経済の好循環に向け、実質賃金向上に加え、消費マインドの改善と「消費の質」の向上を通じた消費活性化の必要性を提言している。
タグ: 消費活性化, 経済成長, 実質賃金, 消費マインド, 消費の質, デジタル化, AIエージェント
好循環のミッシングピースである消費活性化 【課題認識】 ● 日本の実質GDP成長は、かつては家計消費が牽引してきたが、家計消費の陰りとともにGDP成長も低迷しており、マクロ経済の好循環において「消費活性化」はミッシングピース。実質賃金向上に加え消費需要創出政策の検討が必要。 【「消費の量」に関する現状】 ● 足下、需給ギャップのプラスが継続しており、供給不足の状況にあるが、供給制約を解消した先の持続的な経済成長を見据えれば、消費活性化は引き続き重要な政策課題。 ● 可処分所得が増える中で、貯蓄額が増加していることから、実質賃金向上といった可処分所得の増加施策だけでなく、将来不安の軽減や消費需要の喚起といった消費マインドを変化させる政策の検討が必要。 ● お金を払ってでも消費したいという有償な消費を生むため、「消費の量」だけでなく、「消費の質」の観点からも検討。 【「消費の質」に関する現状】 ● 「消費の質」の向上に関しては、アテンションエコノミー等による”消費における個人の意思の希薄化といった負の側面”を軽減する質の向上と、”新しい価値を創造するといった正の側面”を醸成する二つの側面が存在すると考えられる。 ● 負の側面:情報接触段階においてデジタル化が進展し、広告・SNS等の影響も増加。結果として、自身に最適化された購買が容易となる一方、過度な影響を受ける中で、自身の消費に対しても自身の感情・意思が希薄化し、周囲の評価によって価値が形成され、消費の幅が規定される結果として、消費の質が低下してしまうリスク。 ● 今後、AIエージェントを介した消費が普及すれば、探索時間から解放され、純粋な体験に集中することができる一方、個人の意思がさらに希薄化してしまうリスクが存在。AI・デジタルを最大限導入・活用しつつ、こうしたリスクを軽減し、自身が本来欲しかった財・サービスを購入できる消費のエコシステムの形成が必要。 ● 正の側面:消費は主要な経済活動であることから、社会や個人の課題の解決と消費を戦略的に連動させることで、「課題解決としての消費」として新しい価値を生み出し、社会と個人の双方がwin-winとなるためのメカニズムの検討が必要。 ● これらの双方の側面での「消費の質」の向上によって、質の高い消費が消費者の満足度を高めることで次の消費を生み、「消費の量」も増える好循環の形成を目指すべき。 33