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経済財政諮問会議 2026年6月25日

2026-06-25一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

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資料1

経済財政諮問会議(令和8年第9回)議事次第 令和8年6月25日(木) 18時15分~19時00分 総理大臣官邸4階大会議室 1. 開 会 2. 議 事 (1) (2) 予算編成の抜本的見直しに向けて 経済財政運営と改革の基本方針(骨子案)について 3. 閉 会 (資料) 資料1 資料2 資料3 資料4 資料5 配付資料1 予算編成の抜本的見直しに向けて(有識者議員提出資料) 「強く豊かな日本」投資枠の創設など予算編成改革の具体化に向けて (片山議員提出資料) 経済財政運営と改革の基本方針 2026 骨子案 強い経済の実現と健全で持続可能な地方行財政基盤の確立のための 地方税財政改革についての意見の概要(地方財政審議会) (林議員提出資料) 財政制度等審議会の建議の方向(片山議員提出資料) 日本成長戦略の下での中長期的な経済・財政の姿に関する試算 (内閣府)

資料2

資料1 予算編成の抜本的見直しに向けて 2026 年6月 25 日 筒井 義信 永濱 利廣 南場 智子 若田部昌澄 1.補正予算の評価と今後の財政運営 今般の補正予算は、中東情勢が不透明である中で、経済活動や国民生活に支障が生じないよう 必要な額を措置するとともに、市中への国債発行額にも配慮しつつ対応したものである。「補正予算 は緊要性の高いものに限定する」との基本原則に沿った対応として評価できる。 今後も、経済活動や国民生活に必要な予算は措置し、単年度の新規国債発行額や市中発行額 に配慮しつつ、中期的な債務残高対 GDP 比の安定的低下との整合性を確認しながら財政運営を行 うことが重要である。 あわせて、家計の安定的な資産形成を促す観点から、個人向け国債の魅力向上や国内投資家層 の拡大についても検討を進めるべきである。 2.予算編成の抜本見直し 原則1 財政運営の中核目標として、債務残高対 GDP 比の安定的な低下を目指す 財政運営の目標としては、債務残高対 GDP 比の安定的低下を中核と位置付け、強い経済の実現 と財政の持続可能性の両立に取り組むべきである。これは、政府が負う債務と、その返済の原資とな る税収を生み出す元となる国の経済規模(GDP)の割合を示す指標であり、PB に純利払い費を加味 した財政収支を踏まえて財政運営を評価するものである。 PB については、債務残高対 GDP 比の低下に向けて確認する指標とし、その安定的低下と整合す るよう複数年で管理すべき。単年度の黒字化時期を機械的に追うのではなく、経済・金利環境、歳入 歳出の動向を踏まえ、景気変動や危機管理投資・成長投資の必要性に応じて一時的な悪化も許容 しうるものとしつつ、債務残高対 GDP 比の安定的な低下に向けて、改善・管理していくべきである。 また、PB、GDP、純利払い費、財政収支等が債務残高対 GDP 比に与える寄与を分析し、財政の 持続可能性の実現に取り組むべきである。 原則2 物価・賃金を的確に反映しつつ、経済の成長力強化と名目の経済規模の拡大にふさわしい 予算編成に転換する 予算編成については、物価・賃金の上昇を的確に反映し、デフレ・低成長時代の編成から、経済 の成長力強化と名目の経済規模の拡大にふさわしい編成へと見直すべきである。その際、官公需に おける価格転嫁の徹底、公定価格(医療・介護・保育・福祉等)の引上げ、予算・税制における様々な 基準額・閾値の点検・見直しを進めるべきである。 歳出規模の総額は、物価・賃金、名目経済規模、歳入見通し、政策効果、財政目標との整合性を 踏まえ、経済の成長力強化と名目の経済規模の拡大にふさわしいものとすべきである。その上で、歳 出の目安については、一律抑制型の上限としてではなく、予算全般において歳出改革努力を継続す る中で、伸ばすべき歳出と見直すべき歳出を峻別する、規律ある資源配分を実現する枠組みとすべ きである。 非社会保障関係費については、物価・賃金上昇を適切に反映しつつ、PDCA・EBPM に基づき、 既存事業の見直しと成長力強化に資する分野へ重点化すべきである。社会保障関係費については、 国費だけではなく給付費全体、公費・保険料負担、現役世代の可処分所得、医療・介護分野の生産 性への影響を含めて点検し、給付と負担の改革を継続すべきである。 1 原則3 危機管理投資・成長投資のための「強く豊かな日本」投資枠を創設する 危機管理投資・成長投資については、通常の歳出とは別に、予見可能性を持って実施できる「強く 豊かな日本」投資枠を創設し、所要額の予算要求を可能とし、予算編成過程で実効的に予算措置に つなげられる仕組みとすることで、官民投資ロードマップの着実な実行に必要な規模と期間を確保す べき。 財源については、債務残高対GDP比を安定的に引き下げる中でも可能となる財政規模を精査し、 中期的な債務経路と整合的な形で柔軟に管理すべき。このうち、経済安全保障上、特に重要な分野 の投資などについては、複数年度で財源を確保した上で、別枠で管理すべき。 対象については、17 の戦略分野を中心とする官民投資ロードマップに基づく取組に加え、8つの 分野横断的な課題に対応していく取組のうち、スタートアップ支援、中堅・中小企業の稼ぐ力の強化 など、特に民間企業の投資を引き出す取組についても成長投資として位置付けるなど、成長戦略の 実行に必要な範囲を具体化すべき。また、地域の成長力を高める地域未来戦略に基づく取組につ いても対象に含めるべき。 また、戦略分野全体をポートフォリオとして捉えて管理し、状況変化に対応した効果的な予算活用 を行うべきである。 原則4 補正依存から脱却し、恒常的な施策は当初予算に計上 補正予算については緊要性の高いものに限定し、恒常的、反復的、予見可能な施策については 原則として当初予算で措置することで、補正予算依存から脱却すべきである。その際、補正予算と当 初予算の区分の考え方について検討し、予算編成の基本方針に反映すべき。 あわせて、基金事業については、成果管理を徹底することを前提に、予算措置は原則3年以内とす る現行ルールの不適用も含め、柔軟で効率的な資金管理の観点も踏まえた基金ルールの見直しを 具体化すべき。 原則5 不確実性に備えるとともに、コミュニケーションの強化を通じて市場の信認を確保 責任ある積極財政を実効あるものとするため、必要な危機管理投資・成長投資を確保しつつ、財 政運営の前提、リスク、政策対応について、国内外の市場関係者に透明性高く、一貫した説明を行う 必要がある。 景気後退局面や外的ショックに対しては、景気と雇用に十分配慮しつつ、必要な財政対応を確保 し、機械的な引締めを避ける。危機対応後の財政運営については、短期的な収支合わせではなく、 景気、金利、成長への影響を踏まえつつ、持続可能な中期的な経路を意識して見直す。 市場の信認確保については、名目 GDP 成長率、実質成長率、潜在成長率、長期金利、部門別収 支(家計・企業・一般政府)等の経済指標、債務残高対 GDP 比、PB、財政収支、利払い費、公債依 存度、新規国債発行額、国債の市中発行額、税収等の財政指標を多角的に分析・検証すべきであ る。 こうした財政運営目標、歳出の目安、「強く豊かな日本」投資枠、補正依存からの脱却等について、 責任ある積極財政の実現にふさわしい中期的な枠組みとして、骨太方針において位置付けるべき。 3.令和9年度予算編成への反映 これまでの骨太方針においては、来年度の予算編成に向けた考え方を記載してきたが、今般の予 算編成の抜本見直しを踏まえて記述を拡充し、これを来年度に向けた予算編成の基本方針として位 置づけるべき。その上で、具体的な予算編成プロセスを進め、年後半において、経済見通しを始めと する経済社会情勢の変化などを踏まえて、必要な改定を行うべき。 これにより、「責任ある積極財政」を単なる理念にとどめず、令和9年度予算編成における具体的な 制度運用として実装すべきである。 2

資料3

資料2 「強く豊かな日本」投資枠の創設など 予算編成改革の具体化に向けて 片山議員提出資料 令和8年6月 25 日 「強く豊かな日本」投資枠の創設など予算編成改革の具体化に向けて 5月11日及び6月24日の会議における総理指示を踏まえ、「強く豊かな日本」投資枠の創 設など、予算編成改革の具体化に向けて、これまで民間議員から提案のあった「基本原則」を念頭に、 以下の考え方をベースとして検討を進める。 (1)今後の財政運営の中核目標に関する原則を踏まえ、予算編成においては、税収動向等を見 極めつつ、歳出・歳入両面の見直しを進めることとあわせて、債務残高対GDP比を安定的に 引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査し、通年の国債発行額を検討する。 ― R9の通年の国債発行額は、市場の信認確保に配意しつつ、6月24日の内閣府試算などを踏まえ、 経済動向や税収動向等を見極めながら、予算編成過程で検討する。 ― 上記財政規模は、中期的な債務経路と整合的な形で柔軟に管理する。R10以降の通年の国債発 行額は、成長率や金利等の動向を踏まえつつ、必要に応じて見直しを検討する。 (2)予算編成改革全体を通じて、下記(3)の「強く豊かな日本」投資枠の創設などを通じた危 機管理投資・成長投資の強化のほか、令和8年度当初予算から実現した「経済・物価動向等 の的確な反映」など、必要な財政需要に対応する。 (3) 危機管理投資・成長投資をはじめ、国内投資を通じた潜在成長率の引上げにつながる施策 を予見可能性を持って実施できるよう、通常歳出とは別に、「強く豊かな日本」投資枠を創設す る。(*1) ― 具体的には、今後とりまとめる日本成長戦略や地域未来戦略などを踏まえ、効果の高い政策を推進する。 ― 投資の性質や政策効果の発現時期を踏まえて必要十分な実施期間を設定し、基金の活用を含め、複 数年度の計画を踏まえた予算措置とする。(*2) ― 財源は、上記(1)の中で整理する。 ― このうち、経済安全保障上特に重要な分野の投資等は、GXやAI・半導体に続き、複数年度で財源 を確保した上で、特別会計において別枠で管理する。(*3) 追加的な税外収入を中心として複数年度の財源を確保し、償還財源の裏付けのある「つなぎ国債」を発 行可能とすることにより、必要な資金を前倒しで調達可能とする。(*4) (4)従来続いていた秋の大規模経済対策に基づく補正予算に依存した財政運営から脱却し、恒 常的な施策については当初予算で措置する。(*1) ― 今秋以降に補正予算が必要となる場合であっても、真に緊要性の高い施策に限定し、財源については、 上記(1)の下、基本的に国債を増発しない方向で検討する。 ― 経済危機や災害等が生じた場合は、機動的に対応する。 (5)施策の優先順位を洗い直し、予算の中身を大胆に重点化する。租税特別措置や補助金・基 金の自己点検結果を概算要求に反映し、予算編成プロセスで精査の上で具体化する。(*2) *1 R9概算要求基準は、上記(4)も踏まえ、「強く豊かな日本」投資枠について、要求上限を設け ることなく、事項要求も含めて、所要額を適切に要求できるようにする。予算編成プロセスでは、投資に 見合うリターンを通じた成長への寄与、民間投資の誘発効果等を精査し、真に効果的な施策に重点的に措 置することを通じて、予算編成を成長力強化に資するものに改めていく。 *2 基金については、 (4)と相まって国内投資を通じた潜在成長率の引上げにつながる施策を予見可能性 を持って実施できるようにするため、一律・機械的な期間設定にとらわれることなく必要な予算措置を行 う。執行段階では、事業の進捗や政策効果の発現の状況を一定の期間で確認するなどの成果管理の徹底に 加え、資金効率の向上、資金管理の透明化・適正化等のガバナンスを強化することで、 「投資」としての 成果を最大限、効果的・効率的なものとする。 *3 「 「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年11月21日閣議決定) (抄) GXやAI・半導体に続き、造船、量子、重要鉱物など経済安全保障上重要な分野における危機管理投 資に関し、新たな財源確保の枠組みについての検討に着手する。 *4 「つなぎ国債」については、複数年度で財政バランスを確保していることから、PB・債務残高等の評 価から除外されている。

資料4

資料3 経済財政運営と改革の基本方針 2026 骨子案 第1章 マクロ経済運営の基本的考え方 1. 「強い経済」の実現に向けて 2.将来世代への責任を果たす持続可能な経済社会の構築 第2章 日本の成長力強化と安全・安心の確保 1. 「強い経済」の実現 (1)日本成長戦略の推進 (官民投資ロードマップ、分野横断的な課題) (2)成長基盤の強化 (エネルギー・資源安全保障・GX、AX/DX、規制改革、 新技術立国、フロンティアの開拓(宇宙・海洋) 、金融等) (3)強い地域経済の構築 (地域未来戦略、農林水産業、賃上げ環境整備(官公需の価格転嫁を含む) 、 国土形成・交通、観光、文化芸術・スポーツ等) (4)人材力の強化 (人材育成、若者・女性の活躍、共生・共助等) 2.強い外交・安全保障の確立 (1)外交力・安全保障・情報力の強化 (2)経済安全保障の強化 3.国民の安全・安心の確保 (1)防災・減災・国土強靱化の推進 (東日本大震災・能登半島地震への対応、副首都等の整備を含む) (2)治安・安全の確保 (防犯対策、安全・安心な暮らしの確保、外国人政策等) 1 第3章 中長期的に持続可能な経済社会の実現 1. 「強い経済」の構築と財政の持続可能性の実現 (財政運営目標、経済・物価動向を反映した予算編成、 「強く豊かな日本」投資枠の創設、 補正予算と当初予算の在り方、複数の経済・財政指標の分析・検証等) 2.全世代型社会保障の構築 (1)社会保障と税の一体改革の推進 (給付付き税額控除、食料品の消費税率を含む) (2)成長型経済に合わせた持続可能な社会保障制度 3.主要分野ごとの重要課題と取組方針 (1)少子化対策と日本の未来を担うこども・若者のための政策の推進 (2)公教育の再生、研究活動の活性化 (3)戦略的な社会資本整備の推進 (4)持続可能な地方行財政基盤の強化 4.中長期の重要政策推進のための取組の強化 第4章 当面の経済財政運営と令和9年度予算編成に向けた考え方 1.現下の経済情勢と当面の経済財政運営について 2.新たな予算編成の在り方と令和9年度の基本方針 2

資料5

資料4 強い経済の実現と健全で持続可能な地⽅⾏財政基盤の確⽴のための 地⽅税財政改⾰についての意⾒の概要(地⽅財政審議会) 令 和 8 年 6 ⽉ 25 ⽇ 林議員提出資料 令和8年6⽉22⽇ 強い経済の実現と健全で持続可能な地⽅⾏財政基盤の確⽴のための地⽅税財政改⾰についての意⾒(概要) 地 ⽅ 財 政 審 議 会 今後の地⽅財政の在り⽅  経済・物価動向等を踏まえた⼀般財源総額の確保  地方自治体が、行政サービスを安定的に提供し、官公需の価格転嫁を通じて地域経済の活性化を推進するため、経済・物価動向等を反映することにより 増加する経費を地方財政計画の歳出に計上し、それに見合った一般財源総額の水準を確保すべき。  国の予算編成の在り方を見直す(「補正予算依存」からの脱却)に当たっては、円滑な事業執行や地方自治体の財政運営に支障がないよう適切に対応すべき。  持続可能な地⽅税財政基盤の構築  自動車税・軽自動車税の環境性能割の廃止及び軽油引取税等の当分の間税率の廃止に伴う減収分について、令和8年度与党税制改正大綱に沿って、 地方自治体の安定財源の確保を図るとともに、恒久的な制度見直しが実現するまでの間、国の責任において必要な財政上の措置を講じるべき。  都市・地方の財政力格差や行政サービスの地域間格差が拡大している中、わが国が将来にわたり持続可能な形で発展していくため、都市も地方もお互いに 支え合うという基本的な考えに立ち、令和8年度与党税制改正大綱に沿って、偏在性の小さい地方税体系の構築に向けた具体的な取組を講じるべき。  地⽅財政の健全化  経済の先行き不透明感等の懸念もあるが、必要な地方財源を確保して臨時財政対策債の新規発行額ゼロを継続するよう努力するとともに、巨額に上る特例的 な債務残高の着実な縮減に取り組むべき。 ※臨時財政対策債の残高:約38.8兆円、交付税特別会計借入金の残高:約22.6兆円、計:約61.4兆円(令和8年度末見込み) 主な重要課題への対応 1.強い地域経済の実現  地域未来戦略の推進  令和8年度地方財政計画に計上された地域未来基金費等により、AIを活用 した地域の変革「地域AX」を含め、地域産業の育成、発展を推進すべき。  地域を支える人材育成  産業構造の変化に伴い人材需要が大きく変化する中、産業界・大学等と 連携し、AX時代の産業基盤・地域社会を支える人材育成を推進すべき。  官公需の価格転嫁  地域経済にとって重要な官公需の価格転嫁について、所要額を地方財政 計画に計上するとともに、最低制限価格制度の導入等を推進すべき。 3.⼈⼝減少等に対応した⾏政サービス提供体制の構築  自治体DX・AXの推進  担い手不足、人材の供給不足に対応するため、地方自治体が積極的にAI を活用し業務の構造変革に取り組めるよう支援すべき。  広域連携の推進  これまでの水平的な連携・協力の推進に加え、都道府県による市町村の 垂直的な補完・支援を一層推進するなど、都道府県の役割を強化すべき。  人口減少下において活力ある地域をつくるため、都道府県域を超えた多様 な主体により行う「広域リージョン連携」を推進すべき。 2.地⽅の「暮らし」と「安全」を守る 4.社会保障と税の⼀体改⾰  関係人口の創出等  「ふるさと住民登録制度」や「地域おこし協力隊」等の取組を支援すべき。  「給付付き税額控除」について、国と地方が協力して運営していくという基本 的な考え方の下、地方に役割を求めるのであれば、制度設計や役割を明確 にし、円滑な運用ができるよう国と地方の間で丁寧に協議すべき。  持続可能な公共インフラ・サービスの確保  公共施設等適正管理推進事業債の令和9年度以降の在り方を検討すべき。  地域医療提供体制を確保するため、公立病院等に対して所要の財政措置 を講じるほか、経営強化プラン終期(令和9年度)後の方策を検討すべき。  「食料品の消費税率ゼロ」について、消費税収の約4割が地方財源である ことを踏まえ、地方財政への影響に留意して議論を進めるべき。

資料6

資料5 財政制度等審議会の建議の方向 令和8年6月25日 片山議員提出資料 I 財政総論 財政制度等審議会の建議の方向 (デフレ型経済から供給制約経済への転換) ○ 我が国経済は、需給が引き締まる中で供給面の制約に直面する段階に移行。足もとの中東情勢の緊迫化を踏まえ、今後の物価・経済の動 向に一層注視する必要。物価動向に十分に配意し、実質賃金の継続的な上昇に向けた政策対応が求められる。 (経済力の強化と「投資と賃上げの好循環」) ○ 経済力を強化し、「強い経済」を実現していくためには、「未来への投資」を抜本的に強化する必要。あわせて、企業収益や投資の成果を賃金として 適切に還元し、消費の拡大を通じて更なる投資につなげていく「投資と賃上げの好循環」を確立していくことが重要。 (人材希少社会における人材力の強化) ○ 労働供給制約が強まる人材希少社会では、労働生産性の向上と人材配分の適正化を一体の課題として進めていく必要。医療・介護分野などに ついて、より少ない労働投入量でサービスの質の確保と高い付加価値を生み出すことを可能とし、効率的で持続可能な産業構造への転換が不可欠。 (安全保障環境の変化と不確実性の高まり) ○ 我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、自由で開かれた安定的な国際秩序が大きく揺らぐ中、不確実性が高まっている。経済社会は、 不確実性を前提として、将来の見通しが振れ得る中にあっても対応可能な形で設計していくべき。 (財政運営) ○ 金利上昇局面に移行する中、人材や資本と同様に財政資源も制約の下にあることを意識する必要。 ○ 補正予算依存から脱却する予算編成改革については、予算の予見可能性を高め国内投資の持続的拡大に資する観点、歳出構造の平時化の観 点から、実効性が具体的に確保されることを期待。危機管理投資・成長投資を含め、多様な財政需要が同時に存在しているため、全体として財政規 律との整合性を確保する必要。R7補正やR8予算などこれまでの取組の進捗や成果を後戻りさせることなく、債務残高対GDP比を安定的に引き 下げる中で、予算編成改革を進めるべき。 ○ 人口減少の進行や経済社会の構造変化を踏まえ、これまでの財政資源の在り方を所与とせず、社会保障・非社会保障相互の優先順位の在り方を 含めて見直し、人材力・経済力を含めた総合的な国力の強化につなげていく視点が重要。 ○ 多様なリスクが重層的に存在し、また、債務残高対GDP比の高い我が国では、財政運営においてリスクマネジメントの視点が不可欠。不確実性の 時代において、有事への対応余力を確保する観点から、平時から債務残高対GDP比を安定的に引き下げるとともに、将来の経済・社会の変動に耐 え得る財政構造を構築していく必要。 ○ 我が国財政は金利と成長率の関係に大きく依存する構造。財政運営の信頼性を高めるため、中長期試算において、堅実な経済前提を基本としつつ、 金利や政策効果等の不確実性を織り込んだ多面的な分析(SDSA(確率的債務持続可能性分析))を行い、財政の持続可能性を検証していくことが重要。 ○ 名目成長率、物価、金利の上昇といった財政を取り巻く環境の変化を踏まえ、債務残高対GDP比の安定的な引下げを財政運営の中核目 標として明確に位置づけることは、財政運営が新たな段階に移行することを意味する。 ○ PBを複数年度で管理する枠組みの下でも、金利上昇局面における財政の持続可能性を適切に把握し、市場の信認を確保するため、利払費を含 めた財政収支などの動向にも目配りを行い、債務残高対GDP比の動きとの関係を踏まえながら、財政運営を行うことが望ましい。 1 II 人口減少と不確実性の時代における総合的な国力の強化 (財政資源の効率的な配分) ○ 今後のインフラ整備については、人口動態やインフラの老朽化等を念頭に、 「コンパクト・プラス・ネットワーク」を一層推進し、既存ストックを最大限 活用するほか、利用者負担や事業収益還元の視点も必要。また、安定財源を確保の上、インフラ老朽化対策の強化に重点的・安定的に取り組む必 要。あわせて、建設業において人手不足が課題となる中、生産性向上に向けた取組が重要。 ○ 農業従事者の急減が見込まれており、労働生産性と土地生産性の双方を向上させることで、稼げる農業を創り出していくことが重要。また、米 の作付けの大規模化を一層進め、政府が掲げる2030年目標に向けて、生産コストを着実に低減させていく必要。 ○ 地域社会の担い手の減少が不可避な中、徹底した行政の合理化・効率化を図る必要。地方税収が大都市部に集中し、財政力・行政サービ スの格差が拡大する中、地方税源の偏在是正といった都市と地方の支え合いの確保に取り組むことが重要。 (人材力・経済力の強化) ○ 人材の育成と分野内・分野間の適切な配分を一体的に進める必要。技術革新の進展等の不確実性を踏まえれば、単一の前提に基づく推計 には限界があり、複数のシナリオを設定し経済社会の姿を幅を持って可視化し、それと整合性を確保しつつ各分野の政策を構築することが重要。 関係府省の人材需給分析を統合し、分野毎に将来的に必要となる人材の全体像を人材政策の前提として俯瞰的に示していくことが求められる。 ○ 大学における教育・研究の質の確保の観点から、大学数と学部定員について、18歳人口減に対応する規模に適正化していくべき。その場合、 2040年までに学校数は250校~400校程度、学部定員は18万人程度の縮減が必要と推計。あわせて、将来人材不足が予測される分野や 経済成長に資する分野等の学科・大学に対して重点的に支援していく必要。 ○ 医療・介護分野の労働生産性を向上させるため、経営主体の再編・連携や協働化・大規模化の促進により、小規模分散の業界構造の転換 を図るべき。具体的には、地域医療連携推進法人等の活用、アウトカム評価や包括払い中心の報酬体系の構築、DX・AX等による業務効率 化を進めるべき。あわせて、医学部定員等の削減を含めた人材配分の適正化を進めるべき。 ○ 企業部門では、市場拡大に資するような投資の拡大に加え、企業収益や投資の成果が賃金として適切に分配される構造を確立し、労働生産性の向 上に見合った賃金上昇を実現することで、継続的な需要拡大を実現すると同時に、人材配分の最適化を進める必要。中小企業分野の小規模分散構 造からの転換が必要だが、その支援は「渡し切り」の補助金に依存することなく、金融支援も活用すべき。 ○ 「新たな投資枠」の創設に当たっては、既往の取組を参考にしつつ、投資・生産性・賃金の連動を通じて付加価値創出力を高める事業を中心 に、予算の予見可能性を高めることで民間投資を引き出すことが重要。企業による適切なリスクテイクを促す金融支援など多様な政策手段を用 意するとともに、必要に応じた見直しを行えるよう適切なマイルストーンを設けることで政策効果を高めることが必要。 (防衛力の強化) ○ 防衛力だけでなく情報力や技術力等を含めた総合的な国力の強化や、平時における経済・金融・財政基盤の体質強化に取り組む必要。今後の 防衛力整備は減少が見込まれる自衛官現員数を前提とした運用可能性を踏まえるべき。また、防衛調達・産業の在り方について、①供給制約の解消 を踏まえた政策対応、②民生品の大胆な活用や自衛隊の独自仕様の徹底的な見直し、③事業再編を通じた生産性向上など防衛産業基盤の強化 を担保した形での国の関与拡大といった取組が必要。 2 III 社会保障 ○ 社会保障改革を着実に実行し、賃上げ・物価への適切な対応と安心して医療・介護サービスを利用できる体制整備を行いつつ、社会保障負 担率を着実に引き下げていくことが必要。具体的な数値目標と年限を明確に掲げるとともに、その達成に向けた具体的な改革項目について、工 程表を改めて作成すべき。これにより、現役世代の負担軽減とともに、経済全体の賃上げ政策と相俟って、家計可処分所得の持続的な増加に つなげていくことが重要。 (医療) ○ 財政的制約がある中で、一定の質が確保された医療が持続的に提供されるよう、特に「患者アクセスの保障」と「医療提供のための負担の抑 制」のバランスを図ることが重要。「大きなリスクは共助中心、小さなリスクは自助中心」の視点も踏まえた保険給付範囲の在り方の見直し、保 険給付の効率的な提供に不断に取り組んでいく必要。 ○ 保険給付範囲の在り方の見直しについては、①年齢による不公平を是正し、現役世代の保険料負担を軽減するため、負担能力に応じた負担とする 観点から、70歳以上の患者自己負担割合について、可及的速やかに現役世代と同様に原則3割とすべきであり、その実現に向けた制度改革の工程 表を作成すべき。あわせて、②特定疾病制度の見直し、③医療機関における窓口業務費用の保険給付外サービス化を進めるべき。 ○ 保険給付の効率的な提供については、①効率的な医療提供体制の構築、②保険者機能の十全な発揮・保険料負担の公平化等に取り組 むべき。①はⅡの医療・介護の取組に加え、ア)医療機関の経営情報の更なる「見える化」、イ)医療法人の業務範囲の拡大の検討を行う べき。②はア)複数事業所で勤務する短時間労働者(マルチワーカー)への被用者保険の適用を含め、働き方に中立で包摂性の高い国民 皆保険の実現を不断に追求するべき。あわせて、イ)「被扶養者」制度の見直し、ウ)保険料水準統一の加速化等の国保の見直しや、後期 高齢者医療制度の運営主体の都道府県化等を進めるべき。 (介護) ○ 「担い手の確保」等の課題に対応しつつ、現役世代の保険料負担の増加を抑制し、制度の持続可能性を確保するために、「高齢化・人口減 少下での負担の公平化」、「給付の効率化・適正化」に取り組むべき。 ○ 高齢化・人口減少下での負担の公平化については、①利用者負担の2割負担の範囲拡大、②ケアマネジメントの利用者負担の導入、③ 補足給付の見直し等を確実に実施すべき。 ○ 担い手の確保に向けては、介護報酬による賃上げのみならず、介護現場の生産性向上が賃上げにつながる好循環の実現が重要。給付の効 率化・適正化については、令和9年度介護報酬改定に当たって、サービス類型やサービス提供の実態(例:利用者宅への個別訪問と、住宅 型有料老人ホームにおける集中的なサービス提供との違い)に応じて、介護報酬を見直すべき。 (障害福祉) ○ 事業所数の増加に応じて総費用額が増加しやすい構造にある中、サービスの質の確保・向上と総費用額の抑制を両立し、制度の持続可能 性を確保するため、①グループホームに係る指定基準の見直し、②総量規制の適切な運用、③障害者就労支援の在り方の見直し、④不正 請求・事業者に対する不適切な新規参入の勧誘への対応等に取り組むべき。 3

資料7

配付資料1 令和8年6月24日 令和8年第8回経済財政諮問会議・第5回 日本成長戦略会議合同会議提出資料5 日本成長戦略の下での中長期的な 経済・財政の姿に関する試算 2026年6月24日 内閣府 日本成長戦略の下での中長期的な経済・財政の姿に関する試算の位置づけ • 本年5月11日の経済財政諮問会議における総理指示に基づき、同年4月13日の経済財政諮問会議で議論さ れた『予算編成の在り方の抜本見直しに向けた基本原則』(以下「基本原則」という。)を踏まえ、国内 投資の徹底的なてこ入れを柱とする日本成長戦略等の下で、通常の歳出に加え、国が追加財政支出を毎年 度行った場合の2040年度にかけての経済・財政の姿(※1)を「経済財政モデル」を用いて試算(※2)。 • 追加財政支出には、 • 危機管理投資・成長投資のための「新たな投資枠」のうち複数年度で財源を確保した 別枠管理分(※3)以外(次頁③)、 (※4) • 補正予算の恒常的施策の当初予算措置分(当初予算化分)(次頁④) 等を想定。 追加財政支出について、現時点において必ずしも特定できない(官民投資スケジュール、危機管理投資・ 成長投資の具体的内容、別枠管理分との区分等)ため、機械的に2027年度以降、毎年度実質ベースで10兆 円と想定(※5) 。今後、年末に向けて新たな財政枠組みに基づく予算編成を進めていく過程の中で、官 民投資額やそのために必要な予算額を精査し、予算編成の結果を踏まえて、債務残高対GDP比等につい て確認する。 • • 具体的な歳出の内容があらかじめ定まっていないことから、公需、企業の資本コストを下げる補助金が半 分ずつの割合と想定。 • 追加財政支出以外の財政前提は、原則として中長期試算(1月)と同じ前提に基づき試算。 (※1)GDP、国内民間設備投資、債務残高対GDP比、PB・財政収支等。なお、ここでの「債務残高」の指標としては、内閣府「中長期の経済財政に関する試算」に おける国・地方の公債等残高を用いる。中長期の債務の持続可能性を確認する観点から、公債等残高は、普通国債、地方債、交付税特会借入金で構成され、将来の 財源が確保されたつなぎ国債(復興債、GX債等)や政府短期証券等は含まれていない。 (※2)本試算に用いている「経済財政モデル(2026年度版)」は、内閣府ホームページにて公表されている。 (※3)基本原則においては、償還財源の裏付けのある「つなぎ国債」の発行によって先行的な資金調達を可能としたものについては、 債務残高対GDP比やPB等の 指標において、経費及び財源の金額を除いて別枠で管理することが提案されている。このため、本試算では、別枠管理分に係る経済への影響はGDP等の経済指標 に反映されている一方、公債等残高やPB等の財政指標は、別枠管理分に係る経費や財源を除いたベースで示している。 (※4)これらには、「中長期の経済財政に関する試算」(令和8年1月22日経済財政諮問会議提出)において想定していた2027年度以降の国土強靱化の経費(国費分 2.1 兆円)及び防衛力強化の経費(0.5兆円)が含まれると想定。また、国土強靱化の経費については、国費に伴い地方負担(1.3兆円)も発生すると想定。 (※5)追加財政支出は、2027年度に10兆円とした上で、その後は、非社会保障歳出と同じく、物価・賃金上昇率並みに増加すると想定。 本試算の結果は、種々の不確実性を伴うため相当な幅を持って理解される必要がある。特に、本試算の推計期間は2040年度ま でとしているが、後年度ほど不確実性が大きいことに留意が必要。 1 高市総理発言(令和8年4月13日 経済財政諮問会議) ① 財政運営の目標としては、債務残高対GDP比を安定的に低下させていくというこ とを中核と位置づけます。引き続き、成長率を高め、金利などの市場動向にも十分注 視しながら、成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑えてまいります。プライマリーバ ランスにつきましては、債務残高対GDP比の低下に向けて確認することとし、その 安定的低下の中で複数年で管理をしてまいります。 ② 予算編成全般におきましては、物価・賃金の上昇について、予算編成に的確に反映 されるようにすると共に、かつての『デフレ・低成長時代』の編成から、『経済の成 長力の強化』と『名目の経済規模の拡大』にふさわしい編成へと見直してまいります。 ③ 『危機管理投資』・『成長投資』につきましては、通常の歳出とは別に、予見可能 性を持って実施できる『新たな投資枠』を創設することとします。財源については、 債務残高対GDP比を安定的に引き下げる中でも可能となる財政規模を精査し、中期 的な債務経路と整合的な形で柔軟に管理をいたします。このうち、経済安全保障上、 特に重要な分野の投資などについては、複数年度で財源を確保した上で、別枠で管理 をします。 ④ 補正予算は緊要性の高いものに限定をして、恒常的な施策については、原則、当初 予算で措置するということとし、『補正予算依存』からの脱却をいたしてまいります。 ⑤ 債務残高対GDP比などの財政指標の『持続可能性』の確認にも資するよう、成長 率や金利など、不確実性を織り込む分析・検証を強化し、併せて、市場関係者との緊 密な対話に努め、マーケットからの信認を確保していきます。 2 日本成長戦略の下での中長期的な経済・財政の姿に関する試算の位置づけ • 経済については、成長戦略の効果の発現度合いに応じて、以下の3つを試算。 (1)成長戦略実現ケース① • 追加財政支出による需要増加のほか、官民投資ロードマップに基づく投資の効果等に加えて、研 究開発投資や生産資源配分の効率化等の効果が十分に発現する場合。企業の資本ストックの蓄積 は、投資に係る期待収益率が、AI導入等に加え先端的イノベーションの実用化もあって、中長 期にわたって上昇する下で大きく進展し、国内民間投資が大きく誘発される。この間、TFP上 昇率は、5年程度で1.1%、その後、更に5年程度で1.4%まで上昇する。 (※1) • 労働参加率は、女性・高齢者を中心に伸長。 • 物価上昇率は2%程度に収れん。 (2)成長戦略実現ケース② • 追加財政支出による需要増加のほか、官民投資ロードマップに基づく投資の効果等が発現する場 合。投資に係る期待収益率が、AI導入等により中期的に上昇する下で国内民間投資も拡大する が、技術や市場の不確実性もあり、(1)ほどは発現せず、TFP上昇率は、5年程度で1.1%ま で上昇した後は一定。 • 労働参加率は、(1)と同様に伸長。 • 物価上昇率は2%程度に収れん。 (3)現状投影ケース • 追加財政支出による需要増加の効果のみ発現する場合。企業の投資に係る期待収益率が高まらず、 国内民間投資は、過去のトレンド並み程度にとどまる。TFP上昇率は、従来の水準程度の0% 台半ばで推移し続ける。(※2) • 労働参加率は、(1)・(2)よりも緩やかに上昇。 • 物価上昇率は2%程度に収れん。 (※1)TFP(全要素生産性)は、資本と労働の増加によらない付加価値の増加を表し、技術進歩の反映、労働者の能力向上、生産資源配分の効率化等が含まれる。成長 戦略によるTFP上昇率の押上げ幅については、「(参考資料)成長戦略によるTFP上昇率の押上げ」(令和8年6月24日令和8年第8回経済財政諮問会議・第 5回日本成長戦略会議合同会議資料6)を参照。 (※2)現状投影ケースのTFP上昇率は、直近の景気循環から足下まで(2012年10-12月期~2026年1-3月期)の平均0.6%程度に収れんしていくと想定。 (※3)このほか足下の2026年度までのGDP成長率等の前提については、原則として、2026年度政府経済見通し及びこれを踏まえた中長期試算(1月)と同じ前提に基づ き試算。なお、2026年度の長期金利は、2.6%と想定(2026年5月平均の2.6%が2026年度末まで続いた場合の年度平均値)。 3 潜在成長率とその内訳 • • • 官民投資ロードマップに基づく投資の効果に加えて、研究開発投資や生産資源配分の効率化等の効果が十 分に発現する「成長戦略実現ケース①」では、国内投資が大きく促進されることにより資本投入量の寄与 が、成長戦略の効果が十分に発現しない「現状投影ケース」に比べて大きく上昇する(約6倍)ことに加 えて、中長期にわたるTFP上昇率の高まりにより、我が国経済の供給力である潜在成長率は、試算期間 にわたって1%台後半まで上昇していく姿。 官民投資ロードマップに基づく投資の効果が発現する「成長戦略実現ケース②」でも、国内投資促進によ り資本投入量の寄与は、「現状投影ケース」よりも上昇(約5倍)することに加え、TFP上昇率の高ま りにより、潜在成長率は1%台半ばで推移する姿。 成長戦略の効果が十分に発現しない「現状投影ケース」では、資本蓄積が進まないことやTFP上昇率の 停滞、労働投入量のマイナス寄与の拡大から、潜在成長率は0%台前半に低下していく姿。 潜在成長率の内訳(5年ごとの平均) (%、%pt) 2.5 2.0 TFPの寄与度 資本投入量の寄与度 労働投入量の寄与度 潜在成長率 1.5 1.6 1.5 0.3 0.5 0.0 0.2 0.4 0.1 0.5 0.5 0.5 -0.2 -0.1 2021-2025 2026-2030 0.1 0.9 0.1 0.5 0.6 -0.2 0.6 0.3 0.3 1.1 0.9 1.4 1.2 1.1 0.7 1.8 0.5 0.5 1.4 0.5 1.0 0.6 0.7 -0.1 -0.1 2026-2030 2031-2035 -0.2 -0.4 -0.1 -0.1 2026-2030 2031-2035 -0.2 -0.5 実績 2031-2035 現状投影ケース 2036-2040 2036-2040 成長戦略実現ケース② (備考)実績期間は、「2026年1-3月期四半期別GDP速報(2次速報値)」に基づく内閣府試算値。 2036-2040 成長戦略実現ケース① (年度) 4 GDP成長率 • 実質GDP成長率は、「成長戦略実現ケース①」では、中長期的に1%台後半まで、「成長戦略実現ケース ②」では、中長期的に1%台半ばまで高まる。一方、「現状投影ケース」では、0%台前半で推移する姿。 なお、2040年度にかけては、少子高齢化の進展による労働投入量のマイナス寄与が拡大することから、特 に「現状投影ケース」で潜在成長率が低下する影響が表れることに留意が必要。 名目GDP成長率については、「成長戦略実現ケース①」では中長期的に3%台半ば、「成長戦略実現 ケース②」では中長期的に3%程度で推移する姿。一方、「現状投影ケース」では、中長期的に2%程度 の成長にとどまる姿。 • 実質GDP成長率 名目GDP成長率 (%) (%) 4 4 3 3 2 2 1 1 0 0 -1 -1 -2 -2 -3 -3 -4 -4 -5 -5 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 5 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 5 (年度) (年度) 5 国内民間設備投資額と名目GDP • 「成長戦略実現ケース①」では、企業の資本ストックの蓄積は、企業の投資に係る期待収益率が中長期に わたって上昇する下で大きく進展し、国内民間設備投資は現状の目標(2040年度200兆円)を大きく上回 る230兆円超まで高まり、成長戦略の効果が十分に発現しない場合に比べ、国内民間設備投資だけで累計 410兆円程度と、「官民投資ロードマップ」に基づく官民投資額(累計370兆円超)を上回る投資が誘発さ れる。名目GDPは、設備投資が牽引する形で2040年度に1,100兆円に近付く。 「成長戦略実現ケース②」でも、国内民間設備投資は2040年度で220兆円程度まで増加し、成長戦略の効 果が十分に発現しない場合に比べ、国内民間設備投資だけで累計370兆円程度と、「官民投資ロードマッ プ」に基づく官民投資額(累計370兆円超)が実現。名目GDPは2040年度に1,040兆円程度に増加。 「現状投影ケース」では国内民間設備投資は2040年度で170兆円程度、名目GDPは900兆円程度にとどま る。 • • 250 (兆円) 国内民間設備投資(名目) 1200 (兆円) 名目GDP 1100 200 1000 900 150 800 100 700 600 50 500 (年度) 400 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 0 (年度) 6 国・地方の公債等残高対GDP比 • 国・地方の公債等残高対GDP比は、「成長戦略実現ケース①」においては低下傾向で推移した後、2030 年代後半に低下幅が縮小していく姿。一方、「成長戦略実現ケース②」では2030年代半ば、「現状投影 ケース」では2030年度頃から上昇に転じる姿。 ⇒ 追加的な財政支出を毎年10兆円(※)と想定した場合、十分な経済成長が実現すれば、債務残高対GDP比 が概ね安定的に低下する姿となる。 (※)予算編成において、新たな投資枠に充てられる支出には、複数年度で財源を確保した別枠管理分が加わる。 国・地方の公債等残高対GDP比 210 (%) 200 190 180 170 160 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 150 (年度) 7 国・地方のPB、財政収支対GDP比 財政収支対GDP比 PB対GDP比 (%) (%) 0 2 -2 0 -4 -2 -6 -4 -8 -6 -10 -8 -12 -10 -14 (年度) 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 • 国・地方のPB対GDP比は、「成長戦略実現ケース①」、「成長戦略実現ケース②」ともに短期的に赤 字となった後、2028年度以降黒字化し、2030年代半ばまでは黒字幅が拡大した後、「成長戦略実現ケース ①」では拡大、「成長戦略実現ケース②」では横ばいで推移する姿。「現状投影ケース」では赤字幅が拡 大する姿。 国・地方の財政収支対GDP比は、「成長戦略実現ケース①」や「成長戦略実現ケース②」では、2040年 度にかけて赤字幅が緩やかに拡大していく姿。一方、「現状投影ケース」では、2040年度にかけて赤字幅 が着実に拡大していく姿。 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 • (年度) 8 (参考資料)成長戦略によるTFP上昇率の押上げ 内閣官房・内閣府 令和8年6月24日 区分 分野 AIの導入 【新規】 設備 投資 無形 資産 投資 大規模設備投資 (資本若返り) 【新規】 中期 長期 (~2031) (~2036) 0.2%pt 程度 0.1%pt 程度 試算の前提条件 令和8年6月24日 令和8年第8回経済財政諮問会議・第5回 日本成長戦略会議合同会議提出資料6 0.2%pt 程度 ・成長戦略により、AIの導入ペースが加速すると想定。 ・OECDの研究(Filippucci et al.(2025))では、日本について、AI導入ペースが速まることに より、TFP上昇率が0.2%pt上昇。 ・成長戦略の優先課題であり、中期に効果が発現すると想定。 0.1%pt 程度 ・成長戦略の官民投資ロードマップに基づき、大規模投資(企業が持つ資本の20%以上の規模の 投資)割合が13.5%から欧米並みの21%に上昇し、資本年齢が2.6年若返ると想定。 ・Fiori et al.(2025)では、資本年齢の1年若返りにより、TFP上昇率は0.34%pt上昇。2.6年 ×0.34%pt=0.9%pt程度の上昇が、10年程度かけて発現すると想定。 ・成長戦略の優先課題として、官民投資ロードマップに基づく投資は2027年度以降順次実施され るため、中期に効果が発現すると想定。 対日直接投資 0.1%pt 程度 0.1%pt 程度 ・2030年にかけ、直投残高GDP比が実績並みで推移する場合と比べ年平均0.9%pt程度上昇すると想定。 ・Baltabaev(2014)では、直投残高GDP比が1%pt上昇した場合、TFP上昇率は0.17%pt程度上昇。 ・直接投資企業による技術のスピルオーバーは、実装段階にある技術を中心に比較的早期に生じ ると考えられるため、中期に効果が発現すると想定。 人への投資 (教育訓練投資) 0.1%pt 程度 0.1%pt 程度 ・企業による教育訓練投資(従業者一人当たりストック)が毎年3.0%程度上昇すると想定。 ・Morikawa(2021)では、教育訓練投資が1%増加すると、労働生産性は0.03%程度上昇。 ・教育訓練の成果は従業者の生産性上昇に比較的早期に反映されると考えられるため、中期に効 果が発現すると想定。 0.2%pt 程度 ・2030年度にかけ、官民の投資により、研究開発投資GDP比が実績並みで推移する場合と比べ年 平均0.7%pt程度上昇すると想定。 ・森川(2015)では、研究開発投資GDP比が1%pt上昇した場合、TFP上昇率は0.3~0.4%pt上昇。 ・研究開発段階の技術が実用化・普及を経て生産性上昇に寄与するまでには時間を要すると考え られるため、効果は長期に発現すると想定。 科学技術・ イノベーション (R&D投資) 0.0%pt 程度 生産資源配分の 効率化 【新規】 0.1%pt 程度 0.2%pt 程度 ・AIの社会実装に適応した就業構造の転換、17の戦略分野に応じた将来的な産業構造の変化、ス タートアップの広がりによる新陳代謝等を通じて、生産資源配分の効率化が進展すると想定。 ・OECDの研究(Filippucci et al.(2025))では、AI導入が加速した場合でも主要先進国と日本 にはTFP上昇率0.2%ptの差があるが、成長戦略によって、その差が埋まると想定。 ・構造変化には時間を要すると考えられるため、効果は中期に半分程度、長期に全てが発現する と想定。 合計(現状投影ケース比) 0.6%pt 程度 0.9%pt 程度 ・現状投影ケースのTFP上昇率0.6%に左記を加算。 ・効果が重複し得ることも踏まえ、中期は1.1%程度、長期は1.4%程度と想定。 その 他 (備考)表に掲載したTFP上昇率の押上げ幅は年平均。対日直接投資、人への投資、科学技術・イノベーション、生産資源配分の効率化のうちスタートアップ推進等の考え方は、ESRI Discussion Paper Series No.395(浦沢 他(2024))に基づく。AIの導入、生産資源配分の効率化において参照したOECDの研究はOECD Artificial Intelligence Papers, No. 41.(Filippucci et al. (2025) )。大規模設備投資における日本の割合13.5%は CREPE Dission Paper No. 159(Nirei (2024))に、欧米並みの割合21%はFEDS Notes 2025-10-15-1.(Fiori et al. (2025))における米英仏独の4か国平均に基づく数値。