第4次中間答申から4年間の社会情勢の変化を分析し、人手不足、インバウンド、エネルギー、災害、サイバーリスクの5項目から2030年代の社会を構想する。
タグ: 社会情勢, DX, 生成AI, インバウンド, エネルギー, 自然災害, サイバーセキュリティ
1.1 第4次中間答申以降の社会情勢の変化と今後の見通し 4 第4次中間答申から4年が経過し、社会情勢に変化が見られる。次期中長期目標の検討に当たっては、このような社会情勢の変化を踏まえ、2030年代の社会を構想することが必要。 人手不足の進展 ・一次産業、建設業及び製造業では就業者数が減少し続けており、人手不足は一層深刻化。 ・我が国の労働力人口は、成長実現・労働参加進展シナリオにおいても2030年をピークに減少し始める見通し。 ・我が国の持続的発展のためにはDXによる効率化・合理化が必要不可欠であり、生成AI等先進技術の活用をより一層推進していくことが求められる。 インバウンドの拡大 ・2023年の訪日外国人旅行者数は2022年の3.8倍に増加、2023年のインバウンド消費は過去最高額を更新。 ・一部の地域ではオーバーツーリズムが社会問題化しており、住民生活に支障。 ・持続可能な観光立国を実現するためにはオーバーツーリズム問題の早期改善が重要。そのためには、高度な翻訳ツールの活用など、DXを通じた観光地・観光産業における業務の効率化・合理化が必要。 エネルギー消費の増大 ・我が国のエネルギー消費量は2005年をピークに減少傾向。 ・他方で、懸念されるのはデータ流通の進展とそれに伴うインターネットトラフィックの大幅な増加。とりわけ、生成AIの学習や推論を行う際には大量の電力を消費すると試算されており、消費電力量が爆発的に増加する懸念。 ・デジタルインフラの省電力化は喫緊の課題であり、オール光ネットワーク等の低消費電力を実現する通信技術は、ネットワーク自体の省電力化に加え、データセンターの分散立地を促進する観点からも重要。 自然災害の激甚化 ・気候変動による災害リスクや大規模地震の切迫性が高まっており、近年、我が国では自然災害が激甚化・頻発化。 ・地球温暖化の進行に伴って、この傾向は今後も続くことが見込まれているほか、今後発生が想定されている首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模地震への備えも重要。 ・自然災害発生時に必要なライフラインを確保するための非地上系ネットワークの導入や、被害状況等を早期に把握するためのリモートセンシング技術の高度化も重要。 サイバー空間上のリスクの増大 ・近年、インターネット上の偽・誤情報拡散の問題が拡大。特に、生成AIの普及に伴い、真実か偽・誤情報かを見分けるのが困難な“ディープフェイク”が流通・拡充。 ・近年、サイバー空間への依存度が増大する一方、Living off the land手法やゼロデイ脆弱性の悪用による国家を背景とした高度なサイバー攻撃、社会経済活動への深刻な被害を引き起こすサプライチェーン攻撃や大規模なDDoS攻撃、ランサムウェア攻撃等が立て続けに発生。一組織のセキュリティ対策でこれらに対応することは限界に。 ・生成AI等の先進技術をディープフェイクの判定やサイバー攻撃の検知・防御等に活用することで、サイバー空間上のリスク低減を図っていくことが重要。