議事録
令和8年第7回経済財政諮問会議
議事要旨
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(開催要領)
1.開催日時:令和8年5月 22 日(金)18:02~18:48
2.場
所:総理大臣官邸4階大会議室
3.出席議員:
議長
高 市
早 苗
内閣総理大臣
議員
木 原
稔
内閣官房長官
同
城 内
実
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
兼 日本成長戦略担当大臣
同
林
芳 正
総務大臣
同
赤 澤
亮 正
経済産業大臣
同
片 山
さつき
財務大臣
同
植 田
和 男
日本銀行総裁
同
筒 井
義 信
日本生命保険相互会社 特別顧問
同
永 濱
利 廣
株式会社第一ライフ資産運用経済研究所
首席エコノミスト
同
南 場
智 子
株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長
同
若田部 昌 澄
早稲田大学政治経済学術院教授
臨時議員
上 野
賢一郎
厚生労働大臣
山 田
賢 司
経済産業副大臣
(議事次第)
1.開 会
2.議
事
(1) 成長力強化
(2) 経済財政一体改革②(社会保障)
3.閉
会
(資料)
資料1
資料2
資料3
資料4
強い経済を実現する成長力の強化に向けて(有識者議員提出資料)
強い経済を作るための社会保障改革(有識者議員提出資料)
強い経済を作るための社会保障改革(参考資料)(有識者議員提出資料)
持続可能な社会保障制度の構築に向けて(上野臨時議員提出資料)
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令和8年第7回経済財政諮問会議
(概要)
(城内議員) ただ今から、「経済財政諮問会議」を開催する。
本日の議題は、お手元の議事次第のとおりである。議題2の「経済財政一体改革②(社
会保障)」については、上野厚生労働大臣に臨時議員としてご参加いただく。
○「成長力強化」
(城内議員) 議題1「成長力強化」について、 南場議員から、資料1の民間議員のご
提案をご説明いただく。
(南場議員) 国民や企業が「今度こそ成長する」と期待できるよう、政府が強いリーダ
ーシップを発揮し、「官民投資ロードマップ」を実効性ある形で具体化し、投資主導の成
長経路へ転換するため四点ご提案する。
1ポツ、「新たな投資枠」は、通常の歳出と別に設け、それぞれ必要な規模と期間を確
保した上で、実効が上がる予算措置とし、企業の中長期の投資判断を後押しするべきであ
る。また、イノベーション創出力の大きいスタートアップに重点投資をするべきである。
2ポツ、企業の中長期の投資判断を後押しするためには、予算の予見可能性が重要であ
る。長期間腰を据えて取り組むべき分野もあるため、「予算措置は3年以内」とする基金
ルールは廃止するべきである。また、国庫債務負担行為の最長5年も延長を検討するべき
である。
3ポツ、技術などの不確実性が高いことを前提に、状況変化に応じて支援を調整し、成
功可能性を高める柔軟な仕組みが重要である。また、個別事業の短期的成否ではなく、全
体で評価する視点も必要である。戦略分野全体を「ポートフォリオ」として捉え、付加価
値創造力と供給力の強化を確認するべきである。
4ポツ、戦略分野への投資拡大に加え、税制・金融措置などの総合的な組合せが重要で
ある。AIの進化に応じた柔軟な資金や労働の移動が成長力に大きな影響を与える。制度
や規制を見直し、民間が投資しやすい環境を整えるとともに、企業、資金、人材が成長分
野へ円滑に移動し、イノベーションが持続的に生まれる環境を整えるべきである。
(城内議員) 私からも、日本成長戦略担当大臣として、「日本成長戦略」の検討状況に
ついて一言申し上げる。
「日本成長戦略」については、「日本成長戦略会議」においてスピード感を持って検討
を進めてきた。まず、17の戦略分野については、61の「主要な製品・技術等」を戦略的に
選定し、「官民投資ロードマップ」をお示ししたところであり、今後、官民投資の内容、
規模、時期などを明らかにしながら完成させていく。また、8つの分野横断的課題につい
ても、先月、大きな対応の方向性をお示ししたところであり、この夏の「日本成長戦略」
の策定に向けてさらに検討を加速させていく。
民間議員からご意見をいただく。
(筒井議員) 日本の成長力強化に向けた、経済界としての期待について申し上げる。
官民連携の下で国内投資を拡大していくためには、
「責任ある積極財政」の方針の下で、
一つは予見可能性を高める公的投資の枠組み、二つ目は民間投資を誘発する総合的な施策
が求められる。この点、公的投資を「多年度・別枠」で管理する仕組みは、投資の予見可
能性向上に資するものであり、経済界として歓迎するところである。とりわけ、中長期的
な価値創造につながる基礎研究を含む科学技術分野への取組や産業インフラの整備など、
単年度主義では十分な成果を上げにくい分野について、中長期的かつ計画的な投資を継続
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令和8年第7回経済財政諮問会議
していくことが極めて重要である。
折しも先日、経団連は、提言として、「科学技術立国戦略」を高市総理にお届けし、2040
年における官民での研究開発投資額の目標を50兆円と掲げ、「投資牽引型経済」を主導し
ていく決意を申し上げたところである。その際、高市総理からは、研究費の実質的倍増、
新たな研究大学認定制度の創設、産総研の機能強化、というような力強い施策を表明いた
だいた。
その上で一言申し上げる。公的投資が真に成長力強化につながる分野へ重点的かつ効率
的に配分されているかについては、PDCAやEBPMの考え方に基づいて、政策効果を
不断に検証・改善していく仕組みを担保することが不可欠である。
加えて、民間投資の誘発に当たっては、投資や社会実装のボトルネックとなる規制・制
度の見直しや標準化、政府調達等のあらゆる政策手段を総動員して取り組んでいただくよ
うお願いする。
経済界は、「危機管理投資」・「成長投資」を通じた「投資牽引型経済の実現」に向け、
官民連携の先導役を果たしていく。政府には、引き続き、投資の予見可能性を高めるとと
もに、実効性の高い投資環境の整備に取り組まれることを期待している。
(永濱議員) 私からは三点。
一点目、「新たな投資枠」の具体化について。この投資枠は、「官民投資ロードマップ」
と整合する十分な規模を複数年度にわたって明示することが重要と考える。というのも、
民間企業が国内投資、研究開発、人材投資を本格的に拡大するためには、中長期にわたっ
て予見可能性が高まることが条件だからである。また、17の戦略分野についても、どの市
場を取りにいくか、どの技術を社会実装するのか、さらにはどの程度の供給力を国内に確
保するのかといったターゲットを明確にすべきと考える。その上で、民間投資の誘発額や
GDP、さらには税収への効果をあらかじめKPIとして設定することを提案する。さら
に、制度改革や規制改革を一体で講じることも重要で、それによって初めて民間が自らリ
スクを取って投資判断を行える健全な市場環境が整うと考える。
二点目、プライマリーバランス外の手段の考え方について。前提として、プライマリー
バランス外の手段を単に財政規律を回避するための抜け穴として使うべきではないと考
える。確かに、将来の収益や利用料の収入、政策金融における回収、あるいは民間資金と
の協調が確実に見込まれる事業については、財投債を活用することは極めて合理的と考え
る。ただ、その場合であっても、対象事業の厳選や償還の可能性、さらには官民リスクの
分担、そして、マクロ財政への影響をあらかじめ明確にしておく必要がある。そして、投
資の性格やリターンの構造に応じて最も適切な資金調達手段を選択するという原則を確
立することが重要。
三点目、今後の歳出の目安の見直しについて。ここでの見直しは、物価・賃金が上昇す
る局面においては、必要な行政機能や未来への成長投資が実質的に削られてしまわないよ
う十分配慮しながら、歳入の見直し、政策効果、そして、財政目標との整合性を踏まえて、
伸ばすべき歳出と見直すべき歳出を峻別すべきと考える。
具体的には、政策ごとにPDCAやEBPM、明確なKPI、さらには期限や出口を厳
格に組み込んで、効果の乏しい事業は果敢に見直していくという運用も必要と考える。こ
れによって、債務残高対GDP比の安定的な低下という目標と整合する、真に実効的な歳
出管理体制へと移行していくべき。
(若田部議員) 「強い経済」を実現するためには、政府が何を管理するかではなく、ど
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令和8年第7回経済財政諮問会議
うすれば民間投資が実際に動くかという発想で制度を組み替えることが重要。総理が述べ
られた、「リミッターを外して真に必要な施策を躊躇なく提案し、やり抜く」ことを具体
化する上でも、「新たな投資枠」、「複数年度予算」、「基金ルールの見直し」は極めて
重要。これまでの政策の延長線上では、企業の中長期の投資判断は変わらない。予算、規
制・制度、政府調達、人材育成、資金調達・供給を一体で動かす仕組みに変える必要があ
る。
リミッターを外すための鍵として三つご提案する。第一に、対象の広さと柔軟性である。
「新たな投資枠」については、対象を狭く限定すべきではない。総理も、スタートアップ
や中堅・中小企業の稼ぐ力の強化など、民間企業の投資を引き出す取組を「新たな投資枠」
の対象とすることを含め、思い切った具体策を検討するよう指示されている。
これまでの予算措置額や既存の要求額に縛られれば、政策は小さくまとまり、企業の投
資判断を動かす力も弱くなる。17の戦略分野や8つの分野横断的課題を出発点としつつ、
成長戦略の実行に必要な取組、民間投資を引き出す取組、将来の供給力に資する取組につ
いては、柔軟に対象にできる設計にすべき。
第二に、予見可能性である。企業は、今年は補助があるからといって大型投資をするわ
けではない。政府が一定の規模と期間をもって支援し、「規制・制度改革」や政府調達、
標準化も含めて、市場環境を整えることが必要。その意味で、基金の3年ルールは「成果
管理」を徹底することを前提に見直すべき。「危機管理投資」・「成長投資」を中心にし
つつも、それに限らず、投資回収や効果発現に時間を要する分野については、3年ルール
に機械的に縛られない形で、基金と国庫債務負担行為を活用し、複数年で契約・支援でき
る仕組みを整えるべきである。
第三に、政策的リスク管理である。「危機管理投資」・「成長投資」は、不確実性の高
い分野に政策的にリスクを取るものである。個別事業の短期的な成否だけを見て萎縮する
のではなく、ポートフォリオ全体として民間投資を誘発し、供給力を高め、将来の成長の
芽を育てているかを確認すべき。もちろん「成果管理」は必要だが、それは削るための管
理ではなく、支援内容を組み替え、成功確率を高めるための管理であるべき。
なお、「日本成長戦略会議」におかれては、「官民投資ロードマップ」完成のタイミン
グで「新たな投資枠」の実際の金額の数字の規模感を複数年度分しっかりと見せていただ
くようにお願いしたい。
(南場議員) 今回、「日本成長戦略会議」の「スタートアップ政策推進分科会」が取り
まとめた「スタートアップ総力創出パッケージ」は非常によくまとまっている。内外から
の成長資金の供給拡大、スケールアップする能力の高い人材の惹き付けと、優秀な海外起
業家や投資家を呼び込みに向けた体制整備など重要なことが整理されて盛り込まれてお
り、日本を世界に伍するスタートアップエコシステムにするための良い方向性を示してく
ださった。
方向性は示されたが、「取組を強化する」、「支援を拡充する」とされているように、
具体的な制度設計はこれからになる。日本の政策立案では、国際水準に合わせることや他
国並みという発想が根強いが、日本のスタートアップエコシステムがほかの主要国に劣後
している現状のため、これから世界に伍するスタートアップエコシステムにするためには、
具体的な制度設計において他国を凌駕する水準の措置とすることが必要であるので、思い
切った措置を具体化の際にお願いしたい。
また、日本の企業の競争力を高めていくことが成長力強化にも非常に重要だが、競争力
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令和8年第7回経済財政諮問会議
の観点からは、生成AIをどれだけ活用しているかが密接に関係してくる。総務省の調査
で、企業における生成AIの利用はアメリカ・ドイツ・中国は90%以上で、特に中国は96%
だが、日本は55%で利用が進んでいない。利用している企業でも残念ながらチャットやリ
サーチにとどまっている。AIエージェントをどれだけ使いこなすかで生産性に圧倒的な
差が生じるが、そこまで到達している日本の企業がとても少ないことを心配している。
AIと人間の役割分担は刻一刻と変化しており、きちんとキャッチアップしなければな
らないということもあるが、アメリカは人間とAIの役割分担の変化に応じて人材を入れ
替えている。日本の場合は、経済の中心の大企業が人材と密結合しており、この密結合が
AIの進化に応じた柔軟な労働移動のネックとなっている。そのため、人が動きやすい環
境を作ることは非常に重要である。
例えば、退職所得控除など、一つの会社で長く働いた方が得となるような制度は見直す
べきである。人が動きやすい環境にすることは賃金が上がるなど良いことしかないので、
ぜひお願いしたい。
日本は大企業中心の経済で人がなかなか動かないが、スタートアップはダイナミックに
動いている。そのため、スタートアップのポーションを太らせることは日本経済にとって
良いことしかないため、この点も再度強調させていただきたい。
(城内議員) 続いて、閣僚からご発言をいただく。
(林議員) 総務省は17のうちの「情報通信」を担当しており、「オール光ネットワーク
(APN)」、「海底ケーブル」、「次世代ワイヤレス」を主要な製品・技術として選定
して、「官民投資ロードマップ」を策定している。とりわけ、情報通信産業は、それ自体
が我が国の経済成長への寄与度が高いのみならず、製造業など他分野への波及効果も大き
いため、全ての産業のいわば基盤となる分野である。「危機管理投資」と「成長投資」を
より一層推進すべきだと考える。
これらの製品・技術への支援をはじめとする情報通信産業の振興を通じて、我が国の「強
い経済」の実現と経済安全保障の確保に積極的に貢献していく。
(片山議員) 「危機管理投資」・「成長投資」によって「強い経済」を実現するために
は、民間議員の方々からもご指摘があったように、政策目的を明確化し、民間投資を誘発
していく、状況変化に対応して効果的に予算を活用し、成功の可能性を高めていくといっ
た視点が重要。
財務省としても、金融面も含めた多様な政策手段を活用し、民間による適切なリスクテ
イクを促すこと、事業の進捗成果を管理し、必要に応じた見直しを行えるよう、適切なマ
イルストーン等を設け、政策効果を高めていくことが重要だと考えている。
ご指摘のあった「危機管理投資」・「成長投資」における基金の活用に関しては、同様
の視点から、事業の「成果管理」を徹底しつつ、柔軟かつ効率的な資金管理の観点も踏ま
え、「基金ルールの見直し」を関係大臣と協力して検討していく。
前回5月11日の会議において総理から、この会議での議論などを踏まえ、「新たな投資
枠」の創設など、予算編成改革に向けた必要な対応の具体化について検討を進めるようご
指示をいただいた。
財務省としても、高市内閣が進めてきた「強い経済」と「財政の持続可能性」を両立さ
せる取組を更に確実なものとすべく、4月13日の会議で民間議員から提案のあった「基本
原則」を念頭に、本日の議論も参考としながら予算編成改革の具体化に向けて取り組んで
いく。そのベースとなる考え方について、6月の会議において私からご報告をしたいと考
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令和8年第7回経済財政諮問会議
えている。
(山田経済産業副大臣) 今般の中東情勢をはじめ、地政学リスクが上昇し、安全保障・
経済安全保障を確保する重要性が高まる中、世界は産業政策の時代を迎えている。
こうした中で、経済産業省としては、17の戦略分野を中心に「新たな投資枠」も活用し
ながら、複数年度・大規模な予算措置を通じて企業の予見可能性を確保し、民間の投資を
強力に引き出していく。
中でもAIトランスフォーメーション(AX)は、積極的な産業政策で実現すべき「勝
ち筋」の根幹であり、17の戦略分野全ての基盤。フィジカルAIの基盤となる高齢者のヘ
ルスケア、災害対応、廃炉技術、製造現場で蓄積されたデータや産業ロボット等の技術基
盤といった日本の強みを生かし、速やかなAXの実現を図る。
こうした戦略分野への投資促進に加え、スタートアップエコシステムの形成、中堅・中
小企業の稼ぐ力の強化と持続的な賃上げの好循環の実現など、分野横断的な取組も併せて
講じることで、我が国の潜在成長率向上を実現していきたい。
○「経済財政一体改革②(社会保障)」
(城内議員) 議題2「経済財政一体改革②(社会保障)」についてである。
なお、議題2では上野厚生労働大臣にもご参加いただく。
筒井議員から、資料2の民間議員のご提案をご説明いただく。
(筒井議員) 「強い経済を作るための社会保障改革」として、まず前文の1パラ目で、
経済成長、税、社会保障を三位一体で捉える視点が不可欠であると強調している。
2パラ目に、必要な提供体制を確保しつつ、給付と負担の改革努力を継続すること、そ
して、生産性向上やサービス利用の適正化を進め、保険料負担や国民負担全体への影響も
併せて点検する重要性を指摘している。
その上で、高市政権が掲げる「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていく」と
いう方針の下で、社会保障負担率の目標について検討を進め、令和8年度中に改革の具体
化と工程の明確化を図り、順次実施すべきとしている。
取り組む視点として、四つ提案している。最初に、「給付と負担の一体的な改革」につ
いて。世代間や世代内の公平性や負担能力を踏まえた検討が必要である。その前提として、
所得、資産、世帯構成等を制度横断的に把握し、改革を具体化する際には国民生活への影
響を踏まえて丁寧に検討すべきである。
続いて、2ページ目。2ポツ目「医療・介護提供体制の持続可能性の確保」、3ポツ目
「医療・介護分野の生産性向上とイノベーション」、4ポツ目「攻めの予防医療と就労・
健康寿命の延伸」を提案している。
(城内議員) 上野厚生労働大臣から、持続可能な社会保障制度の構築について、資料4
に沿ってご説明をいただく。
(上野臨時議員) まず1ページ目、社会保障は国民一人一人がその夢や希望の実現を諦
めることなく、安心して働き、暮らしていくための基盤である。すべての世代が安心でき
る持続可能な社会保障制度を構築し、次の世代に引き継ぐため、まず2040年頃に向け、地
域に不可欠な質の高い医療・介護・福祉サービスが、人手が限られた中であっても持続的
に提供されるように、地域ニーズの実態に応じた実効的な担い手確保を図る。
また、「攻めの予防医療」を通じた健康寿命の延伸に取り組み、社会保障制度を含めた
社会の支え手を確保する。
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さらに、「改革工程」や「連立政権合意書」等に基づき、医療・介護を中心とした社会
保障制度改革を計画的に実行していく。
2ページ目、「2040年に向けた社会保障の担い手確保」についてご説明する。
まず当面の対応として、介護、障害福祉分野については、次期改定においては、現場で
働く幅広い職種の方々の賃上げや経営の安定、離職防止、人材確保に確実につながるよう、
現場の「生産性向上」を促進しつつ対応していく。
また、医療分野については、昨年末の大臣合意のとおり、経済・物価の動向が診療報酬
改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、加減
算を含め、さらなる必要な調整を行う。
さらに、2040年に向けて18歳人口が3割以上減少する中にあっても、現場における「生
産性向上」の取組等を進めつつ、デジタル・AI時代の変化に対応した人材の養成・確保
を進めていく。こども家庭庁や文部科学省とともに、来年度から集中的に進めていく。
具体的には、医療・介護・福祉の担い手を実効的に確保するため、それぞれの地域にお
いて人材の確保・養成について協議するプラットフォームを構築し、テクノロジー導入や
養成体制の見直し等に計画的に取り組む。また、DX等に対応した「次世代型インフラ」
を構築するため、将来需要に合わせて施設の建替え・改修等も含めた計画的な整備に取り
組む。
3ページ目、「『攻めの予防医療』等の推進」について。
これまで、健康日本21などの国民運動を促してきたところだが、我が国の健康寿命は近
年その伸びが停滞している。国民一人一人が生活習慣病等の疾病を「自分ごと」として受
け止め、健康意識を高く持ち、確実に行動変容につなげることで、健康寿命のさらなる延
伸を図ることが求められている。
人生100年時代で、100年健康に生きられるような社会を目指すべきだと考えている。そ
のため、栄養・食生活、がん・循環器病、歯科保健、認知症、リハビリテーション、性差
に由来するヘルスケアなど、様々な観点から「攻めの予防医療」等を推進していきたい。
とりわけ、がんについては死亡率第1位で、それがまた増加している傾向があるので、
がん検診の充実など、しっかりと取り組んでいく必要がある。
「総合的な対策」を今後策定し、皆が元気に活躍し、社会の支え手を確保するために取
り組んでいく。
(城内議員) 民間議員からご意見をいただく。
(若田部議員) 「社会保障改革」についても、単なる歳出抑制や価格調整ではなく、「強
い経済」を作るための制度改革として考える必要がある。現役世代の保険料負担や可処分
所得は、消費や就労意欲に直結する。一方で、社会保障の安心感が弱まれば、人々は将来
不安に備えて過度に貯蓄をせざるを得なくなり、消費や人的投資にも影響する。「社会保
障改革」は、負担を抑えることと、保険として本来守るべき大きなリスクに備えることを
両立させるべき。
具体的に三点補足する。第一に、改革は短期的に実施しやすいように見える項目だけに
偏ることがあってはならない。年齢によらない応能負担や高齢者の自己負担の在り方は重
要な論点ではあるが、自己負担率だけを取り出して結論ありきで議論すべきではない。医
療は高額で予見しにくいリスクであり、改革に当たっては必要な医療へのアクセス、低所
得者への配慮、負担能力に応じた制度設計を一体として考える必要がある。「社会保障改
革」は保険本来の機能を高める改革であるべきである。
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令和8年第7回経済財政諮問会議
また、医療費の効率化を診療報酬や薬価だけに寄せるべきではない。価格を抑えても、
医療機関は収益を確保するために利用量を増やそうとする。利用量、提供体制・サービス
へのアクセスに影響が出れば、制度全体として望ましい改革になるとは限らない。国費だ
けではなく、保険料負担、現役世代の手取り、サービスの質やアクセスへの影響も含め、
国内外の実証研究やデータに基づき、制度全体を見て包括的に改革を積み重ねる必要があ
る。
第二に、社会保障と「強い経済」を結びつけるためにもイノベーションが重要。AIや
遠隔医療などを通じて医療・介護の生産性とサービスの質を同時に高めるべきであるし、
現場においてイノベーションを促進するインセンティブづけが必要。
第三に、現役世代の手取りを考える上では、社会保険料だけではなく税制との関係も一
体として見る必要がある。賃金や物価が上昇する中で、税率区分や控除が実質的に固定さ
れれば、いわゆるブラケットクリープにより手取りの改善が実感されにくくなる。社会保
障負担、税負担、給付の関係を一体として捉え、「国民会議」等の議論とも接続しながら
「強い経済」を支える改革として進めていただきたい。
(南場議員) 社会保障分野については、給付の拡大と負担増を繰り返す時代から転換し、
現役世代の可処分所得を増やしながら、持続可能性と成長を両立させる新しいステージへ
と移行する必要がある。負担を増やさなければ支えられない社会保障から脱却するべきで
ある。
現役世代の社会保険料負担は、長年にわたり手取り増加を阻害してきた。高市政権が掲
げる「現役世代の保険料率を引き下げていく」方針は、この流れを転換する極めて重要な
メッセージである。賃上げしても手取りが増えないという若い世代の諦めを変えなければ
ならない。方針を掲げる以上、いつまでにどこまで下げるのかを示すことが必要である。
今回提案する「社会保障負担率」は、社会保障負担の全体像を分かりやすく示す指標であ
る。重要なのはその数字を本当に下げることである。「改革は必要」と言い続けながら負
担率が高止まりする状況は、終わりにしなければならない。「社会保障負担率」をいつま
でにどこまで引き下げるのかを明確に掲げ、そのためのロードマップを早急に示すべきで
ある。
具体的な改革項目の検討に際して、何歳以上は一律に支える、何歳以上だから一律に負
担が軽いという発想を改める必要がある。年齢だけで線を引く制度は、現役世代の納得感
を失いつつある。その見直しの一丁目一番地が窓口負担である。
また、現場の負担軽減と「生産性向上」についても抜本的に進めるべきである。人手不
足社会にあって、医療・介護分野が従来型の方法を続けることは持続可能ではない。AI
やデジタル技術を前提に、業務プロセスそのものを作り変えていく必要がある。制度、報
酬体系、規制もその変化に追いつくもの、あるいは変化を促すものに改めなければならな
い。
加えて、労働供給制約がさらに深刻になる中では、働きたい人が働けば手取りが増える
制度に変えていくことが重要である。給付付き税額控除は、年収の壁を超えると損をする
ゆがみを和らげ、就労拡大と所得向上につながる制度であり、「強い経済」の実現の観点
から待ったなしで導入するべきと考える。
(永濱議員) 私からは三点。
まず一点目、民間議員ペーパーでは、医療・介護DXやAI・ロボティクスの最大限の
活用、さらには病床の適正化、医療機関の集約といった提供体制の持続可能性を高める改
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革が強く打ち出されている。ただ、これは単に給付費を抑える、現場の負担を軽減すると
いうミクロな視点にとどまらず、日本経済が直面する最大のボトルネックである深刻な労
働供給制約に対して大きな解決策を提示するものと考える。
なので、一連の提供体制の効率化によって徹底的な省力化を実現することは、これまで
社会保障分野に過度に割かれざるを得なかった貴重な人材をリソース解放というところ
で、日本経済の成長産業へと円滑にシフトさせていく契機になるという視点も重要かと思
う。
二点目、社会保障の財源について。現在のマクロ環境を見ると、企業収益は改善してい
るのだが、家計の購買力は依然として厳しい状況にある。このため、「社会保障改革」で
は安易に家計内での再分配だけに拘泥すべきではないと考えている。なので、財源の面で
は、家計以外の歳出の効率化や経済成長による税収増なども視野に入れ、家計全体のパイ
を底上げするという視点がより重要になる。
特に、持続可能な社会保障制度には恒久財源が不可欠なのだが、インフレ下で自然増と
なってきたこれまでのブラケットクリープ発生分は、実質的には年間2兆円近くの増税と
なっているという試算もある。なので、この増収分を社会保障制度の原資として充当する
ことを検討するなどして、将来的な調整の在り方も整理する必要がある。
三点目、予防医療について。予防医療を進めるには、医療制度のインセンティブ設計を
工夫する必要があると思う。というのも、現在の健康保険制度は、病気になった人に対し
ては手厚い支援があるが、日頃からジムに通ったり、ウォーキングをしたり、健康維持に
努めている人への恩恵が乏しい状況。
一方、インセンティブ設計の例として、シンガポールの国家プロジェクトにNational
Steps Challengeというものがあり、市民に無料の活動量計を配布し、歩数に応じて獲得
したポイントを現金相当のバウチャーとして交換できる仕組みとなっている。こうした事
例も参考に、日本が抱える医療費増大の課題を突破するために、国民の健康行動を可視化
して、テクノロジーと正しいインセンティブによって予防医療を後押しする仕組みが必要
かと考える。
(筒井議員) 三点申し上げる。
一点目は、今後の社会保障改革で目指すべき方向である。社会保障の給付と負担の全体
像、特に負担面では税と社会保険料を一体で捉えた、抜本的な改革を進めていくことが重
要。その際、目指すべき方向として、持続的な経済成長と両立可能なメルクマールとして
「中福祉・中負担」を掲げ、その中での社会保障負担率の目標を定めるべきである。
二点目は、医療・介護分野のサービス提供体制である。今後、あらゆる産業で労働供給
制約が一層高まり、医療・介護分野に投入できる人的資源も今以上に限られる可能性が増
すと考える。医療・介護サービスを安定的に提供できるよう、効率的な提供体制の構築を
従来以上に推し進めることが重要。病床の適正化、医療機関の集約化、介護事業の大規模
化・協働化、さらに各議員がおっしゃった医療・介護分野でのDX推進や、AI活用によ
る生産性の向上、これらをより一層促すべきである。
三点目、給付と負担の見直しについてである。高市政権が掲げる「現役世代の保険料率
の上昇を止め、引き下げる」という方針は「強い経済」の実現につながり、社会保障制度
の持続可能性確保にも寄与するとして高く評価をしている。
その実現のためには、例えば、全世代で公平・公正に支える制度とするために、後期高
齢者医療の窓口負担や介護の利用者負担の見直しを先送りせず実行すべきである。さらに、
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令和8年第7回経済財政諮問会議
本年は介護報酬改定が議論をされる。生産性向上を促し、賃金・物価の上昇基調に対応す
るとともに、サービス類型やサービス提供の実態を確認し、報酬の適正化、さらにメリハ
リづけも行うべきである。
なお、現在、「国民会議」で検討中の給付付き税額控除は、税と社会保障を一体的にみ
て、現役世代の中低所得者の負担軽減や就労促進に資する、画期的な仕組みであり、スピ
ード感を持って導入すべきと考える。
(城内議員) 続いて閣僚からご発言いただく。
(片山議員) 社会保障分野においては、現役世代の保険料負担を軽減し、可処分所得を
増やすことを通じて、「強い経済」の実現につなげていくことが重要。
高市政権における、
「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す」
方針の下、医療・介護を中心とした社会保障制度の改革を着実に進めることで、制度の持
続性を確保しつつ、成長力の強化にもつなげていく。
本日、民間議員の皆様からは、マクロ的な「社会保障負担率」の「目標」の検討を進め、
「社会保障改革」については令和8年度中に改革の具体化と工程の明確化を図り、順次実
施するよう提言をいただいており、今後その具体化に向け、関係大臣と検討を深めていく。
加えて、具体的な改革項目についても、年齢によらない、真に公平な応能負担を実現す
る「医療費窓口負担の見直し」や、軽微で日常的に利用する医薬品・医療に対する必要な
方策の検討などの提案をいただいている。
社会の変化に応じて保険制度を不断に見直し、「給付と負担」のバランスを確保してい
くことは「避けては通れない課題」であり、関係省庁と議論を深めていく。
(山田経済産業副大臣) 挑戦する人や企業が報われる経済構造への転換を進めるために
は、国民の健康寿命延伸、社会保険料負担の軽減、経済成長の加速を同時達成することが
重要。そのため、AIを活用して医療・介護、そして、予防・健康づくりも含めてアップ
デートするというAIトランスフォーメーション(AX)を強力に推進するべき。
具体的には、革新的な創薬や医療機器のイノベーションの加速、介護AX等を通じた医
療・介護提供体制の持続可能性の向上、ライフログデータを用いた質の高いヘルスケアサ
ービスの創出と「健康経営」の普及・強化といった「攻めの予防医療」による健康経済の
実現の3本柱について取り組んでいく。
(城内議員) プレスに入室いただく。
(報道関係者入室)
(城内議員) 総理から締めくくり発言をお願いする。
(高市議長) 本日は、まず「成長力強化」について意見交換を行った。民間議員の皆様
からは、「危機管理投資」・「成長投資」に関する「新たな投資枠」について、要求・規
模・期間・対象を具体化していくこと、「基金」や「国庫債務負担行為」などの複数年度
予算による「投資促進策」をより強化すること、戦略分野全体を「ポートフォリオ」とし
て捉えて管理し、状況変化に対応した効果的な予算活用を行うこと、などのご提案をいた
だいた。
「予算の予見可能性」を確保することで、企業が「長期的な投資」を行いやすくするこ
とが重要。このため、「新たな投資枠」については、前年度の「予算措置額」にとらわれ
ず、必要な金額が確保されるよう、「通常の歳出」とは別に設け、所要額の「予算要求」
10
令和8年第7回経済財政諮問会議
を可能とし、予算編成過程で実効的に「予算措置」につなげられる仕組みとすることで、
「官民投資ロードマップ」の着実な実行に必要な「規模」と「期間」を確保していく。
「基金事業」については、「成果管理」を徹底することを前提に、「予算措置は原則3
年以内」とする現行ルールの不適用も含め、柔軟で効率的な資金管理の観点も踏まえた、
「基金ルールの見直し」を検討していく。
補助金・税制等の支援に加え、AI時代に対応する「規制・制度改革」、スタートアッ
プエコシステムの形成などの総合的な取組によって、民間企業が投資しやすい環境を整え
ていく。
次に、「社会保障」について意見交換を行った。民間議員の皆様からは、今後も「給付
と負担」の見直しに関する改革努力を継続し、「制度の持続可能性確保」に取り組む必要
があること、「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていく」との方針を実現する
ため、マクロ的な「社会保障負担率」の「目標」について検討を進め、「社会保障改革」
について、令和8年度中に「改革の具体化」と「工程の明確化」を図り、順次実施すべき、
また、物価・賃金上昇を適切に反映し、必要なサービスを確保しつつ、「持続可能な提供
体制」へ転換すべき、AIなどのイノベーションを活用し、「現場の負担軽減」と「生産
性向上」を一体的に進めるべき、健康増進、疾病予防、早期発見、受診勧奨、重症化予防
を一体的に進める「攻めの予防医療」を推進すべき、といったご提案をいただいた。
この提案も踏まえ、全世代型社会保障改革担当大臣が中心となり、厚生労働大臣、財務
大臣と連携しながら、「社会保障負担率」の「目標」の検討、真に公平な応能負担を実現
する「医療費窓口負担の見直し」や、年齢にかかわらず働き続けることができる社会を実
現するための「高齢者の定義の見直し」といった具体的な「給付と負担」の見直しの検討、
それら改革項目の今年度中の具体化と工程の明確化、労働供給制約が強まる中でも、必要
な医療・介護サービスを確保するための提供体制の構築、医療・介護分野のDXやAI・
ロボティクスの活用を通じた「生産性向上」とサービスの「質の向上」、「攻めの予防医
療」などに取り組み、「強い経済」と「持続可能な財政」、「質の高い全世代型社会保障」
を同時に実現する「社会保障改革」を一層強化してください。
(城内議員) プレスはご退室をお願いする。
(報道関係者退室)
(城内議員)
以上をもって、本日の会議を終了する。
(以
上)
11
令和8年第7回経済財政諮問会議
資料1
経済財政諮問会議(令和8年第7回)議事次第
令和8年5月22日(金)
18時00分~18時45分
総理大臣官邸4階大会議室
1. 開 会
2. 議 事
(1)
(2)
成長力強化
経済財政一体改革②(社会保障)
3. 閉 会
(資料)
資料1
資料2
資料3
資料4
強い経済を実現する成長力の強化に向けて(有識者議員提出資料)
強い経済を作るための社会保障改革(有識者議員提出資料)
強い経済を作るための社会保障改革(参考資料)(有識者議員提出資料)
持続可能な社会保障制度の構築に向けて(上野臨時議員提出資料)
資料2
資料1
強い経済を実現する成長力の強化に向けて
2026 年5月 22 日
筒井 義信
永濱 利廣
南場 智子
若田部昌澄
強い経済を実現するためには、生産性を向上させ、付加価値創造力と供給力を高め、潜在成長
率を引き上げることが不可欠である。我が国では、長年にわたり国内投資が十分に伸びず、供給力、
技術力、稼ぐ力の低迷につながってきた。人口減少や人手不足、地政学リスクの高まり、エネルギー
制約、AI をはじめとする技術革新が急速に進む中で、必要な投資を先送りすれば、経済安全保障上
の対応力や将来の成長力はさらに低下しかねない。
国際的にも、産業政策は、経済安全保障上の課題、脱炭素、デジタル化、重要技術の確保、サプ
ライチェーンの強靱化等に対応するための政策手段として再評価されている。その際、単に補助金
や税制支援を拡大するのではなく、明確な政策目的、民間投資の誘発、競争環境・資源配分への配
慮、規制・制度改革との一体化、進捗と効果の継続的な検証が重要とされている。
我が国においても、「責任ある積極財政」の下で危機管理投資・成長投資を実行するに当たっては、
こうした国際的な議論も踏まえつつ、十分な規模と期間を確保し、官民投資ロードマップに基づき、経
済の好循環につなげる必要がある。そのためにも、成長戦略において、イノベーション創出力の大き
い 1スタートアップに重点的に投資される枠組を整備すべき。併せて、債務残高対 GDP 比の安定的
な引き下げとの整合性を確保するとともに、PDCA や EBPM の考え方に基づき、政策効果を不断に検
証・改善する仕組みを担保することが不可欠である。
国民や企業が「今度こそ成長する」と期待できるよう、政府が強いリーダーシップを発揮し、官民投
資ロードマップを実効性ある形で具体化することで、投資主導の成長経路への転換を実現することが
重要である。
1.危機管理投資・成長投資に関する「新たな投資枠」の具体化
危機管理投資・成長投資の拡大に向けて、これまでの予算措置額にとらわれず、必要な投資額が
確保されるよう、「新たな投資枠」については、通常の歳出とは別に設けるものとする。
その際、「新たな投資枠」は、これまでの概算要求基準における単なる要望枠ではなく、官民投資
ロードマップの着実な実行に必要な事業について、予算編成過程において実効的に予算措置につ
なげる仕組みとすべきである。概算要求についても、この考え方に沿って、成長戦略の実行に必要な
予算要求が可能となるよう見直すべきである。
民間企業が投資に踏み出すためには、政府支援が一過性ではないことが示されることが重要であ
る。このため、官民投資ロードマップの着実な実行に必要な規模と期間を確保し、企業の中長期の投
資判断を後押しする枠組みとすべきである。
「新たな投資枠」の対象については、17 の戦略分野を中心とする官民投資ロードマップに基づく
取組に加え、8つの分野横断的な課題に対応していく取組のうち、スタートアップ支援、中堅・中小企
業の稼ぐ力の強化など、特に民間企業の投資を引き出す取組についても成長投資として位置付ける
など、成長戦略の実行に必要な範囲を具体化する。
1
例えば、1979 年~1999 年の米国において、VC の出資を受けた企業は、研究開発やノウハウが別の企業に
も波及する効果(スピルオーバー効果)が、既存企業の約 9 倍であることを示した研究がある(Schnitzer
and Watzinger (2017) “Measuring the Spillovers of Venture Capital”)
。
1
2.複数年度予算による投資促進策の強化
危機管理投資・成長投資は、効果の発現に時間を要するものが多く、単年度予算だけでは企業の
長期的な投資判断を十分に支えることが難しい。このため、複数年度にわたる予算措置を活用し、予
算の予見可能性を確保することで、企業が長期的な投資を行いやすくすることが重要である。
半導体、エネルギー、GX、宇宙、量子、バイオ、フュージョン、AI などの危機管理投資・成長投資
については、投資回収や成果発現までに長い時間を要する分野があることから、より長期的で柔軟な
予算措置を可能とし、民間投資の予見可能性を高める観点から、事業の成果管理を徹底しつつ、
「予算措置は原則 3 年以内」とする基金ルールについては廃止すべきである。
また、金利のある世界では、政府が長期のコミットメントを示しつつ、支出時期や事業進捗に応じた
柔軟な資金管理を行うことが重要である。このため、複数年度の投資促進策として、支援する事業の
性質に応じて基金だけでなく国庫債務負担行為を活用することも重要である。国庫債務負担行為に
より複数年にわたる契約や支援を可能とすることで、長期投資に必要な予見可能性と、事業の進捗に
応じた柔軟で効率的な予算執行を両立させることができる。あわせて、現行制度上、原則として最長 5
年とされている国庫債務負担行為の年限についても、官民投資ロードマップの実行に必要な範囲で
延長を検討すべきである。
3.状況変化に対応した効果的な予算活用
技術動向、国際情勢、サプライチェーン、エネルギー環境は急速に変化しており、危機管理投資・
成長投資についても、状況変化に応じて重点化し、政策手段を柔軟に組み替えられる仕組みが必
要である。
その運用に当たっては、技術や市場の不確実性が高いことを前提に、当初の見通し通りに進まな
い可能性も含め、状況変化に応じて支援内容を調整し、成功の可能性を高めていくとともに、個別事
業の短期的な成否にとどまらず、全体として成果を評価する視点も重要である。
このため、官民投資ロードマップに基づく進捗管理は、個別事業を短期的な成否で評価するので
はなく、戦略分野全体をポートフォリオとして捉え、全体として付加価値創造力と供給力の強化につ
ながっているかを確認するものとすべきである。
17 の戦略分野や 61 項目の製品・技術について、足下の収益源、次の稼ぎ頭、将来の成長の芽と
いった時間軸の違いを踏まえ、設備投資額、生産能力、実際の生産量、雇用、民間投資誘発額など、
事業の性格に応じた指標を用いて進捗を確認し、重点化と効率化につなげるべきである。
また、現時点で成果が限定的な取り組みについても、将来の技術変化、国際情勢、市場環境の変
化によって重要性が高まる可能性がある。こうした可能性も踏まえ、中長期的視点から、重点化すべ
き取り組み、継続的に育てるべき取り組み、選択肢として維持すべき取り組みを区分し、企業の中長
期の投資判断を支える予見可能性を確保しつつ、ポートフォリオとして戦略的に管理することで、成
長期待の向上と民間投資の拡大につなげることが重要である。
4.成長力強化に向けた総合的な施策
成長力を高めるためには、17 の戦略分野への投資拡大に加え、規制・制度改革、人材育成、研究
開発、政府調達、標準化、税制・金融措置などを総合的に組み合わせることが重要である。
特に、スタートアップエコシステムの形成、中堅・中小企業の稼ぐ力の強化、AI の社会実装、人材
育成・リスキリング、労働市場改革、企業改革は、分野別投資の効果を高める基盤である。今後急速
に進む AI の進化に応じて柔軟に資金や労働の移動が行われる国とそうでない国では、成長力に大
きな差が生じることが考えられるため、AI が産業、社会、教育、行政に広く実装されることを前提に、
制度や規制の在り方を見直し、民間が投資しやすい市場環境を整えるとともに、企業、資金、人材が
成長分野へ円滑に移動し、イノベーションが持続的に生まれる環境を整える必要がある。
2
資料3
資料2
強い経済を作るための社会保障改革
2026 年5月 22 日
筒井 義信
永濱 利廣
南場 智子
若田部昌澄
少子高齢化、人手不足が進む中で、強い経済と持続可能な財政、質の高い全世代型社会保障制
度を同時に実現するためには、経済成長、税、社会保障を三位一体で捉える視点が不可欠である。
社会保障についても、強い経済を支える基盤として、必要な医療・介護・生活支援を確保しつつ、子
育てなど子ども・若者政策を推進しながら、就労意欲や現役世代の手取り・可処分所得への影響にも
配慮した制度設計を進めるとともに、効率的で持続可能なサービス提供体制への転換を図る必要が
ある。
社会保障制度改革を検討する際には、国の社会保障関係費だけでなく、給付費全体、保険料負
担、地方負担、現役世代の可処分所得、医療・介護分野の労働生産性への影響を把握することが重
要である。これまで、高齢化による増加分を基本に国の社会保障関係費の伸びを管理してきた枠組
みは、一定の財政規律として機能してきた。他方、物価・賃金上昇を適切に反映させる中で、必要な
医療・介護等の提供体制を確保しながら、給付と負担の改革努力を継続し、制度の持続性確保に取
り組む必要がある。また、データに基づきながら生産性向上やサービス利用の適正化を進め、保険
料負担や国民負担全体への影響もあわせて点検する視点が一層重要となる。
高市政権の「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていく」との方針の下、マクロ的な社会
保障負担率の目標について検討を進め、社会保障改革については、令和8年度中に改革の具体化
と工程の明確化を図り、順次実施すべき。さらに、国内外の実証研究やデータを踏まえ、社会保障の
給付と負担の全体像について、中長期の見通しを定期的に更新し、人口構造や医療・介護需要、物
価・賃金、医療技術の高度化、制度改正等の変化が、給付費、保険料・公費負担、現役世代の可処
分所得に与える影響を見える化すべきである。
1.給付と負担の一体的な改革
給付と負担のあり方を検討するに当たっては、世代間・世代内の公平性や負担能力を踏まえる必
要がある。その前提として、所得、資産、世帯構成、就労状況等を制度横断的に把握することが重要
である。
あわせて、高齢者の医療・介護ニーズや働き方の変化などの実態を踏まえた、年齢によらない真
に公平な応能負担を実現する医療費窓口負担の見直し、介護の利用者負担の見直し、年齢に関わ
らず働き続けることが可能な社会を実現するための「高齢者」の定義の見直し、高度・高額の医薬品・
医療へのアクセスを確保する中で、制度の持続可能性を確保するための軽微で日常的に利用する
医薬品・医療(低いリスク)に対する必要な方策などを検討すべきである。
上記の社会保険料負担とあわせて、税負担が現役世代の就労意欲や可処分所得に与える影響に
も配慮した税・社会保障制度の在り方を検討する必要がある。あわせて、被用者保険の適用拡大等
を通じ、多様な働き方に対して中立的な制度設計を進めるべきである。
これらの具体化に当たっては、必要なサービスへのアクセスや低所得者への配慮を確保しつつ、
国民生活への影響を踏まえ、国民会議等における議論とも接続しながら丁寧に検討すべきである。
1
2.医療・介護提供体制の持続可能性の確保
医療・介護等の分野については、物価・賃金上昇を適切に反映し、必要なサービスを確保する一
方で、限られた人材・財源の下でも持続可能な提供体制へ転換していく必要がある。
具体的には、国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険における都道府県の役割の強化を
図るとともに、新たな地域医療構想に向けた病床の適正化や医療機関の集約化、かかりつけ医機能、
在宅医療・介護連携、介護事業所の多機能化・広域化、医師等の地域・診療科偏在の是正、地域フ
ォーミュラリ、リフィル・長期処方の活用推進、遠隔医療の活用を進める必要がある。
あわせて、費用対効果の視点も踏まえ、必要なサービスへのアクセスを確保しながら、医療・介護
サービスの効率的な利用を進めるべきである。
3.医療・介護分野の生産性向上とイノベーション
医療・介護 DX、AI・ロボティクス、データ連携、タスクシフト・シェア、経営の協働化・大規模化、職
員配置の柔軟化等を通じて、省力化とサービスの質の向上を同時に進める必要がある。特に、画像
診断、音声入力、ケアプラン作成支援、フィジカル AI による介護支援など、AI を最大限活用し、現場
の負担軽減と生産性向上を一体的に進めるべきである。
あわせて、医療情報基盤の整備、電子カルテ・電子処方箋、医療情報の二次利用、新技術・革新
的医薬品の導入、国際水準の治験・臨床試験体制の整備等を通じて、医療・介護分野における新技
術の開発・実装を進めるべきである。
さらに、医療・介護現場からのイノベーション提案を促進し、効果が確認された取組を横展開する
仕組みも重要である。
4.攻めの予防医療と就労・健康寿命の延伸
健康増進、疾病予防、早期発見、受診勧奨、重症化予防を一体的に進める「攻めの予防医療」を
推進する必要がある。予防医療は、健康寿命の延伸、就労促進、医療・介護需要の抑制、経済社会
の活力向上に資するものであり、皆が元気に活躍し、社会保障制度を含めた社会の支え手になって
いただくことにもつながる。性差に由来する健康課題への対応も含め、推進していくべきである。
改革の効果については、国内外の実証研究やデータを踏まえ、国費への影響にとどまらず、保険
料負担や可処分所得、就労や生産性への影響も確認し、強い経済を作るための改革として位置づ
け、制度の持続可能性と成長力強化を両立させる必要がある。
なお、税・社会保障を一体として見る観点から、給付付き税額控除についても、就労促進、手取り
改善、現役世代支援等に資する選択肢の一つとして、検討を深めるべき。あわせて、給付・負担・税・
社会保険料の全体像を一体として捉えることのできる情報基盤を整備することが重要である。
2
資料4
資料3
強い経済を作るための社会保障改革
(参考資料)
2026年5月22日
筒井 義信
永濱 利廣
南場 智子
若田部昌澄
社会保障給付費・社会保障負担率(過去の実績)
社会保障給付費対GDP比は、名目GDPの拡大や制度改革等を背景に、2010年代は概ね安
定的に推移。
社会保障負担率は、2020年まで上昇した後、国民所得の増加や制度改革等を背景に低下。給
付と負担の改革、経済成⾧との関係を含め、今後の動向について丁寧に検討を進める必要。
社会保障給付費(対GDP比)
社会保障負担率
(%)
(兆円)
250
26
(%)
22
コロナによる拡大
24
当初予算
ベース
社会保障給付費対GDP比
(医療・介護・年金・雇用等の合計)
200
20
社会保障負担率
(社会保険料負担/国民所得)
22
18
20
対GDP比は安定的に推移
150
18
16
100
16
14
社会保障給付費(右軸)
14
50
12
12
10
2001
05
10
15
0
20 21 22 23 24 25(年度)
(備考)1. 2001~2023年度の社会保障給付費は社人研「令和5年度社会保障費用統計」より。
2024、2025年度は、厚生労働省推計(当初予算ベース)より作成。
2. GDPは2024年度までは国民経済計算、2025年度は経済見通しの値により作成。
10
2001
05
10
15
20 21 22 23 24 25 26
(年度)
(備考)1.財務省「国民負担率(対国民所得比)の推移」より作成。
2.2024年度までは実績、2025年度は実績見込み、2026年度は見通し。
1
勤労者世帯における税・社会保険料負担の推移
家計の収入に占める税・社会保険料の割合は、2000年代後半から2010年代半ば頃にかけ
て上昇し、その後は概ね横ばい。
・直接税については、2000年代後半に上昇し、その後は概ね横ばい。
・社会保険料については、2000年代後半から2010年代後半にかけて上昇し(年金・医
療・介護でそれぞれ保険料率が上昇したことが影響)、その後は概ね横ばい。
(備考)1.総務省「家計調査」により作成。二人以上世帯のうち勤労者世帯。実収入に占める割合。
2.2024年度の直接税については定額減税の影響が現れていることに留意が必要。
2
医療・介護の給付と負担の⾧期的な展望
実質1%超の成⾧(成⾧移行シナリオ)の下、医療・介護の需要増や医療技術の高度化
等を踏まえつつ、給付と負担の改革を着実に進めることができれば、公費負担・保険料
負担を中⾧期的に安定させることが可能となる見通し。
医療・介護の給付と負担
(対GDP比)
給付費(改革効果を含まない、その他要因:年率1%)
保険料負担(改革効果を含むケースに対応)
給付費(改革効果を含まない、その他要因:年率2%)
公費負担
給付費(改革効果を含む)
成⾧移行
過去投影
18
(%)
16.1
16
13.2
12
9.2
10.7
10.2
8.2
11.7
4.8
5.2
13.3
11.1
5.7
5.4
5.9
12.7
11.0
12
9.6
8.2
8.7
9.2
8.8
10.5
9.8
8.8
8.8
8
6
4
2
(%)
14
10
10.4
9.7
8
6
18
16
14
10
(改革効果を含むケースに対応)
4.9
4.9
4.8
4.7
3.5
3.8
3.9
4.0
4.1
2019
2033
2040
2050
2060
4.8
4
3.5
4.0
4.3
4.7
5.1
2019
2033
2040
2050
2060
0
(備考)内閣府「経済・財政・社会保障に関する 長期推計」
(年度)
2
0
(年度)
3
資料5
資料4
持続可能な社会保障制度の構築に向けて
令和8年5月22日
上野臨時議員提出資料
持続可能な社会保障制度の構築に向けて
基本的な考え方
社会保障は国民一人ひとりが、その夢や希望の実現を諦めることなく、安心して働き、暮らしていくための基盤。
すべての世代が安心できる持続可能な社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくため、以下に取り組む。
高齢者人口がピークを迎える2040年頃に向けて、生産年齢人口が減少する中でも、地域に不可欠な質の高い医療・介護・福祉サー
ビスが限られた人員・人材で持続的に提供されるよう、医療・介護・福祉等の地域ニーズの実態に応じた実効的な担い手確保を図る。
データヘルスや保険者機能の強化、がん検診・歯科健診の推進を通じた「攻めの予防医療」を推進し、健康寿命の延伸を図ることで、
皆が元気に活躍し、社会保障制度を含めた社会の支え手を確保する。
「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」(令和5年12月22日閣議決定)、「連立政権合意書」(令和7年10月
20日)等に基づき、医療・介護を中心とした社会保障制度改革を計画的に実行する。
2040年に向けた社会保障の担い手確保
令和8年度診療報酬改定、令和9年度介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定等による、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応
現場の生産性向上の取組加速やデジタル・AI時代の変化に対応した効率的・安定的な地域の人材の確保・養成、将来需要を踏まえた施設の建替
え・改修を含む地域に不可欠な施設・設備の計画的な整備
「攻めの予防医療」を通じた健康寿命の延伸
データヘルスや保険者機能の強化、がん検診・歯科健診の推進を通じた「攻めの予防医療」の推進
社会保障改革の着実な実行
「改革工程」、「連立政権合意書」 等に基づき、「健康保険法等改正法案」(一部保険外療養の創設、金融所得の保険料等への反映等)及び「社会福祉法
等改正法案」(介護保険制度における中山間・人口減少地域での地域の実情に応じた配置基準の弾力化や包括的な評価の導入等)を今国会に提出。
「連立政権合意書」に盛り込まれた13項目(※1)について、両党の協議を踏まえつつ、政策の実現に向けて検討(※2)。
※1 医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現、年齢に関わらず働き続けることが可能な社会を実現するための「高齢者」の定義見直し、配偶者の社会
保険加入率上昇及び生涯非婚率上昇等をも踏まえた第三号被保険者制度等の見直し、医療介護分野における保険者の権限及び機能の強化並びに都道府県の役割強化、人口減少下
でも地方の医療介護サービスが持続的に提供されるための制度設計 等
※2 連立政権合意書(令和7年10月20日)に盛り込まれたその他の社会保障改革を含め令和7年度中に具体的な骨子について合意し、令和8年度中に具体的な制度設計を行い、
順次実施する。(「強い経済」を実現する総合経済対策(抄)(令和7年11月21日 閣議決定))
2040年に向けた健康寿命の延伸、持続可能な社会保障制度の構築
1
2040年に向けた社会保障の担い手確保
2040 年に向けて、高齢化の進展や生産年齢人口の減少が見込まれる中、地域に不可欠な質の高い医療・介護・福祉
サービスが限られた人員・人材で持続的に提供されるよう、医療・介護・福祉等の地域ニーズの実態に応じた実効的な
担い手確保を図る。
医療分野:新たな地域医療構想による医療機関の役割分担明確化及び連携・再編・集約化、地域間・診療科間の医師偏在是正、担い手の確保(業
務改革、処遇改善、人材養成)、持続可能な小児・周産期医療体制の構築
介護・障害福祉分野:介護・福祉人材の安定的な確保(他職種と遜色ない賃上げ、生産性の向上、経営の安定を含む)・養成、中山間・人口減少
地域におけるサービスの維持・確保のため柔軟な対応
当面の対応
介護、障害福祉分野については、令和7年度補正予算、令和8年度報酬改定(期中改定)による措置に引き続き、次期改定においては、現場で働く
幅広い職種の方々の賃上げや経営の安定、離職防止、人材確保に確実につながるよう、現場の生産性向上を促進しつつ、介護・障害福祉サービス等
事業者の経営状況等を把握した上で、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施する。
医療分野については、物価上昇や賃上げに対応すべく、令和7年度補正予算、令和8年度診療報酬改定において措置。その上で、実際の経済・物価
の動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、令和8年度改定における措置につ
いて、令和9年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行う。
2040年を見据えた投資戦略
2040年に向けて18歳人口が3割以上減少する中にあっても、医療・介護・福祉分野の担い手を確保し、地域の実情に応じつつ、限られた人員・人
材で質の高いサービスを提供し続けるため、各分野縦割りの量的な「マンパワー」の確保・養成を脱し、現場における生産性向上の取組加速や職員
配置基準の柔軟化を進めつつ、デジタル・AI時代の変化に対応した人材の確保・養成を進めるとともに、将来需要を踏まえ、施設の建替え・改修を
含め地域に不可欠な施設・設備を計画的に整備する。
【
】
2
厚生労働省における「攻めの予防医療」等の推進
「生活習慣病」対策については、これまで健康日本21などの国民運動を促してきたところであるが、我が国の健康寿命は近年その伸びが停滞している。
国民一人一人がこうした疾病を「自分ごと」として受け止め、健康意識を高くもち、確実に行動変容に繋げることで健康寿命の更なる延伸が期待される。
主に以下の施策を行う。
「がん」については、死因の第1位で、人口当たりの死亡率は上昇しており、社会全体の死亡率を減少させるために、がん検診を推進していく。
「認知症」については、認知症の人を含む全ての人が、その人の希望に応じて、科学的知見に基づく予防に取り組み、健康寿命を延伸する。
「更年期症状」など女性の健康課題については、就労やキャリア形成に与える影響は大きく、女性の健康課題を個人の生活の質にとどまらない社会全
体の問題と捉えて、生涯を通じた健康を確保する。
各死因別の人口当たり死亡率の推移
認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数の将来推計
(万人)
800
600
471.6
564.3
584.2 612.8
645.1
更年期症状を自覚し始めてから医療機関受診までの期間(女性)
632.2
400
200
0
令和7年
令和22年
令和42年
(2025)
(2040)
(2060)
認知症(高齢者数)
MCI(高齢者数)
総合的な対策をとりまとめる
栄養・食生活
がん・循環器病等
歯科保健
認知症
リハビリテーション
性差に由来するヘルスケア
疾病リスクの低減に
資する健康的な食事
の内容や適切な摂取
量等の効果的な発信
自治体、保険者、産
業界、学術団体等と
も広く連携し、情報
の周知・活用を実施
就労状況に応じた効果
的な検診・健診の受診
勧奨の推進
職場におけるがん検診
の受診勧奨及びその結
果に基づく医療機関へ
の受診勧奨の強化(大
臣指針の改正)
検診・健診の結果、医
療が必要な者への受診
勧奨の強化
がん・循環器病等の予
防に関する情報発信の
推進
等
生涯を通じた歯科健
診(いわゆる国民皆
歯科健診)の推進に
むけて、
• 自治体における歯
科健診(検診)・
受診勧奨の推進
• 簡易な口腔スク
リーニングの支援
(職域/自治体)
• 職場における歯科
医療機関への受診
勧奨の強化(大臣
指針の改正) 等
早期診断・早期対応
社会実装モデル事業
健康づくりの場の整
備(運動、栄養、社
会参画等の場)
超早期対応を可能に
する医療提供体制・
連携モデルの研究
地域における介護予
防の取組を強化する
ため、
• 地域ケア会議、住
民運営の通いの場
等へのリハビリ
テーション専門職
等の関与を促進
• 高齢者の保健事業
との一体的実施を
推進
更年期世代の女性に対
応する医療の推進
男性の中高年期の健康
課題への対応の推進
「女性の健康総合セン
ター」の機能の強化
職場健診の機会を活用
した対応の推進
データヘルスを基盤と
した「予防医療モデ
ル」の構築
保険者と地域の中小企
業等における健康づく
りの取組
等
等
等
等
3
参考資料
4
医療・介護・福祉分野における人材育成・確保
令和8年4月27日
第5回経済財政諮問会議資料
高齢者人口がピークを迎える2040年頃に向けて、生産年齢人口が減少する中でも、地域に不可
欠な医療・介護・福祉分野の担い手を確保し、現場が必要なサービスを提供し続けていくため、
以下の3つの視点で取り組む。
<地域に不可欠な医療・介護・福祉分野の担い手確保に向けた3つの視点>
1.業務改革
AIの活用も含めた省力化、効率的な業務分担等を推進し、従事者一人当たりのケアの質と量の拡大を図る。
2.処遇改善
従事者の他職種と遜色のない処遇改善を継続的に図る。
3.人材養成
安定的な養成体制(大学・養成施設)の確保や働く環境の基盤整備、多様な人材の参入を促進する。
● こうした地域に不可欠な現場人材に加え、我が国が世界有数の知的創造・イノベーション拠点となるための
創薬人材やインフラ維持のための災害対応人材などの専門人材を育成することも重要。
● 文部科学省等との連携も図りながら、取り組む。
5
医療関係職種の養成・確保をめぐる状況について
Ⅰ.若年人口の減少
120000
○ 2040年にかけて18歳人口は全体で35.2%減少し、15~19歳階級人口も2020年から40%以上減少すると見込まれる都道府県も複数存在する。
≪ 2021年と比較した2040年の18歳人口の割合≫
100000
全体減少率は
35.2%
50.0%
80000
40.0%
60000
30.0%
40000
20.0%
20000
10.0%
0
北青岩宮秋山福茨栃群埼千東神新富石福山長岐静愛三滋京大兵奈和鳥島岡広山徳香愛高福佐長熊大宮鹿沖
海森手城田形島城木馬玉葉京奈潟山川井梨野阜岡知重賀都阪庫良歌取根山島口島川媛知岡賀崎本分崎児縄
道県県県県県県県県県県県都川県県県県県県県県県県県府府県県山県県県県県県県県県県県県県県県島県
県
県
県
18歳人口(2021)
18歳人口推計(2040)
≪ 2020年から2040年にかけての15~19歳階級人口の減少スピードの分布≫
60.0%
・・・ 減少率が10%以上25%未満
全体減少率は
29.0%
・・・ 減少率が25%以上40%未満
・・・ 減少率が40%以上
0.0%
18歳人口の減少率(2021年から2040年)
Ⅱ.看護師養成所(3年課程)の状況
Ⅲ.医療・福祉業等の従業者数・付加価値割合の増加と実質労働生産性の上昇率
○ 例えば、看護師に関して、看護師養成所(3年課程)の卒業生は、都道府県内就業率が約8割であるが、
23道府県において充足率が80%を下回っている。
≪ 看護養成所(3年課程※)における都道府県内外就業率 ≫
都道府県内就業率
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
都道府県外就業率
北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖
海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 歌 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄
道 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 都 川 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 府 府 県 県 山 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 島 県
県
県
県
※令和7年度4月時点のもの
≪ 看護養成所(3年課程)の入学者数・充足率 ≫
(80%未満は
入
)
120.0
100.0
学
80.0
者
60.0
数
40.0
充
足
率
20.0
0.0
6
【 ○「医療・介護等支援パッケージ」(医療分野)】
施策名:医療・介護等支援パッケージ(医療分野)
令和7年度補正予算額 10,368億円
① 施策の目的
○ 経済状況の変化等に対応するため、救急医療を担うといった医療機能の特性も踏まえつつ、診療に必要な経費
に係る物価上昇への的確な対応や、物価を上回る賃上げの実現に向けた支援を行う。
○ また、現下の物価上昇を含む経済状況の変化により、地域医療構想の推進のための施設整備等が困難な医療
機関に対する支援を実施する。
② 対策の柱との関係
Ⅰ
1
2
Ⅲ
Ⅱ
3
1
2
3
4
5
1
2
○
○ さらに、物価上昇の影響を受けた医療機関の資金繰りを的確に支援するため、(独)福祉医療機構による優遇融
資等を着実に実施する。
○ 賃上げを下支えし、人手不足にも対応するため、業務効率化・職場環境改善に資するICT機器等の導入・活用な
どの生産性向上に率先して取り組む医療機関を支援する。
○ 病床数の適正化を進める医療機関に対しては、医療機関の連携・再編・集約化に向けた取り組みを加速する観
点から、地域の医療ニーズを踏まえ必要な支援を実施する。
○ 出生数減少等の影響を受けている産科施設や小児医療の拠点となる施設への支援も実施する。
③ 施策の概要
ア 賃上げ・物価上昇に対する支援 【5,341億円(賃上げ1,536億円・物価上昇3,805億円)】
イ 施設整備の促進に対する支援 【462億円】
ウ (独)福祉医療機構による優遇融資等の実施
【804億円(優遇融資を行うための(独)福祉医療機構の財政基盤安定化等・資本性劣後ローンの融資財源】
※ 別途、優遇融資の融資財源は財投要求を行う
エ 医療分野における生産性向上に対する支援 【200億円】
オ 病床数の適正化に対する支援 【3,490億円】
カ 出生数・患者数の減少等を踏まえた産科・小児科への支援【72億円】
④ 成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)
医療従事者の賃上げ支援を実施することや物価上昇局面においても医療サービスを円滑に実施するための支援等を行うことで、地域に必要な医療提
供体制を確保する。
7
【○「医療・介護等支援パッケージ」(介護分野)】
施策名:医療・介護等支援パッケージ(介護分野)
令和7年度補正予算額 2,721億円
② 対策の柱との関係
① 施策の目的
○ 国民のいのちと暮らしを守り、安心して医療・介護・福祉サービスを受けられる体制を整備するため、「医療・介
護等支援パッケージ」を緊急措置する。
○ 介護分野においては、
・ 他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行うこととし、報酬
改定の時期を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げ・職場環境改善の支援を行う。
・ 介護事業所・施設が、物価上昇の影響がある中でも、必要な介護サービスを円滑に継続するための支援等を行う。
・ ICT等のテクノロジーの導入や経営の協働化、訪問介護・ケアマネジメントの提供体制の確保に向けた取組を
支援する。
Ⅰ
1
2
Ⅱ
3
1
2
○ ○
3
Ⅲ
4
5
1
2
○
③ 施策の概要
ア
イ
介護分野の職員の賃上げ・
職 場 環 境 改 善 支 援 事 業
・ 介護従事者に対して幅広く月1万円の賃上げ支援を実施し、生産性向上
や協働化に取り組む事業者の介護職員に対して月0.5万円を上乗せ。
・ 併せて、介護職員の職場環境改善を支援。人件費に充てた場合、介護
職員に対して月0.4万円の賃上げに相当。
1,920億円
※いずれも半年分
介 護 事 業 所 ・ 施 設 の
サ ー ビ ス 継 続 支 援 事 業
・ 物価上昇の影響がある中でも、必要な介護サービスを円滑に継続で
きるよう、訪問系サービスの訪問・送迎に必要な経費、災害発生時に
必要な設備・備品、介護保険施設の食料品の購入費等を支援。
※この他、施設の大規模修繕等に対する支援を実施
510億円
ウ 介護テクノロジー導入・協働化・
経 営 改 善 等 支 援 事 業
エ 訪問介護 ・ ケ ア マ ネジ メ ント の
提 供 体 制 確 保 支 援 事 業
・ 介護記録ソフト等の介護テクノロジーの導入・定着や、経営の協働化、経
営改善を支援するとともに、これらの支援を行う都道府県相談窓口等の機
能強化を図り、伴走支援を充実。
・ 経験年数が短いホームヘルパーへの同行支援や、中山間地域等に
おける通所介護事業所の訪問機能追加、訪問介護事業所のサテライ
ト(出張所)の設置、居宅介護支援(ケアマネ)事業所の人材確保、シャ
ドウワーク等の業務負担軽減、協働化等を支援。
71億円
220億円
④ 成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)
「医療・介護等支援パッケージ」の実施により、介護分野において、必要な人材確保、円滑なサービス継続、効率的かつ安定的な介護サービス提供が
可能となる。
8
令和7年度補正予算額 453億円
施策名:医療・介護等支援パッケージ(障害福祉分野)
※ 障害児支援分(こども家庭庁計上)を含めた場合は637億円
② 対策の柱との関係
① 施策の目的
○ 障害福祉分野の人材確保が厳しい状況にあるため、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度障害
福祉サービス等報酬改定において、必要な対応を行うこととし、報酬改定の時期を待たず、人材流出を防ぐため
Ⅰ
1
2
Ⅱ
3
1
2
3
Ⅲ
4
5
1
2
○
の緊急的対応として、賃上げの支援を行う。
○ ロボットやICT等のテクノロジーの導入を支援する。
○ 人材確保や生産性向上等に取り組む障害福祉サービス事業所に対するワンストップ型の支援体制を確保する。
③ 施策の概要
イ 障害福祉分野の介護テクノロジー
導入支援事業
ア 障害福祉分野における
賃上げに対する支援
・足下の賃上げの状況等を踏まえ、令和8年度障害福祉サービス
・障害福祉現場の職員の介護業務の負担軽減、労働環境の
等報酬改定における対応の一部の前倒しとして、障害福祉従事
改善、業務効率化に向けた、ロボットやICT等のテクノロジーの
者に対する幅広い賃上げ支援
導入の支援
439億円
6.0億円
※この他、障害児支援人材の賃上げ支援として183億円(こども家庭庁計上)
ウ 障害福祉分野における人材確保・生産性向上
サポート促進事業(都道府県等実施分)
エ 障害福祉分野における人材確保・生産性向上
サポート拠点整備事業(国実施分)
・人材確保や生産性向上等に取り組む障害福祉サービス等事業
・都道府県レベルでの総合的な支援体制の整備を促すとともに、
所に対するワンストップ型の支援体制の確保
生産性向上に係る効果的な取組・手法の全国展開
5.6億円
3.3億円
④ 成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)
障害福祉分野の職員の賃上げや人材確保・生産性向上の支援等を行うことで、障害福祉サービスの提供に必要な介護人材確保に繋がる。
9
令和8年度診療報酬改定・介護報酬改定・障害福祉サービス等報酬改定について
医療・介護・障害福祉分野について、物価上昇等の厳しい状況に直面している中、地域の医療・介護・障害福祉サービスの確保に向けて、
経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、令和8年度報酬改定において、物価や賃金、人手不足等の医療
機関・介護従事者等を取りまく環境の変化への対応等を図る。
【診療報酬】+3.09%(R8年度及びR9年度の2年度平均。R8年度+2.41%、R9年度+3.77%)(R8年6月施行)
※1
うち、賃上げ分
+1.70% (2年度平均。R8年度+1.23%、R9年度+2.18%)
・
医療現場での生産性向上の取組と併せ、R8・R9にそれぞれ3.2%(看護補助者、事務職員は5.7%)のベアを実現するための措置
・
うち、改定率の0.28%分は、医療機関等における賃上げ余力の回復・確保を図りつつ幅広い職種での賃上げを確実にするための特例的な対応
※2
うち、物価対応分
・
国費 2,348億円
+0.76% (2年度平均。R8年度+0.55%、R9年度+0.97%)
特に、R8以降の物価上昇への対応として+0.62%(R8年度+0.41%、R9年度+0.82%)を充て、施設類型ごとの費用関係データ等に基づき配分。
(病院+0.49%、医科診療所+0.10%、歯科診療所+0.02%、保険薬局+0.01%)
・
※3
また、改定率の0.14%分は、高度医療機能を担う病院(大学病院を含む)が物価高の影響を受けやすいこと等を踏まえた特例的な対応
うち、食費・光熱水費分
・
※4
+0.09% (入院時の食費基準額の引上げ(40円/食)、光熱水費基準額の引上げ(60円/日))
患者負担の引上げ:食費は原則40円/食(低所得者は所得区分等に応じて20~30円/食)、光熱水費は原則60円(指定難病患者等は据え置き)
うち、R6改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分
・
+0.44%
配分に当たっては、R7補正予算の効果を減じることのないよう、施設類型ごとのメリハリを維持
(病院+0.40%、医科診療所+0.02%、歯科診療所+0.01%、保険薬局+0.01%)
※5
うち、後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤に係る評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、⾧期処方・
リフィル処方の取組強化等による効率化 ▲0.15%
※6
うち、※1~5以外の分
+0.25%
各科改定率:医科+0.28%、歯科+0.31%、調剤+0.08%
【介護報酬】 +2.03%
※1
うち、介護分野の職員の処遇改善分
国費 518億円
+1.95%(R8年6月施行)
・介護従事者を対象に幅広く1.0万円賃上げを実現する措置
・協働化等に取り組む事業者の介護職員を対象に0.7万円上乗せ措置(定期昇給込みで最大月1.9万円の賃上げが実現)
※2
うち、食費の基準費用額の引上げ分
+0.09%(R8年8月施行)
【障害福祉サービス等報酬】 +1.84%(R8年6月施行)
国費 313億円
・障害福祉従事者を対象に幅広く1.0万円賃上げを実現する措置
・協働化等に取り組む事業者の福祉・介護職員を対象に0.3万円上乗せ措置(定期昇給込みで最大月1.9万円の賃上げが実現)
10
健康保険法等の一部を改正する法律案の概要
改正の趣旨
持続可能な医療保険制度の実現に向けて、必要な保険給付等の適切な実施と世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るため、一部保
険外療養の創設、後期高齢者医療における金融所得の保険料等への勘案、出産に係る給付体系の見直し、国民健康保険における子どもに係
る均等割保険料等の軽減の拡充等の措置を講ずるほか、医療機関の業務効率化と勤務環境改善の取組等に係る措置を講ずる。
改正の概要
1.より公平な負担の実現、効率的な給付の確保【健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律等】
① OTC医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養等について、薬剤費の一部を保険給付外とする一部保険外療養を創設する。
② 後期高齢者医療において、上場株式の配当等の金融所得を保険料の算定や窓口負担割合等の判定に公平に反映するため、金融所得の支払に係る
報告書等(法定調書)を金融機関等がオンラインにより後期高齢者医療広域連合へ提出する義務等を設ける。
2.出産等の次世代支援や現役世代からの予防・健康づくりの拡充【健保法、船員保険法、国保法、母子保健法等】
① 出産に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、出産の標準的な費用に係る給付体系の見直し等を行う。
② 妊婦健診に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、妊婦健診(望ましい基準内)の実施に係る標準額を定める等の環境の整備をするほか、サー
ビス及び費用の見える化を進める。※こども家庭庁所管事項
③ 国民健康保険制度において、子どもに係る均等割保険料(税)の5割を軽減する措置の対象を、未就学児から高校生年代まで拡充する。
④ 現役世代の予防・健康づくりを強化するため、全国健康保険協会が取り組む保健事業に関する責務を明確化する。
3.必要な医療の提供の確保【健保法、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律、医療法等】
① 高額療養費の支給要件等を定める際には、特に⾧期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう、法律上明確化する。
② 業務効率化・勤務環境改善に取り組む医療機関を支援する新たな事業を地域医療介護総合確保基金に設けるほか、計画を作成し業務効率化・勤
務環境改善を推進する病院を厚生労働大臣が認定する仕組みを設ける。併せて、医療機関は業務効率化・勤務環境改善に努めるものとする。
4.その他【健保法、国保法、高確法等】
① 全国健康保険協会の平均保険料率の引き下げとあわせ、令和8年度から令和10年度までの時限措置として、全国健康保険協会への国庫補助に係
る特例減額の控除額を引き上げる特例措置を講じる。
② 国民健康保険組合に対する国庫補助について、一定の場合に、現行の補助率の下限よりも低い補助率を例外的に適用する。
等
③ 国民健康保険の財政安定化基金(本体基金分)について、納付金(保険料)の抑制のための取崩しを認める。
施行期日
このほか、平成19年の雇用保険法等の一部改正法で改正を要した船員保険法第76条第6項について、規定の形式的修正を行う。
令和9年4月1日(ただし、2④及び4①は公布日、3①は令和8年8月1日、3②の一部は令和9年1月1日、1①は公布後1年以内に
政令で定める日、2①及び②は公布後2年以内に政令で定める日、1②は公布後5年以内に政令で定める日等)
11
社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要
改正の趣旨
質の高い福祉サービスの確保と社会福祉事業等の安定した経営基盤の確立の双方の実現に向けて、多様で複雑な福祉ニーズに対応した包括的な支援を
確保するため、小規模市町村での相談支援等に係る事業や人口減少地域における特例介護サービスの類型の新設、一定の要件に該当する有料老人ホーム
に係る登録制度の創設等の措置を講ずるとともに、福祉人材の安定的な確保や定着を図るため、介護支援専門員の資格に係る更新制の廃止及び法定研修
の見直し等の措置を講ずるほか、介護分野等における質の高い福祉サービスの確保等を図るための都道府県協議会を設置すること、一定の要件を満たす
社会福祉連携推進法人における社会福祉事業の実施を可能とすること等の措置を講ずる。
改正の概要
1.地域の実情に応じた包括的な支援体制の拡充【社福法、介保法、老福法、障害者総合支援法、児福法、困窮法、生保法】
① 小規模市町村における包括的な支援体制の整備を促進する事業(※)を新設するほか、地域住民の支援等を検討する会議を全市町村で設置可能等とする。
②
※福祉各分野の相談支援・地域づくり事業の配置基準を分野横断的な基準に柔軟化するとともに、あわせて地域住民の取組との協働促進を図る事業を行う。
中山間・人口減少地域での地域の実情に応じた配置基準や包括的な評価の仕組みが導入可能となる特例介護サービスの類型(「特定地域サービ
ス」)の新設や、地域のサービス提供主体が少ない場合に市町村が事業として居宅介護サービス等を実施できる「特定地域居宅サービス等事業」の創
設、事業者間の連携強化とそのための事業継続の仕組みの構築、介護予防と地域の支え合いを一体的に実施する拠点を運営する事業の新設等を行う。
③ 頼れる身寄りがいない高齢者等に対する日常生活・入院等の手続・死後事務の支援を行う事業を第二種社会福祉事業に位置付け、あわせて相談体
制等の整備を図る。
④ 成年後見制度や地域における権利擁護事業の適切な利用の支援の中核的な役割を担う「地域権利擁護相談支援センター」を設置可能等とする。
⑤ 中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームに係る都道府県等への登録制度を導入する。また、その入居者に対する相談支援を行う「登録施
設介護支援」等を新設し利用者負担を求める。
⑥ 介護サービス量等の中⾧期推計及び医療・介護連携等に関する介護保険事業(支援)計画の見直しや、介護サービス利用時等の電子資格確認の導
入など介護被保険者証に係る見直しを行う。
2.福祉人材の安定的な確保及び定着支援【社福法、介保法、障害者総合支援法、児福法、士士法、平成19年士士法改正法】
① 関係団体等(公的機関、地域の事業者、養成施設等)で構成する福祉人材確保のための協議会の設置を都道府県の努力義務とするとともに、生産
性向上、経営改善支援等の取組の促進を国及び都道府県の責務とし、関係者の連携を図る関係協議会を設置する。
② 令和13年度までの介護福祉士養成施設卒業者については、経過措置として卒業後5年間は介護福祉士の資格を有することができるものとするほか、
准介護福祉士資格を廃止する。
③ 介護支援専門員(ケアマネジャー)に係る研修受講を要件とした更新の仕組みを廃止するなど、法定研修に係る見直しを行う。
3.支援基盤の強化等【社福法】
① 社会福祉連携推進法人が実施可能な業務を追加(第二種社会福祉事業等)し、社会福祉法人解散時の残余財産の帰属先に地方公共団体を追加する。
等
② 災害派遣福祉チーム(DWAT)として活動する人材登録の仕組みを整備する。
施行期日
令和9年4月1日(ただし、2.②の一部は公布日、2.③は公布後1年6月以内に政令で定める日、1.③及び⑤の一部は公布後2年以内に政令で定
める日、1.⑤、⑥及び2.①の一部は公布後3年以内に政令で定める日)
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(参考)平均寿命と健康寿命の推移
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医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会
2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会
目的
○ 2040年頃にかけて、医療と介護の複合ニーズを抱える高齢者の増加と生産
年齢人口(15歳~64歳人口)の減少が一層見込まれるとともに、18歳人口
の減少によって医療関係職種の養成校の定員充足率が近年低下傾向にある
など、今後、医療関係職種の養成・確保は一層の課題となっていくことが
見込まれる。また、こうした医療関係職種の養成・確保をとりまく環境の
変化は、地域によって大きく状況が異なるため、その実情に応じた対策を
講じていくことが必要となる。
○ このため、地域において将来にわたって必要な医療が持続的に提供される
よう、各地域の人口の推移や新たな地域医療構想の策定等の状況を踏まえ、
18歳人口の減少が急激に進む中でも必要な医療関係職種を安定的に養成・
確保していく観点から迅速な対応を行うことが求められる。
○ 地域において必要な医療関係職種の安定的な養成・確保の在り方について、
関係者による専門的観点から検討を進めるため、本検討会を開催する。
検討事項
○地域において必要な医療関係職種を安定的に養成・確保するための方策
構成員(敬称略・五十音順)
青木 郁香
東江 由起夫
上田 克彦
内山 量史
江澤 和彦
小野 太一
神野 正博
風間 雄一郎
木戸 道子
喜熨斗 智也
國土 典宏
斉藤 秀之
寺島 多実子
中野 夕香里
西田 裕介
野口 晴子
平山 春樹
福島 統
丸林 彩子
武藤 智美
森野 隆
守屋 百合子
山本 伸一
横地 常広
日本臨床工学技士会 専務理事
日本義肢装具士協会 会⾧
日本診療放射線技師会 会⾧
日本言語聴覚士協会 会⾧
日本医師会 常任理事
政策研究大学院大学 副学⾧・教授
全日本病院協会 会⾧
福島県保健福祉部 次⾧(健康衛生担当)
日本赤十字社医療センター 副院⾧・第一産婦人科部⾧
日本救急救命士会 会⾧
国立健康危機管理研究機構 理事⾧
日本理学療法士協会 会⾧
日本歯科医師会 常務理事
日本看護協会 専務理事
国際医療福祉大学 成田保健医療学部⾧
早稲田大学政治経済学術院 教授
日本労働組合総連合会 総合政策推進局生活福祉局 局⾧
東京慈恵会医科大学 名誉教授
日本視能訓練士協会 副会⾧
日本歯科衛生士会 会⾧
日本歯科技工士会 会⾧
静岡医療科学専門大学校 副大学校⾧
日本作業療法士協会 会⾧
日本臨床衛生検査技師会 代表理事会⾧
目的
○今後の人口減少・高齢化に伴う医療ニーズの質・量の変化や生産年齢人口の減
少を見据えた医療提供体制の構築にあたっては、地域医療の支え手である看
護職員の需給の状況を見通しつつ、看護職員の資質を高めるとともに、各地
域において養成・確保策について検討が進められることが重要。
○このため、現下の看護職員の需給の状況や地域・領域別偏在、勤務環境、看護
師等学校養成所の定員充足状況なども踏まえ、新たな地域医療構想の策定に
合わせ、今後の看護職員に求められる資質を議論し、国や都道府県等が看護
職員の養成・確保への対応のために講ずることが考えられる施策のメニュー
を速やかに整理していく。
○その際、2040年に向けた看護職員の養成・確保の検討に資するよう、これまで
8回にわたり策定してきた看護職員の需給見通しについて、推計方法を精緻
化し、新たな地域医療構想における医療需要を反映したものとする。
主な論点
○2040年に向けた看護職員の需給見通しと看護職員の養成・確保への対応について
【看護職員の養成策】
看護の実践能力を更に高めるための養成課程・研修の在り方、少子化の進展に対応した
看護師等学校養成所の運営、社会人経験者のリスキリング支援
【地域の看護職員の確保策】
地域偏在・領域偏在(訪問看護等)への対応、求人・求職間のミスマッチ改善(復職研修の
強化等)、ハローワークとの連携強化
【看護職員の勤務環境改善】
看護管理者の能力向上、多様で柔軟な働き方(両立支援、夜勤含む)、ICT機器の活用に
よる業務効率化、ハラスメント対策
構成員(敬称略・五十音順)
秋山
江澤
大鳥
小野
影本
風間
鎌倉
小林
古元
園田
田中
玉井
新田
春山
樋口
平原
平山
別府
松原
水方
山口
智弥
和彦
精司
太一
菜穂子
雄一郎
やよい
美亜
重和
孝志
志子
保子
國夫
早苗
秋緒
優美
春樹
千恵
由美
智子
育子
公益社団法人 日本看護協会 会⾧
公益社団法人 日本医師会 常任理事
一般社団法人 国立大学病院⾧会議 会⾧
政策研究大学院大学 副学⾧・教授
読売新聞東京本社編集局医療部 記者
福島県保健福祉部 次⾧(健康衛生担当)
一般社団法人 日本看護系大学協議会 常任理事
山梨大学大学院総合研究部医学域臨床医学系 特任教授
北海道大学 大学院医学研究院 社会医学分野 医療政策評価学教室 教授
一般社団法人 日本病院会 副会⾧
公益社団法人 全国老人保健施設協会 副会⾧
公益社団法人 大分県看護協会 会⾧
一般社団法人 日本在宅ケアアライアンス 理事⾧
自治医科大学 看護学部 教授
社会医療法人北晨会 介護老人保健施設 恵み野ケアサポート
公益財団法人 日本訪問看護財団 常務理事
日本労働組合総連合会 総合政策推進局生活福祉局 局⾧
一般社団法人 日本私立医科大学協会
早稲田大学人間科学学術院 教授
一般社団法人 日本看護学校協議会 会⾧
認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML 理事⾧
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