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産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会
第29回
産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会 第29回
2026-08-27
一次資料(出典)
議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。
資料1
資 料 1 産業構造審議会 知的財産分科会 第29回 不正競争防止小委員会 議事次第 日 時:令和8年8月27日(木) 10:00~12:00 場 所:特許庁9階 庁議室 (オンライン併用) (議題) 1.開会 2.不正競争防止小委員会の検討事項について 3.閉会 (配付資料) 資料1 議事次第 資料2 委員名簿 資料3 不正競争防止小委員会の検討事項について 参考資料1 小松委員提出資料 参考資料2 畠山委員提出資料
資料2
資 料 2 産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会 委員 ◎岡村 久道 国立情報学研究所 客員教授 京都大学大学院 医学研究科 講師、弁護士 河野 智子 ソニーグループ株式会社 知的財産・技術標準化部門 スタンダード&パート ナーシップ部 著作権政策室 国内渉外担当 小原 成朗 日本労働組合総連合会 総合政策推進局 総合局長 小松 文子 ノートルダム清心女子大学 情報デザイン学部情報デザイン学科 教授 末吉 亙 KTS法律事務所 弁護士 杉村 純子 プロメテ国際特許事務所 代表弁理士 杉村 多恵 一般社団法人日本知的財産協会 副理事長 トヨタ自動車株式会社 IP 連携推進部 部長 杉山 悦子 一橋大学大学院 法学研究科 教授 田村 善之 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授 橋爪 隆 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授 橋本 佳幸 京都大学大学院 法学研究科 教授 長谷川 正憲 一般社団法人日本経済団体連合会 知的財産・国際標準戦略委員会企画部会 委員 キヤノン株式会社 知的財産法務本部 知的財産渉外センター上席 兼 知的財 産渉外第三部部長 畠山 一成 日本商工会議所 常務理事 林 いづみ 桜坂法律事務所 弁護士 柵木 澄子 知的財産高等裁判所 判事 山根 崇邦 同志社大学 法学部法律学科 教授 敬称略(50音順・16名) ◎:委員長
資料3
資料3 不正競争防止小委員会の検討事項について 令和8年8月 経済産業省 知的財産政策室 日本成長戦略(令和8年7月21日閣議決定) 概要 ~「強い経済」の構築による、強く豊かな日本列島の実現~ 1.17の戦略分野を中心とした官民連携の危機管理投資・成長投資の徹底 リスクを最小化する危機管理投資・先端技術を花開かせる成長投資に徹底的にてこ入れ (1) -① 自律性・不可欠性を起点とした成長(危機管理投資) (1) -② イノベーションを通じた成長(成長投資) 世界共通のリスクの解決に資する製品等を国内外に提供 優れた科学技術やイノベーション創出により不可欠性を確保 (2) 成長の加速装置となるAIトランスフォーメーション(AX)による高付加価値化 強みをいかすフィジカルAIの競争優位の確立を軸に、全産業の高度化を進め、人口減少下でも高付加価値を創出 (3) 持続的な成長のための時間軸を意識した複線的投資 戦略分野全体をポートフォリオとして捉え、足下の収益源、次の稼ぎ頭、将来の成長の芽など時間軸の違いを意識して支援 (4) 「地域未来戦略」との連携 17の戦略分野に関連する産業クラスター形成を始め、地域における大胆な投資が更なる投資を呼ぶ環境を整備 17の戦略分野における62の「主要な製品・技術等」で想定される官民の国内投資は、2040年度までに累計370兆円超 2.国内投資を全国に拡げていくための8つの分野横断的な課題への対応 17の戦略分野等における国内投資を支え、日本全国に拡げる。「地域未来戦略」の推進を後押し ①新技術立国・競争力強化、②スタートアップ、③金融を通じた潜在力の解放、④人材育成 ⑤労働市場改革、⑥家事等の負担軽減、⑦賃上げ環境整備、⑧サイバーセキュリティ 3.未来への投資拡大の実現 緊縮志向と未来への投資不足を断ち切り、供給力を強化し、税収が自然増に向かう、GDP拡大の好循環を実現 (1) 『「強く豊かな日本」投資枠』の創設 ①いわゆる「シーリング」を設けず、必要額を適切に要求できる仕組み ②国内民間設備投資や潜在成長率を大きく引き上げる効果の高い措置が対象 ③複数年度の計画に基づく予算措置を基本とし、投資誘発効果の薄いものは柔軟に見直し (2) 官民連携の徹底的な強化(「投資牽引型経済」へのマインドセット転換) (3) PDCAメカニズムの構築 (4) 戦略的広報の抜本的強化 2040年度:国内民間設備投資額250兆円(官民目標)、日本成長戦略等の経済効果試算で名目GDPは1,100兆円に迫る 1 17の戦略分野における官民投資の促進 1.62の「主要な製品・技術等」の特定 ①国内の経済安全保障等の様々なリスク低減の必要性、②海外市場の獲得可能性、③関係技術の革新性等の観点から特定。 分野 主要な製品・技術等 分野 ①フィジカルAI(特にAIロボット) (1) AI・半導体 ②フィジカル・インテリジェント・システムの中核を担う半導体 (7) 海洋 ③バーティカルAI(領域特化型AI) ①データプラットフォーム ②セキュリティの確保された政府・地方公共団体のAX/DX 基盤 ③AI時代に対応した先進的セキュリティ製品・サービス (8) 造船 (2) デジタル ・サイバー セキュリティ ④クラウド・データセンター、蓄電池 ⑤クラウドネイティブに最適化された医療DX基盤 ⑥自動運転技術 ①オール光ネットワーク(APN) ②海底ケーブル (3) 情報通信 ③次世代ワイヤレス (非地上系ネットワーク、5G/Beyond5G(6G)等) ①量子コンピューティング (4) 量子 ②量子通信・ネットワーク ③量子センシング ①小型無人航空機 (5) 防衛産業 ②艦艇 ③デュアルユース技術 ①民間航空機(次期単通路機・次世代航空機) ②無人航空機 (6) 航空・宇宙 ③空飛ぶクルマ ④ロケット・射場 ⑤人工衛星・サービス ⑥月面探査・低軌道技術 主要な製品・技術等 分野 ①海洋無人機(海洋ドローン) (9) マテリアル (重要鉱物 ・部素材) ②海洋状況把握(MDA) ③革新的海底開発技術・システム ①次世代船舶 ②船舶修繕 ③LNG運搬船 ①永久磁石 ②グリーン鉄 ③革新的金属部素材 ④低炭素金属部素材(鉄鋼以外) ⑤一次原料(鉱石等)及び二次原料(リサイクル 材等の循環資源)からの製錬・分離精製、解体 選別技術 ⑥AI等を活用した複合新素材 (10) 合成生物学 ①バイオものづくり ・バイオ ②バイオ医薬品・再生医療等製品等 ①ファーストインクラス製品・ベストインクラス製品 (医薬品、再生医療等製品) (11) 創薬 ・ 先端医療 ①次世代型太陽電池 (ペロブスカイト太陽電池等) ②水素等 (12) 資源・エネルギー ③グリーン鉄(再掲) 安全保障・GX ④次世代型地熱 ⑤洋上風力 ⑥次世代革新炉 ⑦GXケミカル (13) フュージョン エネルギー ①フュージョンエネルギー (14) 防災・ 国土強靱化 ①防災技術 (15) 港湾 ロジスティクス ①港湾荷役機械 ②サイバーポート(港湾物流DX) ③次世代型倉庫 ①植物工場 (16) フードテック ②感染症対応製品 ③バイオ医薬品・再生医療等製品等(再掲) ④革新的デバイス(AI、ロボティクス等)を活用した 先端医療 主要な製品・技術等 ②陸上養殖 ③食品機械 ④新規食品 ①ゲーム ②アニメ (17) コンテンツ ⑤ライフログデータ等を活用したヘルスケア関連 サービス ③マンガ ④音楽 ⑤実写 2.「官民投資ロードマップ」の策定と実行 (1) 62の「主要な製品・技術等」毎に、「官民投資ロードマップ」を策定。 • ボトルネックの解消と更なる投資を促すアクセラレーターを念頭に置いた「勝ち筋」 • 国内投資支援、需要・市場の創出、立地競争力強化、国際連携などを含めた政策パッケージ • 官民投資額・経済波及効果 (2)5W1Hを念頭に、「PDCAメカニズム」を日本成長戦略会議の下で定期的に繰り返し。 • 概算要求段階を含む予算編成過程等において、 ①複数年にわたる施策の具体化、②施策の実行状況や技術の開発動向等を踏まえたブラッシュアップや見直し 2 8つの分野横断的課題の解決 主要な施策(例) 主な目標(KPI) ① 競新 争技 力術 強立 化国 ・ ・2040年度に、250兆円の 国内投資を実現 ・2026-2030年度の合計で、 180兆円の官民研究開発 投資を実現 ・「危機管理投資」・「成長投資」の推進 「危機管理投資」・「成長投資」の推進に向けて、『「強く豊かな日本」投資枠』を創設。 経済安全保障上、特に重要な分野などについては、 ①特別会計で別枠管理し、複数年度で十分な財源を確保した上で、 ②償還財源の裏付けのあるつなぎ国債の発行により、十分な規模を確保。 ・産業競争力強化に貢献する高い研究力を有する中核大学群への支援 特定分野で特に高い研究力を有し高度な経営を行う大学を認定し、その研究開発と社会実装を中長期的に支援する新たな制度を創設。 ・スタートアップのシーズ段階から出口まで伴走可能なリードインベスターの育成・呼び込み、スタートアップからの調達加速 ② アス ッタ プー ト スタートアップ数 2025年2.5万社 →将来に10万社 ・「スタートアップ総力創出パッケージ」の実行 スタートアップを研究開発段階から一貫して支援。売上計上が可能な委託契約の形で実環境における試験導入・運用まで行う枠組みを創設(SBIR制度の抜本強化)。 防衛省版SBIR制度の活用。技術開発から調達までを一貫支援。 ③ 潜金 在融 力を の通 解じ 放た 2040年度に、250兆円の 国内投資を実現 ・「成長投資を促進するための金融戦略」の実行 金融機関の資金供給・成長支援機能の強化(「官民戦略投資連携フォーラム(仮称)」の設置、大口信用供与等規制の特例の明確化等)。 厚みのある金融市場の実現(小口・低格付社債の発行を促すための規制の見直し等)。 地域金融力の強化(中小企業支援の課題等を可視化した「地域未来金融アクションプラン(仮称)」の策定・運用等)。 ④ 人 材 育 成 理工農・デジタル・保健系の定員 2024年35% →2040年5割 ⑤ 労 働 市 場 改 革 ・成長志向型コーポレートガバナンスへの転換 改訂「コーポレートガバナンス・コード」と「成長投資ガイダンス」の普及。 5年間で、労働生産性 (労働者1人当たり付加価値額)を ・基盤的経費と多様な競争的研究費の充実・強化 国立大学法人運営費交付金や科研費の大幅拡充。 ・大学等における理系人材育成強化 大学の理系分野への学部再編を支援。 ・柔軟で多様な働き方の実現に向けた労働時間法制等の見直し 心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制等に係る政策対応について、夏以降の労働政策審議会において議論。 時間外労働の実態を踏まえた、36協定の締結や柔軟な労働時間制度の活用について、中小企業等に対する相談支援を充実。 15%上昇 ・リ・スキリング支援の強化 戦略17分野やそれを支える社会インフラ分野において、スキルの標準化・可視化から、教育訓練プログラムの開発・提供まで、一気通貫でリ・スキリング支援。 第一子出産前後の 女性の継続就業率 2021年69.5% →2030年80% ・子育てや介護等と仕事の両立支援 家事支援サービスに係る国家資格(技能検定)の創設。 家事支援・ベビーシッター等の利用に対する税制措置を含む支援策の検討。 ⑦ 賃 上 げ 環 境 整 備 2029年度までの間で、 日本経済全体で、 実質賃金で年1%程度上昇 ・「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」の実行 補助金について、足下の賃上げ状況も審査・評価する仕組みへ見直すことで、早期の賃上げを促す。 積極的に賃上げを行う中小企業を重点支援するため、税制も含めた効果的な措置を検討。 官公需(特に地方・独法等)での価格転嫁を強力に推進する「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」を策定・実行。 12業種「省力化投資促進プラン」の充実・拡充。 100億企業創出メカニズムの強化と成長志向の中小企業の裾野を広げる新たなメカニズム(売上1~10億円、小規模事業者)の構築。 中小企業のM&A・事業承継を促進するため、中小M&A支援を行う者(個人)の資格制度の創設(法制化)等を検討。 セ⑧ キサ ュイ リバ テー ィ 2031年度末までに、必要な防護 ・「サイバーセキュリティ戦略」(2025年12月)に基づく具体的な取組を実行 能動的なサイバー防御を実施するための体制整備(インシデント報告や官民の情報共有のためのシステム整備・拡充等)。 策を実施できている重要インフラ 事業者等の割合を100% 重要インフラ(情報通信、金融、電力、ガス等)における基本的対策を徹底するための統一基準の策定・実施。 負⑥ 担家 軽事 減等 の 3 日本成長戦略への不正競争防止法の貢献可能性の検討について(案) ⚫ 日本成長戦略における不正競争防止法にも関係する記載としては、「8つの分野横断的課題の解決」の「新技術立 国・競争力強化」において、以下のとおり、知財訴訟における証拠収集手続の充実強化、権利侵害を抑制するための 法制上の措置の検討などが位置付けられており、本小委員会で検討するべきではないか。 ⚫ また、「8つの分野横断的課題の解決」だけでなく、「17の戦略分野における官民投資の促進」についても、不正競争 法が貢献しうる点を検討できないか。 (日本成長戦略の本文における関係箇所の抜粋 p.40) Ⅲ.8つの分野横断的な課題の解決 1.新技術立国・競争力強化 (2)対応の方向性 ③講ずるべき施策パッケージ ⅱ)「責任ある積極財政」を通じた「危機管理投資」・「成長投資」の推進 (略)さらに、知財を戦略的に取得・活用する企業経営を推進し、知財訴訟における証拠収集手続の充実・強化を始め、成 長投資のボトルネックとなり得る権利侵害を抑制するための法制上の措置の検討や、17の戦略分野における国内外の特 許等の知財情報を活用したIPランドスケープの実施の検討、国等が支援する研究開発投資における権利侵害の有無等に ついての事前調査及び研究開発投資の成果の適切な知財取得、知財に関する集団的な権利行使を可能とする仕組みの 検討を実施するとともに、有価証券報告書での知財・無形資産の開示を促進する制度の在り方について2026年度中を目 途に方針を示す。 4 「17の戦略分野における官民投資の促進」に係る検討について(案) ⚫ 「17の戦略分野における官民投資の促進」についての貢献可能性を検討する上では、『戦略17分野における「主要な製 品・技術等」の官民投資ロードマップ』(令和8年7月21日 日本成長戦略会議決定)が参考になる。 ⚫ 本ロードマップにおいては、例えば、以下のように、各分野における「勝ち筋」として、ノウハウやデータの蓄積などが我が国 の強みとして整理されている。また、コンテンツ分野においては、声や楽曲が模倣されるといった権利侵害のおそれが新た な脅威となっているといった記載もされている。 ⚫ こうした、各分野における、我が国の強みの維持・強化や、課題の解決について、不正競争防止法をツールとして活用す る方策についても、併せて検討してはどうか。 (官民投資ロードマップにおける不正競争防止法の貢献が検討しうる箇所の例) AI・半導体分野 ①フィジカルAI (p.6) ・ハードとソフトの統合力に加えて、導入後の運用力が競争力を左右するフィジカルAIは、工場等の現場データやノウハウ、 高い品質・信頼性等の我が国の産業活動の蓄積が強みとして顕在化。 ③バーティカルAI(領域特化型AI) (p.16) ・暗黙知を含めた各現場の経験や知識をデータとして集積しAIに活用でき、市場性、公共性、戦略性の観点からバーティ カルAIの適用による産業や行政の革新が期待される、 以下の重点領域について領域別戦略を策定し、官民で集中投資。 -市場性:製造、物流・交通、情報通信、金融、創薬 -公共性:医療・介護・福祉、農林水産、建設、教育、行政、エネルギー -戦略性:防衛、警察、防災、消防、サイバー、海洋、宇宙、 科学研究 5 (官民投資ロードマップにおける不正競争防止法の貢献が検討しうる箇所の例(つづき)) AI・半導体分野 ③バーティカルAI(領域特化型AI) (p.17) ・AIのリスクへの懸念:AIの有する技術的リスクへの懸念、個人情報や機微データの扱いに係る責任、自律行動型AI 活 用による責任の所在 デジタル・サイバーセキュリティ分野 ①データプラットフォーム (p.21) ・製造業の現場データ・ノウハウ等は我が国の産業競争力の基盤。 こうした貴重な我が国産業のデータ資源を、データホ ルダーにとって安心・安全な形で、AI-Ready化(精製)し、データ連携を通じてスケーラブルに活用していく。 ⑤クラウドネイティブに最適化された医療DX基盤 (p.41) ・安全な全国データ連携基盤を構築し、質の高い効率的な医療の提供を実現。更に、この連携基盤の高品質のデータを活 かし、AI等の医療デジタルサービスの拡大や創薬や医療機器の開発等が成長の勝ち筋。 コンテンツ分野 ④音楽 (p.315) ・楽曲制作やボーカル生成においてAI技術活用の兆しがある一方で、既存アーティストの声や楽曲が模倣されるといった権 利侵害のおそれが新たな脅威となっている。 6 知的財産推進計画2026(令和8年6月12日知的財産戦略本部決定)を踏まえた検討について(案) ⚫ 「知的財産推進計画2026」で不正競争防止法が関係する以下論点について、本小委員会で検討するべきではないか。 (関係箇所の抜粋) ⚫ 俳優や声優等の声を模倣した音声コンテンツの無断生成・公開等が一定の場合にはパブリシティ権等の侵害に該当し得ることを 踏まえ、これらの侵害に関する不法行為法の解釈・適用等について、現行法及び判例法理を踏まえた法的整理の検討を行い、 ガイドライン等を作成するとともに、その結果を周知し、より確実な権利保護に向け、ハードロー整備(不正競争防止法改正を 含む)の必要性も含め引き続き議論を継続する。 (短期・中期)(法務省、経済産業省、内閣府(知財)、消費者庁、 総務省、文化庁、特許庁) ⚫ 不正競争防止法における営業秘密に係る規律について、被害者の救済及び国外への漏洩防止の観点から適切な制度の在り 方を検討するとともに、 「秘密情報の保護ハンドブック」及び「知っておきたい営業秘密」に加え、 「営業秘密管理指針」の周知等 を進めることで、引き続き営業秘密の漏えい防止に向けて啓発する。 (短期・中期)(経済産業省) ⚫ 権利者が実効的に権利行使できる環境を整備するため、査証制度等の証拠収集手続の充実・強化の在り方を検討の上、そ の著作権及び営業秘密への拡大の可能性、海外所在証拠への対応の在り方等について、必要な検討を行う。 (短期・中期)(内閣府(知財)、文化庁、経産省、特許庁) ⚫ 損害賠償額の算定方法に係る 2019 年の特許法等改正について裁判例分析等による効果検証を踏まえ、侵害に関する実態 の更なる分析等を行い、 諸外国の類似制度も参考にしながら、損害の回復と侵害者利益の剥奪を確実にする民事救済措置 の在り方を検討し、その結果に基づいて所要の措置を講じる。 (短期・中期)(特許庁、経済産業省、文化庁、内閣府(知財)、法務省) 7 (参考)営業秘密を巡る現状 ⚫ 営業秘密侵害事案に関する警察への相談件数は増加傾向。 ⚫ 検挙件数についても増加傾向にあり、近年は年間20~30件で推移。令和7年は過去最高の38件。 営業秘密侵害の相談受理件数の推移 営業秘密侵害の検挙件数の推移 (件) 40 (件) 90 78 80 70 60 60 50 40 79 74 59 35 29 30 25 49 38 26 21 22 23 22 20 37 15 30 20 10 10 5 0 0 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 令和7年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 令和7年 相談受理件数 検挙件数 ※警察庁「令和7年における生活経済事犯の検挙状況等について」に基づき経済産業省作成 8 (参考)近年の営業秘密の国外流出事例 ⚫ 近年、従業員が、所属企業の営業秘密を不正取得・領得し、国外企業に不正開示することを企図した事案も発生。 ⚫ 通信・IT企業の従業員が、同社の通信技術の構築業務を省 力化する作業手順書等の秘密情報を駐日外国公館職員に 対して提供したとされる事案。 ⚫ 切削工具メーカーの従業員が、製品設計データを不正領得し、資 料を多数所持するとアピールした上で国外において転職活動を行 い、内定を得ていたとされる事案。 ⚫ 従業員に対し、懲役2年(執行猶予4年)、罰金80万円の 判決(令和2年7月9日 東京地裁) ⚫ 従業員に対し、懲役1年2月、罰金30万円の判決(令和元年6 月6日名古屋地裁)) 国内通信・IT企業 刑事判決 情報を領得 駐日外国公館 金銭・ 飲食接待 不正領得 国内切削工具メーカー 職員 転職候補先 (国外) 情報提供 従業員 不起訴 従業員X USBメモリに製品設計データを複製、 USBメモリを国外に持ち出し 資料を多数所持するとアピール した上で転職活動 刑事判決 ※各種報道等に基づき経済産業省作成 9 (参考)生成AIにおける肖像や声の無断利用について ⚫ 特定の俳優や声優等の肖像や声のみを学習させ、当該俳優や声優等の肖像や声であると一般人が認識するような出力 を得ることができる生成AIモデルやサービスであるにもかかわらず、当該俳優や声優等の許諾を得ずに公開され、さまざまな 形態でその出力が利用される事態も引き続き存在している。(「知的財産推進計画2026」より抜粋) ⚫ 本小委員会において、「肖像と声のパブリシティ価値に係る現行の不正競争防止法における考え方の整理について」を 公表(2025年3月)。 ⚫ 声優の津田健次郎さんが生成AIで自身の声を無断で模倣した動画が公開されているとして、不正競争防止法違反及び パブリシティ権侵害でTikTokの運営会社を提訴(2025年11月)。 ⚫ 法務省が「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」を開催、報告書公表(2026年8月) 「肖像と声のパブリシティ価値に係る現行の不正競争防止法における考え方の整理について」(2025年3月)の抜粋 ⚫ 現行不競法上、俳優や声優等の肖像や声等の利用に関しては、周知表示混同惹起行為(不競法第2条第1項第1号)、著 名表示冒用行為(同項第2号)、誤認惹起行為(同項第20号)、信用毀損行為(同項第21号)において、事案によっては 該当し得る。 ⚫ ただし、実態として、①肖像や声の周知の程度、②肖像や声の利用形態等の観点により、個別に判断をしていく必要がある。 10 今後の予定(案) 日程 議題 第29回(今年度第1回) 8月27日(木) (本日) ⚫ 主な検討事項について ⚫ 今後の進め方 第30回(今年度第2回) 9月11日(金) ⚫ 肖像と声について(関係者からのヒアリング) 10月以降 ⚫ 肖像と声やその他の検討事項について順次検討 11
資料4
参考資料1 「日本成長戦略」戦略 17 分野(デジタル・サイバーセキュリティ)における限定提供デー タ制度の活用に関する提案 2026 年 8 月 27 日 ノートルダム清心女子大学 小松文子 本日は,出席が叶わず申し訳ありません.以下に意見を述べさせていただきます. 1. 背景と課題 「日本成長戦略」の官民投資ロードマップ(デジタル・サイバーセキュリティ分野:① データプラットフォーム)では、国際的にデータスペース等の検討が進む一方、組織間デ ータ連携の手法は未確立で取組企業は限定的です。特に、全世界の流通データの約 6 割を 占める「企業内データ」を外部へ提供し、他社との「共有データ」として利活用を図るこ とが、産業戦略上の重要課題であると指摘されています。 2. 不競法(限定提供データ)の活用 企業が「企業内データ」を外部へ提供し共有化するにあたっては、不正利用や漏洩に対 する懸念が最大の課題です。そこで、共有データに対する不競法上の「限定提供データ」 としての適切な管理・適用を促すことが重要と考えます。例えば、法的保護(差止・損害 賠償請求等)の効力を明確にすることで企業側の不信感を払拭し、自社データの共有・連 携を強力に促進できると考えられます。 なお、AI-Ready データの促進という観点からも、データプラットフォーム分野にとどま らず、幅広くデータ利活用が求められる各種産業分野(例えばサプライチェーン)におい て同様の検討が資すると考えます。 こうした観点から、「限定提供データ」について、活用の実態や現状の課題などを検討し てみてはいかがでしょうか。 以上
資料5
参考資料2 産業構造審議会 知的財産分科会 第 29 回 不正競争防止小委員会 日本商工会議所 書面意見 2026 年8月 27 日 ○ 本小委員会が再開され、検討事項について意見を述べる貴重な機会を賜りましたこと に、心より感謝申し上げます。本年4月 16 日に日本・東京商工会議所の連名で公表い たしました「知的財産政策に関する重点要望」、ならびにその後の当所知的財産委員会 における協議を踏まえ、中小企業の観点から意見を申し上げます。 ○ わが国のサプライチェーンを強靭化し、経済安全保障を確保する観点からも、中小企 業の「稼ぐ力」の源泉であるノウハウやデータ等の営業秘密が不当に搾取・流出される のを防ぐ取引環境の整備は極めて重要です。 ○ 商工会議所の LOBO 調査(2026 年2月)では、中小企業の約5社に1社が知財侵害行為 を経験したと回答しています。取引継続のために立場上断れず、内製化が可能なレベ ルの機密情報の無償提供や不適切な工場立ち入りを求められるといった不条理な実態 が、依然として現場では後を絶ちません。 ○ これに対し、2025 年3月には本小委員会における議論を経て営業秘密管理指針が改訂 されたほか、2026 年6月には知的財産取引指針が策定されるなど、中小企業を取り巻 く環境は着実に改善へと向かっております。今後は、これら各種指針の実効性を高め、 中小企業自身が自己防衛力を強化できるよう、周知・啓発を徹底することが急務です。 ○ 同時に、ノウハウやデータ等の国内外への流出リスクや、高度化するサイバー攻撃が 増加する一方、専門人材やリソースの乏しい中小企業が単体で講じ得るサイバー対策・ 情報保護対策には構造的な限界がございます。 ○ つきましては、知的財産や営業秘密の海外への不当な流出に対する取締体制を強化い ただくとともに、悪質な営業秘密侵害事案に対する抑止力を高めるため、民事措置・刑 事措置の双方の観点で法制上の適切な措置の在り方についての検討を明示的に進めて いただきたく存じます。 ○ あわせて、 「知的財産推進計画 2026」に位置付けられている証拠収集手続の営業秘密へ の拡大についても、本小委員会において具体的かつ踏み込んだ検討を進めていただく ようお願いします。その際、中小企業における心理的・コスト的な負担なく実効的に活 用できる手続きの在り方について、ユーザーへのヒアリング等を踏まえた丁寧な検討 を期待します。 ○ さらに、コンテンツ分野における新たな脅威となっている生成 AI による声や肖像の無 断模倣・悪用への対応については、立場の弱い個人クリエイターや中小プロダクショ ンの権利を確実に守るため、関係者への実態調査を進めた上で、法改正の必要性など も含めて、実質的な保護策を検討いただきたいと存じます。 ○ 商工会議所といたしましても、 「知財経営支援ネットワーク」の連携を強化し、中小企 業の知財経営リテラシーの底上げと自己防衛力の強化に取り組んでまいります。 以上
産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会 第29回 議事録・配布資料全文 | PPPT