地方を起点にAI(AX)を活用し、人手不足が深刻なエッセンシャルサービス産業の生産性向上と構造転換を目指す政策提言。
タグ: AX, 産業構造転換, エッセンシャルサービス, 少子高齢化, 生産性向上, 地方創生
5. 地方を出発点としたAXによる産業構造・就業構造転換 【課題認識】 ● 我が国の少子高齢化に伴う問題は地方で先鋭化しているが、今後は大都市圏で高齢化が進み深刻化。少子高齢化は、人口減少による市場縮小のみならず、生産年齢人口の相対的な減少による構造的人手不足をもたらす(人口減少≠少子高齢化)。人手不足の問題は、労働集約的なエッセンシャルサービス(ES)を中心とした地域循環型のサービス産業で特に先鋭化。 ● 加えて、長引くデフレ経済下で、サービス業の生産性は他国に比して低く、事業主体も中堅・中小が太宗のためデジタル化等の投資による生産性向上も不十分な状況。 ● AIの本格導入によって、従来の産業構造・就業構造全体が変容していく中、ESの現場現場の仕事はAIで補完し生産性を大きく向上する(ライトブルーカラー/アドバンスト・エッセンシャルサービス)。我が国は、構造的人手不足のため生産性向上による雇用問題は起こりにくい、中小・中堅企業のデジタル化が進展していないため、AIによるリープフロッグが可能といった勝機を持っている。 ● 世界でもブルーカラービリオネアの出現がトレンド化する中、地方をAXの出発点として、AIをコアとした全国的な産業構造転換・就業構造転換を実現し、①フィジカルAIを中心としたAXの世界最先端の社会実装の実現、②構造的人手不足に苦しむESの持続性向上、③長引く低生産性・低賃金構造にあったサービス業改革、④世界をリードする技術・ビジネスの創出や地場産業の付加価値向上に向けた産業クラスターの形成、⑤AXによる中堅・中小企業の生産性向上、⑥結果としてのマクロ全体での生産性向上・賃上げの実現を同時に達成する。 ● また、こうしたES事業の担い手は、①政府・自治体といった公的主体が供給するもの(「公共財」)の他、②市場ベースで民間企業が供給するものも存在。公的主体が供給する領域を拡大するという考え方もあり得るが、財政的・人的・技術的制約により限界。このため、市場ベースでの民間主体によるES供給を持続可能とする新たな組織体の形成も促進する必要。 【政策の方向性】 ● アドバンスト・エッセンシャルサービスを創出すべく、ESを中心としたサービス業に向けてフィジカルAIを展開していくべきではないか。 ● 人手不足業種・戦略分野への労働移動・人材確保の促進(再掲) ● 産業用地・インフラ・エネルギーの確保(地域毎の産業クラスターの形成等)(再掲) ● 地方の中堅・中小企業のAXを加速させる新しい形の中小企業政策の展開を図っていくべきではないか。 ● ESのさらなる持続性・生産性向上に資する投資促進、ES事業の担い手となる新たな組織体の形成促進に向けた検討をすべきではないか。 65