議事録
第1回
デジタル・AIワーキング・グループ
議事録
1.日時:令和7年3月4日(火)14:00~16:00
2.場所:オンライン会議
3.出席者:
(委員)
中室
牧子(座長)
(専門委員)住田
智子、田中
良弘、戸田
村上
将一、増島
雅和
文雄、村上
文洋、片桐
(事務局)
大平参事官
(関係者)
望月
治彦
三井不動産株式会社総務部
奥田
啓介
住友不動産株式会社企画本部
堀切
隆史
住友不動産株式会社企画本部管理部
大田
倫史
住友不動産株式会新築そっくりさん事業本部
企画管理部工事課
直人、
法務担当 フェロー
企画調査室長
文書課長
課長代理
大島 千賀子 富士通株式会社ソーシャルシステム事業本部
コンストラクション事業部
川口
直人
富士通 Japan 株式会社ソーシャルシステム事業本部
コンストラクション事業部
安蔵
真紀
マネージャー
シニアマネージャー
富士通 Japan 株式会社ソーシャルシステム事業本部
コンストラクション事業部
疋田
知也
富士通株式会社グローバル政策推進本部政策連携部
堤
洋介
国土交通省
渡邊
哲至
国土交通省不動産・建設経済局
甲斐
一洋
国土交通省不動産・建設経済局建設業課
大臣官房審議官(不動産・建設経済)
建設業課長
建設業技術企画室長
4.議題:
(開会)
議題1. 建設業における契約手続について
議題2.営業所専任技術者の兼務について
議題3.規制改革ホットライン処理方針について
(閉会)
5.議事録:
○大平参事官
定刻となりましたので、ただいまから規制改革推進会議第1回「デジタル・
AIワーキング・グループ」を開催いたします。
1
委員、専門委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にあ
りがとうございます。
後ほど座長から御説明いただきますが、本ワーキング・グループは、旧公共ワーキング・
グループが改組されまして新たに設置されたものとなります。事務局は、旧公共ワーキン
グ・グループから引き続いて大平が担当しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、事務局から、会議に関する連絡事項を申し上げます。
本日はオンライン会議となりますので、会議資料は画面共有いたしますが、お手元にも
御準備いただければと思います。会議中はカメラをオンにしていただき、発言者の声がは
っきり聞き取れるよう、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願い
いたします。御発言される際にはミュートを解除していただき、御発言後は再びミュート
に戻していただきますよう、御協力をお願いいたします。
続きまして、本日のワーキング・グループの出欠状況について報告いたします。杉本委
員、川邊委員、落合委員、林委員が御欠席との御連絡を承っております。
また、本ワーキング所属委員のほか、スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・
グループから増島専門委員が御出席されています。
続きまして、本日は本ワーキング・グループの開催に当たりまして、平大臣からビデオ
メッセージをいただいておりますので、再生させていただきます。
○平大臣(ビデオメッセージ)
皆さん、こんにちは。規制改革担当大臣の平将明です。
今日は、第1回のデジタル・AIワーキング・グループということで、皆様におかれまし
てはお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
入閣する前から、私は「自民党AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」で特に生
成AIの政策を作ってきたところでありますが、このたび、政府としてしっかりとイノベー
ションとレギュレーションの平仄を合わせていこうという趣旨で、このAIワーキング・グ
ループをつくらせていただいたところでございます。
AIは進化が激しいので、最先端のAIがどのようなスピードで進化をしていくか、正直分
からないところがありますが、日本としては、人手不足、高齢化社会など様々な課題もあ
り、AIがフル実装できる数少ない先進国であろうと思っております。
日本は、EUのようなAIを切り口に包括的なハードローでの規制をする方針ではありませ
んので、ぜひ皆さんの議論を通じて、AIをフル実装し、社会の課題を解決し、その後、世
界に展開ができる、そういった環境を整備していただければと思っております。
第1回目となる本日は、建設業界における電子化、DXを通じた人手不足解消について議
論されると聞いておりますので、ぜひとも積極的な御議論をいただきたく、よろしくお願
いいたします。
○大平参事官
ビデオメッセージは以上でございます。
それでは、以後の議事進行は座長にお願いしたいと思います。
中室座長、よろしくお願いいたします。
2
○中室座長
ありがとうございます。座長の中室でございます。
昨年末の規制改革推進会議において、本年の規制改革推進会議の進め方が示され、新た
にデジタル・AIワーキング・グループが設置されました。公共ワーキングに引き続き、デ
ジタル・AIワーキング・グループの座長を務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回は第1回目のデジタル・AIワーキング・グループですので、簡単にこのワーキング・
グループの御紹介をさせていただきます。
デジタル・AIワーキング・グループの所掌事務は、「地方公共団体を含む行政・社会の
デジタル化、AIの社会実装、官民連携の促進に必要な規制・制度改革に関すること」とさ
れています。従前の公共ワーキング・グループ同様、幅広い分野を取り扱うとともに、新
たにAIの社会実装についても取り扱うこととなっておりますので、委員の皆様におかれま
しては、御自身の御知見を踏まえ、多角的な視点から御議論いただければと思います。
次に、デジタル・AIワーキング・グループの構成員について御紹介します。
デジタル・AIワーキング・グループは、5名の委員のほか、6名の専門委員で構成され
ています。各委員・専門委員のお名前、御所属等の紹介につきましては、参考資料をもっ
て代えさせていただきます。
なお、村上将一専門委員におかれては、今回から新たに規制改革推進会議のワーキング
に参加いただきますので、一言御挨拶を賜りたいと思います。
村上専門委員、よろしくお願いいたします。
○村上(将)専門委員
よろしくお願いいたします。
新たに規制改革推進会議の専門委員になりました村上将一と申します。どうぞよろしく
お願いします。
普段は、東京大学の松尾・岩澤研究室と伴走する形で取組を行う、株式会社松尾研究所
の取締役として活動しております。
松尾研究所は、アカデミアで生み出された先端技術を産業界につなげて、社会実装を通
じて得られた知見をまたアカデミーに還元するといった取組を創出するための組織です。
AIの深層学習領域の応用研究とか社会実装、産業界におけるAI・DX人材の育成、スタート
アップの育成に取り組んでいる組織でございます。私はそこで取締役として全体を見つつ、
主にAI開発事業の統括の立場でAIの社会実装に取り組んでおります。
AIとデジタル技術の発展が日本社会にもたらす可能性を最大限に引き出せるよう、皆様
とともに議論して貢献していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
○中室座長
ありがとうございます。すばらしいですね。
それでは、議題1「建設業における契約手続について」に入りたいと思います。
建設業における契約について、書面契約においては、署名又は記名押印を求めている点、
また、電子契約においては、立会人型の電子署名が主流であるにもかかわらず、ガイドラ
インではこれを活用することが可能かどうかが不明瞭である点について、業界団体から改
善の要望をいただいておりますので、本日はその方策などについて御議論いただければと
3
思います。
この議題に関しましては、三井不動産株式会社、国土交通省に御出席をいただいていま
す。
まず、本日の議題に関する御要望をお伺いしたいと思います。三井不動産株式会社から、
事前に御提出いただいた資料を基に御意見を頂戴したいと思います。10分程度で御説明を
お願いいたします。
○三井不動産株式会社(望月フェロー)
三井不動産の望月と申します。今日はよろしく
お願いいたします。
私たちは、建設工事請負契約における押印義務の緩和、電子契約利用時のガイドライン
の見直しについて要望しております。本日はよろしくお願いいたします。
時間もありませんので、背景や社会課題については飛ばして、2に移ります。
建設業法では、建設工事請負契約の当事者は、建設工事請負契約の締結に際して、所定
事項を記載した書面を署名又は記名押印の上、交互に交付しなければならないことが定め
られています。
書面とありますけれども、実務的には請負契約の押印義務という運用がなされています。
以下、「署名又は記名押印」を簡単に「押印」と言うことにします。
そこで、押印義務の話をする前に、建設工事請負契約とは実際にどういうものなのかと
いう話をします。実際の締結方式には3つのパターンがあります。具体的には、次以降の
スライドでお話をします。
まず、請負契約書一本で締結する方式です。左側の個別の工事特有の工事内容、工期、
代金、支払方法などが書かれている契約書部分と、右側の一般化・共通化できる部分を抜
き出した約款部分とに分かれています。
大きなビルなどの契約で行われる実際の例がこちらになります。細かい工事の内訳とか
図面が添付されますので、相当大部になります。これは一旦締結されますと、この紙の契
約はまず開かれることがありません。なぜならば、実際のデータは全部パソコンに入って
いますので、これはある種の儀式という形になっております。
次に、基本契約書と個別契約の締結方式です。基本契約書に通則的な契約部分と約款部
分があります。個別の取引内容を書いた注文書を発注者が押印して請負人に送付し、同じ
内容のものを押印して請負人が発注者に送り返すことで個別契約が成立します。この形式
は、建設会社が下請の建設会社に発注するところで用いられます。
最後に、注文書・請書だけで契約をするという形です。企業間で継続反復して請負契約
を発注する場合や、比較的小規模のリフォーム工事などに用いられております。
このような請負契約書を書面化して押印するという趣旨については、取引内容を明確化
して紛争を予防することに加え、建設業界の片務性を改善するためと言われています。
この片務性には、下請いじめをする元請を是正するという局面だけでなく、リフォーム
詐欺における消費者を保護し、悪徳建設会社を規制するという局面もございます。
4
書面契約の課題と解決策についてお話をします。まず、印刷・製本・保管のコストがば
かにならないということです。10年程度は保管いたしますので、そうしますと、契約書1
通当たり1万円を下らないコストがかかっていると思います。
建設業法は押印の種類を問わないので、契約締結権限の確認や取引意思の確認が不十分
な場合もあり得ます。このようないわゆる三文判の場合は、押印がない場合と実質的な違
いがあるのでしょうか。また、片務性を是正する目的で定められたほかの法律では押印を
求めていない例も多々ございます。取引内容の明確化と片務性の是正という法律の目的に
対して、押印は有効な手段になり得ているのでしょうか。
このような課題に対する解決策として電子契約の導入がありますが、これは後で述べま
す。
次に、押印義務の免除、特に実質的に押印の意義が少ないと思われる小規模契約におけ
る免除が今日の要望の第1となります。
小規模契約について、建設業の運用実務の中で何か線引をしている例がないかと見てい
きますと、注文書・請書方式での請負契約締結における押印についての国土交通省の通達
がございます。この通達では、注文書・請書形式での契約締結について類型を2つに分け
ています。1つ目は、基本契約書を締結した上で、具体の取引については注文書・請書の
交換による場合、2つ目が、注文書・請書の交換にのみによる場合です。
1ポツ目の基本契約書方式の場合は、通達は基本契約にも注文書・請書にも押印が必要
としていますが、基本契約書に押印があれば、注文書・請書には押印を不要とすることは
解釈・運用を変更すればできるのではないでしょうか。
基本契約書では、契約の主要条件が規定されています。請負契約の明確化や片務性の改
善という目的は、基本契約書を押印締結していることでおおむね実現できるので、個々の
工事特有の事項を記載した注文書・請書に押印までは不要という運用はできないでしょう
か。建設業法で、公平な契約の原則、不当な代金や工期の禁止を別途定めており、通常は
基本契約書のほうにも規定されますので、個別の注文書・請書に押印がされなくても、内
容があれば是正できると思います。
2ポツ目の注文書・請書の交換のみの形式による押印義務の免除は、おそらく建設業法
の改正が必要ではないかと思います。しかし、実務上、注文書・請書方式は比較的小規模
の工事を中心に広く行われており、押印義務免除における効率性の効果は極めて高いもの
と思います。
押印義務を免除する代わりに、法の趣旨を実現する方策はないのかという点についてお
話をします。
基本契約や注文書・請書が言及する約款に必要な事項が定められていないのではないか
という懸念に関しては、中央建設業審議会や民間(七会)連合協定工事請負契約約款とい
った歴史のある公平な約款条項例がありますので、これと同趣旨の契約内容であることが
押印義務免除ということはあってもいいかもしれません。
5
それから、取引条件の明示を徹底しておくことが重要です。それに加え、相手方の取引
意思・権限確認を、当事者の属性、取引の特性、金額などに応じて、各当事者が工夫して
いくことが求められます。形式的、一律の要件を課しますと、ただでさえ人手不足の建設
業界や高齢者の発注者には混乱を招いてしまうということは、よく考えないといけないと
思います。
電子契約の話に移ります。我が国において電子契約が法律で定められたのが、電子署名
法が施行された平成13年になります。当時想定された電子署名は、右側の赤色で書いた当
事者型と呼ばれています。当事者が総務大臣の認定を受けた認証局から電子署名書の交付
を受けて、電子署名を行う方式となります。
しかし、この方式はそこまで普及せず、現在、主として行われているのがその下の緑色
で書いた立会人型の電子署名と言われています。立会人型では、電子署名のサービス提供
事業者の提供するシステムに対し当事者が締結指図をして電子記録を作成し、サービス提
供事業者が技術的な意味における電子署名を行うものです。コロナ禍において、政府見解
が出て、このような立会人型の電子署名でも電子署名法に定める電子署名であるというこ
とになっています。
建設工事請負契約において電磁的措置ができるようになったのは電子署名法と同じ平成
13年ですが、それと同時に定められたガイドラインが20年以上改正されず、当時の技術的
水準の解説にとどまっています。特に、立会人型電子署名を使った電子契約が建設業法で
認められるかどうかについては不明瞭のため、産業競争力強化法に基づくグレーゾーン解
消制度が活用されています。そこで、回答内容を統合してガイドラインに反映していただ
くことで、電子契約を安心して使えるようにしていただきたいというのが私たちの要望の
2つ目となります。
今日の要望をまとめます。第1に、請負契約、特に注文書・請書への押印義務を免除す
るような運用、法改正です。第2に、請負契約において電子署名を使う場合のガイドライ
ンの見直しによる明確化です。
この発表に当たって関係者にもヒアリングを行いました。電子契約を積極的に進めたい
という事業者の方もいらっしゃいましたが、他方で、電子契約の利用をためらう方もいら
っしゃいました。特に、意思決定に当たっての稟議の回付システムと電子契約のシステム
のワークフローという2つの手続を回すのが煩雑である、それであれば紙でいいという話
もありました。押印義務の免除は、このような方の効率化にも資するのではないかと思っ
ております。
御清聴ありがとうございました。
○中室座長
三井不動産様、どうもありがとうございました。
続きまして、ただいま御説明いただきました要望に関して、国土交通省から事前に御提
出いただいた資料を基に御意見を頂戴したいと思います。
それでは、10分程度で御説明をお願いいたします。
6
○国土交通省(堤審議官)
国土交通省不動産・建設経済局の堤と申します。よろしくお
願いいたします。
私のほうから、資料1-2に基づきまして御説明をいたします。
1ページを御覧ください。
御案内のとおり、建設業法では請負契約の当事者に対しまして書面の相互交付を義務付
けておりますけれども、その趣旨は、後日紛争の防止、請負契約の片務性の改善というと
ころにございます。
請負契約の片務性についてでありますが、これは建設工事特有の事情によるものであり
まして、下の点線の囲いのところにあるとおりですが、請負契約当事者間の力関係が一方
的、もっと言うと発注者・注文者の立場が強いことが多いですので、契約条件が一方にだ
け有利に定められてしまいやすいといった問題がございます。
それが下の囲いの署名又は記名押印の必要性にもつながってまいりますが、契約書の作
成・締結に際して責任主体を明確にする必要がありますし、契約当事者が契約内容を十分
に理解した上で契約を結んでいただくことが重要ですので、署名又は記名押印を義務付け
ているということになっております。
なお、提案にございました注文書及び請書の扱いにつきましては、これは請負契約の一
種ですので、署名又は記名押印は同様に求められているということになっております。
次のページに移りまして、提案内容です。先ほど御紹介がありましたので、省略いたし
ます。
3ページ、対応の方向性でございます。契約書において署名又は記名押印を求める趣旨
は先ほど申し上げたとおりですが、加えまして、2つ目のポツにありますとおり、現在、
政府全体としても発注者と建設業者とのパートナーシップ構築に向けて取り組んでいると
ころです。
そうした中で、署名又は記名押印が要らないということになりますと、請負契約の片務
性が助長されるおそれがありますし、建設工事には注文住宅の建設とかリフォーム工事も
ありますので契約当事者には一般消費者も含まれますが、この場合、十分に契約内容を理
解しないまま高額な対価を支払ってしまうリスクもあります。後日の紛争の増加につなが
りかねませんので、記名押印規制の見直しについては、契約額の多寡や工期の長短にかか
わらず、慎重な検討が必要だと考えております。
なお、当然のことながら、建設業の生産性向上に向けた取組は非常に重要だと考えてお
ります。これは次のテーマになりますけれども、電子契約の普及促進に向けた取組を強化
していく予定でございます。
次のテーマに移りますが、3枚ほど飛んで、電子契約のガイドラインについて御説明を
いたします。
7ページを御覧ください。請負契約の電子化についてでございます。
先ほどのパートで御説明したとおり、建設業法では、請負契約の当事者に対し書面の相
7
互交付を義務付けておりますが、書面による手続に代えて、一定の基準を満たす場合には
電子契約によることが認められているところであります。
その一定の基準については、下の囲いに書いてございます3点があります。見読性、2
つ目が原本性で、これは中身が改変されていないことを確認できるということです。3点
目が本人性で、契約の相手方が本人であることを確認できるということでございます。
①から③の項目自体は、いずれも建設業法施行規則に規定されております。①と②につ
きましては、さらに建設業法施行規則に基づくガイドラインにおきまして詳細な基準を設
定しているところであります。現行はこのような制度となっております。
8ページでございます。
提案の内容は、先ほどありましたので省略いたします。
対応の方向性でございます。現在のガイドラインは平成13年に公表されました。その後
の技術進展に対応できていないというのは御指摘のとおりでございますので、令和7年内
の早急な改正を検討いたします。改正に際しては、御提案内容も踏まえまして、有識者や
関係各省の意見を十分に伺いながら進めてまいります。
簡単ですが、説明は以上になります。
○中室座長
三井不動産様、国土交通省様、ありがとうございました。
それでは、質疑応答に移りたいと思います。限られた時間のため、御質問、御回答とと
もに簡潔にお願いできればと存じます。また、議論を円滑に行うため、事務局におかれま
しては委員・専門委員からの質問を要約し、画面に投影していただきたいと思います。議
題1の質問、御発言に関しまして、本日欠席の川邊委員より資料1-3のとおり御意見を
提出していただいておりますので、御参照いただければと思います。
それでは、先ほどの三井不動産株式会社の説明を踏まえ、論点を2つに分けてお伺いし
たいと思います。
1つ目として、「書面契約における署名・押印」について御質問をお伺いしたいと思い
ます。この論点について、いただいた御説明のほか、事務局から提出資料として参考資料
2「押印について」を配付しておりますので、御参照いただければと思います。
それでは、御発言を希望される方は挙手機能でお知らせください。
まず、村上専門委員からお願いいたします。
○村上(文)専門委員
村上です。
御説明、どうもありがとうございました。
国土交通省さんに確認をしたい点が何点かあるのですが、まず1つ目が、先ほど御説明
にもありましたように、2000年のIT一括法とそれに基づく2002年のガイドラインによって、
今は必ずしも紙・押印ではなく、電子契約も認められているという理解でよろしいでしょ
うか。これが1点目の確認です。
2点目として、今年中にガイドライン改正ということですが、今、民事では立会人型と
か当事者型の電子契約以外でも、メールやチャットのやり取りでも証拠能力がある場合が
8
あるということが言われています。こういった点も踏まえてガイドラインの改正をお願い
できますか。これが2点目です。
最後に3点目、先ほど片務性の話がありましたが、片務性と紙・押印なのか、電子契約
なのかは関係ないと思うのですが、この点についての見解をいただければと思います。
私からは以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
では、田中専門委員、お願いいたします。
○田中専門委員
ありがとうございます。
私からは国土交通省に、これまでの政府の取組との関係で、押印規制の見直しについて
どのようにお考えなのかをお尋ねしたいと思います。
御案内のように、コロナ禍によって書面主義や押印主義などの従来の我が国の慣行の弊
害が顕在化したことを受けて、政府として官民を通じた従来の慣行からの脱却を図ること
となり、2020年7月に閣議決定で、全ての行政手続を対象に原則として押印を不要とする
ことや、民民間の商慣行についても官民一体となって改革を推進するということが明記さ
れています。
また、同じ日に閣議決定されました規制改革推進計画では、今映していただいた参考資
料2に記載のとおり、民間事業者間の商取引についても民間事業者による押印廃止の取組
が進むように、押印に関する民事基本法上の規定の意味とか、押印廃止をした場合の懸念
点に答える考え方を示すということが明記されました。
そして、その下に記載されているものですが、これに先立ち公表された「押印について
のQ&A」では、押印というものが飽くまで文書の真正な成立を推定するものにすぎないこと
や、認印や企業印ではこの真正性の推定すら及ばない場合があるということが指摘されて
いて、先ほど村上専門委員からも御指摘がありましたように、押印というものが国土交通
省様より御説明いただいた請負契約の片務性とか一般消費者のリスクの解消に直結しない
ということはもう既に明らかにされているところであります。
それにもかかわらず、これらの片務性とかリスクというものを理由に押印規制の見直し
に取り組まないことは、押印の見直しに関する政府の方針に反することになるのではない
かと思われるのですが、所管官庁として電子契約以外の方法についても、特に今画面にお
示ししていただいている問6の①、②に記載されている手段を用いた押印の見直しを進め
ていただけないかということをお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
ただ、1点、お答えいただく際に、論点を分けてお尋ねしていますので、先ほども電子
契約の普及という点は大変重要なことだと思うのですが、それとは別に、特に今画面に映
っている問6の①、②といった手段を活用していくことについて御回答いただければと思
いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○中室座長
村上専門委員、田中専門委員、どうもありがとうございました。
9
それでは、ここで国土交通省さんから御回答をお願いしたいと思います。よろしくお願
いします。
○国土交通省
○中室座長
途中で落ちてしまいまして、質問が聞き取れなかったところがあります。
どこまで聞こえていましたでしょうか。
○国土交通省
最初の政府の取組の御説明のところまでです。あと、村上専門委員のとこ
ろの3点目は聞き取ることができませんでした。
○中室座長
村上専門委員の3点目が聞き取れず、田中委員の後半のほうが聞こえてなか
ったということですね。
○国土交通省
○中室座長
はい。
では、村上専門委員、大変申し訳ありませんが、3点目をもう一度お願いで
きますか。
○村上(文)専門委員
1点目が電子契約は今認められているのですねという確認で、2
点目が電子契約の内容として、メールなどもガイドライン改正の際には検討していただけ
るのかという点。3点目が、片務性と押印あるいは電子契約というのは関係ないですねと
いう確認です。
以上3点です。
○中室座長
ありがとうございます。
田中専門委員、大変申し訳ありませんが、後半のほうをもう一度お願いできますでしょ
うか。
○田中専門委員
ありがとうございます。
今、村上専門委員から御質問いただいた点なのですけれども、「押印についてのQ&A」に
おいて、片務性とか一般消費者のリスク解消という観点と押印とは関係がないという見解
は関係各省庁の見解として示されていると思います。それにもかかわらず、そういったこ
とが懸念されるからという理由で押印の廃止に取り組まないことは、政府の押印廃止に向
けた方針そのものに取り組まないように考えられるのですが、その点について国土交通省
様のお考えをお伺いしたいと思います。
なお、電子契約の普及については別論点ですので、今回は参考資料2の問6の①、②の
手法について中心にお答えいただきたいと思います。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
国土交通省さん、いかがでしょうか。
○国土交通省(堤審議官)
分かりました。
まず、村上専門委員の1点目でございますけれども、電子契約が認められているかどう
かということについては、これは認めております。
2点目は、はっきり聞き取れていないのですけれども、メールのやり取り等によって文
書の成立の真正性が確認できるではないかということでしょうか。これは田中委員の御指
10
摘にも共通しているように感じましたが。
○中室座長
村上専門委員、補足していただいてよろしいですか。
○村上(文)専門委員
先ほど田中専門委員が言われた参考資料の①、②を見ながらお答
えいただくのがいいと思いますので、先に3番目の片務性と押印の関係はないですねとい
うのに御回答いただいた後、田中専門委員の御回答をいただければと思います。
○国土交通省(堤審議官)
片務性と押印との関係ですけれども、契約書の作成・締結に
当たってはんこを押すことになっているのは、片務性の改善という趣旨も含まれておりま
す。
○村上(文)専門委員
質問の趣旨は、電子契約であっても押印でなければ片務性は解消
できないということではないのでないかという趣旨です。もっと簡単に言うと、押印だか
ら片務性は解消されて、電子契約だと解消されないという理由にはならないのではないで
すかということです。
○中室座長
国交省さん、いかがですか。
○国土交通省(堤審議官)
電子契約であっても片務性は解消されるという意味でござい
ますが、それは書面の場合も同様でございます。
○村上(文)専門委員
○中室座長
ありがとうございます。
では、田中専門委員の質問についてはいかがでしょうか。
○国土交通省(堤審議官)
参考資料の問6を拝見しながらお答えするということでよろ
しいですか。参考資料の問6について御質問をいただいているということでしょうか。
○田中専門委員
参考資料の問6の①、②のような手段を使えば、押印廃止は見直すこと
は十分可能であると思われるのですが、それを先ほど来言っている片務性や一般消費者の
リスクを理由に取り組まないというのは、わざわざ問6で①、②という方法も記載した上
で押印廃止に政府として取り組むと閣議決定したことに反するのではないかという質問を
させていただきましたので、ぜひ問6の①、②の方法を使った押印廃止に向けて取り組ん
でいただけないかということにお答えください。
以上です。
○国土交通省(堤審議官)
説明が繰り返しになりますけれども、建設業法で記名押印を
求めている趣旨は、責任主体を明確化することと、契約内容に対する理解を促進すること
によって後日紛争の防止を図るということにございます。
問6の①、②に挙がっている中身でございますが、これは文書の真正性を立証するため
の押印に代わる手段として提示されているものでございまして、少し論点がずれているの
かなと感じています。
①、②によっただけでは、建設業法上の記名押印規制の趣旨が充足されるわけではない
と考えております。すなわち、継続的な取引関係がある場合であっても片務性を帯びる取
引は当然想定されますので、①、②だけで建設業法の目的が達成されるわけではないとい
うことです。
11
○田中専門委員
1点だけ更問をよろしいでしょうか。
今おっしゃった建築業法の趣旨は、建築業法を制定した当時にはそういう趣旨で作った
のかもしれないですが、時代が変わって現在になった時点では、もう押印に限らずほかの
方 法 で も そ う い っ た こ と は 可 能 で あ る と 考 え ら れ て い る わ け で 、 そ れ が コ ロ ナ 禍 の 時に
散々押印の廃止のところで議論されたことなのですが、今の御回答を聞きますと、2020年
当時の政府における議論をあまり考えずに、とにかく建築業法ではこう考えられているか
らこうだと回答されているように聞こえますので、ぜひ、押印廃止当時の政府を挙げての
議論をきちっと検討していただいて、法改正も含めて検討していただくというのがこちら
からの御要望になりますので、ぜひ御検討いただけますでしょうか。
以上です。
○中室座長
国交省さん、その点はいかがでしょうか。
○国土交通省(堤審議官)
建設業法で記名押印を求めているということですけれども、
これは先ほど来申し上げているとおりですが、更に申し上げますと、建設業法の請負契約
の特殊性ということで、請負契約から履行完了までの期間が長期間にわたることが多いで
すし、取引金額が極めて高額になる場合も多いということで、契約責任主体の明確化とか、
契約内容についての理解促進を図るというニーズが他法令と比べても極めて強いと思って
います。
先ほど、取引金額が多いと申し上げましたけれども、逆に取引金額が少額な場合として、
リフォーム工事のように一般消費者が契約当事者となる場合も想定されますが、この場合
も契約責任の主体を明確にする必要がありますので。
○田中専門委員
時間がないので、同じことの繰り返しの回答は省略していただいて、こ
れで御回答はもう必要ないので結構なのですが、そういった点が押印と直結しないという
考え方はもう示されているところですので、押印があるから片務性の解消が担保できると
か、押印があるからリスクが解消できるということではないことはもう明らかになってい
ることなので、それを理由に押印を規制している法令の規定自体を見直すことが必要では
ないかと言っているのに対して、法令がこうだからというのは回答になっていない気がす
るのですね。
ですので、答えは結構ですけれども、更にきちっと当時の議論を踏まえて御検討をお願
いいたします。もう御回答は結構です。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
私のほうからも一言追加で申し上げたいと思うのですけれども、田中委員からまさに御
指摘がありましたとおり、押印の実効性も不十分と思われるところを、片務性の改善や契
約内容の理解を担保する他の合理的な手段も含めて認めていくことが必要かと思います。
加えて、契約書を含む書面全般において、片務性の是正や内容の明確化を図るに当たっ
て、国として署名又は記名押印という手段に限定することに私も非常に強い疑問を感じま
12
した。
今回、事業者から具体的に要望のあった注文書・請負書への押印については、押印義務
を免除していただいて、その他の契約書においても署名又は記名押印等の代替手段につい
てぜひ御検討をいただきたいと思っております。
時間がありませんので、論点2に移りたいと思います。論点2は、「電子契約の技術的
基準について」ということでございます。こちらについて、御質問がある方はいらっしゃ
いますでしょうか。
村上専門委員、お願いいたします。
○村上(将)専門委員
村上です。
国土交通省様に1点確認をさせてください。
資料の8ページ目に、「令和7年内の早急な改正」との記載がございますが、対応のた
めにどれだけの期間を要する想定なのでしょうか。独自のガイドラインを作成しなくても、
電子署名法で認められる署名方式とすればよいのではないかというところもございます。
国土交通省さんにおかれましては、現状の対応につきまして進捗が十分に可視化されてい
ないように感じられます。
つきましては、対応に向けた具体的な工程及びスケジュールにつきまして、より詳細に
御説明を賜ればと思います。
○中室座長
ありがとうございます。
では、国土交通省さん、お願いいたします。
○国土交通省(堤審議官) すみません。また後半部分が飛んでしまったのですけれども、
分かる範囲でお答えしてよろしいでしょうか。聞き取れた範囲で。
○中室座長
村上委員、後半の部分を簡単に補足していただいてもよろしいですか。
○村上(将)専門委員
独自のガイドラインを作成しなくても、電子署名法で認められる
署名方式等もございますし、後半に言っていたのが、進捗が十分に可視化されていないよ
うに感じておりまして、対応に向けた具体的な工程及びスケジュールにつきまして御説明
をいただけたらと思います。
○国土交通省(堤審議官)
まず1点目、電子署名法をそのまま引用すればいいのではな
いかという御指摘ですけれども、現在、建設業において認めている電子契約のタイプとし
てタイムスタンプというものがあります。電子署名に代えて電子署名と同等の効力がある
だろうということで、タイムスタンプを認めているところでございます。
一方で、電子署名法ではタイムスタンプの規定がされておりませんので、電子署名法が
近年普及している新しい技術を全て取り込んでいるのかどうかというところにやや疑問を
持っておりますので、そのまま引用することが適切だとは考えていないところでございま
す。
それから、今後のスケジュールでございますけれども、これまで対応が遅くなっている
というのは御指摘のとおりですので、なるべく早く改正を行いたいと思っています。建設
13
業者だけではなくて、システム開発者等と有識者から意見聴取を行う。それから、素案を
作成したら関係省庁に照会して、パブリックコメントを行うということで、令和7年内と
は言っておりますけれども、7年度の前半までには改正を行いたいと考えてございます。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
村上専門委員、更問はございますか。
○村上(将)専門委員
特にございませんが、早急に対応をお願いしたいというところと、
もしこの改正に当たっての論点が明確化されて対応が進んでいるのであれば、もう少し明
確化されていると思っているので、そういったところは今後更に検討を進めていただけた
らと思います。
○中室座長
ありがとうございます。
ほかの委員の方で、論点2について質問がある方はいらっしゃいますでしょうか。
よろしいですか。
田中専門委員も大丈夫ですか。
○田中専門委員
どちらかといえば論点1のほうになるのですけれども、先ほど来お答え
いただいて、国土交通省様としてそういうふうに考えておられることはこちらにも十分伝
わってきたのですが、本当にそうなのですかというところをちゃんと検証なさっているの
かというところをお伺いしたいのであって、それに対して、検証もないままこうですとい
う回答はお尋ねしていることと回答がかみ合っていない。全てにおいてそうなのですが、
本当に押印がなければ片務性がどんどんはびこっていったり、リスクがどんどん高まって
いくというエビデンスのようなものがあっておっしゃっているのか、ただ、コンメンター
ル等にそういうふうに書かれている、あるいは立法時の資料にそういうふうに書かれてい
るからそうだと言っているだけなのか、そこが分からないわけです。
おそらく、本当に押印さえあれば片務性は解消で、なければ大変なことになるというこ
とにはならなくて、ほかの方法でも可能ではないかというのがこちらから申し上げている
趣旨ですので、そこのところもしっかりと御検討いただいて、改めて文書等で御回答して
いただきたいと思いますので、その点をよろしくお願いいたします。
○中室座長
私のほうも今の田中専門委員の発言に加えて申し上げたいのですけれども、
取引金額が多いのでという話は、過去、コロナの間に行われた様々な政府の議論と違う対
応を取る理由にはならないのではないかなと思うのです。
当時の政府の方針は、金額がここ以上になる人は押印を認めますというふうにはなって
いないので、田中専門委員が繰り返しおっしゃいましたとおり、既に出されている政府の
方針と違う対応を取っているのであれば、そのことの理由を明確に示していただかないと
いけないと思います。
そうではないと、他官庁も同じように、うちはここが特別なので違う対応を取りますと
いうことをやっていったら、切りがなくなってしまうということがありますので、その点
14
も併せて御検討いただきたいなと思います。
国交省さんのほうから何かコメントはございますか。
○国土交通省(渡邊課長)
建設業課長でございます。
政府全体で押印をやめていこうという話の中で、特に行政手続については押印を廃止す
るという話もありまして、建設業関係も建設業の許可の申請とかいろいろな手続がござい
ますけれども、押印の見直しはやっていったという実績はあるところでございます。
その中でも、これは民民の取引というところになりますので、そういったものは行政手
続とはまた違う、消費者保護の観点とかそういったものがあるという観点で、今、この規
制が残っているところがあると承知しております。
一方で、本日、規制改革の形で、注文書・請書みたいな形で具体的な御要望もいただい
ておりまして、田中専門委員から今の押印の規制というものの在り方をちゃんと検証した
のかという点の御指摘もございますので、どういったものが適切なのかというところはき
ちんと検証した上で対応できるか、そういった点を含めて考えていきたいと考えておりま
す。
○中室座長
ありがとうございます。
永遠の検討中にならないように、書面契約の簡素化が図られるように御検討いただき、
その実装をお願いしたいと思います。
田中専門委員、どうぞ。
○田中専門委員
私がさっき発言した内容が聞こえていなかった部分になると思うのです
けれども、閣議決定では、行政手続の見直しを図るだけではなく、民民間の商慣行につい
ても官民一体となって改革を推進するということがはっきり明記されています。2020年7
月17日の閣議決定 1 です。
そうであるのに、行政手続だけを見直したから民民のことは対象外だという今の御回答
は、いくらなんでも閣議決定の重さを軽く見ているのではないかという気がしますので、
その点は、回答は結構ですので、重々御留意いただければと思います。
以上です。
○中室座長
国交省さん、どうぞ。
○国土交通省(堤審議官)通信不良でこちらが言いたいことがあまり言えなかったので、
よろしいですか。
前向きな話をしたいのですけれども、三井不動産さんから御説明があった資料で16ペー
ジになるのですけれども、「約款部分が一定の水準を満たしている場合に限定して押印を
廃止することも検討に値する」といった記述がございます。建設業の契約において、全般
的にはんこをいきなりなくすというのは今の業界の商慣習等を考えると非常に難しいので
1
「経済財政運営と改革の基本方針 2020~危機の克服、そして新しい未来へ~」(令和2
年 7 月 17 日閣議決定)
15
すけれども、注文書・請書の場合については、一定の場合に限定すれば押印を不要にする
ことが可能ではないかと前向きに考えております。
契約書に署名とか記名押印を課す趣旨に鑑みますと、契約当事者間で対等なパートナー
シップが構築されている、基本契約書において契約内容が相当程度明確化されている、そ
ういった場合には基本契約書につながる注文書・請書に関して押印は求めないという方向
で整理できないか、改めて検討してみたいと思っていた次第でございます。
○中室座長
前向きな回答をいただいて、大変ありがたいと思います。
それでは、そこは引き続き御検討いただくとして、時間になりましたので、議題1をこ
こで一旦終了したいと思います。議題1の御関係者はここで御退室ください。
(議題1関係者退室)
○中室座長
議題2の関係者はカメラをオンにしてください。
出席者がそろいましたようですので、議題2を開始したいと思います。「営業所専任技
術者の兼務について」でございます。
営業所専任技術者は、営業所ごとに専任で配置することが義務付けられておりますが、
技術者の高齢化に伴い、営業所に配置できないことで、営業所の存続が危ぶまれるといっ
た業界団体からの御指摘をいただいておりますので、本日はその方策などについて御議論
いただければと思います。
この議題に関しましては、住友不動産株式会社、富士通株式会社、富士通Japan株式会社
のほか、引き続き国土交通省に御出席いただいております。
初めに、本日の議題に関する御要望をお伺いしたいと思います。住友不動産株式会社様、
富士通株式会社様、富士通Japan株式会社様から、事前に御提出いただいた資料を基に御意
見を頂戴したいと思います。10分程度でお願いいたします。
まず、住友不動産株式会社様からお願いいたします。
○住友不動産株式会社(奥田室長)
住友不動産の奥田でございます。
本日は、貴重な御機会を賜り、誠にありがとうございます。
資料2-1に沿って、建設業における営業所専任技術者による営業所兼務について説明
させていただきたいと存じます。
2ページ目を御覧ください。
こちらは今回の要望の概略です。冒頭に、現状として2点、課題として3点、要望とし
て1点整理させていただいております。
現状としては2点、こちらに書いてあるとおりでございます。1ポツ、建設業許可を取
得するためには専任技術者を営業所ごとに設置しなければならない、また、営業所ごとに
設置する専任技術者は建設業許可を取得したい工事業種ごとに設置する必要があるという
ことになっております。
その中で、2ポツでありますけれども、ICTの進展により契約書や施工図面などはどこで
も確認できる状態であり、ウェブ会議やウェアラブルカメラの利用により、営業所に専任
16
技術者を張り付けなくても、施工管理の実効性を現状では確保できる状況でございます。
したがって、専任性や常駐性を緩和しても、問題なく専任技術者が果たすべき役割は達成
可能であり、それどころか、働き方改革で専任技術者の常駐時間は減少しているので、別
拠点にいる技術者が緊急対応できる体制のほうが適切に指導監督できるという現状として
整理させていただいております。
その中での課題として3点。1ポツのところでございますけれども、専任技術者になる
技術者は、建設業許可を取得したい工事業種ごとに一定の実務経験や国家資格を求められ
る。2ポツ、現場では資格者が不足することから営業所を閉鎖したり、営業所として届出
を取り下げて契約行為を別の営業所に集約したり、実際の工事には主任技術者が遠距離を
出向いたりするといった弊害が出ております。
釈迦に説法ですが、人口減少が進む日本において、建設業就業者数も減少して、高齢化
も進んでいます。あわせて、建設業技能者も減少しており、一部の工事業種については資
格者の絶対数が不足しているということです。専任技術者を設置する目的のために採用す
ることも多いという現状の課題がございます。
そういった中で、昭和46年から運用改正がなされていない。この件について、ICT技術に
より遠隔で複数の営業所を1人の営業所技術者が見ることが可能であるため、営業所同士
の兼任を可能にしていただけないかと。今後も、より人手不足が深刻になることを踏まえ
ると、効率化を急ぐべきであるというところが今回の要望でございます。詳細は後述いた
します。
3ページを説明させていただきます。
営業所専任技術者について、そもそものところを記載させていただいております。営業
所専任技術者は、適正な請負契約が締結されるよう、技術的観点から契約内容の確認を行
うほか、請負契約の適正な履行が確保されるよう、現場の監理技術者等のバックアップ・
サポートを行うということです。建設業法においての「営業所」とは、本店又は支店、若
しくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいい、営業所専任技術者はその営業所
に常勤し、専らその職務に従事することが必要であるとされております。
補足的には、令和3年12月には、テレワークにより職務に従事する場合も専任要件を満
たすことが明確化されております。ここに赤字で書いておりますが、他の営業所技術者と
の兼務を行っている場合は、営業所専任技術者として認められておりません。そういった
ところでございます。
我々の実務としても、会社に専属で勤務し、在籍する営業所の請負契約に関する見積り、
入札、契約締結等に関して技術的な専門知識を発揮する者で、主には営業所でのデスクワ
ークとなっております。
こちらは、営業専任技術者の記載について、建設業法とガイドラインを引用しておりま
すが、時間もございませんので、こちらは割愛いたします。
5ページ目を御覧ください。
17
あわせて、今回の課題感が更に強まっている事項だけ説明させていただきたいと思って
おります。
建設業法の3条のところ等でございますが、請負契約が500万以上の場合、こちらは「超
える」と書いていますが、建設業免許が必要となっておりまして、今回更に課題が強まる
事項として、一社で事業が多岐にわたる場合に、500万以上の工事が必要な事業と少額工事
のみ請け負う事業が併存する場合に、少額工事のみを請け負う事業においても資格者配置
が必要となる。
具体的には、当社ではビルの賃貸事業において、テナントの内装工事を行うところでは
電気・管の金額が500万以上になるため、建設業免許を持った資格者を配置する必要がある
のですが、それに伴い、戸建てのリフォーム部門において500万に満たない工事を電気・管
で行うためにも、会社全体では建設業免許を取っておるため、資格者を配置しなければな
らないということになっております。
6ページ目を御覧ください。
そういった背景の中、デジタル技術を活用している実態として、ウェブ会議アプリ、ウ
ェアラブルカメラ等を使いながら、複数営業所を兼務することは技術的に可能である。兼
務しても安全性に問題がない状況であるにもかかわらず、手段によってこういった縛られ
方をしている。こちらが緩和されることで、建設業就業者数の減少下、効率的な人員活用
等が可能になると考えております。
次に行きます。
当社での実際の運用状況です。法令に従って営業所専任技術者を配置しておるものの、
全国の契約書と技術的な内容については、本部で集約して確認しており、技術的方針決定
や指導を行っております。
そのため、2つございまして、実務的に問題ないものの、1人の技術者を置けないとい
う理由のみで、九州地方では大分の営業所を閉鎖、廃止しております。
2つ目では、実務的な問題の発生は想定されなかったのですけれども、熊本においても、
技術者を配置できないということだけで営業所としての届出を取り下げて、福岡の営業所
にて契約行為を集約しております。実際の工事には主任技術者が必要なので、営業所を廃
止したことで熊本に常駐できず、熊本で工事がある都度、福岡の技術者が熊本に行く必要
があるといった弊害が起きております。
営業所を閉じていくといろいろ問題があるということで、営業所があるメリットとして
3つ整理させていただいております。災害等の迅速な対応が可能、天候などの地域の固有
な条件に対応可能、地方公共団体特有の条例や補助金に柔軟に対応できるといったところ
で、営業所が各地にあるということはメリットがある考えています。
9ページを御覧ください。
その中で、冒頭申したところではございますが、建設工種ごとに資格者配置が必要とな
っておる中で、電気・管・電気通信業等は、建築一式工事に含まれるが、許可上は建築一
18
式に内包されておりません。以下に規定される区分によって各種工事の種類を細かく分け
た工事種類ごとで資格者配置が必要となるということになっています。
※印のところを読みます。例えば本社にのみ管工事が登録されている場合、建築一式工
事として住宅を供給したお客様から「エアコンを設置したい、給湯器を交換したい」と言
われても、資格者がおらず管工事登録されていない支店営業所では対応できないといった
ことになります。
10ページを御覧ください。
当社の中の資格者の数を付けております。端的に申しますと、電気・管については単独
で資格者配置が必要となるのですけれども、資格者が絶対的に少なく、全国の営業所で配
置することが難しくなっております。全国的な統計がなかったものですから、当社の事例
を示しましたが、全国的にも似たような状況ではないかと推察されます。
11ページ、12ページは、国交省で整理されておるところでございますが、建設業者数や
就業者数が減少しているというところと、技能者や技術者も減少し、併せて高齢化も進ん
でいるというところでございます。
最後、13ページでございます。
今回の要望に当たっては国交省さんも整理をされておりまして、令和4年3月の「適正
な施工確保のための技術者制度検討会」でも問題提起、課題提起をいただいております。
まずは、営業所専任技術者と監理技術者等の兼務を優先して、営業所兼任は中期的課題
として引き続き検討を行うと整理されております。
昨年末、営業所専任技術者と監理技術者の兼務を措置いただいたところではありますも
のの、営業所同士の兼務の対応への検討もぜひ進めていただきたいと思って今回の要望を
させていただいております。
説明は以上となります。
○中室座長
ありがとうございました。
続きまして、富士通株式会社様、富士通Japan株式会社様から、10分程度で御説明をお願
いいたします。
○富士通Japan株式会社(川口シニアマネージャー) お時間をいただきましてありがとう
ございます。
それでは、川口のほうから御説明をさせていただきたいと思います。
本日は、貴重な場に参加をさせていただき、ありがとうございます。
我々富士通、富士通Japanからは、タイトルにもありますとおり、建設業における営業所
技術者の複数営業所兼務容認について提案発表をさせていただきたいと思っております。
その前に、まずは会社の紹介を簡単にさせてください。
富士通は、今年度創立90年を迎え、間もなく91年目に突入する会社でございます。事業
はグローバルに、また多岐にわたり、12万4,000人の仲間とともにお客様の事業を支えてい
る会社です。
19
こちらは歴史になります。通信機器製造会社からスタートし、そして、90年の歴史を通
じてお客様ビジネスの成長と社会課題の解決とともに成長してきました。
そして、パーパスでございますけれども、今回の提案は、世界を、そして日本を持続可
能にしていくためのきっかけになればいいかなと思っている内容でございます。
では、内容の御説明をさせていただきたいと思います。まずは現状認識です。
先ほど住友不動産様のほうからも最後のほうにスライドがありましたけれども、やはり
建設業における人材不足への対策は喫緊の課題と認識をしております。
このような現状を踏まえまして、昨年法改正も実施され、具体的には技術者の配置、専
任要件について緩和されたことは我々も認識しております。
しかしながら、前のページでも御説明しましたとおり、建設業における人材不足には歯
止めをかけていかなければいけない。建設業界の活性化を加速させるためには、昨年の法
改正に限らず、現在取り組めるあらゆる対策、見直しを早期に実施する必要があると認識
をしています。今後、建設業界を担い、盛り上げていく次世代、若いメンバーのためにも
必要な提案になると我々は認識をしております。
それでは、我々からの提案内容について御説明をさせていただきます。
まず、提案の範囲について簡単に御説明いたします。建設業許可におきましては、右の
表にありますとおり、責任者、技術者をそれぞれ営業所や工事現場に専任で配置する必要
があります。今回の提案範囲は、各営業所に配置が必要な営業所技術者に関する部分にな
ります。
提案内容、営業所技術者の役割は、これまで住友不動産様のほうで御説明されたとおり
です。兼務のイメージを図に記載しておりますけれども、各営業所に配置する営業所技術
者の兼務を可能とするという内容です。
右側に期待・効果を記載しておりますけれども、兼務の実現により同一の技術者が担う
ことが可能になるだけでなく、同一レベルでのバックアップ・サポートを実施することが
可能になります。加えて、建設業全体における活性化、ビジネス継続が可能になることも
期待できると考えているところでございます。
提案に至った背景としましては、建設業全体に共通する内容だと思いますが、若手を中
心とした技術者不足が顕著であること、技術者不足により、特に地方拠点を中心とした営
業所の廃止といった懸念があること、そして、当該地区でのビジネス継続ができなくなる
ということを想定しています。結果、地域貢献への影響も出てきてしまう。
具体的には、弊社富士通、富士通Japanでの施工ノウハウを地方へ展開できなくなること
による、例えば、老朽化対策を含めた地域インフラの遅れ、そして、地場企業の活用や地
域活性化への影響を想定しています。
弊社の強みである防災分野の施工・技術ノウハウについては、次のページで少し御紹介
をしたいと思います。
国土強靱化、防災・減災の取組は社会課題であると認識しております。各地方のインフ
20
ラ整備を早期に実現しなければならないと認識しており、このようなノウハウ、技術の展
開は企業の責任であり、持続可能な社会の実現にもつながるものだと思っております。
さて、これまで弊社が認識している国土交通省様の見解と弊社の見解を少し整理してみ
たいと思います。
上段に記載のとおり、両者においては、デジタル技術の活用により、一営業所技術者が
役割を果たしつつ複数の営業所を兼務するという点については可能である、この点につい
ては一致しているという状況でございます。
左側に記載の国土交通省様におきましては、不良・不適格業者の参入、地域建設業の受
注環境への影響を懸念されております。その解決には、一営業所に1人の営業所技術者を
配置することが必要であるというふうな論理展開をされているという認識です。
一方、右側に記載の弊社の提案ですけれども、営業所技術者の役割の観点から整理をし
ております。適正な請負契約の締結や履行の確保については、会社や組織のバックアップ、
具体的にはノウハウを持つ有識者や第三者による組織横断でのチェックにより可能ではな
いかと。また、技術的観点による契約内容の確認や現場の技術者のバックアップ・サポー
トについては、Teams等を活用したオンライン確認、また、ウェアラブル端末などの最新技
術の利用によるリアルタイムサポートといったデジタル技術の活用を通じて、一営業所に
営業所技術者がいなくても、その役割を果たすことは可能であると判断しています。
今回、両者の見解の相違がポイントになるということで整理をしております。弊社とし
ましては、国土交通省様の懸念点については、営業所技術者の役割の懸念・課題とは認識
しておらず、どちらかというと運用の課題であると考えております。運用の見直しや整備
によって解決できる内容であると認識しておりますので、次のスライド以降で運用面にフ
ォーカスした提案についても御説明させていただきたいと思います。
左側の赤字の部分になりますけれども、こちらは国土交通省様の課題・懸念事項を2点
整理、記載をしております。それぞれの対応案を右側にて整理、記載しており、基本的に
は現状の運用や制度でカバーするというものになります。
1つ目は、現状の許可制度の運用の見直し、チェック強化です。不良・不適格業者の参
入による不適切な施工といったものは当然避けるべきですけれども、営業所において技術
力の確認ができれば不良・不適格業者とはならないということになるかなと。例えば、②
で記載の決算変更届を毎年提出しておりますが、こちらは会社の業績報告に加えて営業所
ごとの人数について届出を行っています。例えば、この変更届において営業所技術者と同
等の資格、例えば施工管理技士を有する人数を明記するなどすれば、営業所の技術力の確
認は当然可能になります。こちらについては次のスライドでも補足したいと思います。
2つ目になります。総合評価落札方式の適用になります。地域建設業の受注環境への影
響だけでなく、不良・不適格業者の参入に対する対策にもつながると認識しています。こ
ちらは、価格に加えて、品質、技術力も評価する落札方式となりますので、技術力がない
建設業者や営業所は受注できないと認識しています。また、地場企業活用の評価項目もあ
21
りますので、2点目の課題への影響は少ないと判断しています。
この落札方式は、公共工事では適用済みとなっておりますので、民間工事に対しては、
例えば建設業者に対する活用の推奨、状況の可視化と評価の仕組み、またガイドラインで
の整備といったところでの明確化などにより、カバーすることは十分可能であると認識し
ています。運用の見直しに関しては、それぞれの理解統一が必要になりますので、まさに
ここは三位一体での解決が必要であると認識している次第でございます。
このスライドは、先ほど申した1点目で説明した建設業許可制度における運用見直し、
チェック強化に関する補足スライドになります。
例えば、下段は各届出と許可制度の関係性をマトリックスにした表になります。定期的
な届出・申請により、建設業者の技術力を確認する手段はいくつかあります。また、営業
所の新設の際の手続フローを下段の右側に記載しております。従来の変更届に加えて、例
えば決算変更届や経営規模等評価結果通知書、いわゆる企業の通信簿みたいなものになり
ますけれども、そういったものを添付することで新設営業所において技術力を伴っている
かの確認は可能になります。
残りのスライドを2枚用意していますが、総合評価落札方式の参考資料になりますので、
説明を割愛いたします。
これまでの説明のとおり、営業所技術者の役割については、デジタル技術の活用等によ
り、必ずしもその営業所にいなくても果たすことが可能です。また、いくつかの課題・懸
念点については、現状の運用ルールの少しの見直しによりカバーできることを踏まえると、
兼務は十分可能である。営業所廃止といった企業インパクトだけでなく、昨今の老朽化対
策を含めた地域インフラの整備、活性化も図れるという点からも、兼務は早期に進めてい
く必要があるかと思っております。ぜひ御検討をお願いいたします。
以上で説明を終わります。ありがとうございました。
○中室座長
ありがとうございました。
続きまして、ただいま御説明いただきました御要望について、国土交通省から事前に御
提出いただいた資料を基に御意見を頂戴したいと思います。10分程度で御説明をお願いい
たします。
○国土交通省(堤審議官)
国土交通省から、資料2-3に基づきまして御説明をいたし
ます。
1ページをお願いします。
このページでは、営業所技術者制度の仕組みと趣旨について説明をしております。まず、
建設工事の特殊性として、真ん中の囲いにありますけれども、一品受注生産であることと
か、下請業者も含めて多くの関係者が関わるといった特性がございますので、営業所技術
者として一定の能力を有する技術者を営業所に配置することを義務付けております。
この技術者は専任で配置することになっておりますが、これは営業の実態に技術力が伴
うことを担保するためでございまして、これにより適正な施工の確保、発注者保護が図ら
22
れることとなります。
次のページをお願いします。
これは御参考なのですけれども、昨年6月の建設業法改正で、営業所技術者が現場技術
者の業務を兼務できるようになりましたので、その御紹介です。図を見ていただきますと、
これまで営業所の技術者は専任で置かれることになっていましたが、改正後は、特定建設
業も一般建設業も同様ですが、現場に置かれる技術との兼務が可能となりました。
右側に要件を書いてございます。請負金額が1億円未満、建築一式の場合は2億円未満
です。兼任現場数が1工事現場のみで、営業所と工事現場の距離はおおむね2時間以内で
移動が可能な距離、そして、連絡員を配置すること。加えて、ICT技術を使って人員の配置
とか現場状況を確認すること。こうした要件の下で兼務が認められているということでご
ざいます。
3ページをお願いします。
このページは、営業所技術者の兼任に関するこれまでの議論の御紹介でございます。令
和4年4月に、「技術者制度検討会」、有識者会議による取りまとめが行われています。
前のページで申し上げた令和6年の技術者制度の改正はこの取りまとめに従って行われた
ものですが、営業所同士の兼任についても考え方がこの中で示されています。
まず1つ目の○でございますけれども、ICTの普及状況等を踏まえれば、営業所技術者が
複数営業所を兼務することは技術的には可能であるとされています。ただし、営業所同士
の兼任については以下の課題、懸念があるということです。
1つ目は、不良・不適格業者の参入。複数営業所の兼任を無制限に可能とした場合、営
業所専任技術者本来の役割を果たせなくなる。さらには、営業の実態に技術力が伴わない
不良・不適格業者の参入が可能になるおそれがあるということです。
2つ目は、地域建設業の受注環境への影響でございます。2つ目の○ですが、複数営業
所の兼任を可能とした場合、営業所の設置が容易となり、受注競争の激化を招くおそれが
ある。こういった指摘がされています。
矢印のところで結論が述べられていますが、最後の2行のところですけれども、営業所
同士の兼任、及び上記の課題に対応するための方策については引き続き検討を行う、この
ように結論付けられています。
次のページをお願いします。
提案内容については、先ほど御説明がありましたので省略をいたします。
対応の方向性でございますけれども、1つ目と2つ目のポツはこれまでの説明と重複す
るので省略しますが、結論としては最後のポツの2行目からになります。昨年の改正法で
措置した営業所技術者と現場技術者の兼任制度が施行されたばかりですので、その活用状
況を見ていく必要があると考えています。その中でいろいろな課題が出てくるでしょうし、
前のページで申し上げました、不良・不適格業者の参入とか地域建設業の受注環境への影
響といった課題もございますので、そういった点も考慮に入れながら兼務に向けた検討を
23
行っていきたいと考えております。
説明は以上になります。
○中室座長
ありがとうございました。
それでは、質疑応答に移りたいと思います。御発言を希望される方は挙手機能でお知ら
せください。
片桐委員、お願いいたします。
○片桐専門委員
ありがとうございます。
国土交通省さんに質問をさせていただきたいと思います。
ただいま御説明いただいたように、営業所専任技術者を営業所ごとに必置することにな
っているということですけれども、技術者が契約と営業の実態等をきちんと適切に管理す
るため、技術者が技術的な観点から監督することが重要だということはよく分かりました。
他方で、技術者が営業所ごとに必ずいなくてはいけない理由がよく分からなかったので
す。技術者がいるのですよということではなくて、営業所ごとに必置としている理由をも
う少し御説明いただけないかと思います。
それの御回答は、もしかすると資料で示された3ページになるのだろうと思いますけれ
ども、3ページの資料を見ても、可能となるおそれがある、激化を招くおそれがあるとい
うことですけれども、こういう参入が起こるというメカニズム、因果関係とか、受注競争
の激化が招来するという因果関係がよく分からないということ。
それから、「おそれ」というのも、確実に起こるという高度の蓋然性があるところから、
極めて抽象的にそういう心配があるというレベルまであるかと思うのですけれども、どの
程度の確実性を見込んでおられるのかということについて御回答ください。
○中室座長
では、片桐委員だけではなくて、もう一人、村上委員もお願いいたします。
○村上(文)専門委員
ありがとうございます。
私も片桐委員の質問と一部関連するのですが、国土交通省さんの回答資料の3ページで、
兼任することに対する課題が2点挙げられているのですが、請負契約の締結とか履行をき
ちんとやるに当たって、複数営業所での兼任とか、支社・本社でより高度な人がきちんと
チェックをすれば、むしろ的確な判断、あるいは履行ができるのではないか。営業所に置
いたから良くて、ほかで責任を持ってやったら駄目だという理屈は、私も片桐さん同様、
何かおかしいのではないかと思いました。
もう一個、地域への影響というものについても、先ほど住友不動産から、営業所を廃止
してしまう、人がいないから営業所をどんどんなくしていくことは、むしろ地域にとって
のデメリットのほうが大きいのではないか。地場企業の受注環境を維持するのであれば、
営業所の兼任・専任云々ではなく、発注要件として一定程度地場企業への発注を条件付け
ればいいだけの話なので、この2つの課題は論理が飛躍しているので、この検討会で次回
検討する際はロジックをきちんと正しく検討していただきたいと思います。
私からは以上です。
24
○中室座長
ありがとうございます。
それでは、今の片桐専門委員と村上専門委員の質問について、国土交通省さんのほうか
ら御回答をお願いいたします。
○国土交通省(堤審議官)
片桐委員のまず第1点目ですけれども、営業所ごとに技術者
を置かなければならない理由は何かということです。これは、もし営業所技術者が不在と
いう場合には、その会社の能力とか経験では施工できない内容の工事とか、契約工期まで
に工事を終わらせることができない工事について、技術的検討が十分に行われないまま契
約が行われてしまうことも想定されます。結果、粗悪な施工とか工期延長が発生すること
もございますので、発注者に甚大な影響が生じることになります。ですので、企業の営業
の実態に技術力が伴うことを担保するために、営業所ごとに専任の技術者を置くことを基
本としているところでございます。
ただ、これは飽くまで基本形でございまして、先ほどの技術者制度検討会の取りまとめ
にもありましたように、営業所専任技術者が複数営業所を兼務することは技術的に可能と
いう指摘がされておりますので、今後、実態をよく把握しながら兼務の検討を進めていく
必要があると思っております。
それから、資料の3ページについて御質問をいただきました。不良・不適格業者の参入
が起こるメカニズムということでございます。営業所の兼任を可能にした場合、要は制度
を緩めてしまった場合には、一部では営業が先行して技術的な検討が追いつかない、適正
な施工確保に支障を来すことも考えられる、そういった不良・不適格業者の参入が起こっ
てくるのではないか、そういったおそれということでございます。
2点目の地域建設業の受注環境への影響につきましては、これは大手企業も含めて地域
での発注に参入することが容易となってきますので、その結果、受注競争の激化を招くお
それがあるのではないかということでございます。
それから、村上委員から、地場企業の受注環境への影響については、発注要件等の工夫
で対応できるのではないかということでありますけれども、公共工事の入札におきまして
は、支店要件を設定しているのが通常ですけれども、自治体によっては本店要件を設定し
ているところがあります。その場合には、地域建設業の受注確保という点で課題が生じる
ことはないのですけれども、参入障壁が高くなりますので、その是非について発注者によ
って捉え方が変わってくると思いますので、根本的な解決にはつながらないのではないか
と考えております。
○中室座長
ありがとうございます。
片桐委員、村上委員、更問はございますか。
○片桐専門委員
片桐でございます。
御回答ありがとうございました。
まず、私の質問は3点目があったところで、それぞれのおそれがあるというのがどのぐ
らい具体的なものとして想定されているのかをお答えいただきたいということだったわけ
25
ですけれども、この点について御回答いただけないかと思っています。
もう一点、繰り返しになりますけれども、技術者が技術的な観点から契約や、ひいては
営業の実態をきちんと管理監督するという裏付けを持つことが大事だというのはよく分か
りました。他方で、営業所ごとに技術者を配置することでしかそういう裏付けが得られな
いとおっしゃるロジックがよく分からないので、御説明いただけないでしょうか。
以上2点です。よろしくお願いいたします。
○中室座長
村上委員のほうは、更問はよろしいですか。
○村上(文)専門委員
私も簡単に。
1点目が、営業所に専任技術者を置かないと責任が持たれないということでしたが、置
かないというより、他の営業所とか支所の人間がそれを担当するだけなので、先ほどの回
答はおかしいと思いました。
2点目、地域企業への影響で、先ほど御回答で、本店とか支社で賄うと大手企業が参入
してきてしまうということで、これは結果的に、地場企業を守るためにあえて不便を強要
しているという回答に読み取れましたけれども、国土交通省さん、そういった理解で合っ
ていますでしょうか。
私からは以上です。
○中室座長
国交省さん、いかがでしょうか。
○国土交通省(堤審議官)
片桐委員の2点目からお答えいたします。営業所ごとに技術
者を置かなければいけない理由は何かということですけれども、必要な技術力を担保する
ために営業所ごとに1人専任の技術者を置く、それを基本形としているということでござ
います。
今後、兼務の検討を行うに当たって、いろいろなバリエーションがあると思います。こ
れは村上委員の御指摘があった点とも共通しますけれども、例えば支社とか組織でバック
アップをすれば兼任が可能ではないかということですが、会社でどの程度バックアップで
きるかというのは会社の状況によって変わりますので、全ての会社において営業所に1人
置く場合と同等のレベルのバックアップが確保されるとは限らないということです。です
ので、基本形としては営業所ごとに1人専任の技術者を置くことにしているということで
あります。それは飽くまで基本形でございます。ただ、実態を今後よく調査をした上で、
どのような条件設定であれば兼務が認められるかというのを考えていきたいと考えていま
す。
それから、地場企業の受注機会を守るという趣旨なのかという村上委員の2点目の御質
問ですけれども、営業所技術者制度の直接的な趣旨は営業の実態に技術力を伴わせること
であると承知していますが、副次的なものとして、地域建設業の維持とか健全な発展とい
う狙いがあることも否定できません。
過去の国会答弁等においても、随分昔になりますけれども、単に受注便宜のために名目
的に営業所を設置する行為を抑制して、中小建設業を取り巻く環境を改善する狙いがあっ
26
たと答弁されているところです。
規制緩和すべしという考え方とは一線を画すようなことを申し上げますけれども、地域
の建設業が存続して健全に発展すべきだということは、政策の全体を見るなら重視すべき
視点であると思います。
ちょっと脱線をしますけれども、建設業は災害時には地域の守り手として活躍をいただ
いておりまして、一方で、地域によっては業者がいなくなって災害時の対応に困難を来し
ているという状況もございます。地域を守っているのは地域の建設業でございます。地域
建設業がしっかり存続することが地域の安心につながりますので、そういう政策を我々も
推し進めている一面がございます。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
これはちょっと議論があるところではないかなと思うのですけれども。
お願いします。
○片桐専門委員
時間がない中で大変申し訳ないですけれども、もう一回だけ更問をさせ
てください。
相変わらず、私の「おそれ」というのはどの程度のことを考えておられるのかという点
について御回答をいただけていないと思います。
それから、これに付随してもう一回確認をさせていただきたいのですけれども、営業所
ごとに置くというのが基本形になっているというのは見れば分かるというか、そういう仕
組みになっているというのは私も理解をしています。
私が問うているのは、その基本形が、皆さん方がおっしゃるような不良・不適格業者の
参入を防止するとか、地域建設業の受注環境に影響を与えることを防ぐとか、そういう目
的に対してどれぐらい実効的なことなのですかということを伺っているのです。村上委員
がおっしゃられているのも同じ趣旨で、ほかの方法だって考えられるのに、なぜそれが基
本形なのですかと伺っているところなのです。
この点についてもう少し踏み込んできちんと御説明いただかないと、我々としても、今
の皆さん方の御説明がなるほどと腹落ちをしないところがあるので、この辺をもう一度御
説明いただけないでしょうか。
○中室座長
国交省さん、お願いいたします。
○国土交通省(甲斐室長)
建設業技術企画室長の甲斐と申します。よろしくお願いしま
す。
今お話しいただきました「おそれ」の部分です。3ページ目の不良・不適格業者の参入
というところで書いております。「おそれ」と書いておりますので、おっしゃるとおり、
それは確実に起こるのかどうなのかということを明確に判断し切るものではございません。
一方で、今回、営業所の兼任を広げていくというお話で議論させていただいていますけ
れども、類似する話としまして、ICTを活用して現場の技術者の専任を広げていきましょう
27
ということをこれまで議論しまして、昨年の法改正で導入したという経緯がございます。
現場の専任を広げていこう、これは営業所の兼任を広げていこうというのと似たような
話でありますけれども、当然同じような議論がございました。
当時の議論の中で、様々な業団体の皆様方にアンケートを取りながら、業団体の御意向
を伺いながらやっていきました。大きな企業、中小企業、専門業者、様々なところに何段
階かに分けて意見を聞いて、皆さんの考えを取りまとめていったのですけれども、その中
でも、ICTを入れながらもっとやりたいのだという方と、なかなかそれができないという方
と、実際にやってらっしゃる業者さんとして、受注環境の変動に対する懸念の声だとか、
様々御意見をいただいた次第です。そういった状況を踏まえながら、今回の法改正では、
皆さんがこれでやってみようという合意できるラインでまずスタートしているという経緯
がございます。
同じように、営業所の兼任を広げていくという議論になると、いろいろな企業さん、業
界の皆さん方の意見を聞きながら判断していくことになるかと思いますけれども、一定程
度、不良・不適格業者の参入といったことに対する懸念の声が出てくることは想定してい
る次第であります。
また、営業所に技術者を置かねばならない実効性のお話をいただいておりました。営業
所の技術者の仕事が何かというところになりますけれども、契約をする上で技術的な観点
でチェックをするためにいていただいているという形になっています。
建設工事というのは、極めて即地性が高いものだと認識しております。例えば、建物で
あれば地形とか地質、交通の状況、都市の構造、条例その他、様々な地域地域で決まって
いる要件、状況をしっかり理解をした上で、それを建設工事の契約上でどう整理するかと
いうところが重要な仕事になってくるかと思っています。その意味で、営業所に専任して
いただいていると考えていただければよろしいかと思います。
ほかに手段があるというふうにお話しいただいていますが、例えば、大手の企業の本社
のバックアップ機能をもって、地域に精通した詳細な技術的な検討あるいは契約の中身の
確認がどこまで代替できるのかというのが、我々もいまいち腹落ちするところがないとい
うのが所感でございます。
以上です。
○中室座長
片桐委員、よろしいですか。
○片桐専門委員
○中室座長
ありがとうございました。
それでは、続けて質問を取りたいと思います。
まず、田中専門委員、お願いいたします。
○田中専門委員
ありがとうございます。
いろいろ御議論があったところではあるのですが、兼任についてもどういった形で実現
するのかという方向で、前向きに検討いただけるというのが4ページの方向性というとこ
ろに記載されているものと理解しました。
28
その一方で、先ほどの事業者からのお話を聞きますと、実際に専任技術者が配置できず
に廃止される営業所もあるということで、労働力不足が顕在化していく中で対応はもう待
ったなし、喫緊の課題であると思うわけですけれども、国土交通省様としてはいつまでに
検討の御結論を出すのか、その見込みを教えていただけますでしょうか。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
戸田専門委員も続けてお願いいたします。
○戸田専門委員
国交省様に2点質問させていただきます。1つは、先ほど大手企業の提
案については腹落ちしないというお話があったのですけれども、不良・不適格業者参入の
抑止という観点からの実務的な仕組みの提案があったわけですが、これはなぜ腹落ちしな
いのかというのがよく分からない。今日聞いた話は非常に納得性のある話で、こういった
仕組みを広く浸透させていくことで、適正な施工を積極的に担保することも可能ではない
かと思うのですが、なぜ生産性を削ぐような専任規制に頼っているのかといったところが
よく分からないというのが1点目です。
もう一つ、地域建設業の受注環境への影響ということですけれども、兼務であっても営
業所技術者の役割を全うしなければいけないという法の趣旨は変わらないわけで、兼務が
すぐそういったことの乱用につながるとは言えないと思うのです。
例えば、兼務可能な事業所は日中に往復可能な1か所に限定して、連絡その他の必要な
措置を講じることのできる実務経験者を配置しておくとか、そういった規定を置いておけ
ば、営業所技術者の職務を全うしつつ、兼務も可能だといったこともできるのではないか
と思うのですが、そういった具体的な検討をなされていないのでしょうかということを2
点目の御質問とさせていただきます。
以上でございます。
○中室座長
ありがとうございます。
それでは、今の田中委員、戸田委員の質問について、国土交通省さんから回答をお願い
いたします。
○国土交通省(堤審議官)
まず、田中委員のほうから、今後のスケジュールについて御
質問がありました。令和6年、昨年の法改正で、技術者の兼任制度を措置しましたので、
営業所技術者と現場技術者の兼任の状況、また、現場の状況を見ていきたいと思っていま
す。実態把握をしっかり行った上で課題を抽出するということをやっていきます。
具体的には、これは調査費を取る必要があると思っていますので、令和8年度予算の概
算要求に盛り込んで必要な調査を行っていく。そういったスケジュールを考えてございま
す。
戸田委員の2点目についてお答えいたします。今後、営業所技術者の兼任を考えていく
中で、おっしゃられたような兼務可能な日中に1箇所ならいいのではないか等々、いろい
ろな要件設定があるかと思いますので、そういったことも含めて今後の検討の中でよく考
29
えていきたいと思います。
○国土交通省(甲斐室長)
続きまして、戸田委員から、腹落ちしないとはどういうこと
だというお話をいただきました。少し補足といいますか、正確に申し上げると、企業様方
からの合理化の提案そのものを否定しているわけではありませんで、我々としても合理化
をどう進めていくのかというのはすごい大事な課題だと考えています。ここはまず御承知
置きいただければと思います。
一方で、今回、法改正をしまして、ICTを使うことで現場の専任技術者の兼任を広げてい
きましょうという議論を国会で御審議いただいたときに、国会の御意見の中でも、合理化
をしていくことは大事だと。一方で、今まで専任していた方が兼務をする、ほかの仕事を
見るということに対する不安感といいますか、安心感が下がっていくようなこともあるよ
ねという国会での御審議もありまして、結果として、最後は附帯決議で、しっかり今後の
実施状況を確認していってほしいというふうにいただいています。これは、導入する議論
をする前段で業界の皆さん方と議論したときも、やはり右、左、両方御意見があったとこ
ろです。
今の建設業のシステムが発注者に対する信頼感とか安心感を一定程度与えているといい
ますか、そういった機能を持っているという目線で見たときに、先ほど申し上げたように、
営業所の技術者、その地域のことをよく知っている人がそこに専任してその契約を見てい
るというものを前提にしたときに、御提案いただいているように、本社でそういったチェ
ックをバックアップしますからという話に対して、どこまで同じような地域の特性にしっ
かりと熟知した対応ができるのかというところが、我々としてもそうだよねというふうに
明確に言い切るほど情報をしっかり持っていないというのが現状でありますので、こうい
ったお話をいただいたことを踏まえながら、いろいろと御意見なり、取組の中身を具体的
に聞かせていただければなと思っています。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
田中委員、戸田委員、更問はございますか。
○田中専門委員
ありがとうございます。
令和8年に予算を取って調査をするという御回答をいただきましたが、結論としては、
目標で構いませんので、目標としてこの時期にはきちっと結論を出すという具体的な数字
を教えていただきたい。先ほどの事業者からの説明でありましたように、今まさに本当に
大変なことになりつつある、あるいはなっているという状況の中で、それだけ時間をかけ
てしまっていいのかということを念頭に置いた上で、その数字をお聞かせいただきたいと
思います。
以上です。
○中室座長
国交省さん、いかがでしょうか。
○国土交通省(堤審議官)
スケジュールとしては令和8年度予算を要求するということ
30
は決めてございますけれども、これは法律を出すという話になっておりますので、いつい
つまでにやるということを決定的なお約束として申し上げることが大変難しい状況にござ
います。とにかくできるだけ早く対応してまいりたいと思っております。
○中室座長
ありがとうございます。
田中さん、大丈夫ですか。
○田中専門委員
できるだけ早くというふうにお約束いただいたということで、ぜひよろ
しくお願いいたします。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
今、田中専門委員もまさにおっしゃったことなのですけれども、現場の状況が非常に逼
迫している中で、腹落ちしないというような具体のない話でどんどん引き延ばしていくと、
本当に営業所自体が立ち行かなくなってしまうところも出てくるのではないかなと思って
いますので、早急に検討していただくことも必要ですし、あとは、腹落ちしない人、腹落
ちする人、いろいろな人がいるのと思うので、いろいろな人の意見を聞いているというだ
けではなくて、例えばサンドボックスとか特区のような仕組みを使って実際に実証してみ
るとか、生産性、安全性の両方にどういう影響があるのかということを具体的にお示しい
ただくことも必要ではないかなと、私は今日の議論を聞いていて感じました。ありがとう
ございます。
住田委員、どうぞ。
○住田専門委員
1点だけコメントさせていただいてもよろしいでしょうか。
先ほどから国土交通省様が結構おっしゃっていることの中に、地方の特性を把握してい
る人がという話を何度かされていたところがあるのですけれども、こちらもすごく大事な
観点だと思うのですが、特にICTを使ってそういうデータもしっかり残していくというか、
データでちゃんと管理していくことで、地域の専門性がない方でもちゃんと管理ができて
いく可能性もあるということも考えて、しっかりICTを活用して対応をしていただきたい
なと思った次第です。
以上です。
○中室座長
ありがとうございます。
それでは、時間が参りましたので、議題1、議題2をまとめて取りまとめをさせていた
だきたいと思います。
議題1に関しましては、本日、田中委員がおっしゃったことが全てではないかと思いま
すが、既に政府のほうで閣議決定した内容がございますので、そのことを踏まえた上で、
建設工事請負契約における書面契約について、署名押印以外の手段が取れるよう、特に注
文書・請書については署名押印を不要とすることで簡素化が図られるよう御検討いただき
たいと存じます。
また、電子契約については、現行のガイドラインでは、主流になっている立会人型の活
31
用が可能なのかといった基準が曖昧であるとの御指摘がございましたので、早急に御対応
をお願いいたします。
論点2に関しましては、営業所専任技術者については、専任でなくても会社・組織のバ
ックアップやデジタル技術の活用を通じて、より画一的な基準で審査が可能という事業者
からの指摘もございましたので、その兼務可能性について検討をいただきたいと思います。
国土交通省さんは昨年の4月に、「i-Construction 2.0」という建設業界のデジタル化
を推し進めておられると思いますけれども、そうした効果を高めるためには、デジタル化
を単純に進めるだけではなくて、セットで不足している技術職の配置義務の緩和を行わな
ければ、デジタル化の効果は最大化されないのではないかなと思いますので、その障壁と
なる各種規制の是正についても柔軟に御検討いただきたいと思います。デジタル化とルー
ルメイキングの両輪で建設業界の生産性向上を実現していただければと思います。
それでは、各団体、各省庁の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、どうもありが
とうございました。「退出する」というボタンより御退室ください。
(議題2関係者退室)
○中室座長
最後に、議題3「規制改革ホットライン処理方針について」に移りたいと存
じます。
事務局より御説明をお願いいたします。
○大平参事官
事務局から、資料3に記載されております規制改革ホットライン案件の取
扱いについて御説明いたします。
現時点で、関係省庁に対し再度の検討を求める必要があるかどうかを判断するため、事
務局で提案内容に関する事実関係を確認する事項として△印を1件とさせていただいてお
ります。
事務局としては以上でございます。
○中室座長
ありがとうございます。
ただいまの事務局からの説明について御意見等はございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、規制改革ホットライン処理方針については、資料3のとおりで決定したいと
存じます。
以上で議事は全て終了いたしましたので、本日のワーキング・グループを終わります。
速記はここで止めてください。
32
資料1
資料1-1
規制改革要望
建設工事請負契約における押印義務について
2025年3月4日
三井不動産株式会社
望月 治彦
Copyright © 2025 Mitsui Fudosan Co., Ltd.
私たちの要望
建設工事請負契約における
1.押印義務の緩和
2.電子契約利用時のガイドラインの見直し
構成
1.
背景・社会課題
2.
建設工事請負契約の押印義務(建設業法第19条)
3.
書面契約の課題と解決策
4.
建設工事請負契約における電子契約
5.
要望事項まとめ
2
1.背景・社会課題
3
建設業界の人手不足・高齢化
出典:「第三次・担い手3法について~建設業法、入契法、品確法の一体的改正について~」
国土交通省 不動産・建設経済局 建設業課 令和6年8月
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_0
0033.html
4
資材の高騰
出典:「改正建設業法について~改正建設業法による価格転嫁・ICT活用・技術者専任合理化を中心に~」
国土交通省 不動産・建設経済局 建設業課 令和6年12月
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001855628.pdf
5
人件費・資材高騰による建築単価の上昇
130
125
123.3
120.2
120
115
113.2
110
108
107.9
105.5
105
102.2
100
99.8
96.8
96.5
95
93.8
100
100.3
93.4
93.5
94.7
94.1
91.5
90
89.3
89.5
88
87.1
87.6
88.6
89.7
85
80
建築費の水準 2015年:100
出典:国土交通省建設工事デフレーター
6
高騰する工事費のため、一部公共・民間工事
の中には中止・延期も
発注者に適正な価格転嫁を求める(令和6年
建設業法改正)
建設会社としてはより一層の効率化が求めら
れている
7
2.建設工事請負契約の押印義務(建設業法第19条)
(建設工事の請負契約の内容)
第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つ
て、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名
又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その
内容
五 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対す
る支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
六 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工
事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工
期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの
額の算定方法に関する定め
七 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及
びその額の算定方法に関する定め
八 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条
に規定する価格等をいう。)の変動又は変更に基づく工事内容
の変更又は請負代金の額の変更及びその額の算定方法に関す
る定め
九 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠
償金の負担に関する定め
十 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機
械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
十一 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の
時期及び方法並びに引渡しの時期
十二 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
十三 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない
場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関
して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをする
ときは、その内容
十四 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅
延利息、違約金その他の損害金
十五 契約に関する紛争の解決方法十六 その他国土交通省令で定め
る事項
2 請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当
するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又
は記名押印をして相互に交付しなければならない。
3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代え
て、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子
情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方
法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通
省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国
土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を
講じたものとみなす。
8
所定事項を記載した書面を署名又は記名押印のうえ、双方に交付⇒実務上は、請負契約書への押印義務と理解さ
れている ※以後、「署名又は記名押印」を端的に「押印」と表記
契約締結方式の類型
➢ 基本契約書+個別契約(注文書・請書)
➢ 請負契約書本
発注者
基本
契約書
➢ 注文書・請書の交換のみ
請負人
(建設業者)
基本契約書
双方が押印
発注者
発注者
+
請負人
(建設業者)
請負人
(建設業者)
注文書・請書方式
発注者、請負人がそれぞれ押印し交換
契約書方式
双方が押印
発注者
請負人
(建設業者)
注文書・請書
発注者、請負人がそれぞれ押印し交換
9
請負契約の例(パターン1:請負契約書1本)
民間建設工事標準請負契約約款(甲)
中央建設業審議会
「契約書」本体
赤枠:建設業法第19条第1項に定める法定記載事項
青枠:その他建設業法に定める行為準則
約款
工事内容
工期
工事代金
支払方法
発注者記名押印
請負人記名押印
※この後に、特記事項、工事明細、図面が添付される
大型の工事、住宅建設の発注など
10
11
請負契約の例(パターン2:基本契約+個別契約(注文書・請書)方式)
(一社)全国建設業協会
基本契約書
個別契約
注文書
工事内容
工期
工事代金
支払方法
㊞
基本契約書:
約款部分
㊞
請書
㊞
工事内容
工期
工事代金
支払方法
基本契約書:通則部分
・個別契約は注文書・請書で成立
・基本契約書の有効期間
建設会社間(元請-下請)で用いられることが多い
㊞
請負契約の例(パターン3:注文書・請書の交換のみ)
某社の注文書様式(請書も実質的には同様)
注文書別紙
発注者記名押印
㊞
• 企業間の継続反復する類型の工事
• 比較的小規模のリフォーム工事
工事内容
工期
工事代金
契約書1本
支払方法
基本契約書
+
注文書・請書
工事固有
「契約書」部分
通則
共通事項
「約款」部分
共通事項
「約款」部分
注文書・請書
共通事項
「約款」添付/引用
基本契約
工事固有
注文書・請書
契約の詳細は民間連合協定工事請負契約約款による
ものとします。
建設業法第19条第1項に定める各事項は注文書別紙
によるものとします。
工事固有
注文書・請書
標準的な約款の例
• 中央建設業審議会(公共・民間・下請)
• 民間(七会)連合協定工事請負契約約款(建設・小
規模・リフォーム・マンション修繕)
• その他各種業界団体
13
建設業法第19条第1項の趣旨
• 請負契約の明確性及び正確性を担保し、紛争の発生を防止する
• いわゆる請負契約の「片務性」の改善
出典:国土交通省「発注者・受注者間における建設業法遵守ガイドライン」
• 昭和46年の改正で押印が義務付けられた
• 宅地建物取引業法に基づく重要事項説明書への取引士記名押印が義務付けられたのと同じタイミング(令和2年に押
印義務廃止)
元々は、注文者=強者、請負人=弱者を想定
例:下請いじめ
⇒競争法的規律(注文者側をより規律)
しかし、注文者が消費者、特に高齢者などの弱者
例:リフォーム詐欺
⇒消費者法的規律(請負人側をより規律)
14
3.書面契約の課題と解決策
紙
課題
• 印刷・製本・保管の手間とコスト
• 契約書1通あたり1万円以上
• 長期保管(10年以上)によるスペースと管理負担
最厳格
実印+印鑑証明(≒権限確認)
(取引意思確認は当然の前提)
厳格
文書の真正性の推定がなされる場合
いわゆる職印・取引印
印鑑照合を通して、権限確認、取引意思確認
を行う
最低限
文書の真正性の推定が直ちには認められな
い場合
いわゆる三文判
本人性、権限確認、取引意思の確認は別途
補う必要がある
押印なし
本人性、権限確認、取引意思の確認は別途
補う必要がある
• 押印の実効性の低下
• 建設業法は印鑑の種類を問わない
• 三文判やゴム印では契約締結権限や意思確認が不十分
•
裁判実務でも、三文判の効力は限定的
• 他の法律の事例
• 下請法・特定商取引法では押印不要
• 宅建業法でも令和2年に押印義務廃止
実質的な
差はある
のか?
解決策
• 電子契約の導入⇒後述
出典:本資料のためのオリジナル
• 押印義務の免除又は簡略化
• 特に、「小規模契約」では押印義務を免除⇒次ページ
15
「小規模契約」の基準としての「注文書・請書」形式
国交省通達(平成12年6月29日、建設省建発第132号)
1.
基本契約書(主要条件)を締結したうえで、注文書・請書(個別工事特有事項記載)を交換する場合
• 現行:基本契約書にも、注文書・請書のいずれも押印必要
• 基本契約書に押印があれば、個別の注文書・請書には押印義務を免除とする解釈・運用ができないか
•
•
•
2.
基本契約書に、契約の主要条件が規定されており、法の目的(請負内容の明確化や片務性の改善)は基本契約書でほぼ実現可能
工事内容、代金、工期、支払条件を記載した注文書・請書部分だけで不公平になることは想定しづらい
注文書・請書部分に不公平な内容があっても、公平な契約の原則や不当な代金・工期の禁止が規定されている建設業法によって是
正可能
注文書・請書の交換のみの場合その他の契約類型
• 現行:契約書に押印必要。注文書・請書の場合いずれへの押印が必要
• 押印義務を免除できないか
•
建設業法第19条の改正が必要となるか
• 実務上、特に、注文書・請書の交換のみの契約は、小規模工事を中心に広く行われており、押印廃止による効率化の効
果は大きい
約款部分が一定の水準を満たしている場合に限定して押印を廃止することも検討に値する
押印義務免除に代わる法の趣旨の実現の方策
✓ 前提:押印の有無にかかわらず、取引条件の明示を
徹底
✓ 相手方の取引意思・権限確認を、当事者の属性(消
費者/事業者、業者/非業者)、取引の特性、金額など
に応じて行う※=形式的な要件加重は実務が混乱
※各当事者の取引意思・権限確認を確認する手段の例
• 建設業者の保管帳簿に含まれる法19条書面(契約書)に以下を添付
A) (消費者相手の場合)自社の権限ある者が取引意思あることを相手方に示し
た記録(責任者名の明示など)
B) 相手方の取引意思・権限確認を確認した記録
• Bの例として、以下などが考えられるが、実態に応じた工夫が必要
• 過去の一定以上の取引実績
• 相手方往訪し実在確認
• 複数の異なる職位の関係者の連絡先(メールアドレス・名刺等)
• 記録保管は、紙に限らず、メールなどでも可
16
4.建設工事請負契約における電子契約
電子契約の種類(当事者型・立会人型)
当
事
者
型
電子
署名
電子
署名
電子証明書
電子証明書
•
•
•
建設業法第19条第3項:相手方の承諾を得て電磁
的措置を認める
国土交通省令:「見読性」「原本性」「本人性」の要件
建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する
「技術的基準」に係るガイドライン(平成13年3月
30日)
• 平成13年当時の技術基準に基づく内容
• 立会人型電子契約の適法性が不明確
⇒ガイドラインの見直しを要望
紙
立
会
人
型
サービス
提供事業者
締結指図
=法解釈上の
「電子署名」
(技術的な意味での)
電子証明書
電子署名
認証局
• グレーゾーン解消制度で個別
に適合性が認められてきてい
る
• 電子契約に関する照会が、国
土交通省関係のグレーゾーン
解消制度照会件数の約40%
を占める(17件/41件)
電子
最厳格
実印+印鑑証明(≒権限確認)
(取引意思確認は当然の前提)
当事者型電子署名
技術上の電子署名:電子認証局による電子証明
(印鑑登録に準じた本人確認)
(権限確認、取引意思確認は当然の前提)
厳格
文書の真正性の推定がなされる場合
いわゆる職印・取引印
印鑑照合を通して、権限確認、取引意思
確認を行う
立会人型電子署名
【署名者表示機能】電子署名法§2I①
【改ざん検知機能】電子署名法§2I②
【固有性】本人の意思に基づき電子署名が行われ
たか 電子署名法§3
権限確認、取引意思確認が伴うことが多い
最低限
文書の真正性の推定が直ちには認められ
ない場合
いわゆる三文判
本人性、権限確認、取引意思の確認は別
途補う必要がある
(電子署名の要件と建設業法の要件は異なるた
め、電子署名だが押印に準じるとして扱われな
い類型の可能性あり)
無様式
本人性、権限確認、取引意思の確認は別
途補う必要がある
本人性、権限確認、取引意思の確認は別途補う
必要がある
17
認証局
締結指図
=法解釈上の
「電子署名」
押印には
ない要件
出典:本資料のためのオリジナル
5.要望事項まとめ
1. 請負契約、特に注文書・請書への押印義務の免除
特に、件数の多い注文書・請書のみ交換方式
⇒契約書1本あたり1万円以上の効率化
2. 電子契約におけるガイドラインの見直し
• 立会人型電子契約の適法性を明確化
• わかりやすい規制による利用促進
• 参考事例
• 宅地建物取引業法の運用通達(柔軟な基準設定)
4 電磁的方法による提供の場合に満たすべき基準について(施行規則
第15条の14関係)
電磁的方法により本条第1項の書面を提供する場合は、依頼者が書面の
状態で確認できるよう、書面に出力可能な形式で提供するとともに、依
頼者において、記載事項が改変されていないことを将来において確認で
きるよう、電子署名等の方法により、記載事項が交付された時点と、将
来のある時点において、記載事項が同一であることを確認することがで
きる措置を講じることが必要である。 さらに、WEBでのダウンロードに
よる方法でファイルを提供する場合には、依頼者がこれを確実に受け取
ることができるよう、ダウンロードが可能となった後に依頼者にその旨
を通知するか、ダウンロードが可能となる前にその旨を予め通知する必
要がある。ただし、依頼者においてすでにダウンロードを行っていること
が確認できた場合はこの限りではない。
「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(平成13年1月6日付け
国土交通省総合政策局不動産業課長から各地方支分部局主管部長あて
通達)
•電子契約に積極的な事業者:
• 効率化を期待
•電子契約に消極的な事業者:
• まだまだ契約内容の明示の徹底が不十分な中では時期尚早
• 紙と電子の二重手続きの煩雑さ
•押印義務の一部緩和の効果+電子契約の普及
• 事業者にとって効率化に寄与
• 契約内容の明示の徹底に特化
18
資料2
資料1-2
建設工事請負契約における
「署名又は記名押印」規制について
令和7年3月4日
規制改革推進会議
デジタル・AI WG
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
建設工事請負契約の内容について
請負契約の書面交付
•
建設業法では、後日紛争の防止、請負契約の「片務性」の改善等の観点から、建設工事の
請負契約の当事者に対し、工事内容や請負代金の額、工事着手・完成の時期等について
記載した書面の相互交付を義務づけている。
請負契約の片務性
✓ 建設工事の請負契約を締結する当事者間の力関係が一方的であることにより、契約条件が一方にだけ有利に定められ
てしまいやすいという問題。
✓ 一般に、建設工事請負契約においては、受注者である建設業者に対し、発注者・注文者の立場が強いことが多く、結果と
して建設業者に不当過大な義務を課す等により、不正工事の誘因となる不当に低い請負価格で工事を行うような事態
が生じやすい。
•
一方、書面による手続きに代えて、一定の基準を満たす場合には、電磁的措置による契約
締結を認めることで、電子商取引の促進を図っている。
契約における署名又は記名押印
•
•
署名:自己の氏名を自ら書き記すこと。自署
記名:自ら氏名を書き知るす必要はなく、他人が書いてもよいし、印刷でも可
建設業法では、契約書の作成・締結に係る責任主体の明確化、契約当事者間の契約内容
に対する理解促進等の観点から、請負契約の当事者に対し、契約書への署名又は記名押
印を義務づけている。
取引現場における実態を踏まえ、基本契約書を相互交付のうえで個別重要事項は「注文
書」及び「請書」に記載するという形態による請負契約締結も可能であるが、法§19①に
基づく署名又は記名押印は同様に求められている 。
※
※「注文書及び請書による契約の締結について」(建設省経建発第132号)
1
提案内容
※規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)を参考に国交省にて要約
•
請負契約の中には、契約金額が少額かつ契約期間が長期にわたらない契約も存在する
ところ、小規模契約を含め、全ての請負契約に対し、押印等の規制を設け続けることは、
IT・通信環境の進展に伴う現在の働き方に則しておらず、建設業の生産性向上を妨げる
要因となっている。
•
建設工事請負契約における署名又は記名押印規制を緩和することで、契約当事者双方
において、物理的に紙に印刷して署名押印する業務を少なくし、現代の働き方に則した
契約業務、建設業界の生産性向上を実現すべきである。
•
なお、技術的基準が不明確であること、電子署名にコストがかかること等の理由で、請負
契約の電子化はまだ一般化していない。
2
対応の方向性
•
契約書において署名又は記名押印を求める趣旨は、契約書の作成・締結に係る責任主体
を明確化するとともに、契約当事者間の契約内容に対する理解を促進することで、後日
紛争の防止を図るもの。
•
建設業においては特に価格転嫁の推進が強く求められ、政府全体としても発注者と建設
業者とのパートナーシップ構築に向けた適正な取引環境の整備を進めているところ、署
名又は記名押印規制の見直しは、
相対的に立場の弱い受注者から見た請負契約の片務性
建設工事に係る請負契約の締結の経験が乏しい一般消費者において、十分に契約内
容を理解しないまま高額の対価を支払うリスク
を助長することとなるなど、後日の紛争の増加につながりかねず、取引適正化の取組み
を阻害するおそれがあることから、契約額の多寡や工期の長短にかかわらず、慎重な検討
が必要。
•
なお、建設業の生産性向上に向けた取組みは非常に重要と考えており、さらなる生産性
向上に向け、電子契約の普及促進に向けた取組みを強化する予定。
3
参照条文
○ 建設業法(昭和24年法律第100号)(抄)
(建設工事の請負契約の内容)
第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付し
なければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四~十六 (略)
2 (略)
3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使
用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることがで
きる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。
(帳簿の備付け等)
第四十条の三 建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備
え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。
○ 建設業法施行規則(昭和二十四年建設省令第十四号)(抄)
(帳簿の記載事項等)
第二十六条 (略)
2 法第四十条の三に規定する帳簿には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 法第十九条第一項及び第二項の規定による書面又はその写し
二・三 (略)
3~8 (略)
(帳簿及び図書の保存期間)
第二十八条 法第四十条の三に規定する帳簿(第二十六条第六項の規定による記録が行われた同項のファイル又は電磁的記録媒体を含む。)及び第二十六条第
二項の規定により添付された書類の保存期間は、請け負つた建設工事ごとに、当該建設工事の目的物の引渡しをしたとき(当該建設工事について注文者と
締結した請負契約に基づく債権債務が消滅した場合にあつては、当該債権債務の消滅したとき)から五年間(発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係
るものにあつては、十年間)とする。
2 (略)
○民事訴訟法(平成8年法律第109号)(抄)
(文書の成立)
第二百二十八条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。
2・3 (略)
4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。
5 (略)
【広辞苑】
○署名:文書に自分の姓名を書き記すこと。法律上は、自署又は自署捺印を原則とするが、商法や会社法においては記名押印でもよいとされる…
○記名:氏名を記すこと。署名と区別し、他人が代わって書い…て氏名を記すこと。
4
発注者と建設業者とのパートナーシップ(内閣総理大臣発言)
参議院 予算委員会(令和6年4月24日)(抄)
構造的な賃上げを実現するには、発注者と建設業者とがパートナーの関係にあるとの意識の下、発注者
含め、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁を定着させていく、こういった必要があると認識をしています。
このために、公共工事、民間工事を問わず、国が適正な労務費の基準を示し、これを著しく下回る見積り
や契約を禁止するとともに、資材高騰が顕在化した場合の適切な転嫁によって労務費へのしわ寄せを防止
する取引ルールを定め、これらについて発注者を含めた当事者間において遵守するよう促す法案、これを
今国会において提出をしているところです。
・・・官民連携して社会課題を克服していく新しい資本主義の考え方に基づいて、適正な価格転嫁が可能
な環境を整備し、・・・発注者の意識改革に取り組み、そして建設業の担い手確保、そして持続的な発展、こ
れにつなげていきたいと考えております。
参議院 本会議(令和6年12月4日)(抄)
建設業はインフラ整備や災害時の応急対策などを担う地域の守り手であり、
今後もその役割を果たしていただかなければなりません。
このため、安定的、持続的な公共投資を推進いたしますとともに、適正な労
務費の確保や価格転嫁、働き方改革、生産性向上を促進することなどにより、
担い手の確保に取り組んでまいります。
出典:官邸HP
5
建設工事請負契約における電磁的措置の
技術的基準に係るガイドラインについて
令和7年3月4日
規制改革推進会議
デジタル・AI WG
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
建設工事請負契約における電磁的措置の技術的基準
請負契約の電子化
•
•
建設業法では、後日紛争の防止、請負契約の「片務性」の改善等の観点から、建設工事の
請負契約の当事者に対し、工事内容や請負代金の額、工事着手・完成の時期等について
記載した書面の相互交付を義務づけている一方、書面による手続きに代えて、一定の基
準を満たす場合には、電磁的措置による契約締結を認めることで、電子商取引の促進を
図っている。
安全な電子商取引を促進する観点から、建設工事の請負契約を締結しようとする者の参
考として、平成13年に「技術的基準」に係るガイドラインを策定・公表。
電子契約において求められる技術的基準
① 見読性(契約書のファイルがディスプレイ等に表示され、出力できるものであること)
② 原本性(契約書の中身が改変されていないことを確認できるものであること)
③ 本人性(契約の相手方が本人であることを確認できる措置を講じていること)
※①~③は、いずれも建設業法施行規則第13条の4第2項に規定
※①②については、「建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する「技術的基準」に係る
ガイドライン」に詳細な基準を規定
7
提案内容と対応の方向性
提案内容
•
•
•
•
※規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)を参考に国交省にて要約
ガイドラインは通知から既に20年以上が経過しており、進歩の激しい情報通信技術や、ガイドライ
ンの名称にある法令条項すら最新情勢に対応していない。このため、事業者から見て制度が不透
明であり、契約のデジタル化を阻害する要因の一つとなっている。
ガイドラインを最新の情報通信技術や社会情勢を踏まえた内容に改定すべきである。
その際、ブロックチェーン技術のような最新技術や、グレーゾーン解消制度で一定要件のもと認め
られた立会人型電子署名(ガイドラインでは当事者型電子署名のみを認めているような記述となっ
ている)についても反映すべきである。
なお、経団連の2021年度規制改革要望において契約の電子化を進める要望を行ったところ、国土
交通省からはガイドラインの改定について必要な検討をする旨の回答があったが、現時点で改定
に向けた動きが確認できない。期限を区切って、早急にガイドラインを改定すべきである。
対応の方向性
•
現行のガイドライン(平成13年公表)は、その後の技術進展に対応できておらず、要件が
必ずしも網羅的でないことは承知しており、令和7年内の早急な改正を検討。
改正に際し、ご提案内容を踏まえ、有識者や関係各省の意見も十分に伺いながら、具体
的な改正方針を作成。
8
対応方針の詳細・補足(建設業法§19等)
【参照条文】
○ 建設業法(昭和24年法律第100号)(抄)
(建設工事の請負契約の内容)
第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げ
る事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一~十六 (略)
2 (略)
3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところに
より、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の
技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で
定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じ
た者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。
※国土交通省令で定める措置 (講じた場合に見読性、原本性(技術的基準ガイドラインで規定)を満たす必要)
〇建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号) 第13条の4より引用
1 インターネット回線に接続されたPCを用いる以下のもの
⑴契約当事者のPC間で請負契約の内容又はその変更内容を送信し、受信者の使用に係るPCファイルに記録する措置
⑵契約当事者のPCファイルに記録された契約内容をインターネット回線を通じて相手方の閲覧に供し、相手方のPCファイ
ルに当該契約内容を記録する措置
⑶契約当事者のPCファイルに記録された契約内容をインターネット回線を通じて相手方の閲覧に供する措置
2 電磁的記録媒体に契約内容を記録・交付するもの
9
対応方針の詳細・補足(ガイドライン概要)
【参照条文】
○建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する「技術的基準」に係るガイドライン(抄)
(平成13年3月30日)
2.見読性の確保について(規則第13条の2第2項第1号関係)
情報通信の技術を利用した方法により…契約事項等…をディスプレイ、書面等に速やかかつ整
然と表示できるようにシステムを整備しておくことが必要である。…
3.原本性の確保について(規則第13条の2第2項第2号関係)
(1)公開鍵暗号方式による電子署名
…契約事項等を記録した電磁的記録そのものに加え、当該記録を十分な強度を有する暗号技
術により暗号化したもの及びこの暗号文を復号するために必要となる公開鍵を添付して相手方
に送信する、いわゆる公開鍵暗号方式を採用する必要がある。
(2)電子的な証明書の添付
(1)の公開鍵暗号方式を採用した場合、添付された公開鍵が真に契約をしようとしている相手
方のものである…ことを示す信頼される第三者機関が発行する電子的な証明書を添付して相手
方に送信する必要がある。・・・
10
資料3
資料1-3
令和7年3月4日 第1回デジタル・AI ワーキンググループ
川邊委員提出資料
建設業における契約手続に関する意見
本日所用により出席がかなわないため、書面にて私の意見を述べさせていた
だきます。
私たちが直面している少子高齢化や労働力不足という深刻な社会課題は、国
民一人一人の生活のみならず、産業界、地方公共団体、国家全体に広範な影響を
及ぼしています。
このような状況下で、我が国は社会全体および産業全体でデジタル化を断行
し、近い将来実現されるであろうデータドリブン社会への移行に向けた基盤の
整備を急務として捉える必要があります。
書面や対面による手続きに依存する制度運用は、デジタル原則の観点から見
直されるべきであり、デジタル完結・自動化による効率的な対応へのアップデー
トが一層推進される必要があります。
今回の議題である「建設業における契約手続」についても例外ではなく、押印
に求められる趣旨を十分に尊重しつつも、その運用の簡素化を最大限に行い、こ
れに関わる全ての関係者が円滑にデジタル完結・自動化を推進できるよう、障壁
となっている問題点を洗い出し、解消するための具体的かつ効果的な制度設計
の検討をお願い申し上げます。
さらに、本議題に関連するデジタル化の問題は、建設工事の電子契約手続きに
留まりません。広く行政手続や民間取引の分野に及ぶものであると認識する必
要があります。
ご出席の国土交通省におかれましては、デジタルで完結できるよう、デジタル
技術を活用した業務プロセス革新の取り組みについて、省内に幅広く横展開を
促していただき、当 WG でも引き続き貴省が社会のデジタル化を前向きに進め
ていけるように見守りたいと思います。
最後に、皆様のご尽力に感謝の意を表するとともに、円滑な制度改善の実現を
心より祈念いたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
資料4
資料2-1
営業所専任技術者による営業所兼務
2025.3.4
1
今回要望の概略
○建設業許可を取得するためには、専任技術者を営業所毎に設置しなければならない。
また、営業所毎に設置する専任技術者は、建設業許可を取得したい工事業種毎に設置する
必要がある。
○ICTの進展により契約書や施工図面はどこでも確認でき、WEB会議やウェアラブルカメラの
利用により、営業所に専任技術者を張り付けなくても、施工管理の実効性を確保できる状況。
⇒)したがって、専任性や常駐性は緩和しても、問題なく専任技術者が果たすべき役割を達成可能。
それどころか働き方改革で専任技術者の常駐時間は減少しているので、別拠点にいる技術者が
緊急対応できる体制の方が適切に指導監督できる。
現状
○専任技術者になる技術者は、建設業許可を取得したい工事業種毎に一定の実務経験や国家資格を
求められる。
○現場では資格者が不足することから営業所を閉鎖したり、営業所としての届出を取り下げて契約行
為を集約したり、実際の工事には主任技術者が遠距離を出向いたりする、といった弊害が出ている。
○人口減少が進む日本において、建設業就業者数も減少し、高齢化も進んでいる。
あわせて建設業技能者も減少しており、一部の工事業種については資格者の絶対数が不足。
専任技術者を設置する目的のために採用することも多い。
課題
○昭和46年から運用改正がなされていない。ICT技術により遠隔で複数の営業所を一人の
営業所技術者が見ることは可能であるため、営業所同士の兼任を可能にしていただきたい。
今後も、より人手不足が深刻になることを踏まえると効率化を急ぐべきである。
要望
2
営業所専任技術者について
営業所専任技術者は、
①適正な請負契約が締結されるよう、技術的観点から契約内容の確認を行うほか、
②請負契約の適正な履行が確保されるよう、現場の監理技術者等のバックアップ・サポートを行う。
• 建設業法において、「営業所」とは本店又は支店若しくは常時建設工事の請負契約を締結する
事務所をいい、営業所専任技術者はその営業所に常勤し、専らその職務に従事すること(専任)が
必要であることとされている。
• 令和3年12月には、テレワークにより職務に従事する場合も専任要件を満たすことを明確化。
他の営業所技術者との兼務を行っている場合は、営業所専任技術者として認めていない。
会社に専属で勤務し、
在籍する営業所の請負契約に関する見積もり、
入札、契約締結等に関して技術的な専門知識を
発揮する者で、
営業所でのデスクワークが主となる。
3
営業所専任技術者について
○建設業法
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしては
ならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
二 その営業所ごとに、営業所技術者(建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者であつて、次のいずれ
かに該当する者をいう。第十一条第四項及び第二十六条の五において同じ。)を専任の者として置く者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校(旧中等学校令
(昭和十八年勅令第三十六号)による実業学校を含む。第二十六条の八第一項第二号ロにおいて同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後
五年以上又は同法による大学(旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を含む。同号ロにおいて同じ。)若しくは
高等専門学校(旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を含む。同号ロにおいて同じ。)を卒業した
(同法による専門職大学の前期課程を修了した場合を含む。)後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で
定める学科を修めたもの
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者
4
一社で複数事業に取組む場合の更なる課題
●請負金額が500万円を超える場合、建設業免許が必要。
●一社で事業が多岐に渡り、500万円を超える工事が必要な事業と、少額工事のみ請負う
事業が併存する場合、少額工事のみ請負う事業においても資格者配置が必要となる。
〇建設業法
(建設業の許可)
第3条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所
(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交
通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府
県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りで
ない。
一
建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの
二 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事
の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上
となる下請契約を締結して施工しようとするもの
2 前項の許可は、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとす
る。
〇建設業法施行令 (法第三条第一項ただし書の軽微な建設工事)
第一条の二 法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建
築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たな
い木造住宅を建設する工事とする。
2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の
額の合計額とする。
5
デジタル技術を活用している実態
○WEB会議アプリ、ウェアラブルカメラ、スマートフォン等ICTの普及状況等から、
営業所専任技術者が複数営業所を兼務することは技術的に可能。
兼務しても安全性に問題がない状況であるにも関わらず、手段により縛られている。
○緩和されることで、建設業就業者数の減少下、効率的な人員活用が
可能となる。更には対応ノウハウの共有により、ICTに対応した人材が増加、
建設業界の就労環境改善と、労務費上昇につながり、若い人材の獲得がしやすくなる。
存続
存続
存続
6
営業所専任技術者についての実際の運用
○実際に当社では、法令に則って営業所専任技術者を配置してはいるものの、
全国の契約書と技術的な内容について、本部集約して確認し、技術的方針決定や指導を
行っている。
○そのため、実務的に問題ないものの、1人の技術者を置けないという理由のみで、
九州地方では大分の営業所を閉鎖。
○また、こちらも実務的に問題の発生が想定されなかったが、熊本においても、技術者を
配置できないということだけで営業所としての届け出を取り下げ、
福岡の営業所にて契約行為を集約。他方、実際の工事には主任技術者が必要なので、営業所を
廃止したことで熊本に常駐できず、熊本で工事がある都度、福岡の技術者が熊本に行く
必要があり、弊害が出ている。
実務
営業所
廃止
機能集約
(契約行
為)
本部集約
7
営業所専任技術者についての実際の運用
全国に拠点が存在することで、
○大規模地震等の災害が発生した際に、その地域で迅速な対応が可能。
○天候などの地域固有の条件に対応可能。(積雪、暑熱、暴風雨など)
○地方公共団体特有の条例や補助金に柔軟に対応可能。
営業所が廃止に追い込まれてしまうと、防災、技術に係る最新の情報が得られなくなることをは
じめ、建設業に係る地域経済が損なわれることになる。
8
背景・社会課題~資格者不足~
○建築工種毎に資格者配置が必要。電気・管・電気通信業等は、建築一式工事に含まれるが
許可上は建築一式に内包されず、以下に規定される区分によって各種工事の種類を細かく
分けた工事種類ごとにで資格者配置が必要となる。
※例えば本社にのみ管工事が登録されている場合、建築一式工事として住宅を供給したお客様から
「エアコン設置したい、給湯器交換したい」と言われても、資格者がおらず管工事登録されていない支店営業所では対応できない。
9
背景・社会課題~資格者不足~
○前項のとおり、特に、電気・管等は、単独で資格者配置が必要となるが、
資格者が絶対的に少なく、全国の営業所で配置することが難しい。
(以下は当社例)
(人)
年齢
21-30
31-40
41-50
51-60
61-70
71-80
合計
土木施工
管理技士
1級
土木施工
管理技士
2級
建築施工
管理技士
1級
建築施工
管理技士
2級
0
0
2
24
6
0
32
2
0
0
1
0
0
3
10
60
93
143
36
0
342
8
34
42
64
28
0
176
2級建築
2級建築
電気
電気
電気
電気工事
管工事
管工事
施工管理技 施工管理技 主任技術者 主任技術者 主任技術者 施工管理技士 施工管理技士 施工管理技士
士(躯体) 士(仕上げ)
第一種
第二種
第三種
1級
1級
2級
0
0
1
0
0
0
1
3
5
7
2
1
0
18
0
0
1
0
0
0
1
0
1
3
0
3
0
7
2
7
4
9
2
0
24
1
9
11
8
4
0
33
0
8
8
11
7
0
34
1
1
3
7
0
0
12
造園施工
管理技士
1級
0
0
1
4
2
0
7
建築士
1級
建築士
2級
13
46
136
197
68
3
463
150
217
305
347
77
1
1,097
10
建築士
木造
5
8
2
4
0
0
19
背景・社会課題~建設業就業人口~
● 建設業者数(令和3年度末)は約48万業者で、ピーク時(平成11年度末)から約21%減。
● 建設業就業者数(令和3年平均)は485万人で、ピーク時(平成9年平均)から約29%減。
出典:国土交通省:最近の建設業を巡る状況について
11
背景・社会課題~建設業就業人口~
● 建設業就業者: 685万人(H9) → 498万人(H22) → 479万人(R4)
技術者 : 41万人(H9) → 31万人(H22) → 37万人(R4)
技能者 : 455万人(H9) → 331万人(H22) → 302万人(R4)
● 建設業就業者は、55歳以上が35.9%、29歳以下が11.7%と高齢化が進行し、
次世代への技術承継が大きな課題。
出典:国土交通省:最近の建設業を巡る状況について
12
解決にあたっての国土交通省の検討状況
令和4年3月29日
13
第3回 適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)
資料5
資料2-2
建設業における営業所技術者の
複数営業所兼務容認について
2025年3月4日
富士通株式会社
富士通Japan株式会社
1
© 2025 Fujitsu Limited
会社概要
2
© 2025 Fujitsu Limited
会社概要
本店
神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
従業員*
124,000 人
創立
1935年
売上収益**
3兆7,560億円
代表取締役社長 CEO
時田隆仁
営業利益**
2,836億円
事業概要
研究開発費**
サービスソリューション
ハードウェアソリューション
ユビキタスソリューション
デバイスソリューション
1,233億円
売上収益比3.3%
(注)* 2024年3月末現在
(注)** 2023年度連結概要(2024年3月31日終了会計年度)
3
© 2025 Fujitsu Limited
富士通の歴史
90年のイノベーション
通信機器製造
通信と電子
コンピュータ開発
総合ICT
サステナビリティ
1935
1950s to 2000s
2020s
通信機器製造会社として誕生
コンピュータの登場が科学技術の進歩を加速、産業の生産性が飛躍的に向上
持続可能な発展への貢献
日本の通信網整備に重要な役
割を果たす。
富士通初のコンピュータ開発に成功。
爆発的に普及したインターネットはラ
イフスタイルやビジネスモデルに変化を
もたらす。
富士通は時代に対応したさまざまな
製品・サービスを提供。
様々な分野でお客様とともに
先進的なシステム開発に挑戦
4
2030年のビジョン達成に向け、Fujitsu
Uvanceを中心とした成長領域にリソース
を集中することで、お客様の経営課題と
社会課題の解決を目指す。
© 2025 Fujitsu Limited
Our Purpose
5
© 2025 Fujitsu Limited
現状認識
6
© 2025 Fujitsu Limited
建設業を取り巻く現状
出典(左):2024/12/19「建設業法等の改正に関する説明会」資料より抜粋
出典(右):2023/12/22「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」資料より抜粋
• 技術者は増加(31万人→38万人)しているものの、
建設業就業者および直接的な作業を行う技能者は
減少傾向
• また、建設業就業者の高齢化は全産業と比べても高く、
入職者の減少も重なり、建設業における人材不足への
対策は喫緊の課題
7
© 2025 Fujitsu Limited
課題解決に向けた法改正
出典(左右):2024/12/19「建設業法等の改正に関する説明会」資料より抜粋
• 今回の法改正において、生産性向上に資する建設業における技術者等の配置・専任要件について見直し・緩和され、現場技術者(主任技術者・監理技術者)の
専任の合理化(営業所技術者等の専任現場兼務)等が容認
• しかしながら、前葉の通り、建設業者における人員不足、中小企業の倒産の加速に歯止めをかけるために、上記に限らず、現在できるあらゆる対策・見直しを早期に
実施する必要ある
8
© 2025 Fujitsu Limited
ご提案内容
9
© 2025 Fujitsu Limited
はじめに
◼ 建設業許可に必要な責任者および技術者等
〇〇〇株式会社
A営業所
経営業務
管理責任者
B営業所
配置単位
役割
経営業務
管理責任者
会社
会社が安定して経営できるように経営体制を
整え、営業取引上の対外的な責任を負う
令3条使用人
営業所
従たる営業所(支店等)の代表者として、
建設工事の見積や入札参加、請負契約の
締結等を行う
営業所技術者
営業所
建設工事に関する請負契約の適正な締結や
その履行を確保する
C営業所
令3条使用人
営業所
技術者 • 社員高齢化および若手就労者の
減少
• 技術者の主要拠点集中による
A-1工事
A-2工事
B-1工事
地方拠点の技術者減少
• 営業所技術者不足、育成の遅れ
提案の範囲
監理技術者
(主任技術者)
C-1工事
工事
施工計画の作成、工程管理、品質管理その他
の技術上の管理及び工事の施工に従事する者
の指導監督を行う
監理技術者
or
主任技術者
10
© 2025 Fujitsu Limited
ご提案内容
出典:2022/3/29「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」資料より抜粋
ご提案
建設業における営業所技術者の複数営業所兼務容認について
営業所技術者
の役割
建設工事の適正な施工(請負契約の適正な締結及びその履行)を確保する
⚫ 適正な請負契約が締結されるよう、技術的観点から契約内容の確認を行う
⚫ 請負契約の適正な履行が確保されるよう、現場の監理技術者等のバックアップ・サポートを行う
現 状
• 一営業所に営業所技術者を一人配置する必要あり
• 当該営業所の人員規模、工事請負件数等に関係
なく一人配置要
ご提案/期待・効果
• 一営業所技術者が複数の営業所を兼務することが可
• 営業所技術者の役割において、一技術者が担うことで、
同一レベルのバックアップ・サポートを提供・実施すること
が可能
• 建設業界における活性化、建設業者のビジネス継続が
可能・期待
11
© 2025 Fujitsu Limited
提案における背景(弊社の状況)
技術者不足
• 社員高齢化および若手就労者の
減少
• 技術者の主要拠点集中による
地方拠点の技術者減少
• 営業所技術者不足
(主に地方営業所)
地域活性化
地域貢献
への影響
への影響
• 技術者不足による営業所の廃止
• 地方への施工ノウハウ・技術展開が
営業所廃止
*営業所、現場に各1名の技術者配置要
(1億円以上の場合)
• 当該地区でのビジネス継続不可に
よる企業業績への影響
12
不可 *防災分野,最新技術活用など
• 地場企業への発注・活用不可による
中小企業業者様への業績影響
© 2025 Fujitsu Limited
防災分野における施工・技術ノウハウ
消防庁、気象庁からの警報情報を早期に入手し、警報通知・津波来襲前に
防潮扉の閉鎖を行うシステム
地震の影響により大きな津波災害の発生が予想される地域では、防潮水門設備の
操作時における安全性の確保と迅速確実な対応が求められます。
弊社では、防潮水門の遠隔操作によるゲートの開閉操作や監視カメラの操作、震度
を計測した場合の自動閉鎖制御や現場警報設備の自動起動を行い、津波災害の
予防を支援する「防潮水門遠隔監視操作システム」を提供しています。
13
© 2025 Fujitsu Limited
提案における国土交通省様/弊社の見解
出典:2022/3/29「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」資料より
国土交通省様の見解・認識
WEB会議アプリ、スマートフォン等ICTの普及状況等を踏まえれば、一営業所
技術者が、その役割を果たしつつ複数営業所を兼務することは技術的には可能
弊社の見解・認識
一致
会社/組織のバックアップ(制度・仕組み等)やデジタル技術の活用により、一営業所
技術者が、複数営業所を兼務しても同様の役割を果たすことは可能
営業所技術者の役割
適正な
請負契約の締結
請負契約の
適正な履行の確保
技術的観点による
契約内容確認
現場の
監理技術者等の
バックアップ・サポート
(契約・安全/品質確認)
TeamsやZoom等 ウェアラブル端末
を活用した
による遠隔かつ
オンライン確認 タイムリーなサポート
会社/組織のバックアップ
デジタル技術の活用
ノウハウを持つ有識者/第三者
による組織横断でのチェック
会社/組織のバックアップやデジタル技術の活用
複数営業所を兼務することに課題・懸念があり、課題解決には
一営業所に一人の営業所技術者の配置が必要
Point
14
会社のバックアップや最新技術の活用により、一営業所に一人の
営業所技術者を配置しなくても同様の役割を果たすことが可能
© 2025 Fujitsu Limited
国土交通省様における
課題・懸念事項への対応案
15
© 2025 Fujitsu Limited
課題・懸念事項における解決の対応案
課題・懸念事項
⚫ 不良・不適格業者の参入
解決に向けた対応案
⚫ 建設業許可制度における運用見直し,チェック強化
➢ 営業所技術者の役割不履行
➢ 営業の実態に伴わない技術力(技術不足)
➢ 企業が定期的(毎年、5年毎)に提出する報告書/届出書の一部運用
見直しにより、営業所技術力の確認や不良・不適格業者参入の排除が可能
➢ 具体的には、以下で対応可能 *次葉参照
① 経営規模等評価結果通知書等の活用
② 決算変更届における営業所毎の使用人数に加え、
営業所技術者資格を有する人数の追記
⚫ 地域建設業の受注環境への影響
➢ 営業所設置の容易による受注競争の激化
建設業許可 経営規模等
申請/更新 評価結果通知書
⚫ 総合評価落札方式の適用 *公共工事では適用済み
決算
変更届
➢ 価格に加え、品質、技術力も評価する落札方式である、総合評価落札方式
の適用により、企業の技術力、施工品質の確保等の確認が可能
➢ 地場企業活用の評価項目もあり、公共工事における受注環境影響は少ない
国土交通省様
➢ 加えて、民間工事に対し、活用の推奨、状況の可視化/評価による活用促進等
自治体様等 建設業者
(発注者)
(受注者)
の仕組み・ルールの策定によりカバー
国土交通省様,自治体様等(発注者),建設業者(受注者)三位一体による解決
16
*営業所技術者配置による課題解決ではなく、既存の制度/仕組みの運用により解決可能
© 2025 Fujitsu Limited
建設業許可制度について
◼ 許可制度の要件
経営の安定性
*国土交通省「建設業許可制度」資料より抜粋
① 経営能力(経営業務管理責任者),② 財産的基礎(請負契約を履行するに足りる財産的基礎・金銭的信用)
技術力
③ 業種ごとの技術力(営業所技術者)
適格性
④ 誠実性(役員や使用人等の、請負契約に関する不正・不誠実さの排除)
◼ 各届出と許可制度との関係性
《建設業者が従たる営業所の新設を行う際の手続き》
提出書類
届出
(タイミング/有効期限)
許可申請/更新
(5年)
経営規模等評価申請
(1年7ヶ月)
決算変更届
(変更時)
書類名(一例)
経営の
安定性
営業所技術者等一覧表
常勤役員等証明書
工事経歴書
●
●
技術職員名簿
貸借対照表・損益計算書
工事経歴書
<現在>
技術力
適格性
●
●
●
●
●
<変更案>
*窓口での届出の場合
建設業者
届出
建設業者
届出
変更届出書
変更届出書
経営規模等
評価結果通知書
●
●
国土交通省
●
17
受付・確認
国土交通省
受付・確認
© 2025 Fujitsu Limited
総合評価落札方式について
出典:総合評価落札方式使いこなしマニュアル他より抜粋
⚫ 価格と品質/技術力等が総合的に優れた内容の契約がなされることを基本理念とした「公共工事の品質確保の促進に関する
法律」が平成17年4月1日に施行
⚫ 関東地方整備局では、平成17年度より上記法律に基づく総合評価落札方式による工事発注を順次拡大し、現在ではほぼ
全ての工事に適用
⚫ 評価項目選定の観点(評価軸)は、『企業の能力等』、『技術者の能力等』、『技術提案(施工計画)』3つの大きな観点に
そって対象工事の特性に最適な項目を選定する。
また、地元企業の活用や地域貢献度などを評価する『地域精通度』の項目
を選定される場合もある。
18
© 2025 Fujitsu Limited
ご参考:総合評価落札方式(一例)
19
© 2025 Fujitsu Limited
Thank you
© 2025 Fujitsu Limited
Appendix
21
© 2025 Fujitsu Limited
建設業における登録制度から許可制度に至る変遷
国土交通省「建設業許可制度」 資料3より抜粋
制定・改定時期
要件
主要な制定・改正事項とその背景
1949年(昭和24年)
• 技術者
【制定事項】
登録制の導入 *大臣登録と知事登録との要件に差異なし
【改正事項】
1953年(昭和28年)
• 技術者
• 営業所への技術者配置
業法の適用範囲の拡大(適用除外9業種中壁紙工事を除く8業種に適用)
大臣登録業者の登録要件の強化(同一都道府県内の営業所の一に技術者を配置)
【背 景】
適用除外業種についても重要性があるとみなされ、また紛争も多く多発したため、適用範囲拡大
第27条で規定された大臣登録の営業所への技術者の配置義務を徹底するため、登録要件に追加
【改正事項】
主として請け負う建設工事の種類ごとの技術者が要件化
【背 景】
従来の資格要件は軽易かつ画一的
年々増加する膨大な建設工事量を適正に消化するため、施工体制を強化する必要
• 経営業務管理責任者
• 営業所技術者
• 誠実性
• 財産的基礎
【改正事項】
登録制から許可制へ移行、有効期限も2年から3年に
一般建設業、特定建設業の区分け、業種別の許可制の採用
一般建設業の許可には経営経験、技術者の有無、誠実性、財産的基礎を要件とし、特定建設業の
許可には技術者および財産的基礎に係る要件を加重
【背 景】
建設投資に対する需要がますます増大することが予想され、建設業界より一層重要になる一方で、
施工能力・資力・信用に問題のある建設業者による粗雑粗漏工事や公衆災害等が発生
公正な競争の阻害により業者の倒産の増加が顕著に
【改正事項】
特定建設業の許可基準の改正(指定建設業の営業所技術者を国家資格者等に限る)
1987年(昭和62年)
• 経営業務管理責任者
• 営業所技術者
• 誠実性
• 財産的基礎
【背 景】
競争が激化する中で、経営環境の悪化、労働条件の低下、倒産の多発
施工能力・資力・信用に問題のある者が建設市場に不当に参入
建設業における施工技術水準の高度化、経営体質の改善等に資する必要
1994年(平成6年)
• 経営業務管理責任者
• 営業所技術者
• 誠実性
• 財産的基礎
【改正事項】
許可の有効期間を3年から5年に
欠格要件の強化(禁固以上の刑に処せられた者に拡大等)
【背 景】
公共工事をめぐる一連の不祥事を踏まえ、国民の公共工事に対する信頼を回復する必要
*大臣登録のみ
1961年(昭和36年)
• 技術者
• 営業所への技術者配置
*大臣登録のみ
1971年(昭和46年)
22
© 2025 Fujitsu Limited
過去25年間の地震発生状況
出典:気象庁サイト「日本付近で発生した主な被害地震」より抜粋
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/higai/higai1996-new.html
◼ 最大震度別分布(2000年以降)
最大震度
2000年~
2010年~
2020年~
合計
7
1
3
1
5
6強・6弱
15
14
5
34
5強・5弱
30
43
17
90
合計
46
60
23
129
✓ 6弱以上の地震が15件前後/10年発生していることを踏まえると、今後
5年間において、10件程度発生する可能性もある。
震度5弱・強においても、10~15件発生する可能性あり
✓ 上記に加え、南海トラフ地震(M8~9)においては、30年以内の発生
可能性が80%とも言われている。
◼ 発生した主な地震(2010年以降,震度6強以上)
#
発生年月日
震央地名・地震名
最大震度
1
2011.03.11
東北地方太平洋沖地震(*1)
7
2
2011.03.12
長野県・新潟県県境付近
6強
3
2011.03.15
静岡県東部
6強
4
2011.04.07
宮城県沖
6強
5
2016.04.14
熊本地震(*2)
7
6
2018.09.06
北海道胆振東部地震
7
7
2019.06.18
山形県沖
6強
8
2021.02.13
福島県沖
6強
9
2022.03.16
福島県沖
6強
10
2023.05.05
能登半島沖
6強
11
2024.01.01
能登半島地震(*3)
7
*1)死者19,729名/不明2,559名/負傷6,233名/津波9.3m以上
*2)死者273名/負傷2,809名 *3)死者241名/負傷1,299名
⚫ 都道府県別 地震発生状況(上位5県)
都道府県名
7
6強・6弱
5強・5弱
合計
8
13
宮城県
1
4
北海道
1
3
9
13
茨城県
-
1
11
12
福島県
-
4
7
11
千葉県
-
-
9
9
7
7
6強
6強
6強
6強6強
6強
7
6強
23
© 2025 Fujitsu Limited
経営規模等評価結果通知書
出典:e-Govポータル
自己資本額および
平均利益額
総
合
評
定
点
完
成
工
事
高
元請完成工事高および
技術職員数
(1級・2級,監理補佐等)
社会性等
(雇用保険,健康保険加入状況等)
経営状況
(資産,負債,売上,利益等)
24
© 2025 Fujitsu Limited
変更届出書(従たる営業所の新設)
25
© 2025 Fujitsu Limited
Thank you
© 2025 Fujitsu Limited
資料6
資料2-3
営業所技術者等の兼務について
令和7年3月4日
規制改革推進会議
デジタル・AI WG
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
営業所技術者等※の役割・専任の必要性 ※営業所技術者及び特定営業所技術者
○建設業法では、建設工事の目的物及び施工の特殊性から、営業所技術者等(建設工事の請負
契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者)として、一定の能力を有
する技術者を営業所に配置することを義務付け。
○また、営業所ごとに技術者を専任で配置し、営業の実態に技術力が伴うことを担保すること
により、適正な施工の確保(発注者保護)を図ることとしている。
※1:一般建設業許可を取得した建設業者の営業所の技術者を「営業所技術者」、特定建設業の許可を取得した建設業者の営業所の技術者を「特定営業所技術者」という。
※2:営業所技術者等とは別に、工事現場においても一定の能力を有する技術者(主任技術者又は監理技術者)の配置が求められている。
<建設工事の特殊性>
【施工の特性】
【建設目的物の特性】
・ 一品受注生産(予め品質を確認できない)
・ 完成後は瑕疵の有無確認が困難
・ 長期間、不特定多数の者に利用される
・下請業者も含めた多数の者による総合組立生産
・天候等に左右されやすい現地屋外生産
・発注者は建設業者の技術力を信頼し施工を託す
<技術者に求められる一定の能力>
建設業
許可
工事
現場
許可の種類
特定建設業
一般建設業
対象工事
下請5,000万円以上の元請工事を受注する場合
左記以外の工事
営業所技術者等
の資格要件
国家資格(一級)保有者
国土交通大臣認定者
実務経験者※
国家資格(一級)保有者
国家資格(二級)保有者
実務経験者
工事現場に置くべき技術者
監理技術者
主任技術者
対象工事
下請5,000万円以上の元請工事
左記以外の工事
技術者の資格要件
国家資格(一級)保有者
国土交通大臣認定者
実務経験者※
国家資格(一級)保有者
国家資格(二級)保有者
実務経験者
※土木、建築、 舗装、管、 電気、造園、鋼構造は除く
1
営業所技術者等の専任工事現場の技術者兼務(建設業法改正、R6.12施行)
○営業所技術者等に関して、生産性向上に資するため、情報通信機器を活用する等の一定の要件に
合致する専任工事について、営業所技術者等が当該工事の監理技術者等の職務を兼務できる
改正を実施。(建設業法第26条の5)
<特定建設業の場合>
営業所
営業所
技術者
・営業所に専任で置か
れる技術者は、営業所
における請負契約の締
結・履行の業務を管理
(第7条、第15条)
特定営業所技術者
改
正
後
専任工事※
兼務可
監理技術者
or
主任技術者
<一般建設業の場合>
営業所
営業所技術者
専任工事※
※請負代金の額が4,500万円以上
(建築一式工事は9,000万円以上)
の場合に、監理技術者等の専任
配置が必要
兼務可
主任技術者
【兼務の要件】
○請負金額
1億円(建築一式工事の場合は 2億円)未満
○兼任現場数
1工事現場
○営業所と工事現場の距離
1日で巡回可能かつ移動時間が概ね2時間以内
○下請次数
3次まで
○連絡員の配置
監理技術者等との連絡その他必要な措置を講
ずるための者の配置
(土木一式工事又は建築一式工事の場合は、当該建設工事の種類
に関する実務経験を1年以上有する者)
○施工体制を確認できる情報通信技術の措置
○人員の配置を示す計画書の作成、保存等
○現場状況を確認するための情報通信機器の設置
補:運用の詳細や留意事項は、「監理技術者制度運用マニュアル」にて
規定
2
営業所技術者等の活用に係るこれまでの議論
※適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)とりまとめ(R4.5)
<6-4 営業所同士の兼任について>
【デジタル技術活用の可能性】
○ WEB会議アプリ、スマートフォン等ICTの普及状況等を踏まえれば、一の営業所専任技術
者が、その役割を果たしつつ複数営業所を兼務することは技術的には可能。
○
仮に、営業所同士の兼任を特段の制限なく可能とした場合、以下の課題(懸念)がある。
【不良・不適格業者の参入】
○ 複数営業所の兼任を無制限に可能とした場合、適正な請負契約の締結等の営業所専任
技術者本来の役割を果たせなくなるばかりか、営業所の数よりも少ない技術者数で許可
を取得することが可能となり、営業の実態に技術力(技術者数)が伴わない不良・不適
格業者の参入が可能となるおそれ。
【地域建設業の受注環境への影響】
○ 公共工事では、県内など一定地域内に営業所が所在していることを入札の要件として
いるケースが多い。
○ 複数営業所の兼任を可能とした場合、営業所の設置が容易となり、受注競争の激化を
招くおそれ。
⇒ 監理技術者・主任技術者については、現場での活用ニーズが大きいことを踏まえ、まずは
営業所専任技術者と監理技術者等の兼任を措置することとし、
営業所同士の兼任、及び上記の課題に対応するための方策(兼任数の制限等)については
引き続き検討を行う。
3
提案内容と対応の方向性
提案内容※
※規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)より
•
•
•
近年、建設業界では、生産年齢人口の減少や高齢化等に伴い人手不足が顕在化しており、
専任技術者の確保が難しい状況が続いている。
2、3カ所の営業所に限るなどの一定の条件を設け、専任技術者が、WEB会議システム等の
ICT技術を用いることで、質を落とさずその役割を果たすことは十分に可能である。
営業所専任技術者が2、3カ所の営業所に限って兼務することを容認すべきである。
対応の方向性
•
営業所ごとに技術者を専任配置としている趣旨は、請負契約の締結・履行に関する技術的
な管理を行うことにより、建設工事の適正な施工の確保を図ることとしたもの。
•
担い手確保の必要性を踏まえ、令和6年の建設業法改正により、ICT活用等を要件に営業
所技術者等が、専任を求められる工事における監理技術者等の職務を兼ねることを可能と
したところ。
• 営業所技術者等の複数営業所の兼務については、建設工事の適正な施工が確保されること
を前提に、改正法に基づく現場兼務の実施状況(活用状況や課題等)や技術者制度検討会に
おいて掲げられている課題※を踏まえつつ検討。
※適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)とりまとめ(本資料P3掲載内容)
4
参考条文等
○建設業法
(建設業の許可)
第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは
政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業
所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める
軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
(以下略)
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
二 その営業所ごとに、営業所技術者(建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者であつて、次のいずれかに
該当する者をいう。第十一条第四項及び第二十六条の五において同じ。)を専任の者として置く者であること。
(以下略)
(許可の基準)
第十五条 国土交通大臣又は都道府県知事は、特定建設業の許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可を
してはならない。
一 第七条第一号及び第三号に該当する者であること。
二 その営業所ごとに、特定営業所技術者(建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者であつて、次のいず
れかに該当する者をいう。第二十六条の五において同じ。)を専任の者として置く者であること。
(以下略)
(営業所技術者等に関する主任技術者又は監理技術者の職務の特例)
第二十六条の五 建設業者は、第二十六条第三項本文に規定する建設工事が次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、第七条(第二号
に係る部分に限る。)又は第十五条(第二号に係る部分に限る。)及び同項本文の規定にかかわらず、その営業所の営業所技術者又は特定営業所技術
者について、営業所技術者にあつては第二十六条第一項の規定により当該工事現場に置かなければならない主任技術者の職務を、特定営業所技術
者にあつては当該主任技術者又は同条第二項の規定により当該工事現場に置かなければならない監理技術者の職務を兼ねて行わせることができる。
(以下略)
5
参考条文等
○建設業許可事務ガイドライン※
【第3条関係】 2.営業所の範囲について
「営業所」とは、本店又は支店若しくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいう。し たがって、本店又は支店は常時建設工事の請負契約を締
結する事務所でない場合であっても、他の営業所に対し請負契約に関する指導監督を行う等建設業に係る営業に実質的に関与するものである場合に
は、当然本条の営業所に該当する。
また「常時請負契約を締結する事務所」とは、請負契約の見積り、入札、狭義の契約締結等請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所をいい、
契約書の名義人が当該事務所を代表する者であるか否かを問わない。
(以下略)
【第7条関係】 2.営業所技術者等について(第2号)
(1)「専任」の者とは、その営業所に常勤(テレワークを行う場合を含む。)して専らその職務に従事することを要する者をいう。会社の社員の場合には、
その者の勤務状況、給与の支払状況、その者に対する人事権の状況等により「専任」か否かの判断を行い、これらの判断基準により専任性が認められ
る場合には、いわゆる出向社員であっても専任の技術者として取り扱う。
ただし、次に掲げるような者は、原則として、「専任」の者とはいえないものとして取り扱うものとする。
① 住所又はテレワークを行う場所の所在地が勤務を要する営業所の所在地から著しく遠距離にあり、常識上通勤不可能な者
② 他の営業所(他の建設業者の営業所を含む。)において専任を要する者
③ 建築士事務所を管理する建築士、専任の宅地建物取引士等他の法令により特定の事務所等において専任を要することとされている者(建設業に
おいて専任を要する営業所が他の法令により専任を要する事務所等と兼ねている場合においてその事務所等において専任を要する者を除く。)
④ 他に個人営業を行っている者、他の法人の常勤役員である者等他の営業等について専任に近い状態にあると認められる者
(以下略)
※平成13年4月3日国総建第97号
総合政策局建設業課長から地方整備局建政部長等宛て(最終改正令和7年2月1日)
6
資料7
規制改革ホットライン処理方針
(令和5年12月14日から令和6年11月13日までの回答)
資料3
デジタル・AIワーキング・グループ関連
提
案
事
項
特別児童扶養手当所得現況届における個人番号の活用について
(注)
◎
各ワーキング・グループで既に検討中又は検討を行う事項
○
所管省庁に再検討を要請(「◎」に該当するものを除く)する事項
△
再検討の要否を判断するため、事務局が提案内容に関する事実関係を確認する事項
所管省庁
回 答
現行制度下で対応可能
区分(案) 別添の該当
ページ
(注)
△
1
提案内容に関する所管省庁の回答
公共班関連
番号:1
受付日
提案事項
具体的内容
提案理由
提案主体
所管省庁への検討要請日
令和6年3月19日 回答取りまとめ日
令和6年5月22日
特別児童扶養手当所得現況届における個人番号の活用について
特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行規則に定める様式第6号では、手当受給者や配偶者等の個人番号
を記載したうえで、手書きで各人の所得情報を記載します。様式に個人番号を記載するのであれば、個人番号を活
用し、手当の認定を行う都道府県が所得確認と手当の認定を行うべきであり、手書きでの所得情報の記載を廃止す
べきです。
市町村の福祉部署の職員です。
特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行規則に定める様式第6号(以下、現況届とする)の受付事務を毎年8
月に行います。現況届に受給者等の個人番号を記載し、加えて手書きでの所得情報の記載を行う必要があります。
全受給者を対象とし、所得情報の計算や記載を行うため、膨大な人的コストがかかります。また、都道府県に現況届
を提出したのちに、都道府県は個人番号を用いて手書きで記載した所得情報を確認し、誤りがあると市町村に現況
届を返却し、手書きで修正させ、訂正印の押印を求めます。全ての現況届が都道府県に受理されるまで時間と人的
コストがかかります。
現況届に記載してある個人番号を活用し、都道府県において所得情報を用いて認定ができるのであれば、市町村は
個人番号を記載した現況届の受付を行い、都道府県において一括して所得情報の取得と認定が可能となり、事務作
業の効率化を行うことが期待できます。
個人
厚生労働省
所管省庁
特別児童扶養手当の受給者は、毎年8月12日から9月11日までの間に、所得状況届を都道府県知事に提出しなけ
ればなりません。
制度の現状
特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行規則第4条
該当法令等
現行制度下で対応可能
対応の分類
現行制度上、現況届に記載してある個人番号を活用し、都道府県において所得情報を用いて認定することは可能であり、都道府県
の了解があればそのような取扱いとすることも可能です。
対応の概要
区分(案)
△
資料8
デジタル・AIワーキング・グループについて
参考資料1
デジタル・AIワーキング・グループの所掌事項
「地方公共団体を含む行政・社会のデジタル化、AIの社会実
装、官民連携の促進に必要な規制・制度改革に関すること」
(第22回規制改革推進会議(令和6年12月25日) 資料2ー1の別表より)
デジタル・AIワーキング・グループ構成員
委員
中室 牧子
杉本 純子
落合 孝文
座長
座長代理
委員
川邊 健太郎 委員
林 いづみ
委員
慶應義塾大学 総合政策学部教授
日本大学 法学部教授
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 プロトタイプ政策
研究所所長・シニアパートナー弁護士
LINEヤフー株式会社 代表取締役会長
桜坂法律事務所 弁護士(創立パートナー)
専門委員
片桐 直人
住田 智子
田中 良弘
戸田 文雄
村上 将一
村上 文洋
専門委員
専門委員
専門委員
専門委員
専門委員
専門委員
大阪大学大学院高等司法研究科 教授
フューチャー株式会社 執行役員
一橋大学大学院法学研究科 教授
株式会社国際社会経済研究所 研究主幹
株式会社松尾研究所 取締役
DXアドバイザー(元・三菱総合研究所 主席研究員)
(令和7年3月4日現在)
資料9
参考資料2
押印について(関係資料抜粋)
○書面規制、押印、対面規制の見直し(抜粋)
(規制改革実施計画(令和2年7月 17 日閣議決定))
内閣府、法務省及び経済産業省は、商慣行として押印が定着している民間事業者間の商取引等について、民間事業者に
よる押印廃止の取組が進むよう、押印に関する民事基本法上の規定の意味や、押印を廃止した場合の懸念点に応える考え
方等を示す。
○押印についてのQ&A(抜粋)
(令和2年6月 19 日
内閣府、法務省、経済産業省)
問2.押印に関する民事訴訟法のルールは、どのようなものか。
・民訴法第 228 条第4項の規定の内容を簡単に言い換えれば、裁判所は、ある人が自分の押印をした文書は、特に疑わし
い事情がない限り、真正に成立したものとして、証拠に使ってよいという意味である。そのため、文書の真正が裁判上
争いとなった場合でも、本人による押印があれば、証明の負担が軽減されることになる。
・もっとも、この規定は、文書の真正な成立を推定するに過ぎない。その文書が事実の証明にどこまで役立つのか(=作
成名義人によってその文書に示された内容が信用できるものであるか)といった中身の問題(これを「実質的証拠力」
という。)は、別の問題であり、民訴法第 228 条第4項は、実質的証拠力については何も規定していない。
問4.文書の成立の真正が裁判上争われた場合において、文書に押印がありさえすれば、民訴法第 228 条第4項が適用
され、証明の負担は軽減されることになるのか。
・押印のある文書について、相手方がその成立の真正を争った場合は、通常、その押印が本人の意思に基づいて行われた
という事実を証明することになる。
・そして、成立の真正に争いのある文書について、印影と作成名義人の印章が一致することが立証されれば、その印影は
作成名義人の意思に基づき押印されたことが推定され、更に、民訴法第 228 条第4項によりその印影に係る私文書は作
成名義人の意思に基づき作成されたことが推定されるとする判例(最判昭 39・5・12 民集 18 巻4号 597 頁)がある。
これを「二段の推定」と呼ぶ。
・この二段の推定により証明の負担が軽減される程度は、次に述べるとおり、限定的である。
① 推定である以上、印章の盗用や冒用などにより他人がその印章を利用 した可能性があるなどの反証が相手方から
なされた場合には、その推定は破られ得る。
② 印影と作成名義人の印章が一致することの立証は、実印である場合には印鑑証明書を得ることにより一定程度容易
であるが、いわゆる認印の場合には事実上困難が生じ得ると考えられる(問5参照)。
問5.認印や企業の角印についても、実印と同様、
「二段の推定」により、文書の成立の真正について証明の負担が軽減さ
れるのか。
・
「二段の推定」は、印鑑登録されている実印のみではなく認印にも適用され得る(最判昭和 50・6・12 裁判集民 115 号
95 頁)。
・他方、押印されたものが実印でない(いわゆる認印である)場合には、印影と作成名義人の印章の一致を相手方が争っ
たときに、その一致を証明する手段が確保されていないと、成立の真正について「二段の推定」が及ぶことは難しいと
思われる。そのため、そのような押印が果たして本当に必要なのかを考えてみることが有意義であると考えられる。
問6.文書の成立の真正を証明する手段を確保するために、どのようなものが考えられるか。
・次のような様々な立証手段を確保しておき、それを利用することが考えられる。
①継続的な取引関係がある場合
取引先とのメールのメールアドレス・本文及び日時等、送受信記録の保存 (請求書、納品書、検収書、領収書、確認
書等は、このような方法の保存のみでも、文書の成立の真正が認められる重要な一事情になり得ると考えられる。)
②新規に取引関係に入る場合
契約締結前段階での本人確認情報(氏名・住所等及びその根拠資料としての運転免許証など)の記録・保存本人確認情
報の入手過程(郵送受付やメールでの PDF 送付)の記録・保存文書や契約の成立過程(メールや SNS 上のやり取り)の
保存
③電子署名や電子認証サービスの活用(利用時のログイン ID・日時や認証結果などを記録・保存できるサービスを含む。
)
・上記①、②については、文書の成立の真正が争われた場合であっても、例えば下記の方法により、その立証が更に容易
になり得ると考えられる。また、こういった方法は技術進歩により更に多様化していくことが想定される。
(a)メールにより契約を締結することを事前に合意した場合の当該合意の保存
(b)PDF にパスワードを設定
(c)(b)の PDF をメールで送付する際、パスワードを携帯電話等の別経路で伝 達
(d)複数者宛のメール送信(担当者に加え、法務担当部長や取締役等の決裁権者を宛先に含める等)
(e)PDF を含む送信メール及びその送受信記録の長期保存