日本は技術革新の国際環境において、ELSIを重視し、技術の戦略的活用と社会合意形成を両立させる「価値主導型イノベーション・ガバナンス」を目指すべきである。
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日本の立ち位置とイノベーション・ガバナンスの方向性 今後の技術革新は、企業主導のテクノリバタリアン的な動きと、安全保障と結びついた国家主導のアプローチが併存しながら進展すると見込まれる。これらはイノベーションを加速させる可能性を持つ一方で、倫理・格差・多様性といった公共価値が置き去りにされる危険性も孕む。こうした国際環境の中で、日本はどのような立ち位置を取るべきか。 イノベーション・ガバナンスの方向性(仮説) ELSI(倫理・法・社会)に関する社会合意形成を進め、技術の戦略的活用と国際的ルール形成を通じて公共的価値を最大化しつつ市場を創出する、“価値主導型イノベーション”の推進が我が国のとるべき方向性ではないか。 テクノリバタリアン型 市場と技術の自由を最優先。イノベーション加速と同時に、格差・倫理・社会分断を拡大。“責任あるイノベーション”の欠落する可能性。 国家主導型 国家が軍事・治安対策のために技術開発を強力に推進。効率性は高いが、自由と創造性を抑制し、“社会的価値”が置き去りとなるか。 事前規制型 技術の開発・実装に先立ち、厳格な規制を導入。安全性と倫理は確保される一方で、イノベーションを抑制する可能性。 我が国が目指すべき方向性=価値主導型イノベーション・ガバナンス 社会的合意に基づき、技術を人間中心・社会共生型に方向づける。 -ELSI(倫理・法・社会)の検討と社会受容・ルール形成 -公共分野での技術の戦略的活用と価値最大化のための未来社会のデザイン 156