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経済財政諮問会議 2025年11月27日

2025-11-27一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

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議事録

令和7年第 13 回経済財政諮問会議 議事要旨 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (開催要領) 1.開催日時:令和7年 11 月 27 日(木)18:03~18:45 2.場 所:総理大臣官邸4階大会議室 3.出席議員: 議長 高 市 早 苗 内閣総理大臣 議員 木 原 稔 内閣官房長官 同 城 内 実 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 同 林 芳 正 総務大臣 同 赤 澤 亮 正 経済産業大臣 同 片 山 さつき 財務大臣 同 植 田 和 男 日本銀行総裁 同 筒 井 義 信 日本生命保険相互会社 特別顧問 同 永 濱 利 廣 株式会社第一生命経済研究所 首席エコノミスト 同 南 場 智 子 株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長 同 若田部 昌 澄 早稲田大学政治経済学術院教授 (議事次第) 1.開 会 2.議 事 (1) 令和8年度予算編成の基本方針(原案) (2) 来年度予算に向けた課題① 3.閉 会 (資料) 資料1 資料2 資料3 資料4 令和8年度予算編成の基本方針(案) 責任ある積極財政に向けた予算改革 ~物価を映す予算・中長期枠組み・政府効率化の三位一体で信認確保を~ (有識者議員提出資料) 責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点化・効率化 (有識者議員提出資料) 財政制度等審議会の建議の方向(片山議員提出資料) 1 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 (概要) (城内議員) ただ今から「経済財政諮問会議」を開催する。 〇「令和8年度予算編成の基本方針(原案)」 〇「来年度予算に向けた課題①」 (城内議員) 本日の議題は、お手元の議事次第のとおりである。本日は、議題1と議題 2をまとめてご議論いただく。 まず、議題1「令和8年度予算編成の基本方針(原案)」について、内閣府から資料1 に沿って説明をお願いする。 (堤統括官) 資料1をご覧いただく。「令和8年度予算編成の基本方針(案)」である。 「1.経済財政運営の基本的考え方」の「(1)経済の現状認識」では、①、我が国経 済が新たな成長型経済に移行する段階まで来たこと、②、景気は緩やかに回復しているも のの潜在成長力の伸び悩みが課題と記載している。 「(2)経済財政運営の基本的考え方」では、①、今後の対応工程として、令和7年度 補正予算の早期成立、成立後に早期執行、令和8年度当初予算と連動し、切れ目のない運 営を行うことを記載している。 その下、②であるが、経済財政運営のあるべき姿として「責任ある積極財政」と記し、 2ページ目の上段にかけて、 「強い経済」を実現していくことを記載している。あわせて、 政府債務残高対GDP比を引き下げていくことで、財政健全化との両立方針を記載してい る。 「2.令和8年度予算編成の考え方」である。①は、先ほど申し上げた1の考え方によ って令和8年度予算編成を行うこと。 ②、政策の重点化、メリハリづけを歳出・歳入両面で推進すること。 ③、社会保障について、全世代型社会保障の構築を通じて、持続的な社会保障システム の確立を図ること。その観点からも、社会保障制度改革の取組を着実に実行することを記 載している。 ④、歳入面では、負担の公平性の確保等の観点から、不断の見直しを検討。また、物価 の上昇を踏まえた制度的対応を図ると記載している。 最後、⑤、大型補正が続くことを踏まえ、予算の在り方について議論を進めると記載し ている。 また、別紙として、主な重要施策をグループ化して概要を記載している。 (城内議員) 次に、議題(2)「来年度予算に向けた課題①」に関し、若田部議員から、 「責任ある積極財政に向けた予算改革」について、資料2の民間議員のご提案をご説明い ただきたい。 (若田部議員) 資料2に沿ってお話しさせていただく。 まず、2025年7-9月期は、6四半期ぶりのマイナス成長となり、食料品を中心とした コストプッシュインフレにより物価上昇率も3%程度と高い水準で推移している。こうし た状況で政権を受け継いだ高市内閣の使命は、「暮らしの安全・安心」を確保するととも に、「強い経済」を実現することであると考える。 そのためには、補正予算を早期に編成・成立させて迅速・適切に執行するとともに、 「責 任ある積極財政」の考え方の下、危機管理投資・成長投資に必要十分な財政措置を行う必 要がある。財政健全化に向けた取組との整合性を確保する観点から、中長期的な枠組みの 2 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 下で予見可能性を高めつつ、重要政策課題に重点化しながら、官民が力を合わせて投資を 拡大していくための財源や当初予算の在り方を、今後、経済財政諮問会議で継続的に検討 していくことが重要であると考える。 四つの柱、これは全て詳しくは説明しないが、簡単に申し上げると、最初の柱は「物価・ 賃金を正面から織り込む『物価を映す予算』」ということで、これまでの「物価横ばい」 を前提とした予算編成をやめて、物価を映す予算に移行すべきであるということだ。 税制についても、国・地方問わず、物価上昇に連動して各種控除額等の閾値を引き上げ る仕組みを構築することを検討することが重要である。 また、2ページ、(2)の「予見可能性を高める予算の『中長期枠組み』」ということ で、危機管理投資・成長投資については、単年度主義の弊害を是正し、今後はAI・半導 体やGXなどを参考に本予算による中期的な歳出フレームを設定することも視野に設計 すべきである。 また、政府債務残高対GDP比を安定的に低下させることと整合的にすべきであると考 える。この「責任ある積極財政」の大きな柱は「責任ある」という部分にあるため、市場 の信認を大前提とするということである。 それと、先ほどお話があったように、継続的に補正予算に計上してきた経費については、 当初予算への計上の在り方を今後の課題として検討すべきであるということである。 (3)「『租税特別措置・補助金見直し担当室』とEBPMによる歳出の質の向上」と いうのは、「責任ある積極財政」のもう一つの柱である、支出の側の「量」だけでなくて 「質」の部分もきちんと見ていくということが書かれている。 (4)の「財政の持続可能性と市場の信認を軸にした『責任ある積極財政』」というの は、先ほども申し上げた財政の持続可能性の確保と市場の信認を維持し続けることが重要 であるということが書かれており、「科学的、冷静、客観的、360度の目線」で財政運営 を点検するということを柱とする下で、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げるこ と、数年単位でPBのバランスを確認すること、利払い費対GDP比も併せて検討すると いうことがあると考える。 最後だが、社会保障の分野では、給付と負担のバランス確保、現役世代の負担軽減とい った全世代型社会保障の構築を実現する「社会保障改革元年」の当初予算とすることを提 言する。 (城内議員) 次に、永濱議員から、「責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点 化・効率化」について、資料3の民間議員のご提案をご説明いただく。 (永濱議員) 資料3をご説明させていただく。 「責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点化・効率化」ということで、民間議 員の連名の提案をさせていただいている。 全体の柱は四本となっている。 まず一つ目の柱は、投資拡大に向けて集中的支援をすべきという提案である。様々な提 案をしているが、最も重要な提案は、投資支援を複数年度の枠組みで行うべきというもの である。これは既に事例があり、例えば、AI・半導体分野では7年間で10兆円の支援、 GX分野では10年間で20兆円の支援、こういう枠組みを創設して財源も手当てをしている。 こうした良い事例は参考にすべきであって、危機管理投資・成長投資の17分野があるが、 このうち特に効果的な分野や、総理がこれだと定めた分野に対しては、複数年度で計画的 に支援をする枠組みを作るべきだという提案である。 3 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 二つ目の柱が、新分野への支援拡大の一方、既存予算の総点検をという提案である。一 昨日、日本版DOGEと言われる租税特別措置・補助金見直し担当室が片山大臣の下に設 置された。ぜひEBPMを徹底して、効果が高い事業は拡充し、効果が乏しい事業は縮減・ 廃止するという大方針を示していただきたいと考えている。 三つ目の柱が、イノベーション創出に向けた提案である。最初に指摘しているのが科研 費や運営費交付金の拡充による大学の研究力の拡充である。加えて、スタートアップ促進 に向けた公共調達の活用も提案している。つまり、新会社の設立当初で顧客がない、受注 がないが、実はきらりと光る新技術があれば、政府が最初のお客となる、そして、イノベ ーションを促進しよう、こういった提案である。 最後、四つ目の柱である。高圧経済を追い風として攻めの改革を進めるという提案であ る。これまでのデフレ期・低圧経済の下では、需要が増えず、物が売れない、新たな投資 もチャレンジもしづらいという変化しにくい環境であり、 「調整の先送り」が生じていた。 高圧経済の下でこれから成長していくという前向きな機運が醸成されれば、生産性が高い 分野にヒト・モノ・カネも集まっていく。こうした高圧経済の局面を大いに前向きに評価 すべきであり、こうした環境を生かして、昔からある産業を守るだけの守りの予算ではな く、攻めの改革を走らせることが重要だという提案をさせていただいている。 (城内議員) それでは、意見交換に移る。民間議員の皆様からご意見をいただく。 (筒井議員) 先ほど若田部・永濱両議員から説明があった2つの民間議員ペーパーに関 連して申し上げる。 まず、予算改革についてである。今後、重点分野における官民連携での国内投資の拡大 に当たり、単年度主義の弊害を是正して、補正予算頼みではなく、本予算の下で中期的な 歳出フレームを設定すること。これは、民間が予見可能性を持って投資を行うという観点 からも非常に重要である。 まずは、歳出面の重点化と効率化に取り組み、かつ歳入面でも物価や賃金の状況を踏ま えた科学的・客観的な分析に基づく歳入見積もりを提示する必要がある。こうして歳出・ 歳入両面で規律ある財政運営を内外に継続的に発信していくことが重要と考える。今回提 案した予算改革を通じて、「責任ある積極財政」の下で債務残高対GDP比の安定的な引 下げを実現し、財政の持続可能性確保と市場の信認を維持し続けることが肝要である。 次に、非社会保障歳出の重点化・効率化についてである。高市内閣が実現を目指す「強 い経済」に必要なことは、何といっても供給力の強化である。供給力の強化は潜在成長率 の引上げに資するものであり、一つは資本投入の増大、もう一つは労働生産性の向上、こ れが鍵を握る。 一つ目の資本投入については、官民連携での国内投資の拡大が一丁目一番地である。国 による環境整備が行われることと、我々経営者がマインドセットを変革して、設備投資、 研究開発投資、人的投資の拡充に積極的に取り組むこと、これらを両輪で進めていかなけ ればならない。 政府には、戦略17分野の重点投資とともに、企業経営者が中長期視点で自律的に成長投 資に取り組むことが市場で評価されるようなコーポレートガバナンス改革にも取り組ん でいただきたいと思っている。 次に、労働生産性の向上についてである。 「強い経済」を実現するマクロ政策とともに、 円滑な労働移動の推進と定着に資するミクロベースでの企業の取組や関連制度改正も重 要である。 4 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 経団連は、今月10日に「『労働移動の積極的な推進』実現に向けたアクションプラン」 を公表した。これは、社内・社外の労働移動、教育機関との連携といった観点から、直近 3年程度の取組をまとめたものである。その中で、企業は採用方法の多様化、社員の主体 的なキャリア形成の支援等に取り組むこととしている。 政府には、労働移動促進型の雇用セーフティネットへの移行とマッチング機能の強化、 働き方や職業選択に中立的な税制の構築、リ・スキリングを含むリカレント教育支援の拡 充に注力をいただきたいと考えている。 (永濱議員) まず、「物価を映す予算」に転換するという点について、恐らくこうした 予算が出てくると名目の予算金額の膨張を懸念する向きが出てくる可能性があると思う。 ということで、やはり物価高要因の見える化は、私は必須だと考えている。 具体的にどう取り組むかはこれからの議論であるが、債務残高も対GDP比で見るわけ であり、そうであれば、例えば予算額を名目GDP比で表示する。あるいは、GDPも物 価変動を除いた実質GDPという形で出しているわけであり、予算についてもインフレの 部分をデフレートした実質予算額という出し方も一つ方向性としてあるかと考えている。 それから、予算編成に関しては、これまでの予算編成を見ていると、いわゆる税収見積 もりや、利払い費を過度に慎重に見積もる傾向があり、その分、修正分が毎年の補正予算 の財源として活用されてきたということがあった。このような中で、仮に継続的に計上さ れる補正予算を本予算シフトで行うのであれば、ここの部分はもう少し精度の高い置き方 をすべき。例えば税収弾性値をきちんと見積もったり、想定金利をもう少し現実に近い想 定をしないと、引き続き緊縮予算になりかねないということであり、税収や利払い費の見 積もりの再検討が必要だと考えている。 三つ目が、資料2の最後に若干書いてあるのだが、実は財政運営の点検の際には、例え ば格付機関なども注目している利払い費対GDP比といった手法も重要になっている。た だ、アメリカだと財務省が月次報告書ということで毎月の利払いが把握できる。一方、日 本では政府の利払い費は年次のデータしか出ない。利払い費の月次もしくは四半期のデー タが公表されれば、新しい財政の健全性の指標として活用できるのではないかと考えてい る。 最後、危機管理投資・成長投資について。これはまさに世界の産業政策における潮流で あり、例えば、2016年に高圧経済論をよみがえらせたイエレン氏自身が財務長官を務めた バイデン政権下で、モダン・サプライサイド・エコノミクスというのを打ち出し、財政政 策による成長戦略を進めてきたということである。そういうことを考えると、まさにサナ エノミクスの経済政策もこの世界の潮流に沿ったものだと思うため、そういう意味では、 既に並行して進んでいる日本成長戦略会議に加えて、危機管理投資や成長投資は、2021 年から経産省の経済産業政策新機軸部会というのがあり、こちらと非常に親和性が高いと 思うので、これまでも連携していると思うのだが、より連携を密にしても良いのではと考 えている。 (南場議員) 私はいろいろなところでスタートアップと叫んでいるが、それには理由が ある。強い経済にはイノベーションが必要。そして、過去30年、イノベーションがどこで 起きているのか。例えば、私たち個人の生活に大きなインパクトを与えたイノベーション は何だろうか。インターネットで情報の検索ができない時代にはもう戻れないし、スマー トフォンがない時代にも戻れない。そして、旅行の仕方も変わった。ショッピングの仕方 も変わった。今、ChatGPTがないと生きていけないという若者も多い。このように、 5 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 私たちの身の回りで起こっているイノベーションを見ても、それらはほとんど全てスター トアップから起こっている。それは必然である。創業と廃業のダイナミズム、人材の流動 のダイナミズムがあって、イノベーションが起こる土壌がそこにあるということだ。 ミュンスター大学、ミュンヘン大学のリサーチだが、同じ100万ドルでも普通の企業に 投下するよりもスタートアップに投下したほうがイノベーションの波及効果が9倍高い という結果が出ている。こういった背景により、最も日本経済に重要なことであると思っ てお伝えしている。 そして、今、17戦略分野、6つの国家戦略技術分野に大きな資金が投下されようとして いるが、それぞれの分野の中にイノベーションを起こすために最適なメカニズムであるス タートアップを位置づけて、どうか堂々と優遇をしていただきたい。 また、公共調達は政府の意思次第でできることだが、3%と低い目標にもかかわらず半 分以下の1.4%である。経済産業省の調査では、日本のGDPに占めるスタートアップ創 出のGDPは1.85%だそうだ。その1.85%にも達していないということは応分の調達もし ていないということになると考える。ぜひともここは強い意志で3%は軽々達成して、目 標の上方修正を行っていただきたい。 補助金はスタートアップはもちろんありがたいと思うが、スタートアップは市場によっ て育てられるので、補助金を得るために政府ばかり見るべきではない。どうか政府が顧客 となって、スタートアップを育てていただきたい。先ほどの永濱議員のお話のとおりであ る。 スタートアップエコシステムについてもう一つ、資金量の違いが非常に大きい。日本で 足りないのはエンジェル投資と、ディープテック・スタートアップにとっての大きいチェ ックサイズの資金が足りていない。この両端が足りていない。 エンジェル税制に関しても、日本は頑張って拡充いただいて感謝しているが、米国のQ SBSなどと比べると効果がとても小さいし、使われていない。米国のQSBSは、投資 額の10倍を上限に売却時のキャピタルゲインが最大100%控除されるという仕組みで、相 当な資金がスタートアップに集まってきている。また、イギリスもSEISを導入するな ど、それぞれの国がすばらしい政策を行っている。 日本は実態として欧米と比べるとスタートアップエコシステムが遅れているので、それ らを超えるような制度が必要。大胆な制度をお願いしたい。 それから、ディープテック・スタートアップに対する大きなチェックサイズの資金が足 りないという話をしたが、先日、東京大学で講義をした際に学生が、自分の研究分野は世 界でナンバーワンの自信があるが、北米のライバル研究者がスタートアップを設立して 1,000億円を調達して萎えたという話をしていた。 例えば、量子コンピューターのスタートアップの資金調達額ランキングは、1位が米国 のPsiQuantumが1,900億円。そして、日本ではQunaSysが1位だが、30 億円である。30億円と1,900億円と二桁の違いがある。これだけ重要な分野でもこれだけ のギャップがある。 ただ、いいニュースもある。日本の研究レベルが高いと海外のキャピタルリストが徐々 に目を向け始めている。日本の技術シーズのグローバル市場での展開を支援したいという キャピタルリストが世界で出てきているので、そういった資金の呼び込みをするためにど うしたら良いのかということを徹底して検討して、実施していただきたい。 もう一つ、教育について、高市総理のホームページを拝見した。基本理念で教育が一番 6 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 大きいスペースが割かれている。日本の最大の資産は人材で、まさにここが重要なポイン トである。この人材の教育が、今はイノベーションを起こすために最適になっていないし、 グローバル人材を率いてことを成す人材も育ちにくいため、短期的には留学の爆増という ことをやらなければならないし、並行してより本質的には教育改革をしていかなければな らない。産業界が必要とする人材と現状の教育制度は大きなギャップがあるので、ぜひ高 市教育改革を始めていただきたい。 最後に、財政に関しては、予算改革として租税特別措置・補助金見直しやEBPMとい った、「量」のみならず「質」を重視する取組を徹底されることを期待する。 政府は、規律ある財政運営に努め、国民の理解を得つつ、市場の信認を大前提にしたマ クロ経済政策を展開し、中長期の財政の持続可能性を継続的に確保することが不可欠であ る。 (若田部議員) まず、補正予算についてコメントする。 私は、規模は非常に適切であったと考える。内容面においても、家計への支援というこ とに大変な配慮をなされたというのは良かったと思う。 もう一つ、コミュニケーションの部分だが、この補正予算を含めても債務残高対GDP 比がしっかりと下がっていくという絵姿になったというのは良いことだと思う。 ただ、先ほど永濱議員もおっしゃっていたが、本日も報道があった、税収の見通しが過 去最高の80.7兆円に上るということで、実は2025年度の本予算との合計での新規国債発行 額は40.2兆円で、2024年の42.1兆円を下回ることは確実になったということだ。それはそ れで財政の健全化への配慮という意味では望ましいといえば望ましいのだが、税収の見通 しのずれは気になるところなので、中長期の経済財政に関する試算などでも税収弾性値な どを点検していきたいと思う。 また、本予算については、「要求・要望は賃金や調達価格の上昇を踏まえて行い、予算 編成過程において物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直しも踏まえ、経済動向、物価 動向等を適切に反映」されるということなので、そのような形でお願いしたいと思う。 租税特別措置・補助金見直し担当室についてだが、これは俗称サナエノミクスの非常に 重要なパートだと思う。ただ、全体として投資を減らさないことが大事なので、投資の総 額は増やす方向で、無駄はカットするという方針が必要ではないかと思う。一時期あった 事業仕分けのようなことがないことを祈っている。 二番目に大きく申し上げたいのは、「責任ある積極財政」という言葉が色々と使われる と、これに対する批判などもいろいろと寄せられている。これは謙虚に受け止めるべきだ と思うが、大きく言って三つぐらいあると思う。一つは、いわゆるばらまきではないかと いうこと。二つ目に、今回はどう違うのか、これでなぜ成功できると言えるのかと。三番 目に、人手不足で大変苦しんでいる中で、本当にその投資が実際に出てくるのか、供給制 約がものすごく厳しいのではないかということだと思う。 最初のばらまきに対する批判は、もう既にコミュニケーションでやっているように、 「責 任ある」というのが債務残高対GDP比の安定的な低下を意識して、利払い能力も見まし ょうと。成長すると、それによって上昇する。金利が上昇するというのは王道の経路なの で、そういった意味ではばらまきという批判は当たらないと思う。 それと、先ほど南場議員からお話があったように、俗称サナエノミクスの非常に重要な パーツは質を見るということなので、その部分の質を危機管理投資・成長投資ということ に限定して支出するということだ。先ほど申し上げた租税特別措置・補助金見直し担当室 7 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 の開設も、そういった質の確保に重要であると。 それと、なぜうまくいけるのかというところは、まさに質の部分に関わるわけで、防衛、 科研費あるいは運営交付金の増額、インフラ、人への投資、教育など、成長率そのものと 供給力を高める分野に重点化することが重要であるということで、効果の低い事業は随時 縮小していく。ここでもある種の新陳代謝みたいなことを考えているということだと思う。 最後に、本当に出てくるのか、つまり、人手不足の中で人が出てくるのかということだ が、確かに需要だけが深刻な人手不足の中で増えると、物価を押し上げるだけになると思 うが、全体としては労働力人口は実は微増ではあるものの増えていて、たしか昨年は0. 5%ぐらい増えているような状況だ。その上で、スタートアップであるとか、人材育成、 リ・スキリング、女性や高齢者の就労支援など、分野横断課題を一体的に捉えて、供給力、 生産性を高める投資を優先し、賃金と生産性を同時に引き上げていく。こういう視点で「責 任ある積極財政」というのは臨んでいるのだということを、これから先も人口に膾炙させ たいと思う。 (城内議員) 閣僚の皆様からご発言をお願いする。 まず、片山財務大臣から、財政制度等審議会の建議の方向についてご説明いただく。 (片山議員) 資料4に建議の方向が出ているが、財政審においては今この方向で検討が 行われている。 まず、1ページ目の総論である。人口減少・供給制約の下、持続的な経済成長を実現す るためには、イノベーション、資本、労働を強化し、供給力の強化に取り組み、「強い経 済」を構築することが重要である。また、戦略的な財政運営を行うと同時に、財政に対す る市場からの信認を確実なものとすることも重要である。今後の想定外の有事に備えるた めにも、債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政余力を確保することが重要。こう いった指摘がなされる方向だ。 2ページ目の各論である。社会保障、地方財政など、各分野が取り上げられており、特 に社会保障分野については、保険料負担の抑制努力の継続と経済・物価動向等への的確な 対応を両立させる必要がある。診療報酬改定では、経営の改善や処遇改善につながる的確 な対応を行いつつ、保険料負担軽減のための診療所分や調剤報酬の適正化、医療保険制度 改革を進めることが不可欠などのご指摘がなされている。 加えて、民間議員のご提言についても併せて申し述べ。まず、「社会保障改革元年」に ふさわしい予算となるよう、給付と負担のバランス確保、現役世代の負担軽減といった課 題に厚生労働大臣とともに取り組んでいく。 また、投資の予見可能性を高めるための中長期的なフレームについては、AI・半導体 などの先行事例を参考にしながら、今後、新たな財源確保の枠組みを検討し、市場からの 信認を確保していく。 租税特別措置や補助金・基金については、これまでも適正化の観点から点検・見直しを 行ってきたところだが、こうした取組は総論賛成、各論反対になりがちである。 効果的に取り組むためには、要求官庁にもご尽力をいただき、要求段階から効果検証を 進めていくこと、民間議員からもご指摘をいただいた経済・財政一体改革推進委員会の取 組や行政事業レビューなどの既存の取組を活用していくことが重要と思っている。 先日発足した租税特別措置・補助金見直し担当室においては、関係府省としっかり連携 して、全力でご指摘を踏まえて取り組んでいく。 (林議員) 総務省においては、地方自治体が防災・減災対策、DX・GXの推進、こど 8 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 も・子育て政策の強化などの重要課題に取り組んで、持続可能で活力ある地域社会を実現 できるよう、これまでもしっかりと地方財政措置を講じてきたところである。 引き続き、地方自治体がこうした重要課題に的確に対応できるように取り組んでいく。 (赤澤議員) 「強い経済」の実現のためには、日本経済の供給構造を危機管理投資・成 長投資によって強化をし、日本企業の稼ぐ力を高め、物価上昇を上回る賃上げ実現につな げることが重要である。 危機管理投資・成長投資については、先日閣議決定された総合経済対策において、民間 企業による投資を引き出すべく、複数年度の予算措置を用いることや、税制を含む財政支 出の将来の増減収効果を織り込む分析を導入することとされている。 経済産業省としては、AI・半導体やGXに続き、新技術立国・競争力強化の担当大臣 として、造船、量子、重要鉱物など経済安全保障上重要な分野における危機管理投資に関 する新たな財源確保の枠組みについても検討に着手をする。 その上で、現在要求中の研究開発税制の強化、大胆な設備投資促進税制の創設などを通 じて、官民の積極的な投資を引き出していく。 さらに、成長投資を通じて中長期的な企業価値を高めるための方針を取りまとめるとと もに、先端技術の支援や社会実装の担い手であるスタートアップの支援に取り組み、稼ぐ 力を強化していく。 その上で、現状維持ではなく、 「稼ぐ力」強化と賃上げの好循環を実現していくために、 官公需も含めた価格転嫁、取引適正化を徹底するとともに、労働供給制約社会の中堅・中 小企業の「稼ぐ力」強化戦略の検討に着手していく。 永濱議員からご指摘のあった新機軸部会は、そもそも私が新技術立国・競争力強化の担 当大臣になったので、そこの部会の成果物というか、非常に大事なものだと思っているの で、しっかりやってきたいと思う。 民間議員がご指摘のように、張り切って挑戦する人や企業が報われる経済構造への転換 が重要であり、賃上げをしても可処分所得が増えない、あるいは「稼ぐ力」を強化しても 収益が圧迫されるといったことがないように、保険料負担軽減のための「社会保障改革元 年」と若田部議員がおっしゃったこの取組に、中小企業を所管する経産大臣としても真摯 な努力をしたいと考えている。 先般、閣議決定された総合経済対策を着実に実行しながら、日本を新たな成長型経済へ と移行させることを通じ、「強い経済」を実現させていく。 (城内議員) スタートアップ担当大臣として、南場議員のご指摘をしっかり踏まえて対 応させていただきたいと思う。 それでは、予算編成の基本方針については、今後の与党との調整も踏まえ、次回の経済 財政諮問会議において取りまとめたいと思う。 プレスに入室いただく。 (報道関係者入室) (城内議員) 総理から締めくくりのご発言をお願いする。 (高市議長) 本日の会議では、予算編成の基本方針と来年度予算に向けた課題について 意見交換を行った。 先日、21日に総合経済対策を取りまとめた。今後、その裏づけとなる令和7年度補正予 9 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議 算を編成し、早期成立を図るとともに、成立後、速やかに執行して、一刻も早く国民の皆 様に支援をお届けしなくてはならない。城内大臣におかれては、関係大臣と連携し、施策 の早期執行に向けた適切な進捗管理をお願いする。 令和8年度予算編成については、「責任ある積極財政」の考え方の下、令和7年度補正 予算と一体となって編成し、危機管理投資と成長投資によって潜在成長力を引き上げ、 「強 い経済」を実現するとともに、経済成長を通じて税収を増やし、財政の持続可能性を実現 することを目指す。 成長型経済への転換を図るに当たって、まず、物価上昇を適切に反映した予算とする。 そして、EBPMなどによって政策の実効性を検証し、国民生活の下支えや経済成長に資 すると期待される施策は大胆に重点化する。一方で、そうした効果が乏しい場合は見直す など、歳出・歳入両面で「強い経済」を支える財政構造の転換を図っていく。 なお、近年、大規模な補正予算が常態化する中、必要な予算は当初予算で積むことはと ても必要なことだと私は考えている。今後、こうした予算の在り方についても議論を行っ ていくが、令和8年度予算編成においても、予算全体のメリハリをつけていく、この作業 を行う中で取組を少し前に進めていく。城内大臣におかれては、与党とも連携して予算編 成の基本方針を取りまとめてください。 今後の予算編成の課題として、民間議員の皆様から、来年度予算から「物価を映す予算」 として、その反映状況を国民の皆様に分かりやすく示すこと、スタートアップからの公共 調達拡大など、我が国の先端技術を開花させる取組の促進、また、租税特別措置・補助金 見直し担当室や、EBPMの活用を通じた歳出の「質」の向上、「社会保障改革元年」と して、給付と負担のバランス確保、現役世代の負担軽減といった全世代型社会保障の構築、 そういったご提案をいただいた。これらの課題については、来年度予算から確実に反映し ていただくようお願いする。 このほかにも、民間議員の皆様から、人材育成の強化、教育、そして、AI・半導体な ど、先行事例を参考とした、官民の予見性を高める観点からの中長期の予算枠組みの構築 についてもご提案をいただいた。今後の経済財政諮問会議でも、こうした議論をぜひとも 深めていただくようにお願い申し上げる。 (城内議員) プレスはご退出をお願いする。 (報道関係者退室) (城内議員) 以上をもって本日の会議を終了する。 (以 上) 10 令和 7 年第 13 回経済財政諮問会議

資料1

経済財政諮問会議(令和7年第13回)議事次第 令和7年11月27日(木) 18時00分~18時45分 総理大臣官邸4階大会議室 1. 開 会 2. 議 事 (1) (2) 令和8年度予算編成の基本方針(原案) 来年度予算に向けた課題① 3. 閉 会 (資料) 資料1 資料2 資料3 資料4 令和8年度予算編成の基本方針(案) 責任ある積極財政に向けた予算改革 ~物価を映す予算・中長期枠組み・政府効率化の三位一体で信認確保を~ (有識者議員提出資料) 責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点化・効率化 (有識者議員提出資料) 財政制度等審議会の建議の方向(片山議員提出資料)

資料2

資料1 令和8年度予算編成の基本方針(案) 1. 経済財政運営の基本的考え方 (1)経済の現状認識 ① 我が国経済は、名目GDPが 600 兆円を超え、賃上げ率も2年連続 で5%を上回るなど、 「デフレ・コストカット型経済」から、その先に ある新たな「成長型経済」に移行する段階まで来た。また、財政状況に ついて、プライマリーバランスは改善傾向にあり、政府債務残高対GD P比も低下している。 ② 足元の景気は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみ られるものの、緩やかに回復している。しかし、潜在成長力は伸び悩み、 賃金の伸びは物価上昇に追いつかず、食料品を中心とした物価上昇に より、個人消費は力強さを欠いている。 そうした中にあって、米国関税措置に関する日米協議は合意に至っ たものの、世界経済の先行きには不透明感がある。また、国内において も、少子化や地方の衰退といった早急に克服すべき構造的な課題があ る。 (2) 経済財政運営の基本的考え方 ① こうした現状に対し、まずは、生活の安全保障・物価高への対応、危 機管理投資・成長投資による「強い経済」の実現、防衛力と外交力の強 化を3つの柱とする「「強い経済」を実現する総合経済対策」 (令和7年 11 月 21 日閣議決定。以下「令和7年度総合経済対策」という。 )を策 定した。その裏付けとなる令和7年度補正予算の早期成立を図り、その 成立後には、できる限り速やかに関連する施策を実行する。その上で、 令和8年度の予算編成に取り組み、切れ目のない経済財政運営を行う。 ② 今後、安定的な物価上昇とそれを上回る持続的な賃金上昇が実現す る「成長型経済」への転換を図るにあたり、経済財政運営のあるべき姿 は、将来世代への責任を果たす「責任ある積極財政」である。官民が力 1 を合わせ「危機管理投資」と「成長投資」を進めて社会課題を解決し、 「暮らしの安全・安心」を確保するとともに、雇用と所得を増やし、潜 在成長力を引き上げ、 「強い経済」を実現していく。財政や社会保障の 仕組みについても物価と賃金の上昇に適切に対応した仕組みへの転換 が求められる。 こうした中、経済成長を通じて税収を増やし、成長率の範囲内に債 務の伸びを抑制し、政府債務残高対GDP比を引き下げていくことで、 財政の持続可能性を実現し、 「強い経済」の実現と財政健全化を両立さ せていく。 2. 令和8年度予算編成の考え方 ① 令和8年度予算編成は、令和7年度補正予算と一体として、上記の経 済財政運営の基本的考え方に沿って行う。経済と財政はいずれも国民 のためのものであり、広く国民に恩恵が行きわたる予算編成を行う。 ② 令和8年度の予算編成においては、 「経済財政運営と改革の基本方針 2025」 (令和7年6月 13 日閣議決定)等における重要政策課題に加え、 高市内閣が掲げる「強い経済」の構築に向けた重要施策 1に対して必要 な予算・税制上の措置等を確実に講じ、予算等を重点化しつつ(別紙) 、 「経済・財政新生計画」に基づき、歳出・歳入両面から改革を推進する。 既存経費等については、物価上昇に合わせた公的制度の点検も踏ま えつつ、経済・物価動向等を適切に反映する。EBPM 2やPDCA 3に よって政策の実効性を検証し、国民生活の下支えや経済成長に資する と期待される施策(支出や税制)は大胆に重点化する一方、そうした効 果が乏しい場合には見直すなど、歳出・歳入の両面で、 「強い経済」を 支える財政構造への転換を図る。 ③ 特に、社会保障については、物価や賃金の上昇等に加えて、人口や世 帯構成の変化により、受益と負担のバランスが変化する。このため、制 度の効率化や資源配分の最適化を図り、保険料等の国民負担の増加を 1 例えば、 「総合経済対策に盛り込むべき重点施策」 (令和7年 11 月 10 日日本成長戦略会 議)に盛り込まれた危機管理投資・成長投資に関する 17 の戦略分野と分野横断的課題。 2 Evidence Based Policy Making の略称。証拠に基づく政策立案をいう。 3 企画立案(Plan) 、実施(Do) 、評価(Check) 、改善(Act)をいう。 2 抑制することが重要となる。全世代型社会保障の構築を通じ、応能負担 の徹底等、各種の制度改革を行うことで、持続可能な社会保障システム の確立を図る。 こうした観点から、 「令和7年度総合経済対策」に記載された社会保 障制度改革の取組を着実に実行する。その上で、給付付き税額控除の制 度設計を含めた「税と社会保障の一体改革」について国民的議論を進め るため、「国民会議」の早期設置に向けた議論を進める。 ④ 歳入面については、応能負担原則を踏まえた負担の公平性の確保等 の観点から、不断の見直しを検討する。また、必要に応じて、物価の上 昇を踏まえた制度的対応を図る。 ⑤ なお、補正予算は、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となっ た経費の支出等のために編成されるものであるが、近年は、常態化する と同時に規模が拡大している。今後、経済財政諮問会議等において、こ うした予算の在り方についても、議論を進める。 3 (別紙) 主な施策 ○ 中小企業・小規模事業者を始めとする賃上げ環境の整備 地域の中堅・中小企業が持続的かつ安定的に賃上げを行える環境整 備として、適切な価格転嫁や生産性向上、経営基盤を強化する事業承 継・M&Aを後押しするなど、中堅・中小企業の成長と賃上げを可能 とする施策を総動員する。国又は地方公共団体の官公需においても、 労務費・物価の上昇を踏まえた価格転嫁を徹底する。 ○ 危機管理投資・成長投資の推進 AI・半導体、造船、量子、フュージョンエネルギー、バイオ、航 空、宇宙等の 17 の戦略分野、スタートアップを含む分野横断的課題へ の取組を通じ、官民連携の戦略的投資を促進し、GX・DX、経済安 全保障、エネルギー・資源安全保障の強化、農林水産業の持続的な成 長等による食料安全保障の確立を図る。 ○ 未来に向けた投資の拡大 科学技術・イノベーションを推進する。コンテンツ分野、文化芸術 及びスポーツの振興を推進する。医療・介護DX等を推進し、健康医 療安全保障を構築する。大学振興等を通じ、イノベーションを興すこ とのできる人材育成を進める。 ○ 防災・減災・国土強靱化の推進 東日本大震災からの復興・創生に加えて、令和6年能登半島地震を 始めとする自然災害からの復旧・復興に全力で取り組む。令和8年度 中の防災庁の設置に向け、事前防災の徹底や災害対応力の強化など防 災体制の充実・強化を図る。 「国土強靱化基本計画」及び「第1次国土 強靱化実施中期計画」に基づく取組を着実に推進する。 ○ 地方の伸び代の活用と暮らしの安定 子供・子育て政策を含む人口減少対策の検討を進めるとともに、安心 して働き、暮らせる地方の生活環境や付加価値創出型の新しい地方経 済の創生を図る。包摂的な地域共生社会を実現するとともに、孤独・孤 立対策、治安の確保や外国人問題への対応を強化する。質の高い公教育 の再生や教育無償化への対応を進める。 4 (別紙) ○ 防衛力強化と外交・安全保障環境の変化への対応 「国家安全保障戦略」等に基づき、防衛力の抜本的強化を推進すると ともに、防衛力の中核たる自衛隊員の処遇改善に取り組む。日米同盟 を日本の外交・安全保障政策の基軸とし、基本的価値を共有する同志 国やグローバル・サウス諸国との多角的な連携を拡大するなど「自由 で開かれたインド太平洋(FOIP) 」の実現に向けて、力強い外交・ 安全保障政策を推進する。 5

資料3

資料2 責任ある積極財政に向けた予算改革 ~物価を映す予算・中長期枠組み・政府効率化の三位一体で信認確保を~ 2025 年 11 月 27 日 筒井 義信 永濱 利廣 南場 智子 若田部昌澄 2025 年 7–9 月期は6四半期ぶりのマイナス成長となり、食料品を中心としたコストプッシュインフ レにより物価上昇率も3%程度と高い水準で推移している。こうした状況で政権を受け継いだ高市 内閣の使命は、「暮らしの安全・安心」を確保するとともに、「強い経済」を実現することである。 そのためには、補正予算を早期に編成・成立させて迅速・適切に執行するとともに、「責任ある積 極財政」の考え方の下、危機管理投資・成長投資に必要十分な財政措置を行う必要がある。財政 健全化に向けた取組との整合性を確保する観点から、中長期的な枠組みの下で予見可能性を高 めつつ、重要政策課題に重点化しながら、官民が力を合わせて投資を拡大していくための財源や 当初予算の在り方を、今後、経済財政諮問会議で継続的に検討していくことが重要である。 そこで、今後の予算改革にあたっては、以下の四つの柱を重視すべきことを提案する。 (1)物価・賃金を正面から織り込む「物価を映す予算」       インフレが復活した世界を踏まえれば、従来のデフレ期のように「物価横ばい」を暗黙の前 提にした予算編成は適切ではない。 物価上昇が継続し、これにより税収が増加する状況の下で、来年度予算においては、物価 上昇率を一つのメルクマールとして歳出の伸びに適切に反映するとともに、歳出改革を継 続し、メリハリある予算編成、ワイズスペンディングの観点から、いわば現場のコスト上昇を正 面から認めつつ、その範囲内での選択と集中を行う「物価を映す予算」への転換が必要で ある。具体的には、 医療・介護等の分野について、経済・物価動向等を踏まえた賃上げの在り方を検討すること、 などを通じて、現場のコスト上昇への対応と優先度に応じた配分の両立を図ることが重要で ある。 税制についても、国・地方問わず、物価上昇に連動して各種控除額等の閾値を引き上げる 仕組みを構築することを検討することが重要である。 あわせて、こうした取組を国民に分かりやすく示すため、以下の「見える化」を進めるべきで ある。 各分野の予算について、価格・賃金上昇をどの程度踏まえたのか、また歳出改革・効率化 をどのように織り込んだのかを、説明できる形で編成・公表する。 【社会保障】①高齢化・高度化による増加分に相当する伸び、②経済・物価動向等を踏ま えた対応分、③歳出改革による効率化分、を分けて示す。 【非社会保障】価格上昇をどの程度反映しているか、どの程度効率化を進めているかを示 せるよう取り組む。 1  これにより、賃上げや物価上昇を前提とした価格設定・投資判断がしやすくなり、民間部門 の前向きな行動と整合的な財政運営が可能となる。 (2)予見可能性を高める予算の「中長期枠組み」  単年度主義と補正予算偏重は、現場の計画的な投資と人材確保を妨げるとともに、財政全 体の持続可能性に対する不透明感を高めてきた。  AI 半導体・造船・エネルギー安全保障・マテリアル等の 17 分野の危機管理投資・成長投資 については、単年度主義の弊害を是正し、今後は AI 半導体や GX などを参考に本予算に よる中期的な歳出フレームを設定することも視野に設計すべきである。  その財源については、予見可能性をもって投資を進められるよう計画的に確保することとし、 市場の信認を大前提として、成長率の範囲内に政府債務残高の伸び率を収め、政府債務 残高対 GDP 比が安定的に低下させることと整合的にすべきである。その際、こうした投資が 成長力を強化し将来の税収につながる視点も加味するかどうかも論点となる。  さらに、単年度主義の弊害を是正し、継続的に補正予算に計上してきた経費について、当 初予算への計上の在り方を今後の課題として検討すること等を通じて、予算の中長期枠組 みのもとで官民の予見可能性を高めることが重要である。 (3)「租税特別措置・補助金見直し担当室」と EBPM による歳出の質の向上  高圧経済 1のもとでも、歴史的役割を終えた歳出を温存すれば、民間主導の持続的な成長 を妨げ、財政運営に対する信認を損ねる懸念。  この度、政府全体の補助金や租税特別措置を横断的に点検する租税特別措置・補助金見 直し担当室を設置することとなったが、これまでの経済・財政一体改革推進委員会との関係 を整理し、効果的なレビューを継続的に担う体制を整えるべきである。  具体的には、 補助金・基金・租税特別措置について、評価の頻度・方法、人員体制等を含む総点検の 仕組みを整備すること、 各省庁が主要事業について事前・事後評価の指標と期限を明示し、その結果を踏まえて 継続・拡充・見直し(必要に応じて縮減を含む)を行う運用を徹底すること、  また、予算の執行状況や決算をチェックし、EBPM を通じて政策効果を検証し、特に成長戦 略に関する 17 分野の支援策について効果検証を強化すべき。こうした取り組みを通じて 「量」だけでなく「質」で評価される予算へと転換していく必要がある。 (4)財政の持続可能性と市場の信認を軸にした「責任ある積極財政」  今後、官民連携で危機管理投資・成長投資を行う中で、財政の持続可能性の確保と市場 の信認を維持し続けることが最も重要である。 1 「高圧経済」とは、米国の経済学者アーサー・オークンらが分析した概念であり、景気や雇用が強く、総需要が 高い状態を指す。こうした局面では、投資拡大や賃金上昇、労働移動の活発化を通じ、生産性や供給力の向上 にも寄与すると考えられている。 2   そのために、政府債務残高対 GDP 比を安定的に引き下げること、数年単位で PB のバラン スを確認することに加え、利払い費対 GDP 比も合わせて、様々な指標を多角的に、「科学 的、冷静、客観的、360 度の目線」で財政運営を点検することを柱とする新たな枠組みの下 で、金利・為替・株価など市場の動向に常に目を配り、市場からの信認を確保するためのリ スクマネジメントを徹底する「責任ある積極財政」を進める必要がある。 以上のような枠組みのもとで、一方では社会保障分野で給付と負担のバランス確保、現役 世代の負担軽減といった全世代型社会保障の構築を実現する「社会保障改革元年」の当 初予算とするとともに、給付付き税額控除の制度設計に着手し、他方では非社会保障分野 で危機管理投資・成長投資への重点化・効率化を通じて、張り切って挑戦する人や企業が 報われる経済構造への転換を図ることで「財政の信認確保」を共に進めることが求められる。 3

資料4

資料3 責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点化・効率化 2025 年 11 月 27 日 筒井 義信 永濱 利廣 南場 智子 若田部昌澄 (1)「危機管理投資・成長投資」と「分野横断課題」への集中  非社会保障歳出については、AI・半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙、デジタル・サイ バーセキュリティ等の戦略分野(17 分野)に代表される「危機管理投資・成長投資」に重点を 置くべき。これらの分野について、官民が連携して大胆な投資促進・国際展開支援・人材育 成・研究開発・国際標準化等を総合的に進めることで、「強い経済」と安全保障の両立を図 ることが重要である。  また、これらの戦略分野を底支えする「分野横断的課題」として、「新技術立国・競争力強化」 「人材育成」「スタートアップ」「金融を通じた潜在力の解放」「労働市場改革」「介護・育児等 の外部化など負担軽減」「賃上げ環境整備」「サイバーセキュリティ」が位置付けられている。  こうした中、危機管理投資・成長投資の戦略分野については、今後は AI 半導体や GX など を参考に複数年度にわたる本予算による中期的な歳出フレームを設定することも視野に財 源とともに検討を進め、民間投資の予見可能性を高めるとともに、分野横断課題についても 研究開発・人材投資・リスキリング支援・金融・労働市場改革等を一体として推進するべきで ある。  併せて、戦略 17 分野に係る支出について、スタートアップ・新規参入企業に向ける投資の 比率目標の設定を行うなどにより、新しい担い手への資金・機会の配分を促すべきである。 (2)危機管理投資を支える「総点検」と租税特別措置・補助金見直し担当室  高市内閣が掲げる「危機管理投資」を本当に必要なだけ機動的に拡大するためには、既存 の非社会保障歳出の中から、効果の乏しい事業や役割を終えた事業を計画的に整理し、 財源を捻出することが不可欠である。  補助金・基金・租税特別措置について、租税特別措置・補助金見直し担当室を中心に総点 検を行い、EBPM により政策効果が確認された事業については延長・拡充を検討し、効果 が乏しいものについては、縮減・廃止も含めた見直しや、効果を高めるための改善を講ずる というルールをあらかじめ明確化することが重要である。効果検証に当たっては、中長期の 視点や経済価値以外の効果の視点を入れるなど適切な評価軸を確立すべき。  地方関連歳出についても、人口減少・災害リスク・経済効果を踏まえた全国的な観点からの 点検を行い、従来型のハコモノ・ばらまき的事業から、防災・減災、エネルギー・デジタルイ ンフラ、子ども・人材への投資など、地域のレジリエンスと「稼ぐ力」を高める危機管理投資・ 成長投資へ重点配分を進めるべきである。 1 (3)「新技術立国」とスタートアップ・人材流動を支える分野横断投資  2025 年ノーベル経済学賞は、イノベーションが経済成長に繋がるメカニズムを研究した3氏 モキイア、アギヨン、ハウィットが受賞した。このように、経済成長と生活水準の向上には、新 知識の創造、絶え間ないイノベーションの創出が欠かせない。2040 年に向けて「科学技術 立国」「貿易・投資立国」を確立するには、AI・半導体、ロボット、量子、フュージョン、通信、 バイオ、宇宙、コンテンツなど成長分野への国内投資拡大と、絶え間ないイノベーションの 創出が不可欠である。  このため、大学の統合・再編、組織改革・マネジメント改革、出口における質保証等大学の 評価とあわせて、科研費や運営費交付金の拡充等による基礎研究・大学研究力の抜本強 化を、横断的な最優先課題の一つとして位置付けるとともに、従来型大学の枠組みを超え た沖縄科学技術大学院大学の横展開を検討する。また、官民データ連携や社会全体の DX、 スタートアップ育成 5 か年計画の完遂等を通じて、研究成果が新産業・新事業につながる土 壌を整備すべきである。  スタートアップについては、スタートアップ投資に対する税制措置を、米国 QSBS・英国 SEIS 等も参考にしつつ、内外からより資金が集まりやすくなるような中長期的な制度設計を行う。 また、政府調達におけるスタートアップ比率(現状約 1.4%)に関しては、目標とする 3%の早 期達成と目標の引き上げに向け、各府省の調達方針・仕様の見直しに着手するとともに、 「公共部門がイノベーションの最初の顧客」となる仕組みを強化することに着手すべき。  あわせて、労働移動の円滑化・リスキリング支援・長期留学の抜本拡大・高度専門人材の呼 び込み等を通じて、生産性の高い企業・産業への人材流動を賃上げと結びつけ、人材・研 究・スタートアップ・金融が相互に補完し合う「新技術立国」「スタートアップ立国」「資産運用 立国」のエコシステムを形成するべきである。 (4)「攻めの改革」を進める:高圧経済を追い風として  「高圧経済」のもとでは、価格・賃金・金利のシグナルを通じて、非効率な事業から成長分野 へのヒト・モノ・カネの移動が起こりやすい。この局面は、デフレ期・低圧経済のもとで見られ た「調整の先送り」と対照的な状況であり、資源配分の適正化や改革を進めやすい。  したがって、高圧経済の局面を前向きに捉えつつ、責任ある積極財政のもとで「攻めの改革」 を同時に走らせることが重要である。高圧経済に向けた政策運営を「改革の追い風」と位置 付け、危機管理投資・新技術立国・スタートアップ立国を通じて、張りきって挑戦する人や企 業が報われる経済構造への転換を図ることを非社会保障分野の歳出改革の基本スタンスと すべき。 2

資料5

資料4 財政制度等審議会の建議の方向 令和7年11月27日 片山議員提出資料 令和8年度予算の編成等に関する建議の方向 Ⅰ:総論 1.経済・物価動向 • 経済については、名目・実質GDPは過去最高水準、物価は上昇傾向が継続。我が国の経済は供給制約に直面する中で、「成 長型経済」に移行できるかどうかの分岐点にいる。 • 人口減少・供給制約の下、持続的な経済成長を実現するためには、イノベーション、資本、労働を強化し供給力の強化に取り組 み、「強い経済」を構築することが重要。 2.財政健全化の状況及び今後の財政運営に係る考え方 • これまでも、防衛、子ども、GX、AI・半導体といった重点分野への投資は、複数年度にまたがる計画等に基づき、財源を確保 しながら積極的・計画的に実行。「強い経済」の構築に向け、官民の積極的な投資の促進など戦略的な財政運営を行うと同時 に、財政に対する市場からの信認を確実なものすることが重要であり、経済再生と財政健全化を両立。 • 予算編成においては、日本経済が新たなステージに移行しつつあることが明確になる中で、経済・物価動向等を適切に反映。あわ せて、社会保障制度改革に取り組み、現役世代の社会保険料負担を最大限抑制することが重要。 • 金利の上昇により、利払費は増加。想定より1%上昇した場合、利払費は2025年度の10.5兆円から2034年度には34.4兆 円に増加(令和7年度の社会保障関係費38.3兆円)。 • 過去、金融危機や自然災害等の有事が一定の頻度で発生し、債務残高対GDP比は非連続に大きく上方シフト。今後、想定外 の有事が発生した場合にも、必要となる財政措置を講じることができるよう、債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政 余力を確保することが重要。 1 令和8年度予算の編成等に関する建議の方向 Ⅱ:各論 1.社会保障 ・ 保険料負担の抑制努力の継続と経済・物価動向等への的確な対応を両立させる必要。経済・物価動向等への対応による保険料負 担の増により賃上げの成果が損なわれてはならず、保険料負担の抑制努力とあわせて極力、可処分所得の拡大につながる内容とすべき。 ・ 診療報酬改定では、医療機関の経営データを活用し経営改善や処遇改善につながる的確な対応を行いつつ、保険料負担軽減のため 診療所分や調剤報酬の適正化が不可欠。OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しなど医療保険制度改革も揺るぎなく進めるべき。 2.地方財政 ・ 地方財政の健全化の取組を着実に進めつつ、メリハリの効いた予算編成を行うと同時に、地方税源の偏在是正といった都市と地方の 支え合いの確保に一層取り組むことが重要。 ⾃治体DXや広域的なインフラマネジメントを推進し、歳出効率化を図っていくことが重要。 3.防衛 ・ 外交力・経済力等も含む総合的な国力が重要。有事の財政需要の拡大に対応するため、経済・財政面の体質強化を図る必要。 今後の防衛力強化に必要な予算は、数字ありきではなく、真に必要な防衛力を積み上げていくことが必要である。 4.文教・科学技術 ・ 人口減少下でも教育の質を確保する観点から、義務教育について教員の働き方改革と学校規模の適正化等を進めるとともに、高等 教育についても、大学の統合・縮小・撤退を促進すること等が必要。科学技術分野については、予算の増額ありきではなく、研究力向上 の構造的な阻害要因への対処、官民の役割分担の在り方など、抜本的な見直しが必要。 5.社会資本整備 ・ 公共工事の過度な増大が民間工事の円滑な施工等に悪影響を及ぼす「クラウディングアウト」を引き起こすことのないよう留意すべき。 整備新幹線については、国民負担・住民負担の一層の適正化のためには、接続利益等を反映した適切な貸付料を設定する必要。 6.農林水産 ・ 農業者の減少が進む中、農業の生産性向上に向け、農地の集約化を進める必要。今回の米価高騰における流通段階でのマージンの 拡大要因を分析する必要。民間在庫の一部を「民間備蓄」として活用することを含め、効率的な備蓄運営を検討する必要。令和9年 度からの水田政策の根本的な見直しに当たり、将来の地域農業を担う経営体の前向きな取組に対する支援の重点化を検討する必要。 7.国内投資・中小企業等 ・ 補助金での支援は政策効果等の不断の検証を行い、真に効果が認められるものに限定すべき。長期的にリターンが期待できる分野 は金融支援の活用を前提とすべき。中小企業支援は、きめ細やかな伴走支援、価格転嫁対策の強化、金融支援の活用等が必要。 ※ 上記のほか、「外交」「デジタル」についても、各分野において取り組むべき事項を記載予定。 2
経済財政諮問会議 2025年11月27日 議事録・配布資料全文 | PPPT