事業 省エネ 管理システム 鶴岡市 廃棄物焼却設備の省エネルギー化事業 金属製品 サンリット工業 長井市 高精密2スピンドル小型NC旋盤の導入によ る純鉄切削の高精度加工品の生産性向上 投資支援額 廃棄物処理 ウエステック山形 高畠町 高品質なRPF提供による二酸化炭 素の削減・カーボンリサイクルへの貢献 印刷 大風印刷 山形市 印刷色のコントロールを数値で押さえ る「印刷物の工業製品化」の実現 鉄鋼 渡辺鋼材 福島市 加工工程のオートメーション化による内製 化及び経営基盤の強化 飲料 ほまれ酒造 喜多方市 清酒ベースリキュールの生産プロセス改善 による海外事業の拡大 金属製品 東亜通商 郡山市 次世代生産設備向け鋼材加工品製 造のための鋼材加工技術確立 窯業・土石製品 トーシンコーポレーション 福島市 塗装ロボット導入で人的負荷軽減と生産 性向上による業績向上 航空機部品 IHIキャスティングス 相馬市 航空機用鋳造品にかかる生産技術の 開発及び生産基盤の整備 投資支援件数 2,834件 総投資額 1,414億円 バイオ医薬品 ARCALIS 南相馬市 ワクチン製造拠点 福島県 輸送用機械 グローバルファインドネットワーク 小野町 電動射出成形機等の導入による樹脂成 形の生産革新及び新顧客開拓 生産用機械 長谷川機械製作所 西郷村 グローバル市場を狙う五軸マシニングセン タの開発及び生産革新 589億円 バイオ医薬品 藤倉コンポジット 南相馬市 ワクチン等の部素材等の製造 拠点 生産用機械 大橋機産 田村市 多関節ロボットシステムの構築による 機械加工工程の改革事業 金属製品 エヌケー製作所 郡山市 最新レーザー切断機導入による環境装 置・自動機械の製作工程の改革 投資支援額 金属製品 シオヤ産業 いわき市 最新レーザ加工機による燃料アンモ ニア貯蔵用製缶部品の加工 金属製品 和知鐵工所 石川町 溶接工程の自動化による、大規模半導 体工場向け鉄骨加工事業拡大 バイオ医薬品 不二硝子 いわき市 ワクチン等の部素材等の製造拠点 素材 MARUWA 田村市・いわき市 半導体向けセラミック素材製造設備の 新設・増強。3年間、年平均3.87% の賃上げにコミット。 蓄電池 クレハ いわき市 生産基盤の整備、生産技術の導 入・開発・改良 蓄電池 アサカ理研 (立地市町村非公表) リサイクルの国内生産基盤確保のための先端生 産技術導入・開発 関東 12 金属製品 廣澤精機製作所 筑西市 産業用ロボット・半導体製造装置向け 金属部品の生産能力増強。3年間、 年平均4.2%の賃上げにコミット。 金属製品 昭和産業 筑西市 建材(鉄筋コンクリート部材)製 造の生産性向上。3年間、年平 均5.0%の賃上げにコミット。 金属製品 安秀工業 筑西市 EV自動車向けロボット 操作盤への進出 805億円 投資支援件数 5,057件 総投資額 1,879億円 バイオ医薬品 極東製薬工業 高萩市 ワクチン等の部素材等の製造拠点 半導体 NTTイノベーティブデバイス 那珂市 光チップレット実装技術の研究開発 食品 ヤマダイ 八千代町 ノンフライカップ麺製造の省力化等。3 年間、年平均4.5%の賃上げにコミット。 半導体 ルネサスエレクトロニクス ひたちなか市等 マイコンの生産設備の増強 茨城県 半導体 TSMCジャパン3DIC 研究開発センター つくば市 3DIC技術の研究開発 建材 丸井産業 阿見町 生産・物流の効率化のため既存の物流 倉庫に隣接する新工場を建設。 3年 間、年平均5.31%の賃上げにコミット。 金属製品 マルコ工業 坂東市 めっき加工の生産性向上、 高付加価値化。3年間、年 平均6%の賃上げにコミット。 輸送機器 Pale Blue つくば市 人工衛星向け「水推進機」の 量産化3年間、年平均 3.16%の賃上げにコミット。 投資支援額 金属製品 東洋発條工業 小美玉市 熱処理工程の改善によ り競争力強化を目指す 省エネ 日本製鉄 鹿嶋市 電動高炉送風機更新 生産用機械 興進製作所 稲敷市 加工精度向上・リードタイム短縮 による、新製品の増産・販売拡大 半導体 ヤマハロボティクスホール ディングス つくば市 ポスト5G向けチップオン ウェハダイレクト接合3D積 層統合技術開発 通信 ソニーセミコンダクタソリューションズ つくば市 ポスト5G情報通信システムのための革新的不揮 発性メモリおよび光伝送技術の研究開発 省エネ 鹿島アロマティックス・鹿島石油 神栖市 アロマ製造装置の省エネルギー化 窯業・土石製品 東和アークス北関東 日光市 栃木県の国土強靱化に対応する新 たな骨材の生産体制構築計画 先端電子部品 東レ 那須塩原市 車載向けフィルムコンデンサ用二軸延伸 ポリプロピレンフィルムの生産設備の増強 通信 セイコーNPC 那須塩原市 低ノイズ、高精度、高周波差動出 力 水晶発振回路の研究開発 投資支援件数 3,273件 総投資額 2,293億円 半導体 キヤノン 宇都宮市 先端3次元構造ロジック半導体デバイスの製造・プロセス 技術の開発と検証用パイロットライン整備 建設 早乙女クレーン 鹿沼市 大型クレーン導入による大規模工事への対応 栃木県 はん用機械 菊地歯車 足利市 AGV向け減速機の開発・製造 半導体 キヤノン 宇都宮市 露光装置の生産設備の増強 蓄電池 UACJ製箔 (立地市町村非公表) 集電体及び関連材料・部材の国内生産基盤確保のため の先端生産技術導入・開発 廃棄物処理 友和環境 壬生町 廃プラスチックを原料とするフラフ燃料の生産設備の増強。 3年間、年平均7.0%の賃上げにコミット。 航空機の部品 AeroEdge 足利市 航空機用鋳造品にかかる生産技術の 開発及び生産基盤の整備 生産用機械 石井機械製作所 足利市 リチウムイオンバッテリー製造設備の生産工場新設。 3年間、年平均5.00%の賃上げにコミット。 金属製品 呉光製作所 栃木市 独自の技術を最大限に生かしエコ家電の普及と雇用拡 大に貢献 891億円 プラスチック製品 イグス さくら市 工作機械、半導体製造装置等向けプラスチック部品製造の 新工場建設。 3年間、年平均5.0%の賃上げにコミット。 食品(酒造) 小林酒造 栃木市・日光市 ジャパニーズウイスキー生産体制への新規投資。 3年間、年平均6.0%の賃上げにコミット。 金属製品 しばた工芸 鹿沼市 サイン(看板・標識)製造ラインの省力化投資。 3年間、年平均5.1%の賃上げにコミット。 投資支援額 産業機械 ファナック 壬生町 CNCシステムの生産設備の増強 生産用機械 小松電業所 小山市 建機部品製造ラインの自動化 等の省力化投資。 3年間、年 平均4.6%の賃上げにコミット。 省エネ 東京鐵鋼 小山市 本社工場の省エネルギー化 半導体 ギガフォトン 小山市 ポスト5G、AI対応先端大規模LSIモ ジュール向け微細穴加工技術の研究開発 建設 紺野鉄工所 渋川市 「鉄のプロフェッショナル」が取組む鉄骨溶接 作業の自動化に向けた生産技術開発 省エネ ジェーシーボトリング 渋川市 ペットボトル製造ラインの更新、高温水 熱回収導入及び、EMS導入 鉄鋼業 群馬精工 前橋市 EV用軽量化鍛造品を製造するための 製造技術・生産体制の確立 紙加工品 相生製函 みどり市 段ボール箱製造の生産性向上と製品出荷 用組立段ボール箱の増産体制整備 化学工業 ZACROS 沼田市 液晶ディスプレイ向けフィルム部素 材の生産能力増強。3年間、年 平均5.0%の賃上げにコミット。 投資支援件数 5,531件 総投資額 6,068億円 蓄電池 パナソニックエナジー・ SUBARU 大泉町 生産基盤の整備、生産技 術の導入・開発・改良 群馬県 電気機械 ワークジョイ 館林市 IT技術を取り入れた新生産ラ インの構築と省人化の実現 蓄電池 信越化学工業 (立地市町村非公表) 負極材及び関連材料・部材の国 内生産基盤確保のための先端生 産技術導入・開発 プラスチック製品 柴田合成 甘楽町 容器製造事業の拡大に向けた設備 増強、自動化設備の導入。3年間、 年平均5.0%の賃上げにコミット。 2,084億円 金属製品 タカハシ建鉄 前橋市 建築鉄骨製造における溶接ロボット導入 と同期生産方式の開発による品質安 定・生産性向上と人材育成 金属製品 モハラテクニカ 高崎市 板金の曲げ加工における生産 性向上と特殊曲げ加工の技術 開発 製造業 LUC 安中市 ニッケル水素組電池製造ラインの 自動化による省力化事業 投資支援額 省エネ 東金属 太田市 製造プロセスの省エネ 生産用機械 オリヒロエンジニアリング 高崎市 包装機械の製造能力増強。3年間、 年平均4.51%の賃上げにコミット。 金属製品 冬木工業 高崎市 鉄骨製造ラインの新工場建設 (自動化、増強)。3年間、年 平均3.52%の賃上げにコミット。 業務用機械 中西製作所 伊勢崎市 業務用厨房機器の生産能力増強。 3年間、年平均5%の賃上げにコミット。 蓄電池 UACJ製箔 (立地市町村非公表) 集電体及び関連材料・部材の国 内生産基盤確保のための先端 生産技術導入・開発 食品 共栄フード 伊勢崎市・玉村町 パン粉の生産能力増強。 。3年間、 年平均4.8%の賃上げにコミット。 バイオ医薬品 武州製薬 美里町 製剤化・充填拠点整備 化学工業 豊島製作所 東松山市 超伝導材料の量産開 発・事業化 古物商 浜屋 東松山市 不用品回収、仕分け、保 管の効率的な拠点の新 設。3年間、年平均 7.0%の賃上げにコミット。 業務用機械 サーパス工業 鴻巣市 半導体・再生医療業界 向け流体機器の生産能 力増強。3年間、年平均 3.1%の賃上げにコミット。 金属製品 向山工場 羽生市 鉄筋加工(新規事業)への進 出のための新工場。3年間、年 平均5.0%の賃上げにコミット。 1,135億円 投資支援件数 10,346件 総投資額 2,529億円 輸送用機械 KOMINE工業 久喜市 金属積層造形による鋳造工程を革新した 航空機部品生産プロセスの高度化 バイオ医薬品 第一三共 北本市 ワクチン製造拠点整備 業務用機械 モリタ東京製作所 伊那町 歯科用ユニットのシェア拡大の ための生産力強化の取組み 金属製品 デーバー加工サービス ときがわ町 建設用途の鉄筋加工工場の新設、 省力化設備の導入。3年間、年 平均5.0%の賃上げにコミット。 蓄電池 三井金属鉱業 上尾市 生産技術の導入・開発・ 改良 埼玉県 省エネ エス・ワイ・エス 越谷市 先進型印刷機による 省エネルギー化 飲食料品 アイスコ 毛呂山町 冷凍食品向け冷凍自動倉 庫の新設。3年間、年平 均4.07%の賃上げにコミッ ト。 通信 日本電波工業 狭山市 極限時刻同期に基づく革新的 通信デバイスと応用開拓 投資支援額 通信 沖電気工業 蕨市 光アクセスネットワークの仮想 化技術の研究開発 輸送用機械 埼玉機器 富士見市 トラック・バス、鉄道等向け部品 の生産能力増強。3年間、年 平均5.1%の賃上げにコミット。 金属製品 MIKAMI 所沢市 オーダーメイド設備による測定作業 の完全自動化、油圧ソノレイド向け 精密部品の生産量増加計画 金属製品 サイフェル 志木市 工場レイアウト改善と半 自動揺動アルマイトライ ン導入による生産革新 バイオ医薬品 佐竹マルチミクス さいたま市 ワクチン等の部素材等の製造拠点 /ワクチン生産体制強化のためのバ イオ医薬品製造拠点等整備事業 印刷 太陽堂印刷所 千葉市 フィンテック市場に対応可能な高セキュ リティフルフィルメントシステムの構築 省エネ 宝酒造 松戸市 アルコール蒸留装置CO2排出量削減 医薬品 タイプライターTX 柏市 重度血友病 A に対する、 mRNA を使用したドーズコント ロール可能かつ恒久的な、部位 特異的 Gene writing による遺 伝子治療パイプラインの開発 木材・木製品 ウィング 白井市 木造建築用の木材製品 製造の自動化設備導入。 3年間、年平均4.3%の 賃上げにコミット。 印刷 カワセコンピュータサプライ 佐倉市 封入業務サービスの効率 化・迅速化と高品質化 機械器具 ヨシノ自動車 木更津市 物流トラック等の自動車整備拠点の拡大。 3年間、年平均5.4%の賃上げにコミット。 生産用機械 能率機械製作所 浦安市 電動車部品の製造 千葉県 省エネ 日本製鉄 君津市 焼結鉱歩留向上、蒸気需給構造改善対策 金属製品 中嶋産業 君津市 炭素生産性向上による物流施設用制震部材の製造事業進出 半導体 大陽日酸 君津市 半導体用途向け希ガスの生産 再エネ(洋上風力) 駒井ハルテック 富津市 浮体式等洋上風力発電設備タワー部分 637億円 投資支援件数 7,617件 総投資額 1,772億円 半導体 東洋合成工業 東庄町、市川市等 感光剤・ポリマー、高純度溶剤の生産設備の 増強 機械製造 アシザワ・ファインテック 習志野市 リチウムイオン電池等向け粉砕装置の製造設備増強。 3年間、年平均4.5%の賃上げにコミット。 金属製品 キヨシゲ 浦安市 形鋼の穴あけ加工工程の革新を実現し、 建材の大型化・ユニット化に対応 投資支援額 蓄電池 出光興産 市原市 生産基盤の整備 廃棄物処理 タケエイ 市原市 廃プラスチックの高度選別・リサイクルの ための設備新設。3年間、年平均 6.37%の賃上げにコミット。 半導体 JFEスチール東京ガスケミカル (立地市町村非公表) 半導体用途向け希ガスの生産 省エネ JFEスチール 千葉市 高炉プロセス改善および 酸素設備高効率更新 窯業・土石製品 古川コンクリート工業所 横芝光町 M&Aによる事業承継で新たな成長を。レベ ロック市場への挑戦 生産用機械 総武機械 東金市 次世代蓄電池向けの外装材製造装置 の製造ラインの新設。3年間、年平均 5.0%の賃上げにコミット。 半導体 古河電気工業 市原市 光チップレット実装技術の研究開発 食品 エムイーシーフーズ 市原市 業界最先端。最新のセンサー技術を導入した生産ライ ンの完全オートメーション化による省力化。 金属製品 京葉ブランキング工業 市原市 オーダーメイド設備の導入による機械加工工程の完全 自動化、生産量増加計画 鉄鋼 千代田鋼鉄工業 足立区 電炉の高度化、工場の新設・拡張。3 年間、年平均4%の賃上げにコミット。 省エネ 昭和石材工業所 奥多摩町 採石工場の設備刷新による 省エネ・生産効率向上 洗濯 日本ドライ 葛飾区 業務用マットクリーニング業務の 自動化ライン新設 省エネ 第一硝子 板橋区 既存のガラス溶解炉の更新・合理化 投資支援額 5,205億円 投資支援件数 44,077件 総投資額 9,042億円 バイオものづくり ANAホールディングス 江東区 余剰汚泥を使った従属栄養性藻 類の培養とバイオディーゼル系脂肪 酸原油生産の実証 バイオものづくり 王子ホールディングス 江戸川区ほか 木質等の未利用資源を活用したバイオものづ くりエコシステム構築 航空機部品 三菱重工航空エンジン 八王子市 航空機用CMC(セラミック 複合材料)にかかる生産基 盤の整備 情報通信機器 マグナ・ワイヤレス 八王子市 ローカル5G向け小型基地局・通信 端末の量産化投資。3年間、年平 均7.0%の賃上げにコミット。 食品 福砂屋グループ 町田市 新工場新設によるカステラ製造ラインの増強、 海外輸出対応も含めた物流の効率化。3 年間、年平均4.1%の賃上げにコミット。 東京都 通信 フラグマン 世田谷区 オンラインブレインストーミング ツールの開発 AI Preferred Networks 千代田区 超高効率AI計算基盤の研究開発 半導体 東京エレクトロン 港区 先端3次元構造ロジック半導 体デバイスの製造・プロセス技術 の開発と検証用パイロットライン 整備 サービス 八芳園 港区 ブライダル向けバンケット施設の海外 ビジネスMICE対応改修。3年間、 年平均5.6%の賃上げにコミット。 倉庫 国際エキスプレス 大田区 自動倉庫の新設・自動梱包 機の導入。3年間、年平均 6.1%の賃上げにコミット。 電子部品 フェイス 相模原市 工作機械の高機能化に対応した高密度基板の設計および実装 バイオものづくり ちとせ研究所 川崎市 下水汚泥等高含水有機廃棄物を資源 化する炭素/窒素循環社会システム実証 金属製品 図南鍛工 大和市 高精度・低コスト一次加 工製品複合一体加工 技術の確立 省エネ AGC 愛川町 オーダーメイド型生産設備導入 プラスチック製品 川上産業 海老名市 環境に優しい製鉄材料である鉄スクラップの一 貫生産体制構築 バイオ医薬品 Meiji Seika ファルマ 小田原市 製剤化・充填拠点 投資支援額 3,001億円 投資支援件数 12,544件 総投資額 5,512億円 バイオ医薬品 AGC 横浜市 ワクチン製造拠点 半導体 キオクシア 横浜市 光電融合インタフェースメモリコント ローラの研究開発 半導体 ソニーセミコンダクタソリュー ションズ 厚木市 半導体の3D積層要素技 術研究開発 省エネ 三興製鋼 平塚市 工場の省エネルギー化事業 水素(水電解) 旭化成 川崎市 電解セル、電解用膜 神奈川県 蓄電池 東芝 (立地市町村非公表) 定置用蓄電池の国内生産 基盤確保のための先端生産 技術導入・開発 水素(水電解) デノラ・ペルメレック 藤沢市 アルカリ水電解用電極 医薬品 オリヅルセラビューティクス 藤沢市 ヒトiPS細胞由来心筋細胞製剤 OZTx-556の重症心不全患者 を対象としたグローバル治験による Proof of Concept (PoC)検証 再エネ(洋上風力) 東芝エネルギーシステムズ 横浜市 洋上風力ナセル 省エネ いすゞ自動車 藤沢市 コージェネレーション導入 窯業・土石製品 青木建材店 横浜市 最新設備導入および工程改善による生 産性向上 中部 20 物流(倉庫) bud梱包出荷サポート 聖籠町 自動梱包機付きの自動倉庫 の導入。3年間、年平均 5.0%の賃上げにコミット。 建設 北陸重機建設 新潟市 都市部における狭隘地での障害物 撤去事業への新規参入 食品 サトウ食品 聖籠町 パックご飯(サトウのごはん)の 製造能力倍増。3年間、年平 均6.0%の賃上げにコミット。 小売 双葉貿易 新潟市 作業効率を向上させる製 造現場の環境整備 化学 ナミックス 新潟市 半導体原材料の生産能 力増強。3年間、年平均 3.0%の賃上げにコミット。 金属製品 アベキン 燕市 自動金型交換装置搭載 機導入で生産性向上と均 質化による受注拡大 投資支援額 322億円 投資支援件数 4,457件 総投資額 919億円 生産用機械 川崎鐵工所 新発田市 半導体製造装置関連機器の高精度化お よび納期短縮を実現する生産工程の自動 化計画 金属製品 三條金属 三条市 鋳造品の湯道破砕とバリ取りの自動 化による原価低減と納期短縮 省エネ 明道メタル 燕市 リロール工場における圧延機 等導入 生産用機械 大森機械工業 長岡市 包装機械製造装置の新工場 建設、省力化・自動化設備の 導入。3年間、年平均4.0% の賃上げにコミット。 金属製品 三条精密工業 三条市 製造工程のボトルネック解消及び脱炭素社会 の実現を目指した製造体制の構築 食品 諸長 魚沼市 倉庫新築による米の保管・運搬事業と革新 的な精米の供給事業 金属製品 北陸工業 三条市 インライン3D外観検査装置導 入による検査工程自動化 新潟県 電気機械 皆川製作所 加茂市 ロボットの導入による省力化等 はん用機械 内野精工 長岡市 医療機器向け加工部品の高精度化・短納 期化と脱炭素化の実現 金属製品 阿部商店 長岡市 下流工程への進出による大型建築物向け 鋼材の受注獲得 小売 モリフジ 高岡市 商品出荷プロセスの 自動化・省人化に よる労働生産性向 上事業 金属製品 マエダ 氷見市 強靭なサプライチェーン構 築に向けた省人化・省力 化による高精度・低コスト 部材切断技術の確立 輸送用機械 BBSジャパン 高岡市 ハイエンドの自動車向けホ イール製造設備の増強。 3年間、年平均4.8%の 賃上げにコミット。 生産用機械 協和マシン 高岡市 特殊金型の開発と 生産体制の構築 電機 スギノマシン 滑川市 工作機械の生産能力増 強、生産管理等のシステ ム刷新。3年間、年平均 4.6%の賃上げにコミット。 電子部品等 三晶エムイーシー 滑川市 EV向け部品等の生 産能力増強。3年 間、年平均3.6% の賃上げにコミット。 金属製品 北陸建工 滑川市 太径土木工事用鋼管杭製造に 係る高精度・低コスト太径薄肉 R曲げ加工技術の高度化 724億円 投資支援件数 2,797件 総投資額 1,175億円 食品 横山冷菓 黒部市 海外輸出拡大に向けた高品質・ 自動ソフトクリーム充填体制の構 築 バイオ医薬品 トヨックス 黒部市 ワクチン等の部素材等 の製造拠点 富山県 建設 藤原重機 上市町 ICTによる廃棄物処理プロセスの 内製化、および社内全体システム導 入によるDXの推進 金属製品 トナミ鉄工 砺波市 鉄骨柱大組立溶接ロ ボットシステム導入 金属製品 専光鉄工所 富山市 薄板における高精度・高強度ブ ランク技術確立と生産体制の効 率化 投資支援額 バイオ医薬品 富士フイルム富山化学 富山市 ワクチン製造拠点 生産用機械 ミズノマシナリー 富山市 7㎚超半導体微細化測定装置 部品の高難度加工 バイオ医薬品 ロキテクノ 滑川市 ワクチン等の部素材等の 製造拠点 生産用機械 岡田研磨 津幡町 多関節ロボット部品の生産性向上 生産用機械 コマツキカイ 小松市 フェーシング加工技術の応用による新規 開発部品の量産事業化 投資支援件数 3,558件 総投資額 1,699億円 蓄電池 かがつう 宝達志水町 生産基盤の整備、生産技術の導入・開発・改良 金属製品 アサカ 金沢市 半導体洗浄装置市場への進出 バイオ医薬品 ワイエムシィ 小松市 ワクチン等の部素材等の製造拠点 626億円 金属製品 春日商会 中能登町 ギロチンシャー導入による鉄ス クラップ取引の新展開 航空機部品 TANIDA かほく市 航空機用鋳造品にかかる生産基 盤の整備 半導体 東芝D&S、加賀東芝 能美市 Siパワー半導体の生産設備の増強 投資支援額 石川県 金属製品 旭ウェルテック 白山市 工作機械の試作品製造ラインの増強。3 年間、年平均8.26%の賃上げにコミット。 プラスチック製品 ティー・シー・ビー 白山市 アニメ等コンテンツ関連の雑貨の 製造・販売能力の増強。3年間、 年平均13.1%の賃上げにコミット。 金属製品 エリオ 加賀市 生産性向上を図り、省力化実現の ための新規機械装置の導入 省エネ UACJ 坂井市 溶解炉のリジェネバーナ化およびLNGへ の燃転による省エネルギー 化学 日華化学 福井市 新工場建設による化粧品製造の 生産能力向上。3年間、年平均 3.5%の賃上げにコミット。 省エネ 川端製紙 福井市 新バイオマスボイラの導入 化学 エネックス 福井市 アルコール食品防腐剤の開 発・生産・販売 バイオものづくり 東洋紡 敦賀市 微生物による天然由来の界面活性剤(マンノシ ルエリスリトールリピッド)の利用分野拡大に向け た革命的生産システムの開発 投資支援額 327億円 投資支援件数 2,891件 総投資額 867億円 木材製品 太田木材 永平寺町 自動供給・積取りAIロボットシステム「パ ネル合板無人化ライン」の構築 福井県 食料品 伝食 敦賀市 カニ等の水産品の加工・流通 施設の増設。3年間、年平 均3.67%の賃上げにコミット。 金属製品 マックス 鯖江市 眼鏡メタル部品の一体加工・一貫生産 (内製化)による生産性向上 木材製品 大窪建設 鯖江市 災害対策間伐促進に向けた高効率・高精度 木質切削チップ製造技術の確立 半導体 カナデビア 高浜町 ラッピングプレートの生産設備の 増強 電子部品 進工業 小浜市 車載向けや精密機器向けの薄膜チッ プ抵抗器の生産能力増強。3年間、 年平均5.34%の賃上げにコミット。 飲料 山梨銘醸 北杜市 世界的有名ブランドと共同開 発するクラフト・エシカルスピリッツ の製造 プラスチック製品 TOK 甲斐市 圧入工程の自動装置導入 による生産性の向上 飲料 富士アクア 西桂町 ミネラルウォーター製品の生産効率・利 益率・炭素生産性を改善 生産用機械 ミラプロ 北杜市 半導体製造装置等の生産に係る基幹 システムの刷新。3年間、年平均 5.0%の賃上げにコミット。 生産用機械 旭陽電気 韮崎市 半導体製造装置向けの部品の生 産能力増強。3年間、年平均6% の賃上げにコミット。 221億円 投資支援件数 2,139件 総投資額 604億円 金属製品 山梨大瀬工業 上野原市 需要が拡大する物流市場をターゲッ トとした、トラック用サブタンク製造事 業の強化 山梨県 省エネ 織戸組 南アルプス市 採石工場における破砕機などの設 備を従来の固定式から自走式に更 新し、エネルギー原単位改善と生産 性向上を実現 省エネ シャトレーゼ 中央市 ガスエンジン発電システムを導入するとともに、 排ガスボイラおよび温水吸収式冷凍機を導 入し熱源を更新。 投資支援額 技術サービス ニッセー 大月市 緩み止めねじの販路と ライセンシー企業の開拓 水素(水電解) カナデビア 都留市 水電解装置の量産体制の構築 観光(宿泊) 中央観光 忍野村 高付加価値宿泊施設の新設、 AI・省力化機器の導入。3年 間、年平均5.5%の賃上げにコ ミット。 産業機械 ファナック 忍野村・山中湖村 CNCシステムの生産設備の増強 金属製品 信越理研 長野市 モビリティ・パワー半導体向け金めっき加 工の生産能力増強。3年間、年平均 5.09%の賃上げにコミット。 半導体 新光電気工業 長野市 次世代半導体パッケージ開発 生産用機械 アルプスツール 坂城町 工作機械向けの部品・器具の生産能力向上。 3年間、年平均3.5%の賃上げにコミット。 半導体 富士電機 松本市 SiCパワー半導体、SiCエピウエ ハの生産設備の増強 金属製品 根津鋼材 茅野市 大割スリッター出側梱包ライン装置と製造シス テム連携による生産・品質向上 金属製品 サン工業 伊那市 高機能めっき加工の新工場建設。3年 間、年平均4%の賃上げにコミット。 1,250億円 投資支援件数 5,182件 総投資額 3,496億円 半導体 新光電気工業 長野市 光チップレット実装技術の研究開発 バイオ医薬品 細川洋行 大町市 ワクチン等の部素材等の製造拠点 金属製品 力石化工 坂城町 生産性向上と人・環境への負 荷を軽減する高機能ライン構築 投資支援額 金属製品 ヒーテック 須坂市 金属製品熱処理前後における製品洗浄装 置のプロセス改善による生産性向上 長野県 半導体 新光電気工業 千曲市 FC-BGA基板の生産設備の増強 情報通信機械 ミマキエンジニアリング 東御市 業務用カッティングマシンの開発・試作ラインの増強。 3年間、年平均3.01%の賃上げにコミット。 金属製品 ティービーエム 伊那市 自動化装置の導入 産業機械 ニデックドライブテクノロジー 駒ヶ根市 減速機の生産設備の増強 輸送用機器 加賀ワークス 飯田市 航空機樹脂部品の加工工程を省力化・自動化し、生産能力拡大 金属製品 武芸川精工 関市 電動アクチュエーター部品の量産体制を構 築するための省力化投資 医薬品 Arrowsmith 岐阜市 緑膿菌肺感染症に対するバクテリオファー ジカクテル ARW001 の開発 半導体 イビデン 大野町 FC-BGA基板の生産設備の増強 食料品 厚生産業 大野町 製造されたピロー包装製品の検 品・梱包作業の省人化 繊維 高安 関市 自動梱包機の開発・導入によるポリエステ ル短繊維生産の効率化 金属製品 スエナミ工業 関市 食品加工ロボット部品の製造体制の自 動化 778億円 投資支援件数 5,956件 総投資額 2,174億円 金属製品 アサヒフォージ 郡上市 自動車向け鍛造製品の最新製造設備の導入、 新工場の構築。3年間、年平均4.03%の賃 上げにコミット。 宿泊業 丸山木材ホールディングス 中津川市 「木」を活かしたホテル事業の展開 岐阜県 金属製品 共和鋳造所 各務原市 多品種少量鋳物の型枠増・大型化と いった省力化革新 プラスチック NSP SS 中津川市 省人化工程の確立によるカーボン樹脂製 住宅基礎部材の提供 金属製品 ヤマシンスチール 恵那市 工場の新設・最新設備導入。3年間、年 平均8.3%の賃上げにコミット。 化学 日本リファイン 輪之内町 電池向け有機溶剤のリサイクル・精製設備の新規導 入。3年間、年平均5.00%の賃上げにコミット。 蓄電池 日伸工業 大垣市 生産基盤の整備、生産技 術の導入・開発・改良 投資支援額 生産用機械 中工精機 瑞浪市 最新の大型ターニングマシン及びモニタリン グシステム導入による生産性向上およびデ ジタル化の実現 金属製品 丸杉 各務原市 高性能工作機械用製品の供給能力強化に向けた、高精度・低 コストでの複合一体加工技術の確立 省エネ 大王製紙 可児市 タービンの更新 輸送用機械 ミダック 浜松市 廃酸・廃アルカリ、廃油、汚 泥等の最新大型処理設備 の導入。3年間、年平均 4.67%の賃上げにコミット。 金属製品 たつみ電機製作所 富士市 インフラ整備に伴う防音パネル の受注増に対応した生産工程 の高度化と改善 業務用機械 旭ファクトリー 富士宮市 紙加工事業から医療 機器部品製造事業へ の事業転換 半導体 三井ケマーズ 静岡市 PFA樹脂製造 静岡県 輸送用機械 協和工業 湖西市等 自動車部品製造向けの溶 接・プレスの新設備導入。 3年間、年平均5%の賃 上げにコミット。 化学 フロイント産業 浜松市 医薬品添加剤の生産棟 の新設。3年間、年平均 3.5%の賃上げにコミット。 廃棄物処理 環境のミカタ 焼津市 廃棄物リサイクル固形燃料の 製造設備を導入。3年間、年 平均3.53%の賃上げにコミット。 蓄電池 トヨタ自動車・トヨ タバッテリー 湖西市 生産基盤の整備、 生産技術の導入・ 開発・改良 投資支援件数 8,779件 総投資額 2,197億円 食料品 平和食品工業 御殿場市 レトルト食品等の工場の 新設、自動化・効率化。 3年間、年平均5.5% の賃上げにコミット。 金属製品 小林ダイヤ 浜松市 ダイヤチップソーの製造工程の自動化によ る生産性向上・業務効率化 建設 小澤土木 浜松市 現場とリアルタイムに施工情報を共有し て取り組む災害対策工事の短工期化 の実現 869億円 省エネ 日本食品化工 富士市 MVR型蒸発濃縮 装置の導入 電子部品等 大日工業 静岡市 業務用空調の基板実装の 新工場建設、生産能力向 上。3年間、年平均 10.58%の賃上げにコミット。 電子部品等 日星電気 浜松市 医療用等高機能・高品質 機器向け部品の製造能力 増強。3年間、年平均 3.51%の賃上げにコミット。 投資支援額 輸送用機械 川﨑工業 菊川市 電動車部品に特化した工 場の新設。3年間、年平 均4.5%の賃上げにコミット。 通信 エムスクエア・ラボ 牧之原市 コミュニティ強化型モビリティデバイ スプラットフォームの研究開発 バイオものづくり 大興製紙 富士市 建築廃材等未利用資源を活用 したSAF用2Gバイオエタノール生 産実証事業 蓄電池 artience・トーヨーカラー 富士市 生産基盤の整備、生産技術の 導入・開発・改良 省エネ TENTOK 富士市 ガスエンジンコージェネレーションシス テムの更新 省エネ 東亞合成 名古屋市 苛性ソーダ製造設備における 高効率電解槽導入 半導体 自動車用先端SoC技術研究組合 名古屋市 先端SoCチップレットの研究開発 はん用機械 アドバンス電気工業 春日井市 半導体製造装置向けの精密クリー ンバルブ工場の増設。3年間、年 平均4.5%の賃上げにコミット。 窯業・土石製品 瀬戸チップ工業 瀬戸市 半導体向けファインセラミック製造に おける焼成工程の改善 輸送用機械 松尾製作所 阿久比町ほか 次世代電動車向け部品の生産 工程自動化確立。3年間、年 平均3.0%の賃上げにコミット。 3,272億円 投資支援件数 19,746件 総投資額 8,154億円 燃料電池 トヨタ自動車 豊田市 燃料電池スタック、モジュールの生産 体制整備 蓄電池 トヨタ自動車 みよし市 生産基盤の整備、生産技術の導入・開発・改良 省エネ 出光興産 知多市 ガスタービン導入 蓄電池 愛三工業 安城市 生産基盤の整備、生産技術の 導入・開発・改良 愛知県 生産用機械 明和 安城市 ロボットシステムによる半導体製造装置 の精密部品製造工程自動化 航空機部品 大同特殊鋼 名古屋市 航空機用大型鍛造品にかかる 生産基盤の整備 食料品 かねふくめんたいパーク 常滑市 明太バラコ製造工場の増設。 3年間、年平均4.8%の賃上 げにコミット。 投資支援額 食料品 トーアス 豊川市 医療用流動食製造の技術を活用した 医療用ゼリーの製造ライン新設。3年 間、年平均6.03%の賃上げにコミット。 蓄電池 トヨタ自動車・豊田自動織機 大府市 生産技術の導入・開発・改良 輸送用機器 クラタ 西尾市 電動車・自動運転車に必須のブレーキ システム部品の生産拡大。3年間、年 平均4.04%の賃上げにコミット。 金属製品 アサヒセイレン中部 幸田町ほか アルミニウムリサイクル設備の導入に よる処理能力増強。3年間、年平 均3.33%の賃上げにコミット。 半導体 デンソー 幸田町 SiCウエハ、SiCエピウエハの生 産設備の増強 蓄電池 トヨタ自動車 豊田市 生産技術の導入・開発・改良 近畿 30 化学工業 オーケー化成 東員町 高付加価値な着色剤の製造工場新設。3 年間、年平均5.3%の賃上げにコミット。 金属製品 佐野テック 菰野町 南海トラフ地震などの大規模地震 に備える橋梁の免震装置の製造 省エネ 太平洋セメント いなべ市 ガスエンジン発電設備導入 省エネ AGF鈴鹿 鈴鹿市 コージェネ更新 省エネ TOYO TIRE 東員町 コージェネ導入 投資支援件数 4,068件 総投資額 8,142億円 半導体 キオクシア 四日市市 3次元フラッシュメモリ(第8、 9世代製品)製造拠点を建設 三重県 バイオ医薬品 ZACROS 名張市 ワクチン等の部素材等の製造拠点 廃棄物処理業 浦出工業 津市 環境に配慮した産業廃棄物中間処 理設備の導入による生産性向上 2,798億円 生産用機械 HIRANO METRAL 桑名市 大型工作機械用構造部品の生 産性向上 化学工業 中外医薬生産 伊賀市 OTC医薬品製造工場の新設。 3年間、年平均5.5%の賃上げ にコミット。 金属製品 南条製作所 鈴鹿市 洋上風力発電事業への事業拡大 投資支援額 半導体 JSR 四日市市 N1.5向けMORの研究開発 電気機械 新生電子 明和町 EV/HV向け部品等の生産能力増強の ための既存工場の拡充・新工場建設。 3年間、年平均5.0%の賃上げにコミット。 医薬品 ティーセルヌーヴォ― 津市 GD2 陽性の難治性固形癌に対する GITRL を組み込んだ自家由来の新 規CAR-T 細胞療法の研究開発 蓄電池 MUアイオニックソリューションズ (立地市町村非公表) 電解液・電解質及び関連材料・部材 の国内生産基盤確保のための先端生 産技術導入・開発 金属製品 増田機械 高島市 リニア新幹線・空気分離装置用部品の製造 蓄電池 本田技研工業・GSユアサ・ブルーエナジー・Honda・ GS Yuasa EV Batttery R&D 守山市 生産基盤の整備、生産技術の導入・開発・改良 蓄電池 旭化成バッテリーセパレータ (立地市町村非公表) セパレータ及び関連材料・部材 の国内生産基盤確保のための 先端生産技術導入・開発 生産用機械 エルクラフト 東近江市 新型設備の導入等による部品 加工事業の生産性向上 食品 マリンフード 長浜市 代替食品(プラントベースフード等)の製造工場の 新設。3年間、年平均4.06%の賃上げにコミット。 水素(水電解) SCREENホールディングス 彦根市 水素水電解装置部素材の製造 紙加工品 葭本(よしもと)ダンボール 草津市 複雑化するダンボール加工にも対応できる量産体制の構築 プラスチック製品 ダイニチ 愛荘町 ラミネート製品製造の 飛躍的生産性向上 滋賀県 省エネ 日東電工 草津市 排水処理の省エネルギー事業 輸送機器 三恵工業 竜王町 中古日本車向け補修部品の 製造能力の向上。3年間、年 平均3.0%の賃上げにコミット。 印刷 遠藤写真工芸所 草津市 アルバム等の印刷物の製作のための最新設備を備えた新 工場の建設。3年間、年平均9.6%の賃上げにコミット。 バイオ医薬品 ニプロファーマ 栗東市 製剤化・充填拠点の整備 水素(水電解) 東レ 大津市 水素水電解装置部 素材の製造 2,472億円 投資支援件数 4,092件 総投資額 6,226億円 はん用機械 エノモト 長浜市 産業用ロボットによる機械加工の完全自動化ラインの構築 繊維工業 山豊テグス 守山市 漁業用PVDF釣糸 の紡糸技術の新開発と 海外販売戦略の構築 バイオ医薬品 タカラバイオ 草津市 ワクチン製造拠点の整備 投資支援額 金属製品 ウミノ製作所 栗東市 精密板金における溶接 工程の生産性の向上 産業機械 ニデックドライブテクノロジー 栗東市 減速機の生産設備の増強 木材加工 旭ハウジング 米原市 建設現場の課題解決に繋がる屋根 下地材のユニット化事業 金属製品 日昇テクニカ 彦根市 パワー半導体製造装置向け超難切 削材加工による一体部品製造 食料品 田中牧場 東近江市 牛乳パックの形状変更により プラスチックストローの削減と新 市場開拓を同時に行う事業 輸送機器 光製作所 近江八幡市 産業車両・建設車両棟の製造工程の自動化。 3年間、年平均4.6%の賃上げにコミット。 金属製品 大井鉄工所 甲賀市 ZEB建設需要の拡大に対応した 低炭素型鉄骨の製造事業 機械 フクシマガリレイ 湖南市 冷凍・冷蔵ショーケース等のマザー工場、研究開発拠 点の新設。3年間、年平均2.98%の賃上げにコミット。 炭素製品 三省工業 京丹後市 粉末成型プレス導入によるスカイビングカッ ター成型体の量産体制確立 蓄電池 京都製作所 京都市 生産基盤の整備、生産技術の導入・開発・改 良 電気機械 堀場エステック 福知山市 半導体製造向け装置生産のための最新 設備の導入、マザー工場の新設。3年間、 年平均4.00%の賃上げにコミット。 医薬品 BTB創薬研究センター 京都市 下行性疼痛抑制経路を活性化す る経口鎮痛薬ENDOPINの開発 金属製品 KOYO熱錬 京都市 高精度浸炭熱処理による次世代航空機 エンジンギヤ部品への新市場進出 飲料 松井酒造 京都市 訪日外国人向けの酒蔵見学サービスの提 供とプレミアム日本酒の開発 紙製品 パックス・サワダ 亀岡市 顧客ニーズの多様化に対応 するワンタッチ式ダンボール ケースの量産計画 456億円 投資支援件数 8,140件 総投資額 1,301億円 コンテンツ 東映京都スタジオ 京都市 施設内の物販・飲食における省人化、新ア トラクションの導入による高付加価値化。3 年間、年平均6.7%の賃上げにコミット。 バイオものづくり ファーマフーズ 京都市 改変酵素を用いた卵殻膜の総合的活用プラット フォームの構築(機能性素材や健康食品の製造) 医薬品 レグセル 京都市 自己免疫性肝疾患等に対する、抗 原特異的な免疫細胞療法の開発 医薬品 シノビ・セラピューティクス 京都市 ・自己免疫疾患を対象とした CD19CAR 導入低免疫原性同 種 iPS細胞由来ナチュラルキラー細 胞療法の開発 ・発現固形がんを対象とした低免 疫原性同種細胞由来細胞傷害性 細胞療法の開発 投資支援額 医薬品 トレジェムバイオファーマ 京都市 先天性無歯症患者の欠如歯を 再生する新規抗体医薬品の開発 京都府 ITサービス 京西テクノス 京都市 関西エリアの産業向けマルチベンダーサービス提供拠 点の新設。3年間、年平均4.0%の賃上げにコミット。 再エネ(ペロブスカイト) 片岡製作所 京都市 ペロブスカイト太陽電池のレーザー 加工装置の製造 蓄電池 宇部マクセル京都 大山崎町 生産基盤の整備、生産技術の導入・開発・改良 化学製品 松風 京都市 歯科治療向け化工品の生産能力向上。 3年間、年平均3.0%の賃上げにコミット。 建設 福地建設 京田辺市 共同住宅向け鉄骨部材を内製化する工 場の新設。3年間、年平均5.2%の賃上 げにコミット。 金属製品 アストム 宇治田原町 アルカリ乾電池の生産体制刷新による生産 性向上と省力化の実現 飲料 黄桜 京都市 紙パック日本酒の量産に向けた充填工程の自動化・生産性向上 機械 スーパー工業 箕面市 建設用機械等製造工場の新設。 3年間、年平均5.0%の賃上げ にコミット。 医薬品 リバスキュラーバイオ 吹田市 全身性強皮症に伴う難治性皮膚 潰瘍に対する血管内皮幹細胞を 用いた新規細胞治療薬の開発 医薬品 Atransen Pharma 大阪市 アミノ酸トランスポーターの ロッキング阻害による革新 的な新規抗がん剤の開発 バイオ医薬品 シオノギファーマ 摂津市 製剤化・充填拠点の整備 バイオ医薬品 岩田硝子工業 門真市 ワクチン等の部素材 等の製造拠点 2,004億円 投資支援件数 27,264件 総投資額 4,763億円 (参考)大阪・関西万博 経済波及効果約2.9兆円 ※会場整備費、運営費、来場者消費等 に基づき試算 再エネ(ペロブスカイト) 積水化学工業 堺市 フィルム型ペロブスカイト太陽電池の量産 大阪府 蓄電池 パナソニックエナジー 大阪市など 生産技術の導入・開発・改良 建築材等 中村タイル 大阪市 工事で余ったタイルの再利用の資源化、ECサイト構築 蓄電池 宇部マクセル 堺市 生産基盤の整備、生産技術 の導入・開発・改良 金属製品 菰下鎔断 岸和田市・貝塚市 洋上風力・水素関連施設向け金属加工品の製造。 3年間、年平均7.0%の賃上げにコミット。 建設 コーヨークリエイト 岬町 建設向け部素材製造工場の新設。3年間、年 平均3.0%の賃上げにコミット。 蓄電池 パナソニックエナジー・マツダ 大阪市 生産基盤の整備、生産技術 の導入・開発・改良 機械 フジキン 東大阪市・大阪市 半導体製造装置向け部品の製造工場の新設等。 3年間、年平均5.0%の賃上げにコミット。 金属製品 八立製作所 大阪市 建設用機械製造工場の新設。3年 間、年平均4.0%の賃上げにコミット。 食品 泉南乳業 堺市 学校給食・海外輸出用牛乳等 の生産設備の増強。3年間、年 平均5.0%の賃上げにコミット。 投資支援額 航空機部品 日本坩堝 東大阪市 航空機用鋳造品にか かる生産基盤の整備 医薬品 C4U 吹田市 CRISPR-Cas3 ゲノム編集技術を 用いた原発性免疫不全症に対する 造血幹細胞移植治療法の開発 バイオものづくり ZACROS 吹田市 細胞性和牛肉の社会実 装に係る研究開発 医薬品 ペリオセラピア 吹田市 治療抵抗性転移再発 HER2 陰性乳癌に対す る新規治療法の開発 鉄鋼 岸和田製鋼 岸和田市 電気炉への省エネ投資等。3年間、 年平均4.0%の賃上げにコミット。 窯業・土石製品 ニューレジストン 和泉市 高耐久性切断砥石の高効率 自動化生産体制の構築 金属製品 サムテック 羽曳野市 自動車用ブレーキ製 造工場の新設。3年 間、年平均3.5%の 賃上げにコミット。 電気機械 山本ビニター 八尾市 木材・樹脂・食品向け加熱 装置製造工場の新設等。 3年間、年平均3.5%の 賃上げにコミット。 金属製品 ハウゼコ 加西市 住宅用部材工場の増改築等。 3年間、年平均3.2%の賃上 げにコミット。 金属製品 美岡工業 香美町 高機能設備導入による切削 加工部品の増産体制構築 木材製品 衣笠木材 宍粟市 集成材製造工程の機械 化促進による省力化 飲料 アライドコーヒー ロースターズ 小野市 コーヒー生産機器の 導入等。3年間、 年平均7.2%の賃 上げにコミット。 包装材製造 菅野包装資材 加西市 包装材製造工場の新設等。3年間、 年平均6.06%の賃上げにコミット。 食料品 ハマダコンフェクト 加古川市 菓子製造工場の新設、設備導入等。3 年間、年平均6.0%の賃上げにコミット。 はん用機械 フクトクテクノス 姫路市 最新鋭門型立旋盤導入 による高レベル放射性廃 棄物輸送・貯蔵用キャス クの生産性向上 鉄鋼 日本製鉄 姫路市 カーボンニュートラルに向け た鉄源プロセス転換(電 炉設置) 蓄電池 トヨタ自動車・プライムプラネットエナジー&ソリューション ズ 姫路市 生産基盤の整備・生産技術の導入・開発・改良 投資支援額 2,805億円 投資支援件数 11,548件 総投資額 7,875億円 省エネ 相互印刷 丹波篠山市 オーダーメイド型高効率印 刷機による省エネ 生産用機械 岩崎電機製作所 丹波篠山市 半導体製造装置向け部品の製造工場の新設 等。3年間、年平均5%の賃上げにコミット。 兵庫県 電子部品 大真空 加古川市 半導体関連部品製造設備 の導入。3年間、年平均 5.5%の賃上げにコミット。 食料品 まねき食品 姫路市 駅弁の製造設備導入等。3年間、年平均 5.1%の賃上げにコミット。 蓄電池 グローバル・テック 加東市 リチウムイオン電池工 場の新設等。3年間、 年平均4.50%の賃 上げにコミット。 生産用機械 ヤマトミシン製造 三田市 衣料品向けスマート工場の新設、ソフトウェア導 入等。3年間、年平均7.1%の賃上げにコミット。 省エネ 大阪ソーダ 尼崎市 電解槽システムの省エネルギー化 省エネ カネカ 高砂市 ガスタービンコージェネレー ション先進設備導入 バイオ医薬品 JCRファーマ 神戸市 ワクチン製造拠点の整備 宿泊 ホテルニューアワジ 洲本市・南あわじ市 宿泊施設の新設、DX投資等。3年 間、年平均4.5%の賃上げにコミット。 航空機部品 神戸製鋼所 神戸市 航空機用大型鍛造品にか かる生産基盤の整備・生 産技術の開発 バイオものづくり 長瀬産業 神戸市 スマートセル活用によるエルゴ チオネイン発酵生産の事業化 航空機部品 大阪チタニウム 尼崎市 航空機用スポンジチタンの生 産基盤の整備 金属製品 トーカロ 神戸市 半導体製造装置向け部品の製 造工場の新設等。3年間、年平 均4.0%の賃上げにコミット。 バイオ医薬品 ナティアス 神戸市 ワクチン等の部素材等の製造拠点 業務用機械 溝口技術研究所 生駒市 デジタル技術を活用した精密加工 の自動化システム構築 建設 ニシクボ製作所 奈良市 建築構造物の大型化に向けた鉄骨溶接の高度 化と生産能力増強体制の構築 飲料 長龍酒造 広陵町 日本酒醸造技術を活かした缶入クラ フトビールの開発と販売 バイオものづくり 三和澱粉工業 橿原市 国内未利用バイオマスを利用した機 能性糖質素材の開発と社会実装 医薬品 至誠堂製薬 御所市 包装工程へのオリジナル省 力化機器導入による抜本 的な生産性改善 3,134件 総投資額 652億円 輸送用機械 テクノプラン 大和郡山市 産業振興と低炭素交通に貢献す る電動三輪車の試作製造 業務用機械 フジフレックス 生駒市 日本人(アジア人)向け男女別橈骨遠 位端骨折用プレートの開発 木材製品 天理集成材 天理市 非住宅木造化促進に繋 がる集成材事業の拡大 医薬品 大峰堂薬品工業 五條市 漢方薬製造工場の新設、 生産設備の導入等。3 年間、年平均4.21%の 賃上げにコミット。 投資支援件数 印刷 上六印刷 生駒市 マルチカラー印刷とパターンオーダー化による低価 格帯パッケージ製造事業への進出 奈良県 医薬品 寧薬化学工業 葛城市 医療用医薬品工場の新設等。3年 間、年平均5%の賃上げにコミット。 275億円 食料品 やまと蜂蜜 山添村 中国市場における コーヒーポーション事業 プラスチック製品 広陵化学工業 広陵町・五條市 医療用機器向け工場の新設、機器導入等。 3年間、年平均4.8%の賃上げにコミット。 プラスチック製品 三笠産業 広陵町 食料品向け容器工場の改修、 省力化投資等。3年間、年平 均7.0%の賃上げにコミット。 投資支援額 医薬品 新生薬品工業 高取町 台湾への輸出事業の拡大と当局規制 要件の高度化に伴う設備投資 木材製品 谷一木材 天理市 木材加工における最先端ロボッ トによる生産力の向上 蓄電池 パナソニックエナジー (立地市町村非公表) 車載用(駆動用)蓄電池池の国内生産基盤確保の ための先端生産技術導入・開発 紙製品 シゲタ巧芸紙業 和歌山市 新設備の導入による生産性の向上と環境に 優しい段ボール製品の開発・販売 輸送用機械 小川工業 橋本市 次世代EV用静音ギアの 開発と新分野展開 投資支援額 343億円 投資支援件数 2,221件 総投資額 1,649億円 製造業 がまかつ 橋本市 革新的かつ抜本的な釣り具製造工 程の刷新による生産性の向上 再エネ(洋上風力) ナロック 和歌山市 洋上風力発電向け係留索の製造 ゴム製品 尾高ゴム工業 紀の川市 高機能(長寿命)産業用ゴムロール向け 温水加硫缶(高性能加硫缶)の導入 金属製品 高木彫刻 和歌山市 自動彫刻機導入による精 密彫刻対応 卸売 紀陽ダイキン空調 和歌山市 基幹システム更新による販売及び在庫 管理の業務プロセスの強化 和歌山県 食料品 西川食品 紀の川市 外国人に人気の「日本食」を独 自冷凍技術で製造 物流 ユニワールド 有田川町・有田市 繊維・衣服等卸売業向け物流施設の増設。 3年間、年平均5.5%の賃上げにコミット。 コンソーシアム 廃棄物処理 サンコークリエイト和歌山 和歌山市 先進的な圧縮梱包設備を導 入し生産性向上 印刷 大和パッケージ 和歌山市 最新打抜き加工機の導入に よる生産性の向上等 金属製品 紀州ファスナー工業 御坊市 転造加工による高品質の切粉レスナットの 製造とコストダウンの実現 食料品 ソイフ 田辺市 冷凍豆腐の製造に関し生産性向上と 付加価値増加に向けた設備投資 観光(宿泊) 丸峰観光ホテル 那智勝浦町 施設の改装、DX投資等。3年間、 年平均5.8%の賃上げにコミット。 観光(宿泊) 浦島観光ホテル 那智勝浦町 施設の改装、DX投資等。3年間、 年平均5.6%の賃上げにコミット。 観光(宿泊) みちのり観光ホテル 那智勝浦町 施設の改装、DX投資等。3年間、 年平均8.7%の賃上げにコミット。 中国 38 金属製品 一瀬製作所 境港市 生産ラインの最適化・IoT化のための NCプレス・ブレーキの導入 パルプ・紙 今川紙器 鳥取市 高品質化機能搭載超厚紙対応打抜 機導入による高級・脱プラパッケージ 製造 金属製品 サングレス 大山町 高精度な曲げ加工実現のための太物ば ね加工技術確立、量産工法開発 窯業 田中組 鳥取市 移動式回転選別機導入による改良 土製造の生産効率向上 食料品 境港センター冷蔵 境港市 魚の選別作業機械化 鳥取県 省エネ 甲陽ケミカル 境港市 ボイラの更新、燃料転換 技術サービス業 シンワ技研コンサルタント 米子市 水域における測量プロセス革新 投資支援額 78億円 投資支援件数 986件 総投資額 203億円 金属製品 川口精工 岩美町 大型製作品と小型量産品の両事業 の高効率生産体制の確立 蓄電池 ニッポン高度紙工業 (立地市町村非公表) セパレータ及び関連材料・部材の国内 生産基盤確保のための先端生産技術 導入・開発 食料品 ゼンヤクノー 鳥取市 包装工程革新によるお茶の製造の販路拡大等 生産用機械 レッキス工業 大山町 ねじ加工用チェーザの洗浄効率向上 による、熱処理工程の性能強化 化粧品 ブリリアントアソシエイツ 鳥取市 鳥取発「県産ビーツといちごを活用したジェン ダーレスコスメ」を開発 金属製品 正光 鳥取市 孔明け機と溶接ロボットシステム導入による鉄 骨梁の生産量拡大とFA化 飲料 ケイ・エフ・ジー 浜田市 AIカメラを活用した画像解 析ソリューションで検査業務 の効率化 木材製品 益田原木市場 益田市 木質バイオマスチップの生産 体制強化による地域木材産 業の活性化 金属製品 桜木機工 大田市 鍛造用金型等の製作に向け た高硬度素材・複雑形状加 工への取り組み 食料品 はら屋 出雲市 量販店等のPB商品需要 に応える新たな和菓子冷凍 食品出荷体制構築 窯業・土石製品 イズコン 出雲市 高流動コンクリートを使用し たプレキャストコンクリート製 品の製造開始 飲料 山陰クボタ水道用材 大田市 ミネラルウォーター製造における 環境配慮型ビジネスの推進と生 産性向上 投資支援額 136億円 投資支援件数 1,364件 総投資額 276億円 飲料 李白酒造 松江市 日本酒メーカーの革新的な販路 展開の実現とその製法確立 金属製品 MAKATA 松江市 クリーンエネルギー産業への 新規参入を目指す量産体 制の構築 島根県 航空機部品 プロテリアル 安来市 航空機用大型鍛造品にか かる生産基盤の整備 金属製品 クライムファクトリー 雲南市 鋳物等機械加工の段取り作業 の平準化と機械稼働率を向上 させる新生産方式導入 建設 新川鉄工 出雲市 二次部材の製造能力増強に よる、本体鉄骨と二次部材の 一元供給事業 飲料 吉田酒造 安来市 搾りたてのフレッシュな生酒の量産 体制確立と中国・台湾への輸出の 展開 航空機部品 キグチテクニクス 安来市 航空機用大型鍛造品にか かる生産基盤の整備 金属製品 三星金属 総社市 複合加工機導入よる、金属屋 根製品の生産性向上事業 木材製品 銘建工業 真庭市 建築用木材製品の新工場 の建設、生産性向上。3年 間、年平均5.0%の賃上げ にコミット。 窯業・土石製品 ランデス 真庭市 即時脱型成形による環境配慮型コ ンクリートパネルの製品化 窯業・土石製品 津山宇部生コンクリート 津山市 品質の高度化による受注増加と練り混 ぜ工程・洗浄工程の効率化 投資支援額 1,380億円 投資支援件数 5,225件 総投資額 4,122億円 金属製品 東洋精機産業 岡山市 船舶用エンジンの低燃費・代替 燃料への対応に向けた燃料噴射 装置の製造・量産化 金属製品 妹尾機械工業 井原市 大径・長尺旋盤加工体制の構築に よる一貫生産体制強化の実現 輸送用機械 竹田鉄工所 備前市 横形マシニングセンタで小型船舶 用エンジン筐体へ展開 食料品 サンラヴィアン 里庄町 移載自動化装置等導入に伴 う生産体制整備構築事業 はん用機械 頼鉄工所 岡山市 Eアクスル用モーターシャフ トの量産体制によるグリー ン成長事業 岡山県 電子部品 エスタカヤ電子工業 里庄町 パワー半導体事業におけ るテスト工程の革新と拡 大へ向けた取組み 窯業・土石製品 大和クレス 瀬戸内市 公共インフラの安心・安全と長 寿命化に向けた、超大型製品 の強度保証事業 金属製品 安田工業 里庄町 研究開発拠点の新設。3年間、 年平均3.19%の賃上げにコミット。 生産用機械 ジェイ・イー・ティ 里庄町・浅口市 半導体製造向け洗浄装置の生産能 力増強、省力化、研究開発の加速。 3年間、年平均3.20%の賃上げに コミット。 蓄電池 関東電化工業 (立地市町村非公表) 生産基盤の整備 航空機部品 日本エアロフォージ 倉敷市 航空機用大型鍛造品の生産に 必要な新たな設備の導入、およ び生産技術の改良 鉄鋼 JFEスチール 倉敷市 革新電炉へのプロセス転換 繊維工業 SINGS 倉敷市 ウレタンマットレス材料の内製化・工 程の自動化・効率化を図る新工場 の建設、機械設備の導入。3年間、 年平均5.9%の賃上げにコミット。 紙製品 中桐紙器 玉野市 最新式の美粧段ボール用製造 機導入による工程の削減と高 付加価値製品製造の増産に よる生産性向上 金属製品 山陽精螺工業 安芸高田市 大型設備導入と分散工程集約に よる脱炭素プラント受注の拡大 製造業 ヒロコージェットテクノロジー 呉市 三次元測定機能付大型加工機械導入 による製造プロセスと品質改善 輸送用機械 福本鉄工所 東広島市 プログレ加工法を用いた 高張力鋼板向けプレス工 程の最適・最短化 機械器具 テラル 福山市 ポンプ・送風機等の機械の製造 工程の自動化、研究開発施設を 備えた工場の新設。3年間、年 平均3.51%の賃上げにコミット。 金属製品 三和鉄構建設 尾道市 大型鉄骨市場への進出 2,787億円 投資支援件数 6,811件 総投資額 8,015億円 医療 福山臨床検査センター 福山市 最新鋭の検査設備の導入、新検 査棟の建設による処理能力向上 と生産性向上。3年間、年平均 4.5%の賃上げにコミット。 製造業 チューリップ 安芸太田町 微細加工機による基板検査向け高 精度検査針とその他針の開発 食品 池田糖化工業 福山市 ペットフード、健康食品、粉 末食材・調味料等の生産 能力増強。3年間、年平 均5.0%の賃上げにコミット。 広島県 バイオ医薬品 広島大学 広島市 治験薬製造拠点 投資支援額 生産用機械 ジェーイーエル 尾道市 半導体用ウェハ搬送装置の生産能 力向上のための工場新設。3年間、 年平均3.3%の賃上げにコミット。 金属製品 城山鉄工 広島市 先端設備導入 蓄電池 メキシケムジャパン 三原市 生産基盤の整備 金属製品 瀬戸内メタル 呉市 高効率な設備導入 金属製品 角田鉄工 呉市 レーザー加工機の導入 半導体 マイクロンメモリジャパン 東広島市 DRAM(1γ世代)製造拠 点の建設等 食料品 椿き家 三原市 情報インフラの整備・拡充 非鉄金属 キソメック 福山市 IoTを活用した省 人化切断の推進 金属製品 三谷製作所 福山市 高速・高精度加工 の実現 卸売 山口県中央花市場 山口市 出荷者・購入者のニーズに対応する 非対面型生花販売体制の構築 建設 成凌 周南市 自走式破砕機導入による生 産性向上計画 蓄電池 パナソニックエナジー・マツダ 岩国市 生産基盤の整備、生産技術 の導入・開発・改良 725億円 投資支援件数 2,622件 総投資額 2,097億円 飲食料品 ミコー食品 岩国市 食肉製品の増産と生産性の 向上 省エネ トクヤマ 周南市 製造所の省エネルギー化 食料品 日本フーズ 下松市 ブリ・マグロ等水産加工品の 輸出商品の開発・量産体制 の構築 鉄鋼 日本製鉄 周南市 電炉設置 金属製品 関西製罐 下関市 多工程プレスの導入 投資支援額 農業 あおき 下松市 新型ラインによる細もやしの 品質及び生産性向上 山口県 建設 澄川工業 下松市 蓄電池分野への事業再構築 金属製品 カオル製作所 山陽小野田市 オリジナル治具の開発により ロボットとMCを連動させ高 精度加工を実現 航空機部品 UBE 宇部市 航空機用SiC繊維にか かる生産技術の確立 建築材料等 オカザキ 防府市 ITを活用した改善及びプ ラント導入 廃棄物処理 ただおザウルス 防府市 廃プラスチック混合廃棄物処理場を新 設し、再資源化設備を導入。3年間、 年平均7.0%の賃上げにコミット。 建設 濱田工業 下松市 道路舗装工事のワ ンストップ化 蓄電池 東海カーボン 防府市 生産基盤の整備、生産技術の導入・開発・改良 蓄電池 東洋銅板 下松市 生産技術の導入・開発・改良 生産用機械 木村工業所 光市 高輝度レーザマシンの導入によ る半導体市場に算入 四国 44 廃棄物処理 東條商事 板野町 産業廃棄物の分別工程の効 率化及び精度向上による埋立 率の削減 バイオ医薬品 十川ゴム 阿波市 ワクチン等の部素材等の 製造拠点 木材 阿波林材 三好市 国産材のセミプレカット工場立 上げ 建設 矢田工業 鳴門市 鋼構造製造工場の新設等。3年 間、年平均5%の賃上げにコミット。 投資支援額 176億円 投資支援件数 1,913件 総投資額 434億円 蓄電池 パナソニックエナジー (立地市町村非公表) 定置用蓄電池の国内生産 基盤確保のための先端生産 技術導入・開発 パルプ等 山文 吉野川市 手作業中心であった貼紙の裁 断・打抜き製造の全自動化 生産用機械 石原金属 徳島市 曲げ技術の内製化 生産用機械 石井工業 吉野川市 産業機械向け板金製品の生 産性向上 飲料等 あたらしや 吉野川市 ドクダミ生葉混合飼料製造に よる生産性向上 電機 エーテック 徳島市 蓄電池産業向け特注部品の 供給力強化 徳島県 金属製品 遠藤産業 阿南市 ヘッドライト用LED製造装 置部品の生産体制の構築 業務用機械器具製造 SmartLaser&P lasmaSystems 徳島市 製造プロセスにおける迅速・高 精度なオンライン成分分析装 置の試作開発 不動産賃貸 シティ・ハウジング 徳島市 オーダーメイド賃貸仲介支援シ ステム導入 蓄電池 日亜化学工業 阿南市 生産基盤の整備、生産技 術の導入・開発・改良 廃棄物処理 リフレッシュ阿南 阿南市 最新廃プラ破砕設備導入 蓄電池 丸井産業 阿南市 生産基盤の整備 金属製品 三和テスコ 高松市 亜臨界水処理装置生産工場 の改修等。3年間、年平均 4.52%の賃上げにコミット。 機械 ユニコム 多度津町 油圧システム製造工場の新設、 設備導入等。3年間、年平 均6.0%の賃上げにコミット。 金属製品 山城金属 まんのう町・丸亀市 EV部品製造工場の新設、設 備導入等。3年間、年平均 5.1%の賃上げにコミット。 電機機械 鎌長製衡 高松市 計量機器、リサイクル機器工場新設等。3 年間、年平均6.72%の賃上げにコミット。 半導体 日本エアリキード 直島町 希ガスの生産 投資支援額 378億円 投資支援件数 2,785件 総投資額 1,440億円 はん用機械 丸富士産業 高松市 部品の世界共通化と国内生 産回帰を進める主取引先との 連携による新分野進出 印刷 北四国グラビア印刷 三豊市 印刷工場新設、機器導入等。 3年間、年平均4.99%の賃 上げにコミット。 建設 フソウリブテック 高松市 住宅リノベーション事業と新基幹 システムによる業務革新 バイオ・医薬品 一般財団法人阪大微生物病 研究会 観音寺市 治験薬製造拠点 生産用機械 村上鐵工所 観音寺市 リチウムイオン電池向けセパレータフィル ム製造ラインの製作 パルプ等 昭和紙工 観音寺市 一括包装機導入 印刷 北四国グラビア印刷 観音寺市 生産性向上及び省人化 電機 山英電機 高松市 デジタル技術を活用した切 断加工の自動化 建設 三栄工業 高松市 ICT建設機械導入 香川県 生産用機械 香西鉄工所 高松市 オーダーメイド溶接ロ ボットの活用 蓄電池 三菱ケミカル 坂出市 生産基盤の整備 家具等 綾野製作所 丸亀市 高硬度材の切断工程の効率化 金属製品 とめ太郎 綾川町 マルチテナント型物流倉 庫などで使われる規格外 防火扉の量産事業 電機機械 XEN GROUP 高松市 食品保存機器製造に向けた ロボット導入等。3年間、年 平均4%の賃上げにコミット。 はん用機械 村上製作所 さぬき市 機械加工工程のライン化及び 自動化 電子部品 アオイ電子 高松市 パワー半導体量産に向けた工 場建屋購入等。3年間、年 平均3.0%の賃上げにコミット。 建設 林鐵工所 松山市 溶接ロボットシステム導入 生活サービス 四国医療サービス 松山市 食品製造工場の新設、省力 化設備導入。3年間、年平 均6.0%の賃上げにコミット。 印刷 SYSTEM NAMU 今治市 印刷工程の自動化とAI 管理の導入による印刷環境 の省人化 生産用機械 大昌鉃工所 四国中央市 リチウムイオン電池部材およびマスク 等不織布製品製造設備の大型フ レーム生産性向上計画 食料品 マルトモ 伊予市 「かつおパック」増産に向けた検 品・梱包工程の自動化ライン 構築 219億円 投資支援件数 2,955件 総投資額 523億円 生産用機械 大昌鉄工所 四国中央市 電池部素材の製造装置導入等。3年 間、年平均4.8%の賃上げにコミット。 金属製品 西部鉄工 松山市 超高強度鉄骨柱の溶接自動 化による生産性向上 金属製品 ホリエ 松山市 設備の自動化による量産市場 への参入と生産性の向上 投資支援額 食料品 愛媛製紙 四国中央市 食品・化粧品向けセルロースナノファ イバーの生産効率向上 愛媛県 バイオものづくり 大王製紙 四国中央市 製紙産業素材を活用したバイ オ燃料・樹脂原料等の商用生 産に向けた研究開発・実証 金属製品 フジ製作所 西条市 半導体製造装置用大型パネ ルの生産性向上 窯業等 南予生コン 宇和島市 業務の最適化とサプライチェー ン強化 木材 共栄木材 伊予市 杉材・焼杉材の、品質保証体 制向上 省エネ リンテック 四国中央市 ガスタービンコージェネレーション設備 導入 金属製品 東和工業 新居浜市 フランジ製造の完全無人化の 製造ラインを新設 金属製品 綜合鉄工 高知市 ID金型管理システム搭載の 複合加工機導入 印刷等 西村謄写堂 高知市 和紙・トレーシングペーパーの 印刷加工に特化した円滑な生 産体制の構築 物流 高知通運 高知市 物流拠点新設、DX化。3年 間、年平均3.4%の賃上げに コミット。 清掃・物流 ダイセイ 高知市 物流拠点新設、出荷システム サービスの導入。3年間、年 平均8.2%の賃上げにコミット。 投資支援額 69億円 投資支援件数 1,544件 総投資額 188億円 生産用機械器具 高知精工メッキ 南国市 半導体製造工程で使用する露光 装置の部品製造事業への取組み 木材 小笠原技建 南国市 自動供給NC加工機の導入 高知県 金属製品 西岡鉄工所 高知市 柱大組溶接ロボット導入 食品(酒造) 土佐鶴酒造 安田町 酒造工場の新設、省力化等。 3年間、年平均5.0%の賃上 げにコミット。 窯業等 高知コンクリートサービス 高知市 産業廃棄物であるコンクリート スラッジの循環型資源化 廃棄物処理 土佐土建 土佐市 木質バイオマスの需要増に対応した 木くずのリサイクル強化 金属製品 松村鉄工所 南国市 シャフト部品の高効率生産体 制の構築 建設 高知丸高 高知市 ICT浚渫工(河川)に特 化したICT泥上掘削機と施 工管理システムの開発 はん用機械 泉井鉄工所 香南市 CNC大型立型旋盤導入 食料品 ひまわり乳業 南国市 最新充填機による小型商品ラ イン再構築 九州・沖縄 49 食料品 MHフーズ 鞍手町 総菜製品向けトンネ ルフリーザー急速冷 凍装置の導入 蓄電池 トヨタ自動車・トヨタバッテリー 苅田町 生産基盤の整備 蓄電池 日本触媒 北九州市 生産基盤の整備 蓄電池 ソフトエナジーコントロールズ 北九州市 生産基盤の整備、生産技術の導 入・開発・改良 水運 平安海運 北九州市 燃費の良い荷役機械 の導入 3,287億円 投資支援件数 16,030件 総投資額 10,076億円 鉄鋼 日本製鉄 北九州市 電炉設置 廃棄物処理 eデザイン 宗像市 がれき類リサイクルプラントの画 像認識等の活用 医薬品 エディットフォース 福岡市 病原性CUGリピートRNAを標的とす る塩基配列特異 的 RNA結合蛋 白質による筋強直性ジストロフィー1 型 に対する革新的治療薬の開発 投資支援額 はん用機械 西部技研 宗像市 除湿分野機械工場の新設等。 3年間、年平均5.51%の賃 上げにコミット。 医療用機械 ユニシス 糸島市 医療資材製造工場新設。 3年間、年平均6.72% の賃上げにコミット。 再エネ(洋上風力) 日鉄エンジニアリング 北九州市 浮体式等洋上風力発電設備浮体基礎 福岡県 はん用機械 石橋製作所 直方市 レーザースキャニング データを利用した自動 肉盛り 倉庫 シーエル 筑紫野市 物流拠点の増加・分散。3年間、 年平均5.2%の賃上げにコミット。 輸送用機械 関東製作所 飯塚市 コアバック方式による自 動車部品の軽量化・ 耐久性向上 金属製品 小堀製作所 粕屋町 アルミ製庇向けファイバーレー ザー溶接システム導入 バイオ医薬品 VLP Therapeutics Japan 久留米市 治験薬製造拠点 パルプ等 大栄ダンボール 大刀洗町 環境配慮型パッケージ事業 印刷等 丸信 久留米市 デザイン性を追求した特殊 貼り紙器製品製造のための グルアー機の新設 生産用機械 オーレック 広川町 農業用機器工場、 設備、倉庫の増設。 3年間、年平均 5.0%の賃上げにコ ミット。 電機 正興電機製作所 北九州市 蓄電システムの検証等に用いる研 究開発等の新設等。3年間、年 平均4.35%の賃上げにコミット。 化学 メック 北九州市 半導体パッケージ基板設備の増 設、自動化等。3年間、年平 均3.4%の賃上げにコミット。 鉄鋼 曽根金属工業 北九州市 アルミの高精度リサイクル技術の開発 鉄鋼 曽根金属工業 苅田町 鉄スクラップ流通のグローバ ル化・低コスト化 金属製品 江藤製作所 北九州市 最新鋭のファイバーレーザー切断機導 入及びEV分野への新規参入 建設 シビコ 玄海町 重機のICT化 医薬品 千寿製薬 唐津市 点眼薬製造ラインの増設。 3年間、年平均7.89% の賃上げにコミット。 省エネ 王子マテリア 佐賀市 動力設備燃料転換によ る省エネルギー事業 金属製品 中島製作所 佐賀市 切削加工工程の集約及び 統合管理システムの活用 投資支援額 897億円 投資支援件数 2,034件 総投資額 2,628億円 廃棄物処理 中商開発 吉野ヶ里町 再生砕石需要増への対応強化 金属製品 亀井製作所 伊万里市 レーザー加工機関連投資 金属製品 三栄鉄工所 武雄市 柱溶接ロボットの導入 佐賀県 建設 セリタ建設 武雄市 セメントを使わない建築 基礎工法の導入 金属製品 鶴沢鉄工所 小城市 デジタル技術による生 産性向上・省力化 生産用機械 ミクロン 嬉野市 微細加工技術向上・量産対応 観光(宿泊) GOTENリゾート 嬉野市 高単価旅館の建設、 DX、省エネ投資等。3 年間、年平均8.5%の 賃上げにコミット。 半導体 SUMCO 伊万里市、吉野ヶ里町 シリコンウエハの量産投資 窯業等 藤津碍子 鹿島市 バッチ式乾燥炉導入による碍子製 造プロセスの生産性向上 金属製品 澤野建設工業 嬉野市 柱大組立溶接ロボットシ ステムの導入 飲料等 馬場酒造場 鹿島市 日本酒の開発・製造によ る海外販路開拓 木材 佐世保木材協同組合 佐世保市 建設産業向け羽柄材プレカッ ト工程の生産性向上 窯業等 大和産業 大村市 建設発生土の改良に 係る生産体制強化 投資支援額 109億円 投資支援件数 3,217件 総投資額 225億円 建設 共栄工業 大村市 高精度免震装置の受注 輸送用機械 秀工社 諫早市 次世代エネルギー関連部品向けの 横型マシニングセンタ導入 鉄鋼 山口商店 佐世保市 鉄スクラップの品質向上 再エネ(洋上風力) 大島造船所 長崎市 浮体式等洋上風力発電設備浮体基礎 プラスチック製品 GTM WEIDMANN 諫早市 大型絶縁材料加工の効率化 長崎県 農業 増田青果 島原市 人参洗浄カメラ選別機械の導入 による生産能力向上計画 建設 野田工業 長崎市 高層建造物解体事業計画 食料品 長崎ブロイラー産業 諫早市 機械化による「せせり(小 肉)」の商品化率向上 輸送用機械 秀工社 諫早市 水素専焼発電部品製造 金属製品 新田鉄工所 南島原市 最新CNC旋盤による大物精密部 品自動加工能力の獲得 飲食料品卸売業 水野商店 熊本市 青果物の真空予冷処理・パッケー ジ処理による新たなサービス事業 繊維 光多制服 熊本市 受注や在庫・販売管理等のDX システム構築 半導体製造装置 くまさんメディクス 菊池市 生成AI向け装置生産工場 の建設。3年間、年平均 7.25%の賃上げにコミット。 バイオ医薬品 KMバイオロジクス 菊池市 ワクチン等製造拠点 熊本県 建設 五大 天草市 新型装置の導入による沿 岸開発の生産性向上 飲食料品卸売 海神貿易 天草市 生産性と品質の向上 バイオ医薬品 JNC 水俣市 ワクチン等の部素材等の 製造拠点 投資支援件数 5,247件 総投資額 32,090億円 電機 アイディエス 菊陽町 新製品の販路拡大に向けた生産 性向上 輸送機器器具 ヒサダ 熊本市 EV向け部品製造工場新設、 設備導入。3年間、年平均 3.77%の賃上げにコミット。 プラスチック製品 大西化成 宇城市 断熱材プレカットのリード タイム短縮 12,523億円 金属製品 新日本ステンレス工業 合志市 AI機能をもった設備の導入 食品小売 ロッキー 益城町、熊本市 食品加工場増設・省力化装 置導入。3年間、年平均 5.0%の賃上げにコミット。 電機 熊本マランツ 宇土市 基板実装マウンター入替え 投資支援額 半導体 JASM 菊陽町 先端ロジック半導体製造拠点の新設 食料品 フンドーダイ 熊本市 減圧濃縮装置導入及び商品拡充 金属製品 平島 御船町 金属(屋根素材)工場の新増 設・研究所の新設。3年間、年 平均4.6%の賃上げにコミット。 物流(倉庫) 永井運送 宇城市 クリーンルーム付き倉庫の 新設。3年間、年平均 8.1%の賃上げにコミット。 廃棄物処理 久環 水俣市 廃棄木材の処理能力向上による、 木片チップ生産量の拡大 プラスチック 藤井包材 八代市 フィルム加工技術を活かした「チャッ ク三方袋」の安定供給と高精度化 プラスチック製品 ユーテック 宇佐市 塗装専用設備・多関節ロボットの 導入 生産用機械 型研精工 国東市 大型マシニングセンタ導入 窯業等 イーアール 宇佐市 処理能力の強化 生産用機械 エスティケイテクノロジー 大分市 半導体関連装置に関する 新工場建設、設備導入。 3年間、年平均4.8%の 賃上げにコミット。 建設 日伸建設工業 杵築市 ICT対応型建機導入 金属製品 藤伸 日出町 大型物流倉庫市場参入 による事業拡大 141億円 投資支援件数 3,280件 総投資額 320億円 電機 日出電機エナジー 別府市 未利用材等の有効活用 輸送用機械 愛宕自動車工業 中津市 エコロジーボックス及びリニボ製造部 品の対応力強化 その他製造 エコ・ワールド 玖珠町 新型クッションマットレス製 造装置の設置 投資支援額 大分県 電気機械 AKシステム 大分市、由布市 半導体関連装置に関する新工 場建設、改修。3年間、年平 均4.0%の賃上げにコミット。 印刷等 エイコー印刷 大分市 最新型印刷機(間欠凸 輪転機)の導入 その他製造 三井エアーテック 大分市 省力化設備およびシステム の導入 物品賃貸 三信産業 大分市 仮設足場板高圧洗浄装 置導入 建設 三興運輸 高千穂町 土工工事向けICT建機の活用 金属製品 花菱精板工業 延岡市 ATC搭載曲げ機の導入 食料品 イートアンドフーズ 都城市ほか 食料品製造設備の導入、サプラ イチェーン効率化。3年間、年 平均5.0%の賃上げにコミット。 2,342件 総投資額 3,410億円 蓄電池 旭化成バッテリーセパレータ 日向市 生産基盤の整備等 金属製品 アルファ 宮崎市 最先端のプレス機導入によるボトルネック 工程の生産性・品質向上 建設 段建設工業 都城市 ICT重機導入 投資支援件数 金属製品 森山工業 延岡市 最新鋭のCNC旋盤導入 宮崎県 半導体 ローム・ラピスセミコンダクタ 国富町 半導体の生産拠点の新設 1,209億円 木材 一山木材 延岡市 省力化と効率化に向けた機械導入と寸 法検査システムの構築 バイオ医薬品 旭化成ライフサイエンス 延岡市 ワクチン等の部素材等の製 造拠点 鉱業等 国見興業 椎葉村 生産性向上等に向けた新設備の導入 投資支援額 教育 教育情報サービス 宮崎市 ケニアの中等教育向けIT教育拠点 (ハブ)構築に係る共同事業 電気機械 共立電機製作所 宮崎市 カスタムメイド全自動電線加工機の導入 による配電盤製造の自動化 木材 ビッグハウス 三股町 木造建築部品製造新工場・産業 用ロボットの導入。3年間、年平 均9.07%の賃上げにコミット。 建設 相生建設 宮崎市 ICT重機導入 食料品 ミヤスイ商事 宮崎市 水産総菜加工場の新設 金属製品 ケイ工業 薩摩川内市 スポット溶接機の導入による鉄 筋溶接工程の刷新等 金属製品 相良製作所 鹿児島市 蓄電所市場への進出 及び低炭素経営推進 食料品 明石屋菓子店 鹿児島市 「かるかん」「かるかん饅頭」の職 人技能の自動化等 投資支援額 121億円 投資支援件数 3,754件 総投資額 263億円 金属製品 相良製作所 霧島市 メタルロード工法用鉄骨 の増産体制構築 機械器具 九州タブチ 霧島市 大型ターニングマシン等の導 入による生産性向上 金属製品 マイクロカット 霧島市 パワー半導体製造設備の導入。3 年間、年平均6%の賃上げにコミット。 飲料等 共栄 鹿児島市 無菌状態の高い品質の製品の 提供及び作業効率改善 廃棄物処理業 南輝産業 鹿児島市 破袋機・コンベアライン・アルミセパレー ター導入による選別ラインの効率化及び 生産性の向上 飲料等 小正嘉之助蒸溜所 日置市 製造されたピロー包装製品の 検品・梱包作業の省人化 生産用機械 ハマ製作所 南さつま市 IT技術導入及び重筋作業 対策 鹿児島県 建設 TRUST 鹿児島市 鉄スクラップの一貫生産体制構築 飲料等 八重泉酒造 石垣市 海外市場へ向けた石垣島産のクラフト蒸 留酒の新商品開発事業 印刷等 大平シール印刷 浦添市 デジタル印刷機の導入による高精細 シールの生産体制強化 飲食料品卸売業 第一食糧 那覇市 生産体制整備等 金属製品 海邦ベンダー工業 糸満市 高性能ベンダー機械導入 インターネット Blue Mobility 那覇市 ヘリコプターバス事業 157億円 投資支援件数 4,068件 総投資額 333億円 建設 サイアスホーム 沖縄市 次世代電力マネジメント技術を活用した 宿泊施設への新分野展開 業務用機械 砂田義肢製作所 浦添市 3D-CAD/CAMシス テム導入 観光 Plan・Do・See琉球 那覇市 MICE需要等に応じるフルサービ ス型ホテルの再建等。3年間、 年平均11%の賃上げにコミット。 投資支援額 医療 ニューロシューティカルズ沖縄 うるま市 安全性の高い加水分解ヒアルロン酸の量 産製造 沖縄県 建築材料等 中部鋼材 沖縄市 レーザー加工機の導入による高度な鋼材 加工の内製化 金属製品 Metal Work 沖縄 沖縄市 最新型ビームワーカー導入による太陽光 架台加工自動化等 食料品 グリーンフィールド 那覇市 野菜洗浄工程の自動化