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経済財政諮問会議 2025年11月27日

2025-11-27一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

経済財政諮問会議 2025年11月27日 資料経済財政諮問会議 2025年11月27日 資料経済財政諮問会議 2025年11月27日 資料

議事録

令和7年第 13 回経済財政諮問会議 議事要旨 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (開催要領) 1.開催日時:令和7年 11 月 27 日(木)18:03~18:45 2.場 所:総理大臣官邸4階大会議室 3.出席議員: 議長 高 市 早 苗 内閣総理大臣 議員 木 原 稔 内閣官房長官 同 城 内 実 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 同 林 芳 正 総務大臣 同 赤 澤 亮 正 経済産業大臣 同 片 山 さつき 財務大臣 同 植 田 和 男 日本銀行総裁 同 筒 井 義 信 日本生命保険相互会社 特別顧問 同 永 濱 利 廣 株式会社第一生命経済研究所 首席エコノミスト 同 南 場 智 子 株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長 同 若田部 昌 澄 早稲田大学政治経済学術院教授 (議事次第) 1.開 会 2.議 事 (1) 令和8年度予算編成の基本方針(原案) (2) 来年度予算に向けた課題① 3.閉 会 (資料) 資料1 資料2 資料3 資料4 令和8年度予算編成の基本方針(案) 責任ある積極財政に向けた予算改革 ~物価を映す予算・中長期枠組み・政府効率化の三位一体で信認確保を~ (有識者議員提出資料) 責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点化・効率化 (有識者議員提出資料) 財政制度等審議会の建議の方向(片山議員提出資料) 1 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 (概要) (城内議員) ただ今から「経済財政諮問会議」を開催する。 〇「令和8年度予算編成の基本方針(原案)」 〇「来年度予算に向けた課題①」 (城内議員) 本日の議題は、お手元の議事次第のとおりである。本日は、議題1と議題 2をまとめてご議論いただく。 まず、議題1「令和8年度予算編成の基本方針(原案)」について、内閣府から資料1 に沿って説明をお願いする。 (堤統括官) 資料1をご覧いただく。「令和8年度予算編成の基本方針(案)」である。 「1.経済財政運営の基本的考え方」の「(1)経済の現状認識」では、①、我が国経 済が新たな成長型経済に移行する段階まで来たこと、②、景気は緩やかに回復しているも のの潜在成長力の伸び悩みが課題と記載している。 「(2)経済財政運営の基本的考え方」では、①、今後の対応工程として、令和7年度 補正予算の早期成立、成立後に早期執行、令和8年度当初予算と連動し、切れ目のない運 営を行うことを記載している。 その下、②であるが、経済財政運営のあるべき姿として「責任ある積極財政」と記し、 2ページ目の上段にかけて、 「強い経済」を実現していくことを記載している。あわせて、 政府債務残高対GDP比を引き下げていくことで、財政健全化との両立方針を記載してい る。 「2.令和8年度予算編成の考え方」である。①は、先ほど申し上げた1の考え方によ って令和8年度予算編成を行うこと。 ②、政策の重点化、メリハリづけを歳出・歳入両面で推進すること。 ③、社会保障について、全世代型社会保障の構築を通じて、持続的な社会保障システム の確立を図ること。その観点からも、社会保障制度改革の取組を着実に実行することを記 載している。 ④、歳入面では、負担の公平性の確保等の観点から、不断の見直しを検討。また、物価 の上昇を踏まえた制度的対応を図ると記載している。 最後、⑤、大型補正が続くことを踏まえ、予算の在り方について議論を進めると記載し ている。 また、別紙として、主な重要施策をグループ化して概要を記載している。 (城内議員) 次に、議題(2)「来年度予算に向けた課題①」に関し、若田部議員から、 「責任ある積極財政に向けた予算改革」について、資料2の民間議員のご提案をご説明い ただきたい。 (若田部議員) 資料2に沿ってお話しさせていただく。 まず、2025年7-9月期は、6四半期ぶりのマイナス成長となり、食料品を中心とした コストプッシュインフレにより物価上昇率も3%程度と高い水準で推移している。こうし た状況で政権を受け継いだ高市内閣の使命は、「暮らしの安全・安心」を確保するととも に、「強い経済」を実現することであると考える。 そのためには、補正予算を早期に編成・成立させて迅速・適切に執行するとともに、 「責 任ある積極財政」の考え方の下、危機管理投資・成長投資に必要十分な財政措置を行う必 要がある。財政健全化に向けた取組との整合性を確保する観点から、中長期的な枠組みの 2 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 下で予見可能性を高めつつ、重要政策課題に重点化しながら、官民が力を合わせて投資を 拡大していくための財源や当初予算の在り方を、今後、経済財政諮問会議で継続的に検討 していくことが重要であると考える。 四つの柱、これは全て詳しくは説明しないが、簡単に申し上げると、最初の柱は「物価・ 賃金を正面から織り込む『物価を映す予算』」ということで、これまでの「物価横ばい」 を前提とした予算編成をやめて、物価を映す予算に移行すべきであるということだ。 税制についても、国・地方問わず、物価上昇に連動して各種控除額等の閾値を引き上げ る仕組みを構築することを検討することが重要である。 また、2ページ、(2)の「予見可能性を高める予算の『中長期枠組み』」ということ で、危機管理投資・成長投資については、単年度主義の弊害を是正し、今後はAI・半導 体やGXなどを参考に本予算による中期的な歳出フレームを設定することも視野に設計 すべきである。 また、政府債務残高対GDP比を安定的に低下させることと整合的にすべきであると考 える。この「責任ある積極財政」の大きな柱は「責任ある」という部分にあるため、市場 の信認を大前提とするということである。 それと、先ほどお話があったように、継続的に補正予算に計上してきた経費については、 当初予算への計上の在り方を今後の課題として検討すべきであるということである。 (3)「『租税特別措置・補助金見直し担当室』とEBPMによる歳出の質の向上」と いうのは、「責任ある積極財政」のもう一つの柱である、支出の側の「量」だけでなくて 「質」の部分もきちんと見ていくということが書かれている。 (4)の「財政の持続可能性と市場の信認を軸にした『責任ある積極財政』」というの は、先ほども申し上げた財政の持続可能性の確保と市場の信認を維持し続けることが重要 であるということが書かれており、「科学的、冷静、客観的、360度の目線」で財政運営 を点検するということを柱とする下で、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げるこ と、数年単位でPBのバランスを確認すること、利払い費対GDP比も併せて検討すると いうことがあると考える。 最後だが、社会保障の分野では、給付と負担のバランス確保、現役世代の負担軽減とい った全世代型社会保障の構築を実現する「社会保障改革元年」の当初予算とすることを提 言する。 (城内議員) 次に、永濱議員から、「責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点 化・効率化」について、資料3の民間議員のご提案をご説明いただく。 (永濱議員) 資料3をご説明させていただく。 「責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点化・効率化」ということで、民間議 員の連名の提案をさせていただいている。 全体の柱は四本となっている。 まず一つ目の柱は、投資拡大に向けて集中的支援をすべきという提案である。様々な提 案をしているが、最も重要な提案は、投資支援を複数年度の枠組みで行うべきというもの である。これは既に事例があり、例えば、AI・半導体分野では7年間で10兆円の支援、 GX分野では10年間で20兆円の支援、こういう枠組みを創設して財源も手当てをしている。 こうした良い事例は参考にすべきであって、危機管理投資・成長投資の17分野があるが、 このうち特に効果的な分野や、総理がこれだと定めた分野に対しては、複数年度で計画的 に支援をする枠組みを作るべきだという提案である。 3 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 二つ目の柱が、新分野への支援拡大の一方、既存予算の総点検をという提案である。一 昨日、日本版DOGEと言われる租税特別措置・補助金見直し担当室が片山大臣の下に設 置された。ぜひEBPMを徹底して、効果が高い事業は拡充し、効果が乏しい事業は縮減・ 廃止するという大方針を示していただきたいと考えている。 三つ目の柱が、イノベーション創出に向けた提案である。最初に指摘しているのが科研 費や運営費交付金の拡充による大学の研究力の拡充である。加えて、スタートアップ促進 に向けた公共調達の活用も提案している。つまり、新会社の設立当初で顧客がない、受注 がないが、実はきらりと光る新技術があれば、政府が最初のお客となる、そして、イノベ ーションを促進しよう、こういった提案である。 最後、四つ目の柱である。高圧経済を追い風として攻めの改革を進めるという提案であ る。これまでのデフレ期・低圧経済の下では、需要が増えず、物が売れない、新たな投資 もチャレンジもしづらいという変化しにくい環境であり、 「調整の先送り」が生じていた。 高圧経済の下でこれから成長していくという前向きな機運が醸成されれば、生産性が高い 分野にヒト・モノ・カネも集まっていく。こうした高圧経済の局面を大いに前向きに評価 すべきであり、こうした環境を生かして、昔からある産業を守るだけの守りの予算ではな く、攻めの改革を走らせることが重要だという提案をさせていただいている。 (城内議員) それでは、意見交換に移る。民間議員の皆様からご意見をいただく。 (筒井議員) 先ほど若田部・永濱両議員から説明があった2つの民間議員ペーパーに関 連して申し上げる。 まず、予算改革についてである。今後、重点分野における官民連携での国内投資の拡大 に当たり、単年度主義の弊害を是正して、補正予算頼みではなく、本予算の下で中期的な 歳出フレームを設定すること。これは、民間が予見可能性を持って投資を行うという観点 からも非常に重要である。 まずは、歳出面の重点化と効率化に取り組み、かつ歳入面でも物価や賃金の状況を踏ま えた科学的・客観的な分析に基づく歳入見積もりを提示する必要がある。こうして歳出・ 歳入両面で規律ある財政運営を内外に継続的に発信していくことが重要と考える。今回提 案した予算改革を通じて、「責任ある積極財政」の下で債務残高対GDP比の安定的な引 下げを実現し、財政の持続可能性確保と市場の信認を維持し続けることが肝要である。 次に、非社会保障歳出の重点化・効率化についてである。高市内閣が実現を目指す「強 い経済」に必要なことは、何といっても供給力の強化である。供給力の強化は潜在成長率 の引上げに資するものであり、一つは資本投入の増大、もう一つは労働生産性の向上、こ れが鍵を握る。 一つ目の資本投入については、官民連携での国内投資の拡大が一丁目一番地である。国 による環境整備が行われることと、我々経営者がマインドセットを変革して、設備投資、 研究開発投資、人的投資の拡充に積極的に取り組むこと、これらを両輪で進めていかなけ ればならない。 政府には、戦略17分野の重点投資とともに、企業経営者が中長期視点で自律的に成長投 資に取り組むことが市場で評価されるようなコーポレートガバナンス改革にも取り組ん でいただきたいと思っている。 次に、労働生産性の向上についてである。 「強い経済」を実現するマクロ政策とともに、 円滑な労働移動の推進と定着に資するミクロベースでの企業の取組や関連制度改正も重 要である。 4 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 経団連は、今月10日に「『労働移動の積極的な推進』実現に向けたアクションプラン」 を公表した。これは、社内・社外の労働移動、教育機関との連携といった観点から、直近 3年程度の取組をまとめたものである。その中で、企業は採用方法の多様化、社員の主体 的なキャリア形成の支援等に取り組むこととしている。 政府には、労働移動促進型の雇用セーフティネットへの移行とマッチング機能の強化、 働き方や職業選択に中立的な税制の構築、リ・スキリングを含むリカレント教育支援の拡 充に注力をいただきたいと考えている。 (永濱議員) まず、「物価を映す予算」に転換するという点について、恐らくこうした 予算が出てくると名目の予算金額の膨張を懸念する向きが出てくる可能性があると思う。 ということで、やはり物価高要因の見える化は、私は必須だと考えている。 具体的にどう取り組むかはこれからの議論であるが、債務残高も対GDP比で見るわけ であり、そうであれば、例えば予算額を名目GDP比で表示する。あるいは、GDPも物 価変動を除いた実質GDPという形で出しているわけであり、予算についてもインフレの 部分をデフレートした実質予算額という出し方も一つ方向性としてあるかと考えている。 それから、予算編成に関しては、これまでの予算編成を見ていると、いわゆる税収見積 もりや、利払い費を過度に慎重に見積もる傾向があり、その分、修正分が毎年の補正予算 の財源として活用されてきたということがあった。このような中で、仮に継続的に計上さ れる補正予算を本予算シフトで行うのであれば、ここの部分はもう少し精度の高い置き方 をすべき。例えば税収弾性値をきちんと見積もったり、想定金利をもう少し現実に近い想 定をしないと、引き続き緊縮予算になりかねないということであり、税収や利払い費の見 積もりの再検討が必要だと考えている。 三つ目が、資料2の最後に若干書いてあるのだが、実は財政運営の点検の際には、例え ば格付機関なども注目している利払い費対GDP比といった手法も重要になっている。た だ、アメリカだと財務省が月次報告書ということで毎月の利払いが把握できる。一方、日 本では政府の利払い費は年次のデータしか出ない。利払い費の月次もしくは四半期のデー タが公表されれば、新しい財政の健全性の指標として活用できるのではないかと考えてい る。 最後、危機管理投資・成長投資について。これはまさに世界の産業政策における潮流で あり、例えば、2016年に高圧経済論をよみがえらせたイエレン氏自身が財務長官を務めた バイデン政権下で、モダン・サプライサイド・エコノミクスというのを打ち出し、財政政 策による成長戦略を進めてきたということである。そういうことを考えると、まさにサナ エノミクスの経済政策もこの世界の潮流に沿ったものだと思うため、そういう意味では、 既に並行して進んでいる日本成長戦略会議に加えて、危機管理投資や成長投資は、2021 年から経産省の経済産業政策新機軸部会というのがあり、こちらと非常に親和性が高いと 思うので、これまでも連携していると思うのだが、より連携を密にしても良いのではと考 えている。 (南場議員) 私はいろいろなところでスタートアップと叫んでいるが、それには理由が ある。強い経済にはイノベーションが必要。そして、過去30年、イノベーションがどこで 起きているのか。例えば、私たち個人の生活に大きなインパクトを与えたイノベーション は何だろうか。インターネットで情報の検索ができない時代にはもう戻れないし、スマー トフォンがない時代にも戻れない。そして、旅行の仕方も変わった。ショッピングの仕方 も変わった。今、ChatGPTがないと生きていけないという若者も多い。このように、 5 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 私たちの身の回りで起こっているイノベーションを見ても、それらはほとんど全てスター トアップから起こっている。それは必然である。創業と廃業のダイナミズム、人材の流動 のダイナミズムがあって、イノベーションが起こる土壌がそこにあるということだ。 ミュンスター大学、ミュンヘン大学のリサーチだが、同じ100万ドルでも普通の企業に 投下するよりもスタートアップに投下したほうがイノベーションの波及効果が9倍高い という結果が出ている。こういった背景により、最も日本経済に重要なことであると思っ てお伝えしている。 そして、今、17戦略分野、6つの国家戦略技術分野に大きな資金が投下されようとして いるが、それぞれの分野の中にイノベーションを起こすために最適なメカニズムであるス タートアップを位置づけて、どうか堂々と優遇をしていただきたい。 また、公共調達は政府の意思次第でできることだが、3%と低い目標にもかかわらず半 分以下の1.4%である。経済産業省の調査では、日本のGDPに占めるスタートアップ創 出のGDPは1.85%だそうだ。その1.85%にも達していないということは応分の調達もし ていないということになると考える。ぜひともここは強い意志で3%は軽々達成して、目 標の上方修正を行っていただきたい。 補助金はスタートアップはもちろんありがたいと思うが、スタートアップは市場によっ て育てられるので、補助金を得るために政府ばかり見るべきではない。どうか政府が顧客 となって、スタートアップを育てていただきたい。先ほどの永濱議員のお話のとおりであ る。 スタートアップエコシステムについてもう一つ、資金量の違いが非常に大きい。日本で 足りないのはエンジェル投資と、ディープテック・スタートアップにとっての大きいチェ ックサイズの資金が足りていない。この両端が足りていない。 エンジェル税制に関しても、日本は頑張って拡充いただいて感謝しているが、米国のQ SBSなどと比べると効果がとても小さいし、使われていない。米国のQSBSは、投資 額の10倍を上限に売却時のキャピタルゲインが最大100%控除されるという仕組みで、相 当な資金がスタートアップに集まってきている。また、イギリスもSEISを導入するな ど、それぞれの国がすばらしい政策を行っている。 日本は実態として欧米と比べるとスタートアップエコシステムが遅れているので、それ らを超えるような制度が必要。大胆な制度をお願いしたい。 それから、ディープテック・スタートアップに対する大きなチェックサイズの資金が足 りないという話をしたが、先日、東京大学で講義をした際に学生が、自分の研究分野は世 界でナンバーワンの自信があるが、北米のライバル研究者がスタートアップを設立して 1,000億円を調達して萎えたという話をしていた。 例えば、量子コンピューターのスタートアップの資金調達額ランキングは、1位が米国 のPsiQuantumが1,900億円。そして、日本ではQunaSysが1位だが、30 億円である。30億円と1,900億円と二桁の違いがある。これだけ重要な分野でもこれだけ のギャップがある。 ただ、いいニュースもある。日本の研究レベルが高いと海外のキャピタルリストが徐々 に目を向け始めている。日本の技術シーズのグローバル市場での展開を支援したいという キャピタルリストが世界で出てきているので、そういった資金の呼び込みをするためにど うしたら良いのかということを徹底して検討して、実施していただきたい。 もう一つ、教育について、高市総理のホームページを拝見した。基本理念で教育が一番 6 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 大きいスペースが割かれている。日本の最大の資産は人材で、まさにここが重要なポイン トである。この人材の教育が、今はイノベーションを起こすために最適になっていないし、 グローバル人材を率いてことを成す人材も育ちにくいため、短期的には留学の爆増という ことをやらなければならないし、並行してより本質的には教育改革をしていかなければな らない。産業界が必要とする人材と現状の教育制度は大きなギャップがあるので、ぜひ高 市教育改革を始めていただきたい。 最後に、財政に関しては、予算改革として租税特別措置・補助金見直しやEBPMとい った、「量」のみならず「質」を重視する取組を徹底されることを期待する。 政府は、規律ある財政運営に努め、国民の理解を得つつ、市場の信認を大前提にしたマ クロ経済政策を展開し、中長期の財政の持続可能性を継続的に確保することが不可欠であ る。 (若田部議員) まず、補正予算についてコメントする。 私は、規模は非常に適切であったと考える。内容面においても、家計への支援というこ とに大変な配慮をなされたというのは良かったと思う。 もう一つ、コミュニケーションの部分だが、この補正予算を含めても債務残高対GDP 比がしっかりと下がっていくという絵姿になったというのは良いことだと思う。 ただ、先ほど永濱議員もおっしゃっていたが、本日も報道があった、税収の見通しが過 去最高の80.7兆円に上るということで、実は2025年度の本予算との合計での新規国債発行 額は40.2兆円で、2024年の42.1兆円を下回ることは確実になったということだ。それはそ れで財政の健全化への配慮という意味では望ましいといえば望ましいのだが、税収の見通 しのずれは気になるところなので、中長期の経済財政に関する試算などでも税収弾性値な どを点検していきたいと思う。 また、本予算については、「要求・要望は賃金や調達価格の上昇を踏まえて行い、予算 編成過程において物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直しも踏まえ、経済動向、物価 動向等を適切に反映」されるということなので、そのような形でお願いしたいと思う。 租税特別措置・補助金見直し担当室についてだが、これは俗称サナエノミクスの非常に 重要なパートだと思う。ただ、全体として投資を減らさないことが大事なので、投資の総 額は増やす方向で、無駄はカットするという方針が必要ではないかと思う。一時期あった 事業仕分けのようなことがないことを祈っている。 二番目に大きく申し上げたいのは、「責任ある積極財政」という言葉が色々と使われる と、これに対する批判などもいろいろと寄せられている。これは謙虚に受け止めるべきだ と思うが、大きく言って三つぐらいあると思う。一つは、いわゆるばらまきではないかと いうこと。二つ目に、今回はどう違うのか、これでなぜ成功できると言えるのかと。三番 目に、人手不足で大変苦しんでいる中で、本当にその投資が実際に出てくるのか、供給制 約がものすごく厳しいのではないかということだと思う。 最初のばらまきに対する批判は、もう既にコミュニケーションでやっているように、 「責 任ある」というのが債務残高対GDP比の安定的な低下を意識して、利払い能力も見まし ょうと。成長すると、それによって上昇する。金利が上昇するというのは王道の経路なの で、そういった意味ではばらまきという批判は当たらないと思う。 それと、先ほど南場議員からお話があったように、俗称サナエノミクスの非常に重要な パーツは質を見るということなので、その部分の質を危機管理投資・成長投資ということ に限定して支出するということだ。先ほど申し上げた租税特別措置・補助金見直し担当室 7 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 の開設も、そういった質の確保に重要であると。 それと、なぜうまくいけるのかというところは、まさに質の部分に関わるわけで、防衛、 科研費あるいは運営交付金の増額、インフラ、人への投資、教育など、成長率そのものと 供給力を高める分野に重点化することが重要であるということで、効果の低い事業は随時 縮小していく。ここでもある種の新陳代謝みたいなことを考えているということだと思う。 最後に、本当に出てくるのか、つまり、人手不足の中で人が出てくるのかということだ が、確かに需要だけが深刻な人手不足の中で増えると、物価を押し上げるだけになると思 うが、全体としては労働力人口は実は微増ではあるものの増えていて、たしか昨年は0. 5%ぐらい増えているような状況だ。その上で、スタートアップであるとか、人材育成、 リ・スキリング、女性や高齢者の就労支援など、分野横断課題を一体的に捉えて、供給力、 生産性を高める投資を優先し、賃金と生産性を同時に引き上げていく。こういう視点で「責 任ある積極財政」というのは臨んでいるのだということを、これから先も人口に膾炙させ たいと思う。 (城内議員) 閣僚の皆様からご発言をお願いする。 まず、片山財務大臣から、財政制度等審議会の建議の方向についてご説明いただく。 (片山議員) 資料4に建議の方向が出ているが、財政審においては今この方向で検討が 行われている。 まず、1ページ目の総論である。人口減少・供給制約の下、持続的な経済成長を実現す るためには、イノベーション、資本、労働を強化し、供給力の強化に取り組み、「強い経 済」を構築することが重要である。また、戦略的な財政運営を行うと同時に、財政に対す る市場からの信認を確実なものとすることも重要である。今後の想定外の有事に備えるた めにも、債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政余力を確保することが重要。こう いった指摘がなされる方向だ。 2ページ目の各論である。社会保障、地方財政など、各分野が取り上げられており、特 に社会保障分野については、保険料負担の抑制努力の継続と経済・物価動向等への的確な 対応を両立させる必要がある。診療報酬改定では、経営の改善や処遇改善につながる的確 な対応を行いつつ、保険料負担軽減のための診療所分や調剤報酬の適正化、医療保険制度 改革を進めることが不可欠などのご指摘がなされている。 加えて、民間議員のご提言についても併せて申し述べ。まず、「社会保障改革元年」に ふさわしい予算となるよう、給付と負担のバランス確保、現役世代の負担軽減といった課 題に厚生労働大臣とともに取り組んでいく。 また、投資の予見可能性を高めるための中長期的なフレームについては、AI・半導体 などの先行事例を参考にしながら、今後、新たな財源確保の枠組みを検討し、市場からの 信認を確保していく。 租税特別措置や補助金・基金については、これまでも適正化の観点から点検・見直しを 行ってきたところだが、こうした取組は総論賛成、各論反対になりがちである。 効果的に取り組むためには、要求官庁にもご尽力をいただき、要求段階から効果検証を 進めていくこと、民間議員からもご指摘をいただいた経済・財政一体改革推進委員会の取 組や行政事業レビューなどの既存の取組を活用していくことが重要と思っている。 先日発足した租税特別措置・補助金見直し担当室においては、関係府省としっかり連携 して、全力でご指摘を踏まえて取り組んでいく。 (林議員) 総務省においては、地方自治体が防災・減災対策、DX・GXの推進、こど 8 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 も・子育て政策の強化などの重要課題に取り組んで、持続可能で活力ある地域社会を実現 できるよう、これまでもしっかりと地方財政措置を講じてきたところである。 引き続き、地方自治体がこうした重要課題に的確に対応できるように取り組んでいく。 (赤澤議員) 「強い経済」の実現のためには、日本経済の供給構造を危機管理投資・成 長投資によって強化をし、日本企業の稼ぐ力を高め、物価上昇を上回る賃上げ実現につな げることが重要である。 危機管理投資・成長投資については、先日閣議決定された総合経済対策において、民間 企業による投資を引き出すべく、複数年度の予算措置を用いることや、税制を含む財政支 出の将来の増減収効果を織り込む分析を導入することとされている。 経済産業省としては、AI・半導体やGXに続き、新技術立国・競争力強化の担当大臣 として、造船、量子、重要鉱物など経済安全保障上重要な分野における危機管理投資に関 する新たな財源確保の枠組みについても検討に着手をする。 その上で、現在要求中の研究開発税制の強化、大胆な設備投資促進税制の創設などを通 じて、官民の積極的な投資を引き出していく。 さらに、成長投資を通じて中長期的な企業価値を高めるための方針を取りまとめるとと もに、先端技術の支援や社会実装の担い手であるスタートアップの支援に取り組み、稼ぐ 力を強化していく。 その上で、現状維持ではなく、 「稼ぐ力」強化と賃上げの好循環を実現していくために、 官公需も含めた価格転嫁、取引適正化を徹底するとともに、労働供給制約社会の中堅・中 小企業の「稼ぐ力」強化戦略の検討に着手していく。 永濱議員からご指摘のあった新機軸部会は、そもそも私が新技術立国・競争力強化の担 当大臣になったので、そこの部会の成果物というか、非常に大事なものだと思っているの で、しっかりやってきたいと思う。 民間議員がご指摘のように、張り切って挑戦する人や企業が報われる経済構造への転換 が重要であり、賃上げをしても可処分所得が増えない、あるいは「稼ぐ力」を強化しても 収益が圧迫されるといったことがないように、保険料負担軽減のための「社会保障改革元 年」と若田部議員がおっしゃったこの取組に、中小企業を所管する経産大臣としても真摯 な努力をしたいと考えている。 先般、閣議決定された総合経済対策を着実に実行しながら、日本を新たな成長型経済へ と移行させることを通じ、「強い経済」を実現させていく。 (城内議員) スタートアップ担当大臣として、南場議員のご指摘をしっかり踏まえて対 応させていただきたいと思う。 それでは、予算編成の基本方針については、今後の与党との調整も踏まえ、次回の経済 財政諮問会議において取りまとめたいと思う。 プレスに入室いただく。 (報道関係者入室) (城内議員) 総理から締めくくりのご発言をお願いする。 (高市議長) 本日の会議では、予算編成の基本方針と来年度予算に向けた課題について 意見交換を行った。 先日、21日に総合経済対策を取りまとめた。今後、その裏づけとなる令和7年度補正予 9 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 算を編成し、早期成立を図るとともに、成立後、速やかに執行して、一刻も早く国民の皆 様に支援をお届けしなくてはならない。城内大臣におかれては、関係大臣と連携し、施策 の早期執行に向けた適切な進捗管理をお願いする。 令和8年度予算編成については、「責任ある積極財政」の考え方の下、令和7年度補正 予算と一体となって編成し、危機管理投資と成長投資によって潜在成長力を引き上げ、 「強 い経済」を実現するとともに、経済成長を通じて税収を増やし、財政の持続可能性を実現 することを目指す。 成長型経済への転換を図るに当たって、まず、物価上昇を適切に反映した予算とする。 そして、EBPMなどによって政策の実効性を検証し、国民生活の下支えや経済成長に資 すると期待される施策は大胆に重点化する。一方で、そうした効果が乏しい場合は見直す など、歳出・歳入両面で「強い経済」を支える財政構造の転換を図っていく。 なお、近年、大規模な補正予算が常態化する中、必要な予算は当初予算で積むことはと ても必要なことだと私は考えている。今後、こうした予算の在り方についても議論を行っ ていくが、令和8年度予算編成においても、予算全体のメリハリをつけていく、この作業 を行う中で取組を少し前に進めていく。城内大臣におかれては、与党とも連携して予算編 成の基本方針を取りまとめてください。 今後の予算編成の課題として、民間議員の皆様から、来年度予算から「物価を映す予算」 として、その反映状況を国民の皆様に分かりやすく示すこと、スタートアップからの公共 調達拡大など、我が国の先端技術を開花させる取組の促進、また、租税特別措置・補助金 見直し担当室や、EBPMの活用を通じた歳出の「質」の向上、「社会保障改革元年」と して、給付と負担のバランス確保、現役世代の負担軽減といった全世代型社会保障の構築、 そういったご提案をいただいた。これらの課題については、来年度予算から確実に反映し ていただくようお願いする。 このほかにも、民間議員の皆様から、人材育成の強化、教育、そして、AI・半導体な ど、先行事例を参考とした、官民の予見性を高める観点からの中長期の予算枠組みの構築 についてもご提案をいただいた。今後の経済財政諮問会議でも、こうした議論をぜひとも 深めていただくようにお願い申し上げる。 (城内議員) プレスはご退出をお願いする。 (報道関係者退室) (城内議員) 以上をもって本日の会議を終了する。 (以 上) 10 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議