ワイヤレス分野におけるインフラ投資や人材不足等の諸課題を整理し、オープンRANやvRAN、AI RANといった技術トレンドによる解決策を提示している。
タグ: ワイヤレス通信, インフラ投資, オープンRAN, vRAN, AI RAN, 技術開発
1 背景(ワイヤレス分野の諸課題、技術トレンド) 34 ワイヤレス分野の諸課題 インフラ投資判断の不確実性の課題 通信基盤整備には莫大な投資が求められるが、新技術に関する市場の立ち上がり時期の不透明性等により、インフラ投資が十分に行えていない状況。また、市場ニーズに応じた製品化への取組が不十分。 通信機器のコモディティ化、サプライチェーンの維持・強化の課題 通信機器の標準化により、コモディティ化が加速。各社ともハードウェア事業では市場シェアを求めて、価格競争が進行。機能、付加価値がデバイスとソフトウェアに集約。また、海外ベンダーの寡占化によって、国内技術基盤と自律性が弱体化、国内ベンダーは非常に厳しい状況。また、ベンダーロックインによって、柔軟なネットワーク構築が困難になりつつある懸念。 ワイヤレス人材の確保・技能継承の課題 市場の縮小と将来の不透明化によって、ワイヤレス人材の確保が困難。大学や企業における教育・研究環境としての人材育成機能は弱体化。AIやウェブなど、今、若い人たちが多く入っている分野に比べて、ワイヤレス分野は参入障壁が非常に高いことも課題。また、熟練人材は高齢化しており、現場を支える技術継承の困難化が懸念。 ワイヤレス分野の技術トレンド オープン化への対応 従来、基地局を構成する機器は同一メーカーのものを用いる必要があったものを、構成する機器のインターフェースのオープン化により、マルチベンダー化を可能とするオープンRANの取組が進展。 ソフトウェア化・仮想化への対応 今後は、汎用サーバ上でソフトウェアにより基地局機能を実現する仮想化技術としてvRANが主流となることが見込まれている。機能追加、高度化がソフトウェアの変更により容易に可能となる。 AIへの対応 vRANが主流になると計算基盤が基地局に置かれることとなり、その計算基盤をAIにも活用するAI RANの展開が期待されている。ユーザに近い側でAIを活用することで、低遅延な処理を実現することが可能。我が国はvRAN、AI RANの開発で先行。 携帯基地局 ソフトウェアの書換えで更新 アンテナ信号・データ装置 処理装置 コアネットワーク(光・有線) AI RAN 装置の更新は、装置を丸ごと取り替える必要はなく、ソフトウェアの書換えのみで可能 全国の基地局近傍にAI計算基盤を分散配置、低遅延・高レジリエンス・電力分散を実現