議事録
第2回
デジタル・AIワーキング・グループ
議事録
1.日時:令和7年3月13日(木)16:30~18:15
2.場所:オンライン会議
3.出席者:
(委員)
中室
牧子(座長)、杉本
純子(座長代理)、落合
(専門委員)住田
智子、田中
良弘、戸田
文雄、村上
村上
将一、時田
佳代子、増島
雅和
孝文、川邊
文洋、片桐
健太郎
直人、
(事務局)
大平参事官
(関係者)
菊永
将浩
広島弁護士会高齢者・障害者等の権利に関する委員会
内野
宗揮
法務省
国分
貴之
法務省民事局
参事官
渡辺
諭
法務省民事局
参事官
宇野
直紀
大江
亨
金融庁監督局
銀行第一課長
小野
浩司
金融庁監督局
銀行第二課長
村木
圭
神谷
槙子
弁護士
大臣官房審議官
法務省民事局総務課
登記所適正配置対策室長
金融庁総合政策局総合政策課
総合政策企画室長
金融庁総合政策局リスク分析総括課
課長補佐
4.議題:
(開会)
議題1. 超高齢社会に対応した親族間での信託の活用による柔軟な資産管理の推進
議題2.「相続手続の効率化」に関するフォローアップ
(閉会)
5.議事録:
○大平参事官
定刻となりましたので、ただいまから規制改革推進会議第2回「デジタル・
AIワーキング・グループ」を開催いたします。
委員、専門委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にあ
りがとうございます。
事務局から、会議に関する連絡事項を申し上げます。
本日は、オンライン会議となりますので、会議資料は画面共有いたしますが、お手元に
も御準備いただければと思います。会議中は、カメラをオンにしていただき、発言者の声
がはっきり聞き取れるよう、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願い
いたします。御発言される際はミュートを解除していただき、御発言後は再びミュートに
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戻していただきますよう御協力をお願いいたします。
続きまして、本日のワーキング・グループの出席状況について報告いたします。
林委員が欠席との御連絡を承っております。また、中室座長が途中退席される旨をお伺
いしておりまして、中室座長の御退席後、議事進行につきましては杉本座長代理に行って
いただきたいと思います。落合委員におかれましては、御都合により途中で退席する可能
性がある旨をお伺いしております。
さらに、本ワーキング所属委員のほか、健康・医療・介護ワーキング・グループから時
田専門委員が、スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループから増島専門
委員が御出席されています。
以後、議事進行は座長にお願いしたいと思います。
中室座長、よろしくお願いいたします。
○中室座長
どうぞよろしくお願いいたします。座長の中室でございます。
本日の議題1、「超高齢社会に対応した親族間での信託の活用による柔軟な資産管理の
推進」に早速入ってまいりたいと存じます。
我が国では、急激な高齢化に伴って増加している認知症の方々をどのように支えるかと
いうことが非常に重要な社会課題となっています。
昨年の第2回公共ワーキング・グループでは、法定後見制度の利用促進について御議論
いただきましたが、認知症になる前から、家族間で財産の管理を行い、あらかじめ備える
という観点は非常に重要です。
このため、親族間で信託を行うことで、生前の財産の管理から、亡くなってからの財産
の継承を円滑に行うことが考えられますが、この信託の制度については利用促進に当たっ
て課題があるとの声があります。
そのため、本日は、親族間での信託の利用促進の方策について御議論いただければと思
います。
この議題に関しましては、広島弁護士会高齢者・障害者等の権利に関する委員会の菊永
将浩弁護士、法務省及び金融庁に御出席いただいております。
初めに、本日の議題に関する御要望をお伺いしたいと思います。
菊永弁護士から、事前に御提出いただいた資料を基に御意見を頂戴したいと思います。
10分程度でお願いいたします。
○菊永弁護士
ただいま御紹介にあずかりました弁護士の菊永と申します。
本日は、これから10分ほどの時間で、「民事信託の実情と課題」ということで私のほう
から発表させていただきたいと思います。
画面共有をさせていただきます。
今回取り扱う「民事信託の実情と課題」ということで、実はなぜ私が今回お話をするか
というところ、まず自己紹介から順にお話をさせていただきたいと思います。
お手元の資料1-1の2ページに、私の自己紹介を簡単に書かせていただいております。
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私自身が、日弁連信託センターをはじめ、いろいろな団体に所属して信託に関する検討等
を行っている。あわせて、下のほうに書いてありますように、実務としても私は仕事の半
分以上を信託が占めているような状態で、そういう実務としての経験も今日の中でお話し
できたらいいかなと思っております。
本日は、団体を代表してということではなくて、実務家としての私の立場で実情と課題
について発表させていただきますので、そのようにお聞きいただけたらと思います。
本日は、全体では4つの内容を取り上げたいと思います。
まず初めに、第1「民事信託とは」ということで、あまり知られていない民事信託につ
いて、今日御参加の方々にまず知っていただくところを少しお話しさせていただく。その
上で、民事信託の利用状況について第2、そもそも民事信託がどのような場面で使われる
かということについて第3、そして、第4のところで民事信託の普及に向けた課題、全体
としては4つの内容でお話をさせていただきます。
資料の4ページを御覧ください。
ここでは、民事信託とはどういうものなのかということを1枚にまとめたスライドを用
意させていただいています。少し説明をさせていただくと、民事信託という仕組みは、財
産を持っている人を委託者といいますが、財産を持っている人が信頼できる家族などに対
して、自分が将来、健康面に課題等を抱えて財産管理ができなくなることへ備える目的の
ために、元気なうちにあらかじめ自分の財産を任せていくという仕組み作りになります。
下の絵を基にお話をさせていただきますと、お父さんの立場の方が娘さんに、自分が持
っている土地とか建物とかお金の管理をあなたに任せたいのだと。任される娘さんのほう
も、分かったよということで引き受ける約束をする。それを信託契約という形にまとめて
いき、それに基づいて、不動産であれば信託をしたことが分かるような形で名義変更をす
るなどして、法律上の管理権限を娘さんに任せていく。
ただ、これはあげるわけではないのですね。一定の目的、これは契約の内容によって変
わってきますが、例えばお金であれば、任せるけれども、将来、自分が入院するときや施
設に入るようなときにそのお金を使わせてもらうよ、管理を任せるよみたいなことなどを
約束事で決めた上で任せていく。
通常、信託の世界においては、任せる人である委託者と、その財産から恩恵を受ける受
益者が同じ人になる。今回の図面のように、お父さんが娘さんに任せる、でも、それはお
父さんのためのものですよという仕組みが一般的に使われている。
この仕組みのメリットは、任せた後に、例えばお父様が体調が崩れて財産管理が難しく
なったとしても、娘さん単独で財産管理あるいは財産の処分をすることができる。それに
よって、昨今課題となっている認知症対策などでこの信託という仕組みを活用することが
できる。そういう流れになっています。
では、民事信託の実際の利用状況についてまとめたスライドが5ページになりますので
御覧ください。
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民事信託というのは、この後お話をするように、公正証書で作られるものとそうでない
ものとあるので、正確な統計はなかなか取りにくいところになってきます。令和5年にお
ける公正証書の件数が4,434件、大体その二、三倍ぐらい私文書があるのではないかなと言
われるものもありますので、ざっくり1万から1万5,000件、合わせて2万件弱ぐらいは年
間に使われているのかなと。認知症等も含めて高齢者の方が増えていっている中でいくと、
必ずしもみんながみんな信託を使っているというほど利用が進んでいるものではない。そ
こには2023年までのものを挙げておりますが、2024年における数字としましても、公正証
書で作られているものが4,512件となっていて、何万件も使われているという状況ではな
い。
民事信託の多様な利用例ということで、実際にどのような場面に使われるかというのを
イメージしていただこうと思って用意をしたのが6ページのスライドです。
認知症対策。将来、自分で財産管理ができなくなるときに備えて使うという方法。障害
を持たれた方が御家族にいらっしゃる方がその方を支えるために使う仕組み。あるいは、
事業承継や、共有不動産の管理などの場面において信託というのが活用されます。
実際に便利なはずの仕組みが使われていないところには課題があるということで、その
課題をまとめさせていただいたのが7ページのスライドです。主な課題を5点ほどまとめ
ておりますので、その5点に基づいてお話をさせていただきます。
まず1点目は、民事信託が必ずしも知られていない。これは、一般の方もそうですが、
専門家、あるいはそれ以外の関係者の方も含めて、なかなか知られていないという課題が
あるかなと思います。
また、民事信託を実際にやろうと思ったときに、身近にその担い手である専門家がいな
いというケースなども一般的なものとして挙げられています。
あとは、民事信託に関する正確な情報が分かりにくい。これはインターネットの世界で
はどこでも当てはまる話になるのですが、偏っていない情報、正しい情報に行き当たるの
がなかなか難しいという問題も新しい分野ならではのものとして起きている。
あとは、信託口口座を容易に準備できない。ここが少し説明を要するところになるので
すが、例えばお金をお父さんが長男に任せるときに、任せたお金はお父さんの口座のまま
で管理していれば、もし何かで管理ができなくなったときに下ろせないという問題が続い
てしまう。他方、長男の口座で管理すると、長男個人のお金と混ざってしまう。そういう
ことに備えて、実務の世界では、信託したお金を管理するための専用の口座である信託口
口座を開設することが推奨されています。ただ、これがどこの地域でも当然のようにでき
るものかというとそうではなくて、実務上不明瞭な点などがあることから、金融機関にお
いて開設がなかなか進んでない地域もあります。
あと、⑤番の公証役場の手間がある。民事信託の契約においては、士業団体が出してい
るガイドラインの中で、契約は公正証書で作ることが推奨されています。ただ、いざ作ろ
うと思っても、近くに公証役場がない、出張で対応してもらえないということで、民事信
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託ができない人もいます。この点は、今年の末までにデジタルでの公正証書の作成ができ
るようになるとちょっと変わっていくのかなと思いますので、付記させていただいていま
す。
国への要望ということで書かせていただいたのは、私自身が民事信託をやる中で、まず
1つ目に、正しい情報が必ずしも周知されていない。
「民事信託に関するガイドライン等」
と書かせていただきましたが、ガイドラインやリーフレット、制度説明資料などがしっか
り作成されて周知をされていくことが必要ではないかなと思います。
2つ目で、金融機関がそういうことに対応しようと思ったときに参考にできるQ&Aなど
があれば、実務上有用なのではないか。
3番目で、公証役場のデジタル化に当たって、利用者の大半を占めるであろう高齢者の
方が利用しやすい仕組みになればいいかなと思っております。
あとは、参考ということで15ページ、16ページ、17ページを付けさせていただいていま
す。時間の関係もありますので、17ページだけ少し触れさせていただきたいと思います。
民事信託においていろいろな課題がある中で、例えば税務の取扱いが明確になっていな
い分野や、税務上、活用が阻害されるような公式な見解が示されている分野がある。この
辺りは実務における阻害要因になっているのかなと。また、登記に関する業務も統一され
ていない。この辺りがしっかり明確になっていけば、民事信託の活用が進むのではないか
なと思っております。
私からの説明は以上となります。どうもありがとうございます。
○中室座長
ありがとうございました。
続きまして、関係省庁から、ただいま御説明いただいた御要望に関し、御説明をお願い
したいと思います。法務省から事前に御提出いただいた資料を基に御説明をお願いします。
10分程度でお願いいたします。
○法務省(内野審議官)
法務省の内野でございます。よろしくお願いいたします。
議題1につきまして、法務省から資料に沿って御説明させていただきます。
画面共有をお願いします。
まず、信託法に基づく信託契約の概要をざっと申し上げたいと思います。
信託契約は、信託法第3条第1号におきまして信託の方法の一つとされまして、委託者
となるべき者が受託者となるべき者との間で、次の2つの双方を内容とする契約を締結す
る方法である旨が定められております。
まず1つ目が、受託者となるべき者に対して財産の譲渡、担保権の設定、その他財産の
処分をすること。2つ目が、受託者となるべき者が一定の目的に従い、財産の管理又は処
分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきことであります。
その下のマルの部分でございます。信託法第4条におきまして、委託者となるべき者と
受託者となるべき者との間の信託契約の締結によりまして信託の効力が生ずると定められ
ております。
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次に、その下のマルでございます。信託契約に基づく法律関係についてであります。主
要な部分を申し上げます。適宜、下に書いてございます図も御覧いただければと存じます。
1つ目のポツです。まず、委託者は信託契約の当事者として、受託者に対して財産の譲
渡等、その他の財産の処分を行います。例えば、投資信託でありますと、投資家が委託者
として自らの金銭を受託者となる者に払い込むということになります。
次に2つ目のポツです。委託者から財産の譲渡等を受けた受託者は、信託の目的に従っ
て受益者のために信託財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行
為をいたします。先ほどの投資信託で言えば、受託者が信託契約に基づいて運用すること
になります。
なお、委託者自身が受託者となることも可能でありまして、信託法ではこのような自己
信託が信託の設定方法の一つとして認められております。
次に3つ目のポツです。信託においては、契約の当事者となる委託者と受託者のほかに
も受益者という主体があります。受益者は、受益権を取得して、受託者を監視・監督しな
がら、信託の利益を享受するというものであります。委託者が受益者を兼ねることも可能
であります。これは菊永先生が先ほど御指摘いただいた類型でございます。
この点、信託契約の定めにより、受益者となるべき者として指定された者は、受益の意
思を表示しなくても当然に受益権を取得いたしますけれども、受益者となるべき者として
指定された者が受益権を取得したことを知らないときは、受託者はその者に対し遅滞なく
その旨を通知しなければならず、また、受益者は信託契約の当事者である場合を除き、受
託者に対し受益権を放棄する旨の意思表示をすることができます。先ほどの投資信託で言
えば、委託者兼受益者である者が運用による利益の分配を受け取ったり、償還金を受け取
ったりということになろうかと存じます。
次に4つ目のポツであります。信託契約に基づく法律関係におきましては、受託者に信
託財産が帰属することになりますが、受託者の固有財産とは別扱いされ、これにより信託
財産の独立性が担保されています。具体的には、信託法第25条第1項におきまして、受託
者に帰属している信託財産が受託者の倒産の影響を受けないという倒産隔離機能が認めら
れているほか、信託法第34条第1項におきまして、受託者は信託財産を自らの固有財産と
分別して管理する義務を負うことなどが定められております。先ほどの投資信託で言えば、
受託者の経営が破綻して倒産するようなことがあったとしても、分別管理されている信託
財産は保護され得ることになります。
次に、立法時に想定していた信託契約の活用方法について申し上げます。信託法は大正
11年の制定以来、あまり活発的な利用がなされていませんでしたが、社会経済活動の多様
化に伴いまして、信託を利用した金融商品が幅広く定着するようになったほか、資産の流
動化目的の信託など、当時の旧法の制定当時には想定されていなかった形態の信託の活用
も図られるようになってきておりました。
そのため、政府に対しまして、いわゆる商事目的での信託の利用に関する改正要望が寄
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せられ、信託の専門家による信託法の改正提言なども公表される状況になりました。
一方で、高齢化社会の進展に伴いまして、高齢者の財産管理を図るという観点から信託
が注目されるに至りまして、今後は高齢者や障害者の生活を支援する福祉型の信託の活用
が期待されるとの指摘もされております。
このように、金融商品としての信託のみならず、多様な目的の下での信託を利用するニ
ーズが高まっていたことから、信託法全体の見直しが行われまして、平成18年に信託法が
改正されるに至りました。
このような多様な目的の下での信託について、その一例をお示ししますと、信託法の改
正によって企業の資金調達の手段としての信託として、受益証券発行信託という類型が新
たに創設されました。受益証券発行信託とは、受益権が有価証券化された信託ということ
になります。
受益証券発行信託を利用した取引について、資料の左手に具体例を記載しておりますけ
れども、委託者であるリース会社が受託者である信託会社に対して、自らの有するリース
債権を譲渡しまして信託を設定した上で、信託会社から同社が発行した受益証券を取得し
て、これを投資家に売却し、その対価を取得することによって資金調達を行うというもの
であります。信託契約は、このような企業の資金調達の手段としての信託として活用され
ることが想定されます。
そのほか、高齢者の生活の支援の目的として信託契約が活用されることが想定されます。
資料の右側でございます。高齢者である親が、委託者兼受益者として受託者となる子との
間で信託契約を締結して、自らの財産を子に譲渡し、受託者である子が財産管理をしなが
ら、受託者としての判断により預貯金の払い戻しや、自宅の修繕、医療費の支払い等の必
要な支出を行うほか、受益者である親に対して生活費等の財産的給付を行うことなどが考
えられるところであります。また、信託契約において、受益者の死亡により、その配偶者
が受益者となる旨の定めをすることも可能であります。
次に、公正証書のデジタル化の御指摘も菊永先生からいただいたところと理解をしてお
りますので、続けてそちらの話に参りたいと思います。
まず、デジタル化についてということであります。上段の「公正証書制度の現状」の部
分を見ていただければと思います。公正証書は、遺言について作成される遺言公正証書な
どが典型例になりますけれども、法律行為その他の私権に関する事実について公証人が作
成する証書であります。
特徴としては、公文書であり、その成立の真正性が強く推定されますので、極めて高い
証明力を有していること。公正証書の原本は、公正・中立な第三者機関である公証人が保
管していること。そして、執行力の付与ができること。すなわち、例えば金銭の支払いを
目的とする債務に関する公正証書において、債務者が支払いを怠った場合、直ちに強制執
行に服する旨の陳述が記載されている場合には、裁判手続を経ることなく強制執行が可能
となるといったものであります。こういった点が特徴として挙げられるところであります。
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公正証書制度は、ただいま申し上げました特徴を有する公正証書の作成を通じて、私的
な法律関係の明確化・安定化を図り、契約の履行確保や私的紛争の防止、迅速な権利実現
の手段として重要な役割を果たしている制度であります。
次に、「公正証書制度の現状」の枠の下、「公正証書制度の課題」のところであります。
これまで公正証書を作成するには対面・書面での手続が必須となっており、デジタル化に
は対応していない状態でありました。
その後、令和4年及び令和5年の各規制改革実施計画におきまして、デジタル原則にの
っとり必要な見直し及び法整備を行うことが盛り込まれたことから、令和5年の通常国会
に改正法案を提出し、同年6月14日に公布されました。
なお、施行日につきましては、公布の日から起算して2年6か月を超えない範囲内で、
政令で定める日から施行するとされております。
改正法の施行により、今回の議題となっております信託に関係する公正証書を含め、公
正証書制度の全面デジタル化がされることになり、資料の下枠の「デジタル化の概要」の
ところに記載をさせていただいておりますけれども、嘱託といわれる公正証書の作成依頼、
依頼者である嘱託人の陳述や意思確認の手続、公正証書の作成・保存、作成した公正証書
の正本や謄抄本の交付といった一連の作業をデジタル手続で完結させることが可能となり
ます。
次に、改正法の施行に向けた進捗状況でありますけれども、現在、法務省において改正
法に対応すべく政令や省令の改正作業を行っているところであります。
なお、この改正法を実現するためには、公正証書のデジタル化に対応するためのシステ
ムの構築が必要となるところでありますけれども、これについては、公証人は国から給与
の支払いを受けることなく、先ほど依頼者という言い方をしましたが、嘱託人から受ける
手数料のみを収入源といたしまして、独立採算により経営することとされておりますので、
全国の公証人で構成されます日本公証人連合会を中心に鋭意システムの開発を行っている
ところと承知しております。現在、おおむね開発が完了いたしまして、今後は運用テスト
を行っていくと聞いておるところでございます。
法務省といたしましては、引き続き、日本公証人連合会と連携を密にして、規制改革実
施計画で示されました令和7年度上期の施行を目指して準備を進めていく予定でございま
す。
簡単ではございますが、法務省からの御説明は以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
御説明者の皆様、どうもありがとうございました。
それでは、質疑応答に移りたいと思います。限られた時間のため、御質問、御回答とも
に簡潔にお願いいたします。また、議論を円滑に行うため、事務局におかれましては、委
員、専門委員からの質問を要約し、画面に投映していただきたいと思います。
議題1の質問・御発言については、先ほどの菊永弁護士の御説明を踏まえ、論点を3つ
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に分けてお伺いしたいと思います。
まずは、要望者の資料にある論点1つ目の「民事信託に関するガイドライン等の作成、
周知」についての御質問をお伺いしたいと思います。挙手機能でお知らせいただきたいと
思います。
まず、住田専門委員からお願いいたします。
○住田専門委員
皆様、御説明ありがとうございました。
私からは、菊永弁護士にお伺いさせていただきたいなと思います。
御説明の中で、生前の財産管理対策において、信託という手段に対して、法令やその他
運用が不明確であったり、あとは認知がされていないために、現場では普及の阻害要因と
していろいろなものがあるのかなと感じました。どのような誤解や問題が具体的に生じて
いるのかというところについてお伺いできればと思います。
もう一点につきましては、普及の阻害要因を取り除くために、一般の方や実務家の方々
にとって参考になるにはどういった論点が必要だとお考えでしょうか。スライドの15枚目
にも参考に記載いただいているとは思うのですけれども、最後のほうはお時間も短かった
ということで駆け足で御説明されていましたので、必ず触れてほしい点とか、御説明し切
れなかった点がもしあれば、教えていただきたいなと思いました。よろしくお願いいたし
ます。
○中室座長
ありがとうございます。
では、片桐専門委員も続けてお願いいたします。
○片桐専門委員
私のほうからは法務省さんにお尋ねしたいと思います。
信託法は平成18年に大改正が行われて、日本でも信託が活用されるようにと言われなが
ら、大々的にはあまり進んでないところなのかなとも思いますし、今日話題になっている
民事信託の関係だとそういうことなのかなという気もしました。
国会の議事録等を見ていますと、法務大臣が国会審議の中で、信託法が活用されるため
には国民の理解が必須なのだということで、ポスターとかパンフレット等を通じて、ある
いはホームページへの掲載、法律雑誌等への寄稿、説明会の開催、関係団体との連携とい
うことを通じて国民に周知をする必要があるのだという御発言もあったところです。また、
国会の附帯決議でも国民への周知というのが決議されているものと認識しています。
他方で、今ホームページ等を拝見する限りにおいては、信託の周知という観点から特段
御説明がないのかなとも思っています。とりわけ、制度の説明だけではなくて、ユーザー
サイドから、どういう場合に信託を活用したらいいのかとか、どこに相談に行ったらいい
のかとか、ほかの制度と比べてこういうメリットやデメリットがあるということを周知し
ていく必要があるのではないかと考えます。
そこで、法務省さんにお伺いしたいのは、そういう周知の方法とか周知をやっているの
かということについて御教示いただけないでしょうか。
以上です。
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○中室座長
ありがとうございます。
では、一旦ここで菊永弁護士、法務省さんに御回答をいただいて、その後で増島さん、
落合さんと行きたいと思います。
では、菊永先生、法務省さん、お願いいたします。
○菊永弁護士
では、菊永のほうから先に説明をさせていただきます。
先ほど住田委員から質問のあった件ですが、どんな誤解が生じているのか、具体的なと
ころということだったのですが、まず1つあるのは、まず誤解を生む以前に、そもそも信
託自体がどういう場面で使われるかというのが知られていないことが一番の利用の阻害要
因ではないかなと思います。
それを前提とした上で、実務の現場において起きている誤解を2つほどお話しします。
1つは、信託をやるとなるとすごくコストがかかる、高いのだと。もちろん複雑な仕組み
を作ればそうなるのですが、家族の財産を家族に任せるみたいな仕組みのときには決して
そんなことはないのですが、どうしても信託イコール高いという誤解が生じてしまってい
るところが課題の一つになります。
もう一つは、よく分からない仕組みだからリスクが高いということもよく言われます。
これも同じ話になるのですが、複雑な仕組みなどをやればもちろんリスクは上がっていく
のですが、家族の財産を家族に任せるというシンプルなものであれば、リスクはあまりな
いのではないか。
そういったところも含めて、先ほど15ページのスライドでもいろいろ書かせていただい
ているのですが、信託がみんなの選択肢の一つになるように正しい情報発信がなされてい
くことが今後必要ではないかなと思っております。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
住田委員、大丈夫ですか。
○住田専門委員
○中室座長
大丈夫です。ありがとうございます。
ありがとうございます。
では、法務省さん、お願いいたします。
○法務省(渡辺参事官)
法務省民事局参事官の渡辺からお答えさせていただきます。
御指摘いただきました信託法改正時の国会での質疑や附帯決議を踏まえまして、法務省
におきましては改正信託法についてパンフレットの作成・配布、ホームページへの掲載と
いった周知活動はさせていただいたところでございます。
もっとも、こういった周知活動につきましては、平成18年に改正されたことの周知とい
う形でやってきたところもございまして、今から数えますとその時点から20年弱という期
間が経過しているところもありまして、現状におきましては当時の情報が散逸してしまっ
ているところはあるのかなと思っております。
いずれにいたしましても、制度をしっかり正しく知っていただくことは重要なことであ
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ろうと考えてございますので、そのような観点からどのようなことができるかにつきまし
ては今後考えていきたいと思っているところでございます。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
片桐先生、更問は大丈夫ですか。
○片桐専門委員
大丈夫です。ありがとうございます。
続けて、落合委員、お願いいたします。
○落合委員
どうもありがとうございます。
今、菊永弁護士から実際の課題感についてお伺いし、法務省からも先般の御質問事項に
対するやり取りも含めて状況をお伺いしておりました。
改めて、私も後見制度の後の財産管理というものに関わることがよくあるのですけれど
も、民事信託というのも、本来的には高齢者、認知症の方などの対策も一つ重要な社会的
課題になっており、そういったものに対する対策として非常に活用の可能性があるのでは
ないかという制度になっていると思っております。
これは、本日の御説明の中でも、場合によっては専門家の中でも十分に周知ができてい
ない場合があるように見受けられますし、そういう状況でありますと、国民に対しては当
然ながら周知が十分できていないということになるかと思います。
信託の設計というのは、様々なことができるというところで、ある種自由度がある制度
になっていますが、こういったものを正しく運用することが、逆に言うと自由度のある裏
側ということだと思いますが、適切な運用によって相続時のトラブルの発生を防止するこ
とにつながるものだと思っております。
一方で、信託という分野は、法律専門家も含めて欧米などとは違って必ずしも皆さんよ
く周知されているわけではないところがあると思いますので、そういったところの課題感
をどうクリアしていくのかというのが、今後進めていくべきことなのかなと思っておりま
す。
その観点でいくつか法務省様のほうにお伺いしたいと思います。まず1つが、菊永先生
からも御説明がございましたし、士業団体においても一部既に対応されているものも過去
のものも含めてあると思いますが、一方で、一般の方向けに対するパンフレットとかリー
フレットを、十分に作成して周知することが改めて必要ではないか、と思っております。
先ほど平成18年のタイミングでというお話がございましたが、今の制度の状況や、活用
の可能性があるようなところを踏まえて、改正の内容がこうであるというよりかは、こう
いう形で使っていただくといいというか、使えるのであるということが分かるように、国
として一定のこういう方法で使っていくといいのではないか、という手引を作成して周知
をしていただくとか、それをホームページに掲載するなどを通して、行政として特に積極
的に周知をしていっていただくというのはいかがか、というのが1つ目であります。
2つ目としましては、一般の方向けのパンフレットというのは、先ほど申し上げた内容
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は、場合によって専門家とか地公体とか、後述になってきますが、金融機関については金
融庁の所管かと思いますのであれですけれども、そういった専門的な方向けの一定程度詳
しいものも必要かと思いますが、一方で、一般の方向けのパンフレットとしては、国民の
目線で分かりやすいことが大事ではないかと思っております。その中では、より認知度が
高い後見制度などとの比較とか、メリット・デメリット、リスクとベネフィットを理解で
きるようにして、制度を選択しやすくなるようにしていく、というのは大事ではないかと
思います。ここの点については、特に分かりやすさというのを重視したものを作っていた
だけないかと。これが第2点になります。
第3点といたしましては、発表資料の参考部分を拝見しておりますと、地公体などにお
いても税務上の取扱いや登記などにおける問題も指摘されているように見受けられますの
で、周知先としては、士業関係団体とか地方公共団体、法務局に対してそれぞれ併せて周
知していただけないかと思っております。これらの点についてどういうふうにお考えにな
るか、法務省にお伺いできればと思いました。
○中室座長
ありがとうございます。
では、増島先生、お願いします。
○増島専門委員
ありがとうございます。増島でございます。
私のほうも法務省様にですが、制度周知というところとの関係で、先ほど菊永弁護士か
ら御提示をいただいた中で、一般の方々は相談先がどこなのかも分からないという御指摘
があったと思っております。
一般の方々は相談をしようと思ったときに、弁護士ですらも敷居が高いということもお
そらくあると思っておりますので、どんなところに相談をしたら安心できる答えが得られ
るのかということを案内していただくみたいなこともぜひしていただきたいと思っており
ます。
特に、民事信託については推進団体もあるということですし、さらにスタートアップな
んかを中心に民事信託の支援サービスをオンラインで提供している企業も出てきていると
承知をしていますので、そういう方を活用するというのも有効ではないかと考えていると
ころでございます。なので、周知活動の一環として、民間団体とか企業さんと協調して彼
らを相談先にしていくとか、若しくはこういう便利なサービスがありますよといったこと
を紹介をしていただくみたいなところでは、おそらく民間事業者と政府はゴールとしては
同じ方向を向いていると思いますので、親族間の民事信託の普及・促進に向けて、各省庁
との連携、若しくは官民連携をてこに民間活用を積極的に図っていただくとよいのではな
いかと思うのですが、この点はいかが考えますでしょうかという御質問でございます。
以上です。ありがとうございます。
○中室座長
ありがとうございます。
では、今の落合委員と増島専門委員の御質問について、法務省さんのほうからお願いい
たします。
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○法務省(渡辺参事官)
法務省民事局参事官の渡辺でございます。
御質問ありがとうございます。
まず、落合委員からの御指摘でございまして、1つ目が一般向けの周知についてかなと
理解しております。御指摘いただきましたとおり、信託につきましては制度が難解である
ことから十分な理解が進んでいないのかなと思ってございまして、信託制度を広く正しく
認識していただくことは信託法の制定から相当期間が経過した現在においても重要なこと
であると我々としても認識しているところでございます。
そのために、例えば信託の要件とか、効果とか、当事者間の法律関係とか、信託を利用
するに当たって参考となるような基本的な事項を周知しつつ、本日御議論いただいており
ますような親族間の財産管理においても利用することができる、そのようなことを周知し
ていくという観点からどのようなことができるかにつきましては、また今後検討していき
たいなと思っているところでございます。
2つ目に御指摘いただいていた部分が、国民目線の分かりやすい周知ということかなと
思ってございます。御指摘いただいた点はまさにそのとおりかなと思っておりまして、信
託というのが難解な部分があることを踏まえますと、周知なりをしていく際には、利用す
る国民目線で分かりやすいものをまず作ることが重要だなというところは御指摘のとおり
かと思っております。
ただ、各論的なところで具体的にどうするのかというのはいろいろ難しいところはあろ
うかと思っております。例えば、いろいろな制度のメリデメは個別具体的な事案によって
いろいろ異なるところがありますので、そういったところを網羅的に一義的に示すことが
果たして可能なのかとか、そういったいろいろな難しいところはあるのかなと思っている
ところですが、いずれにしても信託制度を正しく広く理解していただくことは非常に重要
だと思っておりますので、そのような観点からどのようなことができるかというのは考え
ていきたいと思っております。
落合委員の御指摘の3点目は、地方公共団体とかほかの一般向け以外の周知についての
御指摘かと思ってございます。そちらについても、税務上の扱いとかは難しいところがあ
るのかなと思いますけれども、いずれにしてもどのような方を対象にどのような周知があ
り得るのかというところにつきましても考えていければと思ってございます。
増島委員からいただきました相談先、民間活用という御指摘でございます。こちらのほ
うも、信託というのがなかなか難解だということや、信託を利用する、特に今御議論いた
だいておりますような文脈で信託を利用される場合は、もちろん信託ではないほかの方法
も当然選択肢には入るということだろうと思っておりますので、それぞれのニーズに合っ
た形で信託を利用していただくことが当然望ましいわけですけれども、そのためには制度
を一通り理解するというだけではなくて、専門の方々に相談するとか、そういったサポー
トが必要不可欠なところはあるかと思っております。そういった観点も含めた周知活動が
重要なポイントだろうと思っておりますので、そういったところも踏まえて検討していき
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たいと思っているところでございます。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
落合先生、もし更問があればどうぞ。
○落合委員
ありがとうございます。
基本的に非常に前向きにお話しいただいたと思っておりまして、ぜひ整備を進めていた
だきたいと思っております。
その中で、制度を一概に比較するのは難しいかもしれないというお話もございますが、
国の取組の中でも様々な制度が併存するような場合に、こういうものがありますよという
基本的な情報を提供することは、よく行われていることだと思います。もちろん最終的に
法務省が何かを担保するとか、この制度を使えば絶対にこうなるというものではなく、あ
くまでもっと前段の基本的な理解自体を深めていただくための比較であるというところで、
もちろん法務省の方々は非常に正確性を重視されますので、そこはそれで分かるのですけ
れども、一方で、基本的な情報すら分からないと、ディテールにこだわっても全く理解し
てもらえないということもございますので、そこをぜひ意識していただきたいなと思いま
した。
また、専門家向けの点については、地公体や専門家向けでありますと、むしろ場合によ
っては法務省の見解なども必要な点については示していただいたり、税務については税務
当局などとも必要に応じて協議した上で出来上がっているものであると、より有益性が高
いのではないかと思っておりますので、ぜひそういうことも御検討いただけないかと思っ
ております。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
増島先生もお願いします。
○増島専門委員
ありがとうございます。
今のことに付け加えて、やはり制度というのはあっても使ってもらえないと意味がない
ということで、各省庁様は制度を持っている以上はそれをみんなにお届けするというとこ
ろまでしっかりやっていただく必要があると思っております。その意味では、制度マーケ
ティングにしっかりコミットしてくださいというふうに我々はお願いをしているというこ
とです。
政府が制度をきちんとマーケティングするというのは、デジタル庁とかいろいろなとこ
ろの省庁がやられていますから、法務省がそれができないということは一切ないと思って
おりますし、そこをやっていただけるということだと思うのですけれども、基本的には予
算を取っていただいて、マーケティングのためのプロジェクトを立てていただいて、民間
の方に手伝ってもらって、このようなプロセスを回していただけるのではないかなと漠然
と期待をしているのですけれども、こういうことをやっていきたいという前向きな言葉を
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いただきましたが、具体的に我々が今思っているような形での制度マーケティングみたい
なものも、もちろんここでやりますとは言えないというのは分かりますが、視野には入れ
ながら動いていただけるのかどうかというところについて御見解をいただけますでしょう
か。
○中室座長
住田さんも更問ですか。
○住田専門委員
コメント的になります。
法務省のほうには、前向きに周知をしていただけるというお話をお伺いできて、心強い
なと思っているところです。
先ほど菊永弁護士のほうからありましたとおり、制度の内容が分からなくてリスクが高
いと感じられている利用者の方もいらっしゃるというお話もありましたので、周知の仕方
としても、ただ制度があるよということではなくて、知りたいことがしっかり伝わるよう
な周知をお願いできればと思いますので、よろしくお願いします。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
では、法務省さんのほうからもしコメントがございましたら、どうぞお願いいたします。
○法務省(渡辺参事官)
法務省民事局の渡辺でございます。
いくつか御指摘をいただきましてありがとうございました。
我々のスタンスとしては、あくまでも制度をきちんと正しく理解していただくことが非
常に重要だという立場には変わりございませんので、そういった観点から、いただいた御
指摘も踏まえてどのようなことができるかというのは考えていきたいと思ってございます。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
では、論点1に関してはここまでとさせていただきまして、論点2つ目の「信託口口座
についての金融機関への協力要請等」についての御質問をお願いしたいと思います。
村上専門委員、お願いいたします。
○村上(将)専門委員
皆様、御説明をありがとうございました。
菊永弁護士に1点お伺いをさせてください。
信託口口座の取扱いに関しまして、金融機関のウェブサイト上で詳細が明示されている
事例は決して多くないように感じております。場合によっては、自行が信託口口座を取り
扱っていることを知らない行員もいるのではないかなと考えております。
このような状況を踏まえて、金融機関が信託口口座の開設を躊躇する理由がどこにある
とお考えでしょうかというところを、菊永弁護士が日頃お聞きになっていらっしゃる話も
踏まえて御見解をお聞かせいただけたらと思います。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
では、田中専門委員もお願いいたします。
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○田中専門委員
ありがとうございます。
私からは、金融庁に対して質問させていただきたいと思います。
ただいまの村上専門委員からの御質問にも関連するのですが、先ほどの菊永弁護士から
の御説明からは、民事信託そのものの知名度の低さも相まって、金融機関においても制度
の理解とか利用促進のための取組は必ずしも進んでいないように思われます。
この点に関しては、令和元年5月の参議院の財政金融委員会において金融庁から、認知
症や高齢者などのお客様に対して、信託の好事例を通じて金融機関が個々の事情に寄り添
うように金融機関に促していくという答弁がなされていると把握しておりますが、その後、
実際にいつ頃、どのような内容で金融機関への働きかけを行っていただいたのか、簡単で
構いませんので具体的に教えていただけますでしょうか。
また、民事信託が認知症や高齢者の方の財産管理に関する選択肢の一つとして必ずしも
浸透していないという現状を踏まえますと、法務省とも連携して、一般口座では問題が生
じるのだということを金融機関に十分に理解してもらい、先ほど述べた令和元年の国会答
弁で金融庁自身が述べておられたように、金融機関に対して民事信託を活用した商品開発
なども含めて認知症の方に寄り添った対応をしていただくよう促していくことが必要だと
考えますが、このような金融機関への更なる働きかけをお願いできますでしょうか。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
今、田中専門委員から金融庁さん向けの質問がありまして、私も実は金融庁さんにいく
つかお伺いしたいことがございます。
1つは、信託口口座の開設に当たって、金融機関がリスクヘッジの観点などから実務上
のコストが高く、実務において不明瞭な点も指摘されたわけですけれども、こうした状況
は金融機関が信託口口座の開設を足踏みする要因となっているのではないかと感じます。
一方で、信託口口座を開設している金融機関の中には、うまく手続を実施しているとこ
ろもあるやにお伺いしております。
そうしたことを踏まえますと、今後、認知症とか高齢者の方の財産管理の重要性が増す
中で、金融機関の協力は必須であろうと思いますし、紹介のあった国会答弁のとおり、金
融機関が行う認知症や高齢者等の財産管理について、金融機関や関係団体にヒアリングを
した上で、業務上不明瞭で困っている点などについて、財産管理の好事例とか業務上の好
事例を金融機関に提示して、金融機関のウェブサイトに掲載していただくなどの対応が必
要ではないかと考えますけれども、いかがでしょうかということでございます。
では、菊永弁護士から村上専門委員の御質問にお答えいただいた後、金融庁さんのほう
から御回答をお願いしたいと思います。
まず、菊永弁護士、よろしいでしょうか。
○菊永弁護士
では、お答えさせていただきます。
御指摘にあったとおり、金融機関において働いておられる方みんながみんな、信託口口
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座とか信託のことを知っていないというのが実情です。
それを踏まえた上で、なぜ金融機関が信託口口座の開設を躊躇するのかというところは、
まず1つは、自らの提供しているサービスの中に信託口口座というサービスを位置付けて
規定とかいろいろそろえていかないといけない、そういう準備のところの負担が結構大き
いというのが挙げられます。
また、実際に仕組みを作った後に、案件を処理するに当たっては、それぞれの信託の内
容、具体的には信託契約書の内容を確認したりなど、普通の口座開設に比べると手間暇が
どうしてもかかってしまう。その手間暇がかかったことに応じた報酬がもらえるというこ
とであればまた違うのですが、なかなか手間暇に見合った形での報酬を受け取ることが難
しい。これらがまず信託口口座開設を躊躇する理由になる。
あと、大きいところでいくと、実際にどれだけそういうニーズがあるのかということを
金融機関側として計りかねているので、口座開設に取り組むのを躊躇するということも理
由としては挙げられるところです。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
それでは、金融庁さん、いかがでしょうか。
○金融庁(大江課長)
金融庁監督局銀行一課長をしております大江と申します。
本日は、会議にお呼びいただきましてありがとうございます。
まず、田中委員からの御質問にお答えしたいと思います。基本的な考え方としまして、
御議論いただいております認知症の方への対応、また、高齢者とか障害者の方、それぞれ
いらっしゃいますけれども、そういったお客様の個々の事情に寄り添った対応が求められ
ているということが金融機関の重要な役割と私どもとしても考えてございます。
その上で、御指摘をいただきました財政金融委員会における答弁でございますけれども、
こちらは金融機関による様々な商品開発とか、窓口での実際の対応における工夫といった
いろいろな好事例の共有を通じて、認知症の方に寄り添った対応を一層行っていくように
と促したものでございまして、先ほど田中先生から信託の好事例という御発言をいただい
たかと思うのですが、信託の商品に限らず、より幅広く商品の開発や窓口対応の工夫とい
った形で答弁したところでございます。
いずれにしましても、金融庁として高齢者等のニーズに的確に対応した金融サービスの
提供が図れるように金融機関の取組を促してきたところでございまして、今後も関係省庁
と連携をして適切に対応していきたいと考えております。
その中で、田中委員から御質問をいただいた、実際にどういうふうな働きかけを行った
かということでございます。今日御議論いただいている民事信託とは違うのですけれども、
先ほど落合委員からも論点1のほうで御指摘がございました成年後見制度というものがご
ざいます。こちらの関係で、皆様御案内かもしれませんけれども、令和元年に成年後見制
度利用促進基本計画というものが政府でまとめられております。また、認知症施策推進大
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綱といったものも、もちろん金融庁ではなくて厚労省が中心となってまとめていただいて
いるのですけれども、そういった中で、令和4年3月末時点のKPIとして、預金取扱金融機
関の預貯金残高に占める支援預貯金又は支援信託を導入済みとする金融機関の個人預貯金
残高の割合を50%にするということで、成年後見制度をしっかり活用いただくということ
で、それに向けて金融庁としても、金融機関のほうでこういったものをできる限り進めて
くださいという形で金融機関に対しても働きかけを行ってきたところでございます。
その上で、成年後見の支援預貯金とか支援信託といったものの導入状況に関する調査を
令和2年から開始しておりまして、毎年度3月末日時点での導入割合を確認してございま
す。KPI50%に対しまして、既に令和4年3月末の時点で導入済みの割合は69%となってお
りまして、その後も増えてございます。
ちなみに、金融機関の数でいきますと、調査をしている1,120金融機関がございますけれ
ども、その中で成年後見の支援預貯金又は支援信託を導入済みが806ございます。これが令
和6年3月末時点の状況でございます。
また、最近の働きかけとしましては、これも昨年12月に認知症施策推進基本計画という
ものが政府全体でまとめられておりますけれども、そういったものが出た際にも、私ども
金融機関団体と定期的に意見交換を行っておりますけれども、その中で改めて金融機関に
対しまして、認知症施策推進大綱などを踏まえた取組に引き続いて、認知症の人が尊厳を
保持しつつ希望を持って暮らすことができるようにするという法律の趣旨を踏まえて、認
知症の方に寄り添った金融サービスの提供等に努めていただきたいということを伝えてい
ます。
ですので、定期的な働きかけを行っておりますし、それを踏まえてどういう対応がなさ
れているかというふうな対応をしてきているところでございます。民事信託自体ではない
のですけれども、そういった形で認知症の方々に対して政府の方針に基づいた対応をして
おるところでございます。
中室座長から御指摘いただきました点でございますけれども、まず口座開設に当たって
契約上どのような点を確認すべきか、また、受託者の死亡時の取扱いなど、契約当事者に
生じた個別の事象に対してどのように対応すべきかといった実務上の課題につきましては、
まずは民事信託の制度を所管される立場のほうでそういった目線を示していただくことが
必要かと考えております。先ほどの論点1の議論の中でも、パンフレットとか分かりやす
い説明をといったお話がございました。
そういったことを踏まえまして、金融庁としましても、信託口口座についてどういった
金融機関の実務がなされているのかといった実態把握をすることが重要だと考えておりま
す。また、必要に応じまして、認められた課題等について適切な対応を取ってまいりたい
と考えております。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
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増島先生、お願いいたします。
○増島専門委員
ありがとうございます。
今、金融庁さんから一般論で前向きなお返事をいただいたようにも聞こえるのですが、
金融庁として、もともと高齢者対応をしっかりするというのは、監督指針を含めて割とし
っかり打ち出していただいていると思っております。その文脈の中で、後見人制度という
ところに着目をしたコミュニケーションを金融機関としていただいているというのは非常
にありがたいことだと思うわけですけれども、後見人制度に並んで、家族信託と一般に言
われている民事信託が使えるのだという視点というのは、まだ金融庁さんからの御認知と
か、それを基にした発信はあまりされていないと思います。
最終的には、高齢者に金融アクセスを認めていく、それの仲介者が後見人なのか、信託
の受託者なのかというのは制度の選択の問題だということなので、ゴールはきちんと見て
いただいているわけですから、ほかの方法も含めて周知をしていただきたいと思います。
そこに金融機関が何か躊躇している要因があるとすれば、何がそうさせているのかとい
うのをきちんと探っていただいて、そこをなくしていくため、若しくはそこを促していく
ための施策を回していただく、このPDCAを回すというのがまさに金融行政方針に書かれて
いる金融庁さんの役目だと見ておるところがございます。
そういう観点から、今回はある意味、家族信託、民事信託という方法が意外と使えます
よみたいなところがここで出ているわけですから、一つの視点としてぜひ持ち帰っていた
だいて、金融庁全体のPDCAを回していくサイクルの中で、高齢者金融アクセスという観点
から、いいタマをもらったぐらいのつもりでお持ち帰りいただけないでしょうかというの
が御質問でございます。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
落合先生、お願いします。
○落合委員
御説明いただきましてどうもありがとうございます。金融庁の方々におかれ
ても、前向きに議論を進めていただいているように感じております。
一方で、金融機関の方々においても実務的な取扱いといったところにはやはり課題があ
るというお話で、それについては法務省にある程度見解を整理してもらうようにというよ
うな発言もあったように思っておりますが、もちろん法令の所管、解釈自体は、最終的に
は法務省の所管の部分と金融庁の所管の部分で異なる部分はあろうかとは思いますけれど
も、法務省の方々においてもできる限り協力をしていただきたいと思いましたのが1つ目
で、法務省にお伺いしたいなと思いました。
一方で、金融庁におかれましても、法務省などの協力もいただきながら、場合によって
は、法解釈そのものだけではなくて、監督上の目線なども含めて金融機関で気にされてい
る場合もあると思いますので、必要な見解を整理していただくなどして後押しをしていた
だきたいなと思いますが、いかがでしょうか。こちらは金融庁様のほうに御質問です。
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○中室座長
ありがとうございます。
田中専門委員、お願いいたします。
○田中専門委員
ありがとうございます。
まず、金融庁におかれましては、金融機関へ所管官庁として積極的に働きかけをしてい
ただいているということで、この点はありがとうございました。引き続きよろしくお願い
したいと思います。
既に増島専門委員から御指摘があったところですけれども、民事信託についてはあまり
これまで働きかけをされてこなかったと受け取りました。認知症の方には様々な御事情が
ありますので、そういった方に寄り添った対応をしていくには選択肢を増やすことも非常
に重要ではないかと思われます。
金融機関に促す際には、1つの制度だけを促すというよりは、選択肢の一つとして民事
信託も含めて様々な選択肢があるということをしっかりと働きかけていただきたいと思い
ますので、その点をよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
では、法務省さん、落合委員の質問に対してよろしいでしょうか。
○法務省(渡辺参事官)
法務省民事局の渡辺でございます。
御指摘いただきましたとおり、我々といたしましても金融庁様との連携が必要不可欠か
なと思っておりますので、引き続き検討をさせていただければと思ってございます。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
では、金融庁さん、お願いいたします。
○金融庁(大江課長)
ありがとうございます。
御指摘いただいたとおり、成年後見人制度以外のものも含めて選択肢をという話や御意
見を承りました。
一方で、高齢者の財産管理における民事信託の意義については承知しておりますけれど
も、一方で不正利用の防止という観点も重要と考えてございます。お話がありましたとお
り、民事信託というのは非常に便利で、信託という仕組みの性質上様々な組み方ができる
ということもあるかと思いますけれども、一方で第三者の目が行き届きにくい形に仕組ま
れる可能性もございます。
実際、私どもが出ております、先ほど申し上げました成年後見制度利用促進専門家会議
の中でも、それ以外のものも含めて、マネロンに悪用されるおそれがあるとか、成年後見
制度の潜脱に使われるといった御指摘もなされているとも認識をしてございます。こうい
った背景については御理解いただければ幸いでございます。
その上で、金融機関が民事信託を取り扱うに当たりましては、こうした民事信託に固有
のリスクについてもしっかりと認識をいただいた上で、適切な管理体制を構築する必要が
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あると思います。
菊永先生からもありましたけれども、そういったことには当然コストもかかってくるで
しょうし、その辺りが金融機関として足踏みをする理由となっている可能性はございます
けれども、そういった様々な課題があるといったことを含めて、実務の状況を把握したり、
課題があれば必要に応じて対応していきたいと考えております。
○中室座長
ありがとうございます。
それでは、時間も押しておりますので、論点3に移ってまいりたいと思います。「公証
役場における手続の利便性向上」について御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。
では、村上専門委員、お願いいたします。
○村上(文)専門委員
村上です。どうもありがとうございます。
私からは法務省さんに3点ほど質問をしたいと思います。
まず、公正証書作成手続のデジタル化は順調に進められているということで、ありがと
うございます。
来年度上期に施行されて、システムもできるということですが、その後、実際に使って
もらわないといけないと思いますが、利用促進策についてどのようなことを考えてらっし
ゃるのか、また、それは公表する予定があるのかが1点目です。
2点目が、実際デジタル化をすることによって1件当たりの作成日数が短くなるのか、
また、デジタル化による手続を全体の公正証書作成の何割ぐらいまで持っていこうとして
いるのか、そういった目標があれば教えていただきたい。
3点目、デジタル化の利用促進のインセンティブとして、デジタル化した場合、1件当
たりの手数料を例えば安くするとか、そういったインセンティブ設計は何か考えていらっ
しゃるのか。この3点について教えていただければと思います。よろしくお願いいたしま
す。
○中室座長
ありがとうございます。
では、杉本座長代理、続けてお願いいたします。
○杉本座長代理
ありがとうございます。
私も法務省さんに2点ほど質問させていただきたいと思います。
まず1点目は、確認の意味ですけれども、公証人の方も様々な方がいらっしゃいますの
で、利用者の方との相性みたいな、相性がいいとか悪いといったことが生じてくるのも仕
方がないところかなと思いますが、中には公証人の方から高圧的な対応されたとか、利用
者が意図しないような契約内容に契約書の変更を求められたといった話も聞くところであ
りますので、オンライン化やデジタル化の意義というのは、手続が便利になって効率化す
るということだけではなく、利用者側の選択肢が増えるということも非常に重要な意味が
あると思っておりますが、そういった選択肢という点において1点確認があります。
例えば、東京にいる者が東京とは異なる遠方の、極端に言うと、東京にいながら北海道
の公証役場の公証人の方に依頼をするような、東京以外の場所の公証役場を活用すること
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もデジタル化によって可能になるのでしょうかということを確認させていただきたいと思
います。
2点目は、公証役場ごとに対応が異なるといったこととの関連で、昨年の規制改革の実
施計画の中では、相談窓口の設置や公証役場での利用の実態把握を行うということが言及
されておりますところ、相談窓口の現在の設置状況とか調査状況、調査結果を踏まえた法
務省としての対応について、現時点で何かありましたら教えていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○中室座長
ありがとうございます。
では、法務省さん、お願いいたします。
○法務省(内野審議官)
御質問ありがとうございました。
まず、公証手続のデジタル化に関しましても促進策をという御指摘をいただきました。
まだ、制度は具体的な営みが始まっていない段階ということも踏まえますと、何よりも周
知・広報で、こういった利便性がありますよということを適切にアピールしていく、ここ
がまず最初の第一歩ではないかと考えております。
そういう中で、世の中の認識も高まり、公証人のほうもデジタル化された手続を適切に
使うスキルも高めていく、こういうことが相乗効果となって促進されていくものだと思っ
ておりますので、まずは第一歩のところをしっかりやっていきたいと考えております。
公正証書の作成日数はどの程度なのかといった御指摘もいただきました。これも、今言
ったような公証人のスキル、またこれを受けていただく嘱託人である国民の皆様方の対応
の在り方、これにも大きくよるところがありますので、具体的にこの程度ということはな
かなか現段階で申し上げにくいところはあるのですが、デジタル化の最もメリットと言わ
れているものが、手続が簡便にスムーズに進むといったところにあろうかと思いますので、
ニーズに応じまして適切な期間で作成手続が進むことを目指してまいりたいと考えており
ます。
また、先ほど何割かに持っていきたいかという数字のようなものでありますが、現在は
まだそういった数字は持ち合わせておりませんけれども、今申し上げたようなところから
すれば、やはり適切に使っていただく、割合も適正なものとして増えていく、こういった
ことが一つの目標ではないかと思っております。
あわせて、手数料の点も御指摘がございました。手数料はまさに事件動向や実際の実情
を踏まえて国民に公平・適切な負担をいただくというものでありますので、この辺りはそ
ういった動向を見ながら引き続き検討してまいりたいと思います。どういった水準になる
のか、促進策という点は非常に重要なのですけれども、全体のバランスの中で検討してい
くべきものだと考えております。
続いて、公証人の相性等という御指摘を杉本先生からいただきました。その中で、遠方
の公証役場も活用できるかという点の御確認でしたが、現在も公正証書の作成につきまし
て管轄という概念はございませんで、作成依頼は全国のどの公証人に対しても可能であり
22
ます。
これまでは対面の手続が必須でありましたために、事実上、遠方の公証人に依頼するこ
とは困難でございました。改正法の施行後は、対面の手続は必須ではなくなりまして、オ
ンラインでの依頼、作成、交付が可能となるということであります。したがいまして、御
認識のとおり、遠方の公証役場の活用が容易になるために、利用者の利便性は向上してい
くものだと考えておるところでございます。
あわせて、公証役場の事務の状況調査等々という点についての御質問がございました。
御指摘の中にもございましたけれども、公証サービスは国の基本インフラだということで、
公証人ごと、公証役場ごとに扱いが異なるということや、そういうことを原因としまして
利用者の利便性が損なわれているという指摘があったということを踏まえまして、必要な
実態調査、指導を行ってきておるところでございます。近時は、取扱いが異なるといった
ことがないように、新任の公証人に対する研修内容をより充実させるといったことも行っ
ているところでございます。
また、相談窓口につきましては、公正証書に関するものではございませんけれども、既
に開始している認証に関する業務におけますデジタルサービスの適切な提供という観点の
問題意識を持ちまして、昨年から法務省のウェブ上に相談窓口を設置しております。利用
者の声を聴くなどいたしまして実態把握に努めているところであります。
窓口に寄せられた意見の中には、主にシステムを利用する場面で公証人と利用者の意思
疎通がうまくいかず、デジタルサービスを提供してもらうことができなかったと誤解され
た利用者が多かったため、公証人に対しデジタルサービスについて適切な知識を持った上
で丁寧な説明をするよう、継続的に指導等を行っているところでございます。
本年度は、デジタルサービスの提供状況について重点的に対応を行っていたところでご
ざいますけれども、公正証書のデジタル化を見据えまして、公正証書に関する業務につい
ても、近日中にウェブ上に相談窓口を開設しまして、利用者の声を聴くなど、適切に実態
把握に努めていきたいと考えております。
今後とも、公証業務の適正化を図るために法務局に行わせております公証役場への立入
調査を含めまして、法令に基づく公証に対する監督・指導権限を適切に行使していくなど、
適正業務が行われるように努めていきたいと考えております。
○中室座長
ありがとうございます。
村上委員、杉本委員、更問はございますでしょうか。
○村上(文)専門委員
御回答ありがとうございます。1点だけコメントです。
デジタル化そのものが目的化するのではなく、デジタル化によって誰がどのようなメリ
ット、便益を受けるかが大事だと思いますので、ぜひそういった目標設定を御検討いただ
き、それを踏まえていろいろな施策を打っていただければと思いますので、どうぞよろし
くお願いいたします。
私からは以上です。
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○中室座長
杉本委員。
○杉本座長代理
ありがとうございます。
御回答ありがとうございます。
1点目の質問について、管轄等もなく、デジタル化によって今後全国どこでも様々な公
証役場を活用できるということで御回答いただいたと認識しておりますが、そうだとしま
すと、例えば、デジタル化への対応がすごく迅速で、あるいは作成日数が簡潔に短く対応
してくれるとか、丁寧な対応をしてくださるとか、そういった公証人の方が評判になって、
あるいは専門分野としてこの分野についてはすごく迅速に的確なアドバイスをくれるとか、
そういったことで、今まで近場の公証役場に行かざるを得なかったところが、公証人の方
でも評判になる人がいて、そこに依頼がたくさん行くようになるといったことが今後生じ
得るという認識でよろしいでしょうか。
○中室座長
法務省さん、お願いいたします。
○法務省(内野審議官)
杉本先生、ありがとうございます。
御指摘ですが、一般論としてはそのようなことも事件傾向として起こり得ると思ってお
ります。
それでも、そういった傾向の中で、公証業務が国の基本インフラであると。また、デジ
タル化というものも、御指摘いただきましたとおり、それ自体が目的というよりも全体の
利便性、国民にやさしい手続というところが重要だという御指摘もいただきましたので、
全体を見ていく中では、競争はあるけれども、全体のバランスということも両方を見なが
ら適切なサービスの提供を旨として考えてまいりたいと考えております。
○杉本座長代理
○中室座長
ありがとうございます。
ありがとうございます。
それでは、以上で議題1を終了したいと思います。
議題1の取りまとめをさせていただきます。法務省及び金融庁におかれましては、議題
1について、本日の議論を踏まえまして必要な検討を速やかに行っていただき、措置をす
るようにお願いをいたします。
具体的には、法務省さんにおかれましては、超高齢社会における認知症などの社会課題
に対応するためには、民事信託の活用が有効な選択肢となり、今後拡大していくことが望
まれるものの、知名度が低いこと、仕組みを十分に理解されていないこと及び仕組みの担
い手が不足していることを踏まえ、財産管理・死亡後の財産継承までを円滑に行う観点か
ら、親族、専門家の疑義を解消し、契約を円滑に行えるよう、一般の方向けには、他の財
産管理・継承の仕組みと比較したメリット・デメリットなどを掲載した分かりやすいパン
フレットやリーフレットなどを、専門家向けには、一般的な家族間での民事信託の基本的
な契約の形や留意すべき事項などをはじめとするガイドラインや手引書などを作成してウ
ェブサイトで公表するなど、親族間での信託契約の利用の円滑化を図るよう努力していた
だきたいと思います。
24
また、これらのガイドライン等については、士業団体のほか、地方公共団体や法務局と
いった関連機関に向けての周知もお願いいたします。
現在進められている公正証書の一連のデジタル化については、専門性があったり、混雑
していなかったりする遠方の公正役場の利用が可能になるなど、利用者目線での取組を進
めていただきたいと思います。その際、オンライン手続がスムーズに導入できるよう、公
証役場側、利用者側が分かりやすい設計や周知を行うことをお願いいたします。
金融庁様におかれましては、法務省に作成を要請したガイドライン等について、特に信
託口口座に関する部分など、金融機関が関わる部分もあることから、積極的に法務省に協
力していただきたいと思います。
親族間の信託契約について、金融機関での認知度や理解度向上を図るために、法務省の
ガイドライン等を金融機関に周知し、所属行員に財産管理に有益な民事信託制度を認知し
てもらえるよう促していただきたいと思います。
その際、一般口座では後にトラブルが起こり得ることも併せて周知し、金融機関が行う
認知症や高齢者等の財産管理の好事例や金融機関の信託口口座の開設時等の実務上の不明
な点に関する対処の好事例を、金融機関や関係団体にヒアリングした上で周知することを
お願いいたします。
では、以上をもちまして議題1を終了いたします。議題1の関係者はここで御退室くだ
さい。
(議題1関係者退室)
○中室座長
ここから議題2に入りたいと思います。「「相続手続の効率化」に関するフ
ォローアップ」でございます。
令和5年に閣議決定された規制改革実施計画においては、法務省において、行政手続に
よる戸籍謄本の添付省略を可能とする戸籍電子証明書提供用識別符号について、オンライ
ン申請やオンライン発行の実現を進めるとされているところ、現在の取組状況と今後の見
通しについて御説明を伺いたいと思います。
それでは、法務省から5分程度で御説明をお願いいたします。
○法務省(内野審議官)
法務省の内野でございます。
議題2の「「相続手続の効率化」に関するフォローアップ」について御説明させていた
だきます。
資料2を共有していただけますでしょうか。
1ページ目でございます。
令和5年度の規制改革実施計画におきまして、相続手続の効率化の実施事項aとして掲
げられた内容は大きく2点でございます。1点目は、戸籍電子証明書提供用識別符号のオ
ンライン請求・発行に関する工程表を作成するというものになります。2点目は、いわゆ
る改製不適合戸籍として紙での管理を行っている戸籍をコンピューター化していく取組に
ついてとなります。
25
それぞれの状況について順に御説明いたします。
まず、黒字部分の戸籍電子証明書提供用識別符号の、以降「識別符号」と発言させてだ
きますが、オンライン申請の実現について説明させていただきます。
規制改革実施計画においては工程表を作成するとされているところ、これに基づき令和
6年1月に作成した工程表を次ページに掲載してございます。赤枠で囲んだ矢羽根の部分
にありますが、オンラインによる旅券発給申請におけるシステム連携の実現を大きな目標
としておりました。また、その下の矢羽根部分、開始時期は未定としておりますけれども、
旅券発給申請以外の手続についても実現に向けた調整を進めることとしております。
この工程表に基づく進捗状況ですが、3ページでございます。
工程表のとおり順調に進捗しております。今年度末を目標としていた旅券申請だけでな
く、在外公館での証明やマイナ免許証に関する手続についても、本月24日から情報連携を
開始する予定となっております。また、来年度以降にもこの対象手続を拡大するための調
整を進めている状況でございます。
ここで、識別符号を利用した情報連携の仕組みについて簡単に申し上げます。4ページ
でございます。
これまで戸籍証明書の提出が必要となる場合に、市区町村の窓口や郵送で紙の証明書を
取り寄せて提出する必要がございましたけれども、識別符号の利用によりまして右側の図
の流れで手続を行うことが可能となります。
旅券の申請を例にいたしますと、申請者がマイナポータルから手続を行う一連の操作の
中で識別符号の発行を受け、申請に関する情報とともに該当の識別符号をパスポートセン
ターに送信をいたします。パスポートセンターでは、受信した識別符号により法務省のシ
ステムから戸籍電子証明書を取得して審査を行うことができますので、申請者と紙の証明
書のやり取りをする作業が不要となります。先ほど申し上げましたとおり、本月24日から
旅券発給申請等の手続においてこの仕組みが導入されます。
まずは安定した運用を実現することが第一となりますけれども、対象となる手続の拡大
についても、先ほど申し上げましたとおり調整を進めてまいりたいと考えておるところで
ございます。
続きまして、5ページでございます。
改製不適合戸籍の解消に向けた取組の状況について説明いたします。黒字部分の部分の
ところでございます。
6ページで、先に改製不適合戸籍とは何かということを若干御説明させていただきます。
全国の市区町村において、戸籍事務をコンピューター化する際、戸籍の記載内容に誤りが
あったことなどによりコンピューターへの移行ができず、紙での管理を継続することとな
った戸籍をこのように呼んでおります。
代表的な例といたしましては、氏名の文字がコンピューターでは使用できない誤字で記
載されていて、本人が正字への引き直しに反対の意思を表明された場合、存在しない日付
26
が記載されている場合が挙げられます。
それでは、この点についての進捗状況でございます。先ほどの規制改革実施計画の中に、
電子化によって享受できるメリットという記載がございました。まさに令和6年3月から、
戸籍証明書の広域交付や市町村間の情報連携による戸籍証明書の添付省略などの取組を開
始したところであり、電子化のメリットが拡大している状況と言うことができるかと思い
ます。
法務省といたしましても、電子化による恩恵を国民の皆様に実感していただくため、①
~④に記載してございます対策によりまして、改製不適合戸籍の解消に努めております。
令和6年11月までの間で全体の約1割に当たります828戸籍の解消につなげたところでご
ざいます。
一方で、改製不適合戸籍の大半は誤字を要因としているところでございます。その根底
には、御本人様の文字への愛着があると考えられます。そのため、この解消の特効薬とな
るような対策がないというのが実情でございます。これからも地道な周知・説明を続けて
いく必要があると考えております。
引き続き、個別の要因分析を行うとともに、解消が進んだ市区町村の好事例を紹介する
などいたしまして、市区町村に御協力をいただきながら継続した取組を進めてまいりたい
と考えております。
私からの説明は以上でございます。
○杉本座長代理
ありがとうございました。
議事の途中ではございますが、最初に事務局より御連絡がありましたように、中室座長
が所用のため御退席されましたので、この後の議事進行は私、杉本が進めます。
それでは、質疑応答に移りたいと思います。限られた時間のため、御質問、御回答とと
もに簡潔にお願いいたします。また、議論を円滑に行うため、事務局におかれましては、
委員、専門委員からの質問を要約し、画面に投映していただきたいと思います。
議題2の質問・御発言については、先ほどの関係者の御説明を踏まえてお伺いしていき
たいと思います。
それでは、御発言を希望される方は挙手機能でお知らせください。
最初に、戸田委員からお願いします。
○戸田専門委員
ありがとうございます。
まずは、戸籍電子証明書提供用識別符号の利活用・推進について、工程表どおりに着実
にお進めになっていることに対しまして感謝を申し上げるところでございます。この利活
用が進むことで、国民の利便性や行政機関、民間事業者の効率性が大幅に向上すると期待
しておるところでございます。
その上で2点質問させていただきたいのですけれども、旅券の発給申請以外に、今日の
テーマである相続手続における識別符号の利用についてはどういう状況になっております
でしょうかというのが1点目でございます。
27
それから、令和5年度の実施計画の中には、これ以外に法定相続情報証明制度の相続人
関係図の写しの電子交付といったものも内容として入ってございました。これが実現しま
すと、戸籍証明書の情報を受け取った行政機関とか民間事業者のほうでこれを確認する作
業が不要になるということで、更なる効率化が進むことが期待されるわけですけれども、
これについての進捗状況もお聞かせいただければと思います。
以上でございます。
○杉本座長代理
ありがとうございます。
続いて、川邊委員、お願いいたします。
○川邊委員
質問をさせていただきます。法務省にお伺いいたします。
戸籍証明の電子化を活用するに当たって、戸籍電子証明提供用識別符号、これ自体の名
前をもっと民間に親しみやすい名前にしたほうがいいのではないかなと思いますけれども、
そういうパスワードを入れる必要があるわけですよね。このパスワードについては、今月
末の3月24日からマイナポータル上で無料で取得できると聞いております。これ自体はす
ばらしい展開かなと思っています。
その上で、1点確認と1点意見を申し上げたいと思います。
マイナポータル上でパスワードを取得する手続は、デジタル完結という理解でよろしい
でしょうか。手続の一部がアナログになっていないかを念のため確認させていただきたい
なと思います。これが確認です。
2点目は意見ですけれども、今、各市町村のウェブサイトでは、市町村の窓口において
有料でパスワードを取得するような案内がなされています。今月末以降はマイナポータル
上で無料で取得できるということで、これはダブルスタンダードになってしまうと思うの
ですけれども、今後は市町村のウェブサイト等でマイナポータルでの手続が標準になるよ
うに分かりやすく動線を作ってもらう必要があると思います。法務省においては、そうい
ったところの周知を地方公共団体や国民に対してぜひ積極的に行っていく、あるいは働き
かけていくことをやっていただきたいと思っております。これに関しては、意見ではあり
ますけれども、御見解をいただければと思います。
以上、質問を申し上げました。
○杉本座長代理
ありがとうございます。
それでは、法務省さん、御回答をお願いいたします。
○法務省(国分参事官)
法務省民事局の参事官の国分と申します。
御質問ありがとうございました。
まず、戸田先生から御質問していただいた、相続手続における利用の導入予定について
でございます。令和7年度中に相続人申告登記等の一部の不動産登記手続において戸籍電
子証明書の利用が可能となるように調整を進めているところでございますが、戸籍電子証
明書の利用に当たっては、利用先のシステムにおける準備も必要となる上、戸籍情報連携
システムの性能への影響も考慮する必要があることから、今月24日から開始する手続の利
28
用状況を注視しつつ、利用拡大に向けた調整を進めてまいりたいと考えているところでご
ざいます。
2点目の法定相続情報証明制度を含む相続人の手続の緩和に向けた規制改革推進会議の
御指摘につきましては、今回は対象とはなっていないところでございますので詳細な御説
明はできないところですが、デジタル庁とともに相続人の負担の手続については検討を進
めているところでございますので、また、このような機会があれば御報告させていただき
たいと思っております。
続きまして、川邊先生から御質問をいただきましたデジタル完結でございますが、御指
摘の点については、マイナポータルで戸籍電子証明書提供用識別符号を、本当に申し訳な
いと思います、分かりやすくできればいいと思うのですが、そういう法律上の用語になっ
ていますが、これを取得する手続についてはデジタルで完結することができることになっ
ているところでございます。
その上で、これがマイナポータルでは無料で、市町村に取りに行くと有料になってしま
うというところでございますが、この手続について市区町村に対してマニュアルを送付し
たところでございまして、法務省のホームページでの案内も予定しているところでござい
ます。これらにつきましては、外務省等での広報も実施されると承知しておりますが、そ
のための情報提供の協力もさせていただいているところでございます。先生の御指摘も踏
まえて、今後の市町村への周知内容については更に検討したいと思っております。
○杉本座長代理
ありがとうございます。
戸田専門委員、川邊委員のほうから更問はありますでしょうか。
戸田専門委員、お願いします。
○戸田専門委員
ありがとうございます。
着実に適用範囲を広げていただいているということで、感謝を申し上げます。
1点気になった点がございまして、性能問題があるということで、これはいろいろなと
ころで話が出てくるのですけれども、戸籍情報連携システムに性能の課題があるというこ
とと、実際の全体のシステムの中で自治体職員の人手によるプロセスが介在しているとい
うことで、受付できる点数に制約があるというようなお話ではないかなと思うのですけれ
ども、実際に広域交付利用を抑制している自治体もまだ多い状況でございますし、今後、
職務上請求とか、少子化に伴って兄弟姉妹とか甥、姪といった人たちからの請求のニーズ
も高まると思いますので、システムの見直し等もぜひ進めていただければと思います。
以上でございます。
○杉本座長代理
ありがとうございます。
法務省さんのほうから何かございますでしょうか。
○法務省(国分参事官)
昨年3月以降の広域交付の運用開始後、トラブルが発生してい
るところは非常に申し訳なく思っているところでございますが、これらのトラブルは発生
の当日又は数日後に解消したり、現在は問題のない状況となっているところでございます。
29
今後、戸籍電子証明書の利用開始に向けては、過去のトラブルを踏まえたテスト内容の
見直しなどを行っておりまして、関係省庁のシステムとの間でも実際の手続を想定したテ
ストを実施しているところでございます。その結果、運用開始に特段の問題はないと判断
しているところでございますが、システムの機能変更時にトラブルが発生する例はいろい
ろあるところがございますので、トラブルが仮に発生したとしても迅速に対応できるよう
な体制を整えてまいりたいと思っております。
○杉本座長代理
ありがとうございます。
ほかに御質問等はございますでしょうか。
○川邊委員
川邊です。
コメントですけれども、マイナンバーカード及びマイナポータルの意義というものが国
民からすごく問われている局面で、これは非常に分かりやすいメリットだと思いますので、
ダブルスタンダードのままよく分からないねという評価にならないように、マイナポータ
ルから無料で取得できるという周知はきっちりとやっていただきたいと思います。その点、
先ほどのコメントで理解しましたけれども、改めて念押しでよろしくお願いします。
○杉本座長代理
片桐委員、お願いします。
○片桐専門委員
私のほうからも、今の川邊委員のコメントに付言させていただきたいと
思います。
この番号の利用は、名前も何とかしてほしいというのも本当にそうですけれども、最初
の議題と同じで、ユーザーサイドからどう見えるかということが徹底的に重要だと思うの
です。制度がこうなりましたとか、外務省さんのほうでパスポートについて必要な場合に
はこういうところを見ていただければ分かりますよといった間接的な周知ではなくて、も
う少し利用者目線に立ったPRをお願いしたいと思います。
また、この何とか番号は有効期限が3か月ということですよね。3か月となると、必要
にならないと取りに行かないという話でもあるかと思うのですけれども、その辺りはそれ
で本当に利便性がいいのかということは御検討いただけないかなと思いました。
私のほうから以上です。
○杉本座長代理
ありがとうございました。
法務省のほうから御回答をお願いできますでしょうか。
○法務省(国分参事官)
川邊先生、片桐先生、どうもありがとうございます。
先生方がおっしゃるとおり、戸籍電子証明書提供用識別符号を使うことによってマイナ
ポータルで完結してパスポートの申請ができるというのは非常に重要な施策だと思ってお
りますので、法務省としても積極的に周知してまいりたいと思っております。
その上で、3か月の有効期間がどうかというところは、御指摘を踏まえて検討させてい
ただければと思います。どうもありがとうございます。
○杉本座長代理
ありがとうございました。
ほかに先生方、よろしいでしょうか。
30
それでは、時間も参りましたので、議題2「「相続手続の効率化」に関するフォローア
ップ」の議事はここまでとさせていただきます。
法務省におかれましては、引き続き必要な取組を進めていただくとともに、本日の議論
を踏まえ、国民の利便性向上の観点から更なる改善を図るようお願いいたします。
具体的には、デジタル完結を促すため、戸籍謄本の添付省略及び戸籍電子証明書提供用
識別符号取得手続のサービス案内に当たっては、サービス利用者の動線にも配慮し、マイ
ナポータルによるオンライン取得が推奨され、窓口での手続は補完的であるとの印象を受
けるサービス案内をしてもらうよう、地方公共団体や関係機関に協力要請を行うことをお
願いいたします。
それでは、法務省におかれましては、本日はお忙しい中、ありがとうございました。「退
出する」のボタンより御退室ください。
(議題2関係者退室)
○杉本座長代理
以上で議事が全て終了いたしましたので、本日のワーキング・グループ
を終了したいと思います。
速記はここで止めてください。また、事務局はユーチューブの配信を止めてください。
31
資料1
資料1-1
第2回
デジタル・AIワーキング・グループ
超高齢社会に対応した親族間での信託の活用による柔軟な資産管理の推進
民事信託の実状と課題
2025年3月13日(木)
広島弁護士会
高齢者・障害者等の権利に関する委員会
委員 弁護士 菊永 将浩
1
自己紹介
〇信託関係団体への所属等
・日弁連信託センター幹事(2017年6月~)
⇒ 現在、日弁連信託センターの信託税制部会に所属し、信託税務の研修
会や税制の問題点の議論などを行っている。また、2020年9月策定の
「信託口口座開設等に関するガイドライン」の策定にも関与。
・広島弁護士会高齢者・障害者等の権利に関する委員会 委員
・(一)家族信託普及協会 会員 家族信託専門士
・(一)民事信託活用支援機構専門家協議会会員
・(一)民事信託推進センター会員(民事信託士)
〇民事信託の実績等
これまで、民事信託の契約に200件以上関与するとともに、民事信託の
実務書籍も執筆。
など
2
第1 民事信託とは
第2 民事信託の利用状況
第3 民事信託の多様な利用例
第4 民事信託の普及に向けた課題
3
第1 民事信託とは
民事信託とは、財産の所有者【委託者】が、信頼できる人(例:子など)【受託者】に
対し、将来、自らが加齢等により認知・判断能力が低下・喪失した時などに備え、元
気なうちに、予め自己の財産の全部又は一部【信託財産】の管理・処分を任せるとい
う財産管理及び財産承継の仕組み。
<一般的な例 : 委託者=父 受託者=長女 受益者=父>
※委託者=受益者とする自益信託がほとんど
※下の例では、信託財産の管理・処分権限が長女に移っていることから、信託財産の処分に
あたり委託者兼受益者の判断能力が喪失していても有効な法律行為をなしうる。
信託契約
信託財産の移転
(所有権の移転)
委託者 兼 受益者
受託者(例:長女)
信託財産の
管理・処分
受益権に基づく給付
(管理・運用する信託財産か
ら金銭を給付)
信託財産
4
第2 民事信託の利用状況
民事信託の利用に関するデータ(公正証書の作成件数)
・ 令和5年における公正証書の作成件数は約4,500件だが、これとは別に私文書での契
約もあることから、全体の総数は、その2~3倍(1~1.5万件)ほどあると考えられる。
・ 年間1~1.5万件程度と考えても、認知症・軽度認知障害の高齢者数が1,000万人を上
回る中、認知症対策としても期待される民事信託の活用は、後見制度や遺言と比べて
進んでいない。
※後見制度の利用者数は約25万人(令和5年時点)、 遺言のうち公正証書遺言の作成数は約12万件(令和5年)
民事信託に係る公正証書作成件数
5,000
4,434
3,960
4,000
3,000
2,974
2,924
2019年
2020年
3,200
2,223
2,000
1,000
0
2018年
2021年
2022年
2023年
(参考)信託フォーラム第21号、2024年度信託法学会発表資料
5
第3 民事信託の多様な利用例
①認知症対策(高齢者の財産管理対策)
・親が、近くで支えてくれている子に、将来への備え(施設費用や病院代など)とし
てまとまったお金を信託
②親なきあと対策
・障害を持つ子の生活を支えるためのお金を家族に信託
③事業承継対策
・経営判断不能対策として、自社株を後継者に信託
④共有不動産対策
・多数の名義人がいる不動産を将来の管理のために特定の個人又は法人に権限
を集約化するために信託
6
第4 民事信託の普及に向けた課題
<主な課題>
①民事信託の知名度が必ずしも十分ではない
②民事信託の担い手である専門家が不足している
③民事信託の正確な情報が分かりにくい
④信託口口座を容易に準備できない
⑤公証役場手続が手間
7
第4 民事信託の普及に向けた課題
①民事信託の知名度が必ずしも十分ではない
(問題点)
○ 「信託」という仕組みが十分に知られていないことから、一般の方が
利用することへのためらいや不安が起きやすい。
○ 弁護士などの専門家においても、必ずしも民事信託の制度を十分に
認識しているとは言えない状況であり、認識不足により一般の方への
ご提案ができず、民事信託の活用により課題解決が出来る場合にも
それが実現されない。
〇 地方公共団体等においても制度認識が進んでおらず、業務上の取
り扱いで差が生じている。
⇒) 民事信託の利用が望ましい方(例えば、元気なうちに自分の財産
管理を信頼できる子に任せたいと考えが決まっている高齢者など)
が利用できていないので、関係者等に制度を認識・理解していた
だく必要がある。
8
第4 民事信託の普及に向けた課題
②民事信託の担い手である専門家が不足している
(問題点)
○ 民事信託を利用したい方が相談しようと思っても、相談できる専門家
が近くにいない場合や相談先さえも分からない場合がある。
○ 民事信託のニーズがあっても、仕組みづくりなどのサービスを提供
できる専門家がいない。
○ 民事信託の担い手である専門家の自己研鑽の機会が少なく、不十
分なサービス提供が起きやすく、トラブルが生じやすい。
⇒) 民事信託を利用しようとしても、相談や仕組みづくりができる専門
家に出会えないため、士業などの実務者において、制度の認識や
理解を進める必要がある。
9
第4 民事信託の普及に向けた課題
③民事信託の正確な情報が分かりにくい
(問題点)
○ 情報が散逸しており、真偽も判然としないことから、民事信託を利用
したい人が制度を調べても、どれが正確な情報が分からない。
○ 誤った情報を得た結果、トラブルに陥ったり、本来であれば民事信託
の活用が最適である場合にも他の手段を選択してしまうこともある。
⇒) 民事信託を活用したい方が、民事信託に関する正しい情報へのア
クセスが難しいため、正確な情報を国などの信頼できる機関がわか
りやすく発信する必要がある。
10
第4 民事信託の普及に向けた課題
④信託口口座を容易に準備できない
◆ 信託口口座とは、「信託財産である金銭を受託者が管理するための
口座」で、法律上の概念ではない(受託者には分別管理義務(信託法
34条)はあるが、信託口口座開設の義務はない)。
父
長男
次男
受託者
二次受託者
信託契約
委託者兼受益者
払戻請求
※当初の受託者が死亡した場合などに、
二次受託者が信託財産の管理を承継
(当初の信託契約の内容で自由に設定)
払戻
信託口口座
<口座の名称の例>
「委託者〇〇受託者△△信託口」、
「〇〇信託受託者□□」など
11
第4 民事信託の普及に向けた課題
④信託口口座を容易に準備できない
(問題点)
○ 民事信託において、実務上開設することが推奨されている「信託口
口座」がどの都道府県でも開設できる状況になっていない。
➢考えられる理由
・ 金融機関が民事信託の仕組みを十分に理解していない
・ 信託口口座における銀行の責任範囲や口座開設に当たっての手続フロー
が不明確
・ 実務上不明瞭な点(ペイオフ時の支払先、受託者変更時の対応、差押え発
生時の取扱い、契約終了時の口座終了方法)がある
⇒) 信託口口座の開設が進むよう、金融機関における民事信託の認
知度や制度の理解を進め、実務上の不明瞭な点を解消する必要。
12
第4 民事信託の普及に向けた課題
⑤公証役場手続が手間
(問題点)
○ 近くに公証役場がない方や高齢の方にとっては、公証役場まで行く
ことが大きな負担となっている(出張対応が難しい場合や時間がかか
る場合がある)。
⇒) 令和7年末までに、公正証書のデジタル作成が可能となるが、公
正証書作成の負担が軽減されるよう、利用者目線での設計が必要。
13
第4 民事信託の普及に向けた課題
【国への要望】
1.民事信託に関するガイドライン等の作成、周知(課題①~③関
係)
➣ガイドラインには、民事信託活用にあたり、利用促進に資する観点(次頁参
照)が載ることが望ましい
2.信託口口座について、金融機関への協力要請や金融機関が開
設、管理及び終了時に参考にできるQ&Aの作成・周知(課題④
関係)
➢金融機関の信託口口座開設・管理の負担軽減につながることが望ましい
3.公証役場のデジタル化にあたり、利用者目線でのデザイン設計
(課題⑤関係)
➢デジタル完結し、日本全国どこに住んでいてもサービスの恩恵を受けられる
仕組みが望ましい
14
第4 民事信託の普及に向けた課題
(参考)ガイドライン等に掲載いただきたい利用促進に資する観点
① 典型的な民事信託の活用例(前述(6頁参照)の、認知症対策、親なき
あと対策、事業承継対策、共有不動産対策など)
② 他の財産管理・継承手段(後見制度や遺言制度など)と比較したメリッ
ト・デメリット
③ 民事信託を円滑に行う上での注意点や、信託契約に盛り込むことが望
ましい事項(公正証書の作成、信託口口座の開設にあたり金融機関との
事前調整の必要性など)
④ 契約締結から契約終了までの一般的なフロー図
⑤ 頻度の高いトラブル事例及びそのトラブルを防ぐために望ましい対策
⑥ その他、注意すべき点(専門家への報酬面など)
15
第4 民事信託の普及に向けた課題
(参考)民事信託の活用が望ましい者の例
① 家族仲が良い場合(少なくとも、信頼して財産管理を任せられる者が身
の回りにいること)
② 将来への不安(認知症など)にしっかり備えておきたいという思いが強
い場合や認知症発症時に「子どもに迷惑をかけないようにしたい」という
考えを持っている場合
③ 信託による備えが他の手段による備えより負担が少ない場合(資産規
模が多い者が対象という訳ではない)
④ 障害がある家族がいる場合など、将来の財産の承継にあたって、他の
手段ではそれが実現できない場合
⑤ 任せたい財産が全財産の一部である場合
16
第4 民事信託の普及に向けた課題
(参考)民事信託のその他の課題
1 信託財産の規制
・農地を信託の対象とすることができない。
2 業法の規制
・民事信託において、士業などの専門家というだけでは受託者になることができない。
3 税務上の取扱い
・民事信託の税務について、公的見解がないことから実務での活用が慎重になっている。
例1)信託終了時の相続税の債務控除(相続税法9条の2)
→相続税法9条の2第6項が信託の終了時に適用がないことから、信託をした場合に相続税の債務
控除が受けられないのではないか。
例2)受託者のみが債務者となる借入における相続税の債務控除の可否
→委託者が債務を負わない形をとった場合において相続税の債務控除が受けられるかどうか。
例3)遺言の内容とは異なる遺産分割をした場合においては二重課税の問題が生じないような税務
の取扱いになっているが、信託の場合にも同様に考えられるか。
・民事信託の活用が難しくなる形での税務についての公式見解が示されている分野がある。
例1)空き家の譲渡所得の特別控除が信託の場合には適用されない(令和4年12月20日東京国税
局照会・回答)
4 登記上の取扱い
・信託登記、とりわけ信託目録の記載方法などについての指針がなく、登記実務にばらつきがみられる。
5 金融実務の取扱い
・民事信託に対応する金融サービス(信託内融資など)を提供している金融機関が少ない。
17
資料2
令和7年3月13日
法務省民事局
議題1について
信託法に基づく信託契約の概要
資料1-2
「信託契約」とは、信託の方法の一つであり、委託者となるべき者が受託者となるべき者との間で、①②の双方を内容とする契約を締結する
方法をいう【信託法第3条第1号】。
① 受託者となるべき者に対して財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をすること。
② 受託者となるべき者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきこと。
○ 委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によって信託の効力が生ずる【信託法第4条】。
○ 信託契約に基づく法律関係
・ 委託者は、受託者に対して財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分を行う。
・ 受託者は、信託の目的に従って受益者のために信託財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為
をする【信託法第26条】。
※ 委託者自身が受託者となることも可能(自己信託)
・
受益者は、受益権を取得して、受託者を監視・監督しながら、信託の利益を享受する。
※ 委託者が受益者を兼ねることも可能
・
信託財産は受託者に帰属するが、受託者の固有財産とは別扱いされる(信託財産の独立性。受託者の倒産の影響を受けな
い倒産隔離機能【信託法第25条第1項等】等が認められるほか、受託者は信託財産を固有財産と分別して管理する義務【信託法
第34条第1項】等を負う。)。
財産の移転
財産の給付
委託者
受託者
・ 信託財産の元の所有者
・ 信託財産の所有権を受託者
に移転
・ 信託財産の所有者
・ 受益者のため、信託事務を処理
受益者
・ 信託から生ずる利益を享受
・ 受託者の監視・監督
立法時に想定していた信託契約の活用方法
平成18年改正時には、多様な目的の下での信託において活用されることを想定。
(例)・企業の資金調達の手段としての信託(受益証券発行信託) ・高齢者の生活の支援を目的とした信託
※「受益証券発行信託」とは、受益権が有価証券化された信託をいう。
リース会社(委託者)
リース債権
高齢者(委託者兼受益者)
投資家(受益者)
③ 受益証券の売却
信託
④受益証券の購入代金
生活費等の財産的給付
信託財産
① 債権譲渡
② 受益証券
子(受託者)
リース債権
預貯金の払戻し等
自宅の修繕等
治療費等の支払
信託会社(受託者)
・リース会社が、信託会社に対し、自らの有するリース債権を譲渡し信託設定(①)
・受託者が受益証券を発行し、リース会社は、受益証券を取得(②)
・リース会社は、投資家に対し、受益証券を売却し、その対価を取得して資金調達を
実現(③・④)
・高齢者の財産管理をしながら、受託者の判断により、必要な支出等を行うこ
とが可能
・信託契約において、受益者の死亡によりその配偶者が受益者となる旨の定め
等をすることも可能
公正証書に係る一連の手続のデジタル化の概要
公正証書制度の現状
※ 公正証書とは ・・・ 法律行為その他の私権に関する事実について公証人が作成する証書(例:金銭貸借、売買、賃貸借、遺言 等)
※ 公正証書の特徴
公文書として高い証明力
原本を公正・中立な第三者機関が保管
執行力(裁判所で強制執行を行うことのできる効力)の付与(注)
私的紛争の防止
私的な法律関係の明確化・安定化
(注)金銭支払等を目的とし、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述がされた場合に付与される
■ 公正証書制度の課題
現状、公正証書に係る一連の手続は、対面・書面での手続が必須で、デジタル化に未対応
○ 規制改革実施計画(令和4年6月7日閣議決定)
法務省は、公正証書の作成に係る一連の手続について、デジタル原則にのっとり必要な見直し及び法整備を行う
〔実施時期:令和5年の通常国会に法案提出、令和7年度上期の施行を目指す〕
デジタル化の概要
公正証書に係る一連の手続のデジタル化を図る
(公証役場に出頭をせずにウェブ会議・電子署名を利用して公正証書を作成することや、証明書を電子データで受領することが可能に)
<現行の仕組み>
<デジタル化による新たな仕組み>
○ 公証役場に出頭して嘱託を行う
○ 印鑑証明書等の書面の提出が必要
○ インターネットを利用して、電子署名を付
して嘱託を行うことを可能とする
嘱託人の陳述、
○ 公証人が対面で、嘱託人の陳述聴取、
真意確認、内容の正確性の確認等を行う
○ 嘱託人が希望し、かつ、公証人が相当と
認めるときは、ウェブ会議の利用を可能とする
公正証書(原本)
○ 公正証書原本を書面で作成・保存
○ 嘱託人・公証人の署名・押印が必要
○ 電子データでの作成・保存を原則化
○ 電子署名(嘱託人はより簡易な方法も利用可)
1 嘱託(申請)
2 内容確認等
3 の作成・保存
正本・謄抄本の
4 交付
○ 公正証書の正本・謄抄本を書面で交付
○ 電子データでの受領を選択可能にする
※ 書面での交付も、引き続き選択可能
※手数料の電子納付には、既に対応済み
資料3
議題2について
令和7年3月13日
法務省民事局
1.戸籍電子証明書提供用識別符号のオンライン申請・発行の実現
資料2
令和5年度規制改革実施計画の記載内容
規制改革実施計画(令和5年6月16日閣議決定)
Ⅱ 実施事項
3.個別分野の取組
<共通課題対策分野>
(3) 民間手続等に関する見直し
a
法務省は、デジタル庁と連携し、戸(除)籍電子証明書を提供するための戸
(除)籍電子証明書提供用識別符号の発行について、オンライン申請やオンライ
ン発行の実現に向けた工程表を作成する。また、電子情報処理組織による取扱い
に適合しない戸籍(改製不適合戸籍)については、市区町村等と連携しながら該
当する国民に対して電子化によって享受できるメリットを丁寧に説明することで、
改製不適合戸籍そのものの解消を国民に促す。
1
1.戸籍電子証明書提供用識別符号のオンライン申請・発行の実現
工程表
令和5年度の規制改革実施計画に基づいて令和6年1月に作成した工程表は以下の
とおり。
令和5年度
(2023年度)
戸籍情報連携システム
設計開発の実施
令和6年度
(2024年度)
令和7年度
(2025年度)
市区町村窓口における(除)籍電子証明書提供用識別符号の請求・発行の実現
オンラインによる旅券発給申請における戸籍電子証明書提供用識別符号
のシステム連携に向けた関係機関との調整及びシステム設計開発の実施
オンラインによる旅券発給申請における、
戸籍電子証明書提供用識別符号のシステ
ム連携の実施(オンライン請求・オンラ
イン発行)
旅券発給申請以外の手続における戸籍電子証明書提供
用識別符号のオンライン請求・オンライン発行に向け
た関係機関との調整及びシステム設計開発の実施
※開始時期は調整中
除籍電子証明書提供用識別符号のオンラ
イン請求・オンライン発行に関する実現
可否の検討の実施
2
1.戸籍電子証明書提供用識別符号のオンライン申請・発行の実現
進捗状況
➢ 工程表に基づいて順調に進捗
➢ 以下の手続について、令和7年3月24日から戸籍電子証明書提供用識別符
号のシステム連携を開始する予定
① 旅券発給申請手続
② 在外公館における身分関係事項等に関する証明手続
③ マイナ免許証の本籍情報変更手続
※マイナ免許証のみを有する者のみ
➢ 国民に向けた周知広報を実施中
➢ さらなる利用手続の拡大については、運用状況及びシステム機器・経費へ
の影響を見ながら、継続して検討
➢ 令和7年度にもさらなる手続での開始を予定
3
【参考】戸籍電子証明書提供用識別符号の利用について
戸籍電子証明書とは
• 行政機関の間でやり取りされる電子的な戸籍証明書
戸籍電子証明書提供用識別符号とは
• 戸籍証明書と一対になったパスワード(数字16桁)
• 行政手続の利用者は、識別符号を取得して提示することにより、紙の戸籍証明書の提出を省略することが可能となる。
戸籍電子証明書の利用イメージ
これまで
紙で発行された戸籍証明書を手続先の行政機関に提出
申請者(国民)
令和7年3月24日~
<マイナポータルから旅券申請を行う場合>
②申請書
+戸籍証明書提出
申請者(国民) ①申請情報+識別符号送信
マイナポータル
市区町村
①戸籍証明書取得
戸籍電子証明書提供用識別符号を提出
行政機関
(パスポートセンター等)
① 市区町村窓口又は郵送により紙の戸籍証明書を取得
② 取得した紙の戸籍証明書を手続先の行政機関に提出
紙の戸籍証明書のやり取りが発生
法務省
行政機関
(パスポートセンター等)
②識別符号に対応する
※ 市区町村の窓口で識別符号を取得することも可能
戸籍電子証明書を連携
① マイナポータルから行政手続を行い、申請情報とともに識別符
号を手続先行政機関に送信
② 行政機関が識別符号を使って法務省から戸籍電子証明書を取得
紙の戸籍証明書のやり取りが不要に
4
2.改製不適合戸籍の解消に向けた取組
令和5年度規制改革実施計画の記載内容
規制改革実施計画(令和5年6月16日閣議決定)
Ⅱ 実施事項
3.個別分野の取組
<共通課題対策分野>
(3) 民間手続等に関する見直し
a
法務省は、デジタル庁と連携し、戸(除)籍電子証明書を提供するための戸
(除)籍電子証明書提供用識別符号の発行について、オンライン申請やオンライ
ン発行の実現に向けた工程表を作成する。また、電子情報処理組織による取扱い
に適合しない戸籍(改製不適合戸籍)については、市区町村等と連携しながら該
当する国民に対して電子化によって享受できるメリットを丁寧に説明することで、
改製不適合戸籍そのものの解消を国民に促す。
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2.改製不適合戸籍の解消に向けた取組
進捗状況
各市区町村の実態を把握し、改製不適合戸籍となった要因を分析した上で段階的に対策を
実施している。これまで市区町村の協力の下、実施した対策等は次のとおり。
① 各市区町村から改製不適合戸籍の情報を
9500
<改製不適合戸籍数の推移>
収集・整理
② 改製不適合戸籍の要因(文字含む)分析
③ 市区町村に対し、上記②の結果、解消が
9000
8500
可能と考えられる戸籍について確認・検
討を依頼(802市区町村において実施)
9136
9050
8791
8000
8308
④ 市区町村において、上記③を検討し、解
消可能な改製不適合戸籍について改製作
業を実施
7500
R5年4月時点
R5年8月時点
R6年2月時点
R6年11月時点
R5.4-R6.11の間で828戸籍が解消
さらに要因及び解消事例の分析を行い、好事例の横展開を含めて解消に向けた取組を継続的
に進める。
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