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知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回

2026-02-27一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 資料

議事録

知的財産戦略本部構想委員会(第2回) 日時:令和8年2月27日(金)13:00~15:00 場所:WEB開催 出席: 【委員】 伊藤委員、出雲委員、梅澤委員、遠藤委員、加藤委員、黒田委員、塩野委員、杉村委員、 竹中委員、立本委員、田中委員、田路委員、時田委員、中村委員、林委員、福井委員、 本田委員、松山委員、村松委員、渡部座長 【事務局】 中原事務局長、守山次長、太田参事官、清水参事官、福田参事官、松原企画官、 谷貝企画官、道祖土企画官 1.開会 2.議事 (1)「知的財産推進計画2026」に向けた検討について (2)意見交換 3.閉会 ○太田参事官 本日は、御多忙の中、御参集をいただき、誠にありがとうございます。 内閣府知的財産戦略推進事務局参事官の太田でございます。どうぞよろしくお願いいた します。 会議に先立ちまして、本日のオンライン会議の進行について、御説明をさせていただき ます。 委員の皆様におかれましては、会議中はノイズを防ぐため、発言時以外はマイクのミュ ートをお願いいたします。また、カメラをオンにしていただければと思います。よろしく お願いいたします。御発言を御希望の場合は、挙手ボタンにてお知らせいただくようお願 いいたします。 本日、多数の傍聴をいただいておりますけれども、傍聴者の皆様はカメラをオフ、また、 マイクをミュートにしていただきまして、会議の様子のスクリーンショット、録音・録画 は御遠慮いただきますよう、お願いいたします。 それでは、開会から時間過ぎてしまっておりますので、早速、始めさせていただければ と思います。 ただいまから知的財産戦略本部第2回「構想委員会」を開催いたします。 1 改めまして、本日は、御多忙のところ、御出席いただき、誠にありがとうございます。 本日は、知的財産推進計画2026に向けた検討について、事務局から資料を御説明した後、 委員の皆様の意見交換とさせていただきます。委員の皆様からの様々な御意見、ぜひ頂戴 したいと考えております。よろしくお願いいたします。 本日、黒橋委員、波多野委員は、御欠席でございます。御欠席の黒橋委員からは、事前 に御意見をいただいております。 伊藤委員、竹中委員、田中委員は、途中退席と伺っております。 立本委員、加藤委員におかれましては、途中参加と伺っております。 続きまして、本日使用する資料を御確認いただければと思います。 事前に事務局からメールで御連絡したとおり、本日使用する資料は、資料1として知的 財産推進計画2026についてでございます。 それでは、ここからの議事進行につきましては、渡部座長にお願いしたいと思います。 よろしくお願いします。 ○渡部座長 ありがとうございます。 それでは、早速でございますが、議事に入らせていただきます。 初めに、知的財産推進計画2026に向けた検討について、資料1に基づき、事務局から説 明をお願いいたします。 ○太田参事官 再び太田より御説明をさせていただきます。 知的財産推進計画2026に向けた検討について、資料1でございます。 まず1ページ目でございます。パブリックコメントを昨年の12月から1か月強かけて行 い、意見募集をいたしました。意見提出件数は901件になります。内訳はこちらの表とさせ ていただいております。幅広い御意見をいただいております。 また、この後の資料でそれぞれの項目に関連した御意見をまとめて資料とさせていただ いておりますので、そちらも御参照いただければと思います。 次のページ、資料の全体構成でございます。1~5ということで、それぞれの分野につ いて、資料をまとめさせていただいております。 1でございます。知財・無形資産への投資促進による価値創造でございます。 少し飛んで、6ページ目でございます。知財事務局で行っております知財投資・活用戦 略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会の御報告のページとなります。 経営戦略としての知財・無形資産をCEOに語っていただく、重要なアジェンダとするとい うことで取組を進めております。対応として①②と記載をさせていただいております。 少し短期的な対応として①でございます。知財・無形資産の価値を伝える原則の提示を 行うということで、ただいま金融庁が中心になって検討されております。コーポレートガ バナンス・コードの改訂の議論がございます。そちらの結果が今年の夏頃に出てくると思 いますので、そちらのタイミングと合わせるような形で価値や本質を伝えるという原則の 提示をさせていただくということで、今、検討準備をしているところでございます。 2 対応②でございます。こちらは少し中長期でございますけれども、ガバナンスガイドラ インの改訂の議論をさせていただきたいと考えております。来年度に向けて議論を深めて いくことを考えております。 少し飛んで、8ページ目でございます。特許侵害に関する実態でございます。前回の構 想委員会で特許訴訟の減少ということで資料をお出ししたところ、その背景というか、分 析できるようなアンケートがあるといいのではないかという御指摘をいただきました。 それに関連して、特許庁で行ったアンケート調査をこちらに少しまとめさせていただい ております。多くの企業は、自社の特許権が侵害されたと感じた経験があるとお答えいた だいていますけれども、対抗手段を断念するケースも多いというデータとなっております。 右下でございます。対抗手段を断念する理由として幾つか挙がっておりますけれども、 損害賠償額が小さいというところも御指摘が多いですが、自社のリソースを割くのが難し いといった回答も出ているところでございます。こういった状況をどう考え、対応してい くかということでございます。 11ページに飛んでいただいて、2番目、AI・デジタル時代の知的財産制度の構築という ことで資料をまとめております。 15ページ目を御覧ください。生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明 性に関するプリンシプル・コードですが、知財事務局で議論、検討ということで提示をさ せていただいております。 「1.目的」と書かれておりますけれども、技術の進歩の促進と知的財産権の適切な保 護の両立を目指すことで、利用者の方々が安心・安全に生成AIを活用できるような環境を 確保するということで、生成AI事業者が取るべき透明性の確保や知的財産権の保護の原則 を定めるところでございます。 「2.対象」は、生成AI事業者及び提供者とさせていただいております。具体的な手法 としては、ハードローではなくて、コンプライ・オア・エクスプレインのソフトローの形 で原則を示させていただいて、それを受け入れて具体的に実施するか、あるいはしない場 合は説明をいただくといった手法を取るという案でございます。 「3.原則」として三つ、3番目に載せております。 原則1は、透明性と知的財産保護のための概要を開示いただくこと。 原則2は、権利侵害を主張する者からのURL等の開示要求に対応いただくこと。 原則3は、生成AI生成物と類似するコンテンツが存在する場合に、それが学習データと して用いられているか否か、開示を要求された場合に開示していただく、対応いただくよ うなことでございます。 「4.受入れに係る手続」と書かれておりますけれども、プリンシプル・コードを受け 入れていただいた事業者におかれては、それを知財事務局に届け出ていただいて、自社の ウェブサイト等で公表。また、内閣府においても届け出ていただいた事業所の一覧等を公 表することを考えているということでございます。 3 17ページ目、3番目でございます。国際標準でございます。 21ページ目でございます。最近の動きでございますが、国際標準に係る官民連携の場の 設置ということで、国際標準に係る官民ハイレベルフォーラムの設置をいたしました。1 月29日、第1回の総会を開催し、行動宣言を決議しております。 22ページ目、こちらはシンポジウムの御報告でございます。2月10日に国際標準に関す る普及啓発の場ということで、日経フォーラムのシンポジウムを開催しております。関係 する省庁、あるいは産業界からプレゼンをいただいて、議論を闊達にしていただいたとこ ろでございます。 23ページ目、国際標準戦略部会の御報告でございます。2月18日、第9回でございます が、部会を開催しております。新たな国際標準戦略に関する取組状況の御報告、意見交換 をしていただいたところでございます。 概要はこちらに記載のとおりでございます。 26ページ目、クールジャパン戦略でございます。 こちらも飛んでいただいて、29ページ目、関連産業の海外展開の進捗でございます。こ ちらも前回の構想委員会の場で、私どもの資料で関連産業の海外展開の伸び率を円ベース で御紹介したところ、為替の影響があるのではないかということで、ドルでもきちんとフ ォローアップすべきではないかとの御指摘をいただきました。このため、ドルでも試算を したものを右側に載せさせていただいております。 円ベースですと、前回調査、今回調査にかけて41.92%の増加と御報告しましたが、ドル で見ますと、増加率が少し下がりますが、32.44%という結果となっております。 内訳を表にしておりますけれども、一部プラス成長と見られていたところで、ドルで見 るとマイナスというような結果も出ております。こちらも参考にしながら施策を検討して いくということかと思います。 30ページ目、国際収支でございます。一番下の全体で見ますと、2024年から2025年にか けて赤字幅が増大している状況でございますが、全体として黒字に大きく伸びているのは 知的財産権等使用料、また、旅行収支でございます。我が国の稼ぐ力を牽引するこれらの 分野について、知財の観点から伸ばしていく必要があるところでございます。 31ページ目、32ページ目は、クールジャパン関連産業の少しブレークダウンした分野に おいて、それぞれの官民の取組状況をまとめさせていただいております。 31ページ目は、インバウンド消費、農林水産物・食品でございます。 32ページ目は、ファッション、ビューティーについて、まとめております。 33ページ目、異業種連携の強化ということで、発信の強化であったり、連携促進に関す る取組の御紹介をさせていただいております。 34ページ目、コンテンツを活用した地方創生の好循環ということで、今年度から取り組 んでおりますコンテンツ地方創生拠点の選定の事業について、御紹介をさせていただいて おります。今年度初でございますが、最初の20か所程度の拠点を3月頃に選定すべく、た 4 だいま準備を進めている状況でございます。 次のページ、コンテンツ戦略でございます。 38ページ目を御覧ください。コンテンツ産業の海外展開の市場規模の推移ということで、 足元は6.0兆円という推計となっております。こちらは2033年までに20兆円という政府目 標がございますので、まだまだこれを伸ばしていかなければいけない状況でございます。 39ページ目、日本成長戦略本部において定められた17の戦略分野を載せさせていただい ておりますけれども、その中の一つとしてコンテンツが設定されております。 40ページ目、それぞれの17分野にワーキンググループを設定し、議論を行うということ でございます。 コンテンツ分野については、コンテンツ産業官民協議会ということで、こちらの体制で 議論を始めております。第1回は1月26日に開催をしております。 41ページ目以降は、こちらのコンテンツ産業官民協議会で提示させていただいた資料を 掲載させていただいております。 特に①の全体のところでございます成長投資に関する課題ということで、先ほど申し上 げたように、2033年に海外売上高を20兆円にするという政府目標達成に向けて、官民によ る投資を拡大していく、増大させていく必要があるということで整理をさせていただいて おります。 42ページ目以降は、実施体制、人材、創造活動を支える諸制度、海外展開、海賊版対策 と、それぞれを整理させていただいております。 最後に48ページ目でございますけれども、本日御議論いただきたいことということで、 少し細かいですが、それぞれの分野について少し論点出しをさせていただいております。 こちらの挙げさせていただいた論点に特段こだわらずということでございますけれども、 今日の時間の許す限り、委員の先生方に様々な御意見をいただければ幸いでございます。 大変駆け足でございますが、意見交換をできれば長く取っていただきたく、説明は以上 とさせていただきます。 ○渡部座長 それでは、ただいま事務局から御説明ありました内容について、御意見、御 質問もあるかもしれませんが、御発言をいただければと思います。 取りあえず一巡目は、それぞれの委員から3分を目安にして御発言をいただきまして、 一巡した後、時間があれば、御発言をいただくという形で進めてまいりたいと思います。 それでは、どなたからでも結構ですが、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。 田中委員、お願いいたします。 ○田中委員 まずは今日の議論に沿って、2点ほどお話をさせていただければと思います。 1点目は、金融庁のコーポレートガバナンス・コードに関して、現在改訂に向けた議論 が進んでいるとのことですので、その中でも知財が重視されているであろうことを期待し つつ、実効的にどのようにしていくかを今後も考えていければと思っております。 業務において多く経営者の方に取材等でお会いするのですけれども、皆さん、知財は大 5 切と考えながらも、知財、特許、法務という狭義で認識をされている面も否めないところ がまだあると思います。 今後は経営と一体化して知財を重視していただくためにも、特許は参入障壁に大きな影 響が出ることや、独占期間等、経営戦略上とても大切なものであること、知財戦略は収益 を上げていく仕組みの設計図でもあり、勝ち筋にもなることが強調されると良いのではな いかと考えます。特許の出願が減少傾向にあるとのご報告もありましたけれども、費用は 自社の市場シェアを維持したり、高めたりするための保険にもなりますし、競合との差別 化にもなるという訴求を具体的にしていければ良いと思います。 経営トップのコミットメントは本当に大事だと思うと同時に、加えて、実際には社内で 知財部門が孤立することなく、できれば経営戦略の真ん中に組み込まれるような仕掛けが ほしいと思いますし、社内体制を横断的に再構築することも有効です。チャレンジするス テップとしては、国プロのご紹介もあったところで、ぜひそれが好事例になると良いと願 います。 もう一点は、クールジャパン戦略についてです。キーワードに「地域」を入れて力強く 推進してきているところです。今、海外を見渡しますと、日本のアニメやゲームのUIとか、 UXを使用したり、IPを使って社会課題を解決することにも活用される成功事例があります。 例えば『はたらく細胞』がJICAの関係の感染症対策の教育で世界に普及している事例もあ ります。今後、サプライチェーンを重視し、注力していく方針の中で、これらのアイデア で日本の魅力的なコンテンツを売ると同時に、この発想に加えて、世界のインフラとして 課題を解決する社会解決型のビジネスに日本のクリエイティビティーを組み込むようなこ とも提案ができると感じます。それによって、クールジャパン戦略におけるサプライチェ ーンが充実すると思う次第です。まずはよろしくお願いいたします。 ○渡部座長 続きまして、竹中委員、お願いいたします。 ○竹中委員 事前説明や配付資料のトピックの取り上げ方から、私の印象としては国際標 準、特に標準必須特許を巡る紛争についての課題があまり議案で取り上げられていないと いう印象を持ちました。 現在、世界規模でSEP権利者がIoT製品・サービスメーカーにFRANDライセンスを申し入れ るケースが増加しています。また、SEP権利者がIoTメーカーを欧州統一特許裁判所、UPCに 提訴するという事件も注目を集めています。 さらに国内に目を向けてみますと、大阪と東京で相反する司法判断が出て、差し止め命 令を左右するFRAND交渉の基準が確立されていないために、国内でも紛争が増える傾向が 見られます。 こうした状況は、日本企業の事業のリスクに直結するため、今年の構想委員会でもっと 重点を置いてもよいではないかと思っています。 次に、知財・無形資産への投資促進について、意見を申し上げます。資料30ページにも ありますように、日本は知財使用料の国際収支が黒字で、既に成果を上げているにもかか 6 わらず、経営層の意識に十分反映されていないのはとても残念に感じます。 知財・無形資産経営を経営層にシフトさせるためには、さらに踏み込んだ取組が必要だ と思います。先ほど田中委員から御指摘いただいたように、欧米企業には特許に限らず、 データやブランド等を含む広い意味での無形資産が直接利益に結びついている事例が多数 あります。 例えば特許が価格プレミアムを生んでいる、AppleのiPhoneとか、ダイソンのサイクロン 技術、ブランド価値が営業利益率を押し上げていて、ルイ・ヴィトングループですとか、 ナイキですとか、また、データ資産が新規事業の基盤になる例として、もちろんAmazonで すとか、Googleなどをはじめとしたプラットフォーマー、もちろんSEPを扱った特許ポート フォリオが投資家評価を高めるQUALCOMMやEricssonの例のような、いろいろな具体例があ るわけです。 日本企業が無形資産の活用で競争力を高めるためには、これらの成功例を紹介して、無 形資産が利益に直結するという実感を経営層に持っていただく工夫が不可欠だと考えます。 第3に、生成AIのプリンシプル・コードについてですが、今までもコメントさせていた だいたとおり、理念としては理解できるのですけれども、実効性に懸念を感じています。 先日の早稲田の国際セミナーでも、ドイツのミュンヘン大学の教授から執行力に疑問を 抱く発言がありましたけれども、運用可能性について、より詰めて検討していただく必要 があると思います。 最後にクールジャパンについて、一言申し上げます。 アメリカやドイツで暮らしたり、長期滞在したりしておりますと、韓国が国家自体をブ ランド化し、ビューティー、食品など、多くの分野で無形資産の価値を高めていることを 実感します。最近になって、多くの日本の製品が韓国の製品と入れ替わっていることが非 常に残念に思われます。日本は一歩遅れているという印象が否めません。 文化発信を資産として高めている観点でも、また、日本の文化や観光、コンテンツなど が世界的な価値を高めている現実を鑑みると、より戦略的な取組が求められるのではない かと考えております。 以上です。 ○渡部座長 続きまして、遠藤委員、お願いいたします。 ○遠藤委員 私からは、国際標準と生成AIのプリンシプル・コードについて、お話をさせ ていただければと思います。 国際標準についてですが、今回、ハイレベルフォーラムの発足であるとか、シンポジウ ムの開催であるとか、さらには昨年、我が国の国際標準戦略を19年ぶりに策定するなど、 企業の経営者レベルが意識するに足る情報と、さらにはそれを実行するための努力が見え 始めているのではないかと思います。 これからは実行フェーズに入るわけですが、我々が気をつけなければいけないのは、よ く言われる「技術で勝ってビジネスで負ける」ということになってはいけないわけで、重 7 要な領域として17項目がございますけれども、シーズオリエンテッドで選ばれているので、 これをいかにマーケットリクワイアメントとマッチングをして、より高いレベルの標準に していくかということがキーだと思います。 その中では、現状のマーケットリクワイアメントもございますけれども、少し将来のリ クワイアメントをどのように捉えて標準化し、その標準の価値を高めるかということが重 要だと思います。ぜひその辺も含めた議論をこれからさせていただけるとありがたいと思 います。 二つ目のプリンシプル・コードですけれども、先ほどもコメントにございましたが、プ リンシプル・コードの実効性についての懸念は、私もあるのではないかと思っています。 コードの目的のなかで書いていただいているように、権利者や利用者の立場と、事業者 の立場との両立を図ることが必要です。そのうえで、事業者が信頼を得るためには、ある 程度オープンにしないと信頼をいただけない部分があって、一方では、持っている価値を オープンにすることになると、まねをされることも含めて競争上の懸念がある、というの が現状だと思います。 そういう意味で、この案件を検討していただく中で、「アプルーブ」というゲートを設け るような仕組みを考えていただくのも一つではないかと思います。 サイバーセキュリティーになるのですが、経産省の事業で、宮城県多賀城市の制御シス テムセキュリティセンターにおいて、サイバーセキュリティーリスクにどの程度耐えられ るかであったり、サイバーセキュリティーの観点から安全な機器であるかということだっ たりを試験していただいて、安全性を確認して外に出すという仕組みがございました。 今回の生成AIについても、中のものを、たとえばアーキテクチャーに関する情報を一般に 開示せずとも、こうした仕組みを設けて何らかの試験をすることによって安全性を確保す る仕組みもあり得ます。 アプルーブというゲートを設けた仕組みにしていただくと、事業者が開示する内容を抑 えつつ、安全性を確保できる可能性もあるかもしれません。その辺も含めた実用的な安全 性を確保するための仕組みを考えていただくのも、答えをつくる上ではいい方法論ではな いかと思います。今検討されている方法論に並行してアプルーブというゲートを設ける形 を考えると、どのような仕組みになり得るかということも御検討いただくとありがたいと 思います。 以上です。 ○渡部座長 続きまして、田路委員、よろしくお願いします。 ○田路委員 まず今回の知財・無形資産による価値創造をCEOにとっての重要な経営機能 であり、経営アジェンダにするところについてお伝えしたいことを今日お話ししたいと思 います。 私は実際にスタートアップのCEOという立場で当事者なので、日々の実務から実感して いるところで、まずはCIPOを経営の標準化機能としていくこと、また、侵害訴訟をカジュ 8 アル化していくことによって、知財経営とか、知財経済を転換していくことについて、御 提案したいと思っています。 私が実務で感じるのは、知財が十分活用できていない前提は制度の話とか、技術力の劣 後とか、そういう話ではなくて、知財を経営として動かす仕組みがちゃんと整備されてい ないというか、存在していないことにあるのだろうと常に思っています。先ほどどなたか もおっしゃっていましたけれども、知財を知財部門の業務よりはまさしくCEOが主導する 経営テーマであるべきだと思います。 大前提として、今、知財は企業の中で管理業務のような位置づけにしかなっていない印 象があって、一方で、先ほど申し上げた侵害訴訟では、打ち手としては時間と費用がかか る最後の手段みたいな意識があると思うのですけれども、そうなると、我々のようなスタ ートアップとか、中小企業にとっては、現実的な選択肢にはなかなかなり得ないと思って いますし、結果として権利は持っているけれども、活用できない、出口がないということ で、今、技術の競争力が市場の価値に転換されない構造になっていると思っています。 一方で、私が日々実務で特許をどのように使っているかというと、侵害訴訟を対立軸で あまり見ていなくて、市場をつくっていくためのルールづくり、あるいは相手との交渉材 料の1個、もっと言うと、交渉の入り口として最初の一手で使っていくことをよくやって います。 恐らく特許というのは、交渉のテーブルにお互いがつくための最初の機能と考えていま して、実際にこれまで私も権利侵害問題とか、ライセンス交渉をさんざんいろいろやった 中で、その結果としてアライアンスができたり、市場が拡大したり、産業全体のエコシス テムが動いたという実感を持っています。 今回、私が提案しようとしているのは、CIPOという機能、経営標準化と侵害手続をいか にカジュアルにしていくかを一体で進めるというアプローチになっています。 先ほど申し上げたように、CEOの重要なアジェンダにすることは、CEO自体のコミットメ ントが必要ではあるのですけれども、その一つの形がCIPOの標準化だと思っていて、結局、 CXOと言われる人間は一体どういう存在かというと、これも常々言っているとおり、CEO機 能のダウンサイジングだと思いますし、CEO機能の一部を担っていく存在だと思っている ので、CIPOの役割が経営に標準化されることが象徴的なものだと思っています。 少しだけイメージしてほしいので、CIPOがこれまで経営のオフィサーの例えばCFOとか、 CTOがいると思うのですけれども、どういった機能に類似した機能なのかというので、CSO という機能があるのですが、いわゆる戦略の最高責任者なのですけれども、これに比較的 近いと思っていまして、CFOみたいな財務的な人間に比べると、CIPOは非財務的な機能を担 うし、CTOは割と技術の具体的なエグゼキューションを含めてやるのですけれども、もう少 し上流なので、CSOみたいな機能にすごく近いと思っていまして、このあたりをイメージし ていくと、CIPOというアサインがCEOからすると割と理解しやすいと思っています。 今回、企業側としてはCIPOを標準化していくのですけれども、一方で、制度側としては 9 これまで訴訟という比較的ハードなアプローチではなくて、比較的低コストで短期にでき ます。今回、ADRという言葉も出ていましたが、こういった簡易的な侵害手続をしっかり整 備して、権利主張自体を戦いの宣戦布告みたいな激しいものからスタートするのではなく て、あくまでもビジネス交渉の開始プロセスの1個として定義づけられると、CIPOの役割 も明確になるし、特許自体の活用が動いてくると私は考えています。 先ほど申し上げた二つの改革が結びついて、とにかく特許紛争を他社排除という方向で はなくて、あくまでも産業を大きくするための交渉の入り口で、実際に知財を防御の資産 という見方からあくまでも市場に参加するためのエントリー条件にしていくところが非常 に重要だと思っています。 繰り返しになるのですけれども、侵害訴訟の数が減ってきているという指摘もあったの ですが、侵害訴訟自体の件数を増やすこと自体に意味があるのではなくて、あくまでも知 財を重要経営テーマにするときのCIPOの役割の一つとして、まずビジネスを動かしていく ための一つのカードとして使っていく、このあたりをしっかりと今回の知財戦略検討の中 で位置づけていただけるといいです。 最終的にCIPOという機能が経営機能としてしっかり立ち上がって、侵害訴訟がカジュア ル化して、あくまでも特許自体を活用する入り口になるところをとにかく今回は強く求め ていきたいと思っています。 私からは以上になります。 ○渡部座長 続きまして、黒田委員、お願いいたします。 ○黒田委員 1の知財・無形資産について、一言意見を申し上げます。 前回の委員会において、知財の価値を経営層や投資家が理解できる形で可視化する必要 性について意見を申し上げていまして、知財の事業貢献度を分かる相対的な指標について 提示いたしました。その後、事務局から企業が内部で活用しているKPIとか、指標を把握す るためのアンケート調査を行うと伺っていまして、大変心強く感じています。 本日の資料を拝見しても、例えば資料の8ページの国内の特許権侵害に関する実態のと ころで、自社の特許権が侵害されていると感じていても、自社のリソースを割くのが難し いという理由で対抗手段は断念しているという回答が多数ありまして、これは特許権を取 得しても活用するどころか、防御もできていない状況を示していると思われまして、知財 が経営資源として位置づけられていないという企業における構造的な課題が現れていると 受け止めました。 あと、資料の6ページで、知財・無形資産ガバナンスガイドラインが経営層に浸透して いない原因として、日本企業の強みが暗黙知にとどまっているという指摘がされていまし て、これが海外企業の形式知ベースの経営と対比されていると思います。ここから知財を 価値化して、投資家の目に留まりやすい場として示す必要性が示唆されているのではない かと思います。 知財の指標といっても、単一の数値をつくれば足りるものではなくて、知財は様々な役 10 割がありまして、収益の創出とか、競争優位の確保とか、成長への投資とか、経営戦略を 支える基盤など、複数の役割を果たしていますので、その価値の現れ方というのは、企業 の業種や事業構造とか、戦略によっても異なっていくと思います。 現在進められているアンケート調査は、企業が知財をどのような価値機能として捉えて、 どの局面で経営判断に活用しているのか、その共通構造を抽出するために重要なプロセス だと理解しています。最終的に知財が企業価値のどの部分にどのように寄与しているのか というのを、経営層や、知財部門、投資家が同じ言葉で議論できるような指標体系とか、 あるいはフレームワークを示すことが重要であるのではないかと考えます。 そのような整理ができれば、知財を、単なる権利管理の対象ではなく、投資や成長戦略 の中核として位置づけられ、知財・無形資産ガバナンスの実効性が高まるとともに、指標 体系を検討するプロセスの中で知財部員の育成にもつながるのではないかと考えています。 以上です。 ○渡部座長 続きまして、塩野委員、お願いいたします。 ○塩野委員 2点、コメントをお伝えさせていただければと思います。1点目は、企業の 意識改革につきまして、2点目は、昨今のコンテンツとAIについて、お伝えさせていただ きます。 まずここで今般いろいろ出ている企業の意識改革を知財についてどうするかの部分なの ですけれども、やはり取締役会に知財の専門家がいるかであったり、上場企業は開示して おりますスキルマトリックスに知財であったり、そういったものが現状で入っているとこ ろではないので、そこが重要視されているか否かという部分がありまして、そこについて 政府からは何ができるかについて、より具体的な事例を示して、関係企業に情報共有して 議論させるべきだと考えております。 例えばですけれども、産業規模の大きさから自動車とか、機械など、日本を代表するよ うな製造業とした際に、具体案的な論点を提示します。今、産業界では、多くの場合、LLM であったり、トランスフォーマーベースによるAIの物理領域のお話、ロボティクスへの接 続ですけれども、フィジカルAIなどは、自動車とか、機械はみんな関係していまして、し かもここにおける知財であり、標準化であり、オープン・アンド・クローズ戦略などが詰 まっている論点でございます。 フィジカルAIを実現するに当たって、どういったAIの基盤モデルを選択するのか、どこ とパートナーリングをするか。そして、高市首相の年始の御発言にも強く言われていまし たけれども、フィジカルAIで日本が勝つみたいな話をされている中で製造業の強みを生か すという言説があって、製造業からすれば、どこまでソフトウエアをやるかという論点が あり、今、学習データの整備をやる、やらないであり、そこでつくった知財の固まりとな る学習モデルをオープン化するのか、クローズ化するのか。 製造業が持っているロボットのメカニカルな機構は、今度はそこにあるアクチュエータ ーなんかがどこまでブラックボックスにするのか、逆にそれを諸外国のAI関連の企業に自 11 分たちのつくったアクチュエーターをどのように提供するのか。そこでは特許の論点もあ りますし、こういった形で今そこにある具体的な内容について、ここで御議論させていた だいているような知財、標準、オープン、クローズみたいなものがここまで関わってきて、 それが死活問題であるところです。 特に日本のハードウエアに付随するアプリケーション、または開発キットをどこまで日 本側がつくるのか。それともただメカニカルなハードウエアだけをつくって終わるのかと いうのは、今度はバリューチェーン、サプライチェーン上の問題にもなりますので、そし て、そこでつくったハードウエアが逆にいろいろAI企業に今後使われて、標準になるか否 かみたいな、とにかくフィジカルAIで日本の製造業をいま一度復活させようという議論に は、今ちょうどスライドをお示しされていますけれども、ここが具体的に詰まっているの です。こういったものを自動車であったり、機械であったりの企業経営者がどのように見 ているのですかとか、ここを業界としてどうやるのかを考えていただく、共有していただ くみたいな、知財は大事ですと言い続けても、取締役会であり、執行レベルはなかなか動 かないので、具体論でお話ししたほうがいいです。 そうこうしているうちに、NVIDIAなんかはフィジカルAIの開発プラットフォームを押さ えて、それをばらまいていくという戦略を取っている部分もございますので、まさに喫緊 の課題でお話をいただくことを政府側から仕掛けるほうがいいと聞いていて、考えており ます。 2点目は、コンテンツとAIについて、AIのアプリケーションであれ、モデルなどをいろ いろ拝見している中で、かなり無視できない、全く無視できない領域に入っていると日々 感じております。 そこは機会とリスクがありまして、例えば皆さんも御存じの中国のTikTokのByteDance が今回出したSeedanceは、アニメをそのまま実写化したかのようにAIがどんどんつくって しまうのですけれども、大分高度なところに行っていまして、それを機器として日本が誇 るようなアニメ・漫画みたいなコンテンツがほかの実写化であったり、いろいろなコンテ ンツに展開されるときに、こういったものが出てくることを機器と考えるのか、機会と考 えるのかというのは、今、ここまでくると、レギュレーションのタイムラグというか、そ この時間差が大分出てきてしまうと思いますので、こういったものが出てきて、こういう 捉え方、構え方があるのではないかという発信は必要だと思っています。 その一方で、いろいろな調査ですけれども、我が国において生成AIサービスを使ったこ とがある人はどうやら3割ぐらいというのがいろいろな調査で出ているので、7割の人は 日々全く使っていないらしいです。個人的にはあまり分からないのですけれども、そうい う調査がよく出ておりますので、ここの意識とのタイムラグ、そして、技術と今出ている コンテンツ活用のタイムラグがあると考えておりますので、ここへの発信というのはより 危機感を高めたほうがよいと考えております。 以上の2点、どうぞよろしくお願いいたします。 12 ○渡部座長 次は、伊藤委員、お願いいたします。 ○伊藤委員 まず最初に、何名かの方がおっしゃっている特許侵害のところで、以前にも お話ししたことがあるのかもしれませんけれども、我々中小企業、特に製造業の現場に大 きな企業が監査という名目でやってきて、あれを出せ、これを出せ、どんな工程を使って いるのかと聞かれて、数か月後に同じラインをつくってしまったという話はよくありがち な話で、おそらく今も水面下でそういう話は継続していると思いますが、特許侵害された ことによって控訴する件数を増やすことがいいわけではないのですが、言えない立場の人 たちをこれからどうしていくのか。 経済産業省の中小企業庁でも取引適正法をもう少し強化という動きはしていますが、そ れとリンクしているような話だと思っていまして、頑張っていない小さな企業を応援する 必要はないと思いますが、頑張っているにもかかわらず、ファイナンス面と人材に余裕が ないため、大きな力に圧し潰されてしまう、そんな状況を回避できればと思います。 日本全体で日本企業が大小新旧関係なく、共に成長していくことが今回の目的の一つで もあると思うので、オールジャパン体制をこれからもっと強化できるような、コーポレー トガバナンス・コードが変わっていく中で、その辺をもう少し強化していただきたいと思 います。 その中でのオールジャパンの話ですけれども、先ほどビューティーの話が出ていたと思 うのですが、このところ日本の化粧品産業は、韓国、中国にかなり押されています。いろ いろと聞くところによりますと、やはり中韓共に国がバックアップしているということで す。特にKビューティーは、いろいろな規制を排除して、民間で連携していろいろなプロ モーション投資を行っている一方で、日本はどうしても民間企業だけが集まっているので、 その辺のコンテンツ間の連携もない中でグローバル競争に勝っていこうというのは、非常 に難しいと思っています。 今のところいろいろな意味で政府も動いている話も聞くのですけれども、これから国と して勝っていくためには、規制などを排除しながらやっていかないと、Jビューティーが ブランディングされているか分かりませんが、後出しになってきているので、携帯電話の ガラパゴス化ではないですけれども、いい技術はたくさん持っています。ただ、成分の問 題とか、いろいろな問題でグローバル化に勝てない要素もあるので、規制のギャップ解消 がJビューティーのプレゼンス向上につながると思っております。いろいろな分野でこう いった課題はあると思いますが、とにかく日本がもっと世界のトップリーダーとして反映 できればと思っています。 ○渡部座長 続きまして、梅澤委員、お願いいたします。 ○梅澤委員 ここの議論いただきたい論点に直接的に関わる話ではないのですが、問題意 識をお話しします。 生成AI時代のIT産業の構造変化がどうなるのかというところから、今回、論を起こした ほうがいいと感じています。毎年の知財計画の議論は比較的各論を一個一個磨き上げて、 13 それを束ねたものが知財計画になっているという印象が強いのですけれども、もう少しい ろいろな形でダイナミックな変化が論点に残ることは間違いなので、今日、私が申し上げ るのはクールジャパンとコンテンツ戦略についてしか考えがまとまっていないのですが、 本当であれば、ここに掲げている全ての論点を横断するような形で、どういう構造変化が 起こり、日本にとっての課題が何で、だからこういう姿勢を取っていくのだという総論を もう一回つくり直す作業を本当はすべきではないかと感じています。それが問題意識です。 クールジャパン、コンテンツについて申し上げると、生成AI時代のIT産業の構造変化と いうことで、明らかに政策からまず運用に重点をシフトするのか。コンテンツ生成のハー ドルが著しく下がって、映像とか、画像とか、文書とか、音楽とか、全てのコンテンツが 供給過多になっています。その中で権利がクリアされていて、ブランドが信頼されていて、 正規流通と継続課金ができている状態をつくることが今まで以上に重要になります。 もう一つは、模倣困難なものを設計して運用します。デジタルで完結しない体験と価値 は上がりますし、とにかく模倣困難性をどのように実現するかということがとても大事だ と思います。 具体的な例でいうと、例えばIPを活用した空間とか、物体を伴うような体験とか、ある いはIPを活用した多面的な収益化をスピーディーに回す。配信グッズや体験コミュニティ ーです。それから、強い世界観があるような体験型の観光であったり、あるいはコンテン ツの著作者自身との対話とか、協働をするようなエクスクルーシブな体験であったりとい うような、模倣困難なものをどうつくって運用していくかというところがいよいよ重要に なると思います。 もう少し仕組み的なところで考えると、一つは権利クリアを高速化することがいよいよ 大事なのではないかと考えています。先ほど塩野さんがおっしゃっていたコンテンツ活用 のタイムラグがありましたけれども、それで機会損失がたくさん発生するわけで、そこは どれだけ国として権利クリアを高速化して、クリアされた正当性のあるコンテンツを混ぜ たりしながら流していくことができるのか、このように進化する必要があります。 もう一つは、正規性を担保するような義務化をもっと整備しないといけないと思います。 私が存じ上げているところでいうと、例えば音楽のケースでは、著作権使用料の徴収のシ ステムはあるわけですけれども、著作隣接権を自動承認して、事後的に自動決済をすると いう仕組みはありません。こういうものがないと、結局、マネタイズの機会をどんどん失 っていくことになります。 先ほど申し上げたように、政策から運用に重点をシフトすることを考えると、IP運用人 材をどう育成していくのか。これは事業のプロデュースであったり、世界市場におけるブ ランド構築であったり、金融などで今までとはレベルの違うIP運用人材をつくっていかな いといけないのではないかと考えています。 これからはエンターテインメント産業とか、観光分野で重視すべき取組があると申し上 げましたが、そういう取組を推進していけるような新規参入の事業者をどんどん促進をし 14 ていくことも大事になると思います。 ここまでがクールジャパンとコンテンツ戦略について具体的に感じていることで、こう いうレベルの議論をもう少し全体ですべきタイミングなのか、構想委員会では使えたらい いと願っているところです。 以上です。 ○渡部座長 続きまして、松山委員、お願いいたします。 ○松山委員 私からは2点ほどコメントできればと思っております。48ページの本日御議 論いただきたいことの項目でいいますと、知財・無形資産への投資促進についてと国際標 準戦略についての2点を考えております。 1点目につきましては、既に多くの委員が御意見をいろいろと述べていらっしゃいまし て、いずれもそのとおりだと思って聞いておりました。 まだ触れられていないと思うところでは、スライド9の統計データのところなのですけ れども、いわゆる日本版バイ・ドール制度を適用した特許出願についての統計だと思いま すが、全出願と比較して審査請求率や特許査定率が10%である程度高いということで、こ れはよい結果だと思っています。 他方で、このグラフを見ると、新規性喪失の例外規定の適用を申請した特許出願の割合 がかなり高くなっているなという思いで見ておりました。これは必ずしも原則として公開 前に出願しなければいけないことを知らずに発表してしまったような場合だけではなく、 新規性喪失例外規定があることを知った上で、研究者として大事な研究会での発表や論文 発表を優先していたケースなどもあるのではないかと思ったり、また、権利帰属を定める 各種契約の整備が遅れた結果、出願が間に合わない状況の中で予定していた学会のタイミ ングが来てしまって発表したとか、様々な事情があると思いながら見ておりました。 新規性喪失の例外規定は、ここにも触れていましたけれども、例外規定の適用がある期 間が国ごとで違っていたり、対象も違っていたりということで、必ずしも日本と同じ制度 があるわけではないので、日本では大丈夫であっても、海外では権利取得できないことが 結構起きているのではないかと、懸念というか、気になりました。 国家が支援する研究開発プロジェクトということで、基本的にはグローバル展開すべき で、海外でも特許を取得すべきようなケースが多いと思っているところ、これだけ新規性 喪失の例外が使われていることによって、権利取得の範囲が狭まるようなことになってい るのではないかということが気になりました。これは最初にこういったプロジェクトに参 加してもらう段階から対象となる技術については、グローバル展開が必要であることや新 規性喪失の例外規定を安易に使わないことなど、そうした当事者の理解を求めるような初 期の段階からの工夫も必要なのではないかと思いました。 2点目は、国際標準戦略についてのところですけれども、先ほど竹中委員からも御指摘 があったと思いますが、紛争に関しては何も触れられていないところは私も少し気になっ ておりました。指摘もあったように、大阪と東京で判決が分かれた例もあり、その後、東 15 京地裁の知財部が、標準必須特許、SEPに基づく特許権侵害訴訟の審理要領なるものを発表 されまして、日本の裁判所でSEP訴訟に関する審理を積極的迅速に進めていく姿勢を示し ているような要領が発表されたと思います。続いて、その後、SEP調停の審理要領も発表さ れたと思います。 今、裁判所として標準特許に係る国際紛争を日本で解決しよう、訴訟だけでもなく、調 停などでも柔軟に迅速に解決しようという動きがすごく出てきていると思っているところ でして、その点は注目していく必要があるのかもしれないと思っております。 裁判所はもめごとが起きてからの話でして、内閣府さんではそもそもの国際ルールをつ くっていく、国として積極的にルールメーキングをいろいろされているところだとは思っ ており、この点、単に受け身ではなく、ルールメーキングに関わっていくことも大変重要 だと思っております。 今も適切なメンバーで構成された委員会等で議論を進めていると思い、実際、いろいろ な知見を持つ方々が関わって構成メンバーに入っていくことも大事だと思っておりまして、 行政庁の方々のほか、企業の方の中でも特許を中心とする知財が分かる方のほかに経営層 の方であったり、知財の専門家である弁理士さんであったり、知財を取り扱う弁護士など も入っていくといいと思い、そのほかの標準化の現場を知っている技術者の方であったり、 海外の交渉経験を有する国際機関や多国籍企業のクロスボーダーの交渉担当など、競争政 策や独禁法など、そのほか経済の視点などを持った専門家など、多様な立場で違う視点を 持つ人々で検討していけるといいなと思っております。 国際標準戦略やいろいろなところで日本が積極的にという想いの人たちが増えているよ うに思いますので、その辺も順調に適切な方向に進んでいくような仕組みづくりができる といいなと思っております。 私からは以上です。 ○渡部座長 続きまして、福井委員、お願いいたします。 ○福井委員 先ほど来、非常に充実した資料、梅澤委員のほか、多くの委員の皆さんの御 意見に大変納得しながら伺っておりました。私は逆に今日は最後のお話を差し上げようと 思いますが、目指すところは非常に近いのではないかと思っているところです。 まずは7ページです。これは本当に細かいかもしれないのですけれども、知財意識調査 で日本はアジアで最下位だというデータが出ています。事前にも事務局にお伺いしたので すけれども、確かに日本はアジアで知財の経済的利益の意識が50%程度で最下位なのです が、よく見ると、次いで低いのがシンガポールで、その次は韓国で、逆に海賊版大国と一 般に言われているベトナムが75%で世界最高水準です。アメリカや西欧諸国では、軒並み 日本と同じ50%程度なのです。ぱっと見ると、先進国ほど低いというはっきりした傾向が あるのではないかと思います。 重要だと思うのですけれども、こういうデータから知見を得るのであれば、どんな質問 を行ったのか、データ根拠と共に読み込まないと、これが知財・無形資産投資が進まない 16 一因だという結論の説得力が下がってしまうかもしれません。そういうことを1点思いま した。 15ページぐらいでしょうか、AIプリンシプル・コードがあります。私も加わったAI時代 の知的財産権検討会でも、ここでの複数の委員と同様に実効性への懸念を申し上げました。 特に現状だと企業だけが縛られて、逆に言わば主戦場と言える海外のプラットフォームは 従わないといった事態にならないよう、実効性の確保に向けたさらなる努力は必要ではな いかと思います。これについては、AI時代の知的財産権検討会でかなり申し上げましたの で、このぐらいにします。 30ページのクールジャパンです。ここで再びデータのお話をさせていただくのですが、 国際収支の知的財産権の使用料で、約3兆円強の年間の収支が出てきます。黒字であると 書いてあって、内訳として特許などの産業財産権と著作権等使用料が混ざっていると書い てあります。 これは確かに合わせるとこんな感じだと思うのですけれども、内訳を日銀は国際収支統 計に示しておりまして、誰でも御覧になれるのですが、産業財産権は海外子会社からの特 許使用料が入りますから、大幅黒字です。コンテンツなどの著作権等使用料は、残念なが ら約2兆円の赤字なのです。これは一貫しているのです。むしろデジタル覇権の影響で拡 大しています。 そのことを責めているとか、意味がないと言っているのではないのです。日本カルチャ ー、日本コンテンツは間違いなく世界的に人気です。大きなチャンスがあるのです。間違 いなく世界的に人気で大きなチャンスがあるのに、デジタル覇権の影響とは言いながら、 なぜこうなのか。そこのデータを読み込んで、実践的な戦略を立てないといけないと思い ます。ですから、そのデータの読み込みについて、問題提起というか、先刻御承知のこと だと思いますが、申し上げたいと思います。 最後に40ページです。コンテンツ戦略を担うコンテンツ産業官民協議会です。すばらし い方々が並んでいると思います。ただ、強いて申し上げると、映像・ゲーム偏重が否めな いです。映像とゲーム関連の方が数えるだけで10名以上です。 一方で、出版・漫画です。1名です。それから、先ほども出ました体験価値という意味 で音楽や部隊などのライブイベントですが、これはそれも含む方が各1名、そういうとこ ろですか。それは考えられてもいいところだと思いました。 私からは問題提起ということで以上です。 もしレスポンス等があれば、後ほどいただければと思います。 ○渡部座長 続きまして、杉村委員、お願いいたします。 ○杉村委員 まず私からは経営層への知財・無形資産経営の浸透について、意見を申し上 げます。 現在、知的財産・無形資産の活用・知的財産への投資は、研究開発、そして、人的資本 と共に企業の持続的成長や長期的な企業価値を支える中核的な経営資源であって、企業の 17 価値ストーリーを構成する上で必要不可欠な根本的要素であることの認識が経営層へ徐々 に浸透してきているところでございます。 これはコーポレートガバナンス・コードへの明記が大きな要因となってきていました。 しかし、まだまだ道半ばでございます。昨日の金融庁での有識者会議の資料では、原則か ら解釈指針に位置づけられるようになっておりましたが、仮に今回の改訂において、研究 開発や知財投資の経営層への認識の機会が後退するようになれば、企業価値ストーリーを 構成する根本的要素が後退することになると考えられますので、改訂後におきましても、 コンプライ・オア・エクスプレインの対象となる原則に位置づけるべきと強く考えており ますし、そのように希望いたします。 2番目は、オープン・クローズ戦略についての意見を申し上げます。昨年12月8日の経 産省のイノベーション小委員会におきまして、戦略的に重要な技術領域の一気通貫支援に ついての進捗が報告されました。知財と標準化を組み合わせるオープン・クローズ戦略の 支援の方向性が示されたことは、大変よい取組であると賛同しております。通信など、経 産省以外の総務省等をはじめとする他省庁担当の重要な技術領域を含めて、各関係省庁が 連携しながら、オープン・クローズ戦略策定の支援をしていただきたいと考えております。 24ページ、25ページに記載がございますように、標準戦略と必須標準特許の取得のタイ ミングに関するコンサルテーション審査についての取組は賛同いたします。早急に実施を していただきたいと思います。 そして、25ページの知財標準マップに関しましては、自社、競合会社、連携相手を把握 する上でも重要な役割を担うと考えておりますので、マップの作成をありがたいと思って おりますが、まずは重要技術分野、特に、戦略領域の分野から策定していただくことがよ いのではないかと思っております。 また、特許庁で2022年に標準必須特許のライセンス向上に関する手引を発表していただ きました。既に3年が経過しておりますので、改訂、見直しをぜひお願いしたいと思って おります。 それから、IoT技術の進展に伴いまして通信等の標準規格を実施する産業領域が広がっ てきていて、ライセンス交渉に関わる当事者も多様化してきております。私のところにも 相談がございますが、中規模企業がSEPの交渉相手になっているようなケースも増えてき ております。ところが、通信業界以外の業界におきましては、SEPに関する交渉は不慣れで ございますので、ぜひ標準必須特許に係る全ての当事者に対して、標準必須特許及びライ センスの商慣習を浸透させる普及活動を更に活発におこなってていただきたいと思ってい るところでございます。 そして、中小企業庁から知的財産取引に関するガイドラインを発表していただいており ますが、先程も申し上げましたように、情報通信分野以外の業界では、標準必須特許のラ イセンスの商慣習が確立しているとは言えない状況が続いております。もちろんこの問題 については、契約当事者間の問題でしかないという考え方もあると思いますが、ぜひ中小 18 企業庁が発表した先ほど申し上げたガイドラインの普及も積極的に実施いただきたいと思 います。 3番目は、大学関係についてでございます。大学の総合知の成果を社会に還元していくた めには、知財市場分析を活用した知財戦略を策定し、権利化していく必要がありますが、 これまでも御指摘がありましたように、大学では人材不足や予算の不足の声が上がってお ります。特に海外での特許等の取得は困難な状況にあります。 したがいまして、新技術立国実現のためには、政府が特に17の重要技術分野、そして戦 略領域についての産学連携による成果がより社会に還元されるように、今、申し上げたよ うな課題に対しまして知財市場分析を活用した知財戦略が作成することができ、より確実 かつ幅広い知財取得を後押しする施策の検討が必要ではないかと思います。 地方大学の一つである鳥取大学は大学知を社会実装することに力を入れていて、地方創 生の核として機能しているとお聞きしています。このような取組は学長が率先して社会へ の還元に力を入れていることが要因の一つであるともお聞きしています。このように、地 方大学におきまして知財を普及させていくには、大学の総長や学長による知財への理解と、 産学連携による社会実装への認識が重要ではないかと思っておりますので、大学のトップ の方々に知財を認識いただき、社会実装の重要性を認識いただく施策等が必要だと思って おります。また大学におきましても、標準のさらなる普及活動も必要だと考えております。 最後になりますが、2027年に国際園芸博覧会が開催されます。クールジャパン戦略を推 進していくためにも、国際園芸博覧会と連携して、何らかの発信をしてクールジャパン戦 略を後押し・強化する方策を今後考えていく必要があるのではないかと思っているところ であります。 以上です。 ○渡部座長 続きまして、村松委員、お願いいたします。 ○村松委員 コンテンツ産業の者として御意見させていただきます。 まずコンテンツ戦略に関してですけれども、3年前に経団連からも提言を出しまして、 そこから基幹産業に認定していただいたり、また、今年は17の成長戦略分野に認定された ということで、着実にコンテンツ産業支援は推進されていると感じております。 その中で2033年に今の海外売上げ6兆円を20兆円にする。この数字は高市総理をはじめ たくさんの方々がいろいろな話をしていただいていますけれども、今のままの自然成長で すと、目標に対して9兆円未達というところですので、我々民間も投資をさらに倍増して いかなければいけないのですが、今回、550億を超える補正予算措置には感謝しているもの の、諸外国に比べると1桁、2桁足りません。 アニメ、ゲーム、漫画をはじめ、また、それから派生するキャラクターIPにおいては、 日本はかなり強い優位性を持っているのですけれども、そこも追いつき追い越せとする海 外諸国が非常に潤沢な政府支援の下で戦っているのに比べると、我々は基盤が脆弱だと思 っています。一層の充実をしていただき、まずは1000億円という予算を目指しながら、5 19 年程度のレギュラーで措置していただくなど、大規模かつ複数年の継続的な予算措置をお 願いします。 あわせて、税制も今回大胆な投資促進税制ができるそうですけれども、ここもまだ設備 投資とか、インフラとか、ハード面に対しての措置ですので、コンテンツ産業に特化した 新しい税制等々もぜひ考えていただければと思っております。 そういうことを考えるためには、何といっても司令塔機能の強化が不可欠です。長期的 かつ強力にコンテンツ産業を振興していくために、コンテンツに深い知識と見識を持つ行 政官をもって施策と予算執行を一元的に担う体制を整えていただきたいと思っております。 投資の視点で産業支援を実行する機関の設置を検討していただきたいと思っております。 あと、海賊版等々ですが、経産省の公表では、2025年に5.7兆円です。キャラクターグッ ズを入れると10兆円を超える海賊版の被害が出ていますけれども、これだけ海賊版の被害 があるのは、それだけ日本のIPが人気を博していることの裏返しでもあります。もちろん 各国政府との連携強化や国際協力の抜本的強化をお願いしたいのですが、正規版の流通拡 大に向けて、ローカライズやプラットフォームの支援を強化することも海賊版対策の根本 的な解決に資すると思っていますので、そちらも両輪でお願いしたいと思っています。 最後に、生成AIについて、先ほどからたくさんの委員の御意見を拝聴しておりましたが、 様々な意見が出ていることは承知しているのですけれども、クリエーターの権利がしかる べく守られて、安心して創作活動に取り組むことができることが大前提だと思っています。 コンテンツ産業が今の勢いをさらに強めつつ成長していくことが非常に重要ですので、生 成AIプリンシプル・コードの検討が進んでいることは、我々としては歓迎しております。 ぜひクリエーターサイドの声を十分に聞いていただいて、丁寧な検討を進めていただきた いと思っております。 以上です。 ○渡部座長 時田委員、お願いできますでしょうか。 ○時田委員 3点、コメントをいたします。 第1は、知財・無形資産経営についてですけれども、科学技術立国に向けて研究開発投 資の促進は非常に重要なことで、事務局の皆さんがまとめていただいた知財・無形資産経 営の浸透の推進の方向性に賛同をいたします。 大企業のみならず、中小企業やスタートアップの方々に対しても知財・無形資産への投 資が促進されることが望ましい方向であり、侵害対応を含めた知財活用のいわゆる高度化 やそれを通じての日本の産業の競争力の底上げにつながることを大いに期待をしているも のです。 AIプリンシプル・コードについて、申し上げます。AIの開発、利活用の促進、そして、 知財の適切な保護は大変重要なことで、その趣旨には賛同します。パブコメでクリエータ ーの方々の権利、そして、AIの開発・提供・利用等に関わる皆様の双方からの多様な意見 が寄せられていることは承知をしておりますが、関係者の声をしっかりと丁寧にくみ取り 20 ながら、三つの原則が権利者の知財保護にとって真に効果的・実効性のある手段になるこ ととともに、我が国のAIの開発者やAIの事業者の競争力をそぐようなことになっていない のか、双方のことを十分に検証の上で権利保護、AI利活用の最適なバランスを追求してい くことが肝要で、非常に重要なことだと思います。 最後の三つ目ですが、国際標準戦略です。国家戦略として実に19年ぶりに新たな国際標 準戦略が策定されて、重要領域や戦略領域について、モニタリングなどの具体的な取組が 進んでいることについて、大変よいことだと思います。例えば、当社も手がけております が、量子技術の分野においては、業界を代表する、もしくはリードすべき企業が、開発や 標準に対して一体となって取り組む業界団体のQ-STARが、国や研究機関を巻き込んで駆動 しています。 産官学のコンセンサスを得ながら国際標準化に能動的に取り組むことは、少しずつでは ありますが、しっかりと始まっています。こうしたモメンタムが決して一過性で終わるこ とのないよう継続して、それを参加している企業や団体のみんなで力強く進めていくとと もに、国もしっかりと支援していくことが重要だと思っています。 そういう意味では、官民ハイレベルフォーラムというのはまさにこれに資する活動だと 思います。産学官の一体的な運営を通して国際標準戦略がしっかりと継続的に進む大きな ドライバーにこの場がなっていくという実践が、国民の皆さんにもしっかりと伝わるよう な成果の発信もしていくべきだと思っております。 私から以上です。 ○渡部座長 中村委員、お願いいたします。 ○中村委員 コンテンツとクールジャパンについて、コメントします。 コンテンツに関してですが、私が事務局となって昨年の春からPPP、POP POWER PROJECT というコンテンツ関係業界、クリエーター、研究者らのコミュニティーを運営しておりま して、漫画、アニメ、ゲーム、音楽など、ジャンルを横断した活動を進めているのですが、 今月の12日に政策提言を発表しました。支援措置、人材育成や今日も言及があったAIや海 賊版、あるいは先ほど村松さんからも言及があった司令塔などについてまとめたものなの ですが、個別の内容はともかく、取りまとめに当たって、予想を超える強くて幅広い要望 が多くの方々から寄せられまして、この分野が政府に期待する熱の強さを感じた次第です。 今、民間は例年以上にチャンスと感じていますので、この機運を生かしたいところです。 一方でクールジャパンですけれども、インバウンドの施策に注力されているのですが、 今、コンテンツの海外展開、アウトバウンドを第1テーマにしているのに対して、その連 携が薄いように見えます。コンテンツを先導役に仕立てて、その勢いに食とか、ファッシ ョンなどを連動させて、世界の市場をさらに拡大するのが次に目指す戦略だと思います。 今後のポイントではないでしょうか。 海賊版に関して、権利行使を支援するという方針が書かれていまして、期待をいたしま す。中小企業や個人が対応するのは無理でして、逆にジャンル横断で束になって権利行使 21 をしたり、告発とか、訴訟対応したりすることが重要です。その支援と環境整備を期待す る次第です。 それはAIでも同様の事態が発生しています。集団的にAI事業者との対話、交渉を行うと か、法的な対応を行うとか、そういう体制を整えたいです。さらにAIによる権利侵害の自 動検出、摘発といった技術の開発・実装を支援するとか、そのユーザーのAI利用を円滑化 するガイドライン、あるいはリテラシー向上施策を整えるといった制度面、技術面、教育 面の総合対策が必要になっていると考えます。 以上です。 ○渡部座長 出雲委員、お願いいたします。 ○出雲委員 今、画面で出していただいている本日の議論内容の一丁目一番地と思われま す、経営層への無形資産経営の浸透のための取組について、大企業の経営者向けの話と大 学発スタートアップ、ディープテックスタートアップに対する資金供給の観点から投資促 進の重要性について、コメントを申し上げたいと思います。 今、大企業の経営者がPBR1倍割れの改善から企業の資本効率向上のための伊藤レポー トの後のROE8%、東証グロースの5年以内のマーケットキャップ100億円のバーが高くな るとか、資本効率、資産効率の改善は待ったなしで行われております。 前回の事務局からの報告にもまとまっておりましたが、アメリカ、ヨーロッパ、中国、 韓国の上場企業の無形資産比率が向上している中で、どのようにして経営者を説得してい くのか、これは株価にいいインパクトがあるという餌、あめをしっかり見せて、長期のコ ミットをしてもらうしかないと思います。 早稲田の柳先生がいろいろな実証研究をされていますけれども、トピックスのR&Dが10% 増えると、平均して大体7年後にPBRが3%上昇するとか、トピックスの特許スコアが増え ると、PPRを3%から10%に増加します。こういったあの手この手で大企業の経営者が知 財・無形資産にアテンションを当てないと、IR上も投資家との対応の中で、アメリカ、ヨ ーロッパ、中国、韓国が重視している指標にキャッチアップすることをリーダーが理解し ているのかどうかが資本市場とのダイアログで重要になってきますので、そういったデー タを出して説得していくことをしか、効果のある取組にはならないのではないかと思って おります。精神論ではなくて、事例とデータで大企業者の経営者に働きかけていく、そう いう2026にしていきたいし、していただきたいと思っております。 二つ目は、大学発スタートアップの中で上場、IPOを果たしたのは63社あるわけですけれ ども、ディープテックのスタートアップや大学発スタートアップはPBRが高く、全体のPBR 向上にも大学発スタートアップやディープテックスタートアップがIPOすると、もちろん 全体のPBR向上にも貢献できますので、大学発スタートアップ、ディープテックスタートア ップに対して非常に効果の高いIPファイナンス、知的財産担保ローンやIPバックドインベ ストメントの現状分析、2024で皆さんと議論させていただいたことですけれども、これは ちょうど3年たって、スタートアップ育成5か年計画の折り返しと合わせて日本でうまく 22 いっているのかどうかは、検証することが必要だと思います。 ちょっと調べてみて、日本でのIPファイナンスは1995年からスタートして、DBJが頑張っ ていただきました。累計で200億円、1年間に数件、IPファイナンスをDBJが主体となって やっています。2024のときには、スタートアップ育成の観点で知的財産担保ローン等を推 進していくことが重要だというのが文言に入って、当時は01だからこれがやっとだったと 思うのですけれども、今、実際に知的財産担保融資は全く広がっていません。 これも原因は明らかでして、個別の特許権や知的財産に対する設定の煩雑さと金融機関 が主体的に担保権者になれません。企業価値担保権信託会社から金融機関へと担保権者を 拡大するという、個別担保ではなくて、米国や中国、韓国と同様の包括担保の一部として 特許や知的財産、無形資産がプラス評価されると大胆に拡充しないと、IPファイナンスは なかなか広がらないのではないかと思っております。 先行している米国で1年間に4万件の知的財産担保ローンが毎年実行されているのです けれども、それよりもっと重要なのは、アメリカの経営者がなぜこんなに特許を大事にし ているのかというのは、特許を保有している米国の企業のうち4割が特許を担保にして、 その特許を担保にしたら金融機関から融資してもらえる金額が増えたとか、利息を下げて もらったとか、つまり米国の企業の経営者の40%が知的財産を活用していいことがあった という経験があって、自然と広がっています。 これを中国がフォローして、今、特許と知的財産担保融資が中国は1年間で1.8万社が利 用しています。これは本当に小さい企業ばかりが利用していて、1.8万社の累計が年間で10 兆円なのです。特許と知的財産を担保にして融資をしてもらっています。ですから、知財 や特許権と個別評価と質権設定を厳密に行う日本型モデルから、包括的にその他の無形資 産等と併せてIPファイナンスを設定してあげることを金融機関の一般的な行動様式に変え ることが日本のIPファイナンスの普及のために重要であり、2024は01でIPファイナンスを やっていきましょうというのをセットアップして、2026で日本型IPファイナンスは煩雑過 ぎるので、諸外国を見ていると、特にディープテックや大学発スタートアップ振興のため に煩雑ではないIPファイナンスに広げていくことが重要なのではないかと強く感じました。 日本と一番似ているのは韓国なのですけれども、つい最近、韓国も知的財産担保融資と 知的財産投資の合計が累積で1兆円を突破しました。ですから、韓国も中国と全く同じよ うに、低格付やベンチャーや中小企業への融資にIP担保融資が当たり前のように活用され ていて、企業の経営者は、IPを保有していると金融機関から包括で評価されて、融資の金 額が増えるとか、利子が減るとか、こういうメリットがあるという好循環が自然と生まれ て、IPは大事なのだということを経営者や大学も十分に理解しているという好循環が創出 されていますので、ボトルネックになっている部分は明らかですから、担保権者の拡充と 試験設定の煩雑さの解消、包括担保形式の導入を行うことによって、無形資産比率が高い 大学発スタートアップやディープテックスタートアップの振興をこの期にぜひ知財推進事 務局からも発信していただきたい。 23 少し上になりますけれども、大企業の経営者に対してもこういったイノベーションのド ライバーであるベンチャー企業、大学発スタートアップの知財・無形資産の積極的な利活 用による高PBRですとか、資本効率が極めて高いベンチャー企業を大企業に取り込んでい ただくとか、その大企業の経営者の方にも同じようにIPや知財・無形資産を重視した経営 を行っていただくのと同時に、株主とのダイアログで強調する企業の株価パフォーマンス がいい、こういった好循環は、大学発スタートアップをトリガーとして、知財推進計画で 生み出していけたらいいのではないかと思っております。 以上でございます。 ○渡部座長 ○林委員 林委員、お願いいたします。 私からは大きく3点を申し上げたいと思います。 1点目は、コンテンツ戦略または知財・無形資産への投資促進にもつながるポイントか もしれませんが、インターネット上の著作物の利用に関してです。これにつきましては、 車の両輪のように実効性のある海賊版対策とともに、正規版の流通拡大のための制度設計 策が重要であると考えております。 まず前者の海賊版対策等につきましては、著作権侵害のみならず、昨年から特に日本に おいても生成AIによるなりすまし被害が急増しております。これがどこの国から初なのか は別としまして、急増している現実があります。今後は媒介者でありますプラットフォー マーの本人確認義務などの管理責任の強化が必要ではないかと考えています。 後者の正規版の流通促進制度設計ですが、かつてこちらの知財戦略本部でも欧州の拡大 集中許諾制度や米国のメカニカルライセンスなどを議論した結果、日本国においても未管 理著作物裁定制度を採用することとなり、今年の令和8年4月から開始されることになっ ているというのは、皆様、御案内のとおりだと思います。 昨日2月26日に未管理著作物裁定制度の運用及び権利探索の効率化を含む著作物等の利 用円滑化を図るため、分野を横断して著作物などの権利情報を探索できる分野横断権利情 報検索システムと、個人クリエーターなどの権利情報を集約し、同制度における意思表示 を行う個人クリエーター等権利情報登録システムの運用が開始されました。我が国が議論 した結果、採用したこれらの政策を具体化するためのシステムでありますので、こういっ たシステムがもっと周知され、活用されるように期待しております。 2点目、生成AIの利用についてです。先ほど日本で利用は少ないというお話もあったの ですが、年々急拡大しておりまして、少なくとも昨年の秋ぐらいの調査によりますと、我 が国でも一般における生成AI利用が急拡大していることが報告されております。また、企 業の生成AI導入圧力はますます高まっています。生成AIを導入する企業は実質的に莫大な 運用上の優位性を獲得できる可能性がある一方で、導入しない企業は後れを取るリスクが あると思います。 ただ、同時に生成AI導入に伴うセキュリティーリスクが防御能力を上回る速度で飛躍的 に拡大していることが大きな課題となっております。最近ではAIがサイバー犯罪に欠かせ 24 ない手段になっている、特に2026年現在の最大のセキュリティー上の脅威は、自動的にタ スクを実行するエージェント型AIとも言われています。 今年の2月17日、米国では国立標準技術研究所がAIエージェント標準イニシアチブを発 表して、自律的行動可能なAIエージェントが広く安心して導入されることが保障されるよ う三つの戦略を立てており、業界主導の標準の促進、コミュニティー主導のプロトコルの 促進、研究への投資を掲げています。 今回、知財戦略本部事務局より提案されたプリンシプル・コード(仮称)について、こ こで採用しているコンプライ・オア・エクスプレインの手法は、EU AI Actの取組を参考に しつつ、生成AI事業者が自社の個別事情に応じて原則を遵守して開示を行うか、あるいは 遵守しない場合にはその理由を説明するかを選択できる仕組みであるとされておりまして、 AIガバナンスの取組として有用でありますし、また、一律に開示を強制するものではない 点において、バランスの取れた案であるとして評価に値すると考えております。 同案については、コンプライを強いられるのではないかという慎重論もあると伺ってお ります。確かに同案のコンプライ・オア・エクスプレインという言葉は、コーポレートガ バナンス・コードと同じ用語を使用しておりまして、コーポレートガバナンス・コードで の開示というのは、上場会社にとっては上場規程で義務づけられており、また、金商法上 の有価証券報告書において、コーポレートガバナンスの状況を記載することが義務づけら れるなど、開示・公表の義務を前提としていますが、こちらの党本部でのプリンシプル・ コード案については、そのような法律上の開示義務が存在しない点において、前提が異な っているのではないかと思います。 また、昨日開催されたコーポレートガバナンス・コード改訂に関する有識者会議での改 訂案においても示されたように、むしろエクスプレインを積極的に選択すべき場合があり、 会社が関わるコンプライ・オア・エクスプレインの趣旨を十分に認識し、各原則も趣旨精 神に照らしてコンプライまたはエクスプレインを選択することが望ましいと注記されてい るところでもございますので、コンプライを強いられるという御懸念については、当ては まらないのではないかと考えております。 先ほど申し上げましたエージェント型AIのセキュリティーリスクを考えても、生成AIの 導入と並行してAIガバナンス体制を進める必要があります。そして、実効性を確保する観 点からも要望を工夫するなどして、プリンシプル・コード案に定める事業者に対する開示 要求制度を設ける必要があるのではないかと考えております。 最後に標準化についてでございます。現在、高市政権の下で議論中の17の戦略分野にお ける官民投資ロードマップにおいては、市場創出のために国際標準化や規制改革をビルト インすることが求められております。 私は規制改革推進会議の議長代理を務めておりますが、昨日の同会議では中間取りまと めをしたところでございます。その席にて私からは、成長戦略に向けた技術開発や投資を 実証実験止まりにせず、社会実装につなげるためには、受皿、出口である社会制度規制の 25 改革が必要であることを申し上げました。 また、標準化について、同会議においては、落合委員から規制を規定化することなどを 通じ、規制と標準、認証を一体的に設計することで、国際的な市場創出や規制の合理化を 図ることが望ましいとし、そのために新規規制設計時の検討ガイドラインの整備や分野で のパイロット事業の実施、認証インフラの整備と関係省庁の連携強化を提案されておりま す。私もこうした御意見に賛同するところでございます。 ぜひとも規制改革推進会議事務局と知財事務局と密接に連携して、規制と標準、認証の 一体化の取組を進めていただきたいと思います。 私からは以上です。 ○渡部座長 続きまして、加藤委員、お願いいたします。 ○加藤委員 事前に共有いただいた内容からになるのですけれども、農業、地方、スター トアップを含めての観点で、二つ申し上げたいと思います。 私たちはインドに進出しているのですけれども、皆さんも御承知のとおり、日本食の普 及はすごく加速していまして、中国料理よりも韓国料理よりもインド料理よりも日本食レ ストランができている勢いがある状況です。ただ、御承知のとおり、日本人がやっている 日本食レストランはほんの一部でしかないのが現実ですし、この間、ローソンさんがコン ビニとして新たに進出しますと発表されていましたけれども、三菱商事がやっていますの で、三菱商事の方たちと話しても、日本としてチームを送ってやっていかなければいけな いのだけれども、例えばインドですと農業生産で出ている日本の企業はいないわけです。 ほぼいない状態ですので、個別に出ていくと、食でのIPは難しい分野ですので、日本のブ ランドを打ち出し続けることができません。まねをされるのも時間の問題ですし、シャイ ンマスカットみたいにさっさと持ち出されて、全世界に広まってしまっているものもあり ますし、いろいろなことが起こっています。 何が言いたいかというと、いずれにしてもIPは大事なのですけれども、それを組み合わ せてパッケージにして、エコシステムにして出ていく取組も支援しないと、各国で実装で きないのではないかと思っています。 インドの人たちはビジネスネットワークがありまして、世界中にインドのビジネスマン ネットワークがあるので、あっという間にエコシステムの中でビジネスが広がっていくの です。そのシステムだけでなく、ビジネスの紳士協定の中でも広まっていくことがあって、 明文化されない紳士協定みたいなところがいわゆるエコシステムと皆さんが片仮名で呼ん でいるところだと思います。ここをどうやって強くしていくのかというのは、IPを取りに くい分野である食農業みたいなところでいうと、とても大事だと思っています。 今、経産省さんがグローバルサウスでいろいろな補助金を出していらっしゃるのですけ れども、そういうものも含めてどうやったらゼロから最後の一消費者に届けるところまで を日本チーム、また、現地チームと連携してパッケージにできるのかという観点もしっか り強化していかないと、日本は人数で勝てないと思っています。それが一つです。 26 あと、経営層の学習というのは、皆さんも御指摘しているとおりなので、あまり多くは 言いませんけれども、地方の現実は地方しか見ていませんので、海外に出ていこうとする と、IPとか、仕組みの利用を考えなければいけないのですけれども、出ていこうとしてい ない人たちにIPの大事さを言おうとしても、なかなか伝わらないので、小さくなりつつ日 本の経済だけでなく、海外に出ていこうとする積極的な人たちに対して過保護なほど支援 したらいいのではないかと思っているのが現場からの意見です。 ○渡部座長 本田委員、聞こえますか。 ○本田委員 まずは知財・無形資産への投資促進の点について、コメントさせていただき たいと思います。資料1全体を通して、今回の資料では産学連携による社会実装の推進、 スタートアップ支援という観点が内容的に少し薄い印象を持っております。ただ一方で、 日本の知的財産立国の推進の中では、大学知財の育成推進みたいな視点は重要な事項と認 識されているものと思っておりますので、支援の強化をしていただきたいと存じます。 資料全体の無形資産投資促進の視点の中では、どちらかというと、今回は産業界の経営 層のような視点が割と浮き彫りになっていると思うのですけれども、ビジネスを行ってお られる産業界でも、経営者層の知財・無形資産の投資に対する意識はまだまだだというよ うなことが今回の資料でもまとめられていると思います。それを踏まえると、大学におい ては、さらにその視点から比べますとビジネスをやっていなくて、知財に関しても、本当 にここ20年のようなところでようやく意識を持つようになったような状況ですので、経営 層の認識、知財に対する投資促進という視点は、大学ではさらに遅れた状況になっている と思いますので、ぜひ産業界の経営者の意識向上を上回るような、大学に対する国の支援 の御指導は必要ではないかと感じております。 その視点からも大学知財ガバナンスガイドラインを策定していただいて、発信していた だいているのですけれども、これを言われなくなると忘れられることもありますので、発 信の継続が必要だと思っておりますので、折に触れというか、資料の中では必ず一文をい つでも入れていただきたいと思います。 あとは各論の部分になるのですけれども、9ページ、10ページのところでバイ・ドール の研究成果が生まれた知財のフォローアップのデータを取りまとめていただいたことは感 謝申し上げます。 10ページの研究費の増加の割合に比べて出願数の伸びが限定的であるようなことであっ たり、あとは新規性喪失の例外の適用が多いようなところに関しては、大学の知財の相談 窓口であったり、人材が不足している、大学の予算が少ないことの表れだと感じておりま す。ですので、データを取って終わるのではなくて、それに対する対策をぜひ講じていた だきたいと思います。 その視点でも産業界でも総合的に俯瞰できるような知財人材の育成が必要なのは、大学 においても同じであって、さらに人員増員のような視点が重要であるところを強調させて いただきたいと思います。 27 9ページには、バイ・ドールの研究成果から生まれた知財の審査請求率とか、特許査定 率というデータをまとめてくださっていると思います。米国などのデータでは、審査請求 という制度がないので、登録数は米国でもデータを出しているとは思うのですけれども、 さらに米国ではGDPに与えるインパクトとか、雇用創出、スタートアップ数、医薬品の製品 化数のような、具体的な社会実装としてどういうインパクトを与えているかという指標で 産学連携を評価しているところがございます。 日本でも単に出願・権利化という指標にとどまらずに、やはり社会実装した結果の産業 的なインパクトであったり、そういうデータがまとめられると、より大学もどこまで追い 続けていったほうがいいのかという意識づけになると思いますので、そういう視点で今後 のデータの取り方、産学連携を推進するための指標を御検討いただきたいと思っておりま す。 海外ではむしろライセンスすることがゴールではなくて、社会実装がゴールであるとい うような認識で、ライセンスした後の研究開発のマイルストーンではないですけれども、 ちゃんと開発のステージゲートが達成しているかというようなところを大学がしっかりと ウオッチングしているような制度も聞こえてきております。 この観点から、今、日本はライセンスするだけでも精いっぱいのような状況ですので、 その後のフォロー、監視までというようなところにいきますと、やはり人員等のエフォー トが不足していることが現状です。ですので、海外大学にキャッチアップするためには、 大学の知財人材は単に研究成果を企業につなぐだけではなくて、実用化まで伴走すること ができるような人材の育成、さらにそうした整備をまだまだ御支援いただきたい状況であ ると思っております。 さらには今回の資料の中でも国際標準化戦略も一つの項目として挙がっていると思うの ですけれども、国プロから出てくる大学の研究成果が国際標準の中の知財の一つ、ポート フォリオの一つになることも今後は出てくると思います。さらに大学の中でも国際標準化 を意識したような、そういうことを育成できるような人材配備も必要になってくると思い ますので、資料の中では大学という視点が少し薄くなっているとは思うのですけれども、 大学での国際標準を目指せるような知財人材の育成・配備が必要なところをコメントさせ ていただきたいと思っております。 私の発言は以上となります。 ○渡部座長 最後、立本委員、お願いいたします。 ○立本委員 既に各委員から御発言されていて、かぶるところが非常に多いので、非常に 手短に発言させていただきます。 私はオープン・クローズ戦略の観点から幾つかコメントさせていただきたいと思います。 知財の面に対してオープン・クローズ戦略のクローズ戦略に非常に関係するところで、 この20年ほど知的経営は非常に浸透してきたとは思う反面、それが経営陣にとって一つの 経営マターになっているのかということに言われると、やや足りない水準であるという案 28 件が非常に散見されるように思います。例えば外部から評価されるような表彰制度であっ たり、外部に見えるようなディスクロージャーの在り方は、今でもコーポレートガバナン ス・コードで推奨されていますけれども、まだまだ足りません。求められているのではな いか。 さらにどなたかの委員もおっしゃっていましたけれども、今、我々日本の産業でも、先 進国の産業として知的財産を基にした産業構造の変革が求められていると思うのですが、 それに沿った制度の在り方で、例えば訴訟も含めた権利行使の在り方は、よりカジュアル なものになっていかなくてはいけないだろうと思っています。これが知財戦略です。 あと、オープン戦略でよく挙げられる国際標準化ですけれども、これも昨今というか、 この10年ぐらいで国際情勢的に国際標準規格の重要性が高まってきており、例えば欧州で あれば、環境規制等を含めてISO、IECの力が強くなってきています。中国もややそれに沿 った形になってきていて、ISO、IECに沿った形になってきています。そういうことを考え ると、標準化の重要性が少し高まっています。それもさらに要は非関税障壁として機能し ている面もあり、その意味でより企業、もしくは産業だけでこれを乗り越えることが難し くなってきているので、より強化していただきたいと思っています。 その中で特に国際標準というと、経済産業省分野と総務省分野が非常に強いのですけれ ども、今までの委員の中でも挙げられたように、例えばライフスタイルに関わる農水とか、 食に関わる分野とか、インフラに関わる国交省に関係するものとか、環境省とか、そうい うところの広がりが非常にありますので、そういうところもサポートしていただけるよう なものがあるといいと思っています。 以上です。 ○渡部座長 時間をオーバーしておりますので、御意見をいただくのはここでクローズし たいと思います。 事務局、いかがでしょうか。中原局長、お願いいたします。 ○中原事務局長 本日も貴重な御指摘を多くいただきまして、誠にありがとうございまし た。 本日いただいた御指摘を踏まえて、私どもとしてもこれまでの仕切りとか、サイドとい うか、イナーシャというか、そこを乗り越えて、知的財産をベースにして社会構造を大き く変革していくような、それを特許の分野でもそうですし、コンテンツの分野でもそうで すし、海外展開の分野でもそうですし、そういった制度設計を目指すべく、さらに検討を 深化させていきたいと思っております。 総論的な検討と確認的な検討を両方とも機能的に車の両輪として検討していきたいと思 いますので、本来は一つ一つをコメントすべきところですけれども、本日は時間の関係も ありましたので、ここまでとさせていただきます。本当にありがとうございました。 ○渡部座長 ありがとうございました。 本日の会合はこれで閉会いたします。ありがとうございました。 29 欠席した委員からの意見は以下のとおり。 〇黒橋委員 <生成AIのプリンシプル・コードについて> 現状では生成AI開発者・事業者に対して著作権者は強い不信感をもっており、生成AIに 透明性をもたせようとする今回のプリンシプル・コードの精神は妥当なものと考えられる。 (蛇足であるが、国立情報学研究所が主催するLLM~jpにおいてはこの精神でLLMを開発し ている) このプリンシプル・コードをすべての開発者・事業者が遵守することとなれば、著作者 も安心であり、生成AI学習を許容する高品質コンテンツの増加や、オプトアウトの実現、 さらに、著作者への利益還元等の設計に発展していく可能性もある。 しかし、現時点でこのプリンシプル・コードを日本で導入したとしても、海外の事業者 を含め、どの程度の事業者がこれを遵守するかが課題であり、また、日本のAI企業が米国 や中国の技術開発に対して遅れをとらないよう、適切に配慮した形でルールを形成してい くことが必要である。また、このような考え方が世界共通のものとなるよう、EU Actを進 めるEUとも歩調を合わせて、国際的な議論を促進することが重要ではないか。 なお、そのような国際共通認識の熟成は容易でないだろうが、並行して、国内での生成 AI開発を加速させ、不透明モデルの使用を認めずとも国内産業等に問題がないレベルにま で成熟させることが重要である。 そのためには、現在計画されている経済産業省のフィジカルAIプロジェクトを中核とし つつ、国内の生成AI開発における縦割り状態を改善し、今一度、オールジャパンでの研究 開発の進め方を検討することが必要である。 <クールジャパン戦略およびコンテンツ戦略について> クールジャパン戦略、コンテンツ戦略、さらには文化国家の基盤として、デジタルアー カイブの推進法を制定が早急に望まれる(文化芸術基本法が一定の役割を果たしているよ うに)。 30

資料1

資料1 「知的財産推進計画2026」に 向けた検討について 令和8年2月 知的財産戦略推進事務局 「知的財産推進計画2026」の策定に向けた意⾒募集の結果概要  意⾒募集期間︓令和7年 12 ⽉ 1 ⽇(⽉) 〜 令和8年1⽉7⽇(⽔)  募集テーマ︓「知的財産推進計画2026」の策定に向けた意⾒募集 (「知的財産推進計画2025」について⾒直すべき点や、 「知的財産推進計画2026」に新たに盛り込むべき政策 事項等について)  意⾒提出件数︓901件(うち、法⼈・団体からの提出件数︓174件) ※ 意⾒を提出した法⼈・団体数は44法⼈・団体、個⼈数は470名(事務局において集計) A.知的財産の創造 17件 C.知的財産の活⽤ 12件 B.知的財産の保護 38件 (C4)データ流通・利活⽤環境の整備 13件 (B1)技術流出の防⽌ 13件 E.新たなクールジャパン戦略のフォローアップ 20件 (B2)海賊版・模倣品対策の強化 70件 (E1)新たなクールジャパン戦略の実装 21件 (B3)産業財産権制度・運⽤の強化 18件 (E2)コンテンツ戦略 83件 (B4)地域における知財保護 10件 F.その他 101件 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 (C1) 産学連携による社会実装の推進 4件 (A1)知財・無形資産への投資による価値創造 19件 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 (C2) スタートアップ⽀援 6件 (A2)AIと知的財産権 408件 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。 (C3)新たな国際標準戦略 20件 (A3)創造⼈材の強化・ダイバーシティの実現 28件 提出された意⾒の内訳 ※ ※ 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントした 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」に基づき分類した 1 1.知財・無形資産への投資促進による価値創造 2.AI・デジタル時代の知的財産制度の構築 3.新たな国際標準戦略・ルール形成の促進 4.クールジャパン戦略の展開 5.コンテンツ戦略の推進 6.本⽇ご議論いただきたいこと 第1回構想委員会での主な御指摘事項 【知財・無形資産による価値創造を、経営会議のアジェンダとする】  中⼩企業のみならず、⼤企業に関しても、無形資産の時価総額割合を⾼めていくことを、経営トップのア ジェンダとして認識してもらい、各社に⼿を打ってもらうことが重要。  知財戦略⽀援⼈材の不⾜に対し、CIPOなど専⾨⼈材をしっかり配置すること、知財を含む⾮財務資本 の価値を明確にしていくことが重要。これらを包括⽀援パッケージとして、知財経営の理解・実践、⼈材育 成、専⾨家⼈材の流動性向上など、今期も継続してしっかり議論していただきたい。 【経営層が理解できる共通⾔語、可視化の整備】  知財の重要性について経営層が理解できる⾔葉で説明できていない。その根底には、共通⾔語の不⾜が ある。  経営者や投資家にとって、知財の価値を測る物差しが存在しないため、どの知財が競争⼒や事業にどう貢 献しているかが伝わっていない。 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。  例えば、企業の利益への貢献や、競合との差別化への寄与などを表現できる、事業貢献度を測る指標が 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 必要。このような指標により、知財の重要性が伝わり、投資家にも理解される。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。  知財の価値はM&Aの買収価格やのれんにも影響するが、企業活動の中で明確にされていないことが多い。 知財の価値を明確にし、企業が価値を実感できるようにすることが有効。  技術的な質や市場性などから絶対的な価値を測る指標もあるが、企業内部で知財がどれだけ役⽴ってい るか、事業貢献度を測る相対的な指標が望まれる。  ⽇本企業の中で、数値化・情報発信に成功しているモデルケースをみつけ、広く産業界に浸透させていくこ とが望ましい。 【紛争解決】  特許訴訟の減少について、企業にアンケート等を実施することで分析ができないのか。経営戦略の中に知 財の専⾨家が⼊っていないために特許を活⽤できていない可能性がある。  ⽇本の裁判所における知財調停に対する海外企業の関⼼が⾼まっている。 3 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒① 【知財・無形資産投資】  経営者(CEO)が参画する「知財・無形資産経営コンソーシアム(仮称)」を設⽴・運営してほしい。  「⽣成AI・半導体」、「量⼦コンピュータ」等、17の戦略分野や、6つの国家戦略技術に対して、投資に 先⽴ち、かつ実⾏段階でも継続的に、官⺠が連携してIPランドスケープを実施し、これらの対応を⾏うこと を計画化してほしい。  経営と知財を結びつけ価値創造を設計できる「知財戦略⼈材」の育成を強化してほしい。その際、⺠間 団体等が実施する実践的な研修や資格認定制度と連携し、⽀援してほしい。  「知財・無形資産ガバナンスガイドライン」を改訂し、知財・無形資産の投資活⽤を明確な「経営者のア ジェンダ」として明記してほしい。  2025年4⽉より開始されたイノベーション拠点税制について、現在の対象範囲(特許権等の譲渡・ライ センス所得)を、諸外国と同様に、特許権等を組み込んだ製品・サービスから⽣じる所得まで対象を拡充 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 してほしい。 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。  国内⼜は海外のいずれの研究開発活動を活性化させるべきか、研究開発の原資をどう最適配分するか は、業種や企業によって様々であることを前提に施策を⽴案してほしい。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。  知財情報の開⽰内容について、その導⼊部分などの⼀部を具体的に標準化することも⼀考の余地がある。 商業的な制約のないオープンなツールの開発と公開も含め、誰もが適切な企業の知財情報を作成でき、 それを世の中で広く共有できる公開情報として開⽰できる環境の構築をお願いしたい。  知財・無形資産ガバナンスガイドラインの考え⽅を更に普及・浸透を図る⽅策を検討するに際しては、経 営層への浸透⼿段を含めた具体的な推進策の検討も併せて進めていただきたい。  表彰対象の選定や、表彰制度による好事例の周知の際は、業界毎の事業環境や投資すべき知財・無 形資産の違いについても充分に考慮し、選定結果が画⼀的にならないようにもお願いしたい。特に、出来 るだけ多くの業界及び企業規模毎に好事例をそれぞれ表彰し、公表いただけると有難い。 4 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒② 【国等が⽀援する研究開発プロジェクト(国プロ)】  17の戦略分野や6つの国家戦略技術に関しては、⽇本以外の出願が⾼⽔準にある。先⾏ 特許により事業が阻まれるリスクが想定されるため、⽇本の政府や企業がこれら戦略分野に投 資を⾏うに際しては、IPランドスケープを実⾏し、その投資テーマの探索や特許侵害リスク対 策などを、官⺠が協働で実⾏することが実務上不可⽋である。 【紛争解決】  ADRの活⽤について、そもそものADR⾃体の存在と優位性についての周知啓発活動の取組 の強化を要望する。ADRは訴訟に⽐較して低コスト、短期での紛争解決が可能であり、双⽅ の合意のもと決着されるため、その利便性は⾮常に⾼い。しかし、現状は訴訟に⽐較して、多 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 くの企業においてADRの存在⾃体の認知がなく、ましてやその優位性については認知されてい 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 ないことが多い。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。 5 知財投資・活⽤戦略の有効な開⽰およびガバナンスに関する検討会 ○ 成⻑投資が求められる現在、経営戦略として知財・無形資産をCEOが⾃ら語ることが 重要であることを訴求すべく、下記対応の具体化を進めている。 対応① 知財・無形資産の価値を伝える原則の提⽰ (経営層に、知財・無形資産の価値の本質を伝える) 対応② 知財・無形資産ガバナンスガイドラインの改訂 (経営層に、先進的事例とその効果、不作為のリスク、無形資産活⽤の客観的データを伝える) 〇 第27回検討会(令和8年1⽉30⽇開催)では、知財・無形資産ガバナンスガイドラインの経 営層への浸透のボトルネックとその解消策について議論した。 【第27回検討会での主な意⾒】  ⽇本企業では、「こだわり」、「つながり」、「すり合わせ」や、秘伝のたれの継承という現場に 強みが残る⼀⽅、経営陣による戦略的活⽤が不⼗分。そのギャップへの対応が重要ではないか。  「強みがどのように形成されるか」という根本プロセスは重要である。暗黙知ベースで共感が⾼ま り、強みが蓄積されるケースが、⽇本企業には多くある。⼀⽅、海外企業は、意図的・戦略的に、 形式知ベースで、ビジョン・価値観を共有し、⽬指すアウトカムを明確化する。「他社が模倣でき ない強み」を育て、組織的に強化しており、投資家にも評価されている。  「知財・無形資産への成⻑投資の具体的な中⾝は何か」という点は経営者にとって重要。明確に⾔ 語化し、投資先や投資の構造を具体的に⽰すことで、経営層は初めて納得し⾏動する。  無形資産を事業に結びつけるには、技術・市場・財務を統合的に理解し翻訳する⼒、因果パスを描 く⼒、事業全体を俯瞰し提案する⼒、組織を動かす⼒を備えた⼈材育成が必要。  ガイドライン改訂にあたっては、知財推進計画2026、経済産業省のオープン&クローズ戦略事例集、 ⼈的資本可視化指針等との接続や関係性を意識し、統合的なアプローチを採ることが重要。  事業環境の変化を前提とする必要がある。特に製造業では「モノ」だけでは売れず、顧客の困りご とを解決するソリューションビジネスやプラットフォーム事業が必須。 6 (参考)WIPOによる各国の知財意識調査 ○ WIPO(世界知的所有権機関) は、2025年11⽉13⽇に、知的財産意識に関する国際的調査で あるWIPO Pulse 2025(74ヵ国の 35,500⼈からの回答に基づいた調査・分析結果)を公表。 ○ 知的財産権の経済的利益に関する意識について、⽇本は74か国中64位、アジア太平洋地域14 か国中最下位。 ○ このような知財意識の低さが、知財・無形資産投資が進まない⼀因となっている可能性がある。 出典︓WIPO Pulse Global IP Perception Survey 2025を 事務局にて加⼯ 7 国内の特許権侵害に関する実態(国内アンケート調査) ○ 多くの⽇本企業が⾃社の特許権が侵害されたと感じた経験はあるが、侵害者と疑われる者への 対抗⼿段を断念するケースがある。 ○ 対抗⼿段を断念する理由として、「コストに⽐して得られる損害賠償額が⼩さい」、「⾃社の リソースを割くのが難しい」等の回答が多い。 知財・無形資産経営の浸透により「⾃社のリソースを割くのが難しい」状況の改善を⽬指す。 貴社の特許権が侵害されている(可能性があ る場合も含む)と感じた経験はありますか。 (n=462) ない 36.6% 貴社の特許権が侵害されている場合、侵害者と疑われる 者への対抗⼿段(交渉、警告、訴訟等)をとりますか。 (n=461) 原則として対抗⼿段をとらない 2.2% 原則として対抗⼿段をとる 31.2% ある 63.4% 貴社の特許権が侵害されていると感じた時に、 被疑侵害者は貴社の特許権の存在を既に知っ ていた(特許権の存在を知った上でなお侵害 していた)と思ったことはありますか。 (n=293) わからない 知っていたと 思ったことがある 23.5% 28.0% 知っていたと 思ったことはない 確信はないものの、 9.2% おそらく知っていたと 思ったことはある 39.2% 場合によっては対抗⼿段をとる 66.6% 【対抗⼿段を断念する理由(複数回答可、上位6位)】 (出典)特許庁 第55回特許制度⼩委員会 資料1 8 国等が⽀援する研究開発プロジェクトにおける知財マネジメント ○ 国等の委託による研究開発成果として受託者に帰属させた特許出願は、全出願と⽐較して、 審査請求率や特許査定率が10%程度⾼い。 ○ 国等の委託による研究開発成果として受託者に帰属させた特許出願において新規性喪失の 例外を申請している割合が⾼い。 ○ 新規性喪失の例外の頻繁な使⽤が、不⼗分な知財マネジメントに起因し、海外での権利取 得等の障害となっている可能性がある。 (注)新規性喪失の例外の対象は各国で異なり、例えば⾃ら学術論⽂に投稿した発明を対象としていない国もある。 新規性喪失の例外規定適⽤を申請した 特許出願の割合 国等の委託による研究開発成果として 受託者に帰属させた特許出願の 審査請求率と特許登録率 100% 9% 8% 80% 7% 割 合 60% % 割 6% 合 5% % 4% 40% 3% 20% 2% 最終処分未了 出願有 1% 特許登録率 国等の委託による研究開発成果として 受託者に帰属させた特許出願 審査請求率 特許登録率 国等の委託による研究開発成果として ⽇本版バイ・ドール制度適⽤特許出願 受託者に帰属させた特許出願 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 審査請求率 2004 0% 0% 全体 全体(特許庁⾏政年次報告) (出典)知的財産戦略推進事務局調べ (出典)知的財産戦略推進事務局調べ 9 科学技術予算と国等の委託による研究開発成果として受託者に帰属させた特許出願 ○ 政府の科学技術予算は⻑期的に横ばいであったが、2017年以降は増加傾向。 ○ 国等の委託による研究開発成果として受託者に帰属させた特許出願は、2021年以降は増 加傾向。 ○ 国プロ由来の研究開発成果を適切な特許出願に繋げていくことが重要ではないか。 基本計画のもとでの科学技術関係予算の推移 国等の委託による研究開発成果として 受託者に帰属させた特許出願数 3000 2500 出 願 件 数 2000 1500 1000 500 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 0 (出典)⽂部科学省 科学技術・学術政策研究所、「科学技術指標2025」 (出典)知的財産戦略推進事務局調べ ※ 予算額に対する執⾏率は100%ではないことに留意。 ※ 研究開発は投資してから成果が出るまでに⼀定の期間を要することに留意。 ※ 国等の委託による研究開発成果として受託者に知財を帰属させる制度は委託事業のみが対象で、補助事業等は対象にならない。 ※ 国等の委託による研究開発成果として受託者に知財を帰属させる制度は原則として全ての委託研究開発予算に適⽤される。 10 1.知財・無形資産への投資促進による価値創造 2.AI・デジタル時代の知的財産制度の構築 3.新たな国際標準戦略・ルール形成の促進 4.クールジャパン戦略の展開 5.コンテンツ戦略の推進 6.本⽇ご議論いただきたいこと 第1回構想委員会での主な御指摘事項 【AIと知的財産権】  「AIを使わないことが最⼤のリスク」という観点は、あらためて強調しておくべき。  ⽣成AIで権利侵害コンテンツが爆発的に⽣まれてくるが、プラットフォーマーやAI事業者への要 請だけでは効果が薄く、他⽅で個別企業が⺠事・刑事の対応を⾏うのは困難であることから、 後押しが必要。  ⽇本はAI学習のしやすい法律になっているが、もう少しめり張りのある形で整理していくことが必 要ではないか。  ⽇本では多く⼈がAIの利⽤規約を理解せずに使っており、消費者保護の観点から、⼊⼒デー タが学習に利⽤されることがあるのか等に関する⼿引きの整備をサービス事業者に義務付ける 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 べきではないか。 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。  AI利⽤発明に係る発明者適格性については、これまでの判例で確⽴している考え⽅に基づい ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。 て判断すべき。また、発明該当性等については、審査の遅延が⽣じないよう、現在の審査実 務を考慮した判断を⾏うべき。 【DX対応】  ネットワーク関連発明に関する考え⽅の整理とその外部発信が必要。  外国のSEP権利者が、⽇本の中⼩企業に対しライセンス付与の申し出にあわせて技術開⽰ を求める事例が散⾒される。不⽤意な対応は、経済安全保障上問題となり得る。 12 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒① 【AIと知的財産権について】  AIの活⽤⾯が権利者保護に⽐べて優先して論じられている印象がある。  著作権法について、「学習段階であれば、既存コンテンツに酷似する映像を出⼒するようなモ デルであっても許容される」といった誤った解釈がされることがあるのではないか。  AI事業者による学習データ開⽰、コンテンツ識別の透明性、信頼できるコンテンツ認証やそれ らの来歴の確かさ等を明確にすることを求める。  データ活⽤に関するrobots.txtなどの技術的措置を尊重する要件を導⼊すべき。  ⽣成AIのルール整備を議論する政府会議には、様々な⽴場の権利者などクリエイター側の代 表を正式メンバーとして加え、公平な⽴場で意⾒を聴取・議論に参加させるべき。 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。  ⾮享受⽬的の機械学習まで契約を事実上義務付けるような考え⽅がひろまれば混乱を招き、 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 かえって利活⽤を阻害しかねない。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。  学習データセットの出所や帰属、ライセンスの詳細は、⾃明でも合理的に把握可能でもなく、 AI開発者に対して、学習データセットに関するすべての著作権及び著作権者を開⽰することを 求めるような開⽰提案への対応は不可能な場合がある。  過度な規制強化によってAI・データ主権や経済安全保障、イノベーション促進の阻害にならな いか慎重な検証が必要。 13 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒② 【AIの適切な利活⽤等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード (案)について】  コード案により、権利者の有する懸念を⼀定程度解消することができると考えるが、実効性が 乏しいことが懸念されることから、AI事業者が遵守するよう施策の検討や周知に努めるべき。  この議論は、国内のAI開発者やAI提供者に広く適⽤される、極めて影響範囲の⼤きいものと なっており、過度に重い負担となることはAIの利活⽤を促進するAI法の理念を没却することに もなりかねないことから、ステークホルダーの意⾒を適切に集約し、合理的な内容のものとしてい ただきたい。 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 【AI技術の発達を踏まえた産業財産権制度上の適切な対応について】 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。  ⽇本の産業競争⼒強化には、企業が安⼼してAIを開発・利⽤できる環境整備が重要。AI 利⽤発明では発明者の認定が複雑になるため、従来の「発明の技術的特徴部分の具体化 に創作的に関与した者」という考え⽅を踏まえつつ、現状に即した事例集やガイドラインの整備 を求める。 14 ⽣成AIの適切な利活⽤等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード(仮称)(案)概要 1. ⽬的 AI基本法の趣旨を踏まえ、技術の進歩の促進と知的財産権の適切な保護を両⽴し、利⽤者等が安⼼・安全に⽣成AIを活⽤できる環境を確保 できるよう、EUにおけるAI法や、コーポレートガバナンスの分野におけるスチュワードシップ・コード等の取組も参考にしつつ、⽣成AI事業者が取るべき 透明性の確保や知的財産権の保護の原則を定める。 具体的には、コンプライ・オア・エクスプレインの⼿法に基づき、プリンシプル・コードで定めた原則について、実施(コンプライ)するか、しない場合はそ の理由を外部に説明すること(エクスプレイン)を求めるものとする。 2. 対象 以下の⽣成AI開発者及び提供者(総称して⽣成AI事業者)を対象とする。 1.⽣成AI開発者︓⽣成AIシステムを構築し、公衆に提供している事業者 2.⽣成AI提供者︓開発された⽣成AIシステムをアプリケーション等に組み込み、⽣成AIサービスとして公衆に提供している者 3.海外企業であっても、⽇本向けに⽣成AIシステムやサービスを提供している場合には対象とする。 3. 原則 【原則1︓透明性と知的財産権保護のための概要開⽰】 ⽣成AI事業者は、⾃社のウェブサイト等において、開⽰対象事項の概要を公開し、誰でも閲覧できるようにすること。 【原則2︓権利侵害を主張する者からのURL等の開⽰要求への対応】 ⽣成AI事業者は、訴訟等の法的⼿続を⾏う者等から、当該者のコンテンツが存在するURLを⽰して、当該URLが学習データとして⽤いられてい るか否か等について開⽰の求めがあった場合には、その者に対して、当該事項に関する回答を⾏うものとすること。 【原則3︓⽣成AI⽣成物と類似するコンテンツが存在する場合の開⽰】 ⽣成AI事業者は、⽣成AIを⽤いて⽣成物を創出した者から、当該⽣成物と同⼀⼜は類似するコンテンツが存在するURLを⽰して、当該URLが 学習データとして⽤いられているか否か等について開⽰の求めがあった場合には、その者に対して、当該事項に関する回答を⾏うものとすること。 4. 受⼊れに係る⼿続 ・ プリンシプル・コードを受け⼊れる事業者は内閣府知的財産戦略推進事務局に届け出るとともに、⾃社のウェブサイト等でその旨を公表。 ・ 内閣府において、参考となる様式や届出事業者⼀覧等を公表予定。 15 15 国際的な事業活動におけるネットワーク関連発明等の適切な権利保護 ○ 産業構造審議会知的財産分科会特許制度⼩委員会において、ネットワーク関連発明につ いて、現⾏法を前提とした「考え⽅の整理」の作成・公表を⾏う⽅向で検討が進んでい る。 ※ネットワーク関連発明とは、例えば、インターネット等のネットワークを介して接続された複数のコンピュータ(サーバー、クライアン ト端末等)の組合せによって実施することが前提とされる発明。様々な分野(検索サービス、ロボット制御、ヘルステック、⾃動運転、 ドローン制御、⾃動受注・在庫管理、AR/VR、配⾞サービス等)でネットワーク関連発明が使われている。 「考え⽅の整理」の⾻⼦(案) (出典)特許庁 第55回特許制度⼩委員会 資料1 16 1.知財・無形資産への投資促進による価値創造 2.AI・デジタル時代の知的財産制度の構築 3.新たな国際標準戦略・ルール形成の促進 4.クールジャパン戦略の展開 5.コンテンツ戦略の推進 6.本⽇ご議論いただきたいこと 第1回構想委員会での主な御指摘事項  MOT(技術経営)の観点から、⽇本でもNISTのような組織あるいは能⼒が必要である。  ⽇本はシーズオリエンテッドによる標準化が多いが、マーケットオリエンテッドも取り込むべき。  将来的にグローバルサウスとの協調が不可⽋になるため、グローバルサウスと連携して、マーケッ トオリエンテッドによる標準化活動を⾏う必要がある。  国際標準戦略上、知財や経済安全保障は重要な要素であるため、技術戦略、国際標準戦 略、経済安全保障戦略の検討に際しては、知財クラスターと結びつけて議論するべき。  国際標準を推進するにあたって、個社頼りにするのではなく、ステークホルダーごとの連携が重 要。  国際標準化活動の推進にあたって、戦略的に、適切なタイミングで標準必須特許の取得がで 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 きるような仕組みが必要。 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。  ⽇本がどの分野に注⼒すべきか検討するにあたって、他国がどのような標準を取得しているのか、 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。 また標準必須特許がどのような数・分布になってるのかを⾒える化するべきではないか。  経済安全保障も国際標準戦略の⼀つの軸となっていることから、特定重要物資だけでなく、 重要な役務の提供などについても議論があってもよいのはないか。 18 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒① 【産学官⾦の取組の強化】  中⼩企業は重要なイノベーションの源泉であるにもかかわらず、国際標準活動への参画につい ては不利な⽴場にあるため、政府による⽀援が必要。  国際標準活⽤の普及啓発に当たっては、企業に対する様々なメリット(市場創出・リスク回 避等)や国としての取組みが広く浸透し認知されるような点を含めた普及啓発をお願いしたい。  オープン&クローズ戦略の遂⾏などにおいて標準化は重要な要素である。そのため、企業のビ ジネス戦略に標準化の活⽤を組み込むことの重要性を周知いただきたい。 【標準エコシステムの強化】  経営戦略・事業戦略を⽴案するにあたり、それら戦略を成功に導くツールとして国際標準を活 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 ⽤して戦略検討できる/戦略助⾔できる⼈材は企業にとって重要であるものの、そのような⼈ 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 材が不⾜しているのが実情であり、育成強化をお願いしたい。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。  無償での各種標準関連情報の公開や、無償或いは極低額な教育・育成プログラムや、国に よる標準化教育⽀援など、標準化を知りたい・学びたい初⼼者や興味を持ちはじめた者が取 り組みやすい学びの場の提供を検討、拡充いただきたい。 【国際連携の強化】  国際市場の創出や海外展開といった観点から、現地でのビジネスパートナーの開拓⽀援等の アクションも政府として⾏っていただきたい。 【モニタリング・フォローアップ】  戦略のフォローアップに際しては、各領域の時間軸はそれぞれ異なると思われるため、各戦略の 時間軸を明確にして推進・フォローしていただきたい。 19 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒② 【標準必須特許について】  ⼀般的な特許と標準必須特許では慣⾏が異なることから、サプライチェーン全体を含む関係 者にガイドライン等の周知を⾏うとともに、最新の動向に応じたガイドライン等の改訂や、業界 単位での議論の促進を図ることが必要。  標準必須特許に関して、権利者団体が構成するパテントプールのルールメイキングに実施者が 団体として参画し、意⾒を反映させることで、公平・合理的・⾮差別的な条件が担保され、ラ イセンス環境の透明性の向上が図られることが重要。 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。 20 官⺠連携の場の設置 ○官⺠連携の場として、「国際標準に係る官⺠ハイレベルフォーラム」を設置。 ○本年1⽉29⽇、第1回総会を開催し、⾏動宣⾔を決議。 <総会構成員> ○⼩野⽥内閣府特命担当⼤⾂、遠藤⽇本経済団体連合 会副会⻑を共同議⻑とし、関係省庁や団体、国研・ 独法からの代表者及び有識者を委員として選出 第1回総会の様⼦ <⾏動宣⾔> ○官⺠⼀体となって能動的に国際標準・ルール形成を 推進することを宣⾔ ○具体的な取組として以下の事項を記載 ①意識改⾰(ルールテイカーからルールメイカーへ) ②国際標準活動の事業戦略・経営戦略や知財戦略、科 学技術研究との⼀体的推進及び⼈材育成 ③国際相互承認を始めとする柔軟な取組 ④AI・デジタルなどの領域横断的な国際標準化に向 けた連携・協働 ⑤取組のフォローアップとアジャイルな⾒直し 21 国際標準に関するシンポジウム(⽇経フォーラム)の開催 ○ 本年2⽉10⽇、産業界への国際標準に関する普及啓発の場として、内閣府・経団連・ ⽇本経済新聞の共催で、「未来を創る国際標準化・国際ルールメイキング」をテーマとし た⽇経社会イノベーションフォーラムを開催。 ○ 当⽇は、⼩野⽥特命担当⼤⾂、佐藤啓官房副⻑官、遠藤経団連副会⻑から挨拶をいただ き、内閣府・経団連・経済産業省・総務省・⼊⼭章栄教授から講演、その後、各社・団体 の取組を紹介いただき、パネルディスカッションを実施。 ○ イベントの様⼦は、今後⽇経紙上で広告記事として掲載、経営層への訴求を図る。 ・冒頭、⼩野⽥⼤⾂や遠藤副会⻑(後から佐藤副⻑官)のご挨拶として、国際標 準・ルールを能動的に作っていくことが重要であり、そのために官⺠ハイレベルフォーラム を⽴ち上げ、官⺠⼀体となって取り組むべきといった御指摘があった。 ・その後、内閣府から「新たな国際標準戦略」、経団連から⾃⾝の提⾔や取組、経 済産業省から基準認証政策の動向、総務省からICTの国際標準化についての紹介 があった。⼊⼭教授の基調講演では、国際ルールを含む⾮市場戦略の重要性、特に ロビイングやリーガル⼈材、現地PRの重要性についての指摘があった。 ・後半は、ダイキン、ヤマト運輸、NTT、Q-STAR、AISI、マカイラから、各 社・団体の国際標準化の取組についての紹介があった。 ・その後、「今⽇から始める国際標準活動」と銘打った、登壇者によるパネ ルディスカッションのセッションで、来場者への事前アンケート結果を踏まえ、 国際標準化が経営にどのように貢献するのか、その経営戦略上の位置づ けや、どこから⼿を付ければよいのか、あるいは⼈材不⾜や専⾨的知⾒の ⽋如といった課題にどのように対応すべきか等について、活発な意⾒交換 が⾏われた。 22 第9回国際標準戦略部会における議論 ○令和8年2⽉18⽇、第9回国際標準戦略部会を開催。 ○内閣府における「新たな国際標準戦略」に関する取組状況を報告し、意⾒交換を実施。 主な意⾒は以下のとおり。  「新たな国際標準戦略」における重要・戦略領域は、現在議論している第7期科学技術イノベーション基 本計画における重要技術領域や、成⻑戦略における戦略17分野とも重なるところが多く、技術・成⻑・標 準の⼀体化が進んでいる。今後、新技術⽴国の観点を含め、政策⽴案の段階から関係者間でコミュニケー ションをとりながら推進していくことが重要。  ⽇本の安全規制が性能規定ではなく厳格な技術仕様のため、インフラの分野では、「死の⾕」を超えること が難しい。性能保証といった⺠間の取組を組み合わせることで、「死の⾕」となる部分を市場化する必要。  標準化において、社会や産業全体の仕組みを規定する「システム」の視点が不可⽋。あるべき理想のシステ ムのアーキテクチャを描いた上で、interoperablityを念頭に、あらゆる領域を繋ぐ発想が必要。  医療機器の分野においては適合性評価が重視されているが、ルールを⾃ら作るという意識は弱い。ルールを 作るという意識を企業が持つため、現場で標準化を促す⼈材の育成が重要。  標準はイノベーションの出⼝戦略であるが、上流に遡っていく取組、すなわち社会実装の段階において措置 するのではなく、研究開発の段階から標準の活⽤を念頭においた対応が必要。  国際標準に係る官⺠ハイレベルフォーラムや国際標準戦略部会では、国際標準化の最前線の声を拾える 体制が必要。  デジタル・AI分野において、海外の動きは⾮常に速い。モニタリングだけでなく、⺠間がすべきアクションの明 確化を。⼀⽅、AI分野における規制・標準・認証の⼀体化は欧州でも苦戦し対応が遅延。⽇本で議論を ⾏う際には、運⽤⾯を⾒据えて早めに⺠間も巻き込んで議論を⾏うべき。  様々な国が多様なルール形成に動いており、リアクティブな対応だと右往左往する。我が国としての仮説を持 つべき。⼀⽅、全体像からアクションを導くのは時間を要するので、Player driven、あるいは⽇本が光る部 分に注⼒すべき。その上で、戦略や計画を作るに当たり、マーケティングの発想で海外にアピールすべき。  ハイレベルフォーラムは⾦融の規制側(⾦融庁)だけでなく使う側(⾦融機関)も⼊れるべき。 23 (参考)標準と特許の連携について① (出典)経済産業省 第10回 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 イノベーション⼩委員会 資料3「国家戦略技術領域に係る⼀気通貫⽀援の推進に向けて」(2025年12⽉8⽇)から抜粋 24 (参考)標準と特許の連携について② (出典)経済産業省 第10回 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 イノベーション⼩委員会 資料3「国家戦略技術領域に係る⼀気通貫⽀援の推進に向けて」(2025年12⽉8⽇)から抜粋 25 1.知財・無形資産への投資促進による価値創造 2.AI・デジタル時代の知的財産制度の構築 3.新たな国際標準戦略・ルール形成の促進 4.クールジャパン戦略の展開 5.コンテンツ戦略の推進 6.本⽇ご議論いただきたいこと 第1回構想委員会での主な御指摘事項 【KPIと進捗管理】  クールジャパン関連産業の海外展開市場規模の進捗は、円ベースだけではなくドルベースでもモ ニタリングするべき。 【海外展開・海外発信】  化粧品・ファッション・⾷品などのグローバルサプライチェーンの構築が重要。  クールジャパンの価値創造⼒のサステナビリティが重要であり、維持するには⼈材がカギ。⽇本⽂ 化が⽇本のクールジャパンを作っているため、若い⼈が⽇本⽂化に触れ、理解し、習得する仕組 み作りを考える必要がある。 【ブランディング、異分野との連携】  ⽇本の商品は⽇本式のブランドストーリーを構築しており、⽇本の商品ならではの発信に注⼒す るべき。  サプライチェーン全体や地元の素材を使⽤している化粧品やファッションブランドが連携し、地域 ⼀体となったプロモーションを⾏うべき。  ファッションやビューティにもコンテンツとの連動性がほしい。  クールジャパン官⺠連携プラットフォームについて、活動している⼈たちがより深く、広くつながれる ような仕掛けを強化していくべき。 【地域における⾼付加価値化】  地⽅において、⻑期滞在のための取組や受⼊れ環境整備として⼆次交通の確保が重要であり、 「交通空⽩」解消本部と連携すべき。  地域では担い⼿が不⾜している。デジタルや地域課題の解決に関⼼のある学⽣をうまく活⽤す ることによりこの課題を解決できないか。 27 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒ 【KPIと進捗管理】  これまでのクールジャパン戦略の成果を振り返るとともに、「新たなクールジャパン戦略」のKPIに 対する達成度合いと今後の⾒通しを⽰すべき。 【コンテンツと異分野の連携】  料理、⾷、ファッション等はドラマ、マンガ、アニメ、ゲーム等の影響を受けたものも多く、相互活⽤ してほしい。コンテンツを活かした住居やホテル、レストランが出てきてほしい。  コンテンツを活⽤したゆかりの地巡り等の取組について、成功事例と課題を合わせて議論するべ き。 【海外展開・海外発信】  化粧品産業について、幅広い事業者が海外市場に参⼊できるよう輸出・マーケティング⽀援を 強化するべき。ECを含む海外販売⽀援等の枠組みを整備するとともに、他国の成功要因を分 析し、⽇本の強みを活かした戦略を検討するべき。  放送コンテンツと⽇本の優れた商品やサービスの連携を政府や経済団体等が後押しし、⽇本 全体の競争⼒強化を実現するべき。各地のテレビ局が制作、放送している情報番組の⼀部 コーナーから切り出した映像を活⽤し、海外へ地域のグルメや⽂化的映像を発信するなど、地 域の魅⼒の発信⼒強化に放送コンテンツを積極的に活⽤するべき。  ⽇本ファンを増やすには⽇本に関⼼のある外国⼈コミュニティをどのように活⽤していくかが重要。  海外の価値観を学ぶ意味で外国⼈材は必要。⽇本のコンテンツで⽇本語を学んでいることが 知財開発を⾏う外国⼈を呼びこむことにつながっていく。 28 クールジャパン関連産業の海外展開の進捗 • 知的財産推進計画2025に基づくクールジャパン関連産業の海外展開の合計は27.1兆円、新たなクールジャパン戦略にお ける実績値から8.0兆円、41.92%の増加。 • ⼀⽅、⽶国ドルベースでみると、合計は1,880億⽶ドル、前回実績値から460億⽶ドル、32.44%の増加。 円ベース(単位︓兆円) ⽶国ドルベース(単位︓100億⽶ドル(※1)) 知的財産推進計画 2025数値 新たなクールジャパン 戦略数値 増減率 (%) 知的財産推進計画 2025数値 新たなクールジャパン 戦略数値 増減率 (%) コンテンツの海外展開(海外市場 規模) 5.8(2023年) 4.7(2022年) 23.22 4.1(2023) 3.6(2022) 15.34 訪⽇外国⼈旅⾏(インバウンド) 消費額 8.1 (2024年) 5.3 (2023年) 53.39 5.4(2024) 3.8(2023) 42.36 農林⽔産物・⾷品の 輸出額 1.5 (2024年) 1.5 (2023年) 3.64 1.0(2024) 1.0(2023) -3.81 ⾷品製造業の現地法 ⼈の売上⾼ 7.3 (2023年) 3.5(2022年) 109.00 5.2(2023) 2.7(2022) 95.62 1(2023年) 0.9(2022年) 2.85 0.7(2023) 0.7(2022) -3.73 1.8(2023年) 1.4(2022年) 26.83 1.3(2023) 1.1(2022) 18.71 化粧品の輸出 0.6(2023年) 0.8(2022年) -21.05 0.4(2023) 0.6(2022) -26.09 主たる化粧品メーカー の海外売上 1.0(2023年) 1.0(2022年) -4.77 0.7(2023) 0.8(2022) -10.87 27.1 19.1 41.92 18.8 14.2 32.44 ⾷ 繊維品・繊維製品の ファッショ 輸出 ン 主たるファッションメー カーの海外売上 化粧品 合 計 (※1)IMF Exchange RatesのPeriod average のレートを⽤い作成。1ドル=131.50円(2022年)、140.49円(2023年)、151.37円(2024年) https://data.imf.org/en/Data-Explorer?datasetUrn=IMF.STA:ER(4.0.1) 29 ⽇本の国際収⽀から⾒たクールジャパン(サービス収⽀の中の知財・旅⾏収⽀等) 【 サービスの国際収⽀(2024年及び2025年)の内訳 (兆円)】 • サービス収⽀は慢性的な⾚字が続き、2025年はその他業務サービスの⾚字拡⼤もあり、全体では3兆円超の⾚字。⼀⽅、 知財等使⽤料の安定的した⿊字とインバウンド拡⼤がサービス分野における我が国の稼ぐ⼒を牽引している。 2024 2025 0.0 0.1 (0.1) (5.2) <関連⼩項⽬> ⾳響・映像・関連サービス 個⼈による⾳楽映像のダウンロード、サブスクリプション、 ⾳楽映像制作(ライセンス除く)や興⾏のサービス取引を 含む (0.1) (5.9) <関連⼩項⽬>コンピューターサービス 個⼈によるゲームソフトのダウンロード、サブスクリプ ション等を含む (2.7) (2.5) 3.3 3.2 0.7 0.9 (3.3) (3.3) 0.3 0.4 (0.9) <関連⼩項⽬>産業財産権等使⽤料、 著作権等使⽤料 特許、商標、意匠、ノウハウ、著作物 (プログラム 含む)、フランチャイズによる企業間のライセンス (1.2) (0.4) (0.5) ⾚字 -8 -6 (2.8) (3.4) -4 6.1 6.3 (0.7) (0.7) -2 ⿊字 0 2 4 6 8 (資料)「国際収⽀統計」(財務省)2024年確報値と2025年速報値をもとに作成 30 クールジャパン関連産業の官⺠挙げた取組動向 • クールジャパン関連産業の海外展開の規模の拡⼤に向け、分野・産業ごとに官⺠で連携して取組・検討を実施。 農林⽔産物・⾷品 インバウンド消費 ⽬標 ⽬標 2030年までに、 ・訪⽇外国⼈旅⾏消費額 15兆円 ・訪⽇外国⼈旅⾏者数 6,000万⼈ 2030年までに、 ・農林⽔産物・⾷品の輸出額 ・⾷品産業の海外展開による収益額 ・インバウンドによる⾷関連消費額 ※「明⽇の⽇本を⽀える観光ビジョン」 (平成28年3⽉30⽇明⽇の⽇本を⽀える観光ビジョン構想会議決定) 取組状況  インバウンド市場の多様化の流れをさらに後押しするため、 ⽇本政府観光局(JNTO)を通じて、戦略的な訪⽇プロ モーションを実施。また、地域の観光資源を活⽤した観光コ ンテンツの開発、適切な販路開拓、情報発信等の総合的 な⽀援を⾏うとともに、より⾼単価な特別体験商品の造成 を⽀援。  また、国⼟交通省「交通空⽩」解消本部において、地⽅運 輸局における伴⾛⽀援等を通じた「観光の⾜」の確保・充 実を図り、地⽅誘客を推進。  2026年1⽉、国⼟交通省交通政策審議会観光分科会 において第5次観光⽴国推進基本計画素案として、インバ ウンド受⼊れと住⺠⽣活の質の確保との両⽴や観光地・観 光産業の強靭化等の⽅向性を取りまとめ。 明⽇の⽇本を⽀える観光ビジョン構想会議/観光戦略実⾏推進会議 https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/suishintaisei/vision_koso.html 第5回 国⼟交通省「交通空⽩」解消本部資料 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001973968.pdf 交通政策審議会 第54回観光分科会配布資料 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001973968.pdf 5兆円 3兆円 4.5兆円 ※⾷料・農業・農村基本計画(令和7年4⽉11⽇閣議決定) 取組状況  農林⽔産物・⾷品の輸出拡⼤に向け、①現地系商流 への売込みの強化、②輸出産地の育成や、農林⽔産 物・⾷品輸出プロジェクト(GFP)の活動⽀援を活⽤し た輸出事業者の裾野の拡⼤、③輸出先国の多⾓化、 ④各国・地域の輸⼊規制の撤廃等に向けた協議の加 速化を進めるとともに、輸出拡⼤との相乗効果を発揮す べく、⾷品産業の海外展開やインバウンドによる⾷関連 消費の拡⼤を推進。  ⽇本産酒類については、⽇本産酒類輸出促進コンソー シアムにおいて、専⾨家セミナー、事業者間のマッチング ⽀援、海外商談会等の⽀援を実施。 農林⽔産物・⾷品の輸出拡⼤のための輸⼊国規制への対応等に関する関係閣僚会議 (第23回) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/yunyuukoku_kisei_kaigi/dai23/s hiryo.pdf ⽇本産酒類輸出促進コンソーシアム https://sake-consortium.nta.go.jp/ 31 クールジャパン関連産業の官⺠挙げた取組動向 ファッション ビューティ ⽬標 ⽬標 ・⽇本ブランドの価値を⾼める商材・サービスを発掘・開 発、または他分野連携によって付加価値を⾼め、新た な需要を開拓することで、 ①地域における「クリエイティブ産業」の創出(海外需要 を取り込める市場創出) ②他産業との共創も進めることで⾃律的なエコシステム を形成し、地域経済活性化・雇⽤創出等につなげる ・2033年までに、2兆円 (2025年10⽉、⽇本化粧品⼯業会において化粧品 の輸出額を2022年の0.8兆円から2033年までに2兆 円に増額させるとの意欲的な⽬標を公表) 取組状況 取組状況  2025年6⽉、「エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会」 において、ファッション産業全体の⽣産性・収益性の向上 と国際競争⼒強化に向け、官⺠が連携して戦略的に取 り組むため、①ファッションIPの創出、②⾐料品の輸出拡 ⼤のためのブランド育成、③伝統技法と現代ファッションの 融合、④デザイナーが創作に専念できるチームビルディン グ、⑤先端技術の積極的な導⼊のアクションプランを提 ⽰  現在、異業種連携・領域による⽇本のブランド価値向上、 ストーリーを適切に伝えるプロデューサー⼈材等の最⼤限 活⽤の観点から議論を継続。  国産化粧品の国内外市場におけるシェア低下の状況に 鑑み、⺠間による協調領域での取組を後押しすることを ⽬的として、化粧品の製販企業、原料企業、OEM、E コマース、海外展開の関係者や学識経験者、専⾨メディ ア関係者等の関係者の参画を得て、2025年12⽉、 「化粧品産業競争⼒強化検討会」を⽴ち上げ。  本検討会では、⽇本ブランド、越境ECの活⽤、海外規 制対応の⽅法、海外マーケティングのあり⽅、輸出促進 に係る業界団体のあり⽅等について議論を実施。2026 年4⽉に中間とりまとめを予定。 エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/entert ainment_creative/012.html 化粧品産業競争⼒強化検討会 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/cosmetic_ industry/index.html ※下記に記載の「エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会」におい て定性及び定量⽬標(市場規模等)等を検討中。 32 官⺠・異業種連携の強化 • クールジャパンの取組は、コンテンツ、⾷、インバウンド消費等様々な分野にまたがっており、関係省庁や⺠間企業が連携し、 より相乗効果を⾼めて⽇本が持つ魅⼒を海外に発信することが重要。 • 内閣府では、官⺠・異業種連携の強化を図る「クールジャパン官⺠連携プラットフォーム」(CJPF)において、優れた取組の 発掘・発信や異業種間の連携促進等を実施。引き続き、在外公館の活⽤やメディア向けの発信を含め、積極的な発信を ⾏っていくとともに、異業種間(コンテンツと⾷等)の連携促進の活動を強化していく。 発信強化 連携促進 ●⼤阪・関⻄万博における⽇本の魅⼒の発信 「クールジャパンショーケース アニメ・マンガツーリズムフェスティバル」 ●CJPF総会 「クールジャパンフロンティア toward 2033」 • 2025年4⽉30⽇〜5⽉2⽇、⼤阪・関⻄ 万博会場内EXPOメッセ「WASSE」にて、アニ メ・マンガ等にみる⽇本の魅⼒や、アニメ・マン ガ等のゆかりの地の魅⼒を世界に発信。 • 3⽇間の来場者数は、15,300⼈。(知財事 務局調べ) • 国内外の多数メディアにて報道。 • クールジャパン担い⼿等様々な業種間での ネットワークを構築する、CJPFの総会を開催 し、約150名が参加(ハイブリッド)。 ●優良事例の表彰「CJPF AWARD」 • ⽇本の魅⼒を世界に伝えるムービー(動画) 及びプロジェクトを事業者・⾃治体等から募 集し、表彰。海外メディア、在外公館等関 係機関と連携し、発信。 【CJPF AWARD2025】 ➤優れた取組を発掘し、関係省庁等と連携してクールジャパンの発 信強化を推進。 • 城内⼤⾂(当時)からのご挨拶をはじめ、エグゼクティブディレクター 軍地⽒、⽮野⽒からファッション、ビューティーの海外展開に向けた現状 と課題とアクションに関して発信。パネルセッションでは相川七瀬⽒、河 森正治⽒、夏野剛⽒から、クールジャパンの未来 世界に響く“⽇本ら しさとして多様性のある⽇本⽂化の重要性等について発信。 ●連携促進を⽬的とした勉強会・交流 「CJPF LAB」 • CJの先駆者からのノウハウ共有等を⾏い、 クールジャパン関係者の事業拡⼤や連携に よる新たな取組の創出推進を⽬的とした勉 強会及び意⾒交換を実施。 • 2025年12⽉開催の「コンテンツと異分野 連携」の回では290名の参加者が登録。 (2025度は計6回開催予定) ➤コンテンツと⾮コンテンツの連携拡⼤の強化等に取り組む。 33 コンテンツを活⽤した地⽅創⽣の好循環 • コンテンツ産業と地域経済の活性化の好循環を実現するため、アニメツーリズムやロケ誘致、博物館・美術館等の拠点化、 地域発のコンテンツ制作・関連商品開発やコンテンツの魅⼒を活かした⾼付加価値を⽣み出す拠点づくりを、関係省庁、⾃ 治体、関係経済界が連携して推進する。 • 2025年10⽉から12⽉「コンテンツ地⽅創⽣拠点」の第1弾の公募を実施し、2026年3⽉頃、クールジャパン戦略会議 (議⻑︓内閣府特命担当⼤⾂(クールジャパン戦略))において約20か所を選定予定(2033年までに200か所選定 を⽬指す)。 <地⽅で稼ぐ> ①ロケ誘致 ②アニメツーリズム ③にぎわう拠点 ④コラボ商品開発 1拠点当たり平均約50億円×200か所で、約1兆円の経済波及効果を想定  コンテンツ地⽅創⽣拠点の選定  地域⼀体となったコンテンツ起点の取組に対する 関連施策を総動員した重点⽀援  全国⼤での回遊促進によるオーバーツーリズム解消  映画・映像を活⽤した地⽅創⽣に向け、ロケ誘致、「ロケ地の聖地化」を推進(表彰を実施)  官⺠⼀体となったロケツーリズム、アニメツーリズムの推進  「メディア芸術ナショナルセンター」(仮称)の整備・⽂化資源を活⽤した観光コンテンツの磨き上げ  地域資源を活⽤した観光コンテンツの開発、適切な販路開拓、情報発信等への総合的⽀援  コンテンツを活⽤した地⽅創⽣の実現に向けた取組への⽀援 34 1.知財・無形資産への投資促進による価値創造 2.AI・デジタル時代の知的財産制度の構築 3.新たな国際標準戦略・ルール形成の促進 4.クールジャパン戦略の展開 5.コンテンツ戦略の推進 6.本⽇ご議論いただきたいこと 第1回構想委員会での主な御指摘事項 【コンテンツ戦略】  海外ビジネスを展開するマネジメント⼈材、コンテンツビジネスの専⾨⼈材を育成するビジネス スクールが不⾜している。コンテンツをつくる⼈材だけでなく売る⼈材の育成にも注⼒すべき。  AIで翻訳が⾃動化されるようになり、プロの翻訳者の仕事が減っていることから、⽂化ファシリ テータのような取組をサポートするような仕組みを考えるべきではないか。  政治的要因で揺らぎやすい産業であるからこそ、⽂化としての⽇本のコンテンツの魅⼒を発信 していくことが必要。  コンテンツ産業において利⽤可能な税制⽀援を検討すべき。 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 【海賊版対策】 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。  CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)対策、現地摘発、ドメイン対策の3点が重要。  インターポールの海賊版部⾨に⽇本の常駐担当者をおくべき。  ドメインホッピングへの対応のため、ICANNにおける働きかけ等を通してドメイン対策をさらに強 化すべき。新たに発⾏が予定されるトップレベルドメインについても注意が必要。 36 知財計画2026に向けた意⾒募集で提出された主な意⾒ 【コンテンツ戦略】  海外展開で先⾏する韓国や欧⽶諸国の映像制作事業者等とのイコールフッティングや競争と 共同製作の両⾯において重要であり、それらの国の⽀援策に⽐肩する規模で使いやすい財 政・⾦融・税制の⽀援策が求められる。  ⽇本の制作会社の中には、プラットフォームから委託を受けて制作を⾏うケースと、⾃社IPを提 供するケースの双⽅があるが、いずれも交渉⼒の⾯で課題を抱えており、国際競争⼒の強み が適切に評価される取引環境の整備について引き続き検討すべき。  クリエイターへの適切な対価還元に関し、さらなる検討の前提として、分野横断型権利情報 データベースの整備や、各データベースを⽤いて具体的にどのようなプロセスで利⽤許諾が得ら れることができるのかに関するガイドライン等、現在の対価還元の枠組みを「⾒える化」すべき。 同じ者が2件以上意⾒提出したものは、それぞれ1件としてカウントしています。  レコード演奏・伝達権を⽇本でも創設し、円滑な権利導⼊を図りながら、海外から対価還元 意⾒提出者が申告した「意⾒の分野」の欄に記載しています。 を受けられる環境を整備することが急務である。 ⽂字化け等により判別できない⽂字は、「◆」で表⽰しています。 【海賊版対策】  出版5社マンガ海賊版サイト対策会議(JPMAC)によるICANN及びドメイン事業者への 働きかけについて、各省庁と連携して取り組んでいく必要がある。  海外での訴訟提起や差⽌命令取得に向けた⽀援体制の整備を含め、実効的な海賊版対 策に資する後押しをお願いしたい。  偽キャラクターグッズ対策について、⺠間のみでは限界のある現地での流通実態調査や、現地 執⾏機関への取締り要請等も含め、政府による⽀援体制の強化を要望する。 37 ⽇本のコンテンツ産業の海外展開の市場規模(推移) ○ 2024年の⽇本のコンテンツの海外市場の規模は合計6. 0兆円と推計。 ○ 特にアニメが伸び、全体として前年と⽐べ増加となった。 ⽇本のコンテンツの海外市場規模の推移と分野別内訳 (億円) 70,000 57,756 60,000 50,000 45,464 40,000 34,143 30,000 20,000 10,000 22,901 15,640 15,796 10986 10511 18,150 10061 12842 21089 46,882 36,968 35942 29382 25,857 45,345 28414 60,044 33748 27780 21684 13327 7676 9948 10092 12009 12394 13134 14592 17222 21702 2823 2013 3265 2014 5883 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 ゲーム 10986 10511 10061 12842 13327 21089 21684 29382 28414 27780 35942 33748 出版 1413 1500 1538 1573 1615 1775 1953 2538 2792 3200 3200 3200 アニメ 2823 3265 5883 7676 9948 10092 12009 12394 13134 14592 17222 21702 テレビ番組 173 220 283 315 262 300 261 220 210 230 317 333 実写映画 245 300 435 495 705 887 1061 930 795 1080 1075 1061 0 (資料) 「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース 2025」((株)ヒューマンメディア)をもとに作成 38 ⽇本成⻑戦略本部 「危機管理投資」、「成⻑投資」の17の戦略分野 ○ 昨年11⽉の第1回⽇本成⻑戦略本部において、 「危機管理投資」、「成⻑投資」の17の戦略分野の1つとして「コンテン ツ」が設定された。 39 コンテンツ産業官⺠協議会の体制 議⻑ 内閣府特命担当⼤⾂(クールジャパン戦略) 副議⻑ 内閣官房副⻑官(衆) 議⻑ 代⾏ 内閣府知的財産戦略推進事務局⻑ 構成員 庵野 秀明 アニメ特撮アーカイブ機構理事⻑ アニメーション・実写監督・プロデューサー 坂本 和隆 Netflix Entertainment Japan(同) コンテンツ部⾨バイスプレジデント ⽯川 和⼦ ⽇本動画協会理事⻑、 ⽇本アニメーション(株) 代表取締役社⻑ 辻本 春弘 コンピュータエンターテインメント協会会⻑ (株)カプコン代表取締役社⻑ 宇⽥川 南欧 ⽇本eスポーツ協会理事 (株)バンダイナムコエンターテインメント 代表取締役社⻑ 野間 省伸 デジタル出版者連盟代表理事 (株)講談社代表取締役社⻑ 襟川 芽⾐ デジタルメディア協会副理事⻑ (株)コーエーテクモゲームス取締役 常務執⾏役員 堀⽊ 卓也 ⽇本⺠間放送連盟専務理事 岡本 美津⼦ 東京藝術⼤学⼤学院映像研究科教授 松尾 豊 東京⼤学⼤学院⼯学系研究科教授 ⿊崎 めぐみ ⽇本放送協会理事 (広報統括、⼈事・労務統括補佐) 松岡 宏泰 ユニジャパン理事⻑ 東宝(株)代表取締役社⻑ 社⻑執⾏役員 是枝 裕和 映画監督 村松 俊亮 ⽇本経済団体連合会クリエイティブエコノミー委員⻑ (株)ソニー・ミュージックエンタテインメント 代表取締役社⻑グループCEO 近藤 ⾹南⼦ アングルピクチャーズ(株) 現場スタッフマネージャー 関係⾏ 政機関 総務省(局⻑級)、外務省(局⻑級)、⽂科省(局⻑級)、経産省(局⻑級)、公取委(審議官級) 40 ①成⻑投資に関する課題 現状と課題 ○ ⽇本のコンテンツの海外市場売上の伸び率 は、各分野の動向や為替の影響等により変 動があるものの、 2033年に海外売上⾼を 20兆円とする政府⽬標との間にはギャッ プが存在。 ○ 令和7年度補正予算では、550億円を超え るコンテンツ予算を確保したものの、年間 1,000億円規模以上の政府⽀援を通じてコ ンテンツ制作や流通を⾏う諸外国との間に は引き続き差がある。 コンテンツ産業⽀援における各国政府予算 アメリカ 中国 フランス 6,176億円 1,283億円 1,233億円 韓国 ⽇本 762億円 556億円 ※556億円はR7年度補正予算における内閣府知財事務局 経産省、⽂化庁、総務省、外務省の経済対策⽀援額の合計 経済産業省⽂化産業創造課 第8回エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会資料より抜粋 論点(案) ○ 成⻑が期待されるコンテンツ分野において、官⺠連携による投資を増⼤させるため、ど のようにして、諸外国に⽐肩するような、⼤規模・⻑期・戦略的な⽀援を進めていくか。 ○ 総理指⽰を踏まえ、分野毎に想定する海外売上やその必要な投資額について、官⺠で⽬ 標を設定することが重要ではないか。 ○ 併せて、⽬標達成につながるような定量的なKPI を設定していくべきではないか。また そのために統計データの整備・分析が必要ではないか。 (出典)第1回 コンテンツ産業官⺠協議会(令和8年1⽉26⽇ ) 資料2 「事務局資料」から抜粋 41 ②コンテンツ⽀援事業等の実施体制に関する課題 現状と課題 ○ 関係機関としてクリエイター⽀援基⾦を執⾏す る⽇本芸術⽂化振興会、コンテンツビジネスの 海外展開を⽀援する⽇本貿易振興機構 (JETRO) 、⽂化交流を通じて⽇本のコンテ ンツを海外に発信する国際交流基⾦等の独⽴ ⾏政法⼈や、横断的にコンテンツビジネスを⽀ 援する映像産業⽀援機構(VIPO)、コンテン ツ海外流通促進機構(CODA)のほか、分野毎 の業界団体等が複数存在している。 ○ 各団体それぞれに設⽴した背景と⽬的があるた め業界ごとに多数の団体が存在するのは当然の ことであるが、結果的に海外展開のハブとして 機能している組織が存在しない分野がある。 コンテンツ⽀援事業の主な執⾏組織と、分野ごとの業界団体 独法等 JETRO ⽇本芸術⽂化振興会 国際交流基⾦ (所管省庁) (経産省) (⽂化庁) (外務省) 【分野横断的な団体】 VIPO、CODA、DCAJ等 ⺠間団体 ゲーム ⾳楽 放送 CESA JOGA IGDA JESU 等 CEIPA 等 ⺠放連 ATP BEAJ 等 アニメ 映画 マンガ ⽇本動画協会 UNIJAPAN 雑協 JAniCA 映連 書協 NAFCA 映適 電書連 等 JFC ABJ 等 JPIC 等 論点(案) ○ 団体間で切磋琢磨をすることは重要である⼀⽅、団体間が協調する取組も必要ではないか。 ○ ⼀例として、ハブとして機能している組織が存在しない故に、海外展開や対価還元に向けた交渉、補助⾦の執⾏な どが⾮効率になるといった問題がないか。 ○ 諸外国の事例も踏まえながら、各機関の役割や事業の実施体制等を必要に応じて⾒直し、より効果的な事業執⾏等 につながるような連携を促進するべきではないか。 ○ 各団体の役割分担を整理することを前提に、必要に応じて、予算やコンテンツ業界の⾒識を有する⼈員等を確保・ 維持するための⽅策についても、検討が必要ではないか。 (出典)第1回 コンテンツ産業官⺠協議会(令和8年1⽉26⽇ ) 資料2 「事務局資料」から抜粋 42 ③⼈材に関する課題 現状と課題 ○ 2033年に海外売上⾼を20兆円とする政府⽬標の達成のため には、新たな価値を創造する卓越したクリエイター、グ ローバル展開を⽀える⾼度専⾨⼈材、制作現場を⽀える中 核的専⾨⼈材の質・量ともに必要。 ○ 制作現場の⼈材不⾜による供給制約がボトルネックとなり、 我が国の強みである創造⼒の発揮や産業競争⼒の強化を阻 害する懸念がある。 ○ 制作⼯程の⼀部を海外発注に依存することにより、技術継 承や地政学的リスクの問題が懸念される。 ○ 具体的な⽬標を設定する上で、⼈材需要等に関する基礎 データの再整理や不⾜しているデータの収集、分析を進め ることも重要。 新たな価値を生み出す 卓越したクリエイター グローバル展開を支える 高度専門人材 制作実務を担う 中核的専門人材 作家、監督、作曲家など プロデューサー、編集者、渉外・法務、 など アニメーター、CG/VFXエンジニア、 撮影・音響スタッフ、翻訳者など 論点(案) ○ 戦略的に⼈材育成を進めるにあたって、分野ごとに今後の⼈材需要を明確化し、卓越したクリエイターに限らずプロデュー サー等も含め、必要な⼈材とその規模を⽬標として設定していくことが必要ではないか。 ○ その際、分野ごとに短期的に対応すべき課題、中⻑期の視点で対応すべき課題、それぞれについて整理したうえで対応する べきではないか。 ○ 短期的には、卓越した若⼿クリエイターが海外で発信をする機会を広げることや、企業内や企業間で連携した⼈材育成の強 化が必要ではないか。 ○ 特に中⻑期的な観点では、産業界のニーズを踏まえた形で、分野ごとの課題を洗い出し、必要な⼈材像や育成⽅法等につい て議論を深めるとともに、効果的に⼈材育成を進める観点から、求められるスキルの標準化、カリキュラムやプログラム等 についても検討を進めていくべきではないか。また、国内に基盤を残すべき技術・技能等の明確化をする必要があるのでは ないか。あわせて、育成環境の整備についても検討すべきではないか。 ○ ⼈材育成と両輪で、効率化・⾼付加価値化を進めるための技術活⽤や、また⼈材の獲得競争の中、優秀な⼈材を惹きつけ、 才能を活かして活躍し続けられる環境整備等も必要ではないか。 (出典)第1回 コンテンツ産業官⺠協議会(令和8年1⽉26⽇ ) 資料2 「事務局資料」から抜粋 43 ④創造活動を⽀える諸制度に関する課題 現状と課題 ○ クリエイターは発注者・メディアとの関係において 劣位な⽴場に置かれることが多い。事前に業務内容 や報酬額、⽀払時期などが書⾯等で明⽰されないま ま業務に従事せざるを得ないという課題が存在。 ○ 公取委は昨年12⽉、映画・アニメの制作現場にお けるクリエイターの取引環境に係る実態調査報告 書を公表した。 ○ 海外プラットフォーマーとの間で⼗分な協議が⾏わ れる必要があると認識。売上の⼀部が、国内に還流 しないことも課題。 独禁法・取適法・フリーランス法 上問題となり得る⾏為 違反となり得る 類型及び適⽤法令 • 不⼗分な取引条件の明⽰、明⽰の遅滞 著しく低い取引対価(制作委託費、報 酬⽔準)・⼀ ⽅的な取引対価の設定 期間延⻑等に伴う追加制作委託費(報 酬)の不払 • • • • • 取引条件の明⽰義務(取適法、フリーラン ス法) 優越的地位の濫⽤を誘発する⾏為(独禁 法) 買いたたき(取適法・フリーランス法)、 協議に応じない⼀⽅的な代⾦決定(取適 法) 優越的地位の濫⽤(独禁法) 不当な給付内容の変更・やり直し等(取適 法、フリーランス法) 優越的地位の濫⽤(独禁法) 論点(案) ○ 映適(⽇本映画制作適正化機構)認定の拡⼤や、国の⽀援事業における映適認定等への加点または要件化等を進めることが必要では ないか。 ○ 取引環境において問題となり得る⾏為を防⽌するための実態調査報告書の周知や、当事者がとるべき⾏動に対する指針の策定が必要 ではないか。(映画・アニメの制作現場における実態調査結果を踏まえた指針の策定) ○ 急速に成⻑するアニメ産業の持続的な発展向けて、映画業界が作成した映適取引ガイドラインを参考にしつつアニメと映画の製作の 差異も踏まえながら、優れた就業環境の⾒える化を⽬的とした事業活動や作品を認定する制度の創設に向けた取組の推進(アニ適 (仮称))が必要ではないか。 ○ 海外売上の⼀部が国内に還流せず、海外に流出している状況を改善するため、例えば①ライセンスビジネスから配給・卸売への業態 転換や、②プラットフォーマーとの契約の改善・透明化が必要ではないか。 ○ 他産業に⽐べ流動的な働き⽅が特徴である制作現場において、特に育児をしている⼈の働きやすさの確保・向上のため、託児サービ スの在り⽅や導⼊とその⽀援について検討が必要ではないか。 (出典)第1回 コンテンツ産業官⺠協議会(令和8年1⽉26⽇ ) 資料2 「事務局資料」から抜粋 44 ⑤海外展開に関する課題(コンテンツの海外における提供) 現状と課題 ○ 諸外国が多額の政府資⾦を投資して質の⾼いコンテンツを市場に投⼊する国際競争環境の下、ハイリスクという事業特性のために過 ⼩投資になりやすく⽇本の優位性が失われるリスクがある。 ○ ⽇本発コンテンツを世界中に届ける国際流通機能を強化するとともに、世界的な⼤ヒットを⽬指す⼤規模コンテンツの制作の推進、 ⽇本発コンテンツでまとまっての海外展開の⽀援、世界⽔準の製作⼒を得るためのロケ誘致や、開発プラットフォームの構築強化等 に取り組むことが必要である。 ○ ⾳楽分野において、我が国にはレコード演奏・伝達権が導⼊されておらず、⽇本の⾳楽の海外展開や実演家等への対価還元 に課題がある。 論点(案) ○ 我が国企業が参画するコンテンツ・プラットフォームにおいて、外国ファンの認知の拡⼤や海外向けコンテンツの供給量 を⽀援し、⽇本発コンテンツの海外流通機能の強化が必要ではないか。 ○ ⽇本発コンテンツの海外展開にあたっては、分野ごとの特性や需給を考慮しながら地域別の戦略を検討する必要があるの ではないか。 ○ 海外で戦える⼤規模で⾼品質なコンテンツの製作⽀援を事業構造改⾰と⼀体的に⾏い、IPや⼈材、デジタルに関する無形 資産投資を促すことが必要ではないか。 ○ コンテンツ分野のスタートアップが活躍できるエコシステムを構築するための⽀援が必要ではないか。 ○ AIやXR等の新技術を⽤いた制作ツールといった開発プラットフォームの構築の⽀援が必要ではないか。 ○ 税制の活⽤を通じて世界⽔準のコンテンツを⽣み出すための研究開発や設備投資を促すことが必要ではないか。 ○ 国が主導したり、複数社が連携したりして⾏う国際映画祭、アニメ・ゲーム展⽰会等でのプロモーションを推進すること が必要ではないか。 ○ IPの源泉となっているマンガの海外発信を推進するため、産官学が連携したコンソーシアムの創出等が必要ではないか。 ○ コンテンツの⽂化としての価値を⾼めるメディア芸術ナショナルセンター(仮称)構想を推進すべきではないか。 ○ レコード演奏・伝達権の導⼊について検討を進めることが必要ではないか。 ○ ⼤型映画を撮影するハリウッド等の制作会社の、⽇本でのロケ撮影の誘致を⽀援し、ロケ⽀援や海外制作者との協業を通 じて⽇本の制作者の技術⼒を⾼めることが必要ではないか。 ○ 海外で戦う⼤規模作品の製作費について⺠間での資⾦調達を促進するため政府として資⾦調達環境整備が必要であるとの ⾒解について、どう考えるか。 (出典)第1回 コンテンツ産業官⺠協議会(令和8年1⽉26⽇ ) 資料2 「事務局資料」から抜粋 45 ⑤海外展開に関する課題(海賊版対策) 現状と課題 ○ ⺠間においては、マンガの海賊版サイトをめぐり、⼤⼿ 出版社4社がクラウドフレア社に対して起こした訴訟は、 昨年11⽉、東京地裁が同社の著作権侵害の幇助を認め、 総額約5億円の賠償を命じた。 (出典)⼀般社団法⼈ABJ「出版物違法サイトの状況」https://www.abj.or.jp/data ○ 訴訟等を通じて、被害額1,249億円相当の外国の海賊版 サイト(映像、出版、ゲーム、⾳楽)を閉鎖に追い込ん でいるが、近年被害額は拡⼤の⼀途を辿っている。 ○ 2024年の全国の税関における知的財産侵害物品の輸⼊差 ⽌件数は3万3千件を超え、過去最多を更新。 ○ ⽇本向け出版物海賊版上位10サイトアクセス数合計は、 依然として⾼⽔準であり、予断を許さない状況にある。 論点(案) ○ 海外発の海賊版被害等に対応するため現地での啓発、国別対策の強化、公安当局を含む国際連携・執⾏等の強化 (国際著作権コンソーシアムの創設も含む)、権利者による権利⾏使の⽀援や、正規版流通促進(配信・流通プ ラットフォームの拡⼤や翻訳⼈材の育成の⽀援を含む。)に官⺠⼀体となって取り組むことが必要ではないか。 ○ 国外の海賊版サイト等による侵害実態の把握を踏まえて、効率的・効果的な対策とするために、AI等の技術を活⽤ し、どのような取組を進めるべきか。 ○ 海外事業者が郵送等により国内に持ち込む模倣品が税関による取締りの対象となった2022年改正商標法・関税法等 を踏まえた関係府省等の連携による模倣品・海賊版に対する厳正な⽔際取締りの実施が必要ではないか。 (出典)第1回 コンテンツ産業官⺠協議会(令和8年1⽉26⽇ ) 資料2 「事務局資料」から抜粋 46 1.知財・無形資産への投資促進による価値創造 2.AI・デジタル時代の知的財産制度の構築 3.新たな国際標準戦略・ルール形成の促進 4.クールジャパン戦略の展開 5.コンテンツ戦略の推進 6.本⽇ご議論いただきたいこと 本⽇ご議論いただきたいこと <知財・無形資産への投資促進について>  経営層への知財・無形資産経営の浸透のため、さらなる取組として、どのようなものがあるか。  侵害抑⽌に向けた環境整備の⼀つの⼿段としても、知財・無形資産経営の浸透が重要ではないか。  国等が⽀援する研究開発プロジェクト(国プロ)において、プロジェクトの初期段階からの知財マネジメントの強化が 重要ではないか。また、そのためにどのような取組を進めていくべきか。 <⽣成AIのプリンシプルコードについて>  パブリックコメントの結果を踏まえ、引き続き丁寧に調整を⾏いつつ、AIガバナンスの構築を進めていくことが必要では ないか。 <国際標準戦略について>  経営戦略において、標準と知財、R&Dを⼀体的に推進するためにどのような取組から取り組むべきか。  成⻑戦略の戦略17分野において国際標準を適切にビルドインするためにはどのような取組が有効か。 <クールジャパン戦略について>  インバウンドから輸出拡⼤につなげるため、コンテンツ・⾷・インバウンドなどの異業種間の連携、海外への発信強化、 関係機関の連携強化に向け、どのような取組を進めていくべきか。また、グローバルサプライチェーンの強化に向け、ど のような取組を進めていくべきか。  受⼊れ体制の質と量をともに⾼めていくため、⼆次交通や宿泊を含め、地⽅誘客に向けた課題解決のため、どのよ うな取組を進めていくべきか。 <コンテンツ戦略について>  成⻑戦略におけるロードマップの策定と並⾏して、海外へのビジネス展開⼒の向上、デジタル・ビジネスに対応した構 造改⾰の推進、コンテンツ産業を⽀える⼈材強化、海賊版対策の強化、デジタルアーカイブの推進等の観点から、 どのような点を掘り下げて検討していくべきか。 <知財計画2026に向けて追加で議論・検討すべき項⽬について>  上記に加えて、知財計画2026の策定に向けて、議論すべき重要な項⽬・論点があればご意⾒をいただきたい。 48
知的財産戦略本部 構想委員会(知的財産推進計画2026) 第2回 議事録・配布資料全文 | PPPT